説明

ナビゲーションシステム、経路探索装置およびナビゲーション装置ならびにプログラム

【課題】 歩行者や自動車がスタートする方向または移動している方向に応じた経路探索を行うようにして効率的な経路探索を可能としたナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置30は、経路探索要求部32と方位検出部36とを備え、経路探索要求部32は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、方位検出部36で検出した方位を経路探索要求として経路探索装置に送る。経路探索装置20は、ノードとノードを連結するリンクとリンクのコストから構成した経路ネットワークデータベース28を参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部24を備え、経路探索要求に含まれる方位の情報に基づいて前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者や自動車の運転者に出発地から目的地までの最適な経路を探索して案内するナビゲーションシステム、経路探索装置およびナビゲーション装置ならびにプログラムに関するものであり、特に、歩行者や自動車がスタートする方向に応じた経路探索を行うようにして効率的な経路探索を可能とした経路探索装置およびナビゲーション装置、経路探索方法ならびにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、見知らぬ土地において目的地となる場所を訪れる場合、地図帳等を頼りに当該地図に描かれた交通機関、道路やランドマーク及び住所を確認しながら到達していた。また、カーナビゲーションシステム(以後単にカーナビと言う)を搭載した自動車においては、該カーナビを起動して目的地を入力することによりナビゲーションシステムからモニタ画面に表示される案内や音声出力される案内(ナビゲーション情報)を得ながら目的地に到達していた。
【0003】
上記カーナビは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。特に、現在は一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などの搭載が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。
【0004】
このような測位機能を有する携帯端末の利用技術としては、種々の分野の技術が提案されており、例えば、自動車用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を情報配信サーバ(経路探索サーバ)から配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムが提案されている。また、携帯電話を端末として利用した決済システムや様々なインターネット取引システムなども提案されている。そして最近では、事件や事故の際の通報に携帯電話が使用されることも多くなってきており、通報場所を特定する技術の必要性が増大しつつある。また、老人の所在場所を携帯電話の測位システムを利用して特定しようという試みもなされており、その用途は今後も拡大を続けるものと思われる。
【0005】
近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、また、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、ユーザに対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。ナビゲーションサービスもその1つであり、自動車の運転者のみならず携帯電話ユーザに対して現在位置から目的地までの経路案内を提供する通信ナビゲーションシステムが実用化されている。
【0006】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索要件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0007】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1(特開2001−165681号公報)には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0008】
ところで、道路や歩行者のための経路には双方向の経路が存在する。一般的な経路探索装置においては、従って、ノードを連結するリンクも双方向のリンクが存在し、経路ネットワークを利用者がどちらの方向に移動しても経路案内ができるように、双方向の経路探索を行うのが一般的である。例えば、特許文献2(特開2002−357440号公報)に開示された地図表示端末、地図表示支援装置が知られている。
【0009】
上記特許文献2に開示された地図表示端末、地図表示支援装置においては、地図表示端末は出発地と目的地が入力されると、インターネットを経由して地図表示支援装置に経路探索を要求する。要求を受けた支援装置は、経路探索部が道路データを用いて出発方向別に、出発地と目的地を結ぶ最適経路を探索し、探索した複数ルートの最適経路データを配信部を介して地図表示端末に返信し、配信部は更に各ルートの最適経路周辺の地図データを地図表示端末へ送信する。地図表示端末は受信したルート別(出発方向別)の最適経路データと地図データを内部に記憶し、これら地図データとルート別最適経路データを用いて、地図表示制御部が現在位置を中心とする地図画像を赤色で太く強調したルート別の最適経路及び現在方位の方向に向けた現在位置マークとともに描画し、表示部に画面表示さ
せる。
【0010】
利用者は、画面に表示されたルート別(出発方向別)の最適経路のなかから、利用者が出発しようとしている方向に沿った最適経路を選んで走行することにより目的地まで案内を受けることができる。例えば、自動車の場合、当該自動車が出発しようとしている方向に合致した最適経路を選んでナビゲーションを受けることができる。すなわち、自動車が南下する向きで出発しようとしている場合には、その方向に合致した第1の最適経路に沿って走行して行けば、目的地に到達することができる。出発地を北上する向きで出発しようとしている場合には、その方向に沿った第2の最適経路に沿って走行して行けば、目的地に到達することができる。
【0011】
【特許文献1】特開2001−165681号公報
【特許文献2】特開2002−357440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献2に開示された地図表示端末、地図表示支援装置は、地図表示支援装置によって指示された方向に従うのではなくて、まずスタートできる方向にスタートするという点で出発方向別には経路探索が行われているため、利用者にとっては使いやすいものであるが、方向別に経路を複数求めるために経路探索や通信の負荷が大きく、また、地図表示端末においても最初にその複数の経路を記憶しなければならない。非常に安価で最小限のリソースをもつ地図表示端末(ナビゲーション装置)では、実施が困難であるという問題があった。
【0013】
特に、自動車で走行中に案内経路上の交差点などで案内に沿った右左折ができない場合などに発生するリルート(再経路探索)を行う場合について考えると、すでに自動車は移動中であることが多く、明らかに移動方向を持っているのに出発方向別経路探索を行うというのは無駄であるという問題点もあった。さらに、Assisted-GPSのような測位方式をとると、測位間隔が長いために、現在地および方向が定まるまで時間がかかるという問題もあった。
【0014】
本願の発明者は、前記の問題点を解消するため、種々検討を重ねた結果、ナビゲーション装置に電子コンパスなどの方位検出部を設け、出発地、目的地、移動手段などの経路探索要件に、ナビゲーション装置が向いている方位を付加して経路探索装置に経路探索要求を送り、経路探索装置は、送られた方位に近い向きを持つリンクを出発リンクとして経路探索して最適な案内経路をナビゲーション装置に返すように構成すれば前記問題点を解消し得ることに着目して本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明は前記の問題点を解消することを課題とし、歩行者や自動車がスタートする方向または移動している方向に応じた経路探索を行うようにして効率的な経路探索を可能としたナビゲーションシステム、経路探索装置およびナビゲーション装置ならびにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、ナビゲーション装置と経路探索装置からなるナビゲーションシステムであって、
ナビゲーション装置は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送り、
経路探索装置は、経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、該経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備え、経路探索部は、前記経路探索要求に含まれる方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクを経路探索の開始リンクとして経路探索を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始することを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項4にかかる発明は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送るナビゲーション装置と経路探索装置からなるナビゲーションシステムを構成する経路探索装置であって、
前記経路探索装置は、経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、該経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備え、経路探索部は、前記経路探索要求に含まれる方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる経路探索装置において、前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクを経路探索の開始リンクとして経路探索を行うことを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項4にかかる経路探索装置において、前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始することを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項1〜3の何れかにかかるナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置であって、前記ナビゲーション装置は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送ることを特徴とする。
【0023】
また、本願の請求項8にかかる発明は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送るナビゲーション装置と、
経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、前記経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備えた経路探索装置と、からなるナビゲーションシステムにおける経路探索装置を構成するコンピュータに、
前記経路探索要求に含まれる方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始する探索方向判定部としての処理を実行させることを特徴とするプログラムである。
【0024】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかるプログラムにおいて、前記コンピュータに、
ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクを経路探索の開始リンクとして経路探索を行う経路探索部としての処理を実行させることを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項8にかかるプログラムにおいて、前記コンピュータに、
ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始する経路探索部としての処理を実行させることを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項11にかかる発明は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送るナビゲーション装置と、
経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、探索方向判定部を備え、前記経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備えた経路探索装置と、からなるナビゲーションシステムにおけるナビゲーション装置を構成するコンピュータに、
ナビゲーション装置が向いている方位を検出する方位検出部としての機能を実行させ、
ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送る経路探索要求部としての処理を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0027】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション装置が方位検出部でナビゲーション装置が向いている方位を検出して、出発地、目的地などの経路探索要件とともに方位情報を経路探索装置に送り、経路探索装置が前記方位情報に基づいて、ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始する。従って、経路探索装置はナビゲーション装置が向いている方向のリンクから経路を探索し、複数の経路探索をする必要がなく効率的な経路探索を行うことができるようになる。また、ナビゲーション装置は、経路探索装置からナビゲーション装置自身が向いている方向の案内経路を受け取るため、進行方向に沿った案内を受けることができるようになり、利用者は案内経路を視認しやすくなる。
【0028】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクから経路探索を開始する。従って、経路探索装置はナビゲーション装置が向いている方向のリンクから経路を探索し、複数の経路探索をする必要がなく効率的な経路探索を行うことができるようになる。また、ナビゲーション装置は、経路探索装置からナビゲーション装置自身が向いている方向の案内経路を受け取るため、進行方向に沿った案内を受けることができるようになり、利用者は案内経路を視認しやすくなる。
【0029】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始する。従って、経路探索装置はナビゲーション装置が向いている方向のリンクから経路を探索し、複数の経路探索をする必要がなく効率的な経路探索を行うことができるようになる。また、ナビゲーション装置は、経路探索装置からナビゲーション装置自身が向いている方向の案内経路を受け取るため、進行方向に沿った案内を受けることができるようになり、利用者は案内経路を視認しやすくなる。
【0030】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索装置を提供することができるようになる。すなわち、経路探索装置が方位情報に基づいて、ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始する。従って、経路探索装置はナビゲーション装置が向いている方向のリンクから経路を探索し、複数の経路探索をする必要がなく効率的な経路探索を行うことができるようになる。また、ナビゲーション装置は、経路探索装置からナビゲーション装置自身が向いている方向の案内経路を受け取るため、進行方向に沿った案内を受けることができるようになり、利用者は案内経路を視認しやすくなる。
【0031】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索装置を提供することができるようになる。すなわち、経路探索装置が方位情報に基づいて、ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクから経路探索を開始する。従って、経路探索装置はナビゲーション装置が向いている方向のリンクから経路を探索し、複数の経路探索をする必要がなく効率的な経路探索を行うことができるようになる。また、ナビゲーション装置は、経路探索装置からナビゲーション装置自身が向いている方向の案内経路を受け取るため、進行方向に沿った案内を受けることができるようになり、利用者は案内経路を視認しやすくなる。
【0032】
また、請求項6にかかる発明においては、請求項3にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索装置を提供することができるようになる。すなわち、経路探索装置が方位情報に基づいて、ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始する。従って、経路探索装置はナビゲーション装置が向いている方向のリンクから経路を探索し、複数の経路探索をする必要がなく効率的な経路探索を行うことができるようになる。また、ナビゲーション装置は、経路探索装置からナビゲーション装置自身が向いている方向の案内経路を受け取るため、進行方向に沿った案内を受けることができるようになり、利用者は案内経路を視認しやすくなる。
【0033】
また、請求項7にかかる発明においては、請求項1〜3の何れかにかかるナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置を提供することができるようになる。すなわち、ナビゲーション装置は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送る。従って、経路探索装置は送られた方位情報に基づいて、ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索ができるようになり、また、ナビゲーション装置は、経路探索装置からナビゲーション装置自身が向いている方向の案内経路を受け取るため、進行方向に沿った案内を受けることができるようになり、利用者は案内経路を視認しやすくなる。
【0034】
また、請求項8ないし10にかかる発明においては、請求項4ないし6にかかる経路探索装置を実現させるためのプログラムを提供することができるようになる。
【0035】
また、請求項11にかかる発明においては、請求項7にかかるナビゲーション装置を実現させるためのプログラムを提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明にかかるナビゲーション装置、経路探索装置からあるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図2は、地図DB23に蓄積された地図データの一例を示す概念図である。図3は、図2の地図データに対応する経路ネットワークを示す概念図である。図4は、本発明にかかるナビゲーションシステムの動作シーケンスを示すシーケンス図である。図5は、一方向のリンクを経路ネットワークから一時削除した状態を示す概念図である。
【実施例】
【0037】
図1は本発明の実施例にかかるナビゲーション装置30、経路探索装置20からなるナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明にかかるナビゲーションシステム10は、経路探索装置20とナビゲーション装置30とがネットワーク12を介して接続され、通信型のナビゲーションシステムとして構成されている。ナビゲーション装置30は、歩行者が携帯し、または、自動車に搭載される端末であって、出発地、目的地、移動手段などの経路探索要件とともに経路探索要求を経路探索装置20に送信する。
【0038】
経路探索装置20は、一般的な情報配信サーバと同様のサーバであって、ナビゲーション装置30から送られた経路探索要件に基づいて地図データ、経路ネットワークデータを参照して出発地から目的地までの最適経路を探索し、探索した最適経路を案内経路として地図データとともにナビゲーション装置30に送信する。ナビゲーション装置30は、経路探索装置20から受信した地図データ、案内経路データに基づいて、地図・案内経路を表示部(図示せず)に表示して歩行や走行の案内を受けるように構成されている。なお、本実施例においては、通信型のナビゲーションシステム10として説明を進めるが、本発明は、通信型のナビゲーションシステム10に限られることなく、ナビゲーション装置と経路探索装置が一体となったスタンドアロンで動作するカーナビなどにも適用できる。
【0039】
ナビゲーション装置30は、主制御部31、経路探索要求部32、案内データ記憶部33、地図・経路記憶部34、GPS処理部35、方位検出部36とから構成されている。ユーザは、ナビゲーション装置30において、図示していない操作・表示部から所望の入力、操作指示を行い、表示部に経路探索装置20から配信された地図や案内経路を表示する。主制御部31は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、これらの記憶手段に蓄積されたプログラムによって各部を制御する。
【0040】
経路探索要求部32は、出発地または現在地、目的地、移動手段などの経路探索要件を経路探索装置20に送り、経路探索の要求を行う。出発地、目的地は緯度、経度によって指示するのが一般的であるが、住所や電話番号を入力し、経路探索装置20のデータベースで緯度、経度の情報に変換する方法や、ナビゲーション装置30に表示される地図上でポイントを指定し緯度、経度の情報に変換する方法などがとられる。移動手段は、例えば、徒歩、自動車、徒歩と交通機関の併用などである。本発明においては、ナビゲーション装置30が経路探索装置20に経路探索要求を送信する際に、方位検出部36で検出したナビゲーション装置30が向いている方位を、前記の出発地または現在地、目的地、移動手段などの経路探索要件に付加して送信するように構成した点に特徴がある。
【0041】
案内データ記憶部33には、経路探索装置20からダウンロードまたはプレインストールした経路の案内(ガイダンス)、例えば、交差点や分岐点(ガイダンスポイント)にナビゲーション装置30が近づいた際に、「この先、右折です」等の表示、音声案内のパターンに応じた表示データや音声データなどが記憶されており、ナビゲーション装置30が経路探索装置20から配信を受けた案内経路やガイダンスポイントの案内データに従って、該案内データに設定された案内(ガイド)を表示したり、音声ガイドをしたりすることができる。地図・経路記憶部34は、経路探索要求の結果、経路探索装置20からナビゲーション装置30に配信される地図データ、案内経路データを記憶し、操作・表示部に地図、案内経路を表示するためのものである。
【0042】
GPS処理部35は、通常のナビゲーション端末(携帯端末)と同様に、GPS衛星信号を受信、処理して現在位置を測位するためのものである。
【0043】
一方、経路探索装置20は、主制御部21、送受信部22、地図データベース(DB)23、経路探索部24、データ配信部25、探索方向判定部26、演算処理部27、経路ネットワークデータベース(DB)28、操作表示部29とを備えている。主制御部21は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、これらの記憶手段に蓄積されたプログラムによって各部を制御する。
【0044】
送受信部22は、ナビゲーション装置30からのデータやサービス要求を受信し、また、要求されたデータやサービスに必要なデータをナビゲーション装置30に送信(配信)するためのものである。地図データベース(DB)23は、ナビゲーション装置30に配信して表示するための地図データを蓄積したデータベースであり、経路ネットワークデータベース(DB)28は、経路探索のための経路ネットワークデータ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ)を蓄積したデータベースである。
【0045】
経路探索部24は、探索方向判定部26と演算処理部27とから構成され、ナビゲーション装置30から送られた経路探索の要件に従って、地図DB23、経路ネットワークDB28を参照して、出発地から目的地までの最短の案内経路を探索する。探索の手法は、前述の特許文献1に開示されたダイクストラ法を使用することができる。本発明においては、経路探索部24がナビゲーション装置30から送られた経路探索要件に従って経路を探索する際、ナビゲーション装置30が向いている方位情報に基づいて探索方向判定部26が探索方向を判定し、経路ネットワークデータベース28に蓄積された有向リンクから当該方位情報に沿った方向のリンクを探索するように決定し、演算処理部27がダイクストラ法に基づいて、出発地から目的地に至る一方向のリンクをたどりそのコストを累計して最短の経路を探索するようにした点に特徴がある。
【0046】
データ配信部25は、経路探索部24で探索した最短の案内経路のデータ、地図データ、案内データ等のデータをナビゲーション装置30に配信するためのものであり、案内経路は経路探索部24によってベクターデータとして作成され、ナビゲーション装置30に地図データに付加されて配信される。ナビゲーション装置30は、配信された地図データと案内経路データに従って、表示部に地図および案内経路を表示する。
【0047】
経路探索装置20で経路の探索と案内データ作成が完了すると、地図データ、案内経路(最適経路)データ、案内データがナビゲーション装置30に配信され、ナビゲーション装置30は、地図データと案内経路データとを地図・経路記憶部34に記憶し、案内データを案内データ記憶部33に記憶して操作・表示部に地図および案内経路を表示する。ナビゲーション装置30の現在位置は、GPS処理部35で一定の周期で測位され、ガイダンスポイントに達すると、案内データ記憶部33から当該ガイダンスポイントにおける音声案内のパターンが読み出され、音声案内のパターンに従って、ナビゲーション装置30に用意された音声データが選択され再生される。音声案内のパターンに応じた音声データは、予めナビゲーション装置30にプレインストールされていてもよく、音声データが必要になる毎に経路探索装置20からダウンロードして蓄積していってもよい。
【0048】
次に、図1に示すナビゲーションシステム10の経路探索処理について説明する。図2は、地図DB23に蓄積された地図データの一例を示す概念図である。この地図データは本発明の動作を説明するために極一部を抽出して示した概念図であって、道路H1〜4、V1〜V5によって構成されるエリアを抽出したものである。実際の地図データは、所定の緯度、経度の範囲でメッシュ状に区切られた複数の地図データから構成され、ナビゲージョン装置30の現在位置に応じたメッシュの地図データが配信される。
【0049】
図3は、図2の地図データに対応する経路ネットワークを示す概念図である。図3において、道路H1〜H4、V1〜V5の交差点、端点がノードになっており、各ノードにはノード1〜ノード15のノード番号が定められている。図3においてノード番号は数字をまるで囲んで示している。各ノードを連結している矢印線がリンクを示しており、道路や歩行者用の経路では、双方向の通行が可能であるのが一般的であって、リンクは双方向に向いたペアの有向リンクから構成される。従って、図3の矢印線の矢印の向きが方向別のリンクを示している。そして、リンクはコストを有している。一般的にリンクのコストは、距離または所要時間である。経路ネットワークDB28には、ノード、リンク、リンクコストのデータが蓄積されており、ある出発ノードからある目的ノードに至る経路を探索する場合、出発ノードから目的ノードまでのリンクをたどり、リンクコストを累計していき、累計値が最小になるリンクの組み合わせが最適経路として決定される。
【0050】
図3において、ノード15から出発するものとして目的地がノード1である場合の経路探索について説明する。出発地Aがノード14に近い地点である場合、出発方向を考慮しない経路探索によって最適経路(最短の経路)を探索すると、本来、探索される経路は、「ノード15、ノード14、ノード11、ノード7、ノード3、ノード2、ノード1(目的地)」と進むはずの経路であったが、例えば、ノード14(交差点)で右折することができなくて、現在地マークAのところでリルート(再探索)が発生したとする。
【0051】
このとき、最短経路は、「ノード14、ノード11、ノード7、ノード3、ノード2、ノード1(目的地)」である。しかし、この新たな案内経路は進行方向と逆である。徒歩ならUターンは簡単であるが、車両の場合はできればUターンはしたくない。図3の場合も、「ノード13、ノード9、ノード10、ノード6、ノード5、ノード1(目的地)」の経路ならUターンせずに目的地を目指せる。実際に地点Aを越えれば後者のルートの方が最短経路になり、探索中も自車が進行中であることを考えると、進行方向にまず経路をとるのは無駄なことではない。
【0052】
そこで、本発明の実施例においては、ナビゲーション装置30に電子コンパス、3次元地磁気センサ、加速度センサなどから構成される方位検出部36を設け、この方位検出部36によってナビゲーション装置30が向いている方位(向き)を検出し、経路探索の要件に方位検出部36が検出した方位の情報を加えて、経路探索装置20に経路探索要求を送信するようにしている。そして、経路探索装置20は、ナビゲーション装置30から送信された方位情報(ナビゲーション装置30が向いている方位)に基づいて、経路探索部24の探索方向判定部26が経路探索する出発リンクの方向を決定し、経路ネットワークDB28を参照して決定探索方向判定部26が決定した方向に合致したリンクを出発リンクとして演算処理部27がリンクをたどりリンクコストの累積値を算出してリンクコストが最短になる経路を決定する。
【0053】
ここで、探索方向判定部36が判定する出発リンクの向きは、ナビゲーション装置30が向いている方位に近い向きを持つリンクである。ここでいう「近い向き」とは、おおむね、ナビゲーション装置30が検出した方位とリンクの向きの角度差が90°以内のものである。これは、方位検出部36が検出する方位の誤差、あるいは、ナビゲーション装置30が歩行者用の携帯端末である場合に方位検出部36の検出方位が実際の方位とずれた方位を検出する可能性があることを考慮したものである。
【0054】
次に、図4のシーケンス図を用いて上記リルートが発生した場合の動作について説明する。図4は、本発明にかかるナビゲーションシステムの動作シーケンスを示すシーケンス図である。ステップS10でナビゲーション装置30において、電子コンパスなどの方位検出部36を用いて、ナビゲーション装置30が向いている方位を取得する。ナビゲーション装置は車両に固定されているので、方位検出部36が検出した方位は車両の向いている方向である。そして、ナビゲーション装置30は、ステップS11においてGPS処理部35で現在位置を測位し、現在位置と目的地、方位情報、その他経路探索の要件(探索条件)を経路探索装置20に送る。
【0055】
経路探索装置20は、ナビゲーション装置30の現在位置を出発地として経路探索を行なうわけであるが、現在地周辺のリンクのうち、ナビゲーション装置30の方位に近いリンクを出発リンクとして探索を開始する。「近いリンク」とは、前述したように、道路には双方向にリンクがあり、そのうちナビゲーション装置30が現在向いている方向に近い有向リンクを出発リンクとするという意味である。図3においては、14→13が出発リンクに決まるので、実質ノード13からの経路探索を行う場合と同じと考えることもできる。一方通行のような場合は、有向リンクが1つしかないので、それに従う。出発リンクを決定すること以外は、通常行なわれているダイクストラ法などの探索方法を用いればよい。
【0056】
また、出発リンクを指定する代わりに、反対方向を向いているリンクを経路ネットワークデータから一時的に削除して経路探索を行うようにしてもよい。この場合は、図5に示すような経路ネットワークになる。すなわち、図5は、一方向のリンクを経路ネットワークから一時削除した状態を示す図であり、経路探索装置20は、探索方向判定部26でナビゲーション装置30から送られた方位情報に基づいて、経路ネットワークDB28からナビゲーション装置30が現在向いている方向に近いリンクを残して他の向きのリンクを一時的に削除する。リンクを削除した経路ネットワークを示したのが図5の経路ネットワーク図である。
【0057】
従って、経路探索部24は、経路ネットワークDB28に残されたリンク、すなわち、ナビゲーション装置30が現在向いている方向に近いリンクから経路探索を開始することになり、図3に示す経路ネットワーク図で説明したのと実質的に同様の経路探索を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上、説明したように、本発明にかかるナビゲーションシステムによれば、歩行者や自動車がスタートする方向または移動している方向に応じた経路探索を行うことができるようになり、効率的な経路探索を可能とした経路探索装置およびナビゲーション、装置経路探索方法ならびにプログラムを提供することができる。
【0059】
なお、上記の実施例は通信型の自動車用ナビゲーションシステムを例にしたものであるが、本発明はこれに限られるものではなく、携帯電話を端末として実用化されている歩行用のナビゲーションシステムにおいても適用可能である。携帯電話の画面を見る方向は決まっているので、表示画面の上方向を進行方向と考えてよい。このようにすれば、利用者に突然後ろ向きの経路が表示されることがないので、利用者に奇異な感じを与えることがなくなる。更に、通信型のナビゲーションシステム以外にナビゲーション装置と経路探索装置を一体化した自動車用のナビゲーションシステムとして構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明にかかるナビゲーション装置、経路探索装置からあるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】地図DBに蓄積された地図データの一例を示す概念図である。
【図3】図2の地図データに対応する経路ネットワークを示す概念図である。
【図4】本発明にかかるナビゲーションシステムの動作シーケンスを示すシーケンス図である。
【図5】一方向のリンクを経路ネットワークから一時削除した状態を示す概念図である。
【符号の説明】
【0061】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・経路探索装置
21・・・・主制御部
22・・・・送受信部
23・・・・地図データベース(DB)
24・・・・経路探索部
25・・・・データ配信部
25・・・・交差点経路判定部
26・・・・探索方向判定部
27・・・・演算処理部
28・・・・経路ネットワークデータベース(DB)
29・・・・操作・表示部
30・・・・ナビゲーション装置
31・・・・主制御部
32・・・・経路探索要求部
33・・・・案内データ記憶部
34・・・・地図・経路記憶部
35・・・・GPS処理部
36・・・・方位検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置と経路探索装置からなるナビゲーションシステムであって、
ナビゲーション装置は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送り、
経路探索装置は、経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、該経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備え、経路探索部は、前記経路探索要求に含まれる方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクを経路探索の開始リンクとして経路探索を行うことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーョシンシステム。
【請求項4】
経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送るナビゲーション装置と経路探索装置からなるナビゲーションシステムを構成する経路探索装置であって、
前記経路探索装置は、経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、該経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備え、経路探索部は、前記経路探索要求に含まれる方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始することを特徴とする経路探索装置。
【請求項5】
前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクを経路探索の開始リンクとして経路探索を行うことを特徴とする請求項4に記載の経路探索装置。
【請求項6】
前記経路探索部は、探索方向判定部を備え、前記ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始することを特徴とする請求項4に記載の経路探索装置。
【請求項7】
前記請求項1〜3の何れか1項のナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送ることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送るナビゲーション装置と、
経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、前記経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備えた経路探索装置と、からなるナビゲーションシステムにおける経路探索装置を構成するコンピュータに、
前記経路探索要求に含まれる方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを選択して経路探索を開始する探索方向判定部としての処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、
ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きに近い方向のリンクを出発リンクとして決定し、前記決定された出発リンクを経路探索の開始リンクとして経路探索を行う経路探索部としての処理を実行させることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータに、
ナビゲーション装置から送られた方位の情報に基づいて、前記ナビゲーション装置の現在地または出発地近傍のリンクのうち、ナビゲーション装置の向きと大きく異なる方向のリンクを前記経路ネットワークデータベースから一時的に削除して経路探索を開始する経路探索部としての処理を実行させることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
経路探索要求部と方位検出部とを備え、方位検出部はナビゲーション装置が向いている方位を検出し、経路探索要求部は、ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送るナビゲーション装置と、
経路の端点、交差点、分岐点等をノードとし、ノードを連結するリンクと、前記リンクのコストから構成した経路ネットワークデータベースと、探索方向判定部を備え、前記経路ネットワークデータベースを参照して前記現在位置または出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部と、を備えた経路探索装置と、からなるナビゲーションシステムにおけるナビゲーション装置を構成するコンピュータに、
ナビゲーション装置が向いている方位を検出する方位検出部としての機能を実行させ、
ナビゲーション装置の現在位置または出発地と目的地に加え、前記方位を経路探索要求として経路探索装置に送る経路探索要求部としての処理を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−38513(P2006−38513A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215613(P2004−215613)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】