説明

ナビゲーションシステム、音声案内方法、経路探索サーバおよび端末装置

【課題】キャラクタ音声データに不足部分があっても音声案内を実行できるようにする。
【解決手段】ナビゲーションシステムは、標準音声データ記憶手段とキャラクタ音声データ記憶手段とを含み、標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段317を備え、案内経路データは案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段214は、識別子を含む案内経路データに基づいて、案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、不足がある場合、キャラクタ音声データ編集手段220はキャラクタ単位音声データのみに基づいて案内経路データを編集し、音声案内出力手段221は編集された案内経路データに基づいて音声出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を経路探索手段が探索し、地図、案内経路を表示手段に表示するするとともに、交差点などに応じた案内ポイントにおいて音声出力による案内を行うナビゲーションシステム、音声案内方法、経路探索サーバおよび端末装置に関するものであり、特に、音声案内のための標準の音声データとユーザ選択可能な少なくとも1つのキャラクタに対応したキャラクタ音声データとを備え、キャラクタ音声データに不足部分があった場合においても、音声案内を実行し得るようにしたナビゲーションシステム、音声案内方法、経路探索サーバおよび端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、走行ルートや交通情報などの案内を行うカーナビゲーション装置や、目的地までの道順の案内を受信し案内する端末装置など、目的地までの経路や、進行先の渋滞情報等をユーザに提供するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが開発されている。
【0003】
ナビゲーションシステムは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。
【0004】
このような測位機能を有する端末装置の利用技術としては、種々の分野の技術が提案されており、例えば、自動車用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を経路探索サーバ(サーバ)から配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムが提案されている。
【0005】
近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、また、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、ユーザに対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。ナビゲーションサービスもその1つであり、自動車の運転者のみならず携帯電話ユーザに対して現在位置から目的地までの経路案内を提供する通信ナビゲーションシステムが実用化されている。
【0006】
一般的なナビゲーション装置やナビゲーションシステムにおいては、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を経路探索サーバに送り、経路探索サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0007】
経路探索サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、経路探索サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。
【0008】
上記のようなナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバが端末装置に配信する案内経路は利用者がたどるべきノード番号、リンク番号を順に並べたデータとなる。交差点のノードなど利用者が右左折すべき場所になった時に曲がるべき方向を案内するため、当該ノードにガイダンスポイントを設定し、そのガイダンスポイントで音声や表示により利用者に案内を出力するようにしたナビゲーションシステムも知られている。例えば、ガイダンスポイントの手前で「この先、200m〇〇丁目交差点です。交差点を左折して下さい」などのガイダンスデータをガイダンスポイントごとに案内経路とともに端末装置に配信する。端末装置では、案内経路を走行して行くとガイダンスポイントごとに前述のようなガイダンスが出力され利用者は経路進行の案内を受けることができる。
【0009】
また、ユーザの好みに合わせ、単にナビゲーションに関する情報を標準音声のみで提供するのではなく、方言、タレントやアニメのキャラクタの声など複数の音声データを持ち、ユーザの好みに応じて音声案内を行うナビゲーション装置が開発されている。例えば、下記特許文献1(特開平8−124092号公報)では、ユーザの選択した地方の方言、あるいは国の言語によって音声案内を行うナビゲーション装置の技術が開示されている。
【0010】
この特許文献1に開示されたナビゲーション装置は、交差点案内制御部は、地図データ記憶部から読み出し、CRTディスプレイ装置に表示したその地域の地図上に、現在地検出部による自車の現在位置を表示するように制御するとともに、言語データベースメモリに格納されている方言あるいは他国語を読み出して、交差点における右折、左折の案内や、右・左折後の方向の地名等、あるいは装置の取扱い指示等を、音声合成部を制御して音声出力するように構成されたものである。
【0011】
また、下記特許文献2(特開2005−308457号公報)では、ユーザの住んでいる地域に即した音声データを選択し、音声案内システムの技術が開示されている。更に、下記特許文献3(特開2006−330484号公報)では、対応する音声データが存在しない場合に、予め用意している予備音声データを用いて音声を合成し、出力する技術が開示されている。
【0012】
この特許文献2に開示された音声案内システムは、電子地図データと車両の現在位置データとに基づき該車両の走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、走行履歴に含まれる対象物の利用状況に応じて該対象物に対応する音声データを経路案内に用いるか否かを判定する判定手段と、を備えたものである。また、特許文献3に開示された音声案内システムは、音声案内を行う複数のキャラクタの音片データを格納する第1格納手段と、 複数のキャラクタの素片データを前記音片データに対応づけて格納する第2格納手段とを備え、切替手段によりキャラクタが切換えられると、当該キャラクタに対応する音片データを第1格納手段から検索し、当該音片データに対応する素片データを第2格納手段から検索し、検索した音片データと素片データを合成することにより合成データを作成しその合成データを音声出力するように構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平8−124092号公報(段落[0028]、段落[0029])
【特許文献2】特開2005−308457号公報(段落[0047]〜段落[0052])
【特許文献3】特開2006−330484号公報(段落[0045]〜段落[0051])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
一般的に経路の音声案内における標準音声データは特定話者に発声させて作成し、あるいは、機械的に音声合成して作成されるが、ユーザの好みに応じた特定のキャラクタの音声データはそれぞれのキャラクタである俳優や声優が読み上げた音声をデータとして記録する必要があり、標準音声データに比較して制作コストが高くなる。一方、ナビゲーションシステムのような電子機器においては、製品やシステムのバージョンアップによりユーザに提供する機能が改善されるのが一般的である。例えば、ナビゲーションシステムにおける音声案内も当初設定された案内文に機能改善によって新たな案内文が追加されることもある。その場合、キャラクタの音声データを含め追加、変更するとコストが増加するという問題点がある。
【0015】
従って、上記特許文献1や特許文献2のように複数の音声データを用意しておく技術では上記のような問題点を解消することはできない。また、上記特許文献3に開示されている技術では、音声案内を予め全て録音しておく必要は無く、音声データの容量を抑えることが可能であり、また、ユーザが選択している音声データ以外での出力はされなくなる。しかしながら、対応する音声データが存在しない部分は合成音声で補完されるものであり、ユーザの選択したキャラクタの音声データで全ての音声案内がなされるものではなく、ユーザが違和感を覚えたり、気分を損なったりするという問題点が存在する。
【0016】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段が識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、キャラクタ単位音声データに不足がある場合、キャラクタ音声データ編集手段が、案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて案内経路データを編集し、音声案内出力手段が編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0017】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、音声案内のための標準の音声データとユーザ選択可能な少なくとも1つのキャラクタに対応したキャラクタ音声データとを備えたナビゲーションシステムにおいて、前記キャラクタ音声データに不足部分があった場合においても、音声案内を実行し得るようにしたナビゲーションシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段と、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力することを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項2または請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出し、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うことを特徴とする。
【0022】
本願の請求項5にかかる発明は、
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を有する経路探索サーバと、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段を有する端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索サーバは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段を備え、前記端末装置は、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力することを特徴とする。
【0023】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出し、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うことを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項9にかかる発明は、
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を有する経路探索サーバとネットワークを介して接続され、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段を有する端末装置において、
前記経路探索サーバは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段を備え、前記端末装置は、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる端末装置において、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項11にかかる発明は、請求項9にかかる端末装置において、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項10または請求項12にかかる端末装置において、前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出し、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うことを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項13にかかる発明は、
経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段を有する端末装置にネットワークを介して接続され、出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を有する経路探索サーバにおいて、
前記端末装置は、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力する端末装置であって、
前記経路探索サーバは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ前記識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項14にかかる発明は、
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける音声案内方法において、
前記ナビゲーションシステムは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段と、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段が、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別するステップと、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段が、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集するステップと、前記音声案内出力手段が、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力するステップと、からなることを特徴とする。
【0032】
また、本願の請求項15にかかる発明は、請求項14にかかる音声案内方法において、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段が前記案内経路データを編集するステップは、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集する処理を含むことを特徴とする。
【0033】
また、本願の請求項16にかかる発明は、請求項14にかかる音声案内方法において、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段前記案内経路データを編集するステップは、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集する処理を含むことを特徴とする。
【0034】
また、本願の請求項17にかかる発明は、請求項15または請求項16にかかる音声案内方法において、前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段が、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出するステップと、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択するステップと、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
請求項1にかかる発明においては、案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力する。
【0036】
かかる構成によれば、音声案内のための標準の音声データとユーザ選択可能な少なくとも1つのキャラクタに対応したキャラクタ音声データとを備えたナビゲーションシステムにおいて、キャラクタ音声データに不足部分があった場合においても、音声案内を実行し得るようになり、また、音声案内を行うキャラクタ音声データを用意する際に、経路案内に必要な必要最小限のキャラクタ音声データのみを録音し用意すればよくなる。更に、システムのバージョンアップや機能拡充があっても標準音声データのみ更新すればよく、コストの増大を抑制することができるようになる。また、音声案内出力の際に、キャラクタ音声と標準音声が混在することがなくなるので、違和感や利用者の気分を損ねることもなくなる。
【0037】
請求項2にかかる発明においては、キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集する。また、請求項3にかかる発明においては、キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集する。
【0038】
かかる構成によれば、キャラクタ音声データに不足部分があった場合においても、キャラクタ単位音声データのみに基づいて案内経路データを編集するから、キャラクタ音声データのみんによる音声案内を実行し得るようになる。
【0039】
請求項4にかかる発明においては、請求項2または請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出し、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行う。
【0040】
かかる構成によれば、音声案内に不足するキャラクタ単位音声データに応じたアイコンなどの補助画像が案内地点の近傍に表示されるので、経路案内が理解し易くなる。
【0041】
また、請求項5〜請求項8にかかる発明においては、請求項1〜請求項4にかかるナビゲーションシステムを経路探索サーバと端末装置からなる通信型のシステムとして提供することができるようになる。また、請求項9〜請求項12にかかる発明においては、請求項5〜請求項8にかかるナビゲーションシステムを構成する端末装置を提供することができ、請求項13にかかる発明においては、請求項5〜請求項8にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになる。また、請求項14〜請求項17にかかる発明においては、請求項1〜請求項4または請求項5〜請求項8にかかるナビゲーションシステムにおける音声案内方法を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】音声案内のための音声データを蓄積した音声データベース(DB)のデータ構成の一例を示す図である。
【図4】経路探索のための道路ネットワークの構成を説明する模式図である。
【図5】経路探索のための交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図6】案内経路の一例を示す模式図である。
【図7】図6に示す案内経路における音声案内データの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムにおける経路案内、音声案内の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムにおける他の経路案内、音声案内の手順を示すフローチャートである。
【図10】経路案内時における端末装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図11】経路案内時における端末装置に表示される表示画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0044】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステム1の構成を示すシステム構成図である。ナビゲーションシステム1は、ネットワーク12を介して接続される経路探索サーバ30と端末装置20とを備えて構成されている。このナビゲーションシステム1は、各種カテゴリに属するPOI(Point of Interest:興味対象場所)の所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、音楽や各種画像などのコンテンツその他の情報を提供する各種の情報配信サーバ51などを備えて構成されている。
【0045】
経路探索サーバ30はPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0046】
本発明にかかるナビゲーションシステム1は、上記の構成に限られるものではなく、経路探索サーバ30はナビゲーションサービス機能とともにPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、端末装置20も携帯電話を用いることができ、またPDAや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
【0047】
図1に示す経路探索サーバ30は、表示用の地図データを記憶する記憶手段(DB1)、鉄道や道路などの交通路線をノードとノード間を繋ぐリンクで構成された経路探索用ネットワークデータを記憶する記憶手段(DB2)、経路案内に伴う音声報知を行うための経路案内用音声データを記憶する記憶手段(DB3)を備えている。端末装置20から経路探索要求があると、経路探索用ネットワークデータDB2を参照して経路探索する。そして経路探索の結果により得た案内経路(推奨経路)を端末装置20に送信する一般的なナビゲーション機能を有している。また、端末装置20から所望の地点やPOIを指定して地図データの取得要求があると、地図データDB1を参照して該当する地図データを読み出して端末装置20に配信する。
【0048】
経路案内用音声データDB3には、音声案内において用いられる標準音声データと、方言、俳優、アニメキャラクターの音声などによる音声データとが記憶されている。本発明においてはこれらの後者の音声データを総称してキャラクタ音声データということとする。ナビゲーションシステムにおける音声案内に用いられる音声データには、交差点などの案内地点までの距離を示す「300m先」、「100m先」、「まもなく」や、案内方向を示す「右方向です」、「左方向です」、「直進です」などの、経路案内に関する音声データと、経路の種別を示す「交差点」、「横断歩道」、「歩道橋」、「エスカレータ」、「エレベータ」などの音声データが含まれ、これら個々の音声データが単位音声データとして識別子とともに記憶されており、端末装置20はこれらの音声データを経路探索サーバ30から取得して記憶している。
【0049】
経路探索サーバ30から端末装置20に送信される案内経路データには、各案内地点の所定距離手前に案内ポイントが設定され、該当する案内ポイントにおける音声案内に必要な単位音声データの識別子が含まれており、端末装置20が案内ポイントに到達すると、識別子に該当する単位音声データを編集し、例えば、「300m先、交差点を、右方向です」などの音声案内データにして音声出力する。
【0050】
標準音声データは、ナビゲーションシステムが提供する全ての音声案内が可能な標準単位音声データからなり、キャラクタ音声データは、案内地点までの距離を示す「300m先」、「100m先」、「まもなく」や、案内方向を示す「右方向です」、「左方向です」、「直進です」などの、経路案内に関するキャラクタ単位音声データのみからなる。このように標準音声データに比較し、キャラクタ音声データを経路案内に必要な最低限の単位音声データとすることで、システムのバージョンアップがあっても、標準音声データのみ追加、修正すればよいこととなる。また、キャラクタ音声データには複数のキャラクタについて複数セットの単位音声データを蓄積しておくことでユーザの好みに応じたキャラクタによる音声案内が可能になる。
【0051】
なお、標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データに付与される識別子は同じ単語には同じ識別子が付与されるものとする。このようにすれば、案内経路データには識別子で音声案内の内容を定義することができ、端末装置20側で標準音声データあるいはキャラクタ音声データによる音声案内を選択し、何れかの音声データを用いて音声案内をすることができる。ここで、キャラタ音声データは標準音声データが備える単位音声データの全てを備えていないので、キャラクタ音声データによる音声案内が選択された場合、キャラクタ単位音声データが備えられていない場合がある。
【0052】
そこで端末装置20は、キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、キャラクタ単位音声データが不足している場合、用意されているキャラクタ単位音声データのみで案内ができるように音声案内データを編集して出力する。
【0053】
例えば、ある案内ボイントにおける音声案内の内容が「300m先、階段、右方向です」のようなものであった場合、キャラクタ単位音声データに「階段」の部分が用意されていない。この場合、この案内ポイントにおける音声案内をスキップして、次の案内ポイントの案内を出力するように音声案内データを編集する。あるいは、「階段」という不足分の単位音声データに対応する部分を除外して「300m先、右方向です」という音声案内データに編集する。このような案内であっても、必要な最低限の音声案内が可能である。この場合、案内地点の近傍に補助画像として「階段」を示すアイコンなどの補助画像を表示すると、案内が明瞭になり、好ましい。
【0054】
このような構成にすれば、キャラクタ音声データに不足部分があった場合においても、音声案内を実行し得るようになり、また、音声案内を行うキャラクタ音声データを用意する際に、経路案内に必要な必要最小限のキャラクタ音声データのみを録音し用意すればよくなる。更に、システムのバージョンアップや機能拡充があっても標準音声データのみ更新すればよく、コストの増大を抑制することができるようになる。また、音声案内出力の際に、キャラクタ音声と標準音声が混在することがなくなるので、違和感や利用者の気分を損ねることもなくなる。
【0055】
次に、図2に示す本発明にかかるナビゲーションシステムのブロック図を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。 ナビゲーションシステム10は、図2に示すように、インターネットなどのネットワーク12を介して接続される端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。経路探索サーバ30は、制御手段311、通信手段312、配信データ編集手段313、案内経路データ作成手段314、経路探索手段316、地図データ記憶手段(DB)315、音声データ記憶手段(DB)317、経路探索用ネットワークデータ記憶手段(DB)318などを備えて構成されている。
【0056】
制御手段311は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段312は、ネットワーク12を介して端末装置20と通信するためのインターフェースである。経路探索手段316は端末装置20から送信された経路探索条件に従って探索用ネットワークデータ318を参照して最適経路を探索する。
【0057】
案内経路データ作成手段314は、経路探索の結果得られた案内経路に案内ポイントを設定し、音声データ記憶手段(DB)317を参照して、各案内ポイントにおける音声案内を構成する単位音声データの識別ID(後述する)を抽出し、案内経路データを作成する。案内経路データ作成手段314により作成された案内経路、音声案内のデータは地図データ(DB)315から取得した地図データとともに配信データ編集手段313により端末装置20に配信するためのデータに編集され、通信手段312を介して端末装置20に配信される。
【0058】
また、端末装置20は、制御手段211、現在位置検出手段212、補助画像データ表示制御手段213、音声データ不足判別手段214、経路探索要求手段215、音声データ要求手段216、音声データ記憶手段217、通信手段218、配信データ記憶手段219、キャラクタ音声データ編集手段220、音声案内出力手段221、表示手段222、操作・入力手段223などを備えて構成されている。
【0059】
制御手段211は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段223は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力手段ためのものであり、出力手段である表示手段222に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段222は操作・入力手段223の一部としても機能する。通信手段218は、ネットワーク12を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0060】
現在位置検出手段212はGPS受信機によりGPS衛星信号を受信し、端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位する。また、加速度センサ、地磁気センサなどを備えることにより自律航法によって端末装置20の現在位置を測位することができ、GPS受信機がGPS衛星信号から測位できない場合に、これに代わって現在位置を測位することができる。
【0061】
利用者が経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、操作・入力手段223を操作し、サービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段222に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や自動車)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。出発地として現在位置を選択すると現在位置検出手段212が測位した現在位置が出発地として使用される。
【0062】
経路探索要求手段215は、入力された経路探索条件を経路探索サーバ30に送信するデータに編集し、通信手段218を介して経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30から配信された音声案内のためのデータを含む案内経路データ、地図データなどの配信データは配信データ記憶手段219に一時記憶される。これらの配信データは必要に応じて配信データ記憶手段219から読み出され、表示手段222に表示される。表示に際しては、現在位置検出手段212が測位した現在位置が地図上に案内経路などとともに現在位置マークとして重ね合わせて表示される。
【0063】
音声データ不足判別手段214は、キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、キャラクタ単位音声データが不足している場合、キャラクタ音声データ編集手段219は、用意されているキャラクタ単位音声データのみで案内ができるように音声案内データを編集して音声案内出力手段221により音声案内を出力する。
【0064】
前述の例のように、ある案内ポイントにおける音声案内の内容が「300m先、階段、右方向です」のようなものであった場合、キャラクタ単位音声データに「階段」の部分が用意されていない。この場合、この案内ポイントにおける音声案内をスキップして、次の案内ポイントの案内を出力するように音声案内データを編集する。あるいは、「階段」という不足分の単位音声データに対応する部分を除外して「300m先、右方向です」という音声案内データに編集する。その詳細については後に詳述する。
【0065】
また、このような場合、補助画像データ表示制御手段213により、キャラクタ音声データ編集手段219により案内ポイントにおける不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像、例えば、上記の例では「階段」に相当するキャラクタ単位音声データが不足し、スキップされたので、「階段」を表すアイコン画像などの補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する。このようにすれば、音声案内の一部が不足したとしてもこれを視覚により補い、音声案内の内容が理解し易くなる。
【0066】
経路探索サーバ30は端末装置20から要求された経路探索条件(出発地、目的地)をもとに最適経路を探索する。そして探索した案内経路と、交差点などに設定した案内ポイントにおける音声案内を端末装置20に提供するため、音声データを蓄積した音声データ記憶手段318(データベース:DB)を備えている。
【0067】
音声データ記憶手段318に蓄積された音声データは、図3に示すように、案内ポイントにおいて音声案内を出力するための音声データ(話者が発生した音声を録音したアナログ音声データあるいは音声合成によって生成したアナログ音声データ)を単位音声データに分解し、単位音声データごとに識別ID(識別子)を付してデータ名とともに蓄積されている。例えば「300m先、〇〇通り、△丁目交差点、右方向です」というガイダンスは識別ID[0001]、[0017]、[0015]、[0005]で特定される単位音声データをこの順に再生することによって行うことができる。
【0068】
経路探索サーバ30は端末装置20に地図データ、案内経路データを配信する際、案内経路の交差点など音声案内を出力する案内ポイントを設定し、各案内ポイント毎に、その案内ポイントにおいて音声案内として出力する音声データを配信する。その際の音声案内のデータは、音声データそのものでなく単位音声データごとの識別ID(識別符号)により構成される。
【0069】
端末装置20は案内経路のデータとともに配信されるすべての単位音声データの識別IDを一時記憶しておき、当該案内ポイントに接近し音声案内の出力が必要になった時点で必要になる識別IDを経路探索サーバ30に送って該当する単位音声データの配信要求を行い、単位音声データそのもののダウンロードを行い、その音声データを再生し音声案内出力手段221により音声出力する。従って、案内経路データ配信の際には音声データそのものを配信せず識別IDを配信するだけであるからネットワークの通信負荷を増大させることがない。
【0070】
また、出発地から目的地までの案内経路が長く、案内ポイントが多数あっても、案内ポイントごとに音声データの識別IDが配信されるだけであるから、通信量を増大させることなく配信可能であり、端末装置20の記憶容量が小さいものであっても十分に記憶しておけるデータ量である。そして、ある音声データはある案内ポイントに接近した時のみ必要になるものであるから、案内ポイントに接近して必要になった時点で識別IDを特定して音声データそのものを経路探索サーバ30からダウンロードして使用し、案内が終了したら識別IDとダウンロードした単位音声データを破棄(削除)していけば少ない容量の記憶装置を使用していても音声案内(音声ガイダンス)を行うことができる。
【0071】
図3に示す音声データは、標準音声データ317Aに蓄積された標準単位音声データを例示しているが、キャラクタ音声データ記憶手段317Bに蓄積されるキャラクタ単位音声データの構成も図3に示すデータ構成と同様である。ただ、キャラクタ音声データは、特定のキャラクタに対応した話者が発生した音声を録音したアナログ音声データから構成される点、標準単位音声データに対応した全てのキャラクタ単位音声データを蓄積して.おらず、案内ポイントにおける案内に必要な最低限の単位音声データしか蓄積していない点が異なる。各単位音声データに対応付けられる識別IDは、対応する標準単位音声データに付与される識別IDと同じである。
【0072】
例えば、キャラクタ単位音声データは、図3に示す識別ID「0001」〜「0008」等に相当するデータは蓄積されているが、識別ID「0009」〜「0019」等に相当するデータは蓄積されていない。ある案内ポイントにおける音声案内の内容が識別ID「0003」、「0011」、「0005」(まもなく、階段、右方向です)」である場合、標準音声データにより音声案内する場合は、全ての標準単位音声データが記憶されているから、案内経路データで指定された音声案内出力ができる。これに対して、キャラクタ音声データによる案内が選択されている場合、識別ID「0011」の「階段」というキャラクタ単位音声データが不足する。
【0073】
そこで、キャラクタ音声データによる音声案内が選択された場合、音声データ不足判別手段214は、案内経路データに含まれる各案内ポイントにおける音声案内データの識別IDとキャラクタ単位音声データ記憶手段317に蓄積されているキャラクタ単位音声データの識別IDとを比較し、不足しているキャラクタ単位音声データがあるか否かを判別する。不足しているキャラクタ単位音声データがなければ、経路探索サーバ30から識別IDに該当するキャラクタ単位音声データを取得して音声データ記憶手段217に記憶する。
【0074】
音声データ不足判別手段214が、キャラクタ単位音声データが不足していると判別した場合、キャラクタ音声データ編集手段220は音声案内データを次のように編集する。例えば、ある案内ポイントにおける音声案内のためのキャラクタ単位音声データに不足があった場合には、当該案内ポイントにおける音声案内データをスキップし、次の案内ポイントにおける音声案内を出力するように編集する。このような編集を各案内ポイント毎に行えば、用意されているキャラクタ単位音声データのみに基づいて音声案内することができる。
【0075】
前述のように、ある案内ポイントにおける音声案内の内容が識別ID「0003」、「0011」、「0005」(まもなく、階段、右方向です)」である場合、キャラクタ音声データによる案内では識別ID「0011」の「階段」というキャラクタ単位音声データが不足している。そこで、キャラクタ音声データ編集手段220は「階段」を除外し、「まもなく、右方向です」という案内に編集することもできる。このようにして編集された音声案内を該当する案内ポイントにおいて出力する際、表示手段222による地図画像、案内経路表示を利用し、前述したように「階段」を表す補助画像(アイコンなど)を案内地点の近傍に表示することで案内の内容理解がより容易になる。
【0076】
歩行者あるいは自動車による経路を探索するための経路探索用の道路ネットワークデータや歩行者ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図4に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0077】
すなわち、図4において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図4では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0078】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図4において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0079】
図4ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。従って、探索された案内経路は利用者を案内(誘導)するノードおよび/またはリンクの順として表現される。
【0080】
徒歩や自動車による移動に加えて、交通機関を用いた移動区間(経路区間)を交えて経路探索する場合には、経路探索用ネットワークデータに交通機関によるネットワークデータをも加える。交通機関のネットワークデータは、交通路線を道路として見立て、駅や停留所をノードとして各ノード間をつなぐリンクで表現されている。道路ネットワークデータと異なる点は、リンクが運行時刻表によって特定される時刻情報を持った電車や列車毎に表現される点である。
【0081】
例えば、図5に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図5において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図5では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0082】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図5に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0083】
図5に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0084】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【0085】
例えば、図5において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0086】
図6は、経路探索サーバ30によって探索された案内経路の一例を示す模式図である。図6において、出発地(スタート)から目的地(ゴール)までの経路はノードN1、ノードN2、ノードN3、ノードN4の順にリンクをたどる経路として表現される。交差点ノードにおいては直進や右左折の別を音声で案内するため、案内ポイントが設定され、設定された案内ポイントにおける音声案内を構成する各単位音声データの識別IDが対応付けられて端末装置20に配信される。
【0087】
図7は、経路探索サーバ30から配信された図6の案内経路データ(案内ポイント、単位音声データの識別IDを含む)の一例を示す図である。例えば、図6に示すようにノードN1、ノードN2、ノードN4は交差点であり交差点の手前の所定距離の地点に案内スポイントが設定され、ノードN3は右折路であり案内の必要がないので案内ポイントは設定されていない。
【0088】
ノードN1に対しては、100m手前に案内ポイントが設定され、交差点を右折する音声案内を出力するので、識別ID[0002、0014、0005]が設定される。同様にノードN2に対しては、300m手前に案内ポイントが設定され、交差点を左折する音声案内を出力するので、識別ID[0001、0015、0006]が設定される。ノードN3には前述のように案内ポイントは設定されず、ノードN4に対しては、100m手前に案内ポイントが設定され、交差点を左折する音声案内を出力するので、識別ID[0001、0015、0006]が設定される。
【0089】
標準音声データによる音声案内が選択されている場合、ノードN1に対する案内ポイントにおける音声案内は、識別ID[0002、0014、0005]に該当する標準単位音声データを経路探索サーバ30から取得して再生すると「100m、〇〇××丁目交差点、右方向です」という案内が音声出力される(図3参照)。ノードN2に対する案内ポイント、ノードN4に対する案内ポイントにおける音声案内も同様である。
【0090】
一方、キャラクタ音声データによる音声案内が選択されている場合、ノードN1に対する案内ポイントにおける音声案内は、識別ID[0002、0014、0005]に該当するキャラクタ単位音声データを経路探索サーバ30から取得すると、識別ID[0014]に該当するキャラクタ単位音声データは経路探索サーバ30に用意されておらず、不足する。音声データ不足判別手段214がこれを判別すると、キャラクタ音声データ編集手段は、経路探索サーバ30から取得したキャラクタ単位音声データ(識別ID[0002、0005])のみに基づいて、該当する案内ポイントにおけるキャラクタ音声データを編集する。例えば、取得できなかった識別IDに相当するキャラクタ単位音声データによる音声案内を除外するか、または、ノードN1に対して設定された案内ポイントでの音声案内をスキップして次の案内ポイントにおける音声案内に進む。
【0091】
このようにして端末装置20が案内経路を進行し、不要になった単位音声データ(標準単位音声データまたはキャラクタ単位音声データ)は音声データ記憶手段217から削除し、案内ポイントが設定された新たなノードに接近したら、前述と同様に音声データ要求手段216から識別IDに基づいて経路探索サーバ30に単位音声データの配信要求を行い、そのノードで必要になる単位音声データをダウンロードする。この手順を繰り返すことにより、案内経路に関連する全ての音声データを一度にダウンロードするのに比べ、通信負荷を大幅に小さくすることができる。
【0092】
また、案内経路データに付加される音声案内のデータは識別IDで配信、記憶されるから通信負荷は小さく、また配信データを記憶する記憶装置の容量は小さいものですむ。音声データ要求手段216が経路探索サーバ30に要求してダウンロードした単位音声データはあるノードで必要なデータのみであるから、音声データ記憶手段217は小さな記憶容量の記憶装置ですむ。勿論、既に音声案内で使用した単位音声データを破棄することなく端末装置20に保存しておき、案内ポイントに対する音声案内に新たな識別IDの単位音声データが必要になる都度、該当する単位音声データを経路探索サーバ30に要求するように構成することもできる。
【0093】
次に、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムにおける案内経路および音声案内の動作手順を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。図8に示すフローチャートにおいては、端末装置20が送信した経路探索要求に従って経路探索サーバ30が探索した案内経路(出発地から目的地までの最適経路)のデータを端末装置20が取得しているものとする。取得した案内経路のデータは配信データ記憶手段219に一時記憶され、キャラクタ音声データを使用した音声案内が選択されているものとする。
【0094】
経路案内が開始されると先ず端末装置20は配信データ記憶手段219に一時記憶されている案内経路のデータに基づいて、音声案内のために設定された案内ポイントおよび識別IDを取得する(ステップS100)。前述したように各案内ポイントには音声案内のための単位音声データの識別IDが付加されており、音声データ要求手段216は識別IDに基づいて経路探索サーバ30に該当する他キャラクタ単位音声データを要求し、経路探索サーバ30から取得したキャラクタ単位音声データを音声データ記憶手段217に記憶する(ステップS101)。
【0095】
次いで、音声データ不足判別手段214は、経路探索サーバ30から取得したキャラクタ単位音声データに不足があるか否かを判別する(ステップS102)。キャラクタ単位音声データが不足する場合、当該案内ポンイトにおける完全な音声案内はできないので、キャラクタ音声編集手段220は当該案内ポイントにおける音声案内をスキップするように音声案内データを編集し、処理はステップS103の処理に進み、ステップS101の処理と同様にして、次の案内ポイントおよび当該案内ポンイトにおける識別IDに該当するキャラクタ単位音声データを取得し、ステップS102の処理に戻る。
【0096】
一方、ステップS102の判別処理において識別IDに対応した全てのキャラクタ単位音声データがあり、データに不足がないと判別されると、処理はステップS104に進み、現在位置検出手段212により現在位置を検出し、次いで、ステップS105の処理で端末装置20は経路探索サーバ30から現在位置を含む所定の範囲の地図データを取得して地図データを更新する。地図データは配信データ記憶手段219に一時記憶されず、表示手段222に案内経路の画像とともに表示される。
【0097】
次いで、ステップS106の処理で端末装置20は現在位置の情報に基づいて交差点や目的地などの案内地点に到達したか否かを判別する。案内地点に到達した場合はステップS107の処理に進み案内地点が目的地であるか否かが判別される。目的地でなければ処理はステップS101に戻り、目的地であれば、経路案内は終了する。
【0098】
ステップS106の判別処理で案内地点に到達していないと判別された場合はステップS108の処理に進み、端末装置20は現在位置の情報に基づいて案内地点までの距離を算出し、ステップS109の処理で案内地点までの距離が所定の距離であるか否かを判別する。所定の距離とは、案内経路のデータにおいて案内地点の手前に設定された案内ポイントから案内地点までの距離である(図7参照)。所定の距離でなければ処理は現在位置を取得するステップS104に戻る。
【0099】
ステップS109の判別処理で、端末装置20(現在位置)が案内地点の手前の所定距離の案内ポイントにあると判別されると、処理はステップS110の音声案内出力に進む。この処理においては、ステップS101で取得した案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データによる音声案内が出力される。所定の音声案内の出力が完了すると処理はステップS101の処理に戻り、次の案内ポイントおよび当該案内ポンイトにおける識別IDに該当するキャラクタ単位音声データを取得する。
【0100】
本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムにおける他の経路案内、音声案内の手順を示すフローチャートである。図8に示す処理手順は、ある案内ポイントにおける音声案内のためのキャラクタ単位音声データが不足している場合に、キャラクタ音声編集手段220が当該案内ポイントにおける音声案内をスキップし、次の案内ポイントにおける音声案内に進むように音声案内のデータを編集するものであったが、不足するキャラクタ単位音声データをスキップして、経路探索サーバ30から取得したキャラクタ単位音声データのみで音声出力するように音声案内のデータを編集する手順を用いることもできる。図9はそのような処理の手順を示している。
【0101】
図9に示すフローチャートにおいて、ステップS200〜S202、ステップS204〜ステップS210の処理は、図8におけるステップS100〜S102、ステップS104〜ステップS110の処理と同様の処理であり、図8の処理と異なる点は、ステップS203の処理である。図8の処理手順においては、キャラクタ単位音声データが不足する場合(ステップS102)、キャラクタ音声編集手段220は当該案内ポイントにおける音声案内をスキップするように音声案内データを編集し、ステップS103の処理で次の案内ポイントおよび当該案内ポンイトにおける識別IDに該当するキャラクタ単位音声データを取得する処理を行うものであった。
【0102】
これに対して図9に示す処理手手順においては、キャラクタ単位音声データが不足する場合(ステップS202)、ステップS203の処理において、キャラクタ音声編集手段220は不足しているキャラクタ単位音声データを除外し、取得しているキャラクタ単位音声データのみで案内するように編集する。この点が図8の処理手順と異なる点である。音声案内のデータが編集されると処理はステップS204に進む。ステップS204以降の処理は、図8のステップS104以降の処理と同様である。
【0103】
なお、以上の説明は、特定のキャラクタに対応するキャラクタ音声データを選択して音声案内を受ける場合について説明したが、複数のキャラクタに対応するキャラクタ音声データが用意されており、そのうちの任意のキャラクタ音声データをユーザ選択できるように構成してもよい。この場合、キャラクタの選択が変更された場合には端末装置20は経路案内において経路探索サーバ30から該当するキャラクタ音声データをその都度取得するが、端末装置20の記憶容量が十分であれば、経路探索サーバ30から取得したキャラクタ音声データを破棄することなく、保存しておき、利用するように構成することもできる。
【0104】
図10は、経路案内時に端末装置20に表示される表示画面61の一例である。表示画面61には地図画像が表示され、その中心には端末装置20(ユーザ)の現在位置を示すアイコン62が表示され、案内経路は色を変えたり道路の幅を広くしたりして表示される。表示画面61下部の枠は経路案内情報を示すウィンドウ63、表示画面61上の黒線は案内経路64を示し、矢印は端末装置20の進行方向を表すアイコン65を示している。
【0105】
ウィンドウ63には、現在位置から直近の交差点などの案内地点までの距離や、目的地までの距離、などの情報が表示される。音声案内を出力するポイント(案内ポイント)は、案内地点の手前の所定距離の位置に設定される。図10において、例えば、所定の距離30mで案内ポイントが設定された場合、この案内ポイントにいては「まもなく、交差点、直進です。」という音声案内が設定される。
【0106】
標準音声データによる音声案内が選択された場合には、この案内ポイントにおいて、当該案内ポイントに設定された案内「まもなく、交差点、直進です」が、標準単位音声データを用いた音声で出力される。キャラクタ音声データによる音声案内が選択された場合、「交差点」に対応するキャラクタ単位音声が不足するので、図9の手順を適用した処理では、「交差点」に相当する音声が除外され、経路探索サーバ30に用意されているキャラクタ単位音声データのみを用いて編集され「まもなく、直進です」という音声案内が出力される。
【0107】
このように音声案内のための単位音声データの一部を除外しても最低限の案内は可能であるが、ユーザに案内の内容を理解し易くするためには、除外した単位音声データに該当する案内を表す補助画像を表示するとよい。
【0108】
図11は、図10に示す現在位置から交差点を直進した後の端末装置20に表示される表示画面71の一例である。案内経路が、図10に示す交差点を過ぎ、現在位置から直近の最寄りの案内地点である階段を斜め右方向に進む経路であった場合、例えば、所定の距離300mで案内ポイントが設定された場合、この案内ポイントにおいては「300m先、階段、斜め右方向です。」という音声案内が設定される。
【0109】
キャラクタ音声データによる音声案内が選択されていた場合、「階段」に相当するキャラクタ単位音声データが不足する。この場合、図10で説明したと同様の音声案内処理をすると、「階段」が除外され、「300m先、斜め右方向です」という音声案内データに編集される。そこで、案内地点である300m先の近傍に「階段」を表すアイコン画像72のような補助画像を表示する。このようにすれば、音声案内の単位音声データが一部除外されても案内情報を補うことができ、ユーザは案内を理解し易くなる。
【0110】
なお、補助画像の表示は、図8で説明した処理手順のように、キャラクタ単位音声データの不足により、該当する案内ポイントにおける音声案内をスキップする場合にも用いることができる。例えば、図11において、現在位置から直近の案内地点である階段に対する案内ポイントでの音声案内を出力せず、次の案内ポイントにおけるキャラクタ音声データを経路探索サーバ30に要求し、次の案内地点の音声案内を行うように編集する。この時。直近の案内地点である階段に対する案内ポイントでの音声案内は出力しないが、表示画面71には案内地点の近傍にユーザが表示画面を見ればわかるように、「階段」を示すアイコン72を表示する。なお、ウィンドウ63に階段がある旨報知するよう構成することもできる。
【0111】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるナビゲーションシステムによれば、音声案内を行うキャラクタ音声データを用意する際に、経路案内に必要な必要最小限のキャラクタ音声データのみを録音し用意すればよい。また、システムのバージョンアップや機能拡充があっても標準音声データのみ更新すればよく、コストの増大を抑制することができるようになる。更に、音声案内出力の際に、キャラクタ音声と標準音声が混在することがなくなるので、違和感や利用者の気分を損ねることもなくなる。
【0112】
更に、本発明によれば、ユーザが必要とする情報量に応じて、必要最小限のことしか案内しない音声案内キャラクタや、親切に詳細な案内をしてくれるキャラクタ、必要以上に余計なことを案内するお節介なキャラクタなどをユーザ選択に応じて提供するというサービスも実現可能になる。
【符号の説明】
【0113】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
211・・・制御手段
212・・・現在位置検出手段
213・・・補助画像データ表示制御手段
214・・・音声データ不足判別手段
215・・・経路探索要求手段
216・・・音声データ要求手段
217・・・音声データ記憶手段
218・・・通信手段
219・・・配信データ記憶手段
220・・・キャラクタ音声データ編集手段
221・・・音声案内出力手段
222・・・表示手段
223・・・操作・入力手段
30・・・・経路探索サーバ
311・・・制御手段
312・・・通信手段
313・・・配信データ編集手段
314・・・案内経路データ作成手段
315・・・地図データ記憶手段(DB)
316・・・経路探索手段
317・・・音声データ記憶手段(DB)
318・・・経路探索用ネットワークデータ記憶手段(DB)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段と、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出し、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を有する経路探索サーバと、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段を有する端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索サーバは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段を備え、前記端末装置は、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出し、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を有する経路探索サーバとネットワークを介して接続され、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段を有する端末装置において、
前記経路探索サーバは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段を備え、前記端末装置は、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力することを特徴とする端末装置。
【請求項10】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集することを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項12】
前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出し、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択し、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の端末装置。
【請求項13】
経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段を有する端末装置にネットワークを介して接続され、出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を有する経路探索サーバにおいて、
前記端末装置は、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段は、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別し、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段は、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集し、前記音声案内出力手段は、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力する端末装置であって、
前記経路探索サーバは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ前記識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段を備えたことを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項14】
出発地と目的地とを含む経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段が探索した案内経路データに従って所要の案内ポイントにおいて案内音声を出力する音声案内出力手段と、を備えたナビゲーションシステムにおける音声案内方法において、
前記ナビゲーションシステムは、案内音声を出力するための標準単位音声データ群を蓄積した標準音声データ記憶手段と、所定の案内音声を出力するための単位音声データであって特定のキャラクタによって作成されたキャラクタ単位音声データ群を蓄積したキャラクタ音声データ記憶手段と、を含み、前記標準単位音声データおよびキャラクタ単位音声データはそれぞれ識別子に対応付けられて蓄積された音声データ記憶手段と、単位音声データの不足を判別する音声データ不足判別手段と、キャラクタ音声データ編集手段と、を備え、
前記案内経路データは、案内地点の所要距離手前に設定される案内ポイント毎に該案内ポイントにおける案内音声を出力するための単位音声データの識別子情報を含み、前記キャラクタ音声データによる案内音声出力が選択された場合、音声データ不足判別手段が、前記識別子を含む案内経路データに基づいて、ある案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データの不足分の有無を判別するステップと、前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段が、前記案内ポイントにおけるキャラクタ単位音声データのみに基づいて前記案内経路データを編集するステップと、前記音声案内出力手段が、前記編集された案内経路データに基づいて案内音声を出力するステップと、からなることを特徴とする音声案内方法。
【請求項15】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段が前記案内経路データを編集するステップは、当該不足するキャラクタ単位音声データを用いて音声案内すべき案内ポイントにおける案内をスキップし、該案内ポイントの次の案内ポイントにおいて前記音声案内を出力するように前記キャラクタ音声データのみを用いて前記案内経路データを編集する処理を含むことを特徴とする請求項14に記載の音声案内方法。
【請求項16】
前記キャラクタ単位音声データに不足がある場合、前記キャラクタ音声データ編集手段前記案内経路データを編集するステップは、当該不足するキャラクタ単位音声データを除外し、該当する案内ポイントにおける前記キャラクタ単位音声データのみを用いて前記案内経路データを編集する処理を含むことを特徴とする請求項14に記載の音声案内方法。
【請求項17】
前記ナビゲーションシステムは、現在位置検出手段と、前記案内経路データに従って案内経路と、現在位置マークを表示する表示手段と、補助画像表示制御手段と、を備え、前記補助画像表示制御手段が、前記現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて、前記案内ポイントを算出するステップと、キャラクタ音声データ編集手段が前記不足分のキャラクタ単位音声データに応じた補助画像を選択するステップと、該補助画像を該当する案内地点の近傍に表示する制御を行うステップと、を有することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の音声案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−175361(P2010−175361A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17581(P2009−17581)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】