説明

ナビゲーションシステム、携帯情報端末装置、サーバ、およびナビゲーション方法

本発明のナビゲーションシステムによれば、位置が特定できる文字を携帯電話装置(1)に内蔵された撮像部(12)で撮像することによって、ユーザは煩雑な操作をすることなく、所望の位置が特定可能な被写体を撮像するだけで、推奨経路の目的地や表示画面の位置指定等を行うことができる。また、画面表示が貧弱あるいは表示部を有しないナビゲーション装置(2)においても、携帯電話装置(1)が有する表示部(10)を利用することによって、ユーザが容易に検索結果を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、携帯情報端末装置、サーバ、およびナビゲーション方法に関し、より特定的には、ユーザが特定の位置を指定しその位置に基づいた動作を制御することができるナビゲーションシステム、そのシステムを構成する携帯情報端末装置、サーバ、およびナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置は、車両等の移動体に搭載されるカーナビゲーション装置や、PDA(小型情報端末)装置や携帯電話装置のアプリケーションとして用いられる歩行者ナビゲーション装置等が知られている。これらのナビゲーション装置は、移動体の出発点から所望の目標点までの推奨経路を自動的に探索したり、所望の位置の地図を画面に表示したりすることができる。ユーザは、所望の位置をナビゲーション装置に指定するために、例えばその位置の住所や施設名称、電話番号等を、音声入力やリモコン、タッチパネル、ナビゲーション装置に配置されたボタン等で、文字や数字を入力する。そして、ナビゲーション装置は、入力された情報に基づいて、位置を検索して地図を表示したり推奨経路を探索したりする。
【0003】
しかしながら、上述した位置の指定方法では、住所や電話番号等の位置を特定するための情報をユーザが記憶する、もしくは、それらの情報をメモ等に書き留めておく必要がある。さらに、上記指定方法によって、特に住所や施設名称を指定する場合、操作が煩雑となるため、ナビゲーション装置の操作に慣れていないユーザにとって、簡単に位置を指定できるものではない。例えば、特開2001−255160号公報および特開2003−202234号公報に開示されているように、このような位置指定操作の煩雑さを解消するためのナビゲーション装置がある。特開2001−255160号公報で開示されたナビゲーション装置では、当該装置が有する表示画面に表示されたインターネットのホームページを解析し、そこに表示されている住所等の位置が特定される文字列を抽出し、推奨経路の目標点として設定する技術が開示されている。また、特開2003−202234号公報で開示されたナビゲーション装置では、当該装置にスキャナを装備し、任意の媒体に記載してある住所等の位置が特定される文字列を取り込み、特定可能な位置候補を画面に表示してユーザに選択させる技術が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開2001−255160号公報で開示されたナビゲーション装置は、インターネットのホームページを閲覧中に見つけた所望の位置だけしか指定することができない。つまり、ユーザが一般的に使用する場合、あるいはインターネットのホームページ閲覧機能がないナビゲーション装置の場合、ユーザが位置を指定する煩雑さは拭えない。
【0005】
また、特開2003−202234号公報で開示されたナビゲーション装置は、スキャナという新たな装置を具備する必要があり、装置自体の価格上昇の原因となってしまう。さらに、位置を特定する候補が複数ある場合、画面に表示して選択させるため、例えば、交差点案内を矢印だけで行う矢印ナビゲーション装置や音声だけで行う音声ナビゲーション装置のように、画面表示能力が貧弱または表示画面を備えていない場合に対応できない。
【0006】
それ故に、本発明の目的は、推奨経路の目標点等、ユーザの所望の位置を簡単に確実に指定することができるナビゲーションシステム、携帯情報端末装置、サーバ、およびナビゲーション方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号やステップ番号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0008】
本発明のナビゲーションシステムは、所定のネットワーク(4)に接続されたサーバ(5〜7)と、ネットワークを介してサーバとデータ通信可能な携帯情報端末装置(1)と、携帯情報端末装置との間でデータ通信可能なナビゲーション装置(2)とを含む。携帯情報端末装置は、サーバおよびナビゲーション装置とデータ通信を行うデータ送受信部(15、16)と、任意の被写体を撮像して画像データを生成する撮像部(12)とを備える。サーバは、携帯情報端末装置とデータ通信を行うデータ送受信部(52、62、73)と、携帯情報端末装置から送信された画像データに含まれる文字列を認識し、それら文字列を文字データに変換する画像認識変換部(51)と、画像認識変換部で変換された文字データから地理的な位置が特定可能な文字列を抽出する位置特定文字抽出部(61)と、位置特定文字抽出部で抽出された文字列を用いてそれら文字列が示す地理的な位置を検索する位置検索部(71)とを備える。ナビゲーション装置は、携帯情報端末装置とデータ通信を行うデータ送受信部(20)を備える。位置検索部で検索された地理的な位置情報(位置検索結果)は、携帯情報端末装置を介してナビゲーション装置に出力される。
【0009】
具体的には、携帯情報端末装置は、撮像部およびデータ送受信部を備えた携帯電話装置である。
【0010】
携帯情報端末装置は、さらにその携帯情報端末装置のデータ送受信部が受信した情報を表示する表示部(10)と、ユーザの操作に応答してその指示を入力する入力部とを備えてもかまわない。この場合、携帯情報端末装置は、位置検索部で検索された地理的な位置情報を受信したとき(S56)、その位置情報を表示部に表示し(S57)、入力部から入力されるユーザの指示に応じて(S58)その位置情報をナビゲーション装置に出力する(S59)。
【0011】
例えば、位置特定文字抽出部は、地理的な位置が特定可能な文字列を住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して文字データから抽出する(S32)。この場合、位置検索部は、位置特定文字抽出部で分類されて抽出された文字列を用いて、それら文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索する(72;S44〜S53)。位置検索部は、単一の位置を座標データとして絞り込み、単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報と座標データとを位置情報として出力してもかまわない。また、携帯情報端末装置は、ネットワークと接続する地理的位置を判断する接続地点判断部(14)を、さらに備えてもかまわない。この場合、位置検索部は、接続地点判断部が判断した地理的位置におよび位置特定文字抽出部で分類されて抽出された文字列を用いて、それら文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索する(S52)。
【0012】
具体的には、ナビゲーション装置および携帯情報端末装置は、同じ移動体に搭載される。この場合、ナビゲーション装置は、さらに移動体の現在位置を導出する現在位置導出部(212)と、携帯情報端末装置から出力された位置情報を目的地とした移動体の出発地からの推奨経路を導出する経路探索部(211)と、現在位置導出部が導出した現在位置と経路探索部が導出した推奨経路との関係を解析し、目的地までの経路を案内する経路案内部(214)とを備える。
【0013】
携帯情報端末装置のデータ送受信部とナビゲーション装置のデータ送受信部との間のデータ通信は、以下に述べる種々の例が考えられる。第1の例は、携帯情報端末装置のデータ送受信部とナビゲーション装置のデータ送受信部との間のデータ通信は、無線接続による通信によって行われる。第2の例は、携帯情報端末装置のデータ送受信部とナビゲーション装置のデータ送受信部との間のデータ通信は、有線接続による通信によって行われる。第3の例は、携帯情報端末装置のデータ送受信部とナビゲーション装置のデータ送受信部との間のデータ通信は、不揮発性メモリーを内蔵したメモリーカード装置を介して行われる。
【0014】
例えば、上記ネットワークは、インターネット網である。
【0015】
本発明の携帯情報端末装置は、所定のネットワークを介してサーバとデータ通信可能である。携帯情報端末装置は、サーバとデータ通信を行うデータ送受信部と、任意の被写体を撮像して画像データを生成する撮像部と、データ送受信部が受信した情報を表示する表示部とを備える。データ送受信部は、撮像部で生成された画像データをサーバへ送信した後、そのサーバからその画像データに含まれる文字列が示す地理的な位置情報を受信し、表示部は、データ送受信部が受信した位置情報を表示する。
【0016】
例えば、携帯情報端末装置は、データ送受信部、撮像部、および表示部を備えた携帯電話装置である。
【0017】
携帯情報端末装置は、ユーザの操作に応答してその指示を入力する入力部を、さらに備えてもかまわない。また、データ送受信部は、さらにナビゲーション装置との間でデータ通信可能であってもよい。この場合、データ送受信部が位置情報を受信したとき、その位置情報を表示部に表示し、入力部から入力されるユーザの指示に応じてその位置情報をナビゲーション装置に出力する。
【0018】
データ送受信部がサーバから受信する位置情報は、そのサーバへ送信した画像データから地理的な位置が特定可能な文字列が住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して抽出され、それら文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索された座標データを少なくとも含んでもかまわない。また、データ送受信部がサーバから受信する位置情報は、さらに、単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報を含んでもかまわない。また、携帯情報端末装置は、ネットワークと接続する地理的位置を判断する接続地点判断部を、さらに備えてもよい。この場合、データ送受信部がサーバから受信する位置情報に含まれる座標データは、接続地点判断部が判断した地理的位置および分類されて抽出された文字列を用いて、それら文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索される。
【0019】
本発明のナビゲーション方法は、任意の被写体を撮像して画像データを生成する撮像ステップ(S1)と、画像データに含まれる文字列を認識し、それら文字列を文字データに変換する画像認識変換ステップ(S2)と、画像認識変換ステップで変換された文字データから地理的な位置が特定可能な文字列を抽出する位置特定文字抽出ステップ(S3)と、位置特定文字抽出ステップで抽出された文字列を用いてそれら文字列が示す地理的な位置を検索して位置情報を得る位置検索ステップ(S4)とを含む。
【0020】
さらに、現在位置を導出する現在位置導出ステップ(S61)と、位置検索ステップが得た位置情報を目的地とした推奨経路を導出する経路探索ステップ(S63)と、現在位置と推奨経路との関係を解析し、目的地までの経路を案内する経路案内ステップ(S64〜S66)とを含んでもかまわない。また、位置検索ステップが得た位置情報を表示する表示ステップ(S57)と、ユーザの操作に応答してその指示を入力する入力ステップ(S58)とを、さらに含んでもよい。この場合、表示ステップが位置情報を表示し、入力ステップによってユーザの所定の操作に応答した指示が入力した際、その位置情報を経路探索ステップで用いる目的地に採用する(S59)。
【0021】
位置特定文字抽出ステップは、地理的な位置が特定可能な文字列を住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して文字データから抽出してもかまわない(S32)。この場合、位置検索ステップは、位置特定文字抽出ステップで分類されて抽出された文字列を用いて、それら文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索する(S44〜S53)。また、位置検索ステップは、単一の位置を座標データとして絞り込み、単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報と座標データとを位置情報として得てもかまわない。また、位置検索ステップは、現在位置および位置特定文字抽出ステップで分類されて抽出された文字列を用いて、それら文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索してもかまわない(S52)。
【0022】
本発明のサーバは、所定のネットワークを介して携帯情報端末装置とデータ通信可能である。サーバは、データ送受信部、画像認識変換部、位置特定文字抽出部、および位置検索部を備える。データ送受信部は、携帯情報端末装置とデータ通信を行う。画像認識変換部は、携帯情報端末装置から送信された画像データに含まれる文字列を認識し、その文字列を文字データに変換する。位置特定文字抽出部は、画像認識変換部で変換された文字データから地理的な位置が特定可能な文字列を抽出する。位置検索部は、位置特定文字抽出部で抽出された文字列を用いてその文字列が示す地理的な位置を検索する。データ送受信部は、携帯情報端末装置から送信された画像データを受信し、位置検索部で検索されたその画像データに応じた地理的な位置情報をその携帯情報端末装置に送信する。
【0023】
例えば、位置特定文字抽出部は、地理的な位置が特定可能な文字列を住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して文字データから抽出する。この場合、位置検索部は、位置特定文字抽出部で分類されて抽出された文字列を用いて、それら文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索する。位置検索部は、単一の位置を座標データとして絞り込み、単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報と座標データとを位置情報として出力してもかまわない。
【発明の効果】
【0024】
本発明のナビゲーションシステムによれば、位置が特定できる文字を携帯情報端末装置に内蔵された撮像部で撮像することによって、ユーザは煩雑な操作をすることなく、雑誌や旅行ガイドブック、名刺、看板等、所望の位置が特定可能な被写体を撮像するだけで、その被写体が示す位置情報をナビゲーション装置へ出力することができる。また、ユーザが読めない漢字で記載された住所や施設名称等の位置もナビゲーション装置へ出力することができる。さらに、ネットワーク網上のサーバで画像認識変換、位置特定文字抽出、および位置検索等の処理を行うため、サーバに比べて処理能力が低い携帯情報端末装置やナビゲーション装置でこれらの処理を行うよりも、より高精度で処理を行うことができる。ここで、一般的なナビゲーション装置で位置検索する場合、同装置が保持する位置検索データは、例えば最新の地図DVDROMに交換して記憶部のデータを更新しない限り現在に合致した新鮮なデータにはならない。つまり、このようなナビゲーション装置での検索結果は、現在の状況からずれている可能性がある。これに対して、本発明では、サーバにおいて常に最新のデータに更新することができるため、ナビゲーションシステムによる検索結果は、現在の状況からずれている可能性が極めて少ない。
【0025】
また、携帯情報端末装置をカメラ内蔵の携帯電話装置で構成する場合、新しい装置を具備する必要がなく、価格の上昇を抑えることができる。また、ユーザが所持する携帯電話装置が利用可能となるため、ナビゲーション装置周辺に新たな装置を付属させる必要がない。
【0026】
また、画面表示が貧弱あるいは表示部を有しないナビゲーション装置においては、誤った場所が検索されてしまった場合、ユーザにとって誤った場所が検索されたという事実を確認する手段がないが、携帯情報端末装置に表示部が設けられている場合、その表示部を利用することによって、ユーザは容易に検索結果を確認することができる。
【0027】
また、地理的な位置が特定可能な文字列を住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して文字データから抽出する場合、例えば、全国に同名の地名や同名の施設名があっても、郵便番号や住所に基づいてユーザの新たな選択操作を必要とせず絞り込むことが出来る。また、分類に応じて処理を行うことによって、適切な位置検索を行うことができる。また、一部の文字列が不鮮明のため認識できなくても、他の文字列で絞り込むことが出来るので、より正確で確実な位置検索を行うことが出来る。
【0028】
また、接続地点判断部を備えている場合、接続地点の位置が携帯電話中継アンテナの位置と電波強度を元に三角測量を行うことで、おおよその位置が計算できる。これにより、全国に同名の地名や同名の施設名があっても、ユーザの新たな選択操作を必要とせず絞り込むことが出来る。例えば、全国に同名の地名や同名の施設名があっても、所定範囲外の遠方に位置するものを排除することができる。
【0029】
また、ネットワークをインターネット網で構成することによって、新たなネットワークを構築する必要がなく、ナビゲーションシステムの価格の上昇を抑えることができる。
【0030】
本発明の携帯情報端末装置およびサーバによれば、上述したナビゲーションシステムに含まれることによって上述したナビゲーションシステムの効果を同様に得ることができる。また、本発明のナビゲーション方法によれば、上述したナビゲーションシステムの効果を同様に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
[図1]図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムに含まれる携帯電話装置1およびナビゲーション装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
[図2]図2は、本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムで用いるネットワーク網の構成を示すブロック図である。
[図3]図3は、図1の携帯電話装置1およびナビゲーション装置2の主要な機能構成を示すブロック図である。
[図4]図4は、図2の画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7の主要な機能構成を示すブロック図である。
[図5]図5は、本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムにおける全体動作を示すフローチャートである。
[図6]図6は、図5のステップS1における情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
[図7]図7は、図5のステップS2における画像認識変換処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
[図8]図8は、図5のステップS3における位置特定文字抽出処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
[図9]図9は、図5のステップS4における位置検索処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
[図10]図10は、図5のステップS5における位置検索結果取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
[図11]図11は、図5のステップS6における経路案内処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
[図12]図12は、図8のステップS32で行う位置特定文字列を抽出する具体例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
1…携帯電話装置
10…表示部
11、241…アンテナ
12…撮像部
121…デジタル撮像部
13…画像転送部
14…接続地点判断部
15…接続部
16…情報送信部
2…ナビゲーション装置
20…データ通信部
201…送受信部
21…CPU
211…経路探索部
212…現在位置導出部
213…現在位置判断部
214…経路案内部
22…入力部
23…I/F
24…GPS受信部
25…自立航法ユニット
26…記憶部
261…駆動部
262…記録媒体
27…ROM
271…コンピュータプログラム
28…RAM
29…音声出力制御部
291…スピーカ
30…バスライン
4…コンピュータネットワーク
5…画像認識変換サーバ
51…画像認識変換部
52、62、73…情報送受信部
6…位置特定文字抽出サーバ
61…位置特定文字抽出部
7…位置検索サーバ
71…位置検索部
72…結果絞込部
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムについて説明する。当該ナビゲーションシステムは、携帯情報端末装置、ナビゲーション装置、およびサーバを含んでいる。以下、携帯情報端末装置の一例として携帯電話装置を用いて説明を行うが、PDA(Personal Digital Assistants)等でも実現可能である。まず、図1を参照して、当該ナビゲーションシステムに含まれる携帯電話装置1およびナビゲーション装置2のハードウェア構成について説明する。なお、図1は、当該ナビゲーションシステムに含まれる携帯電話装置1およびナビゲーション装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0034】
図1において、当該ナビゲーションシステムに含まれる携帯電話装置1およびナビゲーション装置2は、車両等の移動体に設置される。そして、携帯電話装置1およびナビゲーション装置2は、互いに無線または有線によるデータ通信が可能である。携帯電話装置1は、表示部10、アンテナ11、および撮像部12を備える。ナビゲーション装置2は、データ通信部20、CPU21、入力部22、インターフェース(I/F)23、アンテナ241を含んだGPS(Global Positioning System)受信部24、自立航法ユニット25、記憶部26、ROM27、RAM28、スピーカ291が接続された音声出力制御部29、およびバスライン30を備える。
【0035】
CPU21は、ナビゲーション装置2を構成する各部の動作を制御する。入力部22は、例えばリモートコントローラのように、ユーザの操作に応答してナビゲーション装置2に対してデータ入力するために用いられる。
【0036】
I/F23には、GPS受信部24および自立航法ユニット25が接続される。GPS受信部24は、アンテナ241を介してGPSに代表される測位システムに収容される人工衛星からの電波を受信して、移動体の現在位置を示す位置情報をI/F23に出力する。また、自立航法ユニット25は、典型的には移動体に設けられる加速度センサおよび角速度センサを含んでおり、それらにより検出された移動体の加速度および角速度を表す加速度情報及び角速度情報をI/F23に出力する。I/F23は、入力された位置情報、加速度情報、および角速度情報をCPU21に転送する。
【0037】
記憶部26は、典型的にはDVD−ROMに代表される記録媒体262とその駆動部261とを含む。記録媒体262には、ナビゲーションに必要な地図データが記録される。駆動部261は、記録媒体262から、必要な地図データを読み出して、RAM28に転送する。なお、記録媒体262のその他の媒体としては、CD−ROM、ハードディスクドライブ、メモリーカードやROM等が挙げられる。
【0038】
ROM27は、少なくともナビゲーション装置2の動作を規定するコンピュータプログラム271を格納する。RAM28は、ナビゲーション装置2の各部から転送されてくる情報を格納し、さらに必要に応じて情報を消去する。音声出力制御部29は、スピーカ291への音声出力を制御する。
【0039】
データ通信部20は、典型的には赤外線通信に代表される送受信部201を含み、携帯電話装置1とのデータの送受信を行う。データ通信部20は、CPU21が生成した情報を、携帯電話装置1を介して外部のネットワーク(図2参照)に送出したり、ネットワークから携帯電話装置1を介して送られてきた情報をRAM28に転送したりする。なお、送受信部201のその他の通信手段としては、電波による通信や、モデムを利用した有線接続による通信、メモリーカードを介したデータ転送等が挙げられる。バスライン30は、ナビゲーション装置2の各部を通信可能に接続する。
【0040】
携帯電話装置1は、例えばデジタルカメラ等の撮像部12が内蔵されており、表示部10およびアンテナ11を含む。表示部10は、CPU(図示せず)の指示に応じてユーザに情報を視認させるための表示画面を携帯電話装置1の筐体表面に有しており、当該表示画面は液晶ディスプレイ等で構成される。撮像部12は、ユーザによって任意の被写体を撮像する。アンテナ11は、外部のネットワーク(図2参照)と携帯電話装置1とを接続し、当該ネットワークと情報の送受信を行う。
【0041】
次に、図2を参照してナビゲーションシステムで用いるネットワーク網の構成について説明する。なお、図2は、ナビゲーションシステムで用いるネットワーク網の構成を示すブロック図である。
【0042】
図2において、ネットワーク網は、コンピュータネットワーク4、画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、位置検索サーバ7、および携帯電話装置1を備える。コンピュータネットワーク4は、典型的にはインターネットに代表されるネットワークである。なお、携帯電話網とコンピュータネットワーク4とは別に構成されるが、説明を簡単にするために携帯電話網がコンピュータネットワーク4に含まれるものとして携帯電話網の図示を省略して説明を行う。コンピュータネットワーク4を介して、画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、位置検索サーバ7、および携帯電話装置1が互いにデータ通信可能に接続されている。
【0043】
画像認識変換サーバ5は、携帯電話装置1からコンピュータネットワーク4を介して送信されたデジタル画像データを受信する。そして、画像認識変換サーバ5は、受信したデジタル画像データが示す画像内から文字を認識し、単一または複数の文字列で構成されたデジタル文字データに変換して位置特定文字抽出サーバ6に送信する。
【0044】
位置特定文字抽出サーバ6は、画像認識変換サーバ5からコンピュータネットワーク4を介して送信されたデジタル文字データから、位置が特定可能な文字列(位置特定可能文字列)を1つまたは複数抽出する。そして、位置特定文字抽出サーバ6は、抽出した位置特定可能文字列を位置属性(住所、電話番号等)で分類して当該位置属性と共に位置検索サーバ7に送信する。
【0045】
位置検索サーバ7は、位置特定文字抽出サーバ6からコンピュータネットワーク4を介して送信された1つまたは複数の位置特定可能文字列から位置検索を行う。そして、位置検索サーバ7は、コンピュータネットワーク4を介して位置検索結果を携帯電話装置1に送信する。
【0046】
なお、画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7は、それぞれ別のサーバで構成される説明をしたが、これらは1つのサーバで構成されてもかまわない。画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7がそれぞれの機能を有する1つのサーバで構成される場合、当該サーバと携帯電話装置1とがコンピュータネットワーク4を介してデータ通信可能に接続される。
【0047】
次に、図3を参照して、携帯電話装置1およびナビゲーション装置2の主要な機能構成について説明する。なお、図3は、携帯電話装置1およびナビゲーション装置2の主要な機能構成を示すブロック図である。
【0048】
図3において、携帯電話装置1およびナビゲーション装置2における主要機能は、それぞれ携帯電話装置1のCPU(図示せず)およびCPU21がコンピュータプログラム271を実行することにより実現される。なお、携帯電話装置1のCPUが実行するコンピュータプログラム271は、ナビゲーション装置2からデータ通信部20を介して転送されてもいいし、予め携帯電話装置1の記憶部(図示せず)に格納されていてもかまわない。また、携帯電話装置1のCPUおよびCPU21が実行するコンピュータプログラムは、それぞれ独立した別のプログラムでもかまわない。
【0049】
ナビゲーション装置2のCPU21は、経路探索部211、現在位置導出部212、現在位置判断部213、および経路案内部214を備える。また、携帯電話装置1は、デジタル撮像部121、画像転送部13、接続地点判断部14、接続部15、および情報送信部16を備える。
【0050】
デジタル撮像部121は、位置が特定可能な文字を含む任意の被写体がユーザによって撮像され、当該撮像データをデジタル画像データとして記憶する。具体的にはユーザは、デジタル撮像部121(撮像部12)を用いて、ナビゲーション装置2に対して位置指定したい情報が文字として表現されている被写体を撮像する。上記被写体の例としては、位置を示す情報が住所、電話番号、施設名称、および郵便番号等の文字で表現されている名刺、雑誌、旅行ガイドブック、看板等がある。
【0051】
画像転送部13は、デジタル撮像部121で撮像されたデジタル画像データを接続部15に転送して出力し、コンピュータネットワーク4を介して画像認識変換サーバ5への送信を接続部15に要求する。接続地点判断部14は、接続部15が接続している携帯電話網(図示せず)の携帯電話中継アンテナ情報を利用して、携帯電話装置1の現在位置を判断する。具体的には、接続地点判断部14は、携帯電話中継アンテナから送られてくる位置情報と、接続している複数の携帯電話中継アンテナの電波強度に基づいた三角測量結果とを用いて、携帯電話装置1の大略的な位置を判断することができる。
【0052】
接続部15は、コンピュータネットワーク4を介して画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7との間でデータ通信を行う。接続部15は、画像転送部13からの送信要求に基づいて、接続地点判断部14が判断した現在位置情報とデジタル撮像部121で撮像したデジタル画像データとを、コンピュータネットワーク4を介して画像認識変換サーバ5へ送信する。また、接続部15は、コンピュータネットワーク4を介して画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7のいずれかから送信される情報を受信する。
【0053】
画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7のいずれかから送信され接続部15が受信した情報は、表示部10に表示される。また、情報送信部16は、接続部15に送られてきた上記情報をユーザの指示に応じてナビゲーション装置2の送受信部201に送信する。
【0054】
送受信部201は、情報送信部16から送られてきた情報を受信する。現在位置導出部212は、移動体の現在位置を定期的に導出する。具体的には、現在位置導出部212は、GPSの人工衛星から電波を受信可能な場合には、GPS受信部24からI/F23を介して移動体の現在位置を含む位置情報を取得する。また、人工衛星からの電波を受信できない場合には、現在位置導出部212は、自立航法ユニット25からの加速度情報および角速度情報をI/F23を介して受け取り、それらの情報を用いて移動体の現在位置を導出する。
【0055】
経路探索部211は、送受信部201が受信した情報が示す位置を目的地、および現在位置導出部212により導出された現在位置を出発点とし、出発点から目的地までの推奨経路をRAM28に読み出された地図データを使って導出する。そして、経路探索部211は、導出した推奨経路をRAM28に格納する。なお、経路探索部211は、ユーザが入力部22を操作することにより設定された位置を出発点として用いてもかまわない。
【0056】
現在位置判断部213は、現在位置導出部212で導出された現在位置と、RAM28に格納された推奨経路との位置関係を判断する。例えば、現在位置判断部213は、移動体が上記推奨経路に沿って移動しているか否かを判断する。
【0057】
経路案内部214は、現在位置判断部213の判断に基づいて、ユーザに対して上記推奨経路の案内を行う。具体的には、現在位置判断部213が上記推奨経路に沿って移動体が移動していると判断し、現在位置から目的地に向かう推奨経路が現在位置から一定距離内の交差点で曲折する場合、経路案内部214は、音声出力制御部29に対して当該交差点をいずれかの方向に曲折する旨の音声案内出力をスピーカ291から出力する指示を行う。
【0058】
次に、図4を参照して、画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7の主要な機能構成について説明する。なお、図4は、画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7の主要な機能構成を示すブロック図である。
【0059】
図4において、画像認識変換サーバ5は、画像認識変換部51および情報送受信部52を備えている。位置特定文字抽出サーバ6は、位置特定文字抽出部61および情報送受信部62を備えている。位置検索サーバ7は、位置検索部71、結果絞込部72、および情報送受信部73を備えている。携帯電話装置1の接続部15、画像認識変換サーバ5の情報送受信部52、位置特定文字抽出サーバ6の情報送受信部62、および位置検索サーバ7の情報送受信部73は、それぞれコンピュータネットワーク4を介して接続される。
【0060】
画像認識変換サーバ5の情報送受信部52は、コンピュータネットワーク4を介して携帯電話装置1から送信されたデジタル画像データおよび現在位置情報を受信する。そして、情報送受信部52は、上記デジタル画像データを画像認識変換部51に出力する。画像認識変換部51は、携帯電話装置1から送られてきたデジタル画像データ内に存在する文字を認識し、単一または複数の文字列で構成されたデジタル文字データに変換して、当該デジタル文字データを情報送受信部52に出力する。そして、情報送受信部52は、コンピュータネットワーク4を介して上記デジタル文字データおよび上記現在位置情報を位置特定文字抽出サーバ6へ送信する。
【0061】
位置特定文字抽出サーバ6の情報送受信部62は、画像認識変換サーバ5の情報送受信部52から送信されたデジタル文字データおよび現在位置情報を受信する。そして、情報送受信部62は、上記デジタル文字データを位置特定文字抽出部61に出力する。位置特定文字抽出部61は、出力されたデジタル文字データ中から、位置が特定可能な文字列を抽出する。具体的には、位置特定文字抽出部61は、住所を表す文字列、郵便番号を表す文字列、電話番号を表す文字列、および施設名称を表す文字列をそれぞれ抽出する。これら抽出された文字列には、それぞれ位置属性が付与される。位置属性とは、抽出された文字列を区別するものであり、付与された位置属性を参照することによって、住所、郵便番号、電話番号、および施設名称のいずれを示す文字列かを区別することができる。位置特定文字抽出部61は、それぞれ位置属性が付与された文字列データを情報送受信部62に出力する。そして、情報送受信部62は、コンピュータネットワーク4を介して上記文字列データおよび上記現在位置情報を位置検索サーバ7へ送信する。
【0062】
位置検索サーバ7の情報送受信部73は、コンピュータネットワーク4を介して位置特定文字抽出サーバ6の情報送受信部62から送信された文字列データおよび現在位置情報を受信する。そして、情報送受信部73は、上記文字列データおよび現在位置情報を位置検索部71および結果絞込部72に出力する。位置検索部71は、出力された文字列データを用いて、それぞれに付与された位置属性に相応した位置検索を行う。具体的には、位置検索部71は、付与された位置属性が住所であれば住所検索を、郵便番号であれば郵便番号検索を、電話番号であれば電話番号検索を、施設名称であれば施設名称検索を、それぞれ文字列データに対して行い、その検索結果を座標データとして出力する。そして、位置検索部71は、それぞれの座標データを解析し、同一の位置検索結果(つまり、同じ座標データ)になるものは、その1つを採用する。また、結果絞込部72は、位置検索部71の検索結果が複数の位置を示す場合、それらの位置からピンポイントで表すことが可能ないずれか1つの座標データに絞り込む。そして、情報送受信部62は、上記座標データと当該座標データに対応する位置の住所や名称、周辺の地図等の付属情報とを位置検索結果情報として、コンピュータネットワーク4を介して携帯電話装置1へ送信する。
【0063】
次に、図5〜図11を参照して、図1〜図4に示したナビゲーションシステムの動作について説明する。なお、図5は当該ナビゲーションシステムにおける全体動作を示すフローチャートであり、図6〜図11はそれぞれ図5に示した各ステップの詳細な動作を示すサブルーチンである。
【0064】
図5で示すフローチャートは、ナビゲーションシステムの全体動作の一例として、ユーザが携帯電話装置1を用いて推奨経路における目的地を指定してナビゲーション装置2に当該目的地を指示し、ナビゲーション装置2が現在位置から当該目的地までの経路案内を行うまでの処理を示している。まず、ユーザが携帯電話装置1を操作して目的地を示す文字を含む画像データおよび現在位置情報を取得して、当該携帯電話装置1がそれらの情報をコンピュータネットワーク4に出力する情報取得処理を行う(ステップS1)。そして、画像認識変換サーバ5による画像認識変換処理(ステップS2)、位置特定文字抽出サーバ6による位置特定文字抽出処理(ステップS3)、および位置検索サーバ7による位置検索処理(ステップS4)が行われ、携帯電話装置1へ位置検索結果情報が送信される。次に、携帯電話装置1は、受信した位置検索結果情報を取得して(ステップS5)、当該位置検索結果情報をナビゲーション装置2に出力する。そして、ナビゲーション装置2は、受信した位置検索結果情報に基づいて、経路案内処理(ステップS6)を行う。以下、各ステップにおける詳細な動作を説明する。
【0065】
図6は、携帯電話装置1が行う上記ステップS1の情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図6において、ユーザが携帯電話装置1を操作することに応じて、デジタル撮像部121が被写体を撮像する(ステップS11)。具体的にはユーザは、デジタル撮像部121(撮像部12)を用いて、ナビゲーション装置2に対して指示したい位置(目的地)が特定可能な文字を含むものを被写体として撮像する。そして、デジタル撮像部121で撮像されたデジタル画像データは、画像転送部13へ出力される。
【0066】
次に、接続地点判断部14は、上述のようにして携帯電話装置1が接続している携帯電話網の携帯電話中継アンテナ情報を利用して、携帯電話装置1の現在位置を演算する(ステップS12)。そして、接続地点判断部14で演算された現在位置情報は、接続部15へ出力される。
【0067】
次に、画像転送部13は、デジタル撮像部121から出力されたデジタル画像データを、コンピュータネットワーク4上に設置された画像認識変換サーバ5へ送信するよう、接続部15に要求する。そして、接続部15は、上記デジタル画像データおよび接続地点判断部14から出力された現在位置情報を、画像認識変換サーバ5に送信し(ステップS13)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0068】
図7は、画像認識変換サーバ5が行う上記ステップS2の画像認識変換処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図7において、画像認識変換サーバ5の情報送受信部52は、携帯電話装置1から送信されたデジタル画像データおよび現在位置情報を受信する(ステップS21)。そして、情報送受信部52は、デジタル画像データを画像認識変換部51に出力する。
【0069】
次に、画像認識変換部51は、出力されたデジタル画像データ内に存在する文字を認識し、単一または複数の文字列で構成されたデジタル文字データに変換する(ステップS22)。そして、画像認識変換部51は、上記ステップS22における変換が成功したか否かを判断する(ステップS23)。
【0070】
画像認識変換部51は、上記ステップS23で変換に成功した場合、情報送受信部52に変換したデジタル文字データを出力し、情報送受信部52から当該デジタル文字データおよび上記現在位置情報が位置特定文字抽出サーバ6に送信され(ステップS24)、当該サブルーチンによる処理を終了する。一方、画像認識変換部51は、上記ステップS23で変換に失敗した場合、情報送受信部52に変換が失敗した旨の通知を行い、情報送受信部52から変換失敗を示す情報が携帯電話装置1に送信され(ステップS25)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0071】
図8は、位置特定文字抽出サーバ6が行う上記ステップS3の位置特定文字抽出処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図8において、位置特定文字抽出サーバ6の情報送受信部62は、画像認識変換サーバ5から送信されたデジタル文字データおよび現在位置情報を受信する(ステップS31)。そして、情報送受信部62は、デジタル文字データを位置特定文字抽出部61に出力する。次に、位置特定文字抽出部61は、出力されたデジタル文字データ中から、位置が特定可能な文字列を抽出する(ステップS32)。以下、ステップS32で行う文字列の抽出方法の一例について詳述する。
【0072】
まず、位置特定文字抽出部61は、上記デジタル文字データから位置が特定可能な文字列を正しく抽出するために、メールアドレス、URL、営業時間、料金等、地理的な位置とは無関係であることが明白な文字列を除外する。
【0073】
次に、位置特定文字抽出部61は、上記デジタル文字データ内に「〒」や「郵便番号」と記載された文字列に続いて数字「#」および記号「−」が「###−####」のように並んでいる場合、あるいは数字「#」および記号「−」が単独で「###−####」のように並んでいる場合、当該文字列を位置属性が郵便番号である文字列候補(以下、郵便番号属性文字列と記載する)として抽出する。ただし、「〒」や「郵便番号」の記載を伴わない単独の数字「###−####」は、その後に後述の住所属性文字列が続く場合、郵便番号属性文字列として抽出される。
【0074】
次に、位置特定文字抽出部61は、上記デジタル文字データ内に数字「0」で始まる数字「#」および記号「−」の並びが、「0#−####−####」、「0##−###−####」、「0###−##−####」、「0###−#−####」、「0####−#−####」、または「0#####−####」である場合、当該文字列を位置属性が電話番号である文字列候補(以下、電話番号属性文字列と記載する)として抽出する。また、位置特定文字抽出部61は、上記デジタル文字データ内に「Tel」や「TEL」と記載された文字列に続いて数字1桁〜6桁、記号「−」、および数字4桁が並んでいる場合も、当該文字列を位置属性が電話番号である電話番号属性文字列として抽出する。なお、位置特定文字抽出部61は、上記記号「−」の代わりに記号「(」「)」であっても、同様に電話番号属性文字列として抽出する。
【0075】
次に、位置特定文字抽出部61は、全国の都道府県市区町村名称を格納したデータベース(図示せず)を参照し、上記デジタル文字データ内に当該データベースに格納されているいずれかの名称と合致する文字がある場合、合致した文字から文字列の終わりと判断できる文字までを、位置属性が住所である文字列候補(以下、住所属性文字列と記載する)として抽出する。位置特定文字抽出部61が終わりと判断できる箇所は、句読点、既に除外あるいは抽出した文字列との境界や、数字、「番」、「号」、および各地方ごとにおける住所の止め字の特徴文字(例えば京都の「上ル」等)の後に空白や改行がある箇所である。
【0076】
次に、位置特定文字抽出部61は、上記デジタル文字データ内に、郵便番号属性文字列、電話番号属性文字列、住所属性文字列以外に文字列がある場合、それら全てを位置属性が施設名称である文字列候補(以下、施設名称属性文字列と記載する)として抽出する。ここで、ユーザが撮像した被写体に、施設名称とは異なる文字が含まれている場合、これらの文字列も施設名称属性文字列として抽出してしまう。例えば、ユーザが名刺を撮像した場合の氏名や所属部署名、看板を撮像した場合の飲食店のメニューや病院の診療科目や略地図内の道路名称、ガイドブックを撮像した場合の説明文等が、上記施設名称とは異なる文字に相当する。しかしながら、後述する位置検索処理において、これらの施設名称とは異なる文字列は、施設名称検索するためのデータベースに存在しない文字列であるため、自動的に振い落される。このように、位置特定文字抽出部61は、上記デジタル文字データから郵便番号属性文字列、電話番号属性文字列、住所属性文字列、および施設名称属性文字列を位置特定文字列として抽出する。なお、上述した文字列抽出の判断方法は一例であり、位置が特定可能な文字列を抽出できれば、別の判断方法を用いてもかまわない。
【0077】
ここで、図12を参照して、上記ステップS32で行う位置特定文字列を抽出する具体例を説明する。この具体例ではユーザが名刺を撮影することを想定しており、図12(a)はユーザがデジタル撮像部121で撮像した名刺を示し、図12(b)は図12(a)の名刺から抽出される位置特定文字列およびその位置属性を示している。
【0078】
図12において、位置特定文字抽出部61は、「http://」をキーワードとして地理的な位置とは無関係であることが明白な文字列「http://panasonic.jp/」を除外する。次に、位置特定文字抽出部61は、「〒」をキーワードとして、郵便番号属性文字列「5710050」を抽出する。次に、位置特定文字抽出部61は、電話番号属性文字列の抽出を試みるが、図12(a)で示した名刺には電話番号属性文字列に相当する文字列がないため、何も抽出しない。次に、位置特定文字抽出部61は、「門真市」をキーワードとして住所属性文字列「門真市大字門真1006番地」を抽出する。最後に、位置特定文字抽出部61は、既に抽出した文字列以外の文字列として、施設名称属性文字列「松下電器産業株式会社」、「Panasonic」、および「高橋_健」をそれぞれ抽出する。
【0079】
図8に戻り、位置特定文字抽出部61は、上記ステップS32におけるいずれかの位置特定文字列の抽出が成功したか否かを判断する(ステップS33)。位置特定文字抽出部61は、上記ステップS33でいずれかの位置特定文字列の抽出に成功した場合、情報送受信部62に抽出した位置特定文字列を示す位置特定文字データに位置属性を付与して出力し、情報送受信部62から当該位置特定文字データおよび上記現在位置情報が位置検索サーバ7に送信され(ステップS34)、当該サブルーチンによる処理を終了する。一方、位置特定文字抽出部61は、上記ステップS33で抽出に失敗した場合、情報送受信部62に抽出を失敗した旨の通知を行い、情報送受信部62から抽出失敗を示す情報が携帯電話装置1に送信され(ステップS35)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0080】
図9は、位置検索サーバ7が行う上記ステップS4の位置検索処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図9において、位置検索サーバ7の情報送受信部73は、位置特定文字抽出サーバ6から出力された位置特定文字データおよび現在位置情報を受信する(ステップS41)。そして、情報送受信部73は、位置特定文字データおよび現在位置情報を位置検索部71および結果絞込部72へ出力する。
【0081】
次に、位置検索部71は、出力された位置特定文字データを用いて、それぞれ付与されている位置属性に相応した位置検索を行う(ステップS42)。ここで、位置検索とは位置特定文字データが示す地理的な位置を座標データとして求めることであり、位置検索部71は、複数の位置特定文字データを受け取った場合、それぞれについて上記ステップS42の位置検索を行う。なお、位置検索部71は、施設名称に対する位置検索において施設名称とは異なる文字列を示す位置特定文字データも受け取っており、当該位置特定文字データを用いた位置検索が失敗したとき、その文字列が施設名称ではないと判断して処理を続ける。
【0082】
次に、位置検索部71は、上記ステップS42の位置検索に成功した位置特定文字データがあるか否かを判断する(ステップS43)。そして、位置検索部71は、上記ステップS42でいずれかの位置検索に成功した場合、その座標データを結果絞込部72へ出力して処理を次のステップS44に進める。一方、位置検索部71は、上記ステップS42で全ての位置検索に失敗した場合、処理を次のステップS54に進める。
【0083】
ステップS44において、結果絞込部72は、上記ステップS42で成功した座標データが複数か否かを判断する。そして、結果絞込部72は、座標データが1つである場合、結果の絞込が不要であるため、処理を次のステップS55へ進める。一方、結果絞込部72は、座標データが複数である場合、処理を次のステップS45へ進める。
【0084】
ステップS45において、結果絞込部72は、電話番号属性文字列を示す位置特定文字データを用いた位置検索が有効か否かを判断する。そして、結果絞込部72は、電話番号属性文字列を示す位置特定文字データを用いた位置検索が有効である場合、その座標データ1つに絞り込んで(ステップS46)、処理を次のステップS55に進める。一方、結果絞込部72は、電話番号属性文字列を示す位置特定文字データを用いた位置検索が無効である場合、処理を次のステップS47へ進める。
【0085】
ステップS47において、結果絞込部72は、住所属性文字列を示す位置特定文字データを用いた位置検索が有効か否かを判断する。そして、結果絞込部72は、住所属性文字列を示す位置特定文字データを用いた位置検索が有効である場合、その座標データ1つに絞り込んで(ステップS48)、処理を次のステップS55に進める。一方、結果絞込部72は、住所属性文字列を示す位置特定文字データを用いた位置検索が無効である場合、処理を次のステップS49へ進める。
【0086】
ステップS49において、結果絞込部72は、施設名称属性文字列および郵便番号属性文字列をそれぞれ示す位置特定文字データを用いた位置検索が共に有効か否かを判断する。そして、結果絞込部72は、施設名称属性文字列および郵便番号属性文字列をそれぞれ示す位置特定文字データを用いた位置検索が共に有効である場合、施設名称属性文字列が示す施設のうち郵便番号属性文字列が示す地域内に存在する施設の座標データに絞り込み(ステップS50)、処理を次のステップS51に進める。これは、施設名称属性文字列として抽出された文字列が複数ある場合や、同一名称をもつ施設が複数ある場合、郵便番号が示す地域内の施設に絞り込むことを意味する。一方、結果絞込部72は、施設名称属性文字列および郵便番号属性文字列をそれぞれ示す位置特定文字データを用いた位置検索の少なくとも一方が無効である場合、そのまま処理を次のステップS51へ進める。
【0087】
なお、上記ステップS50の絞り込み処理は、上記ステップS48において住所属性文字列だけでは一箇所に絞り込めない場合も有効である。例えば、住所属性文字列に都道府県名がなく「赤坂1丁目」だけであるとき、郵便番号属性文字列が「107−0052」であれば「東京都港区赤坂1丁目」であり、「810−0042」であれば「福岡市中央区赤坂1丁目」に絞り込むことができる。
【0088】
ステップS51において、結果絞込部72は、現在までの絞込処理を経て残っている座標データが複数あるか否かを判断する。そして、結果絞込部72は、残っている座標データが複数ある場合、携帯電話装置1から送信された現在位置情報が示す地理的な位置から一定距離(例えば5km以内)にある座標データ1つに絞り込み(ステップS52)、処理を次のステップS53へ進める。これは、複数の位置検索が、施設名称属性文字列しかない場合等で、例えば、ユーザが施設名称しか表記していない看板等を撮像し、当該施設が現在位置付近にあることを想定している。一方、結果絞込部72は、残っている座標データが複数ない場合、そのまま処理を次のステップS53へ進める。
【0089】
ステップS53において、結果絞込部72は、現在までの絞込処理を経て残っている座標データが1つであるか否かを判断する。そして、結果絞込部72は、残っている座標データが1つである場合、処理を次のステップS55へ進める。一方、結果絞込部72は、残っている座標データが1つでない場合、処理を次のステップS54へ進める。
【0090】
位置検索部71は、上記ステップS42で全ての位置検索に失敗した場合、ステップS54の処理を行う。また、結果絞込部72は、上記ステップS53で残っている座標データが1つでない(つまり、座標データが複数または0)場合、ステップS54の処理を行う。ステップS54において、位置検索部71または結果絞込部72は、情報送受信部73に検索を失敗した旨の通知を行い、情報送受信部73から検索失敗を示す情報が携帯電話装置1に送信され、当該サブルーチンによる処理を終了する。一方、ステップS55において、位置検索部71は、1つに絞り込まれた座標データを情報送受信部73に出力し、情報送受信部73から上記座標データと当該座標データに対応する位置の住所や名称、周辺の地図等の付属情報とを位置検索結果情報として、コンピュータネットワーク4を介して携帯電話装置1へ送信され、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0091】
図10は、携帯電話装置1が行う上記ステップS5の位置検索結果取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図10において、接続部15は、位置検索サーバ7から送信されてくる位置検索結果情報を受信し(ステップS56)、位置検索結果情報を表示部10に出力する。そして、表示部10は、位置検索結果情報を表示画面に表示する(ステップS57)。このとき、表示部10が位置検索結果情報に含まれる検索地点の住所、電話番号、名称、および周辺の地図等を表示することによって、正しく位置検索されたことの確認に加えて検索地点周辺の地理状況を、ユーザが容易に認識することができる。また、表示部10は、画像認識変換部51、位置特定文字抽出部61、位置検索部71、および結果絞込部72のいずれかの処理において処理失敗が発生した場合、その旨表示する。
【0092】
次に、ユーザは、表示部10に表示された位置検索結果情報を視認して、当該位置検索結果をナビゲーション装置2に送信するかどうか判断する(ステップS58)。そして、上記位置検索結果をナビゲーション装置2に送信する場合、ユーザが入力部22を操作して送受信部201に位置検索結果情報を送信し(ステップS59)、当該サブルーチンによる処理を終了する。なお、上記位置検索結果をナビゲーション装置2に送信しない場合、情報の送信は行わない。
【0093】
図11は、ナビゲーション装置2が行う上記ステップS6の経路案内処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図11において、現在位置導出部212は、移動体の現在位置を導出する(ステップS61)。次に、送受信部201から位置検索結果情報を受信する(ステップS62)。そして、経路探索部211は、上記ステップS61で導出した現在位置から上記ステップS62で取得した位置検索結果情報を目的地として推奨経路を導出する(ステップS63)。
【0094】
次に、ユーザに対して推奨経路を案内するため、現在位置導出部212は、移動体の現在位置を導出する(ステップS64)。次に、現在位置判断部213は、移動体が上記ステップS63で導出した推奨経路に沿って移動しているか否かを判断する(ステップS65)。そして、移動体が上記推奨経路に沿って移動している場合、経路案内部214は、経路の案内を行い(ステップS66)、処理を次のステップS67へ進める。一方、移動体が上記推奨経路に沿って移動していない場合、経路案内部214は、経路の案内は行わず、そのまま処理を次のステップS67へ進める。
【0095】
ステップS67において、ナビゲーション装置2は、経路案内処理を継続するか否かを判断する。そして、ナビゲーション装置2は、経路案内処理を継続する場合、上記ステップS64に戻って処理を継続し、経路案内処理を終了する場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0096】
このように、本発明のナビゲーションシステムによれば、位置が特定できる文字を携帯電話装置に内蔵された撮像部で撮像することによって、ユーザは煩雑な操作をすることなく、雑誌や旅行ガイドブック、名刺、看板等、所望の位置が特定可能な被写体を撮像するだけで、推奨経路の目的地や表示画面の位置指定等を行うことができる。また、ユーザが読めない漢字で記載された住所や施設名称等の位置もナビゲーション装置へ出力することができる。さらに、コンピュータネットワーク網上のサーバで画像認識変換、位置特定文字抽出、および位置検索等の処理を行うため、サーバに比べて処理能力が低い携帯電話装置やナビゲーション装置でこれらの処理を行うよりも、より高精度で処理を行うことができる。さらに、画面表示が貧弱あるいは表示部を有しないナビゲーション装置においては、誤った場所が検索されてしまった場合、ユーザにとって誤った場所が検索されたという事実を確認する手段がないが、携帯電話装置が有する表示部を利用することによって、容易に検索結果を確認することができる。また、被写体の撮像をデジタルカメラ内蔵携帯電話装置で行うことにより、ナビゲーション装置は、新しい装置を具備する必要がなく、価格の上昇を抑えることができる。また、ユーザが所持する携帯電話装置を利用するので、ナビゲーション装置周辺に新たな装置を付属させる必要がない。ここで、一般的なナビゲーション装置で位置検索する場合、同装置が保持する位置検索データは、例えば最新の地図DVDROMに交換して記憶部のデータを更新しない限り現在に合致した新鮮なデータにはならない。つまり、このようなナビゲーション装置での検索結果は、現在の状況からずれている可能性がある。これに対して、本発明では、サーバにおいて常に最新のデータに更新することができるため、ナビゲーションシステムによる検索結果は、現在の状況からずれている可能性が極めて少ない。
【0097】
なお、上述した説明では、ナビゲーション装置2が表示画面等の表示部を有していないが、表示部を有していてもかまわない。また、ナビゲーション装置2と別体の携帯電話装置1で撮像するようにしたが、これに限らず、ナビゲーション装置2に撮像部を設けてもよいし、携帯電話装置1にナビゲーション機能を設けてもよい。
【0098】
また、上述した説明では、コンピュータネットワーク上に、画像認識変換部、位置特定文字抽出部、位置検索部を設けたが、これに限らず、ナビゲーション装置内に画像認識変換部、位置特定文字抽出部、位置検索部を設けてもよい。この場合、ナビゲーション装置2は、表示画面等の表示部を有していることが好ましい。例えば、図7のステップS25、図8のステップS35、および図9のステップS54の各処理において、失敗を送信する代わりにナビゲーション装置2自身が有する表示部に各処理の失敗の内容を表示し、ユーザに通知する。さらに、図10のステップS57では、ナビゲーション装置2自身が有する表示部に位置検索結果を表示する。ユーザは、表示された位置を目的地として設定してよいと判断した場合は、ナビゲーション装置2の操作部を操作して目的地を設定する(ステップS58)ことで、位置検索結果が経路案内処理へ送られる(ステップS59)。また、画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、および位置検索サーバ7は、それぞれ別のサーバで構成される説明をしたが、上述したようにこれらは1つのサーバで構成されてもかまわない。この場合、それぞれのサーバ間をデータ通信する動作が不要になることは言うまでもない。
【0099】
また、上述した説明では、位置検索された位置を推奨経路の目的地として使用したが、これに限らず、表示位置の指定、登録地点の指定、指定位置周辺に存在する施設の検索等に使用してもよい。
【0100】
また、上述では、インターネットに代表されるネットワーク網に接続された画像認識変換サーバ5、位置特定文字抽出サーバ6、位置検索サーバ7、および携帯電話装置1を用いて説明したが、ネットワークは他の態様でもかまわない。例えば、ナビゲーション装置2が設置される車両内に構築された車内LANによってこれらのサーバおよび携帯電話装置1が互いに通信可能に接続されてもよい。この場合、上記サーバに格納される情報を最新情報に更新する手段が車両毎に必要となり、例えばユーザが定期的に最新情報が記憶された光ディスク等の記録媒体をそれぞれのサーバに読み込ませて情報を更新する。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明に係るナビゲーションシステム、携帯情報端末装置、サーバ、およびナビゲーション方法は、ユーザが煩雑な操作をすることなく位置指定等を行うことが必要な車載および歩行者ナビゲーション装置等に位置情報を入力する等の用途にも適用できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のネットワークに接続されたサーバと、前記ネットワークを介して前記サーバとデータ通信可能な携帯情報端末装置と、前記携帯情報端末装置との間でデータ通信可能なナビゲーション装置とを含むナビゲーションシステムであって、
前記携帯情報端末装置は、
前記サーバおよび前記ナビゲーション装置とデータ通信を行うデータ送受信部と、
任意の被写体を撮像して画像データを生成する撮像部とを備え、
前記サーバは、
前記携帯情報端末装置とデータ通信を行うデータ送受信部と、
前記携帯情報端末装置から送信された画像データに含まれる文字列を認識し、当該文字列を文字データに変換する画像認識変換部と、
前記画像認識変換部で変換された文字データから地理的な位置が特定可能な文字列を抽出する位置特定文字抽出部と、
前記位置特定文字抽出部で抽出された文字列を用いて当該文字列が示す地理的な位置を検索する位置検索部とを備え、
前記ナビゲーション装置は、前記携帯情報端末装置とデータ通信を行うデータ送受信部を備え、
前記位置検索部で検索された地理的な位置情報は、前記携帯情報端末装置を介して前記ナビゲーション装置に出力されることを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記携帯情報端末装置は、前記撮像部および前記データ送受信部を備えた携帯電話装置であることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記携帯情報端末装置は、さらに
当該携帯情報端末装置のデータ送受信部が受信した情報を表示する表示部と、
ユーザの操作に応答してその指示を入力する入力部とを備え、
前記携帯情報端末装置は、前記位置検索部で検索された地理的な位置情報を受信したとき、当該位置情報を前記表示部に表示し、前記入力部から入力されるユーザの指示に応じて当該位置情報を前記ナビゲーション装置に出力することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記位置特定文字抽出部は、前記地理的な位置が特定可能な文字列を住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して前記文字データから抽出し、
前記位置検索部は、前記位置特定文字抽出部で分類されて抽出された文字列を用いて、当該文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記位置検索部は、前記単一の位置を座標データとして絞り込み、前記単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報と前記座標データとを前記位置情報として出力することを特徴とする、請求項4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記携帯情報端末装置は、前記ネットワークと接続する地理的位置を判断する接続地点判断部を、さらに備え、
前記位置検索部は、前記接続地点判断部が判断した地理的位置および前記位置特定文字抽出部で分類されて抽出された文字列を用いて、当該文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索することを特徴とする、請求項4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記ナビゲーション装置および前記携帯情報端末装置は、同じ移動体に搭載され、
前記ナビゲーション装置は、さらに
前記移動体の現在位置を導出する現在位置導出部と、
前記携帯情報端末装置から出力された位置情報を目的地とした前記移動体の出発地からの推奨経路を導出する経路探索部と、
前記現在位置導出部が導出した現在位置と前記経路探索部が導出した推奨経路との関係を解析し、前記目的地までの経路を案内する経路案内部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記携帯情報端末装置のデータ送受信部と前記ナビゲーション装置のデータ送受信部との間のデータ通信は、無線接続による通信によって行われることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記携帯情報端末装置のデータ送受信部と前記ナビゲーション装置のデータ送受信部との間のデータ通信は、有線接続による通信によって行われることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記携帯情報端末装置のデータ送受信部と前記ナビゲーション装置のデータ送受信部との間のデータ通信は、不揮発性メモリーを内蔵したメモリーカード装置を介して行われることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記ネットワークは、インターネット網であることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
所定のネットワークを介してサーバとデータ通信可能な携帯情報端末装置であって、
前記サーバとデータ通信を行うデータ送受信部と、
任意の被写体を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記データ送受信部が受信した情報を表示する表示部とを備え、
前記データ送受信部は、前記撮像部で生成された画像データを前記サーバへ送信した後、当該サーバから当該画像データに含まれる文字列が示す地理的な位置情報を受信し、
前記表示部は、前記データ送受信部が受信した位置情報を表示することを特徴とする、携帯情報端末装置。
【請求項13】
前記携帯情報端末装置は、前記データ送受信部、前記撮像部、および前記表示部を備えた携帯電話装置であることを特徴とする、請求項12に記載の携帯情報端末装置。
【請求項14】
前記携帯情報端末装置は、ユーザの操作に応答してその指示を入力する入力部を、さらに備え、
前記データ送受信部は、さらにナビゲーション装置との間でデータ通信可能であり、
前記データ送受信部が前記位置情報を受信したとき、当該位置情報を前記表示部に表示し、前記入力部から入力されるユーザの指示に応じて当該位置情報を前記ナビゲーション装置に出力することを特徴とする、請求項12に記載の携帯情報端末装置。
【請求項15】
前記データ送受信部が前記サーバから受信する位置情報は、当該サーバへ送信した画像データから地理的な位置が特定可能な文字列が住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して抽出され、当該文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索された座標データを少なくとも含むことを特徴とする、請求項12に記載の携帯情報端末装置。
【請求項16】
前記データ送受信部が前記サーバから受信する位置情報は、さらに、前記単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報を含むことを特徴とする、請求項15に記載の携帯情報端末装置。
【請求項17】
前記携帯情報端末装置は、前記ネットワークと接続する地理的位置を判断する接続地点判断部を、さらに備え、
前記データ送受信部が前記サーバから受信する位置情報に含まれる座標データは、前記接続地点判断部が判断した地理的位置および前記分類されて抽出された文字列を用いて、当該文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索されることを特徴とする、請求項15に記載の携帯情報端末装置。
【請求項18】
任意の被写体を撮像して画像データを生成する撮像ステップと、
前記画像データに含まれる文字列を認識し、当該文字列を文字データに変換する画像認識変換ステップと、
前記画像認識変換ステップで変換された文字データから地理的な位置が特定可能な文字列を抽出する位置特定文字抽出ステップと、
前記位置特定文字抽出ステップで抽出された文字列を用いて当該文字列が示す地理的な位置を検索して位置情報を得る位置検索ステップとを含む、ナビゲーション方法。
【請求項19】
現在位置を導出する現在位置導出ステップと、
前記位置検索ステップが得た位置情報を目的地とした推奨経路を導出する経路探索ステップと、
前記現在位置と前記推奨経路との関係を解析し、前記目的地までの経路を案内する経路案内ステップとを、さらに含む、請求項18に記載のナビゲーション方法。
【請求項20】
前記位置検索ステップが得た位置情報を表示する表示ステップと、
ユーザの操作に応答してその指示を入力する入力ステップとを、さらに含み、
前記表示ステップが前記位置情報を表示し、前記入力ステップによってユーザの所定の操作に応答した指示が入力した際、当該位置情報を前記経路探索ステップで用いる目的地に採用することを特徴とする、請求項19に記載のナビゲーション方法。
【請求項21】
前記位置特定文字抽出ステップは、前記地理的な位置が特定可能な文字列を住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して前記文字データから抽出し、
前記位置検索ステップは、前記位置特定文字抽出ステップで分類されて抽出された文字列を用いて、当該文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索することを特徴とする、請求項18に記載のナビゲーション方法。
【請求項22】
前記位置検索ステップは、前記単一の位置を座標データとして絞り込み、前記単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報と前記座標データとを前記位置情報として得ることを特徴とする、請求項21に記載のナビゲーション方法。
【請求項23】
前記位置検索ステップは、現在位置および前記位置特定文字抽出ステップで分類されて抽出された文字列を用いて、当該文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索することを特徴とする、請求項21に記載のナビゲーション方法。
【請求項24】
所定のネットワークを介して携帯情報端末装置とデータ通信可能なサーバであって、
前記携帯情報端末装置とデータ通信を行うデータ送受信部と、
前記携帯情報端末装置から送信された画像データに含まれる文字列を認識し、当該文字列を文字データに変換する画像認識変換部と、
前記画像認識変換部で変換された文字データから地理的な位置が特定可能な文字列を抽出する位置特定文字抽出部と、
前記位置特定文字抽出部で抽出された文字列を用いて当該文字列が示す地理的な位置を検索する位置検索部とを備え、
前記データ送受信部は、前記携帯情報端末装置から送信された画像データを受信し、前記位置検索部で検索された当該画像データに応じた地理的な位置情報を当該携帯情報端末装置に送信することを特徴とする、サーバ。
【請求項25】
前記位置特定文字抽出部は、前記地理的な位置が特定可能な文字列を住所、電話番号、郵便番号、および施設名称のいずれかにそれぞれ分類して前記文字データから抽出し、
前記位置検索部は、前記位置特定文字抽出部で分類されて抽出された文字列を用いて、当該文字列が示す単一の位置に絞り込んで検索することを特徴とする、請求項24に記載のサーバ。
【請求項26】
前記位置検索部は、前記単一の位置を座標データとして絞り込み、前記単一の位置に応じた位置の名称、住所、電話番号、および周辺の地図画像からなる群から選ばれる少なくとも1つの情報と前記座標データとを前記位置情報として出力することを特徴とする、請求項25に記載のサーバ。

【国際公開番号】WO2005/061993
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【発行日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516430(P2005−516430)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016754
【国際出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】