説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置

【課題】自動車を駐車後に目的地まで徒歩等の他の手段で進んだ場合にも目的地到着判定する「ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置」を提供する
【解決手段】テーマパークを目的地220として推奨ルート221が設定されているときに、ユーザが、自動車を駐車場240に駐車し、移動電話機3を携帯しつつ徒歩でテーマパークを訪れた場合、自動車に搭載されたナビゲーション装置1との接続が切断された移動電話機3は、内蔵するGPS受信機38で移動電話機3の現在位置を計測しつつ、計測した現在位置の履歴を蓄積する。ナビゲーション装置1は移動電話機3が再接続されると、移動電話機3から当該移動電話機3の現在位置の履歴を取得し、当該履歴が示す徒歩で移動した区間の移動軌跡232より、ユーザが徒歩で目的地221に到着したことを検出し、設定されている目的地と推奨ルートを消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載され、目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置において目的地到着を判定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載され、目的地までの経路誘導を行うナビゲーション装置の目的地到着を判定する技術としては、現在位置と目的地との間の距離が所定の基準距離以内となったときに目的地に到着したと判定し、目的地の設定を解除するナビゲーション装置において、目的地が車両進入禁止区域内にあるときには、前記基準距離を拡大する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-241561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的地が車両進入禁止区域内にない場合であっても、目的地周辺に利用可能な駐車場が無いときや、目的地とした施設に付随する駐車場から離れているとき等には、自動車のユーザが目的地から離れた位置にある駐車場に自動車を駐車し、徒歩等の他の手段で目的地に向かうことがある。そして、このような場合、ナビゲーション装置は、当該駐車場の位置では、目的地に到着したと判定せずに、目的地の設定の解除も行わない。したがって、目的地から自動車に戻ったユーザが自動車の利用を再開すると、ナビゲーション装置によって、既に訪問を完了している目的地への不必要な経路誘導が行われてしまうことになる。そして、このような場合、ユーザは、経路誘導を終了させるために、手動で目的地を解除する煩雑な操作を行わなければなくなる。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザが、目的地から離れた地点に自動車を駐車し、以降の目的地までの道のりを徒歩等の他の手段で進んだ場合にも、目的地到着を判定することのできるナビゲーション装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、目的地を設定すると共に、当該設定した目的地までの経路を探索して推奨ルートとして設定し、当該設定した推奨ルートに沿った走行を案内する、自動車に搭載されたナビゲーション装置と、当該ナビゲーション装置に選択的に接続される携帯端末とを有するナビゲーションシステムを提供する。ここで、前記携帯端末は、当該携帯端末の現在位置を算出する現在位置算出部と、前記現在位置算出部で算出した当該携帯端末の現在位置の履歴を移動情報として記憶する履歴記憶部とを備えており、前記ナビゲーション装置は、当該ナビゲーション装置の現在位置を算出する現在位置算出手段と、目的地到着を検出し、当該目的地到着が検出されたときに前記目的地と前記推奨ルートとの設定とをクリアする目的地到着判定部とを備えている。そして、前記ナビゲーション装置の目的地到着判定部には、前記ナビゲーション装置の現在位置算出手段が算出した現在位置と前記目的地との間の距離が所定距離以内となったときに、前記目的地到着を検出する第1目的地到着検出手段と、当該ナビゲーション装置の起動時に、前記ナビゲーション装置に接続されている携帯端末から当該携帯端末に記憶されている前記移動情報を取得し、取得した移動情報が示す前記携帯端末の現在位置の履歴が、当該携帯端末が前記目的地に予め定めた距離以内に接近したことを表している場合に、前記目的地到着を検出する第2目的地到着検出手段とを設ける。
【0007】
このようなナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置の起動時に、携帯端末の現在位置の履歴から、当該起動前の自動車の駐車中に、携帯端末を携帯したユーザが徒歩等の他の手段によって目的地に到達したかどうかを判定することができる。よって、ユーザが、目的地から離れた地点に自動車を駐車し、以降の目的地までの道のりを徒歩等の他の手段で進んだ場合にも、ユーザの目的地到着を適正に判定することができることとなる。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、目的地を設定すると共に、当該設定した目的地までの経路を探索して推奨ルートとして設定し、当該設定した推奨ルートに沿った走行を案内する、自動車に搭載されたナビゲーション装置と、当該ナビゲーション装置に選択的に接続される携帯端末とを有するナビゲーションシステムを提供する。ただし、本ナビゲーションシステムにおいて、前記携帯端末は、当該携帯端末の現在位置を算出する現在位置算出部と、当該携帯端末に前記ナビゲーション装置から転送された目的地に前記現在位置算出部で算出した当該携帯端末の現在位置が予め定めた距離以内に接近したときに、目的地到着を判定結果として記憶する到着判定代行部とを備えたものであり、前記ナビゲーション装置は、当該ナビゲーション装置の現在位置を算出する現在位置算出手段と、目的地到着を検出し、当該目的地到着が検出されたときに前記目的地と前記推奨ルートとの設定とをクリアする目的地到着判定部と、前記ナビゲーション装置に接続されている携帯端末に設定されている目的地を転送する目的地転送部とを備えたものである。また、前記ナビゲーション装置の目的地到着判定部は、前記ナビゲーション装置の現在位置算出手段が算出した現在位置と前記目的地との間の距離が所定距離以内となったときに、前記目的地到着を検出する第1目的地到着検出手段と、当該ナビゲーション装置の起動時に、前記ナビゲーション装置に接続されている携帯端末から当該携帯端末に記憶されている前記判定結果を取得し、取得した判定結果が目的地到着である場合に、前記目的地到着を検出する第2目的地到着検出手段とを含んで構成される。
【0009】
このようなナビゲーションシステムによっても、同様に、ユーザの目的地到着を判定することができる。
また、前記課題達成のために、本発明は、目的地を設定すると共に、当該設定した目的地までの経路を探索して推奨ルートとして設定し、当該設定した推奨ルートに沿った走行を案内する、自動車に搭載されたナビゲーション装置に、当該ナビゲーション装置の現在位置を算出する現在位置算出手段と、目的地到着を検出し、当該目的地到着が検出されたときに前記目的地と前記推奨ルートとの設定とをクリアする目的地到着判定部とを設けると共に、前記ナビゲーション装置の目的地到着判定部に、前記ナビゲーション装置の現在位置算出手段が算出した現在位置と前記目的地との間の距離が所定距離以内となったときに、前記目的地到着を検出する第1目的地到着検出手段と、前記自動車の駐車中に、移動通信網を介した通信によって、当該ナビゲーション装置のユーザの携帯端末から当該携帯端末の現在位置を取得し、取得した携帯端末の現在位置が前記目的地に予め定めた距離以内に接近している場合に、前記目的地到着を検出する第2目的地到着検出手段とを備えたものである。
【0010】
このようなナビゲーション装置によっても、ユーザが、目的地から離れた地点に自動車を駐車し、以降の目的地までの道のりを徒歩等の他の手段で進んだ場合に、携帯端末の位置より、ユーザの目的地到着を判定することができる。
なお、以上の各ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置において、前記携帯端末は、移動電話やスマートフォンやPDAや携帯ゲーム機などであってよい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、ユーザが、目的地から離れた地点に自動車を駐車し、以降の目的地までの道のりを徒歩等の他の手段で進んだ場合にも、目的地到着を判定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の表示例と動作例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る移動軌跡記憶処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る目的地到着判定処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る目的地到着判定代行処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る目的地到着判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示す。
図示するようにナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置1と、ナビゲーション装置1に選択的に接続される移動電話機3とより構成される。
そして、ナビゲーション装置1は自動車に搭載される装置であり、図示するように、入力装置11と、表示装置12、車両状態センサ13、GPS受信装置14、DVDドライブやHDDなどの記憶装置であるデータ記憶部15、現在状態算出部16、入力装置11や表示装置12を用いたユーザとの間の入出力を制御するGUI制御部17、ルート検索部18、メモリ19、制御装置20、案内画像生成部21、移動電話機インタフェース22とを有する。
【0014】
但し、以上のナビゲーション装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示したナビゲーション装置各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、ナビゲーション装置1に提供されるものであって良い。
【0015】
さて、ここで、このようなナビゲーション装置1における、車両状態センサ13は、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや、車速パルスセンサなどである車速センサなどの、車両状態を検出するセンサ群である。また、データ記憶部15には、地図を表す地図データが格納される。
【0016】
また、ナビゲーション装置1の、移動電話機インタフェース22は、移動電話機3とBluetooth(登録商標)などのPANや近距離無線通信を介して接続するためのインタフェースである。
そして、このナビゲーション装置1の移動電話機インタフェース22に接続する移動電話機3は、ユーザによって携帯される電話機であり、図示するように、移動電話網に無線通信を介して接続する移動電話網インタフェース31、PANや近距離無線通信を介してナビゲーション装置1に接続するホストインタフェース32、移動電話網を利用した電話機能を提供する移動電話機能部33、移動電話網を利用したデータ通信機能を提供するデータ通信機能部34、制御部35、操作部36、表示部37、GPS衛星を利用した衛星測位によって現在位置を算出するGPS受信機38を有している。
【0017】
ここで、このようなナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーション装置1と移動電話機3のPANや近距離無線通信を介した接続は、移動電話機3が車内に存在している状態で、電源が投入されたナビゲーション装置1が起動した際に自動的に行われる他、ナビゲーション装置1が起動している状態で移動電話機3が車内に持ち込まれた際に自動的に行われる。
【0018】
一方、ナビゲーション装置1と移動電話機3の切断は、ナビゲーション装置1の電源オフ時や、車外への移動電話機3の持ち出し時に生じる。
さて、このような構成において、ナビゲーション装置1の現在状態算出部16は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部16は、車両状態センサ13やGPS受信装置14の出力から推定される現在位置に対して、データ記憶部15から読み出した地図データが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ19に設定する。
【0019】
また、制御装置20は、ユーザから入力装置11、GUI制御部17を介して目的地の設定を受付け、これをメモリ19にセットする。そして、目的地までの推奨ルートをルート検索部18に検索させる。ルート検索部18は、必要地理的範囲の地図データを、データ記憶部15から読み出し、メモリ19に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を、距離最小などの所定のコストモデルに基づいて推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートの経路データを、メモリ19にセットする。
【0020】
そして、案内画像生成部21は、メモリ19にセットされた現在位置と、その時点で設定されている地図の表示縮尺に従って制御装置20が算定した地図表示範囲の地図画像を、データ記憶部15の地図データに基づいて描画する。また、描画した地図画像上に、メモリ19にセットされている現在位置や推奨ルートや目的地を描画した案内画像を生成し表示装置12に表示する。
【0021】
ここで、図2aに、このようにしてナビゲーション装置1が表示する案内画像を例を示す。
図示するように、案内画像210は、地図表示範囲内の地図を表す地図211上に、現在位置を表す現在位置マーク212や、地図表示範囲内の推奨ルートを表す推奨ルート図形213、目的地を表す目的地マーク214が表示されたものになる。
また、制御装置20は、後述する目的地判定処理によって、目的地到着を判定し、目的地到着と判定された場合に、メモリ19にセットされている目的地と推奨ルートをクリアする処理を行う。一方、移動電話機3の制御部35は、ナビゲーション装置1の制御装置20の目的地到着判定を補助するために移動軌跡記憶処理を行う。
【0022】
まず、移動電話機3の制御部35が行う移動軌跡記憶処理について説明する。
図3に、この移動軌跡記憶処理の手順を示す。
図示するように、この移動軌跡記憶処理において、移動電話機3の制御部35は、ナビゲーション装置1からの切断の発生を監視し(ステップ302)、ナビゲーション装置1からの切断が発生したならば、GPS受信機38を用いて移動電話機3の現在位置を計測し(ステップ304)、計測した移動電話機3の現在位置を基準位置に、現在時刻を基準時刻に設定する(ステップ306)。
【0023】
そして、ナビゲーション装置1との接続(ステップ310)、現在時刻の基準時刻よりの所定期間Th30(たとえば、1時間)の経過(ステップ314)、移動電話機3の現在位置と基準位置と間の距離の所定距離Th31(たとえば、3km)の超過(ステップ320)のいずれかが発生するまで、タイマTを用いて(ステップ308、312)、所定期間(たとえば、30秒)毎に、GPS受信機38を用いて移動電話機3の現在位置を計測し(ステップ316)、GPS計測位置履歴として蓄積する(ステップ318)処理を行う。
【0024】
この結果、移動電話機3には、ナビゲーション装置1との接続の切断後、ナビゲーション装置1と再接続されるか、ナビゲーション装置1との接続の切断後に期間Th30が経過するか、移動電話機3がナビゲーション装置1との接続が切断された位置から所定距離Th31離れるまで、移動電話機3の移動履歴がGPS計測位置履歴として蓄積されていくことになる。
【0025】
ここで、GPS計測位置履歴の蓄積をナビゲーション装置1との接続の切断後に期間Th30が経過した時点で終了するのは、自動車を離れたユーザが移動電話機3を携帯して目的地に向かった場合には、当該目的地に期間Th30以内には到着すると考えられるからである。また、同様に、GPS計測位置履歴の蓄積を、移動電話機3の位置がナビゲーション装置1との接続が切断された位置から所定距離Th31離れた時点で終了するのは、自動車を離れたユーザが移動電話機3を携帯して目的地に向かった場合には、当該目的地は、ナビゲーション装置1との接続が切断される位置となる自動車の駐車位置から距離Th31以内にあると考えられるからである。
【0026】
そして、ナビゲーション装置1との接続が発生したならば(ステップ310)、ナビゲーション装置1からの要求に応えて、ナビゲーション装置1に記憶しているGPS計測位置履歴をナビゲーション装置1に転送する(ステップ324)。そして、記憶しているGPS計測位置履歴を消去し(ステップ326)、ステップ302からの処理に戻る。
【0027】
また、現在時刻の基準時刻よりの所定期間Th30の経過(ステップ314)、移動電話機3の現在位置と基準位置と間の距離の所定距離Th31の超過(ステップ320)のいずれかが発生した場合には、ナビゲーション装置1との接続を待ち(ステップ322)、ナビゲーション装置1からの要求に応えて、ナビゲーション装置1に記憶しているGPS計測位置履歴をナビゲーション装置1に転送する(ステップ324)。そして、記憶しているGPS計測位置履歴を消去し(ステップ326)、ステップ302からの処理に戻る。
【0028】
以上、移動電話機3の制御部35が行う移動軌跡記憶処理について説明した。
次に、ナビゲーション装置1の制御装置20が行う目的地到着判定処理について説明する。
ここで、この目的地到着判定処理は、ナビゲーション装置1に電源が投入されてナビゲーション装置1の起動処理が完了した後に、その実行が開始される。また、ナビゲーション装置1の起動処理において、制御装置20は、ナビゲーション装置1は車内に存在する移動電話機3との接続を行う。
【0029】
図4に、この目的地到着判定処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、移動電話機3が接続されているかどうかを調べ(ステップ402)、接続されていなければステップ404に進み、接続されていれば、現在メモリ19に目的地が設定されているかどうか、すなわち、経路誘導中であるかどうかを調べ(ステップ414)、目的地が設定されていなければステップ404に進む。
【0030】
一方、目的地が設定されている場合には、移動電話機3にGPS計測位置履歴の転送の要求を発行することにより、移動電話機3に記憶されているGPS計測位置履歴を取得し(ステップ416)、GPS計測位置履歴が示す移動電話機3の移動軌跡が示す、移動電話機3の目的地への最接近位置が目的地から距離Th40(たとえば、300m)以内であるかどうかを調べ(ステップ418)、距離Th40以内でなければステップ404に進む。
【0031】
一方、移動電話機3の目的地への最接近位置が目的地から距離Th40以内であれば、目的地到着と判定し(ステップ410)、目的地と推奨ルートを消去し(ステップ412)、ステップ404に進む。
また、以上のようにしてステップ404に進んだ場合には、目的地が設定されている期間中(ステップ404)、ナビゲーション装置1の現在位置が目的地から成就とした距離Th40以内となるまで(ステップ408)、現在状態算出部16が算出しメモリ19に設定したナビゲーション装置1の現在位置を取得し(ステップ406)、ナビゲーション装置1の現在位置が目的地から距離Th40以内であるかどうかを判定する(ステップ408)処理を繰り返す。
【0032】
そして、ナビゲーション装置1の現在位置が目的地から距離Th40以内となったならば、目的地到着と判定し(ステップ410)、目的地と推奨ルートを消去し(ステップ412)、ステップ404に戻る。
以上、ナビゲーション装置1の制御装置20が行う目的地到着判定処理について説明した。
以上のように本実施形態によれば、たとえば、図2bに示すように、テーマパークを目的地220として、目的地までの推奨ルート221が設定されているときに、ユーザが自動車で、推奨ルート221に沿って、テーマパーク手前の、目的地220から距離Th40超離れている駐車場240まで軌跡231のように進んで、テーマパーク内の駐車場が満車またはテーマパーク内への一般車両の進入が規制されている等の理由により当該駐車場240に駐車した後、それまでナビゲーション装置1に接続されていた移動電話機3を携帯しつつ徒歩でテーマパークを訪れた場合には、駐車場240に駐車した時点では、駐車場240が目的地220から距離Th40超離れているので、目的地到着とは判定されない。
【0033】
一方で、ユーザが自動車を駐車場240で駐車し、移動電話機3がナビゲーション装置1と切断されると、移動電話機3のGPS計測位置履歴の蓄積が開始され、ユーザが駐車場240の自動車から出発してから駐車場240の自動車に戻るまでの間の徒歩で移動した区間の移動軌跡(図中点線232で示す軌跡)が移動電話機3にGPS計測位置履歴として蓄積される。そして、ユーザが自動車に戻り移動電話機3とナビゲーション装置1が再接続された時点で、GPS計測位置履歴が移動電話機3からナビゲーション装置1に転送される。一方、ナビゲーション装置1は、このようにして移動電話機3から転送されたGPS計測位置履歴から、ユーザが徒歩等の自動車以外の他の手段で目的地221に到着したことを判定し、設定されている目的地と推奨ルートを消去する。
【0034】
よって、本実施形態によれば、ユーザが、目的地から離れた地点に自動車を駐車し、以降の目的地までの道のりを徒歩等の他の手段で進んだ場合にも、目的地到着を判定することができることとなる。
ところで、以上の実施形態では、ナビゲーション装置1との接続が切断されている期間中の移動電話機3の目的地の到着の判定を、移動電話機3に蓄積した移動電話機3の移動軌跡(GPS計測位置履歴)からナビゲーション装置1において行うようにしたが、当該目的地の到着判定は移動電話機3側で行うようにしてもよい。
【0035】
すなわち、この場合には、移動電話機3の制御部35は、図3に示す移動軌跡記憶処理に代えて図5に示す目的地到着判定代行処理を行い、ナビゲーション装置1の制御装置20は図4に示す目的地到着判定処理に代えて、図6に示す目的地到着判定処理を行うようにする。
【0036】
以下、この図5に示す目的地到着判定代行処理と、図6に示す目的地到着判定処理について説明する。
まず、図5に示す目的地到着判定代行処理について説明する。
図示するように、この目的地到着判定代行処理において、移動電話機3の制御部35は、ナビゲーション装置1から、ナビゲーション装置1において設定されている目的地の情報を伴う到着判定代行要求を受信したならば(ステップ502)、ナビゲーション装置1との接続の切断を待って(ステップ504)、以下の処理を行う。
【0037】
すなわち、ナビゲーション装置1が接続されるか(ステップ508)、GPS受信機38で計測した移動電話機3の現在位置が目的地から距離Th40(たとえば、300m)以内となるまで(ステップ514)、タイマTを用いて(ステップ506、510)、所定期間(たとえば、30秒)毎に、GPS受信機38で移動電話機3の現在位置を計測し(ステップ512)、移動電話機3の現在位置が目的地から距離Th40以内であるかどうかを判定する(ステップ514)処理を繰り返す。
【0038】
そして、ナビゲーション装置1が接続される前に(ステップ508)、移動電話機3の現在位置が目的地から距離Th40以内となった場合には(ステップ514)、目的地到着を記憶し(ステップ516)、その後のナビゲーション装置1の接続と(ステップ518)、接続したナビゲーション装置1からの判定結果転送要求の受信を待って(ステップ520)、目的地到着を判定結果としてナビゲーション装置1に転送し(ステップ522)、ステップ502からの処理に戻る。
【0039】
一方、移動電話機3の現在位置が目的地から距離Th40以内となる前に(ステップ514)、ナビゲーション装置1に接続された場合には(ステップ508)、接続したナビゲーション装置1からの判定結果転送要求の受信を待って(ステップ524)、目的地未着を判定結果としてナビゲーション装置1に転送し(ステップ526)、ステップ502からの処理に戻る。
【0040】
以上、図5に示す目的地到着判定代行処理について説明した。
次に、図6に示す目的地到着判定処理について説明する。
ここで、この図6に示す目的地到着判定処理は、図4に示した目的地到着判定処理と同様に、ナビゲーション装置1に電源が投入されてナビゲーション装置1の起動処理が完了した後に、その実行が開始される。また、ナビゲーション装置1の起動処理において、制御装置20は、ナビゲーション装置1は車内に存在する移動電話機3との接続を行う。
【0041】
さて、図6に示すように、この目的地到着判定処理において、ナビゲーション装置1の制御装置20は、まず、移動電話機3が接続されているかどうかを調べ(ステップ602)、接続されていなければステップ604に進み、接続されていれば、現在メモリ19に目的地が設定されているかどうか、すなわち、経路誘導中であるかどうかを調べ(ステップ616)、目的地が設定されていなければステップ604に進む。
【0042】
一方、目的地が設定されている場合には、移動電話機3に判定結果転送要求を発行することにより、移動電話機3から判定結果を取得し(ステップ618)、取得した判定結果が目的地到着であるかどうかを調べ(ステップ620)、判定結果が目的地到着でなく目的地未着であればステップ604に進む。
【0043】
一方、判定結果が目的地到着であれば、目的地到着と判定し(ステップ612)、目的地と推奨ルートを消去し(ステップ614)、ステップ604に進む。
また、以上のようにしてステップ604に進んだ場合には、目的地が設定されている期間中(ステップ604)、以下の処理を行う。
すなわち、目的地が設定されている期間中(ステップ604)は、ナビゲーション装置1の現在位置が目的地から距離Th40以内となるまで(ステップ610)、現在状態算出部16が算出しメモリ19に設定したナビゲーション装置1の現在位置を取得し(ステップ608)、ナビゲーション装置1の現在位置が目的地から距離Th40以内であるかどうかを判定する(ステップ610)処理を繰り返す。そして、ナビゲーション装置1の現在位置が目的地から距離Th40以内となったならば、目的地到着と判定し(ステップ612)、目的地と推奨ルートを消去し(ステップ614)、ステップ604に戻る。
【0044】
また、目的地が設定されている期間中(ステップ604)は、処理終了要求の発生を監視する(ステップ606)。ここで、ナビゲーション装置1の制御装置20は、自動車のACC電源オフが発生したならば、実行中の各処理に処理終了要求を発行し、全ての処理が終了したならば、ナビゲーション装置1の電源をオフとする。
【0045】
そして、処理終了要求が発生したならば、移動電話機3が接続中であり(ステップ622)、かつ、現在状態算出部16がメモリ19に設定しているナビゲーション装置1の現在位置と目的地との間の距離が所定距離Th31(たとえば、3km)以内である(ステップ624)かどうかを調べ、そうであれば、移動電話機3に、メモリ19に設定されている目的地の情報を伴う到着判定代行要求を送信し(ステップ626)、処理を終了する。
【0046】
以上、図6に示す目的地到着判定処理について説明した。
ところで、以上の実施形態におけるナビゲーション装置1との接続が切断されている期間中の移動電話機3の目的地の到着の判定は、次のように行うようにしてもよい。
すなわち、ナビゲーション装置1を駐車時も電源オフされずに常時稼働状態となるように設定すると共に、ナビゲーション装置1に移動電話網を用いたデータ通信を行えるデータ通信装置を設ける。そして、目的地設定中のナビゲーション装置1において、自動車の駐車中に、目的地設定中のナビゲーション装置1から切断された移動電話機3、または、予めナビゲーション装置1に登録しておいたナビゲーション装置1のユーザの移動電話機3から、移動電話網を用いたデータ通信によって、移動電話機3のGPS受信機38で計測した移動電話機3の現在位置を定期的に取得するようにする。そして、ナビゲーション装置1において、移動電話機3から取得した移動電話機3の現在位置が、目的地から距離Th40(たとえば、300m)以内となったときに、目的地到着と判定し、目的地と推奨ルートを消去するようにする。
【0047】
ここで、以上では、ナビゲーション装置1と移動電話機3とよりナビゲーションシステムを構成したが、移動電話機3に代えて、スマートフォンやPDAや携帯ゲーム機などの、現在位置算出機能を備えた任意の携帯端末を用いてナビゲーションシステムを構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…ナビゲーション装置、3…移動電話機、11…入力装置、12…表示装置、13…車両状態センサ、14…GPS受信装置、15…データ記憶部、16…現在状態算出部、17…GUI制御部、18…ルート検索部、19…メモリ、20…制御装置、21…案内画像生成部、22…移動電話機インタフェース、31…移動電話網インタフェース、32…ホストインタフェース、33…移動電話機能部、34…データ通信機能部、35…制御部、36…操作部、37…表示部、38…GPS受信機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を設定すると共に、当該設定した目的地までの経路を探索して推奨ルートとして設定し、当該設定した推奨ルートに沿った走行を案内する、自動車に搭載されたナビゲーション装置と、当該ナビゲーション装置に選択的に接続される携帯端末とを有するナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末は、
当該携帯端末の現在位置を算出する現在位置算出部と、
前記現在位置算出部で算出した当該携帯端末の現在位置の履歴を移動情報として記憶する履歴記憶部とを有し、
前記ナビゲーション装置は、
当該ナビゲーション装置の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
目的地到着を検出し、当該目的地到着が検出されたときに前記目的地と前記推奨ルートとの設定とをクリアする目的地到着判定部とを有し、
前記ナビゲーション装置の目的地到着判定部は、
前記ナビゲーション装置の現在位置算出手段が算出した現在位置と前記目的地との間の距離が所定距離以内となったときに、前記目的地到着を検出する第1目的地到着検出手段と、
当該ナビゲーション装置の起動時に、前記ナビゲーション装置に接続されている携帯端末から当該携帯端末に記憶されている前記移動情報を取得し、取得した移動情報が示す前記携帯端末の現在位置の履歴が、当該携帯端末が前記目的地に予め定めた距離以内に接近したことを表している場合に、前記目的地到着を検出する第2目的地到着検出手段とを有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
目的地を設定すると共に、当該設定した目的地までの経路を探索して推奨ルートとして設定し、当該設定した推奨ルートに沿った走行を案内する、自動車に搭載されたナビゲーション装置と、当該ナビゲーション装置に選択的に接続される携帯端末とを有するナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末は、
当該携帯端末の現在位置を算出する現在位置算出部と、
当該携帯端末に前記ナビゲーション装置から転送された目的地に前記現在位置算出部で算出した当該携帯端末の現在位置が予め定めた距離以内に接近したときに、目的地到着を判定結果として記憶する到着判定代行部とを有し、
前記ナビゲーション装置は、
当該ナビゲーション装置の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
目的地到着を検出し、当該目的地到着が検出されたときに前記目的地と前記推奨ルートとの設定とをクリアする目的地到着判定部と、
前記ナビゲーション装置に接続されている携帯端末に設定されている目的地を転送する目的地転送部とを有し、
前記ナビゲーション装置の目的地到着判定部は、
前記ナビゲーション装置の現在位置算出手段が算出した現在位置と前記目的地との間の距離が所定距離以内となったときに、前記目的地到着を検出する第1目的地到着検出手段と、
当該ナビゲーション装置の起動時に、前記ナビゲーション装置に接続されている携帯端末から当該携帯端末に記憶されている前記判定結果を取得し、取得した判定結果が目的地到着である場合に、前記目的地到着を検出する第2目的地到着検出手段とを有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
目的地を設定すると共に、当該設定した目的地までの経路を探索して推奨ルートとして設定し、当該設定した推奨ルートに沿った走行を案内する、自動車に搭載された、携帯端末を接続可能なナビゲーション装置であって、
当該ナビゲーション装置の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
目的地到着を検出し、当該目的地到着が検出されたときに前記目的地と前記推奨ルートとの設定とをクリアする目的地到着判定部とを有し、
前記ナビゲーション装置の目的地到着判定部は、
前記ナビゲーション装置の現在位置算出手段が算出した現在位置と前記目的地との間の距離が所定距離以内となったときに、前記目的地到着を検出する第1目的地到着検出手段と、
当該ナビゲーション装置の起動時に、前記ナビゲーション装置に接続されている携帯端末から当該携帯端末に記憶されている当該携帯端末の現在位置の履歴を取得し、当該携帯端末の現在位置の履歴が、当該携帯端末が前記目的地に予め定めた距離以内に接近したことを表している場合に、前記目的地到着を検出する第2目的地到着検出手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
目的地を設定すると共に、当該設定した目的地までの経路を探索して推奨ルートとして設定し、当該設定した推奨ルートに沿った走行を案内する、自動車に搭載されたナビゲーション装置であって、
当該ナビゲーション装置の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
目的地到着を検出し、当該目的地到着が検出されたときに前記目的地と前記推奨ルートとの設定とをクリアする目的地到着判定部とを有し、
前記ナビゲーション装置の目的地到着判定部は、
前記ナビゲーション装置の現在位置算出手段が算出した現在位置と前記目的地との間の距離が所定距離以内となったときに、前記目的地到着を検出する第1目的地到着検出手段と、
前記自動車の駐車中に、移動通信網を介した通信によって、当該ナビゲーション装置のユーザの携帯端末から当該携帯端末の現在位置を取得し、取得した携帯端末の現在位置が前記目的地に予め定めた距離以内に接近している場合に、前記目的地到着を検出する第2目的地到着検出手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1または2記載のナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末は、移動電話であることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項3または4記載のナビゲーション装置であって、
前記携帯端末は、移動電話であることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−169669(P2011−169669A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32099(P2010−32099)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】