説明

ナビゲーション装置、および操作メニュー変更方法

【課題】ナビゲーション装置の操作のエンターテイメント性を高めるとともに、ユーザをナビゲーション装置の操作により熟練し易くする。
【解決手段】車両等に搭載されるナビゲーション装置1は、複数のメニュー項目から構成される操作メニューをディスプレイに表示する表示制御部140と、タッチパネル等の入力装置を介して操作メニューに対するユーザの操作を受け付け、メニュー項目の操作回数を操作履歴情報1820に記録するユーザ操作受付部150と、記録された操作回数に応じた熟練レベルを熟練レベル判定情報1830を用いて特定する熟練レベル判定部160と、特定された熟練レベルに応じた新しいメニュー項目を操作メニューに追加する操作メニュー変更部170とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、およびその操作メニュー変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両等に搭載されるナビゲーション装置において、操作メニューに対するユーザの利便性を向上するために、ユーザの習熟度に応じて操作メニューを切り換える技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、操作メニューを表示した表示時間と当該操作メニューに対してユーザが操作指示を行った入力時間とから判断時間を算出し、判断時間に応じた習熟度(初心者、標準者、上級者)を特定し、使用されている操作メニュー構造を習熟度に対応した操作メニュー構造に切り換える車両用ナビゲーション装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−229700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなナビゲーション装置において、習熟度に応じた各操作メニューは、操作メニューを構成する各メニュー項目の配置(階層メニュー構造における階層位置も含む)が互いに異なる。そして、習熟度に応じて異なる構造の操作メニューが表示されることにより、ユーザの利便性は向上する。
【0006】
一方で、上記のような操作メニューにおいては、各メニュー項目の配置が変更されるが、メニュー項目が削除されたり使用できなくなったりしない。そのため、ユーザは、習熟度に係わらずナビゲーション装置の全ての機能を利用することができる。
【0007】
しかしながら、初心者であっても最初から全ての機能を使用することができるため、様々なメニュー操作にチャレンジして習得するといったユーザの積極的な意志を助長することができない。また、最初から全ての機能を使用することができると、メニュー操作に対するユーザの興味を引くことができず、ユーザにとってエンターテイメント性がない。
【0008】
また、全てのメニュー項目が表示されるため、初心者のユーザにとっては、使いこなせない機能のメニュー項目が却って操作の邪魔になる場合がある。
【0009】
本発明は、ナビゲーション装置の操作のエンターテイメント性を高めるとともに、ユーザをナビゲーション装置の操作により熟練し易くするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための装置に係る発明は、ディスプレイに地図情報を表示して経路誘導を行うナビゲーション装置であって、複数のメニュー項目から構成される操作メニューを前記ディスプレイに表示する表示制御手段と、前記操作メニューに対するユーザの操作を受け付けるユーザ操作受付手段と、前記操作の回数を記憶する操作履歴記憶手段と、前記操作回数の増加に応じて、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を増加させる操作メニュー変更手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、上記のナビゲーション装置において、前記操作履歴記憶手段は、前記メニュー項目ごとに前記操作回数を記憶し、前記操作メニュー変更手段は、前記メニュー項目ごとの前記操作回数の増加に応じて、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を増加させること、を特徴とするものであってもよい。
【0012】
また、上記のナビゲーション装置であって、前記メニュー項目ごとに、操作が最後に受け付けられた操作時刻を記憶する操作時刻記憶手段と、前記メニュー項目ごとに、前記操作時刻から所定時間を経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、を有し、前記操作メニュー変更手段は、前記操作時刻から所定時間を経過したと判定された場合に、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を操作不能な項目として指定し、前記表示制御手段は、操作不能として指定された前記メニュー項目を、操作不能な項目であることを示す態様で表示もしくは非表示にすること、を特徴とするものであってもよい。
【0013】
また、上記のナビゲーション装置であって、所定のメニュー項目が増加した場合、もしくは、所定のメニュー項目が操作不能な項目として指定された場合、その旨を示すメッセージをユーザに通知する通知手段、を有すること、を特徴とするものであってもよい。
【0014】
上記の課題を解決するための方法に係る発明は、ディスプレイに地図情報を表示して経路誘導を行うナビゲーション装置における操作メニュー変更方法であって、前記ナビゲーション装置は、複数のメニュー項目から構成される操作メニューを前記ディスプレイに表示する表示制御ステップと、前記操作メニューに対するユーザの操作を受け付けるユーザ操作受付ステップと、前記操作の回数を記憶する操作履歴記憶ステップと、前記操作回数の増加に応じて、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を増加させる操作メニュー変更ステップと、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ナビゲーション装置の操作のエンターテイメント性を高めるとともに、ユーザをナビゲーション装置の操作により熟練し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図。
【図2】ナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】操作メニュー構成情報の構成例を説明するための図。
【図4】操作履歴情報の構成例を説明するための図。
【図5】操作メニュー構成情報の構成例を説明するための図。
【図6】操作メニューの変更を行う処理の流れを示すフロー図。
【図7】本発明の一実施形態の変形例に係る、操作メニューの変更を行う処理の流れを示すフロー図。
【図8】操作メニューの表示の遷移例を示す図(その1)。
【図9】操作メニューの表示の遷移例を示す図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【0019】
ナビゲーション装置1は、車両などに搭載され、地図情報、経路情報、渋滞情報などの交通情報を表示してユーザを誘導するナビゲーション処理を行うための装置である。
【0020】
もちろん、ナビゲーション装置1は、車両に備え付けられたものでなくてもよく、例えば、持ち運び可能なPND(Personal Navigation Device)などであってもよい。また、車内LAN(Local Area Network)、CAN(Controller Area Network)などの車内通信回線を介して他の車載機器(例えば、オーディオやエアコン)やセンサなどと通信を行ってもよい。
【0021】
ナビゲーション装置1は、演算処理部10、表示装置20、入力装置30(タッチパネル31、各種ハードスイッチ32)、音声入出力装置40(スピーカ41、マイクロフォン42)、記憶装置50、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS(Global Positioning System)受信装置64、FM多重放送受信装置66、ビーコン受信装置68を有する。
【0022】
もちろん、ナビゲーション装置1は、上記の構成に限られず、例えば、地上デジタル放送用のチューナーや、携帯電話回線やインターネットなどの通信ネットワークと接続する通信装置を有していてもよい。
【0023】
演算処理部10は、上記の各装置を制御し、様々な処理を行う中心的ユニットである。演算処理部10は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)11と、実行するプログラムや必要なデータを格納するRAM(Random Access Memory)12やROM(Read Only Memory)13などのメモリと、他の装置を通信により制御するためのインタフェース(I/F)14とが、信号線15により接続されて構成される。
【0024】
演算処理部10は、例えば、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS受信装置64から出力される情報を用いて現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報を記憶装置50から読み出す。
【0025】
また、演算処理部10は、読み出した地図情報をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねて表示装置20へ表示する。また、地図情報を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を算出して、表示装置20へ表示する。
【0026】
また、演算処理部10は、例えば、スピーカ41を介してユーザを誘導するための音声や操作音を出力する。また、マイクロフォン42や入力装置30を介してユーザの要求を受け付け、要求に対応する処理を実行する。
【0027】
また、演算処理部10は、例えば、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して、情報センターから交通情報などを受信して表示装置20へ表示する。
【0028】
表示装置20は、演算処理部10で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。表示装置20は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0029】
入力装置30は、ユーザの指示をユーザの操作により受け付けるための装置である。入力装置30は、タッチパネル31、各種ハードスイッチ32などで構成される。
【0030】
タッチパネル31は、表示装置20の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル31は、表示装置20に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して演算処理部10に出力する。タッチパネル31は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0031】
各種ハードスイッチ32は、例えば、ボタンキー(ボタンスイッチ)、ダイヤルスイッチ、スクロールホイール、スライドバー(スライドスイッチ)、ジョイスティックなどである。
【0032】
ボタンキーは、例えば、メニュー表示、ルート探索、決定、取り消しなど、予め割り当てられた所定の機能を実行するために使用される。また、文字などを入力するために使用される。各ボタンキーは、押下された状態で所定の信号を発生し、演算処理部10に出力する。演算処理部10では、出力された信号から、押下されたボタンキーを検知する。
【0033】
ダイヤルスイッチは、例えば、ナビゲーション装置1が実行する各種機能のメニュー選択などに使用される。ダイヤルスイッチは、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部10に出力する。演算処理部10では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチの回転角度を求める。
【0034】
スクロールホイールは、例えば、表示装置20に表示される地図のスクロールなどに使用される。地図の拡大や縮小に使用されてもよい。スクロールホイールは、ダイヤルスイッチと同様に構成されることができる。
【0035】
スライドバーは、例えば、表示装置20に表示される地図の拡大や縮小に使用される。スライドバーは、レバーを所定の2方向にスライド可能に構成され、レバーの位置に応じた信号(例えば、電圧)を発生し、演算処理部10に出力する。演算処理部10では、出力された信号から、レバーの位置を検知する。
【0036】
ジョイスティックは、例えば、表示装置20に表示される地図のスクロールなどに使用される。地図の拡大や縮小に使用されてもよい。また、各種機能のメニュー選択などに使用されてもよい。ジョイスティックは、レバーが傾けられた所定の方向ごとに所定の信号を発生し、演算処理部10に出力する。演算処理部10では、出力された信号から、レバーが傾けられた方向を検知する。
【0037】
もちろん、各種ハードスイッチ32は上記に限られない。また、各種ハードスイッチ32の構成は上記に限られない。
【0038】
音声入出力装置40は、音声出力装置としてスピーカ41と、音声入力装置としてマイクロフォン42とを備える。スピーカ41は、演算処理部10で生成された音声信号を出力する。マイクロフォン42は、ユーザその他の搭乗者から発せられた音声などの、ナビゲーション装置1の外部の音声を取得する。
【0039】
スピーカ41とマイクロフォン42とは、車両の所定の部位に、別個に配置されている。もちろん、スピーカ41とマイクロフォン42とは、一体の筐体に収納されていてもよい。また、ナビゲーション装置1は、スピーカ41およびマイクロフォン42を、それぞれ複数備えることができる。
【0040】
記憶装置50には、演算処理部10が各種処理を実行するために必要な、プログラムやデータ、ナビゲーション処理に使用される地図情報、音声認識に使用される音声辞書などが格納される。演算処理部10のCPU11によってRAM12上に読み出されて使用される。記憶装置50は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD-ROMなどにより構成される。
【0041】
車速センサ60、ジャイロセンサ62、及び、GPS受信装置64は、移動体(ナビゲーション装置1)の現在位置(自車位置)などを検出するために使用される。
【0042】
車速センサ60は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ62は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置64は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在位置や進行速度を測定する。
【0043】
上記のようにして検出されたデータは、演算処理部10に送られて、ナビゲーション処理に使用される。もちろん、各種センサは、車内LANやCANを介してナビゲーション装置1と接続されていてもよい。
【0044】
FM多重放送受信装置66は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などや、FM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0045】
ビーコン受信装置68は、ビーコンから送られてくる渋滞情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0046】
図2は、ナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図である。
【0047】
本図に示すように、ナビゲーション装置1は、主制御部110、現在地算出部120、経路探索部130、表示制御部140、ユーザ操作受付部150、熟練レベル判定部160、操作メニュー変更部170、記憶部180を有する。記憶部180は、地図情報(図示せず)、操作メニュー構成情報1810、操作履歴情報1820、熟練レベル判定情報1830を有する。
【0048】
主制御部110、現在地算出部120、経路探索部130、表示制御部140、ユーザ操作受付部150、熟練レベル判定部160、操作メニュー変更部170は、演算処理部10のCPU11が、記憶装置50やROM13から、所定のプログラムやデータをRAM12上にロードして実行することにより構築される。記憶部180は、記憶装置50やRAM12により構築される。
【0049】
主制御部110は、ナビゲーション装置1の本来の基本動作であるナビゲーション処理(例えば、交通情報の表示、現在位置の表示、経路の表示、経路誘導等)を行う。
【0050】
具体的には、主制御部110は、現在地算出部120が算出した現在地周辺の地図情報を記憶部180から読み出す。そして、読み出した地図情報に現在地情報を重ねて表示するように表示制御部140に指示する。
【0051】
また、主制御部110は、経路探索部130が算出した経路情報がある場合は、その経路を表示するように表示制御部140に指示する。FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して取得した交通情報を表示するようにしてもよい。また、主制御部110は、スピーカ41を用いてユーザを案内する音声を出力する。
【0052】
また、主制御部110は、ユーザ操作受付部150を介して受け付けたユーザの操作に対応する処理を行う。すなわち、主制御部110は、タッチパネル31や各種ハードスイッチ32の操作をユーザ操作受付部150を介して受け付け、操作されたメニュー項目やアイコン、ハードスイッチ32に対応付けられた各種機能を実行する。そして、実行結果を表示するように表示制御部140に指示する。例えば、主制御部110は、操作メニューの切り換え、地図のスクロール、地図の拡大縮小、経路探索などを制御する。
【0053】
ここで、操作メニューの表示制御方法について説明する。以下では、階層構造の操作メニューを例に説明する。
【0054】
主制御部110は、例えば、図3に示すような、操作メニュー構成情報1810を用いて、操作メニューの表示を行うように表示制御部140に指示する。
【0055】
操作メニュー構成情報1810は、複数の操作メニュー(例えば、A1、B1、B2、C1、C2)を有する。各操作メニューは、メニュー項目ID1811ごとに、ON/OFF情報1812が対応付けられて構成される。
【0056】
メニュー項目ID1811は、操作メニューを構成するメニュー項目を識別するための情報である。メニュー項目ID1811は、各操作メニューに少なくとも1つ以上含まれる。
【0057】
また、メニュー項目ID1811は、下の階層の操作メニューと関連付けられている。これにより、主制御部110は、メニュー項目が操作された場合に、次に表示すべき操作メニューを特定することができる。
【0058】
例えば、操作メニューA1のメニュー項目「ナビ」が操作された場合、主制御部110は、当該メニュー項目に関連付けられた操作メニューB1を表示させることができる。なお、他の操作メニューと関連付けられていないメニュー項目、例えば、最下位階層のメニュー項目が操作された場合、主制御部110は、当該メニュー項目に割り当てられた機能を実行する。
【0059】
ON/OFF情報1812は、対応付けられたメニュー項目ID1811のメニュー項目が、有効か否か、すなわち、操作メニューに含めて表示するか否かを示す情報である。ON/OFF情報1812を用いて、主制御部110は、操作メニューに表示すべきメニュー項目を特定する。すなわち、ON/OFF情報1812がONであるメニュー項目が表示され、OFFであるメニュー項目は表示されない。
【0060】
もちろん、操作メニューの表示制御方法は上記に限られない。
【0061】
図2に戻って、現在地算出部120は、所定の間隔毎(例えば、所定距離毎、所定時間毎)に、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS受信装置64から出力される情報を用いて現在地を算出する。算出された現在地情報は、主制御部110、経路探索部130などに送られてそれらの処理に使用される。
【0062】
経路探索部130は、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ推奨経路の探索を行う。
【0063】
具体的には、経路探索部130は、まず、ユーザ操作受付部150を介してユーザにより指定された目的地を取得する。また、現在地算出部120から現在地を取得する。また、地図情報を記憶部180から読み出す。そして、ダイクストラ法等を用いて、2地点(現在地と目的地)間を結ぶ経路を、所定の地点(ノード)を結ぶ道路(リンク)をリンクコスト(例えば、距離や旅行時間)に換算して、経路上の総コストが他の経路に対して最少となる経路を探索する。
【0064】
なお、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して取得した交通情報を用いて最適な経路を探索するようにしてもよい。
【0065】
表示制御部140は、他の機能部の指示を受け付け、表示装置20に画面を表示させるための描画コマンドを生成して出力する。例えば、指定されたスケール、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、経由地、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。また、ユーザの指示を受け付けるためのアイコンや操作メニューなどの画像を描画するように描画コマンドを生成する。
【0066】
ユーザ操作受付部150は、入力装置30を介して入力されたユーザの操作を受け付け、その操作内容を解析し、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。また、マイクロフォン42を介して入力された音声から、音声認識により対応する操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。
【0067】
例えば、表示装置20に表示された操作メニュー上のメニュー項目の操作を検出した場合、ユーザ操作受付部150は、主制御部110に、操作されたメニュー項目の内容を出力し、当該メニュー項目に割り当てられた機能を実行するように要求する。例えば、操作メニューの階層の切り替えや、目的地の設定を受け付けるための画面を表示などの処理を要求する。同様に、各種ハードスイッチ32の操作を検出したときも、ユーザ操作受付部150は、主制御部110に、操作内容を出力し、対応する機能を実行するように要求する。
【0068】
また、ユーザ操作受付部150は、操作されたメニュー項目の履歴を記録する。具体的には、ユーザ操作受付部150は、メニュー項目ごとに、操作された回数(例えば、タッチされた回数)を、操作履歴情報1820として記録する。
【0069】
操作履歴情報1820は、例えば、図4に示すように、メニュー項目ID1821ごとに、その操作回数1822が対応付けられて構成される。操作履歴情報1820には、階層関係に係わらず、操作メニューを構成する全てのメニュー項目のメニュー項目ID1821が含まれる。もちろん、操作履歴情報1820の構成は上記に限られない。
【0070】
図2に戻って、熟練レベル判定部160は、所定の条件に基づいて、メニュー操作に対するユーザの熟練レベルを判定する。具体的には、熟練レベル判定部160は、操作履歴情報1820と、熟練レベル判定情報1830とを用いて、ユーザの熟練レベルを判定する。
【0071】
熟練レベル判定情報1830は、所定の条件に対応する熟練レベルと、その熟練レベルに応じた操作メニューの設定内容を特定するための情報である。熟練レベル判定情報1830は、例えば、図5に示すように、所定の条件1831ごとに、設定内容1835と熟練レベル1838とが対応付けられて構成される。
【0072】
条件1831は、メニュー項目ごとの熟練レベルを判定するための条件を示す情報である。条件1831は、メニュー項目ID1832と、操作回数1833とを含む。操作回数1833は、メニュー項目ごとの熟練レベルに対応する操作回数の閾値を示す情報である。なお、操作回数が多いほど熟練レベルが高いものとする。
【0073】
設定内容1835は、メニュー項目ごとの熟練レベルに対応する操作メニューの設定内容を示す情報である。設定内容1835は、メニュー項目ID1836と、ON/OFF情報1837とを含む。ON/OFF情報1837は、対応付けられたメニュー項目ID1836のメニュー項目を、操作メニューに含めて表示するか否かを示す情報である。
【0074】
熟練レベル1838は、条件1831に対応するユーザの熟練レベルを示す情報である。
【0075】
熟練レベル判定部160は、操作が行われたメニュー項目の操作履歴情報1820を取得し、条件1831と比較を行うことにより、当該メニュー項目の熟練レベル1838を判定する。また、熟練レベルに対応する操作メニューの設定内容1835を特定する。
【0076】
図2に戻って、操作メニュー変更部170は、熟練レベル判定部160により特定された熟練レベルに応じて、操作メニューの構成を変更する。
【0077】
具体的には、操作メニュー変更部170は、熟練レベル判定情報1830を参照し、特定された熟練レベル1838に対応する設定内容1835を取得する。そして、取得した設定内容1835に含まれるメニュー項目ID1836と対応する、メニュー項目ID1811を操作メニュー構成情報1810の中から特定する。それから、特定したメニュー項目ID1811に対応付けられたON/OFF情報1812の設定値を、取得した設定内容1835に含まれるON/OFF情報1837と同じ値に変更する。
【0078】
本実施形態では、各メニュー項目のユーザの熟練レベルは初期値としてレベル1(レベル1未満のレベルはないものとする)が設定される。各メニュー項目の熟練レベルは、例えば、記憶部180などに保持される。レベル1では、予め定めたメニュー項目(例えば、初心者にとって必要最低限のメニュー項目)以外のメニュー項目のON/OFF情報1812は、OFFに設定される。
【0079】
そして、各メニュー項目の操作回数が増加して熟練レベルが上がるに従って、所定のメニュー項目がONに設定されるように、設定内容1835が構成される。すなわち、レベルが上がるに連れてメニュー項目が増加するように構成される。
【0080】
もちろん、上級者にとって不要なメニュー項目が削除されるように設定してもよい。この場合、所定のメニュー項目がOFFになるように設定内容1835が構成される。
【0081】
次に、上述のハードウェアおよび機能部により実現される処理について、図6を参照して説明する。
【0082】
図6は、操作メニューの変更を行う処理の流れを示すフロー図である。本フローは、ナビゲーション装置1の起動後に開始される。
【0083】
本フローが開始されると、ユーザ操作受付部150は、ユーザの操作があったか否かを監視する(S100)。
【0084】
具体的には、ユーザ操作受付部150は、入力装置30を介して、表示装置20に表示された操作メニュー上のメニュー項目の操作(タッチによる選択や、ハードスイッチによる選択など)がされた否かを定期的に判定する。そして、ユーザの操作があったと判定した場合(S100でYES)、S110に進む。一方、ユーザの操作がないと判定した場合(S100でNO)、監視を継続する。
【0085】
ユーザの操作があったと判定された場合(S100でYES)、ユーザ操作受付部150は、操作されたメニュー項目の操作回数をカウントアップする(S110)。具体的には、ユーザ操作受付部150は、操作されたメニュー項目のメニュー項目IDを用いて、当該メニュー項目の操作履歴情報1820を特定し、操作回数1822を1回分カウントアップする。そして、S120に進む。
【0086】
操作されたメニュー項目の操作回数がカウントされると(S110)、熟練レベル判定部160は、ユーザの熟練レベルを判定する(S120)。
【0087】
具体的には、熟練レベル判定部160は、操作されたメニュー項目のメニュー項目ID1821と操作回数1822とを取得し、熟練レベル判定情報1830の各エントリの条件1831(メニュー項目ID1832、操作回数1833)との比較を行う。そして、条件が一致するエントリを特定する。
【0088】
それから、熟練レベル判定部160は、操作されたメニュー項目について現在設定されている熟練レベルと、特定したエントリの熟練レベル1838とを比較する。なお、各メニュー項目に設定されている熟練レベルは、例えば、記憶部180などに保持されている。そして、2つのレベルの値が異なると判定した場合(S120で「レベルアップ」)、レベルが上がったものとしてS130に進む。一方、2つのレベルの値が同じであると判定した場合(S120で「レベル変更なし」)、レベルに変更がないものとしてS140に進む。
【0089】
ユーザの熟練レベルが上がったと判定された場合(S120で「レベルアップ」)、操作メニュー変更部170は、操作メニューの変更を行う(S130)。
【0090】
具体的には、操作メニュー変更部170は、特定されたエントリ(S120)の設定内容1835を取得する。そして、取得した設定内容1835のメニュー項目ID1836と対応する、操作メニュー構成情報1810のメニュー項目ID1811を特定する。それから、特定したメニュー項目ID1811に対応付けられたON/OFF情報1812の設定値を、取得した設定内容1835のON/OFF情報1837と同じ値に変更する。また、現在設定されている熟練レベルを、特定されたエントリの熟練レベル1838に変更する。そして、S140に進む。
【0091】
ユーザの熟練レベルに変更がないと判定された場合(S120で「レベル変更なし」)、または、操作メニューが変更された場合(S130)、主制御部110は、操作メニューの表示処理を行う(S140)。
【0092】
具体的には、主制御部110は、操作メニュー構成情報1810を参照し、操作されたメニュー項目(S100でYES)のメニュー項目ID1811に関連付けられた、下の階層の操作メニューを特定する。そして、主制御部110は、特定した操作メニューを構成する各メニュー項目ID1811のうち、ON/OFF情報1812がONであるメニュー項目ID1811を特定する。それから、主制御部110は、特定したメニュー項目ID1811に対応するメニュー項目から構成される操作メニューを表示するように、表示制御部140に指示する。そして、S100に戻る。
【0093】
ここで、図8、9を参照して、操作メニューの表示例について説明する。図8、9は、操作メニューの表示の遷移例を示す図である。
【0094】
図8(A)に示すように、表示装置20の表示画面には、地図800、現在地マーク802、経路シンボル803などの各種情報が表示される。また、操作メニュー810が表示される。操作メニュー810には、各種メニュー項目811が含まれる。
【0095】
図8(A)は、操作メニュー構成情報1810の操作メニューA1(図3参照)に従って、操作メニュー810が表示された状態を示している。操作メニューA1を構成する各メニュー項目ID1811(「ナビ」、「オーディオ」、「エアコン」)のON/OFF情報1812は、全てONとなっている。そのため、各メニュー項目ID1811に対応するメニュー項目811(「ナビ」、「オーディオ」、「エアコン」)が表示されている。
【0096】
図8(A)の状態で、例えば、メニュー項目「ナビ」が選択され、かつ、熟練レベルに変更がないと判定された場合、操作メニューは図8(B)のように表示される。
【0097】
図8(B)は、操作メニュー構成情報1810の操作メニューB1(図3参照)に従って、操作メニュー820が表示された状態を示している。この場合、操作メニューB1を構成する各メニュー項目ID1811(「目的地」、「情報表示」、「設定」)のON/OFF情報1812は、一部がONとなっている。そのため、各メニュー項目ID1811のうち、ONであるメニュー項目に対応するメニュー項目821(「目的地」)が表示されている。
【0098】
図8(B)の状態で、例えば、メニュー項目「目的地」が選択され、かつ、熟練レベルに変更がないと判定された場合、操作メニューは図8(C)のように表示される。
【0099】
図8(C)は、操作メニュー構成情報1810の操作メニューC1(図3参照)に従って、操作メニュー830が表示された状態を示している。この場合、操作メニューC1を構成する各メニュー項目ID1811(「登録地」、「施設」、「50音」)のON/OFF情報1812は、一部がONとなっている。そのため、各メニュー項目ID1811のうち、ONであるメニュー項目に対応するメニュー項目831(「施設」、「50音」)のONが表示されている。
【0100】
一方、図8(A)の状態で、例えば、メニュー項目「ナビ」が選択され、かつ、熟練レベルがレベル2に上がったと判定された場合(図5参照)、操作メニューは図9(D)のように表示される。
【0101】
図9(D)は、操作メニュー構成情報1810の操作メニューB1(図3参照)に従って、操作メニュー820が表示された状態を示している。ここで、熟練レベルがレベル2に上がったと判定されているため、操作メニューB1を構成する各メニュー項目ID1811(「情報表示」、「設定」)のON/OFF情報1812は、熟練レベル判定情報1830に従って、ONに設定される(図示せず)。そのため、各メニュー項目ID1811のうち、ONであるメニュー項目に対応するメニュー項目821(「目的地」、「情報表示」、「設定」)が表示されている。
【0102】
ここで、主制御部110は、例えば、図9(D)に示すように、追加したメニュー項目を、新しいメニュー項目であることをユーザが認識できる態様で表示するようにしてもよい。例えば、他のメニュー項目よりも明るく表示したり、形状を変化させて表示したりすることができる。
【0103】
また、主制御部110は、「新機能が使えるようになりました!」などと、新しいメニュー項目が追加されたことを通知するメッセージ850を表示したり、メッセージをスピーカ41から出力したりするようにしてもよい。また、操作メニューやメッセージなどのウィンドウやアイコンなどの外観のデザイン(例えば、「スキン」などと呼ばれる。)を変更するようにしてもよい。
【0104】
図9(D)の状態で、例えば、メニュー項目「目的地」が選択され、かつ、熟練レベルがレベル2に上がったと判定された場合(図5参照)、操作メニューは図9(E)のように表示される。
【0105】
図9(E)は、操作メニュー構成情報1810の操作メニューC1(図3参照)に従って、操作メニュー830が表示された状態を示している。ここで、熟練レベルがレベル2上がったと判定されているため、操作メニューC1を構成するメニュー項目ID1811(「登録地」)のON/OFF情報1812は、熟練レベル判定情報1830に従って、ONに設定される(図示せず)。そのため、各メニュー項目ID1811のうち、ONであるメニュー項目に対応するメニュー項目831(「登録地」、「施設」、「50音」)が表示されている。
【0106】
なお、主制御部110は、図9(D)の状態と同様に、新しいメニュー項目の態様を変化させて表示したり、メッセージ850を表示したりすることができる。また、スキンを変更したりすることができる。
【0107】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態によれば、ナビゲーション装置の操作のエンターテイメント性を高めるとともに、ユーザをナビゲーション装置の操作により熟練し易くすることができる。
【0108】
すなわち、操作回数に応じた熟練レベルが上がるに従って、ユーザが操作可能なメニュー項目(機能)が増加する。このような構成により、ユーザは、現在使用可能な機能の操作に熟練しなければ、新しい機能を使用することができない。そのため、ユーザは、現在使用可能な機能から順に熟練されることができる。
【0109】
また、現在使用可能な機能の操作に熟練しないと、ユーザは新しい機能を使用できないため、様々な機能の操作にチャレンジして習得するといったユーザの積極的な意志を助長することができる。また、ナビゲーション装置の操作に対するユーザの興味を引くことができ、エンターテイメント性が高まる。
【0110】
また、ユーザが熟練するに従ってナビゲーション装置の機能が増加していくため、エンターテイメント性が高まる。また、ナビゲーション装置の機能の増加とともにユーザ自身も熟練するため、ナビゲーション装置に対する愛着がわくというようなエンターテイメント性が高まる。
【0111】
また、最初から全てのメニュー項目が表示されないため、初心者のユーザにとって、使いこなせない機能のメニュー項目が操作の邪魔になる状況を防ぐことができる。
【0112】
なお、上記の実施形態では、メニュー項目ごとに、操作回数を記録し、熟練レベルを判定するように構成されているが、全メニュー項目の操作回数の合計値を記録し、その合計値に応じて所定のメニュー項目を増減させるように構成されてもよい。
【0113】
また、複数のメニュー項目から成る所定の機能グループ(例えば、「ナビ」、「オーディオ」など)ごとに操作回数の合計値を記録し、その合計値に応じて、各機能グループの所定のメニュー項目を増減させるように構成されてもよい。
【0114】
また、上記の実施形態では、操作されたメニュー項目に関連付けられた下位の階層の操作メニューのメニュー項目が増減するように構成されているが、操作されたメニュー項目の属する階層や、操作されたメニュー項目の上位の階層のメニュー項目が増減するように構成されていても良い。また、操作されたメニュー項目と直接関連付けられていない他の階層のメニュー項目が増減するように構成されてもよい。これらの場合も、熟練レベル判定情報1830の設定内容1835に、増減させるべきメニュー項目のメニュー項目ID1835を予め設定しておけば良い。
【0115】
例えば、図3のメニュー構成において、操作メニューA1のメニュー項目「ナビ」に関連付けられた、操作メニューB1のメニュー項目「設定」の熟練レベルが所定のレベルに上がった場合に、操作メニューA1のメニュー項目「オーディオ」や「エアコン」に関連付けられた操作メニューのメニュー項目が増加するように、熟練レベル判定情報1830を構成する。このようにすれば、ユーザのレベルアップに応じて、操作方法が類似する所定のメニュー項目を増加させることができる。
【0116】
次に、上記の一実施形態の変形例について説明する。本変形例は、所定の条件に応じてメニュー項目の使用を制限する構成である。以下、上記の一実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0117】
本変形例では、メニュー項目ごとに操作時刻が記録される。操作時刻は、例えば、各メニュー項目の操作履歴情報1820に対応付けて記録されることができる(図示せず)。
【0118】
ユーザ操作受付部150は、操作されたメニュー項目の操作時刻を、操作履歴情報1820として記録する。
【0119】
熟練レベル判定部160は、各メニュー項目について、そのメニュー項目が最後に操作された操作時刻から所定時間(例えば、1ヶ月)経過したか否かを、定期的に監視する。そして、所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間は、メニュー項目ごとに定められてもよい。
【0120】
操作メニュー変更部170は、最後に操作されてから所定時間を経過したメニュー項目について、熟練レベルを下げ、所定のメニュー項目を使用できないように制限する。
【0121】
図7は、変形例に係る、操作メニューの変更を行う処理の流れを示すフロー図である。本フローは、ナビゲーション装置1の起動後に開始される。
【0122】
上記の一実施形態(図6参照)と異なる点は、S100がS110´となっている点、S105、S135が追加されている点である。
【0123】
ユーザの操作があったと判定された場合(S100でYES)、ユーザ操作受付部150は、操作されたメニュー項目の操作時刻を記録し、また、操作回数をカウントアップする(S110´)。具体的には、ユーザ操作受付部150は、操作されたメニュー項目のメニュー項目IDを用いて、当該メニュー項目の操作履歴情報1820を特定し、操作時刻を記録する。また、操作回数1822を1回分カウントアップする。そして、S120に進む。
【0124】
ユーザの操作がないと判定された場合(S100でNO)、熟練レベル判定部160は、各メニュー項目について、最後に操作された操作時刻から所定時間が経過したか否かを判定する(S105)。
【0125】
具体的には、熟練レベル判定部160は、操作履歴情報1820を参照して、各メニュー項目の操作時刻を取得する。そして、現在時刻と操作時刻の差分から、所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間を経過したメニュー項目があると判定した場合(S105でYES(レベルダウン))、熟練レベルが下がったものとしてS135に進む。一方、所定時間を経過したメニュー項目がないと判定した場合(S105でNO)、S100に戻る。
【0126】
所定時間を経過したメニュー項目があると判定された場合(S105でYES(レベルダウン))、操作メニュー変更部170は、操作メニューの制限を行う(S135)。
【0127】
具体的には、操作メニュー変更部170は、所定時間を経過したメニュー項目について現在設定されている熟練レベルを、所定数(例えば、1レベル)下げる。すなわち、操作メニュー変更部170は、まず、熟練レベル判定情報1830を参照して、所定時間を経過したメニュー項目のメニュー項目IDと一致するメニュー項目ID1832を有するエントリのうち、現在設定されている熟練レベルと一致する熟練レベル1838を有するエントリを特定する。また、特定したエントリの設定内容1835を取得する。
【0128】
そして、操作メニュー変更部170は、取得した設定内容1835のメニュー項目ID1836と対応する、メニュー項目ID1811を操作メニュー構成情報1810の中から特定する。それから、特定したメニュー項目ID1811に対応付けられたON/OFF情報1812の設定値を、制限されていることを示す値に設定する。もちろん、OFFに設定するようにしてもよい。そして、S140に進む。
【0129】
なお、操作メニュー変更部170は、熟練レベルを下げたメニュー項目について、そのレベルに対応する条件1831の操作回数1833に合致するように、操作履歴情報1820の操作回数1822を設定する。例えば、熟練レベルがレベル2から1に下がった場合(図5参照)、操作回数1822を50回以上100回未満の値にリセットする。
【0130】
例えば、図9(E)に示すように、メニュー項目「登録地」が使用可能になった状態で、メニュー項目「目的地」が所定時間操作されず、熟練レベルがレベル1に下がったと判定された場合(図5参照)、操作メニューは図9(F)のように表示される。
【0131】
図9(F)は、操作メニュー構成情報1810の操作メニューC1(図3参照)に従って、操作メニュー830が表示された状態を示している。ここで、メニュー項目「目的地」の熟練レベルがレベル1に下がったと判定されているため、操作メニューC1を構成するメニュー項目ID1811(「登録地」)のON/OFF情報1812は、熟練レベル判定情報1830に従って、制限されていることを示す値に設定される。
【0132】
そのため、各メニュー項目ID1811のうち、制限されていることを示す値が設定されているメニュー項目に対応するメニュー項目831(「登録地」)が、操作が制限されていることをユーザが認識できる態様で(例えば、色をトーンダウンして)表示されている。OFFに設定されている場合は、メニュー項目を消去してもよい。
【0133】
ここで、主制御部110は、「一部の機能が使えなくなりました!」などと、一部のメニュー項目の使用が制限されたことを通知するメッセージ852を表示したり、メッセージをスピーカ41から出力したりするようにしてもよい。また、操作メニューやメッセージなどのウィンドウやアイコンなどのスキンを変更するようにしてもよい。
【0134】
以上、本発明の一実施形態の変形例について説明した。本変形例によれば、上記の実施形態より増して、ナビゲーション装置の操作のエンターテイメント性を高めるとともに、ユーザをナビゲーション装置の操作により熟練し易くすることができる。
【0135】
すなわち、所定時間使用されないメニュー項目(機能)については、使用できないように操作が制限される。そして、ユーザは、操作が制限された機能を使用するためには、再び熟練レベルを上げる必要がある。そのため、ユーザは、所定の期間操作を行わないことにより熟練レベルが下がった場合に、現在使用可能な機能から順に、再度熟練されることができる。
【0136】
また、現在使用可能な機能の操作に熟練しないと、ユーザは、熟練レベルが下がる前に使用可能であった機能を使用できないため、様々な操作を再習得するといったユーザの積極的な意志を助長することができる。また、ナビゲーション装置の操作に対するユーザの興味を引くことができ、エンターテイメント性が高まる。
【0137】
また、ユーザの熟練レベルに応じて、ナビゲーション装置の機能が増減するため、エンターテイメント性が高まる。
【0138】
また、操作する頻度が低い機能のメニュー項目は使用できなくなるため、ユーザにとって、使わない機能のメニュー項目が操作の邪魔になる状況を防ぐことができる。
【0139】
なお、上記の変形例では、所定時間操作がされていないメニュー項目に関連付けられた下位の階層のメニュー項目の使用が制限されるように構成されているが、所定時間操作がされていないメニュー項目自体や、当該メニュー項目の属する階層の他のメニュー項目や、当該メニュー項目の上位の階層のメニュー項目の使用が制限されるように構成されてもよい。また、所定時間操作がされていないメニュー項目と直接関連付けられていない他の階層のメニュー項目の使用が制限されるように構成されてもよい。
【0140】
以上、本発明について、例示的な実施形態と関連させて記載した。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかであることは明白である。したがって、上に記載の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。
【符号の説明】
【0141】
1:ナビゲーション装置、10:演算処理部、11:CPU、12:RAM、13:ROM、14:I/F、15:信号線、20:表示装置、30:入力装置、31:タッチパネル、32:ハードスイッチ、40:音声入出力装置、41:スピーカ、42:マイクロフォン、50:記憶装置、60:車速センサ、62:ジャイロセンサ、64:GPS受信装置、66:FM多重放送受信装置、68:ビーコン受信装置、
110:主制御部、120:現在地算出部、130:経路探索部、140:表示制御部、150:操作受付部、160:熟練レベル判定部、170:操作メニュー変更部、180:記憶部、
1810:操作メニュー構成情報、1811:メニュー項目ID、1812:ON/OFF情報、
1820:操作履歴情報、1821:メニュー項目ID、1822:操作回数、
1830:熟練レベル判定情報、1831:条件、1832:メニュー項目ID、1833:操作回数、1835:設定内容、1836:メニュー項目ID、1837:ON/OFF情報、1838:熟練レベル、
800:地図、802:現在地マーク、803:経路シンボル、810:操作メニュー、811:メニュー項目、820:操作メニュー、821:メニュー項目、830:操作メニュー、831:メニュー項目、850:メッセージ、852:メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイに地図情報を表示して経路誘導を行うナビゲーション装置であって、
複数のメニュー項目から構成される操作メニューを前記ディスプレイに表示する表示制御手段と、
前記操作メニューに対するユーザの操作を受け付けるユーザ操作受付手段と、
前記操作の回数を記憶する操作履歴記憶手段と、
前記操作回数の増加に応じて、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を増加させる操作メニュー変更手段と、を有すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記操作履歴記憶手段は、
前記メニュー項目ごとに前記操作回数を記憶し、
前記操作メニュー変更手段は、
前記メニュー項目ごとの前記操作回数の増加に応じて、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を増加させること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置であって、
前記メニュー項目ごとに、操作が最後に受け付けられた操作時刻を記憶する操作時刻記憶手段と、
前記メニュー項目ごとに、前記操作時刻から所定時間を経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、を有し、
前記操作メニュー変更手段は、
前記操作時刻から所定時間を経過したと判定された場合に、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を操作不能な項目として指定し、
前記表示制御手段は、
操作不能として指定された前記メニュー項目を、操作不能な項目であることを示す態様で表示もしくは非表示にすること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置であって、
所定のメニュー項目が増加した場合、もしくは、所定のメニュー項目が操作不能な項目として指定された場合、その旨を示すメッセージをユーザに通知する通知手段、を有すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
ディスプレイに地図情報を表示して経路誘導を行うナビゲーション装置における操作メニュー変更方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
複数のメニュー項目から構成される操作メニューを前記ディスプレイに表示する表示制御ステップと、
前記操作メニューに対するユーザの操作を受け付けるユーザ操作受付ステップと、
前記操作の回数を記憶する操作履歴記憶ステップと、
前記操作回数の増加に応じて、前記操作メニューを構成する所定のメニュー項目を増加させる操作メニュー変更ステップと、を行うこと、
を特徴とする操作メニュー変更方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−75525(P2011−75525A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230254(P2009−230254)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】