ナビゲーションシステム、POI探索方法、情報配信サーバおよび携帯端末
【課題】 現在位置からPOIまでの実際の移動経路を考慮して近くに存在するPOIを選択でき、かつ、その経路探索を効率よく行うことができるようにする。
【解決手段】 ナビゲーションシステム10は、各POIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIDB37と、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段(26、27等)と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段33と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段36と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段38と、を備え、到達圏POI判別手段38により抽出されたPOIについて基準位置からPOIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する。
【解決手段】 ナビゲーションシステム10は、各POIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIDB37と、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段(26、27等)と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段33と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段36と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段38と、を備え、到達圏POI判別手段38により抽出されたPOIについて基準位置からPOIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯端末と情報配信サーバからなる通信型のナビゲーションシステムに関するものであり、特に、ユーザが所望する位置周辺における興味対象場所(POI)の情報を検索し、検索されたPOIへの経路を案内することができるナビゲーションシステム、情報配信サーバおよび携帯端末に関するものである。
本発明は上記のようなナビゲーションシステムにおいて、現在位置などの所望位置からPOIまでの実際の移動経路の距離または時間を考慮して、前記所望位置から近くに存在するPOIを選択でき、また、情報配信サーバにおけるPOIまでの経路探索を素早く、効率よく行うことができるようにしたナビゲーションシステム、情報配信サーバ、携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話など携帯端末がブラウザを搭載し、インターネットにアクセスして所望の情報の提供を受けることができるようになっている。このようなシステムにおいては、ユーザは携帯端末を操作して、サーバに備えられた検索エンジン等を利用して所望のサイトを見出し、当該サイトのコンテンツをダウンロードして、ブラウザにより当該コンテンツを閲覧している。上記コンテンツには種々のカテゴリに属する情報があり、店舗やイベントの情報提供、鉄道路線の時刻表の提供や、鉄道の乗り換え案内なども含まれる。
【0003】
店舗やイベントの情報提供にあっては、ユーザが携帯端末を操作して店舗やイベントのカテゴリ、検索したい地域を入力して検索要求する。サーバは指定されたカテゴリに該当し、かつ当該地域に存在する店舗やイベントを検索し、その情報が携帯端末装置に配信される。時刻表の提供においては、ユーザが携帯端末を操作して、路線を指定すると、当該路線の時刻表が携帯端末の表示装置の画面上に提示される。また、乗り換え案内においては、ユーザが、出発地や目的地を指定することにより、推奨する経路が提示される。
【0004】
情報配信サーバも機能が充実され、上記のような鉄道路線やバス路線の時刻表の提供や乗り換え案内にとどまらず、従来の車載用ナビゲーションシステムの機能を携帯電話などの携帯端末に提供する情報配信サーバも実現されている。このようなシステムによれば、自動車の運転者のみならず、歩行者に対するナビゲーションサービスを提供することができる。
【0005】
携帯電話のユーザは上記のようなサービスを利用して種々の所望の情報を得ることができる。例えば、ユーザが興味を持っている興味対象場所(Point of Interest:以下単にPOIという)に関する地図や営業内容、価格、営業時間などの情報を得ることができる。POIとは、例えば、ホテル、レストラン、デパート、テーマパーク、コンビニ、ガソリンスタンド、運動施設、公園などのあらゆる店舗、施設が対象となり得る。このためPOIは種類(カテゴリ)が膨大であり、当該カテゴリに属する店舗、場所も無数に存在する。情報配信サーバがカバーする範囲が広ければ広い程その数も増加する。
【0006】
従って、これら無数のPOIに関する情報をユーザに提供するため、情報配信サーバはPOIデータベースを備えている。このPOIデータベースにおいては、POIはカテゴリ分けされており、また、このPOIカテゴリはその数の多さから大分類、中分類、小分類などと階層化されている。ユーザは携帯端末に表示されたメニュー画面から所望のPOIカテゴリを選択して情報配信サーバにデータを要求することになるが、特定の所望のPOIカテゴリを選択するために、大分類、中分類、小分類とカテゴリの階層をたどり、情報配信を希望するPOIカテゴリを選択することになる。
【0007】
ユーザが利用する携帯端末が携帯電話である場合、最近の携帯電話はGPS受信機を備え、GPS衛星からの信号を受信して自身の現在位置を算出する測位機能を有しておりこの機能を利用して現在位置を情報配信サーバに送信することができる。また、ナビゲーションサービスを受けることのできる携帯端末であれば、所望の特定のPOI情報を得た後、現在位置または自宅、勤務先など所望の出発地として当該特定のPOIまでの経路探索を受けることもできる。
【0008】
このようなPOI情報提供システムは種々提案されている。例えば、下記の特許文献1(特開2003−132483号公報)に「情報配信方法」として開示されたシステムが知られている。
【0009】
この特許文献1に開示された情報配信方法は、情報配信コンピュータシステムと端末装置である携帯電話とからなるシステムである。この情報配信コンピュータシステムは、外部の携帯電話から或るPOIの案内情報が要求されると、所望POIの案内情報に、POIの位置情報と最適経路情報の情報配信コンピュータシステムに対する経路探索要求用のURLをリンク情報とするリンクを付随させて要求元に返信する。該携帯電話でPOIの案内情報と一緒に表示されたリンクを選択すると、GPS受信部で検出された現在位置を出発地、POIの位置情報を目的地、計時部で計時された日時を出発予定日時とした経路探索条件が自動設定され、情報配信コンピュータシステムに対し、経路探索条件の情報を付随した経路探索要求をするように構成されている。
【0010】
すなわち、この情報配信コンピュータシステムは、携帯電話からPOIの検索要求があり、特定のPOIを検索しそのPOI案内情報(地図、営業案内など)を携帯電話に配信する際に、経路探索機能へのリンク情報を付加して配信し、携帯電話がそのリンクを選択すると現在位置から当該POIへの最適経路を探索して配信するようにしたものである。
【0011】
また、下記の特許文献2(特開2003−150475公報)に「情報提供システムおよび方法」として開示されたシステムも知られている。この特許文献2に開示された情報提供システムは、携帯端末とWebアプリケーションサーバからなるシステムである。
【0012】
この情報提供システムにおいて、携帯端末を利用するユーザは、表示された提供サービスメニューから要求するサービスを選択する。選択されたサービスの情報はWebアプリケーションサーバに送信される。GPS衛星は位置情報を出力する。携帯端末は、位置情報を受信し、受信した位置情報に基づいて現在位置を算出し、その現在位置の情報を、インターネットを介してWebアプリケーションサーバに送信する。Webアプリケーションサーバは、携帯端末から送信された現在位置の情報を受信し、携帯端末を利用するユーザによって選択されたサービスに関する情報であって、その現在位置に関連する情報を携帯端末に送信する。
【0013】
一般的に、目的とするPOIカテゴリに属する特定のPOIが現在位置や所望の位置周辺(例えば、半径2kmの範囲)に複数存在する場合、上記のようなPOI検索システムや経路案内システムにおいて検索された複数のPOIに関する位置情報や関連情報は、現在位置や所望の位置から近い順に並べられて携帯端末に配信される。近い順とは現在位置や所望の位置からの各POIまでの直線距離が短い順である。
【0014】
例えば、下記の特許文献3(特開平10−281797号公報)には、現在位置から直線距離の近い順にPOIを検索して案内する車載用ナビゲーション装置及び周辺施設探索方法システム端末装置が開示されている。
【0015】
この特許文献3に開示されたシステムは、テーブル記憶部に、用途別にグループ化されるカテゴリが記憶されている。ユーザが操作部を介して用途を入力すると、制御部は入力された用途に対応するグループのカテゴリを調べ、これらのカテゴリから車両の現在位置の周辺に存在する施設を探索する。探索した施設は現在位置から近い順に並べられ、ユーザが所望の施設を選択すると、制御部は現在位置から選択された施設までの案内経路を探索するように構成されている。
【0016】
また、特許文献3のような周辺施設探索システムにおいて、現在位置から一定の距離範囲に存在する施設(POI)の探索を効率よく行うように構成したシステムとして、下記の特許文献4(特開2004−61503号公報)に開示されたPOI情報表示方法およびナビゲーションシステムも知られている。
【0017】
この特許文献4に開示されたシステムは、ナビゲーションシステムにおいて、セル配列に特定POIをそれぞれ持つセルを配置し、使用者位置に最も近いセルに対応するセル配列におけるセル位置からの距離に基づいてセルを複数の異なるレベルにソートする。このナビゲーションシステムは所定レベルのセルからPOIを抽出し、距離に応じてPOIをソートし、このPOIを表示するように構成したものである。
【0018】
すなわち、このシステムは所定の緯度、経度の範囲で区切られた単位地図と同様に特定のPOIが存在するセルの配列をデータベースとして蓄積し、現在位置からの距離レベルに応じて該当するセル配列を選択して当該セルに存在するPOIを探索することにより探索効率を向上させたものである。
【0019】
【特許文献1】特開2003−132483号公報(図1、段落[0006])
【特許文献2】特開2003−150475号公報(図1、図2、段落[0013])
【特許文献3】特開平10−281797号公報(図1、段落[0028]、[0029])
【特許文献4】特開2004−61503号公報(図4、図6、図7、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
現在位置や所望位置から一定の範囲内にあるPOIを探索して近い順にPOIを並べて案内するシステムは、上記特許文献1〜特許文献4に開示されるように、直線距離に基づいてPOIをソートするものであった。しかしながら、ユーザが実際に探索されたPOIを訪れたいと思った場合、実際の移動経路を考慮して近いPOIが選択できることが望ましい。直線距離が近くても、実際には河川や鉄道で遮られていて、道のりが遠い場合があるからである。
【0021】
ところが、上記特許文献1〜特許文献4に開示されるようなシステムにおいては、直線距離に基づいてPOIを現在位置や所望位置から近い順にソートして案内し、ユーザが選択したPOIについて、経路探索してその経路を案内するものであるから、実際の経路としては遠回りになり、必ずしも最も近いPOIに到達できる保証がないという問題点があった。
【0022】
このような問題点を解消するために、現在位置や所望位置から実際の移動経路を探索してPOIを経路の近い順に案内しようとすると、情報配信サーバが候補とすべきPOI全てについて経路探索をする必要が生じる。このような案内方法は、不可能ではないが、経路探索にかなりの時間を要するものであり、(1)情報配信サーバで候補POI全ての経路探索を行うと、1クライアント(携帯端末)から多数、例えば、100個のPOIを対象としたPOI探索要求があり、全POIまでの経路探索を行うと、探索要求が集中する時間帯などシステム全体では過負荷になる恐れが生じるという問題点があった。また、(2)カーナビでは、移動速度が速いので上記のような多数のPOIの経路を探索していると、経路探索が終了しないうちに現在地が変わってしまい、探索結果を配信した時には既にユーザが相当な距離走行していて役に立たない情報になってしまうという問題点があった。
【0023】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、現在位置や所望位置から近いPOIの探索要求があった場合、先ず、現在位置や所望位置からユーザが所望する時間または距離で到達できる道路ネットワーク上の範囲(到達圏)を探索し、到達圏内のPOIを抽出し最も近いノードまたはリンクと対応付けて現在位置または所望位置からの経路とし距離(または時間)の短い順に該当POIをソートして案内すれば、上記問題点を解消し得ることに想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0024】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、現在位置などの所望位置からPOIまでの実際の移動経路を考慮して、前記所望位置から近くに存在するPOIを選択でき、また、情報配信サーバのPOIまでの経路探索を効率よく行うことができるようにしたナビゲーションシステム、情報配信サーバ、携帯端末を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とするナビゲーションシステムである。
【0026】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする。
【0029】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【0030】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする。
【0032】
本願の請求項8にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備えたナビゲーションシステムにおけるPOI探索方法であって、
前記経路探索手段が、POI探索条件に従って到達圏探索を行う第1のステップと、
前記到達圏POI範囲判定手段が、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する第2のステップと、
前記到達圏POI判別手段が、前記到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置し、前記POI探索条件に合致するPOIを抽出する第3のステップと、前記抽出したPOIについて、前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する第4のステップと、からなることを特徴とする。
【0033】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかるPOI探索方法において、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、前記到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする。
【0034】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかるPOI探索方法において、
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けるステップを含むことを特徴とする。
【0035】
また、本願の請求項11にかかる発明は、請求項10にかかるPOI探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のPOI探索方法。
【0036】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項8にかかるPOI探索方法において、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のPOI探索方法。
【0037】
また、本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかるPOI探索方法において、
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに当該POIから最も近いリンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0038】
また、本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかるPOI探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクを含む経路の経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする。
【0039】
本願の請求項15にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とする情報配信サーバである。
【0040】
また、本願の請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる情報配信サーバにおいて、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項17にかかる発明は、請求項16にかかる情報配信サーバにおいて、
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0042】
また、本願の請求項18にかかる発明は、請求項17にかかる情報配信サーバにおいて、
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする。
【0043】
また、本願の請求項19にかかる発明は、請求項15にかかる情報配信サーバにおいて、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする。
【0044】
また、本願の請求項20にかかる発明は、請求項19にかかる情報配信サーバにおいて、
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0045】
また、本願の請求項21にかかる発明は、請求項20にかかる情報配信サーバにおいて、
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする。
【0046】
本願の請求項22にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する情報配信サーバにネットワークを介して接続される携帯端末であって、
前記基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
請求項1にかかる発明においては、基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定し、経路探索手段が、POI探索条件に従って到達圏探索を行い、到達圏POI範囲判定手段が、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定し、到達圏POI判別手段が、前記到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置し、前記POI探索条件に合致するPOIを抽出し、抽出したPOIについて、基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する。
従って、まず到達圏探索によって到達圏の範囲を決めることができ、この到達圏探索は短時間で効率よく終了させることができるようになる。この到達圏探索によってPOI近辺までの経路距離または所要時間は探索済であるから、その後、到達圏範囲内のPOIを抽出し、抽出された各POIについての基準位置からの実際の経路となる経路距離または所要時間を生成することができるようになる。これにより、実際の移動経路を考慮して近いPOIが選択でき、直線距離が近くても、実際には河川や鉄道で遮られていて、道のりが遠いPOIを除外したPOI探索が可能になる。
【0048】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定する。
従って、到達圏探索の結果に基づいて容易に到達圏の範囲内にある所望のPOIの範囲を特定することができるようになる。
【0049】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付ける。従って、到達圏探索の結果に基づいて到達圏の範囲内にある所望のPOIを抽出することができ、抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間を容易に生成することができるようになる。
【0050】
請求項4にかかる発明おいては、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートする。従って、到達圏内から抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間の近い順にPOIを並べてその情報を提供することができるようになる。
【0051】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定する。
到達圏探索の結果に基づいて容易に到達圏の範囲内にある所望のPOIの範囲を特定することができるようになる。
【0052】
請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付ける。従って、到達圏探索の結果に基づいて到達圏の範囲内にある所望のPOIを抽出することができ、抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間を容易に生成することができるようになる。
【0053】
請求項7にかかる発明においては、請求項6にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートする。従って、到達圏内から抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間の近い順にPOIを並べてその情報を提供することができるようになる。
【0054】
請求項8ないし請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムにおけるPOI探索方法を提供することができるようになる。また、請求項15ないし請求項21にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムを構成する情報配信サーバを提供することができるようになる。更に、請求項22にかかる発明においては請求項1にかかるナビゲーションシステムを構成する携帯端末を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、携帯電話機を端末装置とし、経路探索および経路案内を行うナビゲーションシステムにPOI情報提供機能を備えたナビゲーションシステムを具体例として説明するが、本発明はこのような実施例に限ることなく、端末装置は車載型の端末装置のような移動端末であってもよい。本明細書においては、移動端末を含めて携帯端末と総称する。ただし、情報配信サーバは経路探索用のネットワークデータを備え、経路探索を行う機能を有している必要がある。
【実施例1】
【0056】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示す図である。ナビゲーションシステム10は、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク11を介して接続される携帯端末20と情報配信サーバ30を備えて構成されている。情報配信サーバ30は、端末装置20にPOI情報を提供するため、POIカテゴリ別に区分し、当該カテゴリに属する各POIとその位置情報(緯度・経度)、POIが位置する単位地図と同様の単位に区切られたメッシュの識別番号(メッシュ番号)、営業案内などPOIに関連する情報を蓄積したデータベースであるPOIDB37と、経路探索手段33、到達圏POI範囲判定手段36、探索用ネットワークデータ35、到達圏POI判別手段38、POIソート手段39などを備えている。
【0057】
POIDB37に蓄積される全てのPOI情報は、エリアを所定の緯度・経度で区切ったメッシュを単位とし、個々のPOIが存在する場所に基づいて該当するメッシュに各POIの情報が蓄積されている。1つのメッシュは地図を緯度・経度で区切った単位地図の大きさとおなじ大きさであってよい。もちろん異なる大きさにすることもできる。
【0058】
図2は、上記のPOIDB37に蓄積されたPOIの情報の構成を示す図である。図2に示すように、蓄積されるPOIの情報は、メッシュ番号0001〜0002〜のように所定の緯度、経度で区切ったメッシュを単位として区分され、当該メッシュに存在するPOIの情報が該当するメッシュに蓄積されている。蓄積されるPOIの情報は、当該POIの属するカテゴリ、POI(名称)、POIの場所(緯度・経度)、ホームページ(URL)、営業案内などである。また、探索用ネットワークデータ35には経路探索用の道路ネットワークのデータ、交通ネットワークのデータが蓄積されている。道路ネットワークのデータは自動車、歩行者のための経路探索に用いられ、交通ネットワークのデータは交通機関を利用した区間の経路探索に用いられる。
【0059】
情報配信サーバ30はまた、制御手段31、配信データ編集手段32、通信手段34、を備えている。制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段34は、ネットワーク11、12を介して携帯端末20や、各種のPOI情報を提供するPOI情報提供サーバ50と通信するためのインターフェースである。配信データ編集手段32は、経路探索やPOI探索の結果を携帯端末20に配信するためのデータに編集するためのものである。情報配信サーバ30は、ネットワーク12を介して各種のPOI情報提供サーバ50からPOIの情報を収集してPOIDB37にデータベース登録し、ユーザに提供できるPOI情報を充実してゆくことができる。
【0060】
携帯端末20は例えばGPS受信機などの測位手段を搭載した携帯電話機であり、現在地や目的地周辺の周辺検索、すなわち、所望のPOI検索が行える。現在位置や目的地の位置情報を付けて周辺検索要求を情報配信サーバ30に送ると、情報配信サーバ30は、携帯端末20の現在位置または目的地の位置とPOIまでの経路を考慮して、経路の所要時間または経路の距離が所望の範囲内にあるPOIの探索要求ができるように構成されている。以下、この経路の距離または時間を到達圏範囲ということとする。POI検索にあたって携帯端末20はPOIカテゴリの選択画面が表示され、ユーザは所望のPOIカテゴリを選択しまた所望の到達圏範囲(距離または時間)を入力し、POI探索要求を情報配信サーバ30に送信し当該POIカテゴリに属するPOIを探索させる。以下の説明においては、現在位置を基準とした周辺検索を例にとり具体例を説明することとする。
【0061】
到達圏探索とは、特に目的地を定めずに、ある地点(例えば現在地)から所定のコスト以下(道のり(経路距離)、所要時間など)で到達できるエリアを求めるものである。主に、出店計画や不動産の選択などで用いられる技術である。この技術は、例えば、本出願人により出願され、公開された特開2000−187653号公報に開示されている。この技術は電車路線の到達圏探索の方法を開示している。
【0062】
本実施例においては、現在地から所定の条件(経路距離、所要時間)で到達圏探索を行い、その結果到達圏を図形的に求め、その図形に含まれるPOIをリストの候補にする。そして、到達圏探索実行後は、ある地点からダイクストラ法によって各ノードのポテンシャル(最短コスト)が計算済みであるので、POIに隣接するノード(最も近いノード)のポテンシャルをそのPOIまでの経路のコストとすることによって、コストの小さい順、すなわち、現在位置からPOIまでの実際の経路長または時間の小さい順にPOIをソートして案内することも可能である。以下の実施例においては、経路の所要時間を含め、単に経路距離と総称することとする。
【0063】
情報配信サーバ30は、携帯端末20から現在位置と所望の到達圏範囲とPOIカテゴリを指定した検索要求が送信されると、経路探索手段33は探索用ネットワークデータ35を用いて指定された到達圏範囲の到達可能な全てのノード(道路ネットワーク上のノード)を探索する。この探索を到達圏探索といい、一般に経路探索に用いられるダイクストラ法による探索方法を用い、現在位置から順次ノードをたどり(ダイクストラ法では拡散という)、そのポテンシャル(通過したノードまでの累計距離または時間)が指定された到達圏範囲(所定の距離または時間)に達したところで拡散を停止する。拡散を停止した時の全てのノードが現在位置から所定の距離または時間で到達可能なノードである。以下このノードを到達可能ノードという。
【0064】
次に、到達圏POI範囲判定手段36は経路探索手段33が到達圏探索により探索した到達可能ノードを結ぶ多角形の図形(ポリゴン)を作成し、到達圏と重なるPOIの範囲を判定する。到達圏POI判別手段38は到達圏POI範囲内にあり、かつ、前記ポリゴンの範囲内に存在するPOIを抽出し、各POIについて最も近いノードを対応付けする。この詳細な方法については、後に詳細に説明する。すなわち、この処理によってPOIと経路のノードが対応付けられ、POIへの経路が既に探索済であることになる。また、到達圏探索を行うのでこの探索自体は現実的な距離または時間の範囲内であれば極めて短時間に探索が終了し、同時に到達圏内のPOIまでの経路探索が終了していることから、効率的にPOIまでの経路を考慮した案内をすることができるようになる。
【0065】
経路探索のための道路ネットワークは以下のように構成されている。例えば、道路が図3に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータと構成される。
【0066】
すなわち、図3において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図3では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0067】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図3において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0068】
図3ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0069】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図4に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図4において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図4では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0070】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図4に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0071】
図4に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0072】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図4において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0073】
一方、携帯端末20は、図1に示されるように、制御手段21、通信手段22、GPS受信機などからなる測位手段23、液晶表示ユニットなどからなる表示手段24、情報配信サーバ30から配信されたデータなどを記憶する配信データ記憶手段25、情報配信サーバ30に対する各種要求を編集する配信要求編集手段26、操作・入力手段27を備えている。
【0074】
制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段27は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力手段ためのものであり、出力手段である表示手段24に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段24は操作・入力手段27の一部としても機能する。通信手段22は、ネットワーク11を介して情報配信サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0075】
ユーザが情報配信サーバ30にPOIの検索を依頼しようとする場合、携帯端末20において操作・入力手段27を操作し、図5に示すサービスメニュー画面を表示手段24に表示して所望の選択入力を行う。例えば、ユーザが現在地から近い薬局を探索したい場合、周辺検索メニュー画面でPOIカテゴリ「薬局」を選択し、到達圏の範囲を、例えば、徒歩10分(または、経路距離800m)のように入力する。前述のようにして選択されたPOIカテゴリ(薬局)、入力された条件(到達圏範囲)は、配信要求編集手段26によりPOI探索要求として編集され情報配信サーバ30に送信される。
【0076】
情報配信サーバ30がPOI探索要求を受信すると、経路探索手段33は探索用ネットワークデータ35を参照して到達圏探索を行う。図6は、到達圏探索の概念を説明するための模式図である。図6において、Pは携帯端末20が測位した現在位置、黒丸はノード、黒丸をつなぐ実線はリンクを表している。ダイクストラ法による到達圏探索は、現在位置Pから出るリンクL1〜L4の全ての方向にリンク、ノードをたどり、各ノード毎にリンクコスト(たどったリンクの距離または時間)の累積を算出してノードのポテンシャルとする。ノードのポテンシャルが所定の距離または時間の範囲に達した時点でその先のリンク、ノードへの拡散(探索)を停止する。図6においては、ノードN1〜N9などが到達圏内の最もポテンシャルの大きいノードであり、このノードが所定の到達圏範囲内で到達可能な最も遠いノードになる。なお、このダイクストラ法の演算経過、演算結果を一時的に記憶して、後でPOIのソートと経路案内に利用する。
【0077】
次に、到達圏POI範囲判定手段36は、経路探索手段33が探索した到達可能ノードN1〜N9を含む到達圏内のノードを結ぶ多角形の図形(ポリゴン)を作成する。以下このポリゴンを到達圏ポリゴンという。図7は、図6に示す到達可能ノードを図形化する処理の概念を示す模式図である。すなわち、図7において、Pは携帯端末20が測位した現在位置、黒丸はノード、黒丸をつなぐ実線はリンクを表している。ノードN1〜N9などは到達可能ノードのうち、現在位置Pから最も遠いノードである。図7に点線で示すように、現在地Pを中心にして所定の角度(10°)ごとに見渡して、それぞれの角度領域ごとに最も遠いノード(図7においてはノードN1〜N9、N10〜N21)を求めてそのノード番号を記憶する。もし、その角度領域にノードが無ければ、ノードを記憶しない。前記の角度範囲ごとに、最も遠い(現在位置から最も遠い)ノード同士を結んで到達圏ポリゴンを形成する。
【0078】
このポリゴンは、例えばビデオRAM上に塗りつぶしを行う処理で内部を表現することが出来る。ビデオRAMが塗りつぶされていれば、そのビットに対応する位置はポリゴンの内部、すなわち到達圏内であることがわかる。(実際にビデオRAM上で行う必要は無い。見せる必要がないので、他の処理で使用される一般のRAM上に展開しても処理することができる)。これで、到達圏を図形的に表現できたことになる。
【0079】
この後、到達圏POI判別手段38は到達圏POI範囲判定手段36が作成した到達圏ポリゴン内に存在する該当POI(ここでは、薬局)の抽出を行う。先にPOIDB37の構成(図2参照)で述べたように、エリアを所定の緯度・経度で区切ったメッシュを単位とし、個々のPOIが存在する場所に基づいて該当するメッシュに各POIの情報が蓄積されている。従って、到達圏POI範囲判定手段36は、到達圏ポリゴンが重なるメッシュを特定することができ、これによって到達圏POI範囲を決定することができる。
【0080】
すなわち、到達圏POI判別手段38は、図8に示すように到達圏ポリゴン81が地理的に重なったメッシュM1〜M4の中に存在する全てのPOIから探索条件に合致したPOIを抽出する。すなわち、図8は、図7のように形成された到達圏ポリゴン81とPOIの情報を蓄積したメッシュの単位との関係を示す模式図であり、到達圏ポリゴン81と重なったメッシュM1〜M4を示している。
【0081】
到達圏POI判別手段38は、到達圏ポリゴン81と重なったメッシュM1〜M4の中に存在する全てのPOIから、探索条件として指定されたカテゴリ「薬局」を条件に該当POIを絞り込む(図2参照)。そして、絞り込んだ「薬局」のうち到達圏ポリゴン81内にあるものを抽出する。図8において、POI3は「薬局」であるが、到達圏ポリゴン81と重なるメッシュM1〜M4内にないので、絞り込みの対象にはならない。
【0082】
POI1、POI2は到達圏ポリゴン81と重なるメッシュM1〜M4内にあるので、絞り込みの対象になる。そしてPOI1は到達圏ポリゴン81の内部にあるので該当POIとして抽出される。一方、POI2は、到達圏ポリゴン81の外部にあるので該当POIとして抽出されない。到達圏ポリゴン81はユーザが所望する経路上の距離または時間で到達可能なく範囲を意味するから、POI1は所望の距離または時間で到達することができ、POI2は所望の距離または時間で到達することができないPOIであることを意味する。従って、POI1を該当POIとして抽出するのである。
【0083】
図8においては、説明のため、到達圏ポリゴン81内の該当POIがPOI1のみである状態を図示しているが、複数の該当POIが抽出された場合、次のようにして現在位置Pから各POIまでの経路距離または時間の大小によってPOIをソートし、現在位置から実際の経路距離または時間の小さい順にPOIリストを携帯端末20に配信して案内することができる。
【0084】
すなわち、POIソート手段39は、到達圏POI判別手段38が前述のようにして抽出した各POIを、それぞれ最も近くに存在する到達圏ポリゴン81内のノードと関連付ける。図9はこの処理を説明するための模式図であり、図8において到達圏ポリゴン内にPOI1の他にPOINが抽出された状態を示している。図9においてノードN4、N14は図6の到達圏探索で探索されたノードを示している。
【0085】
POI1対してはノードN14が最も近いノードであり、POINにたいしてはノードN4が最も近いノードである。これはノードの位置情報と各POIの位置情報を比較することによって容易に決定することができる。各ノードは到達圏探索によって得られた結果であるから、ノードのポテンシャルは現在位置から各ノードまでの経路距離または時間を表しており、各POIに関連付けられたノードのポテンシャルは当該POIまでの経路距離または時間を近似している。従って、各ノードのポテンシャルの大小によってPOIをソートすることによって、各POIまでの経路距離または時間の小さい順にPOIを並べて探索結果とすることができる。
【0086】
図10は、このようにして得られたPOI探索結果を携帯端末20に配信し、表示手段24に表示する。図10Aは上記の処理によってPOI(この場合「薬局」)が現在位置から経路距離の近い順にソートされて表示されている。この画面でユーザが最も近い薬局Aを選択してクリックすると、図10Bの画面に遷移して薬局Aに関するPOI情報が表示される。この表示画面に当該POIを含む単位地図データ要求へのハイパーリンク(図10B中、「地図を表示する」の文字リンク)や、ナビゲーション(経路案内)開始の要求へのハイパーリンク(図10B中の「ここに行く」の文字リンク)をつけておくと利便性が増す。ユーザは所望のPOIを選択して図10Bの表示画面でこれらの文字リンクをクリックするだけで、情報配信サーバ30に地図を要求したり、経路案内を要求したりすることができる。
【0087】
図10AのPOI探索結果回答画面で所望のPOIを選択し、図10BのPOI情報画面でナビゲーション開始のハイパーリンクが操作され、情報配信サーバ30に当該POIへの経路案内の要求があった場合、このPOIに最も近いノードが関連付けられており、このノードは到達圏探索で現在位置からの経路探索が終了しているものであるから、情報配信サーバ30は、再度経路探索することなく案内経路を携帯端末20に配信することができる。すなわち、POIに最も近いノードが関連付けられているので、該当ノードからリンクを逆にたどることで現在位置から該当ノード(POI)までの案内経路を特定することができる。
【0088】
探索の結果、十分なPOIが探索されなかった場合は、条件を変更して(徒歩時間を長くして)再探索を行うように入力画面遷移してもよい。その際に、到達圏探索の演算結果が保存されているので、その続きから拡散(経路探索)を行えば、重複した演算(経路探索)を避けることができる。
【0089】
また、地図データが要求された場合には、情報配信サーバ当該POIが存在するメッシュと単位地図の相対関係を検索して該当地域の地図データを携帯端末20に配信することができる。単位地図の区分とメッシュの区分を合わせ、メッシュ番号と地図番号を同じにしておけば、容易に該当地域の地図データを特定して携帯端末20に配信することができ好ましい。更に、探索用ネットワークデータ35も単位地図およびPOIデータを区分したメッシュと同じ単位で区切っておけば、到達圏探索が及んだノード、リンクが存在するメッシュの識別コードから該当位置の地図データ、POIデータのメッシュとの対応が直ちに特定できる。
【0090】
図11は以上の処理手順を示すフローチャートである。情報配信サーバ30は先ずステップS10の処理において、携帯端末20からのPOI探索要求を受信する。このPOI探索要求には、少なくとも、携帯端末20の現在位置、探索を希望するPOIのカデゴリ、到達圏範囲(距離または時間)が含まれている。ステップS11の処理においてこの探索要求が分析され、ステップS12の処理において、経路探索手段33は到達圏範囲の指定に従って到達圏探索を行う。到達圏探索の手法については先に説明した通りである。
【0091】
ステップS13の処理において、到達圏探索が終了したか否かが判別され、終了していない場合はステップS12の処理に戻り探索が継続される。到達圏検索が終了していれば、ステップS13の処理において到達圏POI範囲判定手段36は、到達圏内のノードを判定して到達圏ポリゴンを作成する。到達圏ポリゴンの作成の手法についても、先に詳細に説明した。
【0092】
次に、ステップS15の処理において到達圏POI判別手段38は、到達圏ポリゴンと重なるメッシュを抽出しそのメッシュに含まれ(メッシュ内に位置し)、かつ、到達圏ポリゴンの内部に存在するPOIを抽出する。この処理において抽出するPOIは、POI探索条件で指定されたカテゴリに属するPOIである。また、ステップS15の処理において、到達圏POI判別手段38は抽出したPOIの各々について、当該POIに最も近いノード(到達圏ポリゴン内のノード)を決定し、各POIと関連付けして記憶する。
【0093】
ステップS16の処理において、上記の到達圏POI判別の処理が全て終了したかを判別し、処理が終了していなければステップS15の処理に戻り、到達圏POI判別処理を継続し、処理が終了していればステップS17のPOIソートの処理に進む。
ステップS17の処理において、POIソート手段39は、ステップS15の処理において抽出されたPOIごとに対応付けられたノードのポテンシャルを比較し、ポテンシャルの小さい順、すなわち、現在位置からの経路長(距離または時間)の短い順にPOIをソートする。ソートされた結果、すなわち、ステップS12〜ステップS17の処理によって探索、ソートされたPOIのリスト(図10A参照)がステップS18の処理において配信データ編集手段32によって編集され、携帯端末20に配信される。
【実施例2】
【0094】
上記実施例1においては、到達圏POI判別手段が到達圏ポリゴン内のPOIを抽出し、抽出した各POIごとに最も近い到達圏ポリゴン内のノードを関連付ける例を説明したが、以下に説明する実施例2のような態様をとることもできる。実施例2のナビゲーションシステムの構成は実施例1(図1)と同様であり、処理の手順が異なる。ユーザが指定したPOIのカテゴリは実施例1と同様「薬局」であったとする。
【0095】
図12は本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムにおけるPOI探索の処理手順を示すフローチャートである。図12において、ステップS20からステップS23までの処理手順は、図11におけるステップS10〜ステップS13までの処理の手順と同様である。ステップS23までの処理において到達圏探索が終了すると、ステップS24の処理に進む。
【0096】
ステップS24の処理において到達圏POI範囲判定手段36は、実施例1のステップS14の処理と異なり、到達圏ポリゴンを作成することなく、到達圏探索で拡散が及んだノード、リンクが含まれるメッシュを抽出して到達圏POI範囲を特定し、そのメッシュに含まれる(メッシュ内に位置する)POIを抽出する。この処理において抽出するPOIは、POI探索条件で指定されたカテゴリに属するPOI(「薬局」)である。
【0097】
その後、ステップS25の処理において、到達圏POI判別手段38は抽出したPOIの各々について、当該POIに最も近い最寄りリンク(POIから最寄りリンクに垂線を降ろして最も近いリンク)を見つけ、そのリンクが到達圏探索(拡散)の及んだリンク(図6参照)だったら、到達圏に含まれたPOIとみなし、そうでなければ抽出POIから削除する。こうして絞り込まれた各POIには最も近い最寄りリンクが関連付けられて記憶される。もしも、POIに最も近いリンクに拡散が及んでいなかったらそのPOIは到達圏内に入っていないものとして抽出したPOIから捨てる(削除する)。
【0098】
図13は、この処理手順の概念を示す模式図である。図13において、POI4、POI5は、到達圏POI範囲判定手段36が特定したメッシュ、すなわち、特定到達圏探索の範囲と重なったメッシュに存在する「薬局」である。POI4、POI5から最寄りの垂線を降ろして最も近いリンクを見つける。POI4からリンクLnに下ろした垂線の距離D4n、POI5からリンクLmに下ろした垂線の距離D5mが最も短いので最寄りリンクは、それぞれLn、Lmに決定される。
【0099】
リンクLnは実線で示すように到達圏探索が及んだリンクであり、リンクLmは点線で示すように到達圏探索が及ばなかったリンクである。従って、POI4は到達圏の範囲内のPOIとして抽出され、POI5は到達圏かの範囲外として抽出POIから除外される。POIへの道のり(経路長)は、接続した垂線の長さと、リンクの接続点までの距離を勘案して詳細に求めてもよい。場合によっては最寄りリンクまでが遠くて条件に入らないPOIもあり得る。実施例2の処理方法によれば、その検算を行うこともできる。
【0100】
ステップS26の処理において、上記の到達圏POI判別の処理が全て終了したかを判別し、処理が終了していなければステップS25の処理に戻り、到達圏POI判別処理を継続し、処理が終了していればステップS27のPOIソートの処理に進む。
ステップS27の処理において、POIソート手段39は、ステップS25の処理において抽出されたPOIごとに対応付けられたリンクに基づいて、経路長または時間を算出し、経路長または時間の小さい順、すなわち、現在位置からの経路長(距離または時間)の短い順にPOIをソートする。経路長は到達圏探索によって所定の経路範囲の全てのノード、リンクの探索がなされているためその結果を使用して簡単に求めることができる。
【0101】
POIソート手段39によってソートされた結果、経路長または時間の小さい順に並べられたPOIのリスト(図10A参照)が、ステップS28の処理において配信データ編集手段32によって編集され、携帯端末20に配信される。配信結果は実施例1において図10により説明したと同様である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、実施例1、実施例2において、携帯端末として携帯電話を用いたシステムとして説明したが、スタンドアロンタイプのカーナビシステム、通信タイプの携帯端末を使用したナビゲーションシステムなどに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施例にかかるPOI情報提供システムの構成を示す図である。
【図2】POIカテゴリデータベース(DB)に蓄積されるPOI情報のデータ構成を示す説明図である。
【図3】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図4】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図5】本発明の携帯端末における周辺検索のサービスメニュー画面の構成を示す図であり、
【図6】到達圏探索の概念を説明するための模式図である。
【図7】到達圏を構成する多角図形化(到達圏ポリゴン)処理の概念を説明するための模式図である。
【図8】到達圏ポリゴンに存在する所望POIを探索する処理の概念を説明するための模式図である。
【図9】到達圏ポリゴン内のPOIのうち探索条件に合致する複数のPOIについて経路距離または時間でソートする処理の概念を説明するための模式図である。
【図10】携帯端末におけるPOI探索のためのメニュー画面および回答画面の構成を示す画面構成図であり、図10Aはメニュー画面、図10Bは回答画面の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施例1にかかるPOI探索の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例2にかかるPOI探索の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例2における到達圏POI判別の手順を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0104】
10・・・・ナビゲーションシステム
11、12・・ネットワーク
20・・・・携帯端末
21・・・・制御手段
22・・・・通信手段
23・・・・測位手段
24・・・・表示手段
25・・・・配信データ記憶手段
26・・・・配信要求編集手段
27・・・・操作・入力手段
30・・・・情報配信サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・配信データ編集手段
33・・・・経路探索手段
34・・・・通信手段
35・・・・探索用ネットワークデータ
36・・・・到達圏POI範囲判定手段
37・・・・POIDB(データベース)
38・・・・到達圏POI判別手段
39・・・・POIソート手段
50・・・・POI情報提供サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯端末と情報配信サーバからなる通信型のナビゲーションシステムに関するものであり、特に、ユーザが所望する位置周辺における興味対象場所(POI)の情報を検索し、検索されたPOIへの経路を案内することができるナビゲーションシステム、情報配信サーバおよび携帯端末に関するものである。
本発明は上記のようなナビゲーションシステムにおいて、現在位置などの所望位置からPOIまでの実際の移動経路の距離または時間を考慮して、前記所望位置から近くに存在するPOIを選択でき、また、情報配信サーバにおけるPOIまでの経路探索を素早く、効率よく行うことができるようにしたナビゲーションシステム、情報配信サーバ、携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話など携帯端末がブラウザを搭載し、インターネットにアクセスして所望の情報の提供を受けることができるようになっている。このようなシステムにおいては、ユーザは携帯端末を操作して、サーバに備えられた検索エンジン等を利用して所望のサイトを見出し、当該サイトのコンテンツをダウンロードして、ブラウザにより当該コンテンツを閲覧している。上記コンテンツには種々のカテゴリに属する情報があり、店舗やイベントの情報提供、鉄道路線の時刻表の提供や、鉄道の乗り換え案内なども含まれる。
【0003】
店舗やイベントの情報提供にあっては、ユーザが携帯端末を操作して店舗やイベントのカテゴリ、検索したい地域を入力して検索要求する。サーバは指定されたカテゴリに該当し、かつ当該地域に存在する店舗やイベントを検索し、その情報が携帯端末装置に配信される。時刻表の提供においては、ユーザが携帯端末を操作して、路線を指定すると、当該路線の時刻表が携帯端末の表示装置の画面上に提示される。また、乗り換え案内においては、ユーザが、出発地や目的地を指定することにより、推奨する経路が提示される。
【0004】
情報配信サーバも機能が充実され、上記のような鉄道路線やバス路線の時刻表の提供や乗り換え案内にとどまらず、従来の車載用ナビゲーションシステムの機能を携帯電話などの携帯端末に提供する情報配信サーバも実現されている。このようなシステムによれば、自動車の運転者のみならず、歩行者に対するナビゲーションサービスを提供することができる。
【0005】
携帯電話のユーザは上記のようなサービスを利用して種々の所望の情報を得ることができる。例えば、ユーザが興味を持っている興味対象場所(Point of Interest:以下単にPOIという)に関する地図や営業内容、価格、営業時間などの情報を得ることができる。POIとは、例えば、ホテル、レストラン、デパート、テーマパーク、コンビニ、ガソリンスタンド、運動施設、公園などのあらゆる店舗、施設が対象となり得る。このためPOIは種類(カテゴリ)が膨大であり、当該カテゴリに属する店舗、場所も無数に存在する。情報配信サーバがカバーする範囲が広ければ広い程その数も増加する。
【0006】
従って、これら無数のPOIに関する情報をユーザに提供するため、情報配信サーバはPOIデータベースを備えている。このPOIデータベースにおいては、POIはカテゴリ分けされており、また、このPOIカテゴリはその数の多さから大分類、中分類、小分類などと階層化されている。ユーザは携帯端末に表示されたメニュー画面から所望のPOIカテゴリを選択して情報配信サーバにデータを要求することになるが、特定の所望のPOIカテゴリを選択するために、大分類、中分類、小分類とカテゴリの階層をたどり、情報配信を希望するPOIカテゴリを選択することになる。
【0007】
ユーザが利用する携帯端末が携帯電話である場合、最近の携帯電話はGPS受信機を備え、GPS衛星からの信号を受信して自身の現在位置を算出する測位機能を有しておりこの機能を利用して現在位置を情報配信サーバに送信することができる。また、ナビゲーションサービスを受けることのできる携帯端末であれば、所望の特定のPOI情報を得た後、現在位置または自宅、勤務先など所望の出発地として当該特定のPOIまでの経路探索を受けることもできる。
【0008】
このようなPOI情報提供システムは種々提案されている。例えば、下記の特許文献1(特開2003−132483号公報)に「情報配信方法」として開示されたシステムが知られている。
【0009】
この特許文献1に開示された情報配信方法は、情報配信コンピュータシステムと端末装置である携帯電話とからなるシステムである。この情報配信コンピュータシステムは、外部の携帯電話から或るPOIの案内情報が要求されると、所望POIの案内情報に、POIの位置情報と最適経路情報の情報配信コンピュータシステムに対する経路探索要求用のURLをリンク情報とするリンクを付随させて要求元に返信する。該携帯電話でPOIの案内情報と一緒に表示されたリンクを選択すると、GPS受信部で検出された現在位置を出発地、POIの位置情報を目的地、計時部で計時された日時を出発予定日時とした経路探索条件が自動設定され、情報配信コンピュータシステムに対し、経路探索条件の情報を付随した経路探索要求をするように構成されている。
【0010】
すなわち、この情報配信コンピュータシステムは、携帯電話からPOIの検索要求があり、特定のPOIを検索しそのPOI案内情報(地図、営業案内など)を携帯電話に配信する際に、経路探索機能へのリンク情報を付加して配信し、携帯電話がそのリンクを選択すると現在位置から当該POIへの最適経路を探索して配信するようにしたものである。
【0011】
また、下記の特許文献2(特開2003−150475公報)に「情報提供システムおよび方法」として開示されたシステムも知られている。この特許文献2に開示された情報提供システムは、携帯端末とWebアプリケーションサーバからなるシステムである。
【0012】
この情報提供システムにおいて、携帯端末を利用するユーザは、表示された提供サービスメニューから要求するサービスを選択する。選択されたサービスの情報はWebアプリケーションサーバに送信される。GPS衛星は位置情報を出力する。携帯端末は、位置情報を受信し、受信した位置情報に基づいて現在位置を算出し、その現在位置の情報を、インターネットを介してWebアプリケーションサーバに送信する。Webアプリケーションサーバは、携帯端末から送信された現在位置の情報を受信し、携帯端末を利用するユーザによって選択されたサービスに関する情報であって、その現在位置に関連する情報を携帯端末に送信する。
【0013】
一般的に、目的とするPOIカテゴリに属する特定のPOIが現在位置や所望の位置周辺(例えば、半径2kmの範囲)に複数存在する場合、上記のようなPOI検索システムや経路案内システムにおいて検索された複数のPOIに関する位置情報や関連情報は、現在位置や所望の位置から近い順に並べられて携帯端末に配信される。近い順とは現在位置や所望の位置からの各POIまでの直線距離が短い順である。
【0014】
例えば、下記の特許文献3(特開平10−281797号公報)には、現在位置から直線距離の近い順にPOIを検索して案内する車載用ナビゲーション装置及び周辺施設探索方法システム端末装置が開示されている。
【0015】
この特許文献3に開示されたシステムは、テーブル記憶部に、用途別にグループ化されるカテゴリが記憶されている。ユーザが操作部を介して用途を入力すると、制御部は入力された用途に対応するグループのカテゴリを調べ、これらのカテゴリから車両の現在位置の周辺に存在する施設を探索する。探索した施設は現在位置から近い順に並べられ、ユーザが所望の施設を選択すると、制御部は現在位置から選択された施設までの案内経路を探索するように構成されている。
【0016】
また、特許文献3のような周辺施設探索システムにおいて、現在位置から一定の距離範囲に存在する施設(POI)の探索を効率よく行うように構成したシステムとして、下記の特許文献4(特開2004−61503号公報)に開示されたPOI情報表示方法およびナビゲーションシステムも知られている。
【0017】
この特許文献4に開示されたシステムは、ナビゲーションシステムにおいて、セル配列に特定POIをそれぞれ持つセルを配置し、使用者位置に最も近いセルに対応するセル配列におけるセル位置からの距離に基づいてセルを複数の異なるレベルにソートする。このナビゲーションシステムは所定レベルのセルからPOIを抽出し、距離に応じてPOIをソートし、このPOIを表示するように構成したものである。
【0018】
すなわち、このシステムは所定の緯度、経度の範囲で区切られた単位地図と同様に特定のPOIが存在するセルの配列をデータベースとして蓄積し、現在位置からの距離レベルに応じて該当するセル配列を選択して当該セルに存在するPOIを探索することにより探索効率を向上させたものである。
【0019】
【特許文献1】特開2003−132483号公報(図1、段落[0006])
【特許文献2】特開2003−150475号公報(図1、図2、段落[0013])
【特許文献3】特開平10−281797号公報(図1、段落[0028]、[0029])
【特許文献4】特開2004−61503号公報(図4、図6、図7、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
現在位置や所望位置から一定の範囲内にあるPOIを探索して近い順にPOIを並べて案内するシステムは、上記特許文献1〜特許文献4に開示されるように、直線距離に基づいてPOIをソートするものであった。しかしながら、ユーザが実際に探索されたPOIを訪れたいと思った場合、実際の移動経路を考慮して近いPOIが選択できることが望ましい。直線距離が近くても、実際には河川や鉄道で遮られていて、道のりが遠い場合があるからである。
【0021】
ところが、上記特許文献1〜特許文献4に開示されるようなシステムにおいては、直線距離に基づいてPOIを現在位置や所望位置から近い順にソートして案内し、ユーザが選択したPOIについて、経路探索してその経路を案内するものであるから、実際の経路としては遠回りになり、必ずしも最も近いPOIに到達できる保証がないという問題点があった。
【0022】
このような問題点を解消するために、現在位置や所望位置から実際の移動経路を探索してPOIを経路の近い順に案内しようとすると、情報配信サーバが候補とすべきPOI全てについて経路探索をする必要が生じる。このような案内方法は、不可能ではないが、経路探索にかなりの時間を要するものであり、(1)情報配信サーバで候補POI全ての経路探索を行うと、1クライアント(携帯端末)から多数、例えば、100個のPOIを対象としたPOI探索要求があり、全POIまでの経路探索を行うと、探索要求が集中する時間帯などシステム全体では過負荷になる恐れが生じるという問題点があった。また、(2)カーナビでは、移動速度が速いので上記のような多数のPOIの経路を探索していると、経路探索が終了しないうちに現在地が変わってしまい、探索結果を配信した時には既にユーザが相当な距離走行していて役に立たない情報になってしまうという問題点があった。
【0023】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、現在位置や所望位置から近いPOIの探索要求があった場合、先ず、現在位置や所望位置からユーザが所望する時間または距離で到達できる道路ネットワーク上の範囲(到達圏)を探索し、到達圏内のPOIを抽出し最も近いノードまたはリンクと対応付けて現在位置または所望位置からの経路とし距離(または時間)の短い順に該当POIをソートして案内すれば、上記問題点を解消し得ることに想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0024】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、現在位置などの所望位置からPOIまでの実際の移動経路を考慮して、前記所望位置から近くに存在するPOIを選択でき、また、情報配信サーバのPOIまでの経路探索を効率よく行うことができるようにしたナビゲーションシステム、情報配信サーバ、携帯端末を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とするナビゲーションシステムである。
【0026】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする。
【0029】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【0030】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする。
【0032】
本願の請求項8にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備えたナビゲーションシステムにおけるPOI探索方法であって、
前記経路探索手段が、POI探索条件に従って到達圏探索を行う第1のステップと、
前記到達圏POI範囲判定手段が、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する第2のステップと、
前記到達圏POI判別手段が、前記到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置し、前記POI探索条件に合致するPOIを抽出する第3のステップと、前記抽出したPOIについて、前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する第4のステップと、からなることを特徴とする。
【0033】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかるPOI探索方法において、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、前記到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする。
【0034】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかるPOI探索方法において、
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けるステップを含むことを特徴とする。
【0035】
また、本願の請求項11にかかる発明は、請求項10にかかるPOI探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のPOI探索方法。
【0036】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項8にかかるPOI探索方法において、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のPOI探索方法。
【0037】
また、本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかるPOI探索方法において、
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに当該POIから最も近いリンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0038】
また、本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかるPOI探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクを含む経路の経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする。
【0039】
本願の請求項15にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とする情報配信サーバである。
【0040】
また、本願の請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる情報配信サーバにおいて、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項17にかかる発明は、請求項16にかかる情報配信サーバにおいて、
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0042】
また、本願の請求項18にかかる発明は、請求項17にかかる情報配信サーバにおいて、
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする。
【0043】
また、本願の請求項19にかかる発明は、請求項15にかかる情報配信サーバにおいて、
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする。
【0044】
また、本願の請求項20にかかる発明は、請求項19にかかる情報配信サーバにおいて、
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする。
【0045】
また、本願の請求項21にかかる発明は、請求項20にかかる情報配信サーバにおいて、
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする。
【0046】
本願の請求項22にかかる発明は、
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する情報配信サーバにネットワークを介して接続される携帯端末であって、
前記基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
請求項1にかかる発明においては、基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定し、経路探索手段が、POI探索条件に従って到達圏探索を行い、到達圏POI範囲判定手段が、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定し、到達圏POI判別手段が、前記到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置し、前記POI探索条件に合致するPOIを抽出し、抽出したPOIについて、基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する。
従って、まず到達圏探索によって到達圏の範囲を決めることができ、この到達圏探索は短時間で効率よく終了させることができるようになる。この到達圏探索によってPOI近辺までの経路距離または所要時間は探索済であるから、その後、到達圏範囲内のPOIを抽出し、抽出された各POIについての基準位置からの実際の経路となる経路距離または所要時間を生成することができるようになる。これにより、実際の移動経路を考慮して近いPOIが選択でき、直線距離が近くても、実際には河川や鉄道で遮られていて、道のりが遠いPOIを除外したPOI探索が可能になる。
【0048】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定する。
従って、到達圏探索の結果に基づいて容易に到達圏の範囲内にある所望のPOIの範囲を特定することができるようになる。
【0049】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーションシステムにおいて、到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付ける。従って、到達圏探索の結果に基づいて到達圏の範囲内にある所望のPOIを抽出することができ、抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間を容易に生成することができるようになる。
【0050】
請求項4にかかる発明おいては、請求項3にかかるナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートする。従って、到達圏内から抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間の近い順にPOIを並べてその情報を提供することができるようになる。
【0051】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーションシステムにおいて、POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定する。
到達圏探索の結果に基づいて容易に到達圏の範囲内にある所望のPOIの範囲を特定することができるようになる。
【0052】
請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかるナビゲーションシステムにおいて、到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付ける。従って、到達圏探索の結果に基づいて到達圏の範囲内にある所望のPOIを抽出することができ、抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間を容易に生成することができるようになる。
【0053】
請求項7にかかる発明においては、請求項6にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートする。従って、到達圏内から抽出されたPOIまでの経路距離または所要時間の近い順にPOIを並べてその情報を提供することができるようになる。
【0054】
請求項8ないし請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムにおけるPOI探索方法を提供することができるようになる。また、請求項15ないし請求項21にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項7にかかるナビゲーションシステムを構成する情報配信サーバを提供することができるようになる。更に、請求項22にかかる発明においては請求項1にかかるナビゲーションシステムを構成する携帯端末を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、携帯電話機を端末装置とし、経路探索および経路案内を行うナビゲーションシステムにPOI情報提供機能を備えたナビゲーションシステムを具体例として説明するが、本発明はこのような実施例に限ることなく、端末装置は車載型の端末装置のような移動端末であってもよい。本明細書においては、移動端末を含めて携帯端末と総称する。ただし、情報配信サーバは経路探索用のネットワークデータを備え、経路探索を行う機能を有している必要がある。
【実施例1】
【0056】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示す図である。ナビゲーションシステム10は、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク11を介して接続される携帯端末20と情報配信サーバ30を備えて構成されている。情報配信サーバ30は、端末装置20にPOI情報を提供するため、POIカテゴリ別に区分し、当該カテゴリに属する各POIとその位置情報(緯度・経度)、POIが位置する単位地図と同様の単位に区切られたメッシュの識別番号(メッシュ番号)、営業案内などPOIに関連する情報を蓄積したデータベースであるPOIDB37と、経路探索手段33、到達圏POI範囲判定手段36、探索用ネットワークデータ35、到達圏POI判別手段38、POIソート手段39などを備えている。
【0057】
POIDB37に蓄積される全てのPOI情報は、エリアを所定の緯度・経度で区切ったメッシュを単位とし、個々のPOIが存在する場所に基づいて該当するメッシュに各POIの情報が蓄積されている。1つのメッシュは地図を緯度・経度で区切った単位地図の大きさとおなじ大きさであってよい。もちろん異なる大きさにすることもできる。
【0058】
図2は、上記のPOIDB37に蓄積されたPOIの情報の構成を示す図である。図2に示すように、蓄積されるPOIの情報は、メッシュ番号0001〜0002〜のように所定の緯度、経度で区切ったメッシュを単位として区分され、当該メッシュに存在するPOIの情報が該当するメッシュに蓄積されている。蓄積されるPOIの情報は、当該POIの属するカテゴリ、POI(名称)、POIの場所(緯度・経度)、ホームページ(URL)、営業案内などである。また、探索用ネットワークデータ35には経路探索用の道路ネットワークのデータ、交通ネットワークのデータが蓄積されている。道路ネットワークのデータは自動車、歩行者のための経路探索に用いられ、交通ネットワークのデータは交通機関を利用した区間の経路探索に用いられる。
【0059】
情報配信サーバ30はまた、制御手段31、配信データ編集手段32、通信手段34、を備えている。制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段34は、ネットワーク11、12を介して携帯端末20や、各種のPOI情報を提供するPOI情報提供サーバ50と通信するためのインターフェースである。配信データ編集手段32は、経路探索やPOI探索の結果を携帯端末20に配信するためのデータに編集するためのものである。情報配信サーバ30は、ネットワーク12を介して各種のPOI情報提供サーバ50からPOIの情報を収集してPOIDB37にデータベース登録し、ユーザに提供できるPOI情報を充実してゆくことができる。
【0060】
携帯端末20は例えばGPS受信機などの測位手段を搭載した携帯電話機であり、現在地や目的地周辺の周辺検索、すなわち、所望のPOI検索が行える。現在位置や目的地の位置情報を付けて周辺検索要求を情報配信サーバ30に送ると、情報配信サーバ30は、携帯端末20の現在位置または目的地の位置とPOIまでの経路を考慮して、経路の所要時間または経路の距離が所望の範囲内にあるPOIの探索要求ができるように構成されている。以下、この経路の距離または時間を到達圏範囲ということとする。POI検索にあたって携帯端末20はPOIカテゴリの選択画面が表示され、ユーザは所望のPOIカテゴリを選択しまた所望の到達圏範囲(距離または時間)を入力し、POI探索要求を情報配信サーバ30に送信し当該POIカテゴリに属するPOIを探索させる。以下の説明においては、現在位置を基準とした周辺検索を例にとり具体例を説明することとする。
【0061】
到達圏探索とは、特に目的地を定めずに、ある地点(例えば現在地)から所定のコスト以下(道のり(経路距離)、所要時間など)で到達できるエリアを求めるものである。主に、出店計画や不動産の選択などで用いられる技術である。この技術は、例えば、本出願人により出願され、公開された特開2000−187653号公報に開示されている。この技術は電車路線の到達圏探索の方法を開示している。
【0062】
本実施例においては、現在地から所定の条件(経路距離、所要時間)で到達圏探索を行い、その結果到達圏を図形的に求め、その図形に含まれるPOIをリストの候補にする。そして、到達圏探索実行後は、ある地点からダイクストラ法によって各ノードのポテンシャル(最短コスト)が計算済みであるので、POIに隣接するノード(最も近いノード)のポテンシャルをそのPOIまでの経路のコストとすることによって、コストの小さい順、すなわち、現在位置からPOIまでの実際の経路長または時間の小さい順にPOIをソートして案内することも可能である。以下の実施例においては、経路の所要時間を含め、単に経路距離と総称することとする。
【0063】
情報配信サーバ30は、携帯端末20から現在位置と所望の到達圏範囲とPOIカテゴリを指定した検索要求が送信されると、経路探索手段33は探索用ネットワークデータ35を用いて指定された到達圏範囲の到達可能な全てのノード(道路ネットワーク上のノード)を探索する。この探索を到達圏探索といい、一般に経路探索に用いられるダイクストラ法による探索方法を用い、現在位置から順次ノードをたどり(ダイクストラ法では拡散という)、そのポテンシャル(通過したノードまでの累計距離または時間)が指定された到達圏範囲(所定の距離または時間)に達したところで拡散を停止する。拡散を停止した時の全てのノードが現在位置から所定の距離または時間で到達可能なノードである。以下このノードを到達可能ノードという。
【0064】
次に、到達圏POI範囲判定手段36は経路探索手段33が到達圏探索により探索した到達可能ノードを結ぶ多角形の図形(ポリゴン)を作成し、到達圏と重なるPOIの範囲を判定する。到達圏POI判別手段38は到達圏POI範囲内にあり、かつ、前記ポリゴンの範囲内に存在するPOIを抽出し、各POIについて最も近いノードを対応付けする。この詳細な方法については、後に詳細に説明する。すなわち、この処理によってPOIと経路のノードが対応付けられ、POIへの経路が既に探索済であることになる。また、到達圏探索を行うのでこの探索自体は現実的な距離または時間の範囲内であれば極めて短時間に探索が終了し、同時に到達圏内のPOIまでの経路探索が終了していることから、効率的にPOIまでの経路を考慮した案内をすることができるようになる。
【0065】
経路探索のための道路ネットワークは以下のように構成されている。例えば、道路が図3に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータと構成される。
【0066】
すなわち、図3において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図3では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0067】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図3において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0068】
図3ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0069】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図4に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図4において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図4では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0070】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図4に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0071】
図4に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0072】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図4において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0073】
一方、携帯端末20は、図1に示されるように、制御手段21、通信手段22、GPS受信機などからなる測位手段23、液晶表示ユニットなどからなる表示手段24、情報配信サーバ30から配信されたデータなどを記憶する配信データ記憶手段25、情報配信サーバ30に対する各種要求を編集する配信要求編集手段26、操作・入力手段27を備えている。
【0074】
制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段27は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力手段ためのものであり、出力手段である表示手段24に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段24は操作・入力手段27の一部としても機能する。通信手段22は、ネットワーク11を介して情報配信サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0075】
ユーザが情報配信サーバ30にPOIの検索を依頼しようとする場合、携帯端末20において操作・入力手段27を操作し、図5に示すサービスメニュー画面を表示手段24に表示して所望の選択入力を行う。例えば、ユーザが現在地から近い薬局を探索したい場合、周辺検索メニュー画面でPOIカテゴリ「薬局」を選択し、到達圏の範囲を、例えば、徒歩10分(または、経路距離800m)のように入力する。前述のようにして選択されたPOIカテゴリ(薬局)、入力された条件(到達圏範囲)は、配信要求編集手段26によりPOI探索要求として編集され情報配信サーバ30に送信される。
【0076】
情報配信サーバ30がPOI探索要求を受信すると、経路探索手段33は探索用ネットワークデータ35を参照して到達圏探索を行う。図6は、到達圏探索の概念を説明するための模式図である。図6において、Pは携帯端末20が測位した現在位置、黒丸はノード、黒丸をつなぐ実線はリンクを表している。ダイクストラ法による到達圏探索は、現在位置Pから出るリンクL1〜L4の全ての方向にリンク、ノードをたどり、各ノード毎にリンクコスト(たどったリンクの距離または時間)の累積を算出してノードのポテンシャルとする。ノードのポテンシャルが所定の距離または時間の範囲に達した時点でその先のリンク、ノードへの拡散(探索)を停止する。図6においては、ノードN1〜N9などが到達圏内の最もポテンシャルの大きいノードであり、このノードが所定の到達圏範囲内で到達可能な最も遠いノードになる。なお、このダイクストラ法の演算経過、演算結果を一時的に記憶して、後でPOIのソートと経路案内に利用する。
【0077】
次に、到達圏POI範囲判定手段36は、経路探索手段33が探索した到達可能ノードN1〜N9を含む到達圏内のノードを結ぶ多角形の図形(ポリゴン)を作成する。以下このポリゴンを到達圏ポリゴンという。図7は、図6に示す到達可能ノードを図形化する処理の概念を示す模式図である。すなわち、図7において、Pは携帯端末20が測位した現在位置、黒丸はノード、黒丸をつなぐ実線はリンクを表している。ノードN1〜N9などは到達可能ノードのうち、現在位置Pから最も遠いノードである。図7に点線で示すように、現在地Pを中心にして所定の角度(10°)ごとに見渡して、それぞれの角度領域ごとに最も遠いノード(図7においてはノードN1〜N9、N10〜N21)を求めてそのノード番号を記憶する。もし、その角度領域にノードが無ければ、ノードを記憶しない。前記の角度範囲ごとに、最も遠い(現在位置から最も遠い)ノード同士を結んで到達圏ポリゴンを形成する。
【0078】
このポリゴンは、例えばビデオRAM上に塗りつぶしを行う処理で内部を表現することが出来る。ビデオRAMが塗りつぶされていれば、そのビットに対応する位置はポリゴンの内部、すなわち到達圏内であることがわかる。(実際にビデオRAM上で行う必要は無い。見せる必要がないので、他の処理で使用される一般のRAM上に展開しても処理することができる)。これで、到達圏を図形的に表現できたことになる。
【0079】
この後、到達圏POI判別手段38は到達圏POI範囲判定手段36が作成した到達圏ポリゴン内に存在する該当POI(ここでは、薬局)の抽出を行う。先にPOIDB37の構成(図2参照)で述べたように、エリアを所定の緯度・経度で区切ったメッシュを単位とし、個々のPOIが存在する場所に基づいて該当するメッシュに各POIの情報が蓄積されている。従って、到達圏POI範囲判定手段36は、到達圏ポリゴンが重なるメッシュを特定することができ、これによって到達圏POI範囲を決定することができる。
【0080】
すなわち、到達圏POI判別手段38は、図8に示すように到達圏ポリゴン81が地理的に重なったメッシュM1〜M4の中に存在する全てのPOIから探索条件に合致したPOIを抽出する。すなわち、図8は、図7のように形成された到達圏ポリゴン81とPOIの情報を蓄積したメッシュの単位との関係を示す模式図であり、到達圏ポリゴン81と重なったメッシュM1〜M4を示している。
【0081】
到達圏POI判別手段38は、到達圏ポリゴン81と重なったメッシュM1〜M4の中に存在する全てのPOIから、探索条件として指定されたカテゴリ「薬局」を条件に該当POIを絞り込む(図2参照)。そして、絞り込んだ「薬局」のうち到達圏ポリゴン81内にあるものを抽出する。図8において、POI3は「薬局」であるが、到達圏ポリゴン81と重なるメッシュM1〜M4内にないので、絞り込みの対象にはならない。
【0082】
POI1、POI2は到達圏ポリゴン81と重なるメッシュM1〜M4内にあるので、絞り込みの対象になる。そしてPOI1は到達圏ポリゴン81の内部にあるので該当POIとして抽出される。一方、POI2は、到達圏ポリゴン81の外部にあるので該当POIとして抽出されない。到達圏ポリゴン81はユーザが所望する経路上の距離または時間で到達可能なく範囲を意味するから、POI1は所望の距離または時間で到達することができ、POI2は所望の距離または時間で到達することができないPOIであることを意味する。従って、POI1を該当POIとして抽出するのである。
【0083】
図8においては、説明のため、到達圏ポリゴン81内の該当POIがPOI1のみである状態を図示しているが、複数の該当POIが抽出された場合、次のようにして現在位置Pから各POIまでの経路距離または時間の大小によってPOIをソートし、現在位置から実際の経路距離または時間の小さい順にPOIリストを携帯端末20に配信して案内することができる。
【0084】
すなわち、POIソート手段39は、到達圏POI判別手段38が前述のようにして抽出した各POIを、それぞれ最も近くに存在する到達圏ポリゴン81内のノードと関連付ける。図9はこの処理を説明するための模式図であり、図8において到達圏ポリゴン内にPOI1の他にPOINが抽出された状態を示している。図9においてノードN4、N14は図6の到達圏探索で探索されたノードを示している。
【0085】
POI1対してはノードN14が最も近いノードであり、POINにたいしてはノードN4が最も近いノードである。これはノードの位置情報と各POIの位置情報を比較することによって容易に決定することができる。各ノードは到達圏探索によって得られた結果であるから、ノードのポテンシャルは現在位置から各ノードまでの経路距離または時間を表しており、各POIに関連付けられたノードのポテンシャルは当該POIまでの経路距離または時間を近似している。従って、各ノードのポテンシャルの大小によってPOIをソートすることによって、各POIまでの経路距離または時間の小さい順にPOIを並べて探索結果とすることができる。
【0086】
図10は、このようにして得られたPOI探索結果を携帯端末20に配信し、表示手段24に表示する。図10Aは上記の処理によってPOI(この場合「薬局」)が現在位置から経路距離の近い順にソートされて表示されている。この画面でユーザが最も近い薬局Aを選択してクリックすると、図10Bの画面に遷移して薬局Aに関するPOI情報が表示される。この表示画面に当該POIを含む単位地図データ要求へのハイパーリンク(図10B中、「地図を表示する」の文字リンク)や、ナビゲーション(経路案内)開始の要求へのハイパーリンク(図10B中の「ここに行く」の文字リンク)をつけておくと利便性が増す。ユーザは所望のPOIを選択して図10Bの表示画面でこれらの文字リンクをクリックするだけで、情報配信サーバ30に地図を要求したり、経路案内を要求したりすることができる。
【0087】
図10AのPOI探索結果回答画面で所望のPOIを選択し、図10BのPOI情報画面でナビゲーション開始のハイパーリンクが操作され、情報配信サーバ30に当該POIへの経路案内の要求があった場合、このPOIに最も近いノードが関連付けられており、このノードは到達圏探索で現在位置からの経路探索が終了しているものであるから、情報配信サーバ30は、再度経路探索することなく案内経路を携帯端末20に配信することができる。すなわち、POIに最も近いノードが関連付けられているので、該当ノードからリンクを逆にたどることで現在位置から該当ノード(POI)までの案内経路を特定することができる。
【0088】
探索の結果、十分なPOIが探索されなかった場合は、条件を変更して(徒歩時間を長くして)再探索を行うように入力画面遷移してもよい。その際に、到達圏探索の演算結果が保存されているので、その続きから拡散(経路探索)を行えば、重複した演算(経路探索)を避けることができる。
【0089】
また、地図データが要求された場合には、情報配信サーバ当該POIが存在するメッシュと単位地図の相対関係を検索して該当地域の地図データを携帯端末20に配信することができる。単位地図の区分とメッシュの区分を合わせ、メッシュ番号と地図番号を同じにしておけば、容易に該当地域の地図データを特定して携帯端末20に配信することができ好ましい。更に、探索用ネットワークデータ35も単位地図およびPOIデータを区分したメッシュと同じ単位で区切っておけば、到達圏探索が及んだノード、リンクが存在するメッシュの識別コードから該当位置の地図データ、POIデータのメッシュとの対応が直ちに特定できる。
【0090】
図11は以上の処理手順を示すフローチャートである。情報配信サーバ30は先ずステップS10の処理において、携帯端末20からのPOI探索要求を受信する。このPOI探索要求には、少なくとも、携帯端末20の現在位置、探索を希望するPOIのカデゴリ、到達圏範囲(距離または時間)が含まれている。ステップS11の処理においてこの探索要求が分析され、ステップS12の処理において、経路探索手段33は到達圏範囲の指定に従って到達圏探索を行う。到達圏探索の手法については先に説明した通りである。
【0091】
ステップS13の処理において、到達圏探索が終了したか否かが判別され、終了していない場合はステップS12の処理に戻り探索が継続される。到達圏検索が終了していれば、ステップS13の処理において到達圏POI範囲判定手段36は、到達圏内のノードを判定して到達圏ポリゴンを作成する。到達圏ポリゴンの作成の手法についても、先に詳細に説明した。
【0092】
次に、ステップS15の処理において到達圏POI判別手段38は、到達圏ポリゴンと重なるメッシュを抽出しそのメッシュに含まれ(メッシュ内に位置し)、かつ、到達圏ポリゴンの内部に存在するPOIを抽出する。この処理において抽出するPOIは、POI探索条件で指定されたカテゴリに属するPOIである。また、ステップS15の処理において、到達圏POI判別手段38は抽出したPOIの各々について、当該POIに最も近いノード(到達圏ポリゴン内のノード)を決定し、各POIと関連付けして記憶する。
【0093】
ステップS16の処理において、上記の到達圏POI判別の処理が全て終了したかを判別し、処理が終了していなければステップS15の処理に戻り、到達圏POI判別処理を継続し、処理が終了していればステップS17のPOIソートの処理に進む。
ステップS17の処理において、POIソート手段39は、ステップS15の処理において抽出されたPOIごとに対応付けられたノードのポテンシャルを比較し、ポテンシャルの小さい順、すなわち、現在位置からの経路長(距離または時間)の短い順にPOIをソートする。ソートされた結果、すなわち、ステップS12〜ステップS17の処理によって探索、ソートされたPOIのリスト(図10A参照)がステップS18の処理において配信データ編集手段32によって編集され、携帯端末20に配信される。
【実施例2】
【0094】
上記実施例1においては、到達圏POI判別手段が到達圏ポリゴン内のPOIを抽出し、抽出した各POIごとに最も近い到達圏ポリゴン内のノードを関連付ける例を説明したが、以下に説明する実施例2のような態様をとることもできる。実施例2のナビゲーションシステムの構成は実施例1(図1)と同様であり、処理の手順が異なる。ユーザが指定したPOIのカテゴリは実施例1と同様「薬局」であったとする。
【0095】
図12は本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムにおけるPOI探索の処理手順を示すフローチャートである。図12において、ステップS20からステップS23までの処理手順は、図11におけるステップS10〜ステップS13までの処理の手順と同様である。ステップS23までの処理において到達圏探索が終了すると、ステップS24の処理に進む。
【0096】
ステップS24の処理において到達圏POI範囲判定手段36は、実施例1のステップS14の処理と異なり、到達圏ポリゴンを作成することなく、到達圏探索で拡散が及んだノード、リンクが含まれるメッシュを抽出して到達圏POI範囲を特定し、そのメッシュに含まれる(メッシュ内に位置する)POIを抽出する。この処理において抽出するPOIは、POI探索条件で指定されたカテゴリに属するPOI(「薬局」)である。
【0097】
その後、ステップS25の処理において、到達圏POI判別手段38は抽出したPOIの各々について、当該POIに最も近い最寄りリンク(POIから最寄りリンクに垂線を降ろして最も近いリンク)を見つけ、そのリンクが到達圏探索(拡散)の及んだリンク(図6参照)だったら、到達圏に含まれたPOIとみなし、そうでなければ抽出POIから削除する。こうして絞り込まれた各POIには最も近い最寄りリンクが関連付けられて記憶される。もしも、POIに最も近いリンクに拡散が及んでいなかったらそのPOIは到達圏内に入っていないものとして抽出したPOIから捨てる(削除する)。
【0098】
図13は、この処理手順の概念を示す模式図である。図13において、POI4、POI5は、到達圏POI範囲判定手段36が特定したメッシュ、すなわち、特定到達圏探索の範囲と重なったメッシュに存在する「薬局」である。POI4、POI5から最寄りの垂線を降ろして最も近いリンクを見つける。POI4からリンクLnに下ろした垂線の距離D4n、POI5からリンクLmに下ろした垂線の距離D5mが最も短いので最寄りリンクは、それぞれLn、Lmに決定される。
【0099】
リンクLnは実線で示すように到達圏探索が及んだリンクであり、リンクLmは点線で示すように到達圏探索が及ばなかったリンクである。従って、POI4は到達圏の範囲内のPOIとして抽出され、POI5は到達圏かの範囲外として抽出POIから除外される。POIへの道のり(経路長)は、接続した垂線の長さと、リンクの接続点までの距離を勘案して詳細に求めてもよい。場合によっては最寄りリンクまでが遠くて条件に入らないPOIもあり得る。実施例2の処理方法によれば、その検算を行うこともできる。
【0100】
ステップS26の処理において、上記の到達圏POI判別の処理が全て終了したかを判別し、処理が終了していなければステップS25の処理に戻り、到達圏POI判別処理を継続し、処理が終了していればステップS27のPOIソートの処理に進む。
ステップS27の処理において、POIソート手段39は、ステップS25の処理において抽出されたPOIごとに対応付けられたリンクに基づいて、経路長または時間を算出し、経路長または時間の小さい順、すなわち、現在位置からの経路長(距離または時間)の短い順にPOIをソートする。経路長は到達圏探索によって所定の経路範囲の全てのノード、リンクの探索がなされているためその結果を使用して簡単に求めることができる。
【0101】
POIソート手段39によってソートされた結果、経路長または時間の小さい順に並べられたPOIのリスト(図10A参照)が、ステップS28の処理において配信データ編集手段32によって編集され、携帯端末20に配信される。配信結果は実施例1において図10により説明したと同様である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、実施例1、実施例2において、携帯端末として携帯電話を用いたシステムとして説明したが、スタンドアロンタイプのカーナビシステム、通信タイプの携帯端末を使用したナビゲーションシステムなどに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施例にかかるPOI情報提供システムの構成を示す図である。
【図2】POIカテゴリデータベース(DB)に蓄積されるPOI情報のデータ構成を示す説明図である。
【図3】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図4】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図5】本発明の携帯端末における周辺検索のサービスメニュー画面の構成を示す図であり、
【図6】到達圏探索の概念を説明するための模式図である。
【図7】到達圏を構成する多角図形化(到達圏ポリゴン)処理の概念を説明するための模式図である。
【図8】到達圏ポリゴンに存在する所望POIを探索する処理の概念を説明するための模式図である。
【図9】到達圏ポリゴン内のPOIのうち探索条件に合致する複数のPOIについて経路距離または時間でソートする処理の概念を説明するための模式図である。
【図10】携帯端末におけるPOI探索のためのメニュー画面および回答画面の構成を示す画面構成図であり、図10Aはメニュー画面、図10Bは回答画面の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施例1にかかるPOI探索の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例2にかかるPOI探索の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例2における到達圏POI判別の手順を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0104】
10・・・・ナビゲーションシステム
11、12・・ネットワーク
20・・・・携帯端末
21・・・・制御手段
22・・・・通信手段
23・・・・測位手段
24・・・・表示手段
25・・・・配信データ記憶手段
26・・・・配信要求編集手段
27・・・・操作・入力手段
30・・・・情報配信サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・配信データ編集手段
33・・・・経路探索手段
34・・・・通信手段
35・・・・探索用ネットワークデータ
36・・・・到達圏POI範囲判定手段
37・・・・POIDB(データベース)
38・・・・到達圏POI判別手段
39・・・・POIソート手段
50・・・・POI情報提供サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする請求項6に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備えたナビゲーションシステムにおけるPOI探索方法であって、
前記経路探索手段が、POI探索条件に従って到達圏探索を行う第1のステップと、
前記到達圏POI範囲判定手段が、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する第2のステップと、
前記到達圏POI判別手段が、前記到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置し、前記POI探索条件に合致するPOIを抽出する第3のステップと、前記抽出したPOIについて、前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する第4のステップと、
からなることを特徴とするPOI探索方法。
【請求項9】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、前記到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のPOI探索方法。
【請求項10】
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けるステップを含むことを特徴とする請求項9に記載のPOI探索方法。
【請求項11】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のPOI探索方法。
【請求項12】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のPOI探索方法。
【請求項13】
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに当該POIから最も近いリンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項12に記載のPOI探索方法。
【請求項14】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクを含む経路の経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする請求項13に記載のPOI探索方法。
【請求項15】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とする情報配信サーバ。
【請求項16】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項15に記載の情報配信サーバ。
【請求項17】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項16に記載の情報配信サーバ。
【請求項18】
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする請求項17に記載の情報配信サーバ。
【請求項19】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項15に記載の情報配信サーバ。
【請求項20】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項19に記載の情報配信サーバ。
【請求項21】
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする請求項20に記載の情報配信サーバ。
【請求項22】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する情報配信サーバにネットワークを介して接続される携帯端末であって、
前記基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項1】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする請求項6に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段と、到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備えたナビゲーションシステムにおけるPOI探索方法であって、
前記経路探索手段が、POI探索条件に従って到達圏探索を行う第1のステップと、
前記到達圏POI範囲判定手段が、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する第2のステップと、
前記到達圏POI判別手段が、前記到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置し、前記POI探索条件に合致するPOIを抽出する第3のステップと、前記抽出したPOIについて、前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する第4のステップと、
からなることを特徴とするPOI探索方法。
【請求項9】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、前記到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のPOI探索方法。
【請求項10】
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けるステップを含むことを特徴とする請求項9に記載のPOI探索方法。
【請求項11】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のPOI探索方法。
【請求項12】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、
前記第2のステップは、到達圏POI範囲判定手段が到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のPOI探索方法。
【請求項13】
前記第3のステップは、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出するステップを含み、前記第4のステップは、各POIごとに当該POIから最も近いリンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項12に記載のPOI探索方法。
【請求項14】
前記ナビゲーションシステムは更に、POIソート手段を備え、
前記POIソート手段が前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクを含む経路の経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートする第5のステップを含むことを特徴とする請求項13に記載のPOI探索方法。
【請求項15】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、
前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成することを特徴とする情報配信サーバ。
【請求項16】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだノードを結ぶポリゴンを作成し、当該ポリゴンと重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項15に記載の情報配信サーバ。
【請求項17】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、前記ポリゴンの範囲内のPOIを抽出し、各POIごとに前記到達圏探索の及んだノードのうち当該POIに最も近いノードをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項16に記載の情報配信サーバ。
【請求項18】
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたノードのポテンシャルに基づいて前記POIをソートすることを特徴とする請求項17に記載の情報配信サーバ。
【請求項19】
前記POIデータベースは、所定の地理的面積のメッシュ単位に前記POI情報を蓄積し、前記到達圏POI範囲判定手段は到達圏探索の及んだリンクに基づいて前記到達圏と重なる前記メッシュを特定して到達圏POI範囲を決定することを特徴とする請求項15に記載の情報配信サーバ。
【請求項20】
前記到達圏POI判別手段は、前記決定されたメッシュに含まれ、前記探索条件設定手段により設定されたPOIカテゴリの属するPOIであって、当該POIから最も近いリンクを検出し、当該リンクが前記到達圏探索の及んだリンクであるPOIを抽出し、当該リンクをそれぞれPOIに対応付けることを特徴とする請求項19に記載の情報配信サーバ。
【請求項21】
前記情報配信サーバは更に、POIソート手段を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて、前記POIごとに対応付けられたリンクに基づき経路距離または所要時間を求め、前記POIをソートすることを特徴とする請求項20に記載の情報配信サーバ。
【請求項22】
各POIごとにPOIの位置情報を含むPOI情報をカテゴリ別に記憶したPOIデータベースと、基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件に基づいて到達圏探索を行いその探索過程と探索結果を記憶する経路探索手段と、到達圏探索の及んだ範囲を含む所定の到達圏POI範囲を判定する到達圏POI範囲判定手段と、POI探索条件に合致する到達圏POI範囲内に存在し、かつ、到達圏内に位置するPOIを抽出する到達圏POI判別手段と、を備え、前記到達圏POI判別手段により抽出されたPOIについて前記基準位置から当該POIまでの経路距離または所要時間を含むPOI情報を生成する情報配信サーバにネットワークを介して接続される携帯端末であって、
前記基準位置と基準位置からの到達圏の範囲と所望のPOIカテゴリを含むPOI探索条件を設定する探索条件設定手段を備えたことを特徴とする携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−40721(P2007−40721A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222234(P2005−222234)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
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