説明

ナビゲーション機能を有する情報端末

【課題】ナビゲーション機能を有する情報端末を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置100には追加アプリを実装することができる。追加アプリはポータルサイト500から購入する。ナビゲーション装置100は、追加アプリとナビゲーション用プログラムとを連携処理するAPIを備える。APIは、ナビゲーション機能に固有のサブルーチンを有し、追加アプリとナビゲーション用プログラムとの連携が円滑にできる。APIを公開することにより、ナビゲーション装置メーカ以外のソフトハウスが簡単に追加アプリを作成することができ、ナビゲーション装置に追加する機能を従来よりも大幅に増やすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポータルサイトが提供する種々の追加アプリを簡単に使用可能としたナビゲーション機能を有する情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
車載ナビゲーション装置では、各種施設検索機能が実装されている。しかしながら、検索機能は車載ナビゲーション装置メーカが独自に提供する機能であり、多岐にわたってユーザが望む機能を十分に提供できないおそれがある。
【0003】
そこで、特許文献1に開示されているナビゲーション装置のように、車載ナビゲーション装置の制御プログラムと連携して動作するガジェットを実装することができるナビゲーション装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−93463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のナビゲーション装置のように、ナビゲーション用プログラムとガジェットを連携して動作させる際、APIが不可欠であるが、ナビゲーション機能に最適なAPIが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1の発明は、ナビゲーション用プログラムを記憶するナビゲーションプログラム用記憶媒体と、ナビゲーション用プログラムと連携して動作するウイジェットを記憶するウイジェット用記憶媒体と、前記ウイジェットが前記ナビゲーション用プログラムで定義されたナビゲーション制御に従って連携動作させるためのAPIを記憶するAPI用記憶媒体と、前記ナビゲーション用プログラム、ウイジェットおよびAPIによる演算処理を制御するプロセッサと、前記プロセッサで実行された結果に基づいて情報を提示する表示装置と、前記プロセッサで実行された結果を前記表示装置に画面表示させるための表示データを生成する表示制御手段と、前記ウイジェットと連携する外部プロセッサと通信するための通信インターフェースとを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1のナビゲーション機能を有する情報端末において、前記APIは、前記ウイジェットと前記ナビゲーション用プログラムとの間で双方向通信をする際、ナビゲーション機能に関するナビゲーションAPIと、前記情報端末のシステム機能に関するシステムAPIと、前記情報端末が前記外部プロセッサと通信する機能に関する通信APIとを含んで構成されていることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1のナビゲーション機能を有する情報端末において、前記APIは、前記ウイジェットから出力された目的地設定コマンドに基づいて、目的地の座標を予め定めた所定領域にセットし、前記ナビゲーション用プログラムに対して目的地設定のコマンドを送信し、前記ナビゲーション用プログラムは、前記目的地設定コマンドにより前記所定領域を参照して前記目的地までの経路探索を実行して推奨経路を確定し、前記表示制御手段により前記推奨経路を地図上に重畳することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3のナビゲーション機能を有する情報端末において、前記ウイジェットからの指示により前記ナビゲーション用プログラムが演算した推奨経路は、本来のナビゲーション機能で設定されている他の推奨経路に優先して表示されることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項のナビゲーション機能を有する情報端末において、前記プロセッサは、前記ナビゲーション用プログラムで設定されている機能に応じて、前記ウイジェットによる機能を制限することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載のナビゲーション機能を有する情報端末において、前記ナビゲーション用プログラムで設定される機能は目的地の設定機能であり、前記ウイジェットは、前記設定された目的地を加味した検索に関するメニュを表示することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項5に記載のナビゲーション機能を有する情報端末において、前記ナビゲーション用プログラムで設定される機能は推奨経路の設定機能であり、ウイジェットは、前記設定された推奨経路を加味した検索に関するメニュを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ナビゲーション機能に適したAPIを実装することで、ポータルサイトで提供される種々の追加アプリを簡単に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明によるナビゲーション装置とポータルサイトを広域無線通信回線で接続したシステム例を示す図
【図2】本発明の一実施形態のナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図
【図3】画面表示の描画レイヤを説明する図
【図4】画面表示の描画レイヤを説明する図
【図5】画面表示の描画レイヤを説明する図
【図6】追加アプリが実装されているナビゲーション装置の現在地周辺地図を示す図
【図7】現在地周辺地図画面のアプリボタンを押圧した追加アプリ選択画面を示す図
【図8】選択した追加アプリのメニュ画面を示す図
【図9】メニュ画面から「現在地周辺を探す」を選択したときの検索結果画面を示す図
【図10】図9の検索画面からひとつの給油所アイコンを選択したときの施設情報画面を示す図
【図11】図10の給油所を目的地として選択したことを確認する画面を示す図
【図12】図10の給油所を目的地として探索した推奨経路を示す現在地周辺地図を示す図
【図13】給油情報の画面を示す図
【図14】図10の給油所の口コミ評価を示す図
【図15】図10の給油所のクーポンを示す図
【図16】図10の給油所のQRコードを示す図
【図17】ポータルサイトに記憶されるユーザと給油情報を対応付けたデータベース
【図18】ポータルサイトに記憶される給油所データベース
【図19】給油情報の初期設定画面を示す図
【図20】ナビゲーション用プログラムのメインルーチンを説明するフローチャート
【図21】追加アプリとAPIとナビゲーション用プログラムとの連携処理を説明するフローチャート
【図22】図21のフローチャートに引き続く連携処理を説明するフローチャート
【図23】追加アプリのメニュ画面から選択できる検索条件を決定するフローチャート
【図24】APIを説明するテーブル
【図25】「目的地周辺で探す」ボタンが押圧されたときの追加アプリとAPIとナビゲーション用プログラムとの連携処理を説明するフローチャート
【図26】「ルートサイドで探す」ボタンが押圧されたときの追加アプリとAPIとナビゲーション用プログラムとの連携処理を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(全体システム)
図1に示すように、本発明の一実施形態によるナビゲーション機能付き情報端末であるナビゲーション装置100は、ポータルサイト500と広域無線通信回線を利用した通信にてナビゲーションに関するアプリを簡単に使用可能としたものである。ポータルサイト500には、アプリ購入サイトが設定されているとともに、ナビゲーション装置100との間で双方向通信して追加アプリが提供する種々の機能を提供する。このようなポータルサイト500は、サーバ(プロセッサ)501と、種々の追加アプリが格納されたメモリ502と、追加アプリで提供される種々の情報が記憶されたデータベース503とを有する。例えば、データベース503には、図17に示すようなユーザデータベースと、図18に示すような給油所データベースが設けられている。
【0010】
ユーザにより追加アプリが実装されたナビゲーション装置100は、ナビゲーション装置100が有するナビゲーション機能に加え、ナビゲーションに関連した新たな機能を使用できる。あるいは、車載機の機能を向上させたり、エンターテイメント機能を充実することができる。
【0011】
図1に示すように、ナビゲーション装置100のユーザは、ポータルサイト500の購入サイトから追加アプリAやBを購入してナビゲーション装置100のプログラムメモリ領域101に予め格納する。ナビゲーション装置100は、格納した追加アプリAやBを起動させ、プログラムメモリ領域101に予め格納されているナビゲーション用プログラムと追加アプリ(widget:ウイジェットとも呼ぶ)をAPI(Application Process Interface)で仲介して実行することにより、装置100が本来有するナビゲーション機能を実現するとともに、追加アプリが提供する機能による給油施設情報や燃費情報の提供を行う。
【0012】
追加アプリは、例えば、フラッシュ(Adobe社の登録商標)によりプログラミングされ、プログラムメモリ領域101内のフラッシュプレイヤで再生することができる。
【0013】
なお、ナビゲーション用プログラムで実現される機能とウイジェットで実現される機能が共通に有する機能については、予め定義した優先順位に従って調停される。例えば、ナビゲーション用プログラムによる目的地設定と、ウイジェットで実現される目的地設定が競合する場合、ウイジェットによる目的地設定を優先するように定義することができる。目的地設定が競合することをユーザに報知し、ユーザがいずれか一方の目的地を選択するようにしてもよい。
【0014】
なお、ナビゲーション装置100は、追加アプリを使用することなく、ナビゲーション用プログラムにより本来のナビゲーション機能を実現できる。
【0015】
(ナビゲーション装置)
図2は、ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は車両に搭載される車載型の装置である。
【0016】
ナビゲーション装置100は、CPU(プロセッサ)、主記憶装置、周辺回路等を含む制御回路110を備える。制御回路110には不揮発性の記憶媒体であるフラッシュメモリ120、HDD130、データメモリ140が接続されている。制御回路110は、フラッシュメモリ120に格納されたナビゲーション用プログラムを読み込んで実行することにより、地図表示処理、現在地から目的地までの推奨経路を探索する経路探索処理、推奨経路に沿って自車両を案内する経路案内処理などを行う。また、HDD130に記憶された追加アプリ132と、フラッシュメモリ120に格納したAPI122と、フラッシュプレイヤ123を読み込んで実行することにより、追加アプリ132、すなわちウイジェットを実行する。
【0017】
HDD130には、後述する経路探索処理、経路案内処理、施設検索処理などに用いられる地図データ131も格納されている。地図データ131については後に詳述する。
なお、地図データと追加アプリをSDカードなどの外部記憶媒体に格納して使用してもよい。
【0018】
制御回路110には現在地検出装置170が接続されている。現在地検出装置170は自車両の現在地を検出し、制御回路110に出力する装置である。現在地検出装置170は、振動ジャイロ171、速度センサ172、およびGPSセンサ173を備える。振動ジャイロ171は自車両の角速度を検出する。速度センサ172は自車両の速度を検出する。GPSセンサ173はGPS衛星から送出されるGPS信号を検出する。現在地検出装置170はこれらのセンサにより検知された各情報から、公知の方法により自車両の現在地を検出して制御回路110へ出力する。
【0019】
ナビゲーション装置100は、表示装置141とスピーカ142とを備える。表示装置141は例えば液晶ディスプレイを有し、制御回路110が出力する画像信号に基づいて、画面に画像や文字列を表示する。スピーカ142は制御回路110が出力する音声信号に基づいて、ユーザに対し音声を流す。ナビゲーション装置100には更に、液晶ディスプレイに設けたタッチパネルと表示装置141の画面の周囲に配置した各種のスイッチを含む入力装置143が設けられており、ユーザによる操作に応じて制御回路110に操作信号が入力されるようになっている。
【0020】
制御回路110は、地図表示、経路探索、経路案内などナビゲーション機能を実行するナビゲーション制御部111と、車載ナビゲーション装置にユーザが格納したウイジェットによる燃費計算機能などのアプリ機能を制御するアプリ連携制御部」112とを備えている。ナビゲーション機能は、制御回路110がナビゲーション用プログラムを実行して行われる。アプリ機能は、制御回路110がウイジェットをAPIを仲介してナビゲーション用プログラムと連携して実行される。すなわち、ナビゲーション機能、追加アプリ機能は、ナビゲーション制御部111およびアプリ連携制御部112のソフトウェアにより実現される。
【0021】
(地図データと地図表示)
地図データ131は、地図表示用データ、経路探索用データ、施設データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。リンク情報には、各リンクの旅行時間(以下、リンク旅行時間)の情報と、当該道路の車線数の情報と、当該道路の道路種別(例えば国道や都道府県道など)の情報とが含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有している。制御回路110は、ユーザの要求、ナビゲーション処理での要求、ウイジェット処理での要求に従って表示装置141に地図を表示する。この地図表示に際して、表示地図の縮尺を変更することが可能である。
【0022】
地図表示処理では、HDD130から地図データ131が読み込まれ、表示用地図描画処理により表示用データが作成される。複数のレイヤにそれぞれ描画したデータが重畳されて地図画面表示が行われる。
【0023】
(地図表示処理)
表示画面が描画される複数のレイヤについて図3〜図5を参照して説明する。第1レイヤL1、第2レイヤL2,第3レイヤL3にはそれぞれ、表示画面に応じたデータが描画され、第1〜第3レイヤL1〜L3に描画された表示データを重畳して所望の表示画面が生成される。たとえば、第3レイヤL3には地図データと自車位置マークが描画され、第2レイヤL2には追加アプリの機能に基づく表示データが描画され、第1レイヤL1にはソフトスイッチを実現するボタンや文字、地図スケール、時計などが描画される。第2レイヤL2を退避させると第1レイヤL1と第3レイヤL3に描画した表示データが重畳されて表示装置120に表示される。
第1レイヤL1は入力部レイヤ、第2レイヤL2はウイジェットレイヤ、第3レイヤL3は地図レイヤと呼ぶことができる。
【0024】
図3は、ナビゲーション装置100にもともと実装されている画面表示処理時の表示レイヤを説明する図である。第3レイヤL3には地図表示データと自車位置マークが描画されている。第2レイヤL2には追加アプリ用表示データは描画されていない。第1レイヤL1には、例えば、現在地周辺の地図を表示する際に配置される複数の機能ボタンや情報表示データが描画される。機能ボタンは、詳細ボタン51、広域ボタン52、画面表示を切換える表示変更ボタン53、現在地メニュボタン54、追加アプリ起動ボタンなどのアプリボタン55等である。また、情報表示データとしては、縮尺を表すスケール56、目的地までの進行方向と距離を示す目的地表示57、現在地周辺の地域名称58などである。
【0025】
図3の表示レイヤにより表示画面の全域に地図が表示されているとき、表示画面を指でタッチすると、予め設定された方式で地図がスクロールされる。スケール56には、現在地表示画面として設定されている地図縮尺のスケールが表示される。
【0026】
なお、図4および図5はそれぞれ、追加アプリが起動されているときの画面表示に応じた表示レイヤを説明する図である。図4の表示レイヤでは、第3レイヤL3には右半分の領域に、地図表示データと自車位置マークが描画されている。第2レイヤL2には左半分の領域に、追加アプリ用表示データが描画されている。第1レイヤL1には、例えば、広域ボタン51、詳細ボタン52、縮尺を表すスケール56が描画されている。
【0027】
図4の表示レイヤにより表示画面の右半分の領域に地図が表示されているときは、地図のスクロールが禁止される。詳細ボタン51あるいは広域ボタン52を押圧すると地図縮尺が変更される。
【0028】
(経路探索機能)
経路探索機能は、自車両の現在地からユーザにより設定された目的地までの最適な経路を探索する機能である。すなわち、ナビゲーション用プログラムにより経路探索処理を実行して経路が探索される。目的地がユーザにより設定されると、制御回路110は、現在地検出装置170により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。例えば、出発地から目的地までの間の旅行時間(リンク旅行時間の合計)が最小になるような経路を演算するアルゴリズムで経路演算が行われる。以上の経路探索処理により求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して画面に表示される。これにより、ユーザは推奨経路を地図画面上で認識することができる。
【0029】
経路探索機能は、ナビゲーション用プログラムに基づいて実現され、追加アプリがナビゲーション装置100に実装されていない場合には、ナビゲーション装置100が本来備えている目的地設定処理によって設定された目的地までの経路が探索される。ユーザにより追加アプリがナビゲーション装置100に実装されている場合は、追加アプリの表示画面上からのユーザのボタン操作に基づいて、追加アプリ側で目的地が決定され、この目的地がナビゲーション装置100に送信されて設定される。ナビゲーション装置100は、追加アプリから送信された目的地に基づいてナビゲーション用プログラム121により経路探索処理が実行され、推奨経路が確定される。
【0030】
(経路案内機能)
経路案内機能は、探索された推奨経路に沿って自車両が目的地に到達するように案内交差点などで進路案内を行う機能であり、ナビゲーション用プログラムにより経路案内処理を実行して実現される。たとえば、運転者に対して表示装置141の画面やスピーカ142による音声などにより案内交差点などで進行方向指示が行われる。経路案内処理の実行中、表示装置141の画面には、自車両の周辺地域の地図が表示される。そして、地図上には、自車両の向きおよび現在地を表す自車位置マークが表示される。自車位置マークは、自車両が所定距離走行する毎に推奨経路上を目的地方向に移動して表示される。
【0031】
経路案内機能は、ナビゲーション用プログラムに基づいて実現される。上述したように、ナビゲーション装置100で推奨経路が設定され、車両が走行を開始すると、ナビゲーション用プログラムに基づいて経路案内が行われる。ユーザにより追加アプリがナビゲーション装置100に実装され、推奨経路が確定しているときの経路案内も同様である。
【0032】
(アプリによる画面遷移)
図6〜図16は表示装置141の表示画面を示している。この実施形態では、予めHDD130に記憶した複数の追加アプリの中から、給油施設情報と燃費情報に関するアプリ(ウイジェット)Cを起動した場合の画面遷移を示している。
【0033】
図6は現在地周辺を示す表示画面である。上述したとおり、画面表示は図3〜図5に示した第1レイヤL1〜第3レイヤL3の描画データにより行われる。第3レイヤL3には、推奨経路RR1が重畳された平面地図、自車位置マークおよび行政名称や道路名称などの文字情報が描画され、第1レイヤL1には、詳細ボタン51、広域ボタン52、表示変更ボタン53、現在地メニュボタン54、アプリボタン55、地図スケール56、目的地表示57が描画されている。第1および第3レイヤL1、L3の描画データが重畳されて図6の現在地画面が表示される。第2レイヤL2はアプリ表示画面のデータが描画されるレイヤであるが、図6のように追加アプリが起動される前は、表示データは描画されていない。
【0034】
図6の地図画面表示では、自車位置マークが表示画面の中心に配置される。そして、たとえば、表示画面を擦るように指でタッチすると、指で擦った方向に地図がスクロールする。表示画面内の所定範囲内にスクロール許可領域を設定し、この範囲内で表示画面へのタッチが検出されると地図がスクロールされる。追加アプリCが起動中、第2レイヤL2にはアプリ表示用表示データが描画され、このアプリ表示データが第3レイヤL3に描画された地図データと重畳表示されるときは、地図表示画面上をタッチしてもスクロールが行われないように構成される。また、車両が所定距離移動するたびに、自車位置マークは画面中央に固定したまま地図が移動する。地図スケール56は単位長さ200mの縮尺で地図表示を行っていることを示している。
【0035】
図6のアプリボタン55を押圧すると、図7のアプリ選択メニュが表示される。この実施形態では、4つのアプリA〜Dが予め実装され、アプリ選択メニュ画面から、給油施設情報と燃費情報を提供するアプリCが選択された場合について説明する。
【0036】
なお、追加アプリA〜Dは、パソコンを使用してポータルサイト500の購入サイトからダウンロードすることができる。ユーザは、ダウンロードした追加アプリをSDカードのような可搬式記憶媒体に記憶し、このSDカードをナビゲーション装置100のSDカードI/F182に差し込んでナビゲーション装置100のHDD130に予め格納することができる。
【0037】
ユーザが追加アプリを購入すると、ポータルサイト500のデータベース503には、ユーザと追加アプリを対応付けたユーザデータベースが作成される。図17はその一例を示す。ユーザが追加アプリを起動してナビゲーション装置100がポータルサイト500と通信すると、追加アプリごとに、必要なデータがユーザデータベースに蓄積され、あるいは更新される。
【0038】
アプリCボタンが押圧されると、追加アプリCが起動し、フラッシュプレイヤ123により、追加アプリCのメニュ画面表示データが第2レイヤL2の左半分の領域に描画される。また、ナビゲーション用プログラムは、第3レイヤL3の右半分の領域に地図表示データを描画する。このようなナビゲーション用プログラムによる描画処理とフラッシュプレイヤ123による描画処理により、アプリCのメニュ画面である図8の画面が表示される。画面の左半分がアプリCのメニュ画面であり、右半分が地図表示画面である。
【0039】
第3レイヤL3に描画される地図は、図6の現在地周辺平面地図の自車位置を中心とした所定範囲内の地図であり、画面右半分の表示領域の範囲に応じた広さの地図である。すなわち、図4に示すように、第3レイヤL3には、その右半分の領域に、図8の右半分の領域に表示される地図が描画される。第3レイヤL3の左半分の領域に地図表示データは描画されない。
【0040】
図8の地図画面上を指でタッチしても地図スクロールは行われない。これは、アプリCによる地図表示要求と、ナビゲーション用プログラムによる地図表示要求とを競合させないようにするためである。
【0041】
詳細ボタン51が押圧されると地図縮尺が小さくなり、広域ボタン52が押圧されると地図縮尺が大きくなる。地図スケール56は、図6の地図画面表示と同じ単位長さ200mの縮尺で地図表示を行っていることを示している。この場合の地図縮尺変更は、ナビゲーション用プログラム101が詳細ボタン51または広域ボタン52の押圧を検出して行われ、追加アプリCから地図縮小、拡大のコマンドは送信されない。
【0042】
図8のメニュ画面から「現在地周辺を探す」ボタンが押圧されると、ナビゲーション用プログラムからの指示により、ポータルサイト500のサーバ501はデータベース503の給油所データベース(図18)を検索して、現在地周辺の給油所情報を抽出する。サーバ501は、抽出した給油所情報をナビゲーション装置100に送信し、ナビゲーション装置100は、ナビゲーション用プログラムの制御により取得した給油所情報を追加アプリCへ送信する。追加アプリCは、取得した給油所情報に基づいて図9の左半分のアプリ表示領域の画面を表示すべく処理を実行する。
【0043】
図9の画面左半分のアプリ表示領域には、現在地周辺の給油所に関する情報がリスト表示され、右半分の地図表示画面には、自車位置マークを中心とした所定範囲内に位置する複数の給油所アイコンが表示されている。図9では、左半分のアプリ表示領域に表示された4つの給油所A〜Dを特定するA,B,C,Dのマークが、右半分の地図表示画面内の給油所アイコンに付設して表示されている。
【0044】
図8の地図画面の地図縮尺は単位スケール200mであり、図9の地図画面の地図縮尺は単位スケール2kmである。図8の画面表示から図9の画面表示に切り替わるとき、追加アプリCに基づいた地図縮尺を変更するコマンドが追加アプリCから出力される。地図縮尺変更コマンドは、APIによりナビゲーション用プログラムに読み込まれ、ナビゲーション用プログラムは、現在地表示画面として設定されている地図縮尺である単位スケールを、追加アプリCで指定した単位スケールに変更する。例えば、追加アプリCにより検索された複数の給油所施設をひとつの地図画面に表示するため、追加アプリCは、地図スケールを2kmに変更するコマンドをAPI経由でナビゲーション用プログラムに送信する。これにより、ナビゲーション用プログラムは、第3レイヤL3の右半分の地図表示データをスケール2kmの地図データに更新して描画する。
【0045】
「目的地周辺を探す」ボタンが押圧されると、目的地周辺の給油所が検索される。図9の右側の画面地図は、ナビゲーション装置100で予め設定されている目的地を中心とした地図に切り替わり、その周囲に給油所アイコンが表示される。後述するように、ナビゲーション装置100で目的地が設定されている場合のみ、「目的地周辺を探す」ボタンが有効化、すなわち表示される。
【0046】
「ルートサイドを探す」ボタンが押圧されると、推奨経路沿いの給油所が検索される。図9の右側の画面地図は、ナビゲーション装置100で予め設定されている推奨経路に沿った給油所が表示されるような地図に切り替わる。後述するように、ナビゲーション装置100で推奨経路が設定されている場合のみ、「ルートサイドを探す」ボタンが有効化、すなわち表示される。
【0047】
図9の画面左半分のアプリ表示領域には、給油所情報として、レギュラーガソリンの価格、ガソリン販売メーカのアイコン、現在地からの距離、施設情報を呼び出す施設アイコンが並んで表示されている。施設アイコンの脇の「クーポン」の表記は、割引などのクーポンを発行している施設を示している。図9は、レギュラーガソリンの価格が安い順に並んでリスト表示されている。現在地に近い順に表示することもできる。
【0048】
また、図9の「おすすめ」を選択すると、口コミによる評価の高い順に給油所がリスト表示される。口コミによる評価は、図18の給油所データベースに示すように、全体評価と洗車評価のそれぞれについて、1つ星から5つ星で評価されている。
【0049】
施設アイコンを押圧すると、フラッシュプレイヤ123により図10の画面に切り替わる。図10は、図9の給油所「A」の施設アイコンを押圧したときに切り替わった施設情報表示画面である。施設情報表示画面には、給油所「A」の店舗名、電話番号、レギュラーガソリンの価格が表示されている。なお、価格が表示される燃料の種別は、ユーザが予め追加アプリの設定画面で初期設定したものである。図19に設定画面の一例を示す。
【0050】
図19の設定画面には、価格を表示する油種(ハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油)、燃費情報、ダウンロード件数などの表示欄が設けられている。
【0051】
図9の給油所「A」のリストボタンが押圧されたことをアプリCが認識すると、追加アプリCは、図10のアプリ領域の表示画面が表示されるよう、第2レイヤL2の左半分の領域に図10の左画面の表示データを描画する。また、第3レイヤL3の右半分の領域には、ナビゲーション用プログラムにより給油所「A」を中心とした単位スケール100mの地図表示データが描画される。
【0052】
図10の「ここに行く」ボタンが押圧されると、追加アプリCは、図11のアプリ領域の画面を表示するデータを第2レイヤL2に対応した描画領域に描画する。また、第3レイヤL3には、図10と同様に給油所「A」を中心とした単位スケール100mの地図が描画される。
【0053】
図11の左半分のアプリ領域には、給油所「A」を目的地として設定することの確認ボタン「はい」と「いいえ」が表示されている。「はい」が押圧されると、アプリCは、給油所「A」を目的地とした経路探索を行うコマンドを出力する。このコマンドはAPI経由でナビゲーション用プログラムに送信される。ナビゲーション用プログラムは、アプリCから送信された給油所「A」を目的地とした経路探索処理を実行する。
【0054】
図12は、ナビゲーション用プログラムにより経路探索処理が終了し、推奨経路RR2が描画された地図画面を示している。アプリボタン55は、追加アプリCを表すマークに変更されている。図12の地図表示画面の表示データは、図6と同様、現在地を中心とした道路地図データを第3レイヤL3に描画したものであり、このとき推奨経路RR2が道路地図に重ねて表示されている。また、図11では、予め設定されていた推奨経路RR1の目的地までの距離3.3kmとその方向が目的地表示57に表示されていた。図12では、現在地から給油所「A」までの距離780mとその方向が目的地表示57に表示されている。
【0055】
このように、ナビゲーション用プログラムで先に設定されていた推奨経路RR1は地図画面表示から消去され、それに代えて、追加アプリCで設定された目的地までの推奨経路RR2が表示される。換言すると、追加アプリCで設定された推奨経路RR2は予めナビゲーション用プログラムで設定した推奨経路RR1よりも優先表示される。図12の画面に表示が切り替わった後、推奨経路RR2に沿った経路案内がナビゲーション用プログラムの経路案内処理により開始される。
【0056】
自車両が目的地に到着すると、追加アプリCを示すアプリボタン55が点滅する。点滅ボタン55を押圧すると、図13に示す給油情報が画面全域に表示される。すなわち、フラッシュプレイヤ123により、第2レイヤL2の全域に図13の給油情報の表示データが描画され、第1レイヤL1からは機能ボタンや文字データの全てが消去される。給油情報は、給油所の電話番号、総走行距離、給油量、満タン給油の有無、支払代金を含み、これらの給油情報データは、ユーザに割り当てられたポータルサイト500のデータベース503に保存される。図17はそのデータベースの一例である。
【0057】
なお、ポータルサイト500のデータベース503には、図18に示す給油所データベースが予め記憶されている。給油所情報は、給油所店舗名、住所、電話番号、ハイオクの価格、レギュラーの価格、軽油の価格、口コミによる5段階全体評価と5段階洗車評価、クーポンの有無を含む情報である。
【0058】
図14は、図10の施設情報画面の1/4頁から続く2/4頁の表示画面である。図14には、給油所「A」が全体評価、洗車評価とも5つ星であることが示されている。さらに図15は、3/4頁のクーポンの画面表示である。図14の「クーポン発行」ボタンを押圧すると図15の3/4頁のクーポン画面が表示される。さらに図16は、図15の画面表示から頁送りボタンを操作して4/4頁を表示した図であり、図16にはQRコードが表示され、このQRコードにより、種々の情報を取得することができる。なお、追加アプリCはナビゲーション用プログラムに対してQRコードを生成して送り返す旨の要求を行う。
【0059】
図20〜図23は、追加アプリ機能を実現するための処理のフローチャートである。図20〜図23に示す処理は、制御回路110のナビゲーション制御部111とアプリ連携制御部112により、フラッシュメモリ120とHDD130からナビゲーション用プログラムと、追加アプリを定義したプログラムと、APIとしてのプログラムを読み込み、実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
【0060】
(ナビゲーション用プログラムのメインルーチン)
図20はナビゲーション用プログラムの処理を説明するフローチャートである。ナビゲーション装置100の電源がオンするとステップS11において、図6に示す現在地周辺の地図画面が表示される。地図は、平面地図(2D)、鳥瞰地図(3D)、2Dと3Dを左右に分割表示する3通りのモードのいずれかで表示される。
【0061】
ステップS12では、表示画面に表示されている追加アプリボタン55が押圧されたか否かを判定する。押圧されていると判定されると、ステップS13において、図7に示す追加アプリメニュ画面が表示される。ステップS12でアプリボタン55が押圧されていないと判定された場合は、ステップS21へ進む。
【0062】
なお、追加アプリボタン55が押圧された場合でも、ナビゲーション用プログラムによるナビゲーション処理はバックグランドで継続して実行されている。したがって、後述するように、追加アプリ処理実行中に通常のナビゲーション制御に切り替える動作を円滑に行うことができるし、追加アプリ処理との連携処理も円滑に行うことができる。
【0063】
ステップS14では、追加アプリA〜Dのいずれが選択されたかを判定する。ステップS14で追加アプリが選択されていると判定された場合は、ステップS15において、選択した追加アプリを起動するコマンドを出力する。ステップS14で追加アプリが選択されていると判定されない場合はステップS13に戻る。
【0064】
追加アプリ起動コマンドを出力すると、ステップS16において、画面切換処理を実行し、ステップS17において追加アプリフラグに1を設定し、さらにステップS18においてアプリ連携処理を実行する。アプリ連携処理を実行しているとき、ステップS19において、追加アプリ画面からナビゲーション用プログラムで支配される画面に切り替えるコマンドが出力されたと判定されると、アプリ連携処理を中断し、バックグランドで実行しているナビゲーション処理に基づく制御に切換える。ステップS19が否定された場合、ステップS20において、ナビゲーション装置100の電源がオフされたか否かを判定し、オフされていなければ、ステップS18のアプリ連携処理に戻り、オフされていれば一連の処理を終了する。
【0065】
ステップS19が肯定されてバックグランドで通常ナビゲーション処理を実行中、ステップS21において、ナビゲーション装置100の電源がオフされたか否かを判定し、オフされていなければ、ステップS22において、アプリボタン55が押圧されたかを判定する。追加アプリボタン55が押圧されたと判定された場合は、ステップS23に進み、アプリフラグに1が設定されていると判定されると、ステップS18のアプリ連携処理へ移行する。アプリフラグに1が設定されていないと判定された場合はステップS13に戻る。ステップS22で追加アプリボタン55が押圧されたと判定されない場合は、通常のナビゲーション処理を継続し、ステップS21に戻る。ステップS21において、ナビゲーション装置100の電源がオフされたと判定されると、一連の処理を終了する。
【0066】
(アプリ連携処理)
図21はステップS18のアプリ連携処理を説明するフローチャートである。(a)は追加アプリCのメインルーチンの処理を説明するフローチャート、(b)はAPIのサブルーチン処理を説明するフローチャート、(c)はナビゲーション用プログラムの連携処理を説明するフローチャートである。追加アプリに関するステップには100番台を、APIに関するステップには200番台を、ナビゲーション用プログラムに関するステップSには300番台を付して説明する。
【0067】
なお、APIのサブルーチンの定義一覧の概念を図24に示す。APIは、機能IDと、パラメータparam1〜3とにより定義される。機能IDは、追加アプリからナビゲーション用プログラムにデータを設定する設定IDと、ナビゲーション用プログラムからデータを取得する取得IDと、ナビゲーション用プログラムから制御の状態が通知される通知IDを有している。パラメータparamの領域にデータを書き込んだり、パラメータparamの領域からデータを読み込むことにより、追加アプリとナビゲーション用プログラムとの間で相互に連携した制御を行う。
【0068】
(追加アプリCの検索種類設定処理)
図7のアプリ表示画面で追加アプリCボタンが押圧されると、ステップS101において、図7の追加アプリCのメニュ画面処理が実行される。図23はメニュ画面処理を説明するフローチャートである。ステップS151において、追加アプリCは、ナビゲーション用プログラムに対して、通常ナビゲーション処理により目的地が設定されているか否かを問い合わせるコマンドをAPIに出力する。APIは、ステップS251において、機能ID2011のサブルーチンを実行し、ナビゲーション用プログラムに対して目的地の座標を取得して返すことを指示するコマンドを送信する。ナビゲーション用プログラムは、目的地が設定されていれば、ステップS351において、目的地の座標と名称を取得し、ステップS352においてAPIに出力し、ステップS252において、APIの機能ID2011のパラメータparam2に座標が、パラメータparam3に名称がセットされる。
【0069】
追加アプリCはステップS152において、APIのパラメータparam2から座標を、パラメータparam3から名称を読み込む。目的地の座標と名称が読み込まれると、ステップS153において、追加アプリメニュ画面の「目的地周辺で探す」ボタンの表示を有効化する。目的地が設定されていないときは、「目的地周辺で探す」ボタンの表示を有効化せず、図7のアプリ表示領域に「目的地周辺で探す」ボタンは表示されない。
【0070】
ついで、ステップS154において、ナビゲーション用プログラムに対して通常ナビゲーション処理により推奨経路が設定されているか否かを問い合わせるコマンドをAPIに出力する。APIは、ステップS252において、機能ID2013のサブルーチンを実行し、ナビゲーション用プログラムに対して推奨経路の有無を確認して返すことを指示するコマンドを送信する。ナビゲーション用プログラムは、ステップS353において、推奨経路の設定の有無を取得し、ステップS354において取得結果を出力し、ステップS254において、APIの機能ID2013のパラメータparam2に推奨経路の設定の有無がセットされる。
【0071】
追加アプリCはステップS155において、APIのパラメータparam2から推奨経路の設定の有無を読み込む。推奨経路が設定されていれば、追加アプリメニュ画面の「ルートサイドで探す」ボタンの表示を有効化する。推奨経路が設定されていないときは、「ルートサイドで探す」ボタンの表示を有効化せず、図7のアプリ表示領域に「ルートサイドで探す」ボタンは表示されない。
【0072】
なお、追加アプリCでは推奨経路の設定の有無のみが必要であるが、推奨経路を表すノードの点列データが必要な追加アプリでは、アプリ側から点列データを要求するコマンドが出力されると、APIの機能ID2017のサブルーチンが実行され、パラメータparam1に自車位置の座標が、パラメータparam2に目的地の座標が、パラメータparam3に現在地から目的地までの推奨経路データのノード点数、ノード座標がセットされる。
【0073】
追加アプリから推奨経路生成要求のコマンドが出力されると、機能ID2018のサブルーチンが実行され、ナビゲーション用プログラムに対して、出発地から目的地までの推奨経路を特定する複数のノードを含む点列データを生成させるコマンドを送信する。ナビゲーション用プログラムは、出発地から目的地までの経路を特定する複数のノードを含む点列データを取得し、推奨経路を特定する点列データがあるときはパラメータparam1に0を、ないときは1をセットし、点列データが自車位置、経由地、目的地のみの基本データのみときは0を、詳細な点列データの場合は1をセットする。
【0074】
経路案内に関するデータも同様に追加アプリからの要求により、ナビゲーション用プログラムにより取得し、そのデータをAPIのパラメータparamにセットしておけば、追加アプリがそのデータを読み込んで経路案内のデータを取得することができる。
【0075】
(給油所検索処理)
図21のステップS102では、追加アプリCのメニュ画面に表示されている「現在地周辺で探す」ボタン、「目的地周辺で探す」ボタン、「ルートサイドで探す」ボタンのいずれが選択されたかを判定する。
【0076】
ステップS102において、「現在地周辺で探す」ボタンが押圧されたことが判定されると、ステップS103に進む。ステップS103では、ナビゲーション用プログラムに対して自車位置を要求するコマンド(機能ID2000で定義されている)をAPIに出力する。APIは、ステップS201において、機能ID2000のサブルーチンを実行し、ナビゲーション用プログラムに対して、自車位置、すなわち現在地の座標と、自車両の進行方向を取得して戻すコマンドを送信する。ナビゲーション用プログラムは、ステップS301において、現在地と自車両の進行方向とを取得し、ステップS302において、現在地の緯度、経度と車両進行方向をAPIに送信する。APIはステップS202において、緯度、経度をparam2に、車両進行方向をparam3に記録する。追加アプリCは、ステップS104において、APIのparam2,3を参照して緯度、経度、進行方向を取得し、ステップS105に進む。
【0077】
ステップS105では、追加アプリCは、ナビゲーション用プログラムに対して、現在地周辺の給油所を検索して検索結果を送り返すコマンド(機能ID3000で定義されている)をAPIに送信する。このコマンドは、ユーザIDと、ポータルサイト500を指定するURIと、検索内容を定義したクエリとを含む。APIはステップS203において、機能ID3000のサブルーチンを実行する。このサブルーチンの実行により、ユーザIDがパラメータparam1に、ポータルサイト500を指定するURIがパラメータparam2に、検索内容を定義したクエリがパラメータparam3にそれぞれセットされる。
【0078】
ナビゲーション用プログラムは、ステップS303において、追加アプリにより指定されたユーザIDをパラメータparam1から、URIをパラメータparama2から、クエリをパラメータparam3から読み出す。ステップS304において、通信I/F181に対して、追加アプリCで指示されたURIにナビゲーション装置100を接続する処理を指示する。ナビゲーション用プログラムは、指定されたURIに対して、ユーザIDと、給油所検索要求を送信している車両の緯度、経度、および進行方向をポータルサイト500に送信する。ポータルサイト500は、これらの検索情報に基づいて、現在地周辺の給油所を図17に示した給油所データベースにより検索する。ナビゲーション用プログラムのステップS305において、接続されたURIから給油所情報の取得を開始すると、検索結果がナビゲーション装置100で受信される。
【0079】
給油所情報の全ての受信が完了すると、ステップS306において、機能ID3010で定義されるコマンドにより、ユーザID、給油所情報のダウンロード完了通知、および給油所情報をAPIに出力する。APIは、ステップS204において、機能ID3010のサブルーチンを実行し、ユーザIDをパラメータparam1に、給油所情報のダウンロード完了通知をパラメータparam2に、取得した給油所情報をパラメータparam3にセットする。
【0080】
追加アプリCは、ステップS106において、これらのパラメータparam1〜3を参照して、図7の右半分の地図画面上において、取得した給油所の位置に給油所アイコンを配置するコマンド(機能ID2301で定義されている)をAPIに出力する。すなわち、アイコンテーブルインデックスをパラメータparam1に、アイコン座標をパラメータparam2に、アイコン名称をパラメータparam3に、アイコン種別をパターンparam4にそれぞれセットする。また、ステップS107において、地図スケールを2kmとするコマンド(機能ID2101で定義されている)をAPIに出力する。すなわち、自車位置の緯度、経度をパラメータparam2に、地図スケール2kmをパラメータparam3にそれぞれセットする。
【0081】
APIは、ステップS205において、機能ID2301のサブルーチンを実行して、ナビゲーション用プログラムに対して、給油所アイコンを現在地周辺の地図上に配置することを指示するコマンドを送信する。また、APIは、ステップS206において、機能ID2101のサブルーチンを実行して、ナビゲーション用プログラムに対して、地図スケールを2kmに変更するコマンドを出力する。ステップS205および206のコマンドを受信したナビゲーション用プログラムは、対応するパラメータparamを参照して、図7で示す表示画面の右半分の領域に地図がスケール2kmで表示されるよう、第3レイヤL3の右半分の領域に地図スケール2kmの地図を描画する。そして、地図上において、取得した給油所の位置に給油所アイコンが重畳表示されるよう、第3レイヤL3の右半分の領域に取得した給油所アイコンを描画する。
【0082】
追加アプリCのステップS108では、取得した給油所情報を第2レイヤL2の左半分の領域にフラッシュプレイヤ123により描画する。その結果、第1レイヤL1〜第3レイヤL3を重畳した図9に示す検索結果画面が表示される。
【0083】
図21のステップS109において、追加アプリCは、図9の4つの給油所リストアイコンのいずれかが選択されたかを判定する。いずれかの給油所アイコンが押圧されたことが判定されると、図22のステップS111に進む。
【0084】
(目的地設定処理)
図22のステップS111において、図10の画面の「ここへ行く」ボタンが押圧されたかを判定する。「ここへ行く」ボタンが押圧されると、追加アプリCは、ステップS112において、選択された給油所を目的地とした経路探索処理を行うことを指示するコマンド(機能ID2200で定義されている)をAPIに出力する。この目的地設定要求コマンドには給油所の緯度、経度のデータも含まれている。給油所の緯度、経度はパラメータparam2に、目的地名称はパラメータparam3にセットされる。
【0085】
APIは、ステップS211において機能ID2200のサブルーチンを実行して、選択された給油所を目的地設定する要求をナビゲーション用プログラムに送信する。ナビゲーション用プログラムは、ステップS311において、APIのパラメータparam2、3を参照して、給油所の緯度、経度を目的地に設定し、ステップS312において経路探索処理を実行する。ステップS313において探索された複数の経路の中から予め定めた基準で一つの経路を推奨経路として確定する。
【0086】
追加アプリCはまた、ステップS113において、機能ID1008で定義されたコンテンツ最小化要求をAPIに出力する。APIは、機能ID1008のサブルーチンを実行して、コンテンツ最小化要求をナビゲーション用プログラムに送信する。このコンテンツ最小化要求を受信したナビゲーション用プログラムは、ステップS314において、画面表示を全画面地図に切換えるべく画面表示制御を行う。すなわち、第3レイヤL3の全ての領域に地図スケール200mの地図を表示するように地図データを描画し、推奨経路をその地図上に重畳する。そして、経路案内を開始する。
【0087】
経路案内開始後、ナビゲーション用プログラムはステップS315で自車両が目的地に到着したか否かを判定し、目的地に到着すると、ステップS316において、目的地の座標と名称を取得し、機能ID2020で定義したコマンドによりこれらのデータをAPIに出力する。APIは、ステップS213で機能ID2020のサブルーチンを実行して、目的地の座標をパラメータpara2に、目的地名称をパラメータparam3にそれぞれセットする。追加アプリCは、これらのパラメータparamを参照して、ステップS114で目的地到着が受信されたことが判定されると、ステップS115において、アプリボタン55を点滅させるコマンド(機能ID1005で定義されている)をAPIに出力する。
【0088】
APIは、このコマンドを受信すると、ステップS214において、機能ID1005のサブルーチンを実行し、アプリボタン55の点滅要求をパラメータparam1にセットし、ナビゲーション用プログラムに割り込みを掛ける。ナビゲーション用プログラムは、ステップS317で割り込みを検知し、パラメータparam1を参照してアプリボタン55を点滅させる。
【0089】
また追加アプリCは、ステップS115に引き続いて、ステップS116において、図13に示した給油所情報をフラッシュプレイヤにより第2レイヤL2の全面に描画する。一方、ナビゲーション用プログラムは、ステップS318において、アプリボタン55が押圧されたか否かを判定し、押圧されたことが判定されると、ステップS319において、図12の地図画面を図13の給油所情報表示に切り替える。すなわち、ナビゲーション用プログラムは、第2レイヤL2に描画されている給油所情報を有効化する。これにより、第3レイヤL3の全画面地図が第2レイヤL2で覆われ、図13の給油所情報が表示される。なお、このとき、ナビゲーション用プログラムは、第1レイヤL1の描画データを全て消去しておく。この第2レイヤL2の描画データによる表示制御は図5に示したレイヤ制御である。
【0090】
「目的地周辺を探す」ボタンが押圧されると、目的地辺の給油所が検索される。図9の右側の画面地図は、ナビゲーション装置100で予め設定されている目的地を中心とした地図に切り替わり、その周囲に給油所アイコンが表示される。後述するように、ナビゲーション装置100で目的地が設定されている場合のみ、「目的地周辺を探す」ボタンが有効化、すなわち表示される。
【0091】
図25は「目的地周辺で探す」ボタンが押圧された場合のアプリ連携処理を説明するフローチャートである。ステップS161において、追加アプリから目的地の座標と名称の取得要求のコマンドがAPIに送信されると、ステップS261において、APIの機能ID2011のサブルーチンが実行される。APIは、ナビゲーション用プログラムに対して目的地の座標と名称を取得するコマンドを送信する。ナビゲーション用プログラムは、ステップS361において、目的地の座標と名称を取得し、APIはステップS262で座標をパラメータparam2に、名称をパラメータparam3にセットする。追加アプリCは、ステップS162において、パラメータparam2から目的地の座標を、パラメータparam3から目的地の名称を読み込む。その後、これらの目的地座標をポータルサイト500に送信して周辺の給油所を検索する処理は、「現在地周辺で探す」の検索処理と同様であり、説明を省略する。
【0092】
「ルートサイドを探す」ボタンが押圧されると、推奨経路沿いの給油所が検索される。図9の右側の画面地図は、ナビゲーション装置100で予め設定されている推奨経路に沿った給油所が表示されるような地図に切り替わる。後述するように、ナビゲーション装置100で推奨経路が設定されている場合のみ、「ルートサイドを探す」ボタンが有効化、すなわち表示される。
【0093】
図26は「ルートサイドで探す」ボタンが押圧された場合のアプリ連携処理を説明するフローチャートである。ステップS171において、自車位置から目的地までの推奨経路の点列データの取得要求のコマンド(機能ID2018で定義されている)が追加アプリからAPIに送信される。また、ステップS172において、点列データの取得要求コマンドの出力とともに、推奨経路が設定されているか否かと、点列データが基本的な自車位置、経由地、目的地のみの推奨経路か、経路形状まで表す点列データであるか否かを要求するコマンド(機能ID2019で定義されている)を出力する。
【0094】
ステップS271において、APIは機能ID2018のサブルーチンを実行する。APIは、ナビゲーション用プログラムに対して推奨経路の点列データを生成させるコマンドを送信する。ナビゲーション用プログラムは、ステップS371において、推奨経路の点列データを取得し、機能ID2017のサブルーチンにより、パラメータparam2に座標を、パラメータparam3に名称をセットする。追加アプリCは、ステップS173において、パラメータparam2から目的地の座標を、パラメータparam3から目的地の名称を読み込む。その後、これらの目的地座標をポータルサイト500に送信して給油所を検索する処理は、「現在地周辺で探す」の検索処理と同様であり、説明を省略する。
【0095】
(API)
図24(a)〜(c)は、APIの機能IDを説明する表である。
APIは、追加アプリCのコマンドをナビゲーション用プログラムに実行させるためのインターフェースである。このAPIを公開することにより、ナビゲーション装置を開発するメーカのみならず、ソフトウェアを開発する事業者がナビゲーション装置のメーカ向けに種々のアプリ(ウイジェット)を提供することが容易となる。
【0096】
APIは、ナビゲーション装置100の機能に関するナビゲーションAPIと、ナビゲーション装置100のシステム機能に関するシステムAPIと、ナビゲーション装置100がサーバ(外部プロセッサ)501と通信する機能に関する通信APIとを備えている。
【0097】
(ナビゲーション用API)
図24(a)は、ナビゲーションAPIを説明する表である。
機能ID2000は、取得イベントと呼ばれ、追加アプリがナビゲーション用プログラムに対して自車位置を要求するコマンドによりAPIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、自車位置、すなわち現在地の座標と、自車両の進行方向を取得する要求をナビゲーション用プログラムに行う。そして、ナビゲーション用プログラムは、APIの要求にしたがって取得した現在地の座標(緯度、経度)をパラメータ領域param2に出力する。また、APIの要求にしたがって取得した自車両の進行方向をパラメータ領域param3に出力する。追加アプリは、パラメータ領域param2から現在地の座標を、パラメータ領域param3から進行方向を取得する。
【0098】
機能ID2011は、取得イベントと呼ばれ、追加アプリがナビゲーション用プログラムに対して目的地の座標と名称を要求するコマンドによりAPIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、目的地の座標と名称を取得する要求をナビゲーション用プログラムに行う。そして、ナビゲーション用プログラムは、APIの要求にしたがって取得した目的地の座標(緯度、経度)をパラメータ領域param1に出力する。また、APIの要求にしたがって取得した目的地の名称をパラメータ領域param2に出力する。追加アプリは、パラメータ領域param1から目的地の座標を、パラメータ領域param2から目的地の名称を取得する。
【0099】
機能ID2013は、取得イベントと呼ばれ、追加アプリがナビゲーション用プログラムに対して推奨経路が設定されているか否かを問い合わせるコマンドによりAPIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、推奨経路が設定されているか否かを確認する要求をナビゲーション用プログラムに行う。そして、ナビゲーション用プログラムは、APIの要求にしたがって取得した推奨経路設定の有無をパラメータ領域param2に出力する。追加アプリは、パラメータ領域param2から目的地設定の有無を取得する。
【0100】
機能ID2020は、通知イベントと呼ばれ、ナビゲーション用プログラムが追加アプリに対して目的地に到着したことを通知することを要求するコマンドによりAPIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、目的地に自車両が到着したことの通知要求をナビゲーション用プログラムに行う。そして、ナビゲーション用プログラムは、APIの要求にしたがって、経路案内処理において自車両が目的地に到着したか否かを監視し、目的地に到着したら目的地を識別するコードをパラメータ領域param1に出力するとともに、到着した目的地の座標をパラメータ領域param2に出力し、到着した目的地の名称をパラメータ領域param3に出力する。追加アプリは、パラメータ領域param1から目的地到着の有無を取得し、パラメータ領域param2から目的地の座標を取得し、パラメータ領域param3から目的地の名称を取得する。
【0101】
機能ID2101は、設定イベントと呼ばれ、追加アプリがナビゲーション用プログラムに対して地図縮尺の変更を要求するコマンドによりAPIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、地図スケールをパラメータ領域param3に設定する。ナビゲーション用プログラムはパラメータ領域param3の地図スケールを参照して地図を描画する。
【0102】
(通信用API)
図24(b)は、通信用APIを説明する表である。
機能ID3000は、設定イベントと呼ばれ、ナビゲーション用プログラムに対して外部のサイトからデータダウンロードを要求する追加アプリからのコマンドによりAPIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、パラメータ領域param1にユーザIDが書き込まれ、パラメータ領域param2に接続先のURIが書き込まれ、パラメータ領域param3にクエリが書き込まれる。ナビゲーション用プログラムは、これらのパラメータ領域param1〜3のデータにしたがって、外部のサイトから必要なデータをダウンロードする。
【0103】
機能ID3010は、通知イベントと呼ばれ、追加アプリに対して外部のサイトからのデータダウンロード完了通知と、ダウンロードしたデータを出力することを要求するナビゲーション用プログラムからのコマンドによりAPIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、パラメータ領域param1にユーザIDが書き込まれ、パラメータ領域param2にURIへ接続した結果が書き込まれ、パラメータ領域param3にダウンロードしたデータが書き込まれる。追加アプリは、パラメータ領域param2の通信結果からダウンロード完了を認識し、必要に応じてパラメータ領域param3のデータを読み込んで使用する。
【0104】
(システム用API)
図24(c)は、システム用APIを説明する表である。
機能ID1002は、設定イベントと呼ばれ、追加アプリからの画面表示の要求が図5に示すような全画面表示であれば、パラメータ領域param1に0がセットされる。このとき、第2レイヤL2の全域に追加アプリ用データが描画され、表示画面全域が追加アプリ表示画面となる。追加アプリからの要求が図4に示すような分割画面表示であれば、パラメータ領域param1に1がセットされる。このとき、表示画面の半分の領域には、第2レイヤL2の半分の領域に描画された追加アプリ表示の画面が生成され、表示画面の残りの半分の領域には、第3レイヤL3の半分の領域に描画された地図の表示画面となる。すなわち、図8、図9、図10、図11に示す分割画面表示となる。
【0105】
機能ID1008は、設定イベントと呼ばれ、追加アプリからコンテンツ最小化の要求が出力されているとき、APIが実行するサブルーチンである。APIがこのサブルーチンを実行すると、APIは、ナビゲーション用プログラムに対して、コンテンツを最小化するため地図縮尺を大きくするコマンドを送信する。たとえば、コンテンツ最小化要求を受信したナビゲーション用プログラムは、画面表示を全画面地図に切換えるべく画面表示制御を行う。なお、パラメータ領域param1〜4は使用されない。
【0106】
上述した第1の実施の形態による車載用ナビゲーション装置によれば、次の作用効果が得られる。
【0107】
(1)車載ナビゲーション装置に追加アプリであるウイジェトを実装し、ポータルサイトと車載ナビゲーション装置が通信することにより、車載ナビゲーション装置が本来有するナビゲーション機能以外の種々の機能をユーザは簡単に追加することができる。
【0108】
(2)追加アプリとナビゲーション用プログラムとを連携させるAPIにナビゲーション機能特有の処理を行わせるようにしたので、連携処理が円滑にできる。
【0109】
(3)追加アプリ専用の表示データを描画する第2レイヤL2を設けたので、必要に応じて、第2レイヤL2の表示画面を全画面表示としたり、分割表示とすることが容易となる。
(4)追加アプリによる画面表示中にナビゲーション装置固有の表示画面に切り替えることができるが、追加アプリの画面表示が全画面表示か分割画面表示かを記憶するようにしたので、本来の地図画面から追加アプリ表示画面に切り替わる際、直前の画面表示状態に簡単に戻ることができる。
【0110】
(5)追加アプリで目的地設定を行って推奨経路を設定したときは、ナビゲーション装置で設定されている推奨経路を消去して追加アプリ側の推奨経路を表示するようにした。したがって、一つの画面に2つの推奨経路が表示されることがなく、給油所までの経路を確認しやすくなる。また、追加アプリによる推奨経路で案内されて給油所で給油した後は、ナビゲーション装置で設定した推奨経路のみを表示するようにすれば、改めて、本来の目的地までの推奨経路を算出する必要がない。
【0111】
(6)追加アプリで給油所を検索する条件は、ナビゲーション装置で設定されている目的地や推奨経路によって制限されるようにした。すなわち、給油所検索のメニュ画面表示において、ナビゲーション側で目的地が設定されているときにのみ「目的地周辺で探す」ボタンを有効化し、推奨経路が設定されているときにのみ「ルートサイドで探す」ボタンを有効化した。したがって、制限されて検索できない条件での無駄な検索指定操作を解消できるので、検索操作性が向上する。
【0112】
(7)ナビゲーション機能に対するナビゲーションAPIと、システムに関するAPIと、通信に関するAPIをそれぞれ別々の大系として定義したので、追加アプリの開発工程での作業性が向上する。
【0113】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0114】
(1)自車位置や目的地座標などをナビゲーション用プログラムで取得し、ナビゲーション用APIのパラメータparamに自車位置や目的地座標などをセットし、これらのデータを追加アプリにより読み込めるようにしたが、走行中の道路種別や現在地付近の名称を取得して同様にAPIのパラメータparamにセットし、追加アプリにより読み込めるようにしてもよい。
【0115】
(2)推奨経路の目的地に自車両が到着したことをナビゲーション用プログラムに監視させ、目的地に到着したときにAPIのパラメータparamに目的地座標、名称を書き込むようにした。これにより、追加アプリからそのパラメータparamのデータを監視するだけで、目的地に到着したイベントを追加アプリが検出できるようにした。推奨経路の目的地到着に限らず、ユーザが任意に設定した地点に自車両が接近したことを同様に追加アプリで検知するようにしてもよい。この機能は、検出したい接近地点の座標をAPIのパラメータparamにセットしておき、ナビゲーション用プログラムにより接近地点の到着を監視させればよい。接近地点は複数個でもよい。
【0116】
(3)以上の実施形態では音声についての説明は省略した。追加アプリ側の音声出力機能を使用せず、追加アプリの機能として音声を出力するときは、追加アプリで生成した音声データをナビゲーション用プログラムに出力し、ナビゲーション装置側の音声機能を利用して音声出力することもできる。このような処理は、上述したシステムAPIの機能ID1010で定義したサブルーチンにより実現できる。機能ID1010のパラメータ領域param1には追加アプリで要求する音声の種別を0、1で設定する。0がセットされているときは警告音、1がセットされているときは効果音である。また、パラメータ領域param2に出力する音声のコンテンツデータが書き込まれる。そして、ナビゲーション用プログラムがこれらのパラメータ領域param1と2を参照して、必要な音声を合成してスピーカから出力する。
【0117】
(4)以上では、給油に関する追加アプリについて本発明を説明したが、ウイジェットとして追加できる機能は、給油に関するものに限定されない。例えば、駐車場満空の詳細情報を提供するアプリにも本発明を適用できる。また、施設情報検索に関するアプリではなく、任意に設定した複数の地点に車両が接近したことを報知するアプリ、時計機能に関するアプリなど、ナビゲーション用プログラムとAPIを介して機能させることができるフラッシュなどでプロミングされたアプリを実装することもできる。
【0118】
(5)フラッシュでプロミングした追加アプリを採用し、フラッシュプレイヤで追加アプリを再生するようにしたが、追加アプリの言語はフラッシュに限定されない。
(6)APIの定義も実施の形態に限定されない。車載型の専用ナビゲーション装置を一例として説明したが、ナビゲーション機能を有する情報端末にも本発明を適用できる。
【0119】
以上、本発明をナビゲーション機能を有する情報端末として説明したが、本発明は、APIを介在させて追加アプリをナビゲーション用プログラムと連携しつつ外部プロセッサから新しい機能に関する情報を受信し、提供する方法、あるいは、この方法の各工程をコンピュータで実行するためのプログラムにも適用できる。
【0120】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
100…車載用ナビゲーション装置 101…プログラムメモリ領域
110…制御回路 111…ナビゲーション制御部
112…アプリ連携制御部 120…フラッシュメモリ
130…ハードディスクドライブ(HDD) 170…現在地検出装置
500…ポータルサイト 501…サーバ
502…メモリ 503…データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション用プログラムを記憶するナビゲーションプログラム用記憶媒体と、
ナビゲーション用プログラムと連携して動作するウイジェットを記憶するウイジェット用記憶媒体と、
前記ウイジェットが前記ナビゲーション用プログラムで定義されたナビゲーション制御に従って連携動作させるためのAPIを記憶するAPI用記憶媒体と、
前記ナビゲーション用プログラム、ウイジェットおよびAPIによる演算処理を制御するプロセッサと、
前記プロセッサで実行された結果に基づいて情報を提示する表示装置と、
前記プロセッサで実行された結果を前記表示装置に画面表示させるための表示データを生成する表示制御手段と、
前記ウイジェットと連携する外部プロセッサと通信するための通信インターフェースとを備えることを特徴とするナビゲーション機能を有する情報端末。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション機能を有する情報端末において、
前記APIは、前記ウイジェットと前記ナビゲーション用プログラムとの間で双方向通信をする際、ナビゲーション機能に関するナビゲーションAPIと、前記情報端末のシステム機能に関するシステムAPIと、前記情報端末が前記外部プロセッサと通信する機能に関する通信APIとを含んで構成されていることを特徴とするナビゲーション機能を有する情報端末。
【請求項3】
請求項1のナビゲーション機能を有する情報端末において、
前記APIは、前記ウイジェットから出力された目的地設定コマンドに基づいて、目的地の座標を予め定めた所定領域にセットし、前記ナビゲーション用プログラムに対して目的地設定のコマンドを送信し、
前記ナビゲーション用プログラムは、前記目的地設定コマンドにより前記所定領域を参照して前記目的地までの経路探索を実行して推奨経路を確定し、前記表示制御手段により前記推奨経路を地図上に重畳することを特徴とするナビゲーション機能を有する情報端末。
【請求項4】
請求項3のナビゲーション機能を有する情報端末において、
前記ウイジェットからの指示により前記ナビゲーション用プログラムが演算した推奨経路は、本来のナビゲーション機能で設定されている他の推奨経路に優先して表示されることを特徴とするナビゲーション機能を有する情報端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項のナビゲーション機能を有する情報端末において、
前記プロセッサは、前記ナビゲーション用プログラムで設定されている機能に応じて、前記ウイジェットによる機能を制限することを特徴とするナビゲーション機能を有する情報端末。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション機能を有する情報端末において、
前記ナビゲーション用プログラムで設定される機能は目的地の設定機能であり、
前記ウイジェットは、前記設定された目的地を加味した検索に関するメニュを表示することを特徴とするナビゲーション機能を有する情報端末。
【請求項7】
請求項5に記載のナビゲーション機能を有する情報端末において、
前記ナビゲーション用プログラムで設定される機能は推奨経路の設定機能であり、
ウイジェットは、前記設定された推奨経路を加味した検索に関するメニュを表示することを特徴とするナビゲーション機能を有する情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−251791(P2012−251791A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122637(P2011−122637)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】