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ナノ複合材料及び強磁性流体といった磁性ナノ粒子又はポリマーを含む材料系ならびにその用途
説明

ナノ複合材料及び強磁性流体といった磁性ナノ粒子又はポリマーを含む材料系ならびにその用途

本発明は、金属酸化物と、異なる官能基を備えるモノマーを有するポリマーとからなる磁性ナノ粒子を含む材料系に関する。この材料系は、固体(ナノ複合材)又は液体(強磁性流体)であり得る。本発明は更に、この材料系を得るための方法に関する発明であると共に、主に生物工学、獣医学又は医学的用途(例えば人間の疾患の診断又は治療等)におけるその使用に関する発明である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新材料の分野に関し、特に磁気的性質を備えるナノ粒子材料系の分野に関する。
詳細には、鉄を含む金属酸化物と有機ポリマーとを含む材料系に関し、更に、これらの材料を得るための方法ならびに異なる分野(生命工学又は特に生物医学を含む)でのそれらの用途・応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ複合材料のような固体の状態、又は強磁性流体の状態における酸化鉄及び磁性フェライトのナノ粒子の用途は、過去数十年の間に多くの産業分野において、特に、薬学、生化学又は医学において拡大した[Popplewell J Phys.Technol.1984,15,150]。後者の分野におけるそれらの第1の用途は、1980年代の磁気共鳴画像(MRI)のコントラスト剤としてであった[Weissleder R.;Papisov(M.Rev)。Magn.Reson.Med.1992,4,1]。それ以来、この分野におけるこのナノ粒子の多くの種類の実用性[Moghimi,S.M.; Hunter A.C;Murray,J.C.Pharmacol.Rev.2001,53,283]は、医薬品の管理[Brigger,I.;Dubernet,C;Couvreur,P.Adv.Drug.Deliver.Rev.2002,54,631]、免疫学的検定[Lange,J.;Kotitz,R.;Haller,A.;Trahms,L.;Semmler,W.;Weitschies,W.J:Magn.Magn.Mater.2002, 252,381]、分子生物学[Bogoyevitch,M.A.;Kendrick, T. S.;Ng,D.C.H.;Barr,R.K.DNA Cell Biol.2002,21,879]、DNA核酸精製[Uhlen、M.NATURE1989,340,733]、細胞分離[Safarik,I.;Safarikova、M.J.Chromatogr.B 1999,722,33]、温熱療法[Jordan,A.;Scholz,R.;Mater−Hauff,K.;Johannsen,M.;Wust,P.;Nadobny,J.;Schirra,H.;Schmidt,H.;Deger,S.;Loening,S. J. Magn.Magn.Mater.,2001,225,118]、その他、に記載されている。
それらナノ粒子の産業用途に関しては、磁気記録[Veitch,R.J.IEEE Trans Magn 2001,37,1609]、磁気冷却[Bisio,G.;Rubatto,G.;Schiapparelli,P.Energ.Convers.Manage.1999,40,1267]、磁気印刷[Meisen,U.;Kathrein,H.J.Imaging Sci.Techn 2000,44,508]、磁気インク[Manciu,F.S.,Manciu,M.;Sen,S.J.Magn.Magn.Mater.2000,220,285]、潤滑及び真空システムのシーリング[Bhimani,Z.;Wilson,B.Ind.Lubr.Tribol.1997,49,288]、減衰システム[Kamiyama,S.;Okamoto,K.;Oyama,T.Energ.Convers.Manage.2002,43,281]、地磁気検出器[Crainic,M.S.;Schlett,Z.J.Magn.Magn.Mater.2004,268,8]、アクチュエータ[Buioca,C.D.;lusan,V.;Stanci,A.;Zoller,C.J.Magn.Magn.Mater.2002,252,318]、触媒[Liao,M.H.;Chen,D.H.J.MoI.Catal.B−Enzym.2002,18,81.]、金属回収及び浄水[Takafuji,M.;Ide,S.;lhara,H.;Xu,Z.H.Chem.Mater.2004,16,1977]、磁気薄膜[Sourty,E.;Ryan,D.H.;Marchessault,H.Cellulose 1998,5,5]、通信技術におけるインダクタ及びアンテナ[Korenivski,V.J.Magn.Magn.Mater.2000,215,800]、磁気シールド及びマイクロ波吸収[Rozanov,K.N.IEEE Trans.Ant.Propagat.2000,48,1230]、スマート材料[Chatterjee,J.;Haik,Y.;Chen,C.J.Colloid Polym.Sci.2003,281,892]、磁気導体物質[Sunderland,K.;Brunetti,P.;Spinu,L.;Fang,J.Y.;Wang,Z.J.;Lu,W.G.Mater.Lett.2004,58,3136]、透明磁石[Vassiliou,J.K.;Mehrotra,V.;Otto,J.W.;Dollahon,N.R.Mater.Sci.Forum 1996,225,725]、発光磁石[Wang,D.S.;He,J.B.;Rosenzweig,N.;and Rosenzweig,Z.Nano Lett.2004,4,409]、磁気光学装置[Redl,F.X.;Cho,K.S.;Murray,C.B.;O’Brien,C.B.Nature 2003,423,968]、マイクロマシン技術[Brosseau,C;Ben Youssef,J.;Talbot,P.;Konn,A.M.J.Appl.Phys.2003,93,9243]、並びにその他[Pileni,M.P.Adv.Funct.Mater.2001,11,323]での有用性が記載されている。これらの用途は、それらの高比表面積に基づくと共に、生物学的障壁を超える能力、生体適合性、イオン吸収能力に基づいており、主に、ナノメータ規模でのみ現れる独特な磁気特性(例えば超常磁性、磁気抵抗効果、磁気異方性等)に基づく。
【0003】
これらの材料の最も重要な特性の一つは、これらの性質はそのサイズ [Iglesias,O.;Labarta,A.Phys.Rev.B,2001,63,184416]、内部構造の配列の乱れ[Serna,CJ.;Bodker,F.;Morup,S.;Morales,M.P.;Sandiumenge,F.;Veintemillas−Verdaguer,S Solid State Comm.2001,118,437]、又は凝集状態[outani,S.;Gavoille,G.;Gerardin,R.J.Magn.Magn.Matter.1993,123,175]によって広範囲に変化することである。例えば、温熱療法の分野において、所定の交番周波数又は電界強度のための比吸収率(SAR)は、サイズの範囲が非常に狭い粒子に見られることがよく知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気共鳴画像において、磁性ナノ粒子は、水性プロトンとの双極性の磁気相互作用のために隣接組織における緩和時間を変更することによって作用する。磁気共鳴におけるコントラスト剤の効率は緩和度によって測定される。緩和度は、コントラスト剤の濃縮ユニットごとのコントラスト剤によって誘起されるプロトン緩和率の増加として定義される。この場合、緩和度は、粒径にも関係しており、粒度分布が狭い場合、より均質でもある。
【0005】
ナノ粒子の磁気的性質を決定している別の特徴は、それらの形状である。例えば、磁気異方性エネルギーに関与している条件のうちの1つは異等方性であって、それは球状粒子よりも長形粒子のほうが大きいといったことである。従って、異なる形状又は特に細長い形状を有する粒子を生成する方法を開発することが望ましい。結果、コントラスト剤又は高熱剤として最適化された磁性粒子を生成するための必須の条件の一つは、サイズ、サイズ分散及び形状の制御である。
【0006】
生物医学でそれらの使用するために、磁性ナノ粒子は、水分散性又は生体適合性といった付加的な条件に更に適合しなければならない。
【0007】
複数の方法が、極性基で終わる炭化水素鎖からなる界面活性剤の存在下で、有機溶剤における鉄の配位化合物の分解に基づく可変的なサイズを備える単分散の磁性酸化鉄粒子を生成する複数の方法が記載されてきた。しかしながら、これらの組成物は、水性媒体において不安定である。この課題を解決する方法は、磁性核周辺で二重層を形成している第2の界面活性剤の吸収である。しかしながら、この第2の界面活性剤層は、第1の層に共有結合しない限り、容易に脱着される。安定した二重層で覆われている磁性ナノ粒子も公知である[Shen,L.;Stachowiak,A.;Hatton.T.A.;Laibinis,P.E.;Langmuir,2000,16,9907]が、pHが7.4よりも高い場合にのみ安定している。一方、生物医学での用途では、水性媒体においてなされるナノ粒子の生成方法が、後続する生物学的な機能化工程を助けるために望ましい。水性媒体における磁性ナノ粒子を生成する方法は公知である[米国特許第4,329,241号、Massart]。しかしながら、前記方法は、凝集の課題があり、サイズ及びサイズ分散を制御することについてあまり有能ではない。
【0008】
酸化鉄粒子の成長又は凝集を制御する別の方法は、原位置(in situ)において高分子マトリクスを沈殿させることである。様々な種類の天然の高分子マトリクスが使用されてきており、例えば、デキストラン[US4,452,773,Molday)、プロテイン[US6,576,221,Kresse]、アルギン酸塩[Kroll,E,Winnik,F.M.;Ziolo,R.F.Chem.Mater.1996,8,1594]、及び合成ポリマー、例えば、官能化ポリスチレン[Ziolo,R.F.;Giannelis,E.P.;Weinstein,B A.;Ohoro,M.P.;Ganguly,B.N.;Mehrotra,V.;Russel,M.W.;Huffinan,D.R.Science,1992,257,219]、ポリピロール[Bidan,G.;Jarjayes,O.,Fruchart,J.M.;Hannecart,E.Adv Mater,1994,6,152]、フェノール性ポリマー[Kommareddi,N.S.;Tata,M;John,V.T.;McPherson,G.L.;Herman,M.F.;Lee,Y.S.;O’Connor,C.J.;Akkara,J.A.;Kaplan,D.L.Chem.Mater.1996,8,801]、カルボン酸ポリマー[W005112758,Acad]、ブロックコポリマー[Sohn,B.H.;Cohen,R.E.Chem.Mater.1997,9,264;Kim,J.Y.;Shin,D.H.;Ryu,J.H.;Choi,G.H.;Suh,K.D.J.Appl.Polym.Sci.2004,91,3549]、及びその他[LesliePelecky,D.L.;Rieke,R.D.Chem.Mater.1996,8,1770]である。コーティングの安定性を増加させるための好適な技術のうちの一つは、重合鎖を架橋させることである[WO03005029,Xu]。しかしながら、この方法は、粒径を規則正しく変化させる可能性が無く、粒度分布が頻繁に広くなり、時にそれらは水性分散液中で安定しない。
【0009】
生物医学的に使用するための別の望ましい特徴は、有機体におけるナノ粒子の滞留時間をより多くするために前記反応を最小化するコーティングによってナノ粒子に対する免疫系の反応を防止することである。粒子の表面に生物学的活性分子を固着させ、特定の局所化又は生物学的機能化を可能にすることが望ましい。[米国特許第6,514,481号,Prasad]は、スペーサによってペプチドが付着される、シリカでコーティングされた酸化鉄ナノ粒子を記載しており、[WO02098364,Perez Manual]では、酸化鉄ナノ粒子がペプチド及びオリゴヌクレオチドが固定されるデキストランでコーティングされている。
【0010】
よって、生理的溶液中に安定的かつ均質的に分散することができ、免疫系の攻撃を避けることを可能にするコーティングを備え、生物学的機能を備える分子の固定を可能にするために表面に官能基を備える、可変的なサイズ、形状、低いサイズ分散を有する生体適合性ナノ粒子を生成する方法の必要性がある。しかし、これらの要求全てに同時に応じることができる方法が特に要求される。本発明の目的は、これらの要求に応じることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、鉄を含む金属酸化物又はポリマー(P)からなる磁性ナノ粒子を含む磁性ナノ粒子材料系であって、
a)前記ポリマー(P)は、クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有するモノマー(I)を含んでおり、
b)モル比[Fe]/[モノマー(I)]が、0.01〜10であって、
c)前記ナノ粒子は、平均粒径のサイズ分散が15%未満であることを特徴とする磁性ナノ粒子材料系に関する。
【0012】
バリエーションの一つにおいて、磁性ナノ粒子材料系は固体(ナノ複合材)であって、別の変異態様において、磁性ナノ粒子材料系は液体(強磁性流体)である。
【0013】
磁性ナノ粒子材料系の別のバリエーションは、前記モノマー(I)とは別に、親水官能基を有するモノマー(II)を含む前記ポリマー(P)を含む。
【0014】
磁性ナノ粒子材料系の別のバリエーションは、前記モノマー(I)及び(II)とは別に、生物学的活性分子を固定することができる官能基を有するモノマー(III)を含む。
【0015】
本発明の第2の態様は、鉄を含む金属酸化物及び前記ポリマー(P)からなる磁性ナノ粒子を含む材料系を得る方法であって、
a1)クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有する前記モノマー(I)を含み、有機溶剤と任意で混合される、
前記ポリマー(P)の水溶液を
a2)モル比[Fe]/[モノマー(I)]が0.01〜10の範囲である少なくとも一つ以上の鉄塩を含み、有機溶剤と任意で混合される、水溶液と混合する工程と、
b)pH8〜14になるのに十分な量の塩基を加える工程と、
を含む方法に関する。
【0016】
本発明の第3の態様は、上記の液体磁性ナノ粒子材料系の使用に関し、この使用には、磁気冷却、磁気印刷、磁気インク、ローター潤滑、変圧器、低騒音レベルソレノイド、切り換え装置、磁性流体、磁気的に活性なファイバー、強化ポリマー複合材料、真空システムのシーリング、減衰システム、拡声器、地磁気検出器、アクチュエータ、触媒反応、金属回収又は浄水、通信技術におけるインダクタ及びアンテナ、磁気シールド及びマイクロ波吸収、ポリマー硬化、エキポシ樹脂硬化、非接触加熱、ならびに、生物工学、獣医学又は医学的な使用が含まれる。
【発明の効果】
【0017】
本発明者は、鉄を有する金属酸化物と平均粒径が低分散であるポリマーとからなっており、粒子の形状及び平均粒径を生成工程の間に選択することができる、ナノ粒子を含む材料系を発見した。この材料系は、固体(ナノ複合材)又は液体(強磁性流体)であり得、後者の場合良好な分散性を達成するのに適している。
【0018】
この材料系が生物工学的用途、獣医学的用途及び医学的用途において用いられる場合、それは生体適合性を得て免疫系の攻撃を回避し、生物学的機能を備える分子を固定可能にする官能基を加えるように改良することができる。
【0019】
本発明の第1の態様は、鉄を含む金属酸化物とポリマー(P)とからなる磁性ナノ粒子を含む磁性ナノ粒子材料系に関しており、
a)前記ポリマー(P)は、クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有するモノマー(I)を含んでおり、
b)モル比[Fe]/[モノマー(I)]が、0.01〜10であって、
c)前記ナノ粒子は、平均粒径のサイズ分散が15%未満である。
【0020】
本発明の一実施例によれば、このナノ粒子材料系において金属酸化物はFe+2とFe+3との少なくともいずれか一方を有する。
【0021】
本発明の特定の一実施例は、金属酸化物が鉄(Fe)とは別に二価金属(例えばCo2+、Ni2+、Mn2+、Gd2+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Ba2+)を有する磁性ナノ粒子材料系である。
【0022】
本発明の更に特定の実施例は、金属酸化物がマグヘマイト(γ−Fe)を含む、磁性ナノ粒子材料系である。
【0023】
本発明の別の特定の実施例は、金属酸化物がマグネタイト(Fe)を含む、磁性ナノ粒子材料系である。
【0024】
本発明の別の特定の実施例は、金属酸化物がフェライト(MFe)を含んでおり、MはCo2+、Ni2+、Mn2+、Gd2+、Be2+、Mg2+、Ca2+又はBa2+である磁性ナノ粒子材料系である。
【0025】
本発明の特定の一実施例は、金属酸化物がバリウムフェライト(BaFe)である磁性ナノ粒子材料系である。
【0026】
ポリマー(P)は、有機ポリマー、又は、アルコキシシリル、チタンシリル、もしくはポリマー鎖に共有結合した他の物質等の無機残留物を含む有機ポリマー(有機無機ハイブッドポリマー)であり得る。
【0027】
本発明の一実施例によれば、磁性ナノ粒子材料系において、ポリマー(P)は、有機ポリマーである。
【0028】
本発明の別の実施例によれば、磁性ナノ粒子材料系においてポリマー(P)は有機無機ハイブリッドポリマーである。
【0029】
本発明の一態様は、クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有するモノマー(I)を含むポリマー(P)を含む(例えばアルコール、アルコキシド、カルボキシル、無水物、リン酸、ホスフィンから少なくとも1つ以上の官能基を含む)。官能基は、アミン基、アミド基、ニトリル基、アジド基といった窒素官能基であってもよい。他の窒素官能基は、イミン基又は複素環(ピリジン、ピロール、ピロリドン、ピリミジン、アデニン等)であってもよい。
【0030】
従って、本発明の一実施例は、モノマー(I)がアルコール官能基、アルコキシド官能基、カルボキシル官能基、無水物官能基、リン酸官能基ホスフィン官能基の中から少なくとも1つ以上の官能基を有する磁性ナノ粒子材料系である。
【0031】
本発明の別の実施例は、モノマー(I)が窒素官能基(アミン、アミド、ニトリル又はアジド等)を有する磁性ナノ粒子材料系である。
【0032】
本発明の別の実施例は、モノマー(I)がイミン又は、窒素を有する複素環(ピリジン、ピロール、ピロリドン、ピリミジン、アデニン等)を有する磁性ナノ粒子材料系である。
【0033】
特定の一実施例では、モノマー(I)がビニル系モノマーである磁性ナノ粒子材料系である。このビニルモノマーは好ましくはビニルピリジンである。
【0034】
クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる上記の基は、その合成の間、磁性ナノ粒子材料系に含まれる磁性粒子のサイズ及び形状を成型する機能に適合する。これらの基は、粒子を有機ポリマーでコーティングする機能にも適合する。
【0035】
発明者は、生成工程の間にモル比[Fe]/[モノマーI]を変化することによって、本発明の磁性ナノ粒子材料系の磁性ナノ粒子のサイズを制御することが可能であることを発見した。この比率が大きくなればなるほど、サイズもより大きくなる。本発明の磁性ナノ粒子材料系において、モル比[Fe]/[モノマーI]は、0.01〜10の間、好ましくは0.03〜2の間で変化する。
【0036】
本発明の磁性ナノ粒子材料系において、鉄を含む金属酸化物のナノ粒子の平均粒径は、1〜1000ナノメートルとなり得、好ましくは1〜100ナノメートルである。
【0037】
発明者は、本発明の磁性ナノ粒子材料系の粒子の形状が、異なる工程によって生成されたポリマーの使用によって制御され得ることも発見した。ラジカル経路によって合成されるポリマー[Odian G. Principles of Polymerization,Wiley−Interscience,New York,2004]は、球状粒子を作り出す(実施例1又は2)し、一方、アニオン性経路によって合成されるポリマー[Odian G. Principles of Polymerization,Wiley−Interscience,New York,2004]は細長い(長形の)粒子を作り出す(実施例3)。
【0038】
従って、本発明の特定の一実施例は、粒子が球形であって、ポリマー(P)がラジカル経路によって得られたポリマーである磁性ナノ粒子材料系によって構成される。
【0039】
本発明の別の特定の実施例は、粒子が長形であって、ポリマー(P)がアニオン性経路によって得られる磁性ナノ粒子材料系によって形成される。
【0040】
この棒状ナノ粒子は、実施例3.2及び図9に示されるように、極めて狭い位相外れの磁化率ピークを有する。この特徴は、この粒子を、温熱療法が利用される場合(例えば感染症の腫瘍学的な処置)での使用において特に適したものにする。
【0041】
本発明のナノ粒子材料系は、固体状態又は液体状態であり得る。
【0042】
本発明において、固体状態の本発明の磁性ナノ粒子材料系は「ナノ複合材」と呼ばれ、液体状態の本発明の磁性ナノ粒子材料系は「強磁性流体」と呼ばれる。
【0043】
本発明において用いられているように、用語「ナノ複合材」は、固体のポリマーマトリックスにおいて、鉄を含む金属酸化物のナノ粒子の分散に関する。
【0044】
本発明の特定の一態様は、固体の磁性ナノ粒子材料系(ナノ複合材)によって構成される。
【0045】
本発明において用いられているように、用語「強磁性流体」は、液状担体において、磁性粒子(例えば正味の磁気モーメントを備える)の安定的かつ均質的なコロイド懸濁に関する。液状担体は、例えば、水、又は、緩衝剤として作用する物質及び他の水溶性物質を含む水溶液であり得る。
【0046】
本発明の別の特定の態様は、液体磁性ナノ粒子材料系液体(強磁性流体)によって構成される。
【0047】
本発明の特定の一実施例は、水又は生体適合性水溶液(好ましくは、緩衝剤として作用する物質及び任意に他の水溶性物質を有する生体適合性水溶液)を含む磁性ナノ粒子材料系液体(強磁性流体)である。本発明の液体磁性ナノ粒子材料系(強磁性流体)において、酸化鉄ナノ粒子が液体媒体において均一に分散することと、この分散が安定していることが重要である。特に、生物工学的用途や、医学的用途や、獣医学的用途のために、前記分散が生理的媒体中で均質かつ安定したものであって、ナノ粒子が生体適合性であることが重要である。よって、本発明の特定の一実施例は、モノマー(I)とは別に、ポリマー(P)が、官能親水基を有するモノマー(II)を含む、磁性ナノ粒子材料系である。
【0048】
本発明の別の特定の実施例は、モノマー(II)がアクリレート、メタクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、ビニルピロリドン及びその誘導体(好ましくはポリエチレングリコール(PEG)メタクリル酸)といった、ビニル系モノマーである磁性ナノ粒子材料系である。
【0049】
本発明の別の特定の実施例は、モノマー(I)又は(II)とは別に、ポリマー(P)が、生物学的活性分子を固定することができる官能基を含むモノマー(III)を有する磁性ナノ粒子材料系である。この官能基は、例えば−NH、−SH、−COOH又はCONHであり得る。
【0050】
本発明の別の特定の実施例は、モノマー(III)がビニル系モノマーである磁性ナノ粒子材料系である。
【0051】
本発明の別の特定の目的は、生物学的活性分子が共有結合によってモノマー(III)に固定される磁性ナノ粒子材料系である。
【0052】
本明細書において使用しているように、用語「生物学的活性分子」は、生体分子もしくは生体分子に類似するものであって、以下に挙げるような各基の電子(密度)を受け入れる能力を備える官能基を含んでいる。それらは、アミノ基、チオール基、ジスルフィド基、ジアルキル・スルフィド、エポキシ基、ならびにプラチナ中のアミン基及びアルコール基であるが、例示の目的のみであって、本発明の範囲を限定するものではない。前記官能基を有するこれらの生体分子(その分子自体において、又は前記官能基の合成的追加の作用のため)は、例えば以下の群から選択することができる。
a)天然生体分子:単体又は二本鎖核酸(DNA又はRNA)、酵素、抗体、膜タンパク質、熱ショックタンパク質、シャペロニン、他のタンパク質、単糖類、多糖類、糖タンパク質、脂肪酸、テルペン、ステロイド、天然脂質の他の分子、リポタンパク、ホルモン類、ビタミン、代謝産物、炭化水素、チオール、又は、タンパク質、核酸の少なくとも1つ以上によって構成された高分子集合体、又は、前記記載の分子の他の組合せと
b)生体外選択工程によって得られた天然生体分子:アプタマ、リボザイム、アプタザイム(aptazymes)と、
c)人工生体分子:ペントース核酸(PNA)、天然核酸の他の類似物、天然及び人工の核酸チマース、形状を認識する能力を備えたポリマー(「分子インプリントポリマー(molecular imprinted polymers)又はMIP)、人工抗体、組換え抗体又はミニ抗体とである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、5%の鉄を有しており、実施例1により生成された40ナノメートルの厚さを有するマグヘマイト・ナノ化合物の断面の透過型電子顕微鏡画像を示している。
【図2】図2は、一旦マグヘマイト・ナノ化合物がすりつぶされてアセトンに分散してグリッドに置かれ後に、[Fe]/[ピリジン]比=0.40から実施例2により生成されたマグヘマイト・ナノ化合物サンプルの透過型電子顕微鏡画像を示している。
【図3】図3は、実施例2により生成されたポリマー(PVP)サンプル及び一連のマグヘマイト・ナノ化合物(S1、S2、S3、S4及びS5)の、0.1mmの厚みを有するタブレットに押圧された後の、小角X線散乱(SAXS)曲線を示している。
【図4】図4は、実施例2により生成された一連のマグヘマイト化合物において、ギニエ・プロットに調整することによってSAXS曲線から算出される粒径の変化を示している。
【図5】図5は、一旦マグヘマイト・ナノ化合物がすりつぶされてアセトンに分散してグリッドに置かれ後に、27.8%の鉄を有するアニオン性のポリマーから実施例3により生成された棒状のマグヘマイト・ナノ化合物サンプルの透過型電子顕微鏡画像を示している。
【図6】図6は、実施例4により生成されたマグヘマイト流体の電子顕微鏡画像を示している。
【図7】図7は、実施例2により生成された一連のマグヘマイト化合物の磁場に対する磁化変化を示している。実線は、ランジュヴァン方程式で調整したものに対応している。
【図8】図8は、10Hzの交流周波数における実施例2により生成された一連のマグヘマイト・ナノ化合物の温度に対する位相外れ交流磁化率の変化を示している。
【図9】図9は、異なる交番周波数における実施例3によりアニオンポリマーから生成されたマグヘマイト・ナノ化合物の温度による位相外れ交流磁化率の変化を示している。
【図10】図10は、実施例4により生成された強磁性流体の、その生成の直後又は生成の一ヵ月後の、温度による磁性の変化を示している。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の別の特定の実施例は、ポリマー(P)中の全てのモノマーがビニル系モノマーである磁性ナノ粒子材料系である。
【0055】
本発明の特定の一実施例は、金属酸化物及び有機ポリマーからなる磁性ナノ粒子を含む液体磁性ナノ粒子材料系(強磁性流体)であって、この液体磁性ナノ粒子材料系(強磁性流体)は、
a)金属酸化物としてのマグヘマイトと、
b)ポリマーマトリックスであって、
i.4−ビニルピリジン[モノマー(I)]と、
ii.ポリ(エチレングリコール)(PEG)で官能化されたビニルモノマー[モノマー(II)]と、
iii.−NH、−SH、−COOH又はCONHから選択される官能基を有しているビニルモノマー[モノマー(III)]とを有する高分子マトリックスと、
c)前記ナノ粒子材料系をpH7.4に維持するリン酸緩衝液(PBS)と、
を含んでいる。
【0056】
本発明の第二の態様は、次の工程を含む磁性ナノ粒子材料系を生成する方法によって構成される。
a)混合
a1)クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有するモノマー(1)を含むポリマー(P)の水溶液(有機溶剤と任意で混合される)を、
a2)モル比[Fe]/[モノマー(I)]が、0.01〜10の範囲である少なくとも一の鉄塩を有する水溶液(有機溶剤と任意で混合される)と混合する工程と、
b)pH8〜14となるのに十分な量の塩基を加える工程と、を含む。
【0057】
本発明の特定の一実施例は、磁性ナノ粒子を生成する方法であって、溶液a2)が二価金属又はFe+3の塩の少なくとも一つの塩を有する。二価金属塩は、例えばFe2+、Co2+、Ni2+、Mn2+、Gd2+、Be2+、Mg2+、Ca2+又はBa2+であり得る。
【0058】
本発明のより特定の一実施例は、溶液a2)中の二価金属塩がFe2+塩を含む、磁性ナノ粒子を生成するための方法である。
【0059】
本発明の別のより特定の実施例は、溶液a2)においてFe2+の塩がFeBrであってFe+3の塩がFeBrである、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0060】
本発明の別の特定の実施例は、溶液a2)が一価臭化物(例えばKBr、RbBr、NaBr、CsBr、(CHNBr、(CHCHNBr)を更に含む、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0061】
本発明の別の特定の実施例は、溶液a2)においてFe2+の塩がFeClであってFe+3の塩がFeClである、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0062】
本発明の別の特定の実施例は、溶液a2)が一価塩化物(例えばKCl、RbCl、NaCl、CsCl、(CHNCl、(CHCHNCl)を更に含む、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0063】
本発明の別の特定の実施例は、溶液a1)及びa2)が0.01〜10の範囲のモル比[Fe]/[モノマー(I)]において混合される、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0064】
本発明の別の特定の実施例は、溶液a1)及びa2)が0.03〜2の範囲のモル比[Fe]/[モノマー(I)]において混合される、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0065】
モル比[Fe]/[モノマー]が鉄を含む金属酸化物のナノ粒子のサイズに影響することの発見とは別に、本発明者は、ナノ粒子のサイズを溶液a2)中のFe+2及びFe+3の異なるモル比を用いることによって変化させることができることも発見した。
【0066】
従って、本発明の特定の一実施例は、鉄を含む金属酸化物のナノ粒子の平均粒径が、溶液a2)中のFe+2及びFe+3のモル比を変化させる(両方のカチオンの溶解塩の比率を変化させることによって)ことにより制御される、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0067】
本発明者の第3の発見は、鉄を含む金属ナノ粒子の平均粒度を、b)に加えられた基剤とa)に含まれる鉄との間のモル比を変化させることによって制御することができることである。従って、本発明の別の特定の実施例は、鉄を含む金属酸化物のナノ粒子の平均粒度が、b)に加えられた基剤とa)に含まれる鉄との間のモル比を変化させることによって制御される磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0068】
本発明の別の特定の実施例は、工程b)においてpH12.5〜13になるまで基剤が加えられる、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0069】
本発明の別の特定の実施例は、a1)で用いられるポリマー(P)がクーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有するモノマー(I)を含む(例えばアルコール、アルコキシド、カルボキシル、無水物、リン酸又は/又はホスフィン)、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0070】
本発明の別の特定の実施例は、a1)で用いられるポリマー(P)が窒素官能基(アミン基、アミド基、ニトリル基、アジド基等)を有するモノマー(I)を含む、磁性ナノ粒子材料系を生成する方法である。
【0071】
本発明の別の特定の実施例は、a1)で用いられるポリマー(P)がイミン又は複素環(ピリジン、ピロール、ピロリドン、ピリミジン、アデニン等)を有するモノマー(I)を含む、磁性ナノ粒子材料系を生成する方法である。
【0072】
本発明の別の特定の実施例は、a1)で用いられるポリマー(P)がビニル系モノマー(I)である、磁性ナノ粒子材料系を生成する方法である。
【0073】
a1)で用いられるポリマー(P)がビニルモノマーとしてビニルピリジンを含む、磁性ナノ粒子材料系を生成する方法である。
【0074】
ポリマー(P)がラジカル経路によって得られる、磁性ナノ粒子材料系を生成する方法である。
【0075】
ポリマー(P)がアニオン性経路によって得られる、磁性ナノ粒子材料系を生成する方法である。
【0076】
この方法は、ポリマー(P)生成工程を含むことができる。従って、本発明の別の特定の目的は、ポリマー(P)が工程a)の前に一工程によって生成される、磁性ナノ粒子径を生成する方法である。
【0077】
本発明の別の特定の実施例は、ポリマー(P)がコポリマーであって、親水基を含むモノマー(II)を用いて、更に、生物学的活性分子を固定することができる官能基を含むモノマー(III)を任意に用いて、モノマー(I)との同時又は連続した共重合によって生成される、磁性ナノ粒子径を生成する方法である。
【0078】
モノマー(II)及び(III)は、本明細書において先に記載されたとおりである。
【0079】
ポリマーPの共重合は、本発明の磁性ナノ粒子の生成の後になされてもよい。よって、本発明の特定の一実施例は、磁性ナノ粒子を生成する方法であって、この方法は、ステップb)の後、親水基を含むモノマー(II)を用いて、更に、生物活性分子を固定することができる官能基を含むモノマー(III)を任意に用いた、ポリマー(P)との共重合を含む工程c)であって、この工程c)において、前記共重合が2つのモノマー(II)又は(III)を用いてなされる場合、この共重合は連続して又は同時に実施される。
【0080】
本発明の別の特定の実施例は、酸化金属核とポリマー(P)とを有する磁性ナノ粒子を含む固体系(ナノ複合材)を得るために工程b)の生成物を固体‐液体相分離にかける工程を含む、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0081】
本発明の別の特定の実施例は、鉄を含む酸化金属とポリマー(P)とを含む磁性ナノ粒子を含む固体系(ナノ複合材)を得るために付加的な工程c)の生成物を固体‐液体相分離にかける工程を含む、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0082】
本発明の磁性ナノ粒子を生成する方法の付加的な工程は、液体系(強磁性流体)を得るために適当な液体媒体中に固体生成物(ナノ複合材)を分散させることを含む。特定の一実施例では、この液体は、水又は生体適合性水溶液(好ましくは緩衝剤として作用する水溶液)である。
【0083】
従って、本発明の特定の一実施例は、工程b)又はc)の後、固体生成物(ナノ複合材)が、液体系(強磁性流体)を得るために適当な液体媒体中に分散される、磁性ナノ粒子生成する方法である。
【0084】
本発明の別の特定の一実施例は、固体生成物(ナノ複合材)が生体適合性水溶液中に分散される、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0085】
本発明の別の特定の一実施例は、固体生成物(ナノ複合材)が、緩衝剤として作用する物質を含む水溶液中に分散される、磁性ナノ粒子を生成する方法である。
【0086】
液体ナノ粒子材料系(強磁性流体)の特殊性は、粒子のサイズが、固体系(ナノ複合材)中の粒子のサイズに対して変化しないということであって、図6に示すように、凝集体は観察されない。
【0087】
本発明の別の態様は、本発明の強磁性流体の使用又はナノ粒子の使用であって、例として次に挙げる群に属する工業用途における使用が含まれる。磁気冷却、磁気印刷、磁気インク、ローター潤滑、真空システムのシーリング、減衰システム、拡声器、地磁気検出器、アクチュエータ、触媒反応、金属回収及び浄水、通信技術におけるインダクタ及びアンテナ、磁気シールド及びマイクロ波吸収、生物工学、獣医学、ならびに医学的な用途[Jech T.J.、Odenbach S.Ferrofluids:Magnetically Controllable Fluids and Their Applications,Springer,Berlin,2002;Goldman A.J.Handbook of Modern Ferromagnetic Materials,Kluwer Academic Publishers,Norwell,2002].磁性ナノ粒子の磁気熱効果特性に基づく工業用途としては、ポリマー硬化、エポキシ樹脂の硬化、非接触加熱及び生物医学的な用途における磁性ナノ粒子の温熱の使用が挙げられるがこれらに限定されない。
【0088】
上記のように、本発明の強磁性流体のナノ粒子は、生物活性分子を固定することができ、このことは、例えば食品又は農業、環境、酵素による化学合成、獣医学的用途及び医療といった特殊分野のいずれにおける用途においてもその生物工学的分野を切り開くものである。本発明の特定の一実施例は、人体又は動物の疾患の診断又は治療分野における本発明の強磁性流体の使用によって構成される。
【0089】
この意味において、診断及び臨床治療においてナノ粒子を用いるこの強磁性流体の使用は、これらの分野において非常に著しい進展であり、例えば、少量の磁性ナノ粒子を、分析されるべき大量のサンプル内で再懸濁することができ、後に外部磁界をかけることによって回復される。従って、希釈された非常に少量の目標生体分子(前記ナノ粒子に固定化される有機生物活性分子と特に混成されている)を浄化と予備濃縮との少なくともいずれか一方することが可能であり、これにより、検出限界は大いに減少し、正確な臨床診断の可能性が飛躍的に向上する。
【0090】
この種のナノ粒子材料系よって、早期の検出が重要である特定の生体物質の存在を確定することが可能となり、前記の特徴的配列を有する有機体の種又は菌株の存在によって伴う悪影響を防ぐことができる。これには、人体的生物医学及び獣医学的生物医学における用途が含まれ、次ぎに挙げる態様がそれに含まれる。i)ウィルス性、細菌性、菌性、原生動物性の病原体の検出;ii)これらの病原菌が薬物及びワクチンに対して耐性を作る突然変異又は遺伝的多型性(SNP)の特徴づけ;iii)疾患に関する又はその疾患を受けやすいヒト遺伝子又は動物遺伝子における突然変異又は遺伝的多型性の特徴づけ;iv)特定の腫瘍のような人間の疾患マーカーの検出。この検出に係る可能性は、食品又は環境の制御における重要な用途も含み、これには次ぎに挙げる態様が含まれる。i)特定の微生物、病原体又は汚染物質の検出;ii)遺伝子組み換え体(GMO)又は遺伝形質転換体(トランスジェニック動植物)の存在の検出(それらの存在が許容される限度より上にある場合に定量化することが可能である)。
【0091】
一方では、それが患者の細胞(例えば癌細胞、自己免疫過程における免疫系細胞、病原微生物等)を破壊するのに必要なときに、これらの強磁性流体を人間の治療法において使うこともできる。ナノ粒子は例えば抗体が固定された生体分子を有しており、特定の腫瘍マーカー(例えば乳癌マーカー)を認識することによって、これらの標的細胞にナノ粒子を運搬することを可能にし、標的細胞は前記ナノ粒子を内部に移動させ、そこで標的細胞を熱特性によって破壊することができる。
【実施例1】
【0092】
本発明のマグヘマイト−ポリ(4−ビニルピリジン)ナノ化合物/ナノ複合材の生成
【0093】
1.1.ラジカル経路によるポリ(4−ビニルピリジン)の合成
【0094】
分子篩で前もって処理された約2グラムの98%の4−ビニルピリジン・モノマーが計量された。同時に、乾燥シュレンク型フラスコが用意され、600℃で油浴に浸漬された。モノマーと15〜20mlのテトラヒドロフラン(THF)がこのフラスコに導入された。フラスコの口は隔壁によって封止され、2回又は3回の真空−アルゴン処理がなされた。フラスコがアルゴン雰囲気にあるときに、2%のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)が加えられた。それは、24時間撹拌することによって反応することができた。この反応を止める目的のためにメタノールが滴下された。
【0095】
得られたポリマーを精製するために、冷たいヘキサンを溶液に加えることによって沈殿され、続いて濾過板を用いて濾過された。
【0096】
1.2.マグヘマイト−ポリ(4−ビニルピリジン)のナノ化合物の生成。
【0097】
Fe−ポリマー化合物の生成のために、0.2グラムのラジカルポリ(4−ビニルピリジン)が、水又はアセトンを50%で混合した5mlの混合液に最初に溶かされ、0.11モル/LのFeBr、0.89モル/LのFeBr又は0.5モル/LのRbBrを有する0.1mlの溶液が加えられた。それは、乾燥するまで蒸発された(最初は室温で、後に50℃のオーブンで)。
【0098】
上で得られたFe−ポリマー化合物は、その後、5mlの1M NaOHに1時間浸漬された。それは、濾過され、洗浄水のpHが7に減少するまで水で洗浄された。それは、最初に室温で、次に60℃のオーブンで乾燥された。高解像度透過型電子顕微鏡検査(HRTEM)によって得られた画像(図1)によると、得られたナノ複合材は、平均サイズ4.0ナノメートル又は標準偏差±0.4ナノメートルである分散された球状の酸化鉄ナノ粒子を有する。
【0099】
前記ナノ複合材の電子回折解析は、前記ナノ粒子がスピネル構造を有しており、従ってマグヘマイト又はマグネタイト(磁鉄鉱)から成り得ることを示している。電子エネルギー損失分光法によるナノ粒子の分析は、前記粒子がマグヘマイト(データは示されない)から成ることを示している。KCrの滴定によるナノ化合物の分析はFe2+イオンの欠如を示し、それはナノ化合物中のマグネタイトの存在を断定的に除去する。
【実施例2】
【0100】
1.5ナノメートル〜15ナノメートルの範囲で変化し得る平均径を有する球状ナノ粒子を含む一連のマグヘマイト−ポリ(4−ビニルピリジン)ナノ化合物/ナノ複合材の生成。
【0101】
5つの1型ポリマー溶液が、水及びアセトンを50%で混合した10mlの混合液をそれぞれ0.4gのラジカルポリ(ビニルピリジン)に溶かすことによって生成された。0.40モル/LのFeBr、0.60モル/LのFeBr及び0.5モル/LのRbBrを有する、溶液がそれぞれ0.15ml、0.88ml、1.76ml、2.64ml、3.52ml、6.60ml加えられた。それは、乾燥するまで蒸発された(最初は室温で、後に50℃のオーブンで)。
【0102】
各Fe−ポリマー化合物は、その後、40mlの1M NaOHにそれぞれに1時間浸漬された。それは、濾過され、洗浄水のpHが7に減少するまで水で洗浄された。それは、最初に室温で、次に60℃のオーブンで乾燥された。6つのナノ化合物(S1、S2、S3、S4及びS5と呼ばれる)がそれぞれ得られた。高解像度透過型電子顕微鏡検査(HRTEM)によって得られた画像からのサンプルS4の粒度分布の分析(図2)は、粒子が6ナノメートルの平均サイズ及び±0.7ナノメートルの標準偏差を備える球形であることを示す。この電子回折解析は、前記ナノ粒子がスピネル構造を有しており、従ってマグヘマイト又はマグネタイトから成り得ることを示している。KCrの滴定による粒子の分析はFe2+イオンの欠如を示し、それはナノ化合物中のマグネタイトの存在を断定的に除去する。小角X線散乱(SAXS)によるナノ化合物S1、S2、S3、S4、S5の分析(図3)は、粒子が球形であって、それぞれ1.6ナノメートル、2.5ナノメートル、3.5ナノメートル、5.2ナノメートル、15ナノメートルの平均粒径を有することを示す。前記生成において用いられる比率[Fe]/[ピリジン]を備える粒子のサイズの変化は実質的に線形トレンドに追従することが観察された(図4)。
【実施例3】
【0103】
棒状ナノ粒子を含むマグヘマイト・ポリ(4−ビニルピリジン)ナノ化合物/ナノ複合材の生成
【0104】
3.1.アニオン性経路によるポリ(4−ビニルピリジン)の合成
【0105】
型の分子篩において事前に処理された約2グラムの98%の4−ビニルピリジン・モノマーが計量された。同時に、乾燥シュレンク型フラスコが用意され、イソプロパノール又は液体窒素の混合物からなる浴槽に−78℃で浸漬された。モノマー又は蒸留して得られた15〜20mlのテトラヒドロフラン(THF)がこのフラスコに導入された。フラスコの口は隔壁によって封止され、2回又は3回の真空−アルゴン処理がなされた。フラスコがアルゴン雰囲気下にあるときに、5%のBuLiが加えられた。反応が始まると、炭素アニオンが有色であるという事実のため、溶液は赤みがかった橙色になる。それは、24時間撹拌することによって反応することができた。この反応を止める目的のためにメタノールが滴下された。
【0106】
得られたポリマーを精製するために、冷たいヘキサンを溶液に加えることによって沈殿され、続いて濾過板を用いて濾過された。
【0107】
3.2.棒状のマグヘマイト−ポリ(4−ビニルピリジン)ナノ複合材の生成。
【0108】
1型ポリマー溶液は、0.3gのアニオン性ポリ(4−ビニルピリジン)を水及びアセトンを50%で混合した5mlの混合液に溶かすことによって生成された。0.5モル/LのFeBr、1モル/LのFeBr又は0.5モル/LのRbBrを有する0.506mlの溶液が、それぞれ加えられた。それは、乾燥するまで蒸発された(最初は室温で、後に50℃のオーブンで)。
【0109】
得られたFe−ポリマー化合物は、20mlの1M NaOHに1時間浸漬された。それは、濾過されて、洗浄水のpHが7に減少するまで水で洗浄された。それは、最初に室温で、次に60℃のオーブンで乾燥された。高解像度透過型電子顕微鏡(HRTEM)によるサンプルの検査(図5)は、粒子が60ナノメートルの平均長及び6ナノメートルの厚さを有する棒状であることを示している。この電子回折解析は、前記粒子がスピネル構造を有しており、従ってマグヘマイト又はマグネタイトから成り得ることを示している。KCrの滴定による粒子の分析は、Fe2+イオンの欠如を示し、それはナノ化合物中のマグネタイトの存在を断定的に除去する。
【0110】
0.1モル/LのHNOを含む溶液中にDOとH0とを40%混合した混合液(これはポリマーの分散を止めさせる)におけるナノ合成物の分散の小角中性子散乱(SANS)による分析は、粒子を散乱させることだけに対応しているI(Q)曲線をなし、傾斜度−2の直線からなる。この結果は、平面的な粒子形を考慮して理解することができるか、又は、HRTEMによってなされる観察による平面構造の長形粒子を関連付けることによって理解することができる。
【0111】
更に、棒状粒子を有するこの実施例に従って生成されたナノ化合物の異なる磁場の交番周波数(図9)のための温度による交流(ac)磁化率の変化について測定がなされた。位相外れの磁化率ピークが極めて狭いことが観察された。このことは、交番磁界による工業用途であるならば、前記粒子を温熱利用、すなわち、細胞、組織又は非生物的な媒体を加熱するために非常に適したものにする(特定の磁場の周波数又は強度のための磁気熱量効果が非常に狭い磁化範囲において発生することから)。
【実施例4】
【0112】
メタクリル酸ポリエチレングリコールでの共重合によるpH7.4での本発明の安定したマグヘマイト強磁性流体の生成。
【0113】
実施例1に従って、前もって得られた10mgのマグヘマイト−ポリ(4−ビニルピリジン)ナノ複合材が、1mlの0.1M HNOに溶かされた。それは、pH7.4の条件下で、1mlの燐酸緩衝液(PBS)中に再懸濁され、懸濁した分散が生じた。
【0114】
実施例1に従って、前もって得られた10mgのマグヘマイト−ポリ(4−ビニルピリジン)ナノ複合材は、1mlの0.1M HN0に溶かされた。7.5mg/mlの濃度のメタクリル酸塩基で官能化されたpH2.4の1mlの強磁性流体及び3mlのポリ(エチレングリコール)(PEG)によって構成された液体が加えられた。それは、pH7.4の条件下で、1mlの燐酸緩衝液(PBS)中に再懸濁され、懸濁した分散が生じた。
【0115】
10mgのマグヘマイト−ポリ(4−ビニルピリジン)ナノ複合材が、1mlの0.1M HNOに溶かされた。7.5mg/mlの濃度のメタクリル酸塩基で官能化されたpH2.4の1mlの強磁性流体及び3mlのポリ(エチレングリコール)(PEG)によって構成された液体が加えられた。前記分散は、ナノ粒子をコーティングするポリビニルピリジンでPEGメタクリル酸塩との共重合をなすために、40℃で8時間保温された。この保温処理の後、300μlのこの混合物は、その酸性度を生理的pHに調整するためにpH7.4の1mlの燐酸緩衝液(PBS)に再懸濁されて、これにより本発明の強磁性流体を生成し、これは透明かつ生理的pHが安定しており、生体適合性で、生物学的に機能化することができる。
【0116】
得られた分散は、pH7.4の燐酸緩衝液(PBS)中で磁気分離又は後続する再分散によって純化される。
【0117】
強磁性流体の透過型電子顕微鏡画像は、ナノ粒子のサイズが、出発ナノ化合物に関して変化されず、大きな凝集体が観察されないことを示す(図6)。
【実施例5】
【0118】
異なる粒径を有するナノ複合材の磁気的性質の制御された変化。
【0119】
実施例2のナノ複合材S1〜S5中に印加された磁場に対する磁化の変化の測定がなされた。増大した粒径を有するナノ化合物において得られた磁化曲線において、規則的な増加が観察された(図7)。ゼロ磁場で曲線の直線部分を外挿することによって算出される異なるナノ複合材の飽和磁化は、実質的に0emu/gから50emu/gまでの変化を示し、巨視的マグヘマイト(76emu/g)の飽和磁化に近く、また言い換えれば実質的に全超常磁性範囲に近い。
【0120】
更に、ナノ複合材S1〜S5における10Hzの磁場の交番周波数のための温度に対する交番(ac)磁化率の変化の測定がなされた。異なるナノ化合物のブロッキング温度(最大位相外れ磁化の磁化温度として算出された)は、1.8K未満から300Kまで、又は換言すれば実質的に全超常磁性範囲において変化を示す。従って、粒子の凝集を防止するために粒子が室温で超常磁性であるということに基づき、この方法は、可能な限り広い範囲で、特定の周波数のための最大磁気熱量効果を備えるナノ粒子を合成することを可能にする。
【実施例6】
【0121】
棒状ナノ化合物の磁気熱量効果。
【0122】
28%の棒状粒子及び62%の球状粒子を含む本発明によるナノ化合物は、オールドリッチ(Aldrich)によって提供される商業的なポリ(4−ビニルピリジン)から開始され、かつ、実施例1に記載された方法(しかし、この実施例に明記された量の代わりに1mlのFeBr/FeBr/RbBr溶液を用いる)によって得られる。HRTEMによって得られた画像から、棒状粒子が18.4ナノメートルの平均長さ及び2.7ナノメートルの平均厚さを有し、球状粒子が6.2ナノメートルの平均径を有すると算出された。相対温度の増加に基づく水性懸濁液中のこのナノ化合物の磁気熱量効果は、144Hzの強度又は交番周波数を有する交番磁場の下で測定された。SAR=144w/gが得られる。7.5ナノメートルの平均粒径を有する球状マグヘマイト・ナノ粒子を有するラジカルポリマーから開始するこの発明によって生成されたナノ化合物の磁気熱量効果は、同じ条件において測定された。SAR=8w/gが得られた。
【実施例7】
【0123】
生理的溶液中の強磁性流体の安定性。
【0124】
生成の直後と生成の1ヵ月後に、ゼロ磁場での冷却又は25ガウスの磁場での冷却(ZFC−FC)に係る温度に対する磁化の変化が、実施例4において生成される強磁性流体において測定された。結果は曲線が完全に重なっていることを示しており(図10)、この間に平均粒径が変化せず、凝集体が形成されなかったことを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄を含む金属酸化物及びポリマー(P)からなる磁性ナノ粒子を含む磁性ナノ粒子材料系であって、
a)前記ポリマー(P)は、クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有するモノマー(I)を含んでおり、
b)モル比[Fe]/[モノマー(I)]が、0.01〜10であって、
c)前記ナノ粒子は、平均粒径のサイズ分散が15%未満である磁性ナノ粒子材料系。
【請求項2】
前記金属酸化物は、少なくともFe+2とFe+3のいずれか一方を含む請求項1に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項3】
前記金属酸化物は、Co2+、Ni2+、Mn2+、Gd2+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Ba2+の中から選択されるいずれか1つ以上を有する請求項2に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項4】
前記金属酸化物は、マグへタイト(γ−Fe)を含む請求項1に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項5】
前記金属酸化物は、マグネタイト(Fe)を含む請求項1に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項6】
前記金属酸化物は、フェライト(MFe)含んでおり、MはCo2+、Ni2+、Mn2+、Gd2+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Ba2+である請求項3に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項7】
前記フェライトは、バリウム・フェライト(BaFe)である請求項6に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項8】
前記ポリマー(P)は、有機物である請求項1に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項9】
前記ポリマー(P)は、有機無機ハイブリッドポリマーである請求項1に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項10】
前記モノマー(I)は、アルコール、アルコキシド、カルボキシル、無水物、リン酸塩、ホスフィンの中から選択されるいずれか1つ以上を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項11】
前記モノマー(I)は、複数の窒素官能基を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項12】
前記複数の窒素官能基は、アミン、アミド、ニトリル、アジドの中から選択されるいずれか1つ以上を有する請求項11に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項13】
前記複数の窒素官能基は、イミン及び複素環(ピリジン、ピロール、ピロリドン、ピリミジン、アデニン等)の中から選択されるいずれか1つ以上を有する請求項11に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項14】
前記モノマー(I)は、ビニル系モノマーである請求項1〜13のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項15】
前記ナノ粒子は球形であって、前記ポリマー(P)はラジカル経路によって得られる請求項1〜14のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項16】
前記ナノ粒子は長形であって、前記ポリマー(P)はアニオン性経路によって得られる請求項1〜14のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項17】
前記ビニル系モノマーは、ビニルピリジンである請求項14に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項18】
前記モル比[Fe]/モノマー(I)は、0.03〜2である請求項1〜17のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項19】
前記磁性ナノ粒子材料系が固体(ナノ複合材)である請求項1〜18のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項20】
前記磁性ナノ粒子材料系が液体(強磁性流体)である請求項1〜18のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項21】
水又は生体適合性水溶液を含む請求項20に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項22】
前記水溶液は、緩衝剤として作用する物質を含む請求項21に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項23】
前記ポリマー(P)は、親水官能基を有するモノマー(II)を更に含む請求項20に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項24】
前記モノマー(II)は、ビニル系モノマーで請求項23に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項25】
前記ビニル系モノマーは、アクリレート、メタクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、ビニルピロリドン又はその誘導体の中から選択されるいずれか1つ以上を有する請求項24に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項26】
前記ビニル系モノマーは、ポリエチレングリコール(PEG)メタクリル酸エステルである請求項25に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項27】
前記ポリマー(P)は、生物学的活性分子を固定することができる官能基を有するモノマー(III)を更に含む請求項23〜26のいずれか1項に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項28】
前記生物学的活性分子は、共有結合によって前記モノマー(III)に固定される請求項27に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項29】
前記モノマー(III)の官能基は、−NH、−SH、−COOH又はCONHの中から選択されるいずれか1つ以上を有する請求項28に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項30】
前記モノマー(III)は、ビニル系モノマーである請求項27に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項31】
前記ポリマー(P)は、二種類のモノマーを含む請求項27に記載の磁性ナノ粒子材料系。
【請求項32】
金属酸化物及び有機ポリマーからなる磁性ナノ粒子を含む液体磁性ナノ粒子材料系であって、
a)金属酸化物としてのマグヘマイトと、
b)ポリマーマトリックスであって、4−ビニルピリジン[モノマー(I)]と、ポリ(エチレングリコール)(PEG)によって官能基化されるビニルモノマー[モノマー(II)]と、−NH、−SH、−COOH又はCONHの中から選択されるいずれか1つ以上を有するビニルモノマー[モノマー(III)]と、前記材料系をpH7.4に維持する、リン酸緩衝液(PBS)の水溶液と、を有するポリマーマトリックスと、
を含む液体磁性ナノ粒子材料系。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか1項に記載の発明の磁性ナノ粒子材料系を生成する方法であって、
a1)クーロン力、ファンデルワールス力又は配位結合によって金属イオンと相互作用することができる活性官能基を有するモノマー(I)を含み、有機溶剤と任意で混合される、ポリマー(P)の水溶液を、
a2)モル比[Fe]/[モノマー(I)]が0.01〜10の範囲である少なくとも一つ以上の鉄塩を含み、有機溶剤と任意で混合される、水溶液と混合する工程と、
b)pH8〜14になるのに十分な量の塩基を加える工程と、
を含む方法。
【請求項34】
前記溶液a2)は、少なくとも一つ以上の二価金属塩及びFe+3の塩を含む溶液を有する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記二価金属塩は、Fe2+、Co2+、Ni2+、Mn2+、Gd2+、Be2+、Mg2+、Ca2+又はBa2+からなる金属のうちの少なくとも1つ以上を有する金属塩である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記二価金属塩は、Fe+2の塩である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記溶液a2)は、FeBr及びFeBrを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記溶液a2)は、一価臭化物を有する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記一価臭化物は、KBr、RbBr、NaBr、CsBr、(CHNBr、(CHCHNBrの中から選択されるいずれか1つ以上を有する請求項38に記載の方法。
【請求項40】
鉄を含む金属酸化物のナノ粒子の平均粒径は、モル比Fe+2/Fe+3を変化させることによって制御される請求項36〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
鉄を含む金属酸化物のナノ粒子の平均粒径は、前記b)に加えられた塩基と前記a)に含まれる鉄との間のモル比を変化させることによって制御される請求項33〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記溶液a1)と前記溶液a2)は、モル比[Fe]/[モノマー(I)]が0.03〜2になるように混合された請求項33〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記工程b)において、塩基はpH12.5〜13になるまで加えられる請求項33〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記a1)で使用されるポリマー(P)は、アルコール、アルコキシド、カルボキシル、無水物、リン酸塩、ホスフィンの中から選択されるいずれか1つ以上を有するモノマー(I)を含む請求項33〜43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリマー(P)は、窒素官能基を有するモノマー(I)を含む請求項33〜43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記ポリマー(P)は、イミン又は複素環(ピリジン、ピロール、ピロリドン、ピリミジン、アデニン等)を有するモノマー(I)を含む請求項33〜43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記モノマー(I)は、ビニル系モノマーである請求項33〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記ビニル系モノマーは、ビニルピリジンである請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ポリマー(P)は、ラジカル経路によって得られる請求項33〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ポリマー(P)は、アニオン性経路によって得られる請求項33〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記工程a)の前にポリマーPを生成する工程を更に含む請求項33〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記ポリマー(P)は、コポリマーであって、親水基を有するモノマー(II)を用いて、更に、生物学的活性分子を固定することができる官能基を有するモノマー(III)を任意に用いて、前記モノマー(I)との同時又は連続した共重合によって生成される請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記工程b)の後、親水基を有するモノマー(II)と、更に、生物活性分子を固定することができる官能基を有するモノマー(III)とを任意に用いて、前記ポリマー(P)を共重合させる工程c)を更に有しており、この工程c)において、共重合が2つの前記モノマー(II)及び前記ポリマー(III)を用いてなされる場合、前記共重合は連続して又は同時になされる請求項33〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記酸化金属核と前記ポリマー(P)とを有する磁性ナノ粒子を含む固体系(ナノ複合材)を得るために前記工程b)の生成物を固体‐液体相分離にかける工程を更に含む請求項33〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記鉄を含む酸化金属とポリマー(P)からなる磁性ナノ粒子を含む固体系(ナノ複合材)を得るために、付加的な工程c)の生産物を固体‐液体相分離にかける工程を更に含む請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記液体系(強磁性流体)を得るために、適当な液体媒体において固体生成物(ナノ複合材)を分散させる工程を更に含む請求項54及び55に記載の方法。
【請求項57】
前記液体は、生体適合性水溶液である請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記水溶液は、緩衝剤として作用する物質を含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
磁気冷却、磁気印刷、磁気インク、ローター潤滑、変圧器、低騒音レベルソレノイド、切り換え装置、磁性流体、磁気的に活性なファイバー、強化ポリマー複合材料、真空システムのシーリング、減衰システム、拡声器、地磁気検出器、アクチュエータ、触媒反応、金属回収又は浄水、通信技術におけるインダクタ及びアンテナ、磁気シールド材及びマイクロ波吸収体、ポリマー硬化、エキポシ樹脂硬化、非接触加熱、ならびに、生物工学、獣医学又は医学的な用途のための請求項20〜32のいずれか1項に記載の液体材料系(強磁性流体)の使用。
【請求項60】
医学的用途は、人間の疾患の診断及び治療を含む請求項59に記載の液体系(強磁性流体)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図4】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−504381(P2010−504381A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528665(P2009−528665)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058312
【国際公開番号】WO2008/034675
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(508157886)コンセジョ スペリオール デ インベスティガショネス シエンティフィカス (21)
【Fターム(参考)】