説明

ナビゲーションシステム

【課題】方面案内図を表示するために配信サーバからナビゲーション装置に配信するデータのサイズを小さくする。
【解決手段】ナビゲーション装置11と配信サーバ12とからなるナビゲーションシステム10において、配信サーバ12は、分岐路データ抽出部46によって、方面案内図を作成するために必要な分岐路データを分岐路データ保有部43から抽出し、配置指定データ作成部47によって、分岐路データの配置態様を指定する配置指定データを作成し、配信部48によって、分岐路データおよび配置指定データをナビゲーション装置11に配信する。ナビゲーション装置11は、方面案内図作成部24によって、分岐路データおよび配置指定データに基づいて方面案内図を作成し、方面案内図表示部25によって、方面案内図を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行経路に存在する分岐点の近傍において当該分岐点を構成する各分岐路に関する情報を示す方面案内図を表示するナビゲーション装置と、方面案内図を表示するためのデータをナビゲーション装置に配信する配信サーバとからなるナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のナビゲーションシステムとして、例えば特許文献1に開示されているシステムでは、車両が分岐路に接近すると方面案内図を表示する。この特許文献1の方面案内図には、分岐点の形状に合わせた図形(十字路やY字路)が表示されるとともに、当該分岐点を構成する各分岐路の方向の名称(最も多くの車両が進行する方向の市町村名など)が表示される。
しかしながら、このような分岐点の形状に合わせた図形や各分岐路の方向の名称などの各種情報を含む方面案内図を表示するためのデータは、そのデータサイズが大きくなる傾向がある。そのため、このような大きなサイズのデータを配信サーバから配信する構成とした場合、通信費や通信時間の増大となる。また、このような大きなサイズのデータを予めナビゲーション装置に格納した構成としたとしても、当該ナビゲーション装置のメモリを多量に使用することになり、メモリの容量不足などの不具合が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−45925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、分岐点を構成する各分岐路に関する情報を示す方面案内図を表示するために配信サーバからナビゲーション装置に配信するデータのサイズを小さくすることができるナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車両の走行経路に存在する分岐点の近傍において当該分岐点を構成する各分岐路に関する情報を示す方面案内図を表示するナビゲーション装置と、方面案内図を表示するためのデータをナビゲーション装置に配信する配信サーバとからなるナビゲーションシステムにおいて、その方面案内図を作成するための処理に特徴を有する。
即ち、請求項1のナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション装置が、分岐点特定情報送信手段によって、方面案内図を表示する対象となる分岐点を特定する分岐点特定情報を配信サーバに送信すると、配信サーバは、分岐点特定情報受信手段が受信した分岐点特定情報に基づいて方面案内図を表示する対象となる分岐点を特定し、その分岐点に対応する方面案内図を作成するために必要な分岐路データを、分岐点を構成する分岐路ごとに作成された分岐路データを保有する分岐路データ保有手段から分岐路データ抽出手段によって抽出する。また、配信サーバは、配置指定データ作成手段によって、方面案内図を作成するために必要な分岐路データの当該方面案内図における配置態様を指定する配置指定データを作成する。そして、配信サーバは、配信手段によって、分岐路データ抽出手段が抽出した分岐路データおよび配置指定データ作成手段が作成した配置指定データをナビゲーション装置に配信する。ナビゲーション装置は、方面案内図作成手段によって、配信手段が配信した分岐路データおよび配置指定データに基づいて方面案内図を作成し、方面案内図表示手段によって、方面案内図作成手段が作成した方面案内図を表示する。
【0006】
即ち、方面案内図を表示するために配信サーバからナビゲーション装置に配信するデータとして、分岐路ごとに作成された分岐路データのうち方面案内図を作成するために必要な分岐路データと、その分岐路データの当該方面案内図における配置態様を指定する配置指定データとを配信する構成とした。これにより、方面案内図を表示するために配信サーバからナビゲーション装置に配信するデータのサイズを小さくすることができ、通信費や通信時間の低減化を図ることができる。
【0007】
請求項2のナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション装置は、配信済み分岐路データ記憶手段によって、配信手段が配信した分岐路データを配信済み分岐路データとして記憶し、通知手段によって、配信済み分岐路データ記憶手段に記憶されている配信済み分岐路データを配信サーバに通知する。一方、配信サーバは、分岐路データ抽出手段によって、方面案内図を作成するために必要な分岐路データのうち通知手段が通知した配信済み分岐路データ以外の分岐路データを抽出し、配信手段によって、分岐路データ抽出手段が抽出した配信済み分岐路データ以外の分岐路データをナビゲーション装置に配信する。
これにより、ナビゲーション装置に一旦配信された分岐路データの再度の配信を不要とすることができ、方面案内図を表示するために配信サーバからナビゲーション装置に配信するデータ量の低減化、ひいては、通信費や通信時間の一層の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るものであり、ナビゲーションシステムの構成を示すブロック図
【図2】分岐路データを示す図
【図3】制御内容を示すフローチャート
【図4】方面案内図を表示する前の状態における表示器の表示画面を示す図
【図5】方面案内図の一例を示す図
【図6】方面案内図を表示した後の状態における表示器の表示画面を示す図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1から図6を参照しながら説明する。
図1は、ナビゲーションシステム10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。ナビゲーションシステム10は、ナビゲーション装置11と配信サーバ12とからなる。
ナビゲーション装置11は、例えば自動車などの車両に搭載され、制御装置13、位置検出部14、地図データ入力部15、操作スイッチ部16、外部メモリ17、表示器18、音声コントローラ19、リモコンセンサ20、通信部21などを備えている。制御装置13は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。ナビゲーション装置11は、制御装置13のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、分岐点特定部22、分岐点特定情報送信部23、方面案内図作成部24、方面案内図表示部25をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0010】
位置検出部14は、ナビゲーション装置11を搭載した車両の現在位置を検出する。位置検出部14は、方位センサ31、ジャイロセンサ32(ジャイロスコープ)、距離センサ33およびGPS受信器34を有している。方位センサ31は、車両の方位を検出する。ジャイロセンサ32は、車両の回転角度を検出する。距離センサ33は、車両の走行距離を検出する。GPS受信器34は、GPS(Global Positioning System)により車両の現在位置を測位するために、図示しないGPS衛星から送信される電波を受信する。
地図データ入力部15は、地図データ記憶部35から地図データを取得する。地図データ記憶部35に記憶されている地図データは、図示しないドライブ装置によって地図データ入力部15に読み取られる。地図データ記憶部35としては、例えばDVDやCDなどの大容量記憶媒体、メモリカードあるいはハードディスクドライブなどの記憶媒体が用いられる。
【0011】
地図データ記憶部35に記憶されている地図データは、あらかじめDVD、ハードディスクドライブ等で提供、又は後述する配信サーバ12から配信されたものであり、複数のノードおよびノード同士をつなぐリンクにより形成された道路データ、目印データ、マップマッチング用データ、目的地データ、交通情報を道路データに変換するためのテーブルデータなどの各種のデータを含んでいる。この地図データには、地図上に存在する分岐点(地図データに含まれる分岐点)の座標情報、各分岐点の形状(十字路、Y字路、三叉路など)を特定するための分岐点形状情報、地点情報(市町村名、施設名、地名など)の各種の情報が含まれている。また、地図データには、分岐点番号、案内領域番号などが含まれている。分岐点番号は、地図上に存在する道路の分岐点の位置を特定するために各分岐点の位置に対応付けて付与された番号である。案内領域番号は、案内領域の位置や範囲を特定するために各案内領域の位置や範囲に対応付けて付与された番号である。案内領域は、各分岐点を含む所定範囲の領域であって、当該領域内に車両が進入したときに表示器18に方面案内図を表示する領域として設定されたものである。
【0012】
操作スイッチ部16は、表示器18の画面の近傍に設けられているメカニカルスイッチ、および、表示器18の画面に設けられているタッチパネルスイッチなどから構成されている。ユーザは、操作スイッチ部16の各スイッチを用いて、車両の目的地、表示器18の画面や表示態様の切り替え(例えば、地図縮尺の変更、メニュー画面の選択、経路の探索、経路案内の開始、現在位置の修正および音量の調整など)を行う各種のコマンドの入力を行う。これにより、ナビゲーション装置11は、ユーザの指示に従って作動する。リモコンセンサ20は、リモコン36との間でコマンドなどの送受信を行う。リモコン36には、複数の操作スイッチが設けられている。リモコン36の操作スイッチを操作することにより、リモコン36からリモコンセンサ20を経由して各種の指令信号が制御装置13へ送信される。操作スイッチ部16およびリモコン36は、何れの操作によっても制御装置13へ同一の機能を実行させることができる。
【0013】
外部メモリ17は、例えば着脱可能なフラッシュメモリカードやハードディスクドライブによって構成されている。なお、外部メモリ17は、例えばナビゲーション装置11の制御装置13に設けられているRAMやEEPROM、あるいは地図データ記憶部35などと共用してもよい。表示器18は、例えば液晶や有機ELなどのカラーディスプレイを有している。表示器18の画面は、車両の現在位置周辺の地図が各種縮尺で表示されるとともに、この地図表示に重ねて車両の現在位置および進行方向を示す現在地マークが表示される。また、目的地までの経路案内を実行するとき、表示器18の画面には経路案内用の画面が表示される。
【0014】
音声コントローラ19は、車載スピーカ37に接続している。音声コントローラ19は、制御装置13からの音声出力信号に基づいて、音声出力信号を車載スピーカ37へ出力する。車載スピーカ37から出力される音声は、案内に関する音声、操作説明に関する音声、盗難防止機能の動作中であることを報知する音声、ならびに音声認識結果に応じたトークバック音声などである。
【0015】
制御装置13は、車両が走行経路に沿って移動可能とするために、表示器18の画面に現在地周辺の道路地図を表示するとともに、車両の現在位置および進行方向を示す現在地マークを道路に重ねて表示する。この場合、車両の走行に伴って現在地の表示は、表示器18に表示された地図上を移動する。表示器18に表示された地図は、車両の現在位置に応じてスクロールされる。このとき、制御装置13は、車両の現在位置を道路上にあわせるマップマッチングを実施する。
【0016】
通信部21は、通信回線38を経由して配信サーバ12との間でデータ通信を行う。この場合、ナビゲーション装置11は、ユーザによる操作スイッチ部16やリモコン36の操作に応じて配信サーバ12とのデータ通信を実施する構成としてもよいし、タイマを用いて所定時間ごとに自動的に配信サーバ12とのデータ通信を実施する構成としてもよいし、両構成を併用する構成でもよい。
分岐点特定部22は、車両の進行方向に存在する分岐点を特定する。即ち、分岐点特定部22は、車両の現在位置の座標と地図データに含まれる分岐点の座標とを比較し、車両の現在位置が分岐点に近付いたか否かを判断する。この場合、分岐点特定部22は、車両の現在位置の座標が、座標の比較対象である分岐点を含む案内領域内に進入した場合に、車両の現在位置が分岐点に近付いたと判断する。そして、分岐点特定部22は、当該分岐点を、方面案内図を表示する対象の分岐点として特定する。
【0017】
分岐点特定情報送信部23は、分岐点特定部22によって特定された分岐点(車両が近付いた分岐点)の位置や形状を特定する分岐点特定情報を、通信部21を介して配信サーバ12に送信する。分岐点特定情報送信部23は、分岐点特定情報に、少なくとも分岐点の位置を特定する分岐点番号を含ませる。また、分岐点特定情報送信部23は、分岐点特定情報に、分岐点を含む案内領域の位置や範囲を特定する案内領域番号や、分岐点の形状を特定する分岐点形状情報を含ませるようにしてもよい。
方面案内図作成部24は、後述するように配信サーバ12の配信部48が配信した分岐路データおよび配置指定データを通信部21を介して受信し、受信した分岐路データおよび配置指定データに基づいて方面案内図を作成する。
方面案内図表示部25は、方面案内図作成部24が作成した方面案内図を表示器18に表示されている地図に重ねて表示する。
【0018】
配信サーバ12は、制御装置41、通信部42、分岐路データ保有部43などを備えている。制御装置41は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。配信サーバ12は、制御装置41のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、分岐路データ作成部44、分岐点特定情報受信部45、分岐路データ抽出部46、配置指定データ作成部47、配信部48をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0019】
通信部42は、通信回線38を経由して各車両のナビゲーション装置11との間でデータ通信を行う。また、通信部42は、通信回線38を経由して複数の情報センター51,52との間でデータ通信を行い、これら情報センター51,52から各種の情報を取得する。情報センター51,52は、各地域に対応して複数設けられており、それぞれ、対応する地域に特化した情報を保有している。情報センター51,52が保有する情報には、対応する地域における渋滞情報、交通規制情報などの各種の交通情報のほか、対応する地域内に存在する、例えば図2に示すような分岐路の形状に対応した分岐路データが含まれる。
【0020】
分岐路データ作成部44は、地図上に存在する分岐点(地図データに含まれる分岐点)を構成する分岐路ごとに分岐路データを作成する。この場合、分岐路データ作成部44は、例えばシステム管理者が専用の分岐路データ作成ソフトを使用して、例えば図2に示す分岐路データA,B,Cなどを作成する構成である。
分岐路データ保有部43は、分岐点を構成する分岐路ごとに作成された複数の分岐路データを保有するデータベースである。この場合、分岐路データ保有部43は、分岐路データ作成部44によって作成された分岐路データを記憶するほか、情報センター51,52から取得した分岐路データを記憶する。
【0021】
分岐点特定情報受信部45は、ナビゲーション装置11の分岐点特定情報送信部23が送信した分岐点特定情報を、通信部42を介して受信する。
分岐路データ抽出部46は、分岐点特定情報受信部45が受信した分岐点特定情報に含まれる分岐点番号に基づいて方面案内図を表示する対象となる分岐点の位置を特定するとともに、その分岐点の形状を地図データに基づいて特定する。そして、分岐路データ抽出部46は、その分岐点に対応する方面案内図を作成するために必要な分岐路データを分岐路データ保有部43から抽出する。この場合、分岐路データ抽出部46は、受信した分岐点特定情報に案内領域番号や分岐点形状情報が含まれていない場合には、受信した分岐点番号に基づいて、配信サーバ12が有する地図データから、その分岐点番号に対応する分岐点の位置や形状を特定するようにしてもよい。また、分岐路データ抽出部46は、受信した分岐点特定情報に案内領域番号や分岐点形状情報が含まれている場合には、これら受信した案内領域番号や分岐点形状情報に基づいて分岐点の位置や形状を特定するようにしてもよい。
【0022】
配置指定データ作成部47は、方面案内図を作成するために必要な分岐路データ(分岐路データ保有部43が抽出した分岐路データ)の当該方面案内図における配置態様などを指定する配置指定データを作成する。この配置指定データは、この場合、テキストデータとして作成される。この配置指定データには、分岐路データの配置態様(配置位置や配置方向)を指定する情報のほか、方面案内図に配置された分岐路データが示す方向に存在する地点の名称(例えば、市町村名、施設名、地名など)や、その地点までの所要時間などの情報が含まれる。
配信部48は、分岐路データ抽出部46が抽出した分岐路データおよび配置指定データ作成部47が作成した配置指定データを、通信部42を介してナビゲーション装置11に配信する。
【0023】
次に、このような構成のナビゲーションシステム10の動作内容、即ち、ナビゲーション装置11の制御装置13および配信サーバ12の制御装置41による制御内容について説明する。図3は、ナビゲーション装置11の制御装置13および配信サーバ12の制御装置41が実行する制御内容を示すフローチャートである。
ナビゲーション装置11の制御装置13は、図4に示すように、表示器18の地図表示に重ねて車両の現在位置Nを表示すると(ステップA1)、車両の現在位置Nが当該車両の進行方向に存在する分岐点bを含む案内領域g内に進入したか否かを判断する(ステップA2)。制御装置13は、車両の現在位置Nが案内領域g内に進入したと判断すると(ステップA2:YES)、車両の現在位置Nが分岐点bに近付いたとして、当該分岐点bを特定する分岐点特定情報を配信サーバ12に送信する(ステップA3)。
【0024】
配信サーバ12の制御装置41は、分岐点特定情報を受信すると(ステップB1)、その分岐点特定情報によって特定される分岐点に対応する方面案内図を作成するために必要な分岐路データを分岐路データ保有部43から抽出する(ステップB2)。この場合、分岐点bの形状は、3本の直線形状の分岐路が車両の進行方向(図4では上方向)に対して前方、左方、右方の3方向に延びる十字形状である。従って、この分岐点bの形状に対応する方面案内図を作成するために必要な分岐路データは、図2に示す直線形状の分岐路データAである。従って、制御装置41は、分岐路データ保有部43から分岐路データAを抽出する。
【0025】
そして、制御装置41は、方面案内図を作成するために必要な分岐路データの当該方面案内図における配置態様などを指定する配置指定データを作成する(ステップB3)。この場合、制御装置41は、「分岐路データAを方面案内図における配置位置[3]に左向きに配置する」、「分岐路データAを方面案内図における配置位置[5]に前向きに配置する」、「分岐路データAを方面案内図における配置位置[7]に右向きに配置する」といった分岐路データAの配置態様(配置位置や配置方向)を指定する情報を配置指定データに含ませる。また、制御装置41は、分岐点bの左方向に存在する地点Xの名称と分岐点bから当該地点Xまでの所要時間を示す情報、分岐点bの前方向に存在する地点Yの名称と分岐点bから当該地点Yまでの所要時間を示す情報、分岐点bの右方向に存在する地点Zの名称と分岐点bから当該地点Zまでの所要時間を示す情報を配置指定データに含ませる。そして、制御装置41は、分岐路データ抽出部46が抽出した分岐路データおよび配置指定データ作成部47が作成した配置指定データを、通信部42を介してナビゲーション装置11に配信する(ステップB4)。
【0026】
ナビゲーション装置11の制御装置13は、配信サーバ12から配信された分岐路データおよび配置指定データを受信すると(ステップA4)、受信した分岐路データおよび配置指定データに基づいて方面案内図を作成する(ステップA5)。この場合、制御装置13は、上記内容の分岐路データおよび配置指定データに基づいて、図5に示す方面案内図Gを作成する。即ち、制御装置13は、3本の分岐路データAを、配置位置[3]に左向きに、配置位置[5]に前向きに、配置位置[7]に右向きにそれぞれ配置する。そして、制御装置13は、配置位置[3]に配置した分岐路データAの近傍に地点Xの名称と当該地点Xまでの所要時間を配置し、配置位置[5]に配置した分岐路データAの近傍に地点Yの名称と当該地点Yまでの所要時間を配置し、配置位置[7]に配置した分岐路データAの近傍に地点Zの名称と当該地点Zまでの所要時間を配置する。そして、制御装置13は、図6に示すように、作成した方面案内図Gを、表示器18に表示されている地図に重ねて表示する(ステップA6)。
【0027】
以上に説明したように本実施形態によれば、方面案内図を表示するために配信サーバ12からナビゲーション装置11に配信するデータとして、分岐路ごとに作成された分岐路データのうち方面案内図を作成するために必要な分岐路データと、その分岐路データの当該方面案内図における配置態様を指定する配置指定データとを配信する構成とした。これにより、方面案内図を表示するために配信サーバ12からナビゲーション装置11に配信するデータのサイズを小さくすることができ、通信費や通信時間の低減化を図ることができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図7を参照しながら説明する。本実施形態は、ナビゲーション装置11の構成と、ナビゲーション装置11の制御装置13および配信サーバ12の制御装置41による制御内容が上述の第1の実施形態と異なる。以下、上述の第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
図7に示すように、本実施形態では、ナビゲーション装置11の制御装置13は、配信済み分岐路データ記憶部61を備えている。この配信済み分岐路データ記憶部61は、配信サーバ12の配信部48が配信した分岐路データを配信済み分岐路データとして記憶するデータベースである。制御装置13は、配信サーバ12の配信部48から受信した分岐路データを配信済み分岐路データとして配信済み分岐路データ記憶部61に記憶する。また、ナビゲーション装置11は、制御装置13のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、通知部62をソフトウェアによって仮想的に実現する。この通知部62は、配信済み分岐路データ記憶部61に配信済み分岐路データとして記憶されている分岐路データを特定する情報を、通信部21を介して配信サーバ12に通知する。
【0029】
配信サーバ12の分岐路データ抽出部46は、ナビゲーション装置11の通知部62から受信した情報に基づいて当該ナビゲーション装置11に既に配信してある配信済み分岐路データを特定すると、方面案内図を作成するために必要な分岐路データのうち当該配信済み分岐路データ以外の分岐路データを分岐路データ保有部43から抽出する。そして、配置指定データ作成部47は、方面案内図を作成するために必要な分岐路データ(分岐路データ保有部43が抽出した配信済み分岐路データ以外の分岐路データ、および、既にナビゲーション装置11に配信してある配信済み分岐路データ)の当該方面案内図における配置態様などを指定する配置指定データを作成する。配信部48は、分岐路データ抽出部46が抽出した分岐路データ(配信済み分岐路データ以外の分岐路データ)および配置指定データ作成部47が作成した配置指定データを、通信部42を介してナビゲーション装置11に配信する。
【0030】
ナビゲーション装置11の制御装置13は、配信サーバ12から配信された分岐路データ(配信済み分岐路データ以外の分岐路データ)および配置指定データを受信すると、受信した分岐路データ(配信済み分岐路データ以外の分岐路データ)および配置指定データと、配信済み分岐路データ記憶部61に記憶されている配信済み分岐路データとに基づいて、方面案内図を作成する。そして、制御装置13は、作成した方面案内図を、表示器18に表示されている地図に重ねて表示する。
【0031】
以上に説明したように本実施形態によれば、ナビゲーション装置11に一旦配信された分岐路データの再度の配信を不要とすることができ、方面案内図を表示するために配信サーバ12からナビゲーション装置11に配信するデータ量の低減化、ひいては、通信費や通信時間の一層の低減化を図ることができる。
【0032】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した各実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば次のように変形または拡張することができる。
ナビゲーション装置11は、例えば図5に示す配置位置[1]〜[8]の全てに分岐路データを配置した方面案内図のテンプレートデータを予め格納するとともに、配信サーバ12は、当該テンプレートデータのうち不要な分岐路データを指定する情報を配置指定データに含ませる構成としてもよい。即ち、不要な分岐路データを削除することで方面案内図を作成する構成としてもよい。
【0033】
また、例えば図2に示すような比較的単純な形状の分岐路データでは作成することができない複雑な形状の方面案内図についても、当該方面案内図のテンプレートデータをナビゲーション装置11に予め格納しておき、配信サーバ12から配信される配置指定データに基づいて不要な分岐路データを削除することで方面案内図を作成する構成としてもよい。
分岐点を構成する各分岐路に関する情報として方面案内図に配置する情報は、地点の名称や所要時間に限られるものではなく、例えば各種の交通情報(渋滞情報、交通規制情報など)を表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
図面中、10はナビゲーションシステム、11はナビゲーション装置、12は配信サーバ、23は分岐点特定情報送信部(分岐点特定情報送信手段)、24は方面案内図作成部(方面案内図作成手段)、25は方面案内図表示部(方面案内図表示手段)、43は分岐路データ保有部(分岐路データ保有手段)、45は分岐点特定情報受信部(分岐点特定情報受信手段)、46は分岐路データ抽出部(分岐路データ抽出手段)、47は配置指定データ作成部(配置指定データ作成手段)、48は配信部(配信手段)、61は配信済み分岐路データ記憶部(配信済み分岐路データ記憶手段)、62は通知部(通知手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行経路に存在する分岐点の近傍において当該分岐点を構成する各分岐路に関する情報を示す方面案内図を表示するナビゲーション装置と、前記方面案内図を表示するためのデータを前記ナビゲーション装置に配信する配信サーバとからなるナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置に設けられ、前記方面案内図を表示する対象となる前記分岐点を特定する分岐点特定情報を前記配信サーバに送信する分岐点特定情報送信手段と、
前記配信サーバに設けられ、前記分岐点を構成する前記分岐路ごとに作成された分岐路データを保有する分岐路データ保有手段と、
前記配信サーバに設けられ、前記分岐点特定情報送信手段が送信した前記分岐点特定情報を受信する分岐点特定情報受信手段と、
前記配信サーバに設けられ、前記分岐点特定情報受信手段が受信した前記分岐点特定情報に基づいて前記方面案内図を表示する対象となる前記分岐点を特定し、その分岐点に対応する前記方面案内図を作成するために必要な前記分岐路データを前記分岐路データ保有手段から抽出する分岐路データ抽出手段と、
前記配信サーバに設けられ、前記方面案内図を作成するために必要な前記分岐路データの当該方面案内図における配置態様を指定する配置指定データを作成する配置指定データ作成手段と、
前記配信サーバに設けられ、前記分岐路データ抽出手段が抽出した前記分岐路データおよび前記配置指定データ作成手段が作成した前記配置指定データを前記ナビゲーション装置に配信する配信手段と、
前記ナビゲーション装置に設けられ、前記配信手段が配信した前記分岐路データおよび前記配置指定データに基づいて前記方面案内図を作成する方面案内図作成手段と、
前記ナビゲーション装置に設けられ、前記方面案内図作成手段が作成した前記方面案内図を表示する方面案内図表示手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置に設けられ、前記配信手段が配信した前記分岐路データを配信済み分岐路データとして記憶する配信済み分岐路データ記憶手段と、
前記ナビゲーション装置に設けられ、前記配信済み分岐路データ記憶手段に記憶されている前記配信済み分岐路データを前記配信サーバに通知する通知手段と、
をさらに備え、
前記分岐路データ抽出手段は、前記方面案内図を作成するために必要な前記分岐路データのうち前記通知手段が通知した前記配信済み分岐路データ以外の前記分岐路データを抽出し、
前記配信手段は、前記分岐路データ抽出手段が抽出した前記配信済み分岐路データ以外の前記分岐路データを前記ナビゲーション装置に配信することを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−214935(P2011−214935A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82167(P2010−82167)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】