説明

ナビゲーションシステムにおけるオブジェクトへのイメージの動的マッピング

情報を表示装置上に表示するための方法およびシステム。方法は、以下の動作、すなわち、a)3Dオブジェクト5を備える3Dモデルにアクセスすることと、b)特定の動く視点から見た1つ以上の前記3Dオブジェクトに関する動く景色を備える1つ以上の場面のグラフィックス表示を前記表示装置上に示すことであって、前記1つ以上の3Dオブジェクトは、少なくとも1つの広告スペースを備え、前記少なくとも1つの広告スペースは広告スペース位置と広告スペースサイズとを有することと、c)メッセージデータとメッセージ位置データとを含むメッセージを受信することと、d)前記メッセージデータが前記表示装置の中で前記広告スペースを重畳するように前記広告スペース位置が前記メッセージ位置データに関連する場合、前記動く視点と前記1つ以上の3Dオブジェクトとの間の距離に応じて、前記メッセージデータを前記少なくとも1つの広告スペースにマッピングすることとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置上に示される3D世界表現の中の3Dオブジェクトにメッセージを動的にマッピングすることに関する。本発明は、そのようにするための方法および装置の両方、並びにコンピュータプログラムおよびそのようなコンピュータプログラムを備えたデータキャリアに関する。メッセージは、広告であってもよいし、広告に関連していてもよい。本発明の文脈では、「メッセージ」とは、広義に解釈されるべきである。すなわち、「メッセージ」という用語は少なくとも1つの2Dまたは3Dイメージを含み、場合によっては音声メッセージも同様に含むと理解される。イメージには、実際に撮影した1枚の写真、アニメ化された写真、商標のようなシンボル、文章等が含まれてもよい。また、イメージは、動画のような一連の動く写真であって、例えば実際に撮影したかまたはアニメ化された動く2Dまたは3Dオブジェクトを示してもよい。
【背景技術】
【0002】
車両が道路を走行している時、車内のナビゲーションシステムの表示装置上に広告を示すことは、よく知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、ナビゲーション装置のユーザが道路沿いの所定の「仮想広告看板」の位置を通過する場合にユーザに広告を示す「仮想広告看板」を開示する。その明細書は、何がユーザに「示される」かについてはそれほど明確ではない。図9は、広告がユーザへの音声メッセージであることを示唆しているように思える。
【0004】
特許文献2は、ある場面を車内のナビゲーションシステムの表示装置に三次元表示するナビゲーションシステムを開示する。三次元表示は、運転者が運転する車両のフロントガラスを通して見ることもできる、あるエリアのイメージを表示する。ナビゲーションシステムは、スタート位置から目的地まで運転者が運転することになるルートを計算するようにプログラムされる。ナビゲーションシステムは、計算されたルートに従って運転者が行うことが必要な次の操作に従った方向を有する矢印のイメージを生成する。また、ナビゲーションシステムは、表示装置上のイメージ上に矢印が重畳されるようにイメージと矢印とを処理して、運転手が選ぶことになる道路区分をイメージ内に示すようにプログラムされる。一実施形態では、特許文献2は、リアルタイムで更新されるデータを表示装置上に示すことができるように、無線で道路情報をサービスプロバイダからナビゲーションシステムにオンラインで供給することを開示する。そうすることによって、例えば、運転者や車両の他の乗客からの注意をひきつけるために、表示装置上に見えるレストランを強調表示することができる。仮想広告看板または広告を伴って空を飛ぶ飛行船のようなものを、表示装置上に生成された場面の中に示すことができる。
【0005】
特許文献3は、現実の世界の建物の写真およびこれらの建物に関するレーザ読み取りサンプルを収集するのに用いられうる移動マッピングシステムを開示する。写真およびサンプルは、メモリ内に記憶される。レーザ読み取りサンプルの部分集合は、建物の正面に関連する。さらに、メモリは、各レーザ読み取りサンプルと写真とに関する位置データを記憶する。写真には、正面の壁に関するデータと、壁の質感要素に関するデータとが含まれる。プロセッサが、レーザ読み取りサンプルを用いながら、写真の中の壁と写真の中の質感要素とを自動的に識別する。このように識別された後、壁の部分、ドアおよび窓のような一部の質感要素が、写真から自動的に削除されて、参照質感要素への参照と置換されてもよい。この文書は、ナビゲーションシステム内の表示装置上に表示された場面の中の所定のオブジェクト部分に関してイメージを動的に更新するやり方を開示していない。
【0006】
特許文献4は、ネットワークベースのナビゲーションシステムを開示する。システムは、マップデータベースと実際的イメージデータベースと広告データベースとにアクセスすることができるユーザインタフェースとコンピュータサーバとを有する。マップデータベースは、地理的マップデータを含む。実際的イメージデータベースは、運転手の視角からカメラで撮影された道路の複数のイメージを含む。そのようなカメラは、ナビゲーションシステムの中でイメージが使用される前にルートに沿って運転するのに用いられる特殊なデータ収集車両に搭載されてもよい。同時に、イメージは、360度の視野に対応する。広告データベースは、広告データを含む。ユーザは、表示装置上に表示するための視覚的なルート案内情報を提供することをシステムに要求することができる。システムは、車両が仮想的に道路を移動するにつれて仮想道路沿いの景色を連続的に作り直すことによって、ユーザをルート沿いの目的地に案内してもよい。表示装置上に表示されるように仮想道路沿いに移動することは、事前にカメラで撮影した一連のイメージを表示装置を介してユーザに示し、仮想「ドライブスルー」を作り出すことによって生じる。また、システムは、実際的イメージの中の多角形領域を広告データベースからの広告と置換し、このようにして広告を、それが実際的イメージの中の多角形領域に存在するかのように、ナビゲーションシステムのユーザに示す。
【0007】
特許文献4によるシステムの不利点は、ドライブスルーが基にしている一連のイメージが、一定の時間遅延で連続して撮影されたイメージを含むことである。連続してユーザに表示されると、それらは、道路沿いを移動する動画を真似してはいるが、実際にはそれらは静止イメージのぎくしゃくした連続を表示しているだけであることが分かることがある。さらに、イメージは、厳密に定義された道路上の点から撮影されており、従って、表示装置上の偽りの3Dの景色を2Dベースで提供しているにすぎない。
【0008】
本発明が取り組む分野は、広告のようなメッセージを、ナビゲーションシステムの表示装置上に示される3D環境における3Dオブジェクト上に示すことに関し、そのナビゲーションシステムは「仮想」ナビゲーションシステムであってもよい。仮想ナビゲーションシステムは、例えばコンピュータシステム上で適切なソフトウェアによってかまたは適切にプログラムされたウェブサイトによってサポートされる3D世界を通じて、例えばアニメーション化された車両で、ユーザがそれを使って仮想的に移動することができるシステムとして定義されてもよい。以下では、ナビゲーションシステムという用語が用いられる場合、物理的ナビゲーションシステムと仮想ナビゲーションシステムとの両方を言う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7、089、264号
【特許文献2】米国特許第6、285、317号
【特許文献3】PCT/NL2006/050265
【特許文献4】米国特許第7、451、041号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、場面の中の3Dオブジェクト上に重畳されるかまたは重ね合わされた広告のような、動的に更新されうるメッセージを有する三次元の場面をユーザに示す表示装置を有するナビゲーションシステムの改良を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
その趣旨で、本発明は、請求項1で請求されるシステムに関する。
【0012】
本発明を適用すれば、システムによって、例えば広告に関するメッセージが、現実の世界にも存在する3Dオブジェクトの表面に表示される。そのようなオブジェクトの表面は、建物の正面の部分かまたは広告看板のような広告パネルであってもよい。システムが物理的ナビゲーションシステムである場合、ユーザを取り巻く現実の世界と異なるオブジェクトはユーザの表示装置上にはまったく示されないため、3D世界をナビゲートしている場合のユーザとの混同は避けられる。先行技術とは対照的に、これらのオブジェクトは、データベース内にそれ自体が記憶された3Dオブジェクトである。これらの3Dオブジェクトは、オブジェクトの物理的構造と、その構成部分の地表面上での正確な位置とを定義する3Dモデルの部分として記憶される。これは、何らかのイメージも使われているけれども、ベクトルに基づいたデータモデルである。これは、ぎくしゃくしたイメージの連結の代わりに、これらのオブジェクトおよびそれらの広告についての、見る人が実際に動く場合に見る人の多様な位置から見た実際の動画のような景色を示す可能性をシステムに与える。さらに本発明は、車両の通常の高さを上回る高度でデータの中を仮想通過する場合でさえ、自然に見えるであろう。これは、イメージを用いる先行技術では、見る位置がイメージスペースの端の方を見る可能性があるため、完全であるとは思えないからである。対照的に、3Dオブジェクトモデルは、すべての角度から実際のように見えうる。そして最後に、本発明は、例えば道路名や右左折禁止のような属性と共に道路の位置が示されるような一実施形態において、実際のナビゲーションシステムとよりよく一体化される。
【0013】
一実施形態では、本発明は、別の独立請求項で請求するように、システム内の表示装置上にメッセージを表示する方法に関する。その他の独立請求項は、そのような方法がシステムで行われることを可能にするコンピュータプログラムと、そのようなコンピュータプログラムを有するデータキャリアと、さらには、そのようなシステムと、オンザフライでシステムにそのようなメッセージをダウンロードすることを可能にするサーバとを備えた、通信システムに関する。
【0014】
本発明について、本発明の範囲を限定するのではなく実施形態を示すことだけを意図している幾つかの図面を参照しながら詳細に説明しよう。本発明の範囲は、添付の請求項とその技術的同等品によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ナビゲーションシステムを備えた車両を示す図である。
【図2】図1のナビゲーションシステムのマイクロプロセッサとして用いられうるコンピュータ装置を示す図である。
【図3】ナビゲーションシステムの表示装置上の写真の一例を示す図である。
【図4】図3の例を示す図であるが、ただし、写真の中のオブジェクトの表面の広告スペースに重畳されたメッセージを有する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、あらゆる種類のナビゲーションシステムに、すなわち、ハンドヘルドデバイス、PDA、ナビゲーションソフトウェア付きの移動電話、および、車両に組み込まれた車両搭載型のナビゲーションシステムに適用可能である。本発明は、現在市販されているいかなるタイプの標準的ナビゲーションシステムにも実装することができる。本発明をよりよく理解することを目的として、以下で、可能性のある車両搭載型のナビゲーションシステムへの適用について、さらに詳細に説明しよう。しかし、これは、例えばハンドヘルドデバイスあるいは航空機内のナビゲーションシステムのような、いずれかの他のタイプの実装を排除するものではない。また、本発明は、本明細書の冒頭に示したように、ユーザが現実のアニメーションの中を仮想的に動く仮想ナビゲーションシステムにも適用可能である。
【0017】
図1は、ナビゲーションシステムを備えた車両を示す。車両1は、複数の車輪2を備えている。さらに、車両1は、ナビゲーションシステムを備えている。図1に示すように、ナビゲーションシステムは、以下の構成要素を備えてもよい:
・アンテナ8に接続して、複数の衛星SLi(i=1,2,3,...)と通信して衛星SLiから受信した信号から位置信号を計算するように構成された、GPS(全地球測位システム)またはその他のGNSS(Global Navigation Satellite System)ユニットを含み得る、位置判定デバイス。また、GPSシステムは、車両1の進行方向データ(すなわち移動方向)と速度とを配信してもよい。GPSシステムは、DGPSシステム(diffetential GPS)であるかまたは、1シグマ/1メータ(見込まれる白色雑音とは別に)の精度を提供するWAAS(Wide Area Augmentation System)によって補強されたものであってもよい。GPSシステムは、GPS出力信号を処理するように構成されたマイクロプロセッサμPに接続される。
・GPSユニットに接続されたマイクロプロセッサμP。GPSシステムから受信した信号に基づいて、マイクロプロセッサμPは、車両1の中の表示装置18に表示されることになる適切な表示信号を判定して、車両がどこに位置しているか、そして恐らくどの方向に車両が移動しているかを運転者に知らせる。表示装置18は、いわゆるヘッドアップディスプレイHUDであってもよい。加えて、本発明の文脈では、マイクロプロセッサμPは、車両の運転者のためにスタート位置から目的地までのルートを計算するために、ルート計画ソフトウェアを使ってプログラムされてもよい。そのような目的地は、例えば、マイクロプロセッサμPに接続されているキーボード6を介して運転者によって入力される。また、当業者には既知であるように、運転者がキーボード6を用いて、他の情報を示すようにマイクロプロセッサμPに要求してもよい。キーボード6の代わりに、タッチスクリーンや音声コンバータのように、マイクロプロセッサμPと通信するために運転者によって用いられるいずれかの代替デバイスが用いられてもよい。マイクロプロセッサは、表示装置18上に示される視覚データと、スピーカ29(図2)を介した可聴データとの両方を含む適切なルーティング命令を、運転者のために生成する。そのようなルート計画ソフトウェアは、先行技術で知られており、ここでこれ以上の説明は必要ない。以下では、本発明に必要なそのようなソフトウェアの特徴だけを詳細に説明する。また、マイクロプロセッサμPは、例えばサービスオペレータによって運用される、リモートのコンピュータ装置と無線で通信するように構成される。マイクロプロセッサは、そのようなリモートのコンピュータ装置からのメッセージをダウンロードして、表示装置18に示すようなメッセージを動的にリフレッシュすることができ、それについては以下で詳しく説明しよう。
【0018】
図示するように、位置判定の精度を高めることを目的として、位置判定システムはDMI(Distance Measurement Instrument:距離測定器)を備えてもよい。この計器は、例えば、1つ以上の車輪2の回転数を感知することによって車両1が移動する距離を測定する走行距離計である。DMIは、10Hz以上のサンプリング周波数で動作してもよい。また、DMIは、マイクロプロセッサμPに接続され、GPSユニットからの出力信号を処理する間、DMIによって測定された距離をマイクロプロセッサμPが考慮できるようにする。DMIは、車両搭載型のナビゲーションシステムにはまだそれほど広くは適用されていないが、(近い)将来、そうなるであろう。
【0019】
別の実施形態では、そして、位置判定の精度を一層高めるため、位置判定システムは、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性測定ユニット)を備えてもよい。そのようなIMUは、回転加速度を測定するように構成された3つのジャイロスコープユニットと、3つの直角方向に沿った並進加速度を測定するように構成された3つの加速度計として実装されてもよい。IMU/ジャイロスコープおよび加速度計は、200Hzのサンプリング周波数で動作してもよい。また、IMUは、マイクロプロセッサμPに接続され、GPSユニットからの出力信号を処理する間、IMUによる測定をマイクロプロセッサμPが考慮できるようにする。DMIのようにIMUも、車両搭載型のナビゲーションシステムにはまだそれほど広くは適用されていないが、(近い)将来、そうなるであろう。
【0020】
当業者なら理解するであろうが、他にもナビゲーションセンサがあり、それらが上記の装置に追加されるかまたはそれと置換されてもよい。
【0021】
また、一実施形態では、システムは、ブロードキャストされたメッセージ(RDS TMC、 TPEG、…)を受信するための、あるいはGPRSのようなポイント・ツー・ポイント接続のための構成要素を含んでもよい。また、一意のIDを備えたSIMカードのような信用要素が組み込まれ、ナビゲーションシステムが第三者デバイスとの通信において一意に認識されうるようにしてもよいだろう。
【0022】
ナビゲーションシステムは、一体型移動電話機能性を有して、ユーザが第三者とのハンズフリー通話を行えるようにしてもよい。それに加えて、またはその代わりに、システムは、例えば移動電話のユーザがハンズフリー通話の間にシステムのマイクおよびスピーカを使用できるようにするため、ワイヤード接続またはワイヤレス接続、例えばBluetoothまたは赤外線接続を介してユーザの移動電話と通信するように構成された通信デバイスを備えてもよい。
【0023】
図2に、本発明に従って使用されうるマイクロプロセッサμPの概要を示す。マイクロプロセッサμPは、算術演算を実行するためのプロセッサ11を備えている。
【0024】
プロセッサ11は、ハードディスク12、Read Only Memory(ROM)13、Electrically Erasable Programmable Read Only Memory(EEPROM)14、およびRandom Access Memory(RAM)15を含めて、複数のメモリ構成要素に接続している。これらのメモリタイプすべてが必ず提供される必要はない。
【0025】
また、プロセッサ11は、キーボード16、タッチスクリーン、および/または音声コンバータのような、ユーザによる命令やデータ等を入力するための手段に接続している。
【0026】
プロセッサ11に接続する読取ユニット19が提供されている。読取ユニット19は、データを読み取り、場合によってはデータをフロッピィディスク20またはCDROM21のような物理的データキャリアに書き込むように構成される。その他のデータキャリアは、当業者には既知であるように、テープ、DVD、CD−R、DVD−R、メモリスティック等であってもよい。
【0027】
プロセッサ11は、表示装置18に、例えばモニタまたはLCD(Liquid Crystal Display:液晶)画面、あるいは当業者には既知であるいずれかの他のタイプの表示装置に接続している。また、プロセッサ11は、スピーカ29にも接続している。
【0028】
プロセッサ11は、ワイヤレス接続を介して、通信ネットワーク27、例えばPublic Switched Telephone Network(PSTN)、Local Area Network(LAN)、Wide Area Network(WAN)、インターネット等に、I/O手段25によって接続している。プロセッサ11は、ネットワーク27を通して他の通信装置と通信するように構成される。
【0029】
物理的データキャリア20、21は、本発明による方法を行う能力をプロセッサに提供するように構成されたデータおよび命令のかたちのコンピュータプログラムを含んでもよい。しかし、そのようなコンピュータプログラムは、代わりに、通信ネットワーク27を介してダウンロードされてもよい。
【0030】
プロセッサ11は、スタンドアロンシステムとして、または、各々がより大規模なコンピュータプログラムのサブタスクを実行するように構成された複数の並列処理プロセッサとして、または、複数のサブプロセッサを持つ1つ以上のメインプロセッサとして実装されてもよい。
【0031】
ナビゲーションシステムの中のマイクロプロセッサμPは、場面のグラフィックス表示を表示装置18上に示すようにプログラムされ、その場面は、車両の運転者にも自分の車両のフロントガラスを通して見える場面に関連する。ナビゲーションの位置が変わるにつれて、場面のグラフィックス表示の視点も変わる。図3は、そのような場面の一例を略示する。図示する場面には、道路網のうちの1つ以上の道路区分30と、1つ以上の建物32と、広告看板34とが含まれる。建物32は、1つ以上のドア42と1つ以上の窓44とを有してもよい。建物は、ドア42または窓44によってふさがれておらず、かつ、広告のような重畳されたイメージを表示するのに適した、表面36、38を有する。広告看板34は、そのような重畳されたイメージを表示するのに適した表面40を有する。もちろん、メッセージを表示するのに適した、建物や広告看板のようなオブジェクトの表面上のスペースは、ドアや窓のような質感要素を実際には有しない表面に限定されない。しかし、下文で説明するように、そのような質感要素のない部分は自動的に検出することができ、それによって、そのようなスペースを写真内にマークする際の生産速度が速まる。
【0032】
(場合によっては文章を含む)写真または動画は、メモリ内に記憶されるが、メモリは、車両自体の中のマイクロプロセッサμPのメモリであってもよいし、サービスプロバイダのリモートのコンピュータ装置のメモリであってもよい。後者の場合、マイクロプロセッサμPは、そのような写真または動画をオンザフライでサービスプロバイダのサーバからダウンロードされるようにプログラムされる。
【0033】
一実施形態では、ダウンロードすることは、加入の文脈の中でそのようなサーバからに限って可能であってもよい。次いで、これを機能させるため、サーバは、サービスに加入しているユーザのナビゲーションシステムのIDを記憶しているべきである。これは、当業者には既知であるいずれかのやり方で実装することができる。例えば、ナビゲーションシステムは、1つ以上のメッセージをダウンロードするためにナビゲーションシステムがサーバに接続する際にはいつでもサーバに送信されるSIMカードIDを備えたSIMカードを有してもよい。
【0034】
そのような加入は、カスタマイズされてもよい。ナビゲーションシステムのユーザは、サービスに加入する際サーバによってアンケートに記入するよう要求されてもよい。アンケートに記入された答えに基づいて、各加入者が、一定の加入者プロファイルに分類されてもよい。各加入者プロファイルが、異なるサービスプロファイルに割り当てられてもよい。基準は、例えば、所得の範囲、車やスポーツや文化のような個人的興味、休日のタイプ等であってもよい。これに基づいて、ナビゲーションシステムが多様なメッセージを送信してもよい。例えば、BMWの運転者は、Suzukiの運転者とは違うメッセージを受信してもよい。
【0035】
そのような加入は、有料でも無料加入でもよい。
【0036】
あるいは、広告を受信するのに加入はまったく不要である。例えば、プロバイダによって決められた広告の受信を「買い手」が受け入れるならば、ナビゲーションシステムが無料で提供されてもよい。
【0037】
本発明が機能できるようにするため、3Dオブジェクトの1つ以上の表面が、広告のようなメッセージが重畳されうる位置であるとしてマークされるべきである。その趣旨で、以下の方法が用いられてもよい。
【0038】
3Dオブジェクトを備えた3Dモデルの準備が、図2に示すコンピュータ装置と同様のやり方で設定されてもよいオフラインのコンピュータ装置によって行われる。そのような3Dモデルは、ベクトルに基づいたデータモデルである。しかし、このベクトルに基づいたモデルが、例えば3Dオブジェクトの質感において、何らかのイメージによって拡張されてもよい。そのようなコンピュータ装置は、そのような3Dモデルを生成して記憶するための適切なソフトウェアプログラムを記憶する。そのために、そのようなソフトウェアプログラムが、コンピュータ装置のプロセッサに以下の動作を行うように命令してもよい:
・現実の世界のオブジェクトの写真または動画を受信して、それらをメモリ内に記憶すること。そのような写真は、例えば特許文献3の中で説明された移動マッピングシステムを使って作られてもよい。あるいは、またはそれに加えて、そのような写真が、航空機または衛星を使って作られてもよい。そのような写真または動画は、カメラまたはレーザ読取器を使って作られてもよく、そして、一定の動く視点から見た現実の世界のオブジェクトについての動く景色を含む1つ以上の場面のグラフィックス表示を示すのに用いられうる3Dモデルの形でデータを生成するのに用いることができる。そのような写真または動画に基づいて3Dオブジェクトを備えたそのような3Dモデルがどのようにして作られうるかということは、先行技術であり、ここでこれ以上の説明は必要ない
・広告のようなメッセージが重畳されうる3Dオブジェクト上の表面を自動的に識別するかまたはオペレータが識別できるようにし、そして、そのような表面をメモリ内のマークでマークすること。そのような表面は、「広告スペース」と呼ばれるであろう。
【0039】
最初の事例では、特許文献3で開示された方法を用いることができる。次いで、コンピュータ装置が、そのような他のメッセージが適切に重畳することができ、従って、広告スペースとして機能することができる壁または壁の部分に関する3Dオブジェクトの質感要素を識別するようにプログラムされる。そのような壁または壁の部分は、レンガを備えるだけかまたは少なくともドアおよび/または窓をまったく含まないような、建物の正面の表面36、38にぴったり合っていてもよい。あるいは、コンピュータ装置は、壁部分および、窓や上部の床だけといった、特定の要件を満たす1つ以上の質感要素を含む、適切な広告スペースを識別するようにプログラムされる。しかし、そのような質感要素は、広告看板34の表面40であってもよい。
【0040】
2番目の事例では、コンピュータ装置が、建物32および広告看板34のような3Dオブジェクトを表示装置上でオペレータに提示し、そして、広告のような別のメッセージが重畳されうるそのようなオブジェクト上の表面36、38、40をマークする選択肢をオペレータに与える。これは、例えば、オペレータが表示装置上のカーソルをマウスで使用することによって表面36、38、40をそのような「広告スペース」としてマークできるようにし、次いで、このようにして得られたこの表面36、38、40に対するマークをメモリ内に記憶することによって行われてもよい。このようにして、特定の広告機能を、例えば3Dモデルの作成中に、作成することができる。移動マッピングデータをそのような3Dモデル作成のための入力として使用しながら、オペレータは、広告看板や広告窓や電柱等の、広告に適した場所を容易に検出することができる。
【0041】
次に、表面36、38、40に対するそのようなマークの記憶がどのようにしてサービスプロバイダのサーバのメモリ内に実装されうるかについて、もう少し詳しく説明する。以下では、そのような表面36、38、40を「広告スペース」と呼ぼう。そのような広告スペースは、必ずしも二次元である必要はない。あるいは、そのような広告スペースは、建物や3D広告看板のように3Dの形状をしていてもよい。
【0042】
各広告スペースは、寸法と形状を有しており、例えば、エリアが実際に位置する(例えば郊外エリアに位置しているか都市エリアか)道路の重要度、広告スペースのサイズ等のような、その他の周辺の特徴およびその他の関連するマップの特徴に基づく「基本広告値」について記憶される。従って、各広告スペースは、「現実の」広告スペース上の点、線、水平の2D面積、垂直の2D面積、3D面積として販売することができる。
【0043】
1つの応用例は、注目点(point of interest:POI)上の広告スペースにリンクした動的広告であり、なぜならメッセージは、POIの位置、タイプ、動作に直接リンクされる可能性があるからである。
【0044】
サービスプロバイダのサーバのメモリ内に記憶される広告スペースの属性は、以下であってもよい:
・広告スペースの位置座標。平らな広告スペースについては、これらは、広告スペースが位置する地上での位置に対応する3Dスペースにおける4つの座標であってもよいだろう。これらの4つの座標は、左上、右上、左下、右下であってもよいだろう。広告スペースが平らでない場合には、この平らでないスペースの外側の座標が与えられるべきであろう
・この広告スペースが利用可能である時間帯。このように時間と広告スペースの位置座標とを指定することによって、それらは3D都市モデルにおいて、3D都市モデルにおける既存のスペースと動的に置換されうる
・一定のメッセージの内容が利用可能である時間帯。時間が長いほど、それがメッセージの広告主にとってはより高額になりうる
・メッセージが示される時刻自体。例えば、あるメッセージをある日付および時刻に表示することは、他の日付および時刻よりも広告主にとってはより高額になりうる。例えば、あるビール銘柄を表示することは、重要なサッカーの試合に近い時刻に表示される場合にはより高額になりうる
・広告スペースのサイズ。これは、当業者には明白であるように、記憶された座標から自動的に計算することができる。サイズは、平方メートルまたはいずれかの他の適切な単位で記憶されてもよい
・現実の世界におけるスペースの位置の重要性に依存する「値の属性」。例えば、小さな通りの家にあるスペースは、交通量の多い大通りにある家のスペースより大幅に安いであろう。以下のパラメータは、広告スペースの重要度に影響を与えることがある:
*広告スペースの実際のサイズ
*一般論としての広告スペースの位置、例えば、ナビゲーションシステムのユーザが移動する道路の距離、またはスポーツイベントが開催されうる位置までの距離
*建物上の広告スペースの位置
*広告スペースが位置する機能的道路等級
*ある位置についての予想交通量
*賃借の時刻と継続時間
*2Dイメージまたは3Dイメージといった、表示の複雑度と品質。
【0045】
3Dモデルがどのようにして最後にエンドユーザアプリケーションに、例えばエンドユーザによって用いられるナビゲーションシステムに表示されるのかは重要ではない。
【0046】
一実施形態では、ナビゲーションシステム自体が、そのメモリ12、13、14、15の中に図3に示すもののような3Dモデルに基づく3Dオブジェクトに関するデータを記憶する。建物のような3Dオブジェクトは、窓やドアのような質感要素を備えた壁を有してもよい。その趣旨で、参照質感要素の集合から選択された質感要素を壁が備えてもよい。そのような参照質感要素への参照を用いることによって、メモリスペースを節約することができるが、それについては特許文献3により詳細に説明されている。3Dモデルに関するデータは、更新されたデータをサービスプロバイダのサーバからの3Dモデルからダウンロードすることによって、ナビゲーションシステムによってオンザフライで更新されてもよい。この更新されたデータは、例えばユーザが移動する道路沿いの新たな広告看板のような、新たな広告スペースが利用可能になったオブジェクトの表面についての更新されたデータを含むであろう。
【0047】
使用中、ナビゲーションシステムは、表示装置18に表示される写真または動画の広告スペースに重畳されることになる例えば広告のようなメッセージの内容だけでなく、メッセージがどこに位置すべきかを示す座標も、サービスプロバイダのサーバから受信するであろう。
【0048】
そのような座標は、ジオコード化された座標であることが望ましい。しかし、より柔軟にするため、かつ、利用可能なジオコード化関連の広告のためのジオコード化された情報を広告主が持っていない場合に対処できるようにするため、サービスプロバイダのサーバとナビゲーションシステムとはいずれも、いわゆるマップ非依存の位置参照技術ソフトウェアを備えてもよい。そのようなソフトウェアの一例は、ナビゲーションシステムが広告を表示装置18上の正確なスポットに位置させることができるようにする目的でAgora−Cコードを地理空間関連の広告に自動的に提供するように構成されたAgora−C符号器および復号器の中で使用されている。そのようなAgora−C符号器および復号器に関する詳細は、ISO規格17572−3の中に記載されている。そのようなシステムは、拡張が必要な場合には3Dオブジェクトの座標を定義するように拡張されてもよい。
【0049】
一実施形態では、メモリ12、13、14、15の中に記憶されたソフトウェアプログラムによる命令に従って、プロセッサ11が、受信したメッセージの座標を、表示装置18上に示す広告スペースの座標にマッピングし、このようにして、メッセージを、広告スペースがそこから当初計算された3Dモデルの質感のエリアのトップに表示する。
【0050】
ナビゲーションシステム内で利用可能な3Dモデルがない場合であっても、プロセッサ11はメッセージを広告スペースの中にアイコンとして、または最初の寸法を備えたイメージとして視覚化することができる。
【0051】
図4は、広告46がどのようにして表示装置18上でユーザに示されうるかの一例を示す。広告は、建物32上の広告スペース36に重畳される。
【0052】
同様に、広告48を広告看板34上の広告スペース40の中に示すことができる。広告に加えて、図4で参照49を使って略示するように、音声メッセージがナビゲーションシステムによって演奏されてもよい。音声メッセージは、例えば、広告看板に示される広告に関連するブランド名の周知の旋律であってもよい。
【0053】
ユーザが、例えばナビゲーションシステムが組み込まれた車両の運転者が、広告スペースに接近すると、ナビゲーションシステムは、現在の位置に対応するために場面の寸法と視角を変更するであろう。従って、広告看板34に接近する場合、システムは広告看板34と広告48とを拡大しつつある形式で表示するであろう。広告スペースが位置する3Dオブジェクトは3Dモデルの一部として記憶されるため、ナビゲーションシステムのプロセッサは、現実に存在する対応する3Dオブジェクトに関するナビゲーションシステムの位置に依存してナビゲーションシステムの表示装置上に3Dオブジェクトが表示されるべきやり方を容易に計算できる。
【0054】
また、ユーザと現実の世界の広告看板34との距離に応じて、ナビゲーションシステムは、以下の動作の少なくとも1つを実行してもよい:
・ユーザが現実の世界の広告看板34に接近する場合に広告看板34上に示される広告の詳細のレベル、すなわち、解像度を改良すること
・現実の世界の広告看板に接近する場合に広告の内容を動的に修正し、例えば100mという第1の距離では壜だけを示し、次いで、例えば50mという第2の距離では「ビール」のような製品名を含む壜を示し、そして最後に、例えば25mという第3の距離では「Heineken」のような製品名とメーカ名とを含む壜を表示すること。そうするのに必要な広告情報は、ナビゲーションシステムがサービスプロバイダのサーバからオンラインで受信してもよく、そして、現実の世界の広告看板34への距離に応じてナビゲーションシステムがサーバに要求してもよい。あるいは、ナビゲーションシステムが、そのような情報をすべて1つのメッセージの中で受信していてもよく、例えば現実の世界の広告看板から例えば200mの距離にあるときにサーバから受信していてもよい
・現実の世界のオブジェクトから一定の距離の範囲内で広告スペースに関連するメッセージ自体が表示装置18上にポップアップする代わりに、ナビゲーションシステムのユーザによってリンクとして操作されうるアイコンだけが表示装置の広告スペース内に示されてもよい。次いで、リンクを操作することによって、ナビゲーションシステムはメッセージ自体を表示するであろう
・例えば、広告看板34の表面に垂直な視点から広告看板34を表示するため、表示装置18上の広告看板34を仮想的に回転させること。
【0055】
一実施形態では、表示装置18は、ユーザが指またはペンまたはそのようなもので広告スペースにタッチすることができるタッチスクリーンである。そうすると、タッチスクリーンは、その趣旨で信号を、まるでユーザが広告主のウェブサイトへのハイパーリンクを操作したかのようにこの信号を解釈するように構成されたプロセッサ11に送信するであろう。次いで、プロセッサ11は、このウェブサイトへのリンクを確立し、ウェブサイトの内容を表示装置18でユーザに示す。ウェブサイトのイメージは、何らかの特定の情報をユーザが見つけられるようにする目的で表示装置18にタッチすることによって操作しうる別ボタンを備えてもよい。タッチスクリーンを用いる代わりに、ナビゲーションシステムは、ユーザの指で操作できるマウスパッドのような、その他の入力装置を備えてもよく、それによって、表示装置18上の幾つかのボタンを選択することによって、ユーザがカーソルでウェブサイト全体をナビゲートして、広告主の他のウェブページからの情報を探すことができるようにしてもよい。
【0056】
一実施形態では、1つのそのようなボタンが、広告主の電話番号に関連する。その電話番号を操作すると、ナビゲーションシステムは、広告主に電話をかけて、広告主とユーザの移動電話との間の電話リンクを確立する。そのような移動電話は、ユーザが広告主とハンズフリー通話を行えるようにする、車両内のナビゲーションシステムに内蔵された電話であってもよい。しかし、代わりに、ナビゲーションシステムは、自分のI/Oデバイス25を使って、例えばブルートゥース接続を介して、ユーザの別個の移動電話へのワイヤレス接続を行うように構成されてもよい。
【0057】
表示装置18に表示されるメッセージの内容に影響を与えるパラメータである現実の世界のオブジェクトへの距離の代わりに、またはそれに加えて、ナビゲーションシステムを内蔵する車両の速度が、表示装置18に表示されるメッセージの内容に影響を与えてもよい。車両の速度は、当業者には明白であるように、GPS(またはGNSS)ユニットによって受信される衛星信号から、または、もしあればDMIからの信号によって、ナビゲーションシステムが計算することができる。あるいは、いかなる車両にも存在する速度測定デバイスから受信した速度信号が、マイクロプロセッサμPによって用いられてもよい。そのような速度依存のメッセージ表示の選択肢は、以下のようである:
・例えば、一定のメッセージは、車両が一定の閾値速度以下で走行中に限って表示されてもよい。これは、交通状況が複雑で、運転者に示されるいずれかの追加情報が、運転者の注意を運転からそらすことがあるような位置でメッセージを表示する場合に、有利に使用されうる。そのような複雑な位置とは、複雑なジャンクションであってもよい
・別の実施形態では、表示装置18に示される情報内容が、車両の速度に連結されてもよい。例えば、車両が時速90kmより速い速度で走行している時には壜だけを、車両が時速50kmと90kmの間の速度で走行している時には「ビール」のような製品名を含む壜を、そして最後に、車両が時速50kmより遅い速度で走行している時には「Heineken」のような製品名とメーカ名とを含む壜を示すように、マイクロプロセッサμPがプログラムされてもよい。この場合も、そうするのに必要な広告情報は、ナビゲーションシステムがサービスプロバイダのサーバからオンラインで受信してもよく、そして、車両の速度に応じてナビゲーションシステムがサーバに要求してもよい。あるいは、ナビゲーションシステムが、そのような情報をすべて1つのメッセージの中で受信していてもよく、例えば現実の世界の広告看板から例えば200mの距離にあるときにサーバから受信していてもよい
・現実の世界のオブジェクトから一定の距離の範囲内で広告スペースに関連するメッセージ自体が表示装置18上にポップアップする代わりに、ナビゲーションシステムのユーザによってリンクとして操作されうるアイコンだけが示されてもよい。次いで、リンクを操作することによって、ナビゲーションシステムはメッセージ自体を表示するであろう。マイクロプロセッサμPは、車両が静止している時に限ってそのようなリンクを操作することができるようにプログラムされてもよい。
【0058】
別の実施形態では、広告が、特別な条件で、例えば非常な低価格で、ユーザが何かを購入または取得できるような広告に関しており、そして、ナビゲーションシステムが、「最も近い販売店」のような文章を使って表示装置上にボタンを示す。ユーザがボタンを操作すると、プロセッサ11が、サービスプロバイダのサーバから受信した広告へのLBS関連情報を用いながら、その位置から広告された商品/サービスの最も近い販売位置までのルートを計算することによって応答するであろう。あるいは、または追加で、広告を表示する間、プロセッサ11は、「ここから2マイルのMel’s Sporting Goods Storeで販売中」といった別のメッセージを表示装置18の適切な場所に表示するようにも構成される。
【0059】
基本的に、広告は2つのタイプがあり、それらは地理には無関係なもの(例えば移動電話のような商品)と、地理に関係するもの(例えば店舗やレストラン)とである。関係する広告のタイプに基づいて、関係する広告主は、自分の広告を地理には無関係な広告として広告するか(すなわち広告が広告に直接関連しない広告場所に表示されることになるか)、あるいは、地理に関係する広告として広告するか(すなわち広告が広告に直接関連する広告場所に表示されることになるか)を、決めることができる。
【0060】
広告主が、例えば商品(移動電話等)のような地理空間には無関係の情報を広告することを望む場合には、広告主は、その特定の商品が提供される特定のエリア内の1つまたはすべての店舗の位置にそれを広告することを指定することさえ可能である。また、ここで、3Dオブジェクトのエリアとして広告を位置するために、Agora−C符号器を用いることもできよう。
【0061】
一般に、上記のシステムは、地理には無関係の広告および地理に関係する広告を、固定デバイスまたは移動デバイス上にGISアプリケーションとナビゲーションアプリケーションとの両方において、動的にアップロードし、更新し、視覚化し、管理できるようにする。
【0062】
上記では、サービスオペレータが管理するサーバベースの記憶された内容を用いて移動ナビゲーションアプリケーションを提供するサービスプロバイダが、本システムを用いうることを説明してきた。しかし、代替実施形態では、サービスプロバイダは、インターネットのマップアプリケーションを提供してもよい。
【0063】
一実施形態では、ナビゲーションシステムが、ユーザが広告機能をオンとオフとに切り替えられるようにプログラムされる。
【0064】
本発明の3Dモデルを用いた3D表示の構成は、先行技術の動画に基づいたシステムとは異なることが観察されている。3Dモデルは3つの次元すべてで操作されうるため、動画が存在するのではなく、見る人が移動したことを入力が示したために、恐らく新たな視点での、場面の恒常的な再表現が存在する。これは柔軟性があり、ナビゲーションシステムを備えた車両の運転者がどこに移動したか、または、仮想環境においてインターネットチラシが彼の見る位置をどこにナビゲートしたかを、コンピュータ装置が実際に考慮できるようにする。ベクトルに基づく3Dモデルデータベースを用いれば、グラフィックス表示を迅速に表示することができる。さらに、それらは、柔軟性を大いにもたらす。例えば、ナビゲーションマップデータベースのマップ属性データを3D場面にシームレスに追加することができるが、それは、先行技術でよく知られている2Dイメージ構成においては容易ではない。
【0065】
本発明は、添付の請求項およびその技術的等価物によってのみ限定されることが理解されるべきである。本明細書およびその請求項では、「備える」という動詞およびその活用形は、それらの限定しない意味において、その言葉に続く項目が含まれることを意味するために用いられるのであって、具体的に言及されていない項目を除外しない。加えて、不定冠詞「a」または「an」によるある要素への言及は、要素が1つあって、かつ、1つしかないことを文脈が明確に必要としない限り、2つ以上の要素が存在する可能性を除外しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ(11)と、前記プロセッサ(11)に接続された表示装置(18)とを備えるシステムであって、前記プロセッサは、前記プロセッサが下記の動作、すなわち、
a)3Dオブジェクトを有する3Dモデルにアクセスすることと、
b)特定の動く視点から見た1つ以上の前記3Dオブジェクトに関する動く景色を備える1つ以上の場面のグラフィックス表示を前記表示装置上に示すことであって、前記1つ以上の3Dオブジェクトが少なくとも1つの広告スペースを備え、前記少なくとも1つの広告スペースが広告スペース位置と広告スペースサイズとを有することと、
c)メッセージデータとメッセージ位置データとを含めるメッセージを受信することと、
d)前記メッセージデータが前記表示装置の中で前記広告スペースに重畳するように前記広告スペース位置が前記メッセージ位置データに関連する場合、前記動く視点と前記1つ以上の3Dオブジェクトとの間の距離に応じて、前記メッセージデータを前記少なくとも1つの広告スペースにマッピングすることと
を行えるようにすることを目的とする命令およびデータを備えるコンピュータプログラムを記憶するメモリに接続されているシステム。
【請求項2】
前記システムはナビゲーションシステムであって、道路網における前記システムの位置を判定するための位置判定デバイスを備え、前記視点は前記ナビゲーションシステムの前記位置であり、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサが動作a)の前に以下の動作、すなわち、
前記位置判定デバイスから受信したデータに基づいて前記ナビゲーションシステムの移動方向を確立すること
を行えるようにすることを目的とする命令とデータとを備え、そして、動作b)で前記表示装置上に示される前記1つ以上の場面は、前記移動方向において前記ナビゲーションシステムのユーザに見える場面に対応すること
を特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メモリが、スタート位置から目的地までたどるべきルートをプロセッサが計算できるようにするように構成されたルート計画ソフトウェアを記憶することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記広告スペース位置および前記メッセージ位置データが、ジオコード化された位置データ形式を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記グラフィックス表示の中に見える3Dオブジェクトの位置データだけでなく前記広告スペース位置と前記広告スペースサイズとを含む前記3Dモデルに関するデータを前記プロセッサがリモートサーバからダウンロードできるようにすることを目的とする命令とデータとを、前記コンピュータプログラムが備えることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの広告スペース位置に対する前記ナビゲーションシステム自体の相対的位置に応じて前記メッセージデータとメッセージ位置データとを含む前記3Dモデルに関するデータを前記プロセッサがダウンロードできるようにすることを目的とする命令とデータとを、前記コンピュータプログラムが備えることを特徴とする、請求項2乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサが、連絡先情報と、前記表示装置上の前記メッセージに関するウェブサイトへのリンクとのうちの少なくとも1つを示すように構成されており、前記システムは、前記ナビゲーションシステムのユーザが、前記リンクが示されている場合前記リンクを選択できるようにし、かつ、その趣旨で選択信号を生成する入力装置を備えており、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサが前記選択信号を受信した時点で前記表示装置上に前記ウェブサイトを示すことができるようにすることを目的とする命令とデータとを備えることを特徴とする、請求項2乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記入力装置が、前記ユーザが前記ウェブサイト全体をナビゲートでき、前記ウェブサイト上に示された1つ以上のリンクを操作できるようにすることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサが、スピーカを介して前記広告に関する音声メッセージを生成するように構成されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のリンクの1つのリンクが電話の電話番号に関係し、そして、前記ユーザが前記1つのリンクを操作する場合に前記電話と所定の移動電話との間の電話リンクを前記プロセッサが確立できるようにすることを目的とする命令とデータとを、前記コンピュータプログラムが備えることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記視点と前記広告スペース位置との間の距離に応じて前記プロセッサが下記の動作、すなわち、
−前記表示装置上に示される前記メッセージの解像度を向上させることと、
−前記距離が短くなる場合かまたはズームインする場合に、前記イメージの内容を動的に修正することと、
−前記広告スペースを前記広告スペースの表面から実質的に垂直な視点から示すように前記表示装置上の前記広告スペースを仮想的に回転させることと
のうちの少なくとも1つを行えるようにすることを目的とする命令とデータとを、前記コンピュータプログラムが備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの広告スペースに前記メッセージデータをマッピングする前に前記システムのユーザによってリンクとして操作可能なアイコンを前記プロセッサが前記表示装置上に示すことができるようにすることを目的とする命令とデータとを、前記コンピュータプログラムが備えることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
・前記速度が一定の閾値速度を下回る場合に限って一定のメッセージを表示することと、
・前記システムの前記速度に応じて前記メッセージの内容を変更することと、
・前記メッセージのデータを前記少なくとも1つの広告スペースにマッピングする前に前記システムのユーザによってリンクとして操作可能なアイコンを前記表示装置上に示し、前記システムが静止している場合に限ってそのようなリンクが操作できるようにすることと、
のうち少なくとも1つのやり方で前記システムの速度に応じて前記プロセッサがメッセージを示すことができるようにすることを目的とする命令とデータとを、前記コンピュータプログラムが備えることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
システムにおいて情報を表示装置上に表示する方法であって、前記システムはプロセッサ(11)と、プロセッサ(11)に接続された表示装置(18)とを備え、
a)3Dオブジェクトを備える3Dモデルにアクセスする工程と、
b)特定の動く視点から見た1つ以上の前記3Dオブジェクトに関する動く景色を備える1つ以上の場面のグラフィックス表示を前記表示装置上に示す工程であって、前記1つ以上の3Dオブジェクトが少なくとも1つの広告スペースを備え、前記少なくとも1つの広告スペースが広告スペース位置と広告スペースサイズとを有するような工程と、
c)メッセージデータとメッセージ位置データとを含むメッセージを受信する工程と、
d)前記メッセージデータが前記表示装置の中で前記広告スペースを重畳するように前記広告スペース位置が前記メッセージ位置データに関連する場合、前記動く視点と前記1つ以上の3Dオブジェクトとの間の距離に応じて、前記メッセージデータを前記少なくとも1つの広告スペースにマッピングする工程と
を備える方法。
【請求項15】
システムによってロードされることができ、請求項14に記載の前記方法を前記システムのプロセッサが行えるようにする命令とデータとを備えるコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを備えるデータキャリア。
【請求項17】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシステムと、サーバプロセッサおよびサーバメモリを備えるサービスプロバイダサーバと、を備える通信システムであって、前記サーバメモリは前記3Dモデルに関する前記データを記憶し、前記システムと前記サービスプロバイダサーバとは、無線形式で相互に通信し、要求に応じて前記3Dモデルに関する前記データを前記システムがダウンロードできるようにするように構成された通信システム。
【請求項18】
デジタルイメージを処理する方法であって、
−現実の世界のオブジェクトの写真または動画をコンピュータシステムが受信して、それらをメモリ内に記憶する工程と、
−前記写真または動画から3Dモデルを作成する工程と、
−広告のようなメッセージが重畳されうるオブジェクト上の広告スペースを自動的に識別する、あるいはオペレータが識別できるようにし、そして、そのような広告スペースを前記メモリ内のマークでマークする工程であって、前記メモリが、前記広告スペース上に多様なメッセージを動的にマッピングできるようにする前記広告スペースを定義する3D座標を少なくとも記憶する工程と
を備える方法。
【請求項19】
プロセッサと、請求項18の前記方法を前記プロセッサが行えるようにすることを目的とする命令とデータとを記憶するメモリとを備えるコンピュータシステム。
【請求項20】
システムによってロードされることができ、請求項18に記載の前記方法を前記システムのプロセッサが行えるようにすることを目的とする命令とデータとを備えるコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のコンピュータプログラムを備えるデータキャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−512399(P2012−512399A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541111(P2011−541111)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/068091
【国際公開番号】WO2010/069406
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(509097563)テレ アトラス ベスローテン フエンノートシャップ (23)
【氏名又は名称原語表記】Tele Atlas B.V.
【Fターム(参考)】