説明

ナノ構造有機太陽電池

パターン付きp−n接合部を形成する少なくとも1層の電子アクセプタ層および少なくとも1層の電子ドナー層を有する太陽電池が記載される。電子アクセプタ層は、テンプレートと電極層の間にある成形可能N型材料をパターニングして、その成形可能N型材料を固化することによって形成されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ナノ・ファブリケーションは、100ナノメートル以下程度のフィーチャを有する非常に小さな構造の製作を含む。ナノ・ファブリケーションがかなり大きな影響を及ぼしてきた一適用分野に、集積回路加工分野がある。半導体加工産業は、基板上に形成される単位面積当たりの回路数を増加させるとともに、より高い製造歩留まりを追求し続けており、したがって、ナノ・ファブリケーションはますます重要になりつつある。ナノ・ファブリケーションは、形成される構造の最小フィーチャ寸法の継続的な低減を可能にすると同時に、より優れたプロセス制御を実現する。ナノ・ファブリケーションが使用されてきた他の開発分野には、生物工学、光技術、機械システムなどがある。
【背景技術】
【0002】
今日使用されている例示的なナノ・ファブリケーション技法は、一般にインプリント・リソグラフィと呼ばれる。例示的なインプリント・リソグラフィ・プロセスは、その全てがここに参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2004/0065976号、米国特許出願公開第2004/0065252号、および米国特許第6,936,194号など、多数の公報に詳細に記載されている。
【0003】
前述の米国特許出願公開および米国特許のそれぞれに開示されているインプリント・リソグラフィ技法は、(重合可能な)成形可能層内にレリーフ・パターンを形成すること、およびそのレリーフ・パターンに対応するパターンを下にある基板内に転写することを含む。基板は、所望の位置決めを達成してパターニング・プロセスを容易にするために、移動ステージに結合されてよい。このパターニング・プロセスは、基板から離隔されたテンプレート、およびテンプレートと基板の間に施与される成形可能液体を使用する。この成形可能液体が固化されると、成形可能液体に接触するテンプレートの表面の形状に共形のパターンを有する剛性層が形成する。固化後、テンプレートと基板が離隔されるように、テンプレートが剛性層から引き離される。次いで、基板および固化層が、固化層内のパターンに対応するレリーフ像を基板内に転写するための更なるプロセスにかけられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0065976号、
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0065252号、
【特許文献3】米国特許第6,936,194号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】M. Jacoby, 「Tapping the Sun: Basic chemistry drives development of new low-cost solar cells」, Chemical & Engineering News, 2007年8月27日,85巻,35号,16〜22頁
【非特許文献2】I. Gur等,「Hybrid Solar Cells with Prescribed Nanoscale Morphologies Based on Hyperbranched Semiconductor Nanocrystals」,Nano Lett., 7(2), 409〜414,2007
【非特許文献3】G. W. Crabtree等, 「Soar Energy Conversion」, Physics Today, 2007年3月, 37〜42頁
【非特許文献4】A. J. Nozik, 「Exciton Multiplication and Relaxation Dynamics in Quantum Dots: Applications to Ultrahigh-Efficiency Solar Photon Conversion」, Inorg. Chem., 2005, 44, 6893〜6899頁
【非特許文献5】M. Law等, 「Nanowire dye-sensitized solar cells」, Nature Materials, 4, 455, 2005
【0006】
本発明をより詳細に理解することができるように、本発明の諸実施形態の説明を、添付の図面に示す実施形態を参照して行う。しかし、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがってその範囲を限定するものと見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態によるリソグラフィ・システムの簡略側面図である。
【0008】
【図2】図1に示す、パターン付き層が上に配置された基板の簡略側面図である。
【0009】
【図3】一例示的太陽電池設計の簡略側面図である。
【0010】
【図4】別の例示的太陽電池設計の簡略側面図である。
【0011】
【図5A】パターン付きp−n接合部を有する一例示的太陽電池設計の簡略側面図である。
【図5B】パターン付きp−n接合部を有する別の例示的太陽電池設計の簡略側面図である。
【0012】
【図6】一例示的P−Nスタック設計の断面図である。
【0013】
【図7】別の例示的P−Nスタック設計の断面図である。
【0014】
【図8A】多段構造およびテーパ構造を有する、別の例示的太陽電池設計の簡略側面図である。
【図8B】図8Aに示すテーパ構造の拡大図である。
【0015】
【図9A】複数の層を有する一例示的P−Nスタック設計の簡略側面図である。
【0016】
【図9B】図9Aに示すP−Nスタック設計を上から見た図である。
【0017】
【図10】複数の層を有する太陽電池を形成する一例示的方法を示す図である。
【図11】複数の層を有する太陽電池を形成する一例示的方法を示す図である。
【図12】複数の層を有する太陽電池を形成する一例示的方法を示す図である。
【図13】複数の層を有する太陽電池を形成する一例示的方法を示す図である。
【図14】複数の層を有する太陽電池を形成する一例示的方法を示す図である。
【図15】複数の層を有する太陽電池を形成する一例示的方法を示す図である。
【図16】複数の層を有する太陽電池を形成する一例示的方法を示す図である。
【0018】
【図17】複数の層を有する太陽電池を形成する別の例示的方法を示す図である。
【図18】複数の層を有する太陽電池を形成する別の例示的方法を示す図である。
【図19】複数の層を有する太陽電池を形成する別の例示的方法を示す図である。
【図20】複数の層を有する太陽電池を形成する別の例示的方法を示す図である。
【図21】複数の層を有する太陽電池を形成する別の例示的方法を示す図である。
【0019】
【図22】N型層を多層基板から形成する例の簡略側面図である。
【図23】N型層を多層基板から形成する例の簡略側面図である。
【図24】N型層を多層基板から形成する例の簡略側面図である。
【図25】N型層を多層基板から形成する例の簡略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図を参照し、特に図1を参照すると、図1には、基板12上にレリーフ・パターンを形成するために使用されるリソグラフィ・システム10が示されている。基板12は、基板チャック14に結合されてよい。図示のように、基板チャック14は真空チャックである。しかし、基板チャック14は、真空、ピン型、溝型、静電、電磁、および/または同様のものを含むがそれらに限定されないどんなチャックでもよい。例示的なチャックが、ここに参照により組み込まれる米国特許第6,873,087号に記載されている。
【0021】
基板12および基板チャック14はさらに、ステージ16によって支持されてよい。ステージ16は、x、y、およびz軸に沿った移動を可能にすることができる。ステージ16、基板12、および基板チャック14は、基台(図示せず)上に配置されてもよい。
【0022】
テンプレート18が、基板12から離隔されている。テンプレート18は、テンプレート18から基板12に向かって延びるメサ20を含むことができ、メサ20は上にパターニング面22を有する。さらに、メサ20をモールド20と呼ぶこともできる。あるいは、テンプレート18をメサ20なしで形成することもできる。
【0023】
テンプレート18および/またはモールド20は、溶融シリカ、石英、シリコン、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸ガラス、フルオロカーボンポリマー、金属、硬化サファイア、および/または同様のものを含むがそれらに限定されないような材料から形成されてよい。図示のように、パターニング面22は、複数の離隔された凹部24および/または凸部26によって画定されるフィーチャを備えるが、本発明の諸実施形態はそのような形状に限定されない。パターニング面22は、基板12上に形成すべきパターンの基礎をなす、どんなオリジナルのパターンも画定することができる。
【0024】
テンプレート18は、チャック28に結合されてよい。チャック28は、それらに限定されないが、真空、ピン型、溝型、静電、電磁、および/または他の類似のチャック・タイプとして構成されてよい。例示的なチャックが、ここに参照により組み込まれる米国特許第6,873,087号にさらに詳しく記載されている。さらに、チャック28をインプリント・ヘッド30に結合して、テンプレート18の移動を容易にするようにチャック28および/またはインプリント・ヘッド30を構成できるようにすることができる。
【0025】
システム10はさらに、流体供給システム32を備えることができる。流体供給システム32は、基板12上に重合可能材料34を堆積させるために使用されてよい。重合可能材料34は、液滴供給(drop dispense)、スピン・コーティング、浸漬コーティング、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、薄膜堆積、厚膜堆積、および/または同様のものなどの技法を使用して基板12上に配置されてよい。重合可能材料34は、設計上の考慮事項に応じて、モールド20と基板12の間に所望の容積が画定される前および/または画定された後に、基板12上に配設されてよい。重合可能材料34は、その全てがここに参照により組み込まれる、米国特許第7,157,036号および米国特許出願公開第2005/0187339号に記載のモノマー混合物を含むことができる。
【0026】
図1および2を参照すると、システム10はさらに、エネルギー40を経路42に沿って向けるように結合されたエネルギー供給源38を備えることができる。インプリント・ヘッド30およびステージ16は、テンプレート18および基板12を経路42と重ね合わせて位置決めするように構成されてよい。システム10は、ステージ16、インプリント・ヘッド30、流体供給システム32、および/または供給源38と通信するプロセッサ54によって調節されてよく、メモリ56内に記憶されたコンピュータ読取可能プログラムで動作することができる。
【0027】
インプリント・ヘッド30、ステージ16の一方または両方が、モールド20と基板12の間の距離を変化させて、重合可能材料34で充填される所望の容積をそれらの間に画定する。例えば、インプリント・ヘッド30は、モールド20が重合可能材料34に接触するように、テンプレート18に対して力を加えることができる。所望の容積が重合可能材料34で充填された後、供給源38がエネルギー40、例えば紫外線放射を発生させ、それにより重合可能材料34を、基板12の表面44およびパターニング面22の形状に共形になるように固化および/または架橋して、基板12上にパターン付き層46を画定する。パターン付き層46は、残留層48、ならびに凸部50および凹部52として示す複数のフィーチャを備えることができ、凸部50は厚さt1を有し、残留層は厚さt2を有する。重合可能材料34の固化および/または架橋は、荷電粒子への暴露、温度変化、蒸着、および/または他の類似の方法を含むがそれらに限定されない、他の方法を通じてもよいことに留意されたい。
【0028】
上述のシステムおよびプロセスはさらに、そのそれぞれがここに参照により組み込まれる、米国特許第6,932,934号、米国特許出願公開第2004/0124566号、米国特許出願公開第2004/0188381号、および米国特許出願公開第2004/0211754号の中で言及されているインプリント・リソグラフィのプロセスおよびシステムにおいて使用されてよい。
【0029】
有機太陽電池
低コストのナノ・パターニングが利用できると、有機光起電力材料の効率を大幅に向上させる有機太陽電池設計が可能になり得る。ナノ構造材料を手頃なコストで製造することができると、次世代太陽電池の効率が大幅に向上し得ることを、いくつかの情報源が示している。その全てがここに参照により組み込まれる、M.Jacoby、「Tapping the Sun:Basic chemistry drives development of new low−cost solar cells」、Chemical&Engineering News、2007年8月27日、第85巻、第35号、16〜22ページ;I.Gur等、「Hybrid Solar Cells with Prescribed Nanoscale Morphologies Based on Hyperbranched Semiconductor Nanocrystals」、Nano Lett.、7(2)、409〜414、2007;G.W.Crabtree等、「Solar Energy Conversion」、Physics Today、2007年3月、37〜42ページ;A.J.Nozik、「Exciton Multiplication and Relaxation Dynamics in Quantum Dots:Applications to Ultrahigh−Efficiency Solar Photon Conversion」、Inorg.Chem.、2005、44、6893〜6899ページ;およびM.Law等、「Nanowire dye−sensitized solar cells」、Nature Materials、4、455、2005を参照されたい。
【0030】
有機含有非Siベースの太陽電池は一般に、有機太陽電池と無機/有機ハイブリッド電池の2種類に分けられてよい。有機太陽電池では、N型材料は、それらに限定されないが、有機修飾フラーレン、ナノ結晶(例えばTiO2、ZnO)上に被覆した有機光捕獲色素(photo harvested dye)、および/または同様のものを含むことができる。例えば、有機修飾フラーレンからN型材料を形成する場合、太陽電池は、共役ポリマーから形成されたP型材料を使用するドナー−アクセプタ・メカニズムによって構成されてよい。有機光捕獲色素からN型材料を形成する場合、色素増感ナノ結晶(例えばTiO2、ZnO、TiO2オーバーコートZnO(TiO2 overcoat ZnO))を液体電解質と共に使用して、太陽電池(グレッツェル太陽電池とも呼ばれる)を形成することができる。
【0031】
無機/有機ハイブリッド電池では、P型材料を有機共役ポリマーから形成することができ、N型材料を、TiO2、CdSe、CdTe、および他の類似の半導体材料を含むがそれらに限定されない無機材料から形成することができる。
【0032】
図3は、有機光起電力(PV)材料を有する一例示的太陽電池設計60の簡略図である。一般に、太陽電池60は、第1の電極層62、電子アクセプタ層64、電子ドナー層66、および第2の電極層68を含むことができる。太陽電池設計60は、電子ドナー層66とそれに隣接する電子アクセプタ層64によって形成されるP−N接合部70を含むことができる。
【0033】
図4は、別の例示的太陽電池設計60aを示す。この太陽電池設計60aは、第1の電極層62a、混合PV層65a、および第2の電極層68aを含むことができる。この設計の構成要素は、ここに参照により組み込まれる、I.Gur等、「Hybrid Solar Cells with Prescribed Nanoscale Morphologies Based on Hyperbranched Semiconductor Nanocrystals」、Nano Lett.、7(2)、409〜414、2007の中でさらに詳しく説明され得る。
【0034】
太陽電池設計60aの第1の電極層62aおよび第2の電極層68aは、太陽電池設計60の第1の電極層62および第2の電極層68に設計面で類似していてよい。混合PV層65aは、N型無機ナノ粒子と混合したPV材料から形成されてよい。
【0035】
別の例示的太陽電池設計は、色素増感ZnOナノワイヤの使用を組み込むことができる。この設計は、M.Law等、「Nanowire dye−sensitized solar cells」、Nature Materials、4、455、2005にさらに詳しく記載されており、それは一般にグレッツェル電池に基づくものであり、グレッツェル電池は、B.O’Regan等、「A low−cost,high−efficiency solar cell based on dye−sensitized colloidal TiO2 films」、Nature 353、737〜740(1991)にさらに詳しく記載されている。そのどちらもここに、参照により組み込まれる。
【0036】
太陽電池の最適および準最適設計
入射光子によってPV材料内で形成される励起子(電子/正孔対)は、拡散長Lを有することができる。例えば、励起子は、約5〜30nmの拡散長Lを有することができる。図3を参照すると、電子アクセプタ層64をパターニングしてパターン付きP−N接合部70を形成することができ、その場合、このパターン付き構造が拡散長Lに近づいて、励起子捕獲効率の向上がもたらされる。例えば、図3の設計を、捕獲効率を高めるために図5Aおよび/または5Bに示す設計に適合させることができる。
【0037】
図5Aおよび5Bは、パターン付きp−n接合部70aを有する例示的太陽電池60bおよび60cの簡略図である。一般に、パターン付きp−n接合部70aは、図5Aでは電子アクセプタ層64bと電子ドナー層66bの間、図5Bでは電子アクセプタ層64cと電子ドナー層66cの間に形成される。図5Aおよび5Bは類似のフィーチャを含んでおり、図5Aには第1の電極層62bに隣接して電子ドナー層66bがあり、図5Bには、第1の電極層62cに隣接して電子ドナー層66cがある。図を簡単にするために、以下では、図5Aの太陽電池60bについて説明するが、太陽電池60cとの類似点および相違点を当業者なら理解されよう。
【0038】
図5Aを参照すると、太陽電池60bを形成するには、第2の電極層68bの上に電子ドナー層66bをインプリントすることができる。次いで、電子ドナー層66bの上に電子アクセプタ層64bをインプリントすることができる。あるいは、太陽電池60bの形成は、第1の電極層62b上に電子アクセプタ層64bをインプリントすること、および電子アクセプタ層64b上に電子ドナー層66bを堆積させることを含んでもよい。例示的なインプリント・プロセスが、その全てがここに参照により組み込まれる、I.McMackin等、「Patterned Wafer Defect Density Analysis of Step and Flash Imprint Lithography」、査読中、Journal of Vacuum Science and Technology B:Microelectronics and Nanostructures;S.Y.Chou等、「Nanoimprint Lithography」、J.Vac.Sci.Technol.B 14(6)、1996;H.Tan等、「Roller nanoimprint lithography」、J.Vac.Sci.Technol.B 16(6)、1998;B.D.Gates等、「New Approaches to Nanofabrication:Molding,Printing,and Other Techniques」、Chem.Rev.、105、2005;S.Y.Chou等、「Lithographically induced self−assembly of periodic polymer micropiliar arrays」、J.Vac.Sci.Technol.B、17(6)、1999;S.Y.Chou等、「Ultrafast and direct imprint of nanostructures in silicon」、Nature、417、2002;K.H.Hsu等、「Electrochemical Nanoimprinting with Solid−State Superionic Stamps」、Nano Lett.、7(2)、2007;およびW.Srituravanich等、「Plasmonic Nanolithography」、Nano Lett.、4(6)、2004にさらに詳しく記載されている。
【0039】
第1の電極層62bおよび第2の電極層68bは、一般に導電性であり、酸化インジウムスズ、アルミニウムなどを含むがそれらに限定されない材料から形成されてよい。第1の電極層62bの少なくとも一部分が、実質的に透明でよい。さらに、第1の電極層62bは、金属グリッドとして形成されてもよい。金属グリッドは、太陽電池60bのエネルギー(例えば太陽)にさらされる総面積を増大させることができる。金属は、K.H.Hsu等、「Electrochemical Nanoimprinting with Solid−State Superionic Stamps」、Nano Lett.、7(2)、2007に記載されているようなプロセスを使用して直接パターニングされてよい。
【0040】
電子アクセプタ層64bは、フラーレン誘導体などを含むがそれらに限定されないN型材料から形成されてよい。フラーレンは、電解重合するためにチオフェンなどの官能基を結合するように有機修飾されてよい。さらに、フラーレンは、アクリレート、メタクリレート、チオール、ビニル、およびエポキシを含むがそれらに限定されない、UVおよび/または熱にさらされるとすぐに架橋することのできる官能基を結合するように修飾されてもよい。さらに、フラーレン誘導体は、少量の架橋性結合剤を添加することによってインプリントされてもよい。
【0041】
電子ドナー層66bは、ポリチオフェン誘導体(例えばポリ3−ヘキシルチオフェン)、ポリフェニレンビニレン誘導体(例えばMDMO−PPV)、ポリ−(チオフェン−ピロール−チオフェン−ベンゾチアジアゾール)誘導体などを含むがそれらに限定されないP型材料から形成されてよい。一般に、これらのポリマーの主鎖共役骨格を改変することはできない。しかし、側鎖誘導体は、アクリレート、メタクリレート、チオール、ビニル、およびエポキシを含むがそれらに限定されない、UVおよび/または熱にさらされるとすぐに架橋反応をすることのできる反応性官能基を組み込むように改変されてよい。ここに参照により組み込まれる、K.M.Coakley等、「Conjugated Polymer Photovoltaic Cells」、Chem.Mater.、ACS Publications、2004、16、4533〜4542ページを参照されたい。セレン化カドミウムおよびテルル化カドミウム、TiO2被覆あり、またはなしのZnOナノワイヤなどを含むがそれらに限定されない半導体ナノ結晶を追加すると、PV材料の効率をさらに向上させることができる。
【0042】
フラーレン誘導体およびポリシリコンは、ここに参照により組み込まれる、T.Shimoda等、「Solution−processed silicon films and transistors」、Nature、2006、440、783〜786ページに記載されているように、インク・ジェット技法を使用して堆積されてよい。インク・ジェット技法を使用する堆積は、低コストの非真空堆積を可能にすることができる。ドープしたポリシリコン・タイプの材料をエッチングするには、犠牲レジストおよび反応性イオン・エッチング(RIE)を用いたシリコン・ベースのリソグラフィ・プロセスを使用することができる。さらに、反応性イオン・エッチングを含むシリコン・ベースのリソグラフィ・プロセスは、中間ハード・マスク(例えばSiN)を用いて高アスペクト比のパターン付きピラーの使用を可能にすることもできる。
【0043】
光子の広帯域吸収性を向上させ、かつ約1〜3%の範囲内の効率を与えるために、色素を追加することもできる。ここに参照により組み込まれる、M.Jacoby、「Tapping the Sun:Basic chemistry drives development of new low−cost solar cells」、Chemical&Engineering News、2007年8月27日、第85巻、第35号、16〜22ページを参照されたい。
【0044】
電子ドナー層66bは、厚さtPVを有してよい。例えば、電子ドナー層66bの厚さtPVは、約100〜500nmでよい。電子アクセプタ層64bは、長さpを有する1つまたは複数のピラー72を有するようにパターニングされてよい。図5Aは、複数のピラー72を有する電子アクセプタ層64bを示す。ピラー72は、断面正方形、断面円形、断面長方形、または他の任意の奇想を凝らした形状を有することができる。例えば、図6は正方形を有するピラー72の断面図であり、図7は円形を有するピラー72の断面図である。隣接するピラー72同士が、1つまたは複数の、それぞれが長さsを有する凹部74を形成することができる。
【0045】
図5Aおよび6を参照すると、電子ドナー層66b内での容積の低減は、ピラー72の長さpの値および凹部74の長さsの値の関数となっていてよい。例えば、ピラー72の長さpが凹部74の長さsにほぼ等しい場合、パターン付き電子アクセプタ層64bの電子ドナー層66bとの界面(すなわちパターン付きP−N接合部70a)により、電子ドナー層66bの容積が25%低減され得る。
【0046】
一実施形態では、凹部74に長さs=2Lを設けることができ、またピラー72に長さp<2Lを設けることができ、ただしLは、電子ドナー層66b内で形成される電子の拡散長である。ピラー72の長さpをこのように低減すると、電子ドナー層66bの所与の厚さtPVについて、大きな容積の電子ドナー層66bをもたらすことができる。例えば、L=10nmの場合、s=20nmとなり、p<20nmとなる。厚さtPVが200nmの場合、ピラー72は、20:1のアスペクト比を有することができる。しかし、20:1のアスペクト比は、機械的安定性のため、確実かつ安価に製作するのが困難となる可能性がある。
【0047】
準最適設計を実施することができる。例えば、拡散長Lが約10nmである場合、ピラー72の長さpを約50nmにて設計し、凹部74の長さsを約100nmに設定することができる。厚さtPVが200nmの場合、ピラー72は約4:1のアスペクト比を有することができる。さらに、電子ドナー層66bの喪失容積は、最適設計での25%に比べて約8.7%となり得る。
【0048】
しかし、準最適設計はより低い捕獲効率を有する可能性がある。したがって、準最適設計を、電子ドナー層66b内の混合PV材料で補うことができ、その場合、電子ドナー層66bは、I.Gur等、「Hybrid Solar Cells with Prescribed Nanoscale Morphologies Based on Hyperbranched Semiconductor Nanocrystals」、Nano Lett.、2007、7(2)、407〜414ページ;およびW.U.Huynh等、「CdSe nanocrystal Rods/Poly(3−hexylthiophene) Composite Photovoltaic Devices」、Adv.Mater.、1999、11(11) 923〜927ページに記載されているように、無機ナノ・ロッドと混合した共役ポリマーを含有することができる。例示的な混合材料には、5nm直径のCdSeナノ結晶とMeh−PPvポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニレン)の混合物、および8×13nmの細長いCdSeナノ結晶と位置規則性ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)の混合物があるが、それらに限定されない。そのような混合材料は、上記で論じたパターン付きP−N接合部70aの最適な幾何形状からの逸脱による励起子捕獲の潜在性の喪失を大いに克服することができる。
【0049】
ZnOパターン付きドット
ZnOは、ZnOナノ粒子ではなくドットを使用してパターニングされてよい。パターニングは、ここに参照により組み込まれる、Coakley、「Conjugated Polymer Photovoltaic Cells」、Chem.Mater.、ACS Publication、2004、16、4533〜4542ページにさらに詳しく記載されているZnOナノ粒子に比べて配置および均一性を向上させることができる。例えば、ここに参照により組み込まれる、Zhu、「SiCl4−Based Reactive Ion Etching of ZnO and MgxZn1-xO Films on r−Sapphire Substrates」、J.of Electronic Mater.、2006、35:4にさらに詳しく記載されているように、パターニングを行い、それに反応性イオン・エッチングが続いてよい。反応性イオン・エッチングを使用するパターニングは、サイズ制御に加えて、大幅に正確な配置を可能にすることができる。
【0050】
3次元パターニング
図8Aおよび8Bは、テーパ構造76および/または多段構造78を有する例示的太陽電池設計60dおよび60eを示す。テーパ構造76および/または多段構造78は、高アスペクト比構造の機械的安定性を増大させることができる。そのような構造は、最大の励起子捕獲に関しては準最適となる可能性があるが、(本明細書で論じた)混合材料と共に使用すると、厚いPV被膜を有するより高効率の太陽電池60をもたらすことができる。
【0051】
図8Bに示すように、テーパ構造76の設計は、ほぼ円錐形でよい。一般に、太陽光子の反射は、急な入射角のときに増大され得る。そのことが、光子に電子ドナー層66dの中のより長い経路をたどらせて、光子が吸収される確率を高めることができる。
【0052】
さらに、空気界面のところの材料が、光子を電子ドナー層66bの中に循環させる助けとなることができる。例えば、先に論じたように、空気界面のところの材料は、それらに限定されないが、フラーレン誘導体、ITO、共役ポリマー、およびTiO2を含むことができる。これらの材料はそれぞれ、約1.5(例えばポリマー)から約2を上回る(例えばフラーレン)範囲の高い屈折率を有する。したがって、臨界角を超える傾斜角で空気界面に接近してくる光は、内面反射することができる。第1の電極層62dが金属接点グリッドである場合、そのことが光子を電子ドナー層66dの中に循環し戻す助けとなることができる。
【0053】
2重パターニング
図9Aおよび9Bは、複数の電子アクセプタ層64eおよび64fを有する太陽電池設計60eを示す。各電子アクセプタ層64eおよび64fは、ピラー72を含むことができる。ピラー72は、電子ドナー層66e内に突き出して、電子ドナー層66eと電子アクセプタ層64eおよび64fとの間に複数のパターン付きp−n接合部70aを形成することができる。電子アクセプタ層64eおよび64fは、パッド80によって接続されてよい。パッド80は、N型材料から形成されてよい。さらに、パッド80は、電子アクセプタ層64eおよび/または64fに類似の材料から形成されてもよい。
【0054】
第1の電極層62eが、電子ドナー層66eに隣接してよい。第1の電極層62eは、電子アクセプタ層64eおよび/または64fから分離されてもよい。
【0055】
太陽電池設計60eは、2重パターニング・ステップを使用してパターニングされてよい。2重パターニング・ステップは名目上、パターン付きp−n接合部70aの面積および電子ドナー層66eの厚さtPVを2倍にすることができる。インプリントを使用すると、薄いPV材料被膜(例えば<10nm)が残って、パッド80と下にある電子アクセプタ層64eのピラー72との間の直接接触を防止することができる。この薄いPV材料被膜は、電子アクセプタ層64eと電子アクセプタ層64fの間に導電性を与えるために、さらに低減されてよい(例えば<5nm)。
【0056】
複数の層を利用する太陽電池形成
図10〜16は、太陽電池60gをN型材料およびP型材料の複数の層を利用して形成する例の簡略側面図である。N型材料およびP型材料の複数の層を形成する際に、異なる層を類似材料および/または異なる材料から形成することができる。例えば、当技術分野でよく知られているように、P型材料の吸収域は、太陽スペクトルにわたってさまざまである。したがって、異なるP型材料から形成された層を使用することにより、太陽電池60gは、太陽スペクトルにわたってより広い吸収域の実現を可能にすることができる。例えば、電子ドナー層66gを、約300〜600λ/nmの吸収域を有するP3HTを含む材料から形成することができる。太陽スペクトルにわたってより広い吸収域を実現するために、電子ドナー層66hを、約600〜700λ/nmの吸収域を有するMDMO−PPVを含む材料から形成することができ、その結果、太陽電池60gは、約300〜700λ/nmの吸収域の実現を可能にすることができる。
【0057】
図10を参照すると、第1の電極層62g上に電子アクセプタ層64gを形成することができる。電子アクセプタ層64gは、インプリント・リソグラフィ、フォトリソグラフィ(G線、I線、248nm、193nm、157nm、および13.2〜13.4nmを含むさまざまな波長)、干渉リソグラフィ、コンタクト・リソグラフィ、電子ビーム・リソグラフィ、x線リソグラフィ、イオン・ビーム・リソグラフィ、および原子線リソグラフィを含むがそれらに限定されない技法によって形成されてよい。例えば、電子アクセプタ層64gは、本明細書、ならびにその全てがここに参照により組み込まれる、米国特許第6,932,934号、米国特許出願公開第2004/0124566号、米国特許出願公開第2004/0188381号、および米国特許出願公開第2004/0211722号に記載されているように、インプリント・リソグラフィを使用して形成されてよい。電子アクセプタ層64gをテンプレート18aによってパターニングして、ピラー72gおよび残留層82gを形成することができる。ピラー72gは、ナノメートル規模でよい。ピラー72g相互間にある凹部74gは、拡散長L(例えば5〜10nm)程度でよい。
【0058】
図11を参照すると、電子アクセプタ層64gのピラー72gを覆って電子ドナー層66gを配置することができる。これは、スピン・オン技法、接触平坦化などを含むがそれらに限定されない方法によって達成されてよい。
【0059】
図12を参照すると、ブランケット・エッチを使用して、電子ドナー層66gの一部分を除去することができる。ブランケット・エッチは、湿式エッチまたは乾式エッチでよい。別の実施形態では、化学的機械的研磨/平坦化を使用して、電子ドナー層66gの一部分を除去することができる。電子ドナー層66gの一部分を除去すると、頂上面86aをもたらすことができる。頂上面86aは全体として、各ピラー72gの少なくとも一部分の表面88および電子ドナー層66gの少なくとも一部分の表面90を備える。
【0060】
図13を参照すると、第2の電子アクセプタ層64hを形成することができる。第2の電子アクセプタ層64hをパターニングして、凹部74hを形成するピラー72hおよび残留層82hを得ることができる。ピラー72hおよび凹部74hは、上記で論じたように、拡散長L、すなわち5〜10nm程度でよい。
【0061】
第2の電子アクセプタ層64hは、上記で論じたように、インプリント・リソグラフィまたは他の方法を使用して、テンプレート18bによって形成されてよい。テンプレート18bは、パターニング領域95および凹領域93を含むことができ、パターニング領域95が凹領域93を取り囲んでいる。テンプレート18bの凹領域93により、第2の電子アクセプタ層64hを非連続とすることができる。例えば、第2の電子アクセプタ層64hは、ここに参照により組み込まれる米国特許出願公開第2005/0061773号にさらに詳しく記載されているように、第2の電子アクセプタ層64h、テンプレート18b、および/または電子アクセプタ層64gの材料のうちいずれかの間の毛管力の結果、凹領域93と重なり合うことができない。一般に、第2の電子アクセプタ層64hの非連続部分は、N型材料のマトリックスの欠如により、電子捕獲のわずかな減少を招く可能性がある。電子アクセプタ層64gも、設計上の考慮事項に応じて非連続に形成することができる。
【0062】
図14を参照すると、ピラー72hを覆って第2の電子ドナー層66hを配置することができる。第2の電子ドナー層66hは、第1の電子ドナー層66gに関して上述した技法のいずれかを使用して形成されてよい。
【0063】
図15を参照すると、ブランケット・エッチを使用して、第2の電子ドナー層66hの一部分を除去し、それにより頂上面86bをもたらすことができる。頂上面86bは、各ピラー72hの表面88bの少なくとも一部分、および第2の電子ドナー層66hの表面88bの少なくとも一部分によって画定される。ブランケット・エッチは、湿式エッチまたは乾式エッチでよい。別の実施形態では、化学的機械的研磨/平坦化を使用して、第2の電子ドナー層66hの少なくとも一部分を除去し、それにより頂上面86bをもたらすことができる。第2の電子アクセプタ層64hおよび電子アクセプタ層64gは、電極層62gと電気的に連通することができる。さらに、第2の電子ドナー層66hは、電子ドナー層66gと電気的に連通することができ、どちらも電極96と電気的に連通することができる。
【0064】
太陽電池60gは、追加の電子ドナー層および電子アクセプタ層を形成するために、上述したのとほぼ同じプロセスにかけられてよい。例えば、図16には3層の電子アクセプタ層64g〜iおよび3層の電子ドナー層66g〜iが示されているが、当業者には、設計上の考慮事項に応じて任意数の層を形成できることを理解されたい。
【0065】
図17〜21は、別の太陽電池60jを複数の層を利用して形成する例の簡略側面図である。
【0066】
図17を参照すると、電極層62j上に電子アクセプタ層64jをパターニングすることができる。電子アクセプタ層64jは、ピラー72jおよび残留層82jを備えることができる。ピラー72jおよび残留層82jは、凹部74jを形成することができる。凹部74jの長さsは、上記で詳細に説明したように、拡散長L、すなわち5〜10nm程度でよい。電子アクセプタ層64jは、図10〜16に関して上記で詳細に説明した電子アクセプタ層64gとほぼ同じものでよく、ほぼ同じように形成されてよい。
【0067】
図18を参照すると、化学気相成長(CVD)技法、物理気相成長(PVD)技法、スピン・コーティング技法、および液滴供給技法を含むがそれらに限定されない技法によって、電子アクセプタ層64jの少なくとも一部分を覆って電子ドナー層66jを配置することができる。電子ドナー層66jは、パターニング領域93および凹領域95を有するテンプレート18cによってパターニングされてよい。例えば、テンプレート18cの凹領域95はミクロン規模でよい。インプリント中、テンプレート18cのパターニング領域93および凹領域95が、電子ドナー層66jの第1の領域83および第2の領域85を、上述のように、電子ドナー層66j、テンプレート18c、電極層62j、および/または電子アクセプタ層64jの間の毛管力から形成することができる。したがって、ピラー72jの表面79の少なくとも一部分を露出して、無充填領域77を画定することができる。
【0068】
図19を参照すると、電子ドナー層66j上に第2の電子アクセプタ層64kを配置することができる。第2の電子アクセプタ層64kをパターニングして、ピラー72kおよび残留層82kを得ることができる。第2の電子アクセプタ層64kは、上述の電子アクセプタ層64jとほぼ同じものでよく、ほぼ同じように形成されてよい。
【0069】
第2の電子アクセプタ層64kの残留層82kと電子アクセプタ層64jの残留層82jとの間の間隔は、拡散長L、すなわち5〜10nm程度でよい。さらに、第2の電子アクセプタ層64kは、無充填領域77内に配置されてよい。その結果、第2の電子アクセプタ層64kを電子層64jに結合して、どちらも電極層62jと電気的に連通することができる。
【0070】
図20を参照すると、ピラー72kを覆って第2の電子ドナー層66kを配置することができる。第2の電子ドナー層66kは、上記で詳細に説明した電子ドナー層66jと類似していてよく、ほぼ同じように形成されてよい。さらに、第2の電子ドナー層66kは電子ドナー層66jと電気的に連通して、どちらも電極96bと電気的に連通することができる。
【0071】
太陽電池60jは、追加の電子ドナー層および電子アクセプタ層を形成するために、上述したのとほぼ同じプロセスにかけられてよい。例えば、図21には3層のアクセプタ層64j〜lおよび3層の電子ドナー層66j〜lが示されているが、当業者には、設計上の考慮事項に応じて任意数の層を形成できることを理解されたい。
【0072】
パターニングとそれに続き活性材料の薄い共形被覆を利用する太陽電池設計
図22〜25は、電子アクセプタ層64mを多層基板100から形成する例の簡略側面図である。一般に、多層基板100は、基板層104、電極層106、および接着剤層108から形成されてよい。パターン付き層46aを、主凹部24aおよび副凹部24bを有するテンプレート18dによって形成することができる。主凹部24aは、パターン付き層46aに、凸部50aおよび凹部52bを含むフィーチャを形成するのを助ける。副凹部24bは、電子アクセプタ層64mに1つまたは複数のギャップ102を形成するのを助ける。パターン付き層46a上に共形被覆110を堆積させることができ、共形被覆110と電極層106の間の電荷の移動を容易にするようにギャップ102を分配することができる。
【0073】
図22に示すように、多層基板100は、基板層104、電極層106、および接着剤層108から形成されてよい。基板層104は、プラスチック、溶融シリカ、石英、シリコン、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸ガラス、フルオロカーボンポリマー、金属、硬化サファイア、および/または同様のものを含むがそれらに限定されない材料から形成されてよい。基板層104は、厚さt3を有することができる。例えば、基板層104は、約10μm〜10mmの厚さt3を有することができる。
【0074】
電極層106は、アルミニウム、酸化インジウムスズなどを含むがそれらに限定されない材料から形成されてよい。電極層106は、厚さt4を有することができる。例えば、電極層106は、約1〜100μmの厚さt4を有することができる。
【0075】
接着剤層108は、ここに参照により組み込まれる米国特許出願公開第2007/0212494号にさらに詳しく記載されているような接着剤から形成されてよい。接着剤層108は、厚さt5を有することができる。例えば、接着剤層108は、約1〜10nmの厚さt5を有することができる。
【0076】
図23に示すように、パターン付き層46aは、成形可能N型材料を多層基板100の表面44aおよびテンプレート18dの形状に共形になるように固化および/または架橋することによって、テンプレート18dと多層基板100の間に形成されてよい。パターン付き層46aは、残留層48a、ならびに凸部50aおよび凹部52aとして示すフィーチャを備えることができる。凸部50aは厚さt6を有することができ、残留層は厚さt7を有することができる。残留層は、約10nm〜500nmの厚さt7を有することができる。凸部50aの間隔および高さは、ピラー72を形成するのに最適な設計および/または準最適な設計に基づいてよい。例えば、凸部50の厚さt6は、50〜500ナノメートル規模でよく、凸部50aの間隔は、拡散長L(例えば5〜50nm)程度でよい。
【0077】
さらに、パターン付き層46aは、1つまたは複数のギャップ102を有することができる。ギャップ102のサイズおよびギャップ102の数は、ギャップ102が多層基板100の総面積の1〜10%を上回って消費しないようなものでよい。図24に示すように、ギャップ102内の接着剤層108を、酸化ステップによって除去することができる。例えば、ギャップ102内の接着剤層108は、パターン付き層46aの形状およびサイズに対して大きな影響を及ぼさない酸化ステップ(例えばUVオゾンもしくは他のプラズマ法、または硫酸などの酸化湿式法への短い暴露)によって除去されてよい。
【0078】
図25に示すように、パターン付き層46aおよびギャップ102上に共形被覆110を堆積させて、ピラー72を有する電子アクセプタ層64mを形成することができる。共形被覆110は、本明細書で論じたN型材料から形成されてよい。そのようなN型材料(例えばフラーレンC60)は、昇華によって気相成長させられてよい。例えば、そのようなN型材料は、C60粉末を用いて10〜6トルの真空チャンバ内で室温にて物理気相成長することによって堆積されてよい。別の例では、そのようなN型材料(例えばフラーレン)は、商業的に入手可能なフラーレン粉末を装填した電子ビーム蒸着器で堆積されてよい。
【0079】
共形被覆110は、厚さt8を有することができる。例えば、共形被覆110は、約1〜10nmの厚さを有することができる。図示のように、共形被覆110は、ギャップ102によって電極層104と直接連通することができる。
【0080】
次いで、N型共形被覆を、P型材料を用いたインク・ジェットを使用してさらに被覆または堆積できることに留意されたい。P型材料は、本明細書で論じたように、それらに限定されないが、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ−(チオフェン−ピロール−チオフェン−ベンゾチアジアゾール)誘導体などを含むことができる。この後に上部導体の製作が続くと、図5Bの太陽電池に類似の太陽電池をもたらすことができる。
【0081】
ギャップ102相互間の距離、およびギャップ102のサイズは、(先に論じたように)デバイス面積の喪失を最小限に抑えるようにだけでなく、パターン付きP−N界面で励起子が解離することによって形成される荷電粒子が底部電極に向かって移動する距離を最小限に抑えるという相反する要件に対処するようにも選択されてよい。
【符号の説明】
【0082】
10 リソグラフィ・システム; 12 基板; 14 基板チャック;
16 ステージ; 18 テンプレート; 20 モールド;
22 パターニング面; 24 凹部; 26 凸部;
30 インプリント・ヘッド; 32 流体供給システム; 38 供給源;
54 プロセッサ; 56 メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100ナノメートル未満の分解能を有する第1のテンプレートと第1の電極層の間にある成形可能N型材料をパターニングして、前記N型材料を固化することによって形成された第1の電子アクセプタ層であって、複数のピラーおよび複数の凹部を有する第1の電子アクセプタ層と、
前記第1の電子アクセプタ層の少なくとも一部分上に堆積された第1の電子ドナー層であって、前記第1の電子ドナー層および前記第1の電子アクセプタ層が少なくとも1つのパターン付きp−n接合部を形成する、第1の電子ドナー層と
を備える太陽電池。
【請求項2】
前記第1の電子アクセプタ層の少なくとも1つのピラーがテーパ状である、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記テーパ状ピラーがほぼ円錐形である、請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第1の電子アクセプタ層の少なくとも1つのピラーが少なくとも2段から形成される、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第1の電子ドナー層上に形成された第2の電極層をさらに備える、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第2の電極層が金属グリッドである、請求項5に記載の太陽電池。
【請求項7】
第2のテンプレートと前記第1の電子ドナー層の間にある第2の成形可能N型材料をパターニングして、前記第2の成形可能N型材料を固化することによって形成された第2の電子アクセプタ層であって、複数のピラーおよび複数の凹部を有する第2の電子アクセプタ層
をさらに備える、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
第1の電子アクセプタ層を第2の電子アクセプタ層に接続する、第3のN型材料から形成されたパッドをさらに備える、請求項7に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記パッドと前記第1の電子アクセプタ層の間にある光起電力材料層をさらに備える、請求項8に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記パッドと前記第2の電子アクセプタ層の間にある光起電力材料層をさらに備える、請求項9に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記第1の電子ドナー層および第2の電子ドナー層が、前記第1の電極層と電気的に連通する、請求項7に記載の太陽電池。
【請求項12】
前記第2の電子アクセプタ層上に堆積された第2の電子ドナー層をさらに備える、請求項7に記載の太陽電池。
【請求項13】
前記第1の電子ドナー層が、第1の吸収域を有する材料から形成され、前記第2の電子ドナー層が、第2の吸収域を有する材料から形成され、前記第1の吸収域が前記第2の吸収域とは異なる、請求項12に記載の太陽電池。
【請求項14】
前記第1の電子アクセプタ層が、少なくとも1つのギャップを形成するため非連続である、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項15】
前記ギャップ上に前記第1の電極層と電気的に連通するように堆積された共形被覆を第1の電子アクセプタ層が含む、請求項14に記載の太陽電池。
【請求項16】
少なくとも1つのピラーが、励起子の拡散長の約2倍未満の長さによってさらに画定される、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項17】
少なくとも1つのピラーが、励起子の拡散長未満の長さによってさらに画定される、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項18】
前記凹部が前記ピラー間に連続的に点在する、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項19】
第1の電子ドナー層が前記第1の電子アクセプタ層の凹部内に堆積される、請求項18に記載の太陽電池。
【請求項20】
励起子を拡散させるための前記パターン付きp−n接合部が拡散長Lによって画定され、少なくとも1つのピラーが約2L未満の長さによって画定され、少なくとも1つの凹部が約2Lの長さによって画定される、請求項18から19のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項21】
第1の電極層と、
第1のテンプレートと第1の電極層の間にある成形可能N型材料をパターニングして、前記N型材料を固化することによって形成された少なくとも1つの非連続ギャップを有する多層基板であって、複数の凹部とそこに連続的に点在する複数のピラーを有する多層基板、および
前記多層基板上に前記第1の電極層と電気的に連通するように堆積された共形被覆
を備える第1の電子アクセプタ層と、
前記第1の電子アクセプタ層上、および前記第1の電子アクセプタ層内に形成された凹部内に堆積された第1の電子ドナー層であって、堆積されると前記第1の電子ドナー層と前記第1の電子アクセプタ層の間にパターン付きp−n接合部が形成される、第1の電子ドナー層と、
前記第1の電子ドナー層上に堆積された第2の電極層と
を備える太陽電池。
【請求項22】
相互接続されたN型材料とP型材料の間に電気的連通を形成する多層構造であって、
第1の電極層と、
成形可能N型材料から形成された複数の電子アクセプタ層であって、少なくとも1層の電子アクセプタ層が、100ナノメートル未満の分解能を有する第1のテンプレートと前記第1の電極層の間にある前記成形可能N型材料をパターニングして、前記N型材料を固化することによって形成され、前記複数の電子アクセプタ層が複数のピラーおよび複数の凹部を有する、複数の電子アクセプタ層と、
前記複数の電子アクセプタ層が連続的に点在する複数の電子ドナー層であって、各電子ドナー層が太陽スペクトル内の吸収域を有する、複数の電子ドナー層と、
少なくとも1層の電子ドナー層に隣接して配置された第2の電極層と
を備える多層構造。
【請求項23】
少なくとも2層の電子ドナー層が、太陽スペクトル内の異なる吸収域を有する、請求項22に記載の多層構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A−8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2011−505078(P2011−505078A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536009(P2010−536009)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/013176
【国際公開番号】WO2009/070315
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【出願人】(500039463)ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム (115)
【Fターム(参考)】