説明

ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム

【課題】ナビゲーション機能付携帯機器のデータを車載機器側に送信して車載機器側のモニタとスピーカで案内を行うようにしたシステムにおいて、両機器が低速の無線通信手段で通信を行う時の地図画像の更新作動不良を解決する「ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム」とする。
【解決手段】ナビゲーション機能付携帯機器と車載機器とを互いに無線でデータ通信可能に接続し、ナビゲーション機能付携帯機器のナビゲーションデータを車載機器のスピーカから案内音声を出力し、画像はモニタに表示するシステムにおいて、無線通信速度が低速な時には、(1)画像表示を停止して音声案内のみを行う。(2)右左折交差点等の特定案内の画像のみを表示する。(3)広域地図の縮尺指定を行って広域地図を表示する。(4)固定地図上の自車位置マークを車両走行と共に移動して表示する等の手法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション機能を備えた携帯電話等の、ナビゲーション機能付携帯機器のデータを車載機器が受信して、モニタにナビゲーション用画像を表示すると共に音声案内を行うようにしたナビゲーション機能付携帯機器送信データ受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より車両に搭載するナビゲーション装置が普及し、更に近年は特にGPS受信器の高性能、小型化、低価格化、更には地図データ記録媒体のメモリチップ化等によって、携帯型ナビゲーション装置も安価に提供されるようになっている。更に、携帯型のナビゲーション装置は、ナビゲーション装置専用のもの以外に、例えば携帯電話にもナビゲーション機能を備えたものが多くなっている。携帯型機器にナビゲーション機能を備えるものは、前記のような携帯型ナビゲーション装置や携帯電話以外にも、例えば携帯情報端末や小型の携帯型パソコンにもナビゲーション機能を備えた機器も普及している。
【0003】
上記のようなナビゲーション機能を備えた携帯機器においては、地図画面を表示するモニタ、及び音声案内の出力を行うスピーカを備えるため、各機器単独でナビゲーション機能を行うことができ、GPS電波を受信できる場所ならばどこでもナビゲーション装置として利用することができ、例えば徒歩、自転車、バイク、バス等で移動する時にも、地図上に現在位置を表示することができ、目的地及び経由地を入力することによって誘導経路を演算し、案内を行うことができるようにもなっているものが多い。
【0004】
このナビゲーション機能付携帯機器は更にこれを車内に持ち込んで使用することができ、したがって未だナビゲーション装置を搭載していない車両にこれを持ち込み、地図上に現在位置を表示し、現在位置の移動と共に地図をスクロールして表示し、また目的地及び経由地を設定することにより現在位置からそれらの経由地を効率良く走行し、目的地に至る誘導経路を演算し、その誘導経路に沿って案内を行うことができるようになり、車両搭載ナビゲーション装置とほぼ同機能を行わせることができる。
【0005】
但し、例えばナビゲーション機能付携帯電話のように、これらの携帯機器の多くは携帯性を重視するために地図画面を表示する画像表示部分は小さく、地図画面は見にくいものとならざるを得ない。そのため車両で運転者がこの携帯機器のナビゲーション機能を用いて運転する時には、地図画面が見にくく、また、音声案内の音量も小さいため、安全運転の障害になると共に、騒音の中で音声案内が聞き取れないという問題が生じる。
【0006】
それに対して車両搭載機器ではナビゲーション装置を備えているものも多いが、未だナビゲーション装置を備えておらず、但し車両オーディオの中心となる機器であるヘッドユニットに、例えばDVDのため、或いはテレビ受信器のためのモニタを備え、車両搭載モニタに各種画像を表示することも行われている。そのため、このモニタに前記のようなナビゲーション機能を備えた携帯機器をデータ送受信可能に接続し、携帯機器よりも大きな画面を備えた、且つ運転者にとって比較的見やすい位置にある車両搭載モニタにナビゲーション画面を表示し、また、高性能の車内オーディオ装置のスピーカシステムから音声案内を行わせることができる。
【0007】
その時には、ナビゲーション機能付携帯機器と、ヘッドユニット等のモニタを接続している車両搭載機器とを、ケーブルを用いた有線により、或いは携帯機器、及び車載機器が共通に備えている例えばブルートゥース等の無線によって相互にデータの送受信可能に接続し、携帯機器で作動しているナビゲーション機能の画像をヘッドユニット側に送信してモニタに表示させ、音声案内を同様に車内のスピーカから出力することとなる。
【0008】
この時、ナビゲーション機能を備えた携帯機器と車載機器とはデータの送受信可能に接続することにより、前記のように単に携帯機器側から各種のナビゲーション用のデータを車載機器側に送信するだけでなく、車載機器側からも、例えば現在表示している地図画面の縮尺変更、地図画面表示中における自車位置固定で地図スクロールを行う表示から、地図画面を固定して自車位置を移動する表示への変更等の、携帯機器で通常行うナビゲーション用の操作指示を、例えば携帯機器側のモニタに表示されたタッチパネルと同様の画面を車載機器のモニタに表示しておき、所定の部分にタッチすることによって携帯機器と同様の操作を行うことが可能となる。更に、例えば右左折交差点等の特定案内時のみの画像出力要求に対しては、携帯機器側がそのような出力制御を行うことも可能である。
【0009】
なお、機器相互間をテータ通信可能に接続するに際して、無線インターフェイスと有線インターフェイスを備える時、有線接続している場合には無線インターフェイスの作動を不許可にし、有線インターフェイスのみ通信可能とし、有線接続が行われていない時にのみ無線インターフェイスの作動を許可するようにした技術は下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−13891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のように、ナビゲーション機能付携帯機器とモニタを備えた車載機器とを有線または無線で接続して、携帯機器で作動しているナビゲーションの画面を車載機器のモニタに表示し、音声案内を車両のスピーカシステムから出力することができ、また、車載機器側からの指示によって携帯機器のナビゲーション機能の操作制御を行うことができるようになっている。
【0012】
このような機器間のデータ通信に際して、例えばナビゲーション機能付携帯機器から車載機器に、例えば車両の移動に対応して地図データを定常的に送信して更新し、また音声案内のデータを送信する時には、一定周期で携帯機器側から送信する必要がある。この時、地図データについては携帯機器の能力、及び車載機器のモニタの画像表示能力等によっても異なるが、多くの場合640×360ピクセルの地図データを送信する。
【0013】
この程度のデータ量を1秒毎に送信する場合、機器相互間を有線で接続すると通信速度は充分速いので、余裕をもって互いに通信を行うことができる。しかしながら、無線で接続する場合には、特に一般の家庭用機器等のための無線通信においては、低速であるため、前記のデータ量を1秒毎に送信することはできない。
【0014】
即ち、近距離通信技術が進歩しているなかで、低コスト、低消費電力で、高い信頼性とセキュリティを持った短距離無線ネットワーク規格としてブルートゥースが広く用いられるようになっており、更に低コストで低消費電力の通信方式として、IEEE 802.15.4の規格による通信も用いられるようになっている。
【0015】
これらの技術は前記のようなメリットをもつ反面、通信速度がブルートゥースでは1Mbps、IEEE 802.15.4の規格では250Kbpsという低速であるという特性を備えている。特にIEEE 802.15.4規格は、家庭用の無線通信規格に広く用いられようとしており、車載機器においても種々の機器が車内に持ち込まれることを考慮し、前記のような低速の通信規格を用いても充分所定の機能を行うことができるように対応しておく必要がある。
【0016】
その一つに前記のようなナビゲーション機能付携帯機器の地図データの送信に際して、上記640×360ピクセルの画像データを更新するには、1ピクセルあたり2バイトのデータ量と仮定すると、640×360×2=450Kバイト毎に更新する必要がある。ここでブルートゥースによって通信を行う時には、転送速度が1Mbpsのため128Kバイト/秒であり、450÷128Kバイト/秒=約4秒必要となる。
【0017】
更にIEEE 802.15.4規格で通信を行う時には、転送速度が250Kbpsのため、31.25Kバイト/秒=約15秒必要となる。このように、ナビゲーションの地図データ量は比較的大きく、しかも車両の移動と共に地図を更新して表示する必要があるので、ブルートゥースでも4秒に1回地図が更新されるだけであり、IEEE 802.15.4規格に至っては15秒に1回地図が更新されるだけである。そのため、地図の表示がぎこちなく、転送速度が低速なほど作動が不自然で、見にくい地図画面とならざるをえない。
【0018】
この点前記従来技術では、機器相互間が有線接続を行っているか否かで通信のインターフェイスの作動を切り替えるだけであり、送受信するデータ内容には何ら考慮していないので、低速な無線通信を行う時の前記のような問題点を解決することはできない。
【0019】
したがって本発明は、ナビゲーション機能付携帯機器のデータを車載機器側に送信して車載機器側のモニタでナビゲーションの地図表示等を行わせ、スピーカで音声案内を行わせようとする時、機器相互間を低速の無線通信によってデータ通信を行う際に、地図が円滑に表示されず不自然であって見にくくなる問題を解決することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記課題を解決するため、ナビゲーション機能付携帯機器と車載機器とを互いにデータ通信可能に接続して通信を行う外部機器通信手段と、前記外部機器通信手段でデータ通信可能に接続した通信手段が有線であるか無線であるかを検出する外部機器接続形式検出手段と、前記外部機器接続形式検出手段で無線接続していることを検出した時、ナビゲーション機能付携帯機器からのナビゲーション用画像データの受信データ量を低減する受信指示を行うナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段とを備え、前記車載機器ではナビゲーション機能付携帯機器からのナビゲーション用音声を受信してスピーカから出力し、画像データを受信するに際して、前記外部機器接続形式検出手段で無線接続していることを検出した時、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段で指示したデータ低減画像を受信してモニタに表示することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、ナビゲーション用画像の表示を停止する形式を指示することを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、特定案内用画像のみを表示する形式を指示することを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、広域地図を表示する縮尺を指定する形式を指示することを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記外部機器接続形式検出手段で無線接続している時の通信速度を検出する通信速度検出手段を備え、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、前記通信速度検出手段で検出した通信速度に対応して広域地図を表示する縮尺を指定することを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、固定した地図画面上で自車位置マークを車両走行に合わせて移動して表示する形式を指示することを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、広域地図を表示する縮尺を指定すると共に、固定した当該広域地図上で自車位置マークを車両走行に合わせて移動して表示する形式を指示することを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記外部機器接続形式検出手段で無線接続している時の通信速度を検出する通信速度検出手段を備え、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、前記通信速度検出手段で検出した通信速度に対応して、複数のナビゲーション画像データ低減形式のうち任意のものを選択して指示することを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係るナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムは、前記ナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムにおいて、前記外部機器接続形式検出手段で有線接続をしていることを検出した時、及び無線通信接続していることを検出し、通信速度を検出する通信速度検出手段で所定以上の高速通信を行っていることを検出した時には、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段の機能を停止して、ナビゲーション機能付携帯機器で表示しているナビゲーション画像を全て表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は上記のように構成したので、ナビゲーション機能付携帯機器のデータを車載機器側に送信して車載機器側のモニタでナビゲーションの地図表示等を行わせ、スピーカで音声案内を行わせようとする時、機器相互間を低速の無線通信によってデータ通信を行う際に、地図画が円滑に表示されず不自然であって見にくくなる問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】同実施例の作動フロー図である。
【図3】図1のステップS6の処理を行う作動フロー図である。
【図4】本発明の実施例の画像受信データ低減手法を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例の画像受信データ低減手法を示す図である。
【図6】本発明の更に他の実施例の画像受信データ低減手法を示す図である。
【図7】ナビゲーション機能付携帯機器と車載機器とをデータ通信可能に接続する態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0031】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明におけるナビゲーション機能付携帯機器データ受信システムの実施例の機能ブロック図であり、本発明を各種の態様で実施することができるようにした機能ブロック図を示している。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0032】
図1に示す機能ブロック図においては、本発明において用いられる、例えば携帯電話、携帯情報端末、携帯パソコン等の、ナビゲーション機能を備えている携帯機器としてナビゲーション機能付携帯機器1を示しており、また、車両に搭載したヘッドユニット等の車載機器2を別機器として示している。
【0033】
図1に示すナビゲーション機能付携帯機器1には、例えばそれが携帯電話である時には、本来の機能としての携帯電話の機能の他、インターネット接続機能、オーディオ再生機能等の種々の機能を備えることができ、その一つの機能としてナビゲーション機能を備えている。図中には本発明に関連する機能部分として、ナビゲーション機能部4を備え、他の各種機能部と共にシステム制御部3に接続し、ソフトウェアを記録したROM、演算を行うためのCPU及びRAMを備えたシステム制御部3の機能によって、各種機能部が関連して所定の作動を行うことができるようにしている。
【0034】
ナビゲーション機能部4においては、従来のナビゲーション装置と同様の機能を備えており、例えばGPS信号を受信して現在位置を検出する現在位置検出部5と、地図データを記録したメモリチップ等を用いた地図データ記録部6と、この地図データ記録部6に記録した地図データのうち、必要な部分のデータを取り込む地図データ取込部7と、利用者の各種の指示信号を入力する指示信号入力部19で入力した指示信号によって設定を行う目的地経由地設定部8を備えている。
【0035】
それにより誘導経路演算部9では、現在地から各経由地を経て目的地に至る経路を演算して提示し、利用者の確定指示によってこれを確定して、誘導経路記憶部10に記憶する。誘導経路案内部11では、現在地近傍の地図を表示すると共に自車位置を明示し、また、誘導経路記憶部10に記録された誘導経路に沿って車両が安全に、且つ間違いなく走行できるように、特に右左折交差点案内や分岐道路案内等の特定の案内について、交差点拡大図や音声案内によって案内を行うことができるようにしている。
【0036】
そのため誘導経路を案内する態様として音声案内部12によって前記のような音声案内を行い、また画像案内部13によって、モニタに地図画面及び各種案内図を表示する。図1の例においては、特に後述する車載機器2の作動と関連して、前記のような右左折交差点案内や分岐路案内等の特定の案内を行うための、右左折交差点等特定案内表示部14を示している。更に、モニタに表示している地図画面について、任意の縮尺で表示できるように地図縮尺設定部16を備え、後述するように車載機器2側からの指示によって縮尺を任意の設定することができるようにもしている。
【0037】
地図スクロール表示部17においては、通常のナビゲーション装置が現在位置表示を行う時に表示している態様である、自車位置を固定し、車両の走行に合わせて地図をスクロールして表示する。また、自車位置移動表示部18においては、それとは逆に原則として地図を固定し、自車位置をその地図上で移動して表示すると共に、自車位置が地図表示範囲から出そうになった時に自車の進行方向を充分に表示できる新たな地図を表示する、という手法を繰り返す表示処理を行う。尚この機能は、通常のナビゲーション装置においても、利用者の指示により行うことができるようになっている。
【0038】
指示信号入力部19では、このナビゲーション機能付携帯機器の各種作動を行う時、利用者の指示を必要とする際には、タッチパネル等によって利用者の各種指示、及び確定入力を可能とする。画像表示部20においてはこの携帯機器が備えた画像表示部に対して例えば地図画像等の表示出力を行う。音声出力部21では、ナビゲーション装置の前記特定案内等の案内を音声によっても出力可能とする。
【0039】
外部機器通信部22においては、後述する車載機器2にも同様に設けている外部機器通信部48と通信を行うものであり、その際には有線、或いは無線によって接続する。この外部機器通信部22では、外部機器へのデータ送信、外部機器からの指示信号入力等を行う。その中の音声出力部23からはナビゲーションにおける音声案内を出力し、画像出力部24からは地図画像を初め、外部機器としての車載機器2のモニタに表示する各種画像を出力する。また、外部機器指示信号入力部25では、図中における外部機器としての車載機器2から送信される指示信号を入力する。
【0040】
前記のようなナビゲーション機能付携帯機器1にとって外部機器となる車載機器2としては、例えば車両に搭載したヘッドユニット等が対応する。図1に示す車載機器2においても、例えば本来の機能としてのオーディオ機能や、DVD再生機能、テレビ受信機能、車両の各種情報を収集してモニタに表示する機能等の各種の機能を行うものであり、その一つとしてこの車載機器2に前記のように有線または無線でデータ通信可能に接続した、外部機器としてのナビゲーション機能付携帯機器1のデータを取り込み、また指示信号を出力できるようにしている。
【0041】
図1に示す車載機器2においては、前記ナビゲーション機能付携帯機器1のシステム制御部3と同様のシステム制御部31を備え、このシステム制御部31に接続した各機能部が相互に関連付けて所定の作動を行うようにしている。
【0042】
ナビゲーション画像データ受信形式選択部32においては、後述するようにナビゲーション機能付携帯機器1からの画像データの受信に際して、特に無線接続している時の通信形式に対応した通信速度に応じて、種々の態様で画像データを受信できるように、予め各種の受信形式を設定しておき、後述するナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39の指示によって、いずれかの画像データ受信形式を選択して受信の指示、即ちナビゲーション機能付携帯機器1に対しては送信指示を行うことができるようにしている。
【0043】
したがって図1に示すナビゲーション画像データ受信形式選択部32に示す各種形式は、本発明を各種の態様で実施することができるように示しているものであり、実際にはいずれか一つの形式、或いは任意の複数の形式を予め選択して作動させることができる。
【0044】
図1に示すナビゲーション画像データ受信形式選択部32の画像表示停止形式33では、両機器が無線接続する時、前記のように無線接続時のデータ送信速度が遅いことにより、特に地図画像データが4秒或いは15秒に1度程度しか更新されないような場合には、車載機器2でのナビゲーション機能としてはデータ量が極めて少ない音声案内のデータのみを受信してナビゲーションを行うようにする。
【0045】
なお、この時ナビゲーション機能付携帯機器1では、通常どおりの地図表示を行っている状態で、ナビゲーション機能付携帯機器1の外部機器通信部22で画像出力を行わないように設定し、或いはナビゲーション機能付携帯機器1からは画像データを送信していても、車載機器2の外部機器通信部48で画像データを受信しないように設定することによって実施することもできる。
【0046】
右左折交差点等特定案内画像表示形式34では、ナビゲーション用の画像受信に際して、無線接続時の地図画像の不適正な表示を行わないように、通常行われている地図画像は表示することなく、右左折交差点案内、或いは道路分岐案内等の、通常の場合音声でも案内されるような予め設定している特定の案内時のみ、例えば右左折交差点の拡大図等の案内画像表示のみを行う。この表示は、前記画像表示停止形式33を選択した時以外は、その他の形式の採用時にも常にこの特定案内画像表示は行うように設定する。
【0047】
このときには、ナビゲーション機能付携帯機器1では、2分割画面において片側に通常の地図表示を行い、他の側に交差点拡大図等を表示している時、交差点拡大図のみを表示するように設定しておくことができる。また、通信速度が特に低速な場合のために、交差点での右左折方向を示す矢印と、通常音声案内される「600m先の交差点を右折」のような画像表示を行うようにしても良い。
【0048】
更に、特定案内時の画像で前記のような一般の地図画像と交差点拡大図が表示される時、最初に表示された画像を固定し、そこに表示される自車位置のみを移動して表示するように設定しておくこともできる。この時には後述するように各種混合表示形式38において、右左折交差点等特定案内画像表示形式34の形式と、後述する自車位置移動表示形式37とを混合した形式を設定することによっても実施することができる。
【0049】
広域地図縮尺指定形式35では、両機器の無線接続時におけるデータ送信速度が低いことによる前記問題を解決するため、通常は例えば画面中の1目盛が200mの縮尺の地図を表示している時、これを1目盛が2km、或いは10km、20km等の縮尺の地図を表示するように設定する。ここでは予め両機器の無線接続時の通信速度を後述する通信速度検出部47の検出によって、いずれかを選択するように予め設定しておくこともできる。このような表示形式によっても、通常の地図表示よりデータ転送量を低減することができる。
【0050】
自車位置固定地図スクロール表示形式36では、通常のナビゲーション装置で行われている地図表示を行うものであり、例えば両機器が有線接続されている時、或いは通常表示している縮尺の地図を例えば1秒毎に更新できる程度の高速の無線接続を行っている時には、この形式が採用される。
【0051】
自車位置移動表示形式37においては、両機器の無線接続時におけるデータ送信速度が低いことによる前記問題を解決するため、通常は前記のように自車位置を固定して車両の移動に合わせて地図をスクロール表示するのに対して、逆に原則として地図は固定し、その中で車両の移動に合わせて自車位置マークを移動して表示する。
【0052】
この自車位置が表示画面から出そうな時にのみ、自車の前方が広い領域の地図を表示し、その中で自車位置を移動する表示を繰り返す。このように原則として自車位置マークのみを移動させて表示する時には、通常は自車位置マーク部分のみの画像部分が異なるだけのため、その差分のみを送信すれば良く、データ量は極めて少なくて済む。
【0053】
図1に示す例においては各種混合表示形式38を備えており、ナビゲーション画像データ受信形式選択部32における前記のような画像データ転送量低減のための、種々の表示形式において、前記のように右左折交差点等特定案内画像表示形式34で分割画面による表示が行われている時、自車位置移動表示形式37も採用して、自車位置のみを移動させることができる。また、通常の場合、前記広域地図縮尺指定形式35を採用した時には、自車位置固定地図スクロール表示形式36が採用されることとなるが、ここでも自車位置移動表示形式37を混合して採用することもできる。
【0054】
ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39においては、特に通信速度対応通信形式指示部40において、後述する通信速度検出部47で通信速度を検出した時、その通信速度が通常の地図表示と同等程度に表示可能な時には、前記ナビゲーション画像データ受信形式選択部32の自車位置固定地図スクロール表示形式36を選択指示して、通常の地図表示を行うことができるが、それに対して、通常の地図表示を行おうとすると例えば15秒に1度程度しか地図が更新されない等によって極めて不自然の地図表示しか行われなくなる時、図示する前記のような各種形式の内任意の形式を選択指示して、表示画像データ量を低減した画像表示を行う。
【0055】
ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39では、前記のような通信速度対応画像形式指示を行う以外に、例えば無線接続を行っていることを検出した時には、この車載機器がブルートゥースにしか対応していない場合には、その通信速度に応じて予め設定している形式を自動的に指示することもできる。
【0056】
図1における車載機器2の例においては、指示信号入力部41を備え、車載機器2で作動する各種機能部の作動に際して、タッチパネル等の利用者の指示信号、確定信号等を入力する。画像出力部42では、前記のようなナビゲーション用の各種画像を、図示されていないモニタに表示し、音声出力部43では、ナビゲーション用の音声案内等を図示していない車内のスピーカから出力する。
【0057】
外部機器接続形式検出部44では、図示の例では外部機器としてのナビゲーション機能付携帯機器1と、両外部機器通信部でデータ通信可能に接続する時、その接続は有線接続45であるか、無線接続46であるかを最初に検出し、無線接続46であることを検出した時には、図示の例では通信速度検出部47において、例えば現在ブルートゥース接続である時には1Mbps、IEEE 802.15.4規格で接続している時には250Kbps、というように、通信形式を検出することによって通信速度を検出することができる。
【0058】
この通信速度検出部47による無線通信の通信速度の検出により、特に予めナビゲーション画面データ受信形式選択部32に用意している各種の受信形式の内、安定して表示できる形式の中で、できる限り情報量の多い形式を選択する、等の作動を行うこともできる。その際には、ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39における通信速度対応通信形式指示部40の指示によって行う。
【0059】
外部機器通信部48においては、前記ナビゲーション機能付携帯機器1の外部機器通信部22と通信を行うものであり、音声入力部49では前記音声出力部23からの音声データを入力し、音声出力部43を介してスピーカから車内に出力する。画像入力部50においては、画像出力部24からの前記各種指示に従った地図画像データ等を入力し、画像出力部42を介してモニタに表示する。
【0060】
外部機器指示信号出力部51においては、この車載機器2がナビゲーション機能付携帯機器1に対して、前記のようにナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39で指示した形式に従って、指定された画像表示を行い、或いは特定の画像のみを出力する指示等を行う。ナビゲーション機能付携帯機器1ではその指示に従って、本来のその機器が備えている、例えば地図縮尺設定部16等の機能によって、地図画像表示等を行い、その画像データを車載機器に送信し、或いは右左折交差点等の特定案内画像の出力等を行うこととなる。
【0061】
前記のような機能ブロックからなる本発明においては、例えば図2及び図3に示すような作動フローによって実施することができる。即ち図2に示す車載機器における携帯機器のナビゲーションデータの受信出力処理においては、最初ナビゲーション機能付携帯機器と車載機器との相互接続を検出することから処理を開始する(ステップS1)。次いで接続方式は無線か否かを判別する(ステップS2)。この判別は図1の外部機器接続形式検出部44において、有線接続45であるか、無線接続46であるかを検出することにより行っている。
【0062】
ステップS2において無線接続であると判別した時にはステップS3に進んで、携帯機器の無線通信速度は所定以上の高速通信か否かを判別する。ここで例えば640×360ピクセルの画像について、1秒に1回更新可能な通信速度であるか否かを判別する。この判別処理は、図1の通信速度検出部47が無線通信中の通信形式を検出することにより、その通信速度を検出し、その通信速度が前記データ量を1秒間ずつ転送することができるか否かを検出することにより行っている。
【0063】
ステップS3において前記のような画面の更新が可能ではないと判別した時にはステップS4に進み、車載機器から携帯機器へのナビゲーション用画像データの送信形式を指定して送信依頼を行う。この作動は、図1のナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39が、ナビゲーション画像データ受信形式選択部32に設定している各種形式の内の予め定めている任意の形式を選択して、ナビゲーション機能付携帯機器1に対して指示することにより行っている。
【0064】
次いで、指定したデータ送信形式はナビゲーション用案内音声のみの送信形式か否かを判別する(ステップS5)。この判別は、図1のナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39において、ナビゲーション画像データ受信形式選択部32の画像表示停止形式33を選択してナビゲーション機能付携帯機器1に指示したことを検出することにより判別することができる。
【0065】
ステップS6において前記のように指定したデータ受信形式はナビゲーション用案内音声のみの送信形式であると判別した時にはステップS10に進み、ナビゲーション機能付携帯機器からナビゲーション用音声のみ受信して出力する。この状態は図4(a)に示している。それに対して指定したデータ送信形式はナビゲーション用案内音声のみの送信形式ではないと判別した時には、画像も送信され、車載機器のモニタには画像が表示されることとなり、ステップS6において、図3に示すような指定した画像データ送信形式に対応した所定の画像データの受信処理を行う。その後、ステップS7において、ナビゲーション機能付携帯機器から受信した音声案内データと、所定の画像データを出力する。
【0066】
それに対して、ステップS2において接続方式は無線ではない、即ち有線であると判別した時、及びステップS3において無線接続であっても携帯機器の無線通信速度は前記のようなデータを1秒毎に更新できる程度の速度であると判別した時にはステップS8に進み、ナビゲーション機能付携帯機器のナビゲーションデータを全て受信し、ステップS9において車載機器のモニタに携帯機器のナビゲーション用画像を全て表示する。
【0067】
図2のステップS6における処理は図3に示しており、この図3に示す指定した画像データ受信形式に対応した所定の画像データの受信処理においては、最初右左折交差点等の特定案内のみの出力形式の依頼か否かを判別している(ステップS21)。ここで右左折交差点等の特定案内のみの出力形式の依頼であると判別した時には、ステップS27に進んで、右左折交差点等の特定案内のみ画像出力を行う。この状態は図4(b)に示している。同図においては特定案内画像として、通常のナビゲーション装置が行っている表示と同様に、画面を2分割してその一つには交差点部分の拡大画像を表示し、他の画面には現在地周辺の通常の地図表示を行った例を示している。
【0068】
この時の右左折交差点等の特定案内画像としては、前記のような2分割画面による地図表示と交差点拡大図を表示する以外に、例えば図4(c)に示すように、交差点拡大図のみを表示しても良い。同図においては自車位置マークを表示した例を示しており、同図においてこの自車位置マークは車両の走行と共に同図において移動させて表示することができる。但し、よりデータ量を少なくするには同図(d)に示すように自車位置マークを表示せず、交差点拡大図のみ示し、音声案内によって例えば「600m先の交差点を右折です。」「300m先の交差点を右折です」のような音声案内行って自車位置の状態を表すようにしても良い。
【0069】
右左折交差点等の特定案内の画像表示に際しては、そのほか例えば図4(e)に示すように、交差点の右左折方向を示す矢印と、「500m先右折」のような画面表示のみを行うようにしても良い。更に同図(f)に示すように、前記矢印と距離案内表示の他に、同図(d)に示すような自車位置マークを表示しない交差点拡大図を並列して表示しても良い。この時の交差点拡大図は、同図(c)に示すような自車位置マークを表示して車両走行に合わせて自車位置マークを固定地図上に移動させるようにしても良い。
【0070】
これらの特定案内表示は、両機器の無線通信の通信速度に対応して選択することができ、図4(b)〜(f)のそれぞれのデータ量を考慮して任意に設定することができる。これらの設定は図1の車載機器2のナビゲーション画像データ受信形式選択部32における右左折交差点等特定案内画像表形式34に、前記のような種々の態様を用意しておき、ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39における通信速度対応通信形式指示部40によって、通信速度に応じて任意の態様を選択することによって実施することができる。
【0071】
ステップS21において右左折交差点等の特定案内のみの出力形式依頼ではないと判別した時には、図3の例においてはステップS22に進んで、広域地図縮尺指示のみの出力依頼形式か否かを判別している。ここで広域地図縮尺指示のみの出力依頼形式であると判別した時には、ステップS28に進んで、ナビゲーション機能付携帯機器に広域地図表示縮尺を指示する。その結果、前記ステップS27で行ったような右左折交差点等の特定案内の画像のほか、指示した縮尺の広域地図を自車位置を固定して地図をスクロール表示する(ステップS29)。
【0072】
それにより例えば図5(a)に示すように、ナビゲーション機能付携帯機器において通常は1目盛が200mの縮尺の地図を表示している時、車載機器からの指示によって、例えば図5(b)のような1目盛が10kmの地図表示、或いは同図(c)に示すような1目盛が20kmの地図表示等の、所定の広域地図を表示する。
【0073】
それにより、前記のようにブルートゥースデハ4秒に1回地図を更新し、IEEE 802.15.4規格では15秒に1回地図を更新するため、車が時速50kmで走行すると、1秒間に約14m移動することにより、1目盛200mの地図ではブルートゥースでは4秒後に60m走行し、地図を4秒毎に更新した時には約3分の1目盛と、地図が大きく移動する移動する。特にIEEE 802.15.4規格では地図を更新した時には約210m移動するため、約1目盛分だけ地図が移動し、極めて見にくい地図表示となる。
【0074】
それに対し1目盛が10kmの地図では、いずれの通信規格でも1目盛が200mの地図の50分の1の地図移動となり、充分見やすい地図表示を行うことができるようになる。また、1目盛が20kmの地図では地図の移動量は更に2分の1となる。この作動は図1の車載機器2のナビゲーション画像データ受信形式選択部32における、広域地図縮尺指定形式35において、通信速度に応じて各種の縮尺を用意しておき、ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39の通信速度対応通信形式指示部40が予め定めている任意の縮尺を指示することにより行うことができる。
【0075】
図2に示す例においては、ステップS22において広域地図縮尺指示のみの出力依頼形式ではないと判別した時には、自車位置移動表示出力形式の依頼を行う(ステップS23)。その時には、表示地図縮尺を指示するか否かを判別し(ステップS24)、表示地図の縮尺を指示しないと判別した時にはステップS30に進んで、特定案内の画像と、固定地図上に自車位置を移動して表示する。
【0076】
但し、この時には、自車位置が地図表示外に移動しようとする時にのみ、地図表示を更新することとなる。この処理は図1の車載機器2のナビゲーション画像データ受信形式選択部32における、自車位置移動表示形式37を、ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39が選択して、ナビゲーション機能付携帯機器1に送信依頼することにより行っている。
【0077】
この処理により、例えば図6(a)及び(b)に示すように、通常表示している1目盛が200mの地図において、最初は同図(a)に示すような自車位置の進行方向を充分にあけた地図を表示している状態から、車両の移動と共に自車位置を固定した地図上で移動して表示し、同図(b)に示すように自車位置がこの地図表示画面から出ようとする時、地図表示を更新して、自車の走行方向を充分にあけた地図を表示する処理を行う。
【0078】
上記のような処理を行うことにより、図6(a)から(b)の表示の間は、単に自車位置マークが移動した分の画像の差分を受信するのみでよいので、データ量は全画面の100分の1程度で良く、前記のような低速の無線通信によってデータの転送を行っても、車両の移動に合わせて滑らかな自車位置マークの移動表示を行うことができる。
【0079】
また地図の更新は、車両が50km/hの速度で走行する時、自車位置マークが画面の外に出る迄90秒程度はあるため、そこで地図を更新するのに多少時間がかかっても充分ナビゲーション機能を行うことができる。
【0080】
図2の例では前記ステップS24において、表示地図の縮尺を指示すると判別した時には、携帯機器に表示縮尺を指示し(ステップS25)、それにより特定案内の画像と、指示した縮尺の広域地図で、自車位置を固定した地図上に移動して表示する。この時も前記ステップS20の処理と同様に、自車位置マークが画面の外に出ようとする時、地図を更新して表示する。
【0081】
この時には図6(c)に示すように、例えば1目盛が10kmの縮尺の地図を依頼した時、その地図上で自車位置マークを車両の走行と共に移動して表示し、同図(d)に示すように自車位置マークが画面の外に出ようとする時、自車の前方が充分に広い地図を更新表示する。このように広域地図を表示している状態で自車位置マークを走行に合わせて移動する時には、1時間に1回程度地図を更新すれば良くなる。したがってこのような処理を行う時には、地図の縮尺を1目盛が2km程度の地図でも、充分滑らかな表示を行わせることができる。
【0082】
上記のような表示地図の縮尺を変更して広域地図を表示し、その地図上で自車位置を移動して表示する処理は、図1の車載機器2のナビゲーション画像データ受信形式選択部32における、各種混合形式38で広域地図縮尺指示形式35と、自車位置移動表示形式37の混合形式を選択するように、ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部39が選択指示することによって行うことができる。なお、この時にも、通信速度対応通信形式指示部40が、現在使用されている無線接続の通信速度に対応して、適切な縮尺の地図を指示することもできる。
【0083】
図示する例は本発明を各種の態様で実施することができるようにした例を示したが、実際の使用に際しては、これらの機能の内任意のものを選択して実施することとなる。したがって、前記の例以外に更に各種の混合形式によって、無線通信のデータ転送速度の低減に応じて適切な作動を行わせることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 ナビゲーション機能付携帯機器
2 車載機器
3 システム制御部
4 ナビゲーション機能部
5 現在位置検出部
6 地図データ記録部
7 地図データ取込部
8 目的地経由地設定部
9 誘導経路演算部
10 誘導経路記憶部
11 誘導経路案内部
12 音声案内部
13 画像案内部
14 右左折交差点等特定案内表示部
15 地図表示部
16 地図縮尺設定部
17 地図スクロール表示部
18 自車位置移動表示部
19 指示信号入力部
20 画像表示部
21 音声出力部
22 外部機器通信部
23 音声出力部
24 画像出力部
25 外部機器指示信号入力部
31 システム制御部
32 ナビゲーション画像データ受信形式選択部
33 画像表示停止形式
34 右左折交差点等特定案内画像表示形式
35 広域地図縮尺指定形式
36 自車位置固定地図スクロール表示形式
37 自車位置移動表示形式
38 各種混合表示形式
39 ナビゲーション画像データ低減通信形式指示部
40 通信速度対応通信形式指示部
41 指示信号入力部
42 画像出力部
43 音声出力部
44 外部機器接続形式検出部
45 有線接続
46 無線接続
47 通信速度検出部
48 外部機器通信部
49 音声入力部
50 画像入力部
51 外部機器指示信号出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション機能付携帯機器と車載機器とを互いにデータ通信可能に接続して通信を行う外部機器通信手段と、
前記外部機器通信手段でデータ通信可能に接続した通信手段が有線であるか無線であるかを検出する外部機器接続形式検出手段と、
前記外部機器接続形式検出手段で無線接続していることを検出した時、ナビゲーション機能付携帯機器からのナビゲーション用画像データの受信データ量を低減する受信指示を行うナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段とを備え、
前記車載機器ではナビゲーション機能付携帯機器からのナビゲーション用音声を受信してスピーカから出力し、画像データを受信するに際して、前記外部機器接続形式検出手段で無線接続していることを検出した時、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段で指示したデータ低減画像を受信してモニタに表示することを特徴とするナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項2】
前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、ナビゲーション用画像の表示を停止する形式を指示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項3】
前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、特定案内用画像のみを表示する形式を指示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項4】
前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、広域地図を表示する縮尺を指定する形式を指示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項5】
前記外部機器接続形式検出手段で無線接続している時の通信速度を検出する通信速度検出手段を備え、
前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、前記通信速度検出手段で検出した通信速度に対応して広域地図を表示する縮尺を指定することを特徴とする請求項4記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項6】
前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、固定した地図画面上で自車位置マークを車両走行に合わせて移動して表示する形式を指示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項7】
前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、広域地図を表示する縮尺を指定すると共に、固定した当該広域地図上で自車位置マークを車両走行に合わせて移動する形式を指示することを特徴とする請求1記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項8】
前記外部機器接続形式検出手段で無線接続している時の通信速度を検出する通信速度検出手段を備え、
前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段では、前記通信速度検出手段で検出した通信速度に対応して、複数のナビゲーション画像データ低減形式のうち任意のものを選択して指示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。
【請求項9】
前記外部機器接続形式検出手段で有線接続していることを検出した時、及び無線通信接続していることを検出し、通信速度を検出する通信速度検出手段で所定以上の高速通信を行っていることを検出した時には、前記ナビゲーション画像データ低減通信形式指示手段の機能を停止して、ナビゲーション機能付携帯機器で表示しているナビゲーション画像を全て表示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション機能付携帯機器データ受信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−88288(P2012−88288A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237747(P2010−237747)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】