ナビゲーション装置、および、ナビゲーション装置における道路検索方法
【課題】検索目的となる場所の道路の形状を憶えているユーザが、その場所を容易に検索できるようにする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
本発明のナビゲーション装置100は、入力装置(例えば、タッチパネル)を介して道路網の形状の入力を受け付ける入力受付部102と、入力された道路網の形状と類似する道路網を、記憶装置に予め記憶してある道路地図データ(描画データ)から検索する道路検索部106と、検索した道路網を表示する表示処理部103と、を備える。
【課題を解決するための手段】
本発明のナビゲーション装置100は、入力装置(例えば、タッチパネル)を介して道路網の形状の入力を受け付ける入力受付部102と、入力された道路網の形状と類似する道路網を、記憶装置に予め記憶してある道路地図データ(描画データ)から検索する道路検索部106と、検索した道路網を表示する表示処理部103と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、および、ナビゲーション装置における道路検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナビゲーション装置は、ユーザに設定された目的地までの推奨経路を探索し、探索した推奨経路に従った経路誘導を行うことができる。目的地を設定する際には、ユーザは、ディスプレイに表示された地図の1地点をタッチする操作や、目的地周辺の住所、施設名などの入力を行わなければならない。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザに入力された文字列(場所を示す文字列)に基づいて目的地を設定することについて記載されている。
【特許文献1】特開2001−21370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、目的地点を検索しようとするユーザが、検索目的となる場所付近の道路網の形状については憶えていても、検索目的となる場所の地図上における位置や、その場所付近の地名などについては知らないことがある。
【0005】
このような場合、従来のナビゲーション装置では、検索目的となる場所を探し出すことは容易ではない。
【0006】
本発明は、検索目的となる場所の道路網の形状を憶えているユーザが、その場所を容易に検索できるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本願発明のナビゲーション装置は、道路地図データを記憶している記憶手段と、道路網の形状の入力を受け付ける入力受付手段と、入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する検索手段と、検索した道路網を表示する表示手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明のナビゲーション装置によれば、検索目的となる場所の道路網の形状を憶えているユーザが、その場所を容易に検索できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(マイクロフォン41、スピーカ42)と、入力装置5と、車速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS受信装置8と、を備えている。なお、ナビゲーション装置100は、車両に載置されている車載用ナビゲーション装置としてもよいし、PDAや携帯電話などの携帯端末としてもよい。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々は処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1に接続するためのI/F(インタフェース)24と、を有する。そして、演算処理部1は、各デバイスをバス25で相互に接続した構成からなる。そして、後述する各機能部(101〜108)は、CPU21がRAM22などのメモリに読み出したプログラムを実行することで実現される。
【0012】
例えば、演算処理部1は、各種センサ(6、7)やGPS受信装置8から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データ及び道路地図データ(描画データ)を記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データ及び道路地図データをグラフィック展開し、そこに現在地を示すマーク(或いは、移動体の位置を示す移動体マーク)を重ねてディスプレイ2に表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データを用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4のスピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
また、演算処理部1は、入力装置5から入力された道路網(1又は複数の道路)の形状と類似する道路網を、記憶装置3に記憶されている道路地図データ(描画データ)から検索する。そして、演算処理部1は、検索した道路網を、表示中の地図上に強調して表示する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置3は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、例えば、地図データ310、縮尺データ300、道路地図データ(描画データ)330、音声データ、動画データ、等が記憶されている。
【0016】
図2は、地図データ310の概略データ構造を示す図である。地図データ310は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域に含まれている道路を構成する各リンクのリンクデータ320を含んでいる。
【0017】
リンクデータ320は、リンクの識別コード(リンクID)321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクの識別コード(接続リンクID)326、リンク周辺に関する情報を示す周辺情報327、などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理することができる。また、周辺情報327には、例えば、リンク周辺に位置する施設の名称や、施設を分類するためのジャンル名などが含まれる。
【0018】
上述したメッシュは、表示する縮尺(メッシュ領域の広さ)ごとにレベル分けされており、階層的に記憶装置3に記憶されている。
【0019】
具体的には、第1の縮尺(最広域)で地図を表示するために用いる1次メッシュ、第2の縮尺(第1の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる2次メッシュ、第3の縮尺(第2の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる3次メッシュ、第4の縮尺(第3の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる4次メッシュ、第5の縮尺(第4の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる5次メッシュ、第6の縮尺(第5の縮尺よりも詳細、最詳細)で地図を表示するための6次メッシュが、階層的に記憶装置3に記憶されている。なお、メッシュのレベル分けは、この6段階(1次メッシュから6次メッシュ)に限定せず、6段階よりも少段階、多段階であってもよい。
【0020】
また、1次メッシュは、1次メッシュを均等に区画した2次メッシュから構成され、2次メッシュは、2次メッシュを均等に区画した3次メッシュから構成され、3次メッシュは、3次メッシュを均等に区画した4次メッシュから構成され、4次メッシュは、4次メッシュを均等に区画した5次メッシュから構成され、5次メッシュは、5次メッシュを均等に区画した6次メッシュから構成される。
【0021】
図3(A)は、上述したメッシュ(メッシュID311)の階層構造(縮尺データ300)を示す図である。図示するように、1次メッシュを識別するためのメッシュID311aには、その1次メッシュを構成する全ての2次メッシュを識別するためのメッシュID311bが対応付けて記憶されている。同様に、2次メッシュを識別するためのメッシュID311bには、その2次メッシュを構成する全ての3次メッシュを識別するためのメッシュID311cが対応付けて記憶されている。このように、縮尺データ300は、各レベルのメッシュ(メッシュID311)を、階層的に関連付けているデータである。
【0022】
図3(B)は、道路地図データ(描画データ)330の概略データ構造を示す図である。図示するように、道路地図データ330は、メッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域の地図を描画するために用いる描画画像332を含んでいる。
また、道路地図データ330は、描画画像332の地図上における位置(緯度、経度座標における位置)を示す位置情報331を含んでいる。
【0023】
ここで、位置情報331は、描画画像332の中心座標を示す座標データなどからなり、描画画像332は、ディスプレイ2に描画する地図(画像データ)、或いは、描画する地図が格納されている場所(記憶装置3における位置)を示すアドレスデータなどからなる。
【0024】
図1に戻り、音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、ユーザやその他の搭乗者から発された音声などの、ナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成された音声信号を出力する。これらのマイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配置されている。
【0025】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示せず)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0026】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0027】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチ52の回転角度を求める。
【0028】
車速センサ6、ジャイロセンサ7、及び、GPS受信装置8は、移動体(ナビゲーション装置100)の現在位置(自車位置)などを検出するために使用される。車速センサ6は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ7は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置8は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在位置や進行速度を測定する。
【0029】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、表示処理部103と、入力イメージ特定部104と、検索条件指定部105と、道路検索部106と、絞り込み処理部107と、経路誘導部108と、を有する。
【0030】
主制御部101は、演算処理部1の各部を統括して制御する処理を行う。
【0031】
入力受付部102は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け付け、その要求内容を解析する。入力受付部102は、解析結果に応じたデータを主制御部101に通知する。例えば、入力受付部102は、ナビゲーション装置100に、電源の投入、切断を指示する要求、等を受け付け、主制御部101に通知する。また、入力受付部102は、ナビゲーション装置100が有する各種機能の設定に関する入力データを受け付け、主制御部101に通知する。また、入力受付部102は、タッチパネル51上をユーザがタッチする操作によって、目的となる道路網の形状の入力を受け付け、主制御部101に通知する。
【0032】
表示処理部103は、ディスプレイ2に、地図や、施設を示す施設アイコン、等を表示させる。具体的には、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させるための描画コマンドを生成して通知する。なお、表示処理部103は、地図をディスプレイ2に表示させる際には、表示が要求された領域(例えば、ナビゲーション装置100の現在位置付近の領域)にある道路地図データ332を記憶装置3から抽出し、指定された縮尺、描画方式で、道路網、その他の地図構造物、現在位置、目的地、等を描画するように地図描画コマンドを生成する。また、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させた地図上に、移動体(自車両)の位置を示す移動体マーク(カーマーク)や各種設定画面などが表示させる。
【0033】
入力イメージ特定部104は、入力受付部102が受け付けた道路網の形状を特定する処理を行う。具体的には、入力イメージ特定部104は、タッチパネル51にタッチが開始された地点(以下では「始点」)から、タッチが終了された地点(以下では「終点」)までを1本の道路(道路形状)として特定する。このとき、入力イメージ特定部104は、始点から終点までの区間においてタッチされた位置の座標を記憶する。また、入力イメージ特定部104は、複数の道路についての入力を受け付けた場合には、受け付けた道路ごとに、始点から終点までの区間においてタッチされた位置の座標を記憶する。
【0034】
検索条件指定部105は、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状に類似する道路網を検索する条件(検索条件)を指定する。具体的には、検索条件指定部105は、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定する。このとき、検索条件指定部105は、入力受付部102を介して、メッシュの縮尺(範囲)を指定する指示を受け付けると、指定された縮尺(範囲)を、後述する道路検索部106に通知する。
【0035】
道路検索部106は、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似する道路網を、道路地図データ330から検索する。検索方法としては、例えば、パターンマッチングによる検索方法を用いる。この場合、道路検索部106は、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状を示す画像を、テンプレート画像として生成する。そして、生成したテンプレート画像を、ユーザに指定された領域内のメッシュの描画画像332に重ね合わせながら移動させ、2つの画像の相関度を算出する。道路検索部106は、算出した相関度が所定値以上である場合には、テンプレート画像に重なる位置の道路網を、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状に類似している道路網として特定する。ここで、道路検索部106は、特定した道路網を強調表示した画像を生成し、表示処理部103を介して、表示中の地図に重ね合わせて表示する。なお、パターンマッチングは、テンプレート画像を、所定角ずつ360°回転させて行われる。
【0036】
また、道路検索部106は、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)が、検索条件指定部105から通知されている場合には、パターンマッチングする対象のメッシュを、通知された縮尺(範囲)のメッシュに限定する。具体的には、道路検索部106は、例えば、第1の縮尺から第2の縮尺までの縮尺範囲が指定されている場合には、縮尺データ300の第1の縮尺及び第2の縮尺に該当するメッシュID311a、bで特定されるメッシュを、パターンマッチングの対象(検索対象)とする。そして、パターンマッチングの対象(検索対象)としたメッシュの描画画像332から、上述したパターンマッチングの手法を用いて、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似する道路網を検索する。
【0037】
絞り込み処理部107は、道路検索部106が検索した道路網が複数個ある場合に、検索結果を絞り込む処理を行う。具体的には、絞り込み処理部107は、入力受付部102を介して、ユーザが検索目的としている場所(道路網)の周辺地域に関連するキーワードの入力を受け付ける。ここで、受け付けるキーワードには、例えば、検索目的としている場所(道路網)周辺の施設名や、道路名、交差点名などが含まれる。絞り込み処理部107は、キーワードの入力を受け付けると、受け付けたキーワードに一致する(或いは、キーワードを含む)周辺情報327を、地図データ310から検索する。そして、検索した周辺情報327を有するリンクを特定し、特定したリンクと重なる道路を、道路検索部106が先に検索した複数の道路網の中から抽出する。ここで、絞り込み処理部107は、抽出した道路網だけを強調表示した画像を生成し、表示処理部103を介して、表示中の地図に重ね合わせて表示する。これにより、絞り込み処理部107は、道路検索部106が検索した道路網の検索件数を、さらに絞り込むことができる。また、絞り込み処理部107が絞り込みを行う回数に制限はなく、キーワードの入力を受け付けるたびに、検索件数を絞り込むことができる。
【0038】
経路誘導部108は、道路検索部106或いは絞り込み処理部107が検索した道路網(場所)のなかから、1つの道路網(場所)を選択する指示を、入力受付部102を介して受け付け、選択された道路網(場所)を目的地とした推奨経路を用いて、経路誘導を行う。具体的には、経路誘導部108は、表示処理部103を介して、ディスプレイ2に表示された地図の範囲に含まれている推奨経路を表示(強調表示)する。このとき、経路誘導部109は、移動体(車両)の現在位置を算出し、算出した現在位置を示す移動体マーク(カーマーク)を推奨経路上(例えば、画面中心)に表示する。また、経路誘導部108は、推奨経路の情報と、現在位置とを比較し、主要な交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを、ディスプレイ2に表示させるとともに、音声入出力装置4のスピーカ42を用いて音声でユーザに知らせる。
【0039】
次に、上記構成からなるナビゲーション装置100の特徴的な動作について説明する。図5は、ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う道路検索処理を示すフローチャートである。
【0040】
演算処理部1の主制御部101は、入力受付部102を介して、電源投入の指示を受け付けると、道路検索処理を開始する。
【0041】
道路検索処理を開始後、表示処理部103は、例えば、ナビゲーション装置100の現在位置付近の地図画面800をディスプレイ2に表示する(ステップS101)。
【0042】
図6(A)は、ステップS101において、表示処理部103が地図画面800を表示したときの画面表示例を示す図である。図示するように、表示処理部103は、地図画面800に、例えば、ナビゲーション装置100の現在位置付近の地図を表示するとともに、検索目的となる道路網の検索範囲を指定可能であることをユーザに知らせるためのメッセージを表示する。ここで表示するメッセージには、例えば、「範囲を指定して道路検索できます。」等のメッセージを用いる。
【0043】
次に、主制御部101は、入力受付部102を介して、検索範囲を指定する指示を受け付けるまで待機し(ステップS102;No)、検索範囲を指定する指示を受け付けた場合に(ステップS101;Yes)、処理をステップS103に移行する。具体的には、主制御部101は、タッチパネル51上の2カ所がタッチされた場合に、タッチされた2点の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)を、メモリ(例えば、RAM22)に記憶して、処理をステップS103に移行する。ここで、2点を結ぶ直線を対角線とする矩形領域が、検索範囲として指定されたことになる。なお、メモリに記憶する座標(X1,Y1)、(X2,Y2)は、それぞれ、経度、緯度座標に変換した座標とする。
【0044】
図6(B)は、ステップS102において、検索範囲を指定するときの画面表示例を示す図である。図示するように、表示処理部103は、ユーザにタッチされた2点を対角とする矩形領域(範囲指定枠850)を、地図画面800に表示する。
【0045】
検索範囲が指定されると、表示処理部103は、ユーザが検索する道路網の形状を入力するための入力画面900をディスプレイ2に表示する(ステップS103)。
【0046】
図7は、ステップS103において、表示処理部103が入力画面900を表示したときの画面表示例を示す図である。図示するように、表示処理部103は、上述した地図画面800と入力画面900を、2画面表示する。入力画面900は、ユーザが道路網の形状を入力するための入力枠910と、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定するための縮尺範囲指定ボタン920(a〜c)と、から構成される。ここで、表示処理部103は、入力枠910内でタッチパネル51がタッチされている地点に、図示するようなタッチ位置アイコン950を表示する。また、「大」の縮尺範囲指定ボタン920aは、広域地図用のメッシュ(例えば、上述した第1の縮尺及び第2の縮尺のメッシュ)を検索対象のメッシュとして指定するためのボタンとする。また、「中」の縮尺範囲指定ボタン920bは、中域地図用のメッシュ(例えば、第3の縮尺及び第4の縮尺のメッシュ)を検索対象のメッシュとして指定するためのボタンとする。また、「小」の縮尺範囲指定ボタン920cは、詳細地図用のメッシュ(例えば、第5の縮尺及び第6の縮尺のメッシュ)を検索対象のメッシュとして指定するためのボタンとする。
【0047】
入力画面900をディスプレイ2に表示中に、入力イメージ特定部104は、入力枠910内に入力された道路網の形状を特定する処理を行う。具体的には、入力イメージ特定部104は、タッチ軌跡(始点から終点までの区間において連続してタッチされた位置の座標)をメモリ(例えば、RAM22など)に記憶する。
【0048】
この処理に並行して、検索条件指定部105は、縮尺範囲指定ボタン920(a〜c)をタッチする操作に応じて、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定する(ステップS104)。具体的には、検索条件指定部105は、「大」の縮尺範囲指定ボタン920aがタッチされた場合には、広域地図用のメッシュを指定する情報を、道路検索部106に通知する。また、「中」の縮尺範囲指定ボタン920bがタッチされた場合には、中域地図用のメッシュを指定する情報を、道路検索部106に通知する。また、「小」の縮尺範囲指定ボタン920cがタッチされた場合には、詳細地図用のメッシュを指定する情報を、道路検索部106に通知する。なお、いずれの縮尺範囲指定ボタン920(a〜c)もタッチされない場合には、検索条件指定部105は、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定する情報を、道路検索部106に通知しない。
【0049】
続いて、入力イメージ特定部104は、道路網の形状の入力が完了したか否か判別する(ステップS105)。具体的には、入力イメージ特定部104は、入力枠910内にタッチされていない状態が所定の時間(例えば2分)継続された場合に、道路網の形状の入力が完了したと判定する。
【0050】
ここで、入力イメージ特定部104は、道路網の形状の入力が完了したと判定した場合には(ステップS105;Yes)、処理をステップS106に移行する。一方、道路網の形状の入力が完了していないと判定した場合には(ステップS105;No)、処理をステップS103に戻す。
【0051】
ステップS106に処理が移行すると、道路検索部106は、入力イメージ特定部104が先に特定した道路網の形状と類似する道路網を、道路地図データ330から検索する(ステップS106)。
【0052】
具体的には、まず、道路検索部106は、メモリ(RAM22)に記憶されているタッチ軌跡を読み出し、読み出したタッチ軌跡に基づいて、道路網の形状を示す画像(テンプレート画像)を生成する。ここで、道路検索部106は、生成した画像(テンプレート画像)を、メモリ(例えば、RAM22)に記憶する。
【0053】
続いて、道路検索部106は、ステップS102で指定された検索範囲(範囲指定枠850)の描画画像332を特定する。具体的には、道路検索部106は、範囲指定枠850の対角となる2点(X1,Y1)、(X2,Y2)、及び、(X1,Y2)、(X2,Y1)の計4点の経度、緯度座標で囲まれる領域内の描画画像332を、メモリ(RAM22)に読み出す。このとき、道路検索部106は、検索条件指定部105から通知された情報で指定されている縮尺のメッシュから、範囲指定枠850に含まれている描画画像332を、メモリに読み出すようにする。ただし、検索条件指定部105から、縮尺を指定する通知がされていなければ、道路検索部106は、縮尺を限定せず、全ての縮尺のメッシュから、範囲指定枠850に含まれている描画画像332を、メモリに読み出す。
【0054】
図8は、道路検索部106が検索条件指定部105から縮尺を指定する通知を受けていない場合に、検索対象となるメッシュ(メッシュID311)を示す図である。仮に、範囲指定枠850内に重なるメッシュが、太枠で囲まれた1つのメッシュID311bのメッシュだとすると、図示するように、道路検索部106は、太枠で囲まれたメッシュID311b、及び、範囲指定枠850に重なるメッシュの位置に該当する全ての縮尺のメッシュID311を、検索対象(点線で囲まれた範囲内)のメッシュとする。
【0055】
そして、道路検索部106は、この検索対象のメッシュに対応付けられている描画画像332から、範囲指定枠850内に含まれている領域(画像)を、メッシュごとにメモリに読み出して、検索範囲の描画画像332を特定する。
【0056】
図9も同様に、道路検索部106が検索条件指定部105から縮尺を指定する通知を受けていない場合に、検索対象とするメッシュ(メッシュID311)を示す図である。ただし、図9は、範囲指定枠850に重なるメッシュが、複数のメッシュ(メッシュID311)からなる場合に、道路検索部106が検索対象とするメッシュを示す図である。図示するように、道路検索部106は、範囲指定枠850に重なる複数のメッシュ(太枠で囲まれたメッシュ)のメッシュID311b、及び、範囲指定枠850に重なる複数のメッシュの位置に該当する全ての縮尺のメッシュID311を、検索対象(点線で囲まれた範囲内)のメッシュとする。
【0057】
そして、道路検索部106は、この検索対象のメッシュに対応付けられている描画画像332から、範囲指定枠850内に含まれている領域(画像)を、メッシュごとにメモリに読み出して、検索範囲の描画画像332を特定する。
【0058】
また、図10は、道路検索部106が検索条件指定部105から縮尺を指定する通知を受けている場合に、検索対象とするメッシュ(メッシュID311)を示す図である。仮に、検索条件指定部105から、広域地図用のメッシュ(例えば、第1の縮尺および第2の縮尺のメッシュ)を指定する情報が通知されている場合、道路検索部106は、図示するように、範囲指定枠850に重なるメッシュ(太枠で囲まれた第2の縮尺のメッシュ)のメッシュID311b、及び、範囲指定枠850に重なるメッシュの位置に該当する第1の縮尺のメッシュID311aを、検索対象(点線で囲まれた範囲内)のメッシュとする。
【0059】
そして、道路検索部106は、この検索対象のメッシュに対応付けられている描画画像332から、範囲指定枠850内に含まれている領域(画像)を、メッシュごとにメモリに読み出して、検索範囲の描画画像332を特定する。
【0060】
その後、道路検索部106は、以上のように検索範囲として特定した描画画像332から、入力イメージ特定部104が先に生成したテンプレート画像に含まれている道路網の形状と類似する道路網を、検索する。
【0061】
図11は、道路検索部106が行う検索方法(パターンマッチング)を説明するため図である。図示するように、入力イメージ特定部104が生成したテンプレート画像(入力枠910に入力された)を、検索範囲として特定した描画画像332に重ね合わせながら移動させ、2つの画像の相関度を算出する。ここで、テンプレート画像の移動方法は任意でよいが、例えば、X座標方向およびY座標方向に所定の座標値分ずつ移動させる。そして、道路検索部106は、テンプレート画像を移動させるたびに、重なる2つの画像の相関度を算出する。また、道路検索部106は、類似しているか否かを判定するための閾値をメモリ(例えば、ROM23)から読み出し、算出した相関度が、メモリから読み出した閾値以上である場合には、テンプレート画像の中心に重なる位置の道路網を、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似している道路網として特定する。
【0062】
次に、道路検索部106は、テンプレート画像を、所定角(例えば5°)回転させ、回転させたテンプレート画像を、検索範囲として特定した描画画像332に重ね合わせながら移動させて、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似している道路網を検索していく。ここで、道路検索部106は、360°回転するまでテンプレート画像を所定角ずつ回転させ、同様のパターンマッチングによって道路網検索を行う。
【0063】
続いて、道路検索部106は、ステップS106において検索した道路網を、ディスプレイ2に表示する(ステップS107)。具体的には、道路検索部106は、ステップS106において検索した道路網を強調表示した画像を生成し、表示処理部103を介して、表示中の地図に重ね合わせて表示する。
【0064】
図12(A)は、道路検索部106が検索した道路網を、表示処理部103を介して表示した場合の画面表示例を示す図である。図示するように、道路検索部106は、ユーザが指定した範囲指定枠850内に、ステップS106において検索した道路網(該当道路網)を、強調表示する。検索した道路網(該当道路網)が複数(例えば、2カ所)ある場合には、各道路網を、それぞれ強調表示する。ここで、強調表示する方法としては、例えば、検索した道路網(該当道路網)を、強調する色(例えば、赤色や黄色)で表示する。或いは、検索した道路網(該当道路網)を、点滅させて表示する。
【0065】
また、道路検索部106は、ステップS106において検索した道路網を、リスト表示してもよい。図12(B)は、道路検索部106が、検索した道路網をリスト表示した場合の画面表示例を示す図である。図示するように、道路検索部106は、検索した道路網(該当道路網)が位置している地名や周辺の交差点名などを、リスト表示する。このとき、道路検索部106は、例えば、検索した道路網に含まれている道路のリンクID321を、リンクデータ320から取得し、取得したリンクID321に対応付けられている周辺情報327を、地図画面800上にリスト表示する。
【0066】
なお、ステップS107において、道路検索部106は、地図画面800上に絞り込みボタン860を合わせて表示するようにしてもよい。ここで、絞り込みボタン860は、道路検索部106が検索した道路網が複数個ある場合に、検索結果を絞り込むための処理を開始するためのボタンである。この絞り込み処理については後述する。
【0067】
検索した道路網を表示後、主制御部101は、道路検索処理を終了する。なお、道路検索処理を終了後、経路誘導部108は、検索した道路網付近の位置(場所)のうち、1つの位置(場所)を選択する指示を、入力受付部102を介して受け付け、選択された位置(場所)を目的地とした経路誘導を開始するようにしてもよい。
【0068】
次に、図13は、ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う絞り込み処理を示すフローチャートである。
【0069】
演算処理部1の絞り込み処理部107は、入力受付部102を介して、ユーザからの指示を受け付けるまで待機し(ステップS201;No)、指示を受け付けた場合に(ステップS201;Yes)、絞り込み処理を開始する。具体的には、例えば、上述した絞り込みボタン860にタッチする操作がタッチパネル51になされた場合に、絞り込み処理部107は、絞り込み処理を開始する。
【0070】
絞り込み処理を開始すると、絞り込み処理部107は、キーワード(ユーザが目的としている場所(道路網)の周辺地域に関連するキーワード)の入力を受け付ける(ステップS202)。具体的には、絞り込み処理部107は、キーワードの入力を受け付けるためのキーワード入力画面1000をディスプレイ2に表示し、入力されたキーワードを、メモリ(例えば、RAM21)に記憶する。
【0071】
図14(A)は、ステップS202において、絞り込み処理部107が表示処理部103を介してキーワード入力画面1000を表示したときの画面表示例を示す図である。図示するように、絞り込み処理部107は、上述した地図画面800とキーワード入力画面1000を、2画面表示する。キーワード入力画面1000は、キーワードを入力するためのキーワード入力枠1010などから構成される。図示するように、例えば、「コンビニ」というキーワードがキーワード入力枠1010に入力された場合、絞り込み処理部107は、ステップS106において検索された道路網のうち、強調表示する道路網を、近くにコンビニが存在している道路網に限定する(絞り込む)ことが可能となる。
【0072】
キーワードが入力されると、絞り込み処理部107は、強調表示する道路網を絞り込む処理を行う(ステップS203)。具体的には、絞り込み処理部107は、まず、ステップS106において検索された道路網に含まれている道路のリンクID321をリンクデータ320から取得する。そして、絞り込み処理部107は、取得したリンクID321に対応付けられている周辺情報327に、ステップS202で受け付けたキーワードに一致する(或いは、キーワードを含む)情報が存在するか否か判別する。判別した結果に基づいて、絞り込み処理部107は、受け付けたキーワードに一致する(或いは、キーワードを含む)情報を有する周辺情報327に対応付けられているリンクID321を抽出する。
【0073】
そして、絞り込み処理部107は、ステップS203で抽出したリンクID321に対応する道路網だけを強調表示する(ステップS204)。
【0074】
図14(B)は、ステップS203において、絞り込み処理部107が絞り込んだ道路網を強調表示したときの画面表示例を示す図である。ステップS202において「コンビニ」というキーワードを受け付けた絞り込み処理部107は、図示するように、近くにコンビニが存在している場所(道路網)だけを強調表示する。
【0075】
絞り込んだ道路網を強調表示した後、主制御部101は、絞り込み処理を終了する。
【0076】
以上の絞り込み処理を演算処理部1が行うことにより、キーワードによる絞り込み検索を行うことができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0078】
例えば、上記実施形態では、道路検索部106が、ユーザに入力された道路網の形状と類似する道路網を検索する場合において、類似しているか否かの判定を、予めメモリ(例えば、ROM23)に記憶しておいた一定の閾値を用いて行っている。なお、ここで、閾値が高く設定されているほど、より類似している道路網を検索することができる。本発明は、これに限定されず、例えば、検索対象のメッシュの縮尺に応じて、類似しているか否かの判定に用いる閾値(許容度)を変更してもよい。
【0079】
具体的には、道路検索部106は、検索条件指定部105から広域地図用の縮尺(例えば、第1の縮尺および第2の縮尺)を指定する情報が通知されている場合には、最低値の閾値を用いて、類似しているか否かの判定を行う。また、道路検索部106は、検索条件指定部105から中域地図用の縮尺(例えば、第3の縮尺および第4の縮尺)を指定する情報が通知されている場合には、中間値の閾値を用いて、類似しているか否かの判定を行う。また、道路検索部106は、検索条件指定部105から詳細地図用の縮尺(例えば、第5の縮尺および第6の縮尺)を指定する情報が通知されている場合には、最高値の閾値を用いて、類似しているか否かの判定を行う。
【0080】
また、道路検索部106は、検索条件指定部105から縮尺を指定する情報が通知されていない場合においても、検索するメッシュの縮尺に応じて、閾値を変更して用いてもよい。例えば、全ての縮尺のメッシュが検索対象である場合であっても、道路検索部106は、ユーザに入力された道路網と類似する道路網を、広域地図用のメッシュから検索するときは、最低値の閾値を用い、中域地図用のメッシュから検索するときは、中間値の閾値を用い、詳細地図用のメッシュから検索するときは、最高値の閾値を用いる。
【0081】
このように、検索対象のメッシュの縮尺に応じて、閾値を変更して用いることにより、縮尺によって道路の曲がり角などが異なる場合にも、精度よくユーザが目的とする場所(道路網)を検索することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、ステップS105において、入力イメージ特定部104は、入力枠910内にタッチされていない状態が所定の時間(例えば2分)継続された場合に、道路網の形状の入力が完了したと判定している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、入力イメージ特定部104は、表示処理部103を介して、ユーザに入力された道路網の形状を確定するための確定ボタンを入力画面900上に表示しておき、確定ボタンにタッチする操作がタッチパネル51になされた場合に、道路網の形状の入力が完了したと判定してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、周辺情報327は、リンク周辺に位置する施設の名称や、施設を分類するためのジャンル名などを含んでいる。本発明は、これに限定されず、周辺情報327は、リンク周辺の地名、住所、交差点の名称など、リンク周辺の地域に関連する情報であれば任意の情報でよい。
【0084】
また、上記実施形態では、道路検索部106は、入力された道路網の形状と類似する道路網を、パターンマッチングにより道路地図データ330から検索している。しかし、本発明は、これに限定されず、パターンマッチング以外の検索方法によって検索してもよい。例えば、道路検索部106は、リンクデータ320などのデータを利用して、入力された道路網の形状と類似する道路網を検索するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、絞り込み処理部107は、ユーザに入力された道路網の形状に基づいて検索した結果を、受け付けたキーワードによって絞り込むようにしている。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、絞り込み処理部107は、ユーザに入力されたキーワードに関連する施設や地名を周辺に有する場所(道路網)を先に検索し、検索した場所(道路網)の中から、ユーザに入力された道路網の形状に類似する道路網が位置する場所(道路網)を再検索して、検索結果を絞り込むようにしてもよい。
【0086】
具体的には、絞り込み処理部107は、道路網の形状の入力を受け付ける処理に先立って、上述したステップS202における処理と同様に、キーワードの入力を受け付ける。そして、絞り込み処理部107は、受け付けたキーワードに一致(或いは、キーワードを含む)する周辺情報327を有するリンク(リンクID321)をリンクデータ320から検索する。このとき、表示処理部103は、キーワードにより検索したリンクに重なる道路網を、強調表示する。さらに、道路検索部106は、入力受付部102を介して、検索目的となる場所に位置する道路網の形状を受け付け、先に強調表示した道路網の中から、受け付けた道路網の形状と類似している道路網をパターンマッチングにより再検索する。このとき、表示処理部103は、再検索した道路網だけを強調表示するようにする。
【0087】
また、ここでのパターンマッチングの判定に用いる閾値は、通常の場合(ユーザに入力された道路網の形状に基づいて検索した結果を、キーワードによって絞り込む場合)と比較して、低い値を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】地図データの構成例を示す図である。
【図3】(A)縮尺データの構成例を示す図である。(B)道路地図データの構成例を示す図である。
【図4】演算処理部の機能構成を示す図である。
【図5】道路検索処理のフロー図である。
【図6】(A)検索目的となる道路網の検索範囲を指定可能とするメッセージを表示したときの画面表示例である。(B)検索範囲を指定するときの画面表示例である。
【図7】道路網の形状を入力するための入力画面を表示したときの画面表示例である。
【図8】縮尺が指定されていない場合に、検索対象となるメッシュについて説明するための第1の説明図である。
【図9】縮尺が指定されていない場合に、検索対象となるメッシュについて説明するための第2の説明図である。
【図10】縮尺が指定されている場合に、検索対象となるメッシュについて説明するための説明図である。
【図11】パターンマッチングの処理を説明するための説明図である。
【図12】(A)検索した道路網を表示した場合の画面表示例である。(B)検索した道路網をリスト表示した場合の画面表示例である。
【図13】絞り込み処理のフロー図である。
【図14】(A)キーワードの入力を受け付けるためのキーワード入力画面を表示したときの画面表示例である。(B)絞り込んだ道路網を強調表示したときの画面表示例である。
【符号の説明】
【0089】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声入出力装置、5・・・入力装置、6・・・車速センサ、7・・・ジャイロセンサ、8・・・GPS受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、51・・・タッチパネル、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・表示処理部、104・・・入力イメージ特定部、105・・・検索条件指定部、106・・・道路検索部、107・・・絞り込み処理部、108・・・経路誘導部、300・・・縮尺データ、310・・・地図データ、311・・・メッシュID、320・・・道路地図データ、332・・・描画画像、800・・・地図画面、850・・・範囲指定枠、860・・・絞り込みボタン、900・・・入力画面、910・・・入力枠。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、および、ナビゲーション装置における道路検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナビゲーション装置は、ユーザに設定された目的地までの推奨経路を探索し、探索した推奨経路に従った経路誘導を行うことができる。目的地を設定する際には、ユーザは、ディスプレイに表示された地図の1地点をタッチする操作や、目的地周辺の住所、施設名などの入力を行わなければならない。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザに入力された文字列(場所を示す文字列)に基づいて目的地を設定することについて記載されている。
【特許文献1】特開2001−21370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、目的地点を検索しようとするユーザが、検索目的となる場所付近の道路網の形状については憶えていても、検索目的となる場所の地図上における位置や、その場所付近の地名などについては知らないことがある。
【0005】
このような場合、従来のナビゲーション装置では、検索目的となる場所を探し出すことは容易ではない。
【0006】
本発明は、検索目的となる場所の道路網の形状を憶えているユーザが、その場所を容易に検索できるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本願発明のナビゲーション装置は、道路地図データを記憶している記憶手段と、道路網の形状の入力を受け付ける入力受付手段と、入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する検索手段と、検索した道路網を表示する表示手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明のナビゲーション装置によれば、検索目的となる場所の道路網の形状を憶えているユーザが、その場所を容易に検索できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(マイクロフォン41、スピーカ42)と、入力装置5と、車速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS受信装置8と、を備えている。なお、ナビゲーション装置100は、車両に載置されている車載用ナビゲーション装置としてもよいし、PDAや携帯電話などの携帯端末としてもよい。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々は処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1に接続するためのI/F(インタフェース)24と、を有する。そして、演算処理部1は、各デバイスをバス25で相互に接続した構成からなる。そして、後述する各機能部(101〜108)は、CPU21がRAM22などのメモリに読み出したプログラムを実行することで実現される。
【0012】
例えば、演算処理部1は、各種センサ(6、7)やGPS受信装置8から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データ及び道路地図データ(描画データ)を記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データ及び道路地図データをグラフィック展開し、そこに現在地を示すマーク(或いは、移動体の位置を示す移動体マーク)を重ねてディスプレイ2に表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データを用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4のスピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
また、演算処理部1は、入力装置5から入力された道路網(1又は複数の道路)の形状と類似する道路網を、記憶装置3に記憶されている道路地図データ(描画データ)から検索する。そして、演算処理部1は、検索した道路網を、表示中の地図上に強調して表示する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置3は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、例えば、地図データ310、縮尺データ300、道路地図データ(描画データ)330、音声データ、動画データ、等が記憶されている。
【0016】
図2は、地図データ310の概略データ構造を示す図である。地図データ310は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域に含まれている道路を構成する各リンクのリンクデータ320を含んでいる。
【0017】
リンクデータ320は、リンクの識別コード(リンクID)321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクの識別コード(接続リンクID)326、リンク周辺に関する情報を示す周辺情報327、などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理することができる。また、周辺情報327には、例えば、リンク周辺に位置する施設の名称や、施設を分類するためのジャンル名などが含まれる。
【0018】
上述したメッシュは、表示する縮尺(メッシュ領域の広さ)ごとにレベル分けされており、階層的に記憶装置3に記憶されている。
【0019】
具体的には、第1の縮尺(最広域)で地図を表示するために用いる1次メッシュ、第2の縮尺(第1の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる2次メッシュ、第3の縮尺(第2の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる3次メッシュ、第4の縮尺(第3の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる4次メッシュ、第5の縮尺(第4の縮尺よりも詳細)で地図を表示するために用いる5次メッシュ、第6の縮尺(第5の縮尺よりも詳細、最詳細)で地図を表示するための6次メッシュが、階層的に記憶装置3に記憶されている。なお、メッシュのレベル分けは、この6段階(1次メッシュから6次メッシュ)に限定せず、6段階よりも少段階、多段階であってもよい。
【0020】
また、1次メッシュは、1次メッシュを均等に区画した2次メッシュから構成され、2次メッシュは、2次メッシュを均等に区画した3次メッシュから構成され、3次メッシュは、3次メッシュを均等に区画した4次メッシュから構成され、4次メッシュは、4次メッシュを均等に区画した5次メッシュから構成され、5次メッシュは、5次メッシュを均等に区画した6次メッシュから構成される。
【0021】
図3(A)は、上述したメッシュ(メッシュID311)の階層構造(縮尺データ300)を示す図である。図示するように、1次メッシュを識別するためのメッシュID311aには、その1次メッシュを構成する全ての2次メッシュを識別するためのメッシュID311bが対応付けて記憶されている。同様に、2次メッシュを識別するためのメッシュID311bには、その2次メッシュを構成する全ての3次メッシュを識別するためのメッシュID311cが対応付けて記憶されている。このように、縮尺データ300は、各レベルのメッシュ(メッシュID311)を、階層的に関連付けているデータである。
【0022】
図3(B)は、道路地図データ(描画データ)330の概略データ構造を示す図である。図示するように、道路地図データ330は、メッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域の地図を描画するために用いる描画画像332を含んでいる。
また、道路地図データ330は、描画画像332の地図上における位置(緯度、経度座標における位置)を示す位置情報331を含んでいる。
【0023】
ここで、位置情報331は、描画画像332の中心座標を示す座標データなどからなり、描画画像332は、ディスプレイ2に描画する地図(画像データ)、或いは、描画する地図が格納されている場所(記憶装置3における位置)を示すアドレスデータなどからなる。
【0024】
図1に戻り、音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、ユーザやその他の搭乗者から発された音声などの、ナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成された音声信号を出力する。これらのマイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配置されている。
【0025】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示せず)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0026】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0027】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチ52の回転角度を求める。
【0028】
車速センサ6、ジャイロセンサ7、及び、GPS受信装置8は、移動体(ナビゲーション装置100)の現在位置(自車位置)などを検出するために使用される。車速センサ6は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ7は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置8は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在位置や進行速度を測定する。
【0029】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、表示処理部103と、入力イメージ特定部104と、検索条件指定部105と、道路検索部106と、絞り込み処理部107と、経路誘導部108と、を有する。
【0030】
主制御部101は、演算処理部1の各部を統括して制御する処理を行う。
【0031】
入力受付部102は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け付け、その要求内容を解析する。入力受付部102は、解析結果に応じたデータを主制御部101に通知する。例えば、入力受付部102は、ナビゲーション装置100に、電源の投入、切断を指示する要求、等を受け付け、主制御部101に通知する。また、入力受付部102は、ナビゲーション装置100が有する各種機能の設定に関する入力データを受け付け、主制御部101に通知する。また、入力受付部102は、タッチパネル51上をユーザがタッチする操作によって、目的となる道路網の形状の入力を受け付け、主制御部101に通知する。
【0032】
表示処理部103は、ディスプレイ2に、地図や、施設を示す施設アイコン、等を表示させる。具体的には、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させるための描画コマンドを生成して通知する。なお、表示処理部103は、地図をディスプレイ2に表示させる際には、表示が要求された領域(例えば、ナビゲーション装置100の現在位置付近の領域)にある道路地図データ332を記憶装置3から抽出し、指定された縮尺、描画方式で、道路網、その他の地図構造物、現在位置、目的地、等を描画するように地図描画コマンドを生成する。また、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させた地図上に、移動体(自車両)の位置を示す移動体マーク(カーマーク)や各種設定画面などが表示させる。
【0033】
入力イメージ特定部104は、入力受付部102が受け付けた道路網の形状を特定する処理を行う。具体的には、入力イメージ特定部104は、タッチパネル51にタッチが開始された地点(以下では「始点」)から、タッチが終了された地点(以下では「終点」)までを1本の道路(道路形状)として特定する。このとき、入力イメージ特定部104は、始点から終点までの区間においてタッチされた位置の座標を記憶する。また、入力イメージ特定部104は、複数の道路についての入力を受け付けた場合には、受け付けた道路ごとに、始点から終点までの区間においてタッチされた位置の座標を記憶する。
【0034】
検索条件指定部105は、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状に類似する道路網を検索する条件(検索条件)を指定する。具体的には、検索条件指定部105は、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定する。このとき、検索条件指定部105は、入力受付部102を介して、メッシュの縮尺(範囲)を指定する指示を受け付けると、指定された縮尺(範囲)を、後述する道路検索部106に通知する。
【0035】
道路検索部106は、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似する道路網を、道路地図データ330から検索する。検索方法としては、例えば、パターンマッチングによる検索方法を用いる。この場合、道路検索部106は、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状を示す画像を、テンプレート画像として生成する。そして、生成したテンプレート画像を、ユーザに指定された領域内のメッシュの描画画像332に重ね合わせながら移動させ、2つの画像の相関度を算出する。道路検索部106は、算出した相関度が所定値以上である場合には、テンプレート画像に重なる位置の道路網を、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状に類似している道路網として特定する。ここで、道路検索部106は、特定した道路網を強調表示した画像を生成し、表示処理部103を介して、表示中の地図に重ね合わせて表示する。なお、パターンマッチングは、テンプレート画像を、所定角ずつ360°回転させて行われる。
【0036】
また、道路検索部106は、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)が、検索条件指定部105から通知されている場合には、パターンマッチングする対象のメッシュを、通知された縮尺(範囲)のメッシュに限定する。具体的には、道路検索部106は、例えば、第1の縮尺から第2の縮尺までの縮尺範囲が指定されている場合には、縮尺データ300の第1の縮尺及び第2の縮尺に該当するメッシュID311a、bで特定されるメッシュを、パターンマッチングの対象(検索対象)とする。そして、パターンマッチングの対象(検索対象)としたメッシュの描画画像332から、上述したパターンマッチングの手法を用いて、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似する道路網を検索する。
【0037】
絞り込み処理部107は、道路検索部106が検索した道路網が複数個ある場合に、検索結果を絞り込む処理を行う。具体的には、絞り込み処理部107は、入力受付部102を介して、ユーザが検索目的としている場所(道路網)の周辺地域に関連するキーワードの入力を受け付ける。ここで、受け付けるキーワードには、例えば、検索目的としている場所(道路網)周辺の施設名や、道路名、交差点名などが含まれる。絞り込み処理部107は、キーワードの入力を受け付けると、受け付けたキーワードに一致する(或いは、キーワードを含む)周辺情報327を、地図データ310から検索する。そして、検索した周辺情報327を有するリンクを特定し、特定したリンクと重なる道路を、道路検索部106が先に検索した複数の道路網の中から抽出する。ここで、絞り込み処理部107は、抽出した道路網だけを強調表示した画像を生成し、表示処理部103を介して、表示中の地図に重ね合わせて表示する。これにより、絞り込み処理部107は、道路検索部106が検索した道路網の検索件数を、さらに絞り込むことができる。また、絞り込み処理部107が絞り込みを行う回数に制限はなく、キーワードの入力を受け付けるたびに、検索件数を絞り込むことができる。
【0038】
経路誘導部108は、道路検索部106或いは絞り込み処理部107が検索した道路網(場所)のなかから、1つの道路網(場所)を選択する指示を、入力受付部102を介して受け付け、選択された道路網(場所)を目的地とした推奨経路を用いて、経路誘導を行う。具体的には、経路誘導部108は、表示処理部103を介して、ディスプレイ2に表示された地図の範囲に含まれている推奨経路を表示(強調表示)する。このとき、経路誘導部109は、移動体(車両)の現在位置を算出し、算出した現在位置を示す移動体マーク(カーマーク)を推奨経路上(例えば、画面中心)に表示する。また、経路誘導部108は、推奨経路の情報と、現在位置とを比較し、主要な交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを、ディスプレイ2に表示させるとともに、音声入出力装置4のスピーカ42を用いて音声でユーザに知らせる。
【0039】
次に、上記構成からなるナビゲーション装置100の特徴的な動作について説明する。図5は、ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う道路検索処理を示すフローチャートである。
【0040】
演算処理部1の主制御部101は、入力受付部102を介して、電源投入の指示を受け付けると、道路検索処理を開始する。
【0041】
道路検索処理を開始後、表示処理部103は、例えば、ナビゲーション装置100の現在位置付近の地図画面800をディスプレイ2に表示する(ステップS101)。
【0042】
図6(A)は、ステップS101において、表示処理部103が地図画面800を表示したときの画面表示例を示す図である。図示するように、表示処理部103は、地図画面800に、例えば、ナビゲーション装置100の現在位置付近の地図を表示するとともに、検索目的となる道路網の検索範囲を指定可能であることをユーザに知らせるためのメッセージを表示する。ここで表示するメッセージには、例えば、「範囲を指定して道路検索できます。」等のメッセージを用いる。
【0043】
次に、主制御部101は、入力受付部102を介して、検索範囲を指定する指示を受け付けるまで待機し(ステップS102;No)、検索範囲を指定する指示を受け付けた場合に(ステップS101;Yes)、処理をステップS103に移行する。具体的には、主制御部101は、タッチパネル51上の2カ所がタッチされた場合に、タッチされた2点の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)を、メモリ(例えば、RAM22)に記憶して、処理をステップS103に移行する。ここで、2点を結ぶ直線を対角線とする矩形領域が、検索範囲として指定されたことになる。なお、メモリに記憶する座標(X1,Y1)、(X2,Y2)は、それぞれ、経度、緯度座標に変換した座標とする。
【0044】
図6(B)は、ステップS102において、検索範囲を指定するときの画面表示例を示す図である。図示するように、表示処理部103は、ユーザにタッチされた2点を対角とする矩形領域(範囲指定枠850)を、地図画面800に表示する。
【0045】
検索範囲が指定されると、表示処理部103は、ユーザが検索する道路網の形状を入力するための入力画面900をディスプレイ2に表示する(ステップS103)。
【0046】
図7は、ステップS103において、表示処理部103が入力画面900を表示したときの画面表示例を示す図である。図示するように、表示処理部103は、上述した地図画面800と入力画面900を、2画面表示する。入力画面900は、ユーザが道路網の形状を入力するための入力枠910と、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定するための縮尺範囲指定ボタン920(a〜c)と、から構成される。ここで、表示処理部103は、入力枠910内でタッチパネル51がタッチされている地点に、図示するようなタッチ位置アイコン950を表示する。また、「大」の縮尺範囲指定ボタン920aは、広域地図用のメッシュ(例えば、上述した第1の縮尺及び第2の縮尺のメッシュ)を検索対象のメッシュとして指定するためのボタンとする。また、「中」の縮尺範囲指定ボタン920bは、中域地図用のメッシュ(例えば、第3の縮尺及び第4の縮尺のメッシュ)を検索対象のメッシュとして指定するためのボタンとする。また、「小」の縮尺範囲指定ボタン920cは、詳細地図用のメッシュ(例えば、第5の縮尺及び第6の縮尺のメッシュ)を検索対象のメッシュとして指定するためのボタンとする。
【0047】
入力画面900をディスプレイ2に表示中に、入力イメージ特定部104は、入力枠910内に入力された道路網の形状を特定する処理を行う。具体的には、入力イメージ特定部104は、タッチ軌跡(始点から終点までの区間において連続してタッチされた位置の座標)をメモリ(例えば、RAM22など)に記憶する。
【0048】
この処理に並行して、検索条件指定部105は、縮尺範囲指定ボタン920(a〜c)をタッチする操作に応じて、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定する(ステップS104)。具体的には、検索条件指定部105は、「大」の縮尺範囲指定ボタン920aがタッチされた場合には、広域地図用のメッシュを指定する情報を、道路検索部106に通知する。また、「中」の縮尺範囲指定ボタン920bがタッチされた場合には、中域地図用のメッシュを指定する情報を、道路検索部106に通知する。また、「小」の縮尺範囲指定ボタン920cがタッチされた場合には、詳細地図用のメッシュを指定する情報を、道路検索部106に通知する。なお、いずれの縮尺範囲指定ボタン920(a〜c)もタッチされない場合には、検索条件指定部105は、検索対象となるメッシュの縮尺(範囲)を指定する情報を、道路検索部106に通知しない。
【0049】
続いて、入力イメージ特定部104は、道路網の形状の入力が完了したか否か判別する(ステップS105)。具体的には、入力イメージ特定部104は、入力枠910内にタッチされていない状態が所定の時間(例えば2分)継続された場合に、道路網の形状の入力が完了したと判定する。
【0050】
ここで、入力イメージ特定部104は、道路網の形状の入力が完了したと判定した場合には(ステップS105;Yes)、処理をステップS106に移行する。一方、道路網の形状の入力が完了していないと判定した場合には(ステップS105;No)、処理をステップS103に戻す。
【0051】
ステップS106に処理が移行すると、道路検索部106は、入力イメージ特定部104が先に特定した道路網の形状と類似する道路網を、道路地図データ330から検索する(ステップS106)。
【0052】
具体的には、まず、道路検索部106は、メモリ(RAM22)に記憶されているタッチ軌跡を読み出し、読み出したタッチ軌跡に基づいて、道路網の形状を示す画像(テンプレート画像)を生成する。ここで、道路検索部106は、生成した画像(テンプレート画像)を、メモリ(例えば、RAM22)に記憶する。
【0053】
続いて、道路検索部106は、ステップS102で指定された検索範囲(範囲指定枠850)の描画画像332を特定する。具体的には、道路検索部106は、範囲指定枠850の対角となる2点(X1,Y1)、(X2,Y2)、及び、(X1,Y2)、(X2,Y1)の計4点の経度、緯度座標で囲まれる領域内の描画画像332を、メモリ(RAM22)に読み出す。このとき、道路検索部106は、検索条件指定部105から通知された情報で指定されている縮尺のメッシュから、範囲指定枠850に含まれている描画画像332を、メモリに読み出すようにする。ただし、検索条件指定部105から、縮尺を指定する通知がされていなければ、道路検索部106は、縮尺を限定せず、全ての縮尺のメッシュから、範囲指定枠850に含まれている描画画像332を、メモリに読み出す。
【0054】
図8は、道路検索部106が検索条件指定部105から縮尺を指定する通知を受けていない場合に、検索対象となるメッシュ(メッシュID311)を示す図である。仮に、範囲指定枠850内に重なるメッシュが、太枠で囲まれた1つのメッシュID311bのメッシュだとすると、図示するように、道路検索部106は、太枠で囲まれたメッシュID311b、及び、範囲指定枠850に重なるメッシュの位置に該当する全ての縮尺のメッシュID311を、検索対象(点線で囲まれた範囲内)のメッシュとする。
【0055】
そして、道路検索部106は、この検索対象のメッシュに対応付けられている描画画像332から、範囲指定枠850内に含まれている領域(画像)を、メッシュごとにメモリに読み出して、検索範囲の描画画像332を特定する。
【0056】
図9も同様に、道路検索部106が検索条件指定部105から縮尺を指定する通知を受けていない場合に、検索対象とするメッシュ(メッシュID311)を示す図である。ただし、図9は、範囲指定枠850に重なるメッシュが、複数のメッシュ(メッシュID311)からなる場合に、道路検索部106が検索対象とするメッシュを示す図である。図示するように、道路検索部106は、範囲指定枠850に重なる複数のメッシュ(太枠で囲まれたメッシュ)のメッシュID311b、及び、範囲指定枠850に重なる複数のメッシュの位置に該当する全ての縮尺のメッシュID311を、検索対象(点線で囲まれた範囲内)のメッシュとする。
【0057】
そして、道路検索部106は、この検索対象のメッシュに対応付けられている描画画像332から、範囲指定枠850内に含まれている領域(画像)を、メッシュごとにメモリに読み出して、検索範囲の描画画像332を特定する。
【0058】
また、図10は、道路検索部106が検索条件指定部105から縮尺を指定する通知を受けている場合に、検索対象とするメッシュ(メッシュID311)を示す図である。仮に、検索条件指定部105から、広域地図用のメッシュ(例えば、第1の縮尺および第2の縮尺のメッシュ)を指定する情報が通知されている場合、道路検索部106は、図示するように、範囲指定枠850に重なるメッシュ(太枠で囲まれた第2の縮尺のメッシュ)のメッシュID311b、及び、範囲指定枠850に重なるメッシュの位置に該当する第1の縮尺のメッシュID311aを、検索対象(点線で囲まれた範囲内)のメッシュとする。
【0059】
そして、道路検索部106は、この検索対象のメッシュに対応付けられている描画画像332から、範囲指定枠850内に含まれている領域(画像)を、メッシュごとにメモリに読み出して、検索範囲の描画画像332を特定する。
【0060】
その後、道路検索部106は、以上のように検索範囲として特定した描画画像332から、入力イメージ特定部104が先に生成したテンプレート画像に含まれている道路網の形状と類似する道路網を、検索する。
【0061】
図11は、道路検索部106が行う検索方法(パターンマッチング)を説明するため図である。図示するように、入力イメージ特定部104が生成したテンプレート画像(入力枠910に入力された)を、検索範囲として特定した描画画像332に重ね合わせながら移動させ、2つの画像の相関度を算出する。ここで、テンプレート画像の移動方法は任意でよいが、例えば、X座標方向およびY座標方向に所定の座標値分ずつ移動させる。そして、道路検索部106は、テンプレート画像を移動させるたびに、重なる2つの画像の相関度を算出する。また、道路検索部106は、類似しているか否かを判定するための閾値をメモリ(例えば、ROM23)から読み出し、算出した相関度が、メモリから読み出した閾値以上である場合には、テンプレート画像の中心に重なる位置の道路網を、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似している道路網として特定する。
【0062】
次に、道路検索部106は、テンプレート画像を、所定角(例えば5°)回転させ、回転させたテンプレート画像を、検索範囲として特定した描画画像332に重ね合わせながら移動させて、入力イメージ特定部104が特定した道路網の形状と類似している道路網を検索していく。ここで、道路検索部106は、360°回転するまでテンプレート画像を所定角ずつ回転させ、同様のパターンマッチングによって道路網検索を行う。
【0063】
続いて、道路検索部106は、ステップS106において検索した道路網を、ディスプレイ2に表示する(ステップS107)。具体的には、道路検索部106は、ステップS106において検索した道路網を強調表示した画像を生成し、表示処理部103を介して、表示中の地図に重ね合わせて表示する。
【0064】
図12(A)は、道路検索部106が検索した道路網を、表示処理部103を介して表示した場合の画面表示例を示す図である。図示するように、道路検索部106は、ユーザが指定した範囲指定枠850内に、ステップS106において検索した道路網(該当道路網)を、強調表示する。検索した道路網(該当道路網)が複数(例えば、2カ所)ある場合には、各道路網を、それぞれ強調表示する。ここで、強調表示する方法としては、例えば、検索した道路網(該当道路網)を、強調する色(例えば、赤色や黄色)で表示する。或いは、検索した道路網(該当道路網)を、点滅させて表示する。
【0065】
また、道路検索部106は、ステップS106において検索した道路網を、リスト表示してもよい。図12(B)は、道路検索部106が、検索した道路網をリスト表示した場合の画面表示例を示す図である。図示するように、道路検索部106は、検索した道路網(該当道路網)が位置している地名や周辺の交差点名などを、リスト表示する。このとき、道路検索部106は、例えば、検索した道路網に含まれている道路のリンクID321を、リンクデータ320から取得し、取得したリンクID321に対応付けられている周辺情報327を、地図画面800上にリスト表示する。
【0066】
なお、ステップS107において、道路検索部106は、地図画面800上に絞り込みボタン860を合わせて表示するようにしてもよい。ここで、絞り込みボタン860は、道路検索部106が検索した道路網が複数個ある場合に、検索結果を絞り込むための処理を開始するためのボタンである。この絞り込み処理については後述する。
【0067】
検索した道路網を表示後、主制御部101は、道路検索処理を終了する。なお、道路検索処理を終了後、経路誘導部108は、検索した道路網付近の位置(場所)のうち、1つの位置(場所)を選択する指示を、入力受付部102を介して受け付け、選択された位置(場所)を目的地とした経路誘導を開始するようにしてもよい。
【0068】
次に、図13は、ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う絞り込み処理を示すフローチャートである。
【0069】
演算処理部1の絞り込み処理部107は、入力受付部102を介して、ユーザからの指示を受け付けるまで待機し(ステップS201;No)、指示を受け付けた場合に(ステップS201;Yes)、絞り込み処理を開始する。具体的には、例えば、上述した絞り込みボタン860にタッチする操作がタッチパネル51になされた場合に、絞り込み処理部107は、絞り込み処理を開始する。
【0070】
絞り込み処理を開始すると、絞り込み処理部107は、キーワード(ユーザが目的としている場所(道路網)の周辺地域に関連するキーワード)の入力を受け付ける(ステップS202)。具体的には、絞り込み処理部107は、キーワードの入力を受け付けるためのキーワード入力画面1000をディスプレイ2に表示し、入力されたキーワードを、メモリ(例えば、RAM21)に記憶する。
【0071】
図14(A)は、ステップS202において、絞り込み処理部107が表示処理部103を介してキーワード入力画面1000を表示したときの画面表示例を示す図である。図示するように、絞り込み処理部107は、上述した地図画面800とキーワード入力画面1000を、2画面表示する。キーワード入力画面1000は、キーワードを入力するためのキーワード入力枠1010などから構成される。図示するように、例えば、「コンビニ」というキーワードがキーワード入力枠1010に入力された場合、絞り込み処理部107は、ステップS106において検索された道路網のうち、強調表示する道路網を、近くにコンビニが存在している道路網に限定する(絞り込む)ことが可能となる。
【0072】
キーワードが入力されると、絞り込み処理部107は、強調表示する道路網を絞り込む処理を行う(ステップS203)。具体的には、絞り込み処理部107は、まず、ステップS106において検索された道路網に含まれている道路のリンクID321をリンクデータ320から取得する。そして、絞り込み処理部107は、取得したリンクID321に対応付けられている周辺情報327に、ステップS202で受け付けたキーワードに一致する(或いは、キーワードを含む)情報が存在するか否か判別する。判別した結果に基づいて、絞り込み処理部107は、受け付けたキーワードに一致する(或いは、キーワードを含む)情報を有する周辺情報327に対応付けられているリンクID321を抽出する。
【0073】
そして、絞り込み処理部107は、ステップS203で抽出したリンクID321に対応する道路網だけを強調表示する(ステップS204)。
【0074】
図14(B)は、ステップS203において、絞り込み処理部107が絞り込んだ道路網を強調表示したときの画面表示例を示す図である。ステップS202において「コンビニ」というキーワードを受け付けた絞り込み処理部107は、図示するように、近くにコンビニが存在している場所(道路網)だけを強調表示する。
【0075】
絞り込んだ道路網を強調表示した後、主制御部101は、絞り込み処理を終了する。
【0076】
以上の絞り込み処理を演算処理部1が行うことにより、キーワードによる絞り込み検索を行うことができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0078】
例えば、上記実施形態では、道路検索部106が、ユーザに入力された道路網の形状と類似する道路網を検索する場合において、類似しているか否かの判定を、予めメモリ(例えば、ROM23)に記憶しておいた一定の閾値を用いて行っている。なお、ここで、閾値が高く設定されているほど、より類似している道路網を検索することができる。本発明は、これに限定されず、例えば、検索対象のメッシュの縮尺に応じて、類似しているか否かの判定に用いる閾値(許容度)を変更してもよい。
【0079】
具体的には、道路検索部106は、検索条件指定部105から広域地図用の縮尺(例えば、第1の縮尺および第2の縮尺)を指定する情報が通知されている場合には、最低値の閾値を用いて、類似しているか否かの判定を行う。また、道路検索部106は、検索条件指定部105から中域地図用の縮尺(例えば、第3の縮尺および第4の縮尺)を指定する情報が通知されている場合には、中間値の閾値を用いて、類似しているか否かの判定を行う。また、道路検索部106は、検索条件指定部105から詳細地図用の縮尺(例えば、第5の縮尺および第6の縮尺)を指定する情報が通知されている場合には、最高値の閾値を用いて、類似しているか否かの判定を行う。
【0080】
また、道路検索部106は、検索条件指定部105から縮尺を指定する情報が通知されていない場合においても、検索するメッシュの縮尺に応じて、閾値を変更して用いてもよい。例えば、全ての縮尺のメッシュが検索対象である場合であっても、道路検索部106は、ユーザに入力された道路網と類似する道路網を、広域地図用のメッシュから検索するときは、最低値の閾値を用い、中域地図用のメッシュから検索するときは、中間値の閾値を用い、詳細地図用のメッシュから検索するときは、最高値の閾値を用いる。
【0081】
このように、検索対象のメッシュの縮尺に応じて、閾値を変更して用いることにより、縮尺によって道路の曲がり角などが異なる場合にも、精度よくユーザが目的とする場所(道路網)を検索することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、ステップS105において、入力イメージ特定部104は、入力枠910内にタッチされていない状態が所定の時間(例えば2分)継続された場合に、道路網の形状の入力が完了したと判定している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、入力イメージ特定部104は、表示処理部103を介して、ユーザに入力された道路網の形状を確定するための確定ボタンを入力画面900上に表示しておき、確定ボタンにタッチする操作がタッチパネル51になされた場合に、道路網の形状の入力が完了したと判定してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、周辺情報327は、リンク周辺に位置する施設の名称や、施設を分類するためのジャンル名などを含んでいる。本発明は、これに限定されず、周辺情報327は、リンク周辺の地名、住所、交差点の名称など、リンク周辺の地域に関連する情報であれば任意の情報でよい。
【0084】
また、上記実施形態では、道路検索部106は、入力された道路網の形状と類似する道路網を、パターンマッチングにより道路地図データ330から検索している。しかし、本発明は、これに限定されず、パターンマッチング以外の検索方法によって検索してもよい。例えば、道路検索部106は、リンクデータ320などのデータを利用して、入力された道路網の形状と類似する道路網を検索するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、絞り込み処理部107は、ユーザに入力された道路網の形状に基づいて検索した結果を、受け付けたキーワードによって絞り込むようにしている。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、絞り込み処理部107は、ユーザに入力されたキーワードに関連する施設や地名を周辺に有する場所(道路網)を先に検索し、検索した場所(道路網)の中から、ユーザに入力された道路網の形状に類似する道路網が位置する場所(道路網)を再検索して、検索結果を絞り込むようにしてもよい。
【0086】
具体的には、絞り込み処理部107は、道路網の形状の入力を受け付ける処理に先立って、上述したステップS202における処理と同様に、キーワードの入力を受け付ける。そして、絞り込み処理部107は、受け付けたキーワードに一致(或いは、キーワードを含む)する周辺情報327を有するリンク(リンクID321)をリンクデータ320から検索する。このとき、表示処理部103は、キーワードにより検索したリンクに重なる道路網を、強調表示する。さらに、道路検索部106は、入力受付部102を介して、検索目的となる場所に位置する道路網の形状を受け付け、先に強調表示した道路網の中から、受け付けた道路網の形状と類似している道路網をパターンマッチングにより再検索する。このとき、表示処理部103は、再検索した道路網だけを強調表示するようにする。
【0087】
また、ここでのパターンマッチングの判定に用いる閾値は、通常の場合(ユーザに入力された道路網の形状に基づいて検索した結果を、キーワードによって絞り込む場合)と比較して、低い値を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】地図データの構成例を示す図である。
【図3】(A)縮尺データの構成例を示す図である。(B)道路地図データの構成例を示す図である。
【図4】演算処理部の機能構成を示す図である。
【図5】道路検索処理のフロー図である。
【図6】(A)検索目的となる道路網の検索範囲を指定可能とするメッセージを表示したときの画面表示例である。(B)検索範囲を指定するときの画面表示例である。
【図7】道路網の形状を入力するための入力画面を表示したときの画面表示例である。
【図8】縮尺が指定されていない場合に、検索対象となるメッシュについて説明するための第1の説明図である。
【図9】縮尺が指定されていない場合に、検索対象となるメッシュについて説明するための第2の説明図である。
【図10】縮尺が指定されている場合に、検索対象となるメッシュについて説明するための説明図である。
【図11】パターンマッチングの処理を説明するための説明図である。
【図12】(A)検索した道路網を表示した場合の画面表示例である。(B)検索した道路網をリスト表示した場合の画面表示例である。
【図13】絞り込み処理のフロー図である。
【図14】(A)キーワードの入力を受け付けるためのキーワード入力画面を表示したときの画面表示例である。(B)絞り込んだ道路網を強調表示したときの画面表示例である。
【符号の説明】
【0089】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声入出力装置、5・・・入力装置、6・・・車速センサ、7・・・ジャイロセンサ、8・・・GPS受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、51・・・タッチパネル、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・表示処理部、104・・・入力イメージ特定部、105・・・検索条件指定部、106・・・道路検索部、107・・・絞り込み処理部、108・・・経路誘導部、300・・・縮尺データ、310・・・地図データ、311・・・メッシュID、320・・・道路地図データ、332・・・描画画像、800・・・地図画面、850・・・範囲指定枠、860・・・絞り込みボタン、900・・・入力画面、910・・・入力枠。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
道路地図データを記憶している記憶手段と、
道路網の形状の入力を受け付ける入力受付手段と、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する検索手段と、
検索した道路網を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記記憶手段は、
前記道路地図データを、所定の縮尺ごとに記憶しており、
前記入力受付手段は、
前記道路網の形状の入力を受け付けるとともに、該道路網の形状の縮尺の範囲を指定する指示を受け付け、
前記検索手段は、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、指定された前記縮尺の範囲内で前記道路地図データから検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段は、
前記入力受付手段が受け付けた前記道路網の形状を回転させた場合の道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段は、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、パターンマッチングにより前記道路地図データから検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段は、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、パターンマッチングにより前記道路地図データから検索し、
前記パターンマッチングの許容度を、指定された前記縮尺の範囲に応じて変更する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段が検索した道路網が複数個ある場合に、検索結果を絞り込む絞り込み処理手段を備え、
前記記憶手段は、
道路ごとに、道路の周辺情報を記憶しており、
前記入力受付手段は、
前記道路網の形状の周辺地域に関連するキーワードの入力を受け付け、
前記絞り込み処理手段は、
前記検索手段が検索した道路網のうち、入力された前記キーワードに該当する周辺情報を有している道路網を検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーション装置における道路検索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、道路地図データを記憶している記憶部と、制御部と、を有し、
前記制御部が、
道路網の形状の入力を受け付ける入力受付ステップと、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する検索ステップと、
検索した道路を表示する表示ステップと、
を行うことを特徴とする道路検索方法。
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
道路地図データを記憶している記憶手段と、
道路網の形状の入力を受け付ける入力受付手段と、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する検索手段と、
検索した道路網を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記記憶手段は、
前記道路地図データを、所定の縮尺ごとに記憶しており、
前記入力受付手段は、
前記道路網の形状の入力を受け付けるとともに、該道路網の形状の縮尺の範囲を指定する指示を受け付け、
前記検索手段は、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、指定された前記縮尺の範囲内で前記道路地図データから検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段は、
前記入力受付手段が受け付けた前記道路網の形状を回転させた場合の道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段は、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、パターンマッチングにより前記道路地図データから検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段は、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、パターンマッチングにより前記道路地図データから検索し、
前記パターンマッチングの許容度を、指定された前記縮尺の範囲に応じて変更する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置であって、
前記検索手段が検索した道路網が複数個ある場合に、検索結果を絞り込む絞り込み処理手段を備え、
前記記憶手段は、
道路ごとに、道路の周辺情報を記憶しており、
前記入力受付手段は、
前記道路網の形状の周辺地域に関連するキーワードの入力を受け付け、
前記絞り込み処理手段は、
前記検索手段が検索した道路網のうち、入力された前記キーワードに該当する周辺情報を有している道路網を検索する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーション装置における道路検索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、道路地図データを記憶している記憶部と、制御部と、を有し、
前記制御部が、
道路網の形状の入力を受け付ける入力受付ステップと、
入力された前記道路網の形状と類似する道路網を、前記道路地図データから検索する検索ステップと、
検索した道路を表示する表示ステップと、
を行うことを特徴とする道路検索方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−122128(P2010−122128A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297447(P2008−297447)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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