説明

ナノ活性材料の移動度が抑制された触媒を形成する方法

触媒を形成する方法であって、この方法は、複数の支持粒子と複数の移動度抑制粒子とを提供することであって、複数の支持粒子内の各支持粒子が、各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、ことと、複数の移動度抑制粒子を複数の支持粒子に結合することとを含み、各支持粒子は、移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つによって、複数の支持粒子の他の全部の支持粒子から分離されており、移動度抑制粒子は、触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本願は、2009年12月15日に出願され、表題が「MATERIALS PROCESSING」である米国仮特許出願第61/284,329号に対する優先権を主張し、この米国仮特許出願は、本明細書内に述べられているがごとく、その全体が本明細書により参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、触媒の分野に関する。より詳細には、本発明は、活性触媒粒子の移動度が抑制される触媒を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
触媒は、反応を促進し、加速するために用いられる。いくつかの用途において、小さいスケールの触媒材料、例えば、ナノサイズの触媒粒子を利用することが望ましい。さらに、しばしば、触媒粒子が存在し得る下部構造を提供するために支持構造を使用することも望ましい。
【0004】
図1Aにおいて、触媒100は、複数の支持粒子110a〜dを含み、各支持粒子は、少なくとも1つの対応する触媒粒子120a〜dを有する。図1A〜Cは、4つの支持粒子110のみを示すが、触媒100は、任意数の支持粒子110を含み得ることが企図される。触媒粒子120a〜dは、支持粒子110a〜dの表面上に化学的に吸収され、または結合され得る。しかしながら、触媒粒子120a〜dは、それらの結合された支持粒子110a〜dに恒久的には固定されない。むしろ、触媒粒子は、1つの支持粒子110から別の支持粒子へ移動することが可能である。例えば、図1A〜Bは、触媒粒子120bおよび120cが、それらの支持粒子110bおよび110cから、それぞれ、隣接する支持粒子110aおよび110dへ移動し、その結果、触媒粒子120aおよび120bが支持粒子110a上に配置され、触媒粒子120cおよび120dが支持粒子110d上に配置されることを示す。高温用途において、これらの触媒粒子の動きが強められる。図1Cにおいて理解されるように、触媒粒子120bおよび120cが隣の支持粒子110aおよび110dまで移動すると、触媒粒子120bおよび120cは、その隣の支持粒子上の他の触媒粒子120aおよび120dと合体し始め、結果として、より大きな触媒粒子120abおよび120cdが生じる。
【0005】
触媒の有効性および活性は、支持粒子の表面上の触媒粒子のサイズに直接的に比例することが理解される。触媒粒子がより大きな塊に合体するにつれて、触媒粒子のサイズが増大し、触媒粒子の表面積が減少し、そして触媒の有効性に不利な影響が及ばされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要約)
本発明は、触媒粒子の上記移動を抑制し、触媒粒子の合体を減少させ、それによって、触媒粒子の個々のサイズを最小限にし、触媒粒子の組み合わせた表面積を最大限にする。本発明は、触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するために、支持粒子の間に1つ以上の移動度抑制粒子を提供することによって上記結果を達成する。
【0007】
本発明の1つの局面において、触媒を形成する方法が提供される。方法は、複数の支持粒子と複数の移動度抑制粒子とを提供することを含む。複数の支持粒子内の各支持粒子が、各支持粒子の独自の触媒粒子と結合される。次に、複数の移動度抑制粒子が、複数の支持粒子に結合される。各支持粒子は、移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つによって、複数の支持粒子の他の全部の支持粒子から分離される。移動度抑制粒子は、触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成される。
【0008】
本発明の別の局面において、触媒を形成する方法が提供される。方法は、複数の支持粒子と複数の移動度抑制粒子とを提供することを含む。複数の支持粒子内の各支持粒子が、各支持粒子の独自の触媒粒子と結合される。複数の支持粒子が、分散液体内で分散され、それによって、支持粒子の分散を形成する。複数の移動度抑制粒子が、分散液体内で分散され、それによって、移動度抑制粒子の分散を形成する。支持粒子の分散は、移動度抑制粒子の分散と混合され、それによって、湿式混合物を形成する。湿式混合物が、凍結乾燥され、それによって乾燥した混合物を形成する。次に、乾燥した混合物がか焼され、それによって、複数の支持粒子と複数の移動度抑制粒子とのクラスターを形成する。各支持粒子は、移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つによって、複数の支持粒子の他の全部の支持粒子から分離される。移動度抑制粒子は、触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成される。
【0009】
なお本発明の別の局面において、触媒が提供される。触媒は、複数の支持粒子を含む。複数の支持粒子内の各支持粒子が、各支持粒子の独自の触媒粒子と結合される。触媒はまた、複数の支持粒子に結合される複数の移動度抑制粒子を含む。各支持粒子は、移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つによって、複数の支持粒子の他の全部の支持粒子から分離される。移動度抑制粒子は、触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、触媒の1つの実施形態を例示し、触媒がその触媒粒子の移動および合体の影響を受けやすい。
【図1B】図1Bは、触媒の1つの実施形態を例示し、触媒がその触媒粒子の移動および合体の影響を受けやすい。
【図1C】図1Cは、触媒の1つの実施形態を例示し、触媒がその触媒粒子の移動および合体の影響を受けやすい。
【図2】図2は、本発明の原理に従う触媒を形成する方法の1つの実施形態を例示するフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の原理に従う粒子生成システムの1つの実施形態を例示する。
【図4】図4は、本発明の原理に従う粒子生成システムの別の実施形態を例示する。
【図5A】図5Aは、本発明の原理に従う、複数の支持粒子と、関連する触媒粒子との1つの実施形態を例示する。
【図5B】図5Bは、本発明の原理に従う、複数の移動度抑制粒子の1つの実施形態を例示する。
【図6A】図6Aは、本発明の原理に従う、支持粒子とその関連する触媒粒子との分散の1つの実施形態を例示する。
【図6B】図6Bは、本発明の原理に従う、移動度抑制粒子の分散の1つの実施形態を例示する。
【図7】図7は、本発明の原理に従う、図6Aの支持/触媒粒子の分散と、図6Bの移動度抑制粒子の分散との混合物の1つの実施形態を例示する。
【図8】図8は、本発明の原理に従う、移動度抑制粒子のクラスターの1つの実施形態を例示し、移動度抑制粒子が、支持/触媒粒子の間に結合される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
以下の説明は、当業者が本発明を作り、かつ使用することを可能にするように示され、特許出願およびその要件に照らして提供される。説明される実施形態へのさまざまな改変が、当業者にとって容易に明白であり、本明細書の一般的原理が、他の実施形態に適用され得る。従って、本発明は、示される実施形態に限定されることを意図されず、むしろ本明細書に説明される原理および特徴と矛盾しない最も広い範囲に一致することが意図される。
【0012】
本開示は、粒子および粉末の両方に言及する。これらの2つの用語は、単数の「粉末」が粒子の集まりを指す条件を除いて、同等である。本発明は、幅広い種類の粉末および粒子に適用し得る。本発明の範囲内にある粉末は、以下の任意:(a)250ナノメートルより小さい平均粒度および1と100万との間の縦横比を有するナノ構造の粉末(ナノ粉末);(b)1ミクロンより小さい平均粒度および1と100万との間の縦横比を有するサブミクロン粉末;(c)100ミクロンより小さい平均粒度および1と100万との間の縦横比を有する超微細粉末;および(d)500ミクロンより小さい平均粒度および1と100万との間の縦横比を有する微細粉末を含み得るが、それらに限定されない。
【0013】
図2は、本発明の原理に従って触媒を形成する方法200の1つの実施形態を例示するフローチャートである。
【0014】
ステップ210において、複数の支持粒子および移動度抑制粒子が提供される。好ましくは、各支持粒子が、その独自の別々の触媒粒子と(すなわち、支持粒子と触媒粒子との間に1対1の比率で)結合される。しかしながら、いくつかの支持粒子が、いかなる触媒粒子も有し得ないことが企図される。用語「支持/触媒粒子」は、支持粒子およびそれに結合された触媒粒子を指すために、本開示において使用される。移動度抑制粒子は、触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成される。好ましい実施形態において、移動度抑制粒子は、1つ以上の材料を含み、触媒粒子がその材料へまたはその材料上に移動することを好まなく、それによって触媒粒子の移動度を減少させる。
【0015】
好ましい実施形態において、支持粒子は、触媒粒子とは対照的に、非触媒組成を有する。この点に関して、支持粒子は、理想的には、触媒粒子の化学組成と異なる化学組成を有する。同様に、移動度抑制粒子は、好ましくは、支持粒子および触媒粒子のいずれの化学組成とも異なる非触媒の化学組成を有する。しかしながら、粒子の化学組成は、実施形態ごとに変化し得ることが企図される。代表的な実施形態において、支持粒子は、酸化アルミニウムを含むが、または酸化アルミニウムからなり、触媒粒子は、白金族金属(例えば、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、またはイリジウム)を含むが、または白金族金属からなる。いくつかの実施形態において、移動度抑制粒子は、金属酸化物(好ましくは、遷移金属酸化物)を含むが、または金属酸化物からなり、金属酸化物は、酸化セリウム、酸化ランタン、および酸化チタンを含むが、それらに限定されない。他の実施形態において、移動度抑制粒子は、ガラスまたはセラミックを含むが、あるいはガラスまたはセラミックからなり、ガラスまたはセラミックは、窒化ホウ素、炭化チタン、および二ホウ化チタンを含むが、それらに限定されない。好ましくは、移動度抑制粒子は、いかなる貴金属も含まない。
【0016】
好ましい実施形態において、支持粒子、触媒粒子および移動度抑制粒子は、ナノ粒子である。好ましくは、支持粒子および移動度抑制粒子は、500ナノメートルの最大直径と、1〜5ナノメートルの最小直径とを有し、その一方で、触媒粒子は、0.5〜5ナノメートルの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態において、支持粒子および移動度抑制粒子は、10〜15ナノメートルの範囲内にあり、触媒粒子の直径は、2〜5ナノメートルの範囲内にある。しかしながら、他の粒子サイズが利用され得ることが企図される。
【0017】
粒子のナノスケール構造が、さまざまな方法で達成され得ることが企図される。好ましい実施形態において、支持粒子および触媒粒子は、プラズマ銃の最高温領域で蒸発させられる。次に、蒸発させられた粒子は、それらを凝縮する急冷を受ける。この蒸発および凝縮の結果として、ナノサイズの支持粒子は、支持粒子に結合されたナノサイズの触媒粒子と共に形成される。
【0018】
ナノサイズの粒子を生成するためにプラズマ反応器を利用する粒子生成システムの例は、2008年5月8日に出願され、表題が「HIGHLY TURBULENT QUENCH CHAMBER」である米国特許出願第12/151,935号に開示されており、上記出願は、本明細書内に述べられているがごとく、その全体が本明細書により参考として本明細書に援用される。1つのこのような粒子生成システムが図3に示される。システム300は、前駆体供給デバイス310と、作業用気体供給デバイス320とを含み、両方のデバイスは、プラズマ生成チャンバ330に流体結合されており、プラズマ生成チャンバ330は、そこに形成されたエネルギー送達域335を有する。プラズマ生成チャンバ330は、圧縮急冷チャンバ345の注入ポート340と流体結合されており、それによって、エネルギー送達域335が急冷チャンバ345と流体連絡することを可能にする。1つ以上のポート390はまた、急冷チャンバ345が(点線で示される)制御された雰囲気のシステム370と流体連絡することを可能にする。急冷チャンバ345はまた、排出ポート365と流体結合されている。
【0019】
概して、プラズマ生成チャンバ330は、反応器として動作し、気体ストリーム内に粒子を含む出力を生成する。粒子生成は、組み合わせ、反応、および調整のステップを含む。作業用気体が、気体供給源からプラズマ反応器へ供給される。プラズマ反応器内に、エネルギーが、作業用気体に送達され、それによって、プラズマを生成する。DC結合、容量結合、誘導結合、および共振結合を含むがこれらに限定されないさまざまな異なる手段が、このエネルギーを送達するために利用され得る。1つ以上の材料分配デバイスは、少なくとも1つの材料を、好ましくは粉末の形態でプラズマ反応器内に導入する。材料分配デバイスによって導入された、プラズマ反応器内におけるプラズマと材料との組み合わせは、高い反応性および高エネルギーの混合物を形成し、粉末が蒸発させられ得る。この蒸発させられた粉末の混合物は、プラズマ反応器を通って、作業用気体の流れ方向に移動する。混合物が移動するにつれて、混合物は冷やされ、粒子が混合物内に形成される。高温気体および高エネルギー粒子を含む、なお高エネルギーの出力混合物が、プラズマ反応器から放出される。
【0020】
代表的な実施形態において、プラズマ生成チャンバ330は、前駆体供給デバイス310から供給された(好ましくは、粉末の形態の)前駆体材料と、作業用気体供給デバイス320から供給された作業用気体とをエネルギー送達域335内で組み合わせ、作業用気体が、プラズマを形成するようにエネルギーを与えられる。プラズマは、エネルギーを与えられた反応性混合物を形成するために、エネルギー送達域335内に前駆体材料に適用される。この混合物は、蒸気、気体、およびプラズマを含み得る複数の相のうちの少なくとも1つにおける1つ以上の材料を含む。
【0021】
反応性混合物は、エネルギー送達域335から、注入ポート340を介して、圧縮急冷チャンバ345内に流れる。高温の混合物がエネルギー送達域335から移動するときに、混合物は、急冷チャンバ345内で急速に膨張し、かつ冷やされる。混合物が急冷チャンバ345内に流れる間に、ポート390は、急冷チャンバ345の内側表面に沿って調整流体を供給する。調整流体は、少なくともある程度、混合物と組み合わせて、急冷チャンバ345から排出ポート365を介して流れる。
【0022】
急冷チャンバ345に進入した直後の期間の間に、粒子形成が発生する。さらに、急冷チャンバ345の内側表面に沿う調整流体の供給は、反応性混合物を調整することと、混合物内の粒子のエントレインメントを維持することと、急冷チャンバ345の内側表面上の材料の堆積を防止することと行うように働く。
【0023】
なお図3を参照すると、急冷チャンバ345の構造は、相当な熱を消散することが可能である、比較的に薄壁の構成要素から形成され得る。例えば、薄壁の構成要素は、チャンバの内側から熱を伝導し、周囲に熱を放射し得る。急冷チャンバ345は、実質的に円筒形の表面350と、円錐状(切頭円錐形)の表面355と、注入ポート340を円筒形の表面350と接続する環状表面360とを含む。注入ポート340のサイズに対して大きな直径を有する円筒形の表面350は、混合物が急冷チャンバ345内に流れた後に発生する反応性混合物の膨張に対して収容場所を提供する。円錐状の表面355は、円筒形の表面350から、注入ポート340から離れ、排出ポート365に向って延在する。円錐状の表面355は、急冷チャンバ345を通って排出ポート365へ流れる流体を過度に圧迫しないように、十分になめらかに変化する。
【0024】
混合物が急冷チャンバ345内に進入した後に、混合物から相当な熱が、主に放射の形態で放出される。急冷チャンバ345は、好ましくは、この熱を効率的に消散するように設計される。例えば、急冷チャンバ345の表面は、好ましくは、冷却装置(示されていない)に露出される。
【0025】
なお図3を参照すると、制御された雰囲気のシステム370は、好ましくは、チャンバ385を含み、調整流体が導管380を通って貯蔵器375からチャンバ385内に導入される。調整流体は、好ましくは、アルゴンを含む。しかしながら、他の不活性の、比較的に重い気体が同等に好まれる。さらに、急冷チャンバ345内に調整流体を提供する好ましいメカニズムは、急冷チャンバ345と出口365との間の圧力差の形成である。このような圧力差は、ポート390を通して、急冷チャンバ345内に調整流体を引き込む。調整流体を提供するあまり好まれない他の方法は、チャンバ385内に正圧を形成することを含むが、それに限定されない。
【0026】
急冷チャンバ345の切頭円錐の形状は、急冷領域内にあまり多くない量の乱流を提供し得、それによって、反応性混合物との調整流体の混合を促進させ、先行技術のシステムを超えるように急冷速度を増大させる。しかしながら、いくつかの状況において、急冷速度のさらに大きな増大が所望され得る。急冷速度のこのような増大は、調整流体が反応性混合物と混合される急冷チャンバの領域内に強い乱流を生成することによって達成され得る。
【0027】
図4は、強乱流急冷チャンバ445を有する粒子生成システム400を例示する。システム400は、前駆体供給デバイス410を含み、作業用気体供給デバイス420が、図3を参照して前述されたプラズマ生成チャンバ330に類似しているプラズマ生成および反応チャンバ430に流体結合されている。エネルギー送達システム425はまた、プラズマ生成および反応チャンバ430に結合されている。プラズマ生成および反応チャンバ430は、圧縮急冷チャンバ445と流体連絡している注入ポート440を含む。1つ以上のポート490はまた、急冷チャンバ445と、図3の制御された雰囲気のシステム370に類似している、制御された雰囲気のシステム470との間の流体連絡を可能にし得る。急冷チャンバ445はまた、出口465に流体結合される。
【0028】
概して、チャンバ430は、図3のチャンバ330に類似して、反応器として動作し、気体ストリーム内に粒子を含む出力を生成する。生成は、本明細書において後に説明されるように、組み合わせ、反応、および調整の基本ステップを含む。システムは、チャンバ430のエネルギー送達域内で、前駆体供給デバイス410から供給された前駆体材料と、作業用気体供給デバイス420から提供された作業用気体とを組み合わせる。システムは、エネルギー供給システム490からのエネルギーを用いてチャンバ430の作業用気体にエネルギーを与え、それによってプラズマを形成する。プラズマは、エネルギーを与えられた反応性混合物を形成するために、チャンバ430内の前駆体材料に適用される。この混合物は、蒸気、気体、およびプラズマを含み得る複数の相のうちの少なくとも1つにおける1つ以上の材料を含む。反応性混合物は、プラズマ生成および反応チャンバ430から、注入ポート440を通って、急冷チャンバ445内に流れる。
【0029】
急冷チャンバ445は、好ましくは、実質的に円筒形の表面450と、切頭円錐形の表面455と、注入ポート440を円筒形の表面450と接続する環状表面460とを含む。切頭円錐形の表面460は、出口465に合うように狭くなる。プラズマ生成および反応チャンバ430は、注入ポート440が配置されている端部において延長された部分を含む。この延長された部分は、注入ポート440と出口465との間の距離を短縮し、反応性混合物と調整流体が混合する領域(急冷領域と呼ばれる)の体積を減少させる。好ましい実施形態において、注入ポート440は、出口465と同軸に配列される。注入ポートの中心が、出口465から第1の距離dで位置決めされる。注入ポートの外周が、切頭円錐形の表面455の一部分から第2の距離dで位置決めされる。注入ポート440および切頭円錐形の表面455は、それらの間に前述の急冷領域を形成する。注入ポート440の外周と切頭円錐形の表面455との間の空間は、それらの間に、調整流体を急冷領域内に供給するためのチャンネルとして機能するギャップを形成する。切頭円錐形の表面455は、じょうご表面として機能し、ギャップを通って、急冷領域内に流体を注がせる。
【0030】
反応性混合物が急冷チャンバ445内に流れている間に、ポート490は、調整流体を急冷チャンバ445内に供給する。次に、調整流体は、切頭円錐形の表面455に沿って、注入ポート440と切頭円錐形の表面455との間のギャップを通って、急冷領域内に移動する。いくつかの実施形態において、制御された雰囲気のシステム470は、急冷領域に供給された調整流体の体積流量または質量流量を制御するように構成される。
【0031】
反応性混合物が注入ポート440の外へ移動するときに、反応性混合物は、膨張し、調整流体と混合する。好ましくは、調整流体が供給される角度は、強い乱流を生成し、反応性混合物との混合を促進する。この乱流は、多くのパラメータに依存し得る。好ましい実施形態において、これらのパラメータのうちの1つ以上は、乱流のレベルを制御するように調節可能である。これらの因子は、調整流体の流量、切頭円錐形の表面455の温度、(調整流体が急冷領域内に供給される角度に影響する)切頭円錐形の表面455の角度、および急冷領域のサイズを含む。例えば、切頭円錐形の表面455と注入ポート440との相対的な位置決めが調節可能であり、これは、急冷領域の体積を調節するために使用され得る。これらの調節は、自動化された手段および手動の手段を含むが、それらに限定されないさまざまな異なるメカニズムを用いて、さまざまな異なる方法で行われ得る。
【0032】
急冷チャンバ445に進入した直後の短期間の間に、粒子形成が発生する。粒子が塊になる程度は、冷却速度に依存する。冷却速度は、急冷領域内の流れの乱流に依存する。好ましくは、システムは、強い乱流の流れを形成し、そして非常に分散された粒子を形成するように調節される。例えば、好ましい実施形態において、急冷領域内の流れの乱流は、流れが少なくとも1000のレイノルズ数を有するようなものである。
【0033】
なお図4を参照すると、急冷チャンバ445の構造は、好ましくは、相当な量の熱を消散することが可能である、比較的に薄壁の構成要素から形成される。例えば、薄壁の部品は、チャンバの内側から熱を伝導し、周囲に熱を放射し得る。
【0034】
反応性混合物が急冷チャンバ445内に進入した後に、反応性混合物から相当な熱が、主に放射の形態で放出される。急冷チャンバ445は、この熱を効率的に消散するように設計される。急冷チャンバ245の表面は、好ましくは、冷却システム(示されていない)に露出される。好ましい実施形態において、冷却システムは、切頭円錐形の表面455の温度を制御するように構成される。
【0035】
急冷領域内への注入、冷却、および粒子形成の後に、混合物は、急冷チャンバ445から出口ポート465を通って流れる。生成器495によって生成された吸引は、急冷領域から導管492の中へ混合物および調整流体を動かす。混合物は、出口ポート465から、導管492に沿って、吸引生成器495に向って流れる。好ましくは、粒子は、吸引生成器495に入る前に、収集またはサンプリングシステム(示されていない)によって混合物から除去される。
【0036】
なお図4を参照すると、制御された雰囲気のシステム470は、ポート490を介して急冷領域に流体結合されているチャンバ485を含み、調整流体が導管480を通って、図3の貯蔵器375のような貯蔵器からチャンバ485内に導入される。前述のように、調整流体は、好ましくは、アルゴンを含む。しかしながら、他の不活性、比較的に重い気体が同等に好まれる。また、前述のように、急冷チャンバ445内に調整流体を提供する好ましいメカニズムは、急冷チャンバ445と出口465との間の圧力差の形成である。このような圧力差は、ポート490を通して、急冷チャンバ445内に調整流体を引き込む。調整流体を提供する他の方法は、チャンバ485内に正圧を形成することを含むが、それに限定されない。
【0037】
切頭円錐形の表面の角度は、調整流体が急冷領域内に供給される角度に影響し、供給される角度は、急冷領域内の乱流のレベルに影響し得る。調整流体は、好ましくは、複数の運動量ベクトルに沿って、急冷領域内に流れる。運動量ベクトルの間の角度が大きいほど、より強いレベルの乱流が生成される。好ましい実施形態において、強乱流急冷チャンバは、切頭円錐形の表面を含み、切頭円錐形の表面は、2つの運動量ベクトルの間が少なくとも90度であるように急冷領域内に少なくとも2つの調整流体の運動量ベクトルを通るように構成される。他の角度閾値も適用され得ることが企図される。例えば、調整流体の運動量ベクトルのうちの少なくとも1つと反応性混合物の運動量ベクトルとの間に形成された角度にも注意が払われ得る。強乱流急冷チャンバの1つの実施形態において、反応性混合物の入口は、第1の運動量ベクトルに沿って反応性混合物を急冷領域内に供給するように構成され、切頭円錐形の表面は、第2の運動量ベクトルに沿って調整流体を急冷領域内に供給するように構成され、第2の運動量ベクトルは、第2の運動量ベクトルに対して20度だけ大きい斜角を有する。
【0038】
急冷領域のサイズもまた、急冷領域内の乱流のレベルに影響する。急冷領域が小さいほど、より強いレベルの乱流が生成される。急冷領域のサイズは、注入ポート440の中心と出口465の中心との間の距離を減少させることによって減少され得る。
【0039】
本発明の実施形態によって生成された強乱流は、形成された粒子が互いと塊になる期間を減少させ、それによって、より均一なサイズの粒子を生成し、いくつかの場合において、より小さなサイズの粒子を生成する。この両方の特徴は、増大された分散性と、増大された表面積対体積の比とを有する粒子を引き起こす。
【0040】
図2の方法200に戻って参照すると、粒子生成システム200または300(またはそれらのバリエーション)は、ナノスケールの形態の支持粒子、触媒粒子、および移動度抑制粒子のうちの1つ以上を提供するために使用され得る。例えば、これらの粒子は、ミクロンサイズの前駆体材料として粒子生成システム内に導入され得、そこで粒子が、蒸発させられ、次にナノサイズの粒子を形成するように凝縮される。好ましい実施形態において、支持/触媒粒子は、移動度抑制粒子と別々に形成され、提供され、それによって移動度抑制粒子と支持/触媒粒子との間の任意の早すぎる相互作用(例えば、結合)を回避させる。このような分離は、両方のグループに対して異なる粒子生成システムを使用すること、または両方のグループに対して異なる時間で同じ粒子生成システムを使用することを含むが、それらに限定されないさまざまな方法で達成され得る。
【0041】
図5Aは、方法200のステップ210において提供される複数の支持粒子510の1つの実施形態を例示する。各支持粒子510は、各支持粒子に(好ましくは、その外部表面に)結合された触媒粒子520を有する。しかしながら、いくつかの実施形態において、ある支持粒子510には、触媒粒子520が存在しない場合もある。支持粒子510上の触媒粒子520のサイズは、粒子生成システムに提供される触媒粒子の量を変えることによって、または他に粒子生成システムに提供される、触媒粒子対支持粒子の混合比率を調節することによって影響され得ることが企図される。粒子生成システムに提供される触媒粒子の濃度が大きいほど、支持粒子510に結合される触媒粒子520のサイズがより大きくなる。
【0042】
図5Bは、方法200のステップ210において提供される複数の移動度抑制粒子530の1つの実施形態を例示する。移動度抑制粒子530上のストライプが、移動度抑制粒子530を支持粒子510と区別することを助ける目的だけのために提供される。
【0043】
方法200のステップ220において、支持/触媒粒子および移動度抑制粒子が、液体の中に分散される。図6Aは、支持/触媒粒子の分散の1つの実施形態を例示する。分散625のクローズアップは、液体615aによって分離され、かつ結合された触媒粒子620を有する支持粒子610で構成される支持/触媒粒子を示す。図6Bは、移動度抑制粒子630の分散635の1つの実施形態を例示する。分散635のクローズアップは、液体615bによって分離された移動度抑制粒子630を示す。図6A〜Bが、別個の分散625および635において支持/触媒粒子と移動度抑制粒子とを示しているが、それらの粒子はまた、1つの分散を形成するために、同時に同容器の中に分散され得ることが企図される。
【0044】
分散液体615aおよび615bは、それぞれ、支持/触媒粒子および移動度抑制粒子を分散するように構成された任意の液体であり得る。好ましい実施形態において、分散液体は、水または任意の有機液体(例えば、グリコールエーテル)を含むか、あるいは水またはグリコールエーテルからなる。いくつかの実施形態において、分散625および635の両方は、同じタイプの分散液体を使用する。他の実施形態において、分散625および635は、異なるタイプの分散液体を使用する(例えば、分散液体615aは、水であり、分散液体615bは、エチレングリコールである)。
【0045】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤または他の分散補助物、例えば、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性、および/または非イオン性の炭素ベースのオリゴマーおよび/またはポリマーが、分散液体に加えられ得る。ある界面活性剤は、分散の酸度を調節し、かつ濃度を安定させるために、分散に加えられ得る。酸が、N酸化物粒子の表面を酸性化するために、分散に加えられ得る。界面活性剤は、それらが触媒材料に有害ではないように注意深く選ばれる。好ましい実施形態において、硫酸塩または燐酸塩が分散に加えられない。分散液体に加えられ得る界面活性剤の例は、カルボン酸、ポリアミン、およびポリエーテルである。他の界面活性剤または分散補助物も使用され得ることが企図される。
【0046】
異なるバリエーションの粒子、分散液体、および界面活性剤の濃度が利用され得ることが企図される。好ましい実施形態において、分散は、5〜25重量%濃度の粉末を含み、これは、支持/触媒粒子および移動度抑制粒子の各々が、それぞれの分散において重量で約5〜25%を構成することを意味する。好ましい実施形態において、分散は、1〜10重量%の界面活性剤または他の分散補助物を含む。好ましくは、界面活性剤または他の分散補助物は、分散の約5%以下を占める。
【0047】
方法200のステップ230において、分散された支持/触媒粒子および移動度抑制粒子が、混合物を形成するために混合される。支持/触媒粒子および移動度抑制粒子が元々は一緒に分散されず、または後に、単一の分散を形成するための同じ容器内に配置されなかった場合に、それらの粒子は、一緒に混合され得る同じ容器内に配置される。好ましい実施形態において、混合は、音波処理、機械的混合、および/または剪断混合によって行われる。しかしながら、さまざまな他の攪拌方法は、この混合を行うために利用され得ることが企図される。
【0048】
図7は、1つの容器の中の分散の混合物745の1つの実施形態を例示する。混合物745は、複数の支持粒子710と、移動度抑制粒子730とを含み、各支持粒子は、支持粒子に結合された触媒粒子720を有する。粒子が液体715によって分離され、流体715は、前のステップに使用される任意の分散液体および界面活性剤(または他の分散する添加剤)を含み得る。
【0049】
ステップ240において、乾燥した混合物を形成するために、分散液体が混合物から除去される。液体は、さまざまな方法で除去され得ることが企図される。1つの実施形態において、粒子の分散が、凍結乾燥される。混合物が、凍結乾燥の適切な容器内に注がれる。次に、液体は、液体窒素、または粒子の分散を凍結させるのに十分に冷たい他の媒体を用いて凍結される。1つの実施形態において、液体窒素、または他の凍結媒体は、約−60℃である。しかしながら、液体窒素、または他の凍結媒体はまた、他の温度で使用され得ることが企図される。次に、混合物が減圧システム内に配置され、そこで、粒子の分散は、水、または他の分散液体が減圧圧力によって除去されるときに凍結されたままである。1つの実施形態において、約10ミクロンの減圧圧力が利用される。他の実施形態において、約2ミクロンと約5ミクロンとの間の減圧圧力が利用され得る。
【0050】
減圧圧力は、水より高い蒸気圧を有する混合物の中の水および他の液体を除去する。しかしながら、いくつかの実施形態において、界面活性剤は、凍結された粒子の分散と共に残る。水の除去は、支持/触媒粒子および移動度抑制粒子の多孔粉末構造にし、界面活性剤が孔隙内に配置される。結果として生じた粉末は、大まかに一緒に結合され、なお接触までに乾燥する中間的状態であり、機械的処理能力を提供する。
【0051】
ステップ250において、乾燥した混合物がか焼され、それによって、任意の界面活性剤を焼き付け、支持/触媒粒子の間に結合された移動度抑制粒子のクラスターを形成させる。いくつかの実施形態において、粉末が坩堝内に配置される。坩堝は、セラミックまたはさまざまな他の材料から作られ得ることが企図される。次に、坩堝がか焼炉内に配置され、そこで、坩堝が、所与の時間にわたって所与の温度で加熱される。いくつかの実施形態において、坩堝は、か焼炉内に、約2時間にわたって約550℃で加熱される。しかしながら、他の温度および加熱時間も利用され得ることが企図される。いくつかの実施形態において、坩堝は、所望の焼き付け温度に予熱された炉内に配置される。テストの結果は、坩堝が炉の中にある間に所望温度まで温度を増加することの代わりに、坩堝を炉内に配置する前に、炉を予熱することによって、金属粒子の分散が最大限にされ得ることを示す。しかしながら、いくつかの実施形態において、坩堝が炉の中にある間に、炉の温度が増加され得ることが企図される。いくつかの実施形態において、1〜50℃の増加率が、坩堝が炉内にある間に、炉の温度を上昇させるために利用される。好ましい実施形態において、炉は、坩堝が加熱され得、その結果、粉末が加熱され得る周囲の大気環境を提供する。炉内の環境は、空気を含む必要がないことが企図される。しかしながら、その環境は、好ましくは、ある量の酸素を含む。
【0052】
乾燥した混合物のか焼は、混合物を、粒子間のファンデルワールス引力または近接引力から、粒子間の実際の共有結合にさせ、その結果、支持/触媒粒子および移動度抑制粒子の界面活性剤のない塊を生じる。図8は、結合された触媒粒子820を有する支持粒子810の間に結合された移動度抑制粒子830のクラスターの1つの実施形態を例示する。いくつかの実施形態において、本発明は、0.5〜50ミクロンの範囲のクラスターを生成する。いくつかの実施形態において、本発明は、5〜10ミクロンの範囲のクラスターを生成する。しかしながら、他のクラスターサイズも生成され得ることが企図される。
【0053】
いくつかの実施形態において、粉末(支持、触媒、および移動度抑制)の充填百分率は、生じたクラスターにおける各特定タイプの粉末に対して所望の粉末濃度を達成させるために調節される。いくつかの実施形態において、0.01〜15%充填の触媒粉末が利用される。好ましい実施形態において、0.5〜3%充填の触媒粉末が利用される。しかしながら、他の充填百分率も利用され得ることが企図される。
【0054】
好ましい実施形態において、生じたクラスター内の支持粒子、触媒粒子、および移動度抑制粒子は、ナノ粒子である。好ましくは、支持粒子および移動度抑制粒子が、500ナノメートルの最大直径と、1〜5ナノメートルの最小直径とを有し、その一方で、触媒粒子は、0.5〜5ナノメートルの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態において、支持粒子および移動度抑制粒子の直径は、5〜20ナノメートルの範囲にある。いくつかの実施形態において、支持粒子および移動度抑制粒子の直径は、10〜15ナノメートルの範囲にあり、触媒粒子の直径は、2〜5ナノメートルの範囲内にある。しかしながら、他の粒子サイズが利用可能であり得ることが企図される。
【0055】
支持/触媒粒子への、そして支持/触媒粒子の間への移動度抑制粒子の導入および結合は、触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止し、それによって、触媒粒子の合体を防止する。結果として、個々の触媒粒子のサイズが最小化され得、クラスターの全触媒表面積が最大化され得る。
【0056】
本発明は、本発明の構造および動作の原理の理解を容易にするために、詳細を組み込む具体的な実施形態に関して説明された。本明細書における、具体的な実施形態およびその詳細に対するこのような参照は、本明細書に添付された特許請求の範囲を限定するように意図されない。他のさまざまな改変が、特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、例示のために選ばれた実施形態に対してなされ得ることが当業者に容易に明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒を形成する方法であって、該方法は、
複数の支持粒子と複数の移動度抑制粒子とを提供することであって、該複数の支持粒子内の各支持粒子が、該各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、ことと、
該複数の移動度抑制粒子を該複数の支持粒子に結合することと
を含み、
各支持粒子は、該移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つによって、該複数の支持粒子の他の全部の支持粒子から分離されており、
該移動度抑制粒子は、該触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成されている、方法。
【請求項2】
前記複数の支持粒子を提供することは、
1ミクロン以上の平均粒度サイズを有する前駆体支持粉末をナノサイズ化することと、
1ミクロン以上の平均粒度サイズを有する前駆体触媒粉末をナノサイズ化することと、
該ナノサイズ化された触媒粉末を該ナノサイズ化された支持粉末に結合し、それによって、該複数の支持粒子を形成することであって、該複数の支持粒子内の各支持粒子は、該各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、ことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記前駆体支持粉末および前記前駆体触媒粉末をナノサイズ化することは、該前駆体支持粉末および該前駆体触媒粉末にプラズマストリームを適用し、それによって、該前駆体支持粉末および該前駆体触媒粉末を蒸発させることを含み、
前記ナノサイズ化された触媒粉末を前記ナノサイズ化された支持粉末に結合することは、該蒸発させられた支持粉末および該蒸発させられた触媒粉末を凝縮し、それによって、前記複数の支持粒子を形成することを含み、該複数の支持粒子内の各支持粒子は、該各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の移動度抑制粒子を提供することは、1ミクロン以上の平均粒度サイズを有する前駆体移動度抑制粉末をナノサイズ化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記前駆体移動度抑制粉末をナノサイズ化することは、
該前駆体移動度抑制粉末にプラズマストリームを適用し、それによって、該前駆体移動度抑制粉末を蒸発させることと、
該蒸発させられた移動度抑制粉末を凝縮することと
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の支持粒子および前記複数の移動度抑制粒子を提供することは、
該複数の支持粒子を分散液体内で分散することであって、該複数の支持粒子内の各支持粒子が、該各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、こと、
該複数の移動度抑制粒子を分散液体内で分散することと、
該分散された支持粒子を該分散された移動度抑制粒子と混合し、それによって、該分散された支持粒子と該分散された移動度抑制粒子との混合物を形成することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記支持粒子および前記移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つのための前記分散液体は、水を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記支持粒子および前記移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つのための前記分散液体は、有機液体を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記有機液体は、グリコールエーテルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の支持粒子を分散することと、前記複数の移動度抑制粒子を分散することとのうちの少なくとも1つは、界面活性剤を前記分散液体に加えることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記界面活性剤は、カルボン酸、ポリアミン、およびポリエーテルからなるグループから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記分散された支持粒子および前記分散された移動度抑制粒子は、音波処理プロセスを用いて混合される、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの移動度抑制粒子を前記複数の支持粒子内の各支持粒子に、そして該各支持粒子の間に結合するステップは、前記分散された支持粒子と分散された移動度抑制粒子との混合物を凍結乾燥し、それによって、分散された支持粒子と分散された移動度抑制粒子との乾燥した混合物を形成するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの移動度抑制粒子を前記複数の支持粒子内の各支持粒子に、そして該各支持粒子の間に結合するステップは、前記分散された支持粒子と分散された移動度抑制粒子との乾燥した混合物をか焼するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の支持粒子は、複数のアルミナ粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記触媒粒子は、白金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の移動度抑制粒子は、前記複数の支持粒子と異なる化学組成を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の移動度抑制粒子は、複数のセラミック粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の移動度抑制粒子は、複数の金属酸化物の粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の支持粒子内の各支持粒子は、1ナノメートルと500ナノメートルとの間の直径を有し、
各触媒粒子は、0.5ナノメートルと5ナノメートルとの間の直径を有し、
前記複数の移動度抑制粒子内の各移動度抑制粒子は、1ナノメートルと500ナノメートルとの間の直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
触媒を形成する方法であって、該方法は、
複数の支持粒子と複数の移動度抑制粒子とを提供することであって、該複数の支持粒子内の各支持粒子が、該各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、ことと、
該複数の支持粒子を分散液体内で分散し、それによって、支持粒子の分散を形成することと、
該複数の移動度抑制粒子を分散液体内で分散し、それによって、移動度抑制粒子の分散を形成することと、
該支持粒子の分散を、該移動度抑制粒子の分散と混合し、それによって、湿式混合物を形成することと、
該湿式混合物を凍結乾燥し、それによって乾燥した混合物を形成することと、
該乾燥した混合物をか焼し、それによって、該複数の支持粒子と該複数の移動度抑制粒子とのクラスターを形成することと
を含み、
各支持粒子は、該移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つによって、該複数の支持粒子の他の全部の支持粒子から分離されており、
該移動度抑制粒子は、該触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成されている、方法。
【請求項22】
前記複数の支持粒子と前記複数の移動度抑制粒子とを提供することは、
1ミクロン以上の平均粒度サイズを有する前駆体支持粉末をナノサイズ化することと、
1ミクロン以上の平均粒度サイズを有する前駆体触媒粉末をナノサイズ化することと、
該ナノサイズ化された触媒粉末を該ナノサイズ化された支持粉末に結合し、それによって、該複数の支持粒子を形成することであって、該複数の支持粒子内の各支持粒子は、各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、ことと、
1ミクロン以上の平均粒度サイズを有する前駆体移動度抑制粉末をナノサイズ化することと
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記前駆体粉末をナノサイズ化するステップは、
該前駆体粉末にプラズマストリームを適用し、それによって、該前駆体粉末を蒸発させることと、
該蒸発させられた粉末を凝縮することと
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記支持粒子および前記移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つのための前記分散液体は、水を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記支持粒子および前記移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つのための前記分散液体は、有機液体を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記有機液体は、グリコールエーテルである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の支持粒子を分散することと、前記複数の移動度抑制粒子を分散することとのうちの少なくとも1つは、界面活性剤を前記分散液体に加えることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記界面活性剤は、カルボン酸、ポリアミン、およびポリエーテルからなるグループから選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記支持粒子の分散を、前記移動度抑制粒子の分散と混合するステップは、音波処理プロセスを用いることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記複数の支持粒子は、複数のアルミナ粒子を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記触媒粒子は、白金を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の移動度抑制粒子は、前記複数の支持粒子と異なる化学組成を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記複数の移動度抑制粒子は、複数のセラミック粒子を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記複数の移動度抑制粒子は、複数の金属酸化物の粒子を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の支持粒子内の各支持粒子は、1ナノメートルと500ナノメートルとの間の直径を有し、
各触媒粒子は、0.5ナノメートルと5ナノメートルとの間の直径を有し、
前記複数の移動度抑制粒子内の各移動度抑制粒子は、1ナノメートルと500ナノメートルとの間の直径を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
触媒であって、該触媒は、
複数の支持粒子であって、該複数の支持粒子内の各支持粒子が、該各支持粒子の独自の触媒粒子と結合されている、複数の支持粒子と、
該複数の支持粒子に結合される複数の移動度抑制粒子と
を含み、
各支持粒子は、該移動度抑制粒子のうちの少なくとも1つによって、該複数の支持粒子の他の全部の支持粒子から分離されており、
該移動度抑制粒子は、該触媒粒子が1つの支持粒子から別の支持粒子へ移動することを防止するように構成されている、触媒。
【請求項37】
前記複数の支持粒子は、複数のアルミナ粒子を含む、請求項36に記載の触媒。
【請求項38】
前記触媒粒子は、白金を含む、請求項36に記載の触媒。
【請求項39】
前記複数の移動度抑制粒子は、前記複数の支持粒子と異なる化学組成を含む、請求項36に記載の触媒。
【請求項40】
前記複数の移動度抑制粒子は、複数のセラミック粒子を含む、請求項39に記載の触媒。
【請求項41】
前記複数の移動度抑制粒子は、複数の金属酸化物の粒子を含む、請求項39に記載の触媒。
【請求項42】
前記複数の支持粒子内の各支持粒子は、1ナノメートルと500ナノメートルとの間の直径を有し、
各触媒粒子は、0.5ナノメートルと5ナノメートルとの間の直径を有し、
前記複数の移動度抑制粒子内の各移動度抑制粒子は、1ナノメートルと500ナノメートルとの間の直径を有する、請求項36に記載の触媒。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513483(P2013−513483A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544651(P2012−544651)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059761
【国際公開番号】WO2011/081833
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(506352359)エスディーシー マテリアルズ インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】