説明

ナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置および地図表示方法

【課題】3次元の地図表示を行う表示モードと2次元の平面地図を表示する表示モードとを有する端末装置において、3次元表示できるデータの存在しないエリアの境界を超えて地図を移動しないように報知する。
【解決手段】経路探索サーバ30は、3次元地図表示用のポリゴンデータと当該ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベース318を備え、視点位置に応じて当所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置20に配信する。端末装置20は、3次元の地図を表示する表示手段221と、エリア報知手段223と、を備え、経路探索サーバ30から配信されたポリゴンデータにより3次元地図を表示し、エリア報知手段223は、視点位置が、3次元ポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者や自動車の運転者に出発地から目的地までの最適な経路を探索して案内する通信型のナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置および地図表示方法に関するものである。本発明は、特に、道路や周辺の建物を立体的に表示するために道路や建物をポリゴンで表現したポリゴンデータベースを備え、3次元の地図表示を行う表示モードと2次元の平面地図を表示する表示モードとを有する端末装置において、3次元表示できるデータの存在しないエリアの境界を超えて地図を移動しないように報知するようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置および地図表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、見知らぬ土地において目的地となる場所を訪れる場合、地図帳等を頼りに当該地図に描かれた交通機関、道路やランドマーク及び住所を確認しながら到達していた。また、カーナビゲーションシステム(以後単にカーナビと言う)を搭載した自動車においては、該カーナビを起動して目的地を入力することによりナビゲーションシステムからモニタ画面に表示される案内や音声出力される案内(ナビゲーション情報)を得ながら目的地に到達していた。
【0003】
上記カーナビは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。特に、現在は一部の携帯電話にしか搭載されていないGPS受信機が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるようになってきている。
【0004】
このような測位機能を有する携帯端末の利用技術としては、種々の分野の技術が提案されており、例えば、自動車用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を情報配信サーバ(経路探索サーバ)から配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムが提案されている。
【0005】
近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、また、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、ユーザに対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。ナビゲーションサービスもその1つであり、自動車の運転者のみならず携帯電話ユーザに対して現在位置から目的地までの経路案内を提供する通信ナビゲーションシステムが実用化されている。
【0006】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0007】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0008】
一般的に通信型のナビゲーションシステムにおいて、端末装置が表示する地図情報は、ネットワークを介して接続される経路探索サーバなどのサーバ装置からダウンロードする。例えば、下記の特許文献2(特開2003−247833号公報)や特許文献3(特開2003−232644号公報)には、このような通信型のカーナビゲーション装置、地図データのダウンロード方式の発明が開示されている。
【0009】
上記特許文献2に開示されたナビゲーション装置は、車両の走行中にサーバからの地図情報のダウンロードを許可するか否かを、ユーザが選択設定できるようにしたものであり、次のように構成される。端末側が次の地図情報を必要とするとき、これがメモリカードにダウンロードされているときには、これを用いて地図表示をする。次の地図情報がダウンロードされておらず、地図情報のダウンロードが許可されている場合には、サーバからこれをダウンロードし、メモリカードに書き込んで使用できる状態とする。しかし、ダウンロードが許可されていないときには、もともとメモリカードに格納されている広域地図を用い、その縮尺率を縮小することにより、拡大して表示するようにする。
【0010】
また、上記特許文献3に開示された地図データのダウンロード方式は、自動車の走行状態、つまり、一般道路か、高速道路か、インターチェンジ付近か、又は、高速走行中か低速走行中か等の、自動車の走行状態に応じてダウンロードセンターから送信されダウンロードする地図データを選択してダウンロードするように構成したものである。これによりユーザが必ずしも必要としない多量の地図データがダウンロードセンター側から送信されることを抑制したものである。
【0011】
ところで、経路探索サーバなどの情報配信サーバから案内経路の配信を受けた端末装置は液晶表示装置などの表示手段を備えており、表示手段に地図および案内経路を表示するとともに歩行者や自動車の現在位置(端末装置の現在位置)を案内経路上に表示して歩行者や自動車を目的地まで案内する。一般的に表示手段に表示する地図は平面図、すなわち、2次元図形の表示であるが、表示画像に遠近感をもたせた平面鳥瞰図や、ランドマークや建物の様子を視認し易くするため建物を擬似的に3次元的表現した鳥瞰図を表示する方法や、道路や建物をZバッファ法により3次元ポリゴン画像として表示する方法も提案されている。
【0012】
例えば、下記の特許文献4(特開2001−27535号公報)には、建物や道路を立体的に表示するようにした地図表示装置が開示されている。この特許文献4に開示された地図表示装置においては、3次元地図表示を行う際に、道路に経路案内線に影をつけて立体的に表示するように構成している。また、経路案内線が建物に隠れる位置関係となる場合、その経路案内線の重複部分について重複しない部分と色を変えて表示する。特に、VRAM(ビデオRAM)上で経路案内線の表示色と建物の表示色とを画素単位に互い違いに設定する半透過の手法で描画し、経路案内線と建物との相対的な位置関係を明確にして経路案内線の視認性を向上するようにしている。
【0013】
上記のような表示を行うため、特許文献4に開示された地図表示装置において、地図データには、建物の形状データと高さ情報が記憶され、また、立体交差なども道路の形状データが記憶されている。この地図データに基づいて、建物や道路の立体交差部を描画部に3次元的に描画し、車両が進行し経路案内すべき位置に来ると描画部に所望の画像を描画し、音声出力部に所定の音声を発声させて、使用者を目的地へ案内するように構成している。
【0014】
また、同様に、立体的な3次元の地図を表示する地図表示システムが、例えば、下記の特許文献5(特開2005−56075号公報)に開示されている。この特許文献5に開示された地図表示システムは、地図データ加工部が、オリジナルの3次元地図データを、3次元地図のデータ構造をツリー構造で表現したシーングラフデータと、3次元地図に含まれるオブジェクトを描画するための描画データとに分割して加工し、地図データ表示部は、シーングラフを参照して表示領域を特定し、特定された表示領域に応じた描画データを読み込み、表示処理を行うように構成したものである。
【0015】
この、地図表示システムにおいては、立体的な3次元地図表示を行うため、データ量が多くなる地図情報をDVDやHDDなどの外部記憶装置に記憶するように構成している。
【0016】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2003−247833号公報(図1、図6)
【特許文献3】特開2003−232644号公報(図1)
【特許文献4】特開特開2001−27535号公報(図1、図4、段落[0054])
【特許文献5】特開2005−56075号公報(図1、図2、図4、段落[0056]〜[0059])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ナビゲーションシステムにおいては、地図データに基づいて所望の出発地から目的地までの最適経路を探索し案内経路を特定する。そしてGPS受信機等の測位手段により現在位置を測位し、地図や案内経路を表示する際に現在位置を示す現在位置マークや進行方向を示す方位マークなどを重ね合わせて表示し、利用者に現在位置や進行方向を知らせる。また、案内経路データに交差点などのガイダンスポイントが設定され、そのガイダンスポイントにおけるガイダンスとして音声ガイド(例えば、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージ)のデータが付加されている場合は、スピーカを
介して音声メッセージを再生出力してユーザをガイドする。
【0018】
一般に、自動車に搭載され自動車用による移動経路を専用に探索するナビゲーション装置は、プロセッサの演算処理能力も高く地図データや経路探索のための道路データを蓄積する記憶装置の容量も大きい。従って、上記特許文献4のように3次元表示のための大量の地図データを記憶することができ、立体的な表示を行うことができる。
【0019】
一方、携帯電話などの携帯端末装置をナビゲーションシステムの端末装置とする通信型のナビゲーションシステムにおいて、端末装置を構成するプロセッサの演算処理能力は車載用のナビゲーション装置のように高くなく、また、記憶装置の記憶容量も小さい。このプロセッサや記憶装置はナビゲーションの機能だけでなく、端末装置が備える他の機能の実行にも用いられる。例えば、携帯電話を端末装置とする場合、プロセッサは本来の携帯電話の機能である通話機能の実行にも使用される。
【0020】
通信型ナビゲーションシステムにおいても、建物の立体表示を含むリアルな映像表現を要求する声があるが、通信型ナビゲーションの共通の課題として、通信データ量をいかに減らすかという課題がある。従来は端末装置の通信コストに重点が置かれていたが、定額制などの料金プランにより通信データの増大に関するコスト面の課題は解決しつつある。
【0021】
しかしながら、地図を3次元的に立体表示する場合、平面地図に比べ圧倒的にデータ量が多くなるという問題点があり、通信トラフィックが増大し、サーバが過大になるという問題が生じる。利用者が増えればさらに深刻な問題となる。
例えば、建物を単純な直方体として3次元ポリゴンを用意するとしても、少なくとも平面ポリゴンに比べて6倍(6面)のデータ量になり、さらに壁面の描画にテクスチャを貼るなどすれば、データ量は格段に増加する。これは通信データ量の抑制に逆行する問題であり、通信型ナビゲーションで立体表示を行う障害になっている。
【0022】
このため、現実には3次元地図表示のためのデータを全国に渡って準備することはデータ作成、保守、データ量の問題など様々な面で困難があり、市街地などニーズの高い地域についてしか3次元表示データを用意することができない。そこで、3次元地図表示と2次元地図表示をどのように切り替えるかが問題となる。例えば、3次元表示が可能な(3次元の表示のためのデータが用意されている)エリアにおいて、3次元表示モードで移動すると、3次元表示ができないエリアに進んでしまう場合がある。
【0023】
このような場合、3次元可能なエリアの境界まで来ると、3次元表示用のポリゴンデータが無い部分は、実際の風景と異なるように見えてしまい、非常にわかりにくい地図表示(経路案内)になってしまう。また、そのままカーソルキーを操作して3次元表示可能なエリアを出てしまうと、何も表示が無い部分を移動するという事態になってしまう。
【0024】
特に、端末装置に設けられた上下左右のカーソルキーにより地図や案内画面を移動する場合、上向き移動を指示する上キーと左右の移動を指示する左右キーは、3次元の表示においては、
上キー:視線方向に進む
左キー:視線左向き回転
右キー:視線右向き回転
させる指示として定義される。
【0025】
下キーは、2次元地図表示では画面下方向に移動することを意味するが、3次元地図表示では一般的には後退が想像される。しかし、3次元地図表示では後方が見えないので、下キーを操作しすぎると、どこに位置したのかがわからなくなってしまう。さらに、後ろ向きでは3次元地図表示用のポリゴンデータ有無の境界(3次元表示データの無いエリアの境界もしることができないので、突然見慣れない風景に変わってしまうこともあるという問題点が存在する。
【0026】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、3次元表示用のポリゴンデータと、当該ポリゴンデータが存在する3次元表示可能なエリアを示すエリア情報を蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置を検出する視点位置検出手段が検出した視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを取得した表示手段に3次元地図表示を行うナビゲーションシステムにおいて、前記視点位置が前記エリアの境界に近づいたこと判別して、表示手段に報知するエリア報知手段を設け、2次元表示モードへの表示モード切り替えを促すことにより、前記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0027】
すなわち、本発明は前記の問題点を解消することを課題とし、3次元の地図表示を行う表示モードと2次元の平面地図を表示する表示モードとを有する端末装置において、3次元表示できるデータの存在しないエリアの境界を超えて地図を移動しないように報知するようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバ、端末装置および地図表示方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなり、
前記エリア報知手段は、3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にすることを特徴とするナビゲーションシステムである。
【0029】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記表示モード制御手段は2次元表示モードへ切り替えることを特徴とする。
【0030】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記3次元表示制御手段は、視点位置の変更を禁止し、3次元表示用のポリゴンデータが存在するエリアからの逸脱を禁止することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項4にかかる発明は、
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースと、経路探索手段と、経路探索用のネットワークデータと、を備え、端末装置からの要求に従って案内経路を探索して端末装置に配信し、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなり、
前記端末装置は、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、3次元地図表示中に前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記経路探索サーバから受信した案内経路にそって視点位置を戻すことを特徴とするナビゲーションシステムである。
【0032】
本願の請求項5にかかる発明は、
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、前記視点位置の軌跡を記憶する視点軌跡記憶部と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなり、
前記端末装置は、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、3次元地図表示中に前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記視点軌跡記憶部に記憶した視点位置の軌跡にそって視点位置を戻すことを特徴とするナビゲーションシステムである。
【0033】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置であって、
前記エリア報知手段は、3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にする端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバであって、
前記経路探索サーバは、3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、
前記経路探索サーバは、前記ポリゴンデータベースに記憶されたエリア情報に基づいて、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいたことを検出して前記端末装置に通知することを特徴とする。
【0035】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、
前記経路探索サーバは、更に、経路探索のための探索用ネットワークデータと、経路探索手段と、視点位置設定手段と、を備え、前記視点位置設定手段は、前記経路探索手段が探索した案内経路の所定の位置を視点位置とし、該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを前記端末装置に配信することを特徴とする。
【0036】
また、本願の請求項9にかかる発明は、
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバとネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、
前記エリア報知手段は、3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいたことを検出すると、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にすることを特徴とする。
【0037】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる発明において、前記エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記表示モード制御手段は2次元表示モードへ切り替えることを特徴とする。
【0038】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項9にかかる発明において、前記エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記3次元表示制御手段は、視点位置の変更を禁止し、3次元表示用のポリゴンデータが存在するエリアからの逸脱を禁止することを特徴とする。
【0039】
本願の請求項12にかかる発明は、
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベース、経路探索手段と、経路探索用のネットワークデータと、を備え、端末装置からの要求に従って案内経路を探索して端末装置に配信し、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバとネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記経路探索サーバから受信した案内経路にそって視点位置を戻すことを特徴とする。
【0040】
本願の請求項13にかかる発明は、
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバとネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、前記視点位置の軌跡を記憶する視点軌跡記憶部と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記視点軌跡記憶部に記憶した視点位置の軌跡にそって視点位置を戻すことを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項14にかかる発明は、
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなるナビゲーションシステムにおける地図表示方法であって、
前記エリア報知手段が3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力するステップと、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にするステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0042】
請求項1にかかる発明においては、経路探索サーバは、3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する。端末装置は、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて表示手段に3次元地図を表示し、エリア報知手段は、視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にする。
【0043】
このような構成によれば、利用者が不用意に3次元表示可能なエリアから逸脱してしまう不都合を解消することができる。このため、3次元ポリゴンデータが用意されていない部分が表示され実際のイメージと異なる表示になったり、3次元ポリゴンデータが用意されていないエリアに一定の距離以上移動して表示手段に何も表示されなくなったりすることを防止することができるようになる。
【0044】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記表示モード制御手段は2次元表示モードへ切り替える。
このような構成によれば、3次元表示可能なエリアから逸脱した場合、強制的に2次元表示に切り替えられるから、3次元ポリゴンデータが用意されていない部分が表示され実際のイメージと異なる表示になったり、3次元ポリゴンデータが用意されていないエリアに一定の距離以上移動して表示手段に何も表示されなくなったりすることを防止することができるようになる。
【0045】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記3次元表示制御手段は、視点位置の変更を禁止し、3次元表示用のポリゴンデータが存在するエリアからの逸脱を禁止する。
このような構成によれば、3次元表示可能なエリアから逸脱することが禁止されるから、3次元ポリゴンデータが用意されていないエリアに一定の距離以上移動して表示手段に何も表示されなくなったりすることを防止することができるようになる。
【0046】
請求項4にかかる発明においては、経路探索サーバは3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースと、経路探索手段と、経路探索用のネットワークデータと、を備え、端末装置からの要求に従って案内経路を探索して端末装置に配信し、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する。端末装置は3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、3次元地図表示中に前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記経路探索サーバから受信した案内経路にそって視点位置を戻す。
【0047】
このような構成によれば、3次元表示モードにおいて下方向のカーソルキーが操作された場合には、それまで進行してきた案内経路にそって視点位置、視点方向を戻して3次元地図画像を表示するから、利用者は案内経路にそった3次元表示画像を戻ることができ、混乱することがなくなる。
【0048】
請求項5にかかる発明においては、経路探索サーバは3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する。端末装置は3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、前記視点位置の軌跡を記憶する視点軌跡記憶部と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、3次元地図表示中に前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記視点軌跡記憶部に記憶した視点位置の軌跡にそって視点位置を戻す。
【0049】
このような構成によれば、3次元表示モードにおいて下方向のカーソルキーが操作された場合には、それまで進行してきた視点位置の軌跡にそって視点位置、視点方向を戻して3次元地図画像を表示するから、利用者は案内経路にそった3次元表示画像を戻ることができ、混乱することがなくなる。
【0050】
請求項6および請求項7にかかる発明においては請求項1にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができ、請求項8にかかる発明においては、請求項4にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができる。請求項9ないし請求項13にかかる発明においてはき、それぞれ請求項1ないし請求項5にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができるようになる。また、請求項14にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおける地図表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、携帯電話を端末装置とし、地図等を2次元表示あるいは鳥瞰図を表示する表示モードと3次元表示する表示モードを選択的に使用することができるナビゲーションシステムを具体例として説明するが、本発明はこのような実施例に限ることなく、端末装置は車載型の端末装置のような移動端末であってもよい。本明細書においては、移動端末を含めて端末装置と総称する。
【実施例1】
【0052】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。ナビゲーションシステム10は、図1に示すようにインターネットなどのネットワーク12を介して接続される端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。経路探索サーバ30は、経路探索手段316、探索用ネットワークデータ317、地図データを蓄積した地図データベース315、道路や建物の3次元ポリゴンを蓄積したポリゴンデータベース318を備えている。
【0053】
端末装置20から現在位置、目的地、移動手段(自動車、徒歩、交通機関あるいは徒歩と交通機関併用など)などの経路探索条件を含む経路探索要求があると、経路探索サーバ30は、探索用ネットワークデータ317を参照して経路探索条件に合致した最短の案内経路あるいは経路長順に複数の案内経路を探索する。探索の結果得られた案内経路のデータは、地図データベース315から選択した現在位置を含む複数の単位地図データ(緯度・経度で所定の大きさのエリアに区分された地図データ)やポリゴンデータベース318から選択した前記単位地図データ上の道路や建物の3次元ポリゴンのデータとともに端末装置20に配信される。
【0054】
探索用ネットワークデータ317は、道路ネットワークデータ317A、交通ネットワークデータ317Bを備えており、徒歩や自動車あるいは交通機関を利用した経路を探索することができる。道路ネットワークデータ317A、交通ネットワークデータ317Bは、ノードの高度情報を持たない通常の平面地図に基づくネットワークデータである。従って、経路探索手段316によって探索された案内経路のデータは平面的な経路のデータであって、高度情報を持たない。
【0055】
端末装置20は、経路探索サーバ30から目的地までの案内経路を受信すると、表示手段に現在位置付近の地図を表示する。表示手段に表示される地図画像には、案内経路と現在位置を示す現在位置マークとが重ね合わせて表示される。一般的には現在位置マークを表示画面の中央にして、所定の大きさの単位地図が表示される。3次元の立体的な地図表示を行う場合は、経路探索サーバ30から現在位置周辺の道路、建物の3次元ポリゴンデータを受信して表示する。
【0056】
3次元ポリゴンデータは、後述するように建物などのオブジェクトを構成する各面のデータからなる。ポリゴンデータベース318には、このような3次元表示用のポリゴンデータと、当該ポリゴンデータが存在する3次元表示可能なエリアを示すエリア情報とが蓄積されている。端末装置20は視点位置検出手段により端末装置20における視点位置、視線の方向などを含む視点位置情報を経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30は端末装置20から受信した視点位置情報に基づいて、当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置20に配信する。
【0057】
端末装置20は経路探索サーバから受信した3次元ポリゴンデータに基づいて、3次元の地図、建物の画像を表示手段に表示する。視点位置は現在位置としてもよく、あるいは、カーソルキーを移動させてカーソル位置を視点位置として表示手段に表示される3次元地図画像を移動させてもよい。更に、経路探索サーバ30において探索した案内経路上に視点位置を設定して当該視点位置の所定範囲内に存在する周囲の3次元表示用のポリゴンデータを端末装置20に配信してもよい。
【0058】
経路探索サーバ30はまた、制御手段311、通信手段312、配信データ編集手段313、案内経路データ作成手段314、視点位置設定手段319を備えている。制御手段311は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段312は、ネットワーク12を介して端末装置20と通信するためのインターフェースである。案内経路データ作成手段314は前述のようにして探索された案内経路のデータや地図データ、ガイダンスポイント、ガイダンスポイントにおけるガイダンスのデータなどを作成し、配信データ編集手段313が案内経路などのデータを端末装置20に配信するためのデータに編集する。
【0059】
視点位置設定手段319は、後述するように経路探索手段316が探索した案内経路上に視点位置を設定してポリゴンデータベース318から視点位置周辺のポリゴンデータを読み出して端末装置20に配信する。
【0060】
道路ネットワークデータ317Aは以下のように構成されている。例えば、道路が図2に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0061】
すなわち、図2において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図2では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0062】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図2において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0063】
図2ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0064】
交通ネットワークデータ317Bのデータも基本的には道路ネットワークデータと同様であるが、路線を運行する電車のそれぞれが各駅間のリンク(各駅がノード、駅間を結ぶリンク)を構成するものとしてネットワークデータが作成されている。従って案内経路はリンクである電車を特定したものとなる。このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定して案内経路が特定される。
【0065】
一方、端末装置20は、例えばGPS受信機などからなるGPS測位手段212を搭載した携帯電話機であり、制御手段211、GPS測位手段212、表示モード制御手段213、視点位置検出手段214、2次元表示制御手段215、3次元表示制御手段216、通信手段217、配信要求編集手段218、配信データ記憶手段219、VRAM220、表示手段221、操作・入力手段222、エリア報知手段223などを備えて構成されている。利用者は、徒歩あるいは交通機関を移動手段として選択し、徒歩や交通機関を利用した経路案内を受けることができ、また、自動車の助手席に同乗した時には移動手段として自動車を選択して経路案内を受けることができる。
【0066】
制御手段211は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段222は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力手段ためのものであり、出力手段である表示手段221に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段221は操作・入力手段222の一部としても機能する。通信手段217は、ネットワーク12を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0067】
利用者が経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、端末装置20において操作・入力手段222を操作し、表示手段221に表示されるサービスメニューから経路探索を選択し、現在位置、目的地、移動手段(自動車、徒歩、交通機関あるいは徒歩と交通機関併用など)などの経路探索条件を入力する。経路探索条件は配信要求編集手段218で経路探索サーバ30への配信要求に編集され、通信手段217を介して経路探索サーバ30に送信される。
【0068】
経路探索サーバ30からの配信データは配信データ記憶手段219に一時記憶され、必要に応じて配信データ記憶手段219から読み出され、表示手段221に表示される。端末装置20は、配信データに含まれる地図、案内経路、建物画像などを2次元表示あるいは鳥瞰図表示する第1の表示モード(以下、2次元表示モードという)と、3次元表示する3次元表示する第2の表示モード(以下、3次元表示モードという)と、を有しており、表示モード制御手段213が2次元表示制御手段215、3次元表示制御手段216の何れかを選択的に動作させ表示手段221への表示を行う。利用者は操作・入力手段222を用いて所望の表示モードを指定する。
【0069】
2次元表示制御手段215は経路探索サーバ30から配信される地図、道路、案内経路、建物などの平面データを用いてそれらを2次元の画像(平面画像)として表示する制御を行う。鳥瞰図表示をする場合、2次元表示制御手段215は、2次元の地図や道路を所定の高度の視点位置から見た鳥瞰図の画像を作成して表示する制御を行う。3次元表示制御手段216は経路探索サーバ30から配信される地図、道路、建物などの3次元ポリゴンのデータを用いて3次元画像に処理して表示する制御を行う。2次元表示制御手段215、3次元表示制御手段216により作成された画像データは、描画手段であるVRAM220にドット単位で展開され、表示手段221に所望の表示モードの画像が表示される。
【0070】
GPS測位手段212は端末装置20の現在位置を周期的に測位し、現在位置(緯度・経度)を取得する。GPS測位手段212で測位したこの現在位置を示す現在位置マークが表示手段221に表示される地図や案内経路などの画像に重ね合わせられて表示される。表示画像は、カーソルキーを操作してカーソル位置移動させることによって移動(スクロール)させることができる。一般に携帯電話などの携帯型の端末装置20では、カーソル移動は上下、左右の移動を指定する上下左右の各キーによって行われる。3次元表示モードの場合も同様である。
【0071】
利用者が3次元表示モードを選択した場合の動作について説明するが、それに先立って、3次元表示のための道路や建物の3次元ポリゴンについて説明する。道路RD1を3次元的に見た場合、道路は傾斜の異なる面の連続体で構成されている。すなわち、道路RD1は図3に示すように、傾斜の異なる面(a)〜面(d)のようになる。道路の3次元ポリゴンは、この連続する面(a)〜面(d)のそれぞれの形状データ、各頂点の位置データ(位置座標)と、各面が持つ向きを示す法線ベクトル(図3の各矢印)とで表されている。従って、面の形状データに従って面の画像データを生成し、各面を法線ベクトルに基づいて算出した向きに沿って配置してゆけば、図3に示すような道路の立体画像を表示することができる。
【0072】
ここで、各面の向きは、ポリゴンデータに法線ベクトルを含まなくても、一定の規則に従って面の各頂点の座標を並べておくことで算出可能である。例えば、各座標点を表側から見て左回りで並べるというような規則としておけば、法線ベクトルを持たなくても面の向きを算出することができる。
【0073】
建物の3次元ポリゴンも同様であり、建物を、それを構成する面に分解して、それぞれの形状データ、各頂点の位置データ(位置座標)と、各面が持つ向きを示す法線ベクトルとで表すことができ、建物の各面がどちらの方位を向いているかを法線ベクトルによって知ることができる。このようなポリゴンを用いて、よく知られているZバッファ法により陰面処理して画像データを生成する。陰面処理とは視線方向からは陰になって見えない面を消去する処理をいい、これにより建物の立体画像を表示することができる。
【0074】
例えば、建物のポリゴンは、図4に示すように建物を構成する面の図形データから構成されている。図4において、建物Aは面SA1、SA2、SA3などの面の図形データから構成され、各面の向きを示す法線ベクトルを有している。例えば、建物Aの面SA1は法線ベクトルA1を有している。また、図4では建物の裏側の面は見えていないが裏側の各面SA4、SA5、SA6のポリゴンデータが同じように用意されている。例えば、面SA1の裏側の面は面SA4であり、面SA1の法線ベクトルA1とは逆向きの法線ベクトルA4を有している。なお、この図4は空間の位置関係を説明するために作図したもので、端末装置20に表示される画面ではない。
【0075】
建物Bについても同様であり、面SB1〜SB6の面の図形データから構成され、各面の向きを示す法線ベクトルを有している。このようなポリゴン図形を、図4の視点位置Pから各建物の面を見た場合、視点位置から注目する面を見込むベクトルとその面の法線ベクトルから当該面が視点位置から見えている面か否かと、面の向いている方向を知ることができる。
【0076】
例えば、視点位置Pから注目する面が建物Aの面SA1であるとすると、視点位置Pから面SA1を見込むベクトルVA1をとる。このベクトルVA1と法線ベクトルA1の成す角度θA1(両ベクトルの内積をとればよい)が直角未満であれば、この面の表面は視点方向に向いていることが分かる。従って、この面は表示手段に表示される面であることがわかる。ベクトルVB1と法線ベクトルB1のように両ベクトルの成す角度が直角以上ならば、視点位置からは見えていない面であり、この面を表示手段に表示されないことがわかる。図4においてEは視点位置の高さであり、歩行者が端末装置を使用している場合は、平均的な目の高さ(約1.5m)である。
【0077】
このように、端末装置20が3次元の表示を行う場合、ポリゴンデータの全てが必要なわけではなく、視点位置から見えている面のポリゴンデータのみあれば足りるのである。従って、地図を3次元表示するためには、一般的には視点位置の周辺の全ポリゴンデータをもとに表示してもよく、上記のように視点位置から見えている筈の面のみのポリゴンデータをもとに表示してもよい。
【0078】
3次元の地図表示を行っている場合に、カーソルキーを操作してカーソルの位置を移動した場合、カーソル位置が新たな視点位置となる。これによって表示するポリゴンデータか足りなくなることがある。その場合には、端末装置20は視点位置検出手段214が移動されたカーソルの位置の新たな視点位置として検出し、周辺のポリゴンデータを経路探索サーバ30に要求する。端末装置20が案内経路上を移動する場合も同様であり、この場合、視点位置検出手段214はGPS測位手段212が検出した現在位置を視点位置として検出すればよい。
【0079】
先に述べたように3次元地図表示のためのポリゴンデータは、市街地など利用者の要求が大きい地域を対象として作成されているのが現状である。従って、視点位置が、3次元ポリゴンデータが用意されているエリアの境界に近く達すると、3次元ポリゴンデータが用意されていない部分は表示手段221に表示することができず、実際のイメージとは異なる表示になり、位置の確認などの視認性が低下してしまう。
【0080】
視点位置が、3次元ポリゴンデータが用意されていないエリアに一定の距離以上移動してしまうと、3次元ポリゴンデータが全く無い状態になり、表示手段221には何も表示されなくなってしまう。このような状態になると利用者は現在位置の把握を行うことも困難になってしまう。
【0081】
そこで、本発明において3次元表示モードにおいては、端末装置20に設けたエリア報知手段223により、視点位置と3次元表示可能なエリアの位置関係を判別し、視点位置が3次元表示可能なエリアの境界に所定の距離範囲内に近づいた場合、表示手段221などに報知出力を行う。これにより利用者が不用意に3次元表示可能なエリアから逸脱してしまう不都合を解消することができる。このようなエリア境界の判別は、視点位置がエリア境界から所定距離内になった、あるいは、画面の所定位置(たとえば中心)が境界から所定距離内になったことなどで判別する。また、この判別は端末装置20が経路探索サーバ30からエリア情報を受信して行ってもよく、あるいは、経路探索サーバ30が端末装置から視点位置情報を受信して判別してその結果を端末装置20に送信してもよい。
【0082】
図5は、表示手段221に表示されるエリア報知の例を示す図である。図5に示すように「3Dエリアから出ます。2D表示にしますか」のようなメッセージ51を表示画面50に表示し、「YES」の選択ボタン52、「NO」の選択ボタン53を操作させるようにする。この時、表示モード制御手段213は表示モード切り替えの承諾待ちの状態となり表示画像の変更を禁止する。例えば、2次元表示モードに切り替えられない限り、以降のカーソル移動カーソルの移動を禁止して3次元表示可能なエリアからの脱出を許可しないように制御してもよい。NOの選択ボタン53が操作された場合はこのように制御する。勿論、2次元表示モードに切り替えられたら視点位置を自由に移動できるようにしてもよい。
【0083】
あるいは、表示モード制御手段213は、前述のメッセージが表示されると、強制的に表示モードを2次元表示モードに切り替える。切り替える2次元表示モードの表示は、平面地図の表示であってもよく、鳥瞰図表示であってもよい。図6は、図5の状態で表示モードが2次元表示モードに切り替えられて平面地図が表示された場合の表示画像を示す。図6に示すように、エリアAには3次ポリゴンデータがあり、エリアBには3次元ポリゴンデータがない。
【0084】
携帯電話などを端末装置20とする場合、図7に示すようにカーソルの移動操作は上、下、左、右の矢印キー71(カーソルキー71)によって行われる。2次元表示モードにおいて上下、左右の矢印キー71はそれぞれ、その操作量に従ってカーソル位置を表示画面50の上下、左右に移動する指定になる。3次元表示モードにおいては、上キーは視点位置から視線方向に進む、左キー視線方向を左向きに回転、右キーは視線方向を右向きに回転する指定になる。
【0085】
ここで、下キーが操作された場合には、一般的には視線方向と正反対の方向に戻る(後退する)指定になる。このようにすると、案内経路上を進んできた場合に案内経路とは関係なく視点位置における視線方向の反対方向に表示画面が戻されてしまう。3次元表示においては視線方向の後ろ側には表示がない(視点位置の後ろは見えないため建物があったとしても表示されない)ので、進んできた方向と関係ない方向に表示が戻されると、突然見慣れない風景の表示に変化したような感覚を利用者に与えてしい好ましくない。更に下キーを操作し続けるとついには現在位置がどこであるか判断できなくなってしまう。
【0086】
そこで、本発明においては、3次元表示モードにおいて下方向のカーソルキーが操作された場合には、それまで進行してきた案内経路にそって視点位置、視点方向を戻して3次元地図画像を表示する。これにより利用者は案内経路にそった3次元表示画像を戻ることができ、混乱することがなくなる。
【0087】
図8は、上記の関係を説明する3次元表示におけるカーソルキーの操作とそれによる表示状態の変化を示す模式図である。図8に示すように案内経路RT上を進みながら上下、左右のカーソルキー71を操作して3次元表示すると、視線方向は、RT31、RT32、RT33、RT34に変化し、各視点位置において視線方向を含む一定の範囲の3次元ポリゴンが表示される。視線方向RT34の視点位置において下方向のキーが操作された場合、視線方向に対して正反対の方向Cに表示を戻すと、案内経路RTから外れた表示になる。
【0088】
本発明においては、下方向のキーが操作された場合、点線の矢印RTBで示すように、案内経路RTにそった方向に視点位置、視線方向を戻るようにして3次元ポリゴンを表示してゆく。このようにすれば、利用者は進行してきた時に表示された3次元表示をそのまま戻して表示されるため、混乱を来すことがなくなる。
【0089】
上記の例は、下方向のキーが操作された場合、案内経路にそって視点位置を戻す例であるが、案内経路にかえて、図示しない記憶部に視点位置の軌跡を記憶しておき、下方向のキーが操作された場合、当該記憶部に記憶された視点位置の軌跡にそって視点位置を戻して3次元ポリゴンを取得して表示しても同様の効果を得ることができる。
【0090】
次に案内経路上に視点位置を設定する例について説明する。端末装置20が案内経路上を移動して視点位置が変わった場合、端末装置20は適宜の間隔で再度サーバに視点位置情報を送信して、新たに3次元ポリゴンデータを受信すればよい。端末装置は固有のIDを持ち、経路探索サーバ30と通信接続しているので、経路探索サーバ30はそのIDを認識して、当該端末装置20に送信していない3次元ポリゴンデータを送るようにすることも出来る。
【0091】
以上の方法の他、端末装置20が経路探索サーバ30に経路探索を要求し、経路探索サーバ30が経路探索して得た案内経路のデータとともに、3次元表示のためのポリゴンデータを端末装置20に配信する方法をとることもできる。以下にその例を説明する。
【0092】
図9は、案内経路RTと視点位置および建物の面との関係を示す図である。図9に示すように経路探索サーバ30において探索して得た案内経路RTがリンクLKn、リンクLKn+1であった場合、各リンクの端点(ノード)上に視点Pn−1、Pn、Pn+1を設定する。リンクが長い場合はリンクの途中にも視点を設定して、経路周辺の所定の範囲を漏れなく対象とする。このような視点位置の設定を視点位置設定手段319が行う。なお、端末装置20から視点位置情報を受信する前述の場合、視点位置設定手段319は端末装置20から受信した視点位置情報に基づいて視点位置を決定する。
【0093】
図10はこの様子を模式的に示す図であり、リンクLKnの途中に視点位置Pn0を設定する。図10において各視点位置Pn−1、Pn、Pn0、Pn+1を中心とする円は3次元ポリゴンデータを配信するエリアを模式的に示している。リンクが長い場合、端点にのみ視点位置を設定しても、3次元ポリゴンを得られるエリアが途切れてしまうとその間の表示が飛んでしまうが、リンク途中に視点位置Pn0を設定することにより、これを防止することができる。このため、リンク途中に視点位置を設定する間隔は、3次元ポリゴンを抽出するエリアの半径によって定めることが好ましい。この場合、端末装置20は現在位置を経路探索サーバ30に送信すればよく、経路探索サーバ30は現在位置に基づいて視点位置における面データを配信する。
【0094】
これらの各視点位置Pn−1、Pn、Pn0、Pn+1において、それぞれ前述したような方法により、各視点位置で見える面のポリゴンのみを選択して、案内経路のデータとともに端末装置20に配信する。なお、ポリゴンデータは、全案内経路のデータと一緒に送信してもよいし、案内経路のデータのみ配信しておき、ポリゴンデータは端末装置20が案内経路上を移動するに伴って視点位置に達する都度、分割して配信しても良い。
【0095】
また、案内経路が求められている場合は、その案内経路を進むのが前提であるから、視点位置における案内経路の進行方向に視線の方向を限定して面を抽出しても良い。図11はこの概念を示す模式図である。図11に示すように、まず視点位置Pn−1から対象の面を見込んだベクトルVB1が、経路に対して所定の角度範囲にある場合のみ演算を継続し、面の法線ベクトルB1とベクトルVB1とのなす角度が直角以下であるかを判別する。図11においては角度αB1が、直角未満の場合に演算を行うこととしている。なお、さらに狭い視野を想定するのであれば、判定する角度を狭めて良い。このようにすることで、さらに送信する面データを減らすことが出来る。
【0096】
なお、図9、図11を参照して説明した案内経路とともに3次元表示のためのポリゴンデータを選択して端末装置20に配信する方法では、端末装置20が経路探索サーバ30に視点位置情報を送信する方法、あるいは、端末装置20が経路探索サーバ30に経路探索要求を出してから経路探索サーバ30が、端末装置20からの現在位置情報に基づいて視点位置を演算する方式であるが、経路探索サーバ30は面のポリゴンを配信するに際して視点位置ごとに上記の演算を毎回行う必要がある。
【0097】
そこで、視点位置を設定するリンクに対して、当該視点位置から見える面のポリゴンを関連付けて記憶しておき、その道路のリンク(案内経路のリンク)を配信する際には、関連付けられている面のポリゴンを合わせて経路探索サーバ30から配信するように構成してもよい。この場合も、一般道は双方向に通行可能なので双方向のリンクに対して全周を対象として見える面を演算して選択し、一方通行の道路路では許可された進行方向に限定して見える面を演算して選択するようにしてもよい。
【0098】
このように構成すれば、経路探索サーバ30は毎回視点位置から見える面を演算する必要が無く、端末装置20からの要求に対して直ちに結果を配信することが出来るので、端末装置20と経路探索サーバ30との間のネットワークのセッションを長い時間保持することもない。従って、経路探索サーバ30の処理能力を向上させることができる。
【0099】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、視点位置が、3次元ポリゴンデータが用意されていないエリアに一定の距離以上移動しても、利用者が不用意に3次元表示可能なエリアから逸脱してしまう不都合を解消することができる。また、3次元表示モードにおいて下方向のカーソルキーが操作された場合には、それまで進行してきた案内経路にそって視点位置、視点方向を戻して3次元地図画像を表示するので、利用者は案内経路にそった3次元表示画像を戻すことができ、混乱することがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、携帯型のナビゲーション装置に限らず、3次元表示データを有しており、案内経路や移動軌跡が記憶できる地図表示装置にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】経路探索のための道路ネットワークデータの概念を示す模式図である。
【図3】道路ポリゴンの構成を説明するための模式図である。
【図4】建物ポリゴンの構成と視点位置との関係を説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施例にかかる3次元表示の際のエリア報知画面の一例を示す図である。
【図6】図5の状態で表示モードが2次元表示モードに切り替えられて平面地図が表示された場合の表示画像を示す図である。
【図7】端末装置のカーソルキーを説明するための外観図である。
【図8】下方向のカーソルキー操作により表示を戻す場合の概念を示す模式図である。
【図9】案内経路と視点位置および建物の面との関係を示す図である。
【図10】案内経路のリンクの途中に視点位置を設定する概念を示す模式図である。
【図11】案内経路に視点位置を設定し、視線方向を案内経路の進行方向とした場合の面ポリゴン選択の概念を示す模式図である。
【符号の説明】
【0102】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
211・・・制御手段
212・・・GPS測位手段
213・・・表示モード制御手段
214・・・視点位置検出手段
215・・・2次元表示制御手段
216・・・3次元表示制御手段
217・・・通信手段
218・・・配信要求編集手段
219・・・配信データ記憶手段
220・・・VRAM
221・・・表示手段
222・・・操作・入力手段
223・・・エリア報知手段
30・・・・経路探索サーバ
311・・・制御手段
312・・・通信手段
313・・・配信データ編集手段
314・・・案内経路データ作成手段
315・・・地図データベース
316・・・経路探索手段
317・・・探索用ネットワークデータ
317A・・・道路ネットワークデータ
317B・・・交通ネットワークデータ
318・・・ポリゴンデータベース
319・・・視点位置設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなり、
前記エリア報知手段は、3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記表示モード制御手段は2次元表示モードへ切り替えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記3次元表示制御手段は、視点位置の変更を禁止し、3次元表示用のポリゴンデータが存在するエリアからの逸脱を禁止することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースと、経路探索手段と、経路探索用のネットワークデータと、を備え、端末装置からの要求に従って案内経路を探索して端末装置に配信し、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなり、
前記端末装置は、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、3次元地図表示中に前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記経路探索サーバから受信した案内経路にそって視点位置を戻すことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、前記視点位置の軌跡を記憶する視点軌跡記憶部と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなり、
前記端末装置は、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、3次元地図表示中に前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記視点軌跡記憶部に記憶した視点位置の軌跡にそって視点位置を戻すことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置であって、
前記エリア報知手段は、3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にする端末装置にネットワークを介して接続される経路探索サーバであって、
前記経路探索サーバは、3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項7】
前記経路探索サーバは、前記ポリゴンデータベースに記憶されたエリア情報に基づいて、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいたことを検出して前記端末装置に通知することを特徴とする請求項6に記載の経路探索サーバ。
【請求項8】
前記経路探索サーバは、更に、経路探索のための探索用ネットワークデータと、経路探索手段と、視点位置設定手段と、を備え、前記視点位置設定手段は、前記経路探索手段が探索した案内経路の所定の位置を視点位置とし、該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを前記端末装置に配信することを特徴とする請求項6に記載の経路探索サーバ。
【請求項9】
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバとネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、
前記エリア報知手段は、3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいたことを検出すると、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力し、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にすることを特徴とする端末装置。
【請求項10】
前記エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記表示モード制御手段は2次元表示モードへ切り替えることを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記エリア報知手段が前記メッセージを出力すると、前記3次元表示制御手段は、視点位置の変更を禁止し、3次元表示用のポリゴンデータが存在するエリアからの逸脱を禁止することを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項12】
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベース、経路探索手段と、経路探索用のネットワークデータと、を備え、端末装置からの要求に従って案内経路を探索して端末装置に配信し、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバとネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記経路探索サーバから受信した案内経路にそって視点位置を戻すことを特徴とする端末装置。
【請求項13】
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバとネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、前記視点位置を移動するためのカーソルを移動制御する上下左右方向をそれぞれ指示するカーソルキーと、前記視点位置の軌跡を記憶する視点軌跡記憶部と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示し、前記下方向を指示するカーソルキーが操作された場合、前記視点軌跡記憶部に記憶した視点位置の軌跡にそって視点位置を戻すことを特徴とする端末装置。
【請求項14】
3次元地図表示用のポリゴンデータと当該3次元表示用ポリゴンデータの存在するエリア情報とを蓄積したポリゴンデータベースを備え、視点位置に応じて当該視点位置から所定の範囲内のポリゴンデータを端末装置に配信する経路探索サーバと、3次元表示制御手段と、2次元表示制御手段と、表示モード制御手段と、3次元の地図を表示する表示手段と、エリア報知手段と、を備え、前記経路探索サーバから配信されたポリゴンデータに基づいて前記表示手段に3次元地図を表示する端末装置と、からなるナビゲーションシステムにおける地図表示方法であって、
前記エリア報知手段が3次元地図を表示している際に、前記視点位置が3次元地図表示用のポリゴンデータが存在するエリアの境界の所定範囲に近づいた場合、3次元表示の終わりを示すメッセージを出力するステップと、前記表示モード制御手段を2次元表示モードへの切り替えの承諾待ち状態にするステップとを有することを特徴とする地図表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−256027(P2007−256027A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79793(P2006−79793)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】