説明

ナビゲーションシステム、観光スポット検出装置、ナビゲーション装置、観光スポット検出方法、ナビゲーション方法、観光スポット検出プログラム及びナビゲーションプログラム

【課題】にわかに観光スポットとして注目されつつある地点であっても、観光スポットとしての検出を可能とする。
【解決手段】サーバ1は、複数のユーザが撮像した写真と、その写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを通信インタフェース11で受け付けて、そのアップロードされた写真データを写真データD2に格納する。観光スポット検出部13は、アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、観光スポット検出装置、ナビゲーション装置、観光スポット検出方法、ナビゲーション方法、観光スポット検出プログラム及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地点から目的地点に至るまでの経路を案内するナビゲーション装置において、指定された通過地点を経由して目的地点に至る経路を案内するものがある。例えば、通過地点としては、出発地点から目的地点に至るまでに立ち寄る観光スポット(観光地)などがある。この観光スポットを経由して出発地点から目的地点に至る経路を案内するための従来技術としては、特許文献1が知られている。特許文献1には、観光地に関する情報が通過地点として予め設定しており、その予め設定された観光地を経由する経路を案内することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−321087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、予め設定された観光スポットを通過地点として経由する経路しか案内することができない。したがって、にわかに観光スポットとして注目されつつある地点は、予め観光スポットとして設定しておくことができないため、案内することができなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、にわかに観光スポットとして注目されつつある地点であっても、観光スポットとしての検出を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のナビゲーションシステムは、複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるアップロード受付手段、前記アップロードされた写真データを格納する写真データ格納手段、前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出する観光スポット検出手段、を備えるサーバと、前記サーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得する観光スポット取得手段、ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定する地点設定手段、前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成する経路生成手段、前記生成された経路による経路案内を行う経路案内手段、を備えるナビゲーション装置と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の観光スポット検出装置は、複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるアップロード受付手段と、前記アップロードされた写真データを格納する写真データ格納手段と、前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出する観光スポット検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置は、複数のユーザがアップロードした写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するサーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得する観光スポット取得手段と、ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定する地点設定手段と、前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成する経路生成手段と、前記生成された経路による経路案内を行う経路案内手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、コンピュータによる観光スポット検出方法であって、アップロード受付手段が、複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるステップと、写真データ格納手段が、前記アップロードされた写真データを格納するステップと、観光スポット検出手段が、前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、コンピュータによるナビゲーション方法であって、観光スポット取得手段が、複数のユーザがアップロードした写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するサーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得するステップと、地点設定手段が、ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定するステップと、経路生成手段が、前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成するステップと、経路案内手段が、前記生成された経路による経路案内を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の観光スポット検出プログラムは、コンピュータを、複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるアップロード受付手段と、前記アップロードされた写真データを格納する写真データ格納手段と、前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出する観光スポット検出手段と、して機能させる。
【0012】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、コンピュータを、複数のユーザがアップロードした写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するサーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得する観光スポット取得手段と、ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定する地点設定手段と、前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成する経路生成手段と、前記生成された経路による経路案内を行う経路案内手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、にわかに観光スポットとして注目されつつある地点であっても、観光スポットとしての検出を可能とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態にかかるナビゲーションシステムの概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施形態にかかるナビゲーション装置が生成する経路の一例を示す図である。
【図3】図3は、本実施形態にかかるサーバの機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】図4は、本実施形態にかかるサーバのデータベースの一例を示す図である。
【図5】図5は、本実施形態にかかるナビゲーション装置の機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】図6は、本実施形態にかかるナビゲーション装置のデータベースの一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施形態にかかるサーバが行う処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】図8は、観光スポット検出処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】図9は、観光スポット検出処理の様子を例示した概念図である。
【図10】図10は、本実施形態にかかるナビゲーション装置が行う処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】図11は、経路情報を生成する処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】図12は、経路情報を生成する処理の様子を例示した概念図である。
【図13】図13は、変形例1にかかるサーバの機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【図14】図14は、変形例2かかる中継地点設定装置の機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【図15】図15は、本実施形態にかかる観光スポットの検出を例示する図である。
【図16】図16は、変形例3にかかる観光スポットの検出を例示する図である。
【図17】図17は、変形例4にかかる観光スポット検出処理の様子を例示した概念図である。
【図18】図18は、出発地点と到着地点とを結ぶ直線に対する角度と距離とに応じた観光スポットを設定する様子を例示した概念図である。
【図19】図19は、出発地点と到着地点とが同一の地点に設定された場合の、観光スポットを設定する様子を例示した概念図である。
【図20】図20は、その他の変形例にかかるサーバの機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本実施形態にかかるナビゲーションシステム、観光スポット検出装置、ナビゲーション装置及びプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
先ず、本実施形態にかかるナビゲーションシステムの概要を説明する。図1は、本実施形態にかかるナビゲーションシステム100の概要を示す図である。ナビゲーションシステム100は、観光スポット検出装置としてのサーバ1と、自動車A1などに搭載されたナビゲーション装置2とが、インターネット、無線LAN、通信事業者の無線通信網等である通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続する構成である。
【0017】
サーバ1は、不特定多数のユーザU1、U2、U3から、通信ネットワークNTと同様の通信網を介してアップロードされる写真データを格納する。サーバ1にアップロードされる写真データは、GPS(Global Positioning System)により撮像時の現在位置を取得可能な携帯電話やデジタルスチルカメラ等の端末装置C1、C2、C3でユーザU1、U2、U3により撮像されたものである。したがって、サーバ1にアップロードされる写真データには、日時や撮像者などの撮像時の状況を示す情報として、Exif(Exchangeable image file format)情報などとともに、ジオタグなどの撮像された位置に関する位置情報がメタデータとして含まれている。なお、写真データのアップロードは、端末装置C1、C2、C3から直接サーバ1へ行うものであってもよいし、パーソナルコンピュータなどの別の端末装置に一旦格納してからサーバ1へ行うものであってもよい。また、アップロードされる写真データは、ジオタグなどの位置情報を含むものであれば、動画像又は静止画像のいずれであってもよい。
【0018】
サーバ1は、不特定多数のユーザU1、U2、U3によりアップロードされた写真データに含まれる位置情報をもとに、撮像された静止画像や動画像(以下、単に写真と呼ぶ)が密集した、写真の密度の高いエリア(地域)を観光スポットとして検出する。具体的には、写真データに含まれる位置情報をもとに、地図M上における写真群を解析し、写真が密集しているエリアを観光スポットP1、P2、P3として検出する。検出した観光スポットは、通信ネットワークNTを介したナビゲーション装置2からの要求に応じて、ナビゲーション装置2に通知される。
【0019】
不特定多数のユーザU1、U2、U3が写真を撮像する場所は、景勝地やモニュメントなどが設置されたいわゆる観光スポットが一般的である。したがって、不特定多数のユーザU1、U2、U3が撮像してサーバ1にアップロードした写真が密集しているエリアを検出することで、観光スポットを検出することが可能である。また、不特定多数のユーザU1、U2、U3が撮像してサーバ1にアップロードした写真を用いて、動的に観光スポットP1、P2、P3を検出することで、観光スポットを予め設定しておく必要がなくなる。例えば、イベントが行われている期間だけモニュメントが設置されるなどして、その期間の間だけ観光スポットとなる場合がある。このように、時々刻々と変化する観光スポットをその都度設定することは大変な手間であるが、不特定多数のユーザU1、U2、U3が撮像した写真群を解析して、写真が密集しているエリアを観光スポットとすることで、その手間をなくすことが可能となる。
【0020】
ナビゲーション装置2は、ユーザにより指定された出発地点と到着地点の間を移動するための経路(ルート)情報を生成し、その生成した経路情報を表示や音声などでユーザに通知して経路の案内を行う装置である。なお、ナビゲーション装置2は、本実施形態では自動車A1に搭載するものを例示したが、特に自動車A1に搭載するものに限定しない。また、ナビゲーション装置2は、GPSなどにより現在地点を示しながら経路の案内を行うものである必要はなく、例えばパーソナルコンピュータや携帯電話などの情報端末であってよい。
【0021】
ナビゲーション装置2は、経路情報を生成する際に、サーバ1に対して、サーバ1が検出した観光スポットの情報を要求する。そして、ナビゲーション装置2は、その要求に対して、サーバ1から通知された観光スポットの情報をもとに、観光スポットを経由して出発地点と到着地点の間を移動するような経路となる経路情報を生成する。例えば、サーバ1から観光スポットP1、P2、P3が通知された場合は、その観光スポットP1、P2、P3を経由する経路Rを経路情報として生成し、表示画面G1として表示出力する。
【0022】
図2は、本実施形態にかかるナビゲーション装置2が生成する経路R1、R2の一例を示す図である。図2に示すように、ナビゲーション装置2は、地図M上において、ユーザにより出発地点DPと到着地点ARが指定されることで経路情報の生成を行う。この経路情報の生成の際に、サーバ1から観光スポットP1、P2の通知を受けていない場合には、通常の経路R1が経路情報として生成されることとなる。また、経路情報の生成の際に、サーバ1から観光スポットP1、P2の通知を受けている場合には、出発地点DPから到着地点ARに至るまでに観光スポットP1、P2を経由する経路R2が経路情報として生成されることとなる。この経路R1、R2にかかる経路情報は、地図M上の道路や鉄道などの交通機関にかかる情報(交通機関を利用した場合の時間情報)が格納された地図データを利用して、所用距離や所要時間がより短くなるようにナビゲーション装置2が生成する。なお、経路R1、R2にかかる経路情報の生成について、経路R2が出発地点DPから到着地点ARに至るまでに観光スポットP1、P2を経由すること以外は、その生成方法は共通したものである。したがって、ナビゲーション装置2を利用するユーザは、経路R2を参考にすることで、不特定多数のユーザU1、U2、U3が撮像した写真群を解析して検出された観光スポットP1、P2を経由することが可能となる。
【0023】
次に、サーバ1の構成について説明する。図3は、本実施形態にかかるサーバ1の機能的な構成を模式的に示すブロック図である。図3に示すように、サーバ1は、通信インタフェース11、12、観光スポット検出部13、地図データD1、写真データD2、データベースD3を備える構成である。
【0024】
通信インタフェース11、12、観光スポット検出部13は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、サーバ1の動作を制御する所定のプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)や演算処理装置のワーク領域となるRAM(Random Access Memory)等の記憶装置、通信ネットワークNTなどを介した通信を行う通信装置(何れも図示せず)などにおいて、演算処理装置と記憶装置に格納されたプログラムとの協働により、通信装置による通信や、演算処理装置による処理が行われることで実現される機能部である。地図データD1、写真データD2、データベースD3は、HDD(Hard Disk Drive)やメモリ等の記憶媒体(図示せず)に、通信インタフェース11、通信インタフェース12、観光スポット検出部13により読み出し/書き込み可能に格納されるデータである。
【0025】
通信インタフェース11は、例えば端末装置C1、C2、C3などによる、不特定多数のユーザU1、U2、U3からアップロードされる写真データを受け付けるインタフェースである。通信インタフェース11は、不特定多数のユーザU1、U2、U3からアップロードされた写真データを写真データD2に格納する。通信インタフェース11による写真データのアップロードの受け付けは、例えば端末装置C1、C2、C3のブラウザによりアクセスされるWeb画面などを介して行うものであってよい。
【0026】
通信インタフェース12は、通信ネットワークNTを介してナビゲーション装置2との間のデータ通信を行うインタフェースである。具体的には、通信インタフェース12は、観光スポットに関するナビゲーション装置2からの要求に応じて、データベースD3に格納された観光スポットに関する情報を読み出し、ナビゲーション装置2へ通知する。
【0027】
観光スポット検出部13は、地図にかかる情報が格納された地図データD1と、不特定多数のユーザU1、U2、U3からアップロードされた写真データが格納された写真データD2とを参照して、写真データD2の位置情報をもとに、アップロードされた写真群の密度の高いエリアを観光スポットとして検出する。観光スポット検出部13により検出された観光スポットに関する情報は、データベースD3に格納される。
【0028】
図4は、本実施形態にかかるサーバ1のデータベースD3の一例を示す図である。図4に示すように、データベースD3には、写真データD2に登録された写真を識別するためにユニークに割り当てられた「写真No.」ごとに、その写真の位置情報(「x位置」、「y位置」)が格納されている。また、データベースD3には、観光スポット検出部13により検出された観光スポットごとに、その観光スポットを識別するためにユニークに割り当てられた「観光スポットNo.」と、観光スポットの位置情報(「x位置」、「y位置」)とが格納されている。
【0029】
次に、ナビゲーション装置2の構成について説明する。図5は、本実施形態にかかるナビゲーション装置2の機能的な構成を模式的に示すブロック図である。図5に示すように、ナビゲーション装置2は、通信インタフェース21、観光スポット取得部22、現在地認識部23、ユーザインタフェース24、スタート/ゴール/中継地点設定部25、ルート生成部26、表示部27、データベースD21、地図データD22を備える構成である。
【0030】
通信インタフェース21、観光スポット取得部22、現在地認識部23、スタート/ゴール/中継地点設定部25、ルート生成部26は、CPU等の演算処理装置、ナビゲーション装置2の動作を制御する所定のプログラムが格納されたROMや演算処理装置のワーク領域となるRAM(Random Access Memory)等の記憶装置、通信ネットワークNTなどを介した通信を行う通信装置(何れも図示せず)などにおいて、演算処理装置と記憶装置に格納されたプログラムとの協働により、通信装置による通信や、演算処理装置による処理が行われることで実現される機能部である。データベースD21、地図データD22は、HDDやメモリ等の記憶媒体(図示せず)に、通信インタフェース21、観光スポット取得部22、スタート/ゴール/中継地点設定部25、ルート生成部26により読み出し/書き込み可能に格納されるデータである。
【0031】
通信インタフェース21は、通信ネットワークNTを介してサーバ1との間のデータ通信を行うインタフェースである。観光スポット取得部22は、通信インタフェース21を介してサーバ1へ観光スポットに関する情報を要求し、サーバ1から観光スポットに関する情報を取得する。観光スポット取得部22は、サーバ1から取得した観光スポットに関する情報をデータベースD21へ格納する。
【0032】
現在地認識部23は、通信装置(不図示)により受信したGPS信号などをもとに、ナビゲーション装置2の現在位置を認識する。ナビゲーション装置2では、現在地認識部23により認識した現在位置を用いることで、ナビゲーション装置2の現在位置を出発地点とした経路情報の生成や、現在地点を示しながらの経路案内などを行うことが可能となる。ユーザインタフェース24は、タッチパネルや各種操作キーなどであり、ユーザUからの操作指示を受け付ける。
【0033】
スタート/ゴール/中継地点設定部25は、ユーザインタフェース24によるユーザUからの操作指示により、経路情報を生成する際の、スタート(出発地点)、ゴール(到着地点)、その間の中継地点などの、経路情報を生成する際に重要な地点の設定(指定)を受け付ける。スタート/ゴール/中継地点設定部25は、ユーザの操作により設定されたスタート/ゴール/中継地点にかかる情報を、データベースD21に格納する。なお、スタート/ゴール/中継地点設定部25が設定を受け付ける、経路情報を生成する際に重要な地点は、少なくとも、スタート、ゴールの二つの地点であればよい。また、スタート/ゴール/中継地点設定部25は、ユーザインタフェース24によるユーザUからの操作指示により、上述した二つの地点の間を移動するのに要する所要時間の設定を受け付けてもよい。
【0034】
ルート生成部26は、観光スポットに関する情報や、ユーザの操作により設定されたスタート/ゴール/中継地点にかかる情報をデータベースD21から取得し、そのデータベースD21から取得した情報と、道路や鉄道などの交通機関の情報を含む地図にかかる情報が格納された地図データD22とをもとに、経路情報の生成を行う。具体的には、ユーザの操作により設定されたスタート〜中継地点〜ゴールに至る経路において、観光スポットを経由する経路を含めた経路情報を生成する。
【0035】
表示部27は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置である。例えば、表示部27は、地図データD22による地図、ユーザインタフェース24によりユーザUからの操作指示を受け付ける際の操作画面、ルート生成部26により生成された経路情報等の表示を行う。また、表示部27は、ルート生成部26により生成された経路情報の表示を行う際に、他の情報機器に通信インタフェース21を介して接続し、その情報機器が提供するHPなどから得られた、ブログ、観光案内ホームページ、お店その他施設のホームページ等の観光スポットに関する情報を表示してもよい。
【0036】
図6は、本実施形態にかかるナビゲーション装置2のデータベースD21の一例を示す図である。図6に示すように、データベースD21には、サーバ1から取得した情報であって、サーバ1により検出された観光スポットの地図上の位置が格納されている。具体的には、サーバ1により検出された観光スポットごとに、その観光スポットを識別するためにユニークに割り当てられた「観光スポットNo.」と、観光スポットの位置情報(「x位置」、「y位置」)とが格納されている。また、データベースD21には、ユーザの操作により設定されたスタート/ゴール/中継地点にかかる情報であり、経路情報を生成する際に重要な地点の地図上の位置が格納されている。具体的には、設定された重要地点であるスタート/ゴール/第1中継地点/第2中継地点の位置情報(「x位置」、「y位置」)が格納されている。
【0037】
次に、サーバ1が行う処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態にかかるサーバ1が行う処理の内容を示すフローチャートである。
【0038】
図7に示すように、処理が開始されると、サーバ1は、不特定多数のユーザU1、U2、U3による例えば端末装置C1、C2、C3を用いた写真のアップロード要求(写真登録)、又はアップロードした写真の削除要求や、ナビゲーション装置2による観光スポット取得の要求の入力を待つ(S11)。
【0039】
サーバ1は、通信インタフェース11、12を介した入力があった場合、その入力が通信インタフェース11を介した入力であり、不特定多数のユーザU1、U2、U3による写真登録/写真削除の要求であるか否かを判定する(S12)。
【0040】
S12において通信インタフェース11を介した写真登録/写真削除の要求である場合(YES)、サーバ1は、その要求に応じて、写真データD2への写真の登録/写真データD2に登録されている写真の削除を行う(S13)。次いで、サーバ1は、観光スポット検出部13による観光スポット検出処理を行う(S14)。
【0041】
S12において通信インタフェース11を介した写真登録/削除の要求でない場合(NO)、サーバ1は、通信インタフェース12を介した入力であり、ナビゲーション装置2による観光スポット取得の要求であるか否かを判定する(S15)。
【0042】
S15においてナビゲーション装置2による観光スポット取得の要求である場合(YES)、サーバ1は、その要求に応じて、データベースD3に格納された観光スポットに関する情報を読み出し、その読み出した観光スポットに関する情報を通信インタフェース12を介してナビゲーション装置2へ回答する(S16)。
【0043】
S15においてナビゲーション装置2による観光スポット取得の要求でない場合(NO)や、S14、S16に次いで、サーバ1は、電源オフなどの所定の終了指示の有無により、処理を終了するか否かを判定し(S17)、処理を継続する場合(NO)はS11へ処理を戻して入力待ちとする。S17において肯定判定の場合は処理を終了する。
【0044】
なお、本実施形態では観光スポット検出処理を写真登録/写真削除の後のタイミングで行っているが、観光スポット検出処理を行うタイミングはこれに限定せず、任意のタイミングであってよい。例えば、一定時間ごと、ナビゲーション装置2による観光スポット取得の要求があった場合(S15:YESの後)などに観光スポット検出処理を行ってもよい。
【0045】
ここで、観光スポット検出処理(S14)の詳細について説明する。図8は、観光スポット検出処理の内容を示すフローチャートである。
【0046】
図8に示すように、観光スポット検出処理が開始されると、観光スポット検出部13は、地図データD1上の地図において予め設定された対象地点検索範囲の中から、任意の対象地点を選択する(S141)。なお、予め設定される対象地点検索範囲は、地図データD1上の地図における全領域であっても、一部の領域であってもよく、特に限定しない。
【0047】
次いで、観光スポット検出部13は、S141で選択した対象地点を中心に、予め設定された特定の範囲内において、写真データD2の位置情報が含まれる写真の枚数をカウントする(S142)。なお、写真の枚数をカウントする特定の範囲は、数十メートル四方、数キロメートル四方などの数値や対象地点検索範囲との面積比率などで予め設定されるものであってよく、特に限定しない。例えば、対象地点検索範囲との面積比率で予め設定した場合は、写真の枚数をカウントする特定の範囲を対象地点検索範囲の広さに応じて可変とすることができる。
【0048】
次いで、観光スポット検出部13は、S142でカウントされた写真の枚数が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(S143)。すなわち、S143では、対象地点を中心とした特定の範囲がアップロードされた写真が密集しているエリアであり、対象地点が観光スポットであるか否かを判定している。S142でカウントされた写真の枚数が閾値以上である場合(S143:YES)、観光スポット検出部13は、対象地点を観光スポットと判定し、その対象地点を観光スポットとしてデータベースD3に追加する(S144)。
【0049】
S144の後や、S142でカウントされた写真の枚数が閾値以上でない場合(S143:NO)、観光スポット検出部13は、S141で選択した対象地点及びその対象地点を中心とした特定の範囲を対象地点検索範囲から除外する(S145)。次いで、観光スポット検出部13は、対象地点検索範囲に対象地点として選択する要素があるか否かを判定し(S146)、要素がある場合(NO)はS141へ戻って処理を継続し、要素がない場合(YES)は処理を終了する。
【0050】
図9は、観光スポット検出処理の様子を例示した概念図である。図9に示すように、観光スポット検出処理が開始されると、S141において、対象地点検索範囲の中から対象地点が選ばれる。次いで、S142において、対象地点を中心とした特定の範囲内において登録された写真の枚数がカウントされる。図示例ではカウントされた写真の枚数が閾値以下であるため(S143:NO)、対象地点は観光スポットとは認定されていない。そして、S145において、対象地点と、その対象地点を中心とした特定の範囲が対象地点検索範囲から除外される。
【0051】
そして、S141において、対象地点検索範囲の中から次の対象地点が選ばれる。次いで、S142において、対象地点を中心とした特定の範囲内において登録された写真の枚数がカウントされる。図示例ではカウントされた写真の枚数が閾値以上であるため(S143:YES)、対象地点は観光スポットと認定されて、データベースD3に追加される(S144)。そして、S145において、対象地点と、その対象地点を中心とした特定の範囲が対象地点検索範囲から除外される。以後、対象地点として選択する要素が対象地点検索範囲からなくなるまで処理が継続して行われる。
【0052】
次に、ナビゲーション装置2が行う処理の流れについて説明する。図10は、本実施形態にかかるナビゲーション装置2が行う処理の内容を示すフローチャートである。
【0053】
図10に示すように、処理が開始されると、ナビゲーション装置2は、サーバ1から観光スポットに関する情報を通信インタフェース21を介して取得する(S21)。次いで、ナビゲーション装置2では、ユーザによるスタート地点、ゴール地点の設定をスタート/ゴール/中継地点設定部25が行う(S22、S23)。S21で取得した観光スポットに関する情報や、S22、S23で設定されたスタート地点、ゴール地点に関する情報は、一旦データベースD21に格納される。なお、S22、S23では、スタート地点、ゴール地点の他に、ユーザによる中継地点の設定を行ってもよい。また、観光スポットに関する情報の取得(S21)、スタート地点、ゴール地点の設定(S22、S23)は、互いに独立して行われる処理なので、シーケンシャルな処理でなくてもよい。
【0054】
次いで、ナビゲーション装置2では、ルート生成部26が、観光スポットに関する情報や、ユーザの操作により設定されたスタート地点、ゴール地点にかかる情報をデータベースD21から取得し、そのデータベースD21から取得した情報と、地図データD22とをもとに、観光スポットを経由する経路(ルート)の経路情報の生成を行う(S24)。このS24で生成された経路情報が表示部27に表示されることで、観光スポットを経由してスタート地点からゴール地点へ至る経路の案内が行われることとなる。
【0055】
ここで、ルート生成部26が行う、経路情報を生成する処理(S24)の詳細について説明する。図11は、経路情報を生成する処理の内容を示すフローチャートである。
【0056】
図11に示すように、経路情報を生成する処理が開始されると、ルート生成部26は、S22、S23で設定されたスタート地点とゴール地点を結ぶ通常のルートを、地図データD22をもとに算出して取得する(S241)。具体的には、道路や鉄道などの交通機関の情報を含む地図にかかる情報が格納された地図データD22をもとに、スタート地点からゴール地点に至るまでの所用距離や所要時間をより短くするルートが算出される。
【0057】
次いで、ルート生成部26は、S241で取得した通常のルートからの距離が、予め設定された特定の範囲内(距離内)にある観光スポット(群)をデータベースD21を参照して取得する(S242)。すなわち、S242では、通常のルートを中心とし、所定幅の帯状の領域内にある観光スポット群が取得される。
【0058】
次いで、ルート生成部26は、S242において取得された観光スポットが1つ以上であるか否かを判定する(S243)。S243において観光スポットが1つ以上取得されたと判定された場合(YES)、ルート生成部26は、取得された観光スポット(群)を中継地点として新たに設定し、新たに設定した中継地点を経由してスタート地点からゴール地点に至るルートを地図データD22をもとに生成する(S244)。次いで、ルート生成部26は、S244で生成した結果(ルート)を、観光スポットを経由するルートとして表示部27に表示出力して(S245)、処理を終了する。S244におけるルート生成は、S241と同様、新たに設定した中継地点を経由してスタート地点からゴール地点に至るまでの所用距離や所要時間をより短くするルートを生成するものであってよい。また、S244におけるルート生成は、スタート/ゴール/中継地点設定部25で所要時間が設定されている場合、その所要時間内に立ち寄り可能な観光スポット(群)を地図データD22をもとに絞り込み、その絞り込まれた観光スポットを中継地点とするルートを生成してもよい。
【0059】
なお、S243において否定判定(NO)の場合、ルート生成部26は、S22、S23で設定されたスタート地点からゴール地点に至るまでに寄り道とする適切な観光スポットが見つからなかった旨を表示部27に表示出力して(S246)、処理を終了する。
【0060】
図12は、経路情報を生成する処理の様子を例示した概念図である。図12に示すように、経路情報を生成する処理が行われると、S22、S23で設定された出発地点DPから到着地点ARに至る経路R1が取得される。そして、サーバ1から取得した観光スポットP1〜P4の中から、経路R1を中心とし、所定幅の帯状の領域H内にある観光スポット群(観光スポットP1、P2)が新たに中継地点として設定される。そして、新たに中継地点とした観光スポットP1、P2を経由し、出発地点DPから到着地点ARに至る経路R2が生成されて、表示部27に表示出力されることとなる。すなわち、サーバ1が検出した観光スポットの中で、出発地点DPと到着地点ARとを結ぶ通常のルートから、予め設定された距離内にある観光スポットP1、P2を経由する経路R2が生成されて、表示部27に表示出力される。なお、図示例では、観光スポットP3、P4は領域H内になく、経路R1から遠いため、中継地点とはならない。
【0061】
[変形例1]
次に、本実施形態の変形例である、変形例1について説明する。図13は、変形例1にかかるサーバ1aの機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【0062】
図13に示すように、サーバ1aは、前述したサーバ1の構成に、演算処理装置と記憶装置に格納されたプログラムとの協働により、通信装置による通信や、演算処理装置による処理が行われることで実現される機能部である、中継地点設定部14を加えたものである。
【0063】
中継地点設定部14は、ナビゲーション装置2においてS241で取得された通常のルートを、通信インタフェース12を介してナビゲーション装置2から取得する。そして、中継地点設定部14は、データベースD3に格納された観光スポットに関する情報を参照し、通常のルートからの距離が、予め設定された特定の範囲内にある観光スポット(群)を中継地点として新たに設定する。そして、中継地点設定部14は新たに設定した中継地点を、通信インタフェース12を介してナビゲーション装置2へ通知する。
【0064】
ナビゲーション装置2では、サーバ1から通知された中継地点を経由してスタート地点からゴール地点に至るまでのルート生成を行う。したがって、ナビゲーション装置2は、サーバ1から観光スポットの取得を行うための観光スポット取得部22を備える必要がなくなり、装置構成をより簡易なものにすることができる。
【0065】
[変形例2]
次に、本実施形態の変形例である、変形例2について説明する。図14は、変形例2にかかる中継地点設定装置3の機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【0066】
図14に示すように、変形例2では、サーバ1とナビゲーション装置2との間において、変形例1の中継地点設定部14に相当する機能を有する中継地点設定装置3を備える構成である。
【0067】
具体的には、中継地点設定装置3は、通信インタフェース31、32、観光スポット取得部33、中継地点設定部34を備えた情報機器である。通信インタフェース31、32、観光スポット取得部33、中継地点設定部34は、CPU等の演算処理装置、ナビゲーション装置2の動作を制御する所定のプログラムが格納されたROMや演算処理装置のワーク領域となるRAM(Random Access Memory)等の記憶装置、通信ネットワークNTなどを介した通信を行う通信装置(何れも図示せず)などにおいて、演算処理装置と記憶装置に格納されたプログラムとの協働により、通信装置による通信や、演算処理装置による処理が行われることで実現される機能部である。
【0068】
通信インタフェース31はサーバ1との間でデータ通信を行うインタフェースであり、通信インタフェース32はナビゲーション装置2との間でデータ通信を行うインタフェースである。観光スポット取得部33は、通信インタフェース31を介してサーバ1から観光スポットに関する情報を取得する。中継地点設定部34は、ナビゲーション装置2においてS241で取得された通常のルートを、通信インタフェース32を介してナビゲーション装置2から取得する。そして、中継地点設定部34は、サーバ1から取得した観光スポットに関する情報をもとに、通常のルートからの距離が、予め設定された特定の範囲内にある観光スポット(群)を中継地点として新たに設定する。そして、中継地点設定部34は新たに設定した中継地点を、通信インタフェース32を介してナビゲーション装置2へ通知する。
【0069】
ナビゲーション装置2では、中継地点設定装置3から通知された中継地点を経由してスタート地点からゴール地点に至るまでのルート生成を行う。したがって、ナビゲーション装置2は、サーバ1から観光スポットの取得を行うための観光スポット取得部22を備える必要がなくなり、装置構成をより簡易なものにすることができる。
【0070】
[変形例3]
次に、本実施形態の変形例である、変形例3について説明する。前述した実施形態では、任意の対象地点を中心とした、予め設定された特定の範囲内における写真の枚数が、所定の閾値以上である場合に、観光スポットとして検出していた。この場合は単に写真の枚数で観光スポットの検出が行われるため、図15に示すように、写真登録が多い地域においては、観光スポットとするには大した場所でなくとも、観光スポットとされてしまうことがある。逆に、写真登録が少ない地域においては、登録された写真の偏り具合から観光スポットらしい場所であっても、観光スポットとされないことがある。
【0071】
変形例3では、サーバ1に登録された写真(群)の地図上の密度の偏りを用いて、観光スポット検出部13が観光スポットの検出を行う。具体的には、観光スポット検出部13が観光スポットの検出を行う際に、任意の対象地点を中心とした、予め設定された特定の範囲内における写真の枚数と、その特定の範囲と隣接し、特定の範囲と同じ面積の範囲内における写真の枚数との差分が、所定の閾値以上である場合に観光スポットとして検出する。又は、任意の対象地点を中心とした、予め設定された特定の範囲内における写真の枚数と、予め設定される対象地点検索範囲内に含まれる全写真の枚数との比率から、写真の偏りが一定以上の場合に観光スポットとして検出してもよい。
【0072】
このように、サーバ1に登録された写真(群)の地図上の密度の偏りを用いて観光スポットの検出を行う場合は、図16に示すように、写真登録が多い地域においては、観光スポットとするには大した偏りがない場所では、登録された写真の絶対数が多くても、観光スポットとされない。逆に、写真登録が少ない地域においては、登録された写真の絶対数が少なくても、観光スポットとするには大きな偏りがある場所では、観光スポットされることとなる。
【0073】
[変形例4]
次に、本実施形態の変形例である、変形例4について説明する。前述した実施形態では、観光スポット検出処理が対象地点検索範囲の全域に亘っておこなわれるものであった。このため、写真の登録がなく、観光スポット検出処理の結果が変わらない領域についても、観光スポット検出処理が行われるため、処理に無駄があった。
【0074】
変形例4では、サーバ1において、不特定多数のユーザU1、U2、U3から新たに写真が登録された(又は削除された)ことをトリガとして、その新たに写真が登録された地点を対象地点として観光スポット検出処理を行うものである。これにより、上述した処理の無駄を低減できる。具体的には、図8における観光スポット検出処理のS141を、写真が登録された地点を対象地点として、その周囲(予め設定された特定の範囲)に登録されている写真の枚数をカウントする(S141a)とし、S145,S146を無くしてそのまま終了する(S145a)ように、処理内容を変更する。
【0075】
このため、図17の上段に示すように、サーバ1は、通信インタフェース11を介して新たに写真が登録されたことを検出した場合(S141a)、その写真が登録された地点を対象地点として、その周囲(予め設定された特定の範囲)に登録されている写真の枚数をカウントする(S142)。図示例ではカウントされた写真の枚数が閾値以下であるため(S143:NO)、その地点が観光スポットとしてデータベースD3に追加されることなく、写真だけが写真データD2に追加される(S145a)。
【0076】
また、図17の下段に示すように、サーバ1は、通信インタフェース11を介して新たに写真が登録されたことを検出した場合(S141a)、その写真が登録された地点を対象地点として、その周囲(予め設定された特定の範囲)に登録されている写真の枚数をカウントする(S142)。図示例ではカウントされた写真の枚数が閾値以上であるため(S143:YES)、写真が写真データD2に追加されるとともに、その地点が観光スポットと認定されてデータベースD3に追加される(S144、S145a)。
【0077】
[その他の変形例]
次に本実施形態のその他の変形例について説明する。まず、中継地点として新たに設定する観光スポットについては、通常のルートからの距離が、予め設定された特定の範囲内にある観光スポット(群)だけでなく、出発地点DPと到着地点ARとを結ぶ直線に対する角度と距離に応じ、その角度と距離が近いものとしてよい。
【0078】
具体的には、図18に示すように、観光スポットP1〜P8の中で、出発地点DPと到着地点ARとを結ぶ直線である経路R1に対する角度が小さく、出発地点DPからの距離が短い観光スポットP1を中継地点として設定する。次いで、観光スポットP1と到着地点ARとを結ぶ直線である経路R2に対する角度が小さく、観光スポットP1からの距離が短い観光スポットP2を中継地点として設定する。次いで、観光スポットP2と到着地点ARとを結ぶ直線である経路R3に対する角度が小さく、観光スポットP2からの距離が短い観光スポットP3を中継地点として設定する。観光スポットP3に至っては、上述した条件を満たす観光スポットが無くなるので、中継地点の設定を終了する。このように設定した観光スポットP1、P2、P3を経由して出発地点DPから到着地点ARに至る、経路R11、R21、R31、R41を観光スポットを経由する経路としてもよい。
【0079】
また、ナビゲーション装置2においては、出発地点DPと到着地点ARとを同一の地点に設定し、所要時間を設定することで、サーバ1から取得した観光スポットを周遊するため経路情報の生成する場合がある。このような場合、ナビゲーション装置2は、出発地点DP及び到着地点ARとして設定された地点を中心とした所定の範囲内の観光スポット群に関する情報を通信インタフェース21を介してサーバ1から取得する。ルート生成部26は、観光スポット群の中から、設定された所要時間内に順次訪れて、設定された地点に戻ることが可能な観光スポットの組み合わせを、各観光スポットの距離を算出して求める。そして、ルート生成部26は、求められた観光スポットの組み合わせで経路情報を生成する。
【0080】
例えば、図19に示すように、出発地点DP及び到着地点ARとして設定された地点に、設定された所要時間で戻ることが可能な観光スポットP1、P2、P3、P4、P5、P6の組み合わせを求め、その観光スポットP1、P2、P3、P4、P5、P6を巡る経路R5の算出を行う。
【0081】
また、観光スポット検出部13において観光スポットの検出を行う際に用いる写真や、観光スポット取得部22においてサーバ1から取得する観光スポットは、所定の条件を満たす情報のみを用いるためのフィルタリングを、写真データのメタデータを参照して行う構成であってよい。フィルタリングの条件としては、日時、撮像者にかかる情報(撮像者の年齢)、撮像場所、ユーザの操作履歴などであってよい。なお、観光スポットのフィルタリングについては、観光スポットとして検出する際に用いられた写真データのメタデータを参照して行うものとする。
【0082】
例えば、日時でフィルタリングを行う場合は、写真データのメタデータから取得した撮像時の日時をもとに、撮像された季節によってフィルタリングすることで、四季折々に適した観光スポットを検出することができる。また、撮像者にかかる情報である、撮像者の年齢でフィルタリングを行う場合は、写真データのメタデータから取得した撮像者の年齢をもとに、世代別でフィルタリングすることで、例えば同世代の人が興味を持つ観光スポットを検出することができる。また、撮像場所でフィルタリングを行う場合は、写真データのメタデータから取得した撮像場所をもとに、地図データに地点ごとに設定された情報(例えば、「湖」、「超高層ビル」、「レストラン」、「崖」)を参照してフィルタリングを行うことで、例えば「レストラン」などの条件にマッチした観光スポットを検出することができる。また、ユーザの操作履歴などをメモリに記録している場合には、繰り返して行われた頻度の高い操作をユーザの嗜好として学習し、その学習結果をもとにフィルタリングを行うことで、ユーザにとって望ましい観光スポットを検出することができる。
【0083】
また、中継地点を経由してスタート地点からゴール地点に至るまでのルート生成はサーバ側で行ってもよい。図20は、その他の変形例にかかるサーバ1bの機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
【0084】
図20に示すように、サーバ1bは、前述したサーバ1aの構成に、演算処理装置と記憶装置に格納されたプログラムとの協働により、通信装置による通信や、演算処理装置による処理が行われることで実現される機能部である、ルート生成部15を加えたものである。
【0085】
ルート生成部15は、ユーザの操作により設定されたスタート/ゴール/中継地点にかかる情報を、通信インタフェース12を介してナビゲーション装置2から取得する。そして、ルート生成部15は、ナビゲーション装置2から取得したスタート/ゴール/中継地点にかかる情報と、道路や鉄道などの交通機関の情報を含む地図にかかる情報が格納された地図データD1とをもとに、経路情報の生成を行う。具体的には、ユーザの操作により設定されたスタート〜中継地点〜ゴールに至る経路において、観光スポット検出部13により検出された観光スポットを経由する経路を含めた経路情報を生成する。この経路情報の生成方法については、ルート生成部26と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0086】
ルート生成部15により生成された経路情報は、通信インタフェース12を介して経路案内手段としてのナビゲーション装置2へ通知される。ナビゲーション装置2では、サーバ1から通知された経路情報を表示部27に表示出力することで、ユーザへ経路案内を行う。したがって、ナビゲーション装置2は、サーバ1から観光スポットの取得を行うための観光スポット取得部22と、経路情報を生成するためのルート生成部26を備える必要がなくなり、装置構成をより簡易なものにすることができる。
【0087】
なお、本実施形態のサーバ1、ナビゲーション装置2のCPUが実行するプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0088】
また、上記プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0089】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0090】
100 ナビゲーションシステム
1、1a、1b サーバ
2 ナビゲーション装置
3 中継地点設定装置
NT 通信ネットワーク
11、12、21、31、32 通信インタフェース
13 観光スポット検出部
14、34 中継地点設定部
15、26 ルート生成部
22、33 観光スポット取得部
24 ユーザインタフェース
25 スタート/ゴール/中継地点設定部
27 表示部
C1〜C3 端末装置
D1、D22 地図データ
D2 写真データ
D3、D21 データベース
DP 出発地点
AR 到着地点
P1〜P8 観光スポット
R、R1、R2、R3、R5、R11、R21、R31、R41 経路
U、U1、U2、U3 ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるアップロード受付手段、
前記アップロードされた写真データを格納する写真データ格納手段、
前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出する観光スポット検出手段、
を備えるサーバと、
前記サーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得する観光スポット取得手段、
ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定する地点設定手段、
前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成する経路生成手段、
前記生成された経路による経路案内を行う経路案内手段、
を備えるナビゲーション装置と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記経路生成手段は、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路から予め設定された距離内にある観光スポットを中継する経路を生成することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記経路生成手段は、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記地点を結ぶ経路からの距離が近く、前記地点を結ぶ経路に対する角度が小さい観光スポットを中継する経路を生成することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記観光スポット検出手段は、前記複数のユーザが撮像した写真が、予め設定された範囲内に所定の枚数以上ある場合に、当該範囲の中心地点を観光スポットとして検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記観光スポット検出手段は、前記複数のユーザが撮像した写真の、予め設定された範囲内における密度と、その周囲における密度との偏りが、予め設定された条件以上である場合に、前記範囲の中心地点を観光スポットとして検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記観光スポット検出手段は、前記アップロードされた写真データに付与された日時、撮像者にかかる情報、撮像位置の中の少なくとも一つの要素を参照して、当該要素が予め設定された条件を満たす写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記観光スポットの検出を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
ユーザの操作を受け付けて、前記設定された地点の間を移動するのに要する所要時間を設定する時間設定手段を更に備え、
前記経路生成手段は、前記設定された所要時間内に前記地点の間を移動する間に、前記サーバが検出した観光スポットの中で立ち寄り可能な観光スポットを中継する経路を生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるアップロード受付手段と、
前記アップロードされた写真データを格納する写真データ格納手段と、
前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出する観光スポット検出手段と、
を備えることを特徴とする観光スポット検出装置。
【請求項9】
ユーザの操作により設定された、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を取得する地点取得手段と、
前記検出された観光スポットの中で、前記取得した地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成する経路生成手段と、
前記生成された経路による経路案内を行う経路案内手段と、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の観光スポット検出装置。
【請求項10】
複数のユーザがアップロードした写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するサーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得する観光スポット取得手段と、
ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定する地点設定手段と、
前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成する経路生成手段と、
前記生成された経路による経路案内を行う経路案内手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
コンピュータによる観光スポット検出方法であって、
アップロード受付手段が、複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるステップと、
写真データ格納手段が、前記アップロードされた写真データを格納するステップと、
観光スポット検出手段が、前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するステップと、
を含むことを特徴とする観光スポット検出方法。
【請求項12】
コンピュータによるナビゲーション方法であって、
観光スポット取得手段が、複数のユーザがアップロードした写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するサーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得するステップと、
地点設定手段が、ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定するステップと、
経路生成手段が、前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成するステップと、
経路案内手段が、前記生成された経路による経路案内を行うステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法
【請求項13】
コンピュータを、
複数のユーザが撮像した写真と、当該写真が撮像された位置を示す撮像位置情報とを含む写真データのアップロードを受け付けるアップロード受付手段と、
前記アップロードされた写真データを格納する写真データ格納手段と、
前記アップロードされた写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出する観光スポット検出手段と、
して機能させるための観光スポット検出プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
複数のユーザがアップロードした写真データに付与された撮像位置情報をもとに、前記複数のユーザが撮像した写真が密集する位置を観光スポットとして検出するサーバから、当該サーバが検出した観光スポットの位置を示す観光スポット位置情報を取得する観光スポット取得手段と、
ユーザの操作を受け付けて、少なくとも出発地点と到着地点とを含む地点を設定する地点設定手段と、
前記取得した観光スポット位置情報をもとに、前記サーバが検出した観光スポットの中で、前記設定された地点を結ぶ経路に近い観光スポットを中継する経路を生成する経路生成手段と、
前記生成された経路による経路案内を行う経路案内手段と、
して機能させるためのナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−137638(P2011−137638A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295922(P2009−295922)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】