説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、方法及びサーバ

【課題】車両の状況に適した順番で音声メッセージを出力する。
【解決手段】ナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置の位置及び速度を検出する検出部と、複数の音声メッセージの各々に重みを対応づけた音声重み対応情報を格納する音声重み格納部と、複数の音声メッセージの各々の優先度を決定するための規則を表す情報である優先度規則情報を格納する規則格納部と、優先度規則情報に基づいて複数の音声メッセージの各々の優先度を決定する優先度決定部と、決定された優先度に従う順番で複数の音声メッセージをナビゲーション装置から出力する音声出力部とを備える。優先度規則情報が表す規則は、検出されたナビゲーション装置の位置及び速度と、音声重み対応情報が表す、各音声メッセージの重みとに基づいて、各音声メッセージの優先度を決定するための規則である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声案内を使用したナビゲーションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音声による経路案内機能を備えたナビゲーション装置が知られている。音声による経路案内機能は、車両が右折又は左折する交差点に近づくと、交差点名称、交差点までの距離、案内方向等の案内情報を音声出力する機能である。また、音声による危険地点警告機能を備えたナビゲーション装置も知られている。音声による危険地点警告機能は、過去に事故が発生した地点や、ユーザが危険を感じた等の地点等(以下、危険地点という)を記録しておき、その記録に基づいて、車両が危険地点に近づくと、その危険地点までの距離、及び、その危険地点がどのような危険を有する地点である等の危険地点情報を音声出力する機能である。
【0003】
上記のように、ナビゲーション装置は、案内情報及び/又は危険地点情報(以下、音声メッセージという)の出力によって、音声による経路案内及び/又は危険地点の警告を行うものが増えている。音声メッセージの出力による経路案内及び/又は危険地点の警告は、交差点及び/又は危険地点に到達する前までに出力されなければならない。しかし、交差点、危険地点がある範囲に複数存在することにより、音声メッセージを重複して出力しなければならない場合(例えば、或る音声メッセージの出力が終わらないうちに別の音声メッセージの出力が開始されなければならない場合に)、音声メッセージの出力を終える前に交差点や危険地点に到達してしまったり、交差点や危険地点を通過してしまったりすることがある。
【0004】
上記の課題を解決するため、以下のナビゲーション装置が開示されている。
【0005】
例えば、音声メッセージ毎に予め優先度を定めておき、出力する音声メッセージが重複した場合に、優先度の高い音声メッセージから、順番に出力するナビゲーション装置が開示されている(特許文献1)。また、例えば、交通情報、ルート案内情報等、音声メッセージのカテゴリ毎に予め優先度を定めておき、音声メッセージを出力した場合の時間と、車両が交差点又は危険地点に到達する時間とから、複数の音声メッセージが重複して出力されるか否かを判定し、判定の結果、音声メッセージが重複する場合は、優先度の高い音声メッセージを出力するというナビゲーション装置が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-236029号公報
【特許文献2】特許第4682658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のナビゲーション装置によれば、音声メッセージを重複して出力する際の音声メッセージの順番は、音声メッセージの優先度に従うが、その優先度は、予め定められた固定値である。このため、音声メッセージの出力の順番が、必ずしも車両の状況に適した順番とはならない。
【0008】
従って、本発明の目的は、車両の状況に適した順番で音声メッセージを出力することができるナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
音声メッセージを出力することにより案内を行うナビゲーション装置と、ナビゲーション装置と通信するサーバとを備えるナビゲーションシステムであって、ナビゲーション装置の位置及び速度を検出する検出部と、複数の音声メッセージの各々に重みを対応づけた音声重み対応情報を格納する音声重み格納部と、複数の音声メッセージの各々の優先度を決定するための規則を表す情報である優先度規則情報を格納する規則格納部と、優先度規則情報に基づいて前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定する優先度決定部と、決定された優先度に従う順番で複数の音声メッセージをナビゲーション装置から出力する音声出力部とを備える。優先度規則情報が表す規則は、検出されたナビゲーション装置の位置及び速度と、音声重み対応情報が表す、各音声メッセージの重みとに基づいて、各音声メッセージの優先度を決定するための規則である。優先度規則情報は、例えば、計算式であってもよいし、対応表でもよいし、他のいずれの形式によるものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
車両の状況に適した順番で音声メッセージを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態に係るナビゲーションシステムのハードウェア構成を示す図である。
【図2】図2は、実施形態に係るナビゲーションシステムの機能ブロック図である。
【図3】図3は、危険地点テーブルの一例を示す。
【図4】図4は、案内優先度テーブルの一例を示す。
【図5】図5は、運転履歴テーブルの一例を示す。
【図6】図6は、運転履歴テーブルの評価点の算出フローを示す。
【図7】図7は、優先度計算式テーブルの一例を示す。
【図8】図8は、ナビゲーションシステムのシーケンス図を示す。
【図9】図9は、音声メッセージ出力順決定のフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。図中の同一の要素には同一の符号を付加する。
【0013】
図1は、実施形態に係るナビゲーションシステムのハードウェア構成を示す図である。
【0014】
なお、以下の説明では、「xxxテーブル」の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、テーブル以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「xxxテーブル」を「xxx情報」と呼ぶことができる。
【0015】
本実施形態に係るナビゲーションシステムは、宅配業者又はその他の業者が使用する業務用のカーナビゲーション装置と、このカーナビゲーション装置に情報を享受する、各地区の配送センター等のポータルサーバとを備えるものとする。
【0016】
ナビゲーションシステムは、音声案内可能なナビゲーション装置(以下、単にナビゲーション装置という)101と、ナビゲーション装置101に無線通信網103を介して相互に接続されるセンターのポータルサーバ(以下、サーバ)102とを備える。無線通信網103は、例えばインターネット等であってもよい。
【0017】
ナビゲーション装置101は、CPU104と、一時記憶領域であるメモリ105と、タッチパネルやスイッチ等の入力装置106と、ディスプレイ上の表示画面を制御する表示出力装置107と、スピーカから出力される音声を制御する音声出力装置108と、GPS信号受信機や慣性センサ等を有する測位装置109と、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の補助記憶装置を有する外部記憶装置110と、インターネット等のネットワークに接続するための外部通信インターフェース(以下、外部通信I/F)111と、ユーザ(運転者)の運転操作を認識するセンサからなる運転状況取得装置112と、上記の装置104〜112を相互に接続するバス113を有する。外部記憶装置110は、ナビゲーション装置101の外に存在しても良い。
【0018】
サーバ102は、CPU114と、一時記憶領域であるメモリ115と、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の補助記憶装置を有する外部記憶装置116と、インターネット等のネットワークに接続するための外部通信インターフェース(以下、外部通信I/F)117と、上記の装置114〜117を相互に接続するバス118を有する。外部記憶装置106は、サーバ102の外に存在しても良い。
【0019】
図2は、本実施形態に係るナビゲーションシステムの機能ブロック図である。
【0020】
ナビゲーション装置101は、外部通信部201、位置・車速検出部202、誘導経路作成部203、誘導経路保存DB204、地図DB205、画面表示部206、操作入力部207、運転操作取得・解析部208、運転特徴DB209、危険地点DB210、運転履歴DB211、案内優先度DB212、優先度計算式DB213、優先度計算部214、音声案内作成部215、及び、音声出力部216を備える。
【0021】
誘導経路保存DB204、地図DB205、運転特徴DB209、危険地点DB210、運転履歴DB211、案内優先度DB212、及び、優先度計算DB213のそれぞれは、外部記憶装置110に構築される。また、外部通信部201、位置・車速検出部202、誘導経路作成部203、画面表示部206、操作入力部207、運転操作取得・解析部208、優先度計算部214、音声案内作成部215、及び、音声出力部216は、それぞれ、CPU104が所定のプログラムを実行することにより実現されるが、それに代えて又は加えて、ハードウェア回路により実現されても良い。
【0022】
外部通信部201は、外部通信I/F111から呼び出されることにより、サーバ102とデータの送受信を行う。具体的には、例えば、外部通信部201は、運転特徴DB209のデータをサーバ102へ送信し、危険地点DB217、案内優先度DB218、優先度計算式DB219、及び、運転履歴DB220に保存され、サーバ102から送信されるデータを受信する。
【0023】
位置・車速検出部202は、車両の位置及び速度(すなわち、車両に搭載されるナビゲーション装置の位置及び速度)を検出する。車両の位置は、測位装置109により測定された緯度及び経度から検出される。車両の速度は、複数の時刻における、車両の位置から算出される。位置・車速検出部202は、検出した車両の位置及び速度を、誘導経路作成部203へ送信する。
【0024】
誘導経路作成部203は、位置・車速検出部202から送信されたデータ及び後述の操作入力部207から送信されユーザからの要求に基づき、誘導経路を作成する。具体的には、例えば、誘導経路作成部203は、位置・車速検出部203から受信した車両の現在位置と、後述の操作入力部207から受信した目的地等から誘導経路を作成し、作成した誘導経路を表す情報をメモリ105に保存する。そして、誘導経路作成部203は、メモリ105内に保存された誘導経路と、危険地点DB210に保存された危険地点情報とを読み出し、危険地点情報を誘導経路に付加して、危険地点情報付き誘導経路を作成する。作成された危険地点情報付き誘導経路は、誘導経路保存DB204に保存される。なお、誘導経路作成部203は、例えば、誘導経路中に渋滞が発生した等の場合、迂回経路を再検索するようにしてもよい。
【0025】
地図DB205には、地図情報が保存される。
【0026】
画面表示部206は、誘導経路保存DB204に保存された危険地点情報付き誘導経路と、地図DB205の地図情報とをそれぞれ読み出し、あわせて表示出力装置107に出力する。また、操作入力部207から送信されたユーザからの要求を受信し、表示出力装置107に反映する。
【0027】
操作入力部207は、入力装置106にユーザが入力した種々の要求のあて先を解析し、解析された要求を画面表示部206及び/又は誘導経路作成部203へ送信する。また、操作入力部207は、入力装置106にユーザが入力した危険地点情報をサーバ102に送信する。
【0028】
運転操作取得・解析部208は、ユーザ(ここでは、車両を運転する運転者毎)の運転操作の特徴を取得する。運転者の運転操作の特徴は、例えば、交差点手前から所定距離の地点(以下、特徴取得開始地点)から交差点までの間に取得するものとする。取得する運転者の運転操作の特徴は、運転者のハンドル操作、ブレーキ操作、及びアクセル操作等の特徴である。運転者の運転操作の特徴の取得は、測位装置109や運転状況取得装置112等によって行う。ハンドル操作の特徴は、運転者が急ハンドルをきるのか、緩やかにハンドルをきるか等である。これは例えば、特徴取得開始地点から交差点までの間に、運転者がどの位置でハンドルをきりはじめ、どのぐらいの角度でハンドルをきるか等の情報である。ブレーキ操作の取得は、運転者が急ブレーキをかけるのか、緩やかにブレーキを踏むか等である。これは例えば、特徴取得開始地点から交差点までの間に、運転者がどの位置でブレーキを踏み始め、どの程度の量ブレーキを踏み込むか等の情報である。アクセル操作の特徴は、運転者が、強く一気にアクセルを踏み込むか、緩やかに踏みこむか等である。これは例えば、特徴取得開始地点から交差点までの間に、運転者がどの位置でアクセルを踏み始め、どの程度の量アクセルを踏み込むか等の情報である。なお、運転者の運転操作の特徴は、例えば、複数の道を予め決めておき、それらの道を通ったときに取得してもよいし、すべての交差点について取得してもよい。さらに、運転操作の特徴は、特徴取得開始地点から交差点までの間だけ取得するのではなく、危険地点又は案内地点を通過する際にそれらの地点を通過する車両の速度等に基づいて取得してもよいし、どのような方法で取得してもよいものとする。運転操作取得・解析部208は、取得した運転者の運転操作の特徴をログ(以下、特徴ログ)として運転特徴DB209に保存する。
【0029】
また、運転操作取得・解析部208は、取得した運転者の運転操作の特徴を解析する。具体的には、運転操作取得・解析部208は、運転特徴DB209内の各運転者の特徴ログとサーバ102から送信された運転操作の基準値とを比較して、点数化し、各運転者の評価点を算出する。そして、運転操作取得・解析部208は、算出した運転者の評価点から運転履歴テーブル500を作成し、運転履歴DB211に保存する。運転履歴テーブル500については、後に詳述する。
【0030】
運転特徴DB209には、特徴ログが保存される。また、運転特徴DB209に保存された特徴ログは、例えば運転操作取得・解析部208により、サーバ102の運転履歴DB220へ送信される。特徴ログの運転履歴DB220への送信は、例えば、運転終了毎に行われてもよいし、所定期間毎に行われてもよい。
【0031】
危険地点DB210には、サーバ102から送信された危険地点テーブル300が保存される。危険地点DB210内の危険地点テーブル300は、後述するサーバ102の危険地点DB内の危険地点テーブル300と所定期間毎に同期されるようにしてもよい。
【0032】
運転履歴DB211には、運転操作取得・解析部208から送信された運転履歴テーブル500が保存される。運転履歴DB211内の運転履歴テーブル500は、サーバ102の運転履歴DB220内の所定運転者の運転履歴テーブル500と所定期間毎に同期されるようにしてもよい。なお、運転履歴DB211には、運転履歴テーブル500の他、運転者毎に、過去に運転した経路の履歴を保存しておいてもよい。
【0033】
案内優先度DB212には、サーバ102から送信された案内優先度テーブル400が保存される。案内優先度DB212内の案内優先度テーブル400は、後述するサーバ102の案内優先度DB218内の案内優先度テーブル400と所定期間毎に同期されるようにしてもよい。
【0034】
優先度計算式DB213には、サーバ102から送信された優先度計算テーブル700が保存される。優先度計算式DB213内の優先度計算式テーブル700は、後述するサーバ102の優先度計算式DB219内の優先度計算式テーブル700と所定期間毎に同期されるようにしてもよい。
【0035】
優先度計算部214は、車両の位置・速度に基づき、優先度を算出する。優先度とは、音声メッセージの出力の順番を決定するための数値である。換言すると、音声メッセージは、優先度の高い順に出力される。また優先度の高い音声メッセージは、繰り返し出力されてもよい。例えば、優先度計算部214は、位置・車速検出部202、危険地点DB210、誘導経路保存DB204、地図DB205、運転履歴DB211、案内優先度DB212の情報に基づき、優先度計算式DB213の優先度計算式によって、案内メッセージ(音声メッセージ)の優先度を計算する。詳細は後述する。優先度計算部214は、算出した優先度を、音声案内作成部215に送信する。
【0036】
音声案内作成部215は、優先度計算部214より送信された優先度に基づき、音声メッセージを優先度の高い順に並べ変える。音声案内作成部215は、優先度の高い順に並べ替えた音声メッセージをファイル化し、ファイル化した音声メッセージを音声出力部216に送信する。
【0037】
音声出力部216は、音声案内作成部215から送信されたファイル化された音声メッセージを、音声出力装置108によって出力する。
【0038】
サーバ102は、危険地点DB217と、案内優先度DB218と、優先度計算式DB219と、運転履歴DB220と、外部通信部221とを備える。
【0039】
危険地点DB217、案内優先度DB218、優先度計算式DB219、及び、運転履歴DB220のそれぞれは、外部記憶装置116に構築される。また、外部通信部221の機能は、CPU114が所定のプログラムを実行することにより実現されるが、それに代えて又は加えて、ハードウェア回路により実現されても良い。
【0040】
危険地点DB217には、危険地点テーブル300が保存される。危険地点テーブル300については、後に詳述する。
【0041】
案内優先度DB218には、案内優先度テーブル400が保存される。案内優先度テーブル400については、後に詳述する。
優先度計算式DB219には、優先度計算式テーブル900が保存される。優先度計算式テーブル900については、後に詳述する。
【0042】
運転履歴DB220には、運転履歴テーブル500が保存される。運転履歴テーブル500については、後に詳述する。なお、運転履歴DBには、運転履歴テーブルの他、運転者毎に、過去に運転した経路の履歴を保存しておいてもよい。
【0043】
外部通信部221は、外部通信I/F117から呼び出されることにより、ナビゲーション装置101とデータの送受信を行う。具体的には、外部通信部221は、運転特徴DB209のデータをナビゲーション装置101から受信し、危険地点DB217、案内優先度DB218、優先度計算式DB219、運転履歴DB220のデータをナビゲーション装置101に送信する。
【0044】
図3は、サーバ102の危険地点DB217とナビゲーション装置101の危険地点DB210に記録される危険地点テーブル300の例である。
【0045】
危険地点テーブル300は、例えば、ナビゲーション装置101で収集された危険地点情報に基づき、サーバ102又はサーバ102に接続された管理装置(図示しない)が作成する。この場合、サーバ102と情報の送受信を行う複数のナビゲーション装置101から各ユーザが登録した危険地点情報に基づき、危険地点テーブル300は作成されてもよい。また、これとともに又はこれに代えて、危険地点テーブル300は、例えば、警察等から発表される事故発生情報等、サーバ102が集めた危険地点情報に基いて作成されてもよい。危険地点DB217と危険地点DB210とは、所定期間毎に同期されてもよい。
【0046】
危険地点テーブル300は、危険地点毎に、座標301と危険内容302と警告音声303の各欄を有する。
【0047】
座標301は、危険地点の位置を緯度及び経度で示した情報である。なお、座標301は、緯度及び経度の他にGPS座標等でも良い。
【0048】
危険内容302は、過去又は現在の危険地点でのイベント(どのような危険が起こるか)を示す情報である。また、危険内容302は、危険地点で起こりうると予測されるイベントであってもよい。
【0049】
警告音声303は、ナビゲーション装置101が危険地点に近づいたときにナビゲーション装置101から出力されるメッセージを表す情報(例えば、数字及び/又は文字で構成された文字列)である。警告音声303は、危険地点テーブル300の作成(又は修正)ときにサーバ102で設定されてもよいし、危険内容302に従ってユーザが手動で設定(更新)しても良い。
【0050】
図示例によれば、座標「北緯35.621、東経139.717」に位置する危険地点は、枝が茂っているため、この危険地点を通る前に「枝が茂っています。」という音声がナビゲーション装置101から出力される。
【0051】
図4は、サーバ102の案内優先度DB218とナビゲーション装置101の案内優先度DB212に記録される案内優先度テーブル400の一例を示す。
【0052】
案内優先度テーブル400は、サーバ102又はサーバ102に接続された管理装置(図示しない)が作成する。案内優先度DB218と案内優先度DB212とは、例えば所定期間毎に同期されてもよい。
【0053】
案内優先度テーブル400には、音声メッセージ毎に、内容401、出力条件402、属性403及び重み404が格納される。
【0054】
内容401には、音声出力装置108から音声で出力されるメッセージを表す情報が格納される。内容401は、これに対応する出力条件402が満たされたときに出力される。内容401は、案内優先度テーブル400を作成(又は修正)するときにサーバ102が設定してもよいし、ナビゲーション装置101の案内優先度DB212に格納された案内優先度テーブル400を、ユーザが手動で設定(更新)しても良い。内容401には、危険地点に近づいたときに出力される危険地点情報、案内地点に近づいたときに出力される経路案内情報、業務情報に基づく地点に近づいたときやその他の業務情報に基づいた通知をする必要があるときに出力される業務情報が含まれる。なお、危険地点情報は、危険地点テーブル300の警告音声303と同じ情報であってもよい。
【0055】
出力条件402は、音声メッセージを出力する条件であり、内容401毎に設定される。出力される音声メッセージが重複する場合には、後述の音声メッセージ出力順決定の処理(図9参照)を行うことで、音声メッセージ1を出力する順番が決定される。
【0056】
属性403は、音声メッセージ(内容401)の属性を示す。属性には、前述した危険地点情報、経路案内情報、業務情報が含まれる。
【0057】
重み404は、属性403毎の重要度を示す値である。重み404は、案内優先度テーブル400を作成(又は修正)するときにサーバ102が設定してもよいし、ナビゲーション装置101側で、ユーザが手動で設定(修正)しても良い。
【0058】
図示例では、重みは、経路案内情報が「60」に設定され、危険地点情報がそれより重い「80」に設定されており、業務情報が最も軽い「20」に設定されている。また、音声メッセージ「500m先、右折です」は、案内地点の手前500mで出力されるものとする。
【0059】
図5は、サーバ102の運転履歴DB220とナビゲーション装置101の運転履歴DB211に記録される運転履歴テーブル500の一例である。
【0060】
運転履歴テーブル500は、各ナビゲーション装置101の運転操作取得・解析部208によって作成される。運転履歴テーブル500は、運転特徴DB209内の特徴ログと、サーバ102から送信された運転操作の基準値とに基づき作成される。特徴ログは、運転者の運転操作を、ハンドル操作、ブレーキ操作、及びアクセル操作毎に取得したログである(図示なし)。ハンドル操作についての特徴ログは、特徴取得地点から交差点までの間に、運転者がどの位置でハンドルをきりはじめ、どのぐらいの角度でハンドルをきるか等の記録である。ブレーキ操作についての特徴ログは、特徴取得地点から交差点までの間に、運転者がどの位置でブレーキを踏み始め、どの程度の量ブレーキを踏み込むか等の記録である。アクセル操作の特徴ログは、特徴取得地点から交差点までの間に、運転者がどの位置でアクセルを踏み始め、どの程度の量アクセルを踏み込むか等の記録である。一方、運転操作の基準値は、サーバ102の管理装置(図示なし)で算出される。運転操作の基準値は、運転操作の上手な(又は標準的な運転操作を行う)所定の運転者の運転操作の特徴を用いてもよい。複数のナビゲーション装置101から複数の運転者の特徴ログを取得し、その平均値を用いて(又は最高値等を用いてもよい)算出してもよい。運転履歴テーブル500は、特徴ログと運転操作の基準値との比較により、各運転者の評価点502を算出することで作成される。
【0061】
運転履歴テーブル500は、運転者毎に、運転者ID501及び評価点502を有する。
【0062】
運転者ID501は、サーバ102及び/又はナビゲーション装置101に登録された運転者の識別番号である。
【0063】
評価点502は、各運転者の特徴ログを運転操作の基準値と比較したときの評価点である。図示例では、評価点502は、ハンドル操作評価点503、ブレーキ操作評価点504、アクセル操作評価点505で構成されている。各運転者の各評価点503〜505は、例えば、運転操作の基準値を100として、その運転者の特徴ログが点数化されるものである。
【0064】
図6は、運転履歴テーブル500の評価点502の算出フローである。
【0065】
評価点502は、運転操作取得・解析部208によって算出される。
【0066】
ステップS601で、運転操作取得・解析部208は、車両が走行中であるか否かを判定する。走行中である場合は、ステップS602へ進む。一方、走行中でない場合は、ステップS604へ進む。
【0067】
ステップS602で、運転操作取得・解析部208は、運転者の運転操作の特徴を取得する。運転者の運転操作の特徴、すなわち運転者のハンドル操作、ブレーキ操作、及びアクセル操作等の特徴は、それぞれ、特徴取得開始地点から交差点までの間に取得される。
【0068】
ステップS603で、運転操作取得・解析部208は、ステップS602で取得した運転者のハンドル操作、ブレーキ操作、及びアクセル操作等の特徴を特徴ログとして運転特徴DB209に保存する。車両が走行中の間、ステップS601〜603を繰り返すことにより、特徴ログが運転特徴DB209に蓄積される。
【0069】
一方、ステップS601で車両が走行中でない場合(S601:No)には、ステップS604で、運転操作取得・解析部208は、該当の運転者の特徴ログを運転特徴DB208から取得する。
【0070】
ステップS605で、運転操作取得・解析部208は、ステップS604で取得した該当運転者の特徴ログと、運転操作の基準値とを比較する。具体的には、例えば、特徴取得地点から交差点までの間について、以下の複数種類の操作、
(ハンドル操作)ハンドルをきりはじめた位置、及び、ハンドルをきる角度等、
(ブレーキ操作)ブレーキを踏み始めた位置、及び、ブレーキの踏み込み量等、
(アクセル操作)アクセルを踏み始めた位置、及び、アクセルの踏み込み量等、
に関して、特徴ログと基準値とが比較される。これにより、1種類状の操作について、該当運転者の特徴ログと運転操作の基準値の差分が算出される。
【0071】
ステップS606で、運転操作取得・解析部208は、ステップS605で算出された該当運転者特徴ログと運転操作の基準値の差分から評価点を算出する。評価点は、運転評価アルゴリズムによって算出される。運転評価アルゴリズムは、運転操作の基準値を点数化し(例えば、基準値をすべて100点とする)、該当運転者と特徴ログと運転操作の基準値の差分を点数化して、点数化された基準値から、点数化された差分を引くことにより、評価点を算出するアルゴリズムである。
【0072】
ステップS607で、運転操作取得・解析部208は、ステップS605で算出された評価点を、運転履歴テーブル500に登録する。すなわち、運転操作取得・解析部208は、該当運転者の運転者ID501に対応する、ハンドル操作評価点503、ブレーキ操作評価点504、及び、アクセル操作評価点505を運転履歴テーブル500に登録する。そして、運転操作取得・解析部208は、各評価点503〜505を登録した運転履歴テーブル500を、運転履歴DB211に保存する。
【0073】
図7は、サーバ102の優先度計算式DB219とナビゲーション装置101の優先度計算式DB112に記録される優先度計算式テーブル700の一例である。
【0074】
優先度計算式テーブル700は、属性毎に、属性701に優先度計算式702が対応づけられる。
【0075】
属性701には、案内優先度テーブル400の属性403と同じく、音声メッセージの属性情報が格納される。すなわち、属性701には、前述した危険地点情報、経路案内情報、業務情報が含まれる。
【0076】
優先度計算式702は、案内属性701毎の優先度を計算する式が格納される。優先度は、誘導経路を走行中、車両が危険地点、案内地点又は業務情報に基づく地点のいずれかの地点(以下、これらの地点をまとめて警告地点という)が複数検出された場合に、優先度計算部214によって計算される。詳細は後述する。以下、属性701毎の優先度計算式702を説明する。
【0077】
属性が経路案内情報の場合には、優先度は、車両の速度、案内地点までの距離、重み、及び評価点に基づいて計算される。具体的には、優先度は、重みに、案内地点までの距離の逆数、速度、ハンドル操作評価点の逆数、及び、ブレーキ操作評価点の逆数をかけて計算される。従って、車両(ナビゲーション装置101)の位置から案内地点までの距離が短く、車両の速度が速いほど優先度は高くなる。また、経路案内情報に対する重みづけ大きいほど優先度は高くなる。さらに、運転手のハンドル操作評価点及びブレーキ操作評価点が低いほど優先度は高くなる。
【0078】
属性が危険地点情報の場合には、優先度は、車両の速度、危険地点までの距離、重み、評価点、及び危険地点報告回数に基づいて計算される。具体的には、優先度は、重みに、危険地点までの距離の逆数、車両の速度をかけた値と、重みに、ブレーキ操作の評価点の逆数、及び、危険地点報告回数をかけた値と、を足して計算される。従って、危険地点までの距離が短く、車両の速度が速いほど優先度は高くなる。また、危険地点情報に対する重みづけ大きいほど優先度は高くなる。さらに、運転手のブレーキ操作の評価点が低く、危険地点報告回数が多いほど優先度は高くなる。なお、危険地点報告回数とは、サーバ102に対して危険地点が報告された回数であり、具体的には、危険地点テーブル300の危険内容302が報告された回数である(図示なし)。
【0079】
属性が業務情報の場合には、優先度は、車両の速度、業務地点までの距離、重み、及び、他の優先度に基づいて計算される。具体的には、優先度は、重みに、業務地点までの距離の逆数、車両の速度をかけた値から、複数の警告地点のうち、業務地点以外の案内地点又は危険地点で計算された優先度を引いて計算される。従って、危険地点までの距離が短く、車両の速度が速いほど優先度は高くなる。また、業務地点情報に対する重みづけ大きいほど優先度は高くなる。さらに、属性が経路案内又は危険地点情報の場合に比べ、優先度は低くなる。
【0080】
なお、上述の優先度計算式は、優先度を計算する式の一例である。このため、優先度計算式は上述したものには限られない。例えば、各属性の優先度計算式は、それぞれ、アクセル操作の評価点の逆数をかけるようにしてもよいし、どのように設定してもよいものとする。しかしながら、優先度計算式は、優先度が警告地点に近づくほど高くなり、ユーザ毎の運転操作の評価点が低い場合は高くなるように設定するのが望ましい。また、優先度は、他車の取得した情報を考慮してもよい。どの属性を優先するかは,ユーザが重みを調整することで決めてもよい。
【0081】
優先度計算式によって算出された優先度に基づき、音声メッセージが出力される順番が決定される。
【0082】
図8は、ナビゲーションシステムのシーケンス図を示す。
【0083】
ステップS801で、運転者又はユーザ(以下、この説明では運転者という)は、操作入力部207からナビゲーション装置101の起動操作を行う。ステップS802で、ナビゲーション装置101が起動する。
【0084】
ステップS804で、ナビゲーション装置101の画面表示部206は、運転者に対し目的地の入力指示を表示出力装置107に表示する。指示を受けた運転者は、操作入力部207から目的地を入力する(ステップ S805)。
【0085】
一方、ステップS803で、ナビゲーション装置101の外部通信部201は、起動通知をサーバ102に対して送信する。
【0086】
サーバ102の外部通信部221は起動通知を受信し、以下の処理、
(*)危険地点DB217から危険地点テーブル300を読み出し(ステップS806)、その危険地点テーブル300のナビゲーション装置101への送信(ステップS807)
(*)案内優先度DB218から案内優先度テーブル400を読み出し(ステップS808)、その案内優先度テーブル400のナビゲーション装置101への送信(ステップS809)
(*)優先度計算式DB219から優先度計算式テーブル700を読み出し(ステップS810)、その優先度計算式テーブル700のナビゲーション装置101への送信(ステップS811)、
(*)運転履歴DB217から運転履歴テーブル500を読み出し(ステップS812)、その運転履歴テーブル500のナビゲーション装置101への送信(ステップS813)、
を行う。
【0087】
ステップS814で、ナビゲーション装置101の誘導経路作成部203は、車両の現在位置と、運転者が入力した目的地等から誘導経路を作成し、危険地点DB210に保存された危険地点情報を誘導経路に付加して、危険地点情報付き誘導経路を作成し、誘導経路保存DB204に保存する。
【0088】
ステップS815で、ナビゲーション装置101の画面表示部206は、誘導経路保存DB204内の危険地点情報付き誘導経路に、地図DB205内の地図情報をあわせて表示出力装置107に表示する。
【0089】
車両の移動を位置・車速検出部202が検出すると(ステップS816)、ナビゲーション装置101は、誘導経路に従い、誘導を開始する(ステップS817)。
【0090】
ステップS818〜S823は、車両が目的地に到着するまで(すなわちステップS824まで)繰り返し行われる。以下、ステップS818〜S823を説明する。
【0091】
誘導経路を走行中、車両が警告地点(危険地点、案内地点又は業務情報に基づく地点のいずれかの警告地点)のうち、現在の車両の位置に最も近い警告地点に近づくと、これを位置・車速検出部202が検出する(ステップS818)。さらに、位置・車速検出部202は、検出された警告地点に近い1つ又は複数の警告地点を検出する。なお、この場合、位置・車速検出部202は、警告地点に代えて、音声メッセージ(すなわち、危険地点情報、経路案内情報、業務情報)の出力を開始する地点(図4に示す、出力条件402の地点)を検出するようにしてもよい。
【0092】
そして、位置・車速検出部202は、現在の車両の速度を検出し(ステップS819)、さらに、検出された複数の警告地点までのそれぞれの距離を算出する(ステップS820)。
【0093】
ステップS821で、ナビゲーション装置101の優先度計算部214は、音声メッセージの出力の順番を決定する音声メッセージ出力順決定の処理を行う。この処理については後述する。
【0094】
ステップS823で、ナビゲーション装置101の音声出力部216は、音声メッセージ出力順決定の処理に基づいて、順番に音声メッセージを出力する。
【0095】
目的地に到着したとき(ステップS824)、運転者は操作入力部207から終了操作を行い(ステップS825)、経路案内は終了する(ステップS826)。
【0096】
図9は、音声メッセージ出力順決定のフローを示す。
【0097】
ステップS901で、優先度計算部214は、車両の最も近くにある警告地点を含む複数の警告地点を取得し、各々の優先度を計算する。具体的には、例えば、車両が、その車両から最も近い警告地点の音声メッセージの出力条件を満たす地点(案内優先度テーブル400の出力条件402を満たす地点)に近づいた(例えば所定距離以下に近づいた)ときに、ステップS901が行われる。このとき、優先度計算部214は、車両から最も近い警告地点と、次に車両から近い警告地点を複数(例えば2つ)取得する。優先度計算部214は、優先度計算式テーブル700を参照し、取得された3つの警告地点に対して、それぞれの属性に対応する優先度計算式を用いて、各優先度の計算を行う(図7参照)。
【0098】
ステップS902で、優先度計算部214は、3つの音声メッセージを順番に出力した場合、音声案内が重なってしまうか否かを判定する。具体的には、まず、優先度計算部214は、案内優先度テーブル400を参照し、3つの音声メッセージを出力した場合の各出力時間を算出する。
【0099】
ステップS903で、優先度計算部214は、車両の速度、3つの警告地点までの各距離、及び、3つの音声メッセージを出力した場合の各出力時間に基づき、各警告地点に対する音声メッセージを順番に出力した場合、それらの音声メッセージが重なる(或る音声メッセージの出力が完了しないうちに別の音声メッセージの出力が開始される)か否かを判定する。判定の結果、音声メッセージの出力が重なってしまう場合は、ステップS905に進む。一方、音声メッセージの出力が重ならない場合は、ステップS904に進む。
【0100】
ステップS904で、優先度計算部214は、優先度の高い音声メッセージを繰り返し出力できるか否かを判定する。具体的には、優先度計算部214は、車両の速度、3つの警告地点までの各距離、及び3つの音声メッセージを出力した場合の各出力時間に基づき、優先度の高い音声メッセージを繰り返し出力できるか否かを判定する。優先度の高い音声メッセージを繰り返し出力できる場合には、ステップS906へ進む。一方、音声メッセージを繰り返し出力できない場合には、ステップS905に進む。
【0101】
ステップS905で、優先度計算部214は、ステップS903又はステップS904の結果に基づき優先度の高い音声メッセージから順番に出力されるように、出力順を決定する。このとき、優先度計算部214は、音声メッセージの出力時間に応じて優先度の低い音声メッセージから順に、その出力をキャンセルしてもよい。
【0102】
ステップS906で、優先度計算部214は、優先度の高い音声メッセージを繰り返し出力し、かつ、優先度の高い音声メッセージから順番に出力されるように設定する。
【0103】
ステップS807で、音声案内作成部215は、、案内優先度テーブル400を参照し、出力順に設定された音声メッセージ(内容401)を、音声ファイル化する。
【0104】
上記実施形態では、ナビゲーションシステムは、宅配業者又はその他の業者が使用する業務用のカーナビゲーション装置と、このカーナビゲーション装置に情報を享受する、各地区の配送センター等のポータルサーバとを備えるものとしたが、これに限られない。ナビゲーションシステムが備えるナビゲーション装置は、家庭用のカーナビゲーション装置であってもよいし、PND(Portable Navigation Device)や、携帯電話又はスマートフォン等を利用したナビゲーション装置であってもよい。
【0105】
上記実施形態では、ナビゲーション装置101が運転操作取得・解析部208を有していたが、これに限られない。例えば、運転操作取得・解析部は、サーバ102が有していてもよい。この場合、運転特徴DB209に保存される特徴ログは、所定期間毎にサーバに102送信され、サーバ102の運転操作取得・解析部により、運転操作の基準値と比較されて、評価点が算出され、運転履歴テーブル500が作成される。
【0106】
上記実施形態では、誘導経路作成部203及び誘導経路保存DB204は、ナビゲーション装置101に構築されていたが、これに限られない。例えば、誘導経路作成部及び/又は誘導経路保存DBは、サーバに構築されてもよい。
【0107】
以上、実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0108】
101:ナビゲーション装置、102:サーバ、103:無線通信網


【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声メッセージを出力することにより案内を行うナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置と通信するサーバとを備えるナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置の位置及び速度を検出する検出部と、
複数の音声メッセージの各々に重みを対応づけた音声重み対応情報を格納する音声重み格納部と、
前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定するための規則を表す情報である優先度規則情報を格納する規則格納部と、
前記優先度規則情報に基づいて前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定する優先度決定部と、
決定された優先度に従う順番で前記複数の音声メッセージを前記ナビゲーション装置から出力する音声出力部と、
前記優先度規則情報が表す規則は、前記検出されたナビゲーション装置の位置及び速度と、前記音声重み対応情報が表す、前記各音声メッセージの重みとに基づいて、各音声メッセージの優先度を決定するための規則である、
ナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーションシステムであって、
前記サーバは、
前記音声重み対応情報を前記ナビゲーション装置に送信するメッセージ重み送信部と、
前記優先度規則情報を前記ナビゲーション装置に送信する規則送信部と
を有し、
前記ナビゲーション装置は、前記音声重み格納部と前記規則格納部とを有し、
前記音声重み格納部は、前記サーバより送信された音声重み対応情報を格納し、
前記規則格納部は、前記サーバより送信された優先度規則情報を格納する、
ナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、前記優先度決定部と前記音声出力部とを有する
ナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムであって、
前記音声重み対応情報は、前記音声メッセージの種別毎に重みが対応づけられており、
前記音声メッセージの種別には、経路案内情報、危険地点情報、及び/又は業務情報が含まれる
ナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムであって、
前記サーバは、
基準となる運転操作の特徴の情報である基準運転操作情報を、前記ナビゲーション装置に送信する、基準運転操作情報送信部をさらに備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記ナビゲーション装置を有する車両を運転する、運転者の運転操作の特徴を取得する特徴取得部と、
前記基準運転操作情報と前記運転者の運転操作の特徴とから前記運転者の評価点を算出する評価点算出部と
をさらに備え、
前記優先度規則情報が表す規則は、さらに前記運転者の評価点に基づいて、前記各音声メッセージの優先度を決定するための規則である
ナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムであって、
前記特徴取得部は、
前記運転者の運転操作の特徴として、運転者のハンドル操作の特徴、ブレーキ操作の特徴及びアクセル操作の特徴をそれぞれ取得し、
前記評価点算出部は、前記運転者の運転操作の特徴に基づいて、ハンドル操作の評価点、ブレーキ操作の評価点及びアクセル操作の評価点をそれぞれ算出する
ナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
前記運転者の運転操作の特徴をサーバに送信する特徴送信部をさらに備え、
前記サーバは、該サーバに接続された複数のナビゲーション装置から取得した運転者の運転操作の特徴に基づき、前記基準運転操作情報を算出する
ナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムであって、
前記優先度規則情報が表す規則は、前記音声メッセージの種別毎の規則である
ナビゲーションシステム。
【請求項9】
音声メッセージの出力により、音声案内可能なナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置の位置及び速度を検出する検出部と、
複数の前記音声メッセージの各々に重みを対応づけた音声重み対応情報を格納する音声重み格納部と、
前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定するための規則表す情報である優先度規則情報を格納する規則格納部と、
前記優先度規則情報に基づいて前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定する優先度決定部と、
決定された前記優先度に従う順番で前記複数の音声メッセージを出力する音声出力部と
を備え、
前記優先度規則情報が表す規則は、前記検出されたナビゲーション装置の位置及び速度と、前記音声重み対応情報が表す、前記各音声メッセージの重みとに基づいて、各音声メッセージの優先度を決定するための規則である
ナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション装置であって、
前記音声重み対応情報は、前記音声メッセージの種別毎に重みが対応づけられており、
前記音声メッセージの種別には、経路案内情報、危険地点情報、及び/又は業務情報が含まれる
ナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のナビゲーション装置であって、
基準となる運転操作の特徴の情報である基準運転操作情報を保持する保持部と、
前記ナビゲーション装置を有する車両を運転する、運転者の運転操作の特徴を取得する特徴取得部と、
前記基準運転操作情報と前記運転者の運転操作の特徴とから前記運転者の評価点を算出する評価点算出部と
をさらに備え、
前記優先度規則情報が表す規則は、さらに前記運転者の評価点に基づいて、前記各音声メッセージの優先度を決定するための規則である
ナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載のナビゲーション装置であって、
前記特徴取得部は、
前記運転者の運転操作の特徴として、運転者のハンドル操作の特徴、ブレーキ操作の特徴及びアクセル操作の特徴をそれぞれ取得し、
前記評価点算出部は、前記運転者の運転操作の特徴に基づいて、ハンドル操作の評価点、ブレーキ操作の評価点及びアクセル操作の評価点をそれぞれ算出する
ナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載のナビゲーション装置であって、
前記優先度規則情報が表す規則は、前記音声メッセージの種別毎の規則である
ナビゲーション装置。
【請求項14】
音声案内可能なナビゲーション装置が行う音声メッセージの出力の方法であって、
前記ナビゲーション装置の位置及び速度を検出し、
検出されたナビゲーション装置の位置及び速度と、前記音声メッセージの各々に応じた重みにとから各音声メッセージの優先度を決定するための規則である優先度規則情報に基づいて、前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定し、
決定された優先度に基づく順番で、前記音声メッセージを出力する
方法。
【請求項15】
音声メッセージの出力により音声案内可能な1つ以上のナビゲーション装置と通信するサーバであって、
前記ナビゲーション装置の位置及び速度を検出する検出部と、
複数の前記音声メッセージの各々に重みを対応づけた音声重み対応情報を格納する、音声重み格納部と、
前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定するための規則表す情報である優先度規則情報を格納する規則格納部と、
前記優先度規則情報に基づいて前記複数の音声メッセージの各々の優先度を決定する優先度決定部と、
前記優先度決定部で決定された前記優先度を前記ナビゲーション装置に通知する通知部と
を備え、
前記優先度規則情報が表す規則は、前記検出されたナビゲーション装置の位置及び速度と、前記音声重み対応情報が表す、前記各音声メッセージの重みとに基づいて、各音声メッセージの優先度を決定するための規則ある
ナビゲーション装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−101083(P2013−101083A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245970(P2011−245970)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】