説明

ナビゲーション表示装置及びナビゲーション表示プログラム

【課題】ナビゲーションに関する情報の認識性を向上させることができる。
【解決手段】情報を画面に表示する画面表示部191と、画面表示部191の画面の周囲の一部又は全部に設けられるLED表示部192と、移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を画面表示部191に画面に表示させ、当該画面に表示された情報に対応する補助情報をLED表示部192に表示させる制御手段(CPU11等)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション表示装置及びナビゲーション表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等に搭載されて、目的地までの経路を案内するための装置として、ナビゲーション装置が広く普及している。ナビゲーション装置は、地上約2万kmの宇宙空間に配置されたGPS(Global Positioning Systems)衛星から発信する電波を受信し、この受信情報から算出された自車の位置情報に基づいて、CD−ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM、HDD(Hard Disk Drive)等に記憶された地図データベースから対応する地域の地図データを読み出し、地図データと自車の現在位置をマッチングさせてディスプレイ等に表示させ経路案内を行う。
【0003】
このようなナビゲーション装置は、例えば、表示部及び音声出力部を備え、車両の現在地の地図を表示部に画面表示させ、その地図上に目的地へ向かう矢印を表示させるとともに、右折、左折地点のまでの距離及びその指示等の情報を音声出力部から音声出力して、運転者に報知していた。通常、画面表示を行う表示部は、車両の前面(ダッシュボード)の、運転席と助手席との間、若しくは助手席側に設けられる。
【0004】
また、上記ナビゲーション画面の表示部に加えて、車両のウインドウシールドガラス周囲に、左端及び右端にLED(Light Emitting Diode)を有する導光管を設け、その導光管の左側又は右側のLED点燈により、右折、左折の指示を補助表示する構成が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−54334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のような従来の構成では、画面表示を行う表示部と、補助情報表示手段としての導光管とが併設され、その表示位置が互いに離れているため、運転者がその2箇所を別々に注意して見なければならず、ナビゲーションに関する情報の認識が十分でなく、右折、左折等の運転操作のタイミングを逃したりするおそれがあった。
【0006】
本発明の課題は、ナビゲーションに関する情報の認識性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
情報を画面に表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段の画面の周囲の一部又は全部に設けられる補助情報表示手段と、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を前記画面表示手段の画面に表示させ、当該画面に表示された情報に対応する補助情報を前記補助情報表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション表示装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション表示装置において、
前記補助情報表示手段は、複数の補助情報表示単位手段を備え、
前記制御手段は、前記各補助情報表示単位手段の表示により前記補助情報を表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のナビゲーション表示装置において、
前記補助情報表示手段は、発光体を備え、
前記制御手段は、前記発光体の発光により前記補助情報を表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション表示装置において、
前記補助情報表示手段は、表示体を備え、
前記制御手段は、前記表示体の運動及び静止により前記補助情報を表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のナビゲーション表示装置において、
前記表示体は、回転可能な方向指示体であり、
前記制御手段は、前記方向指示体の回転及び静止により前記補助情報を表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、
情報を画面に表示する表示手段と、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を画面表示する画面表示領域と、当該画面表示領域に表示された情報に対応する補助情報を前記画面表示領域の周囲の一部又は全部に表示する補助情報表示領域と、を含む画面を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション表示装置である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のナビゲーション表示装置において、
前記補助情報表示領域は、複数の補助情報表示単位領域を有し、当該各補助情報表示単位領域の表示により前記補助情報を表示することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、
コンピュータに、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を画面に表示させ、当該画面に表示された情報に対応する補助情報を前記画面の周囲の一部又は全部に表示させる機能を実現させるためのナビゲーション表示プログラムである。
【0015】
請求項9に記載の発明は、
コンピュータに、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を画面表示する画面表示領域と、当該画面表示領域に表示された情報に対応する補助情報を前記画面表示領域の周囲の一部又は全部に表示する補助情報表示領域と、を含む画面を表示させる機能を実現させるためのナビゲーション表示プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ナビゲーションに関する情報の認識性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0018】
まず、図1及び図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態のナビゲーション表示装置としてのナビゲーション装置100の構成を示す。図2に、表示部19の表示構成を示す。
【0019】
ナビゲーション装置100は、移動体としての車両等に搭載されて目的地までの経路を案内する装置であり、その車両のバッテリ等から電源を供給されて駆動される。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、CPU(Central Processing Unit)11と、GPS部12と、自律航法部13と、通信部14と、RAM(Random Access Memory)15と、不揮発メモリ16と、記憶部17と、入力部18と、表示部19と、音声出力部20と、等を備えて構成され、各部がバス21により接続されている。
【0020】
CPU11は、ナビゲーション装置100の各部を中央制御する。CPU11は、記憶部17に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM15に展開し、RAM15に展開されたプログラムとの協働で、制御手段として各種処理を実行する。
【0021】
GPS部12は、GPSアンテナ12aを備える。このGPSアンテナ12aは、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPS部12は、GPSアンテナ12aにより、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両の絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、CPU11に出力する。
【0022】
自律航法部13は、角度センサ、距離センサ等を備えて構成される。角度センサは、車両の角速度(単位時間あたりの水平方向への回転角度)を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力される車速パルス信号を検出して、車両の移動量を算出する。自律航法部13は、これら角速度信号および車速パルス信号により、車両の相対的な位置変化を算出してCPU11に出力する。
【0023】
通信部14は、図示しないアンテナを有しており、CPU11から入力される指示に従って、無線基地局等との間で無線通信用の通信プロトコルを実行し、設定された通信チャネルにより各種データの送受信を行い、無線基地局に接続される通信ネットワークN上の各種機器と双方向通信を行う。
【0024】
通信ネットワークNは、電話回線、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線等の各種通信回線により構築されるネットワークであるが、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット等の様々な回線形態を含むこととしてもよい。
【0025】
RAM15は、揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0026】
不揮発メモリ16は、不揮発性の半導体メモリやHDD等により構成され、ユーザの設定情報、車両の走行履歴情報等の不揮発性を要する情報を記憶する。
【0027】
記憶部17は、実行される各種プログラムや各種データ等があらかじめ記憶されている記録媒体(図示せず)を備える。記憶部17は、ROM、CD−ROM、DVD−ROM、HDD等により構成される。記憶部17は、各種データとして、例えば、表示部19に表示させるための地図データや、音声出力部20から出力するための音声パターンデータ等を記憶する。
【0028】
入力部18は、文字キー、数字キー、検索キーの他、ナビゲーション利用等の各種機能に対応付けられた各種キーを備え、操作されたキーに対する操作信号を受け付けてCPU11に出力する。また、入力部18は、表示部19の画面表示部191を覆うように設けられたタッチパネル等のポインティングデバイスや、無線又は有線のリモートコントローラ等を介して操作入力を受け付ける構成、あるいは、音声入力を受け付ける構成等としてもよい。
【0029】
表示部19は、図1及び図2に示すように、画面表示を行う画面表示手段としての画面表示部191と、LEDを点燈して情報を表示する補助情報表示手段としてのLED表示部192と、を備える。画面表示部191は、LCD(Liquid Crystal Display)や、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等により構成される。画面表示部191は、各種操作入力画面、地図上で目的地までの経路を案内する画面、右折、左折等を指示する指示画面等を含むナビゲーション画面を表示する。
【0030】
LED表示部192は、表示部19の画面としての不使用部分に設けられ、画面表示部191の周囲全部に配置された複数の補助情報単位表示手段としてのLED単位表示部192aを備える。LED単位表示部192aは、表示部19の画面としての不使用部分に設けられた複数且つ互いに異なる色のLEDを有する。そして、LED表示部192では、各LED単位表示部192aを単位として、各色のLEDが点燈制御される。LED表示部192は、本実施の形態では、LED単位表示部192aが、赤色、オレンジ色、緑色、黄色の4色の点灯が可能であるものとする。
【0031】
音声出力部20は、音声を出力するスピーカ等を備え、入力部18での操作入力を補助する音声、経路案内の音声、右折、左折等を指示する指示する音声等を出力する。
【0032】
次に、図3〜図8を参照して、ナビゲーション装置100の動作を説明する。図3に、画面表示処理の流れを示す。図4に、LED表示処理の流れを示す。図5に、直進時のLED点燈表示パターンを示す。図6に、右折時のLED点燈表示パターンを示す。図7に、行き止まり時のLED点燈表示パターンを示す。図8に、事故時のLED点燈表示パターンを示す。
【0033】
先ず、図3を参照して、ナビゲーション装置100で実行される画面表示処理を説明する。画面表示処理は、画面表示部191に、ナビゲーションに関する情報を含むナビゲーション画面を表示する処理である。予め、ナビゲーション装置100において、現在地から目的地までの走行案内を出力する画面処理が実行されているものとする。ナビゲーション画面には、地図上の、目的地までの経路、目印となる指標、車両の現在位置及び方位等を含む経路案内画面、直進指示画面、右折/左折等の指示画面、行き止まり、事故等の表示画面、各種操作画面等が含まれる。また、説明を省略するが、画面処理による画面表示部191の画面表示に対応する音声が、音声出力部20から適宜出力されるものとする。
【0034】
例えば、操作者による入力部18を介したナビゲーション開始指示の入力をトリガとして、記憶部17から画面表示プログラムが適宜読み出されてRAM15に展開され、CPU11と、展開された画面表示プログラムとの協働により画面表示処理が実行される。
【0035】
図3に示すように、先ず、表示する画面データが生成される(ステップS1)。具体的には、GPS部12、自律航法部13から取得される車両の位置情報、入力部18を介して入力される入力情報、通信部14を介して受信される受信情報、不揮発メモリ16、記憶部17から読み出される情報等を用いて、各種画面が生成される。例えば、経路案内画面は、GPS部12から取得される車両の緯度、経度情報と、自律航法部13から取得される車両の向き等の情報と、記憶部17から読み出される地図情報等と、に基づいて生成される。
【0036】
そして、ステップS1で生成された画面データが画面表示部191に画面表示される(ステップS2)。そして、LED表示部192の点燈指示又は点燈終了指示を要するか否かが判別される(ステップS3)。ステップS2で画面表示部191に表示される画面が、LED表示部192の点燈を要する画面に切り替わった場合に点燈指示され、その画面から点燈を要しない画面に切り替わった場合に点燈終了指示される。
【0037】
本実施の形態においては、簡単のために、車両の直進時と、右折/左折時と、行き止まり時と、走行中の道路上の事故発生時(事故時)とに、これらの状況に対応する画面が画面表示部191に表示されるとともに、その表示画面に対応して、LED表示部192に補助情報表示としてのLED表示がなされるものとする。
【0038】
点燈指示又は点燈終了指示を要する場合(ステップS3;YES)、ステップS2で表示している画面に対応して、点燈指示又は点燈終了指示がなされる(ステップS4)。そして、画面表示部191に表示中の画面を変化させるか否かが判別される(ステップS5)。点燈指示又は点燈終了指示を要しない場合(ステップS3;NO)、ステップS5に移行される。画面を変化させない場合(ステップS5;NO)、ステップS3に移行される。
【0039】
そして、画面表示処理を終了するか否かが判別される(ステップS6)。例えば、運転者等により入力部18を介してナビゲーション終了指示が入力されたか否かにより判別される。画面表示処理を終了しない場合(ステップS6;NO)、ステップS1に移行される。画面表示処理を終了する場合(ステップS6;YES)、画面表示処理が終了する。
【0040】
次いで、図4〜図8を参照して、ナビゲーション装置100で実行されるLED表示処理を説明する。LED表示処理は、LED表示部192におけるLEDの点燈により、ナビゲーション画面に対応する各種補助情報を表示する処理である。
【0041】
LED表示処理では、ナビゲーション処理の実行下で、画面表示部191に表示される画面に対応して、LED表示部192をLED表示する。例えば、画面表示処理の実行開始をトリガとして、記憶部17からLED表示プログラムが適宜読み出されてRAM15に展開され、CPU11と、展開されたLED表示プログラムとの協働によりLED表示処理が実行される。
【0042】
図4に示すように、先ず、画面表示処理のステップS4に対応して、LED表示部192のLED点燈指示があるか否かが判別される(ステップS11)。車両の直進時、右折/左折時、行き止まり時又は事故時の画面表示開始とともに、これに対応したLED点燈指示があるものとする。LED表示部192のLED点燈指示がない場合(ステップS11;NO)、ステップS11に移行される。
【0043】
LED表示部192のLED点燈指示がある場合(ステップS11;YES)、その指示内容が何であるかが判別される(ステップS12)。指示内容が直進時のLED点燈である場合(ステップS12;直進)、LED表示部192において直進時のLED点燈がなされる(ステップS13)。ステップS13では、例えば、図5に示すように、画面表示部191に直進時の表示画面D1が表示された場合に、画面表示部191の左側に設けられたLED単位表示部192Lと、同じく右側に設けられたLED単位表示部192Rとが、2つ置きに点燈部分が下から上に流れるように緑色で点燈される。
【0044】
指示内容が右折/左折時のLED点燈である場合(ステップS12;右折/左折)、LED表示部192において右折/左折時のLED点燈がなされる(ステップS14)。ステップS14では、例えば、右折時に、図6に示すように、画面表示部191に右折時の表示画面D2が表示された場合に、画面表示部191の上側に設けられたLED単位表示部192Uが、2つ置きに点燈部分が左から右に流れるように緑色で点燈されるとともに、曲がる方向を示すため、LED単位表示部192Rが1つ置きにオレンジ色で点燈される。左折時も同様にして、LED単位表示部192U,192Lが点燈される。
【0045】
指示内容が行き止まり時のLED点燈である場合(ステップS12;行き止まり)、LED表示部192において行き止まり時のLED点燈がなされる(ステップS15)。ステップS15では、例えば、図7に示すように、画面表示部191に行き止まり時の表示画面D3が表示された場合に、LED単位表示部192U,192L,192Rが1つ置きに黄色に点燈されるとともに、行き止まり方向を示すため、LED単位表示部192Uの中央に位置するLED単位表示部192U1が赤色で点燈される。
【0046】
指示内容が事故時のLED点燈である場合(ステップS12;緊急)、LED表示部192において事故時のLED点燈がなされる(ステップS16)。事故時には、事故発生での安全確保のため、走行スピードの低減、徐行、停止等を促す旨を報知する。この場合、ナビゲーション装置100において、図示しない情報提供サーバから通信ネットワークN、通信部14を介して、事故等に関する情報が受信され、その受信した情報に基づいて画面表示部191に画面表示がなされる。例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)により無線配信される交通情報が通信部14を介して受信され、その交通情報中の事故情報が取得される。
【0047】
ステップS16では、例えば、図8に示すように、画面表示部191に事故発生を示す三角板を有する表示画面D4が表示された場合に、LED単位表示部192U,192D,192L,192Rが一つ置きにオレンジ色で点滅して点燈される。
【0048】
ステップS13〜S16では、LED点燈終了指示があるまで、各点燈処理が続行されるものとする。そして、画面表示処理のステップS4に対応して、LED表示部192のLED点燈終了の指示があるか否かが判別される(ステップS17)。LED表示部192のLED点燈終了の指示がない場合(ステップS17;NO)、ステップS7に移行される。LED表示部192のLED点燈終了の指示がある場合(ステップS17;YES)、LED表示部192が消燈される(ステップS18)。
【0049】
そして、LED表示処理を終了するか否かが判別される(ステップS19)。ステップS19では、例えば、画面表示処理が終了した場合に、LED表示処理も終了するものとする。LED表示処理を終了しない場合(ステップS19;NO)、ステップS1に移行される。LED表示処理を終了する場合(ステップS19;YES)、LED表示処理が終了する。
【0050】
以上、本実施の形態によれば、画面表示部191の画面周囲に設けられたLED表示部192で補助情報を表示し、運転者等が画面表示部191に表示されたナビゲーションの画面情報とその補助情報とを一見して認識できるので、ナビゲーションに関する情報の認識性を向上させることができ、運転の安全性を高めることができる。
【0051】
また、車両のウインドウシールドガラス周囲等に導光管等の補助情報表示部を備える構成では、車両に予めその補助情報表示部が設置されていないと実現困難であるが、本実施の形態では、LED表示部192を含むナビゲーション装置100を、車両に容易に後付け設置できる。
【0052】
また、LED表示部192において、各LED単位表示部192aの表示により補助情報を各種パターン表示するので、多様な表現が可能であり、より多くの種類の補助情報を表示できる。
【0053】
以下、上記実施の形態の第1及び第2の変形例を順に説明する。
【0054】
(第1の変形例)
先ず、図9を参照して、第1の変形例を説明する。図9に、本変形例の表示部19Aの表示構成を示す。
【0055】
図9に示すように、本変形例は、上記実施の形態のナビゲーション装置100の表示部19を表示部19Aに代えたものであり、同様の部分の説明を省略する。表示部19Aは、画面表示部191Aを備えて構成される。
【0056】
画面表示部191は、表示画面D5を表示する。表示画面D5は、画面表示領域D51と、画面表示領域D51の周囲全部に位置する補助情報表示領域D52と、を含み、画面表示領域D51に、各種ナビゲーションに関する画面が表示される。補助情報表示領域D52は、複数の補助情報単位表示領域D521を有する。補助情報表示領域D52では、補助情報単位表示領域D521の相互に関連した所定の色の表示により、LED表示部192と同様にして、補助情報表示として、直進時の補助表示、右折/左折の方向指示表示、行き止まり及びその方向を示す表示、緊急時の注意を促す表示等がなされる。
【0057】
例えば、上記実施の形態のLED表示部192のLED不点燈に対応して黒色とし、LED点燈に対応してその点燈色とし、補助情報表示領域D52において、それらの色に対応して各補助情報単位表示領域D521が表示される。
【0058】
本変形例によれば、画面表示部191Aの画面表示領域D51周囲に位置する補助情報表示領域D52で補助情報を表示し、運転者等が画面表示領域D51に表示されたナビゲーションの画面情報とその補助情報とを一見して認識できるので、ナビゲーションに関する情報の認識性を向上させることができ、運転の安全性を高めることができる。
【0059】
また、補助情報表示領域D52において、各補助情報単位表示領域D521の表示により補助情報を各種パターン表示するので、多様な表現が可能であり、より多くの種類の補助情報を表示できる。
【0060】
(第2の変形例)
先ず、図10を参照して、第2の変形例を説明する。図10に、本変形例の表示部19Bの構成を示す。
【0061】
図10に示すように、本変形例は、上記実施の形態のナビゲーション装置100の表示部19を表示部19Bに代えたものであり、同様の部分の説明を省略する。表示部19Bは、画面表示部191と、補助情報表示部193と、を備えて構成される。
【0062】
画面表示部191では、各種ナビゲーション画面が表示される。補助情報表示部193は、360度に回転可能な矢印の表示体としての方向指示体193aと、方向指示体193aの図示しない回転及び静止機構と、を有し、方向指示体193aの回転及び静止により補助情報表示を行う。方向指示体193aは、例えば、直進時に先端が上を向き、右折/左折時に先端が左/右を向き、行き止まり時に先端が行き止まりの方向を向き、事故時に先端が事故発生方向を向く。緊急時には、方向指示体193aを回転し続けたり、先端をぶれさせる等の構成としてもよい。
【0063】
例えば、図9に示すように、画面表示部191に右折を促す表示画面D2が表示された場合、表示画面D2に対応して、補助情報表示部193の方向指示体193aの先端が右を向くように回転される。
【0064】
本変形例によれば、画面表示部191の画面周囲に位置する補助情報表示部193で補助情報を表示し、運転者等が画面表示部191に表示されたナビゲーションの画面情報とその補助情報とを一見して認識できるので、ナビゲーションに関する情報の認識性を向上させることができ、運転の安全性を高めることができる。
【0065】
また、補助情報表示領域D52において、各補助情報単位表示領域D521の表示により補助情報を各種パターン表示するので、多様な表現が可能であり、より多くの種類の補助情報を表示できる。
【0066】
なお、上記実施の形態及び各変形例における記述は、本発明に係るナビゲーション表示装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0067】
例えば、上記実施の形態においては、LED単位表示部192a毎に4色のLEDを設けて点燈させる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、LED単位表示部192a毎に単色又は4色以外で互いに異なる色の複数のLEDを設け、そのLEDにより補助情報表示を行う構成としてもよい。また、同一のLED単位表示部192a内に異なる色の複数のLEDを設け、その複数のLEDを同時に点燈することにより、更に異なる色を表示する構成としてもよい。例えば、同一のLED単位表示部192a内の緑色LEDと赤色のLEDとを同時に点燈させてオレンジ色を表示する構成等としてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態においては、補助表示の表示パターンとして、LEDの連続した点燈、点滅、LED単位表示部192aの点燈部分が所定方向に流れる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、LEDの光度を変化させる構成としてもよい。また、点滅間隔を変化させる構成としてもよい。また、補助表示の表示パターンとして、以上で述べた各構成の少なくとも2つを組み合わせる構成としてもよい。
【0069】
また、補助表示の表示パターンは、ナビゲーション画面に対応するものであり、車両の走行の速さ、走行方向、目的地までの距離、無線通信で受信した事故以外の情報等にも対応するものとしてもよい。例えば、LED単位表示部192aの点燈部分の流れる速さを車両の走行の速さに対応させる構成や、右折/左折地点、行き止まり地点に近づくにつれて、あるいは、目的地に近づくにつれて、LED単位表示部192aの点滅間隔を小さく又は大きくしていったり、同じく点燈の流れる速さを速く又は遅くしたりする構成等としてもよい。
【0070】
また、補助情報表示の各表示パターンが、どのナビゲーション内容と対応するかは、自在に設定できる構成としてもよい。また、補助情報表示の表示パターンに対応するナビゲーション内容は、直進、右折/左折、行き止まり、緊急に限定されるものではない。
【0071】
また、発光による補助情報表示手段として、LEDを用いる構成を説明したが、これに限定されるものではなく、その他の発光体(液晶パネル、電球、ネオン管、ELパネル等)を用いる構成としてもよい。
【0072】
また、画面表示部191の画面の周囲全部にLED表示部192を設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、画面の周囲の一部にLED表示部を設ける構成としてもよい。
【0073】
また、第1の変形例においても、各補助情報単位表示領域D52の色数は5色に限定されるものではない。また、補助情報単位表示領域D52の表示パターンについても、上記実施の形態と同様である。また、画面表示領域D51の周囲全部に補助情報表示領域D52を設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、画面の周囲の一部に補助情報表示領域を設ける構成としてもよい。
【0074】
また、第2の変形例においては、補助情報表示部193が表示体としての矢印の方向指示体193aを有する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、表示体として、指差し状態を示す手の形で人差し指により所望の方向を示す方向指示体を備え、その手の方向指示体を回転及び静止する構成等としてもよい。また、手の指が可動な表示体を備え、その表示体を指差し状態に変形させて所望の方向を人差し指等が指したり、同様に手を広げた状態に変形させて、事故時の徐行、停止を報知する構成等としてもよい。
【0075】
さらには、方向指示体以外の表示体を運動及び静止する機構により、表示体の姿態を変えて補助情報を表示する補助情報表示手段としてもよい。例えば、表示体としての循環状のベルト上に異なる補助表示情報がプリントされ、そのベルトを周動及び静止する機構を備え、その周動及び静止により、いずれかの補助表示情報を窓に表示させる構成や、表示体としての複数の異なる補助情報が描かれたパネルがナビゲーション表示装置100に格納され、そのパネルを露出する機構を備え、補助情報表示指示により、いずれかのパネルを露出して補助情報を表示する構成等としてもよい。
【0076】
また、第2の変形例においては、補助情報表示部193が常時露出している構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、補助情報表示部193がナビゲーション装置本体に格納されており、補助情報表示指示がなされた場合等に、補助情報表示部193が自動的に露出する構成等としてもよい。
【0077】
また、ナビゲーション装置を車両に適用する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、船、航空機等の移動体に適用する構成としてもよい。
【0078】
さらに、上記実施の形態、第1の変形例、第2の変形例の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
【0079】
その他、本実施の形態におけるナビゲーション装置の細部構成、および詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る実施の形態のナビゲーション装置100の構成を示す図である。
【図2】表示部19の表示構成を示す図である。
【図3】画面表示処理を示すフローチャートである。
【図4】LED表示処理を示すフローチャートである。
【図5】直進時のLED点燈表示パターンを示す図である。
【図6】右折時のLED点燈表示パターンを示す図である。
【図7】行き止まり時のLED点燈表示パターンを示す図である。
【図8】事故時のLED点燈表示パターンを示す図である。
【図9】第1の変形例の表示部19Aの表示構成を示す図である。
【図10】第2の変形例の表示部19Bの表示構成を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
100 ナビゲーション装置
11 CPU
12 GPS部
12a アンテナ
13 自律航法部
14 通信部
15 RAM
16 不揮発メモリ
17 記憶部
18 入力部
19,19A,19B 表示部
191 画面表示部
192 LED表示部
193 補助情報表示部
193a 方向指示体
20 音声出力部
21 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を画面に表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段の画面の周囲の一部又は全部に設けられる補助情報表示手段と、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を前記画面表示手段の画面に表示させ、当該画面に表示された情報に対応する補助情報を前記補助情報表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション表示装置。
【請求項2】
前記補助情報表示手段は、複数の補助情報表示単位手段を備え、
前記制御手段は、前記各補助情報表示単位手段の表示により前記補助情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション表示装置。
【請求項3】
前記補助情報表示手段は、発光体を備え、
前記制御手段は、前記発光体の発光により前記補助情報を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション表示装置。
【請求項4】
前記補助情報表示手段は、表示体を備え、
前記制御手段は、前記表示体の運動及び静止により前記補助情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション表示装置。
【請求項5】
前記表示体は、回転可能な方向指示体であり、
前記制御手段は、前記方向指示体の回転及び静止により前記補助情報を表示させることを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション表示装置。
【請求項6】
情報を画面に表示する表示手段と、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を画面表示する画面表示領域と、当該画面表示領域に表示された情報に対応する補助情報を前記画面表示領域の周囲の一部又は全部に表示する補助情報表示領域と、を含む画面を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション表示装置。
【請求項7】
前記補助情報表示領域は、複数の補助情報表示単位領域を有し、当該各補助情報表示単位領域の表示により前記補助情報を表示することを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション表示装置。
【請求項8】
コンピュータに、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を画面に表示させ、当該画面に表示された情報に対応する補助情報を前記画面の周囲の一部又は全部に表示させる機能を実現させるためのナビゲーション表示プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
移動体の位置情報に基づいて目的地までのナビゲーションに関する情報を画面表示する画面表示領域と、当該画面表示領域に表示された情報に対応する補助情報を前記画面表示領域の周囲の一部又は全部に表示する補助情報表示領域と、を含む画面を表示させる機能を実現させるためのナビゲーション表示プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−220446(P2006−220446A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31944(P2005−31944)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】