説明

ナビゲーションシステム、携帯端末装置および出発、到着判別方法

【課題】携帯端末装置に加速度センサを備え、利用者が乗車した交通機関が駅を発車、ないしは、駅に到着するイベントを容易判別でき、駅の到着前や発車後に適切な案内ができるようにする。
【解決手段】加速度センサを備えた加速度検出手段219を有する携帯端末装置20は、基地局との通信状態の履歴を記憶する通信圏判別手段220と、駅への到着、駅からの出発を、加速度検出手段の検出結果と、通信圏判別手段220の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段221とを備える。加速度検出手段219は、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出し、到着・出発判別手段221は加速度変化が検出された際に、通信圏判別手段220に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の通信状態履歴が通信圏内であるか通信圏外であるかにより、駅への到着または駅からの出発を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地まで交通機関を含む経路を探索して案内するナビゲーションシステム、携帯端末装置および出発、到着判別方法に関するものであり、特に、経路探索サーバと携帯電話を携帯端末装置とした通信型のナビゲーションシステムにおいて、携帯電話に加速度センサを備え、通信基地局との間の通信圏内、圏外判定を利用して地下鉄路線内の駅への到着、発車を検出することにより簡単に携帯端末装置の利用者に到着案内を行えるようにしたナビゲーションシステム、携帯端末装置および出発、到着判別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の発車駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
また、航空機、列車、電車、バスなどの交通手段を用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索システムも知られている。このような経路探索システムは一般的には、ユーザが指定する発車日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースを参照して、乗り継ぎを含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0005】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から、交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の発車駅、発車時刻、目的駅などを指定して乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Universal Resource Locator)やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0006】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0007】
従って端末装置に配信される案内経路データには、利用者が指定した経路探索条件である出発地から目的地までの路線経路や、乗車を案内するバス、電車、列車およびその時刻が含まれ、運行時刻表や駅に掲示されるいわゆる駅貼り時刻表などがそのままあるいは必要部分が画面表示できる表示データなどの形式に加工されて端末装置に配信される。端末装置では案内経路のデータや運行時刻表あるいは駅貼り時刻表を表示して経路や乗車すべき交通手段を確認することができる。
【0008】
しかしながら、電車や地下鉄等の交通機関に乗車したユーザが、降りる駅が分からなかったり、寝過ごしたりして乗り過ごすことがある。このような乗り過ごしを防止するための技術として、以下の従来技術(1)〜(3)が提案されている。
(1)目的駅(降車駅)の到着予定時刻を使用する技術
到着予定時刻を使用する技術としては、例えば、特許文献1(特開平5−2087号公報)、特許文献2(特開2002−178923号公報)記載の技術がある。
特許文献1、2においては、電車の時刻表により電車が乗換駅や降車駅に到着する時刻を求め、時刻表から算出された時刻と内蔵時計から得られる現在時刻とに基づいて、乗換駅や降車駅に到着することをユーザに告知している。
【0009】
(2)駅や車両といった交通機関の施設に設置された信号発信装置から通知を受けて降車駅を検出する技術
このような技術としては、例えば、特許文献3(特開平5−284069号公報)、特許文献4(特開平6−138821号公報)、特許文献5(特開2002−67959号公報)記載の技術がある。
特許文献3には、移動する車両の車内に設置された信号送信装置から送信された駅名を示すコード信号を受信機で受信して、受信した駅名を示すコードと予め設定された降車駅のコードとに基づいて降車駅に近づいたか否かの告知を行う技術が記載されている。
特許文献4には、走行中の列車内や駅の周辺に設置された送信手段から送信された駅の識別情報を携帯端末装置で受信し、予め記憶された目的駅の識別情報に基づいて、降車駅であるか否かの判別を行う技術が記載されている。
特許文献5には、車両内に配置された停車駅情報発信機から発信された駅の情報を携帯端末装置で受信し、予め記憶された降車すべき駅の情報に基づいて警報を発する技術が記載されている。
【0010】
(3)携帯電話の基地局やGPS(Global Positioning System、全地球無線側位システム)等との交信を利用して降車駅を検出する技術
このような技術としては、例えば、特許文献6(特開平5−37460号公報)、特許文献7(特開平9−23477号公報)、特許文献8(特開2002−204467号公報)、特許文献9(特開2001−44917号公報)記載の技術がある。
特許文献6には、降車駅を含むエリアをカバーする無線基地局のエリアコードを無線端末機に予め登録しておき、無線基地局から無線電波で発信されたエリアコードを受信し、比較することにより降車駅(目的地)に近づいたことを告知する技術が記載されている。
特許文献7には、予め降車駅の駅名または降車駅付近の基地局のパラメータを移動機に登録しておき、基地局から送信される駅名または基地局のパラメータを含む報知情報を受信し、登録情報と報知情報とを比較して降車駅に近づいたかを判別して、降車駅に近づいた場合にユーザに告知する技術が記載されている。
特許文献8には、駅の改札機またはGPSからの受信信号に基づいて降車駅の手前になると警報を発する携帯乗り越し防止機に関する技術が記載されている。
特許文献9には、駅にある携帯電話の基地局から、携帯電話にその場所特有の情報を転送し、これによって、携帯電話がどの駅にいるかを表示する技術が記載されている。
【0011】
【特許文献1】特開平5−2087号公報(「0012」〜「0013」)
【特許文献2】特開2002−178923号公報(「0064」〜「0068」、第11図〜第14図)
【特許文献3】特開平5−284069号公報(「0006」〜「0008」、第1図、第3図)
【特許文献4】特開平6−138821号公報(「0019」〜「0022」、「0026」〜「0028」、第2図)
【特許文献5】特開2002−67959号公報(「0017」〜「0035」)
【特許文献6】特開平5−37460号公報(「0012」〜「0020」)
【特許文献7】特開平9−23477号公報(「0034」〜「0048」、第1図〜第8図)
【特許文献8】特開2002−204467号公報(「0008」〜「0010」、第1図〜第3図)
【特許文献9】特開2001−44917号公報(図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1、2に記載された従来技術(1)では、時刻表に基づいて降車駅の案内を行っているため、事故や混雑等によって電車の遅延や運休等が発生すると、実際の運行状況に応じた案内を行うことができないという問題がある。そして、遅延等が発生した状態で、時刻表通りの案内をすると、誤った案内を行ってしまい、ユーザが下車する駅を間違えてしまう恐れがある。
【0013】
特許文献3〜5に記載された従来技術(2)では、駅や車両といった施設や設備に情報を送信するための装置を新たに設置する必要がある。このような装置を、全ての駅や全ての車両に新たに設置するには膨大なコストが必要になるという問題があり、現実的ではなく、実用化されていない。また、特定の駅や特定の路線の車両のみに設置した場合、案内をできる地域や路線が限定される。
【0014】
特許文献6〜9に記載された従来技術(3)では、基地局やGPSから送信された信号を受信できる環境でしか使用できないという問題がある。例えば、GPSを使用する場合、GPSからの電波を受信できない地下鉄では使用できない。また、基地局からの電波を利用する場合、基地局からの電波が受信できない受信圏外に電車が移動した場合には、降車駅の案内ができない。
【0015】
また、特許文献9に記載された技術は、地下鉄における基地局の通信圏内において、基地局から場所特有の情報を受信してどの駅であるかを知るものであるが、地下鉄では駅間に基地局が無いため、駅間(トンネル部分)では無線電波の圏外になる。駅に近づくと電波圏内に入ることになるが、実際には新たな基地局とのハンドシェイク処理などがあるため処理に時間がかかる。
【0016】
従って、携帯電話で通話圏内の表示を出したりメールが受信できるようになるのは、ほとんど駅構内に電車が入ってからである。逆に、駅から発車する場合は、すでに通信のハンドシェイクが取れているので、電波が受信できる限り処理を継続でき、電車が駅を出発して駅間に進行してもしばらくは通信圏内である。実際にはこのような状況なので、この技術では、電車が目的駅に入ってから突然、案内が行われる。電車が駅を発車してもしばらくはもとのままの案内で変わらないという状態になる。
【0017】
上記の従来技術の不具合に鑑み、電車に乗車した利用者が携帯端末装置を使用して交通機関を含む経路案内や下車駅、乗り換え案内などのサービスを受ける場合、携帯端末装置に加速度センサを搭載して加速度検出信号を解析することによって乗車した電車の停車、発車を検出する構成にすることが考えられる。このように構成すれば加速度センサのみを用いて交通機関を含む経路案内や下車駅、乗り換え案内などを行うことができるようになる。
【0018】
例えば、加速度センサで検出された加速度が電車の移動開始時加速度範囲内であり、ららにその範囲内に連続して含まれている期間が、加速度継続時間以上である場合に、電車が移動開始(駅を発車)したと判別し、電車の発車を検出した場合に、加速度センサで検出された加速度に基づいて、電車の移動距離を算出し、この移動距離と、各駅間の駅間距離の情報と各駅を識別する駅識別情報とを含む路線情報に基づいて、次の駅までの残り距離を算出して下車駅、乗り換え駅への到着(接近)を利用者に告知(案内)することができる。
【0019】
しかしながら、このような構成の場合、加速度センサの出力を解析して電車の駅からの発車、駅への到着を解析する解析部の構成が複雑であり、携帯端末装置のコスト上昇の要因となるという問題点が生じる。図9は、電車内で携帯端末装置の加速度センサが示す検出波形を説明する波形図であり、図9Aは加速度の履歴図、図9Bは速度の履歴図、図9Cは移動距離の履歴図である。
【0020】
図9Aに示すように、交通機関としての電車は、立って乗車している人が転倒しない加速度の範囲で、且つ全体としてなるべく早く加速をするために、許容範囲の上限付近の加速度で所定時間加速するという特徴がある。電車の加速は、かつてはモータに直列に抵抗を挿入して、その抵抗を徐々に抵抗値の小さなものに切り替えていく手動進段方式や自動進段方式があり、最近はPWM(Pulse Width Modulation)制御方式(パルス幅制御方式)で滑らかな加速を実現している。したがって、これに対応して、一般的な電車の加速度の範囲である1km/h/s〜4km/h/sを移動開始時加速度範囲として加速度センサの出力を解析し、電車の発車示す加速度の変化を解析する。なお、この移動開始時加速度範囲は、利用する交通機関に応じて適宜設定可能である。
【0021】
加速度センサ出力の解析手段は、部加速度センサで検出された3軸方向の加速度から計算される加速度の絶対値、即ち、加速度の大きさが上記移動開始時加速度範囲内であるか否かを判別する。すなわち、加速度データを例えば0〜255までサンプリングして記憶しておき、記憶された0〜255の最新の加速度データax〜azを、−9.8m/s2(=−1G)〜+9.8m/s2(=+1G)の加速度データA′x,A′y,A′zに逆変換する。そして、加速度の大きさである{(A′x)2+(A′y)2+(A′z)21/2が1km/h/s〜4km/h/sの範囲内であるか否かを判別する。なお、3軸方向の特定の1軸方向の加速度に基づいて判別することも可能であるし、3軸の内何れか1軸方向の加速度が所定の加速度範囲に入っている場合に移動開始時加速度範囲内であると判別することも可能である。
【0022】
次いで、解析手段は電車が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を解析する。例えば、加速度継続時間としては15秒を設定し、この間に加速度センサで検出された加速度が移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する。この解析は、加速度センサの出力をサンプリングした際にその出力が移動開始時加速度範囲に含まれている連続回数をカウントすることによって行う。以上の解析手順を満足した場合に電車が駅を発車したと判別することができる。
【0023】
次いで、解析手段は加速度センサ出力に基づいて電車の移動距離を解析し駅への接近、到着を解析する。前述のようにして電車の移動開始が検出された場合、加速度センサで検出された加速度ax〜azに基づいて、電車の移動距離L(図9C参照)を算出する。移動開始が検出された場合に各サンプリングにおいてえられた加速度データを2回積分して計算される各軸方向の移動距離Lx,Ly,Lzから移動距離L(=((Lx)2+(Ly)2+(Lz)21/2)を計算する。即ち、各サンプリングにおいて得られた加速度データax〜azを各軸毎に全て加算した後、サンプリング間隔t1の二乗を乗算し且つ1/2を乗算した値が移動距離Lx〜Lzとして計算される。そして、それ以後は、最新の加速度データとサンプリング間隔t1に基づいて最新の移動距離Lx〜Lzが計算され、更新される。
【0024】
そして、電車が駅に接近、到着する際の判別には、更に案内経路データから次の停車駅までの残り距離を算出し、電車が駅に接近したか否かを判別するための接近判別距離Ls(図9C参照)を設定しておき、残り距離Lnと接近判別距離Lsとに基づいて、電車が次の停車駅に接近したか否かを判別する。例えば、接近判別距離Lsとして200mを設定した場合、次の停車駅までの残り距離Lnが200mを切った場合に接近したと判別する。
【0025】
駅への到着を判別する際には、解析手段は、電車が駅に到着したか否かを判別するための到着判別速度Vt(図9B参照)を設定しておき、電車の移動速度Vx〜Vzと到着判別速度Vtとに基づいて電車が駅に到着したか否かの判別を行う。例えば、到着判別速度Vtとして5km/hを設定しておき、電車の移動速度の絶対値V(={(Vx)2+(Vy)2+(Vz)21/2)が到着判別速度Vtより小さくなった場合に、駅に到着したと判別する。
【0026】
このように、携帯端末装置に搭載した加速度センサのみによって、電車が駅を発車したこと、あるいは、電車が駅に接近、到着したことを検出するためには加速度センサの出力を解析するために複雑な解析手段が必要であった。
【0027】
本願の発明者は、上記の加速度センサを用いる場合の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、携帯電話を携帯端末装置として使用する場合、現在では地下鉄路線内であっても、各駅構内に基地局が設置され携帯電話が利用可能な環境が広く提供されており、基地局が駅構内に設けられることに着目し、地下鉄路線内では、携帯電話が基地局、すなわち駅構内の圏内に位置するか、圏外に位置するかを知ることができることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0028】
つまり、携帯電話が基地局、すなわち、駅構内の通信圏内に位置するか、通信圏外に位置するかを知ることができれば、加速度センサの検出出力と組み合わせ、電車が駅を発車したイベント、駅に到着するイベントを容易に識別できることに想到して本発明を完成したものである。
【0029】
すなわち、本発明は携帯端末装置に加速度センサを備え、利用者が乗車した交通機関が駅を発車、ないしは、駅に到着するイベントを容易判別でき、駅の到着前や発車直後に最適な案内ができるようにしたナビゲーションシステム、携帯端末装置および出発、到着判別方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
携帯端末装置の移動時の加速度を検出する加速度センサを備えた加速度検出手段を有する携帯端末装置と、携帯端末装置から送信された経路探索条件に従って交通機関を利用した経路を探索して前記携帯端末装置に案内経路データを配信する経路探索サーバとを備えたナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末装置は、基地局との通信状態を判別しその履歴を記憶する通信圏判別手段と、交通手段とともに移動する際の携帯端末装置の駅への到着、駅からの出発を、前記加速度検出手段の検出結果と前記通信圏判別手段の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段と、を備え、
前記加速度検出手段は、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出し、前記到着・出発判別手段は前記加速度変化が検出された際に、前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の前記通信状態履歴が、通信圏内であるか、通信圏外であるかによって、駅への到着または駅からの出発を判別することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏内であった場合に交通手段の発車であると判別することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏外であった場合に交通手段の到着であると判別することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の発車を判別した場合、前記交通手段の発車後の案内を出力することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の到着を判別した場合、前記交通手段の到着の案内を出力することを特徴とする
【0035】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
携帯端末装置から送信された経路探索条件に従って交通機関を利用した経路を探索して前記携帯端末装置に案内経路データを配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、携帯端末装置の移動時の加速度を検出する加速度センサを備えた加速度検出手段を有する携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、基地局との通信状態を判別しその履歴を記憶する通信圏判別手段と、交通手段とともに移動する際の携帯端末装置の駅への到着、駅からの出発を、前記加速度検出手段の検出結果と前記通信圏判別手段の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段と、を備え、
前記加速度検出手段は、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出し、前記到着・出発判別手段は前記加速度変化が検出された際に、前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の前記通信状態履歴が、通信圏内であるか、通信圏外であるかによって、駅への到着または駅からの出発を判別することを特徴とする。
【0036】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる携帯端末装置において、
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏内であった場合に交通手段の発車であると判別することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項6にかかる携帯端末装置において、
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏外であった場合に交通手段の到着であると判別することを特徴とする。
【0038】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項7にかかる携帯端末装置において、
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の発車を判別した場合、前記交通手段の発車後の案内を出力することを特徴とする。
【0039】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項8にかかる携帯端末装置において、
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の到着を判別した場合、前記交通手段の到着の案内を出力することを特徴とする。
【0040】
また、本願の請求項11にかかる発明は、
携帯端末装置から送信された経路探索条件に従って交通機関を利用した経路を探索して前記携帯端末装置に案内経路データを配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、携帯端末装置の移動時の加速度を検出する加速度センサを備えた加速度検出手段を有する携帯端末装置であって、基地局との通信状態を判別しその履歴を記憶する通信圏判別手段と、交通手段とともに移動する際の携帯端末装置の駅への到着、駅からの出発を、前記加速度検出手段の検出結果と前記通信圏判別手段の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段と、を備えた携帯端末装置における交通手段の出発、到着を判別する出発、到着判別方法であって、
前記加速度検出手段が、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出する第1のステップと、前記加速度変化が検出された際に、前記到着・出発判別手段が、前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の前記通信状態履歴が、通信圏内であるか、通信圏外であるかによって、駅への到着または駅からの出発を判別する第2のステップとを有することを特徴とする。
【0041】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる出発、到着判別方法において、
前記第2のステップは、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏内であった場合に交通手段の発車であると判別する処理を含むことを特徴とする。
【0042】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項11にかかる出発、到着判別方法において、
前記第2のステップは、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏外であった場合に交通手段の到着であると判別する処理を含むことを特徴とする。
【0043】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項12にかかる出発、到着判別方法において、
前記携帯端末装置は、更に、前記到着・出発判別手段が交通手段の発車を判別した場合、前記交通手段の発車後の案内を出力する第3のステップを有することを特徴とする。
【0044】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項13にかかる出発、到着判別方法において、
前記携帯端末装置は、更に、前記到着・出発判別手段が交通手段の到着を判別した場合、前記交通手段の到着の案内を出力する第3のステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0045】
請求項1にかかる発明においては、携帯端末装置は、基地局との通信状態を判別しその履歴を記憶する通信圏判別手段と、交通手段とともに移動する際の携帯端末装置の駅への到着、駅からの出発を、前記加速度検出手段の検出結果と前記通信圏判別手段の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段と、を備え、加速度検出手段は、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出し、到着・出発判別手段は前記加速度変化が検出された際に、通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の前記通信状態履歴が、通信圏内であるか、通信圏外であるかによって、駅への到着または駅からの出発を判別する。
【0046】
このような構成によれば、加速度検出手段によって交通手段の発車、停車を示す加速度を検出し、これと合わせて駅構内の基地局の通信圏内に位置するか、通信圏外に位置するかを知ることによって容易に電車の発車、到着を判別することができるようになる。このため、交通手段の発車後、到着時の減速開始後それぞれ大きな遅れなく、次の案内を出すことができ、利用者に適切な案内をすることができるようになる。
【0047】
請求項2、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏内であった場合に交通手段の発車であると判別し、または、通信圏外であった場合に交通手段の到着であると判別する。
このような構成によれば、加速度検出手段によって交通手段の発車、停車を示す加速度を検出し、これと合わせて駅構内の基地局の通信圏内に位置するか、通信圏外に位置するかを知ることによって容易に電車の発車、到着を判別することができるようになる。このため、交通手段の発車後、到着時の減速開始後それぞれ大きな遅れなく、次の案内を出すことができ、利用者に適切な案内をすることができるようになる。
【0048】
請求項4にかかる発明においては、請求項2にかかる発明において、前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の発車を判別した場合、前記交通手段の発車後の案内を出力する。
このような構成によれば、加速度検出手段によって交通手段の発車、停車を示す加速度を検出し、これと合わせて駅構内の基地局の通信圏内に位置するか、通信圏外に位置するかを知ることによって容易に電車の発車を判別することができるようになる。このため、交通手段の発車後、大きな遅れなく、次の案内を出すことができ、利用者に適切な案内をすることができるようになる。
【0049】
請求項5にかかる発明においては、請求項3にかかる発明において、前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の到着を判別した場合、前記交通手段の到着の案内を出力する。
このような構成によれば、加速度検出手段によって交通手段の発車、停車を示す加速度を検出し、これと合わせて駅構内の基地局の通信圏内に位置するか、通信圏外に位置するかを知ることによって容易に電車の到着を判別することができるようになる。このため、交通手段の到着時の減速開始後、大きな遅れなく次の案内を出すことができ、利用者に適切な案内をすることができるようになる。
【0050】
請求項6ないし請求項10にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項5にかかるナビゲーションシステムを構成する携帯端末装置を提供することができるようになり、請求項11ないし請求項15にかかる発明においては、それぞれ請求項6ないし請求項10にかかる携帯端末装置における交通手段の出発、到着を判別する出発、到着判別方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0052】
本発明の実施例にかかるナビゲーションシステム10は、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク11を介して接続される携帯端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。経路探索サーバ30は携帯端末装置20から要求された経路探索条件(出発地、目的地)をもとに最適経路を探索する。そして探索した案内経路のデータとして案内経路となる交通機関の路線や出発地の最寄り駅、乗車すべき交通手段(以下、具体例として電車を例に説明する)とその発車時刻、乗り換え駅、乗り継ぎ交通手段とその発車時刻、目的地の最寄り駅、到着時刻などが含まれる。
【0053】
経路探索のため経路探索サーバ30は、地図データ316、駅時刻表データ317A、運行時刻表データ317B、道路ネットワークデータ318A、交通ネットワークデータ318Bなどのデータベースを備えており、これらのデータベースを参照して発車地から目的地までの経路を探索する。経路探索の方法については後述する。
また経路探索サーバ30は、制御手段311、通信手段312、配信データ編集手段313、案内経路データ作成手段314、経路探索手段315などを備えて構成されている。
【0054】
制御手段311は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段312は、ネットワーク11を介して携帯端末装置20と通信するためのインターフェースである。経路探索手段315は携帯端末装置20から送信された経路探索条件に従って道路ネットワークデータ318Aなどのデータベースを参照して最適経路を探索する。
【0055】
案内経路データ作成手段314は、前述したように経路探索手段315が探索した案内経路のデータを作成し、案内経路データは配信データ編集手段313により携帯端末装置20に配信するためのデータに編集される。また、携帯端末装置20から地図情報の配信が要求されると、経路探索サーバ30は携帯端末装置20の現在位置を含む所定の範囲の地図情報を地図データ316から読み出して配信する。
【0056】
一方、携帯端末装置20は、例えば携帯電話などの携帯端末装置であり、制御手段211、通信手段212、配信データ記憶手段213、報知手段214、表示手段215、操作・入力手段216、GPS測位手段217、データ要求手段218、加速度検出手段219、通信圏判別手段220、到着・出発判別手段221、計数手段222などを備えて構成されている。制御手段211は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0057】
報知手段214は、駅への到着、次の駅への接近などのイベントを表示手段215やイヤホンやバイブレータを介して利用者に案内するためのものである。操作・入力手段216は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる入力手段であり、出力手段である表示手段215に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。通信手段212は、ネットワーク11を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0058】
GPS測位手段217は複数のGPS衛星からの信号を受信して携帯端末装置20の現在位置(緯度・経度)を算出する。データ要求手段218は経路探索サーバ30に経路探索要求、地図要求、時刻表要求を行うためのものであり、例えば、経路探索要求を行う場合には経路探索条件を設定する。経路探索条件としては出発地、目的地、移動手段や発車時刻または到着時刻などが含まれる。出発地と目的地は操作・入力手段216から住所、緯度・経度、ランドマークの名称等を入力することによって指定でき、あるいは、表示手段215に周辺の地図を表示し地図上で指定することもできる。また、GPS測位手段217で測位した現在位置を発車地として選択することもできる。移動手段は徒歩、自動車、徒歩と交通機関の併用などであり、メニュー画面で選択または入力して指定する。
【0059】
配信データ記憶手段213は経路探索サーバ30から配信された案内経路データを一時記憶する。案内経路データは必要に応じて配信データ記憶手段213から読み出され表示手段215に表示される。
【0060】
加速度検出手段219は加速度センサから構成され、携帯端末装置20が電車内で使用される際に、電車の発車、停止によって生ずる加速度の変化を検出する。この場合の加速度センサの出力波形の変化は図2に示すようになる。図2において縦軸は加速度(km/h/sec)を表し、横軸は時間(sec)を表している。電車の加速はKm/h/sで表すことが多く、1秒間に何Km/h加速するかという単位である。図2の例は、約2Km/h/sで30秒間加速する地下鉄の例を示している。図2においては時速60Km/hで定速走行し、約−2Km/h/sで30秒間減速して、次の駅に到着している。地下鉄の走行方向に軸を合わせた加速度センサではこのように測定される。
【0061】
図2からわかるように電車が駅に停車中は、加速度センサ出力はほぼフラットであり加速度は検出されない。次いで、電車が駅を発車して加速を開始すると加速度センサから正の出力を生じる。電車が定速走行になると再度加速度センサ出力はほぼフラットになり加速度は検出されなくなる。次いで、電車が駅に接近して減速を開始すると加速度センサから負の出力を生じる。そして電車が駅に到着して停止すると、再び加速度センサ出力はほぼフラットになり加速度は検出されなくなる。
【0062】
しかしながら、この加速度センサの出力波形からのみでは電車が駅を発着したしことを正確に検出することはできない。一般に電車が正常に運行している場合はよいが、電車の運行間隔が詰まる場合には、駅と駅の間で電車が不規則に減速したり、加速したりする場合が生じる。このようなケースは運行間隔が短くなる朝夕のラッシュ時や乗客が線路内に物を落として運行ダイヤが乱れた場合などによく経験することである。このような場合には駅と駅の間であっても図2に示すような加速度の変化を示すことがある。
【0063】
前述したように加速度センサのみにより電車が駅を発車したこと、あるいは、電車が駅に接近、到着したことを検出するには複雑な解析手段が必要である。本実施例においては、地下鉄路線内では、携帯端末装置20が駅構内の基地局の通信圏内に位置するか、通信圏外に位置するかを知ることができるということに着目して、加速度センサ出力とを合わせて解析することによって容易に電車の発車、到着を判別する。
【0064】
図3は、地下鉄電車内の携帯端末装置20と各駅に設置された基地局の通信エリア(通信圏)との関係を示す概念図である。図3に示すように矢印で示す進行方向の電車内に携帯端末装置20があるとすると、駅構内Aを電車が発車する場合駅構内Aに設置された基地局との通信のハンドシェイクが取れているので、電波が受信できる限り携帯端末装置20は処理を継続でき駅構内Aを発車した後もしばらくは通信圏内Aに入っている。
【0065】
逆に、電車が駅構内Bに到着する場合、電車は駅が近づくと、駅構内Bに設置された基地局の通信圏内になるが、実際には新たな基地局とのハンドシェイク処理などがあるため、処理に時間がかかり、実質的に携帯端末装置20が通信圏内Bに入るのは、駅構内Bに電車が入ってからとなる。地下鉄では駅間に基地局が無いため、駅間(トンネル部分)では無線電波の圏外になる。
【0066】
携帯端末装置20と基地局との間の通信状態、すなわち、基地局と携帯端末装置20とが電波を送受信できる通信圏内にあるか、電波を送受信できない通信圏外にあるかを、携帯端末装置20の移動に応じて履歴として記憶しておき、加速度センサの検出出力と組み合わせることで、電車の発車、到着を判別する。図4は、携帯端末装置20が電車とともに移動している場合の通信状態(通信圏内、通信圏外)の履歴(3−1)と図2に示す加速度(2−1)との関係を、時間軸を合わせて図示したものである。本発明においては、絶対座標上で加速度の演算を行う必要はない。加速度センサから加速度の傾向が分かれば、それを基に以下のようにして発車と到着を判定できる。
【0067】
図4に示すように、加速ないしは減速による加速度4a、4b(加速度検出波形絶対値(2−1)参照)の始点が検出された時に、携帯端末装置20が駅基地局の通信圏内4c、通信圏外4d(通信圏内、通信圏外の検出履歴(3−1)参照)にあるかによって、駅構内での加速か、駅手前での減速かを判別することができる。これによって、適切な案内をすることができるようになる。
【0068】
すなわち、所定の加速度範囲の加速度が検出され、その後所定の加速度継続時間の間継続して前記加速度が継続した場合、発車または到着(停車)の加速度と判定する。そして、所定時間前(加速度を検出した検出開始時点)の通信圏履歴を参照して通信圏内であったならば、駅から電車が発車したものと判別できる(以下これを発車イベントという)。こうして発車イベントを検出すると「次は・・・駅です」のような案内メッセージを表示手段215に表示し、あるいは報知手段214により音声出力する。
【0069】
一方、所定の加速度範囲の加速度が検出され、その後所定の加速度継続時間の間継続して前記加速度が継続した場合、発車または停車の加速度と判定する。そして、所定時間前(加速度を検出した検出開始時点)の通信圏履歴を参照して通信圏外であったならば、駅に電車が到着したものと判別できる(以下これを到着イベントという)。こうして到着イベントを検出すると「まもなく・・・駅に到着です」のような、案内メッセージを表示手段215に表示し、あるいは報知手段214により音声出力する。停車を案内する駅が案内経路の下車駅である場合には、上記の案内とともにバイブレーションを発生させ、利用者に下車駅であることを報知することもできる。
【0070】
このようにして電車の発車、到着(停車)を判別すれば、加速度の正負、加速度の方向や、加速度センサ出力を演算して移動速度、移動距離を演算し、また、駅までの残り距離を判別するなどの複雑な解析処理を必要としない。
【0071】
図5は、携帯端末装置20と基地局との間の通信圏履歴(通信圏内にあるか、通信圏外にあるかの履歴)を記憶する処理手順を示すフローチャートである。この処理は周期的に繰り返される。通信圏判別手段220はステップS11の処理において携帯端末装置20が基地局の通信圏内にあるか通信圏外にあるかを判別する。通信圏外(YES)であればステップS14の処理に進み、通信圏判別手段220は記憶部(図示せず)に「通信圏外」を記録してリターンする。ステップS11の判定処理において通信圏外(NO)であれば通信圏内にあることになり、通信圏判別手段220はステップS12の処理において新たな基地局の通信圏であるかを判別する。
【0072】
ステップS12の判定処理において新たな基地局でないと判定されるとステップS15の処理において通信圏判別手段220は記憶部(図示せず)に「通信圏内」を記憶してリターンする。新たな基地局であると判定されるとステップS13の処理において現在駅を更新し、ステップS15の処理において通信圏判別手段220は記憶部(図示せず)に「通信圏内」を記憶してリターンする。
【0073】
一方、加速度検出手段219による加速度のサンプリングおよび電車の発車、到着は図6に示すフローチャートの手順で行われる。ここで扱う加速度データは、加速度検出手段218が3軸加速度センサを備えているものして説明する。3軸加速度センサを使用しても絶対座標に変換する必要はなく、3軸の加速度データを以下のように扱う。
【0074】
(1)3軸の加速度データの自乗和をとる。
これは、総合的な加速度の合成ベクトル(の自乗)に関係するので、携帯電話がどのような向きで保持されても同じ結果を出力してくれる。1Gの重力加速度に、ほぼ直角に電車の加速度が合成される。加速または減速があると、合成ベクトルが大きくなるので、検出できる。ただし、重力加速度が大きくて、変化は微小になるので、この方法は精度の高い加速度センサを用いる場合に推奨される。
【0075】
(2)あるいは、絶対値で最も大きな値を検出している軸は重力加速度の影響を受けているので除外して、残りの軸のそれぞれの加速度出力の変化、あるいは合成加速度の変化で電車加速度を検出しても良い。
図4に示す加速度検出波形は上記(1)または(2)の方法で検出された電車の加速度の成分である。なお、図4の縦軸のスケールは図2のスケールとは異なっている。
【0076】
図6のフローチャートに戻って、先ず、ステップS20の処理において加速度検出手段219は、3軸加速度センサの出力を読み取り、ステップS21の処理において加速度の履歴(図9B参照)を記録する。次いで、ステップS22の処理において加速度が所定の範囲内の加速度、すなわち、図9Aを参照して説明したように電車の発車、停車時に期待される加速度上限、加速度下限の範囲内の加速度であるかが検出される。このためステップS22の処理では、電車による加速度変化が発生しているか調べる。例えば3軸の合成加速度が1Gから変化しているか調べ、電車の出発、到着に特有である加速度の変化があるか否かを判別する。
【0077】
電車特有の加速度でないことが検出されると、加速度検出手段219はステップS23の処理に進み、経過時間をリセットしてリターンし、電車特有の加速度であることが検出されるとステップS24の処理において経過時間をカウント(カウントアップ)する。そしてステップS25で経過時間が所定時間以上になったか否かを判定し、所定の時間以上その加速が継続しているか調べる。所定時間以上経過していない場合はリターンする。
【0078】
ステップS25の処理において経過時間が所定時間以上であった場合はステップS26の処理に進み、到着・発車判別手段221は通信圏判別手段220に記憶された通信圏履歴を参照して所定時間前に通信圏内であったか、通信圏外であったかを調べ、電車の発車(発車イベント)、到着(到着イベント)を判別する。所定時間とは、電車特有の加速度を検出した検出開始時点である。すなわち、ステップS26の処理において所定時間前の通信圏履歴が通信圏内(圏内)であったならば、駅から電車が発車したものと判別でき、ステップS27の処理において発車イベント発生時の案内(発車後の案内:「次は・・・駅です」)を行ってリターンする。
【0079】
一方、ステップS26の処理において所定時間前の通信圏履歴が通信圏外(圏外)であったならば、駅に電車が到着したものと判別でき、ステップS28の処理において到着イベント発生時の案内(「まもなく・・・駅に到着します」)を行ってリターンする。なお前記の所定時間は、5〜10秒程度でよいから、発車後、減速開始後それぞれ大きな遅れなく、次の案内を出すことが出来る。
【0080】
なお、乗車駅から最初の1区間は電車がどちらに移動しているのか基地局電波を受信しないことには、わからないので、次の駅の基地局を受信したところで移動の方向を確定して案内を出すようにする。次の駅が下車駅であるばあいは、特に案内を行わなくても駅の案内看板などで明らかであるので、次の駅の発車検出後から案内をすれば十分である。
【0081】
次に、経路探索のためのネットワークデータについて説明する。道路ネットワークデータ318Aは、徒歩経路、自動車による経路の探索に用いられるネットワークデータであり、次のように構成されている。すなわち、道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで表され、道路ネットワークデータを構成している。図7において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0082】
このような道路ネットワークデータ318Aをデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において発車地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0083】
交通機関を利用した経路探索のための交通ネットワークデータ318Bは、例えば、図8に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図8において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図8では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0084】
しかしながら、交通ネットワークデータ318Bは道路ネットワークデータ318Aと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路のネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通機関のネットワークでは、図8に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数あり、各交通手段毎にあるノードを発車する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0085】
図8に例示する交通ネットワークデータ318Bにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通ネットワークデータ318Bは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になり、道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量のネットワークデータとなる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多く必要になる。
【0086】
このような交通ネットワークデータ318Bを用いてある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。例えば、図8において、発車地を交通路線AのノードAXとしてある特定の発車時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち発車時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択し、交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内経路が探索される。
【0087】
上記のようなネットワークデータを参照して出発地から目的地までの徒歩経路、交通機関を利用した経路が探索され、案内経路データが携帯端末装置20に配信される。そして利用者は必要に応じて乗車駅、乗り換え駅、下車駅の案内を受けることができる。
【0088】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、地下鉄路線のように駅間に基地局を持たない交通機関において、加速度検出結果と通信圏履歴を組み合わせることによって簡単に電車の駅からの発車、駅への到着を検出することができるようになる。従って、加速度の正負、加速度の方向や、加速度センサ出力を演算して移動速度、移動距離を演算し、また駅までの残り距離を判別するなどの複雑な解析処理を必要としない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
電車が地上を走る区間においては携帯端末装置に搭載したGPS測位手段を利用して走行区間を検出することが多々提案されているので、本発明をそれらの技術と組み合わせれば、地上でも地下鉄区間でも次の駅を案内し続けることが出来るようになり利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】電車内で携帯端末装置の加速度センサが出力する加速度の波形を示す波形図である。
【図3】地下鉄電車内の携帯電話と各駅に設置された基地局の通信エリア(通信圏)との関係を示す概念図である。
【図4】加速度センサ出力と携帯端末装置の通信圏内、圏外検出結果とを時間軸を合わせて示した図である。
【図5】携帯端末装置と基地局との間の通信圏履歴を記憶する手順を示すフローチャートである。
【図6】駅からの発車、駅への到着を検出する処理手順を示すフローチャートである。
【図7】経路探索のための道路ネットワークデータの概念を示す模式図である。
【図8】交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータの概念を示す模式図である。
【図9】電車内で携帯端末装置の加速度センサが示す検出波形を説明する波形図であり、図9Aは加速度の履歴図、図9Bは速度の履歴図、図9Cは移動距離の履歴図である。
【符号の説明】
【0091】
10・・・・ナビゲーションシステム
20・・・・携帯端末装置
211・・・制御手段
212・・・通信手段
213・・・配信データ記憶手段
214・・・報知手段
215・・・表示手段
216・・・操作・入力手段
217・・・GPS測位手段
218・・・データ要求手段
219・・・加速度検出手段
220・・・通信圏判別手段
221・・・到着・出発判別手段
222・・・計数手段
30・・・・経路探索サーバ
311・・・制御手段
312・・・通信手段
313・・・配信データ編集手段
314・・・案内経路データ作成手段
315・・・経路探索手段
316・・・地図データ
317A・・駅時刻表データ
317B・・運行時刻表データ
318A・・道路ネットワークデータ
318B・・交通ネットワークデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置の移動時の加速度を検出する加速度センサを備えた加速度検出手段を有する携帯端末装置と、携帯端末装置から送信された経路探索条件に従って交通機関を利用した経路を探索して前記携帯端末装置に案内経路データを配信する経路探索サーバとを備えたナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末装置は、基地局との通信状態を判別しその履歴を記憶する通信圏判別手段と、交通手段とともに移動する際の携帯端末装置の駅への到着、駅からの出発を、前記加速度検出手段の検出結果と前記通信圏判別手段の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段と、を備え、
前記加速度検出手段は、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出し、前記到着・出発判別手段は前記加速度変化が検出された際に、前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の前記通信状態履歴が、通信圏内であるか、通信圏外であるかによって、駅への到着または駅からの出発を判別することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏内であった場合に交通手段の発車であると判別することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏外であった場合に交通手段の到着であると判別することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の発車を判別した場合、前記交通手段の発車後の案内を出力することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の到着を判別した場合、前記交通手段の到着の案内を出力することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
携帯端末装置から送信された経路探索条件に従って交通機関を利用した経路を探索して前記携帯端末装置に案内経路データを配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、携帯端末装置の移動時の加速度を検出する加速度センサを備えた加速度検出手段を有する携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、基地局との通信状態を判別しその履歴を記憶する通信圏判別手段と、交通手段とともに移動する際の携帯端末装置の駅への到着、駅からの出発を、前記加速度検出手段の検出結果と前記通信圏判別手段の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段と、を備え、
前記加速度検出手段は、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出し、前記到着・出発判別手段は前記加速度変化が検出された際に、前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の前記通信状態履歴が、通信圏内であるか、通信圏外であるかによって、駅への到着または駅からの出発を判別することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏内であった場合に交通手段の発車であると判別することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記到着・出発判別手段は、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏外であった場合に交通手段の到着であると判別することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の発車を判別した場合、前記交通手段の発車後の案内を出力することを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項10】
前記携帯端末装置は、前記到着・出発判別手段が交通手段の到着を判別した場合、前記交通手段の到着の案内を出力することを特徴とする請求項8に記載の携帯端末装置。
【請求項11】
携帯端末装置から送信された経路探索条件に従って交通機関を利用した経路を探索して前記携帯端末装置に案内経路データを配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、携帯端末装置の移動時の加速度を検出する加速度センサを備えた加速度検出手段を有する携帯端末装置であって、基地局との通信状態を判別しその履歴を記憶する通信圏判別手段と、交通手段とともに移動する際の携帯端末装置の駅への到着、駅からの出発を、前記加速度検出手段の検出結果と前記通信圏判別手段の判別結果とに基づいて判別する到着・出発判別手段と、を備えた携帯端末装置における交通手段の出発、到着を判別する出発、到着判別方法であって、
前記加速度検出手段が、予め設定した所定の加速度範囲内の加速度が、所定期間継続した場合に交通手段の移動による加速度変化として検出する第1のステップと、前記加速度変化が検出された際に、前記到着・出発判別手段が、前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、所定期間前の前記通信状態履歴が、通信圏内であるか、通信圏外であるかによって、駅への到着または駅からの出発を判別する第2のステップとを有することを特徴とする出発、到着判別方法。
【請求項12】
前記第2のステップは、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏内であった場合に交通手段の発車であると判別する処理を含むことを特徴とする請求項11に記載の出発、到着判別方法。
【請求項13】
前記第2のステップは、前記加速度変化が検出された際に前記通信圏判別手段に記憶された通信状態履歴を参照し、当該加速度変化の開始時点における通信状態履歴が通信圏外であった場合に交通手段の到着であると判別する処理を含むことを特徴とする請求項11に記載の出発、到着判別方法。
【請求項14】
前記携帯端末装置は、更に、前記到着・出発判別手段が交通手段の発車を判別した場合、前記交通手段の発車後の案内を出力する第3のステップを有することを特徴とする請求項12記載の出発、到着判別方法。
【請求項15】
前記携帯端末装置は、更に、前記到着・出発判別手段が交通手段の到着を判別した場合、前記交通手段の到着の案内を出力する第3のステップを有することを特徴とする請求項13に記載の出発、到着判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−120953(P2007−120953A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309342(P2005−309342)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】