説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置

【課題】投稿された交通情報のうち、古い情報を速やかに消去できるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーションシステム1は、地図上のスポットの交通情報に関して投稿された投稿交通情報を配信するサーバ10と、地図に現在位置を表示して経路を案内するナビゲーション装置20と、を備え、ナビゲーション装置20は、現在位置の周辺のスポットについて投稿されている投稿交通情報をサーバ10から取得し地図上に表示する投稿交通情報取得表示手段31,24と、現在位置の周辺について配信されている配信交通情報を受信する配信交通情報受信手段32と、投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態を配信交通情報に基づいて判定し、当該判定の結果に応じて投稿交通情報を地図上から消去する表示消去手段33とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上のスポットに関して投稿された交通情報を利用したナビゲーションシステム及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図上のスポットの施設に関し、多くのユーザが任意にコメントを投稿し、他の者が参照できるようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムによれば、至る所の情報がリアルタイムに収集され、他のユーザに配信できる。
またナビゲーション装置では、施設に関して投稿されたコメントを利用する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−285645号公報
【特許文献2】特開2010−164385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ナビゲーション装置においては、現在位置の周辺の交通情報を含むVICS(登録商標)データを受信し、周辺の渋滞情報や事故等を経路案内に供する地図上に表示するものがあるが、VICSでは、情報の更新間隔や提供地域が限られてしまう。
そこで、スポットの交通情報についてユーザが投稿したものを利用して地図に交通情報を表示するようにすれば、リアルタイムに、かつ多くの地域の交通情報を収集できる。
しかしながら、ユーザの投稿は、渋滞や事故の発生についてリアルタイム性に優れるものの、渋滞や事故が解消し既に過去の事象となった古い情報も残存することがあり、現状とは違う古い交通情報が地図上に表示される、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、投稿された交通情報のうち、古い情報を速やかに消去できるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、地図上のスポットの交通情報に関して投稿された投稿交通情報を配信するサーバと、地図に現在位置を表示して経路を案内するナビゲーション装置と、を備え、前記ナビゲーション装置は、現在位置の周辺のスポットについて投稿されている投稿交通情報を前記サーバから取得し前記地図上に表示する投稿交通情報取得表示手段と、現在位置の周辺について配信されている配信交通情報を受信する配信交通情報受信手段と、前記投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態を前記配信交通情報に基づいて判定し、当該判定の結果に応じて前記投稿交通情報を前記地図上から消去する表示消去手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
上記構成において、前記ナビゲーション装置は、前記投稿交通情報を前記サーバに投稿する投稿手段を備え、前記サーバが配信する投稿交通情報と同一のスポット、及び同種の交通情報を含む投稿交通情報については投稿を禁止してもよい。
【0007】
上記構成において、前記ナビゲーション装置は、前記サーバが配信する投稿交通情報のうち、自身の装置から投稿した投稿交通情報に限り、同一のスポットについて同種の交通情報を投稿可能にしてもよい。
【0008】
上記構成において、前記投稿交通情報は、前記地図上のスポットの施設に関する施設情報を含み、前記ナビゲーション装置は、前記投稿交通情報の施設情報が示す施設が前記地図上の該当のスポットに無い事を条件に前記施設情報を表示してもよい。
【0009】
また、本発明は、地図に現在位置を表示して経路を案内するナビゲーション装置において、地図上のスポットの交通情報に関して投稿された投稿交通情報を配信するサーバから、現在位置の周辺のスポットについて投稿されている投稿交通情報を取得し前記地図上に表示する投稿交通情報表示手段と、現在位置の周辺について配信されている配信交通情報を受信する配信交通情報受信手段と、前記投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態を前記配信交通情報に基づいて判定し、当該判定の結果に応じて前記投稿交通情報を前記地図上から消去する表示消去手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態を配信交通情報に基づいて判定し、当該判定の結果に応じて投稿交通情報を地図上から消去するため、現在の交通状態と齟齬がある古い投稿交通情報を速やかに地図上から消去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】投稿交通情報消去処理を示すフローチャートである。
【図3】投稿交通情報表示画面を示す図である。
【図4】投稿交通情報を表示した投稿交通情報表示画面を示す図である。
【図5】投稿交通情報表示画面を示す図であり、(A)は地図上にない施設に関する投稿交通情報を表示する画面を示す図、(B)は投稿交通情報の施設が地図に反映された画面を示す図である。
【図6】投稿交通情報投稿処理を示すフローチャートである。
【図7】同一の装置から同一のスポット及び同種の投稿交通情報を投稿した場合の投稿交通情報表示の説明図である。
【図8】投稿交通情報表示画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、ナビゲーション装置として、車両に搭載される車載型のナビゲーション装置(いわゆる、カーナビゲーション装置)について例示する。
図1は、本実施の形態に係るナビゲーションシステムの機能的構成を示すブロック図である。
ナビゲーションシステム1は、サーバ10と、車両2に搭載されるナビゲーション装置20とを備えて構成され、サーバ10とナビゲーション装置20はインターネット等のネットワーク3を介して相互に通信可能である。
【0013】
サーバ10は、サーバ制御部11と、サーバ通信部12と、サーバ記憶部13とを備えている。サーバ制御部11は、地図上のスポットの交通情報に関して投稿された投稿交通情報を配信する情報共有機能のための処理を実行する。情報共有機能には、例えばtwitter等を用いることができる。サーバ通信部12は、サーバ制御部11の制御の下、投稿交通情報を受信し、サーバ制御部11に出力する。また、サーバ通信部12は、サーバ制御部11の制御の下、ナビゲーション装置20に投稿交通情報を送信する。サーバ記憶部13には、サーバ制御部11の制御の下、サーバ通信部12が受信した投稿交通情報を格納する投稿交通情報データベースが記憶されている。
【0014】
ナビゲーション装置20は、絶対位置・方位検出部21と、相対方位検出部22と、車速検出部23と、表示部(投稿交通情報表示手段)24と、操作部25と、記憶部26と、音声入力部27と、音声認識部28と、音声再生部29と、スピーカ30と、通信部31(投稿交通情報取得手段)と、VICSデータ受信部(配信交通情報受信手段)32と、制御部33とを備えている。
絶対位置・方位検出部21は、アンテナを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両2の現在位置を示す位置座標と進行方向とを演算により取得し、制御部33に出力する。相対方位検出部22は、図示しないジャイロセンサを備え、ジャイロセンサにより検出した車両2の相対的な方位情報を制御部61へ出力する。車速検出部23は、車両2より得られる車速パルスを処理して、車両2の速度を制御部33に出力する。
【0015】
表示部24は、制御部33の下、ナビゲーション装置20の操作画面、ナビゲーションのための地図や現在位置、経路等を示すナビゲーション画面、投稿交通情報を示す投稿交通情報表示画面等の各種の情報を表示するものであり、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備えている。操作部25は、運転者等のユーザの指示操作を受け付け、ナビゲーション装置20に配設される複数の操作子や、表示部24が備えるディスプレイ装置に設けられたタッチパネル(不図示)を備えている。なお、操作部25は、ナビゲーション装置20をリモートコントローラ等により遠隔操作可能に構成されてもよい。
【0016】
記憶部26は、例えばCD−ROMドライブやDVD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、SDカード、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置であり、制御部33の制御の下、ナビゲーションに使用される地図データや、施設の場所を含む施設データ、経路案内等のガイド音声データ等の各種のデータを記憶する。音声入力部27は、ユーザの音声を受音する例えばマイクを含んで構成され、ユーザの音声データを制御部33に出力する。本実施の形態では、操作部25が備えるトークスイッチ(発話ボタンとも言う)(不図示)が操作された場合に、制御部33への音声入力が許可される。
【0017】
音声認識部28は、制御部33の制御の下、音声入力部27から入力された音声データに対して音声認識処理を施し、音声データを文字に変換し、生成した文字を制御部33に出力する。音声再生部29は、制御部33の制御の下、ガイド音声データ等にデコード処理などの再生に必要な各種処理を施してデジタル音声信号を生成し、生成したデジタル信号をデジタルアナログ変換し、アンプにより増幅してスピーカ30から音声出力させる。通信部31は、制御部33の制御の下、ネットワーク3を介してサーバ10と通信する。
【0018】
VICSデータ受信部32は、VICSセンタ4から送信されているVICSデータ(配信交通情報)を受信して制御部33に出力する。VICSデータは、道路沿いに一定間隔で設けられたビーコンや、FM多重放送といった各種の配信形態を通じて送信されており、VICSデータ受信部32は、少なくとも1つ以上の配信形態のVICSデータを受信する。このVICSデータは、車両が走行している地域の交通情報を含むものであり、このVICSデータを受信することで、走行地域の交通情報を取得できる。
【0019】
制御部33は、ナビゲーション装置20の各部の制御や、ナビゲーション機能のための処理、情報共有機能のための処理とった各種の処理を実行するものであり、例えばCPUやROM、RAM等を備えている。制御部33は、絶対位置・方位検出部21と相対方位検出部22との検出結果に基づき車両2の現在位置及び進行方向を特定し、現在位置周辺の地図を表示させる。また、制御部33は、経路案内アプリケーションを実行することにより、目的地あるいは目的地を設定するための情報が入力された場合、目的地までの案内経路あるいは目的地に至り出発地に戻る案内経路を探索し、地図上に表示して目的地まであるいは目的地を経由して出発地に戻る経路案内処理を実行する。
【0020】
さらに、制御部33は、例えばtwitter等の情報共有機能を実現する情報共有アプリケーションを実行することにより、現在位置の周辺のスポットについて投稿されている投稿交通情報を、通信部31を介してサーバ10から取得し、表示部24の地図上に表示する。これらの通信部31及び表示部24は、本実施の形態の投稿交通情報取得表示手段を構成している。
投稿交通情報は、ナビゲーション装置20の他、携帯電話、パソコン等のネットワーク3に接続可能な端末から投稿される。投稿交通情報には、地図上のスポットにおける事故や渋滞等の交通情報、地図上のスポットの施設に関する施設情報等が含まれる。なお、本実施の形態の交通情報には、花火大会や万博、桜情報等の地域情報も含まれるものとする。さらに、投稿交通情報には、情報の位置を示す位置情報が付加されている。
【0021】
ところで、サーバ10から取得した投稿交通情報の全てを地図上に表示すると、現状と異なる古い投稿交通情報が表示されたり、投稿交通情報が多い場合には地図が見づらくなったりするおそれがある。
そこで、本実施の形態では、制御部33は、投稿交通情報を消去する投稿交通情報消去処理を実行し、表示消去手段として機能する。
【0022】
図2は、投稿交通情報消去処理を示すフローチャートである。
制御部33は、情報共有アプリケーションを起動する操作がされると、投稿交通情報表示画面を表示し、投稿交通情報の更新まで待機する(ステップS1)。ここで、投稿交通情報表示画面を図3に示す。投稿交通情報表示画面40は、投稿交通情報を地図上に表示するとともに、投稿交通情報を投稿するための画面であり、この投稿交通情報表示画面40には、地図41と、現在位置42と、更新ボタン43と、投稿ボタン44とが表示される。本実施の形態では、更新ボタン43が操作されることにより、投稿交通情報が更新されることとなる。なお、投稿交通情報の更新は、所定時間毎、又は車両2の所定移動距離毎に自動で行われてもよい。
【0023】
更新ボタン43が操作される等して投稿交通情報の更新タイミングになると(ステップS1:Yes)、制御部33は、投稿交通情報の表示エリアをサーバ10に送信し(ステップS2)、表示エリア内のスポットの位置情報を有する投稿交通情報をサーバ10から受信する(ステップS3)。ここで、投稿交通情報の表示エリアは、地図の表示エリアと同一であってもよいし、現在位置から所定の距離の範囲であってもよい。次いで、制御部33は、受信した投稿交通情報が施設情報を含むか否か判定する(ステップS4)。
【0024】
投稿交通情報が施設情報を含まない場合(ステップS4:No)、制御部33は、投稿交通情報の交通情報が解消しているか否か判定する(ステップS5)。例えば、制御部33は、投稿交通情報の位置情報を有するVICSデータを受信していなければ、投稿交通情報の交通情報が解消していないと判定する。投稿交通情報の位置情報を有するVICSデータを受信している場合、制御部33は、投稿交通情報の交通情報と、この投稿交通情報の位置情報を有するVICSデータの交通情報とを比較し、種別(例えば、事故、渋滞、地域情報等)が異なれば投稿交通情報の交通情報が解消していないと判定する。また、投稿交通情報及びVICSデータの交通情報の種別が同一である場合、制御部33は、投稿交通情報の投稿時刻がVICSデータの受信時刻以前であれば投稿交通情報の交通情報が解消していると判定する。一方、制御部33は、投稿交通情報の投稿時刻がVICSデータの受信時刻よりも後であれば投稿交通情報の交通情報が解消していないと判定する。交通情報が地域情報を含む場合には、制御部33は、例えば地域情報に含まれる期間(例えば、開催期間等)が終了していれば投稿交通情報の交通情報が解消していると判定する。一方、制御部33は、地域情報に含まれる期間が終了していなければ投稿交通情報の交通情報が解消していいないと判定する。
【0025】
投稿交通情報の交通情報が解消している場合(ステップS5:Yes)、制御部33は、解消した交通情報を含む受信した投稿交通情報を消去する(ステップS6)。このように、投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態をVICSデータに基づいて判定し、判定の結果に応じて投稿交通情報を消去するため、現在の交通状態と異なる古い投稿交通情報を地図上から消去できる。
そして、制御部33は、ステップ6で消去されなかった投稿交通情報を投稿交通情報表示画面に表示し(ステップS7)、処理をステップS1に戻す。制御部33は、投稿交通情報を投稿交通情報表示画面に表示する際に、例えば図4に示すように、投稿交通情報を小窓45によりポップアップ表示する。
投稿交通情報の交通情報が解消していない場合(ステップS5:No)、制御部33は、処理をステップS7に移行する。
【0026】
投稿交通情報が施設情報を含む場合(ステップS4:Yes)、制御部33は、投稿交通情報の施設情報が示す施設が地図上の該当のスポットに有るか否か判定する(ステップS8)。
投稿交通情報の施設情報が示す施設が地図上の該当のスポットに無い場合(ステップS8:No)、制御部33は、処理をステップS7に移行する。
投稿交通情報の施設情報が示す施設が地図上の該当のスポットに有る場合(ステップS8:Yes)、制御部33は、地図上の該当のスポットに有る施設情報を含む受信した投稿交通情報を消去し(ステップS6)、処理をステップS7に移行する。
【0027】
例えば、図5(A)に示すように、地図41に反映されていない施設(例えば、充電スポット)に関して投稿交通情報が投稿された場合には、投稿された投稿交通情報が小窓45によりポップアップ表示される。その後、図5(B)に示すように、地図データが更新されて地図41に投稿交通情報が示す施設46(充電スポット)が反映された場合には、施設46に関する投稿交通情報が消去されることとなる。このように、投稿交通情報の施設情報が示す施設が地図上の該当のスポットに有る場合に施設情報を消去するため、重複する情報が地図上に表示されることを防止でき、地図を見やすくできる。
【0028】
次に、ナビゲーション装置20から投稿交通情報を投稿する投稿処理について説明する。
図6は、投稿交通情報の投稿処理を示すフローチャートである。
図3に示す投稿ボタン44が操作されると、制御部33は、投稿交通情報の投稿処理を実行し、投稿手段として機能する。
まず、制御部33は、例えば投稿交通情報表示画面に事故、渋滞、地域情報、施設情報といった種別のリストを表示し、投稿交通情報のカテゴリの選択を受け付ける(ステップS11)。
【0029】
次いで、制御部33は、位置情報の入力を受け付ける(ステップS12)。位置情報の入力は、例えばユーザが投稿交通情報表示画面の地図上のスポットを選択することにより行われる。次に、制御部33は、投稿文の入力を受け付ける(ステップS13)。このとき、例えば、記憶部26に予め記憶しておいた投稿定型文のリストを表示部24に表示し、操作部25を介して選択された投稿定型文を投稿文とすればよい。また、表示部24にキーボードを表示する等し、操作部25を介して受け付けた文字列を投稿文としてもよい。さらに、発話を促すガイド音声の再生又は画面表示を行い、音声入力部27から受け付けたユーザの音声データを投稿文としてもよいし、受け付けた音声データを文字に変換し、その文字を投稿文としてもよい。
【0030】
そして、制御部33は、投稿交通情報の表示エリアをサーバ10に送信し(ステップS14)、表示エリア内のスポットの位置情報を有する投稿交通情報をサーバ10から受信する(ステップS15)。次いで、制御部33は、入力された投稿文が、受信した投稿交通情報と同一のスポット、及び同種別の情報を含むか否か判定する(ステップS16)。
投稿文が、受信した投稿交通情報と同一のスポット、及び同種別の情報を含まない場合(ステップS16:No)、制御部33は、投稿文を投稿交通情報として投稿し(ステップS17)、処理を終了する。
【0031】
投稿文が、受信した投稿交通情報と同一のスポット、及び同種別の情報を含む場合(ステップS16:Yes)、制御部33は、受信した投稿交通情報が自身の投稿か否か判定する(ステップS18)。
受信した投稿交通情報が自身の投稿でない場合(ステップS18:No)、制御部33は、投稿文を消去し、処理を終了する。このように、サーバ10が配信する投稿交通情報と同一のスポット、及び同種の情報を含む投稿交通情報については投稿を禁止するため、一のスポットに関して内容が重複した投稿交通情報が投稿されることを防止できる。
【0032】
受信した投稿交通情報が自身の投稿の場合(ステップS18:Yes)、制御部33は、投稿文と同一のスポット、及び同種別の情報を含む投稿交通情報をサーバ10の投稿交通情報データベースから削除するとともに(ステップS19)、処理をステップS17に移行して、投稿文を投稿交通情報として投稿する。例えば、図4に示すように、ナビゲーション装置20から地図41上のスポットAに関して「事故だよ」という投稿交通情報を投稿した場合には、その後、ナビゲーション装置20からは、「事故だよ」という投稿交通情報をサーバ10から削除した上で、図7に示すように、スポットAに関して「事故で渋滞中」という投稿交通情報を投稿できる。このように、自身の装置から投稿した投稿交通情報に限り、同一のスポットについて同種の交通情報を投稿可能にしたため、最新の情報を投稿できる。しかも、古い自身の投稿交通情報を削除するため、一のスポットに関して内容が重複した投稿交通情報が投稿されることを防止できる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態によれば、投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態をVICSデータに基づいて判定し、当該判定の結果に応じて投稿交通情報を地図上から消去する構成とした。この構成により、現在の交通状態と齟齬がある古い投稿交通情報を速やかに地図上から消去することができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、ナビゲーション装置20は、投稿交通情報をサーバ10に投稿する制御部33を備え、サーバ10が配信する投稿交通情報と同一のスポット、及び同種の交通情報を含む投稿交通情報については投稿を禁止する構成とした。この構成により、一のスポットに関して交通情報が重複する投稿交通情報が投稿されることを防止できる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、ナビゲーション装置20は、サーバ10が配信する投稿交通情報のうち、自身の装置から投稿した投稿交通情報に限り、同一のスポットについて同種の交通情報を投稿可能にする構成とした。この構成により、自身の装置からは、同一のスポット及び同種の交通情報について、最新の情報を投稿できる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、投稿交通情報は、地図上のスポットの施設に関する施設情報を含み、ナビゲーション装置20は、投稿交通情報の施設情報が示す施設が地図上の該当のスポットに無い事を条件に施設情報を表示する構成とする。この構成により、投稿交通情報の施設情報が示す施設が地図上の該当のスポットに有る場合には、地図上の施設と重複する施設情報を地図上から消去できる。
【0037】
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、図2のステップS6において、投稿元(例えば、ナビゲーション装置、携帯電話、パソコン)に係わらず投稿交通情報を消去していたが、投稿元を限定し、例えば、ナビゲーション装置から投稿された投稿交通情報のみを消去するようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、VICSセンタが配信するVICSデータ(配信交通情報)を受信することにより、現在位置の周辺の交通情報を取得していたが、VICSに限らず、交通情報提供システム(AMIS)やインターネットを介して現在位置の周辺の配信交通情報を取得してもよい。
【0039】
また、上記実施の形態では、投稿交通情報を小窓により地図上にポップアップ表示していたが、投稿交通情報の表示形態はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、投稿交通情報表示画面40を地図画面40Aと投稿交通情報画面40Bとに分割し、地図画面40Aにユーザ特有のアイコン47を表示し、投稿交通情報画面40Bの情報表示部48に、アイコン47と、アイコン47が示すユーザが投稿した投稿交通情報とを表示してもよい。ここで、情報表示部48に表示する投稿交通情報の投稿数が多い場合、或いは、投稿交通情報の内容が多い場合には、情報表示部48をスクロール可能に構成してもよい。なお、符号49A〜49Dは、投稿交通情報の種別を選択するための種別選択ボタンであり、種別選択ボタン49A〜49Dを操作することにより、操作した種別選択ボタン49A〜49Dに対応する種別の投稿交通情報が情報表示部48に表示される。
【0040】
また、本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置に限らず、任意の船舶や航空機等の乗り物に搭載されるナビゲーション装置に広く適用でき、また車載型に限らず、人が携帯する携帯型とすることもできる。
【符号の説明】
【0041】
1 ナビゲーションシステム
10 サーバ
20 ナビゲーション装置
24 表示部(投稿交通情報表示手段)
25 操作部
27 音声入力部
32 VICSデータ受信部(配信交通情報受信手段)
31 通信部(投稿交通情報取得手段)
33 制御部(表示消去手段、投稿手段)
41 地図
42 現在位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上のスポットの交通情報に関して投稿された投稿交通情報を配信するサーバと、
地図に現在位置を表示して経路を案内するナビゲーション装置と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
現在位置の周辺のスポットについて投稿されている投稿交通情報を前記サーバから取得し前記地図上に表示する投稿交通情報取得表示手段と、
現在位置の周辺について配信されている配信交通情報を受信する配信交通情報受信手段と、
前記投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態を前記配信交通情報に基づいて判定し、当該判定の結果に応じて前記投稿交通情報を前記地図上から消去する表示消去手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置は、
前記投稿交通情報を前記サーバに投稿する投稿手段を備え、
前記サーバが配信する投稿交通情報と同一のスポット、及び同種の交通情報を含む投稿交通情報については投稿を禁止する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、
前記サーバが配信する投稿交通情報のうち、自身の装置から投稿した投稿交通情報に限り、同一のスポットについて同種の交通情報を投稿可能にする
ことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記投稿交通情報は、前記地図上のスポットの施設に関する施設情報を含み、
前記ナビゲーション装置は、前記投稿交通情報の施設情報が示す施設が前記地図上の該当のスポットに無い事を条件に前記施設情報を表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
地図に現在位置を表示して経路を案内するナビゲーション装置において、
地図上のスポットの交通情報に関して投稿された投稿交通情報を配信するサーバから、現在位置の周辺のスポットについて投稿されている投稿交通情報を取得し前記地図上に表示する投稿交通情報表示手段と、
現在位置の周辺について配信されている配信交通情報を受信する配信交通情報受信手段と、
前記投稿交通情報が投稿されているスポットでの交通状態を前記配信交通情報に基づいて判定し、当該判定の結果に応じて前記投稿交通情報を前記地図上から消去する表示消去手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−247273(P2012−247273A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118438(P2011−118438)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】