ナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置
【課題】案内経路を再探索した際、利用者が移動すべき方向を容易に認識することができるナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】経路探索サーバは、端末装置で設定した経路探索条件に従い、出発地から目的地までの案内経路を探索し、端末装置に送信して表示させる。利用者が案内経路から外れて移動し、案内経路の再探索を要求したとき、再探索した案内経路とともに、再探索前の出発地と再探索した案内経路の出発地とを同時に表示させることにより、正しい移動方向を把握し、案内経路に従って移動することができる。
【解決手段】経路探索サーバは、端末装置で設定した経路探索条件に従い、出発地から目的地までの案内経路を探索し、端末装置に送信して表示させる。利用者が案内経路から外れて移動し、案内経路の再探索を要求したとき、再探索した案内経路とともに、再探索前の出発地と再探索した案内経路の出発地とを同時に表示させることにより、正しい移動方向を把握し、案内経路に従って移動することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件に従い、案内経路を探索して地図情報とともに表示するナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置に関するものであり、特に、利用者が端末装置に表示された案内経路から外れて移動したとき、案内経路を再探索して表示し、利用者を目的地に導くナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーションシステムが知られている。このようなナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内する車載ナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型の経路探索システム等が実用化されている。
【0003】
特に、通信型の経路探索システムは、携帯電話等の端末装置をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用の経路探索システムとしても用いられるものである。歩行者用の経路探索システムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を案内する機能を有する経路探索システムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車等の情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーションシステム、通信経路探索システムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。この経路探索システムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用等があり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることにより最短の経路をナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータとを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗り換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車等の交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。探索条件としては、さらに、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃等の条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話等の端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅等を指定して、乗車可能な路線や列車、電車等の交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に、端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)やドメイン名等のアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0008】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をする経路探索システム等における経路探索用のデータは、車載用経路探索システムや歩行者用経路探索システムにおける道路ネットワークのデータと同様に、交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。さらに、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0009】
そのため、端末装置に配信される案内経路データには、利用者が指定した経路探索条件である出発地から目的地までの路線経路や乗車を案内するバス、電車、列車及びその時刻が含まれ、運行時刻表や駅に掲示されるいわゆる駅貼り時刻表等が、そのまま、あるいは、必要部分が画面表示できる表示データ等の形式に加工されて端末装置に配信される。端末装置では、案内経路のデータや運行時刻表、あるいは、駅貼り時刻表を表示して経路や乗車すべき交通手段を確認することができる。
【0010】
道路ネットワークや交通ネットワークのデータを用いて経路探索して得た出発地から目的地までの経路のうち、経路の累計コスト(距離または時間)が最小となる経路が最適な案内経路として決定され、案内経路データが作成される。案内経路データには、最適経路のデータの他に地図データ、ガイダンスデータが含まれ、案内経路データは必要に応じて案内データ記憶手段から読み出され表示手段に表示される。一般的には、ナビゲーション装置が有するGPS受信機を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。
【0011】
GPS受信機を用いて測位した位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が案内経路からずれている場合には現在位置を案内経路上に補正するルートマッチング処理や地図上の最も近い道路上に補正するマップマッチング処理が行われる。また、案内経路データに交差点などのガイダンスポイントが設定され、そのガイダンスポイントにおけるガイダンスとして音声ガイド(例えば、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージ)のデータが付加されている場合は、スピーカを介して音声メッセージを再生出力してユーザをガイドする。
【0012】
ところで、このような経路探索システムを用いた場合であっても、必ずしも利用者が端末装置に表示された案内経路に従って正しく移動できるとは限らず、案内経路から外れてしまうことがある。例えば、車載用のナビゲーション装置においては、移動速度が早く、運転操作を伴っているため、案内経路を走行中に案内経路上のガイダンスポイントで正しくガイダンスどおりの行動をとれないことがある。例えば、右折のガイダンスが行われたノード(ガイダンスポイント)の手前のノードで右折をしてしまったり、ガイダンスポイントを見過ごして通過してしまうこともある。ガイダンスポイントを見過ごして通過してしまった場合には、運転者の心理としては案内された経路に戻ろうとする意識が働き、通過したガイダンスポイントの先にある交差点ノードでガイダンスに従って右折をして案内経路に戻る運転操作を行ったりする。
【0013】
そこで、利用者が案内経路を外れてしまった場合、現在位置から当初の目的地までの案内経路を再探索するようにされる。この機能をリルート機能といい、利用者が案内経路から外れた場合に自動的にリルートを行うように構成され、あるいは、更に、渋滞時に利用者がマニュアル操作してリルートを行わせるような構成を加えたナビゲーションシステムも存在する。
【0014】
例えば、利用者が案内経路を外れてしまった場合に経路の再探索(リルート)を行い、地図縮尺を変更して現在位置から目的地を含む再探索経路の全体を表示するようにした車両用ナビゲーション装置が特許文献2(特開2003−139554号公報)に開示されている。この特許文献2に開示された技術によれば、元の案内経路を含む経路の全体を表示するため、元の案内経路と新たな案内経路(再探索経路)との接続関係の判断が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2003−139554号公報(段落[0052]、[0053])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、上記特許文献2に開示された車両用ナビゲーション装置は、車両に搭載されており、車両の進行方向と表示されている地図の方向とを一致させ、あるいは、表示されている地図から車両の進行方向を容易に把握できるため、利用者であるドライバは、再探索した案内経路に従い、比較的容易に元の案内経路に復帰することができる。
【0017】
歩行者の場合は、移動速度は遅いものの、表示された地図画像上の案内経路と実際の方向感覚のズレから、進行すべき方向とは逆方向に進んでしまうことが多々ある。この場合、案内経路から外れた状態であることが検出するには一定の距離以上のズレを検出する必要があり、経路の再探索結果の案内が得られるまで歩行者は進行方向の間違えに気付かないことになる。また、再探索された経路を表示しても、歩行者が実際の方向感覚とのズレを修正できなければ正しい進行方向を把握できない状態を解消できない。
【0018】
例えば、利用者が地下鉄等の交通手段を降りた後、携帯する端末装置に表示された案内経路に従い、徒歩にて目的地に向かう場合を想定すると、端末装置が前方に進行する案内経路を指示しているにも関わらず、利用者が方向を間違い、後方に進行してしまう事態がしばしば生じる。その理由として、利用者が所持する携帯電話等の端末装置は、車載ナビゲーション装置とは異なり、端末装置に表示される地図の方向と利用者の方向とを一致させることが困難であることが挙げられる。
【0019】
図を参照してこのような例を説明する。目的地を設定して経路を探索することにより、図11に示す案内経路1を含む案内地図の全体図が携帯電話等の端末装置に表示されるものとする。この場合、Sは出発地、Gは目的地を示す。次いで、端末装置に範囲2の拡大した案内地図を表示させ(図12)、表示された案内経路1に従って移動を開始する。このとき、利用者が、出発地SであるA地点から、案内経路1に従った正しい方向に進行し、案内経路1上のC地点に向った場合、図13に示すように、案内経路1上に利用者の現在地を示すマーク3が表示される。これにより、利用者は、案内経路1に従って正しい方向に移動しているものと認識できる。
【0020】
一方、利用者が移動方向を間違えて、例えば、図11に示すB地点に移動してしまったものとする。このとき、利用者が間違えに気付き、案内経路を再探索した場合、端末装置には、図14に示すように、B地点を新たな出発地Sとし、この出発地Sから、最初の出発地であるA地点に向う案内経路4が表示される。
【0021】
利用者が移動方向の間違いを正しく認識していれば、再探索された案内経路4に従ってA地点の方向に移動することができるが、移動方向の間違いに気付いていないと、再び同じ間違えを犯し、例えば、図11に示す最初の出発地Sからさらに遠ざかった地点に向ってしまうおそれがある。あるいは、B地点を当初の出発地Sと錯覚しまう可能性もある。
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、案内経路を再探索した際、利用者が移動すべき方向を容易に認識することができるナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件を満たす経路を前記経路探索サーバで探索して経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件及び前記経路探索要求に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーションシステム。
【0023】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項4にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
設定した経路探索条件を満たす経路を探索する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置において、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記ナビゲーション装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、前記経路探索サーバが、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索した際、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とする端末装置。
【0028】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる端末装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項6にかかる端末装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる端末装置において、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項6にかかる端末装置において、前前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0032】
また、本願の請求項11にかかる発明は、
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するとともに、前記経路探索条件に従って探索された経路を表示する端末装置に対して、ネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記端末装置の現在地を新たな出発地とし、前記目的地までの経路を再探索した際、前記端末装置の表示手段に対して、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示させることを特徴とする経路探索サーバ。
【0033】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる経路探索サーバにおいて、前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示させることを特徴とする。
【0034】
また、本願の請求項13にかかる発明は、請求項11にかかる経路探索サーバにおいて、前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする。
【0035】
また、本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0036】
また、本願の請求項15にかかる発明は、請求項11にかかる経路探索サーバにおいて、前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする。
【0037】
また、本願の請求項16にかかる発明は、
設定された経路探索条件に従い、経路探索手段により経路を探索して経路案内を行うナビゲーション方法において、
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するステップと、
前記経路探索条件に従って前記経路を探索するステップと、
探索した前記経路を表示手段に表示するステップと、
現在地を取得するステップと、
前記現在地を新たな出発地として経路を再探索するステップと、
再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示するステップと、
を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【0038】
また、本願の請求項17にかかる発明は、請求項16にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整することを特徴とする。
【0039】
また、本願の請求項18にかかる発明は、請求項16にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0040】
また、本願の請求項19にかかる発明は、請求項18にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項20にかかる発明は、請求項16にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0042】
また、本願の請求項21にかかる発明は、設定された経路探索条件を満たす経路を探索して経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、設定された経路探索条件に従って出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【0043】
また、本願の請求項22にかかる発明は、請求項21にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする。
【0044】
また、本願の請求項23にかかる発明は、請求項21にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0045】
また、本願の請求項24にかかる発明は、請求項23にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0046】
また、本願の請求項25にかかる発明は、請求項21にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
請求項1に係る発明においては、ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件を満たす経路を前記経路探索サーバで探索して経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、前記経路探索サーバは、前記経路探索条件及び前記経路探索要求に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示する。
【0048】
このような構成によれば、経路を再探索した際、再探索前の出発地と、再探索時の新たな出発地とが表示手段にともに表示されるため、利用者は、移動方向をどの方向に錯誤したのかを直ちに理解することができ、速やかに移動方向を修正して所望の目的地に向かうことができる。
【0049】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有する。これにより、同一画面に表示された再検索前後の出発地から、正しい移動方向を容易に認識することができる。
【0050】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することにより、錯誤した移動方向を確認することができる。
【0051】
請求項4にかかる発明においては、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することにより、所望の出発点からどの程度隔たり、且つ、その時間ロスがどの程度あるのかを数値に基づいて把握することができる。
【0052】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示する。これにより、探索経路を1つしか記憶しない構成、すなわち、経路を再探索した際に、その再探索経路を、再探索前の経路に上書き記憶する構成においても、再探索前の出発地から再探索時の新出発地への簡易な移動軌跡を利用者に示すことができる。
【0053】
請求項6〜10にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができ、請求項11〜15にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができる。
【0054】
また、請求項16〜20にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムにおけるナビゲーション方法を提供することができる。請求項21〜25にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムをスタンドアロンのナビゲーション装置として構成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムの詳細な構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置の外観図である。
【図4】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムの処理フローチャートである。
【図5】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置に再表示された案内経路の説明図である。
【図6】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置に再表示された移動軌跡を含む他の案内経路の説明図である。
【図7】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置に再表示された直線移動軌跡を含む他の案内経路の説明図である。
【図8】本発明の実施例の経路探索に使用される道路ネットワークデータを説明する概念図である。
【図9】本発明の実施例の経路探索に使用される交通ネットワークデータを説明する概念図である。
【図10】本発明の実施例の経路探索に使用される地図データを説明する概念図である。
【図11】端末装置に全体表示された案内経路の説明図である。
【図12】端末装置に拡大表示された案内経路の説明図である。
【図13】端末装置に拡大表示された案内経路の説明図である。
【図14】従来技術に係る端末装置に再表示された案内経路の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施例のナビゲーションシステムにも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0057】
図1は、本発明の実施例に係るナビゲーションシステム10の構成図である。ナビゲーションシステム10は、携帯電話、PDA、ミュージックプレーヤー、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ等の携帯型端末を用いた端末装置20と経路探索サーバ30とがインターネット等のネットワーク12を介して接続される構成になっている。経路探索サーバ30は、経路探索のための道路ネットワークデータを蓄積したデータベースDB1、時刻表データに基づく交通ネットワークのデータを交通ネットワークデータとして蓄積したデータベースDB2、交通機関の各電車等の運行ダイヤに基づく時刻表や運賃を蓄積した時刻表・運賃データのデータベースDB3、表示用の地図データを蓄積したデータベースDB4を備えている。
【0058】
このナビゲーションシステム10は、各種カテゴリに属するPOI(Point of Interest:興味対象場所)の所在地やサービス内容、広告等の詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、地図データ、交通路線データや運行時刻表データ、音楽や各種画像等のコンテンツ、その他の情報を提供する各種の情報配信サーバ51等とも接続できる。経路探索サーバ30は、POI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。さらに、経路探索サーバ30は、ナビゲーションサービス機能とともにPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。
【0059】
端末装置20は、経路案内のサービスを受ける場合には、端末装置20において所望の出発地や目的地等の経路探索条件を設定し、経路探索サーバ30に経路探索要求を送信する。
【0060】
経路探索サーバ30は、端末装置20から経路探索要求があると、データベースDB1〜DB3の道路ネットワークデータ、交通ネットワークデータ、時刻表・運賃データを参照して経路探索する。そして、経路探索の結果により得た案内経路(推奨経路)を端末装置20に送信する。また、端末装置20から所望の地点やPOIを指定して地図データの取得要求があると、データベースDB4の地図データを参照して該当する地図データを読み出して端末装置20に配信する。これらの制御は、端末装置20にインストールされたナビゲーションのためのアプリケーションプログラムを起動することによって実行される。
【0061】
図2は、図1のナビゲーションシステム10の詳細な構成ブロック図である。
端末装置20は、制御手段201、通信手段21、GPS受信器を備えた位置情報取得手段22(現在地取得手段)、経路探索要求手段23、経路データ記憶手段24、表示手段25、操作入力手段26(条件設定手段)等を備えて構成されている。
制御手段201は、図示していないが、RAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納されたナビゲーションアプリケーションプログラムにより各部の動作を制御する。
【0062】
通信手段21は、インターネット等のネットワーク12を介して経路探索サーバ30等と通信データを送受信するための通信インターフェースである。例えば、端末装置20が携帯電話である場合には、通信手段21は、公衆電話回線網を介してデータ通信を行うインターフェースを含んで構成される。
位置情報取得手段22は、複数のGPS衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で測位して端末装置20の位置情報を取得する。
【0063】
経路探索要求手段23は、操作入力手段26又は表示手段25により設定された出発地、目的地等の経路探索条件に基づいて経路探索要求を作成し、経路探索サーバ30に送信する。なお、経路探索サーバ30において要求元の端末装置20を識別する必要があるため、端末IDや電子メールアドレスが経路探索要求等の処理要求に付加されて送信される。端末装置20が携帯電話である場合には端末IDや電子メールアドレスの他に、携帯電話の電話番号やデータ通信用の端末アドレス等の情報も付加される。
【0064】
経路データ記憶手段24は、経路探索サーバ30で探索されて送信された案内経路、地図データ、操作入力手段26又は表示手段25により設定された出発地、目的地等の経路探索条件を記憶する。
表示手段25は、液晶表示パネル等からなり、経路探索サーバ30から配信(送信)された案内経路や推奨経路、あるいは、地図の表示に使用されるものである。また、表示手段25は、メニュー画面を表示して端末装置20を操作するための入力手段としても機能する。
【0065】
操作入力手段26は、数字やアルファベットキーやその他の機能キー、選択キー、スクロールキー(上下左右の矢印キー)等からなり、端末装置20を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地等の経路探索条件の入力手段としても用いられる。
【0066】
図3は、携帯電話を例とした端末装置20の外観図である。この端末装置20における操作入力手段26の各キーには、スクロールキーSK(ランチャーキー)が設けられ、特定の数字キー等にクリアキー、表示モード切り替えキーが割り当てられている。また、表示手段25には、第1の地図表示画面51と、第2の地図表示画面52とが表示される。第1の地図表示画面51には、スクロール操作の開始点とカーソルCの現在位置が直線Lで結ばれてカーソル移動状態が視認できるように表示される。第2の地図表示画面52には、第1の地図表示画面51に表示されている地図の表示範囲を示す枠53が表示される。
【0067】
通信手段31は、ネットワーク12を介して端末装置20やPOI情報配信サーバ50、他の情報配信サーバ51と通信するためのインターフェースである。
探索要求記憶手段32は、端末装置20から送信される経路探索要求に含まれている経路探索条件を一時記憶するためのものである。
【0068】
経路探索手段33は、端末装置20から送信される出発地、目的地等の経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、道路ネットワークデータベースDB1、交通ネットワークデータベースDB2、時刻表・運賃データベースDB3等のデータベースを参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。経路探索の手法としては、ラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。このような構成は一般の経路探索システムと同様のものである。
【0069】
地図データを蓄積したデータベースDB4には、ベクトル地図データが蓄積されている。この地図データは、所定の緯度・経度範囲で区分された単位地図データから構成されている。経路探索結果としての案内経路のデータは、このベクトル地図データとともに端末装置20に配信される。
【0070】
データベースDB1、DB2には、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと、公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータとが蓄積されている。これらのデータは、具体的には、道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、ノードデータ、リンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)であるリンクコストデータから構成され、データベース化されたものである。
【0071】
交通機関のネットワークデータも、駅をノードとし、駅と駅を結ぶリンクと、リンクとなる電車等の各車両の時刻表データ(発車時刻、到着時刻、所要時間、乗換時間)をリンクコストデータとして蓄積したものである。
歩行者経路探索システムや車両のための経路探索システムにおける道路ネットワークデータは、各道路の端点、交差点、屈曲点等をノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0072】
このような道路ネットワークデータを用いて経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどり、そのリンクコストを累積し、累積リンクコストが最少になる経路を探索して案内する。すなわち、実際には、出発地のノードから目的地のノードに至る経路は複数存在するため、それぞれの経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。
【0073】
一方、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは、各交通路線に設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。交通ネットワークのリンクコストは、道路ネットワークでは固定的、静的なリンクコストであったのに対して、交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機等の各経路を交通手段と称する)が複数あるため、可変的、動的なものである。
【0074】
すなわち、各交通手段にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。このため、時刻表・運賃データが参照され、交通ネットワークデータに組み込まれる。また、当然に異なる路線を乗り継ぐ経路においては、乗換え駅(乗換えポイント)において乗換えが発生する。乗換え駅においては、乗換え情報データが参照され、乗換えコストが最小になる乗換経路(例えば、到着ホームから出発ホームまでの乗換え階段等を含む通路)と、到着側の電車および出発側の電車の最適乗車車両番号を経路情報に付加して案内する。
【0075】
なお、車載ナビゲーション装置等における経路探索は、通常、経路コストが最小(所要距離距離最短または所要時間最短)の最適経路を探索するのが一般的であるが、交通機関を用いた経路区間が含まれる経路探索においては、料金が最も易い経路や乗換え回数の少ない経路等種々のルートを比較できることも要求され、複数の候補経路を探索するように構成されることが多い。本明細書でいう経路探索はその何れであってもよい。
【0076】
本実施例のナビゲーションシステム10は、基本的には以上のように構成される。次に、図4に示すフローチャートに基づき、携帯電話等の端末装置20を用いて経路案内を行う場合の処理について説明する。
先ず、端末装置20を所持する利用者は、端末装置20の操作入力手段27を用いて、出発地、経由地、目的地、利用する交通機関等を含む経路探索条件を設定する(ステップS101)。
【0077】
経路探索条件を設定する方法としては、端末装置20の表示手段26に経路探索条件入力画面を表示し、地点の名称や住所(所在場所)、電話番号を入力する方法、表示手段26に地図を表示して地図上の所望地点をカーソルCで選択して設定する方法等がある。表示手段26に表示する地図に係る情報は、通信手段21からネットワーク12を介して経路探索サーバ30又は情報配信サーバ51にアクセスし、地図データを取得することができる。出発地、経由地、目的地、利用する交通機関としては、一般的に、特定の施設の場所や興味対象場所(POI)を設定するが、施設やPOIに最も近い道路や交通機関におけるリンクやノードの位置が経路探索上の当該施設やPOIの場所として用いられることもある。
【0078】
端末装置20において、表示手段26に表示された地図上でカーソルCを操作し、出発地、経由地、目的地を指定するとともに、経路探索に必要な経路探索条件が操作入力手段26から入力されると、経路探索要求手段23は、これらの経路探索条件を含む経路探索要求を経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30は、受信した経路探索要求を一旦経路探索要求記憶手段32に記憶させた後、経路探索手段33による経路探索を開始する(ステップS102)。
【0079】
経路探索手段33は、道路ネットワークデータベースDB1、交通ネットワークデータベースDB2、時刻表・運賃データベースDB3、地図データベースDB4、及び、設定された経路探索条件に基づき、出発地のノードから経由地のノードを介して目的地のノードまで連結されたリンクをたどり、そのリンクコストを累積し、累積リンクコストが最少になる案内経路を探索する。なお、経路探索に使用する各データベースDB1〜DB4は、必要に応じて、POI情報配信サーバ50や情報配信サーバ51から最新情報として取得してもよい。案内経路の探索方法の詳細については、後述する。
【0080】
探索された案内経路に係るデータは、案内経路が含まれる地図データとともに、ネットワーク12を介して端末装置20に送信され、経路探索条件とともに一旦経路データ記憶手段24に記憶された後、表示手段25に表示される(ステップS103)。なお、出発地から目的地に至る案内経路には、通常、複数の案内経路が存在する。そこで、経路探索手段33は、経路探索条件に合致する複数の案内経路を探索し、それらを端末装置20に送信し、利用者が所望の案内経路を選択できるように構成することもできる。この場合、最適経路を提供するか、複数の候補経路を提供するかは、利用社がこれを選択できるようにすることが好ましい。
【0081】
表示手段25には、地図上に出発地から目的地に至る案内経路が表示されるとともに、利用者の現在地が表示される。この場合、従来と同様、図11に示す案内経路1が表示され、この案内経路1に従って徒歩により移動するものとして、以下説明する。なお、図11は、前述したように、利用者が指定した出発地Sから目的地Gに至る案内経路1の全体を表示したものである。利用者が案内経路1の全体を確認した後、所定の操作入力手段26を操作することにより、図12に示す拡大された範囲2の案内画面が表示され、この案内画面に表示された案内経路1に従い、移動を開始する。
【0082】
移動中において、端末装置20の位置情報手段22は、GPS衛星等から現在地の位置情報を取得し、その位置情報に基づく利用者の現在地を示すマーク3を表示手段25の地図上に逐次表示させる(図13)。
このとき、携帯電話等の端末装置20の場合、利用者の移動方向と、表示手段25に表示されている地図の方向とを一致させることが困難な場合があり、利用者が案内経路1と異なる方向に進んでしまうことがある。利用者が案内経路1から外れたことは、案内経路1と、地図上に表示されている利用者の現在地を示すマーク3(図13)との関係から認識することができる。
【0083】
案内経路1から外れてしまった場合、利用者は、操作入力手段26を用いて案内経路の再探索を経路探索サーバ30に要求する(ステップS104)。経路探索要求手段23は、再探索の要求があると、位置情報取得手段22により取得した利用者の現在地情報とともに、経路探索条件(一般的には当初の経路探索条件における目的地)を含む経路の再探索要求を経路探索サーバ30に送信する。再探索の要求を受けた経路探索サーバ30は、利用者の現在地情報と、先に設定されている経由地及び目的地の情報とを用いて案内経路を再探索し、端末装置20に送信する(ステップS105)。なお、案内経路から外れたことが検出された際に、利用者の操作によらず、端末装置20が自動的に経路探索サーバに再探索の要求を送信するように構成してもよい。
【0084】
再探索された案内経路40は、表示手段25に図5又は図6に示すように表示される(ステップS106)。すなわち、表示手段25は、図11に示す再探索前の案内経路1に係るデータを経路データ記憶手段24から消去した後、再探索された案内経路40に係るデータを経路データ記憶手段24に記憶させる。そして、経路データ記憶手段24に記憶された範囲2の案内経路40を表示手段25に表示する。
【0085】
この場合、表示手段25には、現在地であるB地点又はD地点を出発地Sとする案内経路40を表示するとともに、再探索前の案内経路1の出発地Sの情報を経路データ記憶手段24から読み出し、A地点に再探索前の出発地S、すなわち、当初の経路探索における出発地Sとして表示する。一般的なナビゲーションシステムにおいては、再探索された案内経路上には再探索の時点における現在位置のマークしか表示されない。本実施例においては、再探索の時点における現在位置のマークに加えて、当初の出発地点を示すマークが表示されるから、利用者は案内経路と異なる方向に進行してしまった誤りを認識することができるようになる。
【0086】
すなわち、図5及び図6では、B地点及びD地点の出発地Sのマークと、A地点の出発地Sのマークとを白黒反転して示している。従って、利用者は、図5又は図6に示すようにして表示手段25に表示された再探索前の出発地S(A地点)のマークと、再探索した後の現在地である出発地S(B地点及びD地点)のマークとから、間違えた方向に移動したことを確実に認識することができる。また、当初の出発地S(A地点)から再探索時の現在位置までの移動軌跡も識別可能(例えば、経路とは別の表示色を用いる等)に表示する。この結果、間違えを繰り返すことなく、移動方向を修正して所望の案内経路40に沿って進み、目的地Gに向かうことができる。
【0087】
また、図6に示すように、再探索後の案内経路40に加え、再探索前の出発地S(A地点)から再探索後の出発地S(D地点)に向って矢印付きの移動軌跡41を併記して表示させれば、間違えた方向に移動したことを一層明確に利用者に認識させることが可能となる。さらに、併記した移動軌跡41に沿って、間違えて移動した距離や移動時間を表示させることにより、ロスした距離や時間から再探索の前後の出発地Sの位置関係の把握がより容易となる。
【0088】
ここで、再探索前の出発地S(A地点)から再探索後の出発地S(D地点)に至る移動軌跡41を表示手段25に忠実に表示させるためには、移動軌跡41にかかる履歴データを経路データ記憶手段24に記憶させておかなければならないため、その分の記憶領域を確保する必要性が生じる。
【0089】
そこで、経路データ記憶手段24には、再探索後の案内経路40に加えて、再探索前の出発地S(A地点)のデータのみを記憶させておく。そして、再探索前の出発地S(A地点)のデータと、再探索後の出発地S(D地点)のデータとを用いて、図7に示すように、再探索前の出発地S(A地点)と、再探索後の出発地S(D地点)とを直線で結んだ直線移動軌跡42を表示手段25に表示させる。
【0090】
このような簡易な形態の直線移動軌跡42を表示させることにより、経路データ記憶手段24に余分な記憶領域を確保することなく、利用者に対して正しい移動方向を示唆することができる。
【0091】
なお、再探索された案内経路40の出発地Sが表示手段25の表示範囲外となって、画面に表示できない場合には、再探索前の案内経路1における出発地Sと、再探索後の案内経路40の出発地Sとの両方が同時に表示できるよう、表示する地図の縮尺や表示位置を調整することにより、移動方向を確認することができる。
案内経路1又は40に沿って移動し、利用者が目的地Gに到達すると、経路案内が終了する(ステップS107)。
【0092】
次に、経路探索サーバ30による経路探索の一般的な方法について説明する。
徒歩や自動車による経路探索のための道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、図8に示す道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点等をノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離又はリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0093】
図8において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図8では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0094】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図8において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0095】
図8ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。これは、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0096】
また、交通機関を利用した経路探索のための交通ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、図9に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図9において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅等)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図9では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0097】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図9に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機等の各経路を交通手段と称する)が複数ある。交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0098】
図9に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車等の経路)の総数に比例したデータ量になる。
【0099】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図9において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗換え回数等を累計して案内することになる。
【0100】
経路探索サーバ30は、このようなネットワークデータを利用し、経路探索条件に従って出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を候補経路とする。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、交通機関を用いた経路区間に乗換えが含まれる場合には、乗換え駅における乗換えコストを最小とする乗換え経路、乗換え駅への到着電車、乗換え駅から出発する電車の最適乗車車両番号等を案内することができる。
【0101】
次に、経路探索サーバ30から端末装置20に地図データを送信する場合の一般的な方法について説明する。
経路探索サーバ30は、端末装置20に対して経路データと地図データとを別々に配信する。端末装置20は、地図表示に必要な地図データに不足が生じた場合に、経路データから当該経路を含む単位地図の配信を経路探索サーバ30に要求することができる。通常、地図データは、現在位置を含むメッシュ状の単位地図データを中心とする上下左右、斜め方向に隣接する9つのメッシュ状単位の地図データを携帯端末に配信する。
【0102】
経路探索サーバ30の地図データベースDB4に蓄積される地図データは、図10に示すように、所定の緯度、経度単位で地図エリアが分けられ、メッシュ状の単位地図データM11〜M33のように構成されている。端末装置20に配信される場合は、端末装置20の現在地PPを含む単位地図データM22を中心にして、その上下方向、左右方向、斜め方向に隣接する単位地図データM21、M23、M12、M32、M11、M13、M31、M33の合計9つの単位地図が配信される。
【0103】
端末装置20が移動して地図データが不足する場合は、端末装置20の移動方向を判別して経路探索サーバ30は不足分の単位地図データを配信する。端末装置20が特定の地点やPOI(興味対象場所:Point of Interest)の位置を指定して地図データの配信要求をした場合も同様である。案内経路のデータはこのベクトル地図データとともに端末装置20に配信される。端末装置20は、経路探索サーバ30からこのようにして地図データおよび案内経路のデータを受信して、地図および案内経路を表示手段25に表示する。
【0104】
以上、詳細に説明したように、本発明のナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置および経路探索方法ならびにナビゲーション装置によれば、利用者が経路案内に従った移動方向を間違えた場合、当初の案内経路での出発地と、再探索後の案内経路の出発地とを同時に表示させることにより、2個所の出発地と案内経路との関係から移動方向を間違えたことを利用者に確実に認識させることができる。この結果、利用者を案内経路に従い、目的地に容易に導くことができる。
【0105】
なお、上述した実施例では、利用者が徒歩にて移動する場合について説明したが、自動車やその他の交通機関を利用する場合に対しても同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、通信型のナビゲーションシステムだけでなく、スタンドアロンタイプのナビゲーション装置に適用して、適切な経路案内を行うことができる。
【符号の説明】
【0107】
1、40・・・案内経路
10・・・ナビゲーションシステム
12・・・ネットワーク
20・・・端末装置
30・・・経路探索サーバ
50・・・POI情報配信サーバ
51・・・情報配信サーバ
22・・・位置情報手段
23・・・経路探索要求手段
24・・・経路データ記憶手段
25・・・表示手段
26・・・操作入力手段
32・・・経路探索要求記憶手段
33・・・経路探索手段
40・・・案内経路
41・・・移動軌跡
42・・・直線移動軌跡
DB1・・・道路ネットワークデータベース
DB2・・・交通ネットワークデータベース
DB3・・・時刻表・運賃データベース
DB4・・・地図データベース
G・・・目的地
S・・・出発地
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件に従い、案内経路を探索して地図情報とともに表示するナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置に関するものであり、特に、利用者が端末装置に表示された案内経路から外れて移動したとき、案内経路を再探索して表示し、利用者を目的地に導くナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーションシステムが知られている。このようなナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内する車載ナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型の経路探索システム等が実用化されている。
【0003】
特に、通信型の経路探索システムは、携帯電話等の端末装置をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用の経路探索システムとしても用いられるものである。歩行者用の経路探索システムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を案内する機能を有する経路探索システムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車等の情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーションシステム、通信経路探索システムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。この経路探索システムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用等があり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることにより最短の経路をナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータとを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗り換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車等の交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。探索条件としては、さらに、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃等の条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話等の端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅等を指定して、乗車可能な路線や列車、電車等の交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に、端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)やドメイン名等のアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0008】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をする経路探索システム等における経路探索用のデータは、車載用経路探索システムや歩行者用経路探索システムにおける道路ネットワークのデータと同様に、交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。さらに、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0009】
そのため、端末装置に配信される案内経路データには、利用者が指定した経路探索条件である出発地から目的地までの路線経路や乗車を案内するバス、電車、列車及びその時刻が含まれ、運行時刻表や駅に掲示されるいわゆる駅貼り時刻表等が、そのまま、あるいは、必要部分が画面表示できる表示データ等の形式に加工されて端末装置に配信される。端末装置では、案内経路のデータや運行時刻表、あるいは、駅貼り時刻表を表示して経路や乗車すべき交通手段を確認することができる。
【0010】
道路ネットワークや交通ネットワークのデータを用いて経路探索して得た出発地から目的地までの経路のうち、経路の累計コスト(距離または時間)が最小となる経路が最適な案内経路として決定され、案内経路データが作成される。案内経路データには、最適経路のデータの他に地図データ、ガイダンスデータが含まれ、案内経路データは必要に応じて案内データ記憶手段から読み出され表示手段に表示される。一般的には、ナビゲーション装置が有するGPS受信機を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。
【0011】
GPS受信機を用いて測位した位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が案内経路からずれている場合には現在位置を案内経路上に補正するルートマッチング処理や地図上の最も近い道路上に補正するマップマッチング処理が行われる。また、案内経路データに交差点などのガイダンスポイントが設定され、そのガイダンスポイントにおけるガイダンスとして音声ガイド(例えば、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージ)のデータが付加されている場合は、スピーカを介して音声メッセージを再生出力してユーザをガイドする。
【0012】
ところで、このような経路探索システムを用いた場合であっても、必ずしも利用者が端末装置に表示された案内経路に従って正しく移動できるとは限らず、案内経路から外れてしまうことがある。例えば、車載用のナビゲーション装置においては、移動速度が早く、運転操作を伴っているため、案内経路を走行中に案内経路上のガイダンスポイントで正しくガイダンスどおりの行動をとれないことがある。例えば、右折のガイダンスが行われたノード(ガイダンスポイント)の手前のノードで右折をしてしまったり、ガイダンスポイントを見過ごして通過してしまうこともある。ガイダンスポイントを見過ごして通過してしまった場合には、運転者の心理としては案内された経路に戻ろうとする意識が働き、通過したガイダンスポイントの先にある交差点ノードでガイダンスに従って右折をして案内経路に戻る運転操作を行ったりする。
【0013】
そこで、利用者が案内経路を外れてしまった場合、現在位置から当初の目的地までの案内経路を再探索するようにされる。この機能をリルート機能といい、利用者が案内経路から外れた場合に自動的にリルートを行うように構成され、あるいは、更に、渋滞時に利用者がマニュアル操作してリルートを行わせるような構成を加えたナビゲーションシステムも存在する。
【0014】
例えば、利用者が案内経路を外れてしまった場合に経路の再探索(リルート)を行い、地図縮尺を変更して現在位置から目的地を含む再探索経路の全体を表示するようにした車両用ナビゲーション装置が特許文献2(特開2003−139554号公報)に開示されている。この特許文献2に開示された技術によれば、元の案内経路を含む経路の全体を表示するため、元の案内経路と新たな案内経路(再探索経路)との接続関係の判断が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2003−139554号公報(段落[0052]、[0053])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、上記特許文献2に開示された車両用ナビゲーション装置は、車両に搭載されており、車両の進行方向と表示されている地図の方向とを一致させ、あるいは、表示されている地図から車両の進行方向を容易に把握できるため、利用者であるドライバは、再探索した案内経路に従い、比較的容易に元の案内経路に復帰することができる。
【0017】
歩行者の場合は、移動速度は遅いものの、表示された地図画像上の案内経路と実際の方向感覚のズレから、進行すべき方向とは逆方向に進んでしまうことが多々ある。この場合、案内経路から外れた状態であることが検出するには一定の距離以上のズレを検出する必要があり、経路の再探索結果の案内が得られるまで歩行者は進行方向の間違えに気付かないことになる。また、再探索された経路を表示しても、歩行者が実際の方向感覚とのズレを修正できなければ正しい進行方向を把握できない状態を解消できない。
【0018】
例えば、利用者が地下鉄等の交通手段を降りた後、携帯する端末装置に表示された案内経路に従い、徒歩にて目的地に向かう場合を想定すると、端末装置が前方に進行する案内経路を指示しているにも関わらず、利用者が方向を間違い、後方に進行してしまう事態がしばしば生じる。その理由として、利用者が所持する携帯電話等の端末装置は、車載ナビゲーション装置とは異なり、端末装置に表示される地図の方向と利用者の方向とを一致させることが困難であることが挙げられる。
【0019】
図を参照してこのような例を説明する。目的地を設定して経路を探索することにより、図11に示す案内経路1を含む案内地図の全体図が携帯電話等の端末装置に表示されるものとする。この場合、Sは出発地、Gは目的地を示す。次いで、端末装置に範囲2の拡大した案内地図を表示させ(図12)、表示された案内経路1に従って移動を開始する。このとき、利用者が、出発地SであるA地点から、案内経路1に従った正しい方向に進行し、案内経路1上のC地点に向った場合、図13に示すように、案内経路1上に利用者の現在地を示すマーク3が表示される。これにより、利用者は、案内経路1に従って正しい方向に移動しているものと認識できる。
【0020】
一方、利用者が移動方向を間違えて、例えば、図11に示すB地点に移動してしまったものとする。このとき、利用者が間違えに気付き、案内経路を再探索した場合、端末装置には、図14に示すように、B地点を新たな出発地Sとし、この出発地Sから、最初の出発地であるA地点に向う案内経路4が表示される。
【0021】
利用者が移動方向の間違いを正しく認識していれば、再探索された案内経路4に従ってA地点の方向に移動することができるが、移動方向の間違いに気付いていないと、再び同じ間違えを犯し、例えば、図11に示す最初の出発地Sからさらに遠ざかった地点に向ってしまうおそれがある。あるいは、B地点を当初の出発地Sと錯覚しまう可能性もある。
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、案内経路を再探索した際、利用者が移動すべき方向を容易に認識することができるナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置およびナビゲーション方法ならびにナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件を満たす経路を前記経路探索サーバで探索して経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件及び前記経路探索要求に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーションシステム。
【0023】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項4にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
設定した経路探索条件を満たす経路を探索する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置において、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記ナビゲーション装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、前記経路探索サーバが、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索した際、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とする端末装置。
【0028】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる端末装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項6にかかる端末装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる端末装置において、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項6にかかる端末装置において、前前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0032】
また、本願の請求項11にかかる発明は、
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するとともに、前記経路探索条件に従って探索された経路を表示する端末装置に対して、ネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記端末装置の現在地を新たな出発地とし、前記目的地までの経路を再探索した際、前記端末装置の表示手段に対して、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示させることを特徴とする経路探索サーバ。
【0033】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる経路探索サーバにおいて、前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示させることを特徴とする。
【0034】
また、本願の請求項13にかかる発明は、請求項11にかかる経路探索サーバにおいて、前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする。
【0035】
また、本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0036】
また、本願の請求項15にかかる発明は、請求項11にかかる経路探索サーバにおいて、前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする。
【0037】
また、本願の請求項16にかかる発明は、
設定された経路探索条件に従い、経路探索手段により経路を探索して経路案内を行うナビゲーション方法において、
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するステップと、
前記経路探索条件に従って前記経路を探索するステップと、
探索した前記経路を表示手段に表示するステップと、
現在地を取得するステップと、
前記現在地を新たな出発地として経路を再探索するステップと、
再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示するステップと、
を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【0038】
また、本願の請求項17にかかる発明は、請求項16にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整することを特徴とする。
【0039】
また、本願の請求項18にかかる発明は、請求項16にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0040】
また、本願の請求項19にかかる発明は、請求項18にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項20にかかる発明は、請求項16にかかるナビゲーション方法において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0042】
また、本願の請求項21にかかる発明は、設定された経路探索条件を満たす経路を探索して経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、設定された経路探索条件に従って出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【0043】
また、本願の請求項22にかかる発明は、請求項21にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする。
【0044】
また、本願の請求項23にかかる発明は、請求項21にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【0045】
また、本願の請求項24にかかる発明は、請求項23にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする。
【0046】
また、本願の請求項25にかかる発明は、請求項21にかかるナビゲーション装置において、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
請求項1に係る発明においては、ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件を満たす経路を前記経路探索サーバで探索して経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、前記経路探索サーバは、前記経路探索条件及び前記経路探索要求に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示する。
【0048】
このような構成によれば、経路を再探索した際、再探索前の出発地と、再探索時の新たな出発地とが表示手段にともに表示されるため、利用者は、移動方向をどの方向に錯誤したのかを直ちに理解することができ、速やかに移動方向を修正して所望の目的地に向かうことができる。
【0049】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有する。これにより、同一画面に表示された再検索前後の出発地から、正しい移動方向を容易に認識することができる。
【0050】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することにより、錯誤した移動方向を確認することができる。
【0051】
請求項4にかかる発明においては、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することにより、所望の出発点からどの程度隔たり、且つ、その時間ロスがどの程度あるのかを数値に基づいて把握することができる。
【0052】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示する。これにより、探索経路を1つしか記憶しない構成、すなわち、経路を再探索した際に、その再探索経路を、再探索前の経路に上書き記憶する構成においても、再探索前の出発地から再探索時の新出発地への簡易な移動軌跡を利用者に示すことができる。
【0053】
請求項6〜10にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができ、請求項11〜15にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができる。
【0054】
また、請求項16〜20にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムにおけるナビゲーション方法を提供することができる。請求項21〜25にかかる発明においては、請求項1〜5にかかるナビゲーションシステムをスタンドアロンのナビゲーション装置として構成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムの詳細な構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置の外観図である。
【図4】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムの処理フローチャートである。
【図5】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置に再表示された案内経路の説明図である。
【図6】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置に再表示された移動軌跡を含む他の案内経路の説明図である。
【図7】本発明の実施例に係るナビゲーションシステムを構成する端末装置に再表示された直線移動軌跡を含む他の案内経路の説明図である。
【図8】本発明の実施例の経路探索に使用される道路ネットワークデータを説明する概念図である。
【図9】本発明の実施例の経路探索に使用される交通ネットワークデータを説明する概念図である。
【図10】本発明の実施例の経路探索に使用される地図データを説明する概念図である。
【図11】端末装置に全体表示された案内経路の説明図である。
【図12】端末装置に拡大表示された案内経路の説明図である。
【図13】端末装置に拡大表示された案内経路の説明図である。
【図14】従来技術に係る端末装置に再表示された案内経路の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施例のナビゲーションシステムにも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0057】
図1は、本発明の実施例に係るナビゲーションシステム10の構成図である。ナビゲーションシステム10は、携帯電話、PDA、ミュージックプレーヤー、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ等の携帯型端末を用いた端末装置20と経路探索サーバ30とがインターネット等のネットワーク12を介して接続される構成になっている。経路探索サーバ30は、経路探索のための道路ネットワークデータを蓄積したデータベースDB1、時刻表データに基づく交通ネットワークのデータを交通ネットワークデータとして蓄積したデータベースDB2、交通機関の各電車等の運行ダイヤに基づく時刻表や運賃を蓄積した時刻表・運賃データのデータベースDB3、表示用の地図データを蓄積したデータベースDB4を備えている。
【0058】
このナビゲーションシステム10は、各種カテゴリに属するPOI(Point of Interest:興味対象場所)の所在地やサービス内容、広告等の詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、地図データ、交通路線データや運行時刻表データ、音楽や各種画像等のコンテンツ、その他の情報を提供する各種の情報配信サーバ51等とも接続できる。経路探索サーバ30は、POI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。さらに、経路探索サーバ30は、ナビゲーションサービス機能とともにPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。
【0059】
端末装置20は、経路案内のサービスを受ける場合には、端末装置20において所望の出発地や目的地等の経路探索条件を設定し、経路探索サーバ30に経路探索要求を送信する。
【0060】
経路探索サーバ30は、端末装置20から経路探索要求があると、データベースDB1〜DB3の道路ネットワークデータ、交通ネットワークデータ、時刻表・運賃データを参照して経路探索する。そして、経路探索の結果により得た案内経路(推奨経路)を端末装置20に送信する。また、端末装置20から所望の地点やPOIを指定して地図データの取得要求があると、データベースDB4の地図データを参照して該当する地図データを読み出して端末装置20に配信する。これらの制御は、端末装置20にインストールされたナビゲーションのためのアプリケーションプログラムを起動することによって実行される。
【0061】
図2は、図1のナビゲーションシステム10の詳細な構成ブロック図である。
端末装置20は、制御手段201、通信手段21、GPS受信器を備えた位置情報取得手段22(現在地取得手段)、経路探索要求手段23、経路データ記憶手段24、表示手段25、操作入力手段26(条件設定手段)等を備えて構成されている。
制御手段201は、図示していないが、RAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納されたナビゲーションアプリケーションプログラムにより各部の動作を制御する。
【0062】
通信手段21は、インターネット等のネットワーク12を介して経路探索サーバ30等と通信データを送受信するための通信インターフェースである。例えば、端末装置20が携帯電話である場合には、通信手段21は、公衆電話回線網を介してデータ通信を行うインターフェースを含んで構成される。
位置情報取得手段22は、複数のGPS衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で測位して端末装置20の位置情報を取得する。
【0063】
経路探索要求手段23は、操作入力手段26又は表示手段25により設定された出発地、目的地等の経路探索条件に基づいて経路探索要求を作成し、経路探索サーバ30に送信する。なお、経路探索サーバ30において要求元の端末装置20を識別する必要があるため、端末IDや電子メールアドレスが経路探索要求等の処理要求に付加されて送信される。端末装置20が携帯電話である場合には端末IDや電子メールアドレスの他に、携帯電話の電話番号やデータ通信用の端末アドレス等の情報も付加される。
【0064】
経路データ記憶手段24は、経路探索サーバ30で探索されて送信された案内経路、地図データ、操作入力手段26又は表示手段25により設定された出発地、目的地等の経路探索条件を記憶する。
表示手段25は、液晶表示パネル等からなり、経路探索サーバ30から配信(送信)された案内経路や推奨経路、あるいは、地図の表示に使用されるものである。また、表示手段25は、メニュー画面を表示して端末装置20を操作するための入力手段としても機能する。
【0065】
操作入力手段26は、数字やアルファベットキーやその他の機能キー、選択キー、スクロールキー(上下左右の矢印キー)等からなり、端末装置20を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地等の経路探索条件の入力手段としても用いられる。
【0066】
図3は、携帯電話を例とした端末装置20の外観図である。この端末装置20における操作入力手段26の各キーには、スクロールキーSK(ランチャーキー)が設けられ、特定の数字キー等にクリアキー、表示モード切り替えキーが割り当てられている。また、表示手段25には、第1の地図表示画面51と、第2の地図表示画面52とが表示される。第1の地図表示画面51には、スクロール操作の開始点とカーソルCの現在位置が直線Lで結ばれてカーソル移動状態が視認できるように表示される。第2の地図表示画面52には、第1の地図表示画面51に表示されている地図の表示範囲を示す枠53が表示される。
【0067】
通信手段31は、ネットワーク12を介して端末装置20やPOI情報配信サーバ50、他の情報配信サーバ51と通信するためのインターフェースである。
探索要求記憶手段32は、端末装置20から送信される経路探索要求に含まれている経路探索条件を一時記憶するためのものである。
【0068】
経路探索手段33は、端末装置20から送信される出発地、目的地等の経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、道路ネットワークデータベースDB1、交通ネットワークデータベースDB2、時刻表・運賃データベースDB3等のデータベースを参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。経路探索の手法としては、ラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。このような構成は一般の経路探索システムと同様のものである。
【0069】
地図データを蓄積したデータベースDB4には、ベクトル地図データが蓄積されている。この地図データは、所定の緯度・経度範囲で区分された単位地図データから構成されている。経路探索結果としての案内経路のデータは、このベクトル地図データとともに端末装置20に配信される。
【0070】
データベースDB1、DB2には、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと、公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータとが蓄積されている。これらのデータは、具体的には、道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、ノードデータ、リンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)であるリンクコストデータから構成され、データベース化されたものである。
【0071】
交通機関のネットワークデータも、駅をノードとし、駅と駅を結ぶリンクと、リンクとなる電車等の各車両の時刻表データ(発車時刻、到着時刻、所要時間、乗換時間)をリンクコストデータとして蓄積したものである。
歩行者経路探索システムや車両のための経路探索システムにおける道路ネットワークデータは、各道路の端点、交差点、屈曲点等をノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0072】
このような道路ネットワークデータを用いて経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどり、そのリンクコストを累積し、累積リンクコストが最少になる経路を探索して案内する。すなわち、実際には、出発地のノードから目的地のノードに至る経路は複数存在するため、それぞれの経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。
【0073】
一方、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは、各交通路線に設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。交通ネットワークのリンクコストは、道路ネットワークでは固定的、静的なリンクコストであったのに対して、交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機等の各経路を交通手段と称する)が複数あるため、可変的、動的なものである。
【0074】
すなわち、各交通手段にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。このため、時刻表・運賃データが参照され、交通ネットワークデータに組み込まれる。また、当然に異なる路線を乗り継ぐ経路においては、乗換え駅(乗換えポイント)において乗換えが発生する。乗換え駅においては、乗換え情報データが参照され、乗換えコストが最小になる乗換経路(例えば、到着ホームから出発ホームまでの乗換え階段等を含む通路)と、到着側の電車および出発側の電車の最適乗車車両番号を経路情報に付加して案内する。
【0075】
なお、車載ナビゲーション装置等における経路探索は、通常、経路コストが最小(所要距離距離最短または所要時間最短)の最適経路を探索するのが一般的であるが、交通機関を用いた経路区間が含まれる経路探索においては、料金が最も易い経路や乗換え回数の少ない経路等種々のルートを比較できることも要求され、複数の候補経路を探索するように構成されることが多い。本明細書でいう経路探索はその何れであってもよい。
【0076】
本実施例のナビゲーションシステム10は、基本的には以上のように構成される。次に、図4に示すフローチャートに基づき、携帯電話等の端末装置20を用いて経路案内を行う場合の処理について説明する。
先ず、端末装置20を所持する利用者は、端末装置20の操作入力手段27を用いて、出発地、経由地、目的地、利用する交通機関等を含む経路探索条件を設定する(ステップS101)。
【0077】
経路探索条件を設定する方法としては、端末装置20の表示手段26に経路探索条件入力画面を表示し、地点の名称や住所(所在場所)、電話番号を入力する方法、表示手段26に地図を表示して地図上の所望地点をカーソルCで選択して設定する方法等がある。表示手段26に表示する地図に係る情報は、通信手段21からネットワーク12を介して経路探索サーバ30又は情報配信サーバ51にアクセスし、地図データを取得することができる。出発地、経由地、目的地、利用する交通機関としては、一般的に、特定の施設の場所や興味対象場所(POI)を設定するが、施設やPOIに最も近い道路や交通機関におけるリンクやノードの位置が経路探索上の当該施設やPOIの場所として用いられることもある。
【0078】
端末装置20において、表示手段26に表示された地図上でカーソルCを操作し、出発地、経由地、目的地を指定するとともに、経路探索に必要な経路探索条件が操作入力手段26から入力されると、経路探索要求手段23は、これらの経路探索条件を含む経路探索要求を経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30は、受信した経路探索要求を一旦経路探索要求記憶手段32に記憶させた後、経路探索手段33による経路探索を開始する(ステップS102)。
【0079】
経路探索手段33は、道路ネットワークデータベースDB1、交通ネットワークデータベースDB2、時刻表・運賃データベースDB3、地図データベースDB4、及び、設定された経路探索条件に基づき、出発地のノードから経由地のノードを介して目的地のノードまで連結されたリンクをたどり、そのリンクコストを累積し、累積リンクコストが最少になる案内経路を探索する。なお、経路探索に使用する各データベースDB1〜DB4は、必要に応じて、POI情報配信サーバ50や情報配信サーバ51から最新情報として取得してもよい。案内経路の探索方法の詳細については、後述する。
【0080】
探索された案内経路に係るデータは、案内経路が含まれる地図データとともに、ネットワーク12を介して端末装置20に送信され、経路探索条件とともに一旦経路データ記憶手段24に記憶された後、表示手段25に表示される(ステップS103)。なお、出発地から目的地に至る案内経路には、通常、複数の案内経路が存在する。そこで、経路探索手段33は、経路探索条件に合致する複数の案内経路を探索し、それらを端末装置20に送信し、利用者が所望の案内経路を選択できるように構成することもできる。この場合、最適経路を提供するか、複数の候補経路を提供するかは、利用社がこれを選択できるようにすることが好ましい。
【0081】
表示手段25には、地図上に出発地から目的地に至る案内経路が表示されるとともに、利用者の現在地が表示される。この場合、従来と同様、図11に示す案内経路1が表示され、この案内経路1に従って徒歩により移動するものとして、以下説明する。なお、図11は、前述したように、利用者が指定した出発地Sから目的地Gに至る案内経路1の全体を表示したものである。利用者が案内経路1の全体を確認した後、所定の操作入力手段26を操作することにより、図12に示す拡大された範囲2の案内画面が表示され、この案内画面に表示された案内経路1に従い、移動を開始する。
【0082】
移動中において、端末装置20の位置情報手段22は、GPS衛星等から現在地の位置情報を取得し、その位置情報に基づく利用者の現在地を示すマーク3を表示手段25の地図上に逐次表示させる(図13)。
このとき、携帯電話等の端末装置20の場合、利用者の移動方向と、表示手段25に表示されている地図の方向とを一致させることが困難な場合があり、利用者が案内経路1と異なる方向に進んでしまうことがある。利用者が案内経路1から外れたことは、案内経路1と、地図上に表示されている利用者の現在地を示すマーク3(図13)との関係から認識することができる。
【0083】
案内経路1から外れてしまった場合、利用者は、操作入力手段26を用いて案内経路の再探索を経路探索サーバ30に要求する(ステップS104)。経路探索要求手段23は、再探索の要求があると、位置情報取得手段22により取得した利用者の現在地情報とともに、経路探索条件(一般的には当初の経路探索条件における目的地)を含む経路の再探索要求を経路探索サーバ30に送信する。再探索の要求を受けた経路探索サーバ30は、利用者の現在地情報と、先に設定されている経由地及び目的地の情報とを用いて案内経路を再探索し、端末装置20に送信する(ステップS105)。なお、案内経路から外れたことが検出された際に、利用者の操作によらず、端末装置20が自動的に経路探索サーバに再探索の要求を送信するように構成してもよい。
【0084】
再探索された案内経路40は、表示手段25に図5又は図6に示すように表示される(ステップS106)。すなわち、表示手段25は、図11に示す再探索前の案内経路1に係るデータを経路データ記憶手段24から消去した後、再探索された案内経路40に係るデータを経路データ記憶手段24に記憶させる。そして、経路データ記憶手段24に記憶された範囲2の案内経路40を表示手段25に表示する。
【0085】
この場合、表示手段25には、現在地であるB地点又はD地点を出発地Sとする案内経路40を表示するとともに、再探索前の案内経路1の出発地Sの情報を経路データ記憶手段24から読み出し、A地点に再探索前の出発地S、すなわち、当初の経路探索における出発地Sとして表示する。一般的なナビゲーションシステムにおいては、再探索された案内経路上には再探索の時点における現在位置のマークしか表示されない。本実施例においては、再探索の時点における現在位置のマークに加えて、当初の出発地点を示すマークが表示されるから、利用者は案内経路と異なる方向に進行してしまった誤りを認識することができるようになる。
【0086】
すなわち、図5及び図6では、B地点及びD地点の出発地Sのマークと、A地点の出発地Sのマークとを白黒反転して示している。従って、利用者は、図5又は図6に示すようにして表示手段25に表示された再探索前の出発地S(A地点)のマークと、再探索した後の現在地である出発地S(B地点及びD地点)のマークとから、間違えた方向に移動したことを確実に認識することができる。また、当初の出発地S(A地点)から再探索時の現在位置までの移動軌跡も識別可能(例えば、経路とは別の表示色を用いる等)に表示する。この結果、間違えを繰り返すことなく、移動方向を修正して所望の案内経路40に沿って進み、目的地Gに向かうことができる。
【0087】
また、図6に示すように、再探索後の案内経路40に加え、再探索前の出発地S(A地点)から再探索後の出発地S(D地点)に向って矢印付きの移動軌跡41を併記して表示させれば、間違えた方向に移動したことを一層明確に利用者に認識させることが可能となる。さらに、併記した移動軌跡41に沿って、間違えて移動した距離や移動時間を表示させることにより、ロスした距離や時間から再探索の前後の出発地Sの位置関係の把握がより容易となる。
【0088】
ここで、再探索前の出発地S(A地点)から再探索後の出発地S(D地点)に至る移動軌跡41を表示手段25に忠実に表示させるためには、移動軌跡41にかかる履歴データを経路データ記憶手段24に記憶させておかなければならないため、その分の記憶領域を確保する必要性が生じる。
【0089】
そこで、経路データ記憶手段24には、再探索後の案内経路40に加えて、再探索前の出発地S(A地点)のデータのみを記憶させておく。そして、再探索前の出発地S(A地点)のデータと、再探索後の出発地S(D地点)のデータとを用いて、図7に示すように、再探索前の出発地S(A地点)と、再探索後の出発地S(D地点)とを直線で結んだ直線移動軌跡42を表示手段25に表示させる。
【0090】
このような簡易な形態の直線移動軌跡42を表示させることにより、経路データ記憶手段24に余分な記憶領域を確保することなく、利用者に対して正しい移動方向を示唆することができる。
【0091】
なお、再探索された案内経路40の出発地Sが表示手段25の表示範囲外となって、画面に表示できない場合には、再探索前の案内経路1における出発地Sと、再探索後の案内経路40の出発地Sとの両方が同時に表示できるよう、表示する地図の縮尺や表示位置を調整することにより、移動方向を確認することができる。
案内経路1又は40に沿って移動し、利用者が目的地Gに到達すると、経路案内が終了する(ステップS107)。
【0092】
次に、経路探索サーバ30による経路探索の一般的な方法について説明する。
徒歩や自動車による経路探索のための道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、図8に示す道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点等をノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離又はリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0093】
図8において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図8では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0094】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図8において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0095】
図8ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。これは、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0096】
また、交通機関を利用した経路探索のための交通ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、図9に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図9において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅等)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図9では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0097】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図9に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機等の各経路を交通手段と称する)が複数ある。交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0098】
図9に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車等の経路)の総数に比例したデータ量になる。
【0099】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図9において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗換え回数等を累計して案内することになる。
【0100】
経路探索サーバ30は、このようなネットワークデータを利用し、経路探索条件に従って出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を候補経路とする。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、交通機関を用いた経路区間に乗換えが含まれる場合には、乗換え駅における乗換えコストを最小とする乗換え経路、乗換え駅への到着電車、乗換え駅から出発する電車の最適乗車車両番号等を案内することができる。
【0101】
次に、経路探索サーバ30から端末装置20に地図データを送信する場合の一般的な方法について説明する。
経路探索サーバ30は、端末装置20に対して経路データと地図データとを別々に配信する。端末装置20は、地図表示に必要な地図データに不足が生じた場合に、経路データから当該経路を含む単位地図の配信を経路探索サーバ30に要求することができる。通常、地図データは、現在位置を含むメッシュ状の単位地図データを中心とする上下左右、斜め方向に隣接する9つのメッシュ状単位の地図データを携帯端末に配信する。
【0102】
経路探索サーバ30の地図データベースDB4に蓄積される地図データは、図10に示すように、所定の緯度、経度単位で地図エリアが分けられ、メッシュ状の単位地図データM11〜M33のように構成されている。端末装置20に配信される場合は、端末装置20の現在地PPを含む単位地図データM22を中心にして、その上下方向、左右方向、斜め方向に隣接する単位地図データM21、M23、M12、M32、M11、M13、M31、M33の合計9つの単位地図が配信される。
【0103】
端末装置20が移動して地図データが不足する場合は、端末装置20の移動方向を判別して経路探索サーバ30は不足分の単位地図データを配信する。端末装置20が特定の地点やPOI(興味対象場所:Point of Interest)の位置を指定して地図データの配信要求をした場合も同様である。案内経路のデータはこのベクトル地図データとともに端末装置20に配信される。端末装置20は、経路探索サーバ30からこのようにして地図データおよび案内経路のデータを受信して、地図および案内経路を表示手段25に表示する。
【0104】
以上、詳細に説明したように、本発明のナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置および経路探索方法ならびにナビゲーション装置によれば、利用者が経路案内に従った移動方向を間違えた場合、当初の案内経路での出発地と、再探索後の案内経路の出発地とを同時に表示させることにより、2個所の出発地と案内経路との関係から移動方向を間違えたことを利用者に確実に認識させることができる。この結果、利用者を案内経路に従い、目的地に容易に導くことができる。
【0105】
なお、上述した実施例では、利用者が徒歩にて移動する場合について説明したが、自動車やその他の交通機関を利用する場合に対しても同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、通信型のナビゲーションシステムだけでなく、スタンドアロンタイプのナビゲーション装置に適用して、適切な経路案内を行うことができる。
【符号の説明】
【0107】
1、40・・・案内経路
10・・・ナビゲーションシステム
12・・・ネットワーク
20・・・端末装置
30・・・経路探索サーバ
50・・・POI情報配信サーバ
51・・・情報配信サーバ
22・・・位置情報手段
23・・・経路探索要求手段
24・・・経路データ記憶手段
25・・・表示手段
26・・・操作入力手段
32・・・経路探索要求記憶手段
33・・・経路探索手段
40・・・案内経路
41・・・移動軌跡
42・・・直線移動軌跡
DB1・・・道路ネットワークデータベース
DB2・・・交通ネットワークデータベース
DB3・・・時刻表・運賃データベース
DB4・・・地図データベース
G・・・目的地
S・・・出発地
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件を満たす経路を前記経路探索サーバで探索して経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件及び前記経路探索要求に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
設定した経路探索条件を満たす経路を探索する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置において、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記ナビゲーション装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、 前記表示手段は、前記経路探索サーバが、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索した際、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とする端末装置。
【請求項7】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項9】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項11】
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するとともに、前記経路探索条件に従って探索された経路を表示する端末装置に対して、ネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記端末装置の現在地を新たな出発地とし、前記目的地までの経路を再探索した際、前記端末装置の表示手段に対して、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示させることを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項12】
前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示させることを特徴とする請求項11に記載の経路探索サーバ。
【請求項13】
前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする請求項11に記載の経路探索サーバ。
【請求項14】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項13に記載の経路探索サーバ。
【請求項15】
前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする請求項11に記載の経路探索サーバ。
【請求項16】
設定された経路探索条件に従い、経路探索手段により経路を探索して経路案内を行うナビゲーション方法において、
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するステップと、
前記経路探索条件に従って前記経路を探索するステップと、
探索した前記経路を表示手段に表示するステップと、
現在地を取得するステップと、
前記現在地を新たな出発地として経路を再探索するステップと、
再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示するステップと、
を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項17】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整することを特徴とする請求項16に記載のナビゲーション方法。
【請求項18】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項16に記載のナビゲーション方法。
【請求項19】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項18に記載のナビゲーション方法。
【請求項20】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項16に記載のナビゲーション方法。
【請求項21】
設定された経路探索条件を満たす経路を探索して経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、設定された経路探索条件に従って出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項22】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする請求項21に記載のナビゲーション装置。
【請求項23】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項21に記載のナビゲーション装置。
【請求項24】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項23に記載のナビゲーション装置。
【請求項25】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項21に記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
ネットワークを介して接続される端末装置と経路探索サーバとを備え、端末装置で設定した経路探索条件を満たす経路を前記経路探索サーバで探索して経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件及び前記経路探索要求に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
設定した経路探索条件を満たす経路を探索する経路探索サーバにネットワークを介して接続される端末装置において、
前記端末装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記ナビゲーション装置の現在地を取得する現在地取得手段と、前記経路探索サーバに対して経路探索要求を行う経路探索要求手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路探索サーバが探索した経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、 前記表示手段は、前記経路探索サーバが、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索した際、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とする端末装置。
【請求項7】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項9】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項11】
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するとともに、前記経路探索条件に従って探索された経路を表示する端末装置に対して、ネットワークを介して接続される経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記経路探索条件に従って前記経路を探索する経路探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記端末装置の現在地を新たな出発地とし、前記目的地までの経路を再探索した際、前記端末装置の表示手段に対して、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示させることを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項12】
前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示させることを特徴とする請求項11に記載の経路探索サーバ。
【請求項13】
前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする請求項11に記載の経路探索サーバ。
【請求項14】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項13に記載の経路探索サーバ。
【請求項15】
前記経路探索サーバは、前記端末装置の前記表示手段に対して、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示させることを特徴とする請求項11に記載の経路探索サーバ。
【請求項16】
設定された経路探索条件に従い、経路探索手段により経路を探索して経路案内を行うナビゲーション方法において、
出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定するステップと、
前記経路探索条件に従って前記経路を探索するステップと、
探索した前記経路を表示手段に表示するステップと、
現在地を取得するステップと、
前記現在地を新たな出発地として経路を再探索するステップと、
再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示するステップと、
を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項17】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整することを特徴とする請求項16に記載のナビゲーション方法。
【請求項18】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項16に記載のナビゲーション方法。
【請求項19】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項18に記載のナビゲーション方法。
【請求項20】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項16に記載のナビゲーション方法。
【請求項21】
設定された経路探索条件を満たす経路を探索して経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、出発地及び目的地を含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、前記端末装置の現在地を取得する現在地取得手段と、設定された経路探索条件に従って出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、探索した経路を記憶する経路データ記憶手段と、前記経路を前記出発地及び前記目的地とともに表示する表示手段とを備え、
前記経路探索手段は、前記経路案内中の経路から前記端末装置が逸脱した際に、前記現在地を新たな出発地として、前記目的地までの経路を再探索し、
前記経路データ記憶手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地と、再探索した前記経路とを記憶し、
前記表示手段は、再探索した前記経路と、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項22】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地と、再探索時の前記新たな出発地とを同時に表示すべく、表示画像の縮尺を調整する調整機能を有することを特徴とする請求項21に記載のナビゲーション装置。
【請求項23】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地から再探索時の前記新たな出発地に向かう移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項21に記載のナビゲーション装置。
【請求項24】
前記表示手段は、前記移動軌跡に沿って移動した距離及び/又は移動時間に係る情報を、前記移動軌跡に付して表示することを特徴とする請求項23に記載のナビゲーション装置。
【請求項25】
前記表示手段は、再探索前の前記出発地を起点とし、再探索時の前記新たな出発地を終点として直線で連結した直線移動軌跡を、再探索した前記経路に付して表示することを特徴とする請求項21に記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−112387(P2011−112387A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266568(P2009−266568)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
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