説明

ナノ粒子への分子の結合

本明細書では、分子修飾ナノ粒子、ならびに該ナノ粒子の作製および使用方法が開示される。より具体的には、本明細書では、分子がオリゴヌクレオチドを介してナノ粒子の表面に結合している分子修飾ナノ粒子が開示される。また、ナノ粒子表面に結合しているオリゴヌクレオチドおよび分子(例えば、タンパク質、ペプチド、抗体、脂質、および/または炭水化物等の生体分子等)を有し、該オリゴヌクレオチドおよび分子が共有結合しているナノ粒子の調製方法も開示される。さらに、これらの開示された分子修飾ナノ粒子を使用した、対象検体の検出方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2007年2月27日に出願された、米国仮特許出願第60/903,728号に対する優先権を主張し、本出願は、その全体を本明細書中で参考として援用される。
【0002】
(政府の権利の陳述)
本発明は、Air Force Office of Scientific Research(AFOSR)奨学金番号FA9550−05−1−0348による政府援助によりなされた。米国政府は、本発明における特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
近年、生物学的用途に好適なナノ構造の設計および合成に向けて著しい発展が見られる。サイズおよび形態に対し正確な制御を行ってナノ材料を構築する能力は、明確な巨大分子構成単位の利用可能性に大きく依存している。ナノ構造にさらなる部分を結合させる能力は、結合の制御の欠落、得られるナノ構造の限られた安定性、ならびに形成中のナノ構造の望ましくない凝集および沈殿により制限されている。したがって、ナノ構造が制御された様式で修飾され、安定であり、あるとしても多くの凝集をもたらさないように付加された生物学的部分を有するナノ構造を調製する方法を提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(要約)
上記を鑑みて、本発明は、ナノ構造が制御された様式で修飾され、安定であり、あるとしても多くの凝集をもたらさないように付加された生物学的部分を有するナノ粒子を提供する。当業者には、本発明の1つまたは複数の態様が、ある特定の目的を達成することができ、その他の1つまたは複数の態様が、ある特定のその他の目的を達成することができることが理解される。それぞれの目的は、そのあらゆる面で、本発明のすべての態様に等しく当てはまらない場合がある。したがって、以下の目的は、本発明のいずれか1つの態様に関して選択的に考慮され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本明細書では、一態様において、オリゴヌクレオチドに共有結合している分子を含み、該オリゴヌクレオチドはさらにナノ粒子の表面に共有結合している、分子修飾ナノ粒子が開示される。様々な実施形態において、分子はオリゴヌクレオチドの第1の末端で結合しており、ナノ粒子はオリゴヌクレオチドの第2の末端で結合している。いくつかの実施形態において、分子は生体分子であり、タンパク質、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはこれらの組合せであってもよい。特定の実施形態において、分子は抗体である。様々な実施形態において、ナノ粒子は金属である。特定の実施形態において、金属は金である。特定の実施形態において、ナノ粒子は金であり、オリゴヌクレオチドは、硫黄原子を含む連結基を介してナノ粒子の表面に結合している。ナノ粒子が金であるいくつかの実施形態において、金ナノ粒子は、約10nmから約100nmである。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、20核酸塩基から150核酸塩基を有する。
【0006】
別の態様において、本明細書では、本明細書で開示される分子修飾ナノ粒子の調製方法であって、オリゴヌクレオチドが官能基を介してナノ粒子の表面に結合するように、第1の異なる場所に官能基および第2の異なる場所に脱離基を有するオリゴヌクレオチドにナノ粒子を接触させて、オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子を形成するステップと、得られるオリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子を、求核基を有する分子に、分子の求核基によるオリゴヌクレオチド上の脱離基の置換を可能とするのに十分な条件下で接触させて、分子修飾ナノ粒子を形成するステップとを含む方法が開示される。
【0007】
さらに別の態様において、本明細書では、分子修飾ナノ粒子を使用した試料中の検体の検出方法であって、試料を本明細書で開示される分子修飾ナノ粒子に、検体の分子への結合を可能とする条件下で接触させるステップと、得られるナノ粒子結合検体を検出するステップとを含み、検体が分子修飾ナノ粒子に結合すると検出事象が生じる方法が開示される。いくつかの実施形態において、検出事象は、色の変化、分子修飾ナノ粒子の導電性の変化、蛍光性の変化、沈殿物を生成する溶解度の変化、光散乱の変化、または、分子修飾ナノ粒子のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたプローブオリゴヌクレオチドの融点の変化を含む。他の実施形態において、試料中の検体の濃度を計算することができる。特定の実施形態において、本明細書で開示される検出方法は、約300fM(フェムトモル)の濃度の検体を検出するのに十分な感度を有する。
【0008】
本発明のある特定の制限されない利益および実用性を例示すると、そのようなナノ粒子は、1種または複数種の抗原を発現する癌細胞に接触させることができ、上述の親水性部分のうちの1つまたは複数が、そのような抗原(複数可)に対する1種または複数種の抗体とコンジュゲートしている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】抗体およびオリゴヌクレオチドが別個にナノ粒子表面に結合している、抗体修飾ナノ粒子の従来の調製方法のスキームである。
【図2】分子がオリゴヌクレオチドを介してナノ粒子に結合している、分子修飾ナノ粒子の本明細書に開示される調製方法のスキームである。
【図3】一連の検体(ここでは前立腺特異抗原(PSA))濃度にわたるシグナルの較正を示す図である。
【図4】本明細書で開示される方法を使用した、様々な血清試料におけるバックグラウンドノイズとしてのPSAの検出結果を示す図である。
【図5】PSAの存在に対するプローブあり(左側の棒グラフ)またはなし(右側の棒グラフ)での、様々な濃度のPSA標準物質を添加した30%ヒト血清を使用した較正曲線である。
【図6】パネルAは、分子修飾ナノ粒子およびスライド表面上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを介した分子修飾ナノ粒子の結合モードを示す、オリゴヌクレオチドプローブの存在を検出する手段としての様々な濃度の分子修飾ナノ粒子の存在下での、本明細書に開示される検出アッセイの結合アッセイ結果を示す図である。パネルBは、分子修飾ナノ粒子の分子の標的検体(ここではPSAの抗原)の検出に向けた分子修飾ナノ粒子の特異性を示す、様々な条件の存在下でのスライドの表面上の表面結合抗原(ここではPSA)を示す図であり、ウェル1は、バイオバーコードプローブおよび過剰の抗体を有し、ウェル2は、バイオバーコードプローブおよび過剰の抗原を有し、ウェル3は、バイオバーコードおよびアッセイ緩衝液を有し、ウェル4は、バイオバーコードプローブを有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本明細書では、分子修飾ナノ粒子が開示され、ナノ粒子は、少なくともその表面の一部にオリゴヌクレオチドを介して結合した分子を有する。さらに、該ナノ粒子の調製方法も開示される。開示された方法は、ナノ粒子に分子を結合させる既知の従来方法と比較して、ナノ粒子への分子の担持に対するより良好な制御を可能とし、および/またはより安定でより凝集の少ない分子修飾ナノ粒子が得られる。
【0011】
オリゴヌクレオチドおよび分子の両方が結合したナノ粒子の従来の調製手段では、まず分子(例えば、抗体等の生体分子)をナノ粒子表面にコンジュゲートさせた後、表面の残りの部分にオリゴヌクレオチドを付加し、表面の空隙がオリゴヌクレオチドにより充填されることにより調製されていた。過去に使用されていた手順は、多くの場合制御が困難であり、一般にナノ粒子の単離中に多量の沈殿したナノ粒子が観察された。このようにして調製された修飾ナノ粒子はまた、保存期間が限られているようであり、したがって、長期にわたる使用には、毎日のプローブ調製が必要であった。この従来の方法を、図1に示す。
【0012】
本明細書に開示された方法は、1つの異なる場所に官能基を有し、第2の異なる場所に脱離基を有するオリゴヌクレオチドを使用する。オリゴヌクレオチドは、まず官能基を介してナノ粒子上に担持させてオリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子を形成し、得られたオリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子は、単離して、必要となる時まで保存することができる。次いで、オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子は、オリゴヌクレオチド上の脱離基を介してさらに分子(例えば、タンパク質、ペプチド、抗体、脂質、または炭水化物等の生体分子)で修飾することができる。オリゴヌクレオチドは、一方の末端の官能基を介して、例えばジスルフィド結合によりナノ粒子の表面と反応することができ、またオリゴヌクレオチドの反対側の末端上の脱離基を介して、分子上の求核基とも反応することができる。開示された方法を図2に概略的に示すが、図中、Tsはトシルである。
【0013】
分子の前にオリゴヌクレオチドをナノ粒子上に担持させることは、オリゴヌクレオチドの担持を最大化することができる。オリゴヌクレオチドの増加したまたは高密度の担持は、検出アッセイにおける識別シグナルの最大増幅を可能とする。対象検体の存在を検出するように識別シグナルが増幅されるため、増幅が大きい程その検体のより高感度な検出が可能となる。追加的および代替的に、ナノ粒子上のオリゴヌクレオチド数の増加は、より大きなナノ粒子を使用することにより達成することができる。
【0014】
ナノ粒子
実際には、それに結合したオリゴヌクレオチドを有するように修飾され得る任意の好適なナノ粒子を使用する方法が提供される。ナノ粒子のサイズ、形状、および化学組成は、得られるオリゴヌクレオチド官能化ナノ粒子の特性に寄与する。これらの特性は、例えば、光学特性、光電子特性、電気化学的特性、電子特性、各種溶液中での安定性、磁気特性、ならびに細孔および経路のサイズ変動性等を含む。均一のサイズ、形状、および化学組成を有するナノ粒子の使用だけでなく、異なるサイズ、形状、および/または化学組成を有するナノ粒子の混合物の使用も企図される。好適な粒子の例は、制限することなく、凝集粒子、等方性粒子(例えば球状粒子等)および異方性粒子(例えば非球状のロッド、四面体、角柱等)、ならびにコアシェル粒子、例えば米国特許第7,238,472号および国際公開番号WO2003/08539(これらの開示は参照によりその全体が組み入れられる)に記載の粒子を含む。
【0015】
一実施形態において、ナノ粒子は金属であり、様々な態様において、ナノ粒子はコロイド金属である。したがって、様々な実施形態において、本方法の実践において有用なナノ粒子は、金属(例えば、制限することなく、金、銀、白金、アルミニウム、パラジウム、銅、コバルト、インジウム、ニッケル、または、ナノ粒子を形成し易い他の任意の金属を含む)、半導体(例えば、制限することなく、CdSe、CdS、および、ZnSで被覆されたCdSまたはCdSeを含む)、ならびに磁性(例えばフェロマグネタイト)コロイド材料を含む。本発明の実践において有用なその他のナノ粒子は、これもまた制限することなく、ZnS、ZnO、Ti、TiO、Sn、SnO、Si、SiO、Fe、Ag、Cu、Ni、Al、スチール、コバルト−クロム合金、Cd、チタン合金、AgI、AgBr、HgI、PbS、PbSe、ZnTe、CdTe、In、InSe、Cd、CdAs、InAs、およびGaAsを含む。ZnS、ZnO、TiO、AgI、AgBr、HgI、PbS、PbSe、ZnTe、CdTe、In、InSe、Cd、CdAs、InAs、およびGaAsナノ粒子の作製方法もまた当技術分野では既知である。例えば、Weller、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、第32巻、41頁(1993年);Henglein、Top. Curr. Chem.、第143巻、113頁(1988年);Henglein、Chem. Rev.、第89巻、1861頁(1989年);Brus、Appl. Phys. A.、第53巻、465頁(1991年);Bahncmann、Photochemical Conversion and Storage of Solar Energy(PelizettiおよびSchiavello編集、1991年)、251頁;WangおよびHerron、J. Phys. Chem.、第95巻、525頁(1991年);Olshavskyら、J. Am. Chem. Soc.、第112巻、9438頁(1990年);およびUshidaら、J. Phys. Chem.、第95巻、5382頁(1992年)を参照されたい。
【0016】
金属、半導体、および磁性ナノ粒子の作製方法は、当技術分野では周知である。例えば、Schmid, G.(編集)Clusters and Colloids(VCH、Weinheim、1994年);Hayat, M. A.(編集)Colloidal Gold: Principles, Methods, and Applications(Academic Press、San Diego、1991年);Massart, R.、IEEE Transactions On Magnetics、第17巻、1247頁(1981年);Ahmadi, T. S.ら、Science、第272巻、1924頁(1996年);Henglein, A.ら、J. Phys. Chem.、第99巻、14129頁(1995年);Curtis, A. C.ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、第27巻、1530頁(1988年)を参照されたい。Fattalら、J. Controlled Release(1998年)第53巻:137〜143頁および米国特許第4,489,055号には、ポリアルキルシアノアクリレートナノ粒子の調製が記載されている。Liuら、J. Am. Chem. Soc.(2004年)第126巻:7422〜7423頁には、ポリ(D−グルカラミドアミン)を含むナノ粒子の作製方法が記載されている。Tondelliら、Nucl. Acids Res.(1998年)第26巻:5425〜5431頁には、重合メチルメタクリレート(MMA)を含むナノ粒子の調製が、また、例えばKukowska−Latalloら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1996年)第93巻:4897〜4902頁には、デンドリマーナノ粒子の調製(星型ポリアミドアミンデンドリマー)が記載されている。好適なナノ粒子はまた、例えば、Ted Pella,Inc.(金)、Amersham Corporation(金)、およびNanoprobes,Inc.(金)等から市販されている。約140nmの分散凝集粒子サイズを有する酸化スズナノ粒子は、日本国千葉県の真空冶金株式会社から市販されている。様々な組成およびサイズ範囲のその他の市販のナノ粒子は、例えば、カリフォルニア州BurlingameのVector Laboratories,Inc.から入手可能である。
【0017】
また、米国特許出願公開第2003/0147966号に記載されているように、本明細書に記載の材料を含むナノ粒子は、市販されているか、または、溶液中での連続核生成から(例えばコロイド反応により)、もしくはスパッタ堆積等の様々な物理および化学気相堆積プロセスにより生成することができる。例えば、HaVashi、Vac. Sci. Technol. A5(4):1375〜84頁(1987年);Hayashi、Physics Today、44〜60頁(1987年);MRS Bulletin、1990年1月、16〜47頁を参照されたい。米国特許出願公開第2003/0147966号にさらに記載されているように、企図されるナノ粒子は、当技術分野で知られた方法を用いて、HAuClおよびクエン酸塩還元剤を使用して生成される。例えば、Marinakosら、Adv. Mater.第11巻:34〜37頁(1999年);Marinakosら、Chem. Mater.第10巻:1214〜19頁(1998年);Enustun & Turkevich、J. Am. Chem. Soc.第85巻:3317頁(1963年)を参照されたい。
【0018】
ナノ粒子は、平均直径約1nmから約250nm、平均直径約1nmから約240nm、平均直径約1nmから約230nm、平均直径約1nmから約220nm、平均直径約1nmから約210nm、平均直径約1nmから約200nm、平均直径約1nmから約190nm、平均直径約1nmから約180nm、平均直径約1nmから約170nm、平均直径約1nmから約160nm、平均直径約1nmから約150nm、平均直径約1nmから約140nm、平均直径約1nmから約130nm、平均直径約1nmから約120nm、平均直径約1nmから約110nm、平均直径約1nmから約100nm、平均直径約1nmから約90nm、平均直径約1nmから約80nm、平均直径約1nmから約70nm、平均直径約1nmから約60nm、平均直径約1nmから約50nm、平均直径約1nmから約40nm、平均直径約1nmから約30nm、または平均直径約1nmから約20nm、平均直径約1nmから約10nmの範囲のサイズであってよい。他の態様において、ナノ粒子のサイズは、約5nmから約150nm(平均直径)、約5nmから約50nm、約10nmから約30nm、約10nmから150nm、約10nmから約100nm、または約10nmから約50nmである。ナノ粒子のサイズは、約5nmから約150nm(平均直径)、約30nmから約100nm、約40nmから約80nmである。方法に使用されるナノ粒子のサイズは、特定の使用または用途での要件に応じて変動する。サイズの変動性は、例えば、本明細書に記載されるように誘導体化され得る光学特性または表面積の量等の、ナノ粒子のある特定の物理的特性を最適化するために有利に利用される。
【0019】
オリゴヌクレオチド
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然および/または非天然ヌクレオチドを有する一本鎖オリゴヌクレオチドを指す。本開示を通して、ヌクレオチドは、あるいは核酸塩基と呼ばれる。オリゴヌクレオチドは、DNAオリゴヌクレオチド、RNAオリゴヌクレオチド、または、DNAオリゴヌクレオチドもしくはRNAオリゴヌクレオチドの修飾型であってもよい。
【0020】
天然発生核酸塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)を含み、またキサンチン、ジアミノプリン、8−オキソ−N−メチルアデニン、7−デアザキサンチン、7−デアザグアニン、N,N−エタノシトシン、N’,N’−エタノ−2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン(mC)、5−(C〜C)−アルキニル−シトシン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、シュードイソシトシン、2−ヒドロキシ−5−メチル−4−トリアゾールピリジン、イソシトシン、イソグアニン、イノシン等の非天然発生核酸塩基および「非天然」核酸塩基は、米国特許第5,432,272号およびFreierら、Nucleic Acids Research、第25巻:4429〜4443頁(1997年)に記載されているものを含む。したがって、「核酸塩基」という用語は、既知のプリンおよびピリミジン複素環だけでなく、複素環類似体およびその互変異性体も含む。さらなる天然および非天然発生核酸塩基は、米国特許第3,687,808号;Sanghvi、Antisense Research and Application、CrookeおよびB. Lebleu編集、CRC Press、1993年、第15章;Englischら、Angewandte Chemie、International Edition、第30巻:613〜722頁(1991年);およびConcise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、J. I. Kroschwitz編集、John Wiley & Sons、1990年、858〜859頁、Cook、Anti−Cancer Drug Design、第6巻、585〜607頁(1991年)(これらはそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されているものを含む。核酸塩基はまた、最も古典的な意味ではヌクレオシド塩基ではないが、ヌクレオシド塩基として機能するある特定の「ユニバーサル塩基」を含む、核酸塩基のように機能することができる複素環化合物等の化合物を含む。ユニバーサル塩基としては、特に、3−ニトロピロール、任意選択で置換されたインドール(例えば5−ニトロインドール)、および任意選択で置換されたヒポキサンチンが挙げられる。その他の望ましいユニバーサル塩基は、当技術分野で知られたユニバーサル塩基を含む、ピロール、ジアゾール、またはトリアゾール誘導体を含む。オリゴヌクレオチドの修飾型もまた企図され、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間連結基を有するものを含む。一実施形態において、オリゴヌクレオチドは、すべてまたはその一部がペプチド核酸である。その他の修飾ヌクレオシド間連結基は、少なくとも1つのホスホロチオエート連結基を含む。さらに他の修飾オリゴヌクレオチドは、1種または複数種のユニバーサル塩基を含むものを含む。ユニバーサル塩基類似体に組み込まれたオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションにおけるプローブとして、PCRおよびDNA配列決定におけるプライマーとして機能することができる。ユニバーサル塩基の例は、5’−ニトロインドール−2’−デオキシリボシド、3−ニトロピロール、イノシンおよびピロキサンチンを含むが、これらに限定されない。
【0021】
リン原子を含有する修飾オリゴヌクレオチド骨格は、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートを含む、メチルおよびその他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’−アミノホスホラミデートおよびアミノアルキルホスホラミデートを含むホスホラミデート、チオノホスホラミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェート、ならびにボラノホスフェートであって、通常の3’−5’連結基、それらの2’−5’連結類似体を有するもの、および、1つまたは複数のヌクレオチド間連結基が3’から3’、5’から5’、または2’から2’の連結基である、反転した極性を有するものを含む。また、最も3’側のヌクレオチド間連結において単一の3’から3’の連結基を備えた、反転した極性を有するオリゴヌクレオチド、すなわち、脱塩基部位(ヌクレオチドがないか、またはその代わりにヒドロキシ基を有する)であってもよい一回反転したヌクレオシド残基も企図される。塩、混合塩および遊離酸の形態もまた企図される。上記リン含有連結基の調製を教示している代表的な米国特許は、米国特許第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;第5,194,599号;第5,565,555号;第5,527,899号;第5,721,218号;第5,672,697号および第5,625,050号(これらの開示は参照により本明細書に組み入れられる)を含む。
【0022】
その中にリン原子を含まない修飾オリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結基、へテロ原子とアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結基の混合、または1種もしくは複数種の短鎖へテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間連結基により形成される骨格を有する。これらは、モルホリノ連結基;シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシド、およびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;リボアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホネートおよびスルホンアミド骨格;アミド骨格;ならびに、その他N、O、SおよびCH2成分の混合部分を有する骨格を有するものを含む。例えば、米国特許第5,034,506号;第5,166,315号;第5,185,444号;第5,214,134号;第5,216,141号;第5,235,033号;第5,264,562号;第5,264,564号;第5,405,938号;第5,434,257号;第5,466,677号;第5,470,967号;第5,489,677号;第5,541,307号;第5,561,225号;第5,596,086号;第5,602,240号;第5,610,289号;第5,602,240号;第5,608,046号;第5,610,289号;第5,618,704号;第5,623,070号;第5,663,312号;第5,633,360号;第5,677,437号;第5,792,608号;第5,646,269号、および第5,677,439号(これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
【0023】
ヌクレオチド単位の1種もしくは複数種の糖および/または1種もしくは複数種のヌクレオチド間連結基の両方が「非天然発生」基で置き換えられた修飾オリゴヌクレオチド。一態様において、この実施形態は、ペプチド核酸(PNA)を企図する。PNA化合物では、オリゴヌクレオチドの糖骨格が、アミド含有骨格で置き換えられている。例えば、米国特許第5,539,082号;第5,714,331号;および第5,719,262号、ならびにNielsenら、Science、1991年、第254巻、1497〜1500頁(これらの開示は、参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
【0024】
開示されたオリゴヌクレオチドにおいて企図されるヌクレオチドおよび非天然ヌクレオチドの間の他の連結基は、米国特許第4,981,957号;第5,118,800号;第5,319,080号;第5,359,044号;第5,393,878号;第5,446,137号;第5,466,786号;第5,514,785号;第5,519,134号;第5,567,811号;第5,576,427号;第5,591,722号;第5,597,909号;第5,610,300号;第5,627,053号;第5,639,873号;第5,646,265号;第5,658,873号;第5,670,633号;第5,792,747号;および第5,700,920号;米国特許出願公開第20040219565号;国際特許公開番号WO98/39352およびWO99/14226;Mesmaekerら、Current Opinion in Structural Biology第5巻:343〜355頁(1995年)、ならびにSusan M. FreierおよびKarl−Heinz Altmann、Nucleic Acids Research、第25巻:4429〜4443頁(1997年)に記載のものを含む。
【0025】
提供された方法における使用のためのナノ粒子は、約5ヌクレオチドから約150ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドまたはその修飾型で修飾されている。また、オリゴヌクレオチドが約5ヌクレオチドから約140ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約130ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約120ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約110ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約100ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約90ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約80ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約70ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約60ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約50ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約45ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約40ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約35ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約30ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約25ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約20ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約15ヌクレオチドの長さ、約5ヌクレオチドから約10ヌクレオチドの長さ、および、オリゴヌクレオチドが所望の結果を達成し得る範囲内の、具体的に開示されたサイズの中間的長さのすべてのオリゴヌクレオチドである方法もまた企図される。したがって、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24,25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドが企図される。
【0026】
さらに他の態様において、オリゴヌクレオチドは、約8個のヌクレオチドから約80個のヌクレオチド(すなわち、約8個から約80個の連結ヌクレオシド)を含む。方法は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24,25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80ヌクレオチドの長さの化合物を利用することが、当業者には理解される。
【0027】
オリゴヌクレオチド配列およびハイブリダイゼーション
提供された方法で利用される各ナノ粒子は、それに結合した複数のオリゴヌクレオチドを有する。その結果、各オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子は、第2のオリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子、および/または、存在する場合には、十分に相補的な配列を有する遊離オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする能力を有する。一態様において、各ナノ粒子が同一のオリゴヌクレオチドで修飾される、すなわち、ナノ粒子に結合した各オリゴヌクレオチドが同じ長さおよび同じ配列を有する方法が提供される。他の態様において、各ナノ粒子は、同一ではない2種以上のオリゴヌクレオチドで修飾される、すなわち、結合したオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1個が、異なる長さおよび/または異なる配列を有するという点で、少なくとも1個の他の結合オリゴヌクレオチドと異なる。
【0028】
所定の配列のオリゴヌクレオチドを作製する方法は周知である。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版、1989年)およびF. Eckstein(編集)Oligonucleotides and Analogues、第1版(Oxford University Press、New York、1991年)を参照されたい。固相合成法は、オリゴリボヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドの両方に好ましい(DNA合成の周知の方法もまたRNA合成に有用である)。オリゴリボヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドはまた、酵素的に調製可能である。非天然発生核酸塩基をオリゴヌクレオチドに組み込むこともできる。例えば、米国特許第7,223,833号;Katz、J. Am. Chem. Soc.、第74巻:2238頁(1951年);Yamaneら、J. Am. Chem. Soc.、第83巻:2599頁(1961年);Kosturkoら、Biochemistry、第13巻:3949頁(1974年);Thomas、J. Am. Chem. Soc.、第76巻:6032頁(1954年);Zhangら、J. Am. Chem. Soc.、第127巻:74〜75頁(2005年);およびZimmermannら、J. Am. Chem. Soc.、第124巻:13684〜13685頁(2002年)を参照されたい。
【0029】
いくつかの態様において、ナノ粒子に結合したオリゴヌクレオチドは、プローブオリゴヌクレオチドと相補的である。様々な態様において、オリゴヌクレオチドは、プローブオリゴヌクレオチドと100%相補的、すなわち完全に一致し、一方その他の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも約95%(つまり95%以上を意味する)、オリゴヌクレオチドの長さにわたってプローブ化合物と相補的であり、少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約65%、少なくとも約60%、少なくとも約55%、少なくとも約50%、少なくとも約45%、少なくとも約40%、少なくとも約35%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、少なくとも約20%、オリゴヌクレオチドの長さにわたってプローブ化合物と相補的である。
【0030】
プローブオリゴヌクレオチドは、対象検体の検出を支援するため検出アッセイにおいて使用されるオリゴヌクレオチドである。プローブオリゴヌクレオチドは、後述するバイオバーコードアッセイ等のアッセイにおいて使用することができる。例えば、米国特許第6,361,944号;第6,417,340号;第6,495,324号;第6,506,564号;第6,582,921号;第6,602,669号;第6,610,491号;第6,678,548号;第6,677,122号;第6682,895号;第6,709,825号;第6,720,147号;第6,720,411号;第6,750,016号;第6,759,199号;第6,767,702号;第6,773,884号;第6,777,186号;第6,812,334号;第6,818,753号;第6,828,432号;第6,827,979号;第6,861,221号;および第6,878,814号を参照されたい。
【0031】
ナノ粒子へのオリゴヌクレオチドの結合
本明細書に開示されたオリゴヌクレオチドは、1つの異なる場所に脱離基を組み込み、第2の異なる場所に官能基を組み込むように修飾される。いくつかの実施形態において、脱離基はオリゴヌクレオチドの第1の末端に向かい、官能基はオリゴヌクレオチドの反対側の末端にある。特定の実施形態において、脱離基はオリゴヌクレオチドの一方の末端にあり、官能基は反対側の末端にある。脱離基および官能基部分は、脱離基および/または官能基部分を有するように修飾され得るオリゴヌクレオチドの任意の部分で結合し得る。
【0032】
オリゴヌクレオチドは、官能基部分を介してナノ粒子に結合する。修飾され得るオリゴヌクレオチド上の部位の例は、ヒドロキシ、ホスフェート、またはアミンを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ナノ粒子表面への結合のための脱離基および/または官能基部分を組み込む非天然核酸塩基を有する。様々な態様において、官能基はスペーサである。これらの態様において、スペーサは、有機部分、ポリマー、水溶性ポリマー、核酸、ポリペプチド、および/またはオリゴ糖である。ナノ粒子の表面に結合するためにオリゴヌクレオチドを官能化する方法は、当技術分野では周知である。Whitesides、Proceedings of the Robert A. Welch Foundation 39th Conference On Chemical Research Nanophase Chemistry、Houston、Tex.、109〜121頁(1995年)を参照されたい。また、Mucicら、Chem. Comm.555〜557頁(1996年)(3’チオールDNAを平坦な金表面に結合させる方法を記載;この方法はオリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させるために使用することができる)を参照されたい。また、アルカンチオール法を使用してオリゴヌクレオチドを他の金属、半導体および磁性コロイド、ならびに上に挙げたその他のナノ粒子に結合させることもできる。オリゴヌクレオチドを固体表面に結合させるためのその他の官能基は、ホスホロチオエート基(例えば、オリゴヌクレオチド−ホスホロチオエートの金表面への結合に関して、米国特許第5,472,881号を参照)、置換アルキルシロキサン(例えば、オリゴヌクレオチドのシリカおよびガラス表面への結合に関して、Burwell、Chemical Technology、第4巻:370〜377頁(1974年)ならびにMatteucciおよびCaruthers、J. Am. Chem. Soc.、第103巻:3185〜3191頁(1981年)を、またアミノアルキルシロキサンの結合およびメルカプトアルキルシロキサンの類似の結合に関して、Grabaretal.、Anal. Chem.、第67巻:735〜743頁を参照)を含む。オリゴヌクレオチドを固体表面に結合させるために、5’チオヌクレオシドまたは3’チオヌクレオシドで終端したオリゴヌクレオチドを使用することもできる。以下の参考文献は、オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合するために使用可能なその他の方法を記載している:Nuzzoら、J. Am. Chem. Soc.、第109巻:2358頁(1987年)(金上のジスルフィド);AllaraおよびNuzzo、Langmuir、第1巻:45頁(1985年)(アルミニウム上のカルボン酸);AllaraおよびTompkins、J. Colloid Interface Sci.、第49巻:410〜421頁(1974年)(銅上のカルボン酸);Iler、The Chemistry Of Silica、第6章、(Wiley 1979年)(シリカ上のカルボン酸);TimmonsおよびZisman、J. Phys. Chem.、第69巻:984〜990頁(1965年)(白金上のカルボン酸);SoriagaおよびHubbard、J. Am. Chem. Soc.、第104巻:3937頁(1982年)(白金上の芳香環化合物);Hubbard、Acc. Chem. Res.、第13巻:177頁(1980年)(白金上のスルホラン、スルホキシドおよびその他の官能化溶媒);Hickmanら、J. Am. Chem. Soc.、第111巻:7271頁(1989年)(白金上のイソニトリル);MaozおよびSagiv、Langmuir、第3巻:1045頁(1987年)(シリカ上のシラン);MaozおよびSagiv、Langmuir、第3巻:1034頁(1987年)(シリカ上のシラン);Wassermanら、Langmuir、第5巻:1074頁(1989年)(シリカ上のシラン);EltekovaおよびEltekov、Langmuir、第3巻:951頁(1987年)(二酸化チタンおよびシリカ上の芳香族カルボン酸、アルデヒド、アルコールおよびメトキシ基);Lecら、J. Phys. Chem.、第92巻:2597頁(1988年)(金属上の固定ホスフェート)。
【0033】
一実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つの末端に向かってジスルフィド官能基を有する。この官能基は、例えば、ジチオールホスホラミダイト核酸塩基(例えば、Glen Research、Sterling、VA、USAから販売されているDTPA等)を使用して達成することができる。オリゴヌクレオチドの官能基としてのDTPAの選択は、遊離チオールがオリゴヌクレオチドの脱離基の末端と反応してオリゴヌクレオチドの自己会合体を形成し得るため、好ましい。しかし、開示された条件下で安定であり、分子修飾ナノ粒子を提供することができる、ナノ粒子表面に結合可能な官能基と脱離基部分の任意の組合せが企図される。
【0034】
オリゴヌクレオチド密度
オリゴヌクレオチドが、少なくとも10pmol/cm、少なくとも15pmol/cm、少なくとも20pmol/cm、少なくとも25pmol/cm、少なくとも30pmol/cm、少なくとも35pmol/cm、少なくとも40pmol/cm、少なくとも45pmol/cm、少なくとも50pmol/cm、または50pmol/cm以上の表面密度でナノ粒子に結合する方法が提供される。
【0035】
一態様において、オリゴヌクレオチドのナノ粒子表面上での充填密度は、ナノ粒子間、および単一のナノ粒子上のポリヌクレオチド鎖間の協同的な挙動をもたらすのに十分である方法が提供される。別の態様において、ナノ粒子間の共同的な挙動は、オリゴヌクレオチドの分解に対する耐性を増加させる。
【0036】
オリゴヌクレオチドへの分子の結合
本明細書に開示されたオリゴヌクレオチドは、異なる場所で脱離基により修飾される。本明細書で使用される場合、脱離基とは、求核基による求核攻撃を容易に受けやすい部分を指す。典型的な脱離基は、トシル、メシル、トリチル、置換トリチル、ニトロフェニル、クロロフェニル、フルオレニルメトキシカルボニル、およびスクシンイミジルを含むが、これらに限定されない。好ましい脱離基は、トシルである。脱離基の機能性を提供するためのオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端の修飾は、当技術分野では周知である。例えば、オリゴヌクレオチドを脱離基で修飾する方法に関して、WO93/020242を参照されたい。
【0037】
分子は、オリゴヌクレオチド上の脱離基の求核置換を介してナノ粒子に結合する。分子上の求核基は、例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボキシレート、チオール、または、脱離基を置換することができるその他の任意の部分であってもよい。求核基による脱離基の置換を可能とするのに十分な条件は、化学分野の当業者により容易に決定される。
【0038】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示された分子は、対象検体の標的分子である。標的分子の例は、タンパク質、ペプチド、脂質、炭水化物等を含む。より具体的な例は、対象抗原に対する抗体、対象酵素の小分子受容体、対象小分子受容体の酵素を含む。
【0039】
検出アッセイ
開示された分子修飾ナノ粒子は、バイオバーコードアッセイ等の検出アッセイにおいて使用することができる。米国特許第7,323,309号;第6,974,669号;第6,750,016号;第6,268,222号;第5,512,439号;第5,104,791号;第4,672,040号;および第4,177,253号;米国特許出願公開第2001/0031469号;第2002/0146745号;および第2004/0209376号;ならびに国際特許公開番号WO05/003394(これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。固定された分子が使用されるその他の検出アッセイもまた企図される。そのようなアッセイの限定されない例は、イムノPCRアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ、ウェスタンブロッティング、間接蛍光抗体試験、溶解度変化、吸光度変化、伝導度変化、およびラマンまたはIRスペクトル変化を含む。(例えば、Butler、J. Immunoassay、第21巻(2および3):165〜209頁(2000年);Herbrinkら、Tech. Diagn. Pathol.第2巻:1〜19頁(1992年);ならびに米国特許第5,635,602号および第5,665,539号(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい。)
検体が分子修飾ナノ粒子に結合すると、「検出事象」と呼ばれる検出可能な変化が生成じる。用いられているアッセイに依存して、その検出事象は、蛍光性の変化(例えば蛍光標識が使用される実施形態の場合);吸光度の変化、ラマンスペクトルの変化;電気特性の変化(例えば試料もしくは分子修飾ナノ粒子の導電性の増加もしくは減少);光散乱の変化;溶解度の変化(例えば、分子修飾ナノ粒子に結合する検体が、それをアッセイ溶液から沈殿させる)、または、既知の手段を使用して検出可能な物理的もしくは化学的特性の他のいくつかの変化であり得る。
【0040】
開示された方法を使用して、検体は、非常に低濃度で検出され得る。いくつかの実施形態において、検体は、300fMという低い濃度で存在する。様々な実施形態において、検体の濃度は、検出事象、例えば吸光度の変化等を比較し、またその結果を較正曲線と比較することにより決定され得る。
【0041】
本発明の追加の態様および詳細は、限定ではなく例示を意図する以下の実施例から明らかとなる。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
トシル化オリゴヌクレオチドの調製
Glen Research社製Ultramild試薬を1μモルスケールで使用した標準的なホスホラミダイト合成によりオリゴヌクレオチドを調製した。3’ジチオール官能化および金へのオリゴの結合のために、AまたはG、CPG Ultramildサポートを使用して、DTPAモノマー(Glen Research社製)を3’端に導入した。5’トシルT−ホスホラミダイトを使用して、5’トシル修飾を導入した(Herrleinら、J. Am. Chem. Soc.第117巻:10151〜10152頁(1995年))。次いで、保護されたオリゴヌクレオチドを、濃縮水酸化アンモニウム中、55℃で15分間脱保護した後、室温で1.5時間静置した。水酸化アンモニウムは、窒素気流下で除去した。次いで粗生成物を、逆相カラム上で、1%/分の勾配、3mL/分の流速を用いて、HPLC(0.03M酢酸トリエチルアンモニウム、95%CHCN/5%0.03M酢酸トリエチルアンモニウム)で精製した。
【0043】
(実施例2)
トシル−オリゴヌクレオチドナノ粒子の調製
実施例1のトシル化オリゴヌクレオチド1O.D.を30nm金粒子1mLに添加することにより、トシル−オリゴヌクレオチドナノ粒子を調製した。混合物を室温で24時間静置した。この最初のインキュベーション期間の後、10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を導入して最終濃度を0.1%とした後、1M塩溶液を使用して塩化ナトリウムを添加し、最終濃度を0.1Mとした。次いで混合物を室温で48時間静置した。次いで、エッペンドルフ卓上遠心分離機を使用して、6800rpmで15分間の遠心分離によりコンジュゲートを回収し、Nanopure水で2回洗浄し、最後にNanopure水に懸濁させて冷蔵した。
【0044】
(実施例3)
分子修飾ナノ粒子の調製
実施例2のトシル−オリゴヌクレオチドナノ粒子3.0mLを、遠心分離および上澄みの除去により60μLに濃縮することにより、分子修飾ナノ粒子を調製した。この濃縮物に、0.2%Tween20溶液20μL、次いで20μLのPBS緩衝液pH7.4中の所望の分子10μgを添加した。
【0045】
特定の実施例において、PSA検出が望ましかったため、R&D Systems社製ポリクローナル抗体、抗h Kallikrein−3親和性精製ヤギIgGを使用した。この混合物に、pH9.5の0.2Mホウ酸塩緩衝液100μLを添加した。混合物を、エッペンドルフThermomixer Rで、550rpmで24時間、37℃で反応させた。この混合物に、10%BSA溶液10μLを添加し、前記条件下でさらに24時間反応させた。分子修飾ナノ粒子を5800rpmで15分間の遠心分離により回収した後、0.1%のBSA、0.025%のTween20(アッセイ緩衝液)を含有するpH7.4のPBS緩衝液を用いて洗浄し、最後にアッセイ緩衝液3mL中に再懸濁させ、検出アッセイで使用されるまで冷蔵した。
【0046】
(実施例4)
分子修飾ナノ粒子を使用した標的分子の検出
材料 CodeLinkスライドをGE Healthcare社から入手し、製造者が推奨する方法を用いてアミノ捕捉オリゴヌクレオチドでプリントした。オリゴヌクレオチド捕捉プローブおよび対照オリゴを、Integrated DNA Technologies社から購入し、さらに精製することなく使用した。バーコード捕捉配列5’TCT AAC TTG GCT TCA TTG CAC CGT T/3AmM−3’(配列番号1)(ここで3AmMはアミノ修飾因子C6である);対照捕捉配列5’AAT GCT CAA TGG ATA CAT AGA CGA GG/3AmM/3’(配列番号2)バーコード配列:3’−G−DTPA−T19−ACC−GAA−GTA−ACG−TGG−CAA−T−トシル(配列番号3)Wash A、B、A20シグナルプローブ(配列番号4)、ハイブリダイゼーションチャンバ、Shabbona研究プラットフォーム、および銀増感溶液を、Nanosphere Inc.から購入し、製造者が推奨する方法に従い使用した。ヨウ素溶液(0.1N体積標準)を、Aldrich Chemicals社から入手した。試験を通して、PSA(90:10 WHO PSA標準;90%結合:10%遊離)を較正曲線用の標準物質として使用した。
【0047】
ハイブリダイゼーション。Nanosphere社で、マイクロアレイ(CodeLinkスライド;GE Healthcare社製)を、バーコード捕捉オリゴヌクレオチド(特定のバーコード配列と相補的)および対照配列(非相補的配列)でプリントし、それにより各スライドは、スライド毎に、アレイにつき各捕捉配列の6つの繰り返しを有する10個のアレイが施された。Nanosphereハイブリダイゼーションチャンバを各スライドに取り付け、各アレイを物理的に分離した。バーコード55μLを載せた後、スライドを、600rpmで振盪しながら40℃で60分間インキュベートした。シグナルプローブミックス(55μL、放出緩衝液50μLおよび10nMの15nm dA20(配列番号4)金ナノ粒子プローブ(Nanosphere,Inc.製)5μLを含有)を添加し、インキュベーションを30分継続した。ハイブリダイゼーションの後、Wash A(0.5N NaNO、0.02%Tween20、0.01%SDS)中で1分間に3回、次いでWash B(0.5N NaNO)中で1分間に2回スライドを洗浄した。最後に0.1N NaNO中で速やかに洗浄(1〜2秒)した後、スライドを脱水した。
【0048】
前立腺特異抗原(PSA)が存在するかどうかについて、バイオバーコードアッセイ(例えば米国特許第6,495,324号を参照)により、実施例3で調製したPSA抗体ナノ粒子を使用して一連のヒト血清試料をスクリーニングした。本実施例において、適切な場合には、磁気分離および撹拌デバイスを備えたShabbona液体処理ステーションを使用した。1%ポリアクリル酸ナトリウム塩(15,000MW)を含有するアッセイ緩衝液30μLを試験ウェルに添加することにより、血清中の一連の較正用標準試料および未知試料を含有する試料ブロックを調製した。この溶液に、血清30μLを添加し、続いて、製造者が推薦する方法を用いてPSAモノクローナルAb(Abcam Ab403)により事前に官能化された磁性粒子(Invitrogen社製MyOneトシル化粒子)40μL(反応ウェル毎に1.5μg)を添加した。次いで混合物を室温で1時間撹拌し(1200rpm)、1%アッセイ緩衝液を使用して2回洗浄すると同時に磁気分離を行った。次いで、金ナノ粒子(50μL、150pM)を試験ウェルに投入してから、混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物に、アッセイ緩衝液150μLを添加し、続いて磁気分離を行った。続いてアッセイ緩衝液200μLで5回洗浄し、アッセイ緩衝液を溶出緩衝液に交換した後(2×PBS、0.04%Tween20、190μL)、試料をPCRチューブに移し、0.1Nヨウ素水溶液10μLを添加した後、ハイブリダイゼーション標準試料10μLを最終濃度10fMまで添加した。次いでこの混合物を10分間95℃で加熱し、金を溶解させることにより金ナノ粒子からバーコードを放出させ(Templetonら、J. Am. Chem. Soc.、第120巻:1906頁(1998年);Kimら、J. Am. Chem. Soc.、第122巻:7616頁(2000年);Puddephatt、The Chemistry of Gold、Elsevier、Amsterdam、1978年)、室温まで冷却して、事前にバーコードと相補的なアミノ捕捉オリゴヌクレオチドおよび対照オリゴヌクレオチドをプリントしたCodeLink(商標)(GE Healthcare社製)ガラススライドを備えた、ハイブリダイゼーションチャンバ(Nanosphere Inc.製)に移した。次いでアセンブリを、600rpmで撹拌しながら、40℃で60分間インキュベータ内に置いた。次いでガラススライドをWash A(Nanosphere Inc.製)溶液で2回洗浄し、新たなハイブリダイゼーションチャンバに再び組み付けた。アセンブリの各ウェルに、新鮮な溶出緩衝液およびA20(配列番号4)シグナルプローブ(Nanosphere Inc.製)を含有するハイブリダイゼーション溶液を、最終濃度1nMまで添加した。アセンブリ全体を、600rpmで撹拌しながら40℃のインキュベータ内に30分間置いた。次いでアセンブリを解体し、Wash Aで2回洗浄した。次いでスライドをWash B(Nanosphere Inc.製)溶液で3回洗浄して脱水した。Nanosphere Inc.製銀増感溶液を使用して、銀現像を室温で5分間行った。
【0049】
バーコードシグナル検出。Signal Enhancement AおよびSignal Enhancement B(ともにNanosphere,Inc.製)の等容積を混合し、速やかにプラスチックスライドホルダ内のスライド上に注ぎ、室温で5分間インキュベートした。水中で2回洗浄し、水中で完全に濯ぐことにより反応を止めた。スライドを脱水し、スライドの裏側を慎重に拭いて、埃、塩、およびその他の混入物質を除去した。スライドをVerigene(商標)IDシステム(Nanosphere社製)で走査した。
【0050】
バーコード画像分析。走査画像(Verigene IDからの16ビットTIFF)を、GenePix Pro v5.1ソフトウェア(Axon Instruments社製)で分析した。平均スポット強度を、まず局所バックグラウンド(各スポットの近傍における同様のサイズの領域の平均ピクセル値)について較正し、生のスポット強度を生成した。図3は、1%PAAを含有するアッセイ緩衝液における較正曲線を示す。図3に示される結果は、自動化プラットフォーム上でいくつかのアッセイ緩衝液中較正用標準試料とともに測定された代表的試料を示している。代表となる自動測定は、アッセイ緩衝液中WHO PSA標準試料を使用した。標準試料は、既知の濃度のPSA抗原を、0、0.1、1.0、5.0、および10.0pg/mLでアッセイ緩衝液中に添加することにより調製し、その後自動化システムでバイオバーコードアッセイを行い、PSA標的滴定のための30nm Au NPプローブから放出されたバーコードDNA鎖の走査測定検出を行った。Verigene IDシステムからのグレースケール画像は、GenePix Pro 6ソフトウェア(Molecular Devices社製)を使用してカラー画像に変換されている。
【0051】
図4は、1%PAAを含有する30%ヒト血清を使用した血清スクリーニングを示す。代表となる自動化測定は30%ヒト血清を使用した。試料は、自動化システム上でヒト血清をアッセイ緩衝液に添加することにより調製し、PSA標的検出のための30nm Au NPプローブから放出されたバーコードDNA鎖の走査測定検出を行った。Verigene IDシステムからのグレースケール画像は、GenePix Pro 6ソフトウェア(Molecular Devices社製)を使用してカラー画像に変換されている。711血清が最も低いPSAバックグラウンドを有し、ヒト血清における較正曲線に好適であると決定された。この血清を使用して、既知量のPSA標準試料を血清に添加し、タンパク質バイオバーコードアッセイを行うことにより、較正曲線を作成した。図5に示される結果は、自動化システムから得られたヒト血清におけるPSA較正曲線を示す。
【0052】
図5は、1%PAAを含有する30%ヒト血清における較正曲線を示す。代表となる自動化較正曲線は30%ヒト血清を使用した。試料は、ヒト血清に0.1、1.0、5.0、および10.0pg/mLのPSA標準試料を添加し、続いて自動化システム上でヒト血清をアッセイ緩衝液に添加することにより調製し、PSA標的検出のための30nm Au NPプローブから放出されたバーコードDNA鎖の走査測定検出を行った。
【0053】
バイオバーコードプローブ特性決定。バイオバーコードプローブの二面性を実証するために、2つの別個の方法を開発した。プローブはキメラである(バーコードおよび抗体の両方が同じナノ粒子に結合している)ため、(抗体の活性を決定するための)タンパク質アッセイおよび(オリゴヌクレオチドバーコードの活性を検査するための)オリゴヌクレオチドアッセイを通してプローブの忠実性を実証する必要があった。そのようなアッセイは、抗原またはオリゴヌクレオチドバーコード捕捉配列を、CodeLinkガラススライドの表面上に別個にプリントすることにより考案された。これらの分子の化学的結合の後、別個の実験において、プリントされた表面をバイオバーコードプローブで負荷した。これらの新規で高感度のプローブの二重の結合および選択性を、これらのアッセイにおいて実証することに成功した。図6のパネルAは、バイオバーコードプローブを使用したオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイの結果を示し、一方パネルBは、アッセイ緩衝液中の同じバイオバーコードプローブの抗原結合能力を示している。オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションおよび抗体抗原結合を介した、バイオバーコードプローブの直接結合アッセイ。図6のパネルAは、プリントされた捕捉プローブで負荷された10pM〜0fMのプローブ希釈シリーズの濃縮用量/応答を示す。図6のパネルBは、バイオバーコードプローブ(ウェル4)、アッセイ緩衝液(ウェル3)、バイオバーコードプローブおよび過剰の抗原(ウェル2)、ならびにバイオバーコードプローブおよび過剰の抗体(ウェル1)で負荷した、表面結合抗原の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴヌクレオチドに共有結合している分子を含み、前記オリゴヌクレオチドはさらにナノ粒子に共有結合している、分子修飾ナノ粒子。
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドが第1の末端および第2の末端を有し、前記分子が前記第1の末端で結合しており、前記ナノ粒子が前記第2の末端で結合している、請求項1に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項3】
前記分子が生体分子である、請求項1に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項4】
前記生体分子が、タンパク質、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項3に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項5】
前記生体分子が抗体である、請求項2に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項6】
前記ナノ粒子が約10nmから約100nmの直径を有する、請求項1に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項7】
前記ナノ粒子が金属である、請求項1に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項8】
前記金属が、金、銀、白金、アルミニウム、パラジウム、銅、コバルト、インジウム、ニッケル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項9】
前記ナノ粒子が金を含む、請求項1に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項10】
前記オリゴヌクレオチドが官能基部分を介して前記ナノ粒子に結合しており、前記官能基部分は硫黄原子を含む、請求項9に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドが、ジチオールホスホラミダイト(DTPA)を使用して調製されたものである、請求項10に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチドが20核酸塩基から150核酸塩基の長さである、請求項1に記載の分子修飾ナノ粒子。
【請求項13】
分子修飾ナノ粒子の調製方法であって、
a)オリゴヌクレオチドが官能基部分を介してナノ粒子の表面に結合するように、第1の末端に前記官能基部分および第2の末端に脱離基を有する前記オリゴヌクレオチドに前記ナノ粒子を接触させて、オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子を形成するステップと、
b)(a)の前記オリゴヌクレオチド修飾ナノ粒子を、求核基を有する分子に、前記分子の求核基による前記オリゴヌクレオチド上の前記脱離基の置換を可能とするのに十分な条件下で接触させて、前記分子修飾ナノ粒子を形成するステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記分子が生体分子である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記生体分子が、タンパク質、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記生体分子が抗体である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記求核基が、ヒドロキシル、アミン、またはチオールである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記脱離基が、トシル、メシル、トリチル、置換トリチル、ニトロフェニル、クロロフェニル、フルオレニルメトキシカルボニル、およびスクシンイミジルからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ナノ粒子が金属である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記金属が、金、銀、白金、アルミニウム、パラジウム、銅、コバルト、インジウム、ニッケル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ナノ粒子が金を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ナノ粒子が約10nmから約100nmの直径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記オリゴヌクレオチドが20核酸塩基から150核酸塩基の長さである、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
試料中の検体の検出方法であって、
a)前記試料を請求項1に記載の分子修飾ナノ粒子に、検体の分子への結合を可能とする条件下で接触させるステップと、
b)前記分子修飾ナノ粒子に結合した前記検体を検出するステップと
を含み、前記検体が前記分子修飾ナノ粒子に結合すると検出事象が生じる方法。
【請求項25】
前記分子が生体分子である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記生体分子が、タンパク質、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記オリゴヌクレオチドがプローブオリゴヌクレオチドと少なくとも部分的に相補的であり、前記オリゴヌクレオチドおよびプローブオリゴヌクレオチドはハイブリダイズされている、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記検出事象が、前記ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドおよびプローブオリゴヌクレオチドを融解し、前記プローブオリゴヌクレオチドを検出することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記検出が、約300fMまでの低い濃度の検体を検出するような感度を有する、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−520749(P2010−520749A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551817(P2009−551817)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/055133
【国際公開番号】WO2008/127789
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(500041019)ノースウェスタン ユニバーシティ (24)
【Fターム(参考)】