説明

ナノ複合材料における分散剤

【課題】ナノ複合材料における分散剤の提供。
【解決手段】本発明は、(a)合成ポリマー、(b)好ましくはナノ粒子状の、充填剤、例えば天然又は合成フィロシリケートもしくは該フィロシリケートの混合物等、及び(c)制御されたフリーラジカル重合(CFRP)によって製造された分散剤を含む、組成物、好ましくはナノ複合材料を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)合成ポリマー、特にポリオレフィン、(b)好ましくはナノ粒子状の、充填剤、特に天然又は合成フィロシリケートもしくは該フィロシリケートの混合物、及び(c)制御されたフリーラジカル重合(CFRP)によって製造された分散剤を含む、組成物、好ましくはナノ複合材料に関する。本発明はまた、(a)合成ポリマー、(b)充填剤、及び(c)制御されたフリーラジカル重合によって製造された分散剤の混合物を溶融混合することからなる合成ポリマーナノ複合材料の製造方法、及び充填剤に挿入して(intercalate)剥離し(exfoliate)、該充填剤を合成ポリマーマトリックス中に分散させて、ナノ複合材料を形成するための、該分散剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料、特にポリマーへの充填剤の添加は、既知であり、例えば、ハンス ツバイフェル(編者),Plastics Additives Handbook,第5版,901−948頁,ハンサー出版社,ミュンヘン 2001に記載されている。ポリマー中への充填剤の使用は、例えば、ポリマーの機械的性質、特に、密度、硬度、剛性(モジュラス)の改善又は収縮の減少をもたらすことができるという利点を有する。
【0003】
非常に小さな充填剤粒子(1つの寸法が<200nm)、いわゆるナノスケールの充填剤を使用することによって、ポリマーの機械的性質、熱変形温度安定性又は難燃性は、通常のマイクロスケールの充填剤粒子の20ないし50質量%と比べて、典型的には2ないし10質量%のはるかに低い濃度で改善され得る。ナノスケールの充填剤を含有するポリマーは、強度、モジュラス及び耐衝撃性等の有利な機械的性質を組合せ、かつ光沢、加工間のより低い工具摩耗性等の改善された表面品質及び再利用のための良好な状態を示す。ナノスケールの充填剤を含むコーティング及びフィルムは、改善された安定性、耐燃性、気体遮断性及び耐引掻性を示す。
【0004】
ナノスケールの充填剤は、高い表面エネルギーと共に極度に大きな表面積を有する。それ故、表面エネルギーの不活性化及びポリマー状基材とのナノスケールの充填剤の相溶化は、充填ポリマーの加工又は変換中の凝集を避け、かつ最終製品中でのナノスケールの充填剤の良好な分散を達成するため、通常のマイクロスケールの充填剤についてよりもよりいっそう重要である。
【0005】
モンモリロナイト及び合成ポリマー等のクレー又は積層シリケートに基づく有機−無機ナノ複合材料に関しては、多くの最新の文献がある。ポリオレフィンナノ複合材料は、有機変性クレーから製造されてきた。使用されるクレーは、一般的に、アルキル又はジアルキルアンモニウムイオン又はアミンで、もしくは多少の場合において、例えば、ホスホニウムイオン等の他のオニウムイオンで変性される。アンモニウムイオン/アミン添加剤は、通常、分離溶液挿入工程によってクレー構造中に配合され得る。
【0006】
これらの慣用の有機変性クレーは、ポリオレフィンナノ複合材料の製造のために使用する場合、多くの欠点を有する。アンモニウム塩は、ポリオレフィン加工で使用される温度において熱的に不安定であり、さもなくば、加工条件下で反応性であり得る。これらの不安定性は、揮発性副生成物の形成に加えて、乏しい加工安定性、粗悪な機械的性質、変色、臭気形成及び長期安定性の減少をもたらす。
【0007】
溶融加工によるポリオレフィンナノ複合材料形成を改善するために、更なる相溶化剤の使用が提案されており、該相溶化剤は、最も頻繁には、無水マレイン酸グラフト化ポリプ
ロピレンであり、そしてそれは、最終製品の主成分として実施例中に存在する。
【0008】
M.カワスミ他,Macromolecules 1997,30,6333−6338又は米国特許第5,973,053号明細書は、極性官能基を含むポリオレフィンオリゴマー、例えば、無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレンの存在下において、オクタデシルアンモニウム塩であらかじめ変性されたクレーがポリプロピレンと配合される場合、ポリプロピレンナノ複合材料が得られることを開示している。
【0009】
相溶化剤は、主に、充填剤の凝集を避けることに関して、ナノ複合材料の安定性を改善し得るが、ナノ複合材料の他の欠点は改善しない。
【非特許文献1】ハンス ツバイフェル(編者),Plastics Additives Handbook,第5版,901−948頁,ハンサー出版社,ミュンヘン 2001
【非特許文献2】M.カワスミ他,Macromolecules 1997,30,6333−6338
【特許文献1】米国特許第5,973,053号明細書
【発明の開示】
【0010】
良好な長期間熱安定性並びに変性剤の分解の結果として起こる、臭気の減少、及び望ましくない変色の減少を有する改善された合成ポリマー材料が、制御されたフリーラジカル重合によって製造された分散剤の使用によって製造され得ることが今や発見された。
【0011】
それ故、本発明は、
(a)合成ポリマー、
(b)充填剤、及び
(c)制御されたフリーラジカル重合(CFRP)によって製造された分散剤
を含む組成物を提供する。
【0012】
好ましくは、成分(b)はナノ粒子状の充填剤である。
【0013】
興味深いものはまた、成分(b)として、ナノ粒子状の充填剤又は加工条件下でナノ粒子状の充填剤を製造する材料を含む組成物である。
【0014】
成分(c)は、充填剤に挿入して(intercalate)剥離し(exfoliate)、該充填剤を合成ポリマーマトリックス、特に熱可塑性ポリマー中に分散させて、ナノ複合材料を形成するために適当である。
【0015】
このような合成ポリマーの例は以下の通りである:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(ブテ−1−エン)、ポリ(4−メチルペンテ−1−エン)、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0016】
ポリオレフィン、すなわち前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なった、及び特に以下の方法によって製造することができる。
a)ラジカル重合(通常、高圧下及び高温で)。
b)通常一種又は一種より多くの周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属原子を含む触媒を使用する触媒重合。これらの金属原子は通常1個又は1個より多くの、代表的にはπ−又はσ−配位され得るオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールのような配位子を有する。これらの金属錯体は遊離状態であり得るか、あるいは代表的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素のような基質上に固定され得る。これらの触媒は重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。触媒は重合において単独で使用されることができ、又は代表的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンのようなさらなる活性化剤を使用することができ、該金属原子は周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素である。活性化剤はさらなるエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基を用いて都合よく修飾され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス(Phillips)、スタンダード オイル インディアナ(Standard Oil Indiana)、チグラー(−ナッタ)(Ziegler(−Natta))、TNZ(デュポン(DuPont))、メタロセン又はシングルサイト触媒(single site catalyst)(SSC)と命名される。
【0017】
2.1)に記載されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)及び異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0018】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの相互又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(ここで、1−オレフィンは、現場で生成される。)、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー、及びそのようなコポリマー相互及び1)に記載されたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらと例えばポリアミドのような他のポリマーとの混合物。
【0019】
4.炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)であって、それらの水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含むもの、及びポリアルキレン及び澱粉の混合物。
【0020】
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘテロタクチック又はアタクチックを含む、あらゆる立体構造を有し得る。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0021】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0022】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘテロタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0023】
6a.上述された芳香族ビニルモノマー並びにエチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選択されるコモノマーを含むコポリマー又はそのアクリル誘導体及び混合物、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0024】
6b. 6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
【0025】
6c. 6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0026】
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいかなる立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0027】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリ(アルキルアクリレート)又はポリ(アルキルメタクリレート)にスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0028】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビ
ニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニル等のこれらのコポリマー等のハロゲン含有ポリマー。
【0029】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0030】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0031】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール及びそれらの加水分解物、例えばポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルステアレート)、ポリ(ビニルベンゾエート)、ポリ(ビニルマレエート)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(アリルフタレート)又はポリ(アリルメラミン);並びに上記1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0032】
12.ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0033】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性されたポリアセタール。
【0034】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0035】
15.一方はヒドロキシル基末端を有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0036】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとの;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0037】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0038】
18.ジカルボン酸とジアルコールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0039】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0040】
20.ポリケトン。
【0041】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0042】
22.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のような一方はアルデヒド、他方はフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0043】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0044】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、多価アルコールのコポリエステル及び架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまたその低易燃性のハロゲン含有変性体。
【0045】
25.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0046】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0047】
27.酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は促進剤を伴って又は伴わずに架橋された、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物。
【0048】
28.前述されたポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0049】
保護される合成ポリマーは、好ましくは、熱可塑性ポリマー、特に、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、最も好ましくは、ポリオレフィン、とりわけ、ポリエチレン及びポリプロピレン又はモノ−及びジオレフィンとそれらのコポリマーである。
【0050】
好ましい充填剤は、例えば、天然もしくは合成フィロシリケート又は該フィロシリケートの混合物である。
【0051】
興味深いのは、成分(b)が、例えば、アンモニウム、アミン又はホスホニウム化合物等の変性剤で変性され得た又は未変性の天然もしくは合成フィロシリケート又は該フィロシリケートの混合物であるところの組成物である。
【0052】
特に興味深い充填剤は、例えば、積層シリケートクレーである。非常に特に興味深いものは、成分(b)として、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデル石、雲母、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レジカイト(ledikite)、マガディアイト、ケニヤアイト、スチーブンサイト、ヴォルコンスキー石、ハイドロタルサイト又はそれらの混合物を含む組成物である。
【0053】
成分(b)は、未変性であり得るか又は例えば、アンモニウム、アミン又はホスホニウム化合物等の変性剤で変性され得る。
【0054】
ナノクレーのための変性剤の例は、例えば以下の通りである:
1.アミン及びアンモニウム化合物、例えば、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミン、ステアリルジエトキシアミン又はアミノドデカン酸[独国のシュドケミ社からナノフィル(登録商標:Nanofil)として市販で入手可能];ジメチルジ牛脂アンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム又はポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム[CO−OPケミカル社から変性ソマシフ(登録商標:Somasif)として市販で入手可能];オクタデシルアミン、トリエトキシシラニル−プロピルアミン[ナノコル社からナノメル(登録商標:Nanomer)として市販で入手可能]、例えば、オクタデシルビス(ポリオキシエチレン[15]アミン[イーストマン社製エトミーン(登録商標:Ethomeen)]又はオクタデシルメチルビス(ポリオキシエチレン[15]アンモニウムクロリド[イーストマン社製エトクアド(登録商標:Etoquad)]等のポリアルコキシル化アンモニウム化合物、又は対応する遊離アミン。
2.ホスホニウム化合物、例えば、テトラブチルホスホニウム又はオクタデシルトリフェニルホスホニウム[イーストマン社から市販で入手可能]。
3.その他、例えば、トリエトキシオクチルシラン[ナノコル社からナノメル(登録商標:Nanomer)として市販で入手可能]、例えば、国際公開第01/04050号パンフレット又は国際公開第99/67790号パンフレットに開示されたようなアンモニウム、スルホニウム又はピリジウム化合物;例えば、PEO−b−PS又はポリ−4−ビニルピリジン−b−PS等のブロックグラフトコポリマー;又は、例えば、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、テトラヒドロフラン又はフルフリルアルコール等の膨潤溶媒。
【0055】
興味深い組成物は、成分(c)として、制御されたフリーラジカル重合により製造されたランダム、ブロック、星型又は櫛型コポリマーを含むものを包含する。
このような制御されたフリーラジカル重合により製造された分散剤は既知である。それらの製造は、例えば、C.オースクラ他.,Progress in Organic Coatings 45,83−93(2002)に開示されている。
【0056】
制御されたフリーラジカル重合(CFRP)による分散剤の製造は、好ましくは、4つの適当な方法によって行われ得る:
a1)アルコキシアミン開始剤/調節剤化合物の存在下における重合;
a2)安定なニトロキシルフリーラジカル及びラジカル開始剤(フリーラジカル供給源)の存在下における重合;
a3)原子移動ラジカル重合(ATRP)における重合;又は
a4)可逆的付加−フラグメンテーション連鎖移動に対して反応する連鎖移動剤を使用したラジカル重合によるポリマー合成方法を言及するRAFT重合。
【0057】
例えば、米国特許第4,581,429号明細書又は欧州特許出願公開第0621878号明細書は、方法a1)によるブロックコポリマーの製造を開示する。
例えば、欧州特許出願公開第0621878号明細書は、方法a2)によるブロックコポリマーの製造を開示する。
例えば、国際公開第01/51534号パンフレットは、ATRP法、a3)による櫛型コポリマーの製造を開示する。
例えば、国際公開第99/31144号パンフレットは、方法a4)によるブロックコポリマーの製造を開示する。
【0058】
好ましい連鎖移動剤は、式(I)、(II)及び(III)で表わされるチオカルボニルチオ連鎖移動剤及び式(IV)で表わされる高分子モノマー
【化1】

[式中、R、R1及びPは、フリーラジカル離脱基を表わし;
Rは、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換の又は置換された炭素原子数2ないし18のアルケニル基、未置換の又は置換された炭素原子数2ないし18のアルキニル基、未置換の又は置換された飽和炭素環、未置換の又は置換された不飽和炭素環、未置換の又は置換された芳香族炭素環、未置換の又は置換された飽和複素環、未置換の又は置換された不飽和複素環、未置換の又は置換された芳香族複素環、未置換の又は置換されたアルキルチオ基及び5ないし1000の範囲の数平均重合度を有する一次ポリマー鎖からなる群から選択され;
Zは、水素原子、塩素原子、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基、未置換の又は置換された炭素原子数3ないし18の複素環、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキルチオ基、SR、未置換の又は置換されたアリールチオ基、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、未置換の又は置換されたアリールオキシ基、未置換の又は置換されたアミノ基、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルコキシカルボニル基、未置換の又は置換されたアリールオキシカルボニル基、カルボキシ基、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアシルオキシ基、未置換の又は置換されたアロイルオキシ基、未置換の又は置換されたカルバモイル基、シアノ基、炭素原子数2ないし18のジアルキル−ホスホナート基、ジアリール−ホスホナート基、炭素原子数1ないし18のジアルキル−ホスフィナート基、ジアリール−ホスフィナート基及び5ないし1000の範囲の数平均重合度を有する二次ポリマー鎖からなる群から選択され;
1は、Rから誘導されたn−価の部位を表わし;
1は、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基及び5ないし1000の範囲の数平均重合度を有する三次ポリマー鎖(ここで、該ポリマー鎖中の結合部位は、炭素原子数1ないし18の脂肪族炭素原子、芳香族炭素原子、酸素原子、硫黄原子及びそれらの組合せからなる群から選択される。)
からなる群から選択される種から誘導されたm−価の部位を表わし;
Pは、2ないし1000の範囲の数平均重合度を有するオリゴマー又はポリマー、又は前記一次ポリマー鎖を表わし;
Xは、未置換の又は置換されたアリール基、炭素原子数1ないし18のアルコキシカルボニル基、未置換の又は置換されたアリールオキシカルボニル基、カルボキシ基、未置換の又は置換されたアリールオキシカルボニル基、炭素原子数1ないし18のカルボキシ基及びシアノ基からなる群から選択され;
n及びmは、1ないし6の範囲の整数を表わし;及び、
R、R1、Z、Z1及びXにおける置換された基のための置換基は、独立して、ヒドロキシ基、第三アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ基、カルボン酸、アルコキシ基、1ないし32個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、2ないし32個の炭素原子を有するアルケニル基、2ないし32個の炭素原子を有するアルキニル基、3ないし14個の炭素原子を有する飽和炭素環、4ないし14個の炭素原子を有する不飽和炭素環、6ないし14個の炭素原子を有する芳香族炭素環、3ないし14個の炭素原子を有する飽和複素環、3ないし14個の炭素原子を有する不飽和複素環及び6ないし14個の炭素原子を有する芳香族複素環からなる群から選択される。]、及びそれらの組合せを含む。
【0059】
R、R1、Z、Z1及びPにおいて上記で言及した用語‘‘ポリマー鎖’’は、慣用の縮合生成物、例えば、ポリエステル[例えば、ポリカプロラクトン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(乳酸)]、ポリカルボネート、ポリ(アルキレンオキシド)[例えば、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンオキシド)]、ナイロン、ポリウレタン又は鎖状ポリマー、例えば、配位重合によって形成されるもの(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ラジカル重合によって形成されるもの(例えば、ポリ(メタ)アクリレート及びポリスチレン)、アニオン重合によって形成されるもの(例えば、ポリスチレン、ポリブタジエン)、カチオン重合によって形成されるもの(例えば、ポリイソブチレン)及び基移動重合によって形成されるもの(例えば、ポリ(メタ)アクリレート)を意味する。
【0060】
基R、R1、Z及びZ1は、好ましくは、国際公開第98/01478号パンフレット、国際公開第99/05099号パンフレット及び国際公開第99/31144号パンフレットに開示されるような所望のモノマー又はモノマーの組合せ及び重合方法の使用に適当であるように選択され、それらの全ては、参照としてここに組込まれる。
【0061】
RAFT重合によるブロックコポリマーの合成は、エマルジョン、溶液又は懸濁液中で、バッチ方式、セミバッチ方式、連続方式又は供給方式のいずれかにおいて行われ得る。最も低い多分散性ブロックコポリマーにおいては、重合が開始される前に、RAFT剤が、典型的には添加される。例えば、溶液中でバッチ方式で行われる場合、反応器には、典型的には、RAFT剤とモノマー又はモノマーを加えた重合媒体を装填する。より広く、かつ制御された多分散性を有する又は多様な分子量分布を有するブロックコポリマーは、重合方法の間、RAFT剤を調節しながら添加することによって製造され得る。
【0062】
エマルジョン又は懸濁重合の場合、重合媒体は、しばしば、主に、水及び慣用の安定剤であり得り、分散剤及び他の添加剤が存在し得る。
【0063】
溶液重合において、重合媒体は、使用されるモノマーに適した広い範囲の媒体から選択され得る。例えば、石油ナフサ又はキシレン等の芳香族炭化水素;メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン又はアセトン等のケトン;ブチルアセテート又はヘキシルアセテート等のエステル;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル。
【0064】
供給重合条件を使用することにより、より低い連鎖移動定数を有するRAFT剤を使用することができ、バッチ重合法を使用した場合、容易に達成できないブロックコポリマーを合成することができる。RAFT重合が、供給系で行われる場合、該反応は以下のように行われ得る:
反応器に、選択された重合媒体、RAFT剤及び所望による少しのモノマー混合物を装填する。分離容器中に残りのモノマー混合物を置く。フリーラジカル開始剤を、もう1つの分離容器中の重合媒体中に溶解又は懸濁させる。反応器中の媒体は、該媒体を加えたモノマー混合物及び該媒体を加えた開始剤が、例えば、シリンジポンプ又は他のポンプ装置によって導入される間、加熱、攪拌される。供給速度及び供給時間は、主に、溶液の量、所望のモノマー/RAFT剤/開始剤の割合及び重合速度によって決定される。供給が完了しても、加熱は更に続けられ得る。
【0065】
重合が完了した後、ブロックコポリマーは、媒体及び未反応モノマーを取り除くことによって、又は非溶媒での沈殿によって単離され得る。さもなくば、ポリマー溶液/エマルジョンは、もし適用するに適当ならば、そのまま使用され得る。
【0066】
ブロックコポリマー及びマルチブロックコポリマー及びグラジエントコポリマーは、モノマーの添加速度を変えることによって、及び/又はモノマーを重合媒体に添加し得る順序を変えることによって製造され得る。グラジエントブロックはまた、モノマーの反応性の固有差を使用することにより、1段階法でも製造され得る。グラジエントブロックコポリマーのために、異なる反応性比を有するコモノマーを選択することが、しばしば、望ましい。例えば、無水マレイン酸及びスチレン又は(メタ)アクリレート。
【0067】
上記式I−IVで表わされるRAFT連鎖移動剤の基R、R1、Z、Z1、P及びXの適当な選択によって、特定の末端官能基を有するブロックコポリマーが容易に製造され得る。ブロックコポリマーは、RAFT重合以外の方法によって製造された実在するポリマー鎖を用いて開始し、そしてその後、RAFT重合により連鎖延長し得る高分子RAFT剤を得るように、式I−IVで表わされる化合物中にポリマー鎖が組み込まれるよう、末端又は他の官能基を変えることによって製造され得る。
【0068】
本発明に使用するのに適当な‘‘フリーラジカル供給源’’又は‘‘開始剤’’は、成長ラジカルを生じさせるためにモノマーへ添加される開始ラジカルを提供する化合物を含む。
【0069】
使用される開始剤の量は、所望の多分散性、分子量及び結果として生じるポリマーのポリマー構造に依存する。しかしながら、一般的に、モノマー混合物の総量に基づいて、10質量%未満が使用される。好ましくは、使用される開始剤の量は、0.001ないし5.0質量%の範囲内である。
【0070】
開始ラジカルの供給源は、ペルオキシド、ペルオキシエステル又はアゾ化合物等の適当な開始剤を熱誘発ホモリシス切断すること;スチレン等のモノマーからの自然発生;レドックス開始系;光化学開始系又は電子ビーム、X線又はγ線等の高エネルギー線源、又はこれらの方法の組合せ等の供給源を含む。開始系は、反応条件下で、実質的に、開始剤又は開始ラジカルとRAFT剤に不利な相互作用がないように選択される。開始剤はまた、反応媒体又はモノマー混合物における必要な溶解性を有するべきである。
【0071】
該方法のための適当なフリーラジカル供給源の例は、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シアノ−2−ブタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン−1−オール)、1,1’−アゾビス(シク
ロヘキサンカルボニトリル)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1)−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−ヒドロキシエチル)]−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミン)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)2水和物、2,2’−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、第三ブチルペルオキシアセテート、第三ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシオクトエート、第三ブチルペルオキシネオデカノエート、第三ブチルペルオキシイソブチレート、第三アミルペルオキシピバレート、第三ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカルボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカルボネート、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、カリウムペルオキシジスルフェート、アンモニウムペルオキシジスルフェート、ジ−t−ブチル次亜硝酸塩又はジクミル次亜硝酸塩等のアゾ化合物及びペルオキシドを含む。
【0072】
光化学開始剤系は、反応媒体又はモノマー混合物において必要な溶解性を有し、かつ、重合条件下で、適当なラジカル製造収量を有するように選択される。例として、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、アシルホスフィンオキシド及び光レドックス系を含む。フリーラジカルはまた、式I−IIIで表わされる化合物の直接光分解によっても誘導され得る。
【0073】
レドックス開始剤系は、反応媒体又はモノマー混合物において必要な溶解性を有し、かつ、重合条件下で、適当なラジカル製造速度を有するように選択される;これらの開始系は、下記の酸化剤と還元剤の組合せ;酸化剤;カリウムペルオキシジスルフェート、過酸化水素及び第三ブチルヒドロペルオキシドを含み得る。還元剤:鉄(II)、チタン(III)、チオ亜硫酸カリウム及び重亜硫酸カリウム。
【0074】
他の適当な開始系は、最近の文献に記載されている。例えば、モード及びソロモンによる‘‘The Chemistry of Free Radical Polymerization’’,ペルガモン,ロンドン,1995,53−95頁参照。
【0075】
興味深い組成物は、成分(c)として、制御されたフリーラジカル重合によって製造された、少なくとも1つのクレー相溶性ブロック及び少なくとも1つのマトリックスポリマー相溶性ブロックを有するブロックコポリマー又は櫛型コポリマーを含むものを含む。
【0076】
好ましくは、クレー相溶性ブロックは、適当に近接して、例えば、エーテル基[−O−]、アミド基
【化2】

、チオアミド基
【化3】

、ニトリル基、無水物基、ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、アンモニウム基及びホスホニウム基等の極性基を含む親水性又は‘‘親クレー性’’モノマーを基礎とする。
【0077】
好ましい親水性又は‘‘親クレー性’’モノマーは、例えば、PEOアクリレート、1−ビニル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、第三ブチルα−ヒドロキシメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、4−ビニルベンジルジヒドロキシエチルアミン、4−ビニルピリジン又は4−ビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリドである。
【0078】
好ましくは、アクリルコポリマーの分子量は1000ないし100000であり、多分散度は1.05ないし3.0である。より好ましくは、分子量は2000ないし20000であり、多分散度は1.05ないし2.0である。
【0079】
他のモノマーと上記ポリマーのコポリマーもまた使用され得る。
極性(親水性)又は‘‘親クレー性’’セグメントはまた、極性縮合物又は例えば、ポリ(エチレンオキシド)等の他のポリマーからも誘導され得る。
それ故、好ましいものは、成分(c)として、制御されたフリーラジカル重合によって製造されたブロック又は櫛型アクリルコポリマーを含む組成物である。
【0080】
制御されたフリーラジカル重合によって製造されたブロック又は櫛型コポリマーはまた、両親媒性を有するポリマー状分散剤又は溶解剤としても記載され得る。それらは、同一の分子中に極性及び非極性基を有し、そしてそれらは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニルに基づく分散剤又は溶解剤、又はアクリレート、アクリル酸又はメタクリレートに基づいた少なくとも1つのブロックコポリマーを含むブロックコポリマーに基づく分散剤又は溶解剤である。
【0081】
ブロックコポリマーは、例えば、ジブロックコポリマー(A−B型)又はトリブロックコポリマー(A−B−A又はA−B−C型)及び所謂テーパー構造である。
【0082】
ジブロックコポリマー(A−B型)は例えば、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート、ポリ(スチレン−b−第三ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−メチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン[1,4−付加])、テーパーブロックコポリマーポリ(スチレン−b−ブタジエン)、テーパーブロックコポリマーポリ(スチレン−b−エチレン)、ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−4−ビニル−ピリジン)、ポリ(スチレン−ビス−第三ブチルスチレン)、ポリ(スチレン−b−ジメチルシロキサン)、ポリ(ブタジエン−b−ジメチルシロキサン)、ポリ(ブタジエン[1,4−付加]−b−メチルメタクリレート)、ポリ(イソプレン[1−4−付加]−b−メチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン−b−第三ブチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(イソプレン−b−2−ビニルピリジン)、ポリ(ブタジエン−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−第三ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(第三ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート)、ポリ(
2−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(第三ブチルメタクリレート−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(第三ブチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン)、ポリ(第三ブチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(第三ブチルアクリレート−b−2−ビニルピリジン)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(エチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(エチレン−b−2−ビニルピリジン)又はポリ(エチレン−b−4−ビニルピリジン)である。
【0083】
A−B−A型のトリブロックコポリマーは例えば、ポリ(メチルメタクリレート−b−スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(第三ブチルメタクリレート−b−スチレン−b−第三ブチルメタクリレート)、ポリ(第三ブチルアクリレート−b−スチレン−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−スチレン−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(4−ビニルピリジン−b−スチレン−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(ブタジエン[1,2−付加]−b−スチレン−b−ブタジエン[1,2−付加])、ポリ(ブタジエン[1,4−付加]−b−スチレン−b−ブタジエン[1,4−付加])、ポリ(スチレン−b−ブタジエン[1,4−及び1,2−付加]−b−スチレン)、ポリ(メチルメタクリレート−b−ブタジエン[1,4−又は1,2−付加]−b−メチルメタクリレート)、ポリ(第三ブチルメタクリレート−b−メチルメタクリレート−b−第三ブチルメタクリレート、ポリ(第三ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(4−ビニルピリジン−b−メチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(メチルメタクリレート−b−第三ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−n−ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート)、ポリ(第三ブチルメタクリレート−b−第三ブチルアクリレート−b−第三ブチルメタクリレート、ポリ(2−ビニル−ピリジン−b−第三ブチルアクリレート−b−2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン−b−第三ブチルアクリレート−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−エチルアクリレート−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−エチレン−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−ブチレン−b−スチレン)、ポリ(エチレンオキシド−b−スチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−エチレンオキシド−b−スチレン)又はポリ(スチレン−b−アクリル酸−b−スチレン)である。
【0084】
A−B−C型のトリブロックコポリマーは例えば、ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−2−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−第三ブチルメタクリレート−b−2−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−第三ブチルメタクリレート−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(ブタジエン−b−スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−2−ビニルピリジン−b−エチルオキシド)、ポリ(スチレン−b−第三ブチルアクリレート−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−a−メチルスチレン−b−メチルメタクリレート)又はポリ(スチレン−b−a−メチルスチレン−b−第三ブチルアクリレート)である。
【0085】
両親媒性を有する特に適当な分散剤又は溶解剤は、例えば、ポリ(ブタジエン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(イソプレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(エチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−4−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−2−b−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−第三ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート−b−ア
クリル酸ナトリウム)、ポリ(メチルメタクリレート−b−メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(エチレンオキシド−b−ε−カプロラクトン)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(エチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(エチレン−b−プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−エチルアクリレート−b−スチレン)、ポリ(エチレンオキシド−b−スチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸−スチレン)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−4−ビニル−安息香酸)、ポリ(スチレン−b−ポリグリシジル−メタクリレート)、ポリ(エチレン−b−グリシジルメタクリレート)、ポリ(プロピレン−b−アクリル酸)、ポリ(エチレン−b−アクリル酸)、ポリ(プロピレン−b−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−b−無水マレイン酸)、ポリ(スチレン−b−無水マレイン酸)、例えば欧州特許出願公開第0859028号明細書に記載のポリ(メタクリル酸)−ポリ(アルキレンオキシド)ブロックコポリマー、ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン、例えば欧州特許出願公開第0791024号明細書に記載のマレエートとスチレン又はスチレン誘導体とのコポリマー、例えば欧州特許出願公開第0870774号明細書に記載のATRP技術を使用して調製されるポリスチレン−ポリシロキサンブロックコポリマー、ポリアクリレート−ポリシロキサンブロックコポリマー及びシクロシロキサン−ラジアルコポリマー、メチルメタクリレート−スチレンコポリマー、メチルメタクリレート−スチレン、欧州特許出願公開0135280号明細書に記載のニトロキシルにより開始されるラジカル重合により調製されるポリブタジエン−メチルメタクリレートである。
【0086】
ポリアルキレンオキシドは、好ましくはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド及びポリブチレンオキシドである。
【0087】
適したブロックコポリマーは、例えば、ポリアクリレート/ポリスチレン、ポリメタクリレート/ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート/ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート/ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル/ポリエチレン、ポリスチレン/ポリブタジエン、ポリアクリレート/ポリブタジエン、ポリアクリレート/ポリイソプレン、ポリイソプレン/ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン/ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン/ポリエチレンオキシド又はポリエチレン/ポリプロピレンオキシドである。
【0088】
両親媒性を有する特に適当な分散剤又は溶解剤は、例えば、ポリ(スチレン−ビス−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(スチレン−ビス−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ビス−メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(スチレン−ビス−N−メチル−4−ビニルヨウ化ピリジニウム)、ポリ(イソプレン−ビス−N−メチル−2−ビニルヨウ化ピリジニウム)、ポリ(スチレン−ビス−エチレンオキシド)、ポリ(メチルメタクリレート−ビス−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(メチルメタクリレート−ビス−メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(メチルメタクリレート−ビス−エチレンオキシド)、ポリ(第三ブチルメタクリレート−ビス−エチレンオキシド)、ポリ(メチルメタクリレート−ビス−N−メチル−4−ビニルヨウ化ピリジニウム)、ポリ(エチレンオキシド−ビス−ラクテート)、ポリ(2−ビニルピリジン−ビス−エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン−ビス−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン−ビス−メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン−ビス−N−メチル−4−ビニルヨウ化ピリジニウム)、ポリ(ブタジエン−ビス−エチレンオキシド)、ポリ(エチレン−ビス−エチレンオキシド)又はポリ(エチレン−ビス−プロピレンオキシド)である。
【0089】
ポリアクリレートに基づいた他の同様に好ましい分散剤又は溶解剤は、とりわけ米国特許第5,133,898号明細書に記載されている。
【0090】
好ましくは、成分(b)は、合成ポリマー[成分(a)]の質量に基づき、0.1ないし40%、より好ましくは0.5ないし20%、最も好ましくは1ないし10%の量で組成物中に存在する。
【0091】
好ましくは、成分(c)は、合成ポリマー[成分(a)]の質量に基づき、0.1ないし20%、より好ましくは0.1ないし15%、最も好ましくは0.1ないし10%の量で組成物中に存在する。
【0092】
成分(a)、(b)及び(c)の他に、新規組成物は、例えば、以下に記載するような更なる添加剤を含み得る:
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状ノニルフェノール又は側鎖において枝分かれしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル −ウンデシ−1’−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル −ヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0093】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0094】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0095】
1.4.トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0096】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0097】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル
)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0098】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0099】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0100】
1.9.ヒドロキシベンジル芳香族化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0101】
1.10.トリアジン化合物、例えば、2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1
,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0102】
1.11.ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩。
【0103】
1.12.アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、N−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチルエステル。
【0104】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0105】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル。
【0106】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0107】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0108】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル社製ナウガードXL−1(登録商標:Naugard)。
【0109】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
1.19.アミン型酸化防止剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルホンアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ジ(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ジ[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ジ(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ジ[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェ
ノチアジン又はN,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0110】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシ−フェニル]−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0111】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ又は2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0112】
2.3.未置換の又は置換された安息香酸のエステル、例えば、4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ
安息香酸2,4−ジ−第三ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニルエステル。
【0113】
2.4.アクリレート、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−メトキシカルボニル桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ桂皮酸メチルエステル又はブチルエステル、α−メトキシカルボニル−p−メトキシ桂皮酸メチルエステル、N−(β−メトキシカルボニル−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン。
【0114】
2.5.ニッケル化合物、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような所望により他の配位子を伴う1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えば、メチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、所望により他の配位子を伴う1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0115】
2.6.立体障害アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ−4−イル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ−4−イル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラオレエート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物(CAS登録番号[1365
04−96−6]);1,6−ジアミノヘキサンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及びまたN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0116】
2.7.蓚酸ジアミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エチルオキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及び又はo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0117】
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチ
ルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0118】
3.金属奪活剤、例えば、N,N’−ジフェニル蓚酸ジアミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)蓚酸ジヒドラジド、オキサニリド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ビス−フェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N’−ビス−サリチロイル蓚酸ジヒドラジド、N,N’−ビス−サリチロイルチオプロピオン酸ジヒドラジド。
【0119】
4.ホスフィット及びホスホナイト、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス−イソデシルオキシ−ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0120】
5.ヒドロキシルアミン、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0121】
6.ニトロン、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから製造されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0122】
7.チオ相乗化合物、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリルエステル又はチオジプロピオン酸ジステアリルエステル。
【0123】
8.ペルオキシド破壊化合物、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0124】
9.ポリアミド安定剤、例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0125】
10.塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート、カリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0126】
11.核剤、例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン、酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。とりわけ好ましくは1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0127】
12.充填剤及び強化剤、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0128】
13.他の添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ改良剤、蛍光増白剤、難燃剤、静電防止剤、発泡剤。
【0129】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン、例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書又は欧州特許出願公開第0591102号明細書に記載されたもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベン
ゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン。
【0130】
補助安定剤は、安定化される合成ポリマーの総質量に対して、例えば0.01ないし10%の濃度で添加される。
【0131】
好ましい更なる添加剤は、フェノール系抗酸化剤、光安定剤、加工安定剤、溶媒、顔料、染料、可塑剤、相溶化剤、強化剤及び/又はチキソトロープ剤である。
【0132】
ナノ充填剤に加えて、他の充填剤、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト、雲母、カオリン、金属水酸化物、特に水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムが、強化剤(リストの項目12)として使用され得る。これらは、安定化される合成ポリマーの総質量に基づき、例えば、0.01ないし40%の濃度で合成ポリマーに添加される。
【0133】
充填剤としてのカーボンブラックは、安定化される合成ポリマーの総質量に基づき、賢明には、0.01ないし5%の濃度で合成ポリマーに添加される。
強化剤としてのグラスファイバーは、安定化される合成ポリマーの総質量に基づき、賢明には、0.01ないし20%の濃度で合成ポリマーに添加される。
【0134】
更なる好ましい組成物は、成分(a)、(b)及び(c)に加えて、更なる添加剤、特に高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレートを含む。
【0135】
合成ポリマー、例えば、対応する成形品を形成するためのポリオレフィンを加工するための慣用の安定剤の組み合わせとして、フェノール系抗酸化剤と有機ホスフィット又はホスホナイトに基づく第2の抗酸化剤の組合せが推奨される。
【0136】
合成ポリマーへの成分(b)及び(c)、及び所望による更なる添加剤の配合は、既知の方法によって、例えば、成形前及び成形中に、もしくは溶解又は分散した化合物を合成ポリマーに適用し、その後、必要に応じて、溶媒をゆっくり蒸発させることによって行われる。
【0137】
本発明はまた、5ないし90質量%の量の成分(a)、5ないし80質量%の量の成分(b)及び0.5ないし50質量%の量の成分(c)を含むマスターバッチ又は濃縮物の形態にあるナノ複合材料に関する。
【0138】
成分(b)及び(c)、及び所望による更なる添加剤はまた、重合前又は重合中、もしくは架橋前にも添加され得る。
成分(b)及び(c)、及び所望による更なる添加剤は、そのままの形態で、もしくはワックス、オイル又はポリマー中に封入された形態で、合成ポリマー中に配合され得る。
【0139】
成分(b)及び(c)、及び所望による更なる添加剤はまた、合成ポリマー上に噴霧され得る。これらはまた、ポリマー上に他の添加剤(例えば上記した慣用の添加剤)又はそれらの溶融液と共に噴霧され得るように、該他の添加剤又はそれらの溶融液を希釈することもできる。重合触媒の不活性化中における噴霧による添加が特に有利であり、例えば、不活性化のために使用される蒸気を使用した噴霧を行うこともできる。
【0140】
例えば、球状重合ポリオレフィンの場合、成分(b)及び(c)、及び所望による他の添加剤を噴霧により適用することが有利であり得る。
【0141】
本手法において製造された合成ポリマーは、広い種々の形態で、例えば、フォーム、フィルム、繊維、テープ、成形組成物として、形材として、又は表面コーティング材料、特に粉末コーティング、接着剤、パテのための結合剤として、又は、特に、例えば、液体又はガスのためのパイプ、フィルム、繊維、ジオメンブレン、テープ、形材又はタンク等の抽出媒体と長期間接触する厚層ポリオレフィン成形品として使用され得る。
【0142】
好ましい厚層ポリオレフィン成形品は、1ないし50mm、特に1ないし30mm、例えば2ないし10mmの層厚を有する。
【0143】
本発明に従った組成物は、様々な造形品の製造のために有利に使用され得る。その例は以下の通りである:
I−1)浮動機器、海用機器への適用、平底船、ブイ、デッキのプラスチック製材、桟橋、ボート、カヤック、オールおよび海岸の補強材。
I−2)自動車への適用、特にバンパー、ダッシュボード、バッテリー、リアおよびフロントの内張り、ボンネットの下の成形部分、ボンネットの棚板、トランクの内張り、室内の内張り、エアバックカバー、取付け部品(ライト)の電子成形品、ダッシュボードのガラス板、ヘッドランプのガラス板、計器パネル、室外内張り、室内装飾材料、自動車のライト、ヘッドライト、パーキングライト、リアライト、ストップライト、内装品および外装品;ドアパネル;ガスタンク;フロントガラス;リアウィンドウ;シート裏張り、室外パネル、電線絶縁物、シールの為の異形押出物、クラッド、柱カバー、シャシ部分、排気システム、燃料フィルター/充填材、燃料ポンプ、燃料タンク、車体の成形品、コンバーチブル屋根、室外のミラー、室外装飾、締結具/固定具、フロント部分のモジュール、ガラス、ヒンジ、ロックシステム、手荷物用ラック/ルーフラック、プレス部品/打抜き部品、封止装置、側部の衝撃保護材、防音材/絶縁材およびサンルーフ。
I−3)道路交通機器、特に交通標識、道路標識、自動車の備品、警告三角形、医療ケース、ヘルメット、タイヤ。
I−4)備品を含む、飛行機、鉄道、自動車(車、モーターバイク)の装置。
I−5)宇宙用の装置、特にロケットおよび衛星、例えば再突入シールド(reenty shield)。
I−6)建築および設計の、鉱業用の用途、音響防音システム、街の避難所、およびシェルターの装置。
【0144】
II−1)機具、ケースおよびカバー一般、および電気/電子機器(パーソナルコンピューター、電話、携帯電話、プリンター、テレビセット、オーディオおよびビデオ機器)、植木鉢、衛星TV盤、およびパネル機器。
II−2)鋼または布のような他の材料の外被。
II−3)電子工業の機器、とりわけプラグの絶縁体、特にコンピュータープラグ、電気および電子部品のケース、プリント基板、およびチップ、チェックカード、またはクレジットカードのような電子データ保存のための材料。
II−4)電気機具、とりわけ洗濯機、乾燥機、オーブン(電子レンジ)、皿洗い機、ミキサー、およびアイロン。
II−5)ライトカバー(例えば、街灯、ランプシェード)。
II−6)ワイヤーおよびケーブルにおける用途(半導体、絶縁体およびケーブル被覆)。
II−7)冷却器、冷蔵庫、加熱装置、空調機、電子部品の封入、半導体、コーヒー機器、および真空掃除機のためのホイル。
【0145】
III−1)はめば歯車(ギアー)、スライド取付品、スペーサー、スクリュー、ボルト、ハンドル、およびノブのような工業用物品。
III−2)回転翼、換気扇およびタービンの翼、ソーラー装置、スイミングプール、
スイミングプールカバー、プールライナー、ポンドライナー、クロゼット、衣装ダンス、区分壁、小割壁、折畳壁、屋根、シャッター(例えば、ローラーシャッター)、建具、パイプ間の接合具、スリーブ、およびコンベヤーベルト。
III−3)衛生用品、特にシャワー室、便座、カバー、洗面台。
III−4)衛生用品、特にオムツ(幼児、成人の失禁用)、女性の生理用品、シャワーカーテン、ブラシ、マット、浴槽、移動式のトイレ、歯ブラシ、および便器。
III−5)水、廃水、および化学薬品のための(架橋された又はされていない)パイプ、ワイヤーおよびケーブル保護のためのパイプ、ガス、オイルおよび下水のためのパイプ、溝、縦樋、および排水システム。
III−6)あらゆる形状の異形材(窓ガラス)および羽目板。
III−7)ガラス代用品、とりわけ押出プレート、ビル(モノリシック、二層または多層)、航空機、学校の窓ガラス、押出シート、建築物の窓ガラス、電車、乗物、衛生室および温室のための窓フィルム。
III−8)プレート(壁、まな板)、押出被覆(印画紙、テトラパック(tetrapack)、およびパイプ被覆)、サイロ、木材代用品、プラスチック製材、複合木材、壁、表面材、家具、装飾箔、床被覆(室内および室外用途)、フローリング、踏板、およびタイル。
III−9)吸気及び排気管。
III−10)セメント−、コンクリート−、複合−用途、および被覆、羽目板およびクラッド、手すり、手すり子、キッチンカウンター、屋根ふき、屋根ふきシート、タイルおよび防水シート。
【0146】
IV−1)プレート(壁、まな板)、トレー、人工芝、アストロターフ、競技場(運動)の人工カバー、競技場(運動)の人工床、およびテープ。
IV−2)連続および短繊維の織物、繊維(カーペット/衛生用品/ジオテキスタイル(geotextiles)/モノフィラメント;フィルター;雑巾類/カーテン(シェード)/医療用品)、バルク繊維(ガウン/防護衣等の用途)、ネット、ロープ、ケーブル、紐、コード、糸、安全シートベルト、衣服、下着、手袋;ブーツ;ゴムブーツ、肌着、長い上着、水着、運動着、傘(パラソル、日傘)、パラシュート、パラグライダー、帆、“気球に使用されている絹”、キャンプ用品、テント、エアーベッド、サンベッド(sun bed)、大きなバック(bulk bag)、およびバック。
IV−3)屋根、トンネル、ごみ捨て場、池、投棄場、壁、屋根膜、ジオ膜、スイミングプール、カーテン(シェード)/サン−シールド(sun−shields)、日除け、キャノピー、壁紙、食品パックおよびラップ(柔軟なおよび固形の)、医薬品のパッケージ(柔軟なおよび固形の)、エアーバッグ/安全ベルト、腕−および頭受け、カーペット、中央のコンソール(center console)、ダッシュボード、コックピット、ドア、頭上のコンソールモジュール(overhead console module)、ドア装飾、ヘッドライナー、室内灯、室内鏡、網棚、荷台の荷物カバー、シート、かじ取り柱、ハンドル、布地、およびトランク装飾のための膜、絶縁体、カバーおよびシール。
【0147】
V)フィルム(包装用、堆積、積層、農業用、および園芸用、温室用、マルチ、トンネル用、サイロ用)、荷梱包、スイミングプール、ごみ袋、壁紙、延伸フィルム、ラフィア、海水脱塩フィルム、バッテリー、およびコネクター。
【0148】
VI−1)食品パックおよびラップ(柔軟なおよび固形な)、ボトル。
VI−2)箱(クレート)、旅行かばん、大型の収納箱、家用の箱、パレット、棚、トラック(tracks)、ねじ受け、パックおよび缶のような収納システム。
VI−3)カートリッジ、シリンジ、医療製品、輸送のためのコンテナ、くずかご、およびくず箱、ごみ袋、ビン、ごみ入れ、ごみ箱のライナー(bin liners)、車
輪付きゴミ箱(wheely bins)、コンテナ一般、水/使用済水/化学薬品/ガス/オイル/ガソリン/軽油のためのタンク;タンクのライナー(tsnk liners)、箱、クレート、バッテリーケース、トラフ、ピストン、眼病用用品、診察機器のような医療機器、および薬剤ブリスターの梱包。
【0149】
VII−1)押出被覆(印画紙、テトラパック(tetrapack)、およびパイプ被覆)、全種類の家庭用品(例えば、電気機器、魔法壜/衣料ハンガー)、プラグ、ワイヤーおよびケーブルクランプ、ジッパー、クロージャー、鍵およびスナップ−クロージャーのような締結システム。
VII−2)運動およびフィットネス機器、体操マット、スキーブーツ、インライン−スケート、スキー、ビックフット(big foot)、運動場(例えばテニスコート)のような余暇時間のための補助機器および製品;ねじ蓋、ボトルおよび缶の蓋およびストッパー。
VII−3)家具一般、発泡製品(クッション、衝撃吸収材)、フォーム、スポンジ、ふきん、マット、ガーデンチェアー、競技場シート、テーブル、ソファー、玩具、積み木(板/フィギャア/ボール)、おもちゃの家、滑り台、および遊び用乗物。
VII−4)光学および磁気データ保存のための材料
VII−5)台所用品(食べるための、飲むための。料理するための、保存するための)。
VII−6)CD類、カセットおよびビデオテープの箱;DVD電子製品、全ての種類のオフィス用品(ボールペン、印鑑および印肉、マウス、棚、トラック(tracks))、あらゆる体積および内容物のボトル(飲料、洗剤、香水を含む化粧品)、および接着テープ。
VII−7)履物(靴、靴底)、靴の敷皮、スパッツ、接着剤、構造用接着剤、食品箱(果物、野菜、肉、魚)、合成紙、ボトルのラベル、ソファー、人工関節(人間)、プリントプレート(フレキソ印刷用)、プリント回路基板、およびディスプレーの技術製品。
VII−8)充填ポリマー(タルク、チョーク、チャイナクレー(カオリン)、珪灰石、顔料、カーボンブラック、TiO、雲母、ナノ複合材、ドロマイト、シリカ、シリケート、ガラス、アスベスト)の装置。
【0150】
従って、本発明の更なる態様は、上記した組成物を含む造形品、特に、フィルム、パイプ、形材、ボトル、タンク又は容器、繊維に関する。
【0151】
本発明の更なる態様は、上記した組成物を含む成形品に関する。成形は、特に、射出成形、吹込み成形、圧縮成形、回転成形又はスラッシ成形又は押出成形によって行われる。
【0152】
本発明はまた、(a)合成ポリマー、(b)充填剤及び(c)制御されたフリーラジカル重合(CFRP)によって製造された分散剤の混合物を溶融混合することからなる合成ポリマーナノ複合材料の製造方法に関する。
【0153】
溶融混合は、攪拌機を備えたあらゆる加熱可能な容器、例えば、ニーダー、ミキサー又は攪拌容器等の密閉装置中で行われ得る。配合は、好ましくは、押出機又はニーダー中で行われる。加工が、不活性雰囲気中で行われるか又は酸素の存在下で行われるかどうかは重要ではない。
【0154】
成分(a)、(b)及び(c)の添加は、ポリマーが溶融され、そして添加剤と混合される全ての慣用の混合機中で行われ得る。適当な機械は、当業者に既知である。それらは、主に、ミキサー、ニーダー及び押出機である。本方法は、好ましくは、加工中に、添加剤を導入することにより押出機中で行われる。特に好ましい加工機は、一軸スクリュー押出機、逆回転及び同時回転二軸スクリュー押出機、遊星歯車押出機、リング押出機又はコ
ニーダーである。真空が適用され得る少なくとも1つのガス除去室を備えた加工機を使用することもまた可能である。適当な押出機及びニーダーは例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion,Vol.1,Grundlagen,編者 F.ヘンセン,W.クナッペ,H.ポテンテ,1989,3−7頁,ISBN:3−446−14339−4;及びVol.2 Extrusionsanlagen 1986,ISBN 3−446−14329−7に記載されている。例えば、スクリューの長さは1ないし60スクリュー径、好ましくは35ないし48スクリュー径である。スクリューの回転速度は、好ましくは1分当り10ないし600回転(rpm)、例えば、25ないし300rpmである。最大処理量は、スクリューの直径、回転速度及び駆動力に依存する。本発明の方法はまた、言及されたパラメータを変えることにより又は投与量を送る計量機を使用することにより最大処理量よりも低いレベルで行われ得る。多数の成分が添加される場合、これらは予備混合され得るか又は個々に添加され得る。
【0155】
また興味深いものは、成分(合成ポリマー、充填剤及び制御されたフリーラジカル重合によって製造された分散剤)の溶融混合が120ないし290℃、好ましくは140ないし250℃、例えば170ないし230℃で行われるところの合成ポリマーナノ複合材料の製造方法である。
【0156】
本発明はまた、上記方法によって得られる合成ポリマーナノ複合材料に関する。
【0157】
合成ポリマーナノ複合材料の製造法方法において、好ましい成分(b)及び(c)、及び所望による更なる添加剤は、組成物のために記載したものと同様である。
【0158】
本発明の好ましい態様はまた、充填剤に挿入して(intercalate)剥離し(exfoliate)、該充填剤を合成ポリマーマトリックス中に分散させて、ナノ複合材料を形成するための、制御されたフリーラジカル重合によって製造された分散剤の使用に関する。
【0159】
この使用のための好ましい分散剤、充填剤及び合成ポリマー、及び所望による更なる添加剤は、組成物のために記載したものと同様である。
【実施例】
【0160】
以下の実施例で本発明を更に説明する。部又はパーセントは質量に関する。
実施例1:制御されたフリーラジカル重合による分散剤の製造
制御されたフリーラジカル重合によるブロック又は櫛型コポリマーの製造及び特徴は、例えば、C.オースクラ他.,Progress in Organic Coatings 45,83−93(2002)に開示されている。これらの方法に基づいて、表1に開示された性質を有する以下のブロックコポリマーを製造した。
表1:
【表1】

1)第1ブロックのモノマー単位の平均数
2)第2ブロックのモノマー単位の平均数
3)1HNMR積算から得られた分子量
4)溶媒としてTHFを用いたGPCから得られたポリマーの多分散性
5)PBAは、ポリ(ブチルアクリレート)を表わす。
6)PDMAEAは、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート)を表わす。
7)PBMAは、ポリ(ブチルメタクリレート)を表わす、
8)n.dは、‘‘決定できない’’を意味する。
【0161】
実施例2:非変性ナトリウムモンモリロナイトに基づくバッチミキサー中でのポリプロピレンナノ複合材料の製造
ポリプロピレン[バーゼル KY 6100(登録商標:Basell KY 6100)]50gを、イルガノックス 1010(登録商標:Irganox 1010)(ペンタエリトリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])0.25%及びイルガフォス 168(登録商標:Irgafos 168)(トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット)0.25%、モンモリロナイトクレー[サウザン クレー インダストリーズ社製クロイサイト(Na+)(登録商標:Cloisite(Na+))]5%及び表1に記載の制御されたフリーラジカル重合(CFRP)によって製造された分散剤2.5%とプラスチックカップ中でブレンドし、その後、25rpm、180℃において操作したバッチミキサー中に添加し、該混合物を、10分間、50rpmで処理した。小規模射出成形を、CS−183MMXミニマックス成形機で行った。混合室を230℃まで予熱し、そして型を、射出成形の1時間前に、120℃までオーブン加熱した。約5gの材料を混合室中に置き、4ないし5分間加熱した。金型を所定の位置に置く前に、小さな一打ちの成形物を、CS−183MMXミニマックス成形機から取り出した。18mm×5mm×0.85mmの寸法を有する6つの引張試験片を、各々の該材料5gから製造した。
引張試験を、1000N ロードセル(40mm/分)を備えたレオメトリクス社製ミニマテリアル引張試験機[ミニマット 2000(登録商標:Minimat 2000)]を用いて、ASTM D 638に従って行った。結果を表2にまとめる
表2:
【表2】

a)比較例
b)本発明に従った例
c)X線回折により決定した層間距離
d)同じ条件下(=1.0)で加工されたポリプロピレンに対する標準弾性率
e)同じ条件下(=1.0)で加工されたポリプロピレンに対する標準破断点伸び
f)n.dは、‘‘決定できない’’を意味する。
X線回折(XRD)スペクトルは、表2に記載のCFRPによって合成された全てのコポリマーが、バッチミキサー中での直接溶融ブレンド実験において、使用したクレーに挿
入されたことを示した。これは、10Å(比較例2b)から13Å(本発明に従った例2c及び2d)へのd−間隔の増加によって証明された。試料の弾性率は、分散剤及び/又は充填剤なしのポリプロピレンと比較して、4−32%強化された。驚くべきことに、破断点伸びもまた、26−30%強化された。
【0162】
実施例3:RAFT重合によるアクリルブロック又はグラジエントコポリマーの製造
a)ポリ(ブチルアクリレート)(PBA)の製造
乾燥トルエン200mL中ブチルアクリレート200g(1.56mol)、S−ドデシルS’−フェニルエチルトリチオカルボネート)21.3g(0.056mol)及びAIBN915mg(0.0056mol)の溶液を、3時間、アルゴンでパージすることによって脱気した。重合を、アルゴン下で、攪拌しながら、70℃において、20時間行った(1HNMR:転化率 95%;GPC:Mn 3700、Mw/Mn 1.16)。
b)ポリ(ブチルアクリレート)−ブロック−ポリ(PEGMEA)(PBA−b−PPEGMEA)の製造
乾燥トルエン100mL中メチル(ポリエチレングリコール)モノアクリレート(平均DP=3.1)78.7g(0.173mol)及びAIBN915mg(0.0056mol)の溶液を、3時間、アルゴンでパージすることによって脱気した。この溶液を、シリンジによって、上記溶液[実施例3a]に添加した。混合物を、アルゴン下で、60℃において、22時間攪拌した。溶媒を、真空下で蒸発させることによって、除去した(粘性の黄色オイル;1HNMR:総転化率 〜100%;GPC:Mn 4400、Mw/Mn 1.15)。
c)ポリ(ブチルアクリレート)−ブロック−ポリ(DEGEEA)(PBA−b−PDEGEEA)の製造
乾燥トルエン100mL中ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート39.2g(0.208mol)及びAIBN916mg(0.0056mol)の溶液を、3時間、アルゴンでパージすることによって脱気した。この溶液を、シリンジによって、上記溶液[実施例3a]に添加した。混合物を、アルゴン下で、60℃において、48時間攪拌した。溶媒を、真空下で蒸発させることによって、除去した(粘性の黄色オイル;1HNMR:総転化率 〜100%;GPC:THFへの不十分な溶解性のため、利用できなかった。)。
d)ポリ(MMA−grad−PEGMEA)の製造
乾燥トルエン300mL中メチルメタクリレート240.0g(2.392mol)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート60.0g(0.132mol)、S−ドデシルS’−フェニルエチルトリチオカルボネート)22.9g(0.060mol)及びAIBN1.47g(0.0090mol)の溶液を、3時間、アルゴンでパージすることによって脱気した。混合物を、アルゴン下で、70℃において、48時間攪拌した。ポリマーを、メタノール中での沈殿によって回収した。(黄色固体;1HNMR:総転化率 〜100%;GPC:Mn 7100、Mw/Mn 1.47)。
e)ポリ(MMA−grad−DEGEEA)の製造
乾燥トルエン300mL中メチルメタクリレート240.0g(2.392mol)、ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート60.0g(0.319mol)、S−ドデシルS’−フェニルエチルトリチオカルボネート)22.9g(0.060mol)及びAIBN985mg(0.0060mol)の溶液を、3時間、アルゴンでパージすることによって脱気した。混合物を、アルゴン下で、70℃において、48時間攪拌した。ポリマーを、メタノール中での沈殿によって回収した。(粘性の黄色オイル;1HNMR:総転化率 〜99%;GPC:Mn 5100、Mw/Mn 1.50)。
表3:
【表3】

1)第1ブロックのモノマー単位の平均数
2)第2ブロックのモノマー単位の平均数
3)1HNMR積算から得られた分子量
4)溶媒としてTHFを用いたGPCから得られたポリマーの多分散性
5)PBAは、ポリ(ブチルアクリレート)を表わす。
6)PPEGMEAは、ポリ(ポリ(エチレングリコール)メチルアクリレート)を表わす。
7)PDEGEEAは、ポリ(ジエチレングリコールエチルアクリレート)を表わす。
8)PMMA−grad−DEGEEAは、ポリ(メチルメタクリレート−grad−ジエチレングリコールエチルアクリレート)グラジエントコポリマー(質量比 MMA:DEGEEA=4:1)を表わす。
9)PMMA−grad−PEGMEAは、ポリ(メチルメタクリレート−grad−[ポリ(エチレングリコール)メチルアクリレート])グラジエントコポリマー(質量比 MMA:PEGMEA=4:1)を表わす。
【0163】
実施例4:二軸スクリュー押出機でのポリプロピレンナノ複合材料の製造
加工を、各々、3.5のL/Dを有する10の温度制御バレル区画、1.167のL/Dを有する3つの非加熱サンプリング区画及び3.5のL/Dを有する冷却供給ブロックからなる、L/D比 42(JSW TEX 30)のジャパン スティール ワークス
30mm径二軸スクリュー押出機を用いて行った。スクリュー構成は、当業者に既知の混合、混練及び運搬要素の組合せからなる。材料を、JSW TTF20重量計量供給装置(供給1)及びK−トロン KQX重量計量供給装置(供給2)を通して、押出機中に供給した。JSW TEX30を、10kg/時間の処理量及び200rpmのスクリュー速度を用いた同時回転(かみ合いセルフワイピング)方式で操作した。真空ガス抜きを最終バレル区画に適用した。押出物を、水充填ストランドバス中で冷却し、ペレット化した。
第1工程において、10質量%クレーマスターバッチを製造した。供給1は、ポリプロピレン[バーゼル HP400N(登録商標:Basell HP400N)]とイルガノックス 1010(登録商標:Irganox 1010)(ペンタエリトリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])0.25質量%及びイルガフォス 168(登録商標:Irgafos 168)(トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット)0.25質量%からなる安定剤のドライブレンドを含む。供給2は、表4に定義した割合で、クレー[サウザン クレー インダストリーズ社製クロイサイト(Na+)(登録商標:Cloisite(Na+))]と非イオン性界面活性剤のブレンドを含む。全てのバレル区画は170℃まで加熱した。
第2工程において、マスターバッチ(供給2)と安定剤を加えた更なるポリプロピレン(供給1)をブレンドすることによって、マスターバッチを必要とされるクレー量(表4
参照)まで希釈した。第1バレル区画を180℃に加熱し、残りのバレル区画を200℃に加熱した。
押出した試料の射出成形を、L/D 23/1の4つの温度制御区画を含むシンシナティ ミラクロン VS55 28mm径射出成形機を用いて行った。該機械を、50トンの型締力及び2005バールの最大射出圧で操作した。
引張試験を、インストロン 5500R マテリアル引張試験機を使用して、ISO521に従って行った。1:5のコポリマー:クレー比を使用して製造したナノ複合材料の(ポリプロピレンに対する)引張性を表4及び5にまとめる。
表4
【表4】

表5
【表5】

a)比較例
b)本発明に従った例
表4の全ての例は、本発明に従った制御されたラジカル重合によって製造されたコポリマーを使用することにより、機械的性質が、ポリプロピレンと比較して改善され得ることを証明した。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)合成ポリマー、
(b)充填剤、及び
(c)制御されたフリーラジカル重合(CFRP)によって製造された分散剤
を含む組成物。
【請求項2】
成分(a)が、ポリオレフィンである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分(b)が、ナノ粒子状の充填剤である請求項1記載の組成物。
【請求項4】
成分(b)が、天然又は合成フィロシリケートもしくは該フィロシリケートの混合物である請求項1記載の組成物。
【請求項5】
成分(b)が、積層シリケートクレーである請求項1記載の組成物。
【請求項6】
成分(b)が、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデル石、雲母、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レジカイト(ledikite)、マガディアイト、ケニヤアイト、スチーブンサイト、ヴォルコンスキー石、ハイドロタルサイト又はそれらの混合物である請求項1記載の組成物。
【請求項7】
成分(c)が、制御されたフリーラジカル重合によって製造されたランダムコポリマー、ブロックコポリマー、星型コポリマー又は櫛型コポリマーである請求項1記載の組成物。
【請求項8】
成分(c)が、制御されたフリーラジカル重合によって製造されたブロック又は櫛型アクリルコポリマーである請求項1記載の組成物。
【請求項9】
成分(b)が、成分(a)の質量に基づき、0.1ないし40%の量で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項10】
成分(c)が、成分(a)の質量に基づき、0.1ないし20%の量で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項11】
更に、成分(a)、(b)及び(c)の他に、更なる添加剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項12】
更なる添加剤として、フェノール系抗酸化剤、光安定剤、加工安定剤、溶媒、顔料、染料、可塑剤、相溶化剤、強化剤及び/又はチキソトロープ剤を含む請求項11記載の組成物。
【請求項13】
5ないし90質量%の量の成分(a)、5ないし80質量%の量の成分(b)及び0.5ないし50質量%の量の成分(c)を含むマスターバッチ又は濃縮物の形態にある請求項1記載の組成物。
【請求項14】
(a)合成ポリマー、(b)充填剤及び(c)制御されたフリーラジカル重合(CFRP)によって製造された分散剤の混合物を溶融混合することからなる合成ポリマーナノ複合材料の製造方法。
【請求項15】
溶融混合が120ないし290℃で行われる請求項14記載の方法。
【請求項16】
請求項14記載の方法によって得られる合成ポリマーナノ複合材料。
【請求項17】
充填剤に挿入して(intercalate)剥離し(exfoliate)、該充填剤を合成ポリマーマトリックス中に分散させて、ナノ複合材料を形成するための、制御されたフリーラジカル重合によって製造された分散剤の使用。


【公表番号】特表2007−527927(P2007−527927A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505426(P2006−505426)
【出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050183
【国際公開番号】WO2004/078785
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(500340842)ポリマーズ オーストラリア プロプライアタリー リミティド (4)
【Fターム(参考)】