説明

ナビゲーションシステム

【課題】ナビゲーション装置1内に非常駐車帯の位置情報及び関連情報のデータを保持し、緊急時に、簡易な操作で非常駐車帯の位置情報を表示、及び非常駐車帯までのナビゲーション経路案内を行い、安全を確保し得るナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1の地図データベース内に高速道路または自動車専用道路の非常駐車帯の表示位置情報4を収納し、車両の運転席に非常駐車帯検索用の非常駐車帯スイッチ12aを設置し、該非常駐車帯スイッチ12aが操作されたときに、表示位置情報4を基に非常駐車帯を検索して、自車の現在位置から非常駐車帯までの距離あるいは時間等を表示すると共に、非常駐車帯まで経路案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速道路や自動車専用道路等を車両にて走行中に発生した不意の事態に対して、ナビゲーション装置内の交通規制データ(以下、地図データベースと称す)、即ち、非常駐車帯の情報を活用し、安全に駐車できる非常駐車帯へのナビゲーション経路案内を行う機能を持ったナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や自動車専用道路を走行中に、不意の事態が発生し、車両を安全に停車または駐車させたい場合、最寄りの非常駐車帯まで走行する必要があるが、非常駐車帯の位置が判らない場合が多い。従って、付近の路肩などに停車あるいは駐車してしまう場合がある。
【0003】
また、ナビゲーションシステム内の地図データベースは、地図データベース製作会社によって作成されているが、現状では、この地図データベース内に非常駐車帯情報が入っていない。
【0004】
ここで自動車専用道路とは、日本においては、高規格幹線道路(高速自動車国道や一般国道自動車専用道路)、地域高規格道路(一部を除く)、道路運送法の自動車道(一部を除く)などがある。また、狭義には、自動車専用道路とは、道路管理者が指定した自動車のみの一般交通の用に供する道路又は道路の部分である。
【0005】
次に、非常駐車帯とは、故障車、緊急車両、及び道路管理車両等が停車することを目的に道路の路肩に設置されているスペースのことである。
【0006】
例えば、自動車専用道路である一般国道25号(名阪国道)の関IC〜伊賀IC間には、上り13箇所、下り6箇所の非常駐車帯があるとされている。そして、この非常駐車帯の設置間隔が1kmを超えるような箇所がある。
【0007】
そして、従来、特許文献1として、車両の現在位置周辺の地図を表示するナビゲーション装置が知られている。ここには、次の記載がある。
【0008】
「車両に搭乗する利用者が体調不良を起こした場合や、車両に何らかの故障が生じた場合、あるいは利用者が急にトイレ休憩を取りたくなった場合など、停車が必要な緊急事態が発生した場合を考えると、停車場所となり得る施設等の所在地を一刻も早く探したいにも関わらず、一連の操作を行って施設等を検索する必要がある。よって、停車位置を探す際の操作が容易ではなかった。特に、緊急事態の内容に応じて検索対象とする施設のジャンルを考えて選択する操作は、緊急事態発生時の利用者にとっては非常に煩わしいものであった。」
このために、上記特許文献1に記載の発明は、停車が必要な緊急事態の発生を緊急事態受付手段によって受け付ける。緊急事態の発生を受け付けたときに、その時点で車両位置検出手段によって検出された車両の現在位置に近い停車位置を停車位置検索手段によって検索するとしている。
【0009】
これにより、停車が必要な緊急事態が発生した場合にはその旨を通知することにより、車両の現在位置から近い停車位置が検索されるので、停車場所を容易に探すことができるとされている。
【0010】
また、停車位置検索手段によって検索された停車位置に車両を誘導する誘導手段を備えることにより、車両を停車位置まで確実に導くことができると記載されている。また、車両位置検出手段によって検出された車両の現在位置周辺の地図を表示する地図表示手段を備えている。
【0011】
そして、停車位置検索手段によって検索された停車位置が複数存在する場合には、地図表示手段によって、地図の表示範囲に含まれる停車位置を地図上に表示するとともに、車両の現在位置に最も近い停車位置までの誘導を誘導手段によって行うことが望ましいと記載されている。
【0012】
そして、車両の現在位置に最も近い停車位置までの誘導を行うことにより、車両を停車位置まで速やかに導くことができるとされている。また、複数の停車位置を地図上に表示することにより、誘導手段による誘導対象となっていない停車位置についても把握することができるとされている。したがって、他の停車位置が望ましいと考える利用者は、地図上に表示される停車位置を参照することにより、この停車位置へ車両を移動させることができるとされている。
【0013】
また、緊急事態の内容が複数存在する場合に、緊急事態受付手段によって緊急事態の発生を受け付けたときに、緊急事態の内容を利用者に選択させる選択手段をさらに備えて、選択手段によって選択された緊急事態の内容に応じて、停車位置検索手段により停車位置の検索を行うことが望ましいとされている。これにより、利用者は、自分の置かれている状況に応じて、緊急事態の内容を選択することにより、適切な停車位置を探すことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2002−340597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記特許文献1の技術によると、各種施設、具体的には、コンビニエンスストア、病院、薬局、カーディーラー、自動車整備工場、カー用品店、ガソリンスタンド、トイレ、パーキングエリア、サービスエリアを探すことが出来るが、地図データベース内に非常駐車帯情報が無いために、非常駐車帯を探すことが出来ない。
【0016】
従って、最寄りの非常駐車帯が、どこにあるか不明の場合が多く、不安の中、走行し続けるか、危険な車線上や路肩で停車あるいは駐車させてしまう場合があり、自車及び他車ともに危険な状態が発生する。
【0017】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、ナビゲーション装置内に非常駐車帯の位置情報や関連情報のデータを保持し、緊急時に、簡易な操作で非常駐車帯の位置情報を表示し、かつ非常駐車帯までのナビゲーション経路案内を行い、安全を確保し得るナビゲーションシステムを提供することにある。
【0018】
なお、従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、ナビゲーション装置(1)の地図データベース内に高速道路または自動車専用道路の非常駐車帯の表示位置情報(4)を収納し、車両の運転席に非常駐車帯検索用の非常駐車帯スイッチ(12a)を設置し、該非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときに、表示位置情報(4)を基に非常駐車帯を検索して、自車の現在位置から非常駐車帯までの距離、非常駐車帯に到達するまでの時間、非常駐車帯の位置と現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示すると共に非常駐車帯まで経路案内することを特徴としている。
【0020】
この発明によれば、非常駐車帯スイッチ(12a)を操作することにより、自動的に自車の現在位置から非常駐車帯までの距離、非常駐車帯に到達するまでの時間、非常駐車帯の位置と現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示すると共に、非常駐車帯まで経路案内されるから、ユーザに安心感が与えられると共に、非常駐車帯を見落とすことが無く、非常駐車帯で停車し易い。また、非常駐車帯が遠方にある場合は、路肩に緊急停止する等の判断が行える。
【0021】
請求項2に記載の発明では、自車の現在位置から非常駐車帯までの距離が所定距離以上である場合、または、自車の現在位置から非常駐車帯に到達するまでの時間が所定時間以上である場合に、非常駐車帯の代替場所の位置を検索し、自車の現在位置から代替場所までの距離、代替場所に到達するまでの時間、代替場所の位置と現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示すると共に、代替場所まで経路案内することを特徴としている。
【0022】
この発明によれば、非常駐車帯に至るまでが遠い場合に、代替場所に導いてくれるから、慌てて代替場所を探す等の通常の煩雑なナビゲーション操作を行うことなく、代替場所に至ることが出来る。
【0023】
請求項3に記載の発明では、代替場所の位置を検索して複数の代替場所の候補地を表示すると共に、代替場所選択スイッチ(31、32、及び33)を表示し、該代替場所選択スイッチ(31、32、及び33)にて選択された代替場所まで経路案内することを特徴としている。
【0024】
この発明によれば、代替場所を検索して、複数の候補地を表示してユーザに選択させることが出来るから、緊急停止の理由に合致した代替場所まで、すぐに誘導することが出来る。
【0025】
請求項4に記載の発明では、非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときに、非常駐車帯を検索すると同時に非常駐車帯の代替場所も検索し、非常駐車帯及び代替場所の複数の候補地を表示すると共に、非常駐車帯等選択スイッチ(41,42及び43)を表示し、該非常駐車帯等選択スイッチ(41,42及び43)で選択された候補地まで経路案内することを特徴としている。
【0026】
この発明によれば、非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときに、初めから、非常駐車帯のみでなく該非常駐車帯の代替場所を検索して、複数の候補地を表示してユーザに選択させることが出来るから、緊急停止の理由に合致した場所まで、すぐに誘導出来る。
【0027】
請求項5に記載の発明では、非常駐車帯及び代替場所が所定の範囲内に無い場合に、緊急時の駐停車に安全な場所を検索して地図上に表示し、該安全な場所まで経路案内することを特徴としている。
【0028】
この発明によれば、非常駐車帯及び代替場所のいずれも所定の範囲内に無い場合に、安全な場所に駐停車することが出来る。
【0029】
請求項6に記載の発明では、代替場所はサービスエリア、パーキングエリア、一般道路に至る出口インターチェンジの少なくともいずれか一つであることを特徴としている。
【0030】
この発明によれば、代替場所としてサービスエリア、パーキングエリア、一般道路に至る出口インターチェンジの少なくともいずれか一つに至ることが出来るから、これらのエリアの駐車場に停車するか、または出口インターチェンジで降りて、一般道路の路肩に停車できる。
【0031】
請求項7に記載の発明では、非常駐車帯の地図データベース内には、非常駐車帯における非常電話の有無のデータである非常電話情報(7)が収納されており、非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときに、検索された非常駐車帯における非常電話の有無が表示されることを特徴としている。
【0032】
この発明によれば、非常駐車帯における非常電話の有無を事前に知ることが出来る。
【0033】
請求項8に記載の発明では、ナビゲーション装置(1)がディスプレイ上に非常駐車帯を案内する画面以外の画面が表示されているときに、非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときは、ディスプレイ(11)上に、非常駐車帯を案内する画面が、自動的かつ直ぐに表示されることを特徴としている。
【0034】
この発明によれば、例えばオーディオや車両用空調装置の画面が表示されているときでも、非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときは、ディスプレイ上に非常駐車帯を案内する画面に自動的かつ直ぐに切替えられるため、早く非常駐車帯が案内される。
【0035】
請求項9に記載の発明では、非常駐車帯が経路案内されて、非常駐車帯に到達する直前において、ハザードランプまたは方向指示器(25)を自動点滅させることを特徴としている。
【0036】
この発明によれば、非常駐車帯手前で減速して、非常駐車帯を通り過ぎてしまわないようにすることが出来ると共に、後続車に緊急停止を知らせることが出来る。
【0037】
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態におけるナビゲーションシステムの全体を示す全体構成図である。
【図2】上記実施形態における非常駐車帯情報のデータ構造例を示す表である。
【図3】上記実施形態における非常駐車帯スイッチが操作される直前のナビゲーション装置のディスプレイの表示画面の一例を示す画面図である。
【図4】上記実施形態における非常駐車帯までの経路案内を行うフローチャートである。
【図5】上記実施形態における非常駐車帯のマーク表示例を示す表示図である。
【図6】上記実施形態における非常電話のマーク表示例を示す表示図である。
【図7】第2実施形態における非常駐車帯または代替場所までの経路案内を行うフローチャートである。
【図8】第2実施形態において複数の代替場所をユーザに選択させるときの一覧表示の例を示すディスプレイの画面図である。
【図9】第2実施形態において複数の非常駐車帯等をユーザに選択させるときの一覧表示の例を示すディスプレイの画面図である。
【図10】第3実施形態の非常駐車帯等までの経路案内を行うフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1乃至図6を用いて詳細に説明する。図1は、ナビゲーション装置1の全体を示す全体構成図である。
【0040】
このナビゲーション装置1の情報記憶装置13内に、地図データベースの一部として、全国の高速道路または自動車専用道路に設置されている非常駐車帯に関する位置情報及び関連情報データが挿入されている。そして、緊急時の場合に、この非常駐車帯に関する位置情報及び関連情報を基に、ユーザに対して安全に駐車できる非常駐車帯への案内を支援する。
【0041】
ここで、図2は、地図データベース内の一つのデータ構造例を示す表である。非常駐車帯等(非常駐車帯等というときは、上記の非常駐車帯の他に、パーキングエリア、サービスエリア、一般道路に出ることが出来る場所である出口インターチェンジ等の非常駐車帯の代替場所を含むものとする)に関する位置情報及び関連情報(本発明では、単に非常駐車帯情報10という)には、以下のものがある。
【0042】
先ず、識別コード2は、非常駐車帯等に付与された識別番号等のID情報である。名称3は、例えば、23号線下り松川等の非常駐車帯の名前である。表示位置情報4は、地図のどこに該当する非常駐車帯等を表示するかの地図と対応した位置情報であり、例えば地図上の緯度及び経度情報である。
【0043】
経路案内位置情報5は、目的地となるパーキングエリアやサービスエリア等の施設の座標情報と案内ポイント情報である。
【0044】
即ち、通常、ナビゲーション装置1の中の施設を目的地とする情報は、施設がある場所を地図に表示するための座標情報(施設の中心位置情報と、その施設のX方向及びY方向の距離情報、および案内する場合に必要な、施設のどちら側に道路があるのかという案内ポイント情報)が必要であるため、このような情報が、経路案内位置情報5の中に格納されている。
【0045】
接続道路リンク情報6は、どのリンク、つまり、道路の線分上に、非常駐車帯等が接しているかという情報である。換言すれば、どのリンクから目的の非常駐車帯等に入れるかを示す情報である。
【0046】
非常電話情報7は、非常電話が、その非常駐車帯等に装備されているかどうかの情報である。表示マーク種別8は、地図に非常駐車帯等を表示するときに、どのようなマークを使用するかを示す情報である。
【0047】
以下、これらについて、更に詳しく説明する。図3は、非常駐車帯スイッチ12aが操作される直前のナビゲーション装置1のディスプレイ11の表示画面の一例を示す正面図である。
【0048】
この図3のように、ナビゲーション装置1の操作手段12(図1)の一つとして、ディスプレイの表示画面上の判りやすく、操作しやすい場所に、例えば図3のように非常駐車と書かれた専用のスイッチ12a(非常駐車帯スイッチ12a)を配置している。なお、車両の運転席内であれば、この非常駐車帯スイッチ12aの位置はどこでもよく、ナビゲーション装置1の外に機械的スイッチとして設置しても良い。
【0049】
図3のナビゲーション装置1のディスプレイ11の画面が、多重放送の画面になっているときを示している。このような場合でも、右隅の非常駐車帯スイッチ12aを操作することにより、非常駐車帯への案内動作を行なう。勿論、その他のオーディオ用の表示画面、通常のナビゲーションの表示画面、及び自動車用空調装置の操作用の表示画面が表示されているときにおいても、同様の非常駐車帯スイッチ12aが画面上の右隅に表示されている。
【0050】
図1のナビゲーション装置1は、制御装置15としてのナビゲーションECU15を有し、車両の現在位置を検出する位置検出装置16、及び地図データベースを記憶しているHDD(ハードディスクドライブ)装置等からなる情報記憶装置13を備えている。ここで、ナビゲーションECU15は、ルート設定手段、及び推奨走行レーン決定手段に相当する。
【0051】
また、ナビゲーション装置1には、車両の現在位置マークと、推奨ルートと、地図データ等とを重ね合わせて表示するための、LCD等の表示装置(図3のディスプレイ11)を備えた表示音声出力装置18、メモリ19、及び外部機器インターフェース20が備えられている。
【0052】
情報記憶装置13には、地図データベースが記憶されている。また、この地図データベースには、道路データ、背景データ、及び属性データ等が含まれる。道路データには、相互に関係する形状情報と、位相情報とが含まれている。位相情報は、交差点(ノード)と、交差点の接続(リンク)を記述するものであって、推奨ルートの設定などに用いられる。
【0053】
ここで、リンクとノードについて説明する。地図上の各道路表示は、交差、分岐及び合
流する点等の、複数のノードにて分割され、それぞれのノード間は、リンクとして規定さ
れる。各リンクを接続することにより、道路情報が構成される。リンクのデータは、リン
クを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端と終
端を示す点、道路名称、道路種別、道路幅員、及び車線数等から構成されている。
【0054】
他方、ノードとは、地図上の各道路表示が交差、分岐、及び合流する点を表すものであ
る。ノード毎に、固有の番号を付したノードID,ノード座標,ノード名称,ノードに接
続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、分岐場所、及び合流場所
等の各データが付与されている。
【0055】
図1の位置検出装置16は、GPS衛星から送信されたGPS電波を、アンテナで受信して位置データを取得するためのGPS受信機と、地磁気に基づいて方位を検出する地磁気センサと、角速度を検出して方位を算出するジャイロスコープ(ジャイロセンサ)と、走行距離を検出して距離データを取得する距離センサとを備えている。
【0056】
そして、GPS受信機、地磁気センサ、ジャイロスコープ、及び距離センサが取得したデータを相互補完することによって、車両の現在位置の検出と、正確な走行距離の計測を行う。
【0057】
制御装置15を成すナビゲーションECU15は、使用者により操作される操作手段12から入力された目的地に関して、現在位置から目的地までの推奨ルートを算出する機能を有する。このように、自動的に推奨ルートを設定する手法は、例えば、周知のダイクストラ(Dijkstra)法によるコスト計算によってなされる。
【0058】
そして、上記コスト計算は、リンク長、道路種別、及び道路幅員等を考慮した、リンク毎に付されるコスト値を用いて、最小のコストで目的地に到達する経路を計算するものである。
【0059】
進路外の道路に至る右左折の場合とは、着目する交差点(ノード)への進入ルート(リンク)に対し、直進以外の脱出ルート(リンク)が選択されている場合である。直進であるか否かは、道路種別、リンク属性、路線名称、路線番号の変化、進入、及び脱出等を考慮して判断される。
【0060】
先ず、最寄りの非常駐車帯へ経路案内を行なう場合について、フローチャートと共に説明する。図4は、この第1実施形態の非常駐車帯までの経路案内を行うフローチャートである。
(ステップS1)
このフローが開始されると、非常駐車帯スイッチ12a(図3)の操作を確認してから次のステップS2に進む。
(ステップS2)
自車の現在位置情報を把握する。即ち、車両の現在位置情報、及び走行方向情報を取得する。なお、図3のように、ナビゲーション装置1のディスプレイ11が、FM多重放送の表示画面ように経路案内画面以外を示しているときは、非常駐車帯スイッチ12aの操作で直ちに地図表示のある経路案内画面に切替え、自車の位置を道路上に表示する。
(ステップS3)
自車の現在位置情報から現在位置を把握し、走行方向情報から、前方の非常駐車帯情報10(図2)を検索する。
(ステップS4)
そして、もっとも近い非常駐車帯を経路案内の目的地として設定する。
(ステップS5)
次に、目的地として設定された非常駐車帯までの経路案内を実行する。更に、非常駐車帯の位置と、該非常駐車帯における非常電話の有無を地図画面上でマーク表示する。
【0061】
つまり、目的地として設定された上記非常駐車帯情報10(図2)のデータ構造のうち、非常電話情報7(図2)から非常電話の有無を確認し、非常電話があれば、非常駐車帯の地図上のマーク表示近傍に、非常電話が存在する旨のマーク表示を行う。また、無い場合は、このようなマーク表示は行わない。
【0062】
図5は、この第1実施形態で使用する非常駐車帯のマーク21aの表示例であり、図6は、非常電話のマーク21bの表示例である。
【0063】
通常、高速道路では、一秒間に20m程度進行するから、200m先までは10秒、1Km先までは50秒、2Km先までは1分40秒程度の時間を必要とする。従って、あまり遠方にある非常駐車帯はすぐに経路案内しないで、所定距離範囲内の非常駐車帯について検索乃至表示する。
【0064】
よって、図4のステップS5では、目的地となる非常駐車帯までの距離が、2Km以内か否かを判定している。2Km以内である場合には、非常駐車帯までの経路案内を実行する。なお、上記所定の距離内に非常駐車帯が存在しない場合は、すぐに経路案内を行わず、「2Km範囲内に非常駐車帯がありません。更に遠方を探しますか。YES、NO」のように表示する。この表示の結果、YESの表示上のタッチスイッチが操作された場合に、2Kmを超える非常駐車帯を経路案内する。
【0065】
なお、経路案内においては、自車の現在位置から非常駐車帯までの距離を表示する。あるいは、非常駐車帯に到達するまでの時間を表示しても良い。なお、時間はその時点での平均車速から演算する。
【0066】
また、非常駐車帯の位置と現在位置との地図上における位置表示のみとしても良い。この場合でも地図上の非常駐車帯の位置と現在位置とを対比して、どの程度遠方に非常駐車帯が存在するのかの把握が可能である。
【0067】
そして、このステップS5の経路案内機能で、非常駐車帯まで誘導を行う。この時に、非常駐車帯に到達する直前において、ユーザに非常駐車帯が近いことを警告すると共に、図1のハザードランプまたは方向指示器25を自動点滅させる。これにより、非常駐車帯手前で減速して、非常駐車帯を通り過ぎてしまわないようにすることが出来ると共に、後続車に緊急停止を知らせることが出来る。
【0068】
なお、経路案内する非常駐車帯が、トンネル内の場合には、非常口等の緊急避難通路、反対側のトンネルに出るようになっている緊急通路の接続の有無、非常電話、火災報知器、及び消火器または消火栓の位置、及び避難方法等をディスプレイ11(図3)のナビゲーション表示画面に表示しても良い。
【0069】
上記避難方法については、特別な非常口や非難用トンネルの無い場合に、トンネル内の現在位置とトンネル出口までの距離、通常のトンネル内の風向き等から脱出方向(進行方向か逆戻り方向か)を指示しても良い。
【0070】
このように、この第1実施形態によれば、非常駐車帯スイッチ12a(図3)を操作することにより、自動的に自車の現在位置から非常駐車帯までの距離、非常駐車帯に到達するまでの時間、非常駐車帯の位置と現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示すると共に、非常駐車帯まで経路案内される。よって、ユーザに安心感を与えると共に、非常駐車帯を見落とすことなく、該非常駐車帯で停車することが出来る。
【0071】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。
【0072】
第2実施形態は、所定距離である例えば、1Km以内に非常駐車帯がない場合は、その手前、例えば進行方向800m以内に代替場所があるか否かを判断する。そして、代替場所が有る場合は、代替場所を経路案内するものである。また、緊急時に非常駐車帯等以外の駐停車に安全な場所まで経路案内する機能も有する。
【0073】
この代替場所とは、サービスエリア、パーキングエリア、及び出口インターチェンジである。なお、出口インターチェンジとは、高速道路や自動車専用道路以外の一般道路に出ることの出来るインターチェンジであって、この出口インターチェンジから一般道路に出ることが出来るため、非常駐車帯の代用として、一般道路を選択し、一般道路に非常駐車する案を提示するものである。以下、第1実施形態の図面を援用して説明する。
【0074】
図7は、第2実施形態における非常駐車帯または代替場所までの経路案内を行うフローチャートである。
(ステップS21)
このフローが開始されると、非常駐車帯スイッチ12a(図3)の操作を確認してから次のステップS22に進む。
(ステップS22)
自車の現在位置情報を把握する。即ち、車両の現在位置情報、及び走行方向情報を取得する。なお、図3のようにナビゲーション装置1のディスプレイ11が、FM多重放送のように経路案内画面以外を示しているときは、上記非常駐車帯スイッチ12aの操作で直ちに地図表示のある経路案内表示に切替え、自車の位置を道路表示上に表示する。
(ステップS23)
そして、自車の現在位置情報から走行現在位置を把握し、走行方向情報から、前方の非常駐車帯情報10(図2)を検索する。
(ステップS24)
次に、もっとも近い非常駐車帯を経路案内の目的地として設定する。
(ステップS25)
次に、上記目的地が1Km以内かどうかを判定する。なお、この距離判定の代わりに自車の現在位置から、現時点の平均車速で、非常駐車帯に到達するまでの時間が所定時間以内であるかどうかの時間判定を行っても良い。
(ステップS26)
上記目的地が1Km以内に存在するときは、目的地として設定された非常駐車帯までの経路案内を実行する。次に、非常駐車帯の位置と、該非常駐車帯における非常電話の有無を地図画面上でマーク表示する。
【0075】
つまり、目的地として設定された非常駐車帯に関して、非常駐車帯情報10(図2)の非常電話情報7から、非常電話の有無を確認し、非常電話があれば、非常駐車帯の地図上のマーク21aの表示(図5)に並置するように、図6の非常電話がある旨のマーク21bの表示を行う。
【0076】
なお、ステップS26の経路案内においては、自車の現在位置から非常駐車帯までの距離を逐次表示する。あるいは、非常駐車帯に到達するまでの時間を逐次表示しても良い。なお、時間はその時点での平均車速から演算する。また、非常駐車帯の位置と現在位置との地図上における位置表示のみとしても良い。この場合でも地図上の非常駐車帯の位置と現在位置とを対比して、どの程度遠方に非常駐車帯が存在するのかの把握が可能である。
【0077】
そして、ステップS26の経路案内機能で、非常駐車帯まで誘導を行う。この時に、非常駐車帯に到達する直前において、ユーザに非常駐車帯が近いことを警告すると共に、ナビゲーション装置1の出力信号でハザードランプまたは方向指示器25(図1)の断続リレーを駆動して自動点滅させる。
(ステップS27)
図7のステップS25において、上記目的地が1Km以内に存在しないときは、ステップS27において、800m以内に非常駐車帯の代替場所があるかどうかの判定を行う。(なお、この距離判定の代わりに自車の現在位置から代替場所に到達するまでの時間が所定時間以内に上記代替場所があるかどうかの時間判定を行っても良い。)
(ステップS27a及びS28)
ステップS27において、800m以内に代替場所があるかどうかの判定を行った結果、800m以内に代替場所が有る場合は、ステップS27aで代替場所を選択した上で、ステップS28において、選択された代替場所までの経路案内を行う。ステップS27aでは、代替場所の種別、代替場所までの距離または到達に要する時間、非常電話の有無を一覧表示し、目的地をユーザに選択させる。
【0078】
図8は、複数の代替場所をユーザに選択させるときの、上記一覧表示の例を示すディスプレイ11の画面図である。この画面上の代替場所選択スイッチ31、32及び33でいずれかの代替場所を選択した上で、選択された代替場所を目的地として経路案内を行うものである。なお、単一の代替場所しかないときは、図8の画面上において、代替場所選択スイッチは表示せず、単一の代替場所が表示された後に自動選択される。
【0079】
なお、図8において、進路上34とは、右左折無し、つまり進路変更しないでも、現在の走行道路の延長線上に、該当する代替場所が存在することを示す。また、進路外35とは、その代替場所まで行くのに右左折を行って、現在の走行道路と離れた別の道路への進路変更を要する場合の表示である。
【0080】
なお、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)、及び出口インターチェンジ(IC)を経路案内する場合は、車両の進行方向を判定し、進行方向に対して高速道路等の上り線及び下り線を判断し、適切な方向へ案内をする、このように進行方向を考慮して、代替場所の案内を行う。このことは、高速道路等において、対向車線側にある代替場所を経路案内されても、車線を中央分離帯等で横切れないためである。
(ステップS290)
ステップS27において、800m以内に上記代替場所がなければNOとなって、ステップS290で、800mを超え3Km以内に非常駐車帯等(非常駐車帯及びサービスエリア等)があるか判定する。
(ステップS290a及びS291)
ステップS290で、800mを超え3Km以内に非常駐車帯等がある場合は、ステップS290aで選択し、その選択された地点を目的地に設定してステップS291で経路案内を行う。この経路案内においては、自車の現在位置から非常駐車帯等までの距離を逐次表示する。あるいは、非常駐車帯等に到達するまでの時間を逐次表示しても良い。また、非常駐車帯等の位置と現在位置との地図上における位置表示のみとしても良い。
【0081】
なお、ステップS290aにてナビゲーション装置1のディスプレイ11に選択画面(図9)を表示し、非常駐車帯等選択スイッチ41、42及び43(図9)の操作によってユーザの判断を得た上で、また、単一候補のときは自動的に目的地を選択する。その上で、選択された非常駐車帯等の目的地となる位置を検索し、自車の現在位置から非常駐車帯等までの距離、非常駐車帯等に到達するまでの時間、非常駐車帯等の位置と現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示する。
【0082】
また、上記表示と共に、非常駐車帯等まで経路案内を行っている。これによれば、非常駐車帯等に至るまでが遠い場合でも、簡単な操作で非常駐車帯等に導いてくれるから、慌てて非常駐車帯等を探す等の通常の煩雑なナビゲーション操作を行うことなく、非常駐車帯等に至ることが出来る。
【0083】
また、非常駐車帯等は、非常駐車帯、サービスエリア、パーキングエリア、一般道路に至る出口インターチェンジの少なくともいずれか一つであるから、サービスエリア及びパーキングエリアにおいては、エリア内の駐車場で非常駐車でき、出口インターチェンジにおいては、一般道路に出て路肩に非常駐車することが出来る。
【0084】
また、自車の現在位置から非常駐車帯等までの距離、非常駐車帯等に到達するまでの時間、非常駐車帯等の位置と現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示して、複数の候補地を表示する。
【0085】
この候補地の表示と共に、非常駐車帯等選択スイッチ41、42及び43(図9)を表示し、該非常駐車帯等選択スイッチ41、42及び43にて選択された非常駐車帯等までを経路案内している。これによれば、非常駐車帯等の複数の候補地を表示してユーザに選択させることが出来るから、緊急停止の理由に合致した場所まで、すぐに誘導することが出来る。
(ステップS292)
ステップS290で、800mを超え3Km以内に非常駐車帯等がない場合は、ステップS292において、緊急時の駐停車に安全な場所を地図上に表示する。この緊急時の駐停車に安全な場所とは、例えばカーブのない直線道路で見通しの良い道路、幅員もしくは路肩幅が広い道路、車線数が多い道路である。
(ステップS293)
次に、ステップS293において、上記地図上から駐停車場所をユーザが指定する。即ち地図上の駐停車場所がマウスで選択され、クリックされて場所が指定される。
(ステップS294)
そして、ユーザが選択し指定した場所を経路案内の目的地として、経路案内を行う。この経路案内においては、自車の現在位置から目的地までの距離を逐次表示する。あるいは、目的地に到達するまでの時間を逐次表示しても良い。また、目的地の位置と現在位置との地図上における位置表示のみとしても良い。
【0086】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。前述のように、非常駐車帯等というときは、非常駐車帯の他に、パーキングエリア、サービスエリア、一般道路に出ることが出来る場所である出口インターチェンジ等の非常駐車帯の代替場所を含むものを表している。
【0087】
この第3実施形態は、初めから純粋な非常駐車帯のみを目的地の候補とするのでなく、非常駐車帯等を目的地の候補とするものである。図10は、この第3実施形態の非常駐車帯等までの経路案内を行うフローチャートである。
(ステップS31)
このフローが開始されると、非常駐車帯スイッチ12a(図3)の操作を確認してから次のステップS32に進む。
(ステップS32)
自車の現在位置情報を把握する。即ち、非常駐車帯スイッチ12aが押されたか否かを確認し、押された場合に、車両の現在位置情報、及び走行方向情報を取得する。なお、図3のようにナビゲーション装置1のディスプレイ11がFM多重放送のように経路案内画面以外を示しているときは、上記非常駐車帯スイッチ12aの操作で直ちに地図表示のある経路案内表示に切替え、自車の位置を道路表示上に表示する。
(ステップS33)
そして、自車の現在位置情報から現在位置を把握し、走行方向情報から、前方所定距離内の非常駐車帯情報10(図2)を検索する。
(ステップS34)
検索された非常駐車帯等が複数有る場合は、図9のような表示画面をディスプレイに表示して、タッチスイッチからなる非常駐車帯等選択スイッチ41、42及び43のいずれかで、選択された非常駐車帯等を経路案内の目的地として設定する。なお、図9は、第2実施形態における複数の非常駐車帯等をユーザに選択させるときの一覧表示の例を示すディスプレイの画面図であるが、第3実施形態で援用している。単一の非常駐車帯のみの場合は、図9の表示画面における非常駐車帯等選択スイッチ41、42、及び43が省略され、自動的に目的地として設定される。
(ステップS35)(図9)
次に、目的地として設定された非常駐車帯等までの経路案内を通常のナビゲーション機能に基づいて実行する。このとき、非常駐車帯等における非常電話の有無を画面上でマーク表示する。
【0088】
つまり、目的地として設定された上記非常駐車帯情報10(図2)のデータ構造のうち、非常電話情報7から非常電話の有無を確認し、非常電話があれば、図6のような非常電話がある旨のマーク21bの表示を行う。また、無い場合は、このようなマーク表示は行わない。
【0089】
非常駐車帯等の画面表示としては、非常駐車帯等の地図上の位置表示、現在位置から非常駐車帯等までの距離または所要時間表示、非常駐車帯等の種別表示を行う。この種別表示というのは、非常駐車帯等の非常電話の有無、あるいは、サービスエリア、パーキングエリア、及び出口インターチェンジ等の種別の表示であり、例えば、図9の表示部44、45、及び46に相当する。
【0090】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、非常駐車帯スイッチ12aをタッチスイッチとしてディスプレイの画面内に形成したが、画面外のナビゲーション装置1のフレーム上に機械的スイッチとして構成し、操作したときに、ナビゲーション画面が黒く消されているときは、自動的に通常の現在位置表示に切り替わるようにしても良い。
【0091】
また、第1実施形態は、非常駐車帯を経路案内し、代替場所となるサービスエリア、パーキングエリア、出口インターチェンジの経路案内は行わなかったが、非常駐車帯までの経路案内を地図上で行う場合に、地図画面に周辺の代替場所を明確に強調表示しても良い。
【0092】
また、上記第1から第3実施形態は、表示モードが異なっているが、これらのうち、いずれの表示モードで動作させるのかを、ナビゲーション装置1の設定モードにおいて、選択して、上記いずれかの表示モードが設定できるようにしても良い。
【0093】
また、第3実施形態においても、所定範囲に非常駐車帯等がない場合は、緊急時の駐停車に安全な場所を地図上に表示しても良い。この緊急時の駐停車に安全な場所とは、例えばカーブのない直線道路で見通しの良い道路、幅員もしくは路肩幅が広い道路、車線数が多い道路であり、予め地図データベース内に設定しておくものである。
【符号の説明】
【0094】
1 ナビゲーション装置
4 表示位置情報
7 非常電話情報
10 非常駐車帯情報
11 ディスプレイ
12a 非常駐車帯スイッチ
13 情報記憶装置
15 制御装置としてのナビゲーションECU
16 位置検出装置
18 表示音声出力装置
19 メモリ
21a 非常駐車帯のマーク
21b 非常電話のマーク
31、32及び33 代替場所選択タッチスイッチ
41、42及び43 非常駐車帯等選択タッチスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置(1)の地図データベース内に高速道路または自動車専用道路の非常駐車帯の表示位置情報(4)を収納し、車両の運転席に非常駐車帯検索用の非常駐車帯スイッチ(12a)を設置し、該非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときに、前記表示位置情報(4)を基に前記非常駐車帯を検索して、自車の現在位置から前記非常駐車帯までの距離、前記非常駐車帯に到達するまでの時間、前記非常駐車帯の位置と前記現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示すると共に、前記非常駐車帯まで経路案内することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
自車の現在位置から前記非常駐車帯までの距離が所定距離以上である場合、または、自車の現在位置から前記非常駐車帯に到達するまでの時間が所定時間以上である場合に、前記非常駐車帯の代替場所の位置を検索し、自車の現在位置から前記代替場所までの距離、前記代替場所に到達するまでの時間、前記代替場所の位置と前記現在位置との地図上における位置表示のうち、少なくともいずれかを表示すると共に、前記代替場所まで経路案内することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記代替場所の位置を検索して複数の代替場所の候補地を表示すると共に、代替場所選択スイッチ(31、32、及び33)を表示し、該代替場所選択スイッチ(31、32、及び33)にて選択された前記代替場所まで経路案内することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときに、前記非常駐車帯を検索すると同時に前記非常駐車帯の代替場所も検索し、前記非常駐車帯及び前記代替場所の複数の候補地を表示すると共に、非常駐車帯等選択スイッチ(41,42及び43)を表示し、該非常駐車帯等選択スイッチ(41,42及び43)で選択された前記候補地まで経路案内することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記非常駐車帯及び前記代替場所が所定の範囲内に無い場合に、緊急時の駐停車に安全な場所を検索して地図上に表示し、該安全な場所まで経路案内することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記代替場所はサービスエリア、パーキングエリア、一般道路に至る出口インターチェンジの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記非常駐車帯の地図データベース内には、非常駐車帯における非常電話の有無のデータである非常電話情報(7)が収納されており、前記非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときに、検索された前記非常駐車帯における前記非常電話の有無が表示されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記ナビゲーション装置(1)がディスプレイ上に非常駐車帯を案内する画面以外の画面が表示されているときに、前記非常駐車帯スイッチ(12a)が操作されたときは、前記ディスプレイ(11)上に、非常駐車帯を案内する画面が自動的かつ直ぐに表示されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記非常駐車帯が経路案内されて、前記非常駐車帯に到達する直前において、ハザードランプまたは方向指示器(25)を自動点滅させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−203983(P2010−203983A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51263(P2009−51263)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】