説明

ナビゲーション装置、およびナビゲーションプログラム

【課題】ユーザ周辺の施設の存在をそのユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようにする。
【解決手段】表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置が、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部F2と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶部F3と、地図情報記憶部F2に記憶された地図情報が示す地図に含まれる複数の特定エリアに関する情報とPOI情報とを対応付けて特定エリア情報として記憶する特定エリア情報記憶部F4とを備え、移動体の現在位置を検出し、移動体の進行方向を特定し、検出した現在位置と特定した進行方向とから移動体が走行する道路を特定し、特定エリア情報記憶部F4に記憶された特定エリア情報の中から、特定した道路を含む特定エリアを示す特定エリア情報を検索し、順次表示画面に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザによる検索条件の入力を受け付けて、多数の施設の中からユーザの目的に合った施設を検索する機能を有したナビゲーション装置が多数提案されている。このようなナビゲーション装置には、検索条件を絞りすぎてしまうとユーザが意図した以上に検索される施設が少なくなってしまい、適切な検索条件を入力することが煩わしくなるという問題があった。
【0003】
また、このようなナビゲーション装置には、ユーザの現在位置を基準にして所定の範囲内に存在する施設を検索する機能(以下、「周辺検索機能」という)を備えたものも多い。さらには、ユーザの現在位置から目的地までの推奨移動経路を探索し、探索された経路上であって現在位置と目的地との間の交差点の中から現在位置に近い交差点を検索し、検索された交差点の近傍に存在する施設を検索し、検索結果に応じて施設情報を出力するナビゲーション装置も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−78430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のナビゲーション装置では、施設を検索したいというユーザの要求を受け付けることにより検索が実行されるので、ユーザが検索指示を行わないと、ユーザの嗜好に合った施設が周辺検索などにより検索できる範囲内に存在していた場合であってもその存在を見落としてしまい利便性に欠ける。また、上述した従来のナビゲーション装置では、経路探索により探索された経路近傍の施設に係る施設情報が出力されるに過ぎないため、現在位置周辺の施設の存在をユーザに適切に報知することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題を解決すべく、ユーザ周辺の施設の存在をそのユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段と、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報が示す地図に含まれる特定エリアに関する情報と前記POI情報とを対応付けて特定エリア情報として記憶する特定エリア情報記憶手段と、前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、前記移動体の進行方向を特定する進行方向特定手段と、前記位置検出手段によって検出された現在位置と前記進行方向特定手段により特定された進行方向とから前記移動体が走行する道路を特定する走行道路特定手段と、前記特定エリア情報記憶手段に記憶された特定エリア情報の中から、前記走行道路特定手段により特定された道路を含む特定エリアを示す特定エリア情報を検索する特定エリア情報検索手段と、該特定エリア情報検索手段により検索された特定エリア情報に対応するPOI情報が複数ある場合に、該複数のPOI情報を所定の基準に従って順序付けする順序付け手段と、該順序付け手段により順序付けされたPOI情報を順次前記表示画面に出力するPOI情報出力手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、ユーザ周辺の施設の存在をそのユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようになる。
【0009】
前記POI情報出力手段により出力されたPOI情報に対するユーザの選択操作を受け付けるPOI情報選択受付手段と、所定期間内に前記POI情報選択受付手段が選択を受け付けたPOI情報を蓄積することによりユーザにより選択されたPOI情報の一覧を示すリスト情報を作成するリスト情報作成手段と、該リスト情報作成手段により作成されたリスト情報を前記表示画面に出力するリスト情報出力手段とを含む構成とされていてもよい。
【0010】
前記順序付け手段は、前記特定エリア情報に対応する複数のPOI情報のうち、施設の外観や観光地の景色などの画像を示すスライド情報を含むPOI情報を抽出して順序付けし、前記POI情報出力手段は、前記順序付け手段により順序付けされたスライド情報が示す画像を前記表示画面に表示する構成とされていてもよい。
【0011】
前記リスト情報出力手段により出力されたリスト情報に基づく経路案内を行う旨の要求を受け付ける経路案内要求受付手段と、該経路案内要求受付手段により経路案内を行う旨の要求を受け付けた場合に、前記リスト情報出力手段により出力されたリスト情報に基づく経路案内を行う経路案内手段とを含む構成とされていてもよい。
【0012】
前記リスト情報作成手段により作成されたリスト情報を記憶するリスト情報記憶手段と、前記現在位置または前記ユーザによる操作に基づいて、前記リスト情報記憶手段に記憶されたリスト情報の中から前記リスト情報出力手段により出力するリスト情報を特定する出力リスト情報特定手段と、該出力リスト情報特定手段により特定されたリスト情報と前記ユーザの現在位置とに基づいて、該リスト情報が含むPOI情報が示すPOIを通過する推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段と、前記リスト情報出力手段によりリスト情報が出力されることに応じて前記推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路を前記表示画面に表示する推奨移動経路表示手段とを含む構成とされていてもよい。
【0013】
前記特定エリア情報は、1つの特定エリアに関して、観光エリアとしての情報を示す観光エリア情報と、生活エリアとしての情報を示す生活エリア情報とを含み、ユーザの自宅住所や嗜好などユーザに関する情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、該ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に基づいて、前記特定エリア情報検索手段により検索された特定エリア情報が示す特定エリアが前記ユーザにとって観光エリアなのかまたは生活エリアなのかを判定するエリア属性判定手段とを含み、前記POI情報出力手段は、前記エリア属性判定手段による判定結果に基づいて、前記観光エリア情報または前記生活エリア情報を出力する構成とされていてもよい。
【0014】
前記POI情報は、日常生活に関わる情報である生活関連情報を含み、前記リスト情報出力手段は、前記ユーザ情報に基づいて、出力するリスト情報に対応する特定エリアが前記ユーザにとって生活エリアなのかを判定するリスト判定手段を有し、該リスト判定手段により前記出力するリスト情報に対応する特定エリアが前記ユーザにとって生活エリアであると判定されたことに応じて、前記出力するリスト情報が含むPOI情報が有する生活関連情報を出力する構成とされていてもよい。
【0015】
前記ユーザ情報は、自宅住所など所定の住所を示す住所情報を含み、前記リスト情報作成手段は、前記ユーザが前記目的地に到着するまでのリスト情報を作成し、前記推奨移動経路探索手段は、前記目的地を出発地とし、前記リスト情報が含むPOI情報が示すPOIの位置を経由地とし、前記住所情報が示す住所を目的地とする推奨移動経路を探索する復路探索手段を有する構成とされていてもよい。
【0016】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、前記移動体の進行方向を特定する進行方向特定処理と、前記位置検出処理にて検出された現在位置と前記進行方向特定処理にて特定された進行方向とから前記移動体が走行する道路を特定する走行道路特定処理と、
道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段に記憶された地図情報が示す地図に含まれる特定エリアに関する情報と案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段に記憶されたPOI情報とを対応付けて特定エリア情報として記憶する特定エリア情報記憶手段に記憶された特定エリア情報の中から、前記走行道路特定処理にて特定された道路を含む特定エリアを示す特定エリア情報を検索する特定エリア情報検索処理と、
該特定エリア情報検索処理にて検索された特定エリア情報に対応するPOI情報が複数ある場合に、該複数のPOI情報を所定の基準に従って順序付けする順序付け処理と、該順序付け処理にて順序付けされたPOI情報を順次前記表示画面に出力するPOI情報出力処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザ周辺の施設の存在をそのユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ナビゲーションシステムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図3】POI情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】特定エリア情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】リスト情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】スライド表示処理の例を示すフローチャートである。
【図7】スライドショーが開始されたときの表示画面の例を示す説明図である。
【図8】スライドショーが開始されたときの表示画面の他の例について説明するための説明図である。
【図9】リスト表示処理の例を示すフローチャートである。
【図10】リスト表示画面の例を示す説明図である。
【図11】車両の現在位置を基準にしてPOIの位置する方向を分類する構成について説明するための説明図である。
【図12】スライド表示領域の形態の例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るナビゲーション装置10を用いた経路誘導システム(ナビゲーションシステム)100の例を示すブロック図である。図1に示すように、本例のナビゲーションシステム100は、ナビゲーション装置10と、自車位置測位装置20と、出力装置30と、入力装置40とを含む。
【0020】
自車位置測位装置20は、移動体(以下、「車両」を例に説明する。この「移動体」は、ナビゲーション装置10自体や、このナビゲーション装置10とともに移動する車両や人間などの物体を含む概念である。)の現在位置を測定する装置であり、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサなどからなる。
【0021】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0022】
また、自車位置測位装置20は、車両に搭載されており、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコードなどの処理を行い、ナビゲーション装置10へ出力する信号処理部を備える。
【0023】
出力装置30は、ナビゲーション装置10からの経路誘導情報などを出力する装置であり、例えば画像情報を表示する画像表示部(ディスプレイ装置、モニタ)31と、音声情報を音声出力する音声出力装置(スピーカ装置)32とを含む。画像表示装置31は、地図情報と車両の現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの最適な誘導経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって移動経路の道順を報知する。また、音声出力装置32は、案内音声情報を音声出力することで、聴覚によって移動経路の道順を報知する。
【0024】
入力装置40は、ナビゲーション装置10に対して各種の指示を行うための装置である。本例では、入力装置40は、例えば出力装置30の表示画面上に表示される操作ボタンによって構成される。すなわち、本例における入力装置(または、入力受付装置)は、タッチパネルを含む。
【0025】
ナビゲーション装置10は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。ナビゲーション装置10は、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)、等を有する。CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、経路探索処理や経路誘導処理、情報検索処理を含む各種の処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ROMやRAM等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。
【0026】
図2は、本例におけるナビゲーション装置10の構成例を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、図2に示すように、記憶部Fと、経路探索部11と、自車位置情報受付部12と、方位情報受付部13と、走行道路特定部14と、情報検索部15と、スライドショー情報作成部16と、リスト情報作成部17と、経路案内部18と、制御部Cとを含む。なお、ナビゲーション装置10を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスBに接続されている。
【0027】
経路探索部11は、出発位置(例えば、現在位置)から目的地までの誘導経路(推奨移動経路)を導出する経路探索処理を行う機能を有する。経路探索処理では、例えば、ユーザからの目的地情報の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報に基づいて目的地の位置情報を特定し、この目的地を参照して現在位置から目的地までの誘導経路を導出するとともに、導出した誘導経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0028】
自車位置情報受付部12は、車両の現在位置情報を受け付けるための処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。本例においては、自車位置測位装置20により測定された現在位置情報を受け付けるものとする。すなわち、ナビゲーション装置10は、自車位置情報受付部12により現在位置情報を受信することにより車両の現在位置を検出(または特定)する。なお、ナビゲーション装置10は、GPS機能などを用いて、単独で車両の現在位置を検出可能な構成とされていてもよい。
【0029】
方位情報受付部13は、自車位置測位装置20から車両の進行方向を特定する方位情報を受け付けて、車両の進行方向を特定する処理を行う機能を有する。
【0030】
走行道路特定部14は、後述するスライド表示処理(図6参照)において、POI(Point Of Interest)情報の検索範囲を決定するための特定エリア決定するために、車両が走行する道路(走行道路。すなわち、車両が走行中の道路、または走行予定の道路)を特定する処理を行う機能を有する。本例においては、走行道路特定部14は、車両の現在位置と進行方向とに応じて、車両が道なりに走行した場合に走行する道路を特定し、特定した道路の名称、ノードID、リンクID、および道路形状など、走行道路に関する情報を特定して所定の記憶領域に記憶する処理を行う機能を有する。なお、走行道路特定部14による走行道路の特定方法は特に限定されず、車両の現在位置と進行方向の他、地図上の分岐点を基準にして走行道路を特定する構成としてもよい。すなわち、例えば走行道路特定部14が、進行方向に位置する分岐点を検索して、検索した分岐点が属する道路(例えば、分岐点を示すノードIDが対応付けされたリンクIDが示す道路)を走行道路に特定する構成としてもよい。
【0031】
なお、本例においては、走行道路特定部14は、車両の現在位置から進行方向に向かって所定の距離(例えば、500m)先に位置する道路(または、道路に対応するリンクの少なくとも一部が位置する道路)地点(道路を示すリンク上の1点。本例においては、現在位置寄りのリンクの端点)を開始点として、開始点からさらに進行したときに最初に現れる交差点から分岐する全ての道路に関して、道なりに進行できる道路のうち分岐点から所定の距離(例えば、2Km)までの道路を走行道路に特定する。なお、走行道路の特定方法はこれに限定されず、例えば、開始点から特定の距離以内に分岐点がない場合には、車両から進行方向に位置する道路のうち、車両の走行速度に応じた距離だけ先に位置する道路を走行道路に特定する構成としてもよい。
【0032】
情報検索部15は、所定の検索条件を満たす情報を検索する処理を行う機能を有する。本例において、情報検索部15は、後述する特定エリア情報記憶部F4に記憶された少なくとも1つ以上の特定エリア情報の中から、走行道路特定部14により特定された道路(すなわち、走行道路)を含む特定エリアを示す特定エリア情報を検索する処理を行う機能を有する。なお、情報検索部15は、走行道路と特定エリアそれぞれの位置情報に基づいて特定エリア情報を検索する。また、情報検索部15は、特定エリア内に位置するPOIを示すPOI情報を検索する処理を行う機能を有する。
【0033】
スライドショー情報作成部16は、情報検索部15により検索された特定エリア情報に対応するPOI情報が複数ある場合に、複数のPOI情報を所定の基準に従って並び替えることによりスライドショー情報を作成する。具体的には、スライドショー情報作成部16は、自車位置情報受付部13により検出された現在位置に近い順(すなわち、車両の現在位置からの距離が近いPOIを示すPOI情報から、車両の現在位置からの距離が遠いPOIを示すPOI情報の順)や名称の50音順などにPOI情報を順序付けすることによりスライドショー情報を作成する処理を行う機能を有する。すなわち、スライドショー情報作成部16は、POIと車両との位置関係に基づいて、車両の走行に合わせて順次POI情報が出力されるようにPOI情報の出力順を決定する。このような構成とすることにより、複数のPOI情報がそれぞれ有するスライド情報から成るスライドショーを出力するための情報(スライドショー情報)を作成することができる。
【0034】
なお、本例においては、スライドショー情報作成部16は、車両の現在位置が走行道路に対して所定距離以内になったことに応じてスライドショーが開始された後車両が走行道路に到着するまでの間にスライドショーが少なくとも一周するように、各スライド(すなわち、各画像)を表示する時間を決定する。なお、スライドショー情報作成部16が、所定の時間間隔(例えば、15秒間隔)で複数のスライドがスライド表示されるようにスライドショー情報を作成する構成としてもよい。また、スライドショー情報作成部16が、スライドショー情報が示すスライドショーの長さに応じて、スライドショーの開始位置を決定する構成としてもよい。
【0035】
また、本例においては、スライドショー情報作成部16は、車両の走行予定位置(本例においては、走行道路)と進行方向を基準にして、各方面に存在するPOI情報毎にスライドショー情報を作成する処理を行う機能を有する。これにより、POIの存在する位置が基準位置(本例においては、走行道路)から見ていずれの方向にあるかが識別可能に出力することができるようになる(例えば、後述する図7や図12参照)。
【0036】
リスト情報作成部17は、複数のPOI情報をグループ化したリストを示すリスト情報を作成する処理を行う機能を有する。本例においては、リスト情報作成部17は、後述するスライド表示処理(図6参照)においてユーザによる選択を受け付けたスライドにより構成されるリストを示すリスト情報を作成する。すなわち、リスト情報作成部17は、スライドショー情報作成部16により作成されたスライドショー情報に基づいて出力されたPOI情報(本例においては、スライド情報に基づくスライド)に対するユーザの選択操作を受け付け、所定期間内に選択を受け付けたPOI情報を蓄積することにより、ユーザにより選択されたPOI情報の一覧を示すリスト情報を作成する。
【0037】
ここで、「所定期間内」とは、予め1つのリスト情報の作成期間として定められた期間であり、本例においては、スライドショーを開始してから車両が1つの特定エリアに進入するまでが、1つのリスト情報を作成する所定の期間として設定されている場合を例に説明を行う。
【0038】
経路案内部18は、リスト情報に基づく経路案内を行う処理を行う機能を有する。本例においては、経路案内部18は、画像表示装置31に出力されたリスト情報に基づく経路案内を行う旨の要求を受け付けた場合に、リスト情報に基づく経路案内を行う処理を行う機能を有する。なお、経路案内部18は、経路探索部11により探索された推奨移動経路とリスト情報が示すPOI情報とに基づいて経路案内を行う。
【0039】
また、本例における経路案内部18は、画像表示装置31の表示画面上に、情報検索部15により検索された特定エリア情報が示す特定エリアや、特定エリア内に位置するPOIなどを、強調表示やアイコン表示などにより他の地図情報と識別可能となるように表示するための処理を行う。また、本例における経路案内部18は、特定エリア情報記憶部F4を参照し、車両が特定エリア情報の示す特定エリアに対して所定の距離以内に接近したことに応じて、所定の期間(例えば、特定エリアが近いことをユーザに案内する通知(案内通知)を表示してから車両が特定エリア内に進入するまでや、ユーザから所定の操作を受け付けるまで)表示画面に案内通知を表示する機能や、案内したPOI情報を案内履歴情報として所定の記憶領域に記憶する機能、およびユーザによる案内履歴情報表示要求を受けつけたことに応じて、所定の記憶領域に記憶した案内履歴情報を参照して、所定の表示条件(例えば、「1時間以内に表示したスライド」など)に従って各種情報を表示する機能など、ユーザに対してPOIの案内を含む経路案内を実行するための各種機能を有する。
【0040】
制御部Cは、CPU(中央処理装置)、ROM、およびRAMなどを具備し、記憶部Fに記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーションプログラム)に従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、その処理を実行する機能を有する。
【0041】
記憶部Fは、ROMやRAM等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。本例における記憶部Fは、誘導経路情報記憶部F1と、地図情報記憶部F2と、POI情報記憶部F3と、特定エリア情報記憶部F4と、リスト情報記憶部F5と、ユーザ情報記憶部F6を含む。
【0042】
なお、図示しないが、本例におけるナビゲーション装置10は通信機能を備えており、記憶部Fに記憶される各種の情報は時期などに応じて更新可能であるものとする。
【0043】
誘導経路情報記憶部F1は、経路探索部11が導出した誘導経路を記憶する記憶媒体である。
【0044】
地図情報記憶部F2は、一定の経度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(メッシュ)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。地図情報は、地図情報記憶部F2に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、ナビゲーション装置10が、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、地図情報記憶部F2は、道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各道路に関して道路構成ノード情報と道路構成リンク情報とを位置情報と対応付けて記憶する。
【0045】
POI情報記憶部F3は、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル、旅館といった店舗情報、有名な施設を示す施設情報、行楽地を示す行楽地情報といった案内対象物(店舗、施設、行楽地など)を示すPOI情報を記憶する記憶媒体である。
【0046】
図3は、POI情報記憶部F3におけるPOI情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例におけるPOI情報は、POI情報を一意に特定するための識別子であるPOI−IDと、POIの名称、住所、緯度・経度、電話番号、人気ランキング(位)、スライド情報、およびお奨め情報を含む。
【0047】
ここで、「スライド情報」とは、POIに関する画像データを示すものである。なお、ここでの「画像データ」とは、動画を示すデータであってもよいし、静止画を示すデータであってもよい。本例においては、POI情報が静止画データを含む場合について説明する。
【0048】
また、「お奨め情報」とは、POIに関して情報作成者などが「お奨め」とする情報を示すものである。本例においては、お奨め情報は、POIの近辺に住むユーザ(すなわち、POIから所定の範囲内に自宅住所を有するユーザや、レストランやスーバーなどのPOIを客として頻繁に利用するユーザ)に対し、日常生活に関わる情報(生活関連情報。例えば、特売品やセール情報など。)として提供されるものとする。
【0049】
特定エリア情報記憶部F4は、地図情報記憶部F2に記憶された地図情報が示す地図に含まれる複数の特定エリアに関する情報とPOI情報とを対応付けて特定エリア情報として記憶する記憶媒体である。ここで、「特定エリア」とは、例えば観光地エリアや商店街エリアなど、予め情報作成者などにより特定エリアとして定められた地域(エリア)を示すものである。
【0050】
図4は、特定エリア情報記憶部F4における特定エリア情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、特定エリア情報は、特定エリアを一意に特定するための識別子である特定エリアIDと、特定エリアの名称と、対応範囲(対応地図情報)と、対応POI−IDとを含む。
【0051】
ここで、「対応範囲」とは、地図上で特定エリアとして指定された範囲を示す情報であり、本例においては緯度と経度の範囲により示される。なお、対応範囲は、多角形形状で地図情報の中に格納されている構成とされていてもよい。
【0052】
また、「対応POI−ID」は、特定エリアに含まれるPOIを示すPOI−IDである。ここで、図4に示すように、本例においては、対応PO−IDは、特定エリアの種類に対応付けされて記憶される。なお、本例における特定エリアは、ユーザ毎に、後述するユーザ情報に基づいて(具体的には、ユーザの自宅住所や行動履歴に基づいて)、「観光エリア」と「生活エリア」とに分類される。そのため、特定エリア情報が含む対応POI−IDは、「観光エリア」と「生活エリア」とでそれぞれ独立して記憶されているものとする。
【0053】
なお、特定エリア情報は、特定エリアに関して地図上の範囲と対応するPOIとが特定できる情報であればよく、図4に示す構成に限定されない。すなわち、特定エリア情報は、例えば、エリアコード(またはエリア名称)、エリアタイプ(観光エリアまたは生活エリア)、エリア説明文、対象POIコード、スライド有無、および領域情報で構成されていてもよい。
【0054】
リスト情報記憶部F5は、リスト情報作成部17により作成されたリスト情報を記憶する記憶媒体である。なお、本例においては、リスト情報作成部17が、特定エリア毎にリスト情報を作成する場合について説明を行う。
【0055】
図5は、リスト情報記憶部F5におけるリスト情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、リスト情報は、リスト情報を一意に特定するための識別子であるリストIDと、リストの名称と、リストに対応する特定エリアIDと、ユーザにより選択されたPOI情報を示すPOI−IDとを含む。
【0056】
ここで、「リストの名称」は、ユーザにより設定されるものであってもよいし、ナビゲーション装置10が、例えばリスト作成時の車両の位置などに基づいて設定するものであってもよい。本例においては、ナビゲーション装置10が、リスト情報に含ませるPOI情報が確定したことに応じて所定の名称(例えば、「行きたいリスト」)を設定する場合について説明する。
【0057】
ユーザ情報記憶部F6は、ナビゲーションシステム100のユーザの自宅住所や嗜好など、ユーザに関する各種情報を記憶する記憶媒体である。ユーザ情報は、ユーザによる入力を受け付けるだけでなく、ユーザの行動履歴から推定する構成としてもよい。なお、ユーザの行動履歴などに基づく嗜好の推定に関しては、例えば、訪問履歴の多いPOIのジャンルなどに基づいて行う。また、本例におけるユーザ情報は、ユーザの行動履歴に基づいて特定された「生活エリア」を含むものとする。なお、ユーザ情報は、ユーザにより編集可能な構成とされることが好ましい。
【0058】
次に、本発明のナビゲーション装置10の動作について図面を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0059】
図6は、ナビゲーション装置10が実行するスライド表示処理の例を示すフローチャートである。スライド表示処理では、車両の進行方向に位置する特定エリア内に位置するPOI情報を検索して案内するための処理が行われる。なお、ここでいう「案内」とは、POIの存在をナビゲーションシステム100のユーザAに紹介することが目的であり、必ずしもPOIまでユーザAを誘導する必要はないものとする。
【0060】
本例におけるスライド表示処理は、ナビゲーション装置10の電源が入ったことに応じて自動的に開始される。なお、ナビゲーション装置10におけるスライド表示処理は、例えばユーザAが特定のボタンを押下したことを受け付けることにより停止される構成であるものとする。
【0061】
スライド表示処理において、先ず、制御部Cは、走行道路特定部14により、車両の現在位置と進行方向とに基づいて走行道路を特定する(ステップS101)。
【0062】
走行道路を特定すると、制御部Cは、情報検索部15により、特定した走行道路に対応する特定エリア情報を検索する(ステップS102)。
【0063】
特定エリア情報を検索すると、制御部Cは、特定した走行道路に対応する特定エリア(すなわち、走行道路の少なくとも1部が含まれる特定エリア)があるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、特定エリアがないと判定すると(ステップS103のN)、制御部Cは、ステップS101の処理に移行する。
【0064】
一方、特定した走行道路に対応する特定エリアがあると判定すると(ステップS103のY)、制御部Cは、特定エリア内に位置するPOIのうち、案内対象とするPOI(対象POI)を特定する(ステップS104)。
【0065】
本例においては、制御部Cは、ユーザ情報と所定の判定基準(例えば、POI情報の利用回数)とに基づいて、特定エリアがユーザAにとって「観光エリア」であるか、または「生活エリア」であるかを判定する。そして、例えばユーザが初めて訪れる特定エリアであることから判定結果が「観光エリア」を示す場合、制御部Cは、特定エリア情報が含む対応POI−IDのうち、「観光エリア」に含まれるPOI−IDが示すPOIを対象POIに特定する。一方、例えばユーザの自宅から所定距離以内に位置する特定エリアであることから判定結果が「生活エリア」を示す場合、制御部Cは、特定エリア情報が含むタイプPOI−IDのうち、「生活エリア」に含まれるPOI−IDが示すPOIを対象POIに特定する。
【0066】
対象POIを特定すると、制御部Cは、特定した対象POIに対応するスライド情報(本例においては、画像データ)があるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、スライド情報がないと判定すると(ステップS105のN)、制御部Cは、ここでの処理を終了する。なお、スライド情報がない場合、制御部Cが、POIの名称をユーザAに報知する構成としてもよい。
【0067】
一方、スライド情報があると判定すると(ステップS105のY)、制御部Cは、スライドショー情報作成部16によりスライドショー情報を作成する(ステップS106)。本例においては、スライドショー情報作成部16は、スライド情報を、ユーザAの現在位置から近い順に順序付けすることによりスライドショー情報を作成する。
【0068】
スライドショー情報を作成すると、制御部Cは、スライドショーを開始する(ステップS107)。本例においては、制御部Cは、車両の現在位置が走行道路に対して所定距離以内になったことに応じて、走行道路に対応するスライドショーを開始する。
【0069】
図7は、スライドショーが開始されたときの表示画面の例を示す説明図である。図7に示すように、車両が走行中の表示画面には、車両の現在位置Pの周辺の地図が表示され、表示画面の一部に、スライドショーを表示するスライドショー表示領域110が設けられる。なお、その他、表示画面には、車両が位置する現在住所を表示する現在住所表示領域121や、メニュー画面の表示要求を受け付けるメニューボタン122などが設けられる。
【0070】
また、スライドショー表示領域110には、特定エリアの名称を表示する特定エリア名称表示領域111と、車両の進行方向に位置する分岐点A1の形状を簡略化して示す分岐点形状表示領域112と、分岐点A1から見て進行方向左側に位置するPOIに関するスライドを表示するスライド表示領域113と、分岐点形状表示領域112に表示された分岐点A1から見て進行方向に位置するPOIに関するスライドを表示するスライド表示領域114と、分岐点表示領域112に表示された分岐点A1から見て進行方向右側に位置するPOIに関するスライドを表示するスライド表示領域115とが設けられる。
【0071】
なお、本例においては、スライドショー表示領域110内の表示に関して、制御部Cは、先ず、経路探索部11により、特定エリア内において車両の進行方向に存在する交差点などの分岐点を特定し、基準位置(例えば、分岐点A1)として決定する。そして、地図情報記憶部F2とPOI情報記憶部F3とを参照して、特定した基準位置から見てPOIがどの方面に位置するかを確認し、スライド情報の表示位置(スライド表示領域113,114,115)を決定する。なお、制御部Cは、特定エリア内における複数の分岐点を基準位置として決定する構成としてもよい。
【0072】
スライドショーを開始すると、制御部Cは、ユーザAによるスライドの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS108)。ここで、スライドの選択を受け付けていないと判定すると(ステップS108のN)、制御部Cは、後述するステップS110の処理に移行する。
【0073】
一方、例えばスライドショー表示領域110に表示されたスライドをユーザAが押下したことにより、スライドの選択を受け付けたと判定すると(ステップS108のY)、制御部Cは、リスト情報作成部17により、選択されたスライドに対応するPOIコード(すなわち、POI−ID)を特定エリアIDと対応付けてリスト情報記憶部F5に登録する(ステップS109)。
【0074】
リスト情報を登録すると、制御部Cは、車両の現在位置情報に基づいて、車両が走行道路に到着したか否かを判定する(ステップS110)。ここで、車両が走行道路に到着していないと判定すると(ステップS110のN)、制御部Cは、ステップS108の処理に移行する。
【0075】
一方、車両が走行道路に到着したと判定すると(ステップS110のY)、制御部Cは、スライドショーを終了する(ステップS111)。本例においては、制御部Cは、表示画面からスライドショー表示領域110を削除する。
【0076】
スライドショーを終了すると、制御部Cは、表示画面に、リスト情報を作成した旨をユーザに報知する通知(リスト情報作成通知)を表示して(ステップS112)、ここでの処理を終了する。
【0077】
なお、スライドショーが開始されたときの表示画面の構成は、図7に示す構成に限定されず、特定エリア内に位置するPOIに対応するPOI情報が有するスライド情報スライド表示するものであればよい。
【0078】
図8は、スライドショーが開始されたときの表示画面の他の例について説明するための説明図である。表示画面は、図8に示すように、分岐点形状表示領域112がなく、スライド表示領域が1つだけある構成とされていてもよい。この場合、例えば、制御部Cが、車両の現在位置Pを含む地図を表示する地図表示領域210と、スライドショーを表示するスライドショー表示領域220とが設けられた表示画面を作成して、表示する。
【0079】
また、スライドショー表示領域220には、特定エリアに対応するPOI情報が含むスライド情報をスライド表示するスライド表示領域221と、スライド表示領域221に表示されたスライド情報に対応するPOIの名称を表示するPOI名称表示領域222とが設けられる。
【0080】
このような構成とすることにより、特定エリア内に分岐点が存在しない場合であっても(または、分岐点がある場合でも、分岐点の特定に要する処理を行うことなく)、スライドショーを実行することができるようになる。なお、スライドショー表示領域220内に、複数のスライド表示領域が設けられ、車両の現在位置に対するPOIの位置に応じて、複数のスライド情報それぞれが各スライド表示領域に表示される構成としてもよい。
【0081】
次に、ナビゲーション装置10が実行するリスト表示処理について説明する。
【0082】
図9は、ナビゲーション装置10が実行するリスト表示処理の例を示すフローチャートである。リスト表示処理では、スライド表示処理(図6参照)にて作成されたリスト情報に基づいて、表示画面にリストを表示するための処理が実行される。
【0083】
本例におけるリスト表示処理は、例えば制御部Cが、入力装置40を介してユーザAの操作を受け付けたことに応じて開始される。
【0084】
リスト表示処理では、先ず、制御部Cは、所定の操作に基づくリスト表示要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。ここで、例えばリスト名称を提示したリストリスト表示要求を受け付けたと判定すると(ステップS201のY)、制御部Cは、情報検索部15により、受け付けたリスト表示要求に応じたリスト情報を検索する(ステップS202)。
【0085】
なお、リスト表示要求の受付方法は特に限定されず、例えば、制御部Cが、メニュー画面において所定の操作を受け付けたことに応じてリスト情報記憶部F5に記憶されたリスト情報の一覧を表示画面に選択可能に表示して、ユーザAによる選択を受け付ける構成としてもよい。また、制御部Cが、車両が特定エリアに進入したことをトリガにして、進入した特定エリアに対応するリスト情報の表示要求を受け付けたものと判定する構成としてもよい。また、制御部Cが、車両が特定エリアに対して特定の距離以内に接近したことに応じて、接近した特定エリアに対応するリスト情報の表示要求を受け付けたものと判定する構成としてもよい。
【0086】
リスト情報を検索すると、制御部Cは、リスト情報が含む複数のPOI情報それぞれが有するスライド情報を表示する状況を判定するための処理(表示状況判定処理)を行う(ステップS203)。本例においては、制御部Cは、ユーザ情報に基づいて、特定エリアがユーザAにとって「観光エリア」に該当するか、または「生活エリア」に該当するかを判定する。なお、ここでの判定基準は、スライド表示処理のステップS104における判定基準と同一内容であってもよいし、異なる内容であってもよい。
【0087】
表示状況判定処理を実行すると、制御部Cは、現在状況(すなわち、ユーザAのユーザ情報と特定エリア情報とに基づく表示状況判定処理の判定結果)が、観光関連情報を表示すべき状況であるか否かを判定する(ステップS204)。ここで、現在状況が、観光関連情報を表示すべき状況でないと判定すると(ステップS204のN)、制御部Cは、リスト情報が含むPOI情報が有するお奨め情報を表示する(ステップS205)。なお、このとき、制御部Cが、通信ネットワークを介して最新のお奨め情報を所定のサーバからダウンロードする構成としてもよい。
【0088】
一方、現在状況が、観光関連情報を表示すべき状況であると判定すると(ステップS204のY)、制御部Cは、車両の(すなわち、ユーザの)現在位置を特定し(ステップS207)、経路探索部11により、リスト情報が含むPOI情報が示すPOIを通過(経由)する推奨移動経路を探索する(ステップS207)。なお、本例においては、経路探索部11は、現在位置から最も遠くに位置するPOIを目的地に設定し、他のPOIを経由地に設定して、推奨移動経路を探索する。なお、このとき、経路探索部11が、目的地の選択を受け付ける構成としてもよいし、複数の経路候補を探索して、地図上に表示する構成としてもよい。
【0089】
推奨移動経路を探索すると、制御部Cは、リスト情報と基づくリストと、探索した推奨移動経路とを示すリスト表示画面を表示する(ステップS208)。
【0090】
図10は、リスト表示画面の例を示す説明図である。図10に示すように、リスト表示画面には、推奨移動経路とPOIの位置とを識別可能に表示する推奨移動経路表示領域310と、推奨移動経路を走行した場合に到達するPOIの名称を到達する順に並べたリストを表示するリスト表示領域320とが設けられる。
【0091】
リスト表示画面を表示すると、制御部Cは、経路案内の開始要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS209)。ここで、経路案内の開始要求を受け付けていないと判定すると(ステップS209のN)、制御部Cは、リスト表示画面またはお奨め情報の表示を終了して(ステップS210)、ここでの処理を終了する。
【0092】
一方、例えばユーザAが推奨移動経路表示領域310を押下したことにより、経路案内の開始要求を受け付けたと判定すると(ステップS209のY)、制御部Cは、経路案内部18により、推奨移動経路とリスト情報とに基づく経路案内を開始して(ステップS211)、ここでの処理を終了する。
【0093】
以上に説明したように、上述した実施の形態においては、表示装置(例えば画像表示装置31)の表示画面における地図上に移動体(例えば車両)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置が、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部F2と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶部F3と、地図情報記憶部F2に記憶された地図情報が示す地図に含まれる特定エリアに関する情報とPOI情報とを対応付けて特定エリア情報として記憶する特定エリア情報記憶部F4とを備え、移動体の現在位置を検出し、移動体の進行方向を特定し、検出した現在位置と特定した進行方向とから移動体が走行する道路(例えば、走行道路)を特定し、特定エリア情報記憶部F4に記憶された特定エリア情報の中から、特定した道路(すなわち、走行道路)を含む特定エリアを示す特定エリア情報を検索し、検索した特定エリア情報に対応するPOI情報が複数ある場合に、複数のPOI情報を所定の基準に従って順序付けし、順序付けしたPOI情報(例えば、POI情報が有するスライド情報)を順次表示画面に出力(例えば、スライドショーを実行)する構成としているので、ユーザが今後走行する周辺の施設の存在をそのユーザに対して事前に積極的かつ適切に報知することができるようになる。
【0094】
すなわち、ユーザが施設などの検索を行うためにナビゲーション装置を操作しなくても、時期や移動体の位置に応じたPOI情報を積極的にユーザに紹介することができるようになる。このため、ユーザにとっては煩わしい操作をせずに情報を取得でき、自己の嗜好に合った施設などの存在を見逃すことがなくなるため利便性が向上する。一方、企業などの情報の提供者側にとっても、今まで検索されないと表示できなかった施設を積極的に提示できるようになり、時期や嗜好に応じた自社のコンテンツ特性を活かせるようになるため利便性が向上する。
【0095】
また、予め地図情報に対応付けて特定エリアを記憶しておくので、現在位置や走行中の道路などを基準として一定距離だけ離れた領域内のPOIを探す場合よりも素早く判定(例えば、出力対象とするPOI情報の判定)を行うことができるようになる。
【0096】
また、スライド情報を、案内対象物であるPOIが存在する位置が基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に表示画面に表示する構成としているので(例えば、図7におけるスライドショー表示領域110参照。)、POIが基準位置(例えば現在位置や前方の交差点など)から見てどちらの方向に位置しているのかをユーザに対して案内することが可能となり、移動体の周辺のPOIの存在をユーザに対して適切に報知することができるようなる。
【0097】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、出力したPOI情報に対するユーザAの選択操作(例えば、スライドショー表示領域110に表示されたスライドの押下)を受け付け、所定期間内(例えば、車両が特定エリアに進入するまで)に選択を受け付けたPOI情報を蓄積することによりユーザAにより選択されたPOI情報の一覧を示すリスト情報を作成し、作成したリスト情報を表示画面に出力する(例えば、リスト表示画面を表示する。図10参照。)構成としているので、ユーザが移動中に興味を示したPOIを含む推奨移動経路を提供することができるようになる。
【0098】
すなわち、ユーザが進もうとしている道路にあるPOIに関する案内を行うとともに、ユーザが新たに目的地または経由地とする可能性の高いPOIをリスト化して提供することができるようになる。
【0099】
なお、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、案内対象とするPOI情報を特定してから、特定したPOI情報がスライド情報(例えば、画像データ)を有しているか否かを判定してスライドショー情報を作成する場合について説明したが(図6のステップS104〜S106)、スライド表示処理の構成はこれに限定されず、ユーザの位置に応じた特定エリア内に位置するPOI情報が有するスライド情報をスライド表示する構成であればよい。すなわち、例えば、ナビゲーション装置10が、案内対象とするPOI情報の特定を行わず、特定エリア情報に対応する複数のPOI情報のうち、施設の外観や観光地の景色などを示すスライド情報を含むPOI情報を抽出して順序付けし、順序付けしたスライド情報が示す画像を表示画面(例えば、画像表示装置31の表示画面)に表示する構成としてもよい。このような構成とすることにより、すなわち、ユーザが進もうとしている道路にある観光施設や店舗を画像で紹介することで、旅を豊かにすることができるようになる。
【0100】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、所定の単位(例えば、特定エリア毎)にリスト情報を作成する構成としているので、複数のリスト情報を作成することができるようになる。
【0101】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、リスト情報作成手段により作成されたリスト情報を記憶するリスト情報記憶部F5を備え、現在位置またはユーザAによる操作に基づいて(例えば、受け付けたリスト表示要求に応じて)、リスト情報記憶部F5に記憶されたリスト情報の中から出力する(例えば、画像表示装置31の表示画面に表示する)リスト情報を特定し、特定したリスト情報とユーザAの現在位置とに基づいて、リスト情報が含むPOI情報が示すPOIを通過する推奨移動経路(例えば、現在位置から最も遠くに位置するPOIを目的地に設定し、他のPOIを経由地に設定した場合の推奨移動経路)を探索し、リスト情報が出力されることに応じて探索した推奨移動経路を表示画面に表示する(例えば、リスト表示画面を表示する。図10参照。)構成としているので、複数のPOIを経由する推奨移動経路と、経由するPOIの一覧を示すリストとをユーザに提供することができるようになる。
【0102】
なお、ナビゲーション装置10が、リスト情報が含む複数のPOI情報に対するユーザの選択を受け付け、受け付けたPOI情報が示すPOIを目的地または経由地とする経路案内を行う構成としてもよい。
【0103】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、ユーザによる操作に応じて、複数のリスト情報を1つのリスト情報として扱う構成としてもよい。
【0104】
また、上述した実施の形態では、特定エリア情報が、1つの特定エリアに関して、観光エリアとしての情報を示す観光エリア情報(例えば、特定エリア情報における対応POI−IDのうち観光エリアに対応するPOI−ID)と、生活エリアとしての情報を示す生活エリア情報(例えば、特定エリア情報における対応POI−IDのうち生活エリアに対応するPOI−ID)とを含み、ナビゲーション装置10が、ユーザAの自宅住所や嗜好などユーザに関する情報を記憶するユーザ情報記憶部F6を備え、ユーザ情報記憶部F6に記憶されたユーザ情報に基づいて、検索した特定エリア情報が示す特定エリアがユーザAにとって観光エリアなのかまたは生活エリアなのかを判定し、判定結果に基づいて、観光エリア情報または生活エリア情報を出力する(例えば、判定結果が観光エリアを示す場合、特定エリア情報において観光エリアとして記憶されたPOI−IDを案内対象とするPOIに特定し、判定結果が生活エリアを示す場合には、特定エリア情報において生活エリアとして記憶されたPOI−IDを案内対象とするPOIに特定し、特定した対象POIに対応するPOI情報が有するスライド情報を出力する)構成としているので、エリア(すなわち、特定エリア)により提供する情報にメリハリをつけることができ、ユーザ満足度の上昇を図ることができるようになる。すなわち、ユーザに応じてより有用な情報を提供することができるようになる。
【0105】
また、上述した実施の形態では、POI情報が、日常生活に関わる情報である生活関連情報(例えば、お奨め情報)を含み、ナビゲーション装置10が、ユーザ情報に基づいて、出力するリスト情報に対応する特定エリアがユーザAにとって生活エリアなのかを判定し、出力するリスト情報に対応する特定エリアがユーザAにとって生活エリアであると判定したことに応じて、出力するリスト情報が含むPOI情報が有する生活関連情報を出力する構成としているので、一般的にユーザが推奨移動経路の表示を望まない生活エリアにおいて、ユーザにより不要と判断される可能性の高い推奨移動経路を表示するために要する処理を省略することができるようになる。
【0106】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、ユーザ情報に基づいて、出力するリスト情報に対応する特定エリアがユーザAにとって生活エリアなのかを判定し、出力するリスト情報に対応する特定エリアがユーザAにとって生活エリアでないと判定したことに応じて(例えば、観光エリアであると判定したことに応じて(図9においては、観光関連情報を表示すべき状況であると判定したことに応じて))、リスト情報と、リスト情報基づくリストと推奨移動経路とを出力する構成としているので、ユーザがPOIのリストや推奨移動経路の表示を望んでいる可能性が高いと推測できるときに、POIのリストや推奨移動経路を表示することができるようになる。無用な処理を回避することができるようになるため、ナビゲーション装置全体の処理効率を向上させることができるようになる。
【0107】
なお、特定エリア情報が、観光エリアや生活エリアの他にも複数の種類に分類されており、ナビゲーション装置10が、例えばユーザAにより予め選択された種類の特定エリア情報に関するスライドショーのみを実行する構成としてもよい。
【0108】
また、ナビゲーション装置10が、特定エリアが所定の条件(例えば、ユーザAの嗜好が生活エリアの表示を望むものである場合や、ユーザAが初めて訪れたエリアであることなど。)を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たす特定エリアであると判定した場合に、特定エリア情報に対応するPOI情報が有する生活関連情報(例えば、お奨め情報)を出力する構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザが初めて訪問する商店街などであっても、特徴ある店舗を見つけることができるようになる。また、ユーザが日常的に訪れる商店街(日常商店街)であっても、表示内容を「今日の目玉商品」などにすることにより、買い物を楽しくさせることができるようになる。
【0109】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ユーザ情報が、自宅住所など所定の住所を示す住所情報を含み、ナビゲーション装置10が、ユーザAが目的地に到着するまでのリスト情報を作成し、目的地を出発地とし、リスト情報が含むPOI情報が示すPOIの位置を経由地とし、住所情報が示す住所を目的地とする推奨移動経路を探索する構成としてもよい。このような構成とすることにより、復路に関する推奨移動経路の提供を迅速に行うことができるようになる。
【0110】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、POI情報の案内禁止条件を記憶する案内禁止条件記憶部を備え、検索した特定エリア情報が含むPOI情報のうち案内禁止条件を満たすPOI情報以外のPOI情報に基づいてリスト情報を作成する構成としてもよい。案内禁止条件は、あらかじめ設定されていてもよいし、ユーザからの指示に応じて設定されるようにしてもよい。この場合、ユーザからの指示に応じて設定される案内禁止条件としては、例えば自宅を中心とした所定範囲内に位置する案内対象物のPOI情報、自宅からの距離が所定距離以内に位置する案内対象物のPOI情報、自宅を含む市区町村の行政区画内に位置する案内対象物のPOI情報、自宅の行政区画に隣接する行政区界や指定された道路区間内に位置する案内対象物のPOI情報などが考えられる。このような構成とすることにより、例えばユーザの自宅周辺など、ユーザがよく知った土地での施設案内を行うことによりユーザに煩わしさなどの不快感を与えてしまうことを回避することができるようになる。
【0111】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、ユーザAによるスライドの選択を受け付けて、受け付けたスライドに対応するPOI情報の詳細情報(例えば、名称や住所、紹介記事など)を表示する構成としてもよい。この場合、例えば、スライドショー表示領域110の表示中、制御部Cが、ユーザAによるスライド表示領域113〜115に表示されたスライドの押下(すなわち、スライド表示部分の押下)を受け付けて、受け付けたスライドに応じたPOI情報を検索し、名称や住所、営業時間、定休日、メニュー、評価情報、紹介記事等を詳細情報として表示画面に表示する構成としてよい。このような構成とすることにより、画面のタッチという簡単な操作でPOIに関する詳細情報を参照することができるようになるので、ユーザが気になったPOI情報へアクセスする可能性を高めることができるようになる。なお、ユーザによるスライドの選択を受け付けた場合、ナビゲーション装置10が、選択を受け付けたスライドに対応するPOIを目的地に設定する構成としてもよい。
【0112】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、スライド表示領域113〜115に関して、ナビゲーション装置10は、基準位置として例えば車両の現在位置など分岐点以外の位置を決定する構成としてもよい。この場合、ナビゲーション装置10は、例えば図11に示すように、車両の現在位置Pを基準にして、距離と角度範囲によりPOIの位置する方向を3つに分類する構成としてもよい。
【0113】
また、ナビゲーション装置10が、POIが位置する方向に基づいて、例えば図12に示すように、車両の現在位置Pから見た場合に正対することとなるような形態でスライド表示領域401〜403を設けるようにしてもよい。
【0114】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、リスト情報に含ませるPOI情報に対して、ユーザの嗜好や情報の有用性(例えば、他のユーザによる利用頻度や、POI自体の有名度など)に基づいて優先度を設定する構成してもよい。この場合、ナビゲーション装置10が、例えば直接ユーザによる表示優先度の設定を受け付ける他、過去にユーザが検索した施設のジャンルを記憶したり、POI情報に対するユーザの評価を受け付けて記憶したりすることで、次回の表示優先度の設定に反映する構成としてもよい。
【0115】
なお、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、スライドショー情報を作成する場合について説明したが、予め特定エリア情報にスライドショー情報が対応付けされている構成としてもよい。すなわち、例えば、特定エリア情報が、スライド番号、枚数、対象POIコード(順番毎に)、およびスライド画像情報(各POIごとに1枚以上)を含むスライドショー情報を含む構成とされていてもよい。このような構成とすることにより、新たにスライドショー情報を作成する場合よりも、スライド表示処理に要する処理負荷を軽減させることができるようになる。
【0116】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、リスト情報に基づくリストを表示した後、ユーザによるリストが含むPOI情報の選択を受け付け、選択を受け付けたPOI情報を地点登録へ移動する構成としてもよい。すなわち、ナビゲーション装置10が、リストが示すPOIのうち、ユーザにより選択されたPOIが位置する箇所を地図情報に基づいて表示される地図上で識別可能に表示する(すなわち、地点登録された地点であることを識別可能に表示する)構成としてもよい。
【0117】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、スライドの再生回数に基づいて、表示する情報を制限する構成としてもよい。この場合、例えば、生活関連情報(例えば、POI情報が有するお奨め情報)は、他の情報(例えば、POI情報が有するスライド情報)に比べて再生回数の上限を大きめに設定する構成としてもよい。また、ナビゲーション装置10が別途用意された検索機能にて利用されたジャンルの履歴情報を考慮する構成としてもよい。すなわち、ナビゲーション装置10が、例えば文字列検索により検索されたことのあるPOI情報が有するスライド情報を、他のスライド情報に優先して表示する構成としてもよい。
【0118】
また、ナビゲーション装置10が、スライドの再生回数に基づいて、表示する情報を制限する構成とする場合、ナビゲーション装置10が、エリア毎のPOI情報の利用回数を、特定の期間単位(例えば、週間単位や複数週単位)で計測(記録)し、特定の期間単位での再生状況に基づいて生活関連または観光関連の情報の表示の必要有無を判断し、判断結果に基づいてスライドショーの実施判断を行う構成としてもよい。この場合、POI情報の少なくとも1部が、生活関連情報としてのお奨め情報の他、観光関連情報を備える構成とすればよい。また、各情報の必要有無の判断基準を、例えば所定の記憶領域に記憶しておく構成とすればよい。このような構成とすることにより、スライドショーの実施に関して、エリアによりメリハリをつけることができ、それに伴うユーザの満足度の上昇を実現することができるようになる。
【0119】
なお、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、走行道路に到着するまでに走行道路に対応する特定エリア情報に基づくスライド表示(例えば、特定エリア内に位置するPOIを示すPOI情報に基づくスライドショー)を行い、スライドの表示中にユーザからの選択を受け付けてリスト情報を作成する場合について説明したが、ナビゲーション装置10が、特定エリア内に位置しているときに、特定エリアに対応する特定エリア情報に基づくスライド表示(例えば、特定エリア内に位置するPOIを示すPOI情報に基づくスライドショー)を行い、スライド表示中にユーザからの選択を受け付けてリスト情報を作成する構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザが、自分の目でPOIを確認しながら、リストにPOIを追加することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、車両の進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、電子地図の表示が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0121】
F1 誘導経路情報記憶部
F2 地図情報記憶部
F3 POI情報記憶部
F4 特定エリア情報記憶部
F5 リスト情報記憶部
F6 ユーザ情報記憶部
10 ナビゲーション装置
11 経路探索部
12 自車位置情報検出部
13 方位情報受付部
14 走行道路特定部
15 情報検索部
16 スライドショー情報作成部
17 リスト情報作成部
18 経路案内部
20 自車位置測位装置
30 出力装置
31 画像表示装置
32 音声出力装置
40 入力装置
100 ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報が示す地図に含まれる特定エリアに関する情報と前記POI情報とを対応付けて特定エリア情報として記憶する特定エリア情報記憶手段と、
前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記移動体の進行方向を特定する進行方向特定手段と、
前記位置検出手段によって検出された現在位置と前記進行方向特定手段により特定された進行方向とから前記移動体が走行する道路を特定する走行道路特定手段と、
前記特定エリア情報記憶手段に記憶された特定エリア情報の中から、前記走行道路特定手段により特定された道路を含む特定エリアを示す特定エリア情報を検索する特定エリア情報検索手段と、
該特定エリア情報検索手段により検索された特定エリア情報に対応するPOI情報が複数ある場合に、該複数のPOI情報を所定の基準に従って順序付けする順序付け手段と、
該順序付け手段により順序付けされたPOI情報を順次前記表示画面に出力するPOI情報出力手段とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記POI情報出力手段により出力されたPOI情報に対するユーザの選択操作を受け付けるPOI情報選択受付手段と、
所定期間内に前記POI情報選択受付手段が選択を受け付けたPOI情報を蓄積することによりユーザにより選択されたPOI情報の一覧を示すリスト情報を作成するリスト情報作成手段と、
該リスト情報作成手段により作成されたリスト情報を前記表示画面に出力するリスト情報出力手段とを含む
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記順序付け手段は、前記特定エリア情報に対応する複数のPOI情報のうち、施設の外観や観光地の景色などの画像を示すスライド情報を含むPOI情報を抽出して順序付けし、
前記POI情報出力手段は、前記順序付け手段により順序付けされたスライド情報が示す画像を前記表示画面に表示する
請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記リスト情報出力手段により出力されたリスト情報に基づく経路案内を行う旨の要求を受け付ける経路案内要求受付手段と、
該経路案内要求受付手段により経路案内を行う旨の要求を受け付けた場合に、前記リスト情報出力手段により出力されたリスト情報に基づく経路案内を行う経路案内手段とを含む
請求項1から請求項3のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記リスト情報作成手段により作成されたリスト情報を記憶するリスト情報記憶手段と、
前記現在位置または前記ユーザによる操作に基づいて、前記リスト情報記憶手段に記憶されたリスト情報の中から前記リスト情報出力手段により出力するリスト情報を特定する出力リスト情報特定手段と、
該出力リスト情報特定手段により特定されたリスト情報と前記ユーザの現在位置とに基づいて、該リスト情報が含むPOI情報が示すPOIを通過する推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段と、
前記リスト情報出力手段によりリスト情報が出力されることに応じて前記推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路を前記表示画面に表示する推奨移動経路表示手段とを含む
請求項2から請求項4のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記特定エリア情報は、1つの特定エリアに関して、観光エリアとしての情報を示す観光エリア情報と、生活エリアとしての情報を示す生活エリア情報とを含み、
ユーザの自宅住所や嗜好などユーザに関する情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
該ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に基づいて、前記特定エリア情報検索手段により検索された特定エリア情報が示す特定エリアが前記ユーザにとって観光エリアなのかまたは生活エリアなのかを判定するエリア属性判定手段とを含み、
前記POI情報出力手段は、前記エリア属性判定手段による判定結果に基づいて出力対象とするPOI情報である対象POI情報を特定する対象POI情報特定手段を有する
請求項1から請求項5のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記POI情報は、日常生活に関わる情報である生活関連情報を含み、
前記リスト情報出力手段は、
前記ユーザ情報に基づいて、出力するリスト情報に対応する特定エリアが前記ユーザにとって生活エリアなのかを判定するリスト判定手段を有し、
該リスト判定手段により前記出力するリスト情報に対応する特定エリアが前記ユーザにとって生活エリアであると判定されたことに応じて、前記出力するリスト情報が含むPOI情報が有する生活関連情報を出力する
請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記ユーザ情報は、自宅住所など所定の住所を示す住所情報を含み、
前記リスト情報作成手段は、前記ユーザが前記目的地に到着するまでのリスト情報を作成し、
前記推奨移動経路探索手段は、前記目的地を出発地とし、前記リスト情報が含むPOI情報が示すPOIの位置を経由地とし、前記住所情報が示す住所を目的地とする推奨移動経路を探索する復路探索手段を有する
請求項6または請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、
前記移動体の進行方向を特定する進行方向特定処理と、
前記位置検出処理にて検出された現在位置と前記進行方向特定処理にて特定された進行方向とから前記移動体が走行する道路を特定する走行道路特定処理と、
道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段に記憶された地図情報が示す地図に含まれる特定エリアに関する情報と案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段に記憶されたPOI情報とを対応付けて特定エリア情報として記憶する特定エリア情報記憶手段に記憶された特定エリア情報の中から、前記走行道路特定処理にて特定された道路を含む特定エリアを示す特定エリア情報を検索する特定エリア情報検索処理と、
該特定エリア情報検索処理にて検索された特定エリア情報に対応するPOI情報が複数ある場合に、該複数のPOI情報を所定の基準に従って順序付けする順序付け処理と、
該順序付け処理にて順序付けされたPOI情報を順次前記表示画面に出力するPOI情報出力処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図9】
image rotate

【図11】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−145432(P2012−145432A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3779(P2011−3779)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】