説明

ナノ粒子製剤とその製造方法およびその利用

本発明は、サイズ安定化薬物ナノ粒子組成物およびその製造方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積加重中央直径(D50)約50nm〜約500nmを有する薬物複合体粒子であって、粒子のそれぞれが(i)シクロデキストリン包接複合体を形成することができかつpH約7.4で1mg/ml未満の水溶解度を有する薬物、(ii)表面安定化剤、および(iii)粒子を少なくとも約3日間養生した場合にシクロデキストリン包接複合体を形成する複合体形成剤を会合して含む前記薬物複合体粒子。
【請求項2】
複合体形成剤が粒子のサイズの初期増加を引き起こすのに有効な量で含まれ、初期成長前の粒子の体積加重中央直径(D50)は約100〜約400nmであり、養生期間終了時のD50は養生期間前に測定したD50より20%〜300%大きい、請求項1に記載の薬物複合体粒子。
【請求項3】
表面安定化剤が、結合剤、充填剤、界面活性剤/湿潤剤からなる群より選択される少なくとも1つの非イオン性材料;および/または少なくとも1つのイオン性表面安定化剤である、請求項1に記載の薬物複合体粒子。
【請求項4】
複合体形成剤が、フェノール、パラベン類、アスコルビン酸、アントラニル酸メチル、サリチル酸、アセトサリチル酸、トコフェロール、有機酸、カルボン酸、芳香族酸、芳香族エステル、アミノ酸塩、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド(cinnimaldehyde)、イミダゾール、メントール、チオフェノール、m-アミノ安息香酸、アントラニル酸、ピコリン酸およびそれらのアルキルエステル、トルイジド、安息香酸ナトリウム、パラ-アミノ安息香酸およびエステル、ソルビン酸および安息香酸、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ-p-クレゾール、t-ブチルヒドロキノン、ジ-t-アミルヒドロキノン、ジ-t-ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ピロカテコール、ピロガロール、エステル、それらの異性体化合物、それらの薬学的に許容される塩、および上記いずれかの混合物からなる群より選択される、請求項2に記載の薬物複合体粒子。
【請求項5】
複合体形成剤が、メチルパラベン、プロピルパラベン、カリウムメチルパラベン、ナトリウムメチルパラベン、アントラニル酸メチル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、およびそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の薬物複合体粒子。
【請求項6】
約0.1%〜約8%w/wの複合体形成剤を含む、請求項4に記載の薬物複合体粒子。
【請求項7】
表面安定化剤が、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、プルロニックおよびそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の薬物複合体粒子。
【請求項8】
表面安定化剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ドキュセートナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、プラスドン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の薬物複合体粒子。
【請求項9】
複合体粒子の体積加重直径(D50)が、約72時間おいた連続測定において時間後に10%を超えて変化しない、請求項2に記載の薬物複合体粒子。
【請求項10】
複合体粒子を人工胃液または人工腸液中の分散時に、同条件下の水中の分散と比較して有効粒子径が約0%〜約200%増加する、請求項2に記載の薬物複合体粒子。
【請求項11】
終点に達した後のD50が約500nm未満である、請求項2に記載の薬物複合体粒子。
【請求項12】
請求項1の薬物複合体粒子を少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項13】
固体投与剤形の形態である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
液体懸濁剤の形態である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項13に記載の医薬組成物の有効用量をそれを必要とするヒトまたは動物に投与するステップを含む、治療方法。
【請求項16】
請求項14に記載の医薬組成物の有効用量をそれを必要とするヒトまたは動物に投与するステップを含む、治療方法。
【請求項17】
シクロデキストリン包接複合体を形成することができかつpH約7.4で1mg/ml未満の水溶解度を有する薬物を、表面安定化剤およびシクロデキストリン包接複合体を形成することができる複合体形成剤の有効量と会合して含むサイズ安定化薬物複合体粒子であって、体積加重中央直径(D50)約50nm〜約500nmを有し、その製剤を人工胃液(SGF)または人工腸液(SIF)に0.5〜1mg薬物/mLの濃度で分散させてI型またはII型溶解装置を用いて75rpmの攪拌速度で36℃〜38℃にて1時間加熱浴内に置いた場合にその製剤を同条件下で蒸留水に分散させた場合の薬物粒子のD50と比較して、0%〜約200%以下の体積加重中央直径(D50)の増加を示す、前記サイズ安定化薬物複合体粒子。
【請求項18】
表面安定化剤が、結合剤、充填剤、界面活性剤/湿潤剤からなる群より選択される少なくとも1つの非イオン性材料;および/または少なくとも1つのイオン性表面安定化剤であり、複合体形成剤が、フェノール、パラベン類、アスコルビン酸、アントラニル酸メチル、サリチル酸、アセトサリチル酸、トコフェロール、有機酸、カルボン酸、芳香族酸、芳香族エステル、アミノ酸の塩、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド(cinnimaldehyde)、イミダゾール、メントール、チオフェノール、m-アミノ安息香酸、アントラニル酸、ピコリン酸およびそれらのアルキルエステル、トルイジド、安息香酸ナトリウム、パラ-アミノ安息香酸およびエステル、リン酸、ソルビン酸および安息香酸、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ-p-クレゾール、t-ブチルヒドロキノン、ジ-t-アミルヒドロキノン、ジ-t-ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ピロカテコール、ピロガロール、エステル、それらの異性体化合物、それらの薬学的に許容される塩、および上記いずれかの混合物からなる群より選択される、請求項16に記載のサイズ安定化薬物複合体粒子。
【請求項19】
請求項17に記載の薬物複合体粒子を少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項20】
固体投与剤形の形態である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
液体懸濁剤の形態である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
複合体形成剤が、メチルパラベン、プロピルパラベン、カリウムメチルパラベン、ナトリウムメチルパラベン、アントラニル酸メチル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、およびそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物からなる群より選択される、請求項17に記載のサイズ安定化薬物複合体粒子。
【請求項23】
複合体形成剤がアントラニル酸メチルである、請求項15に記載のサイズ安定化薬物複合体粒子。
【請求項24】
請求項20に記載の医薬組成物の有効用量をそれを必要とするヒトまたは動物に投与するステップを含む、治療方法。
【請求項25】
請求項21に記載の医薬組成物の有効用量をそれを必要とするヒトまたは動物に投与するステップを含む、治療方法。
【請求項26】
約0.1%〜約8%w/wの複合体形成剤を含む、請求項17に記載のサイズ安定化薬物複合体粒子。
【請求項27】
ヒトまたは動物に経口投与すると、薬物の即時放出、遅延放出、持続放出またはパルス型放出を提供する経口固体投与剤形である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項28】
経口固体投与剤形が錠剤またはカプセル剤である、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
薬物複合体粒子が水溶性スペーサーおよびイオン性分散モジュレーターの有効量と共に多数の不活性ビーズ上に噴霧積層されている、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項30】
イオン性分散モジュレーターが、許容される粒子径と安定性をもつビーズの十分な再分散性を提供するのに有効な量である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
イオン性分散モジュレーターが、マグネシウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、クエン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸、マレイン酸塩、酒石酸塩、グルタル酸塩、乳酸塩およびそれらの混合物からなる群より選択される有機または無機塩である、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
安定化薬物粒子を調製する方法であって、
(a)シクロデキストリン包接複合体を形成することができかつpH約7.4で1mg/ml未満の水溶解度を有する薬物粒子のサイズを約50nm〜約200nmのサイズ範囲に縮小するステップ;
(b)薬物粒子のサイズを縮小する前に、その間にまたはその後に、表面安定化剤の有効量を薬物粒子に添加して、薬物と表面安定化剤を含む粒子を形成するステップ;および
(c)シクロデキストリン包接複合体を形成することができる複合体形成剤の有効量を添加することにより、ステップ(b)の粒子をさらに安定化させ、粒子の体積加重中央直径(D50)が約50nm〜約500nmである安定化サイズを有する粒子を提供するステップ
を含む、前記方法。
【請求項33】
粒子の体積加重中央直径(D50)が約50nm〜約500nmである安定化サイズを有する粒子を提供するために、複合体形成剤をステップ(b)の安定化薬物粒子に添加してもよい、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
さらに、安定化薬物粒子の懸濁液を、水溶性スペーサー、および噴霧積層ビーズを再分散するために必要な水溶性スペーサーの量を減ずるのに有効な量のイオン性分散モジュレーターと一緒に、不活性ビーズに噴霧積層するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
安定化薬物粒子の重量基準で、水溶性スペーサーが噴霧積層粒子の約0〜約60%でありかつイオン性モジュレーターが噴霧積層粒子の約0〜約40%である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
イオン性分散モジュレーターが、有機塩、無機塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
無機塩が、マグネシウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩およびそれらの混合物からなる群より選択され、有機塩が、クエン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、グルタル酸塩、乳酸塩およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
請求項33に記載の組成物をそれを必要とするヒトまたは動物に投与するステップを含む、治療方法。
【請求項39】
(a)体積加重中央直径(D50)約50nm〜約500nmを有し、粒子のそれぞれが(i)シクロデキストリン包接複合体を形成することができかつpH約7.4で1mg/ml未満の水溶解度を有する薬物、(ii)表面安定化剤、および(iii)シクロデキストリン包接複合体を形成することができる複合体形成剤を会合して含む薬物複合体粒子と;(b)水溶性スペーサーおよび(c)イオン性分散モジュレーターの有効量とを一緒に含むコーティングを用いて噴霧積層された多数の不活性ビーズを含む、固体医薬品組成物。
【請求項40】
1以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項39に記載の医薬品組成物。
【請求項41】
前記コーティング不活性ビーズの液体懸濁剤である、請求項40に記載の医薬品組成物。
【請求項42】
治療上有効な用量のコーティング不活性ビーズが硬ゼラチンカプセル中に組み込まれている、請求項40に記載の医薬品組成物。
【請求項43】
コーティング不活性ビーズがさらに、製剤の人工胃腸液への曝露時に製剤からの薬物の持続放出または遅延放出を与えるコーティングによってオーバーコーティングされている、請求項42に記載の医薬品組成物。
【請求項44】
硬ゼラチンカプセル中に組み込まれたコーティング不活性ビーズの一部分が即時放出型であり、硬ゼラチンカプセル中に組み込まれた不活性ビーズの一部分が持続放出、遅延放出および以上の混合からなる群より選択される改変された放出型であって、製剤の人工胃腸液への曝露時に製剤からの薬物のパルス型放出を提供する、請求項42に記載の医薬品組成物。
【請求項45】
(a)体積加重中央直径(D50)約50nm〜約500nmを有し、粒子のそれぞれが(i)シクロデキストリン包接複合体を形成することができかつpH約7.4で1mg/ml未満の水溶解度を有する薬物、(ii)表面安定化剤、(iii)シクロデキストリン包接複合体を形成することができる複合体形成剤を会合して含む薬物複合体粒子と一緒の;(b)水溶性スペーサーおよび(c)イオン性分散モジュレーターの有効量;不活性希釈剤;ならびに製錠滑沢剤の圧縮混合物を含む、経口摂取用錠剤。
【請求項46】
製剤の人工胃腸液への曝露時に製剤からの薬物の持続放出または遅延放出またはパルス型放出を与える1以上の賦形剤をさらに含む、請求項45に記載の経口摂取用錠剤。
【請求項47】
シクロデキストリン包接複合体を形成することができかつpH約7.4で1mg/ml未満の水溶解度を有する薬物を、表面安定化剤およびシクロデキストリン包接複合体を形成することができる複合体形成剤の有効量と会合して含み、養生後のサイズ安定化粒子の体積加重中央直径(D50)が約50nm〜約500nmであるサイズ安定化ナノ粒子液体組成物。
【請求項48】
親水性ポリマー、湿潤剤、イオン性分散モジュレーター、水溶性スペーサー、およびそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物からなる群より選択される少なくとも1つのさらなる薬学的に許容される賦形剤をさらに含有する、請求項47に記載のナノ粒子液体組成物。
【請求項49】
溶媒の除去により液体組成物がナノ粒子固体組成物に変換される、請求項47に記載のナノ粒子液体組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−510988(P2010−510988A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538426(P2009−538426)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/024606
【国際公開番号】WO2008/066899
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(508157794)マリナス ファーマシューティカルズ (3)
【Fターム(参考)】