説明

ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、端末装置、ナビゲーション方法およびプログラム

【課題】ユーザまたは設計者に難しく煩雑な調整を行なわせることなく、定期券の適用区間を使用した経路を優先して出力させることができるナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、端末装置、ナビゲーション方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】ナビゲーションサーバは、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された複数の経路を出力する際の順位を、適用区間の全部または一部を含む経路である適用経路が適用区間の全部または一部を含まない経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定し、決定した順位に基づいて、探索された複数の経路に関する経路情報を生成し、生成した経路情報を端末装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、端末装置、ナビゲーション方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、定期区間を使用した経路が優先的に探索されるように、定期区間に該当するアーク(路線)に付与された所要時間に関するコストに1未満の正の値のパラメータを掛けるという重み付けを行っている(例えば特許文献1の段落0051から0057を参照)。また、特許文献1には、一覧で出力される経路が所要時間順・運賃順などの基準で並び替えすることも可能である、と記載されている(例えば特許文献1の段落0066を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−139584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で採用する重み付けは所要時間に関するコストに対して行われるものであるので、定期区間を使用した経路よりも所要時間の少ない定期区間を使用しない経路が探索される可能性はあり、ゆえに、定期区間を使用した経路が必ずしも優先的に探索されるわけではない、という問題点がある。また、コスト算出の基準とされた所要時間はアークの距離および乗車車両の種別(例えば特急や快速など)などと関係しているので、ユーザまたは設計者が各コストに掛ける各パラメータを適切に調整することは難しく煩雑である、という問題点がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ユーザまたは設計者に難しく煩雑な調整を行なわせることなく、定期券の適用区間を使用した経路を優先して出力させることができるナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、端末装置、ナビゲーション方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明のナビゲーション装置は、制御部と出力部とを備えたナビゲーション装置であって、上記制御部は、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0007】
また、本発明のナビゲーション装置は、上記のナビゲーション装置において、上記出力順位決定手段は、上記適用経路が複数存在する場合には、上記適用経路のうちの上記適用区間外の区間の所要時間の情報に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置は、上記のナビゲーション装置において、上記出力順位決定手段は、上記適用経路が複数存在する場合には、上記適用経路のうちの上記適用区間の所要時間の情報に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明のナビゲーション装置は、上記のナビゲーション装置において、上記出力順位決定手段は、上記適用経路が複数存在する場合には、上記適用経路の運賃の情報に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明のナビゲーションシステムは、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を出力部を介して出力させる出力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のナビゲーションシステムは、制御部を備えたナビゲーションサーバ、および制御部と出力部とを備えた端末装置を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信する経路情報送信手段と、を備え、上記端末装置の上記制御部は、上記ナビゲーションサーバから送信された上記経路情報を受信する経路情報受信手段と、上記経路情報受信手段で受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0012】
また、本発明のナビゲーションサーバは、出力部を備えた端末装置と通信可能に接続された、制御部を備えたナビゲーションサーバであって、上記制御部は、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信することにより、上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明の端末装置は、ナビゲーションサーバと通信可能に接続された、制御部と出力部とを備えた端末装置であって、上記制御部は、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路に関する上記ナビゲーションサーバから送信された経路情報であって、上記ナビゲーションサーバが、上記探索された複数の上記経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定し、決定した上記順位に基づいて生成したものを受信する経路情報受信手段と、上記経路情報受信手段で受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0014】
また、本発明のナビゲーション方法は、制御部と出力部とを備えたナビゲーション装置において実行されるナビゲーション方法であって、上記制御部において実行される、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0015】
また、本発明のナビゲーション方法は、ナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記ナビゲーションシステムは、出力順位決定手段と経路情報生成手段と出力制御手段とを備え、上記出力順位決定手段が、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、上記経路情報生成手段が、上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記出力制御手段が、上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のナビゲーション方法は、制御部を備えたナビゲーションサーバ、および制御部と出力部とを備えた端末装置を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信する経路情報送信ステップと、を含み、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバから送信された上記経路情報を受信する経路情報受信ステップと、上記経路情報受信ステップで受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0017】
また、本発明のナビゲーション方法は、出力部を備えた端末装置と通信可能に接続された、制御部を備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記制御部において実行される、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信することにより、上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0018】
また、本発明のナビゲーション方法は、ナビゲーションサーバと通信可能に接続された、制御部と出力部とを備えた端末装置において実行されるナビゲーション方法あって、上記制御部において実行される、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路に関する上記ナビゲーションサーバから送信された経路情報であって、上記ナビゲーションサーバが、上記探索された複数の上記経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定し、決定した上記順位に基づいて生成したものを受信する経路情報受信ステップと、上記経路情報受信ステップで受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0019】
また、本発明のプログラムは、制御部と出力部とを備えたナビゲーション装置において実行させるためのプログラムであって、上記制御部において実行させるための、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0020】
また、本発明のプログラムは、出力部を備えた端末装置と通信可能に接続された、制御部を備えたナビゲーションサーバにおいて実行させるためのプログラムであって、上記制御部において実行させるための、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信することにより、上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0021】
また、本発明のプログラムは、ナビゲーションサーバと通信可能に接続された、制御部と出力部とを備えた端末装置において実行させるためのプログラムあって、上記制御部において実行させるための、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路に関する上記ナビゲーションサーバから送信された経路情報であって、上記ナビゲーションサーバが、上記探索された複数の上記経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定し、決定した上記順位に基づいて生成したものを受信する経路情報受信ステップと、上記経路情報受信ステップで受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、適用区間の全部または一部を含む経路である適用経路が適用区間の全部または一部を含まない経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定し、決定した順位に基づいて、探索された複数の経路に関する経路情報を生成し、生成した経路情報を出力部を介して出力させる。これにより、ユーザまたは設計者に難しく煩雑な調整を行なわせることなく、定期券の適用区間を使用した経路を優先して出力させることができる、という効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、適用経路が複数存在する場合には、適用経路のうちの適用区間外の区間の所要時間の情報に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定する。これにより、定期券の適用区間を多く使用した適用経路を優先して出力することができる、という効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、適用経路が複数存在する場合には、適用経路のうちの適用区間の所要時間の情報に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定する。これにより、遠回りにならない適用経路を優先して出力することができる、という効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、適用経路が複数存在する場合には、適用経路の運賃の情報に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定する。これにより、実質的な運賃が安くなる適用経路を優先して出力することができる、という効果を奏する。
【0026】
なお、上記効果は本発明のナビゲーション装置に関するものであるが、本発明のナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、端末装置、ナビゲーション方法およびプログラムも上記効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例を示す概念図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、順位決定方法の一例を示す図である。
【図5】図5は、経路探索結果に関する表示画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、経路探索結果に関する表示画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、経路探索結果に関する表示画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、経路探索結果に関する表示画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、第2の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2の実施形態にかかるナビゲーションシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第3の実施形態にかかるナビゲーション装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図12は、第3の実施形態にかかるナビゲーション装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明にかかるナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、端末装置、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法およびプログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0029】
以下、本発明の構成および処理について、第1の実施形態(ナビゲーションシステム)、第2の実施形態(ナビゲーションシステム(サーバ主導型))および第3の実施形態(ナビゲーション装置(スタンドアローン型))の順にて詳細に説明する。
【0030】
[第1の実施形態]
第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムについて、図1から図8を参照して説明する。但し、第1の実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。例えば、第1の実施形態で例示するナビゲーションシステムにおけるサーバ側と端末側の機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0031】
[ナビゲーションシステムの構成]
第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例について、図1および図2を参照して説明する。図1は、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例を示す概念図である。図2は、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。なお、第1の実施形態においては、通信型のナビゲーションを提供するナビゲーションシステムを具体例として説明するが、本発明はこれに限ることなく、スタンドアローン型のナビゲーションシステムなどにも適用可能である。
【0032】
図1に示すように、ナビゲーションシステムは、概略的に、経路案内アプリケーションおよび乗換案内アプリケーション等を搭載した1つまたは複数の端末装置100とナビゲーションサーバ200とを通信可能に接続して構成される。通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。ナビゲーションシステムを構成する端末装置100の台数は、図1に示す2つに限定されることなく、1つまたは3つ以上でもよい。
【0033】
[ナビゲーションサーバ200の構成]
ナビゲーションサーバ200は、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、適用区間の全部または一部を含む経路である適用経路が適用区間の全部または一部を含まない経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定し、決定した順位に基づいて、探索された複数の経路に関する経路情報を生成し、生成した経路情報を端末装置100へ送信する等の機能を有する。
【0034】
図2に示すように、ナビゲーションサーバ200は、概略的に、制御部202と通信制御インターフェース部204と記憶部206とを備える。ナビゲーションサーバ200が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。ナビゲーションサーバ200は、ネットワーク300を経由して、端末装置100と通信可能に接続されている。
【0035】
通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースである。通信制御インターフェース部204は、ナビゲーションサーバ200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。通信制御インターフェース部204は、端末装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0036】
記憶部206は、HD(Hard Disk)等の固定ディスク装置およびSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段である。記憶部206には、各種のデータベース、テーブルおよびファイル等が格納されている。記憶部206には、交通ネットワーク情報データベース206a、定期区間情報データベース206bおよび地図情報データベース206c等が格納されている。
【0037】
交通ネットワーク情報データベース206aには、鉄道、飛行機、バスおよび船等の各交通機関(例えば、公共交通機関等)の路線網を規定する交通ネットワーク情報が格納されている。制御部202は、最新のデータを外部機器(例えば、地図情報を提供する地図提供サーバなど)等からネットワーク300を介して定期的にダウンロードして、交通ネットワーク情報データベース206aに格納されている交通ネットワーク情報をアップデートしてもよい。
【0038】
交通ネットワーク情報は、例えば、路線網表現上の結節点であるノード(例えば、交通機関の停留地点である駅、停留場、停車場、停留所、空港、港およびターミナル等)のノードデータと、ノード間を接続するリンク(例えば、鉄道路線、航空路線、航路およびバス路線等)のリンクデータとの組み合わせで表現されるものである。ここで、鉄道とは、ルート上に設置された固定式案内路(例えばレールおよび案内軌条等)等に誘導されて走行し、旅客や貨物等を輸送する交通機関であり、例えば、電車、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカーおよびリニアモーターカー等であってもよい。ノードデータには、ノード番号(例えばノードID等)、ノードの名称(例えば、交通機関の停留地点の名称である駅名、停留場名、停車場名、停留所名、空港名、港名およびターミナルの名称等)およびノードの位置座標(例えば緯度、経度および高度等)等の情報が含まれてもよい。リンクデータには、リンク番号(例えばリンクID等)、開始ノード番号、終了ノード番号、リンク内属性(例えば種別、リンク長(例えば距離等)、高架、トンネルおよび橋等)およびリンクの名称(例えば路線名など)等の情報が含まれてもよい。
【0039】
交通ネットワーク情報には、交通機関の時刻表データが含まれてもよい。ここで、時刻表データは、鉄道、飛行機、バスおよび船等の交通機関の時刻表を表す情報である。時刻表データは、更に、交通機関の行先情報(例えば最終行先情報など)および交通機関の種別(例えば特急、急行、準急、快速、快速急行、通勤特急、通勤快速、通勤急行、区間急行、区間準急、区間快速、各駅停車および普通など)を含む情報でもよい。時刻表データは、更に、路線上のノード(すなわち交通機関の停留地点)における交通機関の発着時刻(例えば出発、経由および到着の予定時刻など)、路線の名称および路線上のノードの名称等の属性情報を含む情報でもよい。時刻表データは、路線上のノードを結ぶ区間(例えば一つまたは複数のリンク等)毎に対応付けられた交通機関の属性情報(例えば種別および行先情報等)を含んでもよい。
【0040】
交通ネットワーク情報には、交通機関の利用料金データが含まれてもよい。ここで、利用料金データは、例えば、鉄道、飛行機、バスおよび船等の交通機関を利用した場合に生じる利用料金等を表す情報等でもよい。交通ネットワーク情報は、乗車位置データを含んでもよい。ここで、乗車位置データは、例えば、複数の車両が連結した交通機関(例えば電車、市電、モノレール、ケーブルカーおよびリニアモーターカー等)の乗車位置(例えば、改札口に近い車両、乗換に便利な位置の車両、混雑率の低い車両および女性専用車両等)を表す情報でもよい。交通ネットワーク情報は、交通機関の運行情報(例えば鉄道運行情報、航空運行情報、船舶運行情報およびバス運行情報等)を含んでもよい。交通機関の運行情報は、交通ネットワーク情報データベース206aに予め格納されており、制御部202は、最新のデータを外部システム等からネットワーク300を介して定期的にダウンロードして、交通ネットワーク情報データベース206aに格納されている交通機関の運行情報をアップデートしてもよい。
【0041】
定期区間情報データベース206bには、端末装置100の利用者を一意に識別するための利用者IDと、当該利用者が使用する定期券の適用区間(定期区間)および適用路線(定期路線)と、を対応付けた情報である定期区間情報が格納されている。
【0042】
地図情報データベース206cは、地図の地図情報を記憶する地図情報記憶手段である。地図情報データベース206cに格納される地図情報は、例えば、縮尺に従ってメッシュ化された地図情報(例えば、JIS規格の第1〜3次地域区画メッシュデータ、および100mメッシュデータ等)等の屋外地図情報でもよい。地図情報データベース206cには、全国および各地方の道路地図や路線図等の屋外地図情報が格納されてもよい。地図情報データベース206cには、例えば、高さ情報を持つ建築物(例えば立体駐車場、駅、デパートおよび学校等)に関するフロア案内地図等の屋内地図情報を更に格納してもよい。
【0043】
地図情報データベース206cに格納される地図情報は、地図上に表示される地物(例えば、建造物(例えばビル、住宅および駅等)、道路、線路、橋、トンネル、等高線、水涯線(例えば海岸線および湖岸線等)、海、河川、湖、池、沼、場地(例えば公園および屋外施設等)、行政界、行政区域および街区等)の形状に関する形状データ、地図上に表示される注記(例えば、地名、住所、電話番号、施設名称(例えば店、公園および駅等)、俗称を含む名称(例えば名所、旧跡、河川、湖、湾、山および森林等)、道路・橋・トンネル等の名称、路線名称、地点情報および口コミ情報等)の注記データ、および地図上に表示される記号(例えば、山・史跡・寺社・学校・病院・工場・墓地等の地図記号、ガソリンスタンド・コンビニエンスストア・スーパーマーケット・レストラン・銀行・郵便局等の店舗記号、道路上の信号・有料道路の出入口・料金所・サービスエリア・パーキングエリア・インターチェンジ等の記号、駐車場・駅・ホテル・美術館・博物館等の施設記号および口コミ地点記号等)の記号データ等のデータを含んでもよい。
【0044】
地図情報データベース206cに格納される屋内地図情報は、施設等の構内における屋内経路についての構内経路データを含んでもよい。ここで、構内経路データとは、駅等の構内における移動経路データと、移動経路を含む地図(施設案内図)の地図情報と、に少なくとも基づくデータでもよい。例えば、構内経路データは、施設案内図に移動経路が引いてある画像データでもよい。例えば、構内経路データは、更に、移動経路を説明するメッセージデータを含んでもよい。ここで、移動経路データに基づく移動経路とは、施設内で複数の交通機関の乗換えをする場合の改札口等を結ぶ最適経路(例えば最短経路またはバリアフリー経路等)でもよい。
【0045】
屋外地図情報および屋内地図情報は、ラスタ形式およびベクタ形式等の地図描画用の画像データでもよい。屋外地図情報および屋内地図情報は、地図情報データベース206cに予め格納されており、制御部202は、最新のデータを外部機器(例えば、地図情報を提供する地図提供サーバなど)等からネットワーク300を介して定期的にダウンロードして、地図情報データベース206cに格納されている屋外地図情報および屋内地図情報をアップデートしてもよい。
【0046】
制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有する。制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、定期区間情報設定部202aと、経路探索要求受信部202bと、経路探索部202cと、本発明の出力順位決定手段に相当する出力順位決定部202dと、本発明の経路情報生成手段に相当する経路探索結果生成部202eと、本発明の経路情報送信手段に相当する経路探索結果送信部202fと、を備える。
【0047】
定期区間情報設定部202aは、端末装置100から定期区間情報登録要求と共に送信された利用者ID、定期区間および定期路線を、定期区間情報として定期区間情報データベース206bに設定(登録)する。
【0048】
経路探索要求受信部202bは、端末装置100から送信された経路探索要求および経路探索条件(例えば、出発地、目的地、経由地、および出発、経由または到着の時刻など)を受信する。
【0049】
経路探索部202cは、交通ネットワーク情報データベース206aおよび定期区間情報データベース206bに基づいて、定期区間に対応する交通ネットワーク情報(例えば定期区間中の経路)に対して運賃のコストを下げる優先処理を行い、当該優先処理が行われた後の交通ネットワーク情報が格納されている交通ネットワーク情報データベース206aおよび経路探索要求受信部202bで経路探索要求と共に受信した経路探索条件に基づいて、出発地から目的地までの経路を探索する。ここで、経路探索部202cは、定期路線を使用する経路を探索し易くするために、例えば、定期路線に該当する定期区間に対して所要時間を仮想的に短く設定してもよい。経路探索部202cは、所要時間の長い遠回りの経路を探索し易くするために、例えば、探索の対象となる時間の範囲を定期路線(指定路線)の所要時間に応じて延長してもよい。
【0050】
出力順位決定部202dは、経路探索部202cで定期区間を考慮して探索された複数の経路を出力する際の順位(順序)を、定期区間の全部または一部を含む経路である適用経路(定期経路)が定期区間の全部または一部を含まない経路である非適用経路(非定期経路)よりも優先して出力されるように決定する。出力順位決定部202dは、経路探索部202cで探索された複数の経路に定期経路が複数存在する場合には、所定の条件に基づいて各々の定期経路に対して順位を決定する。ここで、出力順位決定部202dは、定期経路が複数存在する場合には、例えば、定期経路のうちの定期区間外の区間(非定期区間)の所要時間の情報に基づいて、各々の定期経路に対して順位を決定してもよい。出力順位決定部202dは、定期経路が複数存在する場合には、例えば、定期経路のうちの定期区間の所要時間の情報に基づいて、各々の定期経路に対して順位を決定してもよい。出力順位決定部202dは、定期経路が複数存在する場合には、例えば、定期経路の運賃の情報に基づいて、各々の定期経路に対して順位を決定してもよい。
【0051】
経路探索結果生成部202eは、出力順位決定部202dで決定した順位に基づいて、経路探索部202cで探索された複数の経路に関する、本発明の経路情報に相当する経路探索結果を生成する。
【0052】
経路探索結果送信部202fは、経路探索結果生成部202eで生成した経路探索結果を端末装置100へ送信する。
【0053】
[端末装置100の構成]
端末装置100は、定期区間情報登録要求を利用者ID、定期区間および定期路線と共にナビゲーションサーバ200へ送信したり、経路探索要求を経路探索条件と共にナビゲーションサーバ200へ送信したり、また、ナビゲーションサーバ200から送信された経路探索結果を受信し、受信した経路探索結果を出力部を介して出力させる等の機能を有する。
【0054】
端末装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話、スマートフォン、PHS、およびPDA等の携帯端末装置、および走行経路案内等を行なうナビゲーション端末(例えばカーナビゲーション装置など)等である。端末装置100には、インターネットブラウザ等が搭載されていてもよく、経路案内アプリケーション、乗換案内アプリケーションおよび情報検索アプリケーション等が搭載されていてもよい。端末装置100は、概略的に、制御部102と通信制御インターフェース部104と記憶部106と入出力制御インターフェース部108と出力部(表示部114および音声出力部116)と入力部118とを備える。
【0055】
表示部114は、アプリケーション等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイおよびモニタ等)である。音声出力部116は、音声データを音声として出力する音声出力手段(例えばスピーカ等)である。端末装置100は、利用者ID、定期区間、定期路線および経路探索条件等の入力ならびに定期区間情報登録要求および経路探索要求の指示等を行うための入力部118(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボードおよびマイク等)を備える。入出力制御インターフェース部108は、表示部114、音声出力部116および入力部118等の制御を行う。
【0056】
通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースである。通信制御インターフェース部104は、端末装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。通信制御インターフェース部104は、ナビゲーションサーバ200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ネットワーク300は、端末装置100およびナビゲーションサーバ200と、外部の地図提供サーバ等の外部機器または外部システムとを相互に接続する機能を有する。ネットワーク300は、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網および一般電話回線網等)、イントラネットまたは電力線通信(PLC)等でもよい。
【0057】
記憶部106は、HDやSSD等の大容量のストレージ手段、および/またはSRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えばキャッシュメモリ)等のストレージ手段である。記憶部106には、各種のデータベース、ファイルおよびテーブル等が格納されてもよい。記憶部106は、各種のファイル等を一時的に記憶するものでもよい。
【0058】
制御部102は、OS等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有する。制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、定期区間情報登録要求部102aと、経路探索条件設定部102bと、経路探索要求部102cと、本発明の経路情報受信手段に相当する経路探索結果受信部102dと、本発明の出力制御手段に相当する出力制御部102eと、を備える。
【0059】
定期区間情報登録要求部102aは、利用者が入力部118を操作して入力した利用者ID、定期区間および定期路線を定期区間情報としてナビゲーションサーバ200に登録するために、定期区間情報登録要求を、利用者ID、定期区間および定期路線と共にナビゲーションサーバ200へ送信する。
【0060】
経路探索条件設定部102bは、利用者が入力部118を操作して所望の経路探索条件(例えば、出発地、目的地、経由地、ならびに出発、経由および到着の時刻等)を入力することで、経路探索条件を設定する。
【0061】
経路探索要求部102cは、経路探索要求を、経路探索条件設定部102bで設定された経路探索条件と共にナビゲーションサーバ200へ送信する。
【0062】
経路探索結果受信部102dは、ナビゲーションサーバ200から送信された経路探索結果を受信する。
【0063】
出力制御部102eは、経路探索結果受信部102dで受信した経路探索結果を、出力部を介して出力させる。出力制御部102eは、例えば、受信した経路探索結果に基づいて、上位の経路を下位の経路より優先して表示する(例えば画面の上側に表示する等)ための表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部114に表示させてもよい。出力制御部102eは、例えば、受信した経路探索結果に基づいて、上位の経路を下位の経路より優先して音声出力するための音声データを生成し、生成した音声データを音声出力部116を介して出力させてもよい。
【0064】
以上で、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例の説明を終える。
【0065】
[ナビゲーションシステムの処理]
第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムで実行される処理の一例について、図3から図8を参照して詳細に説明する。図3は、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、定期区間情報データベース206bには、端末装置100から送信された利用者ID、定期区間および定期路線が予め格納されているものとする。
【0066】
まず、経路探索要求部102cは、経路探索要求を、経路探索条件設定部102bで予め設定された経路探索条件と共にナビゲーションサーバ200へ送信する(ステップSA1)。
【0067】
つぎに、経路探索要求受信部202bは、端末装置100から送信された経路探索要求および経路探索条件を受信する(ステップSA2)。
【0068】
つぎに、経路探索部202cは、交通ネットワーク情報データベース206aおよび定期区間情報データベース206bに基づいて、定期区間に対応する交通ネットワーク情報(例えば定期区間中の経路)に対して運賃のコストを下げる優先処理を行い、当該優先処理が行われた後の交通ネットワーク情報が格納されている交通ネットワーク情報データベース206aおよびステップSA2で受信された経路探索条件に基づいて、出発地から目的地までの経路を探索する(ステップSA3)。
【0069】
つぎに、出力順位決定部202dは、ステップSA3で探索された複数の経路を端末装置100の表示部114に表示させる際の各経路に対する順位を、定期経路が非定期経路よりも優先して表示されるように決定する(ステップSA4)。ここで、出力順位決定部202dが実行する順位決定方法の一例について、図4を参照して説明する。なお、ここでは、探索された4つの経路R1から経路R4のそれぞれに対して順位を決定する場合を一例として説明する。
【0070】
まず、出力順位決定部202dは、定期区間が含まれる経路を優先させるために、経路R1から経路R4のうち、定期区間が含まれない経路R1の順位を下げる(条件(1))。
【0071】
つぎに、出力順位決定部202dは、定期区間が含まれる経路同士について定期区間外の区間の所要時間が短い経路を優先させるために、定期区間が含まれる経路R2から経路R4のうち、定期区間外の区間の所要時間が長い経路R2の順位を下げる(条件(2))。
【0072】
つぎに、出力順位決定部202dは、定期区間が含まれる経路であって定期区間外の区間の所要時間が同じもの同士について定期区間の所要時間が短い経路を優先させるため(換言すると、定期区間を過度に使用した遠回りし過ぎる経路を優先させないため)に、定期区間外の区間の所要時間が同じ経路R3および経路R4のうち、定期区間の所要時間が長い経路R4の順位を下げる(条件(3))。なお、比較した経路同士について、定期区間の所用時間が数分単位で異なっていたとしても、同じと見做してもよい。
【0073】
そして、出力順位決定部202dは、条件(1)から条件(3)の処理結果に基づいて、各々の経路に対して順位を決定する。この場合、出力順位決定部202dは、経路R3に対して1位の順位を決定し、順に、経路R4に対して2位の順位を、経路R2に対して3位の順位を、そして経路R1に対して4位の順位を決定する。これにより、定期路線を使用した経路を優先して出力することが可能となる。また、遠回りし過ぎる経路を排除して、定期路線を適切に使用した経路を優先して出力することが可能となる。
【0074】
これにて、順位決定方法の一例の説明を終える。なお、ここでは、定期区間および定期区間外の区間の所要時間の長さに基づいて順位を決定する場合を一例として説明したが、例えば、定期区間および定期区間外の区間の距離・運賃・鉄道会社の種類・鉄道会社の数・乗車車両の種別(例えば特急および快速等)等に基づいて順位を決定してもよい。また、ここでは、定期区間が含まれる経路が複数あるときに、定期区間と定期区間外の区間とで分けて判断する場合を一例として説明したが、経路全体の料金・所要時間・距離等に基づいて順位を決定してもよい。また、定期券区分が含まれる経路または定期券区間のうち、複数の路線が乗り入れしている駅であるターミナル駅が優先されるように、順位を決定してもよい。また、定期区間の末端を経由する経路が優先されるように、順位を決定してもよい。また、設定する定期路線は、路線全体またはその一部区間でもよい。また、定期路線に対して運行情報が発生している場合には、定期路線を優先しないようにしてもよい。
【0075】
図3に戻り、経路探索結果生成部202eは、ステップSA4で決定された順位に基づいて、ステップSA3で探索された複数の経路の一覧に関する経路探索結果を生成する(ステップSA5)。
【0076】
つぎに、経路探索結果送信部202fは、ステップSA5で生成された経路探索結果を、端末装置100へ送信する(ステップSA6)。
【0077】
つぎに、経路探索結果受信部102dは、ナビゲーションサーバ200から送信された経路探索結果を受信する(ステップSA7)。
【0078】
そして、出力制御部102eは、ステップSA7で受信された経路探索結果に基づいて、複数の経路が順位に従って一覧表示された表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部114に表示させる(ステップSA8)。ここで、図5から図8を参照して、経路探索結果に関する表示画面の一例について説明する。
【0079】
図5には、定期区間としてSA駅およびSH駅が、そして定期路線としてDE線が設定され、さらに検索区間としてOM駅(出発駅)およびMK駅(目的駅)が設定された場合において生成・表示された、定期券区間を優先する定期優先モードが無効のときと有効のときの、経路探索結果に関する2つの表示画面が示されている。定期区間を考慮した場合、定期区間を優先しているため、定期区間を考慮しない場合に提示される図5の(A)に示すような経路探索結果とは異なる、時間的に遠回りとなるが実質的な運賃が安くなる図5の(B)に示すような経路探索結果が提示される。これにより、利用者が実質的に支払う料金が減る利用者にとって有益な経路を、利用者に優先して提供することができる。図5の(B)に示すように、定期券を使用した区間の料金が差し引かれた料金が表示され、さらに、定期券を使用した区間には、“定期適用区間”といった文言と、移動手段を表すマークとして定期券を使用したことを表すものとが表示される。
【0080】
図6には、定期区間としてNF駅およびOT駅が、そして定期路線としてTO線が設定され、さらに検索区間としてFU駅(出発駅)およびUE駅(目的駅)が設定された場合において生成・表示された、定期優先モードが無効のときの、経路探索結果の一覧に関する表示画面が示されている。図7には、図6と同様の場合において生成・表示された、定期優先モードが有効のときの、経路探索結果の一覧に関する表示画面が示されている。定期区間を考慮した場合、定期区間が含まれる経路を優先して表示し、さらに定期区間が含まれる経路が複数あるときには定期区間を利用する時間が少ない経路を優先して表示しているため、定期区間を考慮しない場合に提示される図6に示すような経路探索結果の一覧とは異なる、実質的な運賃が安く且つ所要時間が短い経路が最上位に配置された図7に示すような経路探索結果の一覧が提示される。これにより、利用者が実質的に支払う料金が減り且つそれほど遠回りにならない利用者にとって有益な経路を、利用者に優先して提供することができる。図7に示すように、定期券を使用した区間の料金が差し引かれた料金が表示され、さらに、定期券を使用した区間には、“定期適用区間”といった文言と、移動手段を表すマークとして定期券を使用したことを表すものとが表示される。
【0081】
図8には、定期区間としてSO駅およびOM駅が、そして定期路線としてOO線が設定され、さらに検索区間としてKE駅(出発駅)およびMI駅(目的駅)が設定された場合において生成・表示された、定期優先モードが有効のときの、経路探索結果に関する表示画面が示されている。図8に示すように、定期区間が含まれる経路が優先して表示されるだけでなく、さらに、定期券を使用しないときの元の料金と共に、当該料金から定期券を使用した区間の料金が差し引かれたものも表示される。また、定期券を使用した区間には、“定期券区間”といった文言が表示される。
【0082】
以上で、第1の実施形態にかかるナビゲーションシステムで実行される処理の一例の説明を終える。
【0083】
[第2の実施形態]
第2の実施形態にかかるナビゲーションシステム(サーバ主導型)について、図9および図10を参照して説明する。図9は、第2の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。図10は、第2の実施形態にかかるナビゲーションシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、第2の実施形態では、上述した実施形態と共通する説明を省略する場合がある。
【0084】
第2の実施形態においては、ナビゲーションサーバ200が、端末装置100の出力部に出力させるデータを生成し、生成したデータを端末装置100へ送信することにより、端末装置100の出力部を機能させている。このように、第2の実施形態は、ナビゲーションサーバ200がサーバ主導で処理を実行する点がその他の実施形態と異なる。
【0085】
[ナビゲーションサーバ200(サーバ主導型)の構成]
ナビゲーションサーバ200は、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、適用区間の全部または一部を含む経路である適用経路が適用区間の全部または一部を含まない経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定し、決定した順位に基づいて、探索された複数の経路に関する経路情報を生成し、生成した経路情報を端末装置100へ送信することにより、経路情報を端末装置100の出力部を介して出力させる等の機能を有する。
【0086】
図9に示すように、ナビゲーションサーバ200は、制御部102と通信制御インターフェース部104と入出力制御インターフェース部108と出力部(表示部114および音声出力部116)と入力部118とを備えた端末装置100に通信可能に接続され、制御部202と通信制御インターフェース部204と記憶部206とを備える。
【0087】
ここで、通信制御インターフェース部204および記憶部206(交通ネットワーク情報データベース206a、定期区間情報データベース206bおよび地図情報データベース206c等)の機能、ならびに端末装置100における表示部114、音声出力部116および入力部118の機能は、上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0088】
制御部202は、OS等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有する。制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、定期区間情報設定部202aと、経路探索要求受信部202bと、経路探索部202cと、本発明の出力順位決定手段に相当する出力順位決定部202dと、本発明の経路情報生成手段に相当する経路探索結果生成部202eと、本発明の出力制御手段に相当する出力制御部202gと、を備える。なお、定期区間情報設定部202a、経路探索要求受信部202b、経路探索部202c、出力順位決定部202dおよび経路探索結果生成部202eの機能は、上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0089】
出力制御部202gは、経路探索結果生成部202eで生成された経路探索結果を端末装置100へ送信することにより、経路探索結果を端末装置100の出力部を介して出力させる。出力制御部202gは、例えば、経路探索結果に基づいて、上位の経路を下位の経路より優先して表示する(例えば画面の上側に表示する等)ための表示画面を生成し、生成した表示画面を端末装置100へ送信することにより、表示画面を端末装置100の表示部114に表示させてもよい。出力制御部202gは、例えば、経路探索結果に基づいて、上位の経路を下位の経路より優先して音声出力するための音声データを生成し、生成した音声データを端末装置100へ送信することにより、音声データを端末装置100の音声出力部116を介して出力させてもよい。
【0090】
以上で、第2の実施形態にかかるナビゲーションシステムの構成の一例の説明を終える。
【0091】
[ナビゲーションシステム(サーバ主導型)の処理]
第2の実施形態にかかるナビゲーションシステム(サーバ主導型)で実行される処理の一例について、図10を参照して詳細に説明する。
【0092】
まず、制御部102は、経路探索要求を、予め設定された経路探索条件と共にナビゲーションサーバ200へ送信する(ステップSB1)。
【0093】
ここで、第2の実施形態におけるステップSB2からステップSB5までの処理は、上述した実施形態で説明したステップSA2からステップSA5までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0094】
そして、出力制御部202gは、ステップSB5で生成された経路探索結果に基づいて、複数の経路が順位に従って一覧表示された表示画面を生成し、生成した表示画面を端末装置100へ送信する(ステップSB6)ことにより、当該表示画面を端末装置100の表示部114に表示させる(ステップSB7)。
【0095】
以上で、第2の実施形態にかかるナビゲーションシステムで実行される処理の一例の説明を終える。
【0096】
[第3の実施形態]
第3の実施形態にかかるナビゲーション装置(スタンドアローン型)について、図11および図12を参照して説明する。図11は、第3の実施形態にかかるナビゲーション装置の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。図12は、第3の実施形態にかかるナビゲーション装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、第3の実施形態では、上述した実施形態と共通する説明を省略する場合がある。
【0097】
第3の実施形態においては、ナビゲーション装置400が、全ての機能を集約して備えることにより、ナビゲーションサーバ200に接続することなく当該全ての機能を実現している。このように、第3の実施形態は、ナビゲーション装置400がスタンドアローン型に構成され単独で処理を実行する点がその他の実施形態と異なる。
【0098】
[ナビゲーション装置400(スタンドアローン型)の構成]
ナビゲーション装置400は、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、適用区間の全部または一部を含む経路である適用経路が適用区間の全部または一部を含まない経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の適用経路に対して順位を決定し、決定した順位に基づいて、探索された複数の経路に関する経路情報を生成し、生成した経路情報を出力部を介して出力させる等の機能を有する。
【0099】
図11に示すように、ナビゲーション装置400は、制御部402と記憶部406と入出力制御インターフェース部408と出力部(表示部414および音声出力部416)と入力部418とを備える。ナビゲーション装置400が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。ナビゲーション装置400は、例えば、PND(Portable Navigation Device)等の各種ナビゲーション端末、ノート型のパーソナルコンピュータ等の各種情報処理装置、または携帯電話・PHS・PDA等の携帯端末装置等でもよい。
【0100】
ここで、入出力制御インターフェース部408、表示部414、音声出力部416および入力部418の機能は、上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。記憶部406(交通ネットワーク情報データベース406a、定期区間情報データベース406bおよび地図情報データベース406c等)についても、ナビゲーションサーバ200ではなくナビゲーション装置400に備えられている点を除き、上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0101】
制御部402は、OS等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有する。制御部402は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部402は、機能概念的に、定期区間情報設定部402aと、経路探索条件設定部402bと、経路探索部402cと、本発明の出力順位決定手段に相当する出力順位決定部402dと、本発明の経路情報生成手段に相当する経路探索結果生成部402eと、本発明の出力制御手段に相当する出力制御部402fと、を備える。なお、経路探索条件設定部402b、経路探索部402c、出力順位決定部402dおよび経路探索結果生成部402eの機能は、上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0102】
定期区間情報設定部402aは、利用者が入力部418を操作して利用者ID、定期区間および定期路線を入力することで、入力されたこれらの情報を定期区間情報として定期区間情報データベース406bに設定(登録)する。
【0103】
出力制御部402fは、経路探索結果生成部402eで生成された経路探索結果を、出力部を介して出力させる。出力制御部402fは、例えば、生成された経路探索結果に基づいて、上位の経路を下位の経路より優先して表示する(例えば画面の上側に表示する等)ための表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部414に表示させてもよい。出力制御部402fは、例えば、生成された経路探索結果に基づいて、上位の経路を下位の経路より優先して音声出力するための音声データを生成し、生成した音声データを音声出力部416を介して出力させてもよい。
【0104】
以上で、第3の実施形態にかかるナビゲーション装置の構成の一例の説明を終える。
【0105】
[ナビゲーション装置(スタンドアローン型)の処理]
第3の実施形態にかかるナビゲーション装置(スタンドアローン型)で実行される処理の一例について、図12を参照して詳細に説明する。
【0106】
まず、経路探索条件設定部402bは、利用者が入力部418を操作して所望の経路探索条件(例えば、出発地、目的地、経由地、ならびに出発、経由および到着の時刻等)を入力することで、経路探索条件を設定する(ステップSC1)。
【0107】
つぎに、経路探索部402cは、交通ネットワーク情報データベース406aおよび定期区間情報データベース406bに基づいて、定期区間に対応する交通ネットワーク情報(例えば定期区間中の経路)に対して運賃のコストを下げる優先処理を行い、当該優先処理が行われた後の交通ネットワーク情報が格納されている交通ネットワーク情報データベース406aおよびステップSC1で設定された経路探索条件に基づいて、出発地から目的地までの経路を探索する(ステップSC2)。
【0108】
つぎに、出力順位決定部402dは、ステップSC2で探索された複数の経路を表示部414に表示させる際の各経路に対する順位を、定期経路が非定期経路よりも優先して表示されるように決定する(ステップSC3)。
【0109】
つぎに、経路探索結果生成部402eは、ステップSC3で決定された順位に基づいて、ステップSC2で探索された複数の経路の一覧に関する経路探索結果を生成する(ステップSC4)。
【0110】
そして、出力制御部402fは、ステップSC4で生成された経路探索結果に基づいて、複数の経路が順位に従って一覧表示された表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部414に表示させる(ステップSC5)。
【0111】
以上で、第3の実施形態にかかるナビゲーション装置で実行される処理の一例の説明を終える。
【0112】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0113】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0114】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0115】
また、端末装置100、ナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置400に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0116】
例えば、端末装置100、ナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置400の各装置が備える処理機能、特に制御部102、制御部202および制御部402にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置100、ナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置400に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106、記憶部206および記憶部406などには、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0117】
また、このコンピュータプログラムは、端末装置100、ナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置400に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0118】
また、本発明にかかるプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、およびBlu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0119】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0120】
記憶部106、記憶部206および記憶部406に格納される各種のデータベース等(交通ネットワーク情報データベース、定期区間情報データベースおよび地図情報データベース等)は、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベースおよびウェブページ用ファイル等を格納する。
【0121】
また、端末装置100、ナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置400は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、端末装置100、ナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置400は、該情報処理装置に本発明のナビゲーション方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0122】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
以上詳述したように、本発明によれば、ユーザまたは設計者に難しく煩雑な調整を行なわせることなく、定期券の適用区間を使用した経路を優先して出力させることができるナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、端末装置、ナビゲーション方法およびプログラムを提供することができるので、ナビゲーションを支援する情報機器や情報処理分野などの様々な分野において極めて有用である。
【符号の説明】
【0124】
100 端末装置
102 制御部
102a 定期区間情報登録要求部
102b 経路探索条件設定部
102c 経路探索要求部
102d 経路探索結果受信部
102e 出力制御部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
108 入出力制御インターフェース部
114 表示部
116 音声出力部
118 入力部
200 ナビゲーションサーバ
202 制御部
202a 定期区間情報設定部
202b 経路探索要求受信部
202c 経路探索部
202d 出力順位決定部
202e 経路探索結果生成部
202f 経路探索結果送信部
202g 出力制御部
204 通信制御インターフェース部
206 記憶部
206a 交通ネットワーク情報データベース
206b 定期区間情報データベース
206c 地図情報データベース
300 ネットワーク
400 ナビゲーション装置
402 制御部
402a 定期区間情報設定部
402b 経路探索条件設定部
402c 経路探索部
402d 出力順位決定部
402e 経路探索結果生成部
402f 出力制御部
406 記憶部
406a 交通ネットワーク情報データベース
406b 定期区間情報データベース
406c 地図情報データベース
408 入出力制御インターフェース部
414 表示部
416 音声出力部
418 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と出力部とを備えたナビゲーション装置であって、
上記制御部は、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、
上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、
上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、
を備えたこと、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
上記出力順位決定手段は、上記適用経路が複数存在する場合には、上記適用経路のうちの上記適用区間外の区間の所要時間の情報に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
上記出力順位決定手段は、上記適用経路が複数存在する場合には、上記適用経路のうちの上記適用区間の所要時間の情報に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、
上記出力順位決定手段は、上記適用経路が複数存在する場合には、上記適用経路の運賃の情報に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、
上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、
上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を出力部を介して出力させる出力制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
制御部を備えたナビゲーションサーバ、および制御部と出力部とを備えた端末装置を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、
上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、
上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信する経路情報送信手段と、
を備え、
上記端末装置の上記制御部は、
上記ナビゲーションサーバから送信された上記経路情報を受信する経路情報受信手段と、
上記経路情報受信手段で受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、
を備えたこと、
を特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
出力部を備えた端末装置と通信可能に接続された、制御部を備えたナビゲーションサーバであって、
上記制御部は、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定手段と、
上記出力順位決定手段で決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成手段と、
上記経路情報生成手段で生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信することにより、上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、
を備えたこと、
を特徴とするナビゲーションサーバ。
【請求項8】
ナビゲーションサーバと通信可能に接続された、制御部と出力部とを備えた端末装置であって、
上記制御部は、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路に関する上記ナビゲーションサーバから送信された経路情報であって、上記ナビゲーションサーバが、上記探索された複数の上記経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定し、決定した上記順位に基づいて生成したものを受信する経路情報受信手段と、
上記経路情報受信手段で受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御手段と、
を備えたこと、
を特徴とする端末装置。
【請求項9】
制御部と出力部とを備えたナビゲーション装置において実行されるナビゲーション方法であって、
上記制御部において実行される、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、
上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とするナビゲーション方法。
【請求項10】
ナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、
上記ナビゲーションシステムは、出力順位決定手段と経路情報生成手段と出力制御手段とを備え、
上記出力順位決定手段が、設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、
上記経路情報生成手段が、上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
上記出力制御手段が、上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項11】
制御部を備えたナビゲーションサーバ、および制御部と出力部とを備えた端末装置を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、
上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信する経路情報送信ステップと、
を含み、
上記端末装置の上記制御部において実行される、
上記ナビゲーションサーバから送信された上記経路情報を受信する経路情報受信ステップと、
上記経路情報受信ステップで受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とするナビゲーション方法。
【請求項12】
出力部を備えた端末装置と通信可能に接続された、制御部を備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるナビゲーション方法であって、
上記制御部において実行される、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、
上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信することにより、上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とするナビゲーション方法。
【請求項13】
ナビゲーションサーバと通信可能に接続された、制御部と出力部とを備えた端末装置において実行されるナビゲーション方法あって、
上記制御部において実行される、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路に関する上記ナビゲーションサーバから送信された経路情報であって、上記ナビゲーションサーバが、上記探索された複数の上記経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定し、決定した上記順位に基づいて生成したものを受信する経路情報受信ステップと、
上記経路情報受信ステップで受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とするナビゲーション方法。
【請求項14】
制御部と出力部とを備えたナビゲーション装置において実行させるためのプログラムであって、
上記制御部において実行させるための、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、
上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とするプログラム。
【請求項15】
出力部を備えた端末装置と通信可能に接続された、制御部を備えたナビゲーションサーバにおいて実行させるためのプログラムであって、
上記制御部において実行させるための、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定する出力順位決定ステップと、
上記出力順位決定ステップで決定した上記順位に基づいて、上記探索された複数の上記経路に関する経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
上記経路情報生成ステップで生成した上記経路情報を上記端末装置へ送信することにより、上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とするプログラム。
【請求項16】
ナビゲーションサーバと通信可能に接続された、制御部と出力部とを備えた端末装置において実行させるためのプログラムあって、
上記制御部において実行させるための、
設定された定期券の適用区間を考慮して探索された出発地から目的地までの複数の経路に関する上記ナビゲーションサーバから送信された経路情報であって、上記ナビゲーションサーバが、上記探索された複数の上記経路を出力する際の順位を、上記適用区間の全部または一部を含む上記経路である適用経路が上記適用区間の全部または一部を含まない上記経路である非適用経路よりも優先して出力されるように決定し、さらに上記適用経路が複数存在する場合には所定の条件に基づいて各々の上記適用経路に対して上記順位を決定し、決定した上記順位に基づいて生成したものを受信する経路情報受信ステップと、
上記経路情報受信ステップで受信した上記経路情報を上記出力部を介して出力させる出力制御ステップと、
を含むこと、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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