説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置

【課題】目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置において記憶されていなくても、最適な経路に従って車両を目的地まで誘導する。
【解決手段】出発地21において、道路25を含む従来経路を探索したナビゲーション装置は、ナビゲーションサーバに対して経路情報を送信する。ナビゲーションサーバは、道路26を含む最新経路を探索して、従来経路と最新経路とを比較し、最新経路に含まれるが従来経路には含まれない道路26を抽出して誘導対象道路とする。車両100が分岐地点23に近づくと、ナビゲーションサーバからナビゲーション装置に対して、分岐地点23について誘導情報を送信する。この誘導情報を受信したナビゲーション装置は、分岐地点23における車両100の進行方向を指示して車両100の誘導を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーションシステムと、ナビゲーションシステムにおいて用いられるナビゲーション装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信により最新の地図データをダウンロードして地図データを更新するナビゲーション装置が知られている。たとえば、特許文献1には、ユーザに選択された地域について、更新される地図の内容を事前に表示し、ユーザにより確認操作が行われたら地図を更新するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−126683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置によれば、ユーザに選択された地域を対象に地図データの更新が行われる。そのため、目的地が設定された際に、その目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置において必ずしも記憶されているとは限らない。また、地図データを更新する時間がユーザになかったり、更新費用をユーザが負担できないなどの理由から、ナビゲーション装置の地図データは必ずしも最新のものに更新されているとは限らない。このような状況において、目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データが記憶されていない場合、従来のナビゲーション装置では、最適な経路に従って車両を目的地まで誘導することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるナビゲーションシステムは、車両に搭載されたナビゲーション装置と、このナビゲーション装置との間で通信を行うサーバ装置とを有するものであって、ナビゲーション装置は、地図データを記憶する記憶手段と、地図データに基づいて車両の出発地から目的地までの第1の経路を探索する第1の経路探索手段と、第1の経路に関する経路情報をサーバ装置へ送信する経路情報送信手段と、第1の経路に含まれない誘導対象道路についてサーバ装置から送信される誘導情報を受信する誘導情報受信手段と、誘導情報受信手段により受信された誘導情報に基づいて車両を誘導対象道路に従って誘導する車両誘導手段とを備え、サーバ装置は、最新の地図データに基づいて出発地から目的地までの第2の経路を探索する第2の経路探索手段と、経路情報送信手段によりナビゲーション装置から送信された経路情報に基づいて第2の経路に含まれる道路のうち第1の経路に含まれない道路を誘導対象道路として抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された誘導対象道路について誘導情報をナビゲーション装置へ送信する誘導情報送信手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置において記憶されていなくても、最適な経路に従って車両を目的地まで誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】経路誘導の具体例を説明するための図である。
【図4】車両誘導時に表示される簡易地図の例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態においてナビゲーション装置により実行される処理のフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態においてナビゲーションサーバにより実行される処理のフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態においてナビゲーション装置により実行される処理のフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態においてナビゲーションサーバにより実行される処理のフローチャートである。
【図9】第3の実施の形態においてナビゲーション装置により実行される処理のフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態においてナビゲーションサーバにより実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
本発明の一実施の形態によるナビゲーションシステムの構成を図1に示す。このシステムは、車両100に搭載されているナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4によって構成される。ナビゲーション装置1は、有線あるいは無線で通信端末2と接続されている。ナビゲーションサーバ4は、通信回線網3と接続されている。
【0009】
ナビゲーション装置1には、地図データが記憶されている。ユーザにより目的地が設定されると、ナビゲーション装置1は地図データに基づいてその目的地までの推奨経路を探索し、探索された推奨経路に従って車両100を目的地まで誘導する。ナビゲーション装置1の地図データは、ユーザの操作に応じて任意のタイミングで更新できるようになっているが、後述するナビゲーションサーバ4に記憶されている最新の地図データベースとは必ずしも内容が一致しない。そのため、ナビゲーション装置1の地図データを以下では従来の地図データという。
【0010】
なお、従来の地図データにおいて現在の道路の様子が十分に反映されていないと、ナビゲーション装置1において最適な推奨経路が探索できない場合がある。このような場合、ナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1に対して、推奨経路とは異なる道路について後述するような誘導情報が送信される。この誘導情報を用いることにより、ナビゲーション装置1は、最適な経路に従って車両100を目的地まで誘導することができる。
【0011】
通信端末2は、ナビゲーション装置1の制御により、必要に応じて通信回線網3と無線接続を行う。通信回線網3には、ナビゲーションサーバ4が接続されている。すなわちナビゲーション装置1は、通信端末2と通信回線網3を介してナビゲーションサーバ4に接続する。通信端末2と通信回線網3が無線接続する際には、通信回線網3が有する不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、その周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、全国各地に散在している。なお、通信端末2は、たとえば携帯電話などである。また、通信回線網3は、たとえば携帯電話回線網やインターネットなどにより構築される。
【0012】
ナビゲーションサーバ4は、全国各地の最新の地図データベースを記憶しており、この最新の地図データベースに基づく推奨経路を探索する。ナビゲーションサーバ4において探索された最新の地図データベースによる推奨経路(以降では最新経路という)が、ナビゲーション装置1において探索された従来の地図データによる推奨経路(以降では従来経路という)と異なる場合、ナビゲーションサーバ4は、最新経路に含まれる道路のうち従来経路に含まれない道路を誘導対象道路として抽出する。そして、抽出した誘導対象道路に従って車両100を誘導するための誘導情報をナビゲーション装置1へ送信する。なお、誘導情報として送信される情報の内容については後で説明する。
【0013】
次にナビゲーション装置1の構成について説明する。図2は、ナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。図2のブロック図において、ナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスクドライブ(HDD)13、GPS(Global Positioning System)受信部14、表示モニタ15および入力装置16を備えている。
【0014】
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10により、自車両すなわち車両100を目的地まで案内するための様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの従来経路の探索処理、自車位置すなわち車両100の現在位置の検出処理、各種の画像表示処理、ルート案内時の音声出力処理などが実行される。
【0015】
制御部10には通信端末2が接続されている。図1のナビゲーションサーバ4から送信された誘導情報は、通信端末2を経由して制御部10へ出力されることにより、ナビゲーション装置1において受信される。
【0016】
振動ジャイロ11は、車両100の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車両100の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて車両100の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、制御部10において車両100の移動方向および移動量が求められる。
【0017】
HDD13は不揮発性の記録媒体であり、制御部10において上記のような処理を実行するための制御プログラムや地図データ(従来の地図データ)などが記録されている。なお、HDD13に記録されている従来の地図データにおいて、各道路は所定の道路区間ごとに分割されて表される。この道路区間のそれぞれは、リンクと呼ばれる。すなわち、従来の地図データにおいて、各道路は複数のリンクにより構成されている。このリンクのそれぞれには、車両が通過するときの所要時間に関するリンクコストと呼ばれる値が設定されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれる。ノードのそれぞれは、地図の座標を用いて表現された位置情報を有している。このノードの位置情報に基づいて、地図上に表される各道路の位置や形状が決定される。ナビゲーションサーバ4に記憶されている最新の地図データでもこの点は同様である。
【0018】
HDD13に記録されている従来の地図データは、ユーザが任意のタイミングで更新することができる。この地図データの更新は、たとえばナビゲーションサーバ4から最新の地図データに基づく更新地図データをダウンロードすることにより行うことができる。あるいは、更新地図データが記録されたメモリカードやDVD−ROMなどの記録媒体からその更新地図データを読み込むことにより、地図データの更新を行ってもよい。こうした地図データの更新は、所定の地域単位で部分的に行ってもよいし、あるいは全体的に行ってもよい。
【0019】
なお、上記ではナビゲーション装置1において地図データがHDD13に記録されている例を説明したが、これらをHDD以外の記録媒体に記録することとしてもよい。たとえば、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカードなどに記録された地図データを用いることができる。すなわち、本実施の形態によるナビゲーション装置では、どのような記録媒体を用いてこれらのデータを記憶してもよい。
【0020】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、車両100の位置を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて、自車位置を制御部10において算出することができる。このGPS信号に基づく自車位置の算出結果と、前述の振動ジャイロ11および車速センサ12の各検出結果に基づく移動方向および移動量の算出結果とにより、所定時間ごとに自車位置が検出される。
【0021】
表示モニタ15は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ15により、地図画面の表示などが行われる。表示モニタ15に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ15は、たとえば車両100のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
【0022】
入力装置16は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置16を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ15と一体化されたタッチパネルにより入力装置16を実現してもよい。
【0023】
次に、本実施形態のナビゲーションシステムにおける経路誘導の方法について説明する。ユーザが入力装置16を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、HDD13に記録されている従来の地図データにおいて設定された前述のリンクコストに基づいて、たとえばリンクコストの合計が最小となる目的地までの経路を探索する。こうして従来の地図データに基づいて探索された経路を、従来経路として設定する。こうして探索された従来経路は、他の道路と区別可能な表示形態により、表示モニタ15において地図上に示される。
【0024】
上記のようにして従来経路を探索したら、ナビゲーション装置1は、現在位置および目的地の情報を含む従来経路に関する経路情報を、通信端末2および通信回線網3を介してナビゲーションサーバ4へ送信する。ナビゲーション装置1から経路情報が送信されると、ナビゲーションサーバ4は、最新の地図データベースに基づいて、従来経路の探索と同様の方法により、最新経路を探索する。
【0025】
最新経路を探索したら、ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1から送信された経路情報に基づいて、従来経路と最新経路とを比較する。その結果、従来経路と最新経路が一致していない場合は、最新経路に含まれるが従来経路には含まれていない道路を抽出し、この道路を誘導対象道路とする。なお、従来経路と最新経路の不一致は、たとえば、最新の地図データベースにおいて存在する道路がHDD13に記録されている従来の地図データでは存在しない場合などに生じる。このような状況は、最近開通したばかりの道路などにおいて発生することがある。
【0026】
車両100が誘導対象道路における誘導地点に近づくと、ナビゲーションサーバ4は、その誘導地点についての誘導情報をナビゲーション装置1へ送信する。ここでは、従来経路から誘導対象道路への分岐地点や、誘導対象道路において車両100が曲がるべき交差点などを誘導地点に設定する。そして、当該誘導地点における車両100の進行方向を簡単な図形により図示した簡易地図の描画データや、当該誘導地点における車両100の進行方向を言い表した誘導用の音声データなどを含む誘導情報を、通信回線網3を介してナビゲーション装置1へ送信する。
【0027】
ナビゲーションサーバ4から誘導情報が送信されると、ナビゲーション装置1はこれを通信端末2を介して受信する。そして、受信した誘導情報に基づいて、簡易地図を表示モニタ15に表示したり、誘導用の音声を出力したりすることで、誘導地点における車両100の進行方向をユーザに対して指示する。このようにして、分岐地点手前や誘導対象道路における車両100の誘導が行われる。
【0028】
以上説明した経路誘導の具体例を図3により説明する。図3(a)は、車両100が出発地21にいるときに目的地22が設定され、出発地21から目的地22まで至る従来経路と最新経路がナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4においてそれぞれ探索されたときの様子を示している。図3(a)に例示したように、従来経路と最新経路は、分岐地点23において、実線で示す道路25と破線で示す道路26にそれぞれ分岐し、合流地点24において合流している。すなわち、従来経路と最新経路は、出発地21から分岐地点23までの区間と、合流地点24から目的地22までの区間では共通であるが、分岐地点23から合流地点24までの区間において、道路25と道路26にそれぞれ分かれている。
【0029】
出発地21において、道路25を含む従来経路を探索したナビゲーション装置1は、ナビゲーションサーバ4に対して経路情報を送信する。この経路情報には、たとえば従来経路を構成する各道路リンクの番号など、従来経路における道路を特定するための情報が含まれている。
【0030】
ナビゲーション装置1から送信された経路情報がナビゲーションサーバ4において受信されると、ナビゲーションサーバ4は、道路26を含む最新経路を探索する。そして、受信した経路情報に基づいて、従来経路と最新経路とを比較し、最新経路に含まれるが従来経路には含まれない道路26を抽出し、これを誘導対象道路とする。なお、この時点ではまだ誘導情報の送信は行われない。
【0031】
車両100が走行を開始すると、ナビゲーション装置1はナビゲーションサーバ4に対して、自車位置に関する位置情報を所定時間ごとに送信する。ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1から送信された位置情報に基づいて、車両100が分岐地点23に近づいたか否かを判定する。
【0032】
車両100が分岐地点23に近づくと、図3(b)に示すように、ナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1に対して、分岐地点23について誘導情報を送信する。この誘導情報を受信したナビゲーション装置1は、分岐地点23における車両100の進行方向を簡易地図表示や音声出力などによりユーザに指示することで、車両100の誘導を行う。この誘導に従ってユーザが車両100を運転することで、図3(c)に示すように、車両100が分岐地点23を通過して道路26を走行することができる。
【0033】
車両100の誘導時に表示される簡易地図の例を図4に示す。この簡易地図では、たとえば、VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)において提供されるレベル2の図形情報や、道路上に設置されている案内標識(行き先表示看板)等と同様の形態を用いることができる。
【0034】
なお、車両100が道路26を走行しているときに、ナビゲーション装置1は地図表示を停止してもよい。このようにすれば、表示された地図において道路が存在しない場所を車両100が走行しているように見えるのを防ぐことができる。あるいは、地図を見てもユーザが混乱を招かないように、ナビゲーションサーバ4から受信した誘導情報に基づく車両誘導中である旨を、画面表示や音声などによりナビゲーション装置1からユーザに通知してもよい。
【0035】
上記の経路誘導を行う際にナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4によりそれぞれ実行されるフローチャートを図5および6に示す。図5のフローチャートは、ユーザが入力装置16の操作により目的地の設定を指示したときに、ナビゲーション装置1の制御部10において実行される。一方、図6のフローチャートは、ナビゲーションサーバ4において常時実行される。
【0036】
先にナビゲーション装置1が実行する図5のフローチャートについて説明する。ステップS10において、制御部10は、車両100の目的地を設定する。ステップS20において、制御部10は、直前に検出した自車位置を出発地として、その出発地からステップS10で設定した目的地までの推奨経路を探索する。この推奨経路の探索は、HDD13に記録されている地図データに基づいて行われるものであり、探索された推奨経路は前述の従来経路に相当する。
【0037】
ステップS30において、制御部10は、ステップS20で探索された推奨経路(従来経路)に関する経路情報をナビゲーションサーバ4へ送信する。送信した経路情報は、図6のステップS210においてナビゲーションサーバ4により受信される。ステップS40において、制御部10は、ステップS30で送信した経路情報に応じてナビゲーションサーバ4から送信される経路比較結果を受信する。なお、ナビゲーションサーバ4からの経路比較結果の送信は、図6のステップS250またはS300において行われる。
【0038】
ステップS50において、制御部10は、ステップS40で受信した経路比較結果に基づいて、ステップS20で探索した推奨経路(従来経路)がナビゲーションサーバ4において探索された最新地図データベースによる推奨経路(最新経路)と一致するか否かを判定する。両経路が一致しない場合はステップS60へ進む。一方、両経路が一致する場合は、ナビゲーションサーバ4から送信される誘導情報に基づく車両誘導は不要であるため、図5のフローチャートを終了する。この場合、ステップS20で探索した推奨経路に従って、通常の方法により車両誘導を行う。
【0039】
ステップS60において、制御部10は、現在の自車位置に関する位置情報をナビゲーションサーバ4へ送信する。送信した位置情報は、図6のステップS260においてナビゲーションサーバ4により受信される。
【0040】
ステップS70において、制御部10は、ナビゲーションサーバ4から誘導情報が送信されたか否かを判定する。なお、ナビゲーションサーバ4は、図6のステップS280において誘導情報の送信を行う。誘導情報が送信された場合はステップS80へ進み、送信されていない場合はステップS60へ戻る。
【0041】
ステップS80において、制御部10は、ナビゲーションサーバ4から送信された誘導情報を受信する。ステップS90において、制御部10は、ステップS80で受信した誘導情報に基づいて、誘導対象道路に従って車両100の誘導を行う。ここでは前述のように、誘導情報に含まれる描画データや音声データに基づく簡易地図の表示や音声出力を行う等により、車両100の誘導を行う。
【0042】
ステップS100において、制御部10は、車両100が目的地に到着したか否かを判定する。目的地に到着した場合はステップS110へ進み、まだ到着していない場合はステップS60へ戻る。ステップS110において、制御部10は、車両100が目的地に到着したことをナビゲーションサーバ4へ通知する。ステップS110を実行したら、制御部10は図5のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、ナビゲーション装置1における処理が行われる。
【0043】
次にナビゲーションサーバ4が実行する図6のフローチャートについて説明する。ステップS200において、ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1から経路情報が送信されたか否かを判定する。ナビゲーション装置1において図5のステップS30の処理が実行されることにより経路情報が送信された場合はステップS210へ進み、送信されない場合はステップS200に留まる。
【0044】
ステップS210において、ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1から送信された経路情報を受信する。ステップS220において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS210で受信した経路情報に基づいて車両100の出発地と目的地を特定し、この出発地と目的地とを結ぶ推奨経路を最新の地図データベースに基づいて探索する。ここで探索された推奨経路は、前述の最新経路に相当する。
【0045】
ステップS230において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS220で探索された推奨経路(最新経路)と、ステップS210で受信した経路情報に基づくナビゲーション装置1の推奨経路(従来経路)とを比較し、両経路が一致するか否かを判定する。その結果、両経路が一致しない場合はステップS240へ進み、一致する場合はステップS300へ進む。
【0046】
ステップS230において最新経路と従来経路が一致しないと判定された場合、ステップS240において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS210で受信した経路情報に基づいて、最新経路に含まれる道路のうち従来経路に含まれない道路を誘導対象道路として抽出する。さらに、抽出した誘導対象道路において車両100の誘導が必要な地点を特定し、これを誘導地点に設定する。ここでは、前述のような分岐地点や交差点などを誘導地点に設定する。
【0047】
ステップS250において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS230による経路比較結果をナビゲーション装置1へ送信する。ここでは、最新経路と従来経路が一致していない旨の経路比較結果を送信する。送信した経路比較結果は、図5のステップS40でナビゲーション装置1により受信される。
【0048】
ステップS260において、ナビゲーションサーバ4は、図5のステップS60でナビゲーション装置1から送信された位置情報を受信する。ステップS270において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS260で受信した位置情報に基づいて、ステップS240で抽出された誘導対象道路における誘導地点に車両100が近づいたか否かを判定する。ここでは、位置情報によって表される自車位置と誘導地点との間の距離が所定距離未満となったときに、車両100が誘導地点に近づいたと判定する。なお、誘導対象道路に複数の誘導地点が存在する場合は、既に誘導情報を送信済みの誘導地点を除いて、その中で自車位置に最も近い誘導地点を判定対象とする。この判定により、車両100が誘導地点に近づいたと判定された場合はステップS280へ進み、そうでない場合はステップS260へ戻る。
【0049】
ステップS280において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS240で抽出された誘導対象道路について誘導情報をナビゲーション装置1へ送信する。ここでは前述のように、簡易地図を表示するための描画データや誘導用の音声を出力するための音声データなどを含む誘導情報をナビゲーション装置1に対して送信する。なお、誘導対象道路に複数の誘導地点が存在する場合は、そのうちステップS270の判定対象とした誘導地点について誘導情報を送信する。送信した誘導情報は、図5のステップS80でナビゲーション装置1により受信される。
【0050】
ステップS290において、ナビゲーションサーバ4は、図5のステップS110が実行されることにより、車両100が目的地へ到着したことをナビゲーション装置1から通知されたか否かを判定する。ナビゲーション装置1から目的地への到着が通知された場合はステップS200へ戻り、別の経路について改めて経路情報が送信されるまで待機する。一方、目的地への到着通知がない場合はステップS260へ戻り、ナビゲーション装置1から所定の周期で送信される位置情報の受信を継続する。
【0051】
一方、ステップS230において最新経路と従来経路が一致すると判定された場合、ステップS300において、ナビゲーションサーバ4は、その経路比較結果をナビゲーション装置1へ送信する。ここでは、最新経路と従来経路が一致している旨の経路比較結果を送信する。送信した経路比較結果は、図5のステップS40でナビゲーション装置1により受信される。
【0052】
ステップS300を実行したら、ナビゲーションサーバ4はステップS200へ戻り、別の経路について改めて経路情報が送信されるまで待機する。以上説明したようにして、ナビゲーションサーバ4における処理が行われる。
【0053】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、HDD13に記憶された地図データに基づいて車両100の出発地から目的地までの従来経路を探索し(ステップS20)、その従来経路に関する経路情報をナビゲーションサーバ4へ送信する(ステップS30)。そして、従来経路に含まれない誘導対象道路についてナビゲーションサーバ4から送信される誘導情報を受信し(ステップS80)、受信した誘導情報に基づいて、車両100を誘導対象道路に従って誘導する(ステップS90)。一方、ナビゲーションサーバ4は、最新の地図データに基づいて出発地から目的地までの最新経路を探索し(ステップS220)、ステップS30でナビゲーション装置1から送信された経路情報に基づいて、最新経路に含まれる道路のうち従来経路に含まれない道路を誘導対象道路として抽出する(ステップS240)。そして、抽出した誘導対象道路について誘導情報をナビゲーション装置1へ送信する(ステップS280)。このようにしたので、目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置1において記憶されていなくても、最適な経路に従って車両100を目的地まで誘導することができる。
【0054】
(2)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、検出した自車位置に関する位置情報をナビゲーションサーバ4へ送信する(ステップS60)。ナビゲーションサーバ4は、この位置情報に基づいて、ステップS280で誘導情報をナビゲーション装置1へ送信するタイミングを決定するようにした。すなわち、ナビゲーション装置1から送信された位置情報に基づいて、車両100が誘導対象道路における誘導地点に近づいたか否かを判定し(ステップS270)、車両100が誘導地点に近づいたと判定されたときに、ステップS280の処理を実行して、誘導情報をナビゲーション装置1へ送信することとした。このようにしたので、車両100を誘導対象道路に従って誘導するのに適切なタイミングで、ナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1へ誘導情報を送信することができる。また、ナビゲーション装置1では、ナビゲーションサーバ4から誘導情報が送信されたときに、その誘導情報に基づいて直ちに車両100の誘導を行えばよいため、誘導開始のタイミング制御を行う必要がない。したがって、特別な機能追加をしなくても、従来のナビゲーション装置を流用して簡単に本発明を実現することができる。
【0055】
(3)ナビゲーションサーバ4は、ステップS280において、誘導対象道路における誘導地点での車両100の進行方向を図示した簡易地図を含む情報を誘導情報としてナビゲーション装置1へ送信することとしてよい。このときナビゲーション装置1は、ステップS90において、図4に例示したような簡易地図を画面表示して車両100の誘導を行うことができる。このようにすれば、誘導情報の情報量を減らして通信時間や通信料金を抑えつつ、ユーザにとって分かり易い誘導を行うことができる。
【0056】
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施形態によるナビゲーションシステムについて説明する。本実施形態によるナビゲーションシステムは、前述の第1の実施形態によるナビゲーションシステムと比較して、ナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1へ誘導情報を送信するタイミングの決定方法が異なる点以外は同じである。なお、本実施形態によるナビゲーションシステムの構成は、図1と同じである。また、ナビゲーション装置の構成は図2と同じである。
【0057】
本実施形態によるナビゲーションシステムにおいて、経路誘導を行う際にナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4によりそれぞれ実行されるフローチャートを図7および8に示す。図7のフローチャートは、ユーザが入力装置16の操作により目的地の設定を指示したときに、ナビゲーション装置1の制御部10において実行される。一方、図8のフローチャートは、ナビゲーションサーバ4において常時実行される。なお、図7および8のフローチャートにおいて、図5および6に示した第1の実施形態によるナビゲーションシステムのフローチャートと同じ内容の処理ステップには、同一のステップ番号を付している。以下では、特に必要ない限り、この同一ステップ番号の処理については説明を省略する。
【0058】
ステップS41において、制御部10は、ステップS30で送信した経路情報に応じてナビゲーションサーバ4から送信される経路比較結果および誘導地点情報を受信する。ナビゲーションサーバ4は、従来経路と最新経路が一致しない場合に、図8のステップS251において経路比較結果および誘導地点情報をナビゲーション装置1へ送信する。誘導地点情報は、ナビゲーションサーバ4がステップS240において抽出した誘導対象道路における誘導地点の位置を特定するための情報、たとえば座標情報などを含んでいる。誘導対象道路に複数の誘導地点が存在する場合は、各誘導地点に対して誘導地点情報がそれぞれ送信される。
【0059】
なお、従来経路と最新経路が一致する場合、ナビゲーションサーバ4は、図8のステップS300において経路比較結果のみをナビゲーション装置1へ送信し、誘導地点情報は送信しない。この場合、制御部10は、ステップS41において経路比較結果のみを受信する。
【0060】
ステップS51において、制御部10は、直前に検出された自車位置と、ステップS41でナビゲーションサーバ4より受信した誘導地点情報とに基づいて、車両100が誘導地点に近づいたか否かを判定する。ここでは、図6のステップS270における判定と同様に、自車位置と誘導地点との間の距離が所定距離未満となったときに、車両100が誘導地点に近づいたと判定する。なお、誘導対象道路に複数の誘導地点が存在する場合は、既に誘導情報を受信済みの誘導地点を除いて、その中で自車位置に最も近い誘導地点を判定対象とする。この判定により、車両100が誘導地点に近づいたと判定された場合はステップS60へ進み、そうでない場合はステップS51に留まる。
【0061】
ステップS60において、制御部10は、現在の自車位置に関する位置情報をナビゲーションサーバ4へ送信する。ここでは図5の場合と異なり、ステップS51において車両100が誘導地点に近づいたと判定されたときに、位置情報をナビゲーションサーバ4へ送信する。
【0062】
ステップS101において、制御部10は、ステップS41で受信した誘導地点情報において表された全ての誘導地点について車両100を誘導済みであるか否かを判定する。全ての誘導地点についての車両100の誘導をステップS90において実行済みである場合、制御部10は図7のフローチャートを終了する。一方、まだ誘導を行っていない誘導地点がある場合はステップS51へ戻る。以上説明したようにして、ナビゲーション装置1における処理が行われる。
【0063】
次にナビゲーションサーバ4が実行する図8のフローチャートについて説明する。ステップS251において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS230による経路比較結果と共に、ステップS240で抽出した誘導対象道路における誘導地点に関する前述のような誘導地点情報をナビゲーション装置1へ送信する。
【0064】
ステップS252において、ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1から位置情報が送信されたか否かを判定する。なお、前述のようにナビゲーション装置1は、図7のステップS51において車両100が誘導地点に近づいたと判定されたときに、ステップS60を実行してそのときの位置情報をナビゲーションサーバ4へ送信する。ナビゲーション装置1から位置情報が送信された場合、ナビゲーションサーバ4はステップS260へ進み、その位置情報をステップS260において受信した後、直ちにステップS280を実行して誘導情報を送信する。一方、ナビゲーション装置1から位置情報が送信されていない場合は、ステップS252に留まる。
【0065】
ステップS291において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS240で抽出した誘導対象道路における全ての誘導地点についての誘導情報をナビゲーション装置1へ送信済みであるか否かを判定する。全ての誘導地点について誘導情報をステップS280において送信済みである場合、ナビゲーションサーバ4はステップS200へ戻り、別の経路について改めて経路情報が送信されるまで待機する。一方、まだ誘導情報を送信していない誘導地点がある場合はステップS252へ戻る。以上説明したようにして、ナビゲーションサーバ4における処理が行われる。
【0066】
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態において説明した(1)および(3)の作用効果に加えて、さらに次の(4)に述べる作用効果を奏する。
【0067】
(4)ナビゲーションサーバ4は、ステップS280で誘導情報を送信するのに先立って、誘導対象道路における誘導地点に関する誘導地点情報をナビゲーション装置1へ送信する(ステップS251)。一方、ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、検出した自車位置と、ステップS251でナビゲーションサーバ4から送信された誘導地点情報とに基づいて、車両100が誘導地点に近づいたか否かを判定し(ステップS51)、車両100が誘導地点に近づいたと判定されたときに、ステップS60の処理を実行して位置情報をナビゲーションサーバ4へ送信する。こうしてナビゲーション装置1から位置情報が送信されると、ナビゲーションサーバ4は、それに応じてステップS280の処理を実行し、誘導情報をナビゲーション装置1へ送信することとした。このようにしてナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1へ誘導情報を送信するタイミングを決定するようにしたので、ナビゲーション装置1からナビゲーションサーバ4へ位置情報を送信する回数を減らすことができる。その結果、位置情報の送信にかかる通信料金を抑制することができる。
【0068】
−第3の実施の形態−
次に、本発明の第3の実施形態によるナビゲーションシステムについて説明する。前述の第1、第2の各実施形態によるナビゲーションシステムでは、車両100が誘導地点に近づいたときに、ナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1へ誘導情報を送信するようにしている。これに対して、本実施の形態によるナビゲーションシステムでは、車両100の走行開始時にナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1へ誘導情報を予め送信しておくようにする。これ以外の点では同じである。なお、本実施形態によるナビゲーションシステムの構成は、図1と同じである。また、ナビゲーション装置の構成は図2と同じである。
【0069】
本実施形態によるナビゲーションシステムにおいて、経路誘導を行う際にナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4によりそれぞれ実行されるフローチャートを図9および10に示す。図9のフローチャートは、ユーザが入力装置16の操作により目的地の設定を指示したときに、ナビゲーション装置1の制御部10において実行される。一方、図10のフローチャートは、ナビゲーションサーバ4において常時実行される。なお、図9および10のフローチャートにおいて、図5〜8に示した第1、第2の各実施形態によるナビゲーションシステムのフローチャートと同じ内容の処理ステップには、同一のステップ番号を付している。以下では、特に必要ない限り、この同一ステップ番号の処理については説明を省略する。
【0070】
ステップS42において、制御部10は、ステップS30で送信した経路情報に応じてナビゲーションサーバ4から送信される経路比較結果、誘導情報および誘導地点情報を受信する。ナビゲーションサーバ4は、従来経路と最新経路が一致しない場合に、図10のステップS253において、経路比較結果、誘導情報および誘導地点情報をナビゲーション装置1へ送信する。これらの内容は、いずれも前述の第1および第2の実施形態のものと同様である。誘導対象道路に複数の誘導地点が存在する場合は、各誘導地点に対して誘導情報および誘導地点情報がそれぞれ送信される。
【0071】
なお、従来経路と最新経路が一致する場合、ナビゲーションサーバ4は、図10のステップS300において経路比較結果のみをナビゲーション装置1へ送信し、誘導情報と誘導地点情報は送信しない。この場合、制御部10は、ステップS42において経路比較結果のみを受信する。
【0072】
ステップS51において、制御部10は、図7と同様に、直前に検出された自車位置と、ステップS42でナビゲーションサーバ4より受信した誘導地点情報とに基づいて、車両100が誘導地点に近づいたか否かを判定する。この判定により、車両100が誘導地点に近づいたと判定された場合はステップS90へ進み、ステップS42で受信した誘導情報に基づいて、当該誘導地点における車両100の誘導を行う。一方、車両100が誘導地点に近づいていないと判定された場合は、図7と同様にステップS51に留まる。
【0073】
ステップS101において、制御部10は、図7と同様に、ステップS42で受信した誘導地点情報において表された全ての誘導地点について車両100を誘導済みであるか否かを判定する。全ての誘導地点についての車両100の誘導をステップS90において実行済みである場合、制御部10は図9のフローチャートを終了する。一方、まだ誘導を行っていない誘導地点がある場合はステップS51へ戻る。以上説明したようにして、ナビゲーション装置1における処理が行われる。
【0074】
次にナビゲーションサーバ4が実行する図10のフローチャートについて説明する。ステップS253において、ナビゲーションサーバ4は、ステップS230による経路比較結果と共に、ステップS240で抽出した誘導対象道路についての誘導情報および誘導地点情報をナビゲーション装置1へ送信する。ここでは、誘導対象道路における全ての誘導地点について、誘導情報および誘導地点情報を送信する。ステップS253を実行したら、ナビゲーションサーバ4はステップS200へ戻り、別の経路について改めて経路情報が送信されるまで待機する。以上説明したようにして、ナビゲーションサーバ4における処理が行われる。
【0075】
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態において説明した(1)および(3)の作用効果に加えて、さらに次の(5)に述べる作用効果を奏する。
【0076】
(5)ナビゲーションサーバ4は、ステップS30でナビゲーション装置1から経路情報が送信されると、それに応じて、誘導対象道路における誘導地点に関する誘導地点情報と共に、誘導情報をナビゲーション装置1へ送信する(ステップS253)。一方、ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、検出した自車位置と、ステップS253でナビゲーションサーバ4から送信された誘導地点情報とに基づいて、車両100が誘導地点に近づいたか否かを判定し(ステップS51)、車両100が誘導地点に近づいたと判定されたときに、ステップS90の処理を実行して誘導情報に基づく車両100の誘導を行うこととした。このようにしてナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1へ誘導情報を予め送信しておくようにしたので、誘導地点の付近において通信が不可能な場合であっても、車両100を誘導対象道路に従って確実に誘導することができる。
【0077】
なお、以上説明した実施の形態では、ナビゲーション装置1の地図データをユーザの操作に応じて任意のタイミングで更新できるようにしたが、地図データの更新を行わないようにしてもよい。
【0078】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1:ナビゲーション装置、2:通信端末、3:通信回線網、4:ナビゲーションサーバ、
10:制御部、11:振動ジャイロ、12:車速センサ、13:HDD、
14:GPS受信部、15:表示モニタ、16:入力装置、100:車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置との間で通信を行うサーバ装置とを有するナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
地図データを記憶する記憶手段と、
前記地図データに基づいて前記車両の出発地から目的地までの第1の経路を探索する第1の経路探索手段と、
前記第1の経路に関する経路情報を前記サーバ装置へ送信する経路情報送信手段と、
前記第1の経路に含まれない誘導対象道路について前記サーバ装置から送信される誘導情報を受信する誘導情報受信手段と、
前記誘導情報受信手段により受信された前記誘導情報に基づいて、前記車両を前記誘導対象道路に従って誘導する車両誘導手段とを備え、
前記サーバ装置は、
最新の地図データに基づいて前記出発地から前記目的地までの第2の経路を探索する第2の経路探索手段と、
前記経路情報送信手段により前記ナビゲーション装置から送信された前記経路情報に基づいて、前記第2の経路に含まれる道路のうち前記第1の経路に含まれない道路を前記誘導対象道路として抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記誘導対象道路について前記誘導情報を前記ナビゲーション装置へ送信する誘導情報送信手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
前記車両の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記車両の位置に関する位置情報を前記サーバ装置へ送信する位置情報送信手段とをさらに備え、
前記誘導情報送信手段は、前記位置情報送信手段により前記ナビゲーション装置から送信された前記位置情報に基づいて、前記誘導情報を前記ナビゲーション装置へ送信するタイミングを決定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記サーバ装置は、前記位置情報に基づいて前記車両が前記誘導対象道路における誘導地点に近づいたか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記誘導情報送信手段は、前記判定手段により前記車両が前記誘導地点に近づいたと判定されたときに、前記誘導情報を前記ナビゲーション装置へ送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記サーバ装置は、前記誘導情報送信手段により前記誘導情報を送信するのに先立って、前記誘導対象道路における誘導地点に関する誘導地点情報を前記ナビゲーション装置へ送信する誘導地点情報送信手段をさらに備え、
前記ナビゲーション装置は、前記位置検出手段により検出された前記車両の位置と、前記誘導地点情報送信手段により前記サーバ装置から送信された前記誘導地点情報とに基づいて、前記車両が前記誘導地点に近づいたか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記位置情報送信手段は、前記判定手段により前記車両が前記誘導地点に近づいたと判定されたときに、前記位置情報を前記サーバ装置へ送信し、
前記誘導情報送信手段は、前記位置情報送信手段により前記ナビゲーション装置から前記位置情報が送信されると、それに応じて前記誘導情報を前記ナビゲーション装置へ送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記誘導情報送信手段は、前記経路情報送信手段により前記ナビゲーション装置から前記経路情報が送信されると、それに応じて、前記誘導対象道路における誘導地点に関する誘導地点情報と共に、前記誘導情報を前記ナビゲーション装置へ送信し、
前記ナビゲーション装置は、
前記車両の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記車両の位置と、前記誘導情報送信手段により前記サーバ装置から送信された前記誘導地点情報とに基づいて、前記車両が前記誘導地点に近づいたか否かを判定する判定手段とをさらに備え、
前記車両誘導手段は、前記判定手段により前記車両が前記誘導地点に近づいたと判定されたときに、前記誘導情報に基づく前記車両の誘導を行うことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記誘導情報送信手段は、前記誘導対象道路における誘導地点での前記車両の進行方向を図示した簡易地図を含む情報を前記誘導情報として前記ナビゲーション装置へ送信し、
前記車両誘導手段は、前記簡易地図を画面表示して前記車両の誘導を行うことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて用いられるナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−226979(P2011−226979A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98693(P2010−98693)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】