説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、および、携帯電話

【課題】 デジタルテレビ放送から取得した施設や地理的位置に関するデータを、携帯電話を介して容易にナビゲーション装置に提供するナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、および、携帯電話を提供すること。
【解決手段】
TV受信機12で地上波デジタル放送を視聴しているとき、データ保存が選択されるとデータ放送のデータをいったんTV受信機12のメモリ58へ格納する。その後、TV受信機12から携帯電話2へデータが転送され、携帯電話2のデータ格納部22へデータが格納される。ナビゲーション装置3では、目的地設定にあたり「外部データ取り込み」が選択されると、携帯電話2へアクセスに行き、携帯電話2に格納されたデータを取り込む。ナビゲーション装置3は、携帯電話2から取り込んだデータを目的地設定に利用し、経路探索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、および、携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ端末で受信した旅行先情報をメモリカードにダウンロードし、利用者がドライブに行く時に、車載情報端末がメモリカードから旅行先情報を取得し、旅行先情報に含まれる旅行先位置情報を用いて経路設定をする技術が知られている(特許文献1参照)。また、この特許文献1は、メモリカードの代わりに、テレビ端末で受信した旅行先情報を携帯電話を使用してインターネット上の情報蓄積部にダウンロードすることも開示する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−221424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、メモリカードを利用する場合、それぞれの端末においてメモリカードの取り付けや取り外しが必要となり、操作が煩わしいという問題が生じる。また、メモリカードを携帯する場合、取り扱いに注意を要するという問題も生じる。一方、携帯電話を利用する場合には、旅行先情報を取得して格納しようとするたびに、携帯電話を使用してインターネット上の情報蓄積部に接続しなければいけないという問題が生じる。
【0005】
本発明は、デジタルテレビ放送から取得した施設や地理的位置に関するデータを、携帯電話を介して容易にナビゲーション装置に提供するナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、および、携帯電話を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、ナビゲーションシステムに適用され、デジタルによるテレビ放送を受信するテレビ放送受信手段と、テレビ放送受信手段により受信したテレビ放送から取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを格納するデータ格納手段と、携帯電話網と接続してデータ通信を行う第1の通信手段と、外部機器と接続してデータ通信を行う第2の通信手段とを有する携帯電話と、地図データに基づきナビゲーションの処理を行うナビゲーション装置とを備え、携帯電話は、データ格納手段から施設あるいは地理的位置に関するデータを取得して格納する携帯電話内データ格納手段を有し、ナビゲーション装置は、携帯電話の第2の通信手段を通じて携帯電話内データ格納手段から施設あるいは地理的位置に関するデータを取得し、取得した施設あるいは地理的位置に関するデータをナビゲーションの処理に使用することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、携帯電話は、第2の通信手段を通じて、データ格納手段から施設あるいは地理的位置に関するデータを取得することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、テレビ放送受信手段とデータ格納手段は、ローカルなネットワーク手段で接続され、ローカルなネットワーク手段に接続する他の電子装置手段をさらに備え、テレビ放送受信手段とデータ格納手段と他の電子装置手段のうち、少なくとも複数の手段は、携帯電話の第2の通信手段と接続する第3の通信手段を有し、携帯電話は、第2の通信手段およびいずれかの第3の通信手段を通じて、データ格納手段から施設あるいは地理的位置に関するデータを取得することを特徴とするものである。
請求項4の発明は、ナビゲーションシステムに適用され、デジタルによるテレビ放送を受信するテレビ放送受信手段と、テレビ放送受信手段により受信したテレビ放送から取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを格納するデータ格納手段と、携帯電話網と接続してデータ通信を行う第1の通信手段と、外部機器と接続してデータ通信を行う第2の通信手段とを有する携帯電話と、地図データに基づきナビゲーションの処理を行うナビゲーション装置とを備え、テレビ放送受信手段とデータ格納手段は、専用接続手段あるいはローカルなネットワーク手段で接続され、ナビゲーション装置は、携帯電話の第2の通信手段から第1の通信手段を通じてデータ格納手段と接続し、接続したデータ格納手段から施設あるいは地理的位置に関するデータを取得し、取得した施設あるいは地理的位置に関するデータをナビゲーションの処理に使用することを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーション装置は、施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを使用して、データ格納手段から施設あるいは地理的位置に関するデータを取得することを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーション装置は、施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスの一覧を表示するインデックス一覧表示手段と、インデックスの一覧の中から所望の施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを選択するインデックス選択手段と、選択されたインデックスに関する情報をデータ格納手段へ送信する送信するインデックス送信手段とを有し、データ格納手段は、施設あるいは地理的位置に関するデータを、それぞれのインデックスに関連付けて格納し、ナビゲーション装置から送信されてきたインデックスに対応する施設あるいは地理的位置に関するデータをナビゲーション装置へ送信することを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項6に記載のナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーション装置のインデックス一覧表示手段は、データ格納手段からインデックスの一覧に関する情報を取得して表示し、ナビゲーション装置は、最新のインデックス一覧に関する情報を取得するために操作される一覧取得操作手段をさらに有することを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、携帯電話は、施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを使用して、データ格納手段から施設あるいは地理的位置に関するデータを取得し、ナビゲーション装置へ送信することを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、携帯電話は、施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスの一覧を表示するインデックス一覧表示手段と、インデックスの一覧の中から所望の施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを選択するインデックス選択手段と、選択されたインデックスに関する情報をデータ格納手段へ送信する送信するインデックス送信手段とを有し、データ格納手段は、施設あるいは地理的位置に関するデータを、それぞれのインデックスに関連付けて格納し、携帯電話から送信されてきたインデックスに対応する施設あるいは地理的位置に関するデータを携帯電話へ送信し、携帯電話は、送信されてきた施設あるいは地理的位置に関するデータをナビゲーション装置へ送信することを特徴とするものである。
請求項10の発明は、請求項9に記載のナビゲーションシステムにおいて、携帯電話のインデックス一覧表示手段は、データ格納手段からインデックスの一覧に関する情報を取得して表示し、携帯電話は、最新のインデックス一覧に関する情報を取得するために操作される一覧取得操作手段をさらに有することを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーション装置は、取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを経路探索の目的地の設定に利用することを特徴とするものである。
請求項12の発明は、ナビゲーション装置に適用され、請求項1から11のいずれかに記載のナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置とするものである。
請求項13の発明は、携帯電話に適用され、請求項1から11のいずれかに記載のナビゲーションシステムを構成する携帯電話とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上説明したように構成しているので、デジタルテレビ放送から取得した施設や地理的位置に関するデータを、携帯電話を介して容易にナビゲーション装置に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本実施の形態のナビゲーションシステムの構成を示す図である。本実施の形態のナビゲーションシステムは、ホームネットワーク1と、携帯電話2と、車両に搭載されるナビゲーション装置3とからなる。
【0009】
ホームネットワーク1は、ホームサーバ11、TV受信機12、固定電話13、インターホン14、その他の各種家庭内電子装置15(家庭内情報機器)が接続される。ホームネットワーク1は、所定のネットワーク規格により家庭内で構築されるローカルなネットワークである。ホームサーバ11は、例えば、パーソナルコンピュータで構成される。TV受信機12は、地上波デジタル放送を受信するTV受信機である。固定電話13は、家庭内に固定的に設置され、公衆電話回線に有線で接続される。固定電話13は、図1の例では、ネットワークを介してホームサーバ11と接続しているが、モデムを介して直接ホームサーバ11に接続するものでもよい。
【0010】
ホームネットワーク1は、ホームサーバ11を中心に、各種の構成要素間でデータのやりとりを行うことができる。例えば、外出先から固定電話13に電話をし、ホームサーバ11を介して各種の装置の制御を行うことができる。
【0011】
本実施の形態のナビゲーションシステムでは、このようなホームネットワーク1を利用し、TV受信機12で受信した旅番組などの放送から、観光地やホテルなどの施設に関する情報を取得して、TV受信機12の内部メモリあるいはホームサーバ11にデータとして蓄える。そして、TV受信機12あるいはホームサーバ11に蓄えられたそれらのデータを、携帯電話2を利用して、ナビゲーション装置3に提供する。ナビゲーション装置3では、携帯電話2を介して提供されたTV受信機12で取得した情報を各種のナビゲーション処理に利用する。
【0012】
図2は、本実施の形態のナビゲーション装置3の構成を示す図である。ナビゲーション装置3は、車両に搭載されるカーナビゲーション装置であり、車両の走行に関する情報を提示する機能、具体的には、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能などを兼ね備えている。いわゆるナビゲーションあるいは道路案内などの処理を行う装置である。
【0013】
符号31は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、例えば車両の進行方位を検出するジャイロ31a、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ31b、車速を検出する車速センサ31c等から成る。符号32は道路地図データや検索データを格納する地図記憶装置であり、道路地図データや検索データが格納された記録媒体であるCD−ROM36およびその読み出し装置から成る。記録媒体はCD−ROMに限定されず、DVDやその他の記録媒体であってもよい。また、地図記憶装置32は道路地図データが格納されたハードディスク装置であってもよい。
【0014】
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データ(交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報など)などからなる。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点の名称などから成るデータであり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。
【0015】
検索データは、所望の地点を地図上で指示するために使用されるデータではなく、検索して求めるときに使用されるデータである。例えば、経路探索の目的地を設定するときに、施設の名称や電話番号や住所などを入力することにより、その施設の位置を検索データを使用して求める。ナビ制御装置33は、検索データを使用して求めた地点を例えば目的地として設定し、経路探索などの処理を行う。
【0016】
検索データは、種別として、名称検索データ、電話番号検索データ、住所検索データなどがある。名称検索データは、施設名称により地図上の位置を特定するために使用されるデータである。電話番号検索データは、電話番号により地図上の位置を特定するために使用されるデータである。住所検索データは、住所により地図上の位置を特定するために使用されるデータである。
【0017】
符号33はナビゲーション装置全体を制御するナビ制御装置であり、マイクロプロセッサおよびその周辺回路から成る。ナビ制御装置33は、制御プログラムを格納するROM(不図示)および作業エリアのRAM(不図示)を有し、ROMに格納された制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。
【0018】
符号34は車両の目的地等を入力する各種スイッチを有する入力装置である。カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックを含む。なお、入力装置34をリモコン方式としてもよい。また、画面内にタッチパネルスイッチを設けてもよい。さらに、ディスプレイ35の表示画面周辺に配置されるスイッチであってもよい。これらのスイッチは、ユーザにより操作されるので、入力装置34は操作装置である。
【0019】
符号35は地図や各種情報を表示するディスプレイであり、液晶表示装置(LCD)などで構成される。ナビ制御装置33は、生成した画像データを画像メモリ(ビデオRAM、不図示)に格納し、ディスプレイ35に表示する。ディスプレイ35に表示される表示データは、各種の文字データや道路地図などの各種の図形データなどからなる。ナビ制御装置33は、ディスプレイ35の表示制御装置として機能する。符号37は、携帯電話などの外部機器と有線で接続する通信装置である。
【0020】
このように構成されるナビゲーション装置3は、現在地検出装置31により取得した自車位置情報および地図記憶装置32に格納されている道路地図データに基づき各種のナビゲーション処理を行う。例えば、自車位置近辺の道路地図および自車位置をディスプレイ35に表示し、経路探索によって得られた経路に沿ってドライバーを誘導する。
【0021】
図3は、本実施の形態の携帯電話2の構成を示す図である。携帯電話2は、制御部21、データ格納部22、表示部23、入力部24、基地局通信部25、外部機器通信部26、赤外線通信部27などからなる。制御部21は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、不図示のメモリに格納されたプログラムを実行することにより、携帯電話2の電話機能やデータ通信機能などの基本機能の制御を行う。また、JAVA(登録商標)などの言語でかかれたアプリケーションプログラムなども実行する。
【0022】
データ格納部22は、電話帳やメールなどの各種のデータを記憶する書き換え可能な不揮発性メモリである。また、後述するように、TV受信機12により取得した観光地やホテルなどの施設に関する情報を格納したり、そのインデックスを格納したりもする。データ格納部22は、例えばフラッシュメモリなどで構成される。表示部23は、各種の情報を表示する液晶表示装置である。入力部24は、ダイヤルボタンや各種のキーからなり、ユーザにより操作される。
【0023】
基地局通信部25は、無線により基地局を介して携帯電話回線網と接続し、電話やデータ通信などのデータの送受信を行う。外部機器通信部26は、所定の規格により外部機器と有線で接続してデータの送受信を行う。赤外線通信部27は、外部機器と赤外線によるデータの送受信、すなわち所定の規格の赤外線通信(IrDA)を行う。
【0024】
図4は、ホームネットワーク1のホームサーバ11の構成を示す図である。ホームサーバ11は、パーソナルコンピュータからなり、CPU41、ハードディスク42、ディスプレイ43、キーボード44、LAN通信部45、赤外線通信装置46などから構成される。OSプログラムおよび種々のアプリケーションプログラムを実行する。
【0025】
図5は、ホームネットワーク1のTV受信機12の構成を示す図である。TV受信機12は、制御部51、チューナ52、ディスプレイ53、スピーカ54、LAN通信部55、赤外線通信装置56、リモコン57、メモリ58などから構成される。このように構成されるTV受信機12は、リモコン57で指定されたチャンネルの地上波デジタル放送をアンテナ58を介して受信し、ディスプレイ53やスピーカ54に受信した放送を出力する。
【0026】
地上波デジタル放送は、地上波のUHF帯を使用してデジタルデータにより提供する放送である。地上波デジタル放送は、テレビ放送およびデータ放送などを提供する。地上波デジタル放送のテレビ放送は、従来のVHF帯を使用してアナログ信号により提供されていたテレビ放送に代わるものである。
【0027】
一方、地上波デジタル放送のデータ放送は、天気、ニュース、生活情報等の各種の情報を提供する。メニュー画面上で見たい情報を選択することにより、各種の情報の提供をいつでも受けることができる。これは、独立型データ放送とも言う。また、データ放送は、現在放送中のテレビ放送の番組に関連する情報も提供する。例えば、料理番組を放送しながら、そのレシピを表示したり、旅番組を放送しながら、その観光地や宿泊施設の情報を表示したりする。これを、番組連動型(番組関連)データ放送とも言う。
【0028】
本実施の形態では、この番組連動型データ放送で放送されるデータを取得して、ナビゲーション装置3に利用するものである。例えば、旅番組を視聴していて、そこに車で旅行したいと思ったとき、TV受信機12のリモコン57のデータ保存ボタンを押す。データ保存ボタンが押されると、データ放送で提供されるデータをTV受信機12に、あるいは、TV受信機12からホームサーバ11に送信して格納する。TV受信機12あるいはホームサーバ11に格納したデータを、旅行当日などに、携帯電話2を介して、ナビゲーション装置3での目的地設定に利用し、現在地から目的地までの経路探索をする。このようにして、テレビ放送を見ていて行きたいと思ったところに、手軽に簡単に、車両に搭載したナビゲーション装置3を利用して旅行(ドライブ)することができる。
【0029】
以下、地上波デジタル放送のデータを、ナビゲーション装置3における経路探索の目的地設定に利用するまでの処理について詳細に説明する。
【0030】
(TV受信機の処理)
図6は、TV受信機12における処理のフローチャートを示す図である。TV受信機12の制御部51は、TV受信機12の電源がオンされると、不図示のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより図6の処理を行う。図6の処理の概要は、ユーザがTV受信機12においてデータ放送を視聴し、地上波デジタル放送で提供されるデータの保存を選択した場合に、選択したデータを携帯電話2あるいはホームサーバ11へ転送する。
【0031】
図6の処理の説明の前に、図7を使用して、番組連動型データ放送(以下、単にデータ放送と言う)の放送画面およびデータを説明する。図7(a)は、TV受信機12のディスプレイ53に表示されるデータ放送の放送画面の一例を示す図である。図7(b)は、データ放送で提供されるデータを示す図である。図7(c)は、データ放送のデータのインデックスデータを示す図である。図7(d)は、データ放送のデータから生成したナビゲーション用データを示す図である。
【0032】
図7の例は、「紀行番組」のテレビ放送でホテルが紹介され、そのホテルの所在地、電話番号等の情報がデータ放送で提供されている様子を示す。図7(a)において、ウィンドウ61には、TV画面が表示され、現在放送中のテレビ放送の番組の画像が表示される。スピーカ54を介して音声も流される。
【0033】
このテレビ放送の番組の画像とは別に、「放送日時」「選局放送局名」「番組名」「番組概要」「番組紹介場所への案内地図」「紹介施設の写真」「施設正式名称」「施設の所在地、住所」「施設の連絡先:電話番号、FAX番号、メールアドレス」「施設の営業時間、定休日」「施設サービス内容」などの情報が、データ放送で提供されるデータに基づいて表示される。データ放送で提供されるデータには、文字データのみならず静止画や動画の画像データも提供される。
【0034】
図7(b)は、図7(a)のデータ放送画面を提供するためのデータである。このデータは、例えばBML(Broadcast Markup Language)構文で書かれている。このデータが、後述するように携帯電話2やホームサーバ11に格納される。図7(b)のデータには、施設の住所や名称や電話番号などが含まれ、施設に関する情報や地理的位置に関する情報が含まれる。施設が存在しない場合であっても、例えば観光地の所在地情報が含まれる。
【0035】
次に、図6の処理について説明する。図6のステップS1では、リモコン57により指定されたチャンネルのテレビ放送の番組を放送する。このとき、ユーザによりリモコン57上のデータ放送表示のボタンを操作してデータ放送を表示させ、図7(a)で示したようなデータ放送画面を表示する。
【0036】
ステップS2では、ユーザがリモコン57を使用してデータ保存を選択したかどうかを判断する。ユーザは、データ放送を視聴しているときに、この放送画面の情報を保存したいと思ったときに、リモコン57の所定のデータ保存ボタンを操作する。ステップS2で、ユーザがデータ保存を選択したと判断するとステップS3に進み、選択していないと判断するとステップS1に戻り処理を繰り返す。
【0037】
ステップS3では、TV受信機12のメモリ58を検索する。メモリ58は、不揮発性メモリであり、ユーザが保存を選択したデータが格納されている。ステップS4では、メモリ58内の検索の結果に基づき、データ数が規定値以上かどうかを判断する。データ数が規定値以上と判断すると、ステップS5に進み、データ数が規定値以上でないと判断するとステップS8に進む。
【0038】
ステップS5では、メモリ58内の一番古いデータのインデックスを作成、インデックスとデータをホームサーバ11に転送する。インデックスは、図7(c)に示すように、保存したデータの番組が特定できるような情報である。例えば、図7(c)では、放送年月日、放送局名、番組名などで構成されている。また、インデックスには、元データへのリンク先データも含まれる。
【0039】
ステップS6では、ホームサーバ11へのデータ転送が成功したかどうかを判断する。成功したと判断するとステップS7に進み、成功していないと判断するとステップS5の処理を繰り返す。ステップS7では、メモリ58から一番古いデータを削除する。
【0040】
ステップS8では、データ放送で受信したBML書式のデータをワークメモリ(不図示)からメモリ58にコピーする。ステップS9では、携帯電話2との通信が可能かどうかを判断する。ここでの携帯電話2との通信は、TV受信機12の赤外線通信装置56と携帯電話2の赤外線通信部27との通信のことを言う。ステップS9で、携帯電話2との通信が可能と判断するとステップS10に進み、可能でないと判断するとステップS16に進む。携帯電話2との通信が不可の場合は、携帯電話2が物理的に赤外線通信ができない位置に置かれている場合や、携帯電話2から通信不可のレスポンスが返ってきた場合などである。
【0041】
ステップS10では、携帯電話2にメモリ58に格納されたデータを送信する。ステップS11では、データ通信が成功したかどうかを判断する。データ通信が成功したと判断するとステップS12に進み、まだ成功していないと判断するとステップS10に戻り処理を繰り返す。
【0042】
ステップS12では、メモリ58のデータ通信予約リストを参照する。データ通信予約リストは、携帯電話2に送信すべきデータで、以前に携帯電話2に送信できなかったデータのリストである。送信すべきデータで、まだ送信していないデータを予約データと言う。データ通信予約リストは、後述するステップS18において生成される。ステップS13では、データ通信予約リストの参照の結果に基づき、予約データがあるかどうかを判断する。ステップS13で、予約データがあると判断するとステップS14に進み、予約データがないと判断すると処理を終了する。
【0043】
ステップS14では、予約済みデータを携帯電話2に送信する。ステップS15では、データ通信が成功したかどうかを判断する。成功したと判断すると処理を終了し、まだ成功していないと判断するとステップS14に戻り処理を繰り返す。
【0044】
ステップS16では、携帯電話2へ送信しようとしたデータのインデックスを作成、インデックスとデータをホームサーバ11に送信する。インデックスは、ステップS5と同様に作成する。ステップS17では、ホームサーバ11へのデータ通信が成功したかどうかを判断する。成功したと判断するとステップS18に進み、成功していないと判断するとステップS16の処理を繰り返す。ステップS18では、携帯電話2へのデータ通信予約リストを作成し、処理を終了する。
【0045】
(携帯電話のTV受信機に対する処理)
図8は、携帯電話2における処理のフローチャートを示す図である。図8の処理は、TV受信機12から通信要求がきた場合の処理であり、JAVA(登録商標)などの言語でかかれたアプリケーションプログラムの1つである。制御部21が実行する。
【0046】
ステップS21では、携帯電話2の電源がオンされ、携帯電話2が家庭内で通話されずに放置されている状態が保たれている。ステップS22では、TV受信機12から通信要求がきたかどうかを判断する。ここでの通信は、TV受信機12の赤外線通信装置56と携帯電話2の赤外線通信部27との間の赤外線通信である。ステップS22で、通信要求がきたと判断するとステップS23に進み、通信要求がきていないと判断するとステップS21に戻り処理を繰り返す。
【0047】
ステップS23では、携帯電話2の状況確認を実施する。状況確認とは、携帯電話2が通話中かどうか、データ格納部22に空きがあるかどうかなどの確認を行う。ステップS24では、ステップS23の状況確認の結果に基づき、通信が可能かどうかを判断する。通信が可能であると判断するとステップS25に進み、通信が可能でないと判断するとステップS28に進む。ステップS28では、通信不可のレスポンスを返して処理を終了する。
【0048】
ステップS25では、TV受信機12と通信を開始し、送信されてくるデータをデータ格納部22に格納する。ステップS26では、データ通信が成功したかどうかを判断する。データ通信が成功したと判断するとステップS27に進み、成功していないと判断するとステップS25に戻りを処理を繰り返す。ステップS27では、TV受信機12との通信を切断して処理を終了する。
【0049】
(ホームサーバのTV受信機に対する処理)
図9は、ホームサーバ11における処理のフローチャートを示す図である。図9の処理は、TV受信機12からインデックスデータが送信されてきた場合の処理であり、CPU41が実行する。ユーザの選択により、本処理のプログラムが起動されている。
【0050】
ステップS31では、ホームネットワーク1の状態を監視する。ステップS32では、TV受信機12からインデックスデータが送信されてきたかどうかを判断する。インデックスデータが送信されてきたと判断するとステップS33に進み、送信されてきていないと判断するとステップS31に戻り処理を繰り返す。
【0051】
ステップS33では、既存のインデックスデータに新しいインデックスデータを追加する。ステップS34では、インデックスデータに引き続きBMLデータが送信されてきたかどうかを判断する。BMLデータが送信されてきたと判断するとステップS35に進み、送信されてきていないと判断するとステップS37に進む。
【0052】
ステップS35では、インデックスデータのリンク先として関連づけて、送信されてきたBMLデータをハードディスク42に保存する。すなわち、ハードディスク42は、インデックスデータの全データと対応する全BMLデータをお互いに対応付けて格納する。ステップS36では、ハードディスク42へのデータ保存に成功したかどうかを判断する。成功したと判断すると処理を終了し、成功していないと判断するとステップS37へ進む。
【0053】
(ナビゲーション装置の処理)
図10は、ナビゲーション装置3のディスプレイ35に表示されるメニュー画面の遷移を示す図である。ナビゲーション装置3の入力装置34のメニューボタンを押すと所定の初期メニュー画面101が表示される。初期メニュー画面101から「目的地設定」102を選択すると、種々の目的地設定方法のメニュー103が表示される。
【0054】
本実施の形態では、「外部データ取り込み」104が選択される。「外部データ取り込み」104が選択されると、種々の外部データ取り込み方法のメニュー104が表示される。メニューとしては、「外部メディアから取り込み」106、「携帯電話から取り込み」107、「ホームサーバに接続」108、「インターネットに接続」109の例が示されている。このうちの「携帯電話から取り込み」107、および、「ホームサーバに接続」108について、以下説明をする。
【0055】
図11は、ナビゲーション装置3における処理のフローチャートを示す図である。ナビ制御装置33が所定のプログラムを実行することにより処理される。図11の処理は、ユーザが、入力装置34を使用して図10の「携帯電話から取り込み」107を選択した場合に起動される。図11の処理は、携帯電話2に地上波デジタル放送で取得したデータが格納されている場合に、携帯電話2からそのデータを取り込む処理である。携帯電話2のデータ格納部22には、図6および図8で説明した処理によりデータが格納されている。
【0056】
ステップS41では、ナビ制御装置33は、携帯電話2にアクセスする。携帯電話2とナビゲーション装置3は、ナビ制御装置3の通信装置37と携帯電話2の外部機器通信部26と所定のケーブル(不図示)とを介して接続されている。ステップS42では、携帯電話2と所定のプロトコルでやり取りをし、携帯電話2にデータがあるか否かを判断する。携帯電話2にデータがない場合は処理を終了し、データがある場合はステップS43へ進む。
【0057】
ステップS43では、携帯電話2からデータを読み出してディスプレイ35に表示する。ステップS44では、ユーザに、表示したデータの中に必要なデータがあるか否かを判断させ、その結果を入力装置34を介して入力させる。ステップS44で、ユーザが必要なデータがあると判断するとステップS45に進み、必要なデータがないと判断するとステップS47に進む。
【0058】
ステップS45では、ユーザにそのデータを目的地設定に利用するか否かを判断させ、その結果を入力装置34を介して入力させる。ステップS45で、ユーザが利用すると判断するとステップS46に進み、利用しないと判断すると処理を終了する。
【0059】
ステップS46では、データを目的地設定などに利用する。ナビ制御装置33は、図7(b)のデータから、図7(d)のナビゲーション用のデータを生成する。図7(d)の例では、地図上の位置を示す緯度経度データおよび施設名が生成されている。緯度経度データは、図7(b)のデータの施設の住所、施設名、施設の電話番号などをキーにして、前述した検索データから取得することができる。ナビ制御装置33は、このようにして求めた緯度経度データを目的地の位置として設定し、道路地図データの経路探索用データを使用して経路探索を実行する。
【0060】
ステップS47では、ユーザにホームサーバ11を検索するか否かを判断させ、その結果を入力装置34を介して入力させる。ステップS47で、ユーザがホームサーバ11を検索すると判断すると図12のステップS51に進み、利用しないと判断すると処理を終了する。
【0061】
図12は、ナビゲーション装置3における処理のフローチャートを示す図である。ナビ制御装置33が所定のプログラムを実行することにより処理される。図12の処理は、ユーザが、入力装置34を使用して図10の「ホームサーバに接続」108を選択した場合に起動される。また、図11のステップS47において、ユーザがホームサーバ11を検索すると判断した場合に起動される。
【0062】
図12の処理は、携帯電話2に地上波デジタル放送で取得したデータが格納されていない場合に、携帯電話2からホームサーバ11へ電話をかけ、ホームサーバ11からデータを取り込む処理である。
【0063】
ステップS51では、ナビゲーション装置3から携帯電話2を利用してホームネットワーク1の固定電話13に電話をかけ、ホームサーバ11と接続する。固定電話13の電話番号は、ナビゲーション装置3に格納されており、ナビ制御装置33が携帯電話2にその電話番号に電話をかけるよう指示コマンドを送信する。
【0064】
ステップS52では、所定のプロトコルでやり取りをし、ホームサーバ11がインデックスデータを保有しているかどうかを判断する。インデックスデータを保有していると判断するとステップS53に進み、保有していないと判断するとステップS58に進む。ステップS58では、携帯電話2を介したホームサーバ11との接続を切断し処理を終了する。
【0065】
ステップS53では、ホームサーバ11からインデックスデータを取得し、ディスプレイ35に表示する。インデックスデータが複数ある場合は、全インデックスデータを取得し一覧(リスト)表示される。ステップS54では、ユーザにインデックスの一覧表示の中に必要なインデックス、すなわちTV受信機12で取得した必要なデータがあるか否かを判断させ、その結果を入力装置34を介して入力させる。ステップS54で、ユーザが必要なデータがあると判断するとそのインデックスを選択してステップS55に進み、必要なデータがないと判断するとステップS58に進む。
【0066】
ステップS55では、選択されたインデックスのインデックスデータをホームサーバ11へ送信し、ホームサーバ11からインデックスデータに対応する元データを取得し、ディスプレイ35に表示する。ステップS56では、ユーザにそのデータを利用するか否かを判断させ、その結果を入力装置34を介して入力させる。ステップS56で、ユーザがそのデータを利用すると判断するとステップS57に進み、利用しないと判断するとステップS58に進む。ステップS57では、ステップS46と同様に、データを目的地設定などに利用する。
【0067】
(携帯電話のナビゲーション装置に対する処理)
図13は、携帯電話2における処理のフローチャートを示す図である。図13の処理は、ナビゲーション装置3からデータの送信要求がきた場合の処理であり、JAVA(登録商標)などの言語でかかれたアプリケーションプログラムの1つである。制御部21が実行する。ここでの処理は、携帯電話2にTV受信機12で取得したデータが格納されていることを前提とするものである。
【0068】
ステップS61では、ナビゲーション装置3との接続状態を監視する。ナビゲーション装置3と携帯電話2とは、通信装置37と外部機器通信部26とを介して有線で接続されている。ステップS62では、ナビゲーション装置3からデータ送信要求がきたかどうかを判断する。データ送信要求があったと判断するとステップS63へ進み、データ送信要求がないと判断するとステップS61に戻り処理を繰り返す。
【0069】
ステップS63では、データ格納部22に格納されているデータ全体をナビゲーション装置3へ送信する。ステップS64では、データ通信が成功したかどうかを判断する。データ通信が成功したと判断すると処理を終了し、成功していないと判断するとステップS63に戻り処理を繰り返す。
【0070】
(ホームサーバのナビゲーション装置に対する処理)
図14は、ホームサーバ11における処理のフローチャートを示す図である。図11の処理は、ナビゲーション装置3からインデックスデータの送信要求があった場合の処理であり、CPU41が実行する。ユーザの選択により、本処理のプログラムが起動されている。
【0071】
ステップS71では、ホームネットワーク1の状態を監視する。ステップS72では、ナビゲーション装置3から携帯電話2を介してインデックスデータの送信要求が送信されてきたかどうかを判断する。インデックスデータの送信要求が送信されてきたと判断するとステップS73に進み、送信されてきていないと判断するとステップS71に戻り処理を繰り返す。
【0072】
ステップS73では、ハードディスク42に格納されているインデックスデータ全体を送信する。すなわち、複数のインデックスデータが格納されている場合はその複数のインデックスデータを送信する。ステップS74では、インデックスデータの元データである詳細データの送信要求がきたかどうかを判断する。詳細データの送信要求がきたと判断するとステップS75に進み、詳細データの送信要求がこなかったと判断すると処理を終了する。
【0073】
ステップS75では、送信要求されたインデックスデータに関連付けした詳細データを送信する。ステップS76では、ナビゲーション装置3からデータ保存に成功した旨のレスポンスを受け取ったか否かを判断する。データ保存に成功したレスポンスを受け取ったと判断すると処理を終了し、受け取っていないと判断するとステップS75に戻り処理を繰り返す。
【0074】
以上説明した本実施の形態のナビゲーションシステムは、次のようなすぐれた効果を奏する。
(1)TV受信機12では、データ放送を視聴中にユーザがデータ保存を選択した場合、選択したデータをいったんTV受信機12のメモリ58へ保存し、その後携帯電話2へ転送する。ナビゲーション装置3は、携帯電話2に格納されたデータ放送のデータを取得し、経路探索などの目的地設定に利用する。これにより、データ放送のデータを携帯電話2を介してナビゲーション装置3への受け渡しが可能となる。その結果、取り扱いに不便なメモリカードを利用する必要がなく、データを保存するたびにインターネットに接続しなければいけないという煩わしい操作も不要となる。すなわち、デジタルテレビ放送から取得した施設や地理的位置に関するデータを、携帯電話を介して容易にナビゲーション装置に提供することができる。
【0075】
(2)テレビのデータ放送のデータをナビゲーション処理に利用するので、テレビ放送を見ていて行きたいと思ったところに、手軽に簡単に、車両に搭載したナビゲーション装置3を利用して旅行(ドライブ)することができる。すなわち、テレビを見ていて、メモを取ったり、ナビゲーション装置3でそのメモを見て入力装置34によって入力するという煩わしい操作が不要となる。
【0076】
(3)データ放送のデータを携帯電話2へ格納できない場合には、ホームサーバ11に格納するようにした。これにより、携帯電話2が使用可能になったときに、いつでも過去に保存したデータを利用できる。また、データの数や容量も制限なく格納できる。
【0077】
(4)インデックスを利用するようにしたので、複数あるデータを容易に一覧することができる。この場合、インデックスデータのやりとりで所望の元データの決定までを行うので、通信コストやメモリ容量が低減できる。
【0078】
(5)携帯電話2へのデータ転送ができなかった場合に、データ通信予約リストを生成するので、後に確実に携帯電話2へデータを送信することができる。
【0079】
(6)TV受信機12は、自己のメモリ58内あるいはホームネットワーク1上のホームサーバ11へデータ放送のデータを格納するので、容易かつ迅速にデータを格納することができる。また、インターネット上に格納装置を設ける必要もなく、データ保存のたびにインターネットに接続する必要もない。TV受信機12にとってホームネットワーク1上のホームサーバ11は同一建物内にあるデータ格納装置といえる。
【0080】
(1)上記の実施の形態では、TV受信機12のメモリ58内において、データ数が規定値以上の場合に、ホームサーバ11にデータを送信する例を説明した。また、携帯電話2と通信が不可能な場合にホームサーバ11にデータを送信する例を説明した。しかし、必ずしもこれらの内容に限定する必要はない。TV受信機12で取得したデータを、常にホームサーバ11に送信するようにしてもよい。このとき、インデックスデータも作成して送信する。ホームサーバ11では、このようにして受信したデータは、ハードディスク42に格納する。
【0081】
(2)上記の実施の形態では、携帯電話2はTV受信機12のメモリ58に格納されているデータを取得する例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。上記のように、ホームサーバ11に常にデータを送信する場合は、携帯電話2はホームサーバ11のハードディスク42からデータを取得するようにしてもよい。
【0082】
(3)上記の実施の形態では、ホームサーバ11とTV受信機12はホームネットワーク1を介して接続する例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。ホームサーバ11とTV受信機12を、直接の専用ラインで接続するようにしてもよい。
【0083】
(4)上記の実施の形態では、インデックスの一覧をナビゲーション装置3において表示する例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。インデックスの一覧を携帯電話2の表示部23に表示するようにしてもよい。この場合、ユーザは、携帯電話2の入力部24を使用して、一覧表示から所望のインデックス選択する。所望のインデックスが選択されると、携帯電話2はプログラムにより固定電話13に電話をし、選択されたインデックスデータをホームサーバ11へ送信する。その後、携帯電話2は、ホームサーバ11から送信されてくる対応するTV受信機12で取得したデータを受信する。そして、そのデータをナビゲーション装置3へ送信するようにすればよい。
【0084】
(5)上記の実施の形態では、インデックスの一覧を「ホームサーバに接続」メニューを選択することにより取得する例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。一発ボタン(スイッチ)でインデックスの一覧を取得するようにしてもよい。この一発ボタンは、ナビゲーション装置3の入力装置34の所定のボタンを割り当てればよい。このようなボタンを設けることにより、どのようなデータを取得したか忘れたような場合に、ユーザはとにかくこのボタンを操作すればよい。これにより、簡単にインデックスの一覧を取得することができるようになる。これは、携帯電話2でインデックスの一覧を表示する場合も同じである。携帯電話2の所定のキーを一発ボタンに割り当てればよい。
【0085】
(6)上記の実施の形態では、携帯電話2と通信が不可能な場合等にインデックスデータを作成してホームサーバ11にデータを送信する例を説明した。しかし、必ずしもこれらの内容に限定する必要はない。上述したように、常に、インデックスデータを生成し、元データと生成したインデックスデータをホームサーバ11に送信し、そして、インデックスデータのみを携帯電話2へ送信するようにしてもよい。これにより、最初はインデックスデータのみのやり取りで済み、その後選択されたインデックスに対応する1つの元データのみを送信するようにすればよい。その結果、通信コストが低減でき、携帯電話2やナビゲーション装置3のメモリ容量を削減することができる。また、TV受信機12からその都度データをホームサーバ11へ送信するようにすれば、TV受信機12のメモリ容量も削減できる。
【0086】
(7)上記の実施の形態では、携帯電話2は赤外線通信部27を有し、赤外線通信を行う例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。Bluetooth(登録商標)などの、近距離無線通信であってもよい。
【0087】
(8)上記の実施の形態では、データ放送のデータ書式はBML書式の例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。Html書式や他の書式であってもよい。
【0088】
(9)上記の実施の形態では、地上波デジタル放送の例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。BSデジタル放送であってもよい。また、他の規格によるデジタル放送であってもよい。すなわち、上述したデータ放送のような放送がなされる放送であればどのようなものでもよい。
【0089】
(10)上記の実施の形態では、携帯電話2はTV受信機12との間で赤外線通信を行う例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。携帯電話2は、ホームネットワーク1を介して、他の装置の赤外線通信部と通信するようにしてもよい。また、ホームサーバ11に格納されたデータを、ホームサーバ11の赤外線通信装置46や他の装置の赤外線通信部を介して取得するようにしてもよい。このようにすれば、通信コストがかからず、いつでもどこでもデータを取得することができる。携帯電話2をTV受信機12のある部屋においておく必要もない。
【0090】
(11)上記の実施の形態では、TV受信機12においてデータ保存が選択されることがトリガになって携帯電話2へデータの送信を行う例を説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。携帯電話2から送信要求を出してデータを受け取るようにしてもよい。例えば、データ放送のデータがTV受信機12かホームサーバ11に格納されているとする。携帯電話2において所定のデータ要求ボタンを押すと、携帯電話2がTV受信機12かホームサーバ11と赤外線通信を開始し、所定のプロトコルで携帯電話2へデータをダウンロードする。これにより、常に携帯電話2の電源をオンしておいたり、通信が可能な場所においておく必要がなくなる。
【0091】
(12)上記の場合も、ホームネットワーク1に接続される他の装置からもアクセスできるようにしておけば、いつでもどこでも携帯電話2へデータをダウンロードすることができる。例えば、外出時にデータを携帯電話2へ取り込んでいないことを思い出したとき、わざわざ部屋にまで戻る必要がなく、例えばインターホン14を介してデータを取得することができる。この場合、インターホン14の前で、携帯電話2のデータ要求ボタンを押せばよい。
【0092】
(13)上記の実施の形態では、ナビゲーション装置3や携帯電話2やホームサーバ11やTV受信機12などが実行するプログラムは、すでに各装置に格納されている例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。それらのプログラムを、CD−ROMやメモリカードやメモリスティックなどの種々の記録媒体で提供してもよい。また、それらのプログラムをインターネットなどに代表される通信回線などの伝送媒体を介して提供することも可能である。
【0093】
(14)ナビゲーション装置3の場合、パーソナルコンピュータ上で所定のプログラムを実行させてナビゲーション装置を実現するようにしてもよい。
【0094】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0095】
以下、請求項の主な構成要素と上記実施の形態の構成要素との対応付けについて説明する。本発明のテレビ放送受信手段はTV受信機12に対応し、データ格納手段はTV受信機12のメモリ58あるいはホームサーバ11ハードディスク42に対応し、携帯電話は携帯電話2に対応し、ナビゲーション装置はナビゲーション装置3に対応し、第1の通信手段は携帯電話2の基地局通信部25に対応し、第2の通信手段は携帯電話2の外部機器通信部26に対応し、携帯電話内データ格納手段は携帯電話2のデータ格納部22に対応し、ローカルなネットワーク手段はホームネットワーク1に対応し、他の電子装置手段はインターホン14あるいは家庭内電子装置15に対応し、第3の通信手段はホームサーバ11の赤外線通信装置46あるいはTV受信機12の赤外線通信装置56に対応する。なお、この対応付けの説明はあくまで一例であり、本発明はこの対応付けに限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本実施の形態のナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図2】本実施の形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】本実施の形態の携帯電話の構成を示す図である。
【図4】ホームネットワークのホームサーバの構成を示す図である。
【図5】ホームネットワークのTV受信機の構成を示す図である。
【図6】TV受信機における処理のフローチャートを示す図である。
【図7】番組連動型データ放送の放送画面およびデータを説明する図である。
【図8】携帯電話における処理のフローチャートを示す図である。
【図9】ホームサーバにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図10】ナビゲーション装置のディスプレイに表示されるメニュー画面の遷移を示す図である。
【図11】ナビゲーション装置における処理のフローチャートを示す図である。
【図12】ナビゲーション装置における処理のフローチャートを示す図である。
【図13】携帯電話2における処理のフローチャートを示す図である。
【図14】ホームサーバにおける処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1 ホームネットワーク
2 携帯電話
3 ナビゲーション装置
11 ホームサーバ
12 TV受信機
13 固定電話
14 インターホン
15 各種家庭内電子装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションシステムであって、
デジタルによるテレビ放送を受信するテレビ放送受信手段と、
前記テレビ放送受信手段により受信したテレビ放送から取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを格納するデータ格納手段と、
携帯電話網と接続してデータ通信を行う第1の通信手段と、外部機器と接続してデータ通信を行う第2の通信手段とを有する携帯電話と、
地図データに基づきナビゲーションの処理を行うナビゲーション装置とを備え、
前記携帯電話は、前記データ格納手段から前記施設あるいは地理的位置に関するデータを取得して格納する携帯電話内データ格納手段を有し、
前記ナビゲーション装置は、前記携帯電話の第2の通信手段を通じて前記携帯電話内データ格納手段から前記施設あるいは地理的位置に関するデータを取得し、前記取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを前記ナビゲーションの処理に使用することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯電話は、前記第2の通信手段を通じて、前記データ格納手段から前記施設あるいは地理的位置に関するデータを取得することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記テレビ放送受信手段と前記データ格納手段は、ローカルなネットワーク手段で接続され、
前記ローカルなネットワーク手段に接続する他の電子装置手段をさらに備え、
前記テレビ放送受信手段と前記データ格納手段と前記他の電子装置手段のうち、少なくとも複数の手段は、前記携帯電話の前記第2の通信手段と接続する第3の通信手段を有し、
前記携帯電話は、前記第2の通信手段および前記いずれかの第3の通信手段を通じて、前記データ格納手段から前記施設あるいは地理的位置に関するデータを取得することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
ナビゲーションシステムであって、
デジタルによるテレビ放送を受信するテレビ放送受信手段と、
前記テレビ放送受信手段により受信したテレビ放送から取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを格納するデータ格納手段と、
携帯電話網と接続してデータ通信を行う第1の通信手段と、外部機器と接続してデータ通信を行う第2の通信手段とを有する携帯電話と、
地図データに基づきナビゲーションの処理を行うナビゲーション装置とを備え、
前記テレビ放送受信手段と前記データ格納手段は、専用接続手段あるいはローカルなネットワーク手段で接続され、
前記ナビゲーション装置は、前記携帯電話の第2の通信手段から第1の通信手段を通じて前記データ格納手段と接続し、前記接続したデータ格納手段から前記施設あるいは地理的位置に関するデータを取得し、前記取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを前記ナビゲーションの処理に使用することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、前記施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを使用して、前記データ格納手段から前記施設あるいは地理的位置に関するデータを取得することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
前記施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスの一覧を表示するインデックス一覧表示手段と、
前記インデックスの一覧の中から所望の施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを選択するインデックス選択手段と、
前記選択されたインデックスに関する情報を前記データ格納手段へ送信する送信するインデックス送信手段とを有し、
前記データ格納手段は、前記施設あるいは地理的位置に関するデータを、それぞれのインデックスに関連付けて格納し、前記ナビゲーション装置から送信されてきたインデックスに対応する前記施設あるいは地理的位置に関するデータを前記ナビゲーション装置へ送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置の前記インデックス一覧表示手段は、前記データ格納手段から前記インデックスの一覧に関する情報を取得して表示し、
前記ナビゲーション装置は、最新の前記インデックス一覧に関する情報を取得するために操作される一覧取得操作手段をさらに有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯電話は、前記施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを使用して、前記データ格納手段から前記施設あるいは地理的位置に関するデータを取得し、前記ナビゲーション装置へ送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項9】
請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯電話は、
前記施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスの一覧を表示するインデックス一覧表示手段と、
前記インデックスの一覧の中から所望の施設あるいは地理的位置に関するデータのインデックスを選択するインデックス選択手段と、
前記選択されたインデックスに関する情報を前記データ格納手段へ送信する送信するインデックス送信手段とを有し、
前記データ格納手段は、前記施設あるいは地理的位置に関するデータを、それぞれのインデックスに関連付けて格納し、前記携帯電話から送信されてきたインデックスに対応する前記施設あるいは地理的位置に関するデータを前記携帯電話へ送信し、
前記携帯電話は、前記送信されてきた施設あるいは地理的位置に関するデータを前記ナビゲーション装置へ送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯電話の前記インデックス一覧表示手段は、前記データ格納手段から前記インデックスの一覧に関する情報を取得して表示し、
前記携帯電話は、最新の前記インデックス一覧に関する情報を取得するために操作される一覧取得操作手段をさらに有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、前記取得した施設あるいは地理的位置に関するデータを経路探索の目的地の設定に利用することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載のナビゲーションシステムを構成する携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−153731(P2006−153731A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−346704(P2004−346704)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】