説明

ナビゲーションシステム

【課題】車両の通過予測時刻における予測交通情報を利用することができ、車載装置において渋滞を回避可能な経路を探索することができるようにする。
【解決手段】設定した目的地52までの経路を探索して案内を行うナビゲーションシステムであって、探索データ及びエリアに関する情報を含む地図データと交通情報とを格納する記憶装置と、前記目的地52までの複数の経路を探索し、該経路が所定エリアを通過する場合、該所定エリア内のリンクについて通過予測時刻を算出する探索処理部と、前記所定エリア内のリンクについて、前記交通情報に基づいて、前記通過予測時刻における予測交通情報を作成する予測処理部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に搭載されたナビゲーション装置においては、運転者等の操作者が所定の入力部を操作して目的地を設定すると、該目的地、及び、現在位置検出処理部によって検出された車両の現在位置に基づいて、該現在位置から目的地までの経路が探索され、探索された経路が案内される。この場合、前記現在位置から目的地までの距離が最短となるように経路を探索したり、所要時間が最短となるように経路を探索するようになっている。
【0003】
また、道路の渋滞情報を受信して渋滞区間を避けた最適な経路を探索することができるように、交通情報をナビゲーション装置に送信するシステムも提供されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、サーバにおいて複数の経路を探索し、該経路が含まれる地図メッシュ毎の交通情報をナビゲーション装置に送信するようになっている。そして、該ナビゲーション装置は、受信した交通情報に基づいて、所要時間が最短となるように経路を探索するようになっている。
【特許文献1】特開2004−85486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のシステムにおいて、ナビゲーション装置が受信することができる交通情報は現況の情報であった。そのため、前記交通情報を利用して経路探索を行っても現在位置から遠い場所の情報については、車両が実際に通過する時には、交通状況が変化しており、所要時間が最短となる経路を必ずしも探索することができなかった。ナビゲーション装置に予測交通情報を送信する場合には、車両の通過時刻に対応する予測交通情報を送信する必要がある。
【0005】
本発明は、前記従来のシステムの問題点を解決して、車両の通過予測時刻における予測交通情報を利用することができ、車載装置において渋滞を回避可能な経路を探索することができるナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明のナビゲーションシステムにおいては、設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーションシステムであって、探索データ及びエリアに関する情報を含む地図データと交通情報とを格納する記憶装置と、前記目的地までの複数の経路を探索し、該経路が所定エリアを通過する場合、該所定エリア内のリンクについて通過予測時刻を算出する探索処理部と、前記所定エリア内のリンクについて、前記交通情報に基づいて、前記通過予測時刻における予測交通情報を作成する予測処理部とを有する。
【0007】
本発明の他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記予測処理部は、前記交通情報データベースに格納されたリンク旅行時間パターンに基づいて予測リンク旅行時間パターンを作成し、該予測リンク旅行時間パターンに基づいて予測交通情報を作成する。
【0008】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記探索処理部は、前記所定エリア内における平均車速を算出し、前記所定エリア内における前記経路上以外のリンクについて、所定の点からの距離を算出し、前記平均車速及び距離に基づいて、前記所定エリア内における前記経路上以外のリンクについて通過予測時刻を算出する。
【0009】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記探索処理部は、前記経路における前記所定エリア内を通過する部分の距離の合計、及び、前記部分の所要時間の合計に基づいて、前記平均車速を算出する。
【0010】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記所定の点は、前記経路の前記所定エリアへの進入ポイントである。
【0011】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記所定エリアは、あらかじめ指定されて登録されたエリアである。
【0012】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、車載装置へ予測交通情報を配信するサーバと、該サーバから配信された予測交通情報を使用して目的地までの経路を探索する車載装置とを有するナビゲーションシステムであって、前記サーバは、探索データ及びエリアに関する情報を含む地図データと交通情報とを格納する記憶装置、前記目的地までの複数の経路を探索し、該経路が所定エリアを通過する場合、該所定エリア内のリンクについて通過予測時刻を算出する探索処理部、及び、前記所定エリア内のリンクについて、前記交通情報に基づいて、前記通過予測時刻における予測交通情報を作成する予測処理部を備え、作成された前記予測交通情報を前記車載装置へ配信し、該車載装置は、探索データを含む地図データを格納する記憶装置を備え、前記サーバから配信された前記予測交通情報を使用して、前記目的地までの経路を探索する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、サーバが経路探索に有効な情報を配信するようになっている。そのため、車載装置において渋滞を回避可能な経路を探索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図2は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【0016】
図において、11はサーバとしての情報提供サーバであり、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備えるコンピュータの中に構成される。
【0017】
そして、31はユーザとしての操作者によって操作される車載装置であり、乗用車、トラック、バス、オートバイ等の車両に搭載される。なお、車載装置は、実際には多数であるが、本実施の形態においては、説明の都合上、前記車載装置31で代表する。また、前記操作者は、例えば、前記車両の運転者、同乗者等であるが、いかなる者であってもよい。
【0018】
なお、前記車載装置31は、CPU、MPU等の演算装置、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶装置、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、CRT等の表示装置、キーボード、ジョイスティック、十字キー、押しボタン、リモートコントローラ、タッチパネル等の入力装置、前記表示装置を制御する表示制御装置、及び、通信インターフェイス等の送受信部を備える。前記車載装置31は、例えば、ナビゲーション装置であるが、出発地から目的地までの経路を探索する機能を有するものであれば、いかなるものであってもよい。
【0019】
さらに、前記車載装置31は、図示されない現在位置検出装置を有する。該現在位置検出装置は、前記車載装置31が、例えば、ナビゲーション装置である場合、一般的には、GPS(Global Positioning System)、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、ビーコンセンサ、ジャイロセンサ等によって現在位置を検出する。
【0020】
なお、本実施の形態においては、車載装置31がナビゲーション装置である場合について説明する。この場合、前記車載装置31は、通常のナビゲーション装置と同様に、探索データを含む地図データを格納する記憶装置を備え、施設や地点を検索する検索機能、及び、設定した目的地までの経路を探索する探索機能を有する。該探索機能によって、前記車載装置31は、交通情報を利用して交通規制及び渋滞を回避する経路探索としてのDRG(Dynamic Route Guidance)を行うことができるようになっている。
【0021】
ここで、前記情報提供サーバ11と車載装置31とは、図示されないネットワークを介して相互に通信可能に接続される。
【0022】
そして、本実施の形態におけるナビゲーションシステムは、前記情報提供サーバ11と車載装置31とによって構成される。この場合、前記操作者は、あらかじめ前記ナビゲーションシステムに登録され、登録IDを所有する者であることが望ましい。また、前記車載装置31も登録されていることが望ましい。
【0023】
ここで、前記情報提供サーバ11は、機能の観点から、予測交通情報としての渋滞予測情報を作成するために必要なデータを格納するデータ部12、及び、該データ部12にアクセスして必要なデータを取得して渋滞予測情報を作成するための処理を行う処理部21を有する。なお、前記データ部12は、交通情報データベース13及びエリア定義データベース14を備える。
【0024】
そして、前記交通情報データベース13は、例えば、VICS(Vehicle Information & Communication System)(R)と称される道路交通情報通信システムにおいて、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の道路交通情報を格納する。この場合、過去に作成された道路の渋滞等に関する情報も統計的渋滞情報として蓄積される。さらに、前記交通情報データベース13は、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報も格納する。この場合、該統計的渋滞情報や渋滞予測情報は、後述されるVICS(R)リンクに対応付けられていることが望ましい。さらに、前記交通情報データベース13は、あらかじめ登録された多数の操作者から提供された情報を格納するものであってもよい。この場合、該情報は、例えば、道路渋滞情報、交通取り締まり情報、交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。さらに、前記交通情報データベース13は、過去において蓄積されたリンク旅行時間パターンも格納する。
【0025】
また、前記エリア定義データベース14は、地図を適切な大きさに分割したエリアであって、あらかじめ指定されたエリアを定義するためのテーブルを格納する。前記エリアは、例えば、いわゆる、二次メッシュに基づいて地図を分割したものである。ここで、前記二次メッシュは、「JIS X 0410−1976 地域メッシュコード」に規定される統合地域メッシュにおける10倍地域メッシュである。なお、前記VICS(R)情報は、各二次メッシュ内の交通情報を規定する情報であり、各二次メッシュ内において道路の上下線別にユニークなVICS(R)リンクIDが付与されている。そして、前記エリアのうちからあらかじめ指定されたエリアが、後述される指定エリア55として登録される。
【0026】
さらに、前記エリアは、任意に設定することもできる。例えば、首都高速道路のような都市高速道路を含む地域を、都市高速道路の粗密に応じて任意の大きさに分割して、前記エリアとすることができる。また、例えば、都市の中心部のような地域を、渋滞が頻発する駅周辺のエリアとその他のエリアとに分割して設定することもできる。
【0027】
なお、前記エリア定義データベース14は、各エリアに含まれるリンクに関する情報も格納する。ここで、リンクとは、道路を構成する単位であり、通常、三叉(さ)路以上の交差点を境界にして区切られている。そして、通常のナビゲーション装置においては、道路を構成するそれぞれのリンク、すなわち、道路リンクを識別する識別番号としての道路リンクIDが付与される。さらに、前記リンクに関する情報は、VICS(R)リンクIDも含むことが望ましい。この場合、前記道路リンクとVICS(R)リンクとは同一のものではないので、前記エリア定義データベース14は、道路リンクIDと前記VICS(R)リンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を備えることが望ましい。
【0028】
また、前記情報提供サーバ11は、記憶装置に経路を探索するために必要な探索データを含む地図データを格納する。例えば、前記データ部12に日本全国のすべての地図データを格納することが望ましい。該地図データは、交差点データ、ノードデータ等のような経路を探索するために必要な探索データを含むものである。なお、前記地図データには、すべての道路のリンクに関する情報も含まれている。さらに、前記データ部12は、出発地、目的地、通過点等となる地点を検索するための施設データ、タウンページデータ、イベントデータ等を含むPOI(Point of Interest)データを格納することが望ましい。
【0029】
そして、前記交通情報データベース13、エリア定義データベース14等が格納される情報提供サーバ11の記憶手段は、情報提供サーバ11の内部記憶媒体であってもよいし、外部記憶媒体であってもよい。
【0030】
また、前記処理部21は、入力処理部22、検索処理部23、探索処理部24、表示処理部25及び予測処理部26を備える。ここで、前記入力処理部22は、前記車載装置31から受信したDRG用のデータの配信要求、施設や地点のデータの配信要求等を入力する入力処理を行う。また、前記検索処理部23は、前記車載装置31から受信した検索要求に含まれる検索条件等に基づいて、施設や地点を検索するPOI検索処理を行う。さらに、前記探索処理部24は、設定した目的地までの複数本の経路を探索し、各経路における各リンクの通過開始時刻を算出する。さらに、前記探索処理部24は、探索した経路が所定エリアを通過する場合、該所定エリア内のすべてのリンクについて通過予測時刻を算出する。また、前記表示処理部25は、作成された渋滞予測情報を表示するための表示処理を行う。なお、前記所定エリアは、いかなるエリアであってもよいが、本実施の形態においては、説明の都合上、前記所定エリアがあらかじめ指定されて登録された指定エリア55である場合についてのみ説明する。
【0031】
さらに、前記予測処理部26は、経路が指定エリア55を通過する場合に、該指定エリア55内のすべてのリンクについての予測交通情報を作成する。すなわち、前記指定エリア55は、すべてのリンクについての予測交通情報を作成する対象となるエリアとしてあらかじめ指定され、前記エリア定義データベース14に登録されている。例えば、渋滞が頻発し、かつ、道路網が複雑であって、渋滞を回避するために、種々の経路を選択することができるエリアを指定エリア55とすることが望ましいが、いかなるエリアであっても、指定エリア55として登録することができる。例えば、首都高速道路のような都市高速道路を含む地域の二次メッシュ又は該地域を任意の大きさに分割したエリア、駅を含む地域における駅周辺のエリア等を指定エリア55とすることが望ましい。
【0032】
これにより、前記情報提供サーバ11は、通過の可能性のあるすべての経路を探索し、それぞれの経路に関する精度の高い予測交通情報を作成して前記車載装置31に配信することができる。
【0033】
また、前記情報提供サーバ11は、車載装置31と通信を行うための通信部17を有する。該通信部17は、経路の探索要求、渋滞予測情報の配信要求等を受信すると、該配信要求を送信した車載装置31を特定し、前記処理部21によって作成された配信用のデータを特定した前記車載装置31に送信する。
【0034】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの動作について説明する。まず、情報提供サーバ11が予測リンク旅行時間パターンを作成する動作について説明する。
【0035】
図3は本発明の実施の形態における短期の予測リンク旅行時間パターンを作成する動作を示す第1の図、図4は本発明の実施の形態における短期の予測リンク旅行時間パターンを作成する動作を示す第2の図、図5は本発明の実施の形態における長期の予測リンク旅行時間パターンを作成する動作を示す図である。
【0036】
本実施の形態において、予測処理部26は短期及び長期の予測リンク旅行時間パターンを作成することができる。まず、短期の予測リンク旅行時間パターンを作成する場合、前記予測処理部26は、現況のフィードバックを行って予測リンク旅行時間パターンを作成する。すなわち、車載装置31から受信した現在の車両の走行状況に基づいて、パターンマッチング、波形補正等の方法によって予測リンク旅行時間パターンを作成する。ここで、短期の予測リンク旅行時間パターンを作成する場合の予測期間は、例えば、現在時刻から約二時間後までの期間であるが、任意に設定することができる。
【0037】
まず、パターンマッチングの方法によって予測リンク旅行時間パターンを作成する場合について説明する。この場合、前記予測処理部26は、車載装置31から受信した該車載装置31が搭載されている車両の状況を示すデータに基づいて、図3(a)に示されるように、現在時刻までの過去の所定期間における前記車両のリンク旅行時間パターンを作成する。なお、前記過去の所定期間は、例えば、当日の午前零時から現在時刻までの期間であるが、任意に設定することができる。また、図3(a)に示されるリンク旅行時間パターンにおいて、横軸は時刻、縦軸は総旅行時間を示している。
【0038】
続いて、前記予測処理部26は、交通情報データベース13にアクセスして、作成された前記リンク旅行時間パターンと、図3(b)に示されるような前記交通情報データベース13にあらかじめ格納されている過去におけるリンク旅行時間パターンとを比較して、パターンマッチングを行う。なお、図3(b)に示されるリンク旅行時間パターンは、図3(a)に示されるリンク旅行時間パターンと同様に、一日における総旅行時間の変化を示している。そして、前記予測処理部26は、パターンマッチングの結果、前記交通情報データベース13にあらかじめ格納されている過去におけるリンク旅行時間パターンの中から、横軸の範囲が原点から現在時刻までの範囲におけるリンク旅行時間パターンが作成された前記リンク旅行時間パターンに最も近似しているものを抽出する。
【0039】
続いて、前記予測処理部26は、抽出した過去におけるリンク旅行時間パターンから現在時刻以降の前記予測期間におけるリンク旅行時間パターンを切り出し、リンク旅行時間パターンとする。これにより、図3(c)に示されるように、図3(a)に示されるリンク旅行時間パターンを含む予測リンク旅行時間パターンを得ることができる。
【0040】
次に、波形補正の方法によって予測リンク旅行時間パターンを作成する場合について説明する。この場合、前記予測処理部26は、前記交通情報データベース13にあらかじめ格納されている過去における平均的なリンク旅行時間パターンを使用する。図4(a)における点Aは、車載装置31から受信した該車載装置31が搭載されている車両の現在時刻における状況を示す点であり、図4(a)における線Bは、過去における平均的なリンク旅行時間パターンを示している。なお、図4(a)に示されるリンク旅行時間パターンにおいて、横軸は時刻、縦軸は総旅行時間を示している。
【0041】
続いて、前記予測処理部26は、線Bを点Aに合致するように補正して、リンク旅行時間パターンを作成する。この場合、図4(b)に示されるように、過去における平均的なリンク旅行時間パターンを等比的に変化させて、線Cで示されるような予測リンク旅行時間パターンを作成することができる。すなわち、点Aに対応する時刻における線Bの示す総旅行時間の値を前記点Aの示す総旅行時間の値に変更する。そして、点Aに対応する時刻における変更前の値に対する変更後の値の比に従って、すべての時刻範囲において線Bの示す総旅行時間の値を変更する。これにより、すべての時刻範囲において線Bの示す総旅行時間の値が、点Aに対応する時刻における変更前の値に対する変更後の値の比に等しい比で変更され、図4(b)において線Cで示されるような予測リンク旅行時間パターンを作成することができる。
【0042】
また、図4(c)に示されるように、過去における平均的なリンク旅行時間パターンを垂直方向に平行移動させて、線Cで示されるような予測リンク旅行時間パターンを作成することができる。すなわち、点Aに対応する時刻における線Bの示す総旅行時間の値を前記点Aの示す総旅行時間の値に変更する。そして、点Aに対応する時刻における変更前の値に対する変更後の値の差に従って、すべての時刻範囲において線Bの示す総旅行時間の値を変更する。これにより、すべての時刻範囲において線Bの示す総旅行時間の値が、点Aに対応する時刻における変更前の値に対する変更後の値の差に等しい値だけ変更され、図4(c)において線Cで示されるような予測リンク旅行時間パターンを作成することができる。
【0043】
また、図4(d)に示されるように、過去における平均的なリンク旅行時間パターンを履歴に従って傾斜させて、線Cで示されるような予測リンク旅行時間パターンを作成することができる。この場合、点A及び前記車両の現在時刻以前における状況を示す点AAを通過するように線B全体を傾斜させる。これにより、図4(d)において線Cで示されるような予測リンク旅行時間パターンを作成することができる。
【0044】
次に、長期の予測リンク旅行時間パターンを作成する場合、前記予測処理部26は、現況のフィードバックを行わずに予測リンク旅行時間パターンを作成する。すなわち、交通情報データベース13に格納されている過去のリンク旅行時間パターンを統計的に分析して、予測リンク旅行時間パターンを作成する。ここで、長期の予測リンク旅行時間パターンを作成する場合の予測期間は、例えば、現在時刻から約二時間後以降の期間であるが、任意に設定することができる。
【0045】
まず、前記予測処理部26は、交通情報データベース13にアクセスして、図5(a)に示されるような該交通情報データベース13にあらかじめ格納されている過去におけるリンク旅行時間パターンを取得する。なお、図5(a)に示されるリンク旅行時間パターンは、一日における総旅行時間の変化を示しているものであり、前記交通情報データベース13に格納されているすべてのリンク旅行時間パターン、すなわち、全日の変動を示している。また、図5(a)に示されるリンク旅行時間パターンにおいて、横軸は時刻、縦軸は総旅行時間を示している。
【0046】
続いて、前記予測処理部26は、図5(a)に示されるリンク旅行時間パターンをカレンダに従って場合分けする。ここでは、図5(b)に示されるように、平日におけるリンク旅行時間パターンと休日におけるリンク旅行時間パターンとに場合分けする。すなわち、平日の変動と休日の変動とに場合分けする。なお、休日は、土曜日、日曜日及び祝祭日であり、平日はその他の日である。また、例えば、ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始等の特定の日又は期間におけるリンク旅行時間パターンだけを抽出することもできる。さらに、前記リンク旅行時間パターンから異常値を除去することによって、データのばらつきを低減することもできる。
【0047】
続いて、前記予測処理部26は、カレンダに従って場合分けされたリンク旅行時間パターンを天候、イベント、規制等の事象に応じて場合分けする。ここでは、図5(c)及び(d)に示されるように、天候に応じた場合分けでは、天気別の変動として、晴天におけるリンク旅行時間パターン、降雨におけるリンク旅行時間パターン及び降雪におけるリンク旅行時間パターンに場合分けする。これにより、車載装置31が搭載されている車両の状況に応じた予測リンク旅行時間パターンを得ることができる。
【0048】
なお、リンク旅行時間は各リンクを通過するための所要時間であり、かつ、各リンクの長さは地図データに含まれているので、各リンクにおけるリンク旅行時間から各リンクにおける旅行速度を算出することができる。したがって、前記予測リンク旅行時間パターンに基づいて、予測速度パターンを得ることができる。また、VICS(R)情報における渋滞情報としての渋滞度は、道路種別及び旅行速度に応じて、「渋滞」、「混雑」及び「渋滞なし」と定義されているので、各リンクにおけるリンク旅行時間から各リンクにおける渋滞情報を得ることができる。したがって、前記予測リンク旅行時間パターンに基づいて、渋滞予測情報を得ることができる。
【0049】
次に、本実施の形態におけるナビゲーションシステムの動作を詳細に説明する。なお、ここでは、説明の都合上、目的地までの経路が都市高速道路である場合の動作について説明する。
【0050】
図1は本発明の実施の形態における通過予測時刻を算出する動作を示す図、図6は本発明の実施の形態における情報提供サーバの動作を示すフローチャートである。
【0051】
まず、操作者は、車載装置31の入力装置を操作して目的地を設定する。なお、例えば、高速道路優先等のような経路を探索するための探索条件等も必要に応じて設定することができる。続いて、前記操作者が車載装置31の入力装置を操作して、DRG用のデータの配信要求を情報提供サーバ11に送信するための手段を操作する。すると、前記車載装置31は、DRG用のデータの配信要求として現在位置、目的地、探索条件等を情報提供サーバ11に送信する。
【0052】
続いて、該情報提供サーバ11は、前記車載装置31からDRG用のデータの配信要求として現在位置、目的地、探索条件等を受信すると、前記現在位置、目的地、探索条件等に基づいて、現在位置から目的地までの推奨経路を探索する。この場合、都市高速道路を通る経路が推奨経路として探索されたものとする。なお、前記都市高速道路は、首都、阪神、名古屋、福岡・北九州等の地域において供用に付されているが、ここでは、首都高速道路であるものとして説明する。
【0053】
続いて、前記情報提供サーバ11は、前記推奨経路の代替え経路を探索する。そして、代替え経路がn本存在する場合には、n回繰り返して代替え経路を探索する。なお、nは自然数である。また、必要に応じてnの上限値を設定することもできる。すなわち、代替え経路を探索する回数を制限することもできる。
【0054】
この場合、前記情報提供サーバ11は、複数本の経路を探索して、車両がそれぞれの経路における各リンクを通過する通過予測時刻を予測リンク旅行時間パターンに基づいて算出し、通過予測時刻における予測交通情報を作成し、DRG用の配信データを前記車載装置31に配信するようになっている。すなわち、通常の経路探索においても最も推奨される経路である推奨経路と、該推奨経路の代替えとなり得る経路である代替え経路とを探索し、前記推奨経路及び代替え経路上の各リンクを通過する通過予測時刻における渋滞を予測し、渋滞予測情報等のデータを抽出して車載装置31に送信する。
【0055】
なお、前記情報提供サーバ11が探索する経路の数はいくつであってもよいが、ここでは、説明の都合上、図1に示されるように、出発地51から目的地52まで高速道路を優先することを探索条件として経路を探索した場合に、二本の経路53及び経路54が探索されたものとする。例えば、経路53が推奨経路であり、経路54が代替え経路であるとする。そして、前述したようにして作成された予測リンク旅行時間パターンに基づいて、前記経路53及び経路54上における渋滞の発生を予測し、渋滞の発生が予測される地域については渋滞予測情報を作成する。なお、該渋滞予測情報の基準時刻は、前記渋滞の発生が予測される地域に車両が通過するであろう時刻、すなわち、車両の通過予測時刻である。そして、前記基準時刻は、前記経路53及び経路54上のリンクにおける車両の通過予測時刻に応じてずらしながら、すなわち、スライドさせながら設定される。なお、各リンクにおける車両の通過予測時刻は、各リンクにおける始点、すなわち、車両の進行方向に関して上流側(手前側)の端点における通過予測時刻である。
【0056】
続いて、前記情報提供サーバ11は、探索した推奨経路又は代替え経路が、エリア定義データベース14等に登録されている指定エリア55を通過するか否かを判断する。そして、通過しない場合には、探索された前記経路53及び経路54のデータや渋滞予測情報を含むデータが、DRG用のデータとして、情報提供サーバ11から車載装置31に配信される。すなわち、予測交通情報としての渋滞予測情報を車載装置31に送信する。これにより、該車載装置31は、受信したDRG用のデータを使用してDRGを行うことができ、渋滞を回避する経路を探索することができる。また、目的地52への到着予測時刻を正確に算出することができる。
【0057】
一方、探索した推奨経路又は代替え経路が指定エリア55を通過する場合、指定エリア55においては、道路網が複雑であって、渋滞を回避するために、種々の経路を選択することができるので、受信したDRG用のデータを使用してDRGを行っても、不適切な経路が探索されてしまうことがある。すなわち、道路網が発達して分岐点及び合流点が多い指定エリア55を通過する場合には、多様な経路を選択することが可能なので、前記情報提供サーバ11が複数の経路について渋滞予測情報を作成して配信しても、車載装置31は、前記情報提供サーバ11が渋滞予測情報を作成しなかった経路を渋滞が予測されない経路として選択してしまう。しかし、前記情報提供サーバ11が渋滞予測情報を作成しなかった経路にも渋滞が発生する可能性が高いので、車載装置31が選択した経路は、所要時間の長い不適切な経路である可能性が高くなる。
【0058】
そこで、本実施の形態においては、探索した推奨経路又は代替え経路が指定エリア55を通過する場合、前記情報提供サーバ11は、各経路上の指定エリア55内におけるリンク、すなわち、指定エリア55内における各経路のリンクを抽出する。図1に示される例において、経路53はリンクの端点56aから端点56bまでの範囲で指定エリア55を通過し、経路54はリンクの端点56cから端点56dまで及び端点56eから端点56fまでの範囲で指定エリア55を通過する。そのため、端点56aから端点56bまでの経路53上のリンク、並びに、端点56cから端点56dまで及び端点56eから端点56fまでの経路54上のリンクが抽出される。なお、経路53上の端点56aから端点56bまでの範囲、並びに、経路54上の端点56cから端点56dまでの範囲及び端点56eから端点56fまでの範囲は、それぞれ複数のリンクで構成されていてもよいし、単数のリンクで構成されていてもよい。
【0059】
続いて、前記情報提供サーバ11は、各経路、すなわち、経路53及び経路54上の指定エリア55内におけるリンクの予測所要時間としての所要時間及び距離の合計を算出し、平均車速を算出する。図1に示される例においては、経路53上の端点56aから端点56bまでの距離、並びに、経路54上の端点56cから端点56dまでの距離及び端点56eから端点56fまでの距離の合計が、指定エリア55内におけるリンクの距離の合計となる。また、経路53上の端点56aから端点56bまでの所要時間、並びに、経路54上の端点56cから端点56dまでの所要時間及び端点56eから端点56fまでの所要時間の合計が、指定エリア55内におけるリンクの所要時間の合計となる。
【0060】
ここで、経路53上の端点56aから端点56bまでの所要時間、並びに、経路54上の端点56cから端点56dまでの所要時間及び端点56eから端点56fまでの所要時間は、予測リンク旅行時間パターンに基づいて算出される。前述したように、情報提供サーバ11は、予測リンク旅行時間パターンに基づいて、経路53及び経路54上の各リンクにおける車両の通過予測時刻を取得するので、該通過予測時刻に対応する予測リンク旅行時間を各リンクの所要時間として取得することができる。これにより、端点56aから端点56bまでの経路53上の各リンクの所要時間、並びに、端点56cから端点56dまで及び端点56eから端点56fまでの経路54上の各リンクの所要時間を算出し、指定エリア55内におけるリンクの所要時間の合計を算出することができる。
【0061】
そして、前記情報提供サーバ11は、指定エリア55内におけるリンクの距離の合計を指定エリア55内におけるリンクの所要時間の合計で除算することによって、指定エリア55内における平均車速を算出する。
【0062】
続いて、前記情報提供サーバ11は、各経路、すなわち、経路53及び経路54の指定エリア55への進入ポイントの座標を抽出する。ここで、前記進入ポイントは、経路53及び経路54が指定エリア55の境界と交差する点であって車両の進行方向に関して最も上流側、すなわち、出発点に最も近い側の点であり、図1に示される例において、端点56a及び端点56cである。なお、該端点56a及び端点56cは、リンクの端点であるので、地図データに含まれるリンクのデータに基づいて抽出することができる。
【0063】
続いて、前記情報提供サーバ11は、指定エリア55内における経路53及び経路54上以外のリンクを抽出する。すなわち、指定エリア55内に含まれるすべての道路のリンクであって、経路53及び経路54上のリンク以外のものを抽出する。図1に示される例においては、道路57上のリンクが経路53及び経路54上以外のリンクに該当する。この場合、道路57上には、57a及び57bを端点とするリンク57−1、57b及び57cを端点とするリンク57−2、並びに、57c及び57dを端点とするリンク57−3が存在する。なお、端点57aは、経路53と道路57との分岐点に該当し、経路53上のリンクの端点でもある。また、端点57dは、経路53と道路57との合流点に該当し、経路53上のリンクの端点でもある。なお、指定エリア55内における経路53及び経路54上以外のリンクは、多数存在してもよいが、ここでは、説明の都合上、道路57上の三つのリンクのみであるとする。
【0064】
続いて、前記情報提供サーバ11は、所定の点としての進入ポイントと経路53及び経路54上以外のリンクとの距離を算出する。図1に示される例において、端点56a及び端点56cから道路57上のリンクまでの直線距離を算出する。この場合、リンクの始点を対象として距離を算出するので、リンク57−1までの距離を算出する場合、端点56aまでの直線距離を算出する。ここで、端点56aから端点57aまでの直線距離は、端点56aと端点57aとを結ぶ直線58−1の長さである。また、端点56cから端点57aまでの直線距離は、端点56cと端点57aとを結ぶ直線58−2の長さである。
【0065】
続いて、前記情報提供サーバ11は、短い方の距離と平均車速とからリンク57−1までの到達時間を算出する。この場合、端点56a及び端点56cから道路57上のリンクまでの直線距離のうちの短い方の距離、すなわち、直線58−1の長さを、既に算出されている指定エリア55内における平均車速で除算した値を、前記リンク57−1までの到達時間として算出する。
【0066】
続いて、前記情報提供サーバ11は、到達時間に基づいて算出したリンク57−1の通過予測時刻における渋滞予測情報を抽出する。この場合、経路53及び経路54上のリンクにおける車両の通過予測時刻は、前述したように、取得されているので、進入ポイントである端点56aの通過予測時刻は取得済みである。そして、前記端点56aの通過予測時刻から、リンク57−1までの到達時間を経過した時刻が、リンク57−1の通過予測時刻として算出される。続いて、該通過予測時刻を基準時刻とし、予測リンク旅行時間パターンに基づき、リンク57−1についての渋滞予測情報が作成されて抽出される。
【0067】
なお、進入ポイントとの距離を算出してから渋滞予測情報を抽出するまでの動作は、経路53及び経路54上以外のリンクのすべてについて繰り返し行われ、指定エリア55内における経路53及び経路54上以外のリンクのすべてについて渋滞予測情報が作成されて抽出される。この場合、経路53及び経路54上以外のリンクについての通過予測時刻は、概算であるが、指定エリア55内におけるすべてのリンクについて、通過予測時刻を算出することができ、該通過予測時刻に基づいて渋滞予測情報を作成することができる。そのため、道路網が発達して分岐点及び合流点が多く、多様な経路を選択することが可能な指定エリア55であっても、該指定エリア55内におけるすべてのリンクについての渋滞予測情報を含む各種データをDRG用のデータとして利用することが可能となる。
【0068】
このようにして、前記経路53及び経路54の渋滞予測情報並びに指定エリア55内におけるすべてのリンクについての渋滞予測情報が抽出されると、前記情報提供サーバ11は、前記経路53及び経路54並びに指定エリア55内におけるすべてのリンクについての渋滞予測情報を含む各種データをDRG用のデータとして、情報提供サーバ11から車載装置31に配信する。すなわち、予測交通情報としての渋滞予測情報を車載装置31に送信して、処理を終了する。なお、前記車載装置31は、前記情報提供サーバ11から配信された渋滞予測情報を受信すると、DRGを行い渋滞を避ける経路を探索する。
【0069】
これにより、前記車載装置31は、受信したDRG用のデータを使用してDRGを行うことができ、渋滞を回避する経路を探索することができる。また、目的地52への到着予測時刻を正確に算出することができる。
【0070】
ところで、本実施の形態におけるナビゲーションシステムは、目的地までの経路が都市高速道路でない場合にも同様の動作を行うことができる。この場合、二次メッシュだけでなく、行政区域単位のエリア、地図データを分割した地図メッシュ単位のエリア等のエリアを使用して、所望のエリアをあらかじめ指定して、エリア定義データベース14等に指定エリアとして登録する。
【0071】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 現在位置から目的地までの推奨経路を探索する。
ステップS2 推奨経路の代替え経路を探索する。代替え経路がn本存在する場合には、n回繰り返して代替え経路を探索する。
ステップS3 各経路上の各リンクを通過する通過予測時刻における渋滞を予測し、渋滞予測情報等のデータを抽出する。
ステップS4 探索した経路が指定エリア55を通過するか否かを判断する。探索した経路が指定エリア55を通過する場合はステップS5に進み、探索した経路が指定エリア55を通過しない場合はステップS12に進む。
ステップS5 指定エリア55内における各経路のリンクを抽出する。
ステップS6 各経路上の指定エリア55内におけるリンクの予測所要時間及び距離の合計を算出し、平均車速を算出する。
ステップS7 各経路の指定エリア55への進入ポイントの座標を抽出する。
ステップS8 経路上以外の指定エリア55内におけるリンクを抽出する。
ステップS9 進入ポイントと経路上以外のリンクとの距離を算出する。
ステップS10 短い方の距離と平均車速とからリンク57−1までの到達時間を算出する。
ステップS11 到達時間に基づいて算出したリンク57−1の通過予測時刻における渋滞予測情報を抽出する。経路上以外のリンクのすべてについて繰り返し行われる。
ステップS12 渋滞予測情報を車載装置31に送信して、処理を終了する。
【0072】
このように、本実施の形態において、情報提供サーバ11は、目的地52までの複数本の経路を探索し、該経路が指定エリア55を通過する場合、該指定エリア55内におけるすべてのリンクの通過予測時刻を算出し、前記すべてのリンクについて前記通過予測時刻に対応する渋滞予測情報を作成し、車載装置31に配信するようになっている。
【0073】
そのため、該車載装置31は、道路網が発達して分岐点及び合流点が多い、例えば、都市高速道路を含むようなエリアを通過する場合であっても、該エリアを指定エリア55として登録しておけば、通過する可能性のあるすべての経路について精度の高い渋滞予測情報を使用することができるので、渋滞を回避する適切な経路を探索することができる。また、目的地への到着予測時刻を正確に算出することができる。
【0074】
なお、本実施の形態においては、すべてのリンクの通過予測時刻を算出して渋滞予測情報を作成する所定エリアがあらかじめ指定されて登録された指定エリア55である場合について説明したが、前記所定エリアはいかなるエリアであってもよい。
【0075】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態における通過予測時刻を算出する動作を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における短期の予測リンク旅行時間パターンを作成する動作を示す第1の図である。
【図4】本発明の実施の形態における短期の予測リンク旅行時間パターンを作成する動作を示す第2の図である。
【図5】本発明の実施の形態における長期の予測リンク旅行時間パターンを作成する動作を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における情報提供サーバの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
11 情報提供サーバ
13 交通情報データベース
14 エリア定義データベース
24 探索処理部
26 予測処理部
31 車載装置
52 目的地
53、54 経路
55 指定エリア
56a、56c 端点
57−1、57−2、57−3 リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定した目的地までの経路を探索して案内を行うナビゲーションシステムであって、
(a)探索データ及びエリアに関する情報を含む地図データと交通情報とを格納する記憶装置と、
(b)前記目的地までの複数の経路を探索し、該経路が所定エリアを通過する場合、該所定エリア内のリンクについて通過予測時刻を算出する探索処理部と、
(c)前記所定エリア内のリンクについて、前記交通情報に基づいて、前記通過予測時刻における予測交通情報を作成する予測処理部とを有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記予測処理部は、前記交通情報データベースに格納されたリンク旅行時間パターンに基づいて予測リンク旅行時間パターンを作成し、該予測リンク旅行時間パターンに基づいて予測交通情報を作成する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記探索処理部は、前記所定エリア内における平均車速を算出し、前記所定エリア内における前記経路上以外のリンクについて、所定の点からの距離を算出し、前記平均車速及び距離に基づいて、前記所定エリア内における前記経路上以外のリンクについて通過予測時刻を算出する請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記探索処理部は、前記経路における前記所定エリア内を通過する部分の距離の合計、及び、前記部分の所要時間の合計に基づいて、前記平均車速を算出する請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記所定の点は、前記経路の前記所定エリアへの進入ポイントである請求項3又は4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記所定エリアは、あらかじめ指定されて登録されたエリアである請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
車載装置へ予測交通情報を配信するサーバと、該サーバから配信された予測交通情報を使用して目的地までの経路を探索する車載装置とを有するナビゲーションシステムであって、
(a)前記サーバは、探索データ及びエリアに関する情報を含む地図データと交通情報とを格納する記憶装置、
(b)前記目的地までの複数の経路を探索し、該経路が所定エリアを通過する場合、該所定エリア内のリンクについて通過予測時刻を算出する探索処理部、及び、
(c)前記所定エリア内のリンクについて、前記交通情報に基づいて、前記通過予測時刻における予測交通情報を作成する予測処理部を備え、作成された前記予測交通情報を前記車載装置へ配信し、
(d)該車載装置は、探索データを含む地図データを格納する記憶装置を備え、
(e)前記サーバから配信された前記予測交通情報を使用して、前記目的地までの経路を探索することを特徴とするナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−17610(P2006−17610A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196494(P2004−196494)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】