ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび端末装置
【課題】GPS測位手段が現在位置の測位をすることができない経路上のガイダンスポイントにおけるガイダンスを適切に実行できるようにする。
【解決手段】探索用ネットワークデータ317は、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、案内経路データ作成手段314は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し端末装置20に配信する。端末装置20はガイダンス実行ポイント制御手段214を備え、リンクの属性データに基づいてガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、GPSによる測位が不可能な位置にある場合、ガイダンス実行ポイント制御手段214は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスを実行する。
【解決手段】探索用ネットワークデータ317は、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、案内経路データ作成手段314は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し端末装置20に配信する。端末装置20はガイダンス実行ポイント制御手段214を備え、リンクの属性データに基づいてガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、GPSによる測位が不可能な位置にある場合、ガイダンス実行ポイント制御手段214は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスを実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS測位手段を備えた携帯電話などの端末装置を用いた通信型のナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび端末装置に関するものであり、特に、自動車の助手席に同乗した利用者が端末装置を使用してナビゲーションサービスを受ける場合に、GPS測位手段が現在位置の測位をすることができない経路上のガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを適切に実行することができるように構成したナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、見知らぬ土地において目的地となる場所を訪れる場合、地図帳等を頼りに当該地図に描かれた交通機関、道路やランドマーク及び住所を確認しながら目的地に到達していた。また、カーナビゲーションシステム(以後単にカーナビと言う)を搭載した自動車においては、該カーナビを起動して目的地を入力することによりナビゲーションシステムからモニタ画面に表示される案内や音声出力される案内(ナビゲーション情報)を得ながら目的地に到達していた。
【0003】
上記カーナビは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。特に、現在は一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などの搭載が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。
【0004】
このような測位機能を有する端末装置の利用技術としては、種々の分野の技術が提案されており、例えば、自動車用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を経路探索サーバから配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムが提案されている。
【0005】
近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、また、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、ユーザに対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。ナビゲーションサービスもその1つであり、自動車の運転者のみならず携帯電話ユーザに対して現在位置から目的地までの経路案内を提供する通信型のナビゲーションシステムが実用化されている。このようなシステムにおいては、車載型のナビゲーションシステムを搭載していなくても、助手席に同乗した利用者が携帯電話を利用して手軽に経路案内を受け、運転者をナビゲーションすることができる。
【0006】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を経路探索サーバに送り、経路探索サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0007】
経路探索サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして蓄積した経路探索用の道路ネットワークデータを備えている。そして、経路探索サーバは、道路ネットワークデータを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって、最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0008】
上記のような道路ネットワークデータを用いて経路探索して得た、出発地から目的地までの経路のうち、経路の累計コスト(距離または時間)が最小となる経路が最適な案内経路として決定され、案内経路データが作成される。案内経路データには、最適経路のデータの他に地図データ、ガイダンスデータが含まれ、案内経路データは必要に応じて案内データ記憶手段から読み出され表示手段に表示される。
【0009】
一般的には、ナビゲーション装置が有するGPS受信機を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。ナビゲーションシステムが音声案内機能を有する場合には、ガイダンスデータは音声データであり、音声出力により利用者へのガイダンスが行われる。
【0010】
ナビゲーション装置は、経路探索の結果配信された案内経路や現在位置を含む地図を表示手段に表示して利用者を案内する。その際、地図および案内経路とともに、自身の現在位置を示す現在位置マーク、自身の進行方向を示す進行方向マーク、地図の方位を示す方位マークなどが重ね合わせて表示される。地図は所定の緯度、経度の間隔でメッシュ状の単位地図に区分されており、現在位置を中心にその外周の9枚分の単位地図が端末装置に送られる。現在位置が移動して表示すべき単位地図が不足すると経路探索サーバに配信を要求する。
【0011】
また、案内経路上の交差点などのガイダンスポイントノードの手前で右左折などのガイダンスを音声出力により行うナビゲーションシステムは下記の特許文献2(特開平4−320291号公報)に「車載ナビゲータ」として開示されている。この車載ナビゲータにおいては、ガイダンスを音声出力する出力ポイントを、交差点までの距離によって複数設定しておき、車両がガイダンスポイントである交差点に接近し、車両が設定された出力ポイントを通過する都度、複数回にわたって当該交差点での進行方向(直進や右左折)を音声で案内するように構成したものである。これによって利用者は、ある出力ポイントでのガイダンスを聞き漏らしても、次のガイダンスに注意を払えばよく利便性が高まる。
【0012】
通信型のナビゲーションシステムにおいて、案内経路やガイダンスポイントおよびガイダンスデータ(音声データ等)の配信方法は種々の形態をとり得るが、例えば、下記の特許文献3(特開2005−134209号公報)に開示された「経路案内システム」は、経路探索サーバが携帯端末から送信された経路探索条件に従って案内経路を探索し、経路作成手段がガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成し、出発地から目的地までの案内経路を一括して携帯端末に送信し、地図データは携帯端末からの地図要求に基づいて地図情報送信手段が携帯端末に送信するように構成している。
【0013】
すなわち、上記特許文献3に開示されたナビゲーションシステムにおいては、経路探索サーバから携帯端末に経路データと地図データを別々に配信し、携帯端末は地図表示に必要な地図データに不足が生じた場合に、経路データから当該経路を含む単位地図の配信を経路探索サーバに要求することができる。通常、地図データは現在位置を含むメッシュ状の単位地図データを中心として上下左右の9つのメッシュ状単位の地図データが携帯端末に配信される。
【0014】
このように案内経路データと地図データとを別にして携帯端末に配信する構成によれば、携帯端末は案内経路のデータから案内経路全体を知ることができ、携帯端末の移動に伴って地図データが不足する場合、進行方向にそった不足地図のみをサーバに要求することができ、経路探索サーバと携帯端末間での地図データ配信に伴う通信負荷を増大させることなく、ガイドポイントにおける案内が可能になる。
【0015】
一般に携帯電話を通信型のナビゲーションシステムの端末装置として用いる場合、測位手段としてGPS受信機を備え、GPS衛星信号を受信して端末装置の現在位置(緯度・経度)を算出する。車載用のナビゲーション装置においては加速度センサ、舵角センサ、車速センサ、磁気コンパスなどの各種センサを備えた自律航法手段を備えており、GPS衛星信号を受信できないトンネル内や地下道路あるいは高層ビルが立て込みマルチパスの影響で測位精度が低下する場所においても自律航法手段により現在位置を測位することができる。
【0016】
しかしながら、携帯電話などの端末装置は自律航法手段を備えていないものが殆どであり、トンネル内、地下道路などGPSによる測位手段が機能しない場所においては現在位置を測位することができない。ガイダンスの実行ポイントや経路探索サーバから配信を受ける地図の範囲は、端末装置が測位した現在位置を基準にしている。このため、GPSによる測位ができない地点では、現在位置が把握できなくなるため、ガイダンスの実行や地図の受信に障害を来す。同様の問題は端末装置が通信圏外に位置し、経路探索サーバとの通信が不能になるような場合にも生じる。
【0017】
このような問題に対応するため、例えば下記の特許文献4(特開2004−364223号公報)には、ナビゲーションシステムなどにおいて定期的に端末装置の現在位置を収集し、端末装置が通信圏外になることを予め報知する通信圏外予告サーバを備えた移動通信システムが開示されている。
【0018】
また、下記の特許文献5(特開2002−323324号公報)には、端末装置が通信圏外になる場合を想定して予め広範囲をカバーする地図データを経路探索サーバから受信しておくようにしたナビゲーション装置が開示されている。
【0019】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開平4−320291号公報(段落[0030])
【特許文献3】特開2005−134209号公報(図2、段落[0006]、[0007]、[0013]、[0014])
【特許文献4】特開2004−364223号公報(図1)
【特許文献5】特開2002−323324号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
さきに述べたように車載型のナビゲーションシステムにおいては自律航法手段を備えており、GPS測位が不能な場所であっても自律航法手段で現在位置を推定することができる。しかしながら携帯電話などの端末装置は自律航法手段を備えていないものが殆どであり、トンネル内、地下道路などGPSによる測位手段が機能しない場所においては現在位置を測位することができない。GPS測位ができない環境としては、上記のトンネル内や地下道路の他に建築施設の道路やビルに囲まれた幅員の狭い道路などがある。
【0021】
経路探索の結果、案内経路のデータとともに配信されたガイダンスポイントのノードに接近してガイダンス実行ポイントに到達する都度、音声案内などにより右折や左折のガイダンスを受ける場合、測位手段によって測位した現在位置がガイダンス実行ポイントに到達したか否かによってガイダンスが実行される。このため、トンネル内や地下道路などGPSによる測位が不能な道路上にガイダンス実行ポイントがある場合にはガイダンスを実行できないという問題点が生じる。端末装置において不足した地図データの配信を受ける場合にも同様の問題が生じる。
【0022】
図12はこのような問題が生ずる案内経路を模式的に示す図である。図12においてリンクL0は端末装置が移動中(助手席ナビゲーションを受け走行中)のリンクであり、リンクL0はノードN0から点線で示すトンネル区間TのリンクL1に続いている。そしてトンネル区間T内に分岐ノードN1があり、右方向のリンクL3に進行するか、左方向のリンクL2に進行するかを案内するガイダンスが必要なポイント、すなわち、ガイダンスポイントノードGPN1として設定されている。リンクL0とノードL1の左側にはガイダンスポイントノードGPN1の手前の所定距離の地点GP1〜GP3が複数示されており、この地点GP1〜GP3(ガイダンス実行ポイント)に端末装置が到達した時に音声案内などの手段で右折または左折のガイダンスが実行される。
【0023】
ガイダンス実行ポイントは、走行中の道路(リンク)が高速道路であるか、一般道路であるか、その道路属性によって定められており、高速道路ではガイダンスポイントノードの手前5km、2km、1km、700mがガイダンス実行ポイントとして設定されている。同様に国道においては、次のガイダンスポイントノードの手前2km、1km、500m、300mがガイダンス実行ポイントとして設定され、一般道路においては、2km、1km、500m、200mがガイダンス実行ポイントとして設定されている。
【0024】
トンネル区間Tに入る前の2km地点のガイダンス実行ポイントGP1では現在位置が取得できるので端末装置はガイダンスを実行することができる。しかし、トンネル区間T内ではGPS測位手段による現在位置情報が取得できないため、トンネル区間T内に入ると現在位置がわからず、端末装置は1km地点のガイダンス実行ポイントGP2、500m地点のガイダンス実行ポイントGP3に到達したか否かを判断できず、ガイダンスを実行することができなくなるという問題点を生ずる。
【0025】
2km地点のガイダンス実行ポイントGP1では、例えば「2km先、分岐左方向です」という音声案内が出力される。1km地点のガイダンス実行ポイントGP2では同様に「1km先分岐左方向です」、500m地点のガイダンス実行ポイントGP3では「まもなく分岐左方向です」というガイダンスの実行が設定されているが、ガイダンス実行ポイントGP2、GP3では音声案内を出力することができない。
【0026】
しかしながら上記特許文献4、特許文献5などに開示されたナビゲーションシステムでは端末装置が通信圏外になることを検出し、広範囲の地図情報などを予め受信しておくよう配慮しているものの、GPSによる現在位置が取得できない場合について考慮されたものでなく、上記の問題点を解消することはできないシステムであった。
【0027】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、リンクデータにリンクごとにGPS測位が可能なリンクであるか、不可能なリンクであるかを示す属性情報を付加しておき、この属性情報に基づいてガイダンスポイントが設定されたノードおよび当該ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な位置か否かを判定し、ガイダンス実行ポイントを移動し、もしくは、GPS測位手段によらず現在位置を推定してガイダンスを実行するように構成すれば上記問題点を解消し得ることに想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0028】
すなわち、本発明は前述の問題点を解消することを課題とし、GPS測位手段が現在位置の測位をすることができない経路上のガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを適切に実行することができるように構成したナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【0031】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする。
【0035】
また、本願の請求項7にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバであって、前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加して配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置であって、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とする。
【0036】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる端末装置において、
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項7にかかる端末装置において、
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする。
【0038】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項7ないし請求項8の何れかにかかる端末装置において、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0039】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項7ないし請求項8の何れかにかかる端末装置において、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0040】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項7ないし請求項8の何れかにかかる端末装置において、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項13にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバであって、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記案内経路データ作成手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し案内経路データを作成することを特徴とする。
【0042】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする。
【0043】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項13または請求項14にかかる経路探索サーバにおいて、
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0044】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項13または請求項14にかかる経路探索サーバにおいて、
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0045】
請求項1にかかる発明においては、経路探索サーバはGPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、案内経路データに属性情報を付加して端末装置に配信する。端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行する。
これによって、GPS測位手段から現在位置を取得できなくても予定されたガイダンス実行ポイントを調整し経路の案内を実行することができるようになる。
【0046】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集する。これによって、例えば分岐がトンネル内にある、トンネルを出て直ぐに分岐がある等、利用者がガイダンスポイントノードの状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。
【0047】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示する。これによって、GPS測位ができない場所、すなわち、端末装置が基地局と通信できない場所において、経路探索サーバから地図を取得できない状態でも、経路の案内をすることができるようになる。
【0048】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0049】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって、ガイダンスが必要なノード(ガイダンスポイントノード)がGPS測位不可能なリンクを出て直ぐの場所にあった場合に、当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所にあっても、当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0050】
また、請求項6にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行う。これによって予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、外部から取得したリンク走行速度から走行距離を推定し、その位置を推定して予定されたガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0051】
また、請求項7ないし請求項12にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項6の発明にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
【0052】
また、請求項13にかかる発明においては、前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し、前記案内経路データ作成手段は、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記案内経路データ作成手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し案内経路データを作成する。
これによって、予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、経路探索サーバ側において案内経路データ上で当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0053】
また、請求項14にかかる発明においては、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、案内経路データ作成手段は、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集する。これによって、例えば分岐がトンネル内にある、トンネルを出て直ぐに分岐がある等、利用者がガイダンスポイントノードの状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。
【0054】
また、請求項15にかかる発明においては、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、経路探索サーバによって当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0055】
また、請求項16にかかる発明においては、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって、ガイダンスが必要なノード(ガイダンスポイントノード)がGPS測位不可能なリンクを出て直ぐの場所にあった場合に、当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所にあっても、経路探索サーバによって当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0057】
本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム10は、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク12を介して接続される端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。経路探索サーバ30は端末装置20から要求された経路探索条件(出発地、目的地)をもとに最適経路を探索する。そして探索した案内経路と交差点などに設定したガイダンスポイントにおける音声ガイダンスを端末装置20に提供するため、音声データを蓄積した音声データ(DB)のデータベース318を備えている。
【0058】
また、経路探索サーバ30は、制御手段311、通信手段312、配信データ編集手段313、案内経路データ作成手段314、地図データ(DB)315、経路探索手段316、探索用ネットワークデータ317、道路ネットワークデータ317A、歩行者ネットワークデータ317Bなどを備えて構成されている。
【0059】
制御手段311は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段312は、ネットワーク12を介して端末装置20と通信するためのインターフェースである。経路探索手段316は端末装置20から送信された経路探索条件に従って探索用ネットワークデータ317を参照して最適経路を探索する。
【0060】
道路ネットワークデータ317Aには歩行者専用道路や公園内など車両進入禁止区域の道路データは含まれておらず、歩行者ネットワークデータ317Bには高速道路など歩行者通行禁止の道路データは含まれていない。探索用ネットワークデータ317のデータ構成については後述する。
【0061】
案内経路データ作成手段314は経路探索の結果得られた案内経路にガイダンスポイントを設定し、音声データ(DB)318を参照して、音声各ガイダンスポイントにおけるガイダンスを構成する単位音声データの識別IDを抽出し、案内データとして作成する。案内経路データ作成手段314により作成された案内経路、ガイダンスのデータは地図データ(DB)315から取得した地図データとともに配信データ編集手段313により端末装置20に配信するためのデータに編集され、通信手段312を介して端末装置20に配信される。
【0062】
一方、端末装置20は例えば携帯電話などの携帯端末装置であり、制御手段211、GPS測位手段212、リンク属性判定手段213、ガイダンス実行ポイント制御手段214、経路探索要求手段215、ガイダンスデータ要求手段216、通信手段218、配信データ記憶手段219、スピーカなどからなる音声出力手段220、ガイダンス編集手段221、表示手段222、液晶表示パネルなどからなる操作・入力手段223などを備えて構成されている。
【0063】
制御手段211は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段223は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力手段ためのものであり、出力手段である表示手段222に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段222は操作・入力手段223の一部としても機能する。通信手段218は、ネットワーク12を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0064】
利用者が経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、操作・入力手段223を操作し、サービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段222に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や自動車)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。出発地として現在位置を選択するとGPS測位手段212が測位した現在位置が出発地として使用される。
【0065】
経路探索要求手段215は、入力された経路探索条件を経路探索サーバ30に送信するデータに編集し、通信手段218を介して経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30から配信された案内経路、地図、ガイダンスデータなどの配信データは配信データ記憶手段219に一時記憶される。これらの配信データは必要に応じて配信データ記憶手段219から読み出され、表示手段222に表示される。表示に際しては、GPS測位手段212が測位した現在位置が地図上に案内経路などとともに現在位置マークとして重ね合わせて表示される。
【0066】
音声データ(DB)318に蓄積された音声データは、図2に示すように、ガイダンスポイントにおいてガイダンスする音声データ(話者が発生した音声を録音したアナログ音声データ)を単位音声データに分解し、単位音声データごとに識別ID(識別符号)を付してデータ名とともに蓄積されている。例えば「この先200m、〇〇通り、△丁目交差点、右折して下さい」というガイダンスは識別ID[0001]、[0008]、[0006]、[0002]で特定される単位音声データをこの順に再生することによって行うことができる。
【0067】
経路探索サーバ30は端末装置20に地図データ、案内経路データを配信する際、案内経路の交差点などガイダンスを行うノードをガイダンスポイントノードとして設定し、各ガイダンスポイントノードごとに、そのガイダンスポイントノードにおいてガイダンスとして出力する音声データを配信する際、音声データそのものでなく単位音声データごとの識別ID(識別符号)を配信する。ガイダンスが実行されるポイントは先に説明したようにガイダンスポイントノードの手前の所定距離ごとに複数箇所の実行ポイントが設定されている。経路探索サーバ30から端末装置20に配信されたデータは配信データ記憶手段218に記憶される。
【0068】
端末装置20は案内経路のデータとともに配信されるすべての単位音声データの識別IDを一時記憶しておき、当該ガイダンスポイントノードに接近しガイダンス実行ポイントに到達した時点で必要になる識別IDを経路探索サーバ30に送り該当する単位音声データの配信要求を行い、単位音声データそのもののダウンロードを行い、その音声データを再生する。従って、案内経路データ配信の際には音声データそのものを配信せず識別IDを配信するだけであるからネットワークの通信負荷を増大させることがない。
【0069】
また、出発地から目的地までの案内経路が長く、ガイダンスポイントが多数あっても、ガイダンスポイントごとに音声データの識別IDが配信されるだけであるから、通信量を増大させることなく配信可能であり、端末装置20の記憶容量が小さいものであっても十分に記憶しておけるデータ量である。そして、ある音声データはあるガイダンスポイントノードに接近した時のみ必要になるものであるから、ガイダンスデータ要求手段216は、ガイダンスポイントに接近して必要になった時点で識別IDを特定して音声データそのものを経路探索サーバ30からダウンロードして使用し、ガイダンスが終了したら識別IDとダウンロードした単位音声データを破棄(削除)していけば、少ない容量の記憶装置を使用していても音声ガイダンスを行うことができる。
【0070】
なお、端末装置20の一時記憶装置の記憶容量が十分大きければ、予め次のガイダンスポイントノードに関するガイダンスデータそのものを経路探索サーバ30から配信を受け記憶しておく構成であってもよい。
【0071】
経路探索サーバ30は経路探索用のネットワークデータを蓄積したデータベースである探索用ネットワークデータ317を備えており、端末装置20から要求された経路探索条件(出発地、目的地など)に従って探索用ネットワークデータ317を参照して最適経路を探索し、当該最適経路のデータを端末装置に配信する。
【0072】
探索用ネットワークデータの概念については後述するが、先に概略を説明したように、道路をノードとリンクで表現し、リンクコストを用いて経路の距離、所要時間を算出するものであり、リンクデータは図3に示すようにリンク番号、リンクの始端であるノードの番号(始端ノード)リンクの終端であるノードの番号(終端ノード)当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコストが対応付けてデータ化される他、各リンクごとにGPS測位が可能か否かを示す属性情報が記憶されている。
【0073】
図3は図12に示した経路におけるリンクデータを示しており、リンクL0はGPS測位が可能であることを示し、トンネル区間TのリンクL1〜L3はGPS測位が不可能であることが属性情報として記録されている。なお、図3においては図示を省略しているが属性情報には高速道路、一般道路の区別を示す道路属性の情報も記憶されており、これによって端末装置20はガイダンス実行ポイントを決定することができる。
【0074】
端末装置20に配信される最適経路のデータは、案内経路データ作成手段314によって経路の順にノード、リンク(リンクの属性情報を含む)を並べた案内経路データが作成され、配信データ編集手段313においてガイダンスの必要なノードにはガイダンスポイントが設定され、当該ガイダンスポイントノードごとに残り距離、右折や左折を案内するガイダンスデータ(前述の音声案内のデータなど)が付加されて端末装置20に配信される。
【0075】
従って端末装置20は、次に接近するガイダンスポイントノードの前後のリンクの属性を調べることによって、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、いてGPS測位不可能な位置にあるか、および、ガイダンス実行ポイントの地点がGPS測位可能な位置にあるか、いてGPS測位不可能な位置にあるかを予め知ることができる。
【0076】
本実施例1においては、図12において示した経路のように、ガイダンスポイントノードとして設定されたノードN1に接続している入りリンクL1属性がGPS測位不能なリンクであることがわかったら、ガイダンス実行ポイントを設定された地点より手前、GPS測位可能な地点に移動してガイダンスを実行するように制御する。図12の場合、図4に示すようにトンネル区間Tに入る手前の地点、すなわちリンクL0の終端であるノードN0の手前にガンダンス実行ポイントを移動する制御を行う。
【0077】
図4は、図12に示す経路において上記のようにしてガイダンスを実行する概念を説明するための模式図である。図4に示すように端末装置20が次のガイダンスポイントが設定されたノードN1に接近すると、リンク属性判定手段213がノードN1に接続されているリンクL1の属性情報を判別し、リンクL1がGPS測位不能であることがわかる。また、ノードN1の前後のリンク(L1とL2、L3)の属性からノードN1がGPS測位不能な場所にあることもわかる。そして、ガイダンス実行ポイントGP1がGPS測位可能なリンクL0上にあり、ガイダンス実行ポイントGP2とGP3がGPS測位不能なリンクL1上にあることがわかる。なお、ノードN0はトンネル区間Tの入り口のノードである。
【0078】
ガイダンス実行ポイントGP1はトンネル区間Tの手前にあり、ガイダンス実行ポイントを移動する必要はない。この地点GP1でガイダンスする音声案内は図12で説明したのと同様「2km先、分岐左方向です」というガイダンスでもよいが、トンネル区間内での分岐であることがわかるから、例えば、「2km先、トンネル内分岐左方向です」のようにガイダンスを編集して案内すれば利用者にとって状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。このようなガイダンスの編集はガイダンス編集手段221によって行う。
【0079】
ガイダンス実行ポイントGP2、GP3の位置ではGPS測位手段212が測位不能で現在位置がわからないのでガイダンスを実行できない。そこで、端末装置20はガイダンス実行ポイント制御手段214がガイダンス実行ポイントGP2〜GP3を移動させる。トンネル区間Tに入る手前の地点、すなわちリンクL0の終端であるノードN0の手前にガンダンス実行ポイントを移動する制御を行う。そしてガイダンス編集手段221は、ガイダンスを「まもなく分岐左方向です」という音声案内から「トンネル内分岐左方向です」という音声案内に編集して出力する。
【0080】
このように、ガイダンス実行ポイントをGPS測位が可能な位置に移動することにって、端末装置20においてGPS測位手段212が測位した現在位置情報を取得して、当該移動されたガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスが実行できるようになる。実行されるガイダンスの内容は、ガイダンス編集手段によりわかり易く、またガイダンスポイントノードの場所の特徴を含む内容に編集されるため、利用者にとって状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。
【0081】
このようなガイダンス実行ポイントの制御を行えば、図5のようにガイダンスポイントノードN3がトンネル区間Tを出て直ぐの位置にある場合にも対応することができる。図5に示す経路はリンクL5とリンクL7の途中にトンネル区間Tで示すリンクL6があり、トンネル区間Tを出てすぐの分岐ノードN3においてリンクL8とリンクL9に分岐している。ノードN3は左方向のリンクL8または右方向のリンクL9の何れに進行するかを案内する必要があるため、ガイダンスポイントノードGPN3の設定がなされている。
【0082】
図5の経路の場合、図4の経路と同様にガイダンス実行ポイントGP1はトンネル区間Tの手前にあり、ガイダンス実行ポイントを移動する必要はない。この地点でガイダンスする音声案内はノードN3がトンネル区間T内でなく、トンネル区間Tを出てすぐであるから、ガイダンス編集手段221は、例えば、「2km先トンネルの出口、すぐに分岐左方向です」のようにガイダンスを編集して案内する。このような編集によって利用者にとって状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。なお、図5においてノードN1、N2はそれぞれトンネル区間Tの入り口、出口のノードである。
【0083】
ガイダンス実行ポイントGP2、GP3の位置ではGPS測位手段212が測位不能であり、現在位置がわからないのでガイダンスを実行できない。そこでガイダンス実行ポイント制御手段214はガイダンス実行ポイントをトンネル区間Tの入り口に移動する。そしてガイダンス編集手段221は、ガイダンスを「トンネルの出口、すぐに分岐左方向です」という音声案内に編集して出力する。
【0084】
以上のガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集処理は、案内経路を走行中にガイダンスが設定されたノードに接近するごとに逐次処理してもよく、端末装置20が経路探索サーバ30から案内経路データを受信した後、案内経路上のすべてのガイダンスポイントノードについて予め処理を行って案内経路データを編集し、編集された案内経路データに従って経路案内を行ってもよい。
【0085】
先に述べたように経路案内は、表示手段222に地図、案内経路、現在位置マークを表示することによって行う。本実施例のようにリンクの属性により案内経路の各リンクがGPS測位可能なリンクであるか、GPS測位不可能なリンクであるかを判定することができると、GPS測位が不可能なリンクを走行中に経路探索サーバ30から既に配信されている地図が不足した場合、新たな地図データの配信を受けることができないケースが生じても、地図を使用することなくガイダンスを実行することができる。
【0086】
すなわち、図6はガイダンスポイントノードにおけるガイダンスを、地図を用いることなく表示する画面の構成の一例を示す図である。すなわち、この表示画像は図6に示すようにガイダンスポイントノードにおけるガイダンスを示す大きな矢印画像がガイダンス画像614として表示される。現在位置からガイダンスポイントまでの距離は文字画像616とバー表示617およびトータル走行距離のバー表示619によって表示される。従って、この表示モードの動作状態にある時は、端末装置30は、地図のデータが不足しても経路探索サーバ20に新たな地図のデータを要求する地図送信要求を送る必要がない。
【0087】
表示画面の画面構成上、最も大きな表示領域を占める画像は背景画像618であり、利用者があえて注視する必要のない画像である。この背景画像618の表示色を、現在位置からガイダンスポイントノードまでの距離に応じて変化させるように構成した点が本表示画像の特徴点である。背景画像618は地図や道路でなく、道路をイメージさせる擬似的な3次元画像とすることができ、利用者が表示画像を一瞥した時あたかも道路上を走行している感覚を与えることができる。GPS測位手段212による現在位置取得ができている場合とできていない場合とで背景画像618の表示色を異ならせて区別できるように表示してもよい。例えば、現在位置取得ができている場合は背景画像618を赤で表示し、現在位置取得ができていない場合は、背景画像618を灰色や黒で表示して利用者が区別できるにように表示する。
【0088】
経路探索サーバ30における探索用ネットワークデータ317において、歩行者あるいは自動車による経路を探索するための道路ネットワークデータ317A、歩行者ネットワークデータ317Bは、以下のように構成されている。例えば、道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータでと構成される。
【0089】
すなわち、図7において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0090】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0091】
図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。従って、探索された案内経路は利用者を案内(誘導)するノードおよび/またはリンクの順として表現される。
【0092】
次に、以上説明した本実施例のナビゲーションシステム10におけるガイダンスの実行手順について図8に示すフローチャートに基づいて説明する。図8に示すフローチャートにおいて、案内経路のデータは経路探索サーバ30から端末装置20に配信され配信データ記憶手段218に記憶されており、現在位置に従った地図などが表示手段220に表示され、経路案内中であるものとする。
【0093】
先ず、ステップS10の処理においてGPS測位手段212が測位した現在位置の情報を取得する。次いでステップS11の処理において現在位置が目的地に到達したか否かが判定される。現在位置に到達していれば処理を終了し、現在位置が目的地に到達していなければステップS12の処理に進む。
【0094】
ステップS12の処理においては、ガイダンスが設定されたガイダンスポイントノード(図4におけるN1、図5におけるN3など)に現在位置が接近したか否かが判定される。ガイダンスポイントノードに接近していなければステップS10の現在位置取得の処理に戻り、ガイダンスポイントノードに接近していればステップS13の処理に進む。
【0095】
ステップS13の処理においては、リンク属性判定手段213が接近したガイダンスポイントノードの手前のリンクや先のリンクのリンク(図4のL0、L1、L2、L3や図5のリンクL6、L7、L8、L9)の属性情報を調べ、ガイダンスポイントノードが特定の属性条件であるか否かが判定される。具体的には、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、GPS測位不可能な位置にあるかが判定される。
【0096】
ガイダンスポイントノードがGPS測位不可能な位置にある場合はステップS14の処理に進み、GPS測位可能な位置にある場合はステップS17の処理に進む。ステップS14の処理においては、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS20に進み各ガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスが実行される。
【0097】
ステップS14の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS15の処理においてガイダンス実行ポイントを移動し、ステップS16の処理において、ガイダンス編集手段221により前述のようなガイダンスの編集が行われ、ステップS20の処理において各ガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図4において説明した処理である。
【0098】
一方、ステップS13の処理において、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にある場合は、ステップS17の処理において、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS20に進み各ガイダンス実行ポイントにおいて通常のガイダンスが実行される。
【0099】
ステップS17の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS18の処理においてガイダンス実行ポイントを移動し、ステップS19の処理において、ガイダンスの編集が行われ、ステップS20の処理において各ガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図5において説明した処理である。
【0100】
ステップS20の処理においてガイダンスポイントノードにおける所定のガイダンスの実行が完了すると、端末装置20はステップS20の処理において次のガイダンスポイントノードへの接近監視に移りステップS10の現在位置取得処理に進む。そして、先に述べたようにステップS11の処理において目的地に到達すれば処理を終了する。
【0101】
ガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集処理は、案内経路を走行中にガイダンスが設定されたノードに接近するごとに図8の処理手順のように逐次処理してもよく、端末装置20が経路探索サーバ30から案内経路データを受信した後、案内経路上のすべてのガイダンスポイントノードについて予め処理を行って案内経路データを編集し、編集された案内経路データに従って経路案内を行ってもよい。
【0102】
図9は、端末装置20が受信した案内経路データを予め編集する場合の処理手順を示すプローチャートである。先ずステップS30の処理において端末装置20は経路探索サーバ30から案内経路データを受信し、配信データ記憶手段219に記憶する。次いで、ステップS31の処理において、案内経路データ中の全てのガイダンスポイントノード(ガイダンスを要するノード)についての処理が終了したかが判定され、全てのガイダンスポイントノードの処理が終了していなければステップS32の処理に進み、ガイダンスポイントノードを抽出する。全てのガイダンスポイントの処理が終了していれば、処理を終了する。
【0103】
ステップS32の処理において、ガイダンスポイントノードが抽出されるとステップS33の処理に進み、リンク属性判定手段213が抽出されたガイダンスポイントノードの手前のリンクや先のリンク(図4のL0、L1、L2、L3や図5のリンクL6、L7、L8、L9)の属性情報を調べ、ガイダンスポイントノードが特定の属性条件であるか否かが判定される。具体的には、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、GPS測位不可能な位置にあるかが判定される。
【0104】
ガイダンスポイントノードがGPS測位不可能な位置にある場合はステップS34の処理に進み、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にある場合は、ステップS37の処理に進む。ステップS34〜ステップS36の処理は図8のステップS14〜ステップS16の処理と同じ処理である。また、ステップS37〜ステップS39の処理は図8のステップS17〜ステップS19の処理と同じである。
【0105】
ステップS34〜ステップS36の処理またはステップS37〜ステップS39の処理が終了すると、ステップS31の処理に戻り、全てのガイダンスポイントノードについての処理が終了していなければ、ステップS32の処理において次のガイダンスポイントノードが抽出され、上記の処理が繰り返される。そして、ガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集結果は編集された案内経路データとして配信データ記憶手段219に記憶されたデータと置き換えられる。
【0106】
なお、以上説明した実施例1において、ガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集は端末装置20が行う構成であったが、これを経路探索サーバ30で予め行い、案内経路データとして端末装置20に配信するように構成してもよい。この場合、案内経路データ作成手段314において端末装置20のガイダンス実行ポイント制御手段214とガイダンス編集手段211と同様の処理を行うように構成すればよい。経路探索サーバ30がこのような処理を行うことによって、端末装置20が携帯電話のようにその処理能力に制約がある場合でも、GPS測位が不可能な経路上においてガイダンス実行を行うことができるシステムを提供することができるようになる。
【0107】
以上、説明した本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム10においては、リンクの属性情報からガイダンスポイントノードあるいはガイダンス実行ポイントがGPS測位不能のリンク上にあるか否かを判定し、現在位置測位の有無にかかわらず、適切な位置でガイダンスを実行するようにガイダンス実行ポイントを制御する例を説明したが、VICSシステムなど交通監視センターが運用するサーバから各道路におけるリアルタイムの走行速度情報が得られる場合には、これを端末装置20の移動速度として走行中のリンクにおける推定速度として現在位置を算出(推定現在位置)することができる。以下に本発明の実施例2としてこの推定現在位置に基づいてガイダスン実行ポイントを制御するナビゲーションシステムについて説明する。
【実施例2】
【0108】
図10は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。図10に示すナビゲーションシステム10の構成は基本的には図1に示すナビゲーションシステム10と同様である。図10において図1と同様の構成要素には同一の参照符号を付している。図10に示すナビゲーションシステム10においてはガイダンス実行ポイント制御手段214が現在位置推定手段214Aを含んで構成されている点が図1におけるナビゲーションシステム10と異なる点である。
【0109】
端末装置20は、ガイダンスポイントとして設定されたノードへの接近を検出をすると、実施例1の場合と同様にリンク属性判定手段213によりガイダンスポイントノードの前後のリンクの属性情報から、ガイダンスポイントノード、ガイダンス実行ポイントがGPS測位手段212による現在位置取得が不能な位置にあるか否かを判定する。
【0110】
そして上記の判定条件に合致する場合、ガイダンス実行ポイント制御手段214は、現在位置情報をGPS測位手段212から取得せず、現在位置推定手段214Aから取得するように制御を切り換える。現在位置推定手段214Aは、前述したように、VICSシステムなど交通監視センターが運用するサーバから走行中の道路(リンク)におけるリアルタイムの走行速度情報を得て、当該速度情報に基づいて走行距離を推定して時刻ごとの現在位置を推定する。
【0111】
そしてガイダンス実行ポイント制御手段214は現在位置推定手段214Aが推定する現在位置が通常のガイダンス実行ポイントになると、ガイダンス編集手段221にガイダンス編集指示を行い、実施例1と同様の編集を行わせ、編集されたガイダンスが音声出力手段220によって出力される。
【0112】
図11は、以上の処理手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS40の処理においてGPS測位手段212が測位した現在位置の情報を取得する。次いでステップS41の処理において現在位置が目的地に到達したか否かが判定される。現在位置に到達していれば処理を終了し、現在位置が目的地に到達していなければステップS42の処理に進む。
【0113】
ステップS42の処理においては、ガイダンスポイントが設定されたノード(図4におけるN1、図5におけるN3など)に現在位置が接近したか否かが判定される。ガイダンスポイントが設定されたノードに接近していなければステップS40の現在位置取得の処理に戻り、ガイダンスポイントノードに接近していればステップS43の処理に進む。
【0114】
ステップS43の処理においては、リンク属性判定手段213が接近したガイダンスポイントノードの手前のリンクや先のリンク(図4のL0、L1、L2、L3や図5のリンクL6、L7、L8、L9)の属性情報を調べ、ガイダンスポイントノードが特定の属性条件であるか否かが判定される。具体的には、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、GPS測位不可能な位置にあるかが判定される。
【0115】
ガイダンスポイントノードがGPS測位不可能な位置にある場合はステップS44の処理に進み、GPS測位可能な位置にある場合はステップS47の処理に進む。ステップS44の処理においては、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS50に進み各ガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスが実行される。
【0116】
ステップS44の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS45の処理においてガイダンスを編集する。そしてステップS46の処理において、現在位置推定手段214AがVICSシステムなどのサーバから各道路におけるリアルタイムの走行速度情報から走行中のリンクの走行速度を得て、端末装置20の移動距離を推定し現在位置の推定を行う。走行中リンクの走行速度は記憶手段に一時記憶し、当該GPS測位不能のリンクにおける走行中の位置推定に使用される。推定された現在位置がガイダンス実行ポイントに到達するとステップS50の処理においてそのガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図4において説明した処理である。
【0117】
一方、ステップS43の処理において、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にある場合は、ステップS47の処理において、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS50に進み各ガイダンス実行ポイントにおいて通常のガイダンスが実行される。
【0118】
ステップS47の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS48の処理においてガイダンスを編集する。そしてステップS49の処理において、ステップS48の処理において現在位置推定手段214AがVICSシステムなどのサーバから各道路におけるリアルタイムの走行速度情報から走行中のリンクの走行速度を得て、端末装置20の移動距離を推定し現在位置の推定を行う。推定された現在位置がガイダンス実行ポイントに到達するとステップS50の処理においてそのガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図5において説明した処理である。
【0119】
ステップS50の処理においてガイダンスポイントノードにおける所定のガイダンスの実行が完了すると、ステップS51の処理において、次のガイダンス実行ポイントがあるかが判定され、次のガイダンス実行ポインがある場合はステップS44またはステップS47の処理に戻り、ガイダンス実行ポイントが無ければステップS52の処理において次のガイダンス実行ポイントに処理を移し、ステップS40の現在位置取得処理に戻る。そして、先に述べたようにステップS41の処理において目的地に到達すれば処理を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明によれば、自律航法のためのセンサや演算装置を有さない簡易的な携帯端末装置において、GPSを受信できない区間の経路案内が出来るようになる。また、GPSの測位方式がオートノーマスであり、かつ地図データもハードディスクや小型のメモリカードに記憶できていれば、経路案内中の通信も不要になり、PDAをベースとし、あるいはミュージックプレーヤーをベースとした携帯端末装置を用いたナビゲーション用端末装置の開発も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】交差点などのガイダンスポイントにおいて案内されるガイダンスデータである音声データの構成の一例を示す図である。
【図3】経路探索用ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例1および実施例2におけるガイダンス実行の概念を示す案内経路の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例1および実施例2におけるガイダンス実行の概念を示す案内経路の他の例を示す模式図である。
【図6】ガイダンスポイントノードにおけるガイダンスを、地図を用いることなく表示する画面の構成の一例を示す図である。
【図7】経路探索のための道路ネットワークの構成を説明する模式図である。
【図8】本発明の実施例1のナビゲーションシステムにおけるガイダンス実行手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例1のナビゲーションシステムにおける他のガイダンス実行手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例2のナビゲーションシステムにおけるガイダンスの実行手順を示すフローチャートである。
【図12】GPSによる現在位置取得ができない場合のガイダンス実行ポイントの経路上の位置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0122】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
211・・・制御手段
212・・・GPS測位手段
213・・・リンク属性判定手段
214・・・ガイダンス実行ポイント制御手段
215・・・経路探索要求手段
216・・・ガイダンスデータ要求手段
218・・・通信手段
219・・・配信データ記憶手段
220・・・音声出力手段
221・・・ガイダンス編集手段
222・・・表示手段
223・・・操作・入力手段
30・・・・経路探索サーバ
311・・・制御手段
312・・・通信手段
313・・・配信データ編集手段
314・・・案内経路データ作成手段
315・・・地図データ(DB)
316・・・経路探索手段
317・・・探索用ネットワークデータ
317A・・道路ネットワークデータ
317B・・歩行者ネットワークデータ
318・・・音声データ(DB)
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS測位手段を備えた携帯電話などの端末装置を用いた通信型のナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび端末装置に関するものであり、特に、自動車の助手席に同乗した利用者が端末装置を使用してナビゲーションサービスを受ける場合に、GPS測位手段が現在位置の測位をすることができない経路上のガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを適切に実行することができるように構成したナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、見知らぬ土地において目的地となる場所を訪れる場合、地図帳等を頼りに当該地図に描かれた交通機関、道路やランドマーク及び住所を確認しながら目的地に到達していた。また、カーナビゲーションシステム(以後単にカーナビと言う)を搭載した自動車においては、該カーナビを起動して目的地を入力することによりナビゲーションシステムからモニタ画面に表示される案内や音声出力される案内(ナビゲーション情報)を得ながら目的地に到達していた。
【0003】
上記カーナビは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。特に、現在は一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などの搭載が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。
【0004】
このような測位機能を有する端末装置の利用技術としては、種々の分野の技術が提案されており、例えば、自動車用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を経路探索サーバから配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムが提案されている。
【0005】
近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、また、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、ユーザに対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。ナビゲーションサービスもその1つであり、自動車の運転者のみならず携帯電話ユーザに対して現在位置から目的地までの経路案内を提供する通信型のナビゲーションシステムが実用化されている。このようなシステムにおいては、車載型のナビゲーションシステムを搭載していなくても、助手席に同乗した利用者が携帯電話を利用して手軽に経路案内を受け、運転者をナビゲーションすることができる。
【0006】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を経路探索サーバに送り、経路探索サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0007】
経路探索サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして蓄積した経路探索用の道路ネットワークデータを備えている。そして、経路探索サーバは、道路ネットワークデータを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって、最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0008】
上記のような道路ネットワークデータを用いて経路探索して得た、出発地から目的地までの経路のうち、経路の累計コスト(距離または時間)が最小となる経路が最適な案内経路として決定され、案内経路データが作成される。案内経路データには、最適経路のデータの他に地図データ、ガイダンスデータが含まれ、案内経路データは必要に応じて案内データ記憶手段から読み出され表示手段に表示される。
【0009】
一般的には、ナビゲーション装置が有するGPS受信機を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。ナビゲーションシステムが音声案内機能を有する場合には、ガイダンスデータは音声データであり、音声出力により利用者へのガイダンスが行われる。
【0010】
ナビゲーション装置は、経路探索の結果配信された案内経路や現在位置を含む地図を表示手段に表示して利用者を案内する。その際、地図および案内経路とともに、自身の現在位置を示す現在位置マーク、自身の進行方向を示す進行方向マーク、地図の方位を示す方位マークなどが重ね合わせて表示される。地図は所定の緯度、経度の間隔でメッシュ状の単位地図に区分されており、現在位置を中心にその外周の9枚分の単位地図が端末装置に送られる。現在位置が移動して表示すべき単位地図が不足すると経路探索サーバに配信を要求する。
【0011】
また、案内経路上の交差点などのガイダンスポイントノードの手前で右左折などのガイダンスを音声出力により行うナビゲーションシステムは下記の特許文献2(特開平4−320291号公報)に「車載ナビゲータ」として開示されている。この車載ナビゲータにおいては、ガイダンスを音声出力する出力ポイントを、交差点までの距離によって複数設定しておき、車両がガイダンスポイントである交差点に接近し、車両が設定された出力ポイントを通過する都度、複数回にわたって当該交差点での進行方向(直進や右左折)を音声で案内するように構成したものである。これによって利用者は、ある出力ポイントでのガイダンスを聞き漏らしても、次のガイダンスに注意を払えばよく利便性が高まる。
【0012】
通信型のナビゲーションシステムにおいて、案内経路やガイダンスポイントおよびガイダンスデータ(音声データ等)の配信方法は種々の形態をとり得るが、例えば、下記の特許文献3(特開2005−134209号公報)に開示された「経路案内システム」は、経路探索サーバが携帯端末から送信された経路探索条件に従って案内経路を探索し、経路作成手段がガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成し、出発地から目的地までの案内経路を一括して携帯端末に送信し、地図データは携帯端末からの地図要求に基づいて地図情報送信手段が携帯端末に送信するように構成している。
【0013】
すなわち、上記特許文献3に開示されたナビゲーションシステムにおいては、経路探索サーバから携帯端末に経路データと地図データを別々に配信し、携帯端末は地図表示に必要な地図データに不足が生じた場合に、経路データから当該経路を含む単位地図の配信を経路探索サーバに要求することができる。通常、地図データは現在位置を含むメッシュ状の単位地図データを中心として上下左右の9つのメッシュ状単位の地図データが携帯端末に配信される。
【0014】
このように案内経路データと地図データとを別にして携帯端末に配信する構成によれば、携帯端末は案内経路のデータから案内経路全体を知ることができ、携帯端末の移動に伴って地図データが不足する場合、進行方向にそった不足地図のみをサーバに要求することができ、経路探索サーバと携帯端末間での地図データ配信に伴う通信負荷を増大させることなく、ガイドポイントにおける案内が可能になる。
【0015】
一般に携帯電話を通信型のナビゲーションシステムの端末装置として用いる場合、測位手段としてGPS受信機を備え、GPS衛星信号を受信して端末装置の現在位置(緯度・経度)を算出する。車載用のナビゲーション装置においては加速度センサ、舵角センサ、車速センサ、磁気コンパスなどの各種センサを備えた自律航法手段を備えており、GPS衛星信号を受信できないトンネル内や地下道路あるいは高層ビルが立て込みマルチパスの影響で測位精度が低下する場所においても自律航法手段により現在位置を測位することができる。
【0016】
しかしながら、携帯電話などの端末装置は自律航法手段を備えていないものが殆どであり、トンネル内、地下道路などGPSによる測位手段が機能しない場所においては現在位置を測位することができない。ガイダンスの実行ポイントや経路探索サーバから配信を受ける地図の範囲は、端末装置が測位した現在位置を基準にしている。このため、GPSによる測位ができない地点では、現在位置が把握できなくなるため、ガイダンスの実行や地図の受信に障害を来す。同様の問題は端末装置が通信圏外に位置し、経路探索サーバとの通信が不能になるような場合にも生じる。
【0017】
このような問題に対応するため、例えば下記の特許文献4(特開2004−364223号公報)には、ナビゲーションシステムなどにおいて定期的に端末装置の現在位置を収集し、端末装置が通信圏外になることを予め報知する通信圏外予告サーバを備えた移動通信システムが開示されている。
【0018】
また、下記の特許文献5(特開2002−323324号公報)には、端末装置が通信圏外になる場合を想定して予め広範囲をカバーする地図データを経路探索サーバから受信しておくようにしたナビゲーション装置が開示されている。
【0019】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開平4−320291号公報(段落[0030])
【特許文献3】特開2005−134209号公報(図2、段落[0006]、[0007]、[0013]、[0014])
【特許文献4】特開2004−364223号公報(図1)
【特許文献5】特開2002−323324号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
さきに述べたように車載型のナビゲーションシステムにおいては自律航法手段を備えており、GPS測位が不能な場所であっても自律航法手段で現在位置を推定することができる。しかしながら携帯電話などの端末装置は自律航法手段を備えていないものが殆どであり、トンネル内、地下道路などGPSによる測位手段が機能しない場所においては現在位置を測位することができない。GPS測位ができない環境としては、上記のトンネル内や地下道路の他に建築施設の道路やビルに囲まれた幅員の狭い道路などがある。
【0021】
経路探索の結果、案内経路のデータとともに配信されたガイダンスポイントのノードに接近してガイダンス実行ポイントに到達する都度、音声案内などにより右折や左折のガイダンスを受ける場合、測位手段によって測位した現在位置がガイダンス実行ポイントに到達したか否かによってガイダンスが実行される。このため、トンネル内や地下道路などGPSによる測位が不能な道路上にガイダンス実行ポイントがある場合にはガイダンスを実行できないという問題点が生じる。端末装置において不足した地図データの配信を受ける場合にも同様の問題が生じる。
【0022】
図12はこのような問題が生ずる案内経路を模式的に示す図である。図12においてリンクL0は端末装置が移動中(助手席ナビゲーションを受け走行中)のリンクであり、リンクL0はノードN0から点線で示すトンネル区間TのリンクL1に続いている。そしてトンネル区間T内に分岐ノードN1があり、右方向のリンクL3に進行するか、左方向のリンクL2に進行するかを案内するガイダンスが必要なポイント、すなわち、ガイダンスポイントノードGPN1として設定されている。リンクL0とノードL1の左側にはガイダンスポイントノードGPN1の手前の所定距離の地点GP1〜GP3が複数示されており、この地点GP1〜GP3(ガイダンス実行ポイント)に端末装置が到達した時に音声案内などの手段で右折または左折のガイダンスが実行される。
【0023】
ガイダンス実行ポイントは、走行中の道路(リンク)が高速道路であるか、一般道路であるか、その道路属性によって定められており、高速道路ではガイダンスポイントノードの手前5km、2km、1km、700mがガイダンス実行ポイントとして設定されている。同様に国道においては、次のガイダンスポイントノードの手前2km、1km、500m、300mがガイダンス実行ポイントとして設定され、一般道路においては、2km、1km、500m、200mがガイダンス実行ポイントとして設定されている。
【0024】
トンネル区間Tに入る前の2km地点のガイダンス実行ポイントGP1では現在位置が取得できるので端末装置はガイダンスを実行することができる。しかし、トンネル区間T内ではGPS測位手段による現在位置情報が取得できないため、トンネル区間T内に入ると現在位置がわからず、端末装置は1km地点のガイダンス実行ポイントGP2、500m地点のガイダンス実行ポイントGP3に到達したか否かを判断できず、ガイダンスを実行することができなくなるという問題点を生ずる。
【0025】
2km地点のガイダンス実行ポイントGP1では、例えば「2km先、分岐左方向です」という音声案内が出力される。1km地点のガイダンス実行ポイントGP2では同様に「1km先分岐左方向です」、500m地点のガイダンス実行ポイントGP3では「まもなく分岐左方向です」というガイダンスの実行が設定されているが、ガイダンス実行ポイントGP2、GP3では音声案内を出力することができない。
【0026】
しかしながら上記特許文献4、特許文献5などに開示されたナビゲーションシステムでは端末装置が通信圏外になることを検出し、広範囲の地図情報などを予め受信しておくよう配慮しているものの、GPSによる現在位置が取得できない場合について考慮されたものでなく、上記の問題点を解消することはできないシステムであった。
【0027】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、リンクデータにリンクごとにGPS測位が可能なリンクであるか、不可能なリンクであるかを示す属性情報を付加しておき、この属性情報に基づいてガイダンスポイントが設定されたノードおよび当該ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な位置か否かを判定し、ガイダンス実行ポイントを移動し、もしくは、GPS測位手段によらず現在位置を推定してガイダンスを実行するように構成すれば上記問題点を解消し得ることに想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0028】
すなわち、本発明は前述の問題点を解消することを課題とし、GPS測位手段が現在位置の測位をすることができない経路上のガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを適切に実行することができるように構成したナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【0031】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする。
【0035】
また、本願の請求項7にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバであって、前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加して配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置であって、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とする。
【0036】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる端末装置において、
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項7にかかる端末装置において、
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする。
【0038】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項7ないし請求項8の何れかにかかる端末装置において、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0039】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項7ないし請求項8の何れかにかかる端末装置において、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0040】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項7ないし請求項8の何れかにかかる端末装置において、
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項13にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバであって、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記案内経路データ作成手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し案内経路データを作成することを特徴とする。
【0042】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする。
【0043】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項13または請求項14にかかる経路探索サーバにおいて、
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【0044】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項13または請求項14にかかる経路探索サーバにおいて、
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0045】
請求項1にかかる発明においては、経路探索サーバはGPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、案内経路データに属性情報を付加して端末装置に配信する。端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行する。
これによって、GPS測位手段から現在位置を取得できなくても予定されたガイダンス実行ポイントを調整し経路の案内を実行することができるようになる。
【0046】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集する。これによって、例えば分岐がトンネル内にある、トンネルを出て直ぐに分岐がある等、利用者がガイダンスポイントノードの状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。
【0047】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示する。これによって、GPS測位ができない場所、すなわち、端末装置が基地局と通信できない場所において、経路探索サーバから地図を取得できない状態でも、経路の案内をすることができるようになる。
【0048】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0049】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって、ガイダンスが必要なノード(ガイダンスポイントノード)がGPS測位不可能なリンクを出て直ぐの場所にあった場合に、当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所にあっても、当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0050】
また、請求項6にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーションシステムにおいて、ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行う。これによって予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、外部から取得したリンク走行速度から走行距離を推定し、その位置を推定して予定されたガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0051】
また、請求項7ないし請求項12にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項6の発明にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
【0052】
また、請求項13にかかる発明においては、前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し、前記案内経路データ作成手段は、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記案内経路データ作成手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し案内経路データを作成する。
これによって、予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、経路探索サーバ側において案内経路データ上で当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0053】
また、請求項14にかかる発明においては、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、案内経路データ作成手段は、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集する。これによって、例えば分岐がトンネル内にある、トンネルを出て直ぐに分岐がある等、利用者がガイダンスポイントノードの状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。
【0054】
また、請求項15にかかる発明においては、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって予定されたガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所であった場合に、経路探索サーバによって当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【0055】
また、請求項16にかかる発明においては、請求項13にかかる経路探索サーバにおいて、案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動する。これによって、ガイダンスが必要なノード(ガイダンスポイントノード)がGPS測位不可能なリンクを出て直ぐの場所にあった場合に、当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPS測位不可能な場所にあっても、経路探索サーバによって当該ガイダンス実行ポイントがGPS測位可能な場所に移動され、現在位置情報に基づいてガイダンスを実行することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0057】
本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム10は、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク12を介して接続される端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。経路探索サーバ30は端末装置20から要求された経路探索条件(出発地、目的地)をもとに最適経路を探索する。そして探索した案内経路と交差点などに設定したガイダンスポイントにおける音声ガイダンスを端末装置20に提供するため、音声データを蓄積した音声データ(DB)のデータベース318を備えている。
【0058】
また、経路探索サーバ30は、制御手段311、通信手段312、配信データ編集手段313、案内経路データ作成手段314、地図データ(DB)315、経路探索手段316、探索用ネットワークデータ317、道路ネットワークデータ317A、歩行者ネットワークデータ317Bなどを備えて構成されている。
【0059】
制御手段311は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段312は、ネットワーク12を介して端末装置20と通信するためのインターフェースである。経路探索手段316は端末装置20から送信された経路探索条件に従って探索用ネットワークデータ317を参照して最適経路を探索する。
【0060】
道路ネットワークデータ317Aには歩行者専用道路や公園内など車両進入禁止区域の道路データは含まれておらず、歩行者ネットワークデータ317Bには高速道路など歩行者通行禁止の道路データは含まれていない。探索用ネットワークデータ317のデータ構成については後述する。
【0061】
案内経路データ作成手段314は経路探索の結果得られた案内経路にガイダンスポイントを設定し、音声データ(DB)318を参照して、音声各ガイダンスポイントにおけるガイダンスを構成する単位音声データの識別IDを抽出し、案内データとして作成する。案内経路データ作成手段314により作成された案内経路、ガイダンスのデータは地図データ(DB)315から取得した地図データとともに配信データ編集手段313により端末装置20に配信するためのデータに編集され、通信手段312を介して端末装置20に配信される。
【0062】
一方、端末装置20は例えば携帯電話などの携帯端末装置であり、制御手段211、GPS測位手段212、リンク属性判定手段213、ガイダンス実行ポイント制御手段214、経路探索要求手段215、ガイダンスデータ要求手段216、通信手段218、配信データ記憶手段219、スピーカなどからなる音声出力手段220、ガイダンス編集手段221、表示手段222、液晶表示パネルなどからなる操作・入力手段223などを備えて構成されている。
【0063】
制御手段211は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段223は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力手段ためのものであり、出力手段である表示手段222に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段222は操作・入力手段223の一部としても機能する。通信手段218は、ネットワーク12を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0064】
利用者が経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、操作・入力手段223を操作し、サービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段222に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や自動車)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。出発地として現在位置を選択するとGPS測位手段212が測位した現在位置が出発地として使用される。
【0065】
経路探索要求手段215は、入力された経路探索条件を経路探索サーバ30に送信するデータに編集し、通信手段218を介して経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30から配信された案内経路、地図、ガイダンスデータなどの配信データは配信データ記憶手段219に一時記憶される。これらの配信データは必要に応じて配信データ記憶手段219から読み出され、表示手段222に表示される。表示に際しては、GPS測位手段212が測位した現在位置が地図上に案内経路などとともに現在位置マークとして重ね合わせて表示される。
【0066】
音声データ(DB)318に蓄積された音声データは、図2に示すように、ガイダンスポイントにおいてガイダンスする音声データ(話者が発生した音声を録音したアナログ音声データ)を単位音声データに分解し、単位音声データごとに識別ID(識別符号)を付してデータ名とともに蓄積されている。例えば「この先200m、〇〇通り、△丁目交差点、右折して下さい」というガイダンスは識別ID[0001]、[0008]、[0006]、[0002]で特定される単位音声データをこの順に再生することによって行うことができる。
【0067】
経路探索サーバ30は端末装置20に地図データ、案内経路データを配信する際、案内経路の交差点などガイダンスを行うノードをガイダンスポイントノードとして設定し、各ガイダンスポイントノードごとに、そのガイダンスポイントノードにおいてガイダンスとして出力する音声データを配信する際、音声データそのものでなく単位音声データごとの識別ID(識別符号)を配信する。ガイダンスが実行されるポイントは先に説明したようにガイダンスポイントノードの手前の所定距離ごとに複数箇所の実行ポイントが設定されている。経路探索サーバ30から端末装置20に配信されたデータは配信データ記憶手段218に記憶される。
【0068】
端末装置20は案内経路のデータとともに配信されるすべての単位音声データの識別IDを一時記憶しておき、当該ガイダンスポイントノードに接近しガイダンス実行ポイントに到達した時点で必要になる識別IDを経路探索サーバ30に送り該当する単位音声データの配信要求を行い、単位音声データそのもののダウンロードを行い、その音声データを再生する。従って、案内経路データ配信の際には音声データそのものを配信せず識別IDを配信するだけであるからネットワークの通信負荷を増大させることがない。
【0069】
また、出発地から目的地までの案内経路が長く、ガイダンスポイントが多数あっても、ガイダンスポイントごとに音声データの識別IDが配信されるだけであるから、通信量を増大させることなく配信可能であり、端末装置20の記憶容量が小さいものであっても十分に記憶しておけるデータ量である。そして、ある音声データはあるガイダンスポイントノードに接近した時のみ必要になるものであるから、ガイダンスデータ要求手段216は、ガイダンスポイントに接近して必要になった時点で識別IDを特定して音声データそのものを経路探索サーバ30からダウンロードして使用し、ガイダンスが終了したら識別IDとダウンロードした単位音声データを破棄(削除)していけば、少ない容量の記憶装置を使用していても音声ガイダンスを行うことができる。
【0070】
なお、端末装置20の一時記憶装置の記憶容量が十分大きければ、予め次のガイダンスポイントノードに関するガイダンスデータそのものを経路探索サーバ30から配信を受け記憶しておく構成であってもよい。
【0071】
経路探索サーバ30は経路探索用のネットワークデータを蓄積したデータベースである探索用ネットワークデータ317を備えており、端末装置20から要求された経路探索条件(出発地、目的地など)に従って探索用ネットワークデータ317を参照して最適経路を探索し、当該最適経路のデータを端末装置に配信する。
【0072】
探索用ネットワークデータの概念については後述するが、先に概略を説明したように、道路をノードとリンクで表現し、リンクコストを用いて経路の距離、所要時間を算出するものであり、リンクデータは図3に示すようにリンク番号、リンクの始端であるノードの番号(始端ノード)リンクの終端であるノードの番号(終端ノード)当該リンクの距離(または所要時間)であるリンクコストが対応付けてデータ化される他、各リンクごとにGPS測位が可能か否かを示す属性情報が記憶されている。
【0073】
図3は図12に示した経路におけるリンクデータを示しており、リンクL0はGPS測位が可能であることを示し、トンネル区間TのリンクL1〜L3はGPS測位が不可能であることが属性情報として記録されている。なお、図3においては図示を省略しているが属性情報には高速道路、一般道路の区別を示す道路属性の情報も記憶されており、これによって端末装置20はガイダンス実行ポイントを決定することができる。
【0074】
端末装置20に配信される最適経路のデータは、案内経路データ作成手段314によって経路の順にノード、リンク(リンクの属性情報を含む)を並べた案内経路データが作成され、配信データ編集手段313においてガイダンスの必要なノードにはガイダンスポイントが設定され、当該ガイダンスポイントノードごとに残り距離、右折や左折を案内するガイダンスデータ(前述の音声案内のデータなど)が付加されて端末装置20に配信される。
【0075】
従って端末装置20は、次に接近するガイダンスポイントノードの前後のリンクの属性を調べることによって、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、いてGPS測位不可能な位置にあるか、および、ガイダンス実行ポイントの地点がGPS測位可能な位置にあるか、いてGPS測位不可能な位置にあるかを予め知ることができる。
【0076】
本実施例1においては、図12において示した経路のように、ガイダンスポイントノードとして設定されたノードN1に接続している入りリンクL1属性がGPS測位不能なリンクであることがわかったら、ガイダンス実行ポイントを設定された地点より手前、GPS測位可能な地点に移動してガイダンスを実行するように制御する。図12の場合、図4に示すようにトンネル区間Tに入る手前の地点、すなわちリンクL0の終端であるノードN0の手前にガンダンス実行ポイントを移動する制御を行う。
【0077】
図4は、図12に示す経路において上記のようにしてガイダンスを実行する概念を説明するための模式図である。図4に示すように端末装置20が次のガイダンスポイントが設定されたノードN1に接近すると、リンク属性判定手段213がノードN1に接続されているリンクL1の属性情報を判別し、リンクL1がGPS測位不能であることがわかる。また、ノードN1の前後のリンク(L1とL2、L3)の属性からノードN1がGPS測位不能な場所にあることもわかる。そして、ガイダンス実行ポイントGP1がGPS測位可能なリンクL0上にあり、ガイダンス実行ポイントGP2とGP3がGPS測位不能なリンクL1上にあることがわかる。なお、ノードN0はトンネル区間Tの入り口のノードである。
【0078】
ガイダンス実行ポイントGP1はトンネル区間Tの手前にあり、ガイダンス実行ポイントを移動する必要はない。この地点GP1でガイダンスする音声案内は図12で説明したのと同様「2km先、分岐左方向です」というガイダンスでもよいが、トンネル区間内での分岐であることがわかるから、例えば、「2km先、トンネル内分岐左方向です」のようにガイダンスを編集して案内すれば利用者にとって状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。このようなガイダンスの編集はガイダンス編集手段221によって行う。
【0079】
ガイダンス実行ポイントGP2、GP3の位置ではGPS測位手段212が測位不能で現在位置がわからないのでガイダンスを実行できない。そこで、端末装置20はガイダンス実行ポイント制御手段214がガイダンス実行ポイントGP2〜GP3を移動させる。トンネル区間Tに入る手前の地点、すなわちリンクL0の終端であるノードN0の手前にガンダンス実行ポイントを移動する制御を行う。そしてガイダンス編集手段221は、ガイダンスを「まもなく分岐左方向です」という音声案内から「トンネル内分岐左方向です」という音声案内に編集して出力する。
【0080】
このように、ガイダンス実行ポイントをGPS測位が可能な位置に移動することにって、端末装置20においてGPS測位手段212が測位した現在位置情報を取得して、当該移動されたガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスが実行できるようになる。実行されるガイダンスの内容は、ガイダンス編集手段によりわかり易く、またガイダンスポイントノードの場所の特徴を含む内容に編集されるため、利用者にとって状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。
【0081】
このようなガイダンス実行ポイントの制御を行えば、図5のようにガイダンスポイントノードN3がトンネル区間Tを出て直ぐの位置にある場合にも対応することができる。図5に示す経路はリンクL5とリンクL7の途中にトンネル区間Tで示すリンクL6があり、トンネル区間Tを出てすぐの分岐ノードN3においてリンクL8とリンクL9に分岐している。ノードN3は左方向のリンクL8または右方向のリンクL9の何れに進行するかを案内する必要があるため、ガイダンスポイントノードGPN3の設定がなされている。
【0082】
図5の経路の場合、図4の経路と同様にガイダンス実行ポイントGP1はトンネル区間Tの手前にあり、ガイダンス実行ポイントを移動する必要はない。この地点でガイダンスする音声案内はノードN3がトンネル区間T内でなく、トンネル区間Tを出てすぐであるから、ガイダンス編集手段221は、例えば、「2km先トンネルの出口、すぐに分岐左方向です」のようにガイダンスを編集して案内する。このような編集によって利用者にとって状況を把握し易い案内を提供することができるようになる。なお、図5においてノードN1、N2はそれぞれトンネル区間Tの入り口、出口のノードである。
【0083】
ガイダンス実行ポイントGP2、GP3の位置ではGPS測位手段212が測位不能であり、現在位置がわからないのでガイダンスを実行できない。そこでガイダンス実行ポイント制御手段214はガイダンス実行ポイントをトンネル区間Tの入り口に移動する。そしてガイダンス編集手段221は、ガイダンスを「トンネルの出口、すぐに分岐左方向です」という音声案内に編集して出力する。
【0084】
以上のガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集処理は、案内経路を走行中にガイダンスが設定されたノードに接近するごとに逐次処理してもよく、端末装置20が経路探索サーバ30から案内経路データを受信した後、案内経路上のすべてのガイダンスポイントノードについて予め処理を行って案内経路データを編集し、編集された案内経路データに従って経路案内を行ってもよい。
【0085】
先に述べたように経路案内は、表示手段222に地図、案内経路、現在位置マークを表示することによって行う。本実施例のようにリンクの属性により案内経路の各リンクがGPS測位可能なリンクであるか、GPS測位不可能なリンクであるかを判定することができると、GPS測位が不可能なリンクを走行中に経路探索サーバ30から既に配信されている地図が不足した場合、新たな地図データの配信を受けることができないケースが生じても、地図を使用することなくガイダンスを実行することができる。
【0086】
すなわち、図6はガイダンスポイントノードにおけるガイダンスを、地図を用いることなく表示する画面の構成の一例を示す図である。すなわち、この表示画像は図6に示すようにガイダンスポイントノードにおけるガイダンスを示す大きな矢印画像がガイダンス画像614として表示される。現在位置からガイダンスポイントまでの距離は文字画像616とバー表示617およびトータル走行距離のバー表示619によって表示される。従って、この表示モードの動作状態にある時は、端末装置30は、地図のデータが不足しても経路探索サーバ20に新たな地図のデータを要求する地図送信要求を送る必要がない。
【0087】
表示画面の画面構成上、最も大きな表示領域を占める画像は背景画像618であり、利用者があえて注視する必要のない画像である。この背景画像618の表示色を、現在位置からガイダンスポイントノードまでの距離に応じて変化させるように構成した点が本表示画像の特徴点である。背景画像618は地図や道路でなく、道路をイメージさせる擬似的な3次元画像とすることができ、利用者が表示画像を一瞥した時あたかも道路上を走行している感覚を与えることができる。GPS測位手段212による現在位置取得ができている場合とできていない場合とで背景画像618の表示色を異ならせて区別できるように表示してもよい。例えば、現在位置取得ができている場合は背景画像618を赤で表示し、現在位置取得ができていない場合は、背景画像618を灰色や黒で表示して利用者が区別できるにように表示する。
【0088】
経路探索サーバ30における探索用ネットワークデータ317において、歩行者あるいは自動車による経路を探索するための道路ネットワークデータ317A、歩行者ネットワークデータ317Bは、以下のように構成されている。例えば、道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータでと構成される。
【0089】
すなわち、図7において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0090】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0091】
図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。従って、探索された案内経路は利用者を案内(誘導)するノードおよび/またはリンクの順として表現される。
【0092】
次に、以上説明した本実施例のナビゲーションシステム10におけるガイダンスの実行手順について図8に示すフローチャートに基づいて説明する。図8に示すフローチャートにおいて、案内経路のデータは経路探索サーバ30から端末装置20に配信され配信データ記憶手段218に記憶されており、現在位置に従った地図などが表示手段220に表示され、経路案内中であるものとする。
【0093】
先ず、ステップS10の処理においてGPS測位手段212が測位した現在位置の情報を取得する。次いでステップS11の処理において現在位置が目的地に到達したか否かが判定される。現在位置に到達していれば処理を終了し、現在位置が目的地に到達していなければステップS12の処理に進む。
【0094】
ステップS12の処理においては、ガイダンスが設定されたガイダンスポイントノード(図4におけるN1、図5におけるN3など)に現在位置が接近したか否かが判定される。ガイダンスポイントノードに接近していなければステップS10の現在位置取得の処理に戻り、ガイダンスポイントノードに接近していればステップS13の処理に進む。
【0095】
ステップS13の処理においては、リンク属性判定手段213が接近したガイダンスポイントノードの手前のリンクや先のリンクのリンク(図4のL0、L1、L2、L3や図5のリンクL6、L7、L8、L9)の属性情報を調べ、ガイダンスポイントノードが特定の属性条件であるか否かが判定される。具体的には、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、GPS測位不可能な位置にあるかが判定される。
【0096】
ガイダンスポイントノードがGPS測位不可能な位置にある場合はステップS14の処理に進み、GPS測位可能な位置にある場合はステップS17の処理に進む。ステップS14の処理においては、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS20に進み各ガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスが実行される。
【0097】
ステップS14の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS15の処理においてガイダンス実行ポイントを移動し、ステップS16の処理において、ガイダンス編集手段221により前述のようなガイダンスの編集が行われ、ステップS20の処理において各ガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図4において説明した処理である。
【0098】
一方、ステップS13の処理において、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にある場合は、ステップS17の処理において、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS20に進み各ガイダンス実行ポイントにおいて通常のガイダンスが実行される。
【0099】
ステップS17の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS18の処理においてガイダンス実行ポイントを移動し、ステップS19の処理において、ガイダンスの編集が行われ、ステップS20の処理において各ガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図5において説明した処理である。
【0100】
ステップS20の処理においてガイダンスポイントノードにおける所定のガイダンスの実行が完了すると、端末装置20はステップS20の処理において次のガイダンスポイントノードへの接近監視に移りステップS10の現在位置取得処理に進む。そして、先に述べたようにステップS11の処理において目的地に到達すれば処理を終了する。
【0101】
ガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集処理は、案内経路を走行中にガイダンスが設定されたノードに接近するごとに図8の処理手順のように逐次処理してもよく、端末装置20が経路探索サーバ30から案内経路データを受信した後、案内経路上のすべてのガイダンスポイントノードについて予め処理を行って案内経路データを編集し、編集された案内経路データに従って経路案内を行ってもよい。
【0102】
図9は、端末装置20が受信した案内経路データを予め編集する場合の処理手順を示すプローチャートである。先ずステップS30の処理において端末装置20は経路探索サーバ30から案内経路データを受信し、配信データ記憶手段219に記憶する。次いで、ステップS31の処理において、案内経路データ中の全てのガイダンスポイントノード(ガイダンスを要するノード)についての処理が終了したかが判定され、全てのガイダンスポイントノードの処理が終了していなければステップS32の処理に進み、ガイダンスポイントノードを抽出する。全てのガイダンスポイントの処理が終了していれば、処理を終了する。
【0103】
ステップS32の処理において、ガイダンスポイントノードが抽出されるとステップS33の処理に進み、リンク属性判定手段213が抽出されたガイダンスポイントノードの手前のリンクや先のリンク(図4のL0、L1、L2、L3や図5のリンクL6、L7、L8、L9)の属性情報を調べ、ガイダンスポイントノードが特定の属性条件であるか否かが判定される。具体的には、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、GPS測位不可能な位置にあるかが判定される。
【0104】
ガイダンスポイントノードがGPS測位不可能な位置にある場合はステップS34の処理に進み、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にある場合は、ステップS37の処理に進む。ステップS34〜ステップS36の処理は図8のステップS14〜ステップS16の処理と同じ処理である。また、ステップS37〜ステップS39の処理は図8のステップS17〜ステップS19の処理と同じである。
【0105】
ステップS34〜ステップS36の処理またはステップS37〜ステップS39の処理が終了すると、ステップS31の処理に戻り、全てのガイダンスポイントノードについての処理が終了していなければ、ステップS32の処理において次のガイダンスポイントノードが抽出され、上記の処理が繰り返される。そして、ガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集結果は編集された案内経路データとして配信データ記憶手段219に記憶されたデータと置き換えられる。
【0106】
なお、以上説明した実施例1において、ガイダンス実行ポイントの移動およびガイダンスの編集は端末装置20が行う構成であったが、これを経路探索サーバ30で予め行い、案内経路データとして端末装置20に配信するように構成してもよい。この場合、案内経路データ作成手段314において端末装置20のガイダンス実行ポイント制御手段214とガイダンス編集手段211と同様の処理を行うように構成すればよい。経路探索サーバ30がこのような処理を行うことによって、端末装置20が携帯電話のようにその処理能力に制約がある場合でも、GPS測位が不可能な経路上においてガイダンス実行を行うことができるシステムを提供することができるようになる。
【0107】
以上、説明した本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム10においては、リンクの属性情報からガイダンスポイントノードあるいはガイダンス実行ポイントがGPS測位不能のリンク上にあるか否かを判定し、現在位置測位の有無にかかわらず、適切な位置でガイダンスを実行するようにガイダンス実行ポイントを制御する例を説明したが、VICSシステムなど交通監視センターが運用するサーバから各道路におけるリアルタイムの走行速度情報が得られる場合には、これを端末装置20の移動速度として走行中のリンクにおける推定速度として現在位置を算出(推定現在位置)することができる。以下に本発明の実施例2としてこの推定現在位置に基づいてガイダスン実行ポイントを制御するナビゲーションシステムについて説明する。
【実施例2】
【0108】
図10は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。図10に示すナビゲーションシステム10の構成は基本的には図1に示すナビゲーションシステム10と同様である。図10において図1と同様の構成要素には同一の参照符号を付している。図10に示すナビゲーションシステム10においてはガイダンス実行ポイント制御手段214が現在位置推定手段214Aを含んで構成されている点が図1におけるナビゲーションシステム10と異なる点である。
【0109】
端末装置20は、ガイダンスポイントとして設定されたノードへの接近を検出をすると、実施例1の場合と同様にリンク属性判定手段213によりガイダンスポイントノードの前後のリンクの属性情報から、ガイダンスポイントノード、ガイダンス実行ポイントがGPS測位手段212による現在位置取得が不能な位置にあるか否かを判定する。
【0110】
そして上記の判定条件に合致する場合、ガイダンス実行ポイント制御手段214は、現在位置情報をGPS測位手段212から取得せず、現在位置推定手段214Aから取得するように制御を切り換える。現在位置推定手段214Aは、前述したように、VICSシステムなど交通監視センターが運用するサーバから走行中の道路(リンク)におけるリアルタイムの走行速度情報を得て、当該速度情報に基づいて走行距離を推定して時刻ごとの現在位置を推定する。
【0111】
そしてガイダンス実行ポイント制御手段214は現在位置推定手段214Aが推定する現在位置が通常のガイダンス実行ポイントになると、ガイダンス編集手段221にガイダンス編集指示を行い、実施例1と同様の編集を行わせ、編集されたガイダンスが音声出力手段220によって出力される。
【0112】
図11は、以上の処理手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS40の処理においてGPS測位手段212が測位した現在位置の情報を取得する。次いでステップS41の処理において現在位置が目的地に到達したか否かが判定される。現在位置に到達していれば処理を終了し、現在位置が目的地に到達していなければステップS42の処理に進む。
【0113】
ステップS42の処理においては、ガイダンスポイントが設定されたノード(図4におけるN1、図5におけるN3など)に現在位置が接近したか否かが判定される。ガイダンスポイントが設定されたノードに接近していなければステップS40の現在位置取得の処理に戻り、ガイダンスポイントノードに接近していればステップS43の処理に進む。
【0114】
ステップS43の処理においては、リンク属性判定手段213が接近したガイダンスポイントノードの手前のリンクや先のリンク(図4のL0、L1、L2、L3や図5のリンクL6、L7、L8、L9)の属性情報を調べ、ガイダンスポイントノードが特定の属性条件であるか否かが判定される。具体的には、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にあるか、GPS測位不可能な位置にあるかが判定される。
【0115】
ガイダンスポイントノードがGPS測位不可能な位置にある場合はステップS44の処理に進み、GPS測位可能な位置にある場合はステップS47の処理に進む。ステップS44の処理においては、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS50に進み各ガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスが実行される。
【0116】
ステップS44の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS45の処理においてガイダンスを編集する。そしてステップS46の処理において、現在位置推定手段214AがVICSシステムなどのサーバから各道路におけるリアルタイムの走行速度情報から走行中のリンクの走行速度を得て、端末装置20の移動距離を推定し現在位置の推定を行う。走行中リンクの走行速度は記憶手段に一時記憶し、当該GPS測位不能のリンクにおける走行中の位置推定に使用される。推定された現在位置がガイダンス実行ポイントに到達するとステップS50の処理においてそのガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図4において説明した処理である。
【0117】
一方、ステップS43の処理において、ガイダンスポイントノードがGPS測位可能な位置にある場合は、ステップS47の処理において、当該ガイダンスポイントノードにおける複数のガイダンス実行ポイントの何れかが特定の属性のリンク上、すなわち、複数のガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であるか否かが判定され、ガイダンス実行ポイントの全てがGPS測位可能なリンク上であればステップS50に進み各ガイダンス実行ポイントにおいて通常のガイダンスが実行される。
【0118】
ステップS47の判定処理において、ガイダンスポイントノードにおけるガイダンス実行ポイントの何れかがGPS測位不可能なリンク上であると判定されるとステップS48の処理においてガイダンスを編集する。そしてステップS49の処理において、ステップS48の処理において現在位置推定手段214AがVICSシステムなどのサーバから各道路におけるリアルタイムの走行速度情報から走行中のリンクの走行速度を得て、端末装置20の移動距離を推定し現在位置の推定を行う。推定された現在位置がガイダンス実行ポイントに到達するとステップS50の処理においてそのガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスが実行される。この間の処理は図5において説明した処理である。
【0119】
ステップS50の処理においてガイダンスポイントノードにおける所定のガイダンスの実行が完了すると、ステップS51の処理において、次のガイダンス実行ポイントがあるかが判定され、次のガイダンス実行ポインがある場合はステップS44またはステップS47の処理に戻り、ガイダンス実行ポイントが無ければステップS52の処理において次のガイダンス実行ポイントに処理を移し、ステップS40の現在位置取得処理に戻る。そして、先に述べたようにステップS41の処理において目的地に到達すれば処理を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明によれば、自律航法のためのセンサや演算装置を有さない簡易的な携帯端末装置において、GPSを受信できない区間の経路案内が出来るようになる。また、GPSの測位方式がオートノーマスであり、かつ地図データもハードディスクや小型のメモリカードに記憶できていれば、経路案内中の通信も不要になり、PDAをベースとし、あるいはミュージックプレーヤーをベースとした携帯端末装置を用いたナビゲーション用端末装置の開発も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】交差点などのガイダンスポイントにおいて案内されるガイダンスデータである音声データの構成の一例を示す図である。
【図3】経路探索用ネットワークデータにおけるリンクデータの構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例1および実施例2におけるガイダンス実行の概念を示す案内経路の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例1および実施例2におけるガイダンス実行の概念を示す案内経路の他の例を示す模式図である。
【図6】ガイダンスポイントノードにおけるガイダンスを、地図を用いることなく表示する画面の構成の一例を示す図である。
【図7】経路探索のための道路ネットワークの構成を説明する模式図である。
【図8】本発明の実施例1のナビゲーションシステムにおけるガイダンス実行手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例1のナビゲーションシステムにおける他のガイダンス実行手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例2のナビゲーションシステムにおけるガイダンスの実行手順を示すフローチャートである。
【図12】GPSによる現在位置取得ができない場合のガイダンス実行ポイントの経路上の位置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0122】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
211・・・制御手段
212・・・GPS測位手段
213・・・リンク属性判定手段
214・・・ガイダンス実行ポイント制御手段
215・・・経路探索要求手段
216・・・ガイダンスデータ要求手段
218・・・通信手段
219・・・配信データ記憶手段
220・・・音声出力手段
221・・・ガイダンス編集手段
222・・・表示手段
223・・・操作・入力手段
30・・・・経路探索サーバ
311・・・制御手段
312・・・通信手段
313・・・配信データ編集手段
314・・・案内経路データ作成手段
315・・・地図データ(DB)
316・・・経路探索手段
317・・・探索用ネットワークデータ
317A・・道路ネットワークデータ
317B・・歩行者ネットワークデータ
318・・・音声データ(DB)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバであって、前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加して配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置であって、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とする端末装置。
【請求項8】
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項10】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項12】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項13】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバであって、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記案内経路データ作成手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し案内経路データを作成することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項14】
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項13に記載の経路探索サーバ。
【請求項15】
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の経路探索サーバ。
【請求項16】
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の経路探索サーバ。
【請求項1】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加し、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバであって、前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、案内経路における各リンクの属性情報を案内経路データに付加して配信する経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置であって、
前記端末装置はガイダンス実行ポイント制御手段を備え、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいて前記ガイダンスを実行することを特徴とする端末装置。
【請求項8】
前記端末装置は更にガイダンス編集手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記端末装置は更に地図表示手段を備え、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあり、当該ガイダンス実行ポイントを含む地図データが経路探索サーバから受信できない場合、当該ガイダンスポイントノードにおける進行方向を示すガイダンス画像を前記地図表示手段に表示することを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項10】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項12】
前記ガイダンス実行ポイント制御手段は、走行中リンクの移動速度データを取得して、当該リンクにおける現在位置を推定する現在位置推定手段を含み、当該現在位置推定手段が推定した現在位置によってガイダンス実行ポイントにおけるガイダンスを実行する制御を行うことを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項13】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、当該案内経路におけるガイダンスポイントノードを設定した案内経路データを作成する案内経路データ作成手段と、を備え、前記案内経路データを端末装置に配信する経路探索サーバと、前記経路探索サーバにネットワークを介して接続され、前記案内経路データに基づいて、ガイダンスポイントノードごとに当該ガイダンスポイントノードの手前の予め定められた複数のガイダンス実行ポイントに到達するごとに所定のガイダンスを出力するガイダンス出力手段と、GPS測位手段と、を備えた端末装置と、を備えたナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバであって、
前記探索用ネットワークデータは、GPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、前記案内経路データ作成手段は、前記リンクの属性データに基づいて前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、前記案内経路データ作成手段は、ガイダンス実行ポイントを調整し案内経路データを作成することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項14】
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かに応じてガイダンス内容を編集することを特徴とする請求項13に記載の経路探索サーバ。
【請求項15】
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にある場合、当該ガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の経路探索サーバ。
【請求項16】
前記案内経路データ作成手段は、前記ガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能なリンクの先にある場合、当該GPSによる測位が不可能なリンクの終端との位置関係によってガイダンス実行ポイントを前記GPSによる測位が不可能なリンクの手前に移動することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の経路探索サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−101379(P2007−101379A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291991(P2005−291991)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
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