説明

ナビゲーションシステム、経路探索方法および端末装置

【課題】経路探索を行わなかった区間に関して、さらに最適な経路がある場合はその旨を提示できるようにして、最適な別経路の存在を報知できるようにする。
【解決手段】経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段58と、前記経路履歴記憶手段58に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段59と、を備え、比較経路探索指示手段62から比較経路探索指示があった場合、地点抽出手段59は、経路履歴記憶手段58に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、経路探索手段52は地図データを参照して抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、経路比較手段60は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、当該案内経路の存在を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示手段に地図を表示して移動した経路を経路履歴として記憶する機能を有するナビゲーションシステムに関するものであり、特に、経路履歴から出発地と到着地を自動的に抽出して当該地点間の最適経路を探索し、前記経路履歴と比較して、経路履歴より最適な経路が探索された場合は、当該最適経路の存在を報知するようにしたナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データや道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
上記カーナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。特に、現在では測位ユニット、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などを搭載した第三世代と称される携帯電話が主流になってきている。
【0004】
近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、また、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、利用者に対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。測位機能を有する携帯電話も実現されており、その利用技術として車載用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を経路探索サーバから配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムも実用化されている。
【0005】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を経路探索サーバに送り、経路探索サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0006】
ナビゲーション装置は、目的地までの経路の提示および移動中の経路案内を行うための装置である。しかし、車載用のナビゲーション装置を例にとると、乗車の度に毎回目的地設定を行って経路案内を実行するような使い方はされない。運転者が日常的に通行し経路を知っている場合(例えば、自宅と勤務先の間を車で通勤する際の通勤経路など)は、いちいち目的地設定など行わず、経路案内を使わないのが一般的である。
【0007】
経路案内を行わない場合であっても、車載用のナビゲーション装置は現在地を地図上に表示し、走行した道路区間やその走行時間などの経路履歴を残すようにされる。ナビゲーション装置はGPSを用いて現在位置を測位し、地図上に現在位置を表示しているので、これを記録すれば移動経路の履歴を残すことができ、この走行履歴を経路探索に反映することができるためである。
【0008】
このように走行した経路の履歴を記憶するナビゲーション装置は、例えば、下記の特許文献2(特開2006−17504号公報)に開示されている。この特許文献2に開示されたナビゲーション装置は、走行履歴情報を蓄積するエリアを限定するようにして、記憶手段に記憶するデータサイズを少なくすることができ、走行履歴情報を効率的に利用することができるようにしたものである。すなわちこのナビゲーション装置は、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーション装置であって、探索データを含む地図データを格納する記憶手段と、優先順位の高い登録地点を含むエリアにおいて走行履歴情報を取得して前記記憶手段に蓄積する走行履歴取得部と、蓄積された前記走行履歴情報を利用して経路を探索する経路探索部とを備えたものである。
【0009】
また、下記の特許文献3(特開2004−279077号公報)には、走行経路の履歴をデータベースに記憶しておき、次回の経路探索に走行履歴、すなわち、実際に走行して得た道路リンクコストを反映するようにしたナビゲーション装置が開示されている。この特許文献3に開示されたナビゲーション装置は、車両が電子道路地図上に指定された2地点間を走行した場合に、該車両の2地点間の移動時間、走行順路、走行時間帯を含む走行履歴情報を生成してデータベース化し、経路計算を行う対象となる経路に前記の2地点が含まれる場合には、このデータベースを参照して、該車両の走行を予定する日時に応じて、最適な経路計算を行うように構成されたものである。
【0010】
更に、下記の特許文献4(特開平8−82527号公報)には、走行経路の履歴を記憶しておき、過去の経路と推奨経路を表示できるようにしたナビゲーション装置が開示されている。この特許文献4に開示されたナビゲーション装置は、走行データ記憶手段に車両が過去に走行した経路に関する走行データを記憶しておき、推奨経路表示手段により現在地検出手段により検出された現在地と目的地設定手段により設定された目的地までの経路を検索して表示するとともに、走行データ記憶手段に記憶されている走行データから当該目的地までの経路を検索して走行データ表示手段に表示するように構成したものである。
【0011】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2006−17504号公報
【特許文献3】特開2004−279077号公報
【特許文献4】特開平8−82527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一般的にナビゲーション装置は、地理をよく知らない場所に最短の時間や距離で到達できる経路を案内して貰うために利用するのが本来的な利用方法である。例えば、観光地などに出かけたり、地理不案内の目的地に出かけたりする場合に、それらの場所に最短の時間や距離で到達できる最適な経路を案内して貰うために利用される。このためには、出発地や目的地、出発時間や到着時間、高速道路利用の有無など所定の経路探索条件を設定する必要がある。
【0013】
これに対して、自宅から勤務先など日常的に利用する経路や、道路をよく知っている地点間を移動する場合、ナビゲーション装置を利用して経路探索して案内を受けながら移動することはしないのが一般的である。このような経路は、利用者自身の知識や過去の経験から既知であり、その都度経路探索条件を設定して経路探索しなくても済むからである。このような場合、ナビゲーション装置を動作させるとしても、経路探索要求をすることなく、表示装置に現在位置を含む地図を表示し、位置確認だけをしながら移動するのが一般的である。
【0014】
ところで、上記特許文献2〜特許文献4に開示されたナビゲーション装置のように走行経路の履歴をデータベース化したとしても、履歴が記録されている経路を含む経路探索を要求しない限り、そのデータベースは利用されない。従って、前述したように、日常的に経路探索要求をせずに地図表示だけして走行しているような経路に関しては、経路履歴が保存されるだけであって、他にもっと短い時間や距離で移動できるより最適な経路が存在しても、経路探索を要求しない限り利用者がそのような最適経路の存在に気づくことがないという問題点があった。
【0015】
つまり、上記特許文献2〜特許文献3に開示されたようなナビゲーション装置では、車通勤経路、あるいは電車通勤の乗換え経路など、何の疑問も無くナビゲーションを利用しないまま繰り返し移動している限り、他に最適な経路があることに気づかないという問題点があるのである。電車通勤の場合は定期券を購入するのが一般的であるから、一度定期券を購入してしまうと有効期間内は経路の見直しの動機付けも発生し難いという環境もある。また、特に自動車経路の履歴データベースは実際に走行した経路のデータしか記憶していないので、標準的な道路ネットワークデータと異なる値で計測される恐れもあり、後で経路履歴と何れかの経路データを比較するとしても、比較すること自体に無理があるという問題点もある。
【0016】
本発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、出発地と到着地を識別できるように経路履歴を記憶しておき、ナビゲーションシステムが所定の状態にある時、経路履歴から出発地と到着地を自動的に抽出して当該地点間の最適経路を探索し、前記経路履歴と比較して、経路履歴より最適な経路が探索された場合は、当該最適経路の存在を報知するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0017】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、経路探索を行わなかった経路区間に関して、さらに最適な経路がある場合はその旨を提示できるようにして、最適な別経路の存在を報知し、あるいは、その後の移動に際し経路探索を実行してみる動機付けを与えることができるナビゲーションシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備え、
前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段は、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、前記経路探索手段は前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、前記経路比較手段は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段は、当該案内経路の存在を報知することを特徴とする。
【0019】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路履歴記憶手段は、ナビゲーションシステムの電源がオンされてからオフされるまでの間に経路案内を使用することなく移動した経路区間の両端を出発点と到着点として当該経路区間の経路履歴を記憶し、前記比較経路探索指示手段はナビゲーションシステムの電源がオンされた際に比較経路探索を指示することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路比較手段は、予め設定されている所定の経路探索条件に応じて前記経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が前記経路履歴よりも、より経路探索条件に適合する場合に、前記経路履歴よりも前記案内経路が有利であると判別することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路情報提供手段は、前記経路比較手段が有利と判別した要因を含む案内経路の情報を比較経路情報として報知することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路情報提供手段は、ナビゲーションシステム外部の報知手段に対して前記報知を行うことを特徴とする。
【0023】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴について、前記地点抽出手段は出発点と到着点の抽出を行わないことを特徴とする。
【0024】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、
経路探索および経路案内を使用することなく前記出発点から到着点まで移動した際の経路が交通機関を利用した経路である場合、前記地点抽出手段は、交通機関の乗車開始地点に関する位置情報を出発点とし、交通機関の乗車終了地点に関する位置情報を到着点とすることを特徴とする。
【0025】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが検出した交通機関特有の加速度の開始時点および終了時点の直近に外部から取得した位置情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項7にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した交通機関の課金情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項7にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した通信の基地局の情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項11にかかる発明は、
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、端末装置が経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備えた経路探索サーバと端末装置とを備えたナビゲーションシステムであって、
前記端末装置は、位置情報送信手段を備え、経路探索および経路案内を使用することなく任意の出発点から到着点まで移動した際に、所定の時間間隔で現在位置を示す位置情報を前記経路探索サーバに送信し、
前記経路探索サーバは、前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段は、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、前記経路探索手段は前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、前記経路比較手段は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段は、当該案内経路の存在を前記端末装置に報知することを特徴とする。
【0029】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路履歴記憶手段は、ナビゲーションシステムの電源がオンされてからオフされるまでの間に経路案内を使用することなく移動した経路区間の両端を出発点と到着点として当該経路区間の経路履歴を記憶し、前記比較経路探索指示手段はナビゲーションシステムの電源がオンされた際に比較経路探索を指示することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項11にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路比較手段は、予め設定されている所定の経路探索条件に応じて前記経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が前記経路履歴よりも、より経路探索条件に適合する場合に、前記経路履歴よりも前記案内経路が有利であると判別することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路情報提供手段は、前記経路比較手段が有利と判別した要因を含む案内経路の情報を比較経路情報として報知することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項11にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路情報提供手段は、ナビゲーションシステム外部の報知手段に対して前記報知を行うことを特徴とする。
【0033】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項11にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴については、前記地点抽出手段が出発点と到着点の抽出を行わないようにしたことを特徴とする。
【0034】
本願の請求項17にかかる発明は、請求項11にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索および経路案内を使用することなく前記出発点から到着点まで移動した際の経路が交通機関を利用した経路である場合、前記地点抽出手段は、交通機関の乗車開始地点に関する位置情報を出発点とし、交通機関の乗車終了地点に関する位置情報を到着点とすることを特徴とする。
【0035】
本願の請求項18にかかる発明は、請求項17にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが検出した交通機関特有の加速度の開始時点および終了時点の直近に外部から取得した位置情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0036】
本願の請求項19にかかる発明は、請求項17にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した交通機関の課金情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項20にかかる発明は、請求項17にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した通信の基地局の情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0038】
また、本願の請求項21にかかる発明は、
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法であって、
前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段が、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出するステップと、前記経路探索手段が前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索するステップと、前記経路比較手段が該当する経路履歴と前記案内経路とを比較するステップと、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段が当該案内経路の存在を報知するステップとを有することを特徴とする。
【0039】
本願の請求項22にかかる発明は、請求項21にかかる経路探索方法において、前記経路履歴記憶手段が、ナビゲーションシステムの電源がオンされてからオフされるまでの間に経路案内を使用することなく移動した経路区間の両端を出発点と到着点として当該経路区間の経路履歴を記憶するステップと、前記比較経路探索指示手段がナビゲーションシステムの電源がオンされた際に比較経路探索を指示するステップと、を更に有することを特徴とする。
【0040】
本願の請求項23にかかる発明は、請求項21にかかる経路探索方法において、前記経路比較手段が、予め設定されている所定の経路探索条件に応じて前記経路履歴と前記案内経路とを比較するステップと、前記案内経路が前記経路履歴よりも、より経路探索条件に適合する場合に、前記経路履歴よりも前記案内経路が有利であると判別するステップと、を更に有することを特徴とする。
【0041】
本願の請求項24にかかる発明は、請求項23にかかる経路探索方法において、前記経路情報提供手段が、前記経路比較手段が有利と判別した要因を含む案内経路の情報を比較経路情報として報知するステップを更に含むことを特徴とする。
【0042】
本願の請求項25にかかる発明は、請求項21にかかる経路探索方法において、前記経路情報提供手段が、ナビゲーションシステム外部の報知手段に対して前記報知を行うステップを有することを特徴とする請求項21に記載の経路探索方法。
【0043】
本願の請求項26にかかる発明は、請求項21にかかる経路探索方法において、前記ナビゲーションシステムは、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴については、前記地点抽出手段が出発点と到着点の抽出を行わないようにされたことを特徴とする。
【0044】
本願の請求項27にかかる発明は、請求項21にかかる経路探索方法において、経路探索および経路案内を使用することなく前記出発点から到着点まで移動した際の経路が交通機関を利用した経路である場合、前記地点抽出手段は、交通機関の乗車開始地点に関する位置情報を出発点とし、交通機関の乗車終了地点に関する位置情報を到着点とするステップを更に含むことを特徴とする。
【0045】
本願の請求項28にかかる発明は、請求項27にかかる経路探索方法において、前記ステップは、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが検出した交通機関特有の加速度の開始時点および終了時点の直近に外部から取得した位置情報に基づいて決定する処理を含むことを特徴とする。
【0046】
本願の請求項29にかかる発明は、請求項27にかかる経路探索方法において、前記ステップは、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した交通機関の課金情報が示す位置情報に基づいて決定する処理を含むことを特徴とする。
【0047】
本願の請求項30にかかる発明は、請求項27にかかる経路探索方法において、前記ステップは、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した通信の基地局の情報が示す位置情報に基づいて決定する処理を含むことを特徴とする。
【0048】
また、本願の請求項31にかかる発明は、
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、端末装置が経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備え、前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段は、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、前記経路探索手段は前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、前記経路比較手段は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段は、当該案内経路の存在を前記端末装置に報知する経路探索サーバに接続される端末装置であって、
前記端末装置は、位置情報送信手段を備え、経路探索および経路案内を使用することなく任意の出発点から到着点まで移動した際に、所定の時間間隔で現在位置を示す位置情報を前記経路探索サーバに送信することを特徴とする。
【0049】
本願の請求項32にかかる発明は、請求項31にかかる端末装置において、前記端末装置は、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記経路探索サーバは前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴については、前記抽出手段が出発点と到着点の抽出を行わないように構成され、前記端末装置は、除外経路区間指定手段によって指定された除外経路区間を前記経路探索サーバに送信することを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0050】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーションシステムは、経路探索用の地図データと、経路探索手段と、経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備え、前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段は、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、前記経路探索手段は前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、前記経路比較手段は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段は、当該案内経路の存在を報知する。
【0051】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムは、利用者が過去に経路探索をせずに移動していた経路区間について経路履歴を記憶しており、自動的に当該経路履歴から出発点と到着点を抽出してその間の最適経路を探索し、当該経路区間の出発点と到着点間の最適経路を探索し、その経路が経路履歴より有利であれば当該有利な経路の存在を報知するので、ナビゲーションシステムの利用者は他の有利な経路の存在を知ることができるようになる。
【0052】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路履歴記憶手段は、ナビゲーションシステムの電源がオンされてからオフされるまでの間に経路案内を使用することなく移動した経路区間の両端を出発点と到着点として当該経路区間の経路履歴を記憶し、前記比較経路探索指示手段はナビゲーションシステムの電源がオンされた際に比較経路探索を指示する。
【0053】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムは電源がオンされると、自動的に経路履歴から出発点と到着点を抽出してその間の最適経路を探索し、探索した経路が経路履歴より有利であれば報知するから、ナビゲーションシステムの利用者は何らシステムを操作することなく、他の有利な経路の存在を知ることができるようになる。
【0054】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路比較手段は、予め設定されている所定の経路探索条件に応じて前記経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が前記経路履歴よりも、より経路探索条件に適合する場合に、前記経路履歴よりも前記案内経路が有利であると判別する。
【0055】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムは、経路履歴に記憶された経路よりも最適な経路を判別して報知することができるようになり、ナビゲーションシステムの利用者は他の有利な経路の存在を知ることができるようになる。
【0056】
請求項4にかかる発明においては、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路情報提供手段は、前記経路比較手段が有利と判別した要因を含む案内経路の情報を比較経路情報として報知する。
【0057】
このような構成によれば、経路履歴に記憶された経路よりも有利な経路の存在とともに当該有利な経路の情報が報知されるので、ナビゲーションシステムの利用者は他の有利な経路の詳細を知ることができるようになる。
【0058】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路情報提供手段は、ナビゲーションシステム外部の報知手段に対して前記報知を行う。
【0059】
このような構成によれば、新たな経路の存在を、電子メールなどを用いてナビゲーションシステム外部、例えば、利用者のメールアドレスにメールで報知内容を送信しておくから、利用者は後で報知内容を参照することができるようになる。
【0060】
請求項6にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーションシステムは、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴について、前記地点抽出手段は出発点と到着点の抽出を行わないように構成される。
【0061】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムの利用者は最適経路の探索を必要としない経路履歴の経路区間を設定することができるようになる。
【0062】
請求項7にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索および経路案内を使用することなく前記出発点から到着点まで移動した際の経路が交通機関を利用した経路である場合、前記地点抽出手段は、交通機関の乗車開始地点に関する位置情報を出発点とし、交通機関の乗車終了地点に関する位置情報を到着点とする。
【0063】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムは、交通機関を利用した経路においても、利用者が経路探索をせずに過去に移動していた経路区間について経路履歴を記憶しておき、当該経路区間の出発点と到着点間の最適経路を探索し、その経路が経路履歴より有利であれば当該有利な経路の存在を報知するので、ナビゲーションシステムの利用者は他の有利な経路の存在を知ることができるようになる。
【0064】
請求項8にかかる発明においては、請求項7にかかるナビゲーションシステムにおいて、交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが検出した交通機関特有の加速度の開始時点および終了時点の直近に外部から取得した位置情報に基づいて決定する。
【0065】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムは、交通機関の乗車開始地点、乗車終了地点の位置情報により出発地点、到着地点を特定し、経路履歴に記憶された地点間の最適経路を探索することができるようになる。
【0066】
請求項9にかかる発明においては、請求項7にかかるナビゲーションシステムにおいて、交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した交通機関の課金情報が示す位置情報に基づいて決定する。
【0067】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムは、交通機関の乗車開始地点、乗車終了地点の課金情報から出発地点、到着地点を特定し、経路履歴に記憶された地点間の最適経路を探索することができるようになる。
【0068】
請求項10にかかる発明においては、請求項7にかかるナビゲーションシステムにおいて、通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した通信の基地局の情報が示す位置情報に基づいて決定する。
【0069】
このような構成によれば、ナビゲーションシステムは、交通機関の乗車開始地点、乗車終了地点の基地局からの通信に含まれる位置情報から出発地点、到着地点を特定し、経路履歴に記憶された地点間の最適経路を探索することができるようになる。
【0070】
請求項11〜請求項20にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項10にかかるナビゲーションシステムを、端末装置と経路探索サーバとからなるシステムとして提供することができるようになる。また、請求項21〜請求項30にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項10、または、それぞれ請求項11〜請求項20にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索方法を提供することができ、請求項31、請求項32にかかる発明においては、それぞれ請求項1または請求項11、請求項6または請求項16にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【0072】
なお、ナビゲーションシステムは、その用途から車載用ナビゲーションシステムや歩行者用のナビゲーションシステムがある。歩行者用のナビゲーションシステムにおいては交通機関を用いた経路探索や徒歩経路探索を行う。本発明はその何れにも適用可能である。
またナビゲーション装置の構成も、車載用やポータブル用のスタンドアロンタイプのナビゲーションシステム、通信型のナビゲーションシステムに大別されるが、本発明はその何れにも適用可能である。
【実施例1】
【0073】
本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム50は、自動車などに設置されるスタンドアロンタイプのナビゲーション装置である。ナビゲーションシステム50は、送受信手段51を介して地図サーバなど、図示しない情報配信サーバと通信して地図データや交通情報など必要な情報を取得することができる。また、ナビゲーションシステム50は経路探索用の地図データ63を備え、経路探索手段52により所望の2地点を指定して2地点間を結ぶ最適経路を探索する。
【0074】
また、制御手段501は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。ナビゲーションシステム50の位置はGPS処理手段55によりGPS衛星信号を受信して算出する。ナビゲーションシステム50が車載用である場合には、車速センサや舵角センサなどを備えた自律航法手段(図示せず)を備え、これによる位置算出を併用するように構成される。
【0075】
従来この種のナビゲーションシステム50は、利用者が経路探索をすることなく、通勤経路など任意の出発点から到着点まで移動した場合、その間の移動経路を経路履歴として記憶する機能を有している。しかしながら、利用者は通常このような経路を何の疑問も無くナビゲーションを利用しないまま繰り返し移動している限り、他に最適な経路があることに気づくことがない。
【0076】
既に経路案内が行われている状態では、その経路は経路探索条件に適合した経路であり、その時点で最良の経路である。従って、経路案内に基づいて移動している状態の経路の履歴を記憶する必要はない。そこで、本発明においては主に経路探索を行わなかった区間に関して移動経路の経路履歴を記憶する。そして経路履歴に記憶された区間の経路に対して、経路探索して経路履歴よりも有利な経路がある場合は提示する。本発明は、このようにして他の最適な別経路の存在の報知し、その後の移動に際し経路探索を実行してみる動機付けとすることができるようにしている。
【0077】
すなわち、本発明においては、ナビゲーションシステム50が起動された際に、それぞれの経路履歴から出発点と到着点を抽出して当該2地点間の最適経路の探索を行う。そして、経路探索によって得られた経路と経路履歴にある経路を比較して、探索結果により得られた経路が経路履歴にある経路より良い経路、例えば、探索された経路が経路履歴よりも所要時間や距離(リンクコスト)が小さい経路である場合、他の有利な経路が存在することを表示手段などの出力手段に報知するようにしたものである。
【0078】
他の有利な経路の存在を知ることができれば、ナビゲーションシステムの利用者は、次に同じ出発点から到着点への移動の際に、経路探索をして当該有利な経路を利用して移動することもでき、あるいは、当該有利な経路の情報を含む報知を行うようにすれば、利用者は、当該有利な経路の情報を参照して次回の移動を行うこともできる。
【0079】
このため、ナビゲーションシステム50においては、経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段58と、経路履歴記憶手段58に記憶された移動経路の経路履歴から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段59と、経路比較手段60と、経路情報提供手段61と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と62と、を備えている。
【0080】
また、ナビゲーションシステム50は、経路探索をすることなく移動している状態を検出する移動状態検出手段56と、を備えており、移動状態検出手段56が経路探索をすることなく移動している状態を検出した場合、GPS処理手段55が測位した位置情報に基づいて経路履歴記憶手段58に経路履歴を記憶する。
【0081】
経路の出発点は、移動状態検出手段56が経路探索をすることなく移動している状態を検出して最初にGPS処理手段55が測位した位置情報により特定される地点であり、到着点は最後にGPS処理手段55が測位した位置情報により特定される地点であり、経路履歴はこのようにして任意の2地点間の経路区間ごとに記憶される。
【0082】
また、ナビゲーションシステム50は、除外経路区間指定手段57を備えており、ナビゲーションシステム50の利用者は経路履歴記憶手段58に記憶している経路履歴のうち、最適経路の自動的な探索とその報知を望まない経路を指定することができる。除外経路区間指定手段57により除外が指定されている経路履歴については、地点抽出手段59は出発点、到着点の抽出を行わない。
【0083】
図2は、経路履歴記憶手段58に記憶される経路履歴のデータ構成の一例を示す図である。経路履歴は経路区間ごとに経路番号RT1〜RTXのように記憶される。各経路区間の経路履歴は前述のようにして求めた出発点(開始位置)、到着点(終了位置)と経路としたノード番号やリンク番号などのデータからなる。
【0084】
なお、ナビゲーションシステム50の基本構成として経路探索したか否かにかかわらず全ての経路履歴を記憶するように構成されている場合は、経路探索を行った経路区間であったか否かの識別が後々可能なようにフラグ等の経路探索の結果であることを示すマーカー(識別子)を経路履歴に残すようにすればよい。なお、履歴として記憶する経路データは、ノードの緯度経度情報であったり、マップマッチングしたリンクの番号であったり、同時に通過日時、時刻を記憶しても良い。
【0085】
例えば、車載用ナビゲーションシステムは、車両からアクセサリー用電源が供給されているので、目的地に到着してイグニッションがOFFされる度に電源が遮断される。そして、次のイグニッションONで新たな目的地への移動が開始される。従って、経路履歴をシリアルに記録するとしても、例えば、イグニッションONで電源が投入されてカーナビが起動したときに、経路の経路履歴に走行区間の始まりであるフラグ等の開始マーカー(開始位置)を残す。次の開始マーカーの直前の位置が前の経路区間の終了位置である。これによって、後で経路履歴を読み出したときに1区間ごとに識別が可能となる(区間を分けて識別しないと、例えば、データを1日分蓄積するような場合には、経路履歴の最初の地点から最後の地点への経路を探索してしまう恐れがある)。また、一切ナビゲーション装置を操作しないような場合であっても、電源に連動して経路履歴は、区間ごとに自動的に記録される。
【0086】
そして、ナビゲーションシステム50はイグニッションスイッチがオンされて電源が投入されシステムが起動されると、比較経路探索指示手段62が比較経路の探索指示を行う。比較経路の探索が指示されると、それまでに経路履歴記憶手段58に記憶していた経路履歴から、地点抽出手段59が経路区間ごとにその出発点と到着点を抽出し、経路探索手段52は当該2地点間を結ぶ最適経路を探索する。この探索は通常の出発地から目的地までの最適経路探索と同様である。
【0087】
このように経路履歴記憶手段58への経路履歴の記憶は、車載用ナビゲーションシステムやポータブルタイプのナビゲーション機器の起動時などのタイミングで行われ、また、比較経路探索指示手段62による最適経路の探索も同様のタイミングで開始される。最適経路探索が開始されると、地点抽出手段59は経路履歴記憶手段58に記憶された経路履歴を読み出して、以下の手順で処理される。
【0088】
すなわち、先ず、地点抽出手段59は経路履歴を走行区間の開始マーカーを頼りに区間を分離する。次に、交通機関の課金情報、加速減速情報、記録された位置情報(GPS、基地局)およびその記録時刻などから経路区間を分離する(時間的に連続した経路は1つの経路とする)。そして、分離された経路区間の出発点と到着点を特定する。出発点と到着点が特定されると、経路探索手段52は当該2地点間を結ぶ最適経路の経路探索を行う。
【0089】
経路探索手段52により最適経路が探索されると、経路比較手段60は新たに探索された最適経路と経路履歴記憶手段58に記憶された該当する地点間の経路履歴とを比較する。比較はリンクコストの累計値で行い、新たに探索された最適経路のリンクコストが経路履歴のリンクコストより小さい場合は新たに探索された最適経路が経路履歴よりも有利な経路であると判別し、経路情報提供手段61は当該有利な経路の存在を表示手段などの出力手段に報知する。
【0090】
この経路探索において、経路探索手段52は、自動的に様々な経路探索条件で探索を行い、経路比較手段60において経路探索条件ごとに経路履歴と新たに探索した最適経路との比較を行うようにしてもよい。例えば、記憶する経路履歴の情報に加える経路探索条件としては、車ルートなら、一般道優先、有料道路優先などが代表的な条件であるが、また、燃料消費量(=排出ガス)、通行料金、右左折回数などの条件で求めた経路と比較することができる。
【0091】
また、後述する交通機関を利用した移動ルートでは、経路探索条件として、所要時間、運賃、乗換え回数などが代表的な条件であるが、更に、他の交通手段(電車とバスなど)との比較(時間、運賃、CO2排出量)を行うようにしてもよい。ある経路探索条件において比較した比較結果により、新たに探索された最適経路の方が条件により適合する(有利な)場合には、当該有利な経路が存在している旨の報知を行う。
【0092】
図3は、経路履歴と新たに探索された最適経路を比較する概念を示す模式図である。図3において、経路RTmは経路探索をすることなく出発点Sから到着点Gまで移動した際の経路履歴であり、経路履歴記憶手段58に記憶されている経路履歴である。ナビゲーションシステム50が起動され、地点抽出手段59が経路履歴から出発点S、到着点Gを抽出し、経路探索手段52が出発点Sから到着点Gに至る最適経路を探索した結果、新たな最適経路が図4に示す経路RTnであったとする。以下の説明は、経路探索条件として最短の経路を要求している場合を具体例としたものである。
【0093】
経路比較手段60は、経路RTm(経路履歴)のリンクコスト(出発点Sから到着点Gまでの累計リンクコスト)と経路RTn(新たな経路)のリンクコスト(累計リンクコスト)を比較する。図3の場合、新たな経路RTnのリンクコストが経路RTmのリンクコストより小さいので、経路RTnのほうが有利であると判別し、経路情報提供手段61は操作・表示手段53に他の有利な経路の存在を報知する。
【0094】
図4は、経路履歴より有利な新たな最適経路の存在を報知する表示画像の一例を示す図である。画面には出発点Sと到着点G間の経路RTm(経路履歴)と経路RTn(有利な経路)が表示され、「前回の走行ルートより距離の短いルートが見つかりました」というメッセージが表示される。
【0095】
また、画面には、次の操作の選択項目SLが表示され、所望の処理のチェックボックスをチェックすることによりナビゲーションシステム50の次の処理を指定することができる。選択項目としては「逆ルートを探索」、「このルートは以後自動探索しない」、「他の最適ルート」、「メニューに戻る」などの項目である。
【0096】
「逆ルートを探索」を選択すると、到着点Gから出発点Sに向かう経路探索が行われる。これは、帰路の探索へ誘導する選択項目である。例えば、到着点Gで駐車して用件を済ませ、帰路にナビゲーションシステム50を起動した際に新たに探索された有利な経路の報知があると、経路探索を利用して帰路を探索するように利用者を誘導する場合である。
【0097】
「このルートは以後自動探索しない」を選択すると、除外経路区間指定手段57は経路履歴記憶手段58に記憶された該当する経路履歴に除外の指定を行う。すなわち、この選択項目は、報知された新たなルートを確認したが、利用したくない場合に、次回からの報知をキャンセルしてこの画面を終了する処理である。出発点Sおよび到着点Gの位置を記憶して、この組み合わせの比較経路探索は自動で行わないようにする。
【0098】
「他の最適ルート」は、他にも最適ルートが検索された場合にそれらの経路を順次表示する入り口となる選択項目であり、この項目が選択されるとナビゲーションシステム50は、新たな最適経路を順次表示する。また、「メニューに戻る」を選択するとナビゲーションシステム50は何ら次の処理に移らず、ナビゲーションシステム50の初期メニュー画面に遷移する。図4において、SKはスクロールキーであり、FKはナビゲーションシステム50の各種機能を設定した機能キーである。スクロールキーSKを操作することにより、画面に表示された地図画像をスクロールすることができる。
【0099】
経路情報提供手段61による報知は、操作・表示手段53を用いて報知するのみならず、外部の報知手段に対し結果を送信して報知するように構成することもできる。例えば、図4のような画面表示が行われても、一過性のものですぐに忘れてしまうので、メール送信機能を持った構成では、利用者のメールアドレスにメールで内容を送信しておくようにしても良い。また、経路情報提供手段61は、新たに探索された最適経路の方が最適と判断した場合、その要因について強調して報知する。例えば、前述のように、距離が短いルートが見つかったことを、フォントサイズを大きくして強調したり、太文字にして強調したり、色の変化で強調表示するようにしても良い。
【0100】
本発明においては、ナビゲーションシステム50が起動されると、自動的にそれまでに経路履歴記憶手段58に記憶されている経路履歴から出発点と到着点を抽出してその間の最適経路を探索し、その経路が経路履歴より有利であれば当該有利な経路の存在を報知するので、ナビゲーションシステムの利用者は、他の有利な経路の存在を知ることができるようになる。
【0101】
なお、以上の説明は、ナビゲーションシステム50における本発明に関連する部分の概略構成とその作用の要点を説明したものであるが、ナビゲーションシステム50のその他の構成、作用は以下に説明する通りである。すなわち、ナビゲーションシステム50は、操作・表示手段53、経路探索要求手段54、地図データ63、案内経路記憶手段64を備えている。
【0102】
操作・表示手段53はナビゲーションシステム50を操作するためのキー、ボタンなどを有する入力ユニットと、地図、経路、現在位置などを表示するための液晶表示ユニットとから構成されている。操作・表示手段53から出発地、目的地などの経路探索条件を設定すると、経路探索要求手段54は、経路探索手段52に経路探索条件を送り経路探索要求する。
【0103】
経路探索、経路案内が指定され経路探索手段52が経路探索した結果により得られた最適経路が案内経路として案内経路記憶手段64に一時記憶される。この案内経路は必要に応じて案内経路記憶手段64から読み出され地図データ、現在位置マークなどと共に操作・表示手段53に表示される。これにより利用者はガイダンスを受けながら所望の地点間を最適な経路で移動することができる。
【0104】
経路探索用の地図データ63には、自動車用の経路探索のための道路ネットワークデータの他、歩行者専用道路や公園内の歩行通路を含む歩行者用のネットワークデータ、表示用の地図データを備えている。歩行者用の経路を探索する場合には道路ネットワークデータに歩行者用のネットワークデータを加えて経路探索が行われる。
【0105】
例えば、自動車用の経路探索のための道路ネットワークデータは次のように構成されている。すなわち、例えば、道路が図5に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0106】
図5において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図5では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0107】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図5において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0108】
図5ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【実施例2】
【0109】
図6は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。実施例2にかかるナビゲーションシステム10は、図6に示すように通信型のナビゲーションシステム10であり、ネットワーク12を介して接続される携帯電話やPDAや音楽プレイヤーなどからなる端末装置30と経路探索サーバ20とから構成されている。図6の実施例2において、図1の実施例1と同一の構成要素は同一の参照符号を付している。
【0110】
端末装置30が携帯電話からなる場合は、移動体通信網などのネットワーク12を介して移動体通信基地局、電話回線網を経由して所望の相手方(固定電話、携帯電話、PHSなど)と通話することができ、また、データ通信ネットワークを経由して経路探索サーバ20に接続して後述するような経路探索、経路案内のナビゲーションサービスを受けることができる。また、端末装置30は例えばGPS処理手段を有する携帯電話に自動車用ナビゲーションアプリケーションや歩行者用ナビゲーションアプリケーションを搭載したものである。
【0111】
ナビゲーションシステム10において、経路探索サーバ20は、端末装置30が経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段58と、経路履歴記憶手段58に記憶された移動経路の経路履歴から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段59と、経路比較手段60と、経路情報提供手段61と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段62と、を備えている。また、制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0112】
一方、端末装置30は、経路探索サーバ20に経路探索要求や地図要求などを送信して経路探索サーバ20にアクセスしている際に、所定の時間間隔で位置情報を経路探索サーバ20に送信する位置情報送信手段37と、経路探索をすることなく移動している状態を検出する移動状態検出手段56と、を備えている。端末装置30は、移動状態検出手段56が経路探索をすることなく移動している状態を検出した場合、位置情報送信手段37により所定の時間間隔で経路探索サーバ20に位置情報送信する。制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0113】
経路探索サーバ20は、端末装置30から送信される位置情報に基づいて、経路履歴記憶手段58に移動経路の経路履歴データを記憶する。経路履歴のデータ構成は、図2において説明したと同様の構成である。出発点は端末装置30が経路探索サーバ20にアクセス中に最初に送信した位置情報により特定される地点であり、到着点は端末装置30が経路探索サーバ20にアクセス中に最後に送信した位置情報により特定される地点である。両地点間の経路履歴はこのようにして任意の2地点間の経路区間ごとに記憶される。
【0114】
そして、経路探索サーバ20は、端末装置30からのアクセスが開始されると、比較経路探索指示手段62が比較経路の探索指示を行う。比較経路の探索が指示されると、それまでに経路履歴記憶手段58に記憶していた経路履歴から、地点抽出手段59が経路区間ごとにその出発点と到着点を抽出し、経路探索手段52は当該2地点間を結ぶ最適経路を探索する。経路探索処理の方法は通常の出発地から目的地までの最適経路を探索する場合の経路探索の方法と同様である。
【0115】
経路探索手段52により最適経路が探索されると、経路比較手段60は新たに探索された最適経路と経路履歴記憶手段58に記憶された該当する地点間の経路履歴とを比較する。比較はリンクコストの累計値で行い、新たに探索された最適経路のリンクコストが経路履歴のリンクコストより小さい場合は、新たに探索された最適経路が経路履歴よりも有利な経路であると判別し、経路情報提供手段61は当該有利な経路の存在を表示手段などの出力手段に報知する。
【0116】
実施例2では、経路の抽出、経路探索、比較はサーバが行うので、結果はサーバから利用者に向けて送信される。たとえば、端末にメールで送信するか、端末のアカウントを用いた利用者専用のwebページに結果を表示してもよい。このようにすれば、利用者は端末である携帯電話、またはPCでwebページにアクセスしてたとえば「お知らせ」という形態で、今までの経路よりさらに良い経路があることを知ることができるようになる。
また、実施例1の場合と同様に、報知手段は、経路探索結果の方が最適と判断された要因について強調して報知する。
【0117】
このように、端末装置30が、地図要求などにより経路探索サーバ20にアクセスを開始すると、経路探索サーバ20が自動的にそれまでに経路履歴記憶手段58に記憶されている経路履歴から出発点と到着点を抽出してその間の最適経路を探索し、その経路が経路履歴より有利であれば当該有利な経路の存在を報知するので、端末装置30の利用者は他の有利な経路の存在を知ることができるようになる。
【0118】
また、端末装置30は、除外経路区間指定手段57を備えており、端末装置30の利用者は経路履歴記憶手段58に記憶している経路履歴のうち、最適経路の自動的な探索とその報知を望まない経路を指定することができる。除外経路区間指定手段57により除外が指定されている経路履歴については、地点抽出手段59は出発点、到着点の抽出を行わない。
【0119】
経路履歴の記憶および比較経路探索は、端末装置30から経路探索サーバ20へのアクセス開始をトリガにし、アクセス終了直前の位置情報の到着点の位置とする。通信型のナビゲーションシステムにおいて、特定の端末装置30に視点を置いた場合、当該端末装置30が経路探索サーバ20にアクセスを開始した時点が、スタンドアロンタイプのナビゲーションシステムにおいて電源が「オン」された状態と実質的に同じであると見ることができ、アクセス終了時点がスタンドアロンタイプのナビゲーションシステムにおいて電源が「オフ」された状態と実質的に同じであると見ることができるからである。
【0120】
なお、端末装置30が携帯電話であり、ナビゲーションアプリケーションが搭載された装置である場合、ナビゲーションアプリケーションは、経路案内を行っていないときも、バックグランドで動作しており、所定時間間隔で位置に関する情報をサーバに送信するようにしなくてもよい。所定時間ごとに逐次位置情報を送信するとサーバの対応も頻発するので、ある程度データがまとまってから送信するのがよい。例えば、ナビゲーションアプリケーション起動時にそれまでのデータをサーバへ転送する方法、すなわち、1日といった期間を区切ってサーバへ転送する方法であってもよい。1日の区切りは殆どの公共交通機関が停止している午前3時を区切りとする。この場合、経路履歴は一時的に端末装置30に記憶して前述のタイミングで経路探索サーバ20に送信するように構成すればよい。
【実施例3】
【0121】
以上説明した実施例1、実施例2は、自動車あるいは徒歩により道路を移動する場合の経路探索、経路案内を行うナビゲーションシステムを説明したが、本発明は、交通機関を利用して移動する場合の経路探索、経路案内を行うナビゲーションシステムに適用することも可能である。以下、本発明の実施例3として交通機関を利用して移動する場合の経路探索、経路案内を行うナビゲーションシステムを説明する。
なお、車載用ナビゲーションシステムに限らず、ポータブルタイプのナビゲーション装置も種々提案されており、人間が移動するために各種交通機関を利用する際にもポータブルタイプのナビゲーション装置の利用が想定されるが、実施例3においては、通信型のナビゲーションシステム10に適用した場合を具体例として以下の説明を進める。従って、実施例3のナビゲーションシステム10は、図6に示す実施例2のナビゲーションシステム10の構成と同様である。
【0122】
実施例3のナビゲーションシステム10において、実施例2と異なる点は、経路履歴を記録する場合の出発点、到着点の特定の方法である。すなわち、実施例3は交通機関を利用して移動した場合の経路であるから、交通機関に乗車を開始した駅や停留所を出発点とし、交通機関を降車した駅や停留所を到着点として特定することになる。乗車駅や降車駅は、端末装置30が、以下に説明する種々の方法で特定することができる。
【0123】
第1の方法は、端末装置30に加速度センサを設けて、電車などの交通機関の発車を検出してその時の位置情報で端末装置30の出発点(駅)を特定、駅到着時の減速を検出してその時の位置情報で端末装置30の到着点を特定する方法である。この検出の記録と、GPSによる位置情報が取得できた場合の位置情報や携帯電話やPHSの基地局位置情報の記録を残せば、交通機関を利用した区間が後で識別可能である。なお、移動経路に乗り換えがあるような場合は、乗り換え地点を到着点、出発点として経路を区分しておいてもよい。この方法は、例えば、本出願人により既に出願され、特開2005−321841号公報に開示された携帯型案内装置の技術を適用することができる。
【0124】
第2の方法は、端末装置30が装置内に非接触ICを備え交通機関の課金処理を行う携帯電話のような端末装置であれば、端末装置30が経路探索サーバと通信することなく、出発点、到着点を特定することができ、乗車駅、下車駅を特定し、経路履歴を残すことが可能である。この方法は、例えば、本出願人により既に出願され、特開2006−44328号公報に開示された携帯ナビゲーション装置の技術を適用することができる。
【0125】
第3の方法は、端末装置30が携帯電話やPHS端末である場合にその移動に伴って基地局と交信する際の基地局位置の情報を用いる方法である。すなわち、この方法は基地局から端末装置に送信される基地局位置情報を用いて移動経路の履歴を残すものである。特に地下鉄を利用する場合には、地上の基地局電波が遮断されて、その駅ごとの基地局が特定できるので、位置がわかりやすい。上記各種の記録を織り交ぜて履歴を残すことによって、より正確な経路の把握が可能になる。
なお、交通機関に運行障害が生じていた場合は、仕方なく迂回経路を通ったことが考えられるので、特に通信型ナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバ20に運行障害情報も記録できるような場合は、最適経路が運行障害区間と関係がある場合は、あえて報知しないようにしても良い。
【0126】
交通機関を用いた経路を探索するため、経路探索サーバ20の地図データ63には、先に図5で説明した道路ネットワークのデータと同様に交通ネットワークのデータが備えられている。交通ネットワークのデータは、例えば、図7に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図7において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0127】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図7に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0128】
図7に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0129】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図7において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0130】
なお、上記の説明において、実施例1は車載用のスタンドアロンタイプのナビゲーションシステム、実施例2は通信型のナビゲーションシステム、実施例3は交通機関を用いた経路の案内を提供するナビゲーションシステムを中心に説明したが、実施例1において交通機関による移動を対象とする場合にも適用でき、実施例2において交通機関による移動を対象とする場合にも適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
このようにして、ナビゲーションシステムの経路探索、経路案内なしに移動した経路よりも、さらに最適な経路を報知できるシステムを用意しておいて、以下のようなナビゲーションサービス展開を行うこともできる。すなわち、経路履歴の収集から経路の探索、比較までは無料で利用者に提供するようにしておき、さらに良い経路が存在したかどうかだけ報知し、当該経路の詳しい情報を表示する際には、ナビゲーションサービスへの入会の広告を表示したり、入会を条件に経路の表示をしたりするようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】経路履歴記憶手段に記憶される経路履歴のデータ構成の一例を示す図である。
【図3】経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴と新たに探索された最適経路との比較の概念を示す模式図である。
【図4】経路履歴より有利な新たな最適経路の存在を報知する表示画像の一例を示す図である。
【図5】経路探索のための道路ネットワークのデータを説明する模式図である。
【図6】本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図7】交通機関を用いた経路探索のための交通ネットワークのデータを説明する模式図である。
【符号の説明】
【0133】
50・・・・ナビゲーションシステム
501・・・制御手段
51・・・・送受信手段
52・・・・経路探索手段
53・・・・操作・表示手段
54・・・・経路探索要求手段
55・・・・GPS処理手段
56・・・・移動状態検出手段
57・・・・除外経路区間指定手段
58・・・・経路履歴記憶手段
59・・・・地点抽出手段
60・・・・経路比較手段
61・・・・経路情報提供手段
62・・・・比較経路探索指示手段
63・・・・地図データ
64・・・・案内経路記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備え、
前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段は、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、前記経路探索手段は前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、前記経路比較手段は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段は、当該案内経路の存在を報知することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記経路履歴記憶手段は、ナビゲーションシステムの電源がオンされてからオフされるまでの間に経路案内を使用することなく移動した経路区間の両端を出発点と到着点として当該経路区間の経路履歴を記憶し、前記比較経路探索指示手段はナビゲーションシステムの電源がオンされた際に比較経路探索を指示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記経路比較手段は、予め設定されている所定の経路探索条件に応じて前記経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が前記経路履歴よりも、より経路探索条件に適合する場合に、前記経路履歴よりも前記案内経路が有利であると判別することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記経路情報提供手段は、前記経路比較手段が有利と判別した要因を含む案内経路の情報を比較経路情報として報知することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記経路情報提供手段は、ナビゲーションシステム外部の報知手段に対して前記報知を行うことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記ナビゲーションシステムは、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴について、前記地点抽出手段は出発点と到着点の抽出を行わないことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
経路探索および経路案内を使用することなく前記出発点から到着点まで移動した際の経路が交通機関を利用した経路である場合、前記地点抽出手段は、交通機関の乗車開始地点に関する位置情報を出発点とし、交通機関の乗車終了地点に関する位置情報を到着点とすることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが検出した交通機関特有の加速度の開始時点および終了時点の直近に外部から取得した位置情報に基づいて決定することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した交通機関の課金情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した通信の基地局の情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、端末装置が経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備えた経路探索サーバと端末装置とを備えたナビゲーションシステムであって、
前記端末装置は、位置情報送信手段を備え、経路探索および経路案内を使用することなく任意の出発点から到着点まで移動した際に、所定の時間間隔で現在位置を示す位置情報を前記経路探索サーバに送信し、
前記経路探索サーバは、前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段は、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、前記経路探索手段は前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、前記経路比較手段は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段は、当該案内経路の存在を前記端末装置に報知することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記経路履歴記憶手段は、ナビゲーションシステムの電源がオンされてからオフされるまでの間に経路案内を使用することなく移動した経路区間の両端を出発点と到着点として当該経路区間の経路履歴を記憶し、前記比較経路探索指示手段はナビゲーションシステムの電源がオンされた際に比較経路探索を指示することを特徴とする請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記経路比較手段は、予め設定されている所定の経路探索条件に応じて前記経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が前記経路履歴よりも、より経路探索条件に適合する場合に、前記経路履歴よりも前記案内経路が有利であると判別することを特徴とする請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記経路情報提供手段は、前記経路比較手段が有利と判別した要因を含む案内経路の情報を比較経路情報として報知することを特徴とする請求項13に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記経路情報提供手段は、ナビゲーションシステム外部の報知手段に対して前記報知を行うことを特徴とする請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
前記ナビゲーションシステムは、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴については、前記地点抽出手段が出発点と到着点の抽出を行わないようにしたことを特徴とする請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項17】
経路探索および経路案内を使用することなく前記出発点から到着点まで移動した際の経路が交通機関を利用した経路である場合、前記地点抽出手段は、交通機関の乗車開始地点に関する位置情報を出発点とし、交通機関の乗車終了地点に関する位置情報を到着点とすることを特徴とする請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項18】
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが検出した交通機関特有の加速度の開始時点および終了時点の直近に外部から取得した位置情報に基づいて決定することを特徴とする請求項17に記載のナビゲーションシステム。
【請求項19】
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した交通機関の課金情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする請求項17に記載のナビゲーションシステム。
【請求項20】
前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した通信の基地局の情報が示す位置情報に基づいて決定することを特徴とする請求項17に記載のナビゲーションシステム。
【請求項21】
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法であって、
前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段が、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出するステップと、前記経路探索手段が前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索するステップと、前記経路比較手段が該当する経路履歴と前記案内経路とを比較するステップと、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段が当該案内経路の存在を報知するステップとを有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項22】
前記経路履歴記憶手段が、ナビゲーションシステムの電源がオンされてからオフされるまでの間に経路案内を使用することなく移動した経路区間の両端を出発点と到着点として当該経路区間の経路履歴を記憶するステップと、前記比較経路探索指示手段がナビゲーションシステムの電源がオンされた際に比較経路探索を指示するステップと、を更に有することを特徴とする請求項21に記載の経路探索方法。
【請求項23】
前記経路比較手段は、予め設定されている所定の経路探索条件に応じて前記経路履歴と前記案内経路とを比較するステップと、前記案内経路が前記経路履歴よりも、より経路探索条件に適合する場合に、前記経路履歴よりも前記案内経路が有利であると判別するステップと、を更に有することを特徴とする請求項21に記載の経路探索方法。
【請求項24】
前記経路情報提供手段が、前記経路比較手段が有利と判別した要因を含む案内経路の情報を比較経路情報として報知するステップを更に含むことを特徴とする請求項23に記載の経路探索方法。
【請求項25】
前記経路情報提供手段が、ナビゲーションシステム外部の報知手段に対して前記報知を行うステップを有することを特徴とする請求項21に記載の経路探索方法。
【請求項26】
前記ナビゲーションシステムは、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴については、前記地点抽出手段が出発点と到着点の抽出を行わないようにされたことを特徴とする請求項21に記載の経路探索方法。
【請求項27】
経路探索および経路案内を使用することなく前記出発点から到着点まで移動した際の経路が交通機関を利用した経路である場合、前記地点抽出手段は、交通機関の乗車開始地点に関する位置情報を出発点とし、交通機関の乗車終了地点に関する位置情報を到着点とするステップを更に含むことを特徴とする請求項21に記載の経路探索方法。
【請求項28】
前記ステップは、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが検出した交通機関特有の加速度の開始時点および終了時点の直近に外部から取得した位置情報に基づいて決定する処理を含むことを特徴とする請求項27に記載の経路探索方法。
【請求項29】
前記ステップは、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した交通機関の課金情報が示す位置情報に基づいて決定する処理を含むことを特徴とする請求項27に記載の経路探索方法。
【請求項30】
前記ステップは、前記交通機関の乗車開始地点および乗車終了地点は、ナビゲーションシステムが受信した通信の基地局の情報が示す位置情報に基づいて決定する処理を含むことを特徴とする請求項27に記載の経路探索方法。
【請求項31】
経路探索用の地図データと、経路探索手段と、端末装置が経路探索をすることなく任意の出発点から到着点まで移動した際の出発点と到着点およびその間の移動経路を経路ごとに記憶する経路履歴記憶手段と、前記経路履歴記憶手段に記憶された移動経路から出発点と到着点を抽出する地点抽出手段と、経路比較手段と、経路情報提供手段と、所定の条件において比較経路の探索を行う比較経路探索指示手段と、を備え、前記比較経路探索指示手段から比較経路探索指示があった場合、前記地点抽出手段は、前記経路履歴記憶手段に記憶された経路履歴から出発点と到着点を抽出し、前記経路探索手段は前記地図データを参照して前記抽出された出発点と到着点との間の最適経路を案内経路として探索し、前記経路比較手段は該当する経路履歴と前記案内経路とを比較し、前記案内経路が経路履歴より有利な経路である場合、前記経路情報提供手段は、当該案内経路の存在を前記端末装置に報知する経路探索サーバに接続される端末装置であって、
前記端末装置は、位置情報送信手段を備え、経路探索および経路案内を使用することなく任意の出発点から到着点まで移動した際に、所定の時間間隔で現在位置を示す位置情報を前記経路探索サーバに送信することを特徴とする端末装置。
【請求項32】
前記端末装置は、前記案内経路探索を除外する除外経路区間指定手段を更に備え、前記経路探索サーバは前記除外経路区間指定手段により案内経路探索を除外する指定がなされている経路区間の出発点と到着点を有する経路履歴については、前記抽出手段が出発点と到着点の抽出を行わないように構成され、前記端末装置は、除外経路区間指定手段によって指定された除外経路区間を前記経路探索サーバに送信することを特徴とする請求項31に記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−304064(P2007−304064A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135585(P2006−135585)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】