説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置及びセンタ

【課題】 通信不能の領域や通信状態が悪い領域が存在する場合にも、地図を更新して適切な案内を行うことが可能なナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置からの更新要求があると(S200:YES)、センタは、現在地から目的地までの案内経路を設定し(S210)、当該案内経路を含むメッシュを特定する(S220)。また、案内経路を含む通信不良領域を検索し(S230)、通信不良領域があると(S240:YES)、既に特定されたメッシュに加え、通信不良領域を包含するようなメッシュを特定する(S250)。そして、各メッシュに対し最新の更新データがあれば、当該更新データを配信する(S260)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内が可能なナビゲーション装置と、当該ナビゲーション装置とデータ通信を行うセンタとを備えたナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置における案内をより正確なものとするため、センタとのデータ通信を行うことで、ナビゲーション装置の地図データを最新の地図データへ更新する技術が知られている。近年では、地図データのうち変更のあった部分だけを書き換えることも行われている。
【0003】
ところで、このような通信を用いた地図更新においては、メッシュと呼ばれる区画など、予め設定される地図更新の区画(以下「地図更新区画」という)を単位として、センタからナビゲーション装置へ地図更新区画の更新データが配信される。したがって、更新対象となる地図更新区画が増えると、取得するデータ量が大きくなる。結果として、更新データの取得に要する時間が長くなり、また、通信費用が嵩む。
【0004】
そこで、ユーザが必要とする範囲の地図更新区画のみを更新する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。例えば特許文献1では、ユーザが目的地へ到達するために通行する経路を含む地図更新区画の更新データのみがセンタから配信されるようになっている。
【0005】
例えば、図11(a)に示すスタート地点Sにて目的地G1までの経路を設定するものとする。このとき、例えば目的地G1を設定した際にスタート地点Sにおいて、図11(b)に示すようなスタート地点Sから目的地G1までの経路R1を含む地図更新区画(斜線を施した区画)の更新データがセンタから配信される。これにより、当該地図更新区画に含まれる新規開通道路R2が地図に追加される。その結果、例えば地点Jで渋滞などが発生した場合、新規開通道路R2を迂回路として案内することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4409431号公報
【特許文献2】特許第4603735号公報
【特許文献3】特許第3871311号公報
【特許文献4】特開2003−75163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、地図の更新データをセンタから取得できない通信不能の領域があった場合、次に示すような不具合が生じる虞がある。
すなわち、例えば目的地周辺が通信不能の領域である場合、当該目的地までの経路を含む地図更新区画のみを更新すると、目的地へ到達した後で別の目的地への経路を再び探索する場合、新規開通道路が存在していたとしても、更新データが取得できないため、当該道路を利用することが出来なくなってしまう。
【0008】
図11(b)で言えば、二点鎖線で示す領域Hが通信不能の領域であるとすると、目的地G1に到達した後で別の目的地G2への経路を再び探索する場合、破線で示すような新規開通道路R3が存在していたとしても、目的地G1においては目的地G2までの経路を含む地図更新区画を更新することが出来ないため、当該道路R3を案内することが出来なくなってしまう。
【0009】
なお、ここでは、目的地周辺に通信不能の領域があるものとして説明したが、通行する道路上に通信不能の領域があれば同様の課題が生じる。また、通信ができない通信不能の領域だけでなく、通信が可能であっても通信状態が悪い領域があれば、やはり同様の課題が生じる。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、通信不能の領域や通信状態が悪い領域(以下まとめて「通信不良領域」という)が存在する場合にも、地図を更新して適切な案内を行うことが可能なナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のナビゲーションシステムは、経路案内が可能なナビゲーション装置と、当該ナビゲーション装置とデータ通信を行うセンタとを備えている。このとき、センタは、ナビゲーション装置の地図を更新するための更新データを地図更新区画毎に配信する。ここで地図更新区画は、例えばメッシュと呼ばれる区画であることが考えられる。もちろん、行政区画などとしてもよいし、任意にユーザ等が設定する区画であってもよい。また、ナビゲーション装置は車両に搭載されて用いられるものに限定されず、例えばナビゲーション機能を備えるスマートフォンなど、利用者に携帯される端末であってもよい。
【0012】
本発明のナビゲーションシステムでは、通信不良領域取得手段が、データ通信が不良となる通信不良領域を取得する。例えばナビゲーション装置の記憶装置やセンタの記憶装置から取得することが考えられる。また、通信不良領域検索手段が、通行する可能性のある道路が含まれる通信不良領域を検索する。「通行する可能性のある道路」とは、例えば近い将来に通行することが予想される道路である。
【0013】
そして、更新区画特定手段が、検索された通信不良領域に基づき、更新対象の地図更新区画を特定し、センタの更新データ配信手段により、特定された地図更新区画の更新データが、通信不良領域への到達前にナビゲーション装置へ配信される。
【0014】
つまり、本発明では、通信不良領域に基づいて特定される更新対象の地図更新区画の更新データが、通信不良領域への到達前に配信されるのである。言い換えれば、通信不良領域に対応する地図更新区画の更新データをナビゲーション装置にて先読みする。このようにすれば、通信不良領域が存在する場合にも、地図を更新して適切な案内を行うことができる。
【0015】
なお、「経路案内が可能なナビゲーション装置」とあるが、本発明の効果は、必ずしも経路案内を前提とするものではない。すなわち、上述した「適切な案内」には、経路が設定されていない状態で地図を表示するだけの案内も含まれる。つまり、地図を更新して地図表示による案内を行えば、最新の道路状況を把握しながら走行可能となり、適切な案内を行うことができるのである。
【0016】
なお、通信不良領域に基づいて更新対象の地図更新区画を特定する場合、例えば請求項2に示すように、更新区画特定手段は、通信不良領域を包含するように地図更新区画を特定することが考えられる。この場合、通信不良領域を包含する地図更新領域の更新データを先読みするため、通信不良領域での通信が不能であっても、地図を更新して適切な案内を行うことができる。
【0017】
具体的には、請求項3に示すように、案内経路が設定された場合、当該案内経路を含む地図更新区画が更新対象となるよう構成されていることを前提に、通信不良領域検索手段が、案内経路を含む通信不良領域を検索し、更新区画特定手段は、案内経路を含む地図更新区画に加え、通信不良領域に基づき、更新対象の地図更新区画を特定するようにしてもよい。この場合、もともと更新対象となっている地図更新区画を、通信不良領域に基づいて拡張する。このようにすれば、通信不良領域が存在する場合にも、地図を更新して適切な案内を行うことができる。なお、この場合、案内経路の設定の際に更新データを配信することが一例として考えられる。
【0018】
また具体的には、請求項4に示すように、進行方向における前方道路を含む地図更新区画が更新対象となるよう構成されていることを前提に、通信不良領域検索手段が、前方道路を含む通信不良領域を検索し、更新区画特定手段は、前方道路を含む地図更新区画に加え、通信不良領域に基づき、更新対象の地図更新区画を特定するようにしてもよい。この場合も、もともと更新対象となっている地図更新区画を、通信不良領域に基づいて拡張する。このようにすれば、通信不良領域が存在する場合にも、地図を更新して適切な案内を行うことができる。なお、この場合、例えば車両の進行に伴って更新データを配信することが考えられ、一例として、地図更新区画を跨ぐ際に更新データを配信することが考えられる。
【0019】
ところで、通信不良領域取得手段は通信不良領域を取得するのであるが、請求項5に示すように、通信不良領域を示す静的なエリアマップを取得することが考えられる。このようにすれば、比較的簡単に通信不良領域を取得することができる。
【0020】
また、請求項6に示すように、通信不良領域取得手段は、通信不良領域を示す動的な外部情報を取得することとしてもよい。例えば、プローブカーやインフラなどによる実際の通信状況が外部情報として取得されるという具合である。このように動的な外部情報を取得すれば、静的なエリアマップを用いる場合に比べ、通信不良領域をリアルタイムに取得することができる。
【0021】
なお、通信不良領域は、請求項7に示すように、データ通信が不能となる領域であることが考えられる。また、請求項8に示すように、データ通信の通信速度が予め定められる通信速度よりも遅い領域であることが考えられる。
【0022】
後者では例えば、通信速度1Mbps以上を「速い」領域とし、100Kbps〜1Mbpsを「普通」の領域とし、50Kbps〜100Kbpsを「遅い」領域とし、50Kbps以下を「極めて遅い」領域として、通信速度が100Kbps以下の「遅い」領域及び「極めて遅い」領域を通信不良領域にするという具合である。
【0023】
つまり、通信速度が比較的遅い領域では、通信が不能ではないものの、更新データの配信に要する時間が大きくなり、結果として、地図の更新が間に合わない事態となる虞がある。そこで、通信不良領域に通信速度が比較的遅い領域を含めるようにすれば、当該通信不良領域に基づく地図更新区画の更新データが先読みされるため、上述と同様の効果が奏される。
【0024】
このように通信不良領域を通信速度の大小で区分することを考えた場合、請求項9に示すように、更新区画特定手段は、通信速度に応じて、更新対象とする地図更新区画を変更するようにしてもよい。例えば通信速度が「極めて遅い」領域の場合には、上述したように通信不良領域を包含する地図更新区画を特定するのに対し、通信速度が「遅い」領域の場合には、反対に通信不良領域に包含される地図更新区画を特定するという具合である。このようにすれば、通信速度によって更新対象となる地図更新区画の数を減らすことができ、配信するデータ量を抑えることができる。
【0025】
なお、配信するデータ量を抑えるという観点では、請求項10に示すように、更新データ配信手段は、新たに更新が必要な地図更新区画の更新データを配信することとしてもよい。例えば、地図更新区画が最新である場合には更新データを配信しない、という具合である。この場合、更新区画特定手段が、新たに更新が必要な地図更新区画のみを特定するようにしてもよいし、無条件に特定された地図更新区画のうちで新たに更新が必要な地図更新区画の更新データのみを、更新データ配信手段が配信するようにしてもよい。このようにすれば、配信するデータ量を抑えることができる。
【0026】
また、地図更新区画の更新データには施設の更新データのみが含まれることが考えられ、新規に開通した道路を案内することを目的とした場合、施設データを更新しても意味が無い。そこで、請求項11に示すように、更新データ配信手段は、新規に開通した新規開通道路を含む地図更新区画の更新データを配信するとよい。この場合も、更新区画特定手段が、新規開通道路を少なくとも含む地図更新区画のみを特定するようにしてもよいし、無条件に特定された地図更新区画のうちで新規開通道路を含む地図更新区画の更新データのみを、更新データ配信手段が配信するようにしてもよい。このようにすれば、配信するデータ量を抑えることができる。
【0027】
同様に、新規に開通した道路があったとしても、例えば走行中の道路が高速道路であれば、ジャンクションやインターチェンジ以外では分岐案内を行うことはできない。そこで、請求項12に示すように、更新データ配信手段は、前記通行する可能性のある道路からの分岐路を含む地図更新区画の更新データを配信することが考えられる。この場合も、更新区画特定手段が、分岐路を含む地図更新区画のみを特定するようにしてもよいし、無条件に特定された地図更新区画のうちで分岐路を含む地図更新区画の更新データのみを、更新データ配信手段が配信するようにしてもよい。このようにすれば、配信するデータ量を抑えることができる。
【0028】
ところで、通信不良領域取得手段、通信不良領域検索手段、及び、更新区画特定手段については、ナビゲーション装置及びセンタのうち少なくとも一方が備えていればよい。例えば、請求項13に示すように、センタが各手段を備えることが考えられる。また例えば、請求項14に示すように、ナビゲーション装置が各手段を備えることが考えられる。
【0029】
なお、以上はナビゲーションシステムの発明として説明してきたが、請求項15に示すようなナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置の発明として、また、請求項16に示すようなセンタの発明として実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態のナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の地図更新処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の更新データ配信処理を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態の更新データ配信の具体例を示す説明図である。
【図5】第2実施形態の地図更新処理を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態の更新データ配信処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の更新データ配信の具体例を示す説明図である。
【図8】第3実施形態の地図更新処理を示すフローチャートである。
【図9】第4実施形態の地図更新処理を示すフローチャートである。
【図10】更新データ配信のバリエーションを示す説明図である。
【図11】更新データ配信における課題を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、ナビゲーションシステム1の概略構成を示すブロック図である。ナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置3と、センタ5とを備えている。
【0032】
ナビゲーション装置3は、車両に搭載されて用いられ、ナビ側制御部10を中心に構成されている。ナビ側制御部10は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。このナビ側制御部10には、車両の現在地を検出するための位置検出部20、ユーザからの各種指示を入力するための操作スイッチ群30、地図データを記憶する地図データ記憶部40、地図や各種情報の表示を行うための表示部50、各種ガイド音声を出力するための音声出力部60、及びセンタ5との通信を実現するナビ側通信部70が接続されている。
【0033】
位置検出器20は、GPS(Global Positioning System )用の人工衛星からの送信信号を受信し、車両の位置座標や高度を検出するGPS受信機21と、車両に加えられる回転運動の角速度に応じた検出信号を出力するジャイロスコープ22と、車両の走行距離を出力する距離センサ23とを備えている。そして、これらの各センサ21〜23の出力信号に基づいてナビ側制御部10が、現在地、方位、速度等を算出する。なお、GPS受信機21の出力信号に基づいて現在位置を求める手法には様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
【0034】
操作スイッチ群30は、表示部50の表示面上に一体に設置されるタッチパネルや表示部50の周囲に設けられるメカニカルなキースイッチ等で構成されている。また、リモートコントローラを備える構成であれば、リモートコントローラ端末(リモコン)の操作スイッチも、ここに含まれる。
【0035】
地図データ記憶部40は、地図データを記憶し、その各種データをナビ側制御部10に入力するための装置である。地図データ記憶部40に格納されるデータは、交差点等の特定地点に対応するノード及びノード間を接続するリンクによって道路の接続状況を示す道路データや、地図上の施設に関する施設データ、経路案内を行うための案内データなどを含む各種データである。
【0036】
なお、これら道路データや施設データは、予め設定される地図上の区画であるメッシュの単位で更新可能となっている。このため、地図データ記憶部40を構成する記憶媒体は、書き換え可能なものとなっており、例えばHDD(ハードディスクドライブ装置)やフラッシュメモリが採用される。
【0037】
表示部50は、液晶ディスプレイ等の表示面を有するカラー表示装置であり、ナビ側制御部10からの映像信号の入力に応じて各種画像を表示可能である。この表示部50は、地図画像の表示や、出発地から目的地までの誘導経路、車両の現在地を示すマーク、その他の案内情報等の表示に用いられる。音声出力部60は、各種情報を音声にてユーザに報知できるように構成されている。これによって、表示部50による表示と音声出力部60による音声出力との両方でユーザに対して各種経路案内を行うことができる。
【0038】
ナビ側通信部70は、センタ5とのデータ通信を実現するための構成である。具体的に、ナビゲーション装置3は、ナビ側通信部70を介し無線でネットワークに接続されて、センタ5とのデータ通信を行う。
【0039】
一方、センタ5は、センタ側制御部80を中心に構成されている。センタ側制御部80は、ナビ側制御部10と同様、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。このセンタ側制御部80には、センタ側通信部81、地図記憶部82、更新データ記憶部83、及び、通信不良領域取得部84が接続されている。
【0040】
センタ側通信部81は、ナビゲーション装置3とのデータ通信を実現するための構成である。具体的に、センタ5は、センタ側通信部81を介し無線でネットワークに接続されて、ナビゲーション装置3とのデータ通信を行う。
【0041】
地図記憶部82は、地図データを記憶し、その各種データをセンタ側制御部80に入力するための装置である。地図記憶部82に格納されるデータは、交差点等の特定地点に対応するノード及びノード間を接続するリンクによって道路の接続状況を示す道路データや、地図上の施設に関する施設データなどを含む各種データである。
【0042】
更新データ記憶部83は、地図の更新データを記憶する構成である。地図の更新データは、メッシュの単位で格納されており、ナビゲーション装置3に対し、メッシュの単位で配信される。
【0043】
通信不良領域取得部84は、地図上の通信不良領域を取得する。通信不良領域には、無線基地局との位置関係でもともと通信不能な領域が含まれる。このような領域は、静的な情報としてのエリアマップなどで取得される。また、プローブカーやインフラからの外部情報をも取得する。
【0044】
次に、ナビゲーション装置3のナビ側制御部10にて実行される地図更新処理を説明する。図2は、地図更新処理を示すフローチャートである。この地図更新処理は、ナビゲーション装置3に電力供給がなされている状態において繰り返し実行される。
【0045】
最初のS100では、目的地が設定されたか否かを判断する。この処理は、ナビゲーション装置3にて経路案内のための目的地設定が行われたか否かを判断するものである。目的地は、例えば施設などの名称から設定される。ここで目的地が設定されたと判断された場合(S100:YES)、S110へ移行する。一方、目的地が設定されていないと判断された場合(S100:NO)、以降の処理を実行せずに、地図更新処理を終了する。
【0046】
S110では、目的地までの地図を要求する。この処理は地図の更新要求であり、ここでは、ナビ側通信部70を介し、更新要求と共に現在地及び設定した目的地がセンタ5へ送信される。
【0047】
これに対し、センタ5は、後述するように地図の更新データを送信してくる。そこで続くS120では、更新データを受信したか否かを判断する。ここで更新データを受信したと判断された場合(S120:YES)、S130にて更新データにより地図を更新し、その後、地図更新処理を終了する。S130では、メッシュの単位でセンタ5から送信される更新データによって、地図データ記憶部40の道路データ及び施設データを更新する。一方、更新データを受信していないうちは(S120:NO)、S120の判断処理を繰り返す。
【0048】
次に、図2の地図更新処理に対応してセンタ5のセンタ側制御部80にて実行される更新データ配信処理を説明する。図3は、更新データ配信処理を示すフローチャートである。この更新データ配信処理は、所定時間間隔で繰り返し実行される。
【0049】
最初のS200では、更新要求を受信したか否かを判断する。この処理は、ナビゲーション装置3からの更新要求の有無を判断するものであり、図2中のS110に対応するものである。ここで更新要求を受信したと判断された場合(S200:YES)、S210へ移行する。一方、更新要求を受信していないと判断された場合(S200:NO)、以降の処理を実行せず、更新データ配信処理を終了する。
【0050】
S210では、現在地から目的地までの案内経路を設定する。ナビゲーション装置3は、上述したように更新要求と共に現在地及び目的地を送信する。そこでここでは、送信された現在地から目的地への案内経路を設定する。
【0051】
S220では、経路を含むメッシュを特定する。この処理は、S210にて設定した案内経路を含むメッシュを特定するものである。具体的には、図4(a)に示すように、現在地(スタート地点)Sから目的地G1への案内経路を含むメッシュ(斜線を施して示した区画)が特定される。
【0052】
S230では、通信不良領域を検索する。この処理は、S210で設定された案内経路を含む通信不良領域を、通信不良領域取得部84で取得される通信不良領域の中から検索するものである。本実施形態では、通信不良領域として、通信のできない通信不能領域を検索するものとする。
【0053】
続くS240では、通信不良領域が有るか否かを判断する。通信不良領域が有ると判断された場合(S240:YES)、S250へ移行する。一方、通信不良領域が無いと判断された場合(S240:NO)、S250の処理を実行せず、S260へ移行する。
【0054】
通信不良領域があると判断された場合に移行するS250では、通信不良領域に基づきメッシュを特定する。この処理は、通信不良領域を包含するメッシュを特定するものである。具体的には、図4(a)で通信不良領域が領域Hとして検索された場合、図4(b)に示すように、もともと特定されているメッシュに加え、通信不良領域Hを包含するようにメッシュを特定する。
【0055】
続くS260では、メッシュの更新データを配信する。すなわち、スタート地点Sにおける案内経路の設定に際し、図4(b)に示すようなメッシュの更新データが配信される。なお、S260では、図4(b)に示すメッシュが最新でない場合に更新データを配信するものとする。すなわち、過去に最新の更新データが配信されている場合は、当該更新データを配信しない。
【0056】
以上詳述したように本実施形態のナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション装置3からの更新要求があると(図3中のS200:YES)、センタ5は、現在地から目的地までの案内経路を設定し(S210)、当該案内経路を含むメッシュを特定する(S220)。また、案内経路を含む通信不良領域を検索し(S230)、通信不良領域があると(S240:YES)、既に特定されたメッシュに加え、通信不良領域を包含するようなメッシュを特定する(S250)。そして、各メッシュに対し最新の更新データがあれば、当該更新データを配信する(S260)。
【0057】
したがって、図4(b)に斜線を施して示したメッシュの更新データが目的地の設定(経路の設定)に際して配信されることになり、目的地G1において別の目的地G2への経路を探索した場合には、新規開通道路R3が案内されることになる。これにより、通信不良領域が存在する場合にも、地図を更新して適切な案内を行うことができる。
【0058】
また、本実施形態では、センタ5の通信不良領域取得部84が、通信不良領域を示すエリアマップを取得すると共に、プローブカーやインフラなどによる実際の通信状況が外部情報として取得される。これにより、静的なエリアマップだけを用いる場合に比べ、実際の通信不良領域をリアルタイムに取得することができる。
【0059】
さらにまた、本実施形態では、更新データ配信処理(図3参照)中のS260にて、新たに更新が必要なメッシュの更新データが配信される。これにより、配信するデータ量を抑えることができる。
【0060】
なお、本実施形態におけるナビゲーションシステム1が特許請求の範囲の「ナビゲーションシステム」に相当し、ナビゲーション装置3が「ナビゲーション装置」に相当し、センタ5が「センタ」に相当し、メッシュが「地図更新区画」に相当する。
【0061】
また、センタ5の通信不良領域取得部84が「通信不良領域取得手段」に相当し、センタ5のセンタ側制御部80が「通信不良領域検索手段」、「更新区画特定手段」及び「更新データ配信手段」を構成する。
【0062】
さらにまた、図3中のS230が「通信不良領域検索手段」の機能としての処理に相当し、S250が「更新区画特定手段」の機能としての処理に相当し、S260が「更新データ配信手段」の機能としての処理に相当する。
【0063】
[第2実施形態]
本第2実施形態では、ナビゲーション装置3のナビ側制御部10にて実行される地図更新処理及び、センタ5のセンタ側制御部80にて実行される更新データ配信処理が、上記第1実施形態と異なっている。
【0064】
そこで、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、地図更新処理及び更新データ配信処理についてのみ説明する。
最初に、ナビゲーション装置3のナビ側制御部10にて実行される地図更新処理を説明する。図5は、地図更新処理を示すフローチャートである。この地図更新処理は、ナビゲーション装置3へ電力供給がなされているときに繰り返し実行される。
【0065】
最初のS300では、メッシュを跨いだか否かを判断する。この処理は、地図更新のタイミングを判断するものであり、本実施形態では、メッシュを跨いだ場合を判断する。ここで、メッシュを跨いだと判断された場合(S300:YES)、S310へ移行する。一方、メッシュを跨いでいないと判断された場合(S300:NO)、以降の処理を実行せずに、地図更新処理を終了する。
【0066】
S110では、進行方向の地図を要求する。この処理は、地図の更新要求であり、上記ナビ側通信部70を介し、更新要求と共に現在地及び車両の進行方向がセンタ5へ送信される。
【0067】
これに対し、センタ5は、後述するように地図の更新データを送信してくる。そこで続くS320では、更新データを受信したか否かを判断する。ここで更新データを受信したと判断された場合(S320:YES)、S330にて更新データにより地図を更新し、その後、地図更新処理を終了する。S330では、メッシュの単位でセンタ5から送信される更新データによって、地図データ記憶部40の道路データ及び施設データを更新する。一方、更新データを受信していないうちは(S320:NO)、S320の判断処理を繰り返す。
【0068】
次に、図5の地図更新処理に対応してセンタ5のセンタ側制御部80にて実行される更新データ配信処理を説明する。図6は、更新データ配信処理を示すフローチャートである。この更新データ配信処理は、所定時間間隔で繰り返し実行される。
【0069】
最初のS400では、更新要求を受信したか否かを判断する。この処理は、ナビゲーション装置3からの更新要求の有無を判断するものであり、図5中のS310に対応するものである。ここで更新要求を受信したと判断された場合(S400:YES)、S410へ移行する。一方、更新要求を受信していないと判断された場合(S400:NO)、以降の処理を実行せず、更新データ配信処理を終了する。
【0070】
S410では、現在地から進行方向の扇形領域を設定する。ナビゲーション装置3は、上述したように更新要求と共に現在地及び車両の進行方向を送信する。そこでここでは、ナビゲーション装置3から送信された現在地及び進行方向に基づき扇形領域を設定する。
【0071】
S420では、扇形領域を含むメッシュを特定する。この処理は、S410にて設定した扇形領域を含むメッシュを特定するものである。具体的には、図7(a)に示すように、現在地Sから進行方向に向かって広がる扇形領域Oを含むメッシュ(斜線を施して示す区画)を特定する。
【0072】
S430では、通信不良領域を検索する。この処理は、S410で設定した扇形領域にかかる通信不良領域を、通信不良領域取得部84にて取得される通信不良領域から検索するものである。本実施形態では、通信不良領域として、通信のできない通信不能領域を検索するものとする。
【0073】
続くS440では、通信不良領域が有るか否かを判断する。ここで通信不良領域が有ると判断された場合(S440:YES)、S450へ移行する。一方、通信不良領域が無いと判断された場合(S440:NO)、S450の処理を実行せず、S460へ移行する。
【0074】
通信不良領域があると判断された場合に移行するS450では、通信不良領域に基づきメッシュを特定する。この処理は、通信不良領域を包含するメッシュを特定するものである。具体的には、図7(a)で通信不良領域が領域Hとして検索された場合、図7(b)に示すように、もともと特定されているメッシュに加え、通信不良領域Hを包含するようにメッシュを特定する。
【0075】
続くS460では、メッシュの更新データを配信する。すなわち、スタート地点Sでメッシュを跨いだ際に、図7(b)に示すようなメッシュの更新データが配信される。なお、S460では、図7(b)に示すメッシュが最新でない場合に更新データを配信するものとする。すなわち、過去に最新の更新データが配信されている場合は、当該更新データを配信しない。
【0076】
以上詳述したように本実施形態のナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション装置3からの更新要求があると(図6中のS400:YES)、センタ5は、現在地から進行方向の扇形領域を設定し(S410)、当該扇形領域を含むメッシュを特定する(S420)。また、扇形領域にかかる通信不良領域を検索し(S430)、通信不良領域があると(S440:YES)、既に特定されたメッシュに加え、通信不良領域を包含するようなメッシュを特定する(S450)。そして、各メッシュに対し最新の更新データがあれば、当該更新データを配信する(S460)。
【0077】
したがって、図7(b)に斜線を施して示したメッシュの更新データがメッシュを跨いだ際に配信されることになり、通信不良領域Hへ到達した後で経路の再探索などを行った場合には、新規開通道路R4が案内対象となる。これにより、通信不良領域が存在する場合にも、地図を更新して適切な案内を行うことができる。また、再探索が行われない場合でも、新規開通道路R4が画面に表示される。これにより、最新の道路状況を把握しながら走行可能となる。さらにまた、リアルタイムに実際の通信不良領域を取得できる点、各メッシュに対し最新の更新データを送信することでデータ量を抑えられる点でも、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0078】
なお、特許請求の範囲との対応関係は上記実施形態と同様であり、この場合、図6中のS430が「通信不良領域検索手段」の機能としての処理に相当し、S450が「更新区画特定手段」の機能としての処理に相当し、S460が「更新データ配信手段」の機能としての処理に相当する。
【0079】
[第3実施形態]
上記実施形態では、ナビゲーション装置3からの地図の更新要求に基づき(図2中のS110,図5中のS310)、センタ5が、通信不良領域を検索し(図3中のS230,図6中のS430)、通信不良領域に基づくメッシュを特定し(図3中のS250,図6中のS450)、特定されたメッシュの更新データを配信している(図3中のS260,図6中のS460)。
【0080】
これに対し、本第3実施形態では、ナビゲーション装置3が、通信不良領域を検索し、通信不良領域に基づいてメッシュを特定し、その後、更新データを要求する。この場合、図1に示すセンタ5の通信不良領域取得部84を、ナビゲーション装置3が備えることとなる。
【0081】
ここでは、ナビゲーション装置3のナビ側制御部10にて実行される地図更新処理を説明する。図8は、地図更新処理を示すフローチャートである。この地図更新処理は、ナビゲーション装置3への電力供給時に所定時間間隔で繰り返し実行される。
【0082】
最初のS500では、目的地が設定されたか否かを判断する。この処理は、ナビゲーション装置3にて経路案内のための目的地設定が行われたか否かを判断するものである。ここで目的地が設定されたと判断された場合(S500:YES)、S510へ移行する。一方、目的地が設定されていないと判断された場合(S500:NO)、以降の処理を実行せずに、地図更新処理を終了する。
【0083】
S510では、現在地から目的地までの案内経路を設定する。続くS520では、経路を含むメッシュを特定する。この処理は、S510にて設定した案内経路を含むメッシュを特定するものである。
【0084】
次のS530では、通信不良領域を検索する。この処理は、S510で設定された案内経路を含む通信不良領域を検索するものである。本実施形態では、通信不良領域として、通信のできない通信不能領域を検索するものとする。
【0085】
続くS540では、通信不良領域が有るか否かを判断する。通信不良領域が有ると判断された場合(S540:YES)、S550へ移行する。一方、通信不良領域が無いと判断された場合(S540:NO)、S550の処理を実行せず、S560へ移行する。
【0086】
通信不良領域があると判断された場合に移行するS550では、通信不良領域に基づきメッシュを特定する。この処理は、通信不良領域を包含するメッシュを特定するものである。
【0087】
S560ではメッシュの更新データをセンタ5へ要求し、その後、地図更新処理を終了する。これに対し、センタ5は、ナビゲーション装置3にて特定されたメッシュの更新データを配信する。
【0088】
このようにしても、上記実施形態と同様の効果が奏される。なお、本実施形態においては、ナビゲーション装置3が備えることになる通信不良領域取得部84が「通信不良領域取得手段」に相当し、ナビゲーション装置3のナビ側制御部10が「通信不良領域検索手段」、「更新区画特定手段」及び「更新データ配信手段」を構成する。
【0089】
さらにまた、図8中のS530が「通信不良領域検索手段」の機能としての処理に相当し、S550が「更新区画特定手段」の機能としての処理に相当し、S560が「更新データ配信手段」の機能としての処理に相当する。
【0090】
[第4実施形態]
本第4実施形態では、上記第3実施形態と同様、ナビゲーション装置3が、通信不良領域を検索し、通信不良領域に基づいてメッシュを特定し、その後、更新データを要求する。この場合、図1に示すセンタ5の通信不良領域取得部84を、ナビゲーション装置3が備えることとなる。
【0091】
ここでは、ナビゲーション装置3のナビ側制御部10にて実行される地図更新処理を説明する。図9は、地図更新処理を示すフローチャートである。この地図更新処理は、ナビゲーション装置3への電力供給時に所定時間間隔で繰り返し実行される。
【0092】
最初のS600では、メッシュを跨いだか否かを判断する。ここでメッシュを跨いだと判断された場合(S600:YES)、S610へ移行する。一方、メッシュを跨いでいないと判断された場合(S600:NO)、以降の処理を実行せずに、地図更新処理を終了する。
【0093】
S610では、現在地から進行方向の扇形領域を設定する。続くS620では、扇形領域を含むメッシュを特定する。この処理は、S510にて設定した扇形領域を含むメッシュを特定するものである。
【0094】
次のS630では、通信不良領域を検索する。この処理は、S610で設定された扇形領域にかかる通信不良領域を検索するものである。本実施形態では、通信不良領域として、通信のできない通信不能領域を検索するものとする。
【0095】
続くS640では、通信不良領域が有るか否かを判断する。通信不良領域が有ると判断された場合(S640:YES)、S650にて通信不良領域に基づきメッシュを特定し、その後、S660へ移行する。一方、通信不良領域が無いと判断された場合(S640:NO)、S650の処理を実行せず、S660へ移行する。
【0096】
S660ではメッシュの更新データをセンタ5へ要求し、その後、地図更新処理を終了する。これに対し、センタ5は、ナビゲーション装置3にて特定されたメッシュの更新データを配信する。
【0097】
このようにしても、上記実施形態と同様の効果が奏される。なお、本実施形態においては、ナビゲーション装置3が備えることになる通信不良領域取得部84が「通信不良領域取得手段」に相当し、ナビゲーション装置3のナビ側制御部10が「通信不良領域検索手段」、「更新区画特定手段」及び「更新データ配信手段」を構成する。
【0098】
さらにまた、図9中のS630が「通信不良領域検索手段」の機能としての処理に相当し、S650が「更新区画特定手段」の機能としての処理に相当し、S660が「更新データ配信手段」の機能としての処理に相当する。
【0099】
以上本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その技術的範囲を逸脱しない限り、種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記実施形態ではいずれも通信不良領域として通信不能の領域を検索しているが、通信が可能であっても、通信速度が予め定められる通信速度よりも遅い領域を通信不良領域としてもよい。
【0100】
例えば、通信速度1Mbps以上を「速い」領域とし、100Kbps〜1Mbpsを「普通」の領域とし、50Kbps〜100Kbpsを「遅い」領域とし、50Kbps以下を「極めて遅い」領域として、通信速度が100Kbps以下の「遅い」領域及び「極めて遅い」領域を通信不良領域にするという具合である。
【0101】
(ロ)上記(イ)に示すように通信不良領域を通信速度の大小で区分することを考えた場合、当該通信速度に応じて、更新対象とするメッシュを変更するようにしてもよい。
例えば通信速度が「極めて遅い」領域に対しては図4(b)に示したように通信不良領域Hを包含するメッシュを特定するのに対し、通信速度が「遅い」領域に対しては、図10(a)に示すように、通信不良領域Hに包含されるメッシュを特定するという具合である。
【0102】
このようにすれば、通信速度によって更新対象となるメッシュの数を減らすことができ、配信するデータ量を抑えることができる。
(ハ)上記実施形態ではいずれもメッシュの単位でセンタ5から配信される更新データによって地図データ記憶部40の道路データ及び施設データを更新するものとしたが、新規に開通した新規開通道路を含むメッシュの更新データを配信するようにしてもよい。また、新規に開通した新規開通道路があったとしても、例えば走行中の道路が高速道路であれば、ジャンクションやインターチェンジ以外では分岐案内を行うことはできない。そこで、通行する可能性のある道路からの分岐路を含むメッシュの更新データを配信するようにしてもよい。
【0103】
例えば、図10(b)に示すように、通信不良領域Hを包含するメッシュの中で、新規開通道路R5,R6を含むメッシュの更新データを配信し、記号Mで示すメッシュには、新規開通道路が含まれていないため更新データを配信しないという具合である。また例えば、図10(b)に示すように、新規開通道路R5,R6が通行する経路からの分岐路である場合に限り更新データを配信するという具合である。
【0104】
このようにすれば、配信するデータ量を抑えることができる。
【符号の説明】
【0105】
1…ナビゲーションシステム、3…ナビゲーション装置、5…センタ、10…ナビ側制御部、20…位置検出部、21…GPS受信機、22…ジャイロスコープ、23…距離センサ、30…操作スイッチ群、40…地図データ記憶部、50…表示部、60…音声出力部、70…ナビ側通信部、80…センタ側制御部、81…センタ側通信部、82…地図記憶部、83…更新データ記憶部、84…通信不良領域取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路案内が可能なナビゲーション装置と、当該ナビゲーション装置とデータ通信を行い当該ナビゲーション装置の地図を更新するための更新データを地図更新区画毎に配信するセンタとを備えたナビゲーションシステムであって、
前記データ通信が不良となる通信不良領域を取得する通信不良領域取得手段と、
通行する可能性のある道路が含まれる前記通信不良領域を検索する通信不良領域検索手段と、
前記検索された前記通信不良領域に基づき、更新対象の地図更新区画を特定する更新区画特定手段と、を備え、
前記センタは、
前記更新区画特定手段にて特定される前記地図更新区画の更新データを、前記通信不良領域への到達前に前記ナビゲーション装置へ配信する更新データ配信手段を備えていること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記更新区画特定手段は、前記通信不良領域を包含するように前記地図更新区画を特定すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
案内経路が設定された場合、当該案内経路を含む前記地図更新区画が更新対象となるよう構成されており、
前記通信不良領域検索手段は、前記案内経路を含む前記通信不良領域を検索し、
前記更新区画特定手段は、前記案内経路を含む前記地図更新区画に加え、前記通信不良領域に基づき、更新対象の地図更新区画を特定すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
進行方向における前方道路を含む前記地図更新区画が更新対象となるよう構成されており、
前記通信不良領域検索手段は、前記前方道路を含む前記通信不良領域を検索し、
前記更新区画特定手段は、前記前方道路を含む前記地図更新区画に加え、前記通信不良領域に基づき、更新対象の地図更新区画を特定すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記通信不良領域取得手段は、前記通信不良領域を示す静的なエリアマップを取得すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記通信不良領域取得手段は、前記通信不良領域を示す動的な外部情報が取得すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記通信不良領域は、前記データ通信が不能となる領域であること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記通信不良領域は、前記データ通信の通信速度が予め定められる通信速度よりも遅い領域であること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記更新区画特定手段は、前記通信速度に応じて、更新対象とする地図更新区画を変更すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記更新データ配信手段は、新たに更新が必要な地図更新区画の更新データを配信すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記更新データ配信手段は、新規に開通した新規開通道路を含む地図更新区画の更新データを配信すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記更新データ配信手段は、通行する可能性のある道路からの分岐路を含む地図更新区画の更新データを配信すること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記センタが、前記通信不良領域取得手段、前記通信不良領域検索手段、及び、更新区画特定手段を備えていること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項1〜12の何れか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置が、前記通信不良領域取得手段、前記通信不良領域検索手段、及び、更新区画特定手段を備えていること
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置。
【請求項16】
請求項1〜14の何れか一項に記載のナビゲーションシステムの構成するセンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−68916(P2013−68916A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209361(P2011−209361)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】