ナビゲーションシステム、経路探索サーバ、経路探索方法およびナビゲーション端末装置
【課題】予め利用資格が定められた移動手段を用いた経路案内と、それを用いない経路案内とを適切に行うことができるようにする。
【解決手段】経路探索サーバ30はナビゲーション端末装置20から入力された経路探索条件に基づいて経路を探索し、探索した案内経路をナビゲーション端末装置20に配信する。ナビゲーションシステム10は、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベース34と、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段39と、を備え、特定経路利用資格判別手段39は、経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、経路探索手段32は特定経路ネットワークデータベース34を用いて出発地から目的地までの経路を探索する。
【解決手段】経路探索サーバ30はナビゲーション端末装置20から入力された経路探索条件に基づいて経路を探索し、探索した案内経路をナビゲーション端末装置20に配信する。ナビゲーションシステム10は、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベース34と、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段39と、を備え、特定経路利用資格判別手段39は、経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、経路探索手段32は特定経路ネットワークデータベース34を用いて出発地から目的地までの経路を探索する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者用のナビゲーションシステム、経路探索サーバ、経路探索方法およびナビゲーション端末装置に関するものであり、特に、予め利用資格が定められた移動手段を用いた経路案内を可能とした歩行者用のナビゲーションシステムにおいて、前記予め利用資格が定められた移動手段を用いた経路案内と、それを用いない経路案内とを適切に行うことができるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバ、経路探索方法およびナビゲーション端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られている。
このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
上記カーナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。
【0004】
また、近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、利用者に対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。特に、今までは一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などの搭載が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。このため、その利用技術として車載用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果として経路探索サーバから配信された地図・経路案内を受ける歩行者用の通信型ナビゲーションシステムも実用化されている。
【0005】
歩行者用ナビゲーションシステムは、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、経路探索サーバは徒歩経路探索のための道路ネットワークデータに加えて、交通機関の路線や運行時刻データから作成した交通ネットワークデータを蓄積している。
そして、歩行者用ナビゲーションシステムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、徒歩と交通機関を用いた出発地から目的地までの経路を探索して案内する。
【0006】
歩行と交通機関との組み合わせによる経路探索システムは、例えば、下記の特許文献1(特開2000−258184号公報)に「交通ネットワーク経路探索方法および装置」として開示されている。
上記特許文献1には、歩行区間のリンクを交通ネットワークに組み込み、この歩行経路が組み込まれた交通ネットワークに対して探索処理を行う技術が記載されている。これにより徒歩の区間も含めて最小コストの経路を探索することができる。
【0007】
また、複数の移動手段を利用した経路の探索を行うシステムとしては、下記の特許文献2(特開2005−114370号公報)に「ナビゲーション装置、ナビゲーション方法およびプログラム」として開示されている。この特許文献2には、出発地と目的地を指定することで、出発地、乗車駅(またはバス停留所など)、利用する公共交通機関、降車駅(またはバス停留所)、目的地といった徒歩区間のみならず、公共交通機関を利用する区間も含めてトータルの経路探索を行う技術が記載されている。これにより出発地と目的地とを指定することで、徒歩とバス、徒歩と電車など、複数種類の移動手段を利用する区間経路を組み合わせた経路を探索することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−258184号公報(図4)
【特許文献2】特開2005−114370号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、歩行者用ナビゲーションシステムは、徒歩と公共の交通機関とを考慮したトータルナビゲーションサービスであり、公共の各交通機関の路線データや運行時刻データをデータベース化した交通ネットワークデータを参照して、乗り継ぎを含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示する。また、経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0010】
ところで、公共の交通機関以外にも移動手段として利用することができる交通手段は様々に提供されている。例えば、初めて訪れた海外の空港から予約している宿泊先のホテルへ赴く場合、地理に不案内な旅行者にとってタクシーは公共の交通機関よりも便利で安心な交通手段として利用されている。しかしながら、タクシーを使って予約したホテルまで移動したところ、実はそのホテルと空港とを結ぶ移動手段として無料の送迎バスを利用できるサービスがあったということを後から知らされるといる経験をすることがある。
【0011】
これはホテルの送迎バスサービスがあるという情報の提供が利用者に対して欠如していたためであるが、従来の歩行者用ナビゲーションシステムを利用したとしても、このような無料の送迎バスに対する交通ネットワークデータがナビゲーションシステムに組み込まれていないため、この送迎バスのサービスを利用することはできないという問題がある。
【0012】
ホテルの無料送迎バスのような例は、企業の専用バス、自動車教習所の送迎バス、スポーツ施設・興行施設の送迎バス、イベントの送迎バス、自治体の高齢者専用無料バス、など他にも様々に提供されている。そこで、このような無料の移動手段に対する交通ネットワークデータを構築して、これらのネットワークデータを単に従来の交通ネットワークデータに組み込んで経路探索を行う構成にすることが考えられる。
【0013】
しかしながら、このような構成の場合、探索条件として所要時間よりも所要コスト(運賃)を優先させた利用者であれば誰に対しても最適案内経路として無料の移動手段を用いた経路が案内されてしまうという問題がある。本来、上記無料の移動手段を利用することができるのは、予約したホテルの宿泊者などの特定の施設の利用者や、ある年齢以上の高齢者などの個人的な資格が適合している利用者であることが前提条件であって誰もが利用できるものではない。
【0014】
そこで、ナビゲーションシステムに対して無料の移動手段を利用できる資格があるか否か利用者から入力させることも考えられるが、無料の移動手段が数多く提供されている現状においては利用者に対してそれぞれの移動手段について利用資格の有無を入力させることは負担が大きいため、実施が困難であるという問題がある。
【0015】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、探索用経路ネットワークデータベースだけでなく、予め利用資格が定められた移動手段の特定経路ネットワークデータを蓄積しておき、出発地から目的地までの経路を探索する際、ナビゲーション端末装置から入力された経路探索条件に基づいて該特定経路ネットワークの利用資格の有無を判別し、利用資格がある場合に特定経路ネットワークデータを参照して経路探索を行うことにより、上記問題点を解消し得ることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、予め利用資格が定められた移動手段の利用資格を個々に設定することを必要とせずに、経路探索条件として入力された出発地、目的地、経由地、あるいは利用者の個人情報に基づいて、予め利用資格が定められた移動手段を用いた経路案内と、これを用いない通常の経路案内とを適切に行うことができるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびにナビゲーション端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0019】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項8にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項9にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項8にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0029】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる経路探索サーバにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項12にかかる経路探索サーバにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項15にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバを用いた経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する利用資格判別ステップと、前記利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路探索手段が前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路案内ステップとを有することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする。
【0033】
本願の請求項17にかかる発明は、請求項16にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする。
【0034】
本願の請求項18にかかる発明は、請求項16にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする。
【0035】
本願の請求項19にかかる発明は、請求項15にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする。
【0036】
本願の請求項20にかかる発明は、請求項19にかかる経路探索方法において、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項21にかかる発明は、請求項19にかかる経路探索方法において、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする。
【0038】
また、本願の請求項22にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにネットワークを介して接続されるナビゲーション端末装置おいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を前記ナビゲーション端末装置に配信し、
前記ナビゲーション端末装置は、前記経路探索サーバから配信された案内経路を表示する表示手段と、前記特定経路ネットワークデータを経路として利用するための経路探索条件を入力する入力手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、以下の効果を奏することができるようになる。すなわち、請求項1にかかる発明においては、
ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する。
【0040】
このような構成によれば、経路探索条件に基づき予め利用資格が定められた移動手段が利用できると判断された場合には、当該移動手段の特定経路ネットワークを経路探索の対象とすることができるため、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0041】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する。
【0042】
このような構成によれば、経路探索条件のうち出発地、経由地、目的地として設定される地点情報に基づいて特定経路ネットワークの利用資格を判別するものであるから、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0043】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する。
【0044】
このような構成によれば、経路探索条件に含まれる地点情報の施設情報に基づいて利用資格を判別し、該当する特定経路ネットワークデータを選択して経路を探索するものであるから、経路探索条件に利用資格が定められた移動手段を運用する施設情報が設定された場合に、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0045】
請求項4にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する。
【0046】
このような構成によれば、経路探索条件に含まれる地点情報の位置情報に基づいて利用資格を判別し、該当する特定経路ネットワークデータを選択して経路を探索するものであるから、経路探索条件に利用資格が定められた移動手段を運用する位置情報が設定された場合に、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0047】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する。
【0048】
このような構成によれば、経路探索条件に含まれる地点情報と個人情報に基づいて利用資格を判別し、該当する特定経路ネットワークデータを選択して経路を探索するものであるから、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0049】
請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得する。
【0050】
このような構成によれば、所定条件を満たす個人に利用が認められる地方自治体などが運行する特定経路ネットワークについて、利用資格の有無を設定することなく、容易に個人情報を判別することができ、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0051】
請求項7にかかる発明においては、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得する。
【0052】
このような構成によれば、所定条件を満たす個人に利用が認められる特定の施設が運行する特定経路ネットワークについて、利用資格の有無を設定することなく、容易に個人情報を判別することができ、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0053】
また、請求項8ないし請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになり、請求項15ないし請求項21にかかる発明においては、それぞれ請求項8ないし請求項14にかかる経路探索サーバを用いた経路探索方法を提供することができるようになる。また、請求項22にかかる発明においては、請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムを構成するナビゲーション端末装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかる経路探索に使用される道路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施例にかかる経路探索に使用される交通ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施例1にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施例1にかかる経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例1にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる探索用経路ネットワークDB33におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施例2にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例3にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例4にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施例4にかかる個人情報登録画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図15】本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークDB34におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図16】発明の実施例4にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図18】本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施例6にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例6にかかる予約管理サーバが記憶する個人情報DB41と予約情報DB42の内容の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0056】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。本発明の実施例にかかるナビゲーションシステム10は、インターネットなどのネットワーク12を介して通信するナビゲーション端末装置20と各種情報を提供する経路探索サーバ30とから構成されている。ナビゲーション端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)20−1などの固定端末や、ノートPC20−2、PDA(Personal Digital Assistant)端末20−3、携帯電話端末20−4のほかに、携帯ゲーム端末や携帯音楽端末などの移動端末を用いることができる。図1に示すように、ナビゲーションシステム10は、ナビゲーション端末装置20と、経路探索サーバ30とがネットワーク12を介して接続され、通信型のナビゲーションシステムとして構成されている。
【0057】
図2は実施例1におけるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
ナビゲーション端末装置20は、歩行者が携帯し、無線により基地局と通信し、基地局を介してインターネットなどのネットワーク12を経由して経路探索サーバ30と接続関係が確立され、移動手段(徒歩あるいは交通機関など)や現在位置または所望の出発地と目的地を経路探索条件として設定して経路探索サーバ30に経路探索要求を送信する。また、経路探索サーバ30は、経路探索条件に従って、探索用経路ネットワークデータを参照し最適経路を探索し、その最適経路を案内経路データ(地図情報、経路探索の結果など)に編集してナビゲーション端末装置20に配信する。
【0058】
ナビゲーション端末装置20は、制御手段21、通信手段22、位置検出手段23、入力手段24、表示手段25、経路探索要求編集手段26、案内データ記憶手段27を備えて構成されている。
制御手段21は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、ROMに格納された制御プログラムによって各部の動作を制御する。
通信手段22は、無線通信ユニットを含み、ネットワーク12を介してインターネットに接続し、経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースであり、インターネット網を介したパケット通信の他、携帯電話基地局との無線通信も行うように構成されている。
【0059】
位置検出手段23は、GPS受信機を備え、GPS衛星信号を受信、処理してナビゲーション端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位する。位置検出手段23で測位されたナビゲーション端末装置の現在位置情報は通信手段22を介して経路探索サーバ30に送られる。位置検出手段23を構成するGPS受信機は、Autonomous(オートノーマス)、MS−Based、A−GPSいずれの方式でも良い。
【0060】
入力手段24は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなり、数字やアルファベットキーを操作し、あるいは、表示手段25に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択して出発地、目的地の情報等の種々の経路探索条件を入力するものである。
表示手段25は、ディスプレイや液晶表示ユニットなどから構成され、経路探索サーバ30から配信された案内経路データに従ってVRAMなどの画像メモリに展開された地図データの画像データを表示し、該案内経路データに設定された案内(ガイド)を表示したり、音声ガイドしたりするものである。また、表示手段25は、メニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、表示された選択ボタン等を操作して所望の操作指示を行う操作手段としての機能を有する。
【0061】
出発地、目的地、出発日時、到着日時などの経路探索条件の設定はこの入力手段24または表示手段25により行われる。出発地、目的地の設定は緯度、経度によって指示するのが一般的であるが、住所や電話番号を入力し、経路探索サーバ30のデータベースで緯度、経度の情報に変換する方法や、ナビゲーション端末装置20に表示されている地図上でポイントを指定し緯度、経度の情報に変換する方法を用いてもよい。また、出発地、目的地の設定は利用者が興味を持っている興味対象場所(Point of Interest:POI)情報によって指示することもできる。
【0062】
POIとは、例えば、ホテル、レストラン、デパート、コンビニ、駐車場、公園、テーマパークなどの店舗、施設が対象となる。POIの名称を入力し、経路探索サーバ30のデータベースで緯度、経度の情報に変換する方法を用いてもよい。さらに、出発地の情報としては、位置検出手段23で測位したナビゲーション端末装置20の現在位置を出発地として、測位地点の緯度、経度の情報を使用することもできる。
【0063】
経路探索要求編集手段26は、入力手段24または表示手段25により設定された出発地、目的地、出発日時、到着日時などの経路探索条件に基づいて経路探索要求を作成し、経路探索サーバ30に送信する。また、位置検出手段23で測位したナビゲーション端末装置20の現在位置の情報に基づいて地図データ要求を作成し、経路探索サーバ30に送信する。
【0064】
案内データ記憶手段27は、経路探索サーバ30から配信された経路探索結果である案内経路データ、地図データ、ガイダンスデータなどの配信データを一時記憶するものであり、これらのデータは必要に応じて案内データ記憶手段27から読み出されてVRAMにビットマップ形式に展開され、表示手段25に表示される。表示手段25に地図を表示する場合、一般的には、位置検出手段23で測位したナビゲーション端末装置20の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション端末装置20の現在位置を示すマークを重ね合わせて該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。
【0065】
測位した位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が案内経路からずれている場合には現在位置を案内経路上に補正するルートマッチング処理が行われる。また、経路探索サーバ30から配信される案内経路データに音声ガイドのデータが付加されている場合は、例えば、交差点や分岐点(案内ポイント)にナビゲーション端末装置20が近づいた際に、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージをスピーカを介して再生出力してユーザをガイドする。
【0066】
ユーザは、ナビゲーション端末装置20において経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、入力手段24を操作してサービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段25に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や徒歩と交通機関併用、自動車など)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。
【0067】
また、ナビゲーション端末装置20は、経路探索サーバ30から案内経路データと地図データを受信するとこれを記憶手段に一時記憶し、ナビゲーション端末装置20の現在位置を示す現在位置マークと、現在位置を含む所定の範囲の地図と、案内経路と、をVRAMに展開して表示手段25に表示する。また、ナビゲーション端末装置20の現在位置が変化し、地図データが不足した場合にはナビゲーション端末装置20は経路探索サーバ30に地図データを要求し、不足している地図データの配信を受ける。
【0068】
一方、経路探索サーバ30は、図2に示すように、制御手段31、経路探索手段32、探索用経路ネットワークDB(データベース)33、特定経路ネットワークDB(データベース)34、地図データDB(データベース)35、経路案内手段36、通信手段37、ネットワークデータ編集手段38、特定経路利用資格判別手段39を備えて構成されている。
制御手段31は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、ROMに格納された制御プログラムによって各部の動作を制御する。
【0069】
経路探索手段32は、ナビゲーション端末装置20から送信される出発地、目的地などの経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、探索用経路ネットワークDB33を参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。このような構成は一般のナビゲーションシステムと同様のものである。
【0070】
探索用経路ネットワークDB33は、経路探索のための経路ネットワークデータを蓄積している。経路ネットワークデータには、自動車用の経路探索のための道路ネットワーク33−1と歩行者用の経路探索のための歩行者ネットワーク33−2を含んでいる。さらに、歩行者が徒歩と電車などの公共の交通機関を併用して移動する場合の経路探索用として、交通路線データや運行時刻データに基づく交通ネットワーク33−3を備えている。
【0071】
カーナビゲーションシステムやなどにおける経路探索のための道路ネットワーク33−1や歩行者ナビゲーションシステムにおける経路探索のための歩行者ネットワーク33−2は以下のように構成されている。
【0072】
図3は、経路探索に使用される道路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図3に示すように、例えば、道路が道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。すなわち、図3において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図3では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0073】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最小になる経路を探索して案内する。すなわち、図3において出発地をノードNAX 、目的地を野ノードNCY として経路探索を行う場合、ノードNAX から道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードNCY にいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最小になる経路を探索して案内する。
【0074】
図3ではノードNAX からノードNCY に至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードNAX からノードNCY に到着する可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最小になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0075】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワーク33−3は以下のように構成されている。
図4は、経路探索に使用される交通ネットワークの構成を説明するための模式図である。図4に示すように、例えば、交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)、リンクコストデータをネットワークデータとしている。図4において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図4では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0076】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図4に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0077】
図4に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0078】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図4において、出発地を交通路線AのノードNAX としてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードNCY を目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0079】
なお、車載用のナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータは、自動車の通行可能な道路のみによって構成され、歩行者専用の道路や車両の進入が禁止されている公園内や駅前広場の通路などの歩行者用道路ネットワークデータは不要である。一方、歩行者用のナビゲーションシステムにおいては、自動車の通行可能な道路ネットワークに加えて前述の歩行者専用の道路や車両の進入が禁止されている公園内や駅前広場の通路などの歩行者用道路ネットワークデータを含んで構成されるが、高速道路など歩行が禁止されている道路のネットワークデータは必要としない。
【0080】
このため、探索用経路ネットワークDB33は、自動車用の道路ネットワーク33−1と歩行者用ネットワーク33−2を備えており、経路探索要求が歩行者用の経路探索要求である場合には、経路探索手段32は歩行者用ネットワークデータを用いて経路探索を行う。経路探索要求が自動車用の経路探索要求である場合には、経路探索手段32は道路ネットワークデータを用いて経路探索を行う。
【0081】
なお、探索用経路ネットワークDB33において、自動車用、歩行者用に共通の道路ネットワークデータと、自動車専用の道路ネットワークデータ、歩行者専用の道路ネットワークデータをそれぞれ蓄積しておき、後述するネットワークデータ編集手段38が経路探索要求に応じて探索用経路ネットワークDB33を編集して経路探索するように構成してもよい。
【0082】
すなわち、歩行者用の経路探索要求である場合には、ネットワークデータ編集手段38が共通のネットワークデータに歩行者専用のネットワークデータを追加する編集を行って経路探索を行うように構成することができる。経路探索要求が自動車用の経路探索要求である場合は、ネットワークデータ編集手段38が共通のネットワークデータに自動車専用のネットワークデータを追加する編集を行って経路探索を行えばよい。電車などの交通機関による移動を併用する場合も同様に交通ネットワークを追加すればよい。
【0083】
特定経路ネットワークDB34は、予め利用資格が定められた移動手段の特定経路ネットワークデータを蓄積している。特定経路ネットワークは以下のように構成されている。
図5は、本発明の実施例1にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図5では図4と同じく、例えば、公共の交通路線として地下鉄ネットワークA、B、Cからなるリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示し、各地下鉄A、B、Cに設けられたノードとなる各駅を○印、◎印(◎印は地下鉄の乗換え駅)で示している。
【0084】
地下鉄Cの駅NCY を空港50の駅とし、地下鉄Aの駅NAX の真上にホテルA51があり、地下鉄Bの駅NBZ を最寄り駅とする近隣にホテルB52がある。そして、特定経路ネットワークとしてホテルA51と空港50を結ぶ無料送迎バスのリンクL−NAX CY とホテルB52と空港50を結ぶ無料送迎バスのリンクL−NBZ CYとが設けられている。
【0085】
図6は、本発明の実施例1にかかる経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。 図6(a)は、図5に示す地下鉄ネットワークを構成する探索用経路ネットワークのリンクデータを示している。 図6(b)は、図5に示す特定経路ネットワークを構成するリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとのリンクデータを示している。
【0086】
図6(a)に示すように、リンクデータは、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。属性情報には、例えば、道路ネットワークを構成するリンクであれば、一般道路や高速道路などの区別を示す道路属性や、交通ネットワークを構成するリンクであれば、電車やバスなどの区別を示す交通機関の路線属性などが含まれる。また属性情報には、リンクの始端あるいは終端に対応する交差点や駅などの区別を示す施設属性などが含まれ。さらに属性情報には、交通ネットワークを構成するリンクであれば、運行時刻を示す時刻表や、運行時間帯と平均コスト(平均運転間隔、平均所要時間)などを含めてもよい。
【0087】
例えば、リンクL−NAX AX+1 に対しては、その属情報性として「地下鉄A」、始端ノードとして「NAX :ホテルA」、終端ノードとして「NAX+1:乗換駅」、リングコストとして「コスト1」が記憶されている。
【0088】
図6(b)は、図5に示す特定経路ネットワークを構成するリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとのリンクデータを示している。図6(b)に示すように、各特定経路ネットワークのリンクデータは、図6(a)と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。
【0089】
例えば、リンクL−NAX CY に対しては、その属性情報として「無料送迎バス」、始端ノードとして「NAX :ホテルA」、終端ノードとして「NCY :空港」、リングコストとして「コストx」が記憶されている。
【0090】
地図データDB35は、ベクター形式で作成された地図データを蓄積している。地図データDB35に蓄積された地図データは、緯度・経度で所定の大きさに区切った単位データ(メッシュデータ)からなり、経路探索サーバ30は経路探索の結果得られた最適な案内経路データをナビゲーション端末装置20に配信するとともに、ナビゲーション端末装置20から受信した現在位置情報(緯度・経度)に基づいて現在位置を含む地図データ、すなわち現在位置を含むメッシュデータを中心にその外周の8つのメッシュデータをナビゲーション端末装置20に配信する。
【0091】
経路案内手段36は、経路探索手段32が探索した最適な案内経路あるいは複数の推奨案内経路のデータに基づいて案内経路データを作成してナビゲーション端末装置20に配信するものである。案内経路データはベクターデータとして作成された案内経路を地図データDB35から読み出された地図データに埋め込む等の編集によって作成されて配信される。作成された案内経路データには、経路探索手段32で探索された案内経路上の出発地、経路の屈曲点、交差点、目的地などのガイドポイントが設定され、それらのガイドポイントの位置座標(緯度・経度)、各ガイドポイントに関連するガイダンス(直進や右左折のガイダンス情報)が含まれる。ナビゲーション端末装置20は、配信された案内経路データと地図データを受信し、地図および案内経路を表示し、ガイドポイントに到着した時点で所定のガイダンスを表示または音声で出力する。
【0092】
通信手段37は、ネットワーク12を介してナビゲーション端末装置20と通信するためのインターフェースであり、ナビゲーション端末装置20から経路探索条件を受信し、また、経路探索手段32で探索した最適な経路探索の結果である案内経路のデータ、地図データ、案内データ等のナビゲーション端末装置20に要求されたデータやサービスに必要な各種情報をナビゲーション端末装置20に配信するためのものである。
【0093】
ネットワークデータ編集手段38は、経路探索時に特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行うものである。ここで、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加するための条件として、経路探索条件として入力された出発地、経由地、目的地の何れかの地点情報が特定経路ネットワークを構成するノードの属性情報と一致しているか判断している。すなわち、ホテルAの名称が出発地、経由地、目的地の何れかに設定された場合に、ホテルAを始端ノードとするリンクL−NAX CY の特定経路ネットワーク(ホテルA51と空港50とを結ぶ無料送迎バス)を経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する。
【0094】
ここで、上記条件に基づいて特定経路ネットワークDB34に蓄積された特定経路ネットワークデータを探索用経路ネットワークDB33に含める構成にすることにより、ホテルAの利用者以外が無料送迎バスの経路(リンクL−NAX CY )を得てしまう不都合を回避している。
【0095】
すなわち、例えば、駅NAX+1 から空港50に行こうとする場合に、NAX+1 からの探索が拡散すると、NAX から無料歓迎バスが出ているため、NAX+1−NAX −NCY の経路が運賃の安い経路として探索される場合があり、ホテルAの利用者のみが利用できる無料送迎バスに乗る経路をそれ以外の人に出力してしまう不都合が生じてしまう。そこで、本発明の実施例1では、ホテルAが出発地、経由地、目的地の何れかに設定された場合のみ、ホテルAに関連した無料送迎バスのリンクL−NAX CY が経路探索に使えるように探索用経路ネットワークDB33に含める構成にしている。
【0096】
そして、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、無料送迎バスを運行している特定の施設(例えば、ホテルA)が出発地、経由地、目的地のいずれかに設定された場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。また、他の位置を出発地、経由地、目的地とした場合には、運賃コストが安くなっても、遠回りする経路は時間コストが高くなり所要時間面で不利になるので、無料送迎バスを誤って使うことがない経路が探索される。
【0097】
次に、本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図7のフローチャートを参照して説明する。図7は、本発明の実施例1にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図7に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0098】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS71の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件として設定された出発地、経由地、目的地のいずれかのデータに基づいて、ステップS72の処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。
【0099】
ステップS72の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS73の処理に進み、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS73の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS74の処理に進み、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS74の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS76の処理に進む。
【0100】
一方、ステップS72の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS75の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。また、ステップS73の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS75の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。同様に、ステップS74の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS75の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。
【0101】
そして、経路探索手段32は、ステップS76の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加された探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
また、ステップS72の判定処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、ステップS73の判定処理において経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、および、ステップS74の判定処理において目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合には、経路探索手段32は、ステップS76の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加されていない探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0102】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS77の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS78の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【実施例2】
【0103】
次に、本発明の実施例2の構成について説明する。図8は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図8において、図2の実施例1と同一の構成要素は同一の参照符号を付している。実施例1と異なる点は、実施例2の探索用経路ネットワークDB33が予め利用資格が定められた移動手段の特定経路ネットワーク34−1を蓄積している点である。
さらに、本発明の実施例2にかかる探索用経路ネットワークDB33におけるリンクデータは以下のように構成されている。
【0104】
図9は、本発明の実施例2にかかる探索用経路ネットワークDB33におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。図9は、図5に示す特定経路ネットワークとしてリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとを含む地下鉄ネットワークのリンクデータを示している。
図9に示すように、各ネットワークのリンクデータは、図6と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。
【0105】
さらに、特定経路ネットワークであるリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとに対しては、それぞれのリンクを経路探索の際に使用できるようにするための使用許可フラグが設けられている。すなわち、通常このフラグは無効(off)に設定されており、ホテルAの名称が出発地、経由地、目的地の何れかに設定された場合に、ホテルAを始端ノードとするリンクL−NAX CY の特定経路ネットワーク(ホテルA51と空港50とを結ぶ無料送迎バス)のみを経路探索に使用できるように、このリンクL−NAX CY に対応する使用許可フラグを有効(on)にする。
【0106】
そして、経路探索手段32は、使用許可フラグを有効(on)にされた特定経路ネットワークデータを含む探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、無料送迎バスを運行している特定の施設(例えば、ホテルA)が出発地、経由地、目的地のいずれかに設定された場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。また、他の位置を出発地、経由地、目的地とした場合には、運賃コストが安くなっても、遠回りする経路は時間コストが高くなり所要時間面で不利になるので、無料送迎バスを誤って使うことがない経路が探索される。
【0107】
次に、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図10のフローチャートを参照して説明する。図10は、本発明の実施例2にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図10に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0108】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS101の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件として設定された出発地、経由地、目的地のいずれかのデータに基づいて、ステップS102の処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。
【0109】
ステップS102の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS103の処理に進み、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS103の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS104の処理に進み、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS104の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS106の処理に進む。
【0110】
一方、ステップS102の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS105の処理に進み、制御手段31は探索用経路ネットワークDB33内の所定の特定経路ネットワークデータの使用許可フラグを有効(on)にする処理を行う。また、ステップS103の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS105の処理に進み、制御手段31は探索用経路ネットワークDB33内の所定の特定経路ネットワークデータの使用許可フラグを有効(on)にする処理を行う。
【0111】
同様に、ステップS104の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS105の処理に進み、制御手段31は探索用経路ネットワークDB33内の所定の特定経路ネットワークデータの使用許可フラグを有効(on)にする処理を行う。
【0112】
そして、経路探索手段32は、ステップS106の処理において、使用許可フラグを有効(on)にされた特定経路ネットワークデータを含む探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0113】
また、ステップS102の判定処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、ステップS103の判定処理において経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、および、ステップS104の判定処理において目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合には、経路探索手段32は、ステップS106の処理において、使用許可フラグが無効(off)のままの特定経路ネットワークデータを含む探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0114】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS107の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS108の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【実施例3】
【0115】
次に、本発明の実施例3の構成について説明する。実施例3にかかるナビゲーションシステムの構成は基本的に図2に示す構成と同様であるが、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加するための条件として、経路探索条件として入力された現在位置から所定の範囲に特定経路ネットワークを構成するノードの起点があるか判断している点が異なる。
【0116】
すなわち、経路探索を行う利用者(ナビゲーション端末装置20)の現在位置から所定の範囲(例えば、徒歩で1〜2分の距離)に無料送迎バスの起点であるホテルAがある場合に、ホテルAを始端ノードとするリンクL−NAX CY の特定経路ネットワーク(ホテルA51と空港50とを結ぶ無料送迎バス)を経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する。これは、経路探索条件を入力する際に、出発地などをホテル名といったPOIで指定せずに、位置検出手段23のGPS機能を用いて現在位置を取得して出発地とする場合には、現在位置が緯度・経度で与えられて特定経路ネットワークを構成するノードの属性情報である施設名が判らないためである。
【0117】
そして、上記条件に基づきネットワークデータ編集手段38は、経路探索時に特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行い、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、無料送迎バスを運行している特定の施設(例えば、ホテルA)の近くから経路探索を行った場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。また、他の位置から経路探索を行った場合には、運賃コストが安くなっても、遠回りする経路は時間コストが高くなり所要時間面で不利になるので、無料送迎バスを誤って使うことがない経路が探索される。
【0118】
次に、本発明の実施例3にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図11のフローチャートを参照して説明する。図11は、本発明の実施例3にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図11に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0119】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS111の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件として設定された出発地のデータに基づいて、ステップS112の処理において出発地として設定された現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設があるかを判定する。
【0120】
ステップS112の判定処理において、現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設がなければ、ステップS114の処理に進み、現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設があれば、ステップS113の処理に進む。
ステップS113の処理において、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。そして、経路探索手段32は、ステップS114の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加された探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0121】
一方、ステップS112の判定処理において現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設がない場合には、経路探索手段32は、ステップS114の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加されていない探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0122】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS115の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS116の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【0123】
なお、上記の実施例3では、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する構成としているが、実施例2と同じく探索用経路ネットワークDB33が予め特定経路ネットワークデータを蓄積して使用許可フラグで所定の特定経路ネットワークデータを使用できるように制御する構成にしてもよい。
【実施例4】
【0124】
次に、本発明の実施例4の構成について説明する。図12は、本発明の実施例4にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図12において図2の実施例1と同一の構成要素は同一の参照符号を付している。実施例1と異なる点は、実施例4のナビゲーション端末装置20が個人情報記憶手段28を備えている点である。この個人情報記憶手段28は、ナビゲーション端末装置20を所有する利用者の氏名、性別、住所(自宅位置)、および年齢(生年月日)などのプロフィールを個人情報として記憶している。
これらの利用者を識別する個人情報はナビゲーション端末装置20を使用する際に事前に入力手段24から利用者によって登録され、経路探索サーバ30に対して経路探索を要求すると、経路探索条件とともに経路探索サーバ30に送信されるものである。
【0125】
図13は、個人情報を登録する際にナビゲーション端末装置20の表示手段25に表示される本発明の実施例4にかかる個人情報登録画面の一例を示す図である。図13に示すように、個人情報として、利用者の氏名(姓・名)、性別、生年月日、年齢、現住所、電話番号、電子メールアドレス(Eメール)が含まれている。なお、この個人情報はナビゲーション端末装置20に記憶せず、特定経路ネットワークの路線の運行を管理している管理サーバ(図示せず)に登録しておき、ナビゲーション端末装置20から経路探索サーバ30に経路探索の要求があった場合、経路探索サーバ30から管理サーバにアクセスして登録情報を取得する構成であってもよい。
【0126】
図14は、本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図14では図5と同じく、例えば、公共の交通路線として地下鉄ネットワークA、B、Cからなるリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示し、各地下鉄A、B、Cに設けられたノードとなる各駅を○印、◎印(◎印は地下鉄の乗換え駅)で示している。そして、特定経路ネットワークとして破線で示された所定の地域140内を巡回する高齢者専用の巡回バスの運行ネットワーク141が設けられている。ここで、運行ネットワーク141のリンクを太線で示し、このリンク上に設けられた停留場となるノードを◇印で示している。また、リンク上の地下鉄の駅はバスの停留所も兼ねている。この巡回バスは、破線で示された地域140の自治体によって管理運営されていて、この地域に居住している高齢者だけが無料で乗車できるように運行されている。
【0127】
さらに、本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークDB34におけるリンクデータは以下のように構成されている。図15は、本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークDB34におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。図15は、図14に示す特定経路ネットワークとして巡回バスの運行ネットワーク141のリンクデータを示している。
【0128】
図15に示すように、ネットワークのリンクデータは、図6と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。さらに、この運行ネットワークを構成するリンクL−NRM RM+1に対しては、それぞれのリンクを経路探索の際に使用できるようにするため、属性情報としてこの運行ネットワークを利用できる利用者の年齢条件が設けられている。
【0129】
ネットワークデータ編集手段38は、経路探索時にナビゲーション端末装置20から経路探索条件とともに送信されてきた個人情報(住所と年齢)に基づき特定経路ネットワークDB34の運行ネットワークデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行う。すなわち、経路探索を要求した利用者が、図14に示すように、所定の地域140内にある自宅142に住んでいて、運行ネットワーク141で示された高齢者専用の巡回バスの利用が認められた年齢、例えば60歳である場合に、リンクL−NRM RM+1などから構成された特定経路ネットワーク(運行ネットワーク141の巡回バス)を経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する。
【0130】
そして、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、高齢者専用の巡回バスの利用が認められた利用者からの経路探索要求についてのみ自動的に巡回バスを探索対象に含めた経路、例えば、図14に示すように、自宅142に住む60歳以上の利用者に対しては、駅NBW から乗車する巡回バスの運行ネットワーク141も考慮した経路が探索される。
【0131】
次に、本発明の実施例4にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図16のフローチャートを参照して説明する。図16は、本発明の実施例4にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図16に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0132】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS161の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件とともに送信されてきた個人情報に基づいて、ステップS162の処理において利用者の住居が巡回バスを運行している地域内にあるかを判定する。
【0133】
ステップS162の判定処理において、利用者の住所が巡回バスを運行している地域内であれば、ステップS163の処理に進み、利用者の年齢が巡回バスの利用が認められた年齢条件内(例えば、60歳以上)であるかを判定する。ステップS163の判定処理において、利用者の年齢が60歳以上であれば、ステップS164の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。
そして、経路探索手段32は、ステップS165の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加された探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0134】
一方、ステップS162の判定処理において利用者の住所が巡回バスを運行している地域内でない場合、および、ステップS163の判定処理において利用者の年齢が60歳以上でない場合には、経路探索手段32は、ステップS165の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加されていない探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0135】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS166の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS167の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【0136】
なお、上記の実施例4では、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する構成としているが、実施例2と同じく探索用経路ネットワークDB33が予め特定経路ネットワークデータを蓄積して使用許可フラグで所定の特定経路ネットワークデータを使用できるように制御する構成にしてもよい。
また、上記の実施例4では、個人情報はナビゲーション端末装置20を使用する際に事前に入力手段24から利用者によって登録する構成としているが、ナビゲーション端末装置20として携帯電話を用いる場合には、利用者の個人情報は携帯電話を契約する際に携帯電話会社に携帯電話のユーザ情報として登録されているため、携帯電話会社から利用者の個人情報を入手するように構成してもよい。
【実施例5】
【0137】
次に、本発明の実施例5の構成について説明する。実施例5にかかるナビゲーションシステムの構成は基本的に図2に示す構成と同様であるが、特定経路ネットワークDB34に蓄積されている特定経路ネットワークを構成するノードの起点を探索用経路ネットワークDBに蓄積されて経路ネットワークを構成するノードと共通にせずに個別に設けている点が異なる。すなわち、実施例1ではホテルA51のノードを地下鉄Aの駅NAX と同じにしていたが、実施例5ではホテルA51と空港50を結ぶ無料送迎バスのリンクの端点のうち、少なくとも一方の起点となる端点(無料送迎バスのサービスを受けられる地点であるホテルA)のノードを新たに設けている。
【0138】
図17は、本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図17では図5と同じく、例えば、公共の交通路線として地下鉄ネットワークA、B、Cからなるリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示し、各地下鉄A、B、Cに設けられたノードとなる各駅を○印、◎印(◎印は地下鉄の乗換え駅)で示している。地下鉄Cの駅NCY を空港50の駅とし、地下鉄Aの駅NAX の真上にホテルA51がある。そして、ホテルAのノードNAXHを設け、そこから空港50まで特定経路ネットワークとして無料送迎バスのリンクL−NAXHCY を張っている。
【0139】
図18は、本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。図18は、図17に示す特定経路ネットワークを構成するL−NAXHCYのリンクデータを示している。
図18に示すように、各特定経路ネットワークのリンクデータは、図6(b)と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。
【0140】
このようにノードを分離することによって、ナビゲーション端末装置20の表示手段25は、出発地などの経路探索条件を設定する際にPOI検索によって出発地などの名称を指定する場合に、検索結果として、リンクL−NAX AX+1 の始端ノードNAXの属性情報を示す「ホテルA」(探索用経路ネットワークDB33に蓄積されている経路ネットワークデータに基づく経路探索条件候補)とリンクL−NAXHCYの始端ノードNAXHの属性情報を示す「ホテルA(無料送迎バス利用)」(特定経路ネットワークDB34に蓄積されている特定経路ネットワークデータに基づく経路探索条件候補)のように2つの出発地候補を表示する構成になっている。そして、入力手段24は、利用者によってこの2つの候補から所望の出発地を選択できる構成になっている。
【0141】
経路探索サーバ30の経路探索手段32は、ナビゲーション端末装置20から送信される出発地、目的地などの経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、探索用経路ネットワークDB33あるいは特定経路ネットワークDB34を参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。
【0142】
このような構成を採用することにより、利用者は出発地、目的地、経由地を設定する際にホテルAには無料送迎バスがあることを知ることができるとともに、積極的に無料送迎バスを使うか否か明確に選択することが可能となる。また、実施例1のように経路探索サーバ30側で対象とする経路ネットワークデータを選択する処理を行う必要がなくなり、経路探索サーバ30の負荷を軽減することができる。
さらに、このように予め利用資格が定められている移動手段の特定経路ネットワークを2箇所以上で探索用経路のネットワークのノードと交わらせないことによって、一般の経路ネットワークからの経路探索の回り込みを防止することができる。
【実施例6】
【0143】
次に、本発明の実施例6の構成について説明する。図19は、本発明の実施例6にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図19において図2の実施例1と同一の構成要素は同一の参照符号を付している。実施例1と異なる点は、実施例6の経路探索サーバ30にインターネットなどのネットワーク12を介して予約管理サーバ40が接続されている点と、実施例4の経路探索サーバ30が個人情報抽出手段391を備えている点である。
【0144】
実施例6における予約管理サーバ40は、旅行の仲介を行う旅行代理店によって管理、運用され、各個人の旅行プランなどを記憶するための利用者情報DB41、予約情報DB42を備えて構成されている。図20は、本発明の実施例6にかかる予約管理サーバが記憶する利用者情報DB41と予約情報DB42の内容の例を示す説明図である。
【0145】
図20(a)は、利用者情報DB41の内容の例を示している。図20(a)に示すように、利用者情報DB41には、利用者ID、利用者の氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、および予約IDの情報が記憶されている。
図20(b)は、予約情報DB42の内容の例を示している。図20(b)に示すように、予約情報DB42には、利用者毎の予約IDに対応した予約情報、例えば、ホテルの予約情報として、宿泊予約ID、ホテルID、客室ID、到着日時、出発日時、および代理店IDがそれぞれ記憶されている。また、交通機関の予約情報として、指定席予約ID、交通機関ID、路線ID、列車ID、座席ID、および代理店IDがそれぞれ記憶されている。
【0146】
これらの利用者情報および予約情報は、旅行代理店に設置された端末から入力されたり、ネットワーク12上に開設された予約ホームページを介して予約管理サーバ40と接続可能なナビゲーション端末装置20からホテルなどの予約を行う際に入力手段24および表示手段25を用いて入力されて、個人情報として利用者情報DB41と予約情報DB42にそれぞれ登録される。
【0147】
予約管理サーバ40は、ホテルなどの施設の予約を受け付けて個人情報を各データベースに登録すると、ナビゲーション端末装置20を経路探索サーバ30と接続させ、経路探索サーバ30によってナビゲーション端末装置20から予約を受け付けた施設までの経路案内を行わせる。
【0148】
個人情報抽出手段391は、経路探索を行う際に予約管理サーバ40の利用者情報DB41および予約情報DB42から提供される個人情報の中から経路探索の対象となっているナビゲーション端末装置20の利用者が登録した個人情報を抽出する。
ネットワークデータ編集手段38は、個人情報抽出手段391によって抽出された個人情報(ホテルIDなど)に基づき、特定経路ネットワークDB34に蓄積されているホテルを予約した利用者のみが利用できる無料送迎バスのネットワークリンクを経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行う。
【0149】
そして、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、予約したホテルに無料バスによる送迎サービスがある場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。
【0150】
なお、上記の実施例6では、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する構成としているが、実施例2と同じく探索用経路ネットワークDB33が予め特定経路ネットワークデータを蓄積して使用許可フラグで所定の特定経路ネットワークデータを使用できるように制御する構成にしてもよい。
【0151】
以上詳細に説明したように、本発明にかかるナビゲーションシステムによれば、経路探索条件に基づき予め利用資格が定められた移動手段が利用できると判断された場合には、当該移動手段の特定経路ネットワークを経路探索の対象とすることができるため、個々の移動手段について利用資格の有無を設定することなく、正しく利用資格が定められた移動手段を含めた経路探索を行うことができるようにしたナビゲーションシステムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明の各実施例においては、ナビゲーション端末装置と経路探索サーバとからなる通信型のナビゲーションシステムとして説明したが、本発明は通信型のナビゲーションシステムに限られることはなく、探索用および特定の経路ネットワークデータの更新が管理可能であれば、ナビゲーション端末装置と経路探索サーバが一体となったスタンドアロンで動作する携帯情報装置に経路ネットワークデータをダウンロードして、携帯情報端末単独で経路案内を行う際に本発明を適用してもよい。
【0153】
また、本発明にかかるナビゲーションシステムは上記の構成に限られるものではなく、ナビゲーション端末装置は、携帯電話だけではなく、ヘッドフォンステレオ等の音楽プレーヤー、携帯可能な小型ゲーム機、PDA等の携帯端末であってもよく、また、経路探索サーバは、歩行者に対するナビゲーション機能の他に自動車用のナビゲーション機能をあわせ持つサーバであってもよい。さらに、ナビゲーションサービス対応でない携帯電話やGPS測位手段を持たない携帯電話であってもよい。GPS測位手段を持たない携帯電話の場合、基地局に対する位置登録により通信エリアの位置情報を取得し、経路探索サーバはこの位置情報を携帯電話から受信して位置を判別すればよい。
【0154】
また、本発明はナビゲーション方法を中心とするから、実施形態には限定されず、携帯電話のナビゲーションアプリで実施しても良いし、パソコンでインターネットに接続したサイトでナビゲーションサービスを提供する際に実施してもよい。
また、無料送迎バスのような利用資格が定められた移動手段を正しく経路探索に加えることができるだけではなく、無料送迎バスのサービスがあることを利用者に伝える効果もあるため、これは一種の宣伝と捉えることもできるため広告収入を得る可能性もある。
【符号の説明】
【0155】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・ナビゲーション端末装置
21・・・・制御手段
22・・・・通信手段
23・・・・位置検出手段
24・・・・入力手段
25・・・・表示手段
26・・・・経路探索要求編集手段
27・・・・案内データ記憶手段
28・・・・個人情報記憶手段
30・・・・経路探索サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・経路探索手段
33・・・・探索用経路ネットワークDB
33−1・・・・道路ネットワーク
33−2・・・・歩行者ネットワーク
33−3・・・・交通ネットワーク
34・・・・特定経路ネットワークDB
34−1・・・・特定経路ネットワーク
35・・・・地図データDB
36・・・・経路案内手段
37・・・・通信手段
38・・・・ネットワークデータ編集手段
39・・・・特定経路利用資格判別手段
391・・・個人情報抽出手段
40・・・・予約管理サーバ
41・・・・利用者情報DB
42・・・・予約情報DB
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者用のナビゲーションシステム、経路探索サーバ、経路探索方法およびナビゲーション端末装置に関するものであり、特に、予め利用資格が定められた移動手段を用いた経路案内を可能とした歩行者用のナビゲーションシステムにおいて、前記予め利用資格が定められた移動手段を用いた経路案内と、それを用いない経路案内とを適切に行うことができるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバ、経路探索方法およびナビゲーション端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られている。
このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
上記カーナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。
【0004】
また、近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、利用者に対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。特に、今までは一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などの搭載が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。このため、その利用技術として車載用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果として経路探索サーバから配信された地図・経路案内を受ける歩行者用の通信型ナビゲーションシステムも実用化されている。
【0005】
歩行者用ナビゲーションシステムは、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、経路探索サーバは徒歩経路探索のための道路ネットワークデータに加えて、交通機関の路線や運行時刻データから作成した交通ネットワークデータを蓄積している。
そして、歩行者用ナビゲーションシステムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、徒歩と交通機関を用いた出発地から目的地までの経路を探索して案内する。
【0006】
歩行と交通機関との組み合わせによる経路探索システムは、例えば、下記の特許文献1(特開2000−258184号公報)に「交通ネットワーク経路探索方法および装置」として開示されている。
上記特許文献1には、歩行区間のリンクを交通ネットワークに組み込み、この歩行経路が組み込まれた交通ネットワークに対して探索処理を行う技術が記載されている。これにより徒歩の区間も含めて最小コストの経路を探索することができる。
【0007】
また、複数の移動手段を利用した経路の探索を行うシステムとしては、下記の特許文献2(特開2005−114370号公報)に「ナビゲーション装置、ナビゲーション方法およびプログラム」として開示されている。この特許文献2には、出発地と目的地を指定することで、出発地、乗車駅(またはバス停留所など)、利用する公共交通機関、降車駅(またはバス停留所)、目的地といった徒歩区間のみならず、公共交通機関を利用する区間も含めてトータルの経路探索を行う技術が記載されている。これにより出発地と目的地とを指定することで、徒歩とバス、徒歩と電車など、複数種類の移動手段を利用する区間経路を組み合わせた経路を探索することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−258184号公報(図4)
【特許文献2】特開2005−114370号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、歩行者用ナビゲーションシステムは、徒歩と公共の交通機関とを考慮したトータルナビゲーションサービスであり、公共の各交通機関の路線データや運行時刻データをデータベース化した交通ネットワークデータを参照して、乗り継ぎを含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示する。また、経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0010】
ところで、公共の交通機関以外にも移動手段として利用することができる交通手段は様々に提供されている。例えば、初めて訪れた海外の空港から予約している宿泊先のホテルへ赴く場合、地理に不案内な旅行者にとってタクシーは公共の交通機関よりも便利で安心な交通手段として利用されている。しかしながら、タクシーを使って予約したホテルまで移動したところ、実はそのホテルと空港とを結ぶ移動手段として無料の送迎バスを利用できるサービスがあったということを後から知らされるといる経験をすることがある。
【0011】
これはホテルの送迎バスサービスがあるという情報の提供が利用者に対して欠如していたためであるが、従来の歩行者用ナビゲーションシステムを利用したとしても、このような無料の送迎バスに対する交通ネットワークデータがナビゲーションシステムに組み込まれていないため、この送迎バスのサービスを利用することはできないという問題がある。
【0012】
ホテルの無料送迎バスのような例は、企業の専用バス、自動車教習所の送迎バス、スポーツ施設・興行施設の送迎バス、イベントの送迎バス、自治体の高齢者専用無料バス、など他にも様々に提供されている。そこで、このような無料の移動手段に対する交通ネットワークデータを構築して、これらのネットワークデータを単に従来の交通ネットワークデータに組み込んで経路探索を行う構成にすることが考えられる。
【0013】
しかしながら、このような構成の場合、探索条件として所要時間よりも所要コスト(運賃)を優先させた利用者であれば誰に対しても最適案内経路として無料の移動手段を用いた経路が案内されてしまうという問題がある。本来、上記無料の移動手段を利用することができるのは、予約したホテルの宿泊者などの特定の施設の利用者や、ある年齢以上の高齢者などの個人的な資格が適合している利用者であることが前提条件であって誰もが利用できるものではない。
【0014】
そこで、ナビゲーションシステムに対して無料の移動手段を利用できる資格があるか否か利用者から入力させることも考えられるが、無料の移動手段が数多く提供されている現状においては利用者に対してそれぞれの移動手段について利用資格の有無を入力させることは負担が大きいため、実施が困難であるという問題がある。
【0015】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、探索用経路ネットワークデータベースだけでなく、予め利用資格が定められた移動手段の特定経路ネットワークデータを蓄積しておき、出発地から目的地までの経路を探索する際、ナビゲーション端末装置から入力された経路探索条件に基づいて該特定経路ネットワークの利用資格の有無を判別し、利用資格がある場合に特定経路ネットワークデータを参照して経路探索を行うことにより、上記問題点を解消し得ることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、予め利用資格が定められた移動手段の利用資格を個々に設定することを必要とせずに、経路探索条件として入力された出発地、目的地、経由地、あるいは利用者の個人情報に基づいて、予め利用資格が定められた移動手段を用いた経路案内と、これを用いない通常の経路案内とを適切に行うことができるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびにナビゲーション端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0019】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項8にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項9にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項8にかかる経路探索サーバにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする。
【0029】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる経路探索サーバにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項12にかかる経路探索サーバにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項15にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバを用いた経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する利用資格判別ステップと、前記利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路探索手段が前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路案内ステップとを有することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする。
【0033】
本願の請求項17にかかる発明は、請求項16にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする。
【0034】
本願の請求項18にかかる発明は、請求項16にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする。
【0035】
本願の請求項19にかかる発明は、請求項15にかかる経路探索方法において、前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする。
【0036】
本願の請求項20にかかる発明は、請求項19にかかる経路探索方法において、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項21にかかる発明は、請求項19にかかる経路探索方法において、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする。
【0038】
また、本願の請求項22にかかる発明は、
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにネットワークを介して接続されるナビゲーション端末装置おいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を前記ナビゲーション端末装置に配信し、
前記ナビゲーション端末装置は、前記経路探索サーバから配信された案内経路を表示する表示手段と、前記特定経路ネットワークデータを経路として利用するための経路探索条件を入力する入力手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、以下の効果を奏することができるようになる。すなわち、請求項1にかかる発明においては、
ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する。
【0040】
このような構成によれば、経路探索条件に基づき予め利用資格が定められた移動手段が利用できると判断された場合には、当該移動手段の特定経路ネットワークを経路探索の対象とすることができるため、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0041】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する。
【0042】
このような構成によれば、経路探索条件のうち出発地、経由地、目的地として設定される地点情報に基づいて特定経路ネットワークの利用資格を判別するものであるから、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0043】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する。
【0044】
このような構成によれば、経路探索条件に含まれる地点情報の施設情報に基づいて利用資格を判別し、該当する特定経路ネットワークデータを選択して経路を探索するものであるから、経路探索条件に利用資格が定められた移動手段を運用する施設情報が設定された場合に、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0045】
請求項4にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する。
【0046】
このような構成によれば、経路探索条件に含まれる地点情報の位置情報に基づいて利用資格を判別し、該当する特定経路ネットワークデータを選択して経路を探索するものであるから、経路探索条件に利用資格が定められた移動手段を運用する位置情報が設定された場合に、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0047】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する。
【0048】
このような構成によれば、経路探索条件に含まれる地点情報と個人情報に基づいて利用資格を判別し、該当する特定経路ネットワークデータを選択して経路を探索するものであるから、特定経路ネットワークの個々の移動手段(路線)について利用資格の有無を設定することなく、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0049】
請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得する。
【0050】
このような構成によれば、所定条件を満たす個人に利用が認められる地方自治体などが運行する特定経路ネットワークについて、利用資格の有無を設定することなく、容易に個人情報を判別することができ、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0051】
請求項7にかかる発明においては、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得する。
【0052】
このような構成によれば、所定条件を満たす個人に利用が認められる特定の施設が運行する特定経路ネットワークについて、利用資格の有無を設定することなく、容易に個人情報を判別することができ、利用資格が定められた移動手段(特定経路ネットワークの交通路線)を含めた経路探索を行うことができるようになる。
【0053】
また、請求項8ないし請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになり、請求項15ないし請求項21にかかる発明においては、それぞれ請求項8ないし請求項14にかかる経路探索サーバを用いた経路探索方法を提供することができるようになる。また、請求項22にかかる発明においては、請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムを構成するナビゲーション端末装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかる経路探索に使用される道路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施例にかかる経路探索に使用される交通ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施例1にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施例1にかかる経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例1にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる探索用経路ネットワークDB33におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施例2にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例3にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例4にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施例4にかかる個人情報登録画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図15】本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークDB34におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図16】発明の実施例4にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。
【図18】本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施例6にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例6にかかる予約管理サーバが記憶する個人情報DB41と予約情報DB42の内容の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0056】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。本発明の実施例にかかるナビゲーションシステム10は、インターネットなどのネットワーク12を介して通信するナビゲーション端末装置20と各種情報を提供する経路探索サーバ30とから構成されている。ナビゲーション端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)20−1などの固定端末や、ノートPC20−2、PDA(Personal Digital Assistant)端末20−3、携帯電話端末20−4のほかに、携帯ゲーム端末や携帯音楽端末などの移動端末を用いることができる。図1に示すように、ナビゲーションシステム10は、ナビゲーション端末装置20と、経路探索サーバ30とがネットワーク12を介して接続され、通信型のナビゲーションシステムとして構成されている。
【0057】
図2は実施例1におけるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
ナビゲーション端末装置20は、歩行者が携帯し、無線により基地局と通信し、基地局を介してインターネットなどのネットワーク12を経由して経路探索サーバ30と接続関係が確立され、移動手段(徒歩あるいは交通機関など)や現在位置または所望の出発地と目的地を経路探索条件として設定して経路探索サーバ30に経路探索要求を送信する。また、経路探索サーバ30は、経路探索条件に従って、探索用経路ネットワークデータを参照し最適経路を探索し、その最適経路を案内経路データ(地図情報、経路探索の結果など)に編集してナビゲーション端末装置20に配信する。
【0058】
ナビゲーション端末装置20は、制御手段21、通信手段22、位置検出手段23、入力手段24、表示手段25、経路探索要求編集手段26、案内データ記憶手段27を備えて構成されている。
制御手段21は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、ROMに格納された制御プログラムによって各部の動作を制御する。
通信手段22は、無線通信ユニットを含み、ネットワーク12を介してインターネットに接続し、経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースであり、インターネット網を介したパケット通信の他、携帯電話基地局との無線通信も行うように構成されている。
【0059】
位置検出手段23は、GPS受信機を備え、GPS衛星信号を受信、処理してナビゲーション端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位する。位置検出手段23で測位されたナビゲーション端末装置の現在位置情報は通信手段22を介して経路探索サーバ30に送られる。位置検出手段23を構成するGPS受信機は、Autonomous(オートノーマス)、MS−Based、A−GPSいずれの方式でも良い。
【0060】
入力手段24は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなり、数字やアルファベットキーを操作し、あるいは、表示手段25に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択して出発地、目的地の情報等の種々の経路探索条件を入力するものである。
表示手段25は、ディスプレイや液晶表示ユニットなどから構成され、経路探索サーバ30から配信された案内経路データに従ってVRAMなどの画像メモリに展開された地図データの画像データを表示し、該案内経路データに設定された案内(ガイド)を表示したり、音声ガイドしたりするものである。また、表示手段25は、メニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、表示された選択ボタン等を操作して所望の操作指示を行う操作手段としての機能を有する。
【0061】
出発地、目的地、出発日時、到着日時などの経路探索条件の設定はこの入力手段24または表示手段25により行われる。出発地、目的地の設定は緯度、経度によって指示するのが一般的であるが、住所や電話番号を入力し、経路探索サーバ30のデータベースで緯度、経度の情報に変換する方法や、ナビゲーション端末装置20に表示されている地図上でポイントを指定し緯度、経度の情報に変換する方法を用いてもよい。また、出発地、目的地の設定は利用者が興味を持っている興味対象場所(Point of Interest:POI)情報によって指示することもできる。
【0062】
POIとは、例えば、ホテル、レストラン、デパート、コンビニ、駐車場、公園、テーマパークなどの店舗、施設が対象となる。POIの名称を入力し、経路探索サーバ30のデータベースで緯度、経度の情報に変換する方法を用いてもよい。さらに、出発地の情報としては、位置検出手段23で測位したナビゲーション端末装置20の現在位置を出発地として、測位地点の緯度、経度の情報を使用することもできる。
【0063】
経路探索要求編集手段26は、入力手段24または表示手段25により設定された出発地、目的地、出発日時、到着日時などの経路探索条件に基づいて経路探索要求を作成し、経路探索サーバ30に送信する。また、位置検出手段23で測位したナビゲーション端末装置20の現在位置の情報に基づいて地図データ要求を作成し、経路探索サーバ30に送信する。
【0064】
案内データ記憶手段27は、経路探索サーバ30から配信された経路探索結果である案内経路データ、地図データ、ガイダンスデータなどの配信データを一時記憶するものであり、これらのデータは必要に応じて案内データ記憶手段27から読み出されてVRAMにビットマップ形式に展開され、表示手段25に表示される。表示手段25に地図を表示する場合、一般的には、位置検出手段23で測位したナビゲーション端末装置20の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション端末装置20の現在位置を示すマークを重ね合わせて該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。
【0065】
測位した位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が案内経路からずれている場合には現在位置を案内経路上に補正するルートマッチング処理が行われる。また、経路探索サーバ30から配信される案内経路データに音声ガイドのデータが付加されている場合は、例えば、交差点や分岐点(案内ポイント)にナビゲーション端末装置20が近づいた際に、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージをスピーカを介して再生出力してユーザをガイドする。
【0066】
ユーザは、ナビゲーション端末装置20において経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、入力手段24を操作してサービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段25に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や徒歩と交通機関併用、自動車など)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。
【0067】
また、ナビゲーション端末装置20は、経路探索サーバ30から案内経路データと地図データを受信するとこれを記憶手段に一時記憶し、ナビゲーション端末装置20の現在位置を示す現在位置マークと、現在位置を含む所定の範囲の地図と、案内経路と、をVRAMに展開して表示手段25に表示する。また、ナビゲーション端末装置20の現在位置が変化し、地図データが不足した場合にはナビゲーション端末装置20は経路探索サーバ30に地図データを要求し、不足している地図データの配信を受ける。
【0068】
一方、経路探索サーバ30は、図2に示すように、制御手段31、経路探索手段32、探索用経路ネットワークDB(データベース)33、特定経路ネットワークDB(データベース)34、地図データDB(データベース)35、経路案内手段36、通信手段37、ネットワークデータ編集手段38、特定経路利用資格判別手段39を備えて構成されている。
制御手段31は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、ROMに格納された制御プログラムによって各部の動作を制御する。
【0069】
経路探索手段32は、ナビゲーション端末装置20から送信される出発地、目的地などの経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、探索用経路ネットワークDB33を参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。このような構成は一般のナビゲーションシステムと同様のものである。
【0070】
探索用経路ネットワークDB33は、経路探索のための経路ネットワークデータを蓄積している。経路ネットワークデータには、自動車用の経路探索のための道路ネットワーク33−1と歩行者用の経路探索のための歩行者ネットワーク33−2を含んでいる。さらに、歩行者が徒歩と電車などの公共の交通機関を併用して移動する場合の経路探索用として、交通路線データや運行時刻データに基づく交通ネットワーク33−3を備えている。
【0071】
カーナビゲーションシステムやなどにおける経路探索のための道路ネットワーク33−1や歩行者ナビゲーションシステムにおける経路探索のための歩行者ネットワーク33−2は以下のように構成されている。
【0072】
図3は、経路探索に使用される道路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図3に示すように、例えば、道路が道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。すなわち、図3において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図3では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0073】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最小になる経路を探索して案内する。すなわち、図3において出発地をノードNAX 、目的地を野ノードNCY として経路探索を行う場合、ノードNAX から道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードNCY にいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最小になる経路を探索して案内する。
【0074】
図3ではノードNAX からノードNCY に至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードNAX からノードNCY に到着する可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最小になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0075】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワーク33−3は以下のように構成されている。
図4は、経路探索に使用される交通ネットワークの構成を説明するための模式図である。図4に示すように、例えば、交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)、リンクコストデータをネットワークデータとしている。図4において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図4では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0076】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図4に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0077】
図4に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0078】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図4において、出発地を交通路線AのノードNAX としてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードNCY を目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0079】
なお、車載用のナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータは、自動車の通行可能な道路のみによって構成され、歩行者専用の道路や車両の進入が禁止されている公園内や駅前広場の通路などの歩行者用道路ネットワークデータは不要である。一方、歩行者用のナビゲーションシステムにおいては、自動車の通行可能な道路ネットワークに加えて前述の歩行者専用の道路や車両の進入が禁止されている公園内や駅前広場の通路などの歩行者用道路ネットワークデータを含んで構成されるが、高速道路など歩行が禁止されている道路のネットワークデータは必要としない。
【0080】
このため、探索用経路ネットワークDB33は、自動車用の道路ネットワーク33−1と歩行者用ネットワーク33−2を備えており、経路探索要求が歩行者用の経路探索要求である場合には、経路探索手段32は歩行者用ネットワークデータを用いて経路探索を行う。経路探索要求が自動車用の経路探索要求である場合には、経路探索手段32は道路ネットワークデータを用いて経路探索を行う。
【0081】
なお、探索用経路ネットワークDB33において、自動車用、歩行者用に共通の道路ネットワークデータと、自動車専用の道路ネットワークデータ、歩行者専用の道路ネットワークデータをそれぞれ蓄積しておき、後述するネットワークデータ編集手段38が経路探索要求に応じて探索用経路ネットワークDB33を編集して経路探索するように構成してもよい。
【0082】
すなわち、歩行者用の経路探索要求である場合には、ネットワークデータ編集手段38が共通のネットワークデータに歩行者専用のネットワークデータを追加する編集を行って経路探索を行うように構成することができる。経路探索要求が自動車用の経路探索要求である場合は、ネットワークデータ編集手段38が共通のネットワークデータに自動車専用のネットワークデータを追加する編集を行って経路探索を行えばよい。電車などの交通機関による移動を併用する場合も同様に交通ネットワークを追加すればよい。
【0083】
特定経路ネットワークDB34は、予め利用資格が定められた移動手段の特定経路ネットワークデータを蓄積している。特定経路ネットワークは以下のように構成されている。
図5は、本発明の実施例1にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図5では図4と同じく、例えば、公共の交通路線として地下鉄ネットワークA、B、Cからなるリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示し、各地下鉄A、B、Cに設けられたノードとなる各駅を○印、◎印(◎印は地下鉄の乗換え駅)で示している。
【0084】
地下鉄Cの駅NCY を空港50の駅とし、地下鉄Aの駅NAX の真上にホテルA51があり、地下鉄Bの駅NBZ を最寄り駅とする近隣にホテルB52がある。そして、特定経路ネットワークとしてホテルA51と空港50を結ぶ無料送迎バスのリンクL−NAX CY とホテルB52と空港50を結ぶ無料送迎バスのリンクL−NBZ CYとが設けられている。
【0085】
図6は、本発明の実施例1にかかる経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。 図6(a)は、図5に示す地下鉄ネットワークを構成する探索用経路ネットワークのリンクデータを示している。 図6(b)は、図5に示す特定経路ネットワークを構成するリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとのリンクデータを示している。
【0086】
図6(a)に示すように、リンクデータは、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。属性情報には、例えば、道路ネットワークを構成するリンクであれば、一般道路や高速道路などの区別を示す道路属性や、交通ネットワークを構成するリンクであれば、電車やバスなどの区別を示す交通機関の路線属性などが含まれる。また属性情報には、リンクの始端あるいは終端に対応する交差点や駅などの区別を示す施設属性などが含まれ。さらに属性情報には、交通ネットワークを構成するリンクであれば、運行時刻を示す時刻表や、運行時間帯と平均コスト(平均運転間隔、平均所要時間)などを含めてもよい。
【0087】
例えば、リンクL−NAX AX+1 に対しては、その属情報性として「地下鉄A」、始端ノードとして「NAX :ホテルA」、終端ノードとして「NAX+1:乗換駅」、リングコストとして「コスト1」が記憶されている。
【0088】
図6(b)は、図5に示す特定経路ネットワークを構成するリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとのリンクデータを示している。図6(b)に示すように、各特定経路ネットワークのリンクデータは、図6(a)と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。
【0089】
例えば、リンクL−NAX CY に対しては、その属性情報として「無料送迎バス」、始端ノードとして「NAX :ホテルA」、終端ノードとして「NCY :空港」、リングコストとして「コストx」が記憶されている。
【0090】
地図データDB35は、ベクター形式で作成された地図データを蓄積している。地図データDB35に蓄積された地図データは、緯度・経度で所定の大きさに区切った単位データ(メッシュデータ)からなり、経路探索サーバ30は経路探索の結果得られた最適な案内経路データをナビゲーション端末装置20に配信するとともに、ナビゲーション端末装置20から受信した現在位置情報(緯度・経度)に基づいて現在位置を含む地図データ、すなわち現在位置を含むメッシュデータを中心にその外周の8つのメッシュデータをナビゲーション端末装置20に配信する。
【0091】
経路案内手段36は、経路探索手段32が探索した最適な案内経路あるいは複数の推奨案内経路のデータに基づいて案内経路データを作成してナビゲーション端末装置20に配信するものである。案内経路データはベクターデータとして作成された案内経路を地図データDB35から読み出された地図データに埋め込む等の編集によって作成されて配信される。作成された案内経路データには、経路探索手段32で探索された案内経路上の出発地、経路の屈曲点、交差点、目的地などのガイドポイントが設定され、それらのガイドポイントの位置座標(緯度・経度)、各ガイドポイントに関連するガイダンス(直進や右左折のガイダンス情報)が含まれる。ナビゲーション端末装置20は、配信された案内経路データと地図データを受信し、地図および案内経路を表示し、ガイドポイントに到着した時点で所定のガイダンスを表示または音声で出力する。
【0092】
通信手段37は、ネットワーク12を介してナビゲーション端末装置20と通信するためのインターフェースであり、ナビゲーション端末装置20から経路探索条件を受信し、また、経路探索手段32で探索した最適な経路探索の結果である案内経路のデータ、地図データ、案内データ等のナビゲーション端末装置20に要求されたデータやサービスに必要な各種情報をナビゲーション端末装置20に配信するためのものである。
【0093】
ネットワークデータ編集手段38は、経路探索時に特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行うものである。ここで、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加するための条件として、経路探索条件として入力された出発地、経由地、目的地の何れかの地点情報が特定経路ネットワークを構成するノードの属性情報と一致しているか判断している。すなわち、ホテルAの名称が出発地、経由地、目的地の何れかに設定された場合に、ホテルAを始端ノードとするリンクL−NAX CY の特定経路ネットワーク(ホテルA51と空港50とを結ぶ無料送迎バス)を経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する。
【0094】
ここで、上記条件に基づいて特定経路ネットワークDB34に蓄積された特定経路ネットワークデータを探索用経路ネットワークDB33に含める構成にすることにより、ホテルAの利用者以外が無料送迎バスの経路(リンクL−NAX CY )を得てしまう不都合を回避している。
【0095】
すなわち、例えば、駅NAX+1 から空港50に行こうとする場合に、NAX+1 からの探索が拡散すると、NAX から無料歓迎バスが出ているため、NAX+1−NAX −NCY の経路が運賃の安い経路として探索される場合があり、ホテルAの利用者のみが利用できる無料送迎バスに乗る経路をそれ以外の人に出力してしまう不都合が生じてしまう。そこで、本発明の実施例1では、ホテルAが出発地、経由地、目的地の何れかに設定された場合のみ、ホテルAに関連した無料送迎バスのリンクL−NAX CY が経路探索に使えるように探索用経路ネットワークDB33に含める構成にしている。
【0096】
そして、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、無料送迎バスを運行している特定の施設(例えば、ホテルA)が出発地、経由地、目的地のいずれかに設定された場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。また、他の位置を出発地、経由地、目的地とした場合には、運賃コストが安くなっても、遠回りする経路は時間コストが高くなり所要時間面で不利になるので、無料送迎バスを誤って使うことがない経路が探索される。
【0097】
次に、本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図7のフローチャートを参照して説明する。図7は、本発明の実施例1にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図7に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0098】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS71の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件として設定された出発地、経由地、目的地のいずれかのデータに基づいて、ステップS72の処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。
【0099】
ステップS72の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS73の処理に進み、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS73の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS74の処理に進み、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS74の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS76の処理に進む。
【0100】
一方、ステップS72の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS75の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。また、ステップS73の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS75の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。同様に、ステップS74の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS75の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。
【0101】
そして、経路探索手段32は、ステップS76の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加された探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
また、ステップS72の判定処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、ステップS73の判定処理において経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、および、ステップS74の判定処理において目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合には、経路探索手段32は、ステップS76の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加されていない探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0102】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS77の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS78の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【実施例2】
【0103】
次に、本発明の実施例2の構成について説明する。図8は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図8において、図2の実施例1と同一の構成要素は同一の参照符号を付している。実施例1と異なる点は、実施例2の探索用経路ネットワークDB33が予め利用資格が定められた移動手段の特定経路ネットワーク34−1を蓄積している点である。
さらに、本発明の実施例2にかかる探索用経路ネットワークDB33におけるリンクデータは以下のように構成されている。
【0104】
図9は、本発明の実施例2にかかる探索用経路ネットワークDB33におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。図9は、図5に示す特定経路ネットワークとしてリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとを含む地下鉄ネットワークのリンクデータを示している。
図9に示すように、各ネットワークのリンクデータは、図6と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。
【0105】
さらに、特定経路ネットワークであるリンクL−NAX CY とリンクL−NBZ CYとに対しては、それぞれのリンクを経路探索の際に使用できるようにするための使用許可フラグが設けられている。すなわち、通常このフラグは無効(off)に設定されており、ホテルAの名称が出発地、経由地、目的地の何れかに設定された場合に、ホテルAを始端ノードとするリンクL−NAX CY の特定経路ネットワーク(ホテルA51と空港50とを結ぶ無料送迎バス)のみを経路探索に使用できるように、このリンクL−NAX CY に対応する使用許可フラグを有効(on)にする。
【0106】
そして、経路探索手段32は、使用許可フラグを有効(on)にされた特定経路ネットワークデータを含む探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、無料送迎バスを運行している特定の施設(例えば、ホテルA)が出発地、経由地、目的地のいずれかに設定された場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。また、他の位置を出発地、経由地、目的地とした場合には、運賃コストが安くなっても、遠回りする経路は時間コストが高くなり所要時間面で不利になるので、無料送迎バスを誤って使うことがない経路が探索される。
【0107】
次に、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図10のフローチャートを参照して説明する。図10は、本発明の実施例2にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図10に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0108】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS101の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件として設定された出発地、経由地、目的地のいずれかのデータに基づいて、ステップS102の処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。
【0109】
ステップS102の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS103の処理に進み、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS103の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS104の処理に進み、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であるかを判定する。ステップS104の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でなければ、ステップS106の処理に進む。
【0110】
一方、ステップS102の判定処理において、出発地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS105の処理に進み、制御手段31は探索用経路ネットワークDB33内の所定の特定経路ネットワークデータの使用許可フラグを有効(on)にする処理を行う。また、ステップS103の判定処理において、経由地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS105の処理に進み、制御手段31は探索用経路ネットワークDB33内の所定の特定経路ネットワークデータの使用許可フラグを有効(on)にする処理を行う。
【0111】
同様に、ステップS104の判定処理において、目的地が無料送迎バスを運行している特定施設であれば、ステップS105の処理に進み、制御手段31は探索用経路ネットワークDB33内の所定の特定経路ネットワークデータの使用許可フラグを有効(on)にする処理を行う。
【0112】
そして、経路探索手段32は、ステップS106の処理において、使用許可フラグを有効(on)にされた特定経路ネットワークデータを含む探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0113】
また、ステップS102の判定処理において出発地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、ステップS103の判定処理において経由地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合、および、ステップS104の判定処理において目的地が無料送迎バスを運行している特定施設でない場合には、経路探索手段32は、ステップS106の処理において、使用許可フラグが無効(off)のままの特定経路ネットワークデータを含む探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0114】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS107の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS108の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【実施例3】
【0115】
次に、本発明の実施例3の構成について説明する。実施例3にかかるナビゲーションシステムの構成は基本的に図2に示す構成と同様であるが、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加するための条件として、経路探索条件として入力された現在位置から所定の範囲に特定経路ネットワークを構成するノードの起点があるか判断している点が異なる。
【0116】
すなわち、経路探索を行う利用者(ナビゲーション端末装置20)の現在位置から所定の範囲(例えば、徒歩で1〜2分の距離)に無料送迎バスの起点であるホテルAがある場合に、ホテルAを始端ノードとするリンクL−NAX CY の特定経路ネットワーク(ホテルA51と空港50とを結ぶ無料送迎バス)を経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する。これは、経路探索条件を入力する際に、出発地などをホテル名といったPOIで指定せずに、位置検出手段23のGPS機能を用いて現在位置を取得して出発地とする場合には、現在位置が緯度・経度で与えられて特定経路ネットワークを構成するノードの属性情報である施設名が判らないためである。
【0117】
そして、上記条件に基づきネットワークデータ編集手段38は、経路探索時に特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行い、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、無料送迎バスを運行している特定の施設(例えば、ホテルA)の近くから経路探索を行った場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。また、他の位置から経路探索を行った場合には、運賃コストが安くなっても、遠回りする経路は時間コストが高くなり所要時間面で不利になるので、無料送迎バスを誤って使うことがない経路が探索される。
【0118】
次に、本発明の実施例3にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図11のフローチャートを参照して説明する。図11は、本発明の実施例3にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図11に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0119】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS111の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件として設定された出発地のデータに基づいて、ステップS112の処理において出発地として設定された現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設があるかを判定する。
【0120】
ステップS112の判定処理において、現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設がなければ、ステップS114の処理に進み、現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設があれば、ステップS113の処理に進む。
ステップS113の処理において、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。そして、経路探索手段32は、ステップS114の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加された探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0121】
一方、ステップS112の判定処理において現在位置から所定の範囲に無料送迎バスを運行している特定施設がない場合には、経路探索手段32は、ステップS114の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加されていない探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0122】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS115の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS116の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【0123】
なお、上記の実施例3では、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する構成としているが、実施例2と同じく探索用経路ネットワークDB33が予め特定経路ネットワークデータを蓄積して使用許可フラグで所定の特定経路ネットワークデータを使用できるように制御する構成にしてもよい。
【実施例4】
【0124】
次に、本発明の実施例4の構成について説明する。図12は、本発明の実施例4にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図12において図2の実施例1と同一の構成要素は同一の参照符号を付している。実施例1と異なる点は、実施例4のナビゲーション端末装置20が個人情報記憶手段28を備えている点である。この個人情報記憶手段28は、ナビゲーション端末装置20を所有する利用者の氏名、性別、住所(自宅位置)、および年齢(生年月日)などのプロフィールを個人情報として記憶している。
これらの利用者を識別する個人情報はナビゲーション端末装置20を使用する際に事前に入力手段24から利用者によって登録され、経路探索サーバ30に対して経路探索を要求すると、経路探索条件とともに経路探索サーバ30に送信されるものである。
【0125】
図13は、個人情報を登録する際にナビゲーション端末装置20の表示手段25に表示される本発明の実施例4にかかる個人情報登録画面の一例を示す図である。図13に示すように、個人情報として、利用者の氏名(姓・名)、性別、生年月日、年齢、現住所、電話番号、電子メールアドレス(Eメール)が含まれている。なお、この個人情報はナビゲーション端末装置20に記憶せず、特定経路ネットワークの路線の運行を管理している管理サーバ(図示せず)に登録しておき、ナビゲーション端末装置20から経路探索サーバ30に経路探索の要求があった場合、経路探索サーバ30から管理サーバにアクセスして登録情報を取得する構成であってもよい。
【0126】
図14は、本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図14では図5と同じく、例えば、公共の交通路線として地下鉄ネットワークA、B、Cからなるリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示し、各地下鉄A、B、Cに設けられたノードとなる各駅を○印、◎印(◎印は地下鉄の乗換え駅)で示している。そして、特定経路ネットワークとして破線で示された所定の地域140内を巡回する高齢者専用の巡回バスの運行ネットワーク141が設けられている。ここで、運行ネットワーク141のリンクを太線で示し、このリンク上に設けられた停留場となるノードを◇印で示している。また、リンク上の地下鉄の駅はバスの停留所も兼ねている。この巡回バスは、破線で示された地域140の自治体によって管理運営されていて、この地域に居住している高齢者だけが無料で乗車できるように運行されている。
【0127】
さらに、本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークDB34におけるリンクデータは以下のように構成されている。図15は、本発明の実施例4にかかる特定経路ネットワークDB34におけるリンクデータの構成の一例を示す図である。図15は、図14に示す特定経路ネットワークとして巡回バスの運行ネットワーク141のリンクデータを示している。
【0128】
図15に示すように、ネットワークのリンクデータは、図6と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。さらに、この運行ネットワークを構成するリンクL−NRM RM+1に対しては、それぞれのリンクを経路探索の際に使用できるようにするため、属性情報としてこの運行ネットワークを利用できる利用者の年齢条件が設けられている。
【0129】
ネットワークデータ編集手段38は、経路探索時にナビゲーション端末装置20から経路探索条件とともに送信されてきた個人情報(住所と年齢)に基づき特定経路ネットワークDB34の運行ネットワークデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行う。すなわち、経路探索を要求した利用者が、図14に示すように、所定の地域140内にある自宅142に住んでいて、運行ネットワーク141で示された高齢者専用の巡回バスの利用が認められた年齢、例えば60歳である場合に、リンクL−NRM RM+1などから構成された特定経路ネットワーク(運行ネットワーク141の巡回バス)を経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する。
【0130】
そして、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、高齢者専用の巡回バスの利用が認められた利用者からの経路探索要求についてのみ自動的に巡回バスを探索対象に含めた経路、例えば、図14に示すように、自宅142に住む60歳以上の利用者に対しては、駅NBW から乗車する巡回バスの運行ネットワーク141も考慮した経路が探索される。
【0131】
次に、本発明の実施例4にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索サーバ30の動作手順について図16のフローチャートを参照して説明する。図16は、本発明の実施例4にかかる経路探索サーバの動作手順を示すフローチャートである。
図16に示す動作手順は、経路探索サーバ30の制御手段31がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0132】
先ず、経路探索サーバ30は、ステップS161の処理において、ナビゲーション端末装置20から経路探索要求を受信すると、経路探索条件とともに送信されてきた個人情報に基づいて、ステップS162の処理において利用者の住居が巡回バスを運行している地域内にあるかを判定する。
【0133】
ステップS162の判定処理において、利用者の住所が巡回バスを運行している地域内であれば、ステップS163の処理に進み、利用者の年齢が巡回バスの利用が認められた年齢条件内(例えば、60歳以上)であるかを判定する。ステップS163の判定処理において、利用者の年齢が60歳以上であれば、ステップS164の処理に進み、ネットワークデータ編集手段38は、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する処理を行う。
そして、経路探索手段32は、ステップS165の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加された探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0134】
一方、ステップS162の判定処理において利用者の住所が巡回バスを運行している地域内でない場合、および、ステップS163の判定処理において利用者の年齢が60歳以上でない場合には、経路探索手段32は、ステップS165の処理において、特定経路ネットワークDB34のデータが追加されていない探索用経路ネットワークDB33のデータを参照して経路探索を行う。
【0135】
以上の処理により、経路探索手段32による経路探索の結果が得られると、ステップS166の処理において経路案内手段36は、案内経路のデータを作成し、ステップS167の処理において通信手段37を介してナビゲーション端末装置20に案内経路データを送信して処理を終了する。
【0136】
なお、上記の実施例4では、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する構成としているが、実施例2と同じく探索用経路ネットワークDB33が予め特定経路ネットワークデータを蓄積して使用許可フラグで所定の特定経路ネットワークデータを使用できるように制御する構成にしてもよい。
また、上記の実施例4では、個人情報はナビゲーション端末装置20を使用する際に事前に入力手段24から利用者によって登録する構成としているが、ナビゲーション端末装置20として携帯電話を用いる場合には、利用者の個人情報は携帯電話を契約する際に携帯電話会社に携帯電話のユーザ情報として登録されているため、携帯電話会社から利用者の個人情報を入手するように構成してもよい。
【実施例5】
【0137】
次に、本発明の実施例5の構成について説明する。実施例5にかかるナビゲーションシステムの構成は基本的に図2に示す構成と同様であるが、特定経路ネットワークDB34に蓄積されている特定経路ネットワークを構成するノードの起点を探索用経路ネットワークDBに蓄積されて経路ネットワークを構成するノードと共通にせずに個別に設けている点が異なる。すなわち、実施例1ではホテルA51のノードを地下鉄Aの駅NAX と同じにしていたが、実施例5ではホテルA51と空港50を結ぶ無料送迎バスのリンクの端点のうち、少なくとも一方の起点となる端点(無料送迎バスのサービスを受けられる地点であるホテルA)のノードを新たに設けている。
【0138】
図17は、本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークの構成を説明するための模式図である。図17では図5と同じく、例えば、公共の交通路線として地下鉄ネットワークA、B、Cからなるリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示し、各地下鉄A、B、Cに設けられたノードとなる各駅を○印、◎印(◎印は地下鉄の乗換え駅)で示している。地下鉄Cの駅NCY を空港50の駅とし、地下鉄Aの駅NAX の真上にホテルA51がある。そして、ホテルAのノードNAXHを設け、そこから空港50まで特定経路ネットワークとして無料送迎バスのリンクL−NAXHCY を張っている。
【0139】
図18は、本発明の実施例5にかかる特定経路ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。図18は、図17に示す特定経路ネットワークを構成するL−NAXHCYのリンクデータを示している。
図18に示すように、各特定経路ネットワークのリンクデータは、図6(b)と同じく、各リンク番号に対して、リンクの始端であるノード(始端ノード)の番号、リンクの終端であるノード(終端ノード)の番号、当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコスト、各ノードの位置情報(緯度・経度)、および各リンクの属性情報が関連付けられてデータ化されている。
【0140】
このようにノードを分離することによって、ナビゲーション端末装置20の表示手段25は、出発地などの経路探索条件を設定する際にPOI検索によって出発地などの名称を指定する場合に、検索結果として、リンクL−NAX AX+1 の始端ノードNAXの属性情報を示す「ホテルA」(探索用経路ネットワークDB33に蓄積されている経路ネットワークデータに基づく経路探索条件候補)とリンクL−NAXHCYの始端ノードNAXHの属性情報を示す「ホテルA(無料送迎バス利用)」(特定経路ネットワークDB34に蓄積されている特定経路ネットワークデータに基づく経路探索条件候補)のように2つの出発地候補を表示する構成になっている。そして、入力手段24は、利用者によってこの2つの候補から所望の出発地を選択できる構成になっている。
【0141】
経路探索サーバ30の経路探索手段32は、ナビゲーション端末装置20から送信される出発地、目的地などの経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、探索用経路ネットワークDB33あるいは特定経路ネットワークDB34を参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。
【0142】
このような構成を採用することにより、利用者は出発地、目的地、経由地を設定する際にホテルAには無料送迎バスがあることを知ることができるとともに、積極的に無料送迎バスを使うか否か明確に選択することが可能となる。また、実施例1のように経路探索サーバ30側で対象とする経路ネットワークデータを選択する処理を行う必要がなくなり、経路探索サーバ30の負荷を軽減することができる。
さらに、このように予め利用資格が定められている移動手段の特定経路ネットワークを2箇所以上で探索用経路のネットワークのノードと交わらせないことによって、一般の経路ネットワークからの経路探索の回り込みを防止することができる。
【実施例6】
【0143】
次に、本発明の実施例6の構成について説明する。図19は、本発明の実施例6にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図19において図2の実施例1と同一の構成要素は同一の参照符号を付している。実施例1と異なる点は、実施例6の経路探索サーバ30にインターネットなどのネットワーク12を介して予約管理サーバ40が接続されている点と、実施例4の経路探索サーバ30が個人情報抽出手段391を備えている点である。
【0144】
実施例6における予約管理サーバ40は、旅行の仲介を行う旅行代理店によって管理、運用され、各個人の旅行プランなどを記憶するための利用者情報DB41、予約情報DB42を備えて構成されている。図20は、本発明の実施例6にかかる予約管理サーバが記憶する利用者情報DB41と予約情報DB42の内容の例を示す説明図である。
【0145】
図20(a)は、利用者情報DB41の内容の例を示している。図20(a)に示すように、利用者情報DB41には、利用者ID、利用者の氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、および予約IDの情報が記憶されている。
図20(b)は、予約情報DB42の内容の例を示している。図20(b)に示すように、予約情報DB42には、利用者毎の予約IDに対応した予約情報、例えば、ホテルの予約情報として、宿泊予約ID、ホテルID、客室ID、到着日時、出発日時、および代理店IDがそれぞれ記憶されている。また、交通機関の予約情報として、指定席予約ID、交通機関ID、路線ID、列車ID、座席ID、および代理店IDがそれぞれ記憶されている。
【0146】
これらの利用者情報および予約情報は、旅行代理店に設置された端末から入力されたり、ネットワーク12上に開設された予約ホームページを介して予約管理サーバ40と接続可能なナビゲーション端末装置20からホテルなどの予約を行う際に入力手段24および表示手段25を用いて入力されて、個人情報として利用者情報DB41と予約情報DB42にそれぞれ登録される。
【0147】
予約管理サーバ40は、ホテルなどの施設の予約を受け付けて個人情報を各データベースに登録すると、ナビゲーション端末装置20を経路探索サーバ30と接続させ、経路探索サーバ30によってナビゲーション端末装置20から予約を受け付けた施設までの経路案内を行わせる。
【0148】
個人情報抽出手段391は、経路探索を行う際に予約管理サーバ40の利用者情報DB41および予約情報DB42から提供される個人情報の中から経路探索の対象となっているナビゲーション端末装置20の利用者が登録した個人情報を抽出する。
ネットワークデータ編集手段38は、個人情報抽出手段391によって抽出された個人情報(ホテルIDなど)に基づき、特定経路ネットワークDB34に蓄積されているホテルを予約した利用者のみが利用できる無料送迎バスのネットワークリンクを経路探索に使用できるように探索用経路ネットワークDB33のデータに一時的に追加する処理を行う。
【0149】
そして、経路探索手段32は、ネットワークデータ編集手段38により特定経路ネットワークデータを追加した探索用経路ネットワークDB33を参照して経路探索を行う。このようにして経路探索を行うと、例えば、予約したホテルに無料バスによる送迎サービスがある場合には、自動的に無料送迎バスを探索対象に含めた経路が探索される。
【0150】
なお、上記の実施例6では、特定経路ネットワークDB34のデータを探索用経路ネットワークDB33のデータに追加する構成としているが、実施例2と同じく探索用経路ネットワークDB33が予め特定経路ネットワークデータを蓄積して使用許可フラグで所定の特定経路ネットワークデータを使用できるように制御する構成にしてもよい。
【0151】
以上詳細に説明したように、本発明にかかるナビゲーションシステムによれば、経路探索条件に基づき予め利用資格が定められた移動手段が利用できると判断された場合には、当該移動手段の特定経路ネットワークを経路探索の対象とすることができるため、個々の移動手段について利用資格の有無を設定することなく、正しく利用資格が定められた移動手段を含めた経路探索を行うことができるようにしたナビゲーションシステムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明の各実施例においては、ナビゲーション端末装置と経路探索サーバとからなる通信型のナビゲーションシステムとして説明したが、本発明は通信型のナビゲーションシステムに限られることはなく、探索用および特定の経路ネットワークデータの更新が管理可能であれば、ナビゲーション端末装置と経路探索サーバが一体となったスタンドアロンで動作する携帯情報装置に経路ネットワークデータをダウンロードして、携帯情報端末単独で経路案内を行う際に本発明を適用してもよい。
【0153】
また、本発明にかかるナビゲーションシステムは上記の構成に限られるものではなく、ナビゲーション端末装置は、携帯電話だけではなく、ヘッドフォンステレオ等の音楽プレーヤー、携帯可能な小型ゲーム機、PDA等の携帯端末であってもよく、また、経路探索サーバは、歩行者に対するナビゲーション機能の他に自動車用のナビゲーション機能をあわせ持つサーバであってもよい。さらに、ナビゲーションサービス対応でない携帯電話やGPS測位手段を持たない携帯電話であってもよい。GPS測位手段を持たない携帯電話の場合、基地局に対する位置登録により通信エリアの位置情報を取得し、経路探索サーバはこの位置情報を携帯電話から受信して位置を判別すればよい。
【0154】
また、本発明はナビゲーション方法を中心とするから、実施形態には限定されず、携帯電話のナビゲーションアプリで実施しても良いし、パソコンでインターネットに接続したサイトでナビゲーションサービスを提供する際に実施してもよい。
また、無料送迎バスのような利用資格が定められた移動手段を正しく経路探索に加えることができるだけではなく、無料送迎バスのサービスがあることを利用者に伝える効果もあるため、これは一種の宣伝と捉えることもできるため広告収入を得る可能性もある。
【符号の説明】
【0155】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・ナビゲーション端末装置
21・・・・制御手段
22・・・・通信手段
23・・・・位置検出手段
24・・・・入力手段
25・・・・表示手段
26・・・・経路探索要求編集手段
27・・・・案内データ記憶手段
28・・・・個人情報記憶手段
30・・・・経路探索サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・経路探索手段
33・・・・探索用経路ネットワークDB
33−1・・・・道路ネットワーク
33−2・・・・歩行者ネットワーク
33−3・・・・交通ネットワーク
34・・・・特定経路ネットワークDB
34−1・・・・特定経路ネットワーク
35・・・・地図データDB
36・・・・経路案内手段
37・・・・通信手段
38・・・・ネットワークデータ編集手段
39・・・・特定経路利用資格判別手段
391・・・個人情報抽出手段
40・・・・予約管理サーバ
41・・・・利用者情報DB
42・・・・予約情報DB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項9】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項8に記載の経路探索サーバ。
【請求項10】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項9に記載の経路探索サーバ。
【請求項11】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項9に記載の経路探索サーバ。
【請求項12】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項8に記載の経路探索サーバ。
【請求項13】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする請求項12に記載の経路探索サーバ。
【請求項14】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする請求項12に記載の経路探索サーバ。
【請求項15】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバを用いた経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する利用資格判別ステップと、前記利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路探索手段が前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路案内ステップとを有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項16】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の経路探索方法。
【請求項17】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする請求項16に記載の経路探索方法。
【請求項18】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする請求項16に記載の経路探索方法。
【請求項19】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の経路探索方法。
【請求項20】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする請求項19に記載の経路探索方法。
【請求項21】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする請求項19に記載の経路探索方法。
【請求項22】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにネットワークを介して接続されるナビゲーション端末装置おいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を前記ナビゲーション端末装置に配信し、
前記ナビゲーション端末装置は、前記経路探索サーバから配信された案内経路を表示する表示手段と、前記特定経路ネットワークデータを経路として利用するための経路探索条件を入力する入力手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション端末装置。
【請求項1】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項9】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項8に記載の経路探索サーバ。
【請求項10】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項9に記載の経路探索サーバ。
【請求項11】
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索することを特徴とする請求項9に記載の経路探索サーバ。
【請求項12】
前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別することを特徴とする請求項8に記載の経路探索サーバ。
【請求項13】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする請求項12に記載の経路探索サーバ。
【請求項14】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする請求項12に記載の経路探索サーバ。
【請求項15】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバを用いた経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、
前記特定経路利用資格判別手段が、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する利用資格判別ステップと、前記利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路探索手段が前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路案内ステップとを有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項16】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の経路探索方法。
【請求項17】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の施設情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする請求項16に記載の経路探索方法。
【請求項18】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含み、利用資格判別ステップにおいて利用資格があると判別された場合、前記経路案内ステップは、前記地点情報の位置情報に基づいて前記特定経路ネットワークデータベースから利用資格がある交通手段の路線を選択して経路を探索する処理を含むことを特徴とする請求項16に記載の経路探索方法。
【請求項19】
前記利用資格判別ステップは、前記経路探索条件に含まれる出発地または経由地または目的地の何れか2つまたは全部の地点情報と、該経路探索条件を設定した利用者の個人情報に基づいて前記特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の経路探索方法。
【請求項20】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の運営管理サーバから取得することを特徴とする請求項19に記載の経路探索方法。
【請求項21】
前記個人情報は、特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線を利用予約する予約管理サーバから取得することを特徴とする請求項19に記載の経路探索方法。
【請求項22】
経路探索のための道路ネットワーク、歩行者ネットワーク、公共の交通機関ネットワークの少なくとも1つを含む経路ネットワークデータを蓄積した探索用経路ネットワークデータベースと、前記探索用経路ネットワークデータベースを参照して経路を探索する経路探索手段と、を備え、指定された経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索サーバにネットワークを介して接続されるナビゲーション端末装置おいて、
前記経路探索サーバは、路線ごとに利用資格が定められた交通手段のネットワークを蓄積した特定経路ネットワークデータベースと、経路探索の際に特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別する特定経路利用資格判別手段と、を備え、前記特定経路利用資格判別手段は、前記経路探索条件から特定経路ネットワークに該当する交通手段の路線の利用資格を判別し、利用資格があると判別した場合、前記経路探索手段は前記特定経路ネットワークデータベースを用いて出発地から目的地までの経路を前記ナビゲーション端末装置に配信し、
前記ナビゲーション端末装置は、前記経路探索サーバから配信された案内経路を表示する表示手段と、前記特定経路ネットワークデータを経路として利用するための経路探索条件を入力する入力手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−217195(P2010−217195A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113070(P2010−113070)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【分割の表示】特願2007−181797(P2007−181797)の分割
【原出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【分割の表示】特願2007−181797(P2007−181797)の分割
【原出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
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