説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム

【課題】ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーションシステム1は、移動体の現在位置を検出する現在位置検出処理部20と、移動体の出発地から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索する経路探索部51と、復路における分岐点の目印を選択し、目的地に向かって往路を現在位置が移動している間に、当該選択した目印を用いて当該復路における分岐点に関する案内を行うための制御をする案内制御部52とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行経路を案内するナビゲーション装置が用いられている。従来のナビゲーション装置では、交差点での右左折を案内する場合、例えば右左折する交差点から所定距離まで車両が接近すると、当該交差点の目印となる施設を含む拡大図をディスプレイに表示したり、交差点までの距離をスピーカから音声出力したりする。
【0003】
さらに、右左折すべき交差点をユーザが識別しやすい案内を行うナビゲーション装置も提案されている。このナビゲーション装置は、自車両が経路案内地点に達すると、対象分岐ポイントの付近に存在するランドマーク候補となる施設を地図情報から読み込むと共に、自車両の曲がる方向に対応する側にランドマーク候補が存在するときに、当該ランドマーク候補をランドマークとして決定し、ランドマーク付きの音声経路案内を行う(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−127837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の如き従来の装置は、現在移動中の経路において、これからユーザが進入しようとする交差点を如何に分かりやすくユーザに案内するかに着目したものに過ぎなかった。従って、出発地から目的地に向かう往路において交差点の目印となる施設を案内した場合、ユーザは一時的にその目印を記憶するが、交差点を右左折した後は当該交差点へのユーザの関心は薄れるため、案内された目印も忘れてしまう場合があった。その結果、往路の目的地から往路の出発地に向かう復路において、往路と同じ交差点を通過する場合においても、当該交差点の目印をユーザは忘れているため、ナビゲーション装置による案内がなければ当該交差点を正しい方向に右左折できない場合があった。このように、近年のナビゲーション装置の普及により、所望の目的地への移動が大変容易になった一方で、ナビゲーション装置に依存しすぎる余り、以前と比較してユーザが道を覚えることが困難となっていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のナビゲーションシステムは、移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記移動体の出発地から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索する経路探索手段と、前記復路における分岐点の目印を選択し、前記目的地に向かって前記往路を前記現在位置が移動している間に、当該選択した目印を用いて当該復路における分岐点に関する案内を行うための制御をする案内制御手段と、を備える。
【0008】
また、請求項2に記載のナビゲーションシステムは、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過する前又は後に、前記選択した目印が前記復路における当該分岐点を前記出発地に向かって通過する際の目印である旨の案内を行うための制御をする。
【0009】
また、請求項3に記載のナビゲーションシステムは、請求項1又は2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過した後に移動する道路沿いの目印を、前記復路における当該分岐点の目印として選択する。
【0010】
また、請求項4に記載のナビゲーションシステムは、請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過した後に、前記復路における当該分岐点に関する案内を前記選択した目印を用いて行うための制御をする。
【0011】
また、請求項5に記載のナビゲーションシステムは、請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過する前に、前記復路における当該分岐点に関する案内を前記選択した目印を用いて行うための制御をする。
【0012】
また、請求項6に記載のナビゲーションシステムは、請求項5に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過する前に、当該分岐点への当該移動体の接近に伴って当該分岐点に関して複数回の案内を行うと共に、当該複数回の案内のうち、当該分岐点に関して最後の案内を行う際にのみ、前記復路における当該分岐点に関する案内を前記選択した目印を用いて行うための制御をする。
【0013】
また、請求項7に記載のナビゲーションシステムは、請求項1から6のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記移動体が前記復路を前記出発地に向かって移動している場合、当該復路における分岐点に関する案内を、当該移動体が前記往路を前記目的地に向かって移動している場合とは異なる案内基準に基づいて行うための制御をする。
【0014】
また、請求項8に記載のナビゲーションシステムは、請求項7に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記移動体が前記復路を前記出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略する。
【0015】
また、請求項9に記載のナビゲーションシステムは、請求項8に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記移動体が前記復路を前記出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点の目印のみを案内するための制御を行う。
【0016】
また、請求項10に記載のナビゲーションシステムは、請求項7に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記復路を前記出発地に向かって前記移動体が移動中において当該復路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間を、前記往路を前記目的地に向かって前記移動体が移動中において当該往路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間よりも短くする。
【0017】
また、請求項11に記載のナビゲーションシステムは、請求項1から10のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記復路における分岐点を前記出発地に向かって前記移動体が通過した後に、当該分岐点の通過後に当該移動体が移動している道路が当該復路上の道路か否かを案内するための制御を行う。
【0018】
また、請求項12に記載のナビゲーション方法は、移動体の現在位置を検出する現在位置検出ステップと、前記移動体の出発地から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索する経路探索ステップと、前記復路における分岐点の目印を選択し、前記目的地に向かって前記往路を前記現在位置が移動している間に、当該選択した目印を用いて当該復路における分岐点に関する案内を行うための制御をする案内制御ステップと、を含む。
【0019】
また、請求項13に記載のナビゲーションプログラムは、請求項12に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載のナビゲーションシステム、請求項12に記載のナビゲーション方法、及び請求項13に記載のナビゲーションプログラムによれば、経路探索手段は、移動体の出発地から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索し、案内制御手段は、復路における分岐点の目印を選択し、目的地に向かって往路を現在位置が移動している間に、当該選択した目印を用いて復路における分岐点に関する案内を行うための制御をするので、往路を移動中において、復路の分岐点についての目印を積極的にユーザの記憶に留めさせることができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0021】
請求項2に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過する前又は後に、選択した目印が復路における分岐点を出発地に向かって通過する際の目印である旨の案内を行うための制御をするので、復路の分岐点についての目印を、往路における分岐点と関連付けてユーザの記憶に留めさせることができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を一層活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0022】
請求項3に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過した後に移動する道路沿いの目印を、復路における当該分岐点の目印として選択するので、復路において当該復路における分岐点に向かって移動体が移動する際にユーザが視認可能な目印を、復路における当該分岐点の目印として案内することができ、ユーザが道を覚えるために有用な目印を案内することができる。
【0023】
請求項4に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過した後に、復路における当該分岐点に関する案内を、当該案内制御手段が選択した目印を用いて行うための制御をするので、ユーザが復路における分岐の目印の認識に集中できるような案内を行うことができる。
【0024】
請求項5に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過する前に、復路における当該分岐点に関する案内を、当該案内制御手段が選択した目印を用いて行うための制御をするので、ユーザが復路における分岐の目印を往路における分岐点のイメージに対応付けて認識できるような案内を行うことができる。
【0025】
請求項6に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過する前に、当該分岐点への移動体の接近に伴って当該分岐点に関して複数回の案内を行うと共に、当該複数回の案内のうち、当該分岐点に関して最後の案内を行う際にのみ、復路における分岐点に関する案内を当該案内制御手段が選択した目印を用いて行うための制御をするので、ユーザが復路における分岐の目印を往路における分岐点のイメージに一層確実に対応付けて認識できるような案内を行うことができる。
【0026】
請求項7に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、移動体が復路を出発地に向かって移動している場合、当該復路における分岐点に関する案内を、移動体が往路を目的地に向かって移動している場合とは異なる案内基準に基づいて行うための制御をするので、ユーザに記憶を頼りに復路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0027】
請求項8に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、移動体が復路を出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略するので、ユーザは自らの判断で復路における分岐点を右左折等しなければならなくなる。これにより、ユーザに記憶を頼りに復路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0028】
請求項9に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、移動体が復路を出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点の目印のみを案内するための制御を行うので、復路における分岐点のヒントをユーザに与えつつ、ユーザに記憶を頼りに復路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0029】
請求項10に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、復路を出発地に向かって移動体が移動中において当該復路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間を、往路を目的地に向かって移動体が移動中において当該往路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間よりも短くするので、復路における分岐点に関する案内を行う前に、ユーザ自身に復路における分岐点の右左折方向等を考えさせることができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0030】
請求項11に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、復路における分岐点を出発地に向かって移動体が通過した後に、当該分岐点の通過後に当該移動体が移動している道路が復路上の道路か否かを案内するための制御を行うので、ユーザに記憶の正否を認識させることができ、記憶・思考力をさらに活性化させるような案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態に係るナビゲーションシステムを例示するブロック図である。
【図2】ナビゲーション処理のフローチャートである。
【図3】通常案内処理のフローチャートである。
【図4】往路案内処理のフローチャートである。
【図5】MP前復路分岐点案内処理のフローチャートである。
【図6】MP後復路分岐点案内処理のフローチャートである。
【図7】復路案内処理のフローチャートである。
【図8】上級レベル案内処理のフローチャートである。
【図9】中級レベル案内処理のフローチャートである。
【図10】初級レベル案内処理のフローチャートである。
【図11】車両がMPを通過する際の案内内容を例示した図である。
【図12】ユーザにとって分かりづらい分岐点を例示した図であり、図12(a)はT字路、図12(b)は合流路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係るナビゲーションシステム、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、これら実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、以下の説明ではナビゲーションシステムが移動体としての車両に搭載されている場合を例として説明する。
【0033】
(構成)
最初に、実施の形態に係るナビゲーションシステムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るナビゲーションシステムを例示するブロック図である。図1に示すように、ナビゲーションシステム1は、入力部10、現在位置検出処理部20、ディスプレイ30、スピーカ40、制御部50、及び、データ記録部60を備えている。
【0034】
(構成−入力部)
入力部10は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力手段である。この入力部10の具体的な構成は任意であり、例えば、ディスプレイ30の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、音声入力を受け付けるマイクの如き音声認識手段を用いて入力部10を構成することができる。
【0035】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部20は、ナビゲーションシステム1が取り付けられた車両の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部20は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0036】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ30は、制御部50の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。なお、このディスプレイ30の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0037】
(構成−スピーカ)
スピーカ40は、制御部50の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ40より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0038】
(構成−制御部)
制御部50は、ナビゲーションシステム1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係るナビゲーションプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してナビゲーションシステム1にインストールされることで、制御部50の各部を実質的に構成する。
【0039】
この制御部50は、機能概念的に、経路探索部51、及び案内制御部52を備えている。経路探索部51は、移動体の移動経路を探索する経路探索手段である。案内制御部52は、移動経路における分岐点に関する案内を行うための制御をする案内制御手段である。これらの制御部50の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0040】
(構成−データ記録部)
データ記録部60は、ナビゲーションシステム1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)の如き磁気的記録媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0041】
このデータ記録部60は、地図情報データベース61(以下、データベースを「DB」と称する)を備えている。地図情報DB61は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、法定速度、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、施設データ(各施設の位置、各施設の種別等)、地形データ、地図をディスプレイ30に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0042】
(処理−ナビゲーション処理)
次に、このように構成されたナビゲーションシステム1によって実行されるナビゲーション処理について説明する。図2は、ナビゲーション処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。このナビゲーション処理は、例えば、ナビゲーションシステム1に電源が投入され、経路案内を指示する旨の操作入力が入力部10により受け付けられた場合に起動される。
【0043】
ナビゲーション処理の起動後、案内制御部52は、ナビゲーションシステム1による経路案内のモードが「復路案内モード」に設定されているか否かを判定する(SA1)。ここで「経路案内のモード」とは、ナビゲーションシステム1による経路案内の内容に応じて異なるモードであり、公知のナビゲーションシステムと同様の経路案内を行う「通常案内モード」、出発地と目的地との間を車両が往復する場合において、出発地から目的地までの往路を案内する「往路案内モード」、及び、往路の目的地から出発地までの復路を案内する「復路案内モード」の3つのモードがある。これらの3つのモードの内のいずれか1つが、入力部10によって受け付けられた操作入力に基づいて設定されているものとする。
【0044】
SA1の結果、経路案内のモードが「復路案内モード」に設定されていない場合(SA1、No)、案内制御部52は、目的地が設定されるまで待機する(SA2、No)。ここで、「目的地の設定」とは、入力部10を介した操作入力により最終目的地が設定される場合の他、既に設定されている複数の目的地が入力部10を介した操作入力により並べ替えられ、異なる目的地が最終目的地として設定される場合、あるいは、既に設定されている最終目的地が消去され、他の目的地が最終目的地として設定される場合等も含む。
【0045】
目的地が設定されると(SA2、Yes)、案内制御部52は、ナビゲーションシステム1による経路案内のモードが「往路案内モード」に設定されているか否かを判定する(SA3)。その結果、経路案内のモードが「往路案内モード」に設定されていない場合(SA3、No)、案内制御部52は、「通常案内モード」による経路案内を行う(SA4)。すなわち、案内制御部52は通常案内処理を実行する。一方、経路案内のモードが「往路案内モード」に設定されている場合(SA3、Yes)、案内制御部52は、「往路案内モード」による経路案内を行う(SA5)。すなわち、案内制御部52は往路案内処理を実行する。
【0046】
また、SA1において、経路案内のモードが「復路案内モード」に設定されている場合(SA1、Yes)、案内制御部52は、「復路案内モード」による経路案内を行う(SA6)。すなわち、案内制御部52は復路案内処理を実行する。SA4、SA5、又はSA6の処理の後、制御部50はナビゲーション処理を終了する。
【0047】
(処理−通常案内処理)
ここで、通常案内処理について説明する。図3は通常案内処理のフローチャートである。図3に示すように、通常案内処理が開始されると、経路探索部51は、出発地(例えば現在位置検出処理部20により検出された現在位置)から目的地までの経路を探索する(SB1)。経路探索部51は、例えばダイクストラ法等の公知の経路探索手法を用いて経路を探索する。
【0048】
続いて、案内制御部52は経路探索部51により探索された経路の案内を開始する(SB2)。経路における分岐点(すなわち、右左折を行う交差点。以下、必要に応じて「MP」(Maneuver Point))から所定距離まで車両が接近すると、案内制御部52は、MP前案内を行う(SB3)。MP前案内の具体的な内容は任意で、例えば、MPから一定の距離まで車両が接近する毎に、当該MPに関する案内(例えば交差点の名称、交差点までの距離、右左折の方向等)を行う。図11は、車両がMPを通過する際の案内内容を例示した図である。この図11の例では、案内制御部52は、MPから300mの位置まで車両が接近すると、「あと300mで○△交差点を右折です」との音声案内をスピーカ40から出力させる。同様に、MPから150mの位置まで車両が接近すると、「あと150mで○△交差点を右折です」との音声案内をスピーカ40から出力させ、MPから50mの位置まで車両が接近すると、「あと50mで○△交差点を右折です」との音声案内をスピーカ40から出力させる。これと共に、案内制御部52はMP周辺の拡大図をディスプレイ30に表示させる。
【0049】
図3に戻り、SB3の処理の後、車両がMPを通過すると、案内制御部52はMP後案内を行う(SB4)。MP後案内の具体的な内容は任意で、例えば、次のMPまでの距離や、道なりに進む距離等を案内する(例えば「およそ3km道なりです」等)。
【0050】
次に、案内制御部52は、車両が目的地に到着したか否かを判定する(SB5)。例えば案内制御部52は、現在位置検出処理部20により検出された車両の現在位置に基づき、車両が目的地から所定距離まで到達した場合に、車両が目的地に到着したと判定する。
【0051】
その結果、車両が目的地に到着していない場合(SB5、No)、案内制御部52はSB3に戻る。以降、車両が目的地に到着するまで、SB3からSB5の処理を繰り返す。
【0052】
一方、車両が目的地に到着した場合(SB5、Yes)、案内制御部52は、車両が目的地に到着した旨をディスプレイ30やスピーカ40から出力させ、制御部50は通常案内処理を終了する。
【0053】
(処理−往路案内処理)
次に、往路案内処理について説明する。図4は往路案内処理のフローチャートである。なお、往路案内処理の内、SC3及びSC5は、図3に示した通常案内処理のSB3及びSB4と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
図4に示すように、往路案内処理が開始されると、経路探索部51は、出発地(例えば現在位置検出処理部20により検出された現在位置)から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索する(SC1)。
【0055】
続いて、案内制御部52は経路探索部51により探索された往路の案内を開始する(SC2)。
【0056】
SC3の処理と共に、あるいはSC3の処理の後、案内制御部52は、往路における分岐点を目的地に向かって車両が通過する前に、復路における分岐点に関する案内を行うための、MP前復路分岐点案内処理を実行する(SC4)。例えば案内制御部52は、SC3においてMPへの車両の接近に伴って当該MPに関して複数回の案内を行うと共に、当該複数回の案内のうち、MPに関して最後の案内を行う際(図11の例では車両がMPから50mの距離まで到達した場合)にのみ、MP前復路分岐点案内処理を実行する。
【0057】
(処理−MP前復路分岐点案内処理)
ここで、MP前復路分岐点案内処理について説明する。図5は、MP前復路分岐点案内処理のフローチャートである。この図5に示すように、MP前復路分岐点案内処理が開始されると、案内制御部52は所定距離まで車両が接近したMPが、図4のSC1で探索された復路上に位置しているか否かを判定する(SD1)。
【0058】
その結果、所定距離まで車両が接近したMPが復路上に位置していない場合(SD1、No)、案内制御部52は、復路では当該MPを通過しない旨の通知をディスプレイ30やスピーカ40から出力させ(SD2)、制御部50はMP前復路分岐点案内処理を終了する。
【0059】
一方、所定距離まで車両が接近したMPが復路上に位置している場合(SD1、Yes)、すなわちMPが復路における分岐点でもある場合、案内制御部52は地図情報DB61を参照し、復路における分岐点の目印がMPの周辺に存在するか否かを判定する(SD3)。例えば案内制御部52は、MPに面している各種施設(コンビニ、レストラン、商業施設、駐車場等)が存在する場合、復路における分岐点の目印がMPの周辺に存在すると判定する。あるいは、MPに名称(例えば「○△交差点」等)が付されている場合には、MPの信号機が目印となり得ることから、復路における分岐点の目印がMPの周辺に存在すると判定する。
【0060】
その結果、復路における分岐点の目印がMPの周辺に存在する場合(SD3、Yes)、案内制御部52は当該目印を選択し、当該選択した目印が復路における当該分岐点を出発地に向かって通過する際の目印である旨の案内を行う(SD4)。図11の例では、案内制御部52は、復路における分岐点の目印として、MPに面した「コンビニA」を選択し、車両がMPから50mの距離まで到達した際に、MPに関する案内「あと50mで○△交差点を右折です」と共に、復路における分岐点に関する案内「帰りはコンビニAが目印です」をスピーカ40から音声出力させる。
【0061】
図5に戻り、SD3において復路における分岐点の目印がMPの周辺に存在しない場合(SD3、No)、又はSD4の処理の後、案内制御部52は、復路における分岐点がユーザにとって分かりづらい分岐点か否かを判定する(SD5)。「ユーザにとって分かりづらい分岐点」とは、分岐点が存在することをユーザが認識することが難しい分岐点である。例えば、三叉路の分岐点に接続されている各道路の内、復路において分岐点に向かって車両が移動する道路と、復路において分岐点を通過後に車両が移動する道路以外の道路(探索された復路ではない道路)との成す角度が所定角度以下(例えば10度以下)場合、その分岐点はユーザにとって分かりづらい分岐点であると判定する。図12はユーザにとって分かりづらい分岐点を例示した図であり、図12(a)はT字路、図12(b)は合流路を示している。例えば図12(a)の場合、復路において分岐点に向かって車両が移動する道路(図12(a)では右から分岐点に向かう道路)と、復路において分岐点を通過後に車両が移動する道路(図12(a)では分岐点から下に向かう道路)以外の道路(図12(a)では分岐点から左に向かう道路)との成す角度が0度であることから、ユーザにとって分かりづらい分岐点であると判定される。また、図12(b)の場合、復路において分岐点に向かって車両が移動する道路(図12(b)では右上から分岐点に向かう道路)と、復路において分岐点を通過後に車両が移動する道路(図12(b)では分岐点から左に向かう道路)以外の道路(図12(b)では分岐点から左下に向かう道路)との成す角度が0度であることから、ユーザにとって分かりづらい分岐点であると判定される。
【0062】
図5に戻り、SD5の結果、復路における分岐点がユーザにとって分かりづらい分岐点である場合(SD5、Yes)、案内制御部52は、復路における分岐点がユーザにとって分かりづらい分岐点であることから、復路において当該分岐点に関する案内を行う旨の通知を行う(SD6)。図12の例では、案内制御部52は、復路において当該分岐点に関する案内を行う旨の通知として、「この交差点は帰り道では特に分かりづらいので注意してください。帰り道でこの交差点の案内を行います。」との通知をスピーカ40から音声出力させる。
【0063】
図5に戻り、SD5の結果、復路における分岐点がユーザにとって分かりづらい分岐点ではない場合(SD5、No)、又はSD6の処理の後、制御部50はMP前復路分岐点案内処理を終了する。
【0064】
図4に戻り、SC5の処理と共に、あるいはSC5の処理の後、案内制御部52は、往路における分岐点を目的地に向かって車両が通過した後に、復路における分岐点に関する案内を行うための、MP後復路分岐点案内処理を実行する(SC6)。
【0065】
(処理−MP後復路分岐点案内処理)
ここで、MP後復路分岐点案内処理について説明する。図6は、MP後復路分岐点案内処理のフローチャートである。この図6に示すように、MP後復路分岐点案内処理が開始されると、案内制御部52は、目的地に向かって車両が通過したMPが、図4のSC1で探索された復路上に位置しているか否かを判定する(SE1)。
【0066】
その結果、目的地に向かって車両が通過したMPが復路上に位置していない場合(SE1、No)、制御部50はMP後復路分岐点案内処理を終了する。
【0067】
一方、目的地に向かって車両が通過したMPが復路上に位置している場合(SE1、Yes)、案内制御部52は、復路における分岐点の目印を選択する基準となる距離dとして所定の初期値(図6では100m)を設定する(SE2)。
【0068】
続いて案内制御部52は、MPを目的地に向かって車両が通過した後に移動する道路沿いにおいて、MPから距離dの位置周辺に目印が存在するか否かを判定する(SE3)。例えば案内制御部52は、MPを目的地に向かって車両が通過した後に移動する道路沿いにおいて、MPから距離dの位置周辺(例えばMPから距離d±5m以内)に各種施設(コンビニ、レストラン、商業施設、駐車場等)が存在する場合、MPを目的地に向かって車両が通過した後に移動する道路沿いにおいて、MPから距離dの位置周辺に目印が存在すると判定する。
【0069】
その結果、MPを目的地に向かって車両が通過した後に移動する道路沿いにおいて、MPから距離dの位置周辺に目印が存在する場合(SE3、Yes)、案内制御部52は当該目印を選択し、当該選択した目印が復路における当該分岐点を往路における出発地に向かって通過する際の目印である旨の案内を行う(SE4)。図11の例では、案内制御部52は、復路における分岐点の目印として、MPを目的地に向かって車両が通過した後に移動する道路沿いにおいて、MPから距離100mの位置周辺に存在する「B銀行」を選択し、車両が「B銀行」から所定距離(例えば10m)の距離まで到達した際に、復路における分岐点に関する案内「帰りはB銀行が目印です」をスピーカ40から音声出力させる。
【0070】
図6に戻り、SE3において、MPを目的地に向かって車両が通過した後に移動する道路沿いにおいて、MPから距離dの位置周辺に目印が存在しない場合(SE3、No)、又はSE4の処理の後、案内制御部52は、復路における分岐点の目印を選択する基準となる距離dを所定値(図6では10m)増分する(SE5)。
【0071】
続いて案内制御部52は、距離dが閾値(図6では500m)を超えたか否かを判定する(SE6)。その結果、距離dが閾値を超えていない場合(SE6、No)、案内制御部52はSE3に戻る。以降、距離dが閾値を超えるまで、SE3からSE6の処理を繰り返す。
【0072】
一方、距離dが閾値を超えた場合(SE6、Yes)、制御部50はMP後復路分岐点案内処理を終了する。
【0073】
図4に戻り、案内制御部52は、SC6の処理の後、車両が目的地に到着したか否かを判定する(SC7)。例えば案内制御部52は、現在位置検出処理部20により検出された車両の現在位置に基づき、車両が目的地から所定距離まで到達した場合に、車両が目的地に到着したと判定する。
【0074】
その結果、車両が目的地に到着していない場合(SC7、No)、案内制御部52はSC3に戻る。以降、車両が目的地に到着するまで、SC3からSC7の処理を繰り返す。
【0075】
一方、車両が目的地に到着した場合(SC7、Yes)、案内制御部52は、車両が目的地に到着した旨をディスプレイ30やスピーカ40から出力させ、制御部50は往路案内処理を終了する。
【0076】
(処理−復路案内処理)
次に、復路案内処理について説明する。図7は復路案内処理のフローチャートである。この復路案内処理では、案内制御部52は、復路における分岐点に関する案内を、車両が往路を目的地に向かって移動している場合とは異なる案内基準に基づいて行うための制御をする。
【0077】
図7に示すように、復路案内処理が開始されると、案内制御部52は復路における経路案内のレベルを判定する(SF1)。ここで「復路における経路案内のレベル」とは、「復路案内モード」において復路における分岐点に関する案内を行う際の詳細度のレベル、すなわち案内基準を意味する。本実施の形態では、「復路における経路案内のレベル」として、「上級レベル」「中級レベル」及び「初級レベル」の3つのレベルがある。このうち「上級レベル」は、道を覚える能力の高いユーザ向けのレベルであり、復路における分岐点に関する案内の大部分が省略される。また、「中級レベル」は、道を覚える能力が「上級レベル」のユーザよりも低いユーザ向けのレベルであり、復路における分岐点に関する案内が省略される度合が「上級レベル」と比較して小さくなっている。また、「初級レベル」は、道を覚える能力が「中級レベル」のユーザよりも低いユーザ向けのレベルであり、復路における分岐点に関する案内が省略される度合が「中級レベル」と比較して更に小さくなっている。これらの3つのレベルの内のいずれか1つが、入力部10によって受け付けられた操作入力に基づいて設定されているものとする。
【0078】
SF1の結果、復路における経路案内のレベルが「上級レベル」の場合(SF1、上級)、案内制御部52は上級レベル案内処理を実行する(SF2)。また、復路における経路案内のレベルが「中級レベル」の場合(SF1、中級)、案内制御部52は中級レベル案内処理を実行する(SF3)。復路における経路案内のレベルが「初級レベル」の場合(SF1、初級)、案内制御部52は初級レベル案内処理を実行する(SF4)。
【0079】
SF2、SF3、又はSF4の処理の後、制御部50は復路案内処理を終了する。
【0080】
(処理−上級レベル案内処理)
ここで、上級レベル案内処理について説明する。図8は上級レベル案内処理のフローチャートである。図8に示すように、上級レベル案内処理が開始されると、案内制御部52は、図4のSC1で経路探索部51により探索された復路の案内を開始する(SG1)。
【0081】
案内制御部52は、復路における各MPを往路の出発地に向かって通過するまで、当該各MPに関する案内を行わない。従って、ユーザは自らの判断で復路における各MPを右左折することになる。
【0082】
復路におけるMPを往路の出発地に向かって車両が通過した後、案内制御部52は、現在位置検出処理部20によって検出された車両の現在位置に基づき、当該MPの通過後に車両が移動している道路が復路上の道路か否かを判定する(SG2)。すなわち案内制御部52は、車両が当該MPを適正に通過したか否かを判定する。
【0083】
その結果、復路におけるMPの通過後に車両が移動している道路が復路上の道路である場合(車両が当該MPを適正に通過した場合)(SG2、Yes)、案内制御部52は、車両が移動している道路が復路上の道路である旨の通知(以下、必要に応じて「正解通知」)をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる(SG3)。図11の例では、図4の往路案内処理において復路における分岐点の目印として案内された「コンビニA」や「B銀行」をユーザが覚えており、復路における分岐点「○△交差点」を正しく左折した場合、案内制御部52は正解通知としてチャイム音をスピーカ40から出力させる。
【0084】
図8に戻り、SG3の処理の後、案内制御部52は、車両が往路の出発地に到着したか否かを判定する(SG4)。例えば案内制御部52は、現在位置検出処理部20により検出された車両の現在位置に基づき、車両が往路の出発地から所定距離まで到達した場合に、車両が往路の出発地に到着したと判定する。
【0085】
その結果、車両が往路の出発地に到着していない場合(SG4、No)、案内制御部52はSG2に戻る。以降、車両が往路の出発地に到着するまで、SG2からSG4の処理を繰り返す。
【0086】
また、SG2において、復路におけるMPの通過後に車両が移動している道路が復路上の道路ではない場合(車両が当該MPを適正に通過しなかった場合)(SG2、No)、案内制御部52は、車両が移動している道路が復路上の道路ではない旨の通知(以下、必要に応じて「不正解通知」)をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる(SG5)。図11の例では、図4の往路案内処理において復路における分岐点の目印として案内された「コンビニA」や「B銀行」をユーザが忘れており、復路における分岐点「○△交差点」を直進してしまったり、これらの目印を覚えていたものの、右左折方向を間違えて復路における分岐点「○△交差点」を右折してしまった場合、案内制御部52は不正解通知として「案内ルートから外れました」等の通知をスピーカ40から出力させる。
【0087】
図8に戻り、SG5の処理の後、経路探索部51は、現在位置検出処理部20により検出された現在位置から往路の出発地までの経路を探索し(SG6)、当該探索された経路について、案内制御部52は「通常案内モード」による経路案内を行う(SG7)。すなわち、図3に示した通常案内処理を実行する。ただし、通常案内処理において、図4のSC1で経路探索部51により探索された復路上の道路に車両が復帰した場合には、当該復帰地点から往路の出発地までの経路について、「復路案内モード」の上級レベル案内処理による経路案内を再開するようにしてもよい。
【0088】
SG4で車両が往路の出発地に到着した場合(SG4、Yes)、又はSG7の処理の後、制御部50は上級レベル案内処理を終了する。
【0089】
(処理−中級レベル案内処理)
次に、中級レベル案内処理について説明する。図9は中級レベル案内処理のフローチャートである。なお、中級レベル案内処理におけるSH1は図8に示した上級レベル案内処理におけるSG1と、SH5は図8のSG4と、SH6及びSH7は図8のSG2及びSG3と、SH8からSH10は図8のSG5からSG7とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
【0090】
SH1の処理の後、案内制御部52は、所定距離まで車両が接近した復路におけるMPが、ユーザにとって分かりづらいMPか否かを判定する(SH2)。例えば案内制御部52は、図5のSD5において「ユーザにとって分かりづらい分岐点」と判定されたMPは、ユーザにとって分かりづらいMPであると判定する。
【0091】
その結果、所定距離まで車両が接近した復路におけるMPが、ユーザにとって分かりづらいMPである場合(SH2、Yes)、案内制御部52は、「通常案内モード」による案内の場合と同様に、MP前案内を行う(SH3)。すなわち例えば、MPから一定の距離まで車両が接近する毎に、当該MPに関する案内(例えば交差点の名称、交差点までの距離、右左折の方向等)を行う。
【0092】
図12(a)の例では、案内制御部52は、MPから300mの位置まで車両が接近すると、「あと300mで×□神社前を左折です」との音声案内をスピーカ40から出力させる。同様に、MPから150mの位置まで車両が接近すると、「あと150mで×□神社前を左折です」との音声案内をスピーカ40から出力させ、MPから50mの位置まで車両が接近すると、「あと50mで×□神社前を左折です」との音声案内をスピーカ40から出力させる。これと共に、案内制御部52はMP周辺の拡大図をディスプレイ30に表示させる。
【0093】
また、図12(b)の例では、案内制御部52は、MPから300mの位置まで車両が接近すると、「あと300mで分岐を右方向です」との音声案内をスピーカ40から出力させる。同様に、MPから150mの位置まで車両が接近すると、「あと150mで分岐を右方向です」との音声案内をスピーカ40から出力させ、MPから50mの位置まで車両が接近すると、「あと50mで分岐を右方向です」との音声案内をスピーカ40から出力させる。これと共に、案内制御部52はMP周辺の拡大図をディスプレイ30に表示させる。
【0094】
図9に戻り、SH3の処理の後、車両がMPを通過すると、「通常案内モード」による案内の場合と同様に、案内制御部52はMP後案内を行う(SH4)。すなわち例えば、案内制御部52は、次のMPまでの距離や、道なりに進む距離等を案内する(例えば「およそ3km道なりです」等)。SH4の処理の後、案内制御部52は、車両が往路の出発地に到着したか否かを判定する(SH5)。
【0095】
また、SH2において、所定距離まで車両が接近した復路におけるMPが、ユーザにとって分かりづらいMPではない場合(SH2、No)、案内制御部52は、復路におけるMPを往路の出発地に向かって車両が通過した後、案内制御部52は、車両が当該MPを適正に通過したか否かを判定する(SH6)。
【0096】
(処理−初級レベル案内処理)
最後に、初級レベル案内処理について説明する。図10は初級レベル案内処理のフローチャートである。なお、初級レベル案内処理におけるSI1は図8に示した上級レベル案内処理におけるSG1と、SI2からSI4は図9に示した中級レベル案内処理におけるSH2からSH4と、SI5は図8のSG4と、SI7及びSI8は図8のSG2及びSG3と、SI9からSI11は図8のSG5からSG7とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
【0097】
SI2において、所定距離まで車両が接近した復路におけるMPが、ユーザにとって分かりづらいMPではない場合(SI2、No)、案内制御部52は、当該復路におけるMPの目印のみの案内を行う(SI6)。例えば案内制御部52は、復路においてMPから一定の距離まで車両が接近する毎に、当該MPについて図4の往路案内処理において復路における分岐点の目印として案内された目印のみの案内を行う。すなわち、復路におけるMP自体に関する案内(例えば交差点の名称、交差点までの距離、右左折の方向等)は省略する。図11の例では、案内制御部52は、図4の往路案内処理において復路における分岐点の目印として案内された「コンビニA」や「B銀行」が復路におけるMPの目印である旨の案内「B銀行が目印です」や「コンビニAが目印です」のみを、スピーカ40から出力させる。
【0098】
(効果)
このように実施の形態によれば、経路探索部51は、移動体の出発地から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索し、案内制御部52は、復路における分岐点の目印を選択し、目的地に向かって往路を現在位置が移動している間に、当該選択した目印を用いて復路における分岐点に関する案内を行うための制御をするので、往路を移動中において、復路の分岐点についての目印を積極的にユーザの記憶に留めさせることができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0099】
また、案内制御部52は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過する前又は後に、選択した目印が復路における分岐点を出発地に向かって通過する際の目印である旨の案内を行うための制御をするので、復路の分岐点についての目印を、往路における分岐点と関連付けてユーザの記憶に留めさせることができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を一層活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0100】
また、案内制御部52は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過した後に移動する道路沿いの目印を、復路における当該分岐点の目印として選択するので、復路において当該復路における分岐点に向かって移動体が移動する際にユーザが視認可能な目印を、復路における当該分岐点の目印として案内することができ、ユーザが道を覚えるために有用な目印を案内することができる。
【0101】
また、案内制御部52は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過した後に、復路における当該分岐点に関する案内を、当該案内制御部52が選択した目印を用いて行うための制御をするので、ユーザが復路における分岐の目印の認識に集中できるような案内を行うことができる。
【0102】
また、案内制御部52は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過する前に、復路における当該分岐点に関する案内を、当該案内制御部52が選択した目印を用いて行うための制御をするので、ユーザが復路における分岐の目印を往路における分岐点のイメージに対応付けて認識できるような案内を行うことができる。
【0103】
特に、案内制御部52は、往路における分岐点を目的地に向かって移動体が通過する前に、当該分岐点への移動体の接近に伴って当該分岐点に関して複数回の案内を行うと共に、当該複数回の案内のうち、当該分岐点に関して最後の案内を行う際にのみ、復路における分岐点に関する案内を当該案内制御部52が選択した目印を用いて行うための制御をするので、ユーザが復路における分岐の目印を往路における分岐点のイメージに一層確実に対応付けて認識できるような案内を行うことができる。
【0104】
また、案内制御部52は、移動体が復路を出発地に向かって移動している場合、当該復路における分岐点に関する案内を、移動体が往路を目的地に向かって移動している場合とは異なる案内基準に基づいて行うための制御をするので、ユーザに記憶を頼りに復路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0105】
また、案内制御部52は、移動体が復路を出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略するので、ユーザは自らの判断で復路における分岐点を右左折等しなければならなくなる。これにより、ユーザに記憶を頼りに復路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0106】
また、案内制御部52は、移動体が復路を出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点の目印のみを案内するための制御を行うので、復路における分岐点のヒントをユーザに与えつつ、ユーザに記憶を頼りに復路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0107】
また、案内制御部52は、復路における分岐点を出発地に向かって移動体が通過した後に、当該分岐点の通過後に当該移動体が移動している道路が復路上の道路か否かを案内するための制御を行うので、ユーザに記憶の正否を認識させることができ、記憶・思考力をさらに活性化させるような案内を行うことができる。
【0108】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0109】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0110】
(ナビゲーションシステムの構成について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、ナビゲーションシステム1を一体の装置として車両や携帯情報端末に搭載してもよく、あるいは制御部50やデータ記録部60を、ネットワークを介して車両、携帯情報端末、センター装置等に分散配置してもよい。
【0111】
また、上述の実施の形態では、移動体としての車両にナビゲーションシステム1が搭載されている場合を例として説明したが、移動体としての人が、ナビゲーションシステム1の一部又は全部を搭載した携帯情報端末を携帯する場合にも、上述の実施の形態と同様にナビゲーションシステム1を利用することができる。
【0112】
(ナビゲーション処理について)
上述の実施の形態では、移動体が復路を出発地に向かって移動している場合に、当該移動体が往路を目的地に向かって移動している場合とは異なる案内基準に基づき当該復路における分岐点に関する案内を行う例として、図7の復路案内処理において、復路における分岐点に関する案内を省略する場合を例として説明したが、復路を出発地に向かって移動体が移動中において当該復路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間を、往路を目的地に向かって移動体が移動中において当該往路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間よりも短くすることで、移動体が復路を出発地に向かって移動している場合における案内基準が、移動体が往路を目的地に向かって移動している場合とは異なるようにしてもよい。例えば、往路案内処理のMP前案内において、車両が往路におけるMPから300m、150m、及び50mの各位置まで接近した際に当該MPに関する案内を行う場合、復路案内処理では、車両が復路のおけるMPから30mの位置まで接近した際に当該MPに関する案内を行うようにしてもよい。これにより、復路における分岐点に関する案内を行う前に、ユーザ自身に復路における分岐点の右左折方向等を考えさせることができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0113】
また、上述の実施の形態では、復路案内処理において、往路の目的地から出発地への復路を案内する場合を例として説明したが、「往路の目的地から出発地への復路」に限らず、任意の2地点間の経路案内を復路案内処理で行うようにしてもよい。
【0114】
例えば、出発地と目的地との組合せが、過去に経路案内を行った際の出発地と目的地との組合せと同じである場合に、当該出発地から目的地までの経路案内を、復路案内処理と同様の処理によって行うようにしてもよい。例えば経路探索部51は、経路探索を行う毎に、当該探索した経路の出発地と目的地との組合せをデータ記録部60に記録しておく。そして目的地が設定された場合において、当該設定された目的地から所定距離(例えば300m)以内の目的地と、今回の出発地(例えば現在位置検出処理部20により検出された現在位置)から所定距離(例えば300m)以内の出発地との組合せがデータ記録部60に記録されている場合、案内制御部52は、今回の出発地から当該設定された目的地までの経路案内を、復路案内処理と同様の処理によって行う。すなわち、経路案内のレベルが「上級レベル」の場合には、探索された経路における各MPを目的地に向かって通過するまで当該各MPに関する案内を行わず、車両が各MPを適正に通過したか否かの案内のみを行うようにする。また、経路案内のレベルが「中級レベル」の場合には、探索された経路におけるMPがユーザにとって分かりづらいMPである場合にのみ、当該MPについてMP前案内やMP後案内を行い、その他のMPについては「上級レベル」の場合と同様に、各MPを目的地に向かって通過するまで当該各MPに関する案内を行わず、車両が各MPを適正に通過したか否かの案内のみを行うようにする。また、経路案内のレベルが「初級レベル」の場合には、探索された経路におけるMPがユーザにとって分かりづらいMPである場合にのみ、当該MPについてMP前案内やMP後案内を行い、その他のMPについては当該MPの目印のみの案内を行うようにする。これにより、ユーザに、過去に同じ経路を移動した際の記憶を頼りに今回の経路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0115】
さらに、出発地から目的地までの経路が、ユーザにとって初めて移動する経路であっても、当該出発地から目的地までの経路案内を、復路案内処理と同様の処理によって行うようにしてもよい。すなわち、目的地が設定された場合において、当該設定された目的地から所定距離(例えば300m)以内の目的地と、今回の出発地(例えば現在位置検出処理部20により検出された現在位置)から所定距離(例えば300m)以内の出発地との組合せがデータ記録部60に記録されていない場合であっても、案内制御部52が、今回の出発地から当該設定された目的地までの経路案内を、復路案内処理と同様の処理によって行うようにしてもよい。この場合、案内制御部52は、例えば経路案内のレベルを「初級レベル」とし、探索された経路におけるMPがユーザにとって分かりづらいMPである場合にのみ、当該MPについてMP前案内やMP後案内を行い、その他のMPについては当該MPの目印のみの案内を行うようにする。これにより、例えばユーザが事前に地図を確認することで経路を記憶した場合に、その記憶を頼りに今回の経路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0116】
(付記1)
付記1に記載のナビゲーションシステムは、移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記経路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略する案内制御手段と、を備える。
【0117】
(付記2)
付記2に記載のナビゲーションシステムは、付記1に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記経路における分岐点の目印のみを案内するための制御を行う。
【0118】
(付記3)
付記3に記載のナビゲーションシステムは、付記1又は2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記経路における分岐点を前記移動体が通過した後に、当該分岐点の通過後に当該移動体が移動している道路が当該経路上の道路か否かを案内するための制御を行う。
【0119】
(付記4)
付記4に記載のナビゲーションシステムは、付記1から3のいずれか一つに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記案内制御手段は、前記経路の出発地と目的地との組合せが、過去に当該案内制御手段が案内制御を行った経路の出発地と目的地との組合せと同じである場合に、当該経路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略する。
【0120】
付記1に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、経路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略するので、ユーザは自らの判断で経路における分岐点を右左折等しなければならなくなる。これにより、ユーザに記憶を頼りに経路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0121】
付記2に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、経路における分岐点の目印のみを案内するための制御を行うので、経路における分岐点のヒントをユーザに与えつつ、ユーザに記憶を頼りに経路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【0122】
付記3に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、経路における分岐点を移動体が通過した後に、当該分岐点の通過後に移動体が移動している道路が経路上の道路か否かを案内するための制御を行うので、ユーザに記憶の正否を認識させることができ、記憶・思考力をさらに活性化させるような案内を行うことができる。
【0123】
付記4に記載のナビゲーションシステムによれば、案内制御手段は、経路の出発地と目的地との組合せが、過去に当該案内制御手段が案内制御を行った経路の出発地と目的地との組合せと同じである場合に、当該経路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略するので、ユーザに、過去に同じ経路を移動した際の記憶を頼りに今回の経路を移動させるための案内を行うことができ、ユーザの能動的な記憶力・思考力を活性化させ、道を覚えられるような案内を行うことができる。
【符号の説明】
【0124】
1 ナビゲーションシステム
10 入力部
20 現在位置検出処理部
30 ディスプレイ
40 スピーカ
50 制御部
51 経路探索部
52 案内制御部
60 データ記録部
61 地図情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記移動体の出発地から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索する経路探索手段と、
前記復路における分岐点の目印を選択し、前記目的地に向かって前記往路を前記現在位置が移動している間に、当該選択した目印を用いて当該復路における分岐点に関する案内を行うための制御をする案内制御手段と、
を備えるナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過する前又は後に、前記選択した目印が前記復路における当該分岐点を前記出発地に向かって通過する際の目印である旨の案内を行うための制御をする、
請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過した後に移動する道路沿いの目印を、前記復路における当該分岐点の目印として選択する、
請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過した後に、前記復路における当該分岐点に関する案内を前記選択した目印を用いて行うための制御をする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過する前に、前記復路における当該分岐点に関する案内を前記選択した目印を用いて行うための制御をする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記案内制御手段は、前記往路における分岐点を前記目的地に向かって前記移動体が通過する前に、当該分岐点への当該移動体の接近に伴って当該分岐点に関して複数回の案内を行うと共に、当該複数回の案内のうち、当該分岐点に関して最後の案内を行う際にのみ、前記復路における当該分岐点に関する案内を前記選択した目印を用いて行うための制御をする、
請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記案内制御手段は、前記移動体が前記復路を前記出発地に向かって移動している場合、当該復路における分岐点に関する案内を、当該移動体が前記往路を前記目的地に向かって移動している場合とは異なる案内基準に基づいて行うための制御をする、
請求項1から6のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記案内制御手段は、前記移動体が前記復路を前記出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点に関する案内の一部又は全部を省略する、
請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記案内制御手段は、前記移動体が前記復路を前記出発地に向かって移動する場合、当該復路における分岐点の目印のみを案内するための制御を行う、
請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記案内制御手段は、前記復路を前記出発地に向かって前記移動体が移動中において当該復路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間を、前記往路を前記目的地に向かって前記移動体が移動中において当該往路における分岐点に関する案内を行う案内点から当該分岐点までの距離又は時間よりも短くする、
請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記案内制御手段は、前記復路における分岐点を前記出発地に向かって前記移動体が通過した後に、当該分岐点の通過後に当該移動体が移動している道路が当該復路上の道路か否かを案内するための制御を行う、
請求項1から10のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
移動体の現在位置を検出する現在位置検出ステップと、
前記移動体の出発地から目的地までの往路を探索すると共に、当該目的地から当該出発地までの復路を探索する経路探索ステップと、
前記復路における分岐点の目印を選択し、前記目的地に向かって前記往路を前記現在位置が移動している間に、当該選択した目印を用いて当該復路における分岐点に関する案内を行うための制御をする案内制御ステップと、
を含むナビゲーション方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法をコンピュータに実行させるナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−15339(P2013−15339A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146740(P2011−146740)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】