説明

ナビゲーション装置、その方法及びそのプログラム

【課題】事故発生からの経過時間に応じて事故アイコンの表示態様を変化させて表示することにより、事故アイコンを一瞥するだけで正確に交通状況を把握でき、安全で円滑な走行環境の実現に寄与するナビゲーション装置、方法及びナビゲーションプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置では、VICS情報に含まれる事故情報に基づき正方形状の事故アイコン13a〜13cをディスプレイ装置2に表示するとき、アイコンサイズ選択部15により事故アイコン13a、13b、13cというように、アイコンの外観上の大きさを3段階に変えるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から受信した事故情報に基づいて事故アイコンを表示するナビゲーション技術に係り、特に、事故が発生してからの経過時間を、一目で把握可能とするナビゲーション装置、その方法及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用ナビゲーション装置の分野では、道路交通情報通信システム(VICS;Vehicle Information and Communication System 財団法人道路交通情報通信システムセンターの登録商標)から配信される道路交通情報(以下、VICS情報)を随時受信し、刻々と変化する道路の交通状況を表示画面上に表示する技術が、広く採用されている。
【0003】
VICS情報の表示レベルとしては、レベル1〜3の3種類がある。このうち、レベル1の情報は、渋滞情報や所定地点までの所要時間等に関して、文字及び数字を使用した文字情報である。レベル2の情報は、渋滞情報や所定地点までの所要時間等に関して、簡易図形を用いて提示する簡易図形情報である。
【0004】
レベル3の情報では、レベル2で用いた簡易図形よりも情報量の多い図形を表示することにより、渋滞情報や規制・事故情報を、より細かく利用者に知らせる情報である。例えば、レベル3の渋滞情報では、色付きの矢印から構成される図形を表示することにより、単に渋滞の位置だけではなく、渋滞度も提示するようになっている。
【0005】
また、レベル3の規制・事故情報は、規制情報と事故情報とからなり、規制情報であれば規制アイコンを、事故情報であれば事故アイコンを、表示画面の地図情報上に重畳的に表示するようになっており、規制あるいは事故の発生した位置をピンポイントで知らせることができる。
【0006】
さらに、レベル3の事故情報は、事故の発生時刻や、事故の規模、追突や横転といった事故内容、事故処理の完了等、事故に関する詳しい情報を含んでいる。これらの事故の詳細情報は、事故アイコン上にカーソルを合わせて詳細情報画面をポップアップさせることで表示することができる。また、レベル3の事故情報において、事故処理が完了した場合には、その旨を報知する事故処理完了情報を含むようになっている。
【0007】
上記のVICS情報を配信する媒体としては、光ビーコンや電波ビーコン、さらにはFM放送電波を利用したFM多重放送がある。このうち、光ビーコンは主に一般道で、電波ビーコンは主に高速道路で使用されている。また、FM多重放送は、広域への配信メディアとして使用されている。
【0008】
このようなVICS情報を利用するナビゲーション装置は、リアルタイムで交通状況の現況を把握することができるため、高い需要を得ており、様々な技術が提案されている。例えば、VICS情報の把握を誤りなく行うようにした技術(特許文献1)等が知られている。
【0009】
また、ナビゲーション装置の普及に伴い、ドライバーの受け取る情報量が増大傾向にある現在、ドライバーの判断を支援する技術には、高品位化が求められている。そのため、表示画面に表示される情報の表示態様に改良を加え、表示態様を見ただけで情報内容の把握が容易となる技術に関しては、多様なニーズが存在し、これに応えるべく種々の様々技術が提示されている。
【0010】
表示画面上の情報の表示態様に改良を加えた具体例としては、特許文献2、3等の技術がある。特許文献2記載の技術では、通常の平均的な予想所要時間(例えば、ナビゲーション装置に設定されているデフォルトの旅行コスト等)を基準値とし、VICS情報から導かれる現時点での予想所要時間が、基準値よりも長いのか、あるいは短いかを判定して、判定結果に基づいて表示形態を変えるようにしている。
【0011】
この技術によれば、目的地に到着するまでの時間が普段よりも長くかかるのか、それとも短くて済むのかが、予想所要時間の表示形態を一目見ただけで、ドライバーは容易に認識可能である。したがって、ドライバーが交通状況を判断する際の負担を軽くすることができる。
【0012】
また、特許文献3に記載の技術では、曜日や時間帯などの時間的要素に応じた統計渋滞情報を、渋滞状況に応じて異なる表示形態により、地図情報上に重畳させて表示する技術であって、さらには、将来的な渋滞状況である渋滞予測を行うと共に、予測される渋滞の推移をドライバーに容易に認識させるようにしたものである。
【0013】
このような技術によれば、渋滞の解消タイミングを高い精度で予測可能なので、もうすぐ渋滞が解消されることが予想されているにもかかわらず、遠回りとなる迂回路へ誘導するといった不具合を防ぐことができる。したがって、単なる迂回路への誘導ではなく、交通状況を正確に把握して現実的で柔軟な経路誘導が可能である。
【特許文献1】特開2002−228461号公報
【特許文献2】特開2006−90887号公報
【特許文献3】特開2005−62162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、VICS情報のうち、事故情報は、交通状況の突発的な変化を伝える情報であり、走行環境の安全性・円滑性を確保する上で最も重要な情報の一つである。したがって、ナビゲーション装置の利用者は事故情報に関して最大限の注意を払っているといっても過言ではない。
【0015】
しかしながら、従来のナビゲーション技術では、事故情報の表示に関して、次の点が問題となっていた。すなわち、VICSにて事故情報を受信したナビゲーション装置では、地図画面上に事故アイコンを重畳的に表示するが、このとき、事故アイコンは事故の発生位置を示すに過ぎない。
【0016】
もちろん、事故の発生位置は、事故の発生自体を知らせる情報なので重要であることに変わりはないが、事故の存在を認識した走行中のドライバーにとって、最も知りたい情報は、事故の発生した時刻である。これは、事故の発生時刻を知ることができれば、その事故が交通状況に与える影響の大きさに関して、ドライバーが予想を立てることができるからである。
【0017】
つまり、ドライバーは、事故の発生直後であれば、事故による規制あるいは渋滞が短時間で解除あるいは解消される見込みは低く、事故の発生地点を回避する経路を選択したほうが適切であるといった判断を下すことができる。一方、事故が発生してから、ある程度の時間が経過しているのならば、交通状況の回復を待って現状の経路を維持した方が、事故の発生地点を回避して迂回路を選ぶよりも結果的に旅行時間が短くて済むと、経験的に予測することが可能である。
【0018】
ところが、既に述べたように、VICS情報におけるレベル3の事故情報は、事故の発生時刻情報を含んでいるが、この事故の発生時刻情報を表示させるためには、事故アイコン上にカーソルを合わせて詳細情報画面をポップアップ表示させなくてはならない。しかし、カーソル操作は、車両走行中は操作不可なので、ドライバーが事故の発生時刻情報を得るためには、車両をいったん停車させる必要がある。
【0019】
したがって、車両を走らせながらでは、事故の発生地点を回避する経路を選択すべきなのか、あるいは、事故により悪化した交通状況の回復を待ってでも現状の経路を維持した方が適切なのかが、判断を下すことが非常に難しかった。しかも、一定のエリア内で同一時間帯に複数の事故が起きてしまうと、同一の地図画面上に複数の事故アイコンが表示されることになる。この場合には、たとえ同時表示される事故アイコンが2つだけであっても、各事故アイコンにカーソルを順次合わせ、各事故の発生時間をそれぞれ把握してからでないと、どのような経路が最適な経路なのかを、選択することができず、非常に面倒である。
【0020】
このように、従来技術においては、ドライバーが事故の発生を認識した時に、ドライバーが事故の発生時間を知るための操作性が低かった。したがって、ドライバーに与える不安や混乱が増大し易く、問題となっていた。すなわち、VICSに対応するものをはじめとしてナビゲーション技術に関しては、ドライバーが表示画面を一目見ただけで情報内容を認識することが重要である。したがって、ナビゲーション技術の分野では、表示画面に表示される情報内容の理解を助けてドライバーの状況判断を支援し、走行環境の安全性・円滑性の向上に図ることが要請されている。
【0021】
本発明は、上記のような状況を鑑みて提案されてものであり、その目的は、事故発生からの経過時間に応じて事故アイコンの表示態様を変化させて表示することにより、事故発生時間を把握するために面倒な操作を行う必要がなく、事故アイコンを一瞥するだけで正確に交通状況を把握でき、これにより、安全で円滑な走行環境の実現に寄与することが可能なナビゲーション装置、方法及びナビゲーションプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述した目的を達成するために、請求項1の本発明は、地図情報を格納する地図情報格納手段と、事故の発生時刻情報が含まれる事故情報を外部から受信する事故情報受信手段と、前記地図情報格納手段から前記地図情報を取り出して表示画面に表示制御すると共に、前記事故情報受信手段の受信した前記事故情報に基づき事故の発生を表す事故アイコンを表示画面に表示された前記地図情報上に重畳的に表示制御する画面表示制御手段、が設けられたナビゲーション装置において、次の点に特徴がある。
【0023】
すなわち、現在時刻情報を取得する現在時刻情報取得手段と、前記事故情報受信手段から事故の発生時刻情報を受け取ると共に、前記現在時刻情報取得手段から現在時刻情報を受け取り、2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する経過時間計算手段と、前記経過時間計算手段が計算した前記経過時間の長さに応じて前記事故アイコンの表示態様を変更し、該事故アイコンの表示態様に関する指示を前記画面表示制御手段に送る事故アイコンの表示態様変更手段が具備されたことを特徴としている。
【0024】
請求項9の発明は、上記請求項1の発明を、方法の観点から捉えたものであり、コンピュータを利用することにより、地図情報を格納する地図情報格納ステップと、事故の発生時刻情報が含まれる事故情報を外部から受信する事故情報受信ステップと、前記地図情報格納ステップにて格納した前記地図情報を取り出して表示画面に表示制御すると共に、前記事故情報受信ステップにて受信した前記事故情報に基づき事故の発生を表す事故アイコンを表示画面に表示された前記地図情報上に重畳的に表示制御する画面表示制御ステップ、を含むナビゲーション方法であって、現在時刻情報を取得する現在時刻情報取得ステップと、前記事故情報受信ステップにて受信した事故の発生時刻情報を受け取ると共に、前記現在時刻情報取得ステップにて取得した現在時刻情報を受け取り、2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する経過時間計算ステップと、前記経過時間計算ステップにて計算した前記経過時間の長さに応じて前記事故アイコンの表示態様を変更し、該事故アイコンの表示態様に関する指示を前記画面表示制御ステップに送る事故アイコンの表示態様変更ステップを含むことを特徴とするものである。
【0025】
請求項10の発明は、上記請求項1、9発明を、プログラムの観点から捉えたものであり、コンピュータを利用することにより、地図情報を格納する地図情報格納機能と、事故の発生時刻情報が含まれる事故情報を外部から受信する事故情報受信機能と、前記地図情報格納機能にて格納した前記地図情報を取り出して表示画面に表示制御すると共に、前記事故情報受信機能にて受信した前記事故情報に基づき事故の発生を表す事故アイコンを表示画面に表示された前記地図情報上に重畳的に表示制御する画面表示制御機能、をコンピュータに実現させるナビゲーションプログラムにおいて、現在時刻情報を取得する現在時刻情報取得機能と、前記事故情報受信機能にて受信した事故の発生時刻情報を受け取ると共に、前記現在時刻情報取得機能にて取得した現在時刻情報を受け取り、2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する経過時間計算機能と、前記経過時間計算機能にて計算した前記経過時間の長さに応じて前記事故アイコンの表示態様を変更し、該事故アイコンの表示態様に関する指示を前記画面表示制御機能に送る事故アイコンの表示態様変更機能、をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0026】
以上のような請求項1、9、10の発明では、経過時間計算手段が事故情報受信手段から事故の発生時刻情報を、現在時刻情報取得手段から現在時刻情報を、それぞれ受け取り、2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する。そして、事故アイコンの表示態様変更手段は、経過時間計算手段が計算した経過時間の長さに応じて事故アイコンの表示態様を変更し、該事故アイコンの表示態様に関する指示を画面表示制御手段に送る。画面表示制御手段は、事故アイコンの表示態様変更手段からの指示を受けて、経過時間計算手段が計算した経過時間の長さに応じて事故アイコンの表示態様を段階的に変えていきながら、地図情報上に重畳的に表示する。
【0027】
このような発明によれば、従来技術のように、車両を停車させてからカーソル操作を実施するといった面倒な手間をかけることなく、ナビゲーション装置を利用するドライバーは、表示画面上の事故アイコンを一目見ただけで、その表示態様から、事故の発生した時刻を類推することが可能である。
【0028】
このため、事故によって悪化した交通状況の回復タイミングを高い精度で予測可能である。したがって、車両を走らせながらであっても、事故の発生地点を回避する経路を選択すべきなのか、それとも、もうしばらくすれば事故処理が終わるので現状の経路を維持した方が賢明なのかといった判断を、的確且つ迅速に下すことができる。
【0029】
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記事故アイコンの表示態様変更手段は、前記経過時間計算手段が計算した前記経過時間の長さが長くなるにつれて、前記事故アイコンの外観上の大きさを段階的に小さくするように構成されたことを特徴とするものである。
【0030】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置において、前記事故アイコンの表示態様変更手段は、前記事故経過時間計算手段が計算した前記経過時間の長さが長くなるにつれて、前記事故アイコンの透過性を段階的に大きくするように構成されたことを特徴とする。
【0031】
このような請求項2、3の発明では、事故アイコンの表示態様変更手段が、事故発生からの経過時間の長さに応じて、事故アイコンの外観上の大きさを段階的に小さくしていく、あるいは事故アイコンの透過性を段階的に大きくして事故アイコンの表示を薄くしていくので、事故アイコンの表示態様から受ける印象が、時間の経過と共に事故の影響が小さくなるイメージに合致し易い。そのため、表示画面上の事故アイコンを見たドライバーは、より直感的に事故の発生時間を類推することが可能である。
【0032】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、前記事故情報受信手段は、光ビーコン又は電波ビーコンあるいはFM多重放送によって送信される道路交通情報から前記事故情報を取得するように構成されたことを特徴とするものである。この請求項4の発明では、光ビーコン又は電波ビーコンあるいはFM多重放送によって送信される道路交通情報から事故情報を取得するので、VICSに対応可能である。
【0033】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、前記現在時刻情報取得手段は、ナビゲーション装置に組み込まれた時計部又は前記道路交通情報から前記現在時刻情報を取得するように構成されたことを特徴としている。以上の請求項5の発明では、ナビゲーション装置に組み込まれた時計部又は道路交通情報から現在時刻情報を取得するので、わざわざ現在時刻情報取得手段を設ける必要がなく、構成の簡略化が可能である。
【0034】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、前記事故情報には事故処理が完了したことを報知する事故処理完了情報が含まれており、前記事故情報受信手段が当該事故処理完了情報を受信した場合、前記画面表示制御手段は、予め設定された継続時間を経過した後、前記事故アイコンの表示を消去するように構成されたことを特徴としている。
【0035】
請求項7の発明は、請求項6に記載のナビゲーション装置において、前記経過時間計算手段は、前記事故情報受信手段から事故処理完了情報を受け取り、事故が発生してから事故処理が終わるまでの事故期間を計算するように構成されており、前記画面表示制御手段は、前記経過時間計算手段が算出した前記事故期間の長さに比例して、前記事故アイコンの表示時間を長くして表示制御するように構成されたことを特徴とするものである。
【0036】
以上の請求項6、7の発明では、事故情報受信手段が事故処理完了情報を受信した場合に、画面表示制御手段は、事故処理完了情報の受信とほぼ同時に事故アイコンの表示を消すのではなく、予め設定された継続時間が経過するまでは事故アイコンの表示を継続する。このため、事故処理の完了後に、事故の影響が残って渋滞が続いていたとしても、事故が発生したという事実をドライバーに知らせることができ、ドライバーに余計な不安や混乱を与える心配がない。
【0037】
ところで、事故情報の受信を開始してから当該事故の事故処理完了情報を受信するまでの事故期間に関して、その長さが長ければ、事故の規模は大きいと推定できるので、交通状況への影響は甚大となることが多い。反対に、前記事故期間が短ければ、事故による交通状況への影響は軽微で済む可能性が高い。
【0038】
そこで、請求項7の発明では、経過時間計算手段が事故情報受信手段から事故処理完了情報を受け取ることで、事故が発生してから事故処理が終わるまでの事故期間を計算し、この事故期間の長さ、つまりは交通状況に対する影響の大きさに比例して、画面表示制御手段は、事故アイコンの表示継続時間を延ばすことができる。これにより、事故処理の完了後でも事故の影響が大きいと推定できる場合には、事故が発生したことをドライバーに長期にわたって知らせることができ、ドライバーに与える不安や混乱を確実に排除することができる。
【0039】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、出発地を指定する出発地指定手段と、目的地を指定する目的地指定手段と、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段、が設けられ、前記画面表示制御手段は、前記経路探索手段の探索した前記経路上又は前記経路付近に存在する事故に関してのみ、前記事故アイコンを表示制御するように構成されたことを特徴としている。
【0040】
上記の請求項8の発明では、経路探索手段にて探索された経路上に存在する事故だけを絞って事故アイコンを表示することにより、経路から離れた事故アイコンへの注意喚起を防ぐので、事故アイコンへの注意力の分散を抑えて、安全性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、事故発生からの経過時間に応じて表示態様を変化させて事故アイコンを表示することにより、事故の発生時間を知るために面倒な操作を行う必要がなくなり、事故アイコンを一瞥するだけで正確に交通状況を把握でき、これにより、安全で円滑な走行環境の実現に寄与することが可能なナビゲーション装置、方法及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明に係る実施形態の一例について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態における各機能を実現する仮想的回路ブロックの構成図、図2は本実施形態の表示画面例を示す説明図である。図2において、道路データ上の三角マークは自車位置を示している。
【0043】
また、図3は本実施形態における事故アイコンのアイコンサイズの変換表、図4は本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。なお、本実施形態は、周辺装置を備えたコンピュータをプログラムで制御することで実現するが、この場合のハードウェアやプログラムの実現態様は各種変更可能である。
【0044】
本発明は、ナビゲーション装置及びその方法に加えて、上記プログラム、さらには、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体としても把握可能であり、プログラムはナビゲーション装置に組み込まれたCPUや各種チップセットといった物理的な処理装置を活用することで、本発明の作用効果を実現する。
【0045】
(1)本実施形態の構成
(1−1)構成の概要
図1に示すように、本実施形態のナビゲーション装置は、ナビゲーション制御装置1と、ディスプレイ装置2と、HDD制御部3と、GPS受信機4と、VICS情報受信機5と、自律航法センサ6と、リモコン10から構成されている。
【0046】
本実施形態のナビゲーション装置の特徴は、VICS情報に含まれる事故情報に基づき正方形状の事故アイコン13a〜13c(図2、図3に図示)をディスプレイ装置2に表示するとき、事故発生からの経過時間に応じて、事故アイコン13a、13b、13cというように、見た目上の大きさを3段階に変えて表示するようにした点である。
【0047】
(1−2)HDD制御部3
続いて、ナビゲーション装置の各構成部について、説明する。HDD制御部3は、ハードディスク(大容量記憶装置)に格納されたナビゲーションプログラムなど各種データや、経路探索用の道路データや各種地点情報を含む地図情報をデータベースから読み出す手段である。
【0048】
地図情報に包含される地点情報には、地点の座標、地点の名称、地点の種類、住所、電話番号等の検索リスト用のデータ、その地点が接している道路の種別等も含まれている。また、ナビゲーションプログラムに必要なインタフェース用のデータとして、メニュー、リスト、ボタン、案内表示(方位、距離、時刻等)、各種マーク(ランドマーク、アイコン、現在位置、走行軌跡等)等が含まれている。
【0049】
さらに、上述のプログラムやデータの格納場所は、種々の記憶媒体を利用可能であって、一部若しくは全部をどの記憶媒体に格納するかは、自由に設計可能である。従って、メインプログラムばかりでなく、ナビゲーションのインタフェース用のデータの一部を、ナビゲーション制御装置1側に設置されたROM等にあらかじめ格納しておくようにしてもよい。また、ハードディスクを用いる構成以外に、CD−ROM制御部、DVD−ROM制御部等が、CD−ROM、DVD−ROMから読み出したデータを利用する構成であってもかまわない。
【0050】
(1−3)GPSレシーバ4及び自律航法センサ6
GPSレシーバ4及び自律航法センサ6は、自車位置を逐次検出するための手段であって、GPSレシーバ4は、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信する部分である。
【0051】
自律航法センサ6は、地磁気にて自車の相対的な方位を検出するジャイロ及び自車の速度を検出する車速パルスセンサから構成されている。本実施形態では、GPSレシーバ4による他律的なGPS航法測位と、自律航法センサ6による自律航法測位とを組み合わせることで、自車位置を求めるようになっている。
【0052】
(1−4)入出力手段
ディスプレイ装置2はタッチパネル方式であって、情報の入出力手段として機能するようになっている。入力手段としてはタッチパネル2aが設けられ、出力手段としては表示画面2b及びスピーカ2cが設けられている。
【0053】
ユーザからの命令要求等を入力する入力手段としては、前記タッチパネル2aに加えて、ナビゲーション制御装置1とは別体に設けられたリモコン10がある。これらの入力手段は、内部に組み込まれたI/O制御回路やデバイスドライバなどを使って、出力手段となるディスプレイ装置2の表示画面2b及びスピーカ2cと、ナビゲーション制御装置1との間で信号のやり取りを行うように構成されている。
【0054】
また、ディスプレイ装置2が出力手段として機能する場合、その表示画面2b上に、地図や経路、操作メニュー、検索リスト及び地点情報など各種の情報が、視覚的に提示され、スピーカ2cからは合成音声を出力して経路誘導制御部9にて制御された誘導案内を行うようになっている。
【0055】
(1−5)VICS情報受信機5
VICS情報受信機5は、FM放送波を受信してこの放送波からVICS情報を受け取るFM多重受信部と、路肩などに設置された光ビーコンや電波ビーコンから、各ビーコンの識別情報やVICS情報を受信する光/電波ビーコン受信部とから構成される。また、VICS情報受信機5は、受信した規制・事故情報が、規制情報なのか、あるいは事故情報なのか等、受信したVICS情報の種別を判定するようになっている。
【0056】
(1−6)ナビゲーション制御装置1
続いて、本実施形態の制御部分であるナビゲーション制御装置1について、説明する。ナビゲーション制御装置1は、下記の8つの部分としての役割を実現するように構成されている。
【0057】
すなわち、ナビゲーション画面表示制御部8、経路誘導制御部9、マンマシンインターフェース制御部11、マップマッチング制御部12、経過時間計算部14、アイコンサイズ選択部15である。
【0058】
(1−7)ナビゲーション画面表示制御部8
このうち、ナビゲーション画面表示制御部8は、前記HDD制御部3から地図情報を取り出して、ディスプレイ装置2の表示画面2bに表示制御する部分である。また、ナビゲーション画面表示制御部8は、後述する事故アイコン13のアイコンサイズ選択部15からの指示を受け、指示されたサイズの事故アイコン13あるいは規制アイコンを、ディスプレイ装置2の表示画面2b上に表示された地図情報上に、重畳的に表示制御する部分である。
【0059】
(1−8)経路誘導制御部9
経路誘導制御部9は、マップマッチング制御部12から自車位置情報を受け取り、そこを出発地として、ユーザが入力した目的地までの経路を探索し、探索した経路に基づいて経路の誘導案内を制御する部分である。なお、出発地としては、自車位置に限らず、ユーザの指定した任意の場所であっても構わない。また、経路誘導制御部9における経路計算のためのアルゴリズムに関しても、適宜選択自由である。
【0060】
(1−9)マンマシンインターフェース制御部11
マンマシンインターフェース制御部11は、入力手段であるリモコン10や液晶ディスプレイ装置2のタッチパネル部2aを介して行われる施設検索や地図上でのカーソル指定などによる目的地の指定等、ユーザからの各種の命令要求を受け付ける部分である。また、マンマシンインターフェース制御部11には、時計が組み込まれており、この時計を用いて現在時刻情報を取得するようになっている。
【0061】
(1−10)マップマッチング制御部12
マップマッチング制御部12は、GPSレシーバ4及び自律航法センサ6から自車位置を検出するための信号を受け取り、検出した自車位置を地図情報上に合致させるマップマッチング処理を行う部分である。
【0062】
(1−11)経過時間計算部14
次に、本実施形態の主要部である経過時間計算部14及びアイコンサイズ選択部15について、説明する。経過時間計算部14は、VICS情報受信機5から事故情報に含まれる発生時刻情報を受け取ると共に、マンマシンインターフェース制御部11の時計から現在時刻情報を受け取り、これら2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する部分である。
【0063】
(1−12)アイコンサイズ選択部15
アイコンサイズ選択部15は、図3に示す「経過時間−アイコンサイズ変換表」を有しており、経過時間計算部14が計算した経過時間の長さに応じて事故アイコン13a〜13c(図2、図3に示す)の表示態様を選択し、選択した事故アイコン13a〜13cの表示態様に関する指示を、ナビゲーション画面表示制御部8へと送る部分である。
【0064】
本実施形態では、このアイコンサイズ選択部15により、事故アイコン13a〜13cの外観上の大きさを3段階に変えるようになっている。すなわち、図2及び図3に示すように、事故アイコン13a〜13cのアイコンサイズは大、中、小の3種類があり、経過時間が60分未満の場合は、アイコンサイズが大きい事故アイコン13a、経過時間が60分以上120分未満の場合はアイコンサイズが中くらいの事故アイコン13b、経過時間が120分以上の場合にはアイコンサイズが小さい事故アイコン13cとなる。
【0065】
(2)本実施形態の動作
次に、以上の構成を有する本実施形態における事故アイコンの表示動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、VICS情報受信機5において、受信したレベル3の規制・事故情報を受信した場合に、受信した情報が事故情報であるか、規制情報なのかを判定する(情報判定ステップS101)。
【0066】
VICS情報受信機5の受信したVICS情報がレベル3の事故情報である場合には(情報判定ステップS101のYes)、経過時間計算部14は当該事故情報に含まれる事故の発生時刻情報を取得する(事故発生時刻取得ステップS102)。次に、経過時間計算部14はマンマシンインターフェース制御部11の時計から現在時刻を取得する(現在時刻取得ステップS103)。そして、経過時間計算部14は現在時刻から事故が発生した時刻を引き、事故発生から現在に至るまでの経過時間を計算する(経過時間計算ステップS104)。
【0067】
続いて、アイコンサイズ選択部15では、「経過時間−アイコンサイズ変換表」に従い、事故アイコン13a〜13cの大きさを決定する(事故アイコンの表示態様変更ステップS105)。さらに、アイコンサイズ選択部15は、決定した大きさの事故アイコン13a〜13cを、ディスプレイ装置2の表示画面2bの地図情報上に重畳的に表示する旨の指示を、ナビ画面表示部9に出す(事故アイコンの表示態様指示ステップS106)。
【0068】
また、VICS情報受信機5の受信したVICS情報がレベル3の事故情報でなく規制情報である場合には(情報判定ステップS101のNo)、中サイズの規制アイコンを、ディスプレイ装置2の表示画面2bの地図情報上に重畳的に表示する旨の指示を、ナビ画面表示部9に出す(規制アイコンの表示態様指示ステップS107)。
【0069】
以上述べたように、本実施形態では、経過時間計算部14がVICS情報受信機5から事故の発生時刻情報を、マンマシンインターフェース制御部11の時計から現在時刻情報を、それぞれ受け取り、2つの時刻情報の差から、事故が発生してから現在に至るまでの事故の経過時間を計算する。
【0070】
そして、アイコンサイズ選択部15は、経過時間計算部14が計算した経過時間の長さに応じて、「経過時間−アイコンサイズ変換表」に基づき、事故アイコン13a〜13cの表示態様を決め、この事故アイコン13a〜13cを地図情報上に表示する指示を、ナビゲーション画面表示制御部9に送る。
【0071】
最終的に、ナビゲーション画面表示制御部9は、アイコンサイズ選択部15からの指示を受けて、経過時間計算部14が計算した経過時間の長さに応じて事故アイコン13a〜13cの表示態様を段階的に変えていきながら、ディスプレイ装置2の表示画面2bの地図情報上に重畳的に表示する。
【0072】
つまり、図2に示したアイコンサイズが大である事故アイコン13aは、事故の経過時間が60分を超えれば、アイコンサイズが中である事故アイコン13bとなってディスプレイ装置2の表示画面2bに表示される。また、事故の経過時間が120分を超えた時点で、アイコンサイズが中である事故アイコン13bはさらに小さくなって、アイコンサイズが小である事故アイコン13cとなってディスプレイ装置2の表示画面2bに表示されることになる。
【0073】
(3)本実施形態の作用効果
上記のような本実施形態の作用効果は、次の通りである。すなわち、経過時間計算部14が計算した経過時間の長さに応じて事故アイコン13a〜13cを徐々に小さくしながら、ディスプレイ装置2の表示画面2の地図情報上に重畳的に表示することができる。
【0074】
したがって、ナビゲーション装置を利用するドライバーは、表示画面上の事故アイコンを一目見ただけで、事故アイコン13a〜13cの見た目の大きさから、事故の発生した時刻を類推することが可能である。従来技術のように、車両を停車させてからカーソル操作を実施するといった面倒な手間をかけることなく、事故発生時間を把握するための特段の操作が不要である。
【0075】
このため、事故アイコンを一瞥するだけで正確に交通状況を把握でき、事故によって悪化した交通状況の回復タイミングを高い精度で予測可能である。つまり、車両を走らせながらでも、事故の発生地点を回避する経路を選択すべきなのか、それとも、もうしばらくすれば事故処理が終わるので現状の経路を維持した方が賢明なのかといった判断を、的確且つ迅速に下すことができる。これにより、走行環境において良好な安全性と円滑性を獲得することが可能である。
【0076】
また、本実施形態では、アイコンサイズ選択部15が事故の経過時間の長さに応じて、事故アイコン13a〜13cの外観上の大きさを段階的に小さくしていくので、事故アイコン13a〜13cの表示態様から受ける印象は、事故の経過時間が長くなれば事故の影響は小さくなるというイメージに合致している。そのため、表示画面2aに表示される事故アイコンを見たドライバーは、直感的に事故の発生時間を認識することが可能である。
【0077】
さらに、本実施形態では、VICS情報受信機5からVICS情報を取得し、これを経過時間計算部14にて取り入れることで、VICSに的確に対応可能である。しかも、本実施形態では、マンマシンインターフェース制御部11の時計から現在時刻情報を取得可能なので、わざわざ現在時刻情報取得手段を設ける必要がなく、構成の簡略化が可能である。
【0078】
(4)他の実施形態
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、各要素の具体的な構成等は適宜変更可能であり、無線通信ネットワークを介して最新データが提供されるナビゲーション装置にも適用可能である。
【0079】
(4−1)他の実施形態その1
例えば、アイコンサイズ選択部15は、事故経過時間計算部14が計算した経過時間の長さが長くなるとつれて、外観上の大きさを変えるではなく、事故アイコン13d〜13fの透過性を段階的に大きくするように構成してもよい(図5参照)。
【0080】
このような実施形態によれば、事故発生からの経過時間の長さに応じて、事故アイコン13d〜13fの透過性を段階的に大きくして、事故アイコン13d〜13fの表示が薄くなっていく。すなわち、事故アイコン13d〜13fの表示態様から受ける印象が、事故が交通状況に及ぼす影響に関して抱くイメージと合致し易く、事故アイコン13d〜13fを見たドライバーは、より直感的に事故の発生時間を認識可能である。
【0081】
ところで、事故アイコンの表示態様を変更する上で、見た目の大きさを変えていく場合には、事故発生直後の事故アイコンは、ある程度大きく表示する必要があり、事故の発生位置をピンポイントで表示することに無理が生じ易い。これに対して、事故アイコン13d〜13fの透過性を変えていく本実施形態によれば、事故発生直後を示す事故アイコンであっても、アイコンサイズをあらかじめ小さめに設定可能であるため、事故の発生位置をピンポイントで表示可能である。
【0082】
(4−2)他の実施形態その2
事故の処理が終了した場合、VICSのレベル3の事故情報は、事故処理が完了したことを報知する事故処理完了情報を持つようになっている。そこで、本発明の他の実施形態として、VICS情報受信機5が、この事故処理完了情報を受信した場合に、ナビゲーション画面表示制御部9が、予め設定された継続時間を経過した後、事故アイコン13a〜13cの表示を消去するように構成してもよい。
【0083】
このような実施形態では、VICS情報受信機5が事故処理完了情報を受信した場合でも、ナビゲーション画面表示制御部9は、事故処理完了情報の受信とほぼ同時に事故アイコンの表示を消すことがなく、予め設定された継続時間が経過するまでは事故アイコンの表示を継続するようになる。
【0084】
したがって、VICS情報受信機5にて事故処理が完了した旨の情報を受け取った後に、事故の影響により渋滞が続くような交通状況であったとしても、過去に事故が発生したという事実をドライバーに確実に知らせることができる。これにより、ドライバーは不安や混乱を覚えることなく、優れた安全性を発揮することができる。
【0085】
(4−3)他の実施形態その3
上記の実施形態の改良例を示す。すなわち、VICS情報受信機5が事故処理完了情報を受信した場合、VICS情報受信機5が事故情報の受信を開始してから当該事故の事故処理完了情報を受信するまでを事故期間と規定し、この事故期間の長さを、経過時間計算部14によって計算するようにした実施形態も包含する。
【0086】
この実施形態では、経過時間計算部14は、VICS情報受信機5から事故処理完了情報を受け取り、事故が発生してから事故処理が終わるまでの事故期間を計算するように構成されており、ナビゲーション画面表示制御部9は、経過時間計算部14が算出した事故期間の長さに比例して、事故アイコン13a〜13cの表示時間を長くして表示制御するように構成されている。
【0087】
一般に、事故情報の受信を開始してから当該事故の事故処理完了情報を受信するまでの事故期間に関しては、その長さが長ければ、事故の規模は大きいと推定できる。そのため、交通状況への影響は甚大となり、前記事故期間が短ければ、事故による交通状況への影響は軽微で済む可能性が高い。
【0088】
そこで、上記の実施形態では、経過時間計算部14にて事故期間を算出しておき、ナビゲーション画面表示制御部9は、事故期間の長さから想定される交通状況の影響の大きさに比例して、事故アイコンの表示継続時間を延ばすことができる。このような実施形態によれば、事故の影響が大きいと推定できる場合には、事故処理完了情報の受信後も、事故の発生したことをドライバーに長期間継続して知らせることができ、ドライバーに与える不安や混乱を確実に排除することが可能である。
【0089】
なお、ナビゲーション画面表示制御部9は、事故処理完了情報を受信したことを契機として、表示色を変えること等により、事故アイコン13a〜13cの表示態様を変更することも可能である。この場合は、事故処理が既に完了したことを明確にすることができ、ドライバーは事故の現状を正確に把握することができる。
【0090】
(4−4)他の実施形態その4
さらに、本発明の他の実施形態としては、ナビゲーション画面表示制御部9が、経路誘導制御部9の探索した経路上に存在する事故に関してのみ、事故アイコンを表示制御するように構成されてもよい。
【0091】
この実施形態では、図6中の太線が経路誘導制御部9にて探索された経路であるとき、当該経路上に存在する事故アイコン13cのみを表示するようになっている。したがって、経路上に存在しない事故アイコン13a、13bを非表示とすることになり、事故アイコン13cにドライバーの注意をスムーズに向けることができる。これにより、ドライバーは交通状況に関する判断を容易に行うことができ、安全性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明に係る代表的な実施形態におけるナビゲーション装置の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本実施形態の表示画面例を示す説明図。
【図3】本実施形態における事故アイコンのアイコンサイズの変換表。
【図4】本実施形態における動作の流れを示すフローチャート。
【図5】本発明の他の実施形態の表示画面例を示す説明図。
【図6】本発明の他の実施形態の表示画面例を示す説明図。
【符号の説明】
【0093】
1…ナビゲーション制御装置
2…ディスプレイ装置
2a…タッチパネル
2b…表示画面
2c…スピーカ
3…HDD制御部
4…GPS受信機
5…VICS情報受信機
6…自律航法センサ
8…ナビゲーション画面表示制御部
9…経路誘導制御部
10…リモコン
11…マンマシンインターフェース制御部
12…マップマッチング制御部
13a〜13f…事故アイコン
14…経過時間計算部
15…アイコンサイズ選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を格納する地図情報格納手段と、事故の発生時刻情報が含まれる事故情報を外部から受信する事故情報受信手段と、前記地図情報格納手段から前記地図情報を取り出して表示画面に表示制御すると共に、前記事故情報受信手段の受信した前記事故情報に基づき事故の発生を表す事故アイコンを表示画面に表示された前記地図情報上に重畳的に表示制御する画面表示制御手段、が設けられたナビゲーション装置において、
現在時刻情報を取得する現在時刻情報取得手段と、
前記事故情報受信手段から事故の発生時刻情報を受け取ると共に、前記現在時刻情報取得手段から現在時刻情報を受け取り、2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する経過時間計算手段と、
前記経過時間計算手段が計算した前記経過時間の長さに応じて前記事故アイコンの表示態様を変更し、該事故アイコンの表示態様に関する指示を前記画面表示制御手段に送る事故アイコンの表示態様変更手段が具備されたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記事故アイコンの表示態様変更手段は、前記経過時間計算手段が計算した前記経過時間の長さが長くなるにつれて、前記事故アイコンの外観上の大きさを段階的に小さくするように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記事故アイコンの表示態様変更手段は、前記事故経過時間計算手段が計算した前記経過時間の長さが長くなるにつれて、前記事故アイコンの透過性を段階的に大きくするように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記事故情報受信手段は、光ビーコン又は電波ビーコンあるいはFM多重放送によって送信される道路交通情報から前記事故情報を取得するように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記現在時刻情報取得手段は、ナビゲーション装置に組み込まれた時計部又は前記道路交通情報から前記現在時刻情報を取得するように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記事故情報には事故処理が完了したことを報知する事故処理完了情報が含まれており、前記事故情報受信手段が当該事故処理完了情報を受信した場合、前記画面表示制御手段は、予め設定された継続時間を経過した後、前記事故アイコンの表示を消去するように構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記経過時間計算手段は、前記事故情報受信手段から事故処理完了情報を受け取り、事故が発生してから事故処理が終わるまでの事故期間を計算するように構成されており、
前記画面表示制御手段は、前記経過時間計算手段が算出した前記事故期間の長さに比例して、前記事故アイコンの表示時間を長くして表示制御するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
出発地を指定する出発地指定手段と、
目的地を指定する目的地指定手段と、
前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段、が設けられ、
前記画面表示制御手段は、前記経路探索手段の探索した前記経路上又は前記経路付近に存在する事故に関してのみ、前記事故アイコンを表示制御するように構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
コンピュータを利用することにより、地図情報を格納する地図情報格納ステップと、事故の発生時刻情報が含まれる事故情報を外部から受信する事故情報受信ステップと、前記地図情報格納ステップにて格納した前記地図情報を取り出して表示画面に表示制御すると共に、前記事故情報受信ステップにて受信した前記事故情報に基づき事故の発生を表す事故アイコンを表示画面に表示された前記地図情報上に重畳的に表示制御する画面表示制御ステップ、を含むナビゲーション方法であって、
現在時刻情報を取得する現在時刻情報取得ステップと、
前記事故情報受信ステップにて受信した事故の発生時刻情報を受け取ると共に、前記現在時刻情報取得ステップにて取得した現在時刻情報を受け取り、2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する経過時間計算ステップと、
前記経過時間計算ステップにて計算した前記経過時間の長さに応じて前記事故アイコンの表示態様を変更し、該事故アイコンの表示態様に関する指示を前記画面表示制御ステップに送る事故アイコンの表示態様変更ステップを含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項10】
コンピュータを利用することにより、地図情報を格納する地図情報格納機能と、事故の発生時刻情報が含まれる事故情報を外部から受信する事故情報受信機能と、前記地図情報格納機能にて格納した前記地図情報を取り出して表示画面に表示制御すると共に、前記事故情報受信機能にて受信した前記事故情報に基づき事故の発生を表す事故アイコンを表示画面に表示された前記地図情報上に重畳的に表示制御する画面表示制御機能、をコンピュータに実現させるナビゲーションプログラムにおいて、
現在時刻情報を取得する現在時刻情報取得機能と、
前記事故情報受信機能にて受信した事故の発生時刻情報を受け取ると共に、前記現在時刻情報取得機能にて取得した現在時刻情報を受け取り、2つの時刻情報に基づいて事故が発生した時刻から現在時刻までの経過時間を計算する経過時間計算機能と、
前記経過時間計算機能にて計算した前記経過時間の長さに応じて前記事故アイコンの表示態様を変更し、該事故アイコンの表示態様に関する指示を前記画面表示制御機能に送る事故アイコンの表示態様変更機能、をコンピュータに実現させることを特徴とするナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−38713(P2010−38713A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201487(P2008−201487)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】