ナビゲーションシステム、ナビゲーションプログラム及びナビゲーション方法
【課題】移動手段が特定されたアプリケーションを選択することなく、全体の経路に含まれる車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別して探索する。
【解決手段】種別が異なる探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地Pと、駐車目的地Pを起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地Wと、これらのいずれにも属さない通常目的地Gとが含まれる。経路探索部は、通常目的地G又は駐車目的地Pを探索目的地として車両用経路を探索し、歩行目的地Wを探索目的地として歩行者用経路を探索する。目的地設定部は、最新に設定された探索目的地Qnの種別に基づいて、探索目的地Qnの経由順序における直前の探索目的地Qn−1及び直後の探索目的地Qn+1の少なくとも一方の種別を設定する。
【解決手段】種別が異なる探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地Pと、駐車目的地Pを起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地Wと、これらのいずれにも属さない通常目的地Gとが含まれる。経路探索部は、通常目的地G又は駐車目的地Pを探索目的地として車両用経路を探索し、歩行目的地Wを探索目的地として歩行者用経路を探索する。目的地設定部は、最新に設定された探索目的地Qnの種別に基づいて、探索目的地Qnの経由順序における直前の探索目的地Qn−1及び直後の探索目的地Qn+1の少なくとも一方の種別を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステム、ナビゲーションプログラム、及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の移動手段による移動経路、例えば車両を移動手段とする車両用経路と、歩行(公共交通機関の利用を含む)を移動手段とする歩行者用経路との双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムが実用化されている。例えば、特開2010−204115号公報(特許文献1)には、経路探索サーバーと携帯端末装置とを備え、携帯端末装置が選択した移動手段に応じて、経路探索を行うナビゲーションシステムが開示されている。このナビゲーションシステムは、経路案内の途中で移動手段を変更したり、中間目的地の検索を行ったりしても、最終目的地を再設定することなく、当初の目的地(最終目的地)までの経路を再探索する(第47〜第56段落等。)。
【0003】
より具体的には、このナビゲーションシステムは、歩行者用経路を探索する歩行者用ナビゲーションアプリケーションと、車両用(助手席用)ナビゲーションアプリケーションとの2つのアプリケーションを備えて構成されている。ユーザーは、これら2つのアプリケーションを切り換えて利用することができる。例えば、ユーザーは、何れかのアプリケーションを選択した状態で、最終目的地(第1の目的地)を設定する。この最終目的地まで、複数の移動手段を用いることが好ましい場合、例えば、途中の駐車場までは車両で移動し、当該駐車場から最終目的地までは公共交通機関の利用も含めた徒歩により移動することが好ましい場合、当該駐車場が第2の目的地として設定される。ユーザーは、はじめに車両用ナビアプリを用いて、第2の目的地である駐車場までの経路探索を行わせて、案内情報を受け取る。ユーザー(ユーザーが搭乗する車両)が駐車場に到達して、あるいは駐車場に到達する前にアプリケーションを歩行者用ナビアプリに切り換えると、最終目的地を再設定する必要なく、歩行者用ナビアプリは、現在位置から第1の目的地(最終目的地)までの歩行者用経路を探索する。
【0004】
特許文献1に記載されたナビゲーションシステムは、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能な優れたシステムであるが、それぞれの経路を探索するために、アプリケーションを切り換える必要がある。つまり、車両用(助手席用)ナビゲーションアプリケーションを起動している際は、車両用経路が探索され、歩行者用ナビゲーションアプリケーションを起動している際は、歩行者用経路が探索される。このため、出発前などに、予め車両経路と歩行者用経路とを複合した全体の経路を探索し、ユーザーが当該全体の経路を参照することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−204115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景に鑑みて、移動手段が特定されたアプリケーションを選択することなく、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路に含まれる車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別して探索することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑みた本発明に係るナビゲーションシステムの特徴構成は、
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定部と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索部と、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索部は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する点にある。尚、前記目的地設定部による前記探索目的地の種別の設定には、既に設定されている前記探索目的地の種別の変更、即ち、再設定も含む。
【0008】
本特徴構成によれば、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路において、経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能である。これらの探索目的地の種別は、目的地設定部により、複数種別の中から選択して設定される。そして、経路探索部により、種別の異なる探索目的地に応じて、車両用経路及び歩行者用経路が適切に区別して探索される。この探索に際して、車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別する上では、探索目的地の種別を適切に設定することが求められる。本特徴構成によれば、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別が、目的地設定部により適切に設定される。従って、移動手段が指定されたアプリケーションを選択することなく、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路に含まれる車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別して探索することが可能となる。
【0009】
ここで、駐車目的地は車両を駐車する目的地であり、歩行目的地は駐車目的地を起点とした歩行者の目的地であるから、駐車目的地と歩行目的地とは関連性が高い。一方、通常目的地は、駐車目的地及び歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地であるから、駐車目的地及び歩行目的地はもちろん、他の通常目的地との関連性も低い。従って、目的地設定部は、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、以下のように他の探索目的地の種別を設定すると好適である。即ち、1つの態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地又は前記歩行目的地である場合には、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定し、最新に設定された前記探索目的地が前記通常目的地である場合には、他の前記探索目的地の種別を維持すると好適である。
【0010】
また、最新に設定された探索目的地が駐車目的地である場合には当該探索目的地においてユーザーが車両から降りることが想定される。そして、この探索目的地(駐車目的地)の直後に別の探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地へのユーザーの移動手段が、公共交通機関の利用を含めた徒歩である可能性が高くなる。従って、1つの態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定すると好適である。
【0011】
一方、最新に設定された探索目的地が歩行目的地である場合には、ユーザーはどこかに車両を駐車した後、当該探索目的地(歩行目的地)まで、公共交通機関の利用を含めた徒歩を移動手段として移動する可能性が高い。この探索目的地(歩行目的地)の直前に別の探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地においてユーザーが車両から降りる可能性が高くなる。従って、1つの態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地の種別を前記駐車目的地に設定すると好適である。
【0012】
ここで、上述した探索目的地(歩行目的地)の直前に別の探索目的地が設定されていない場合には、ユーザーが車両から下車する場所が未設定であることが考えられる。そこで、1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されていない場合には、所定の条件に基づいて前記歩行目的地から所定の範囲に存在する駐車場を前記駐車目的地として、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に設定するとよい。
【0013】
ところで、目的地設定部は、上述したように、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて自動的に直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定するように構成されていてもよいが、この設定に際してユーザーに決定を求めるように構成されていてもよい。1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記歩行目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行うとよい。
【0014】
同様に、最新に設定された探索目的地が歩行目的地である場合には、種別の設定に際して以下のように構成されていると好適である。即ち、1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記駐車目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記駐車目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記駐車目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行うとよい。
【0015】
ところで、車両は駐車目的地に駐車されているから、駐車目的地から歩行目的地まで移動したユーザーは、通常の場合、再び駐車目的地へ戻って車両に乗車する。従って、1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記経路探索部は、前記駐車目的地から前記歩行目的地を経由し、前記駐車目的地へ戻るまでの往復の移動経路を前記歩行者用経路として探索するとよい。
【0016】
上述した本発明に係るナビゲーションシステムの種々の技術的特徴は、ナビゲーションプログラムや、ナビゲーション方法にも適用可能である。従って、本発明は、そのようなナビゲーションプログラムや、ナビゲーション方法も権利の対象とすることができる。例えば、本発明に係るナビゲーションプログラムは、上述したナビゲーションシステムの特徴を備えた各種の機能をコンピュータに実行させることが可能である。以下にその代表的な態様を例示する。当然ながらこのようなナビゲーションプログラムも、上述したナビゲーションシステムの作用効果を奏することができる。さらに、ナビゲーションシステムの好適な態様として例示した種々の付加的特徴をこのナビゲーションプログラムに組み込むことも可能であり、当該プログラムはそれぞれの付加的特徴に対応する作用効果も奏することができる。本発明に係るナビゲーション方法についても同様である。
【0017】
その場合における、本発明に係るナビゲーションプログラムの特徴構成は、
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションプログラムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定機能と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索機能と、をコンピュータに実現させ、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索機能は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索する機能であり、
前記目的地設定機能は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する機能である点にある。
【0018】
また、本発明に係るナビゲーション方法の特徴構成は、
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーション方法であって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定ステップと、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索ステップと、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索ステップは、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定ステップは、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する点にある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】マルチナビゲーションシステムの構成を模式的に示すブロック図
【図2】探索目的地の種別を設定する一例を示すフローチャート
【図3】探索目的地(通常目的地)が1つ設定されている例を示す図
【図4】図3に駐車目的地を追加した場合に歩行目的地を設定する一例を示す図
【図5】図3に歩行目的地を追加した場合に駐車目的地を設定する一例を示す図
【図6】図3の通常目的地を歩行目的地に設定した場合に駐車目的地を設定する一例を示す図
【図7】探索目的地が未設定の状態で歩行目的地を追加した場合に駐車目的地を設定する一例を示す図
【図8】図3に歩行目的地を追加した場合に駐車目的地を設定する他の例を示す図
【図9】図3に通常目的地を追加した場合の一例を示す図
【図10】対話式に歩行目的地を設定する一例を示すフローチャート
【図11】対話式に駐車目的地を設定する一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムとして、図1に示す車載ナビゲーションシステム1を例として説明する。この車載ナビゲーションシステム1は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話機や、PDA(personal digital(data) assistant)などの携帯端末3に搭載されたモバイルナビゲーションシステム5と連携することが可能である。モバイルナビゲーションシステム5は、好適には携帯端末3上で動作するアプリケーション(アプリケーションプログラム)として提供される。
【0021】
本実施形態では、ユーザーにより指定された目的地の情報に基づいて、車載ナビゲーションシステム1が車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索を探索する。ここで、車両用経路とは、車両を案内対象とする経路であり、歩行者用経路とは、鉄道やバス等の公共交通機関を利用して移動する歩行者を含み、歩行者を案内対象とする経路である。車載ナビゲーションシステム1は、連携するモバイルナビゲーションシステム5に少なくとも歩行者用経路を伝達する。モバイルナビゲーションシステム5は、この歩行者用経路に基づいて、歩行者を目的地まで案内する。このように連携する車載ナビゲーションシステム1とモバイルナビゲーションシステム5とを合わせて、マルチナビゲーションシステム7と称する。
【0022】
例えば、車両を使って駐車場Bまで移動し、駐車場Bからは徒歩により最終目的地Aへ向かう予定のユーザーがこのマルチナビゲーションシステム7を利用する場合、探索目的地として、最終目的地A、車両を駐車する駐車場Bが設定される。マルチナビゲーションシステム7を構成する車載ナビゲーションシステム1は、出発地C(案内開始位置)から駐車場Bまでは車両用経路を探索し、駐車場Bから最終目的地Aまでは歩行者用経路を探索する。ユーザーは、駐車場Bに到着すると、例えば、近距離ワイヤレス通信やケーブル通信などによって、車載ナビゲーションシステム1とモバイルナビゲーションシステム5(携帯端末3)とを接続する。これにより、車載ナビゲーションシステム1からモバイルナビゲーションシステム5に、歩行者用経路が転送される。ユーザーは、携帯端末3を所持して下車し、歩行者用経路に基づくモバイルナビゲーションシステム5からの案内を参照して、駐車場Bから最終目的地Aまで移動する。
【0023】
尚、例えば、車両に対して着脱可能な機器に、車載ナビゲーションシステム1と、モバイルナビゲーションシステム5の双方が構築されている場合には、単独の機器においてマルチナビゲーションシステム7が構成されてもよい。以下、このような車両に対して着脱可能な機器を、ポータブルナビゲーション装置と称する。例えば、ユーザーは、駐車場Bに到着すると、このポータブルナビゲーション装置を車両から取り外し、この装置を携帯して最終目的地Aまで移動する。このような場合、マルチナビゲーションシステム7は、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能な本発明に係るナビゲーションシステムに相当する。
【0024】
このようなマルチナビゲーションシステム7を実現する車載ナビゲーションシステム1は、図1に示すように、自位置特定部11(車両位置特定部)と、ナビゲーション演算部12と、ユーザーインターフェース部16と、地図データベース17とを備えて構成されている(他のデータベースも含めて図面上では“データベース”を“DB”と表す。)。ナビゲーション演算部12は、目的地設定部13と、経路探索部14と、案内情報演算部15とを備えて構成されている。地図データベース17は、道路地図データベース17aと、歩行地図データベース17bと、交通網データベース17cと、時刻表データベース17dとを備えて構成されている。
【0025】
本実施形態において、車載ナビゲーションシステム1は、マイクロコンピュータやDSP(digital signal processor)などの演算処理装置を中核部材として構成されている。つまり、上述した車載ナビゲーションシステム1の各機能部は、演算処理装置をはじめ、メモリやディスク装置などの記憶媒体、周辺回路などのハードウェアと、当該ハードウェア上で用いられるプログラムやパラメータなどのソフトウェアとの協働によって実現される。後述するモバイルナビゲーションシステム5についても同様である。即ち、各機能部は、本発明のナビゲーションシステムにおける機能部に相当すると共に、本発明のナビゲーションプログラムにおける“機能”に相当し、本発明のナビゲーション方法における“ステップ”の実行部に相当する。例えば、自位置特定部11は、自位置特定機能や自位置特定ステップの実行部に相当し、ナビゲーション演算部12は、ナビゲーション演算機能やナビゲーション演算ステップの実行部に相当する。また、目的地設定部13は、目的地設定機能や目的地設定ステップの実行部に相当し、経路探索部14は、経路探索機能や経路探索ステップの実行部に相当し、案内情報演算部15は、案内情報演算機能や案内情報演算ステップの実行部に相当する。
【0026】
ナビゲーション演算部12は、車載ナビゲーションシステム1の中核となる機能部であり、車載ナビゲーションシステム1(又は車両)の存在する位置(自位置、車両位置)に基づいて、目的地までの経路案内や自位置における種々の情報提供を実施する。ナビゲーション演算部12による案内や情報提供は、例えばモニタ装置29を介してユーザーに提供される。上述したようポータブルナビゲーション装置の場合には、当該装置にモニタ装置29が一体的に構築されていてもよい。
【0027】
自位置特定部11は、ナビゲーション演算部12が目的地までの経路案内や自位置における種々の情報提供を実施するために、自位置を特定する機能部である。自位置特定部11は、GPS受信器21、方位センサ22、距離センサ23などにより取得された情報を用いて、GPS(global positioning system)による測量やデッドレコニング(Dead-Reckoning)による自律制御を利用して自位置を演算して取得する。車両にカメラが搭載されているような場合には、自位置特定部11は、位置精度を高めるために、路面に設けられた道路標示(ペイント)などの地物を撮影して画像認識する機能をさらに付加されていてもよい。
【0028】
ナビゲーション演算部12の目的地設定部13は、探索目的地を設定する機能部である。目的地設定部13は、探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能である。また、探索目的地には複数の種別があり、目的地設定部13は、探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能である。尚、目的地設定部13は、既に設定された探索目的地の種別を異なる種別に変更すること、即ち再設定することも可能である。このような探索目的地の種別の変更や再設定についても、目的地設定部13による“設定”に含まれる。
【0029】
尚、種別が異なる探索目的地には、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、駐車目的地及び歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地とが含まれる。本実施形態では、通常目的地は、車両用経路の探索目的地である。詳細は後述するが、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定する(変更、再設定も含む。)。
【0030】
ナビゲーション演算部12の経路探索部14は、目的地設定部13により設定された探索目的地に基づいて、探索開始位置から、経由順序における最後の探索目的地まで、経由順序に沿って、車両用経路或いは歩行者用経路の経路探索を行う。具体的には、経路探索部14は、探索開始位置及び通常目的地のいずれかを起点として、経由順序が後の通常目的地又は駐車目的地を探索目的地とした車両用経路を順に探索する。また、経路探索部14は、駐車目的地を起点として、歩行目的地を探索目的地とした歩行者用経路を探索する。尚、車両は駐車目的地に駐車されるから、駐車目的地から歩行目的地まで移動したユーザーは、通常の場合、再び駐車目的地へ戻って車両に乗車する。従って、経路探索部14は、駐車目的地を起点として、駐車目的地から歩行目的地を経由し、駐車目的地へ戻るまでの往復の移動経路を歩行者用経路として探索すると好適である。当然ながら、経路探索部14は、駐車目的地を起点として、駐車目的地から歩行目的地までの往路のみを歩行者用経路として探索してもよい。
【0031】
ナビゲーション演算部12の案内情報演算部15は、経路探索部14が探索した経路、特にここでは車両用経路に従って、自位置特定部11が特定した自位置に基づき、探索目的地までの経路案内や自位置における種々の情報提供を実施する。例えば、道路地図上に経路を重畳表示させたり、交差点付近において車線の通行区分を案内したり、進行方向の案内をしたりする。案内情報は、ユーザーインターフェース部16を介してモニタ装置29に提供され、モニタ装置29からユーザーに提供される。尚、モニタ装置29は、スピーカや、タッチパネル等も備えており、ユーザーに対して音声案内を提供したり、ユーザーからの指示入力を受け付けたりすることも可能である。例えば、ユーザーによる探索目的地の設定や、探索目的地の種別の変更などの指示入力は、タッチパネル及びユーザーインターフェースを介して目的地設定部13に伝達される。
【0032】
上述したように、地図データベース17は、道路地図データベース17aと、歩行地図データベース17bと、交通網データベース17cと、時刻表データベース17dとを備えて構成されている。道路地図データベース17aは、主に車両が走行可能な道路ネットワークの情報が格納されたデータベースである。例えば、道路地図データベース17aには、道路間の接続情報(接続点:ノード、及び、接続点間の道路:リンク)、道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)や、道路の長さ、道路の形状、道路幅などの情報が、格納されている。この他、道路地図データベース17aには、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物(例えば、道路標示、道路標識、信号機、標識、陸橋、トンネル等)の情報、すなわち地物情報が格納されていてもよい。
【0033】
歩行地図データベース17bは、主に歩行者が通行可能な道路ネットワークの情報が格納されたデータベースである。道路地図データベース17aと重複する情報もあるが、例えば、自動車専用道路などの歩行者が利用できない道路は、歩行地図データベース17bから除外される。一方、歩行地図データベース17bには、車両は通行することができなくても歩行者が通り抜け可能な鉄道の駅構内や、地下道、遊歩道などの情報も格納されている。交通網データベース17cは、鉄道、バス、連絡船などの公共交通機関の接続情報が格納されたデータベースである。また、時刻表データベース17dは、公共交通機関の時刻表が格納されたデータベースである。ここでは、歩行地図データベース17bと、交通網データベース17cと、時刻表データベース17dとが、別個に設けられている構成を例示したが、例えば、歩行地図データベース17bとして、1つに統合されていてもよい。
【0034】
尚、モバイルナビゲーションシステム5が利用する地図データベース57は、携帯端末3とは別のサーバー9に設けられていると好適である。図1では、モバイルナビゲーションシステム5の地図データベース57が、車載ナビゲーションシステム1の地図データベース17とほぼ同様のデータベース構造を有している例を示している。携帯端末3は、ユーザーが携帯することを考慮すると、小規模な機器として構成されていることが好ましい。また、このような携帯端末3は、携帯電話ネットワークや、ワイヤレス通信ネットワークを利用した通信機能を有している場合が多い。従って、モバイルナビゲーションシステム5が利用する地図データベース57は、携帯端末3と通信可能なサーバー9に設けられていると好適である。但し、利便性の向上や、不要な通信を抑制するために、例えば、歩行者用経路に沿った一部の道路情報を携帯端末3にダウンロードして一時記憶し、これをデータベースとして案内を行ってもよい。また、好適には携帯端末3には、GPS受信器31や不図示の電子コンパスなどが搭載されている。モバイルナビゲーションシステム5は、これらGPS受信器31や電子コンパスから取得した位置情報に基づいてユーザーに経路案内を提供する。
【0035】
尚、上述したように、車載ナビゲーションシステム1とモバイルナビゲーションシステム5の双方が1つのポータブルナビゲーション装置に構築されているような場合は、データベースを切り換えて用いてもよい。例えば、ポータブルナビゲーション装置が車両に搭載されている際には、車両に搭載された地図データベース17を用いて経路探索や案内を行い、車外においてユーザーに携帯されている際には、サーバー9に格納された地図データベース57を用いて経路検索や案内を行ってもよい。
【0036】
さて、上述したように、車載ナビゲーションシステム1は、経路探索部14により、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能である。具体的には、経路探索部14は、種別が異なる探索目的地に基づき、車両用経路と歩行者用経路とを区別して探索する。例えば、経路探索部14は、種別が異なる探索目的地に基づき、異なるデータベースを参照して経路を探索する。上述したように、探索目的地の種別は、目的地設定部13により設定される。目的地設定部13は、ユーザーの具体的な指示に基づいて探索目的地の種別を設定する場合もあるが、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、当該最新に設定された探索目的地の、経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定(再設定)することも可能である。より詳細には、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地が駐車目的地又は歩行目的地である場合に、当該最新に設定された探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定(再設定)する。一方、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地が通常目的地である場合には、他の探索目的地の種別を維持する。
【0037】
以下、図2のフローチャートも利用して説明する。図2のステップ#10において、ユーザーの指示に基づいて探索目的地Qnが設定される。この探索目的地Qnは、最新に設定された探索目的地であり、探索開始位置をゼロとして、経由順序がn番目の探索目的地である。探索目的地Qnが設定されると、次にこの探索目的地Qnが駐車目的地Pであるか否かが目的地設定部13により判定される(#11)。最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pであると判定されると、その直後、つまり、n+1番目に別の探索目的地Qn+1が設定されているか否かが判定される(#13)。このn+1番目の探索目的地Qn+1が設定されている場合、目的地設定部13はこの探索目的地Qn+1を歩行目的地Wとして設定する。
【0038】
つまり、1つの形態として、目的地設定部13は、最新に設定された経由順序n番目の探索目的地Qnが駐車目的地Pであり、経由順序において当該最新に設定された駐車目的地Pの直後(n+1番目)に別の探索目的地Qn+1が設定されている場合には、当該別の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wに設定(変更/再設定)する。尚、ステップ#13においてn+1番目に別の探索目的地Qn+1が設定されていないと判定された場合には、現在設定されている探索目的地に基づいて、経路探索部14により経路探索が実施される(#50)。
【0039】
ここで、具体的な例を示して説明する。図3は、探索目的地Qが1つ設定されており、探索開始位置Sから探索目的地Qまで経路Kが探索されている例を示している。この探索目的地Qは通常目的地Gであり、経路Kは車両用経路Mである。ここで、図4に示すように、図3における探索開始位置Sと探索目的地Q(通常目的地G)との間に、最新の探索目的地Qnとして駐車目的地Pが設定される場合を考える。この場合、最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pであり、当該最新の探索目的地Qnの直後のn+1番目には別の探索目的地Qn+1(通常目的地G)が設定されていることになる。従って、当該別の探索目的地Qn+1(通常目的地G)は、歩行目的地Wに設定(変更/再設定)される。また、この例では、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0040】
図2のステップ#10において、ユーザーの指示に基づいて探索目的地Qnが設定され、ステップ#11において、この最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pではないと判定されると、次にこの最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wであるか否かが、目的地設定部13により判定される(#12)。最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wであると判定されると、その直前、つまり、n−1番目に別の探索目的地Qn−1が設定されているか否かが判定される(#15)。このn−1番目の探索目的地Qn−1が設定されている場合、目的地設定部13はこの探索目的地Qn−1を駐車目的地Pとして設定する。
【0041】
つまり、1つの形態として、目的地設定部13は、最新に設定された経由順序n番目の探索目的地Qnが歩行目的地Wであり、経由順序において当該最新に設定された歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前(n−1番目)に別の探索目的地Qn−1が設定されている場合には、当該別の探索目的地Qn−1の種別を駐車目的地Pに設定(変更/再設定)する。
【0042】
図5は、図3における探索目的地Q(通常目的地G)よりも経由順序の先に、最新の探索目的地Qnとして歩行目的地Wが設定される場合を例示している。この場合、最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wであり、当該最新の探索目的地Qnの直前(n−1番目)に別の探索目的地Qn−1(通常目的地G)が設定されていることになる。従って、この場合には、当該別の探索目的地Qn−1(通常目的地G)は、駐車目的地Pに設定(変更/再設定)される。また、この例では、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0043】
一方、図2のステップ#15において、最新に設定された歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前に別の探索目的地Qn−1が設定されていないと判定された場合には、目的地設定部13は、経由順序において当該最新に設定された歩行目的地Wの直前に新たな探索目的地として駐車目的地Pを設定する(図2#17)。この駐車目的地Pが、最新に設定された歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1となる。厳密には、n番目の探索目的地Qnの直前に新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が挿入されることになるので、n番目の探索目的地Qnの経由順序はn+1番目となり、挿入される駐車目的地Pの経由順序はn番目となる。但し、本実施形態では、ステップ#10において設定された探索目的地Qnを基準とした意味を表すために、そのまま“Qn”、“Qn−1”の表記を用いて説明する。
【0044】
ところで、目的地設定部13は、新たな探索目的地として駐車目的地Pを設定する際、所定の条件に基づいて当該最新に設定された歩行目的地Wから所定の範囲に存在する駐車場を駐車目的地として設定する。ここで、所定の条件とは、例えば、所定の移動時間から想定される徒歩圏内、公共交通機関の区間内などである。また、所定の移動時間は、例えば30分、1時間など、ユーザーによって設定可能であると好適である。
【0045】
例えば、図6に示すように、既に1つ設定されている探索目的地Q(通常目的地G)が歩行目的地Wに再設定され(変更され)て、最新に設定された探索目的地Qnとなった場合を考える。この際には、新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が当該歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1として設定される。また、図7に示すように、既に設定されている探索目的地Qが無く、歩行目的地Wが最新に設定された探索目的地Qnとして設定される(追加される)場合もある。この場合には、さらに新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1として設定される。例えば、図6に示すように、既に車両用経路Mが探索されているような場合には、当該車両用経路Mからの距離やアクセスのし易さ等も考慮して、駐車目的地Pが設定されると好適である。これらの例では、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0046】
また、例えば、図8に示すように、既に探索目的地Qが設定されているが、この探索目的地Qが最新に設定された探索目的地Qnの直後の探索目的地Qn+1であり、直前の探索目的地Qn−1が存在しない場合も、新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1として設定される。この場合には、図8に示すように、駐車目的地Pにおいて、歩行目的地Wまでの歩行者用経路Hと、通常目的地Gまでの車両用経路Mとの2つの経路Kに分岐することとなる。そこで、駐車目的地Pから通常目的地Gまでの車両用経路Mについては、未確定経路K’とすると好適である。この場合には、通常目的地Gも、未確定探索目的地Q’とすると好適である。これらの例においても、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0047】
尚、上述したように、経路探索部14は、駐車目的地Pを起点として、駐車目的地Pから歩行目的地Wを経由し、当該駐車目的地Pへ戻るまでの往復の経路Kを歩行者用経路Hとして探索すると好適である。この場合には、仮想的に、駐車目的地Pをn−1番目の探索目的地Qn−1であると共に、n番目の探索目的地Qnである歩行目的地Wの次のn+1番目の探索目的地Qn+1であるとしてもよい。そして、通常目的地Gをn+2番目の探索目的地Qn+2とすることによって、未確定経路K’を確定した経路K(車両用経路M)とすることが可能となる。
【0048】
ところで、図2のステップ#12において最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wではないと判定された場合、つまり、最新の探索目的地Qnが、駐車目的地Pでも歩行目的地Wでもない場合は、当該探索目的地Qnは通常目的地Gである。この場合、つまり、最新に設定された探索目的地Qnが通常目的地Gである場合には、目的地設定部13は、他の探索目的地Qの種別を維持する。
【0049】
例えば、図9に示すように、探索開始位置Sと通常目的地Gとの間に、別の通常目的地Gが最新の探索目的地Qnとして設定される場合、既に設定されていた通常目的地Gは、最新の探索目的地Qnの直後の探索目的地Qn+1である。しかし、最新の探索目的地Qnが通常目的地Gであるから、他の探索目的地Qである直後の探索目的地Qn+1の種別は維持される。最新の探索目的地Qnは、経由順序に従って第1の通常目的地G1となり、最新の探索目的地Qnの直後の探索目的地Qn+1は第2の通常目的地G2となる。そして、経由順序に沿って、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし第1の通常目的地G1を探索目的地Qとして1番目の車両用経路M1(1番目の経路K1)が探索され、第1の通常目的地G1を起点とし第2の通常目的地G2を探索目的地Qとして2番目の車両用経路M2(2番目の経路K2)が探索される。
【0050】
図2のフローチャートなどを利用して上述したように、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地Qnの種別に応じて、自動的にその直前の探索目的地Qn−1や直後の探索目的地Qn+1の種別を設定することができる。しかし、目的地設定部13は、ユーザーインターフェース部16を介して、設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行うように構成されていてもよい。
【0051】
1つの形態として、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地Qnが駐車目的地Pであり、経由順序において当該最新に設定された駐車目的地P(探索目的地Qn)の直後に別の探索目的地Qn+1が設定されている場合には、当該別の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wとして設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行う。そして、ユーザーから“設定する”という決定を受け取った場合には、目的地設定部13は、当該別の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wに設定する。一方、ユーザーから“設定しない”という決定を受け取った場合には、目的地設定部13は、歩行目的地Wとなる探索目的地Qの設定を求める報知をユーザーに対して行う。
【0052】
例えば、図10のフローチャートに示すような手順で探索目的地Qが設定される。図10のステップ#10とステップ#11は図2と同様であり、図10のステップ#21は図2のステップ#13と同様であるので、詳細な説明を省略する。ステップ#21において、最新の探索目的地Qn(駐車目的地P)の直後に探索目的地Qn+1があると判定された場合には、当該直後の探索目的地Qn+1の種別を設定しても良いか否かを問い合わせる報知がユーザーインターフェース部16を介して例えばモニタ装置29に出力される(#22)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルに対して可否の指示を入力する。目的地設定部13は、タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して取得したユーザーの指示を判定する(#23)。目的地設定部13は、“設定可”であると判定した場合には、当該直後の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wに設定する(#24)。
【0053】
一方、ステップ#23において“設定不可”と判定された場合、及びステップ#21において“直後の探索目的地Qn+1無し”と判定された場合には、歩行目的地Wの設定を促す報知が、ユーザーインターフェース部16を介して、例えばモニタ装置29に出力される(#25)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルを利用して、通常の探索目的地Qの設定と同様に、歩行目的地Wの設定のための操作を行う。タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して、ユーザーからの指示を取得した目的地設定部13は、歩行目的地Wを設定する(#26)。そして、図2を用いて上述したように、ステップ#50において、経路探索部14は、経路Kを探索する。
【0054】
また、図10のステップ#11において、“最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pではない”と判定されると、$2を介して図11のステップ#12へ移行する。このステップ#12は、図2のステップ#12と同様であり、図2のステップ#10及びステップ#11に続くステップである。つまり、図11と図2のステップ#10〜#11は同一である。尚、図11のステップ#11において“最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pである”と判定されると、$1を介して図10のステップ#21へ移行する。つまり、図10と図11とは、1つのフローチャートを分割して記載したものである。ステップ#12において“最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wである”と判定されると、ステップ#31に移行する。
【0055】
ステップ#31において、最新の探索目的地Qn(歩行目的地W)の直前に探索目的地Qn−1があると判定された場合には、当該直前の探索目的地Qn−1の種別を設定しても良いか否かを問い合わせる報知がユーザーインターフェース部16を介して例えばモニタ装置29に出力される(#32)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルに対して可否の指示を入力する。目的地設定部13は、タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して取得したユーザーの指示を判定する(#33)。目的地設定部13は、“設定可”であると判定した場合には、当該直後の探索目的地Qn−1を駐車目的地Pに設定する(#34)。
【0056】
ステップ#33において“設定不可”と判定された場合、及びステップ#31において“直前の探索目的地Qn−1無し”と判定された場合には、駐車目的地Pの設定を促す報知が、ユーザーインターフェース部16を介して例えばモニタ装置29に出力される(#35)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルを利用して、通常の探索目的地Qの設定と同様に、駐車目的地Pの設定のための操作を行う。タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して、ユーザーからの指示を取得した目的地設定部13は、駐車目的地Pを設定する(#36)。そして、図2を用いて上述したように、ステップ#50において、経路探索部14は、経路Kを探索する。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、移動手段が特定されたアプリケーションを選択することなく、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路に含まれる車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別して探索することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステム、ナビゲーションプログラム、及びナビゲーション方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 :車載ナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
7 :マルチナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
13 :目的地設定部
14 :経路探索部
G :通常目的地
H :歩行者用経路
K :経路
M :車両用経路
P :駐車目的地
Q :探索目的地
S :探索開始位置
W :歩行目的地
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステム、ナビゲーションプログラム、及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の移動手段による移動経路、例えば車両を移動手段とする車両用経路と、歩行(公共交通機関の利用を含む)を移動手段とする歩行者用経路との双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムが実用化されている。例えば、特開2010−204115号公報(特許文献1)には、経路探索サーバーと携帯端末装置とを備え、携帯端末装置が選択した移動手段に応じて、経路探索を行うナビゲーションシステムが開示されている。このナビゲーションシステムは、経路案内の途中で移動手段を変更したり、中間目的地の検索を行ったりしても、最終目的地を再設定することなく、当初の目的地(最終目的地)までの経路を再探索する(第47〜第56段落等。)。
【0003】
より具体的には、このナビゲーションシステムは、歩行者用経路を探索する歩行者用ナビゲーションアプリケーションと、車両用(助手席用)ナビゲーションアプリケーションとの2つのアプリケーションを備えて構成されている。ユーザーは、これら2つのアプリケーションを切り換えて利用することができる。例えば、ユーザーは、何れかのアプリケーションを選択した状態で、最終目的地(第1の目的地)を設定する。この最終目的地まで、複数の移動手段を用いることが好ましい場合、例えば、途中の駐車場までは車両で移動し、当該駐車場から最終目的地までは公共交通機関の利用も含めた徒歩により移動することが好ましい場合、当該駐車場が第2の目的地として設定される。ユーザーは、はじめに車両用ナビアプリを用いて、第2の目的地である駐車場までの経路探索を行わせて、案内情報を受け取る。ユーザー(ユーザーが搭乗する車両)が駐車場に到達して、あるいは駐車場に到達する前にアプリケーションを歩行者用ナビアプリに切り換えると、最終目的地を再設定する必要なく、歩行者用ナビアプリは、現在位置から第1の目的地(最終目的地)までの歩行者用経路を探索する。
【0004】
特許文献1に記載されたナビゲーションシステムは、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能な優れたシステムであるが、それぞれの経路を探索するために、アプリケーションを切り換える必要がある。つまり、車両用(助手席用)ナビゲーションアプリケーションを起動している際は、車両用経路が探索され、歩行者用ナビゲーションアプリケーションを起動している際は、歩行者用経路が探索される。このため、出発前などに、予め車両経路と歩行者用経路とを複合した全体の経路を探索し、ユーザーが当該全体の経路を参照することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−204115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景に鑑みて、移動手段が特定されたアプリケーションを選択することなく、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路に含まれる車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別して探索することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑みた本発明に係るナビゲーションシステムの特徴構成は、
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定部と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索部と、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索部は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する点にある。尚、前記目的地設定部による前記探索目的地の種別の設定には、既に設定されている前記探索目的地の種別の変更、即ち、再設定も含む。
【0008】
本特徴構成によれば、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路において、経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能である。これらの探索目的地の種別は、目的地設定部により、複数種別の中から選択して設定される。そして、経路探索部により、種別の異なる探索目的地に応じて、車両用経路及び歩行者用経路が適切に区別して探索される。この探索に際して、車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別する上では、探索目的地の種別を適切に設定することが求められる。本特徴構成によれば、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別が、目的地設定部により適切に設定される。従って、移動手段が指定されたアプリケーションを選択することなく、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路に含まれる車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別して探索することが可能となる。
【0009】
ここで、駐車目的地は車両を駐車する目的地であり、歩行目的地は駐車目的地を起点とした歩行者の目的地であるから、駐車目的地と歩行目的地とは関連性が高い。一方、通常目的地は、駐車目的地及び歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地であるから、駐車目的地及び歩行目的地はもちろん、他の通常目的地との関連性も低い。従って、目的地設定部は、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、以下のように他の探索目的地の種別を設定すると好適である。即ち、1つの態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地又は前記歩行目的地である場合には、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定し、最新に設定された前記探索目的地が前記通常目的地である場合には、他の前記探索目的地の種別を維持すると好適である。
【0010】
また、最新に設定された探索目的地が駐車目的地である場合には当該探索目的地においてユーザーが車両から降りることが想定される。そして、この探索目的地(駐車目的地)の直後に別の探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地へのユーザーの移動手段が、公共交通機関の利用を含めた徒歩である可能性が高くなる。従って、1つの態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定すると好適である。
【0011】
一方、最新に設定された探索目的地が歩行目的地である場合には、ユーザーはどこかに車両を駐車した後、当該探索目的地(歩行目的地)まで、公共交通機関の利用を含めた徒歩を移動手段として移動する可能性が高い。この探索目的地(歩行目的地)の直前に別の探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地においてユーザーが車両から降りる可能性が高くなる。従って、1つの態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地の種別を前記駐車目的地に設定すると好適である。
【0012】
ここで、上述した探索目的地(歩行目的地)の直前に別の探索目的地が設定されていない場合には、ユーザーが車両から下車する場所が未設定であることが考えられる。そこで、1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されていない場合には、所定の条件に基づいて前記歩行目的地から所定の範囲に存在する駐車場を前記駐車目的地として、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に設定するとよい。
【0013】
ところで、目的地設定部は、上述したように、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて自動的に直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定するように構成されていてもよいが、この設定に際してユーザーに決定を求めるように構成されていてもよい。1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記歩行目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行うとよい。
【0014】
同様に、最新に設定された探索目的地が歩行目的地である場合には、種別の設定に際して以下のように構成されていると好適である。即ち、1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記駐車目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記駐車目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記駐車目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行うとよい。
【0015】
ところで、車両は駐車目的地に駐車されているから、駐車目的地から歩行目的地まで移動したユーザーは、通常の場合、再び駐車目的地へ戻って車両に乗車する。従って、1つの好適な態様として、本発明に係るナビゲーションシステムの前記経路探索部は、前記駐車目的地から前記歩行目的地を経由し、前記駐車目的地へ戻るまでの往復の移動経路を前記歩行者用経路として探索するとよい。
【0016】
上述した本発明に係るナビゲーションシステムの種々の技術的特徴は、ナビゲーションプログラムや、ナビゲーション方法にも適用可能である。従って、本発明は、そのようなナビゲーションプログラムや、ナビゲーション方法も権利の対象とすることができる。例えば、本発明に係るナビゲーションプログラムは、上述したナビゲーションシステムの特徴を備えた各種の機能をコンピュータに実行させることが可能である。以下にその代表的な態様を例示する。当然ながらこのようなナビゲーションプログラムも、上述したナビゲーションシステムの作用効果を奏することができる。さらに、ナビゲーションシステムの好適な態様として例示した種々の付加的特徴をこのナビゲーションプログラムに組み込むことも可能であり、当該プログラムはそれぞれの付加的特徴に対応する作用効果も奏することができる。本発明に係るナビゲーション方法についても同様である。
【0017】
その場合における、本発明に係るナビゲーションプログラムの特徴構成は、
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションプログラムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定機能と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索機能と、をコンピュータに実現させ、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索機能は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索する機能であり、
前記目的地設定機能は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する機能である点にある。
【0018】
また、本発明に係るナビゲーション方法の特徴構成は、
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーション方法であって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定ステップと、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索ステップと、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索ステップは、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定ステップは、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する点にある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】マルチナビゲーションシステムの構成を模式的に示すブロック図
【図2】探索目的地の種別を設定する一例を示すフローチャート
【図3】探索目的地(通常目的地)が1つ設定されている例を示す図
【図4】図3に駐車目的地を追加した場合に歩行目的地を設定する一例を示す図
【図5】図3に歩行目的地を追加した場合に駐車目的地を設定する一例を示す図
【図6】図3の通常目的地を歩行目的地に設定した場合に駐車目的地を設定する一例を示す図
【図7】探索目的地が未設定の状態で歩行目的地を追加した場合に駐車目的地を設定する一例を示す図
【図8】図3に歩行目的地を追加した場合に駐車目的地を設定する他の例を示す図
【図9】図3に通常目的地を追加した場合の一例を示す図
【図10】対話式に歩行目的地を設定する一例を示すフローチャート
【図11】対話式に駐車目的地を設定する一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムとして、図1に示す車載ナビゲーションシステム1を例として説明する。この車載ナビゲーションシステム1は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話機や、PDA(personal digital(data) assistant)などの携帯端末3に搭載されたモバイルナビゲーションシステム5と連携することが可能である。モバイルナビゲーションシステム5は、好適には携帯端末3上で動作するアプリケーション(アプリケーションプログラム)として提供される。
【0021】
本実施形態では、ユーザーにより指定された目的地の情報に基づいて、車載ナビゲーションシステム1が車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索を探索する。ここで、車両用経路とは、車両を案内対象とする経路であり、歩行者用経路とは、鉄道やバス等の公共交通機関を利用して移動する歩行者を含み、歩行者を案内対象とする経路である。車載ナビゲーションシステム1は、連携するモバイルナビゲーションシステム5に少なくとも歩行者用経路を伝達する。モバイルナビゲーションシステム5は、この歩行者用経路に基づいて、歩行者を目的地まで案内する。このように連携する車載ナビゲーションシステム1とモバイルナビゲーションシステム5とを合わせて、マルチナビゲーションシステム7と称する。
【0022】
例えば、車両を使って駐車場Bまで移動し、駐車場Bからは徒歩により最終目的地Aへ向かう予定のユーザーがこのマルチナビゲーションシステム7を利用する場合、探索目的地として、最終目的地A、車両を駐車する駐車場Bが設定される。マルチナビゲーションシステム7を構成する車載ナビゲーションシステム1は、出発地C(案内開始位置)から駐車場Bまでは車両用経路を探索し、駐車場Bから最終目的地Aまでは歩行者用経路を探索する。ユーザーは、駐車場Bに到着すると、例えば、近距離ワイヤレス通信やケーブル通信などによって、車載ナビゲーションシステム1とモバイルナビゲーションシステム5(携帯端末3)とを接続する。これにより、車載ナビゲーションシステム1からモバイルナビゲーションシステム5に、歩行者用経路が転送される。ユーザーは、携帯端末3を所持して下車し、歩行者用経路に基づくモバイルナビゲーションシステム5からの案内を参照して、駐車場Bから最終目的地Aまで移動する。
【0023】
尚、例えば、車両に対して着脱可能な機器に、車載ナビゲーションシステム1と、モバイルナビゲーションシステム5の双方が構築されている場合には、単独の機器においてマルチナビゲーションシステム7が構成されてもよい。以下、このような車両に対して着脱可能な機器を、ポータブルナビゲーション装置と称する。例えば、ユーザーは、駐車場Bに到着すると、このポータブルナビゲーション装置を車両から取り外し、この装置を携帯して最終目的地Aまで移動する。このような場合、マルチナビゲーションシステム7は、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能な本発明に係るナビゲーションシステムに相当する。
【0024】
このようなマルチナビゲーションシステム7を実現する車載ナビゲーションシステム1は、図1に示すように、自位置特定部11(車両位置特定部)と、ナビゲーション演算部12と、ユーザーインターフェース部16と、地図データベース17とを備えて構成されている(他のデータベースも含めて図面上では“データベース”を“DB”と表す。)。ナビゲーション演算部12は、目的地設定部13と、経路探索部14と、案内情報演算部15とを備えて構成されている。地図データベース17は、道路地図データベース17aと、歩行地図データベース17bと、交通網データベース17cと、時刻表データベース17dとを備えて構成されている。
【0025】
本実施形態において、車載ナビゲーションシステム1は、マイクロコンピュータやDSP(digital signal processor)などの演算処理装置を中核部材として構成されている。つまり、上述した車載ナビゲーションシステム1の各機能部は、演算処理装置をはじめ、メモリやディスク装置などの記憶媒体、周辺回路などのハードウェアと、当該ハードウェア上で用いられるプログラムやパラメータなどのソフトウェアとの協働によって実現される。後述するモバイルナビゲーションシステム5についても同様である。即ち、各機能部は、本発明のナビゲーションシステムにおける機能部に相当すると共に、本発明のナビゲーションプログラムにおける“機能”に相当し、本発明のナビゲーション方法における“ステップ”の実行部に相当する。例えば、自位置特定部11は、自位置特定機能や自位置特定ステップの実行部に相当し、ナビゲーション演算部12は、ナビゲーション演算機能やナビゲーション演算ステップの実行部に相当する。また、目的地設定部13は、目的地設定機能や目的地設定ステップの実行部に相当し、経路探索部14は、経路探索機能や経路探索ステップの実行部に相当し、案内情報演算部15は、案内情報演算機能や案内情報演算ステップの実行部に相当する。
【0026】
ナビゲーション演算部12は、車載ナビゲーションシステム1の中核となる機能部であり、車載ナビゲーションシステム1(又は車両)の存在する位置(自位置、車両位置)に基づいて、目的地までの経路案内や自位置における種々の情報提供を実施する。ナビゲーション演算部12による案内や情報提供は、例えばモニタ装置29を介してユーザーに提供される。上述したようポータブルナビゲーション装置の場合には、当該装置にモニタ装置29が一体的に構築されていてもよい。
【0027】
自位置特定部11は、ナビゲーション演算部12が目的地までの経路案内や自位置における種々の情報提供を実施するために、自位置を特定する機能部である。自位置特定部11は、GPS受信器21、方位センサ22、距離センサ23などにより取得された情報を用いて、GPS(global positioning system)による測量やデッドレコニング(Dead-Reckoning)による自律制御を利用して自位置を演算して取得する。車両にカメラが搭載されているような場合には、自位置特定部11は、位置精度を高めるために、路面に設けられた道路標示(ペイント)などの地物を撮影して画像認識する機能をさらに付加されていてもよい。
【0028】
ナビゲーション演算部12の目的地設定部13は、探索目的地を設定する機能部である。目的地設定部13は、探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能である。また、探索目的地には複数の種別があり、目的地設定部13は、探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能である。尚、目的地設定部13は、既に設定された探索目的地の種別を異なる種別に変更すること、即ち再設定することも可能である。このような探索目的地の種別の変更や再設定についても、目的地設定部13による“設定”に含まれる。
【0029】
尚、種別が異なる探索目的地には、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、駐車目的地及び歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地とが含まれる。本実施形態では、通常目的地は、車両用経路の探索目的地である。詳細は後述するが、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定する(変更、再設定も含む。)。
【0030】
ナビゲーション演算部12の経路探索部14は、目的地設定部13により設定された探索目的地に基づいて、探索開始位置から、経由順序における最後の探索目的地まで、経由順序に沿って、車両用経路或いは歩行者用経路の経路探索を行う。具体的には、経路探索部14は、探索開始位置及び通常目的地のいずれかを起点として、経由順序が後の通常目的地又は駐車目的地を探索目的地とした車両用経路を順に探索する。また、経路探索部14は、駐車目的地を起点として、歩行目的地を探索目的地とした歩行者用経路を探索する。尚、車両は駐車目的地に駐車されるから、駐車目的地から歩行目的地まで移動したユーザーは、通常の場合、再び駐車目的地へ戻って車両に乗車する。従って、経路探索部14は、駐車目的地を起点として、駐車目的地から歩行目的地を経由し、駐車目的地へ戻るまでの往復の移動経路を歩行者用経路として探索すると好適である。当然ながら、経路探索部14は、駐車目的地を起点として、駐車目的地から歩行目的地までの往路のみを歩行者用経路として探索してもよい。
【0031】
ナビゲーション演算部12の案内情報演算部15は、経路探索部14が探索した経路、特にここでは車両用経路に従って、自位置特定部11が特定した自位置に基づき、探索目的地までの経路案内や自位置における種々の情報提供を実施する。例えば、道路地図上に経路を重畳表示させたり、交差点付近において車線の通行区分を案内したり、進行方向の案内をしたりする。案内情報は、ユーザーインターフェース部16を介してモニタ装置29に提供され、モニタ装置29からユーザーに提供される。尚、モニタ装置29は、スピーカや、タッチパネル等も備えており、ユーザーに対して音声案内を提供したり、ユーザーからの指示入力を受け付けたりすることも可能である。例えば、ユーザーによる探索目的地の設定や、探索目的地の種別の変更などの指示入力は、タッチパネル及びユーザーインターフェースを介して目的地設定部13に伝達される。
【0032】
上述したように、地図データベース17は、道路地図データベース17aと、歩行地図データベース17bと、交通網データベース17cと、時刻表データベース17dとを備えて構成されている。道路地図データベース17aは、主に車両が走行可能な道路ネットワークの情報が格納されたデータベースである。例えば、道路地図データベース17aには、道路間の接続情報(接続点:ノード、及び、接続点間の道路:リンク)、道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)や、道路の長さ、道路の形状、道路幅などの情報が、格納されている。この他、道路地図データベース17aには、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物(例えば、道路標示、道路標識、信号機、標識、陸橋、トンネル等)の情報、すなわち地物情報が格納されていてもよい。
【0033】
歩行地図データベース17bは、主に歩行者が通行可能な道路ネットワークの情報が格納されたデータベースである。道路地図データベース17aと重複する情報もあるが、例えば、自動車専用道路などの歩行者が利用できない道路は、歩行地図データベース17bから除外される。一方、歩行地図データベース17bには、車両は通行することができなくても歩行者が通り抜け可能な鉄道の駅構内や、地下道、遊歩道などの情報も格納されている。交通網データベース17cは、鉄道、バス、連絡船などの公共交通機関の接続情報が格納されたデータベースである。また、時刻表データベース17dは、公共交通機関の時刻表が格納されたデータベースである。ここでは、歩行地図データベース17bと、交通網データベース17cと、時刻表データベース17dとが、別個に設けられている構成を例示したが、例えば、歩行地図データベース17bとして、1つに統合されていてもよい。
【0034】
尚、モバイルナビゲーションシステム5が利用する地図データベース57は、携帯端末3とは別のサーバー9に設けられていると好適である。図1では、モバイルナビゲーションシステム5の地図データベース57が、車載ナビゲーションシステム1の地図データベース17とほぼ同様のデータベース構造を有している例を示している。携帯端末3は、ユーザーが携帯することを考慮すると、小規模な機器として構成されていることが好ましい。また、このような携帯端末3は、携帯電話ネットワークや、ワイヤレス通信ネットワークを利用した通信機能を有している場合が多い。従って、モバイルナビゲーションシステム5が利用する地図データベース57は、携帯端末3と通信可能なサーバー9に設けられていると好適である。但し、利便性の向上や、不要な通信を抑制するために、例えば、歩行者用経路に沿った一部の道路情報を携帯端末3にダウンロードして一時記憶し、これをデータベースとして案内を行ってもよい。また、好適には携帯端末3には、GPS受信器31や不図示の電子コンパスなどが搭載されている。モバイルナビゲーションシステム5は、これらGPS受信器31や電子コンパスから取得した位置情報に基づいてユーザーに経路案内を提供する。
【0035】
尚、上述したように、車載ナビゲーションシステム1とモバイルナビゲーションシステム5の双方が1つのポータブルナビゲーション装置に構築されているような場合は、データベースを切り換えて用いてもよい。例えば、ポータブルナビゲーション装置が車両に搭載されている際には、車両に搭載された地図データベース17を用いて経路探索や案内を行い、車外においてユーザーに携帯されている際には、サーバー9に格納された地図データベース57を用いて経路検索や案内を行ってもよい。
【0036】
さて、上述したように、車載ナビゲーションシステム1は、経路探索部14により、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能である。具体的には、経路探索部14は、種別が異なる探索目的地に基づき、車両用経路と歩行者用経路とを区別して探索する。例えば、経路探索部14は、種別が異なる探索目的地に基づき、異なるデータベースを参照して経路を探索する。上述したように、探索目的地の種別は、目的地設定部13により設定される。目的地設定部13は、ユーザーの具体的な指示に基づいて探索目的地の種別を設定する場合もあるが、最新に設定された探索目的地の種別に基づいて、当該最新に設定された探索目的地の、経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定(再設定)することも可能である。より詳細には、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地が駐車目的地又は歩行目的地である場合に、当該最新に設定された探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の探索目的地の種別を設定(再設定)する。一方、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地が通常目的地である場合には、他の探索目的地の種別を維持する。
【0037】
以下、図2のフローチャートも利用して説明する。図2のステップ#10において、ユーザーの指示に基づいて探索目的地Qnが設定される。この探索目的地Qnは、最新に設定された探索目的地であり、探索開始位置をゼロとして、経由順序がn番目の探索目的地である。探索目的地Qnが設定されると、次にこの探索目的地Qnが駐車目的地Pであるか否かが目的地設定部13により判定される(#11)。最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pであると判定されると、その直後、つまり、n+1番目に別の探索目的地Qn+1が設定されているか否かが判定される(#13)。このn+1番目の探索目的地Qn+1が設定されている場合、目的地設定部13はこの探索目的地Qn+1を歩行目的地Wとして設定する。
【0038】
つまり、1つの形態として、目的地設定部13は、最新に設定された経由順序n番目の探索目的地Qnが駐車目的地Pであり、経由順序において当該最新に設定された駐車目的地Pの直後(n+1番目)に別の探索目的地Qn+1が設定されている場合には、当該別の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wに設定(変更/再設定)する。尚、ステップ#13においてn+1番目に別の探索目的地Qn+1が設定されていないと判定された場合には、現在設定されている探索目的地に基づいて、経路探索部14により経路探索が実施される(#50)。
【0039】
ここで、具体的な例を示して説明する。図3は、探索目的地Qが1つ設定されており、探索開始位置Sから探索目的地Qまで経路Kが探索されている例を示している。この探索目的地Qは通常目的地Gであり、経路Kは車両用経路Mである。ここで、図4に示すように、図3における探索開始位置Sと探索目的地Q(通常目的地G)との間に、最新の探索目的地Qnとして駐車目的地Pが設定される場合を考える。この場合、最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pであり、当該最新の探索目的地Qnの直後のn+1番目には別の探索目的地Qn+1(通常目的地G)が設定されていることになる。従って、当該別の探索目的地Qn+1(通常目的地G)は、歩行目的地Wに設定(変更/再設定)される。また、この例では、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0040】
図2のステップ#10において、ユーザーの指示に基づいて探索目的地Qnが設定され、ステップ#11において、この最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pではないと判定されると、次にこの最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wであるか否かが、目的地設定部13により判定される(#12)。最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wであると判定されると、その直前、つまり、n−1番目に別の探索目的地Qn−1が設定されているか否かが判定される(#15)。このn−1番目の探索目的地Qn−1が設定されている場合、目的地設定部13はこの探索目的地Qn−1を駐車目的地Pとして設定する。
【0041】
つまり、1つの形態として、目的地設定部13は、最新に設定された経由順序n番目の探索目的地Qnが歩行目的地Wであり、経由順序において当該最新に設定された歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前(n−1番目)に別の探索目的地Qn−1が設定されている場合には、当該別の探索目的地Qn−1の種別を駐車目的地Pに設定(変更/再設定)する。
【0042】
図5は、図3における探索目的地Q(通常目的地G)よりも経由順序の先に、最新の探索目的地Qnとして歩行目的地Wが設定される場合を例示している。この場合、最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wであり、当該最新の探索目的地Qnの直前(n−1番目)に別の探索目的地Qn−1(通常目的地G)が設定されていることになる。従って、この場合には、当該別の探索目的地Qn−1(通常目的地G)は、駐車目的地Pに設定(変更/再設定)される。また、この例では、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0043】
一方、図2のステップ#15において、最新に設定された歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前に別の探索目的地Qn−1が設定されていないと判定された場合には、目的地設定部13は、経由順序において当該最新に設定された歩行目的地Wの直前に新たな探索目的地として駐車目的地Pを設定する(図2#17)。この駐車目的地Pが、最新に設定された歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1となる。厳密には、n番目の探索目的地Qnの直前に新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が挿入されることになるので、n番目の探索目的地Qnの経由順序はn+1番目となり、挿入される駐車目的地Pの経由順序はn番目となる。但し、本実施形態では、ステップ#10において設定された探索目的地Qnを基準とした意味を表すために、そのまま“Qn”、“Qn−1”の表記を用いて説明する。
【0044】
ところで、目的地設定部13は、新たな探索目的地として駐車目的地Pを設定する際、所定の条件に基づいて当該最新に設定された歩行目的地Wから所定の範囲に存在する駐車場を駐車目的地として設定する。ここで、所定の条件とは、例えば、所定の移動時間から想定される徒歩圏内、公共交通機関の区間内などである。また、所定の移動時間は、例えば30分、1時間など、ユーザーによって設定可能であると好適である。
【0045】
例えば、図6に示すように、既に1つ設定されている探索目的地Q(通常目的地G)が歩行目的地Wに再設定され(変更され)て、最新に設定された探索目的地Qnとなった場合を考える。この際には、新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が当該歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1として設定される。また、図7に示すように、既に設定されている探索目的地Qが無く、歩行目的地Wが最新に設定された探索目的地Qnとして設定される(追加される)場合もある。この場合には、さらに新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1として設定される。例えば、図6に示すように、既に車両用経路Mが探索されているような場合には、当該車両用経路Mからの距離やアクセスのし易さ等も考慮して、駐車目的地Pが設定されると好適である。これらの例では、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0046】
また、例えば、図8に示すように、既に探索目的地Qが設定されているが、この探索目的地Qが最新に設定された探索目的地Qnの直後の探索目的地Qn+1であり、直前の探索目的地Qn−1が存在しない場合も、新たな探索目的地Q(駐車目的地P)が歩行目的地W(探索目的地Qn)の直前の探索目的地Qn−1として設定される。この場合には、図8に示すように、駐車目的地Pにおいて、歩行目的地Wまでの歩行者用経路Hと、通常目的地Gまでの車両用経路Mとの2つの経路Kに分岐することとなる。そこで、駐車目的地Pから通常目的地Gまでの車両用経路Mについては、未確定経路K’とすると好適である。この場合には、通常目的地Gも、未確定探索目的地Q’とすると好適である。これらの例においても、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし駐車目的地Pを探索目的地Qとして車両用経路M(1番目の経路K1)が探索され、駐車目的地Pを起点とし歩行目的地Wを探索目的地Qとして歩行者用経路H(2番目の経路K2)が探索される。
【0047】
尚、上述したように、経路探索部14は、駐車目的地Pを起点として、駐車目的地Pから歩行目的地Wを経由し、当該駐車目的地Pへ戻るまでの往復の経路Kを歩行者用経路Hとして探索すると好適である。この場合には、仮想的に、駐車目的地Pをn−1番目の探索目的地Qn−1であると共に、n番目の探索目的地Qnである歩行目的地Wの次のn+1番目の探索目的地Qn+1であるとしてもよい。そして、通常目的地Gをn+2番目の探索目的地Qn+2とすることによって、未確定経路K’を確定した経路K(車両用経路M)とすることが可能となる。
【0048】
ところで、図2のステップ#12において最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wではないと判定された場合、つまり、最新の探索目的地Qnが、駐車目的地Pでも歩行目的地Wでもない場合は、当該探索目的地Qnは通常目的地Gである。この場合、つまり、最新に設定された探索目的地Qnが通常目的地Gである場合には、目的地設定部13は、他の探索目的地Qの種別を維持する。
【0049】
例えば、図9に示すように、探索開始位置Sと通常目的地Gとの間に、別の通常目的地Gが最新の探索目的地Qnとして設定される場合、既に設定されていた通常目的地Gは、最新の探索目的地Qnの直後の探索目的地Qn+1である。しかし、最新の探索目的地Qnが通常目的地Gであるから、他の探索目的地Qである直後の探索目的地Qn+1の種別は維持される。最新の探索目的地Qnは、経由順序に従って第1の通常目的地G1となり、最新の探索目的地Qnの直後の探索目的地Qn+1は第2の通常目的地G2となる。そして、経由順序に沿って、経路探索部14により、探索開始位置Sを起点とし第1の通常目的地G1を探索目的地Qとして1番目の車両用経路M1(1番目の経路K1)が探索され、第1の通常目的地G1を起点とし第2の通常目的地G2を探索目的地Qとして2番目の車両用経路M2(2番目の経路K2)が探索される。
【0050】
図2のフローチャートなどを利用して上述したように、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地Qnの種別に応じて、自動的にその直前の探索目的地Qn−1や直後の探索目的地Qn+1の種別を設定することができる。しかし、目的地設定部13は、ユーザーインターフェース部16を介して、設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行うように構成されていてもよい。
【0051】
1つの形態として、目的地設定部13は、最新に設定された探索目的地Qnが駐車目的地Pであり、経由順序において当該最新に設定された駐車目的地P(探索目的地Qn)の直後に別の探索目的地Qn+1が設定されている場合には、当該別の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wとして設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行う。そして、ユーザーから“設定する”という決定を受け取った場合には、目的地設定部13は、当該別の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wに設定する。一方、ユーザーから“設定しない”という決定を受け取った場合には、目的地設定部13は、歩行目的地Wとなる探索目的地Qの設定を求める報知をユーザーに対して行う。
【0052】
例えば、図10のフローチャートに示すような手順で探索目的地Qが設定される。図10のステップ#10とステップ#11は図2と同様であり、図10のステップ#21は図2のステップ#13と同様であるので、詳細な説明を省略する。ステップ#21において、最新の探索目的地Qn(駐車目的地P)の直後に探索目的地Qn+1があると判定された場合には、当該直後の探索目的地Qn+1の種別を設定しても良いか否かを問い合わせる報知がユーザーインターフェース部16を介して例えばモニタ装置29に出力される(#22)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルに対して可否の指示を入力する。目的地設定部13は、タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して取得したユーザーの指示を判定する(#23)。目的地設定部13は、“設定可”であると判定した場合には、当該直後の探索目的地Qn+1を歩行目的地Wに設定する(#24)。
【0053】
一方、ステップ#23において“設定不可”と判定された場合、及びステップ#21において“直後の探索目的地Qn+1無し”と判定された場合には、歩行目的地Wの設定を促す報知が、ユーザーインターフェース部16を介して、例えばモニタ装置29に出力される(#25)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルを利用して、通常の探索目的地Qの設定と同様に、歩行目的地Wの設定のための操作を行う。タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して、ユーザーからの指示を取得した目的地設定部13は、歩行目的地Wを設定する(#26)。そして、図2を用いて上述したように、ステップ#50において、経路探索部14は、経路Kを探索する。
【0054】
また、図10のステップ#11において、“最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pではない”と判定されると、$2を介して図11のステップ#12へ移行する。このステップ#12は、図2のステップ#12と同様であり、図2のステップ#10及びステップ#11に続くステップである。つまり、図11と図2のステップ#10〜#11は同一である。尚、図11のステップ#11において“最新の探索目的地Qnが駐車目的地Pである”と判定されると、$1を介して図10のステップ#21へ移行する。つまり、図10と図11とは、1つのフローチャートを分割して記載したものである。ステップ#12において“最新の探索目的地Qnが歩行目的地Wである”と判定されると、ステップ#31に移行する。
【0055】
ステップ#31において、最新の探索目的地Qn(歩行目的地W)の直前に探索目的地Qn−1があると判定された場合には、当該直前の探索目的地Qn−1の種別を設定しても良いか否かを問い合わせる報知がユーザーインターフェース部16を介して例えばモニタ装置29に出力される(#32)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルに対して可否の指示を入力する。目的地設定部13は、タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して取得したユーザーの指示を判定する(#33)。目的地設定部13は、“設定可”であると判定した場合には、当該直後の探索目的地Qn−1を駐車目的地Pに設定する(#34)。
【0056】
ステップ#33において“設定不可”と判定された場合、及びステップ#31において“直前の探索目的地Qn−1無し”と判定された場合には、駐車目的地Pの設定を促す報知が、ユーザーインターフェース部16を介して例えばモニタ装置29に出力される(#35)。ユーザーは、モニタ装置29の例えばタッチパネルを利用して、通常の探索目的地Qの設定と同様に、駐車目的地Pの設定のための操作を行う。タッチパネル及びユーザーインターフェース部16を介して、ユーザーからの指示を取得した目的地設定部13は、駐車目的地Pを設定する(#36)。そして、図2を用いて上述したように、ステップ#50において、経路探索部14は、経路Kを探索する。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、移動手段が特定されたアプリケーションを選択することなく、探索開始位置から最終目的地までの全体の経路に含まれる車両用経路及び歩行者用経路を適切に区別して探索することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステム、ナビゲーションプログラム、及びナビゲーション方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 :車載ナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
7 :マルチナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
13 :目的地設定部
14 :経路探索部
G :通常目的地
H :歩行者用経路
K :経路
M :車両用経路
P :駐車目的地
Q :探索目的地
S :探索開始位置
W :歩行目的地
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定部と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索部と、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索部は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定するナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地又は前記歩行目的地である場合には、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定し、最新に設定された前記探索目的地が前記通常目的地である場合には、他の前記探索目的地の種別を維持する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定する請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地の種別を前記駐車目的地に設定する請求項1から3の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されていない場合には、所定の条件に基づいて前記歩行目的地から所定の範囲に存在する駐車場を前記駐車目的地として、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に設定する請求項1から4の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記歩行目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行う請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記駐車目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記駐車目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記駐車目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行う請求項1、2、6の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記経路探索部は、前記駐車目的地から前記歩行目的地を経由し、前記駐車目的地へ戻るまでの往復の移動経路を前記歩行者用経路として探索する請求項1から7の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションプログラムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定機能と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索機能と、をコンピュータに実現させ、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索機能は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索する機能であり、
前記目的地設定機能は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する機能であるナビゲーションプログラム。
【請求項10】
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーション方法であって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定ステップと、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索ステップと、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索ステップは、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定ステップは、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定するナビゲーション方法。
【請求項1】
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションシステムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定部と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索部と、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索部は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定するナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地又は前記歩行目的地である場合には、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定し、最新に設定された前記探索目的地が前記通常目的地である場合には、他の前記探索目的地の種別を維持する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定する請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地の種別を前記駐車目的地に設定する請求項1から3の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されていない場合には、所定の条件に基づいて前記歩行目的地から所定の範囲に存在する駐車場を前記駐車目的地として、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に設定する請求項1から4の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記駐車目的地であり、前記経由順序において当該駐車目的地の直後に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記歩行目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記歩行目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記歩行目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行う請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記目的地設定部は、最新に設定された前記探索目的地が前記歩行目的地であり、前記経由順序において当該歩行目的地の直前に別の前記探索目的地が設定されている場合には、当該別の探索目的地を前記駐車目的地として設定するか否かの決定を求める報知をユーザーに対して行い、前記ユーザーからの設定するという決定を受け取った場合には当該別の探索目的地を前記駐車目的地に設定し、前記ユーザーからの設定しないという決定を受け取った場合には、前記駐車目的地となる前記探索目的地の設定を求める報知を前記ユーザーに対して行う請求項1、2、6の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記経路探索部は、前記駐車目的地から前記歩行目的地を経由し、前記駐車目的地へ戻るまでの往復の移動経路を前記歩行者用経路として探索する請求項1から7の何れか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーションプログラムであって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定機能と、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索機能と、をコンピュータに実現させ、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索機能は、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索する機能であり、
前記目的地設定機能は、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定する機能であるナビゲーションプログラム。
【請求項10】
車両用経路及び歩行者用経路の双方の経路探索が可能なナビゲーション方法であって、
探索開始位置からの経由順序を指定して探索目的地を複数個設定可能であると共に、前記探索目的地の種別を複数種別の中から選択して設定可能な目的地設定ステップと、
前記探索開始位置から、前記経由順序における最後の前記探索目的地まで、前記経由順序に沿って経路探索を行う経路探索ステップと、を備え、
前記種別が異なる前記探索目的地として、車両を駐車する目的地を示す駐車目的地と、前記駐車目的地を起点とした歩行者の目的地を示す歩行目的地と、前記駐車目的地及び前記歩行目的地のいずれにも属さない通常の目的地を示す通常目的地と、が含まれ、
前記経路探索ステップは、前記探索開始位置及び前記通常目的地のいずれかを起点として、前記経由順序が後の前記通常目的地又は前記駐車目的地を前記探索目的地として前記車両用経路を探索し、前記駐車目的地を起点として、前記歩行目的地を前記探索目的地として前記歩行者用経路を探索し、
前記目的地設定ステップは、最新に設定された前記探索目的地の種別に基づいて、当該探索目的地の前記経由順序における直前及び直後の少なくとも一方の前記探索目的地の種別を設定するナビゲーション方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−50353(P2013−50353A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187740(P2011−187740)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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