説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、地図データ更新方法

【課題】地図データを更新する際に、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータとを区別し、経年変化しやすいデータのみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを小さくでき、地図データの更新処理を短縮化することができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、地図データ更新方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ナビゲーションサーバ側で、経年変化情報に基づいて、構成データをナビゲーションサーバ側の記憶部から抽出し、抽出された構成データをナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置側で、ナビゲーションサーバから送信される構成データを受信し、受信された構成データに対応するナビゲーション装置側の記憶部に記憶された構成データを破棄し、受信された構成データをナビゲーション装置側の記憶部に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、地図データ更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データの種別に応じて更新処理を行う技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の地図データ処理システムにおいては、車載端末装置に記憶された、使用目的に応じて描画用、マップマッチング用、地名検索用、店舗等のランドマーク情報用、道路名等の名称データ用等の異なるデータ形式をとる地図データを、それぞれのデータの特徴に従って最新の差分データまたは全データを用いて更新することで、通信負荷の軽減や記憶領域の節約を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3500928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の地図データ処理システムにおいては、情報センタにおいて特定の地図データから差分データを抽出して、当該差分データと当該地図データ以外の全データとからなる送信用データを再構築して送信し、車載端末装置において地図データを描画する際に複雑な復元処理を行うため、とりわけ車載端末装置において処理時間を必要とするという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、地図データを更新する際に、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータとを区別し、経年変化しやすいデータのみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを小さくでき、地図データの更新処理を短縮化することができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、地図データ更新方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出手段と、上記抽出手段により抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信手段と、を備え、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、上記構成データにより構成される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信手段と、上記構成データ受信手段により受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信手段により受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記構成データは、上記地図上に表示される地物の形状についての形状データ、上記地図上に表示される注記の注記データ、または、上記地図上に表示される記号の記号データであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経年変化情報は、経年変化する周期を示す経年変化周期情報であり、上記抽出手段は、上記経年変化周期情報に基づいて、上記経年変化周期情報で示された上記周期にて上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のナビゲーション装置は、ナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、上記記憶部は、構成データにより構成される地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信手段と、上記構成データ受信手段により受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信手段により受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のナビゲーションサーバは、ナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、上記記憶部は、地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出手段と、上記抽出手段により抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の地図データ更新方法は、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行される地図データ更新方法であって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、上記構成データにより構成される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出ステップと、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記抽出ステップにて抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の地図データ更新方法は、ナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行される地図データ更新方法であって、上記記憶部は、構成データにより構成される地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信ステップと、上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の地図データ更新方法は、ナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行される地図データ更新方法であって、上記記憶部は、地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出ステップと、上記抽出ステップにて抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
また、本発明によれば、本発明のナビゲーションシステムは、ナビゲーションサーバにおいて、地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶部に記憶し、経年変化情報に基づいて、構成データを記憶部から抽出し、抽出された構成データをナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置において、構成データにより構成される地図データを記憶部に記憶し、ナビゲーションサーバから送信される構成データを受信し、受信された構成データに対応する記憶部に記憶された構成データを破棄し、受信された構成データを記憶部に格納することができる。これにより、本発明は、地図データを更新する際に、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータとを区別し、経年変化しやすいデータのみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを小さくでき、地図データの更新処理を短縮化することができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、構成データは、地図上に表示される地物の形状についての形状データ、地図上に表示される注記の注記データ、または、地図上に表示される記号の記号データであるので、構成データに含まれる形状データ、注記データ、または、記号データごとに、経年変化しにくいデータ(例えば、形状データの場合、海岸線、湖、等高線、公園等)と、経年変化しやすいデータ(例えば、形状データの場合、道路等)と、を適切かつ明確に区別することができるという効果を奏する。これにより、本発明は、地図データを更新する際に、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータとをより適切かつ明確に区別し、経年変化しやすいデータのみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを更に小さくでき、地図データの更新処理を更に短縮化することができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、経年変化情報は、経年変化する周期を示す経年変化周期情報であり、抽出において、経年変化周期情報に基づいて、経年変化周期情報で示された周期にて構成データを記憶部から抽出するので、経年変化のしやすさの度合いを適切な周期(例えば、ガソリンスタンドは1ヶ月周期、道路は3ヶ月周期等)で明確に区別することができるという効果を奏する。これにより、本発明は、地図データを更新する際に、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータとをより適切かつ明確に区別し、経年変化しやすいデータのみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを更に小さくでき、地図データの更新処理を更に短縮化することができるという効果を奏する。
【0018】
なお、上記において、本発明のナビゲーションシステムを一例に効果の説明をしたが、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、地図データ更新方法においても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、経年変化情報に対応付けて記憶された構成データの一例を示す図である。
【図4】図4は、経年変化情報に対応付けて記憶された構成データの一例を示す図である。
【図5】図5は、経年変化情報に対応付けて記憶された構成データの別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明にかかるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、地図データ更新方法並びにプログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
本発明の実施形態について、図1から図5を参照して以下に説明する。
【0022】
[ナビゲーションシステムの構成]
まず、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例について、図1を参照して以下に説明する。ここで、図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0023】
図1に示すように、本実施形態のナビゲーションシステムは、概略的に、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ200、および、位置取得部112と出力部(表示部114および音声出力部118)と入力部116と制御部102と記憶部106とを少なくとも備えたナビゲーション装置100、を通信可能に接続して構成される。通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これらナビゲーションシステムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
[ナビゲーションサーバ200の構成]
ここで、図1において、ナビゲーションサーバ200は、地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶部206に記憶し、経年変化情報に基づいて、構成データを記憶部206から抽出し、抽出された構成データをナビゲーション装置100に送信する等の機能を有する。ナビゲーションサーバ200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、ナビゲーション装置100と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備えて構成される。制御部202は、各種処理を行う制御手段であり、地図データ送信等を行う。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーションサーバ200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、ナビゲーション装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
【0025】
記憶部206は、HD(Hard Disk)やSSD(Solid State Drive)等の固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(サーバ側地図データベース206a、制御部202により経路探索等が行われる場合に用いられる道路ネットワークデータや経路探索情報、または、経路案内に用いられる案内データ等を格納したデータベース等)を格納する。
【0026】
なお、記憶部206に記憶される道路ネットワークデータは、道路網を規定するネットワークデータであり、例えば、交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間の道路区間であるリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。また、ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号、接続する道路の種別、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、および、名称等を含んでいてもよい。これら道路ネットワークデータは、記憶部206に予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、地図データを提供する地図提供サーバなど)等からダウンロードして道路ネットワークデータをアップデートしてもよい。
【0027】
また、記憶部206に記憶される経路探索情報は、制御部202が、案内経路を作成する際に用いる、例えば、交通規制データと交通機関の時刻表データと利用料金データとを含む情報である。ここで、経路探索情報に含まれる交通規制データは、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、道路の損壊や道路工事等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含んでもよい。また、経路探索情報に含まれる時刻表データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関の時刻表を表す情報等であってもよい。また、経路探索情報に含まれる利用料金データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用料金や、自動車、オートバイ等で移動する場合に消費する燃料料金等を表す情報等であり、制御部202が交通費を計算する際に用いてもよい。また、経路探索情報は、自動車、オートバイ、自転車、徒歩等で移動する場合の経路作成に用いる地図上に存在する施設等の緯度経度情報などの位置情報等であってもよい。これら交通規制データ、時刻表データ、および、利用料金データは、記憶部206に予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータを外部機器等からダウンロードして記憶部206に記憶された経路探索情報をアップデートしてもよい。
【0028】
また、記憶部206に記憶される案内データは、案内経路上において出力される音声案内データや表示案内データ等である。ここで、案内データは、例えば、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられた「次の交差点を左に曲がります」や、現在位置が目的地に近づいた場合に対応付けられた「まもなく目的地周辺です」等の音声案内データであってもよく、この音声案内データは、後述のようにナビゲーション装置100の制御部102が音声案内を実行する際に用いられる。また、案内データは、例えば、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられたターンバイターン(TBT)や、現在位置が選択施設に近づいた旨の案内等の表示案内データであってもよく、この表示案内データは、後述のようにナビゲーション装置100の制御部102が表示案内を実行する際に用いられる。ここで、TBTとは、右左折等の誘導を画面に表示する矢印ナビゲーションである。
【0029】
これら記憶部206の各構成要素のうち、サーバ側地図データベース206aは、地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段である。
【0030】
ここで、サーバ側地図データベース206aに記憶される地図データは、例えば、縮尺に従ってメッシュ化された地図データ(例えば、JIS規格の第1〜3次地域区画メッシュデータ、100mメッシュデータ等)等の屋外地図データであってもよい。ここで、サーバ側地図データベース206aに記憶されるメッシュ化された地図データは、隣接するメッシュ同士の一部が互いに重なり合う領域を持つメッシュデータであってもよい。また、サーバ側地図データベース206aは、全国および各地方の道路地図や路線図等の屋外地図データを記憶してもよい。また、サーバ側地図データベース206aは、例えば、高さ情報を持つ建築物(例えば、立体駐車場等)や地下構造物(例えば、地下駐車場等)に関するフロア案内地図等の屋内地図データをさらに記憶してもよい。また、サーバ側地図データベース206aに記憶される地図データは、ラスタ形式、ベクタ形式等の地図描画用の画像データであってもよい。これら屋外地図データや屋内地図データは、サーバ側地図データベース206aに予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータを外部機器等からダウンロードしてサーバ側地図データベース206aに記憶された屋外地図データおよび屋内地図データをアップデートしてもよい。
【0031】
また、サーバ側地図データベース206aに記憶される地図データを構成する構成データは、地図上に表示される地物(例えば、ビルや住宅や駅等の建物、道路、線路、橋、トンネル、等高線、海岸線や湖岸線等の水涯線、海、河川、湖、池、沼、公園や屋外施設等の場地、行政界、行政区域、街区等)の形状についての形状データ、地図上に表示される注記(例えば、地名、住所、電話番号、店や公園や駅等の施設名称、名所や旧跡や河川や湖や湾や山や森林等の俗称を含む名称、道路や橋やトンネル等の名称、路線名称、地点情報、口コミ情報等)の注記データ、および、地図上に表示される記号(例えば、山や史跡や寺社や学校や病院や工場や墓地等の地図記号、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアやスーパーマーケットやレストランや銀行や郵便局等の店舗記号、道路上の信号や有料道路の出入口や料金所やサービスエリアやパーキングエリアやインターチェンジ等の記号、駐車場や駅やホテルや美術館や博物館等の施設記号、口コミ地点記号等)の記号データ等のデータであってもよい。
【0032】
また、サーバ側地図データベース206aに記憶される予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報は、例えば、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータの2値で表す2値情報や、経年変化のしやすさを3つ以上の段階で表す段階情報や、経年変化する周期を示す経年変化周期情報(例えば、1ヶ月周期、3ヶ月周期、6ヶ月周期、1年周期、3年周期、5年周期、10年周期、30年周期、50年周期等)等であってもよい。また、上述した地図データを構成する構成データ(例えば、形状データ、注記データ、記号データ等)は、経年変化情報に基づいて、区別されてサーバ側地図データベース206aに記憶されてもよい。一例として、経年変化情報を2値情報とした場合には、形状データの場合、経年変化しにくいデータ(例えば、海岸線、湖、等高線、公園等の形状)と、経年変化しやすいデータ(例えば、道路等の形状)とに区別して記憶される。また、注記データの場合、経年変化しにくいデータ(例えば、山、湖、河川、公園の名称等)と、経年変化しやすいデータ(例えば、目標建物等の名称)とに区別して記憶される。また、記号データの場合は、経年変化しにくいデータ(例えば、山、公園等の名称)と、経年変化しやすいデータ(例えば、ガソリンスタンド、企業等を示すマーク)とに区別して記憶される。
【0033】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、抽出部202a、構成データ送信部202b、および、経路探索部202cを備えて構成される。
【0034】
このうち、抽出部202aは、経年変化情報に基づいて、構成データをサーバ側地図データベース206aから抽出する抽出手段である。ここで、構成データは、地図上に表示される地物の形状についての形状データ、地図上に表示される注記の注記データ、または、地図上に表示される記号の記号データであってもよい。また、経年変化情報が経年変化する周期を示す経年変化周期情報である場合に、抽出部202aは、経年変化周期情報に基づいて、経年変化周期情報で示された周期にて構成データをサーバ側地図データベース206aから抽出してもよい。具体的には、抽出部202aは、例えば、6ヶ月周期の経年変化周期情報を有する構造データを、6ヶ月周期で抽出するように、スケジューリングされて起動されてもよい。
【0035】
また、構成データ送信部202bは、抽出部202aにより抽出された構成データをナビゲーション装置100に送信する構成データ送信手段である。
【0036】
また、経路探索部202cは、ナビゲーション装置100から受信した少なくとも目的地を含む経路探索条件を満たす案内経路を、記憶部206に記憶された道路ネットワークデータを用いて探索し、案内経路データを生成し、ナビゲーション装置100へ送信する経路探索手段である。ここで、経路探索部202cは、更に、少なくとも目的地を含む経路探索条件を満たす案内経路を記憶部206に記憶された経路探索情報を用いて探索してもよい。また、経路探索部202cは、出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を探索してもよい。また、経路探索部202cは、少なくとも目的地を含む経路探索条件を満たす、ナビゲーション装置100から受信した現在位置情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置から目的地までの案内経路を探索してもよい。また、経路探索条件に経由地が更に含まれている場合、経路探索部202cは、経由地を経由した案内経路を探索してもよい。
【0037】
[ナビゲーション装置100の構成]
また、図1において、ナビゲーション装置100は、ナビゲーションサーバ200から送信される構成データを受信し、受信された構成データに対応する記憶部106に記憶された構成データを破棄し、受信された構成データを記憶部106に格納する等の機能を有する。ナビゲーション装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、携帯電話やPHSやPDA等の携帯ナビゲーション装置等である。本実施形態において、ナビゲーション装置100は、カーナビゲーションを行う車載の情報処理端末であってもよい。ここで、ナビゲーション装置100は、例えば、車両から電力の供給を受けられ、ダッシュボード等の車両本体にアタッチメント等で着脱可能に固定され、装置本体(ローカル)に大容量ストレージを持たず、車両から信号(例えば、車速パルス、燃料消費等)を取得することもでき、通信モジュールを内蔵しており、通信圏内でナビゲーションサーバ200等とネットワーク300を介して通信可能であり、地図データ等のデータをナビゲーションサーバ200からダウンロードして更新することも可能な装置であってもよい。また、ナビゲーション装置100は、リアルタイムに現在位置取得が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置取得部112を備えている。また、ナビゲーション装置100は、少なくとも表示部114と音声出力部118とを含む出力部を備えている。ここで、表示部114は、ナビゲーションサーバ200から受信した地図データ等を表示する表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)である。また、音声出力部118は、音声案内データ等を出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)である。また、ナビゲーション装置100は、経路探索条件の入力等を行う入力部116(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)を備えている。また、入出力制御インターフェース部108は、位置取得部112、表示部114、入力部116、および、音声出力部118等の制御を行う。
【0038】
ここで、位置取得部112は、例えば、位置発信装置500から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。ここで、位置発信装置500は、位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置であってもよく、また、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置であってもよい。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置500は、屋外で受信したGPS信号を屋内で発信するGPSリピータであってもよい。また、位置発信装置500は、建物(例えば、立体駐車場等)内の各フロアや地下構造物(例えば、トンネル、地下駐車場等)の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、ナビゲーション装置100が通信可能範囲に入ると、ナビゲーション装置100は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置500は、無線LANのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。また、位置取得部112は、無線LAN信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。
【0039】
また、位置取得部112は、例えば、方位センサにて検出したナビゲーション装置100の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいてナビゲーション装置100の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、ナビゲーション装置100の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよびナビゲーション装置100の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。また、距離センサは、ナビゲーション装置100が車載の情報処理端末である場合、車軸の回転数に比例してパルス信号を発生させ、パルス信号の数量に比例した移動距離を検出してもよい。また、位置取得部112は、ナビゲーション装置100が車載の情報処理端末である場合、各車両に搭載された通信装置の車車間通信から自車位置を示す位置情報を取得してもよい。
【0040】
また、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーション装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、ナビゲーションサーバ200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。また、ネットワーク300は、ナビゲーション装置100と外部機器(例えば、ナビゲーションサーバ200や外部の地図提供サーバなど)とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網、一般電話回線網を含む。)、イントラネット、電力線通信(PLC)等であってもよい。
【0041】
また、記憶部106は、HDやSSD等の固定ディスク装置等の大容量のストレージ手段、および/または、SRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等のストレージ手段を備えていてもよく、各種のデータベースやファイルやテーブル(地図データファイル106a、制御部102により経路探索等が行われる場合に用いられる道路ネットワークデータや経路探索情報、または、経路案内に用いられる案内データ等を格納したデータベース等)を格納してもよい。ここで、記憶部106は、各種のファイル等を一時的に記憶するものであってもよい。
【0042】
このうち、地図データファイル106aは、構成データにより構成される地図データを記憶する地図データ記憶手段である。また、地図データファイル106aに記憶された地図データは、後述する制御部102が、受信された構成データに対応する地図データファイル106aに記憶された構成データを破棄し、受信された構成データを地図データファイル106aに格納することにより、更新される。
【0043】
また、制御部102は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、構成データ受信部102a、構成データ格納部102b、および、経路案内部102cを備えて構成される。
【0044】
このうち、構成データ受信部102aは、ナビゲーションサーバ200から送信される構成データを受信する構成データ受信手段である。
【0045】
また、構成データ格納部102bは、構成データ受信部102aにより受信された構成データに対応する地図データファイル106aに記憶された構成データを破棄し、構成データ受信部102aにより受信された構成データを地図データファイル106aに格納する構成データ格納手段である。
【0046】
また、経路案内部102cは、少なくとも構成データ格納部102bにより格納された構成データにより構成される地図データと案内経路データとに基づく経路案内情報を出力部を介して出力させることにより、経路案内を実行する経路案内手段である。ここで、経路案内部102cは、構成データ格納部102bにより格納された構成データにより構成される地図データと案内経路データと制御部102により取得されたナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報とに基づく経路案内情報を出力部を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよい。ここで、経路案内部102cは、案内経路データに、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳した表示画面を表示部114に出力させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部102cは、構成データ格納部102bにより格納された構成データにより構成される地図データ上に、案内経路データ、および/または、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳した表示画面を表示部114に出力させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部102cは、案内データを出力部を介して出力させてもよい。具体的に、経路案内部102cは、案内データに含まれる案内経路上の分岐点等の案内地点における進行方向に対応付けられた音声案内データを、音声出力部118を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよく、案内データに含まれるTBT等の表示案内データの表示画面を表示部114に出力させることにより、経路案内を実行してもよい。
【0047】
以上で、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例の説明を終える。
【0048】
[ナビゲーションシステムの処理]
次に、このように構成された本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例について、以下に図2から図5を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
図2に示すように、まず、ナビゲーションサーバ200の抽出部202aは、経年変化情報に基づいて、構成データをサーバ側地図データベース206aから抽出する(ステップSA−1)。ここで、構成データは、地図上に表示される地物の形状についての形状データ、地図上に表示される注記の注記データ、または、地図上に表示される記号の記号データであってもよい。また、経年変化情報は、経年変化する周期を示す経年変化周期情報である場合に、抽出部202aは、経年変化周期情報に基づいて、経年変化周期情報で示された周期にて構成データをサーバ側地図データベース206aから抽出してもよい。具体的には、抽出部202aは、例えば、6ヶ月周期の経年変化周期情報を有する構造データを、6ヶ月周期で抽出するように、スケジューリングされて起動されてもよい。
【0050】
ここで、図3および図4を参照し、経年変化情報に対応付けて記憶された構成データの一例について説明する。
【0051】
ここで、経年変化情報を、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータの2値で表す2値情報とした場合には、サーバ側地図データベース206aに記憶された、地図データを構成する構成データ(例えば、形状データ、注記データ、記号データ等)は、経年変化情報に基づいて、経年変化しやすいデータと、経年変化しにくいデータと、の2つに区別されて記憶される。
【0052】
具体的には、図4に示すように、形状データの一例として、例えば、「公園」の形状(図3中のMA−1)は、経年変化しにくい形状データとして記憶され、例えば、「道路」の形状(図3中のMB−1)は、経年変化しやすい形状データとして記憶される。また、図4に示すように、注記データの一例として、例えば、寺の名称である「○○寺」(図3中のMA−2)は、経年変化しにくい注記データとして記憶され、例えば、店舗の名称である「○○家」(図3中のMB−2)は、経年変化しやすい注記データとして記憶される。また、図4に示すように、記号データの一例として、例えば、幼稚園を表す記号(図3中のMA−3)は、経年変化しにくい記号データとして記憶され、例えば、コンビニエンスストアを示す記号(図3中のMB−3)は、経年変化しやすい記号データとして記憶される。これにより、本発明は、後述のステップSA−4の処理において、地図データを更新する際に、経年変化しやすいデータ(図3中のMB−1〜3)と経年変化しにくいデータ(図3中のMA−1〜3)とを区別し、経年変化しやすいデータ(図3中のMB−1〜3)のみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを小さくでき、地図データの更新処理を短縮化することができる。
【0053】
なお、経年変化情報を、経年変化のしやすさを3つ以上の段階で表す段階情報とした場合には、サーバ側地図データベース206aは、経年変化のしやすさについて3つ以上の段階に分けて区別して記憶してもよい。
【0054】
また、図5を参照し、経年変化情報に対応付けて記憶された構成データの別の一例について説明する。
【0055】
ここで、経年変化情報を、経年変化する周期を示す経年変化周期情報とした場合には、サーバ側地図データベース206aに記憶された、地図データを構成する構成データ(例えば、形状データ、注記データ、記号データ等)は、経年変化周期情報に基づいて、経年変化する周期毎に区別されて記憶される。
【0056】
具体的には、図5に示すように、形状データの一例として、例えば、「公園」の形状(図3中のMA−1)は、経年変化周期情報が例えば1年周期として記憶され、例えば、「道路」の形状(図3中のMB−1)は、経年変化周期情報が例えば3ヶ月周期として記憶される。また、図5に示すように、注記データの一例として、例えば、寺の名称である「○○寺」(図3中のMA−2)は、経年変化周期情報が例えば5年周期として記憶され、例えば、店舗の名称である「○○家」(図3中のMB−2)は、例えば経年変化周期情報が6ヶ月周期として記憶される。また、図5に示すように、記号データの一例として、例えば、幼稚園を表す記号(図3中のMA−3)は、経年変化周期情報が例えば3年周期として記憶され、例えば、コンビニエンスストアを示す記号(図3中のMB−3)は、経年変化周期情報が例えば3ヶ月周期として記憶される。これにより、本発明は、後述のステップSA−4の処理において、地図データを更新する際に、経年変化する周期毎にその対応する構造データのみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを小さくでき、地図データの更新処理を短縮化することができる。
【0057】
図2に戻り、ナビゲーションサーバ200の構成データ送信部202bは、抽出部202aにより抽出された構成データ(例えば、図3中のMB−1〜3)をナビゲーション装置100に送信する(ステップSA−2)。
【0058】
ここで、ナビゲーションサーバ200の経路探索部202cは、ナビゲーション装置100から受信した少なくとも目的地を含む経路探索条件を満たす案内経路を、記憶部206に記憶された道路ネットワークデータを用いて探索し、案内経路データを生成し、ナビゲーション装置100へ送信してもよい。ここで、経路探索部202cは、更に、少なくとも目的地を含む経路探索条件を満たす案内経路を記憶部206に記憶された経路探索情報を用いて探索してもよい。また、経路探索部202cは、出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を探索してもよい。また、経路探索部202cは、少なくとも目的地を含む経路探索条件を満たす、ナビゲーション装置100から受信した現在位置情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置から目的地までの案内経路を探索してもよい。また、経路探索情報に経由地が更に含まれている場合、経路探索部202cは、経由地を経由した案内経路を探索してもよい。
【0059】
そして、ナビゲーション装置100の構成データ受信部102aは、ナビゲーションサーバ200から送信される構成データ(例えば、図3中のMB−1〜3)を受信する(ステップSA−3)。
【0060】
そして、ナビゲーション装置100の構成データ格納部102bは、構成データ受信部102aにより受信された構成データに対応する地図データファイル106aに記憶された構成データ(例えば、図3中のMB−1〜3に対応するデータ)を破棄し、構成データ受信部102aにより受信された構成データ(例えば、図3中のMB−1〜3)を地図データファイル106aに格納する(ステップSA−4)。
【0061】
そして、ナビゲーション装置100の経路案内部102cは、少なくとも構成データ格納部102bにより格納された構成データにより構成される地図データと案内経路データとに基づく経路案内情報を出力部を介して出力させることにより、経路案内を実行する(ステップSA−5)。ここで、経路案内部102cは、構成データ格納部102bにより格納された構成データにより構成される地図データと案内経路データと制御部102により取得されたナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報とに基づく経路案内情報を出力部を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよい。ここで、経路案内部102cは、案内経路データに、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳した表示画面を表示部114に出力させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部102cは、構成データ格納部102bにより格納された構成データにより構成される地図データ上に、案内経路データ、および/または、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳した表示画面を表示部114に出力させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部102cは、案内データを出力部を介して出力させてもよい。具体的に、経路案内部102cは、案内データに含まれる案内経路上の分岐点等の案内地点における進行方向に対応付けられた音声案内データを、音声出力部118を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよく、案内データに含まれるTBT等の表示案内データの表示画面を表示部114に出力させることにより、経路案内を実行してもよい。
【0062】
以上で、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例の説明を終える。
【0063】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0064】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0065】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0066】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、本実施例では、ナビゲーション装置100側に経路探索部を持たない構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ナビゲーション装置100側に経路探索部を有してもよい。
【0067】
例えば、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200の各装置が備える処理機能、特に制御部102、および、制御部202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHD等の記憶部106および記憶部206等は、OSとして協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0068】
また、このコンピュータプログラムは、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0069】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワーク300を介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0070】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0071】
記憶部106、および、記憶部206に格納される各種のデータベース等(地図データファイル106a、サーバ側地図データベース206a等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、HD等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0072】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0073】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上詳述したように、本発明によれば、地図データを更新する際に、経年変化しやすいデータと経年変化しにくいデータとを区別し、経年変化しやすいデータのみを更新することで、地図データの更新に必要なデータサイズを小さくでき、地図データの更新処理を短縮化することができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、地図データ更新方法を提供することができるので、ナビゲーションを支援する情報機器や情報処理分野などの様々な分野において極めて有用である。
【符号の説明】
【0075】
100 ナビゲーション装置
102 制御部
102a 構成データ受信部
102b 構成データ格納部
102c 経路案内部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a 地図データファイル
108 入出力制御インターフェース部
112 位置取得部
114 表示部
116 入力部
118 音声出力部
200 ナビゲーションサーバ
202 制御部
202a 抽出部
202b 構成データ送信部
202c 経路探索部
204 通信制御インターフェース部
206 記憶部
206a サーバ側地図データベース
300 ネットワーク
500 位置発信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、
上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信手段と、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
上記構成データにより構成される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信手段と、
上記構成データ受信手段により受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信手段により受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記構成データは、
上記地図上に表示される地物の形状についての形状データ、上記地図上に表示される注記の注記データ、または、上記地図上に表示される記号の記号データであることを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記経年変化情報は、経年変化する周期を示す経年変化周期情報であり、
上記抽出手段は、
上記経年変化周期情報に基づいて、上記経年変化周期情報で示された上記周期にて上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出することを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項4】
ナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、
上記記憶部は、
構成データにより構成される地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部は、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信手段と、
上記構成データ受信手段により受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信手段により受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、
上記記憶部は、
地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部は、
上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションサーバ。
【請求項6】
制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行される地図データ更新方法であって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
上記構成データにより構成される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出ステップと、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記抽出ステップにて抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納ステップと、
を含むことを特徴とする、地図データ更新方法。
【請求項7】
ナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行される地図データ更新方法であって、
上記記憶部は、
構成データにより構成される地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部において実行される、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記構成データを受信する構成データ受信ステップと、
上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データに対応する上記地図データ記憶手段に記憶された上記構成データを破棄し、上記構成データ受信ステップにて受信された上記構成データを上記地図データ記憶手段に格納する構成データ格納ステップと、
を含むことを特徴とする、地図データ更新方法。
【請求項8】
ナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行される地図データ更新方法であって、
上記記憶部は、
地図の地図データを構成する構成データを、予め設定された経年変化のしやすさ度合を示す経年変化情報と対応付けて記憶するサーバ側地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部において実行される、
上記経年変化情報に基づいて、上記構成データを上記サーバ側地図データ記憶手段から抽出する抽出ステップと、
上記抽出ステップにて抽出された上記構成データを上記ナビゲーション装置に送信する構成データ送信ステップと、
を含むことを特徴とする、地図データ更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−122978(P2011−122978A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281921(P2009−281921)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】