説明

ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム及びナビゲーションシステムにおける経路算出方法

【課題】他車両による充電スポットの利用予定を考慮して、自車両が充電スポットを利用するタイミングが重ならないように経路及び充電スポットを設定することのできるナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】本発明のナビゲーションシステム1は、クライアント端末10とセンタサーバ20とを備え、クライアント端末10が自車両に関する車両情報をセンタサーバ20に送信して目的地までの経路検索を要求すると、センタサーバ20は自車両の現在地から目的地までの経路を算出して充電が必要な場合には、充電スポットを経由地として検索し、自車両が充電スポットに到着する到着予定時刻と充電スポットにおける充電予定時間と他車両による充電スポットの利用予定とを考慮して、自車両の充電スポットにおける利用予定及び自車両の目的地までの経路を設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他車両による充電スポットの利用予定を考慮して充電スポットを経由した目的地までの経路を設定するナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境の保全や資源の節約などの観点から、今後普及が見込まれているモビリティの一つに電気自動車(Electric Vehicle:以下EVという)がある。EVは単位距離あたりのエネルギーコストが内燃機関に比べて極めて安価にできるうえ、エネルギーの生成方法として太陽光や風力といったクリーンエネルギーを用いることによってCO2の排出量を限りなく0に近づけることが可能である。
【0003】
このようなEVにおいて、現在普及の足かせとなっている問題の一つに航続距離がある。EVはバッテリに蓄えた電気を利用してモータに動力を発生させるが、このバッテリの性能は未だ発展途上であり、内燃機関の航続距離に比べて短くなることは認めざるを得ない。今後、バッテリ技術の向上によってこの問題も解決に向かうと考えられるが、現状の性能でEVの普及を考えた場合には目的地までの経路の途中で適宜充電を行うことが必須の条件となる。通常、EVの充電には一般家庭のコンセントで給電を行う通常充電と、事業者や自治体が設置した急速充電器で給電を行う急速充電とがある。上述した経路途中での充電は主に後者の急速充電となることが予想され、これを睨んで各地で急速充電を行う充電施設(以下充電スポットという)の設置が進んでいる。しかしながら、充電スポットも急激に拡大が進むとは考えにくいため、EV普及黎明期には、如何に充電スポットを適切に経由して充電しながら目的地へ到達するかという経路の選定が非常に重要になるものと考えられる。
【0004】
こうした事情に鑑み、特許文献1に開示された電気自動車の経路探索装置では、ナビゲーション装置の地図データに充電スポットの情報を加え、電池残量と充電スポットの位置関係に基づいて、目的地までに適宜充電スポットを経由地として選択する技術が開示されている。また、特許文献2に開示された情報提示装置では、航続可能距離を寄り道が可能な距離と併せて視覚的に提示することによって、現在の電池残量から目的地までの間に、どの程度寄り道が可能であるかを直感的に伝える方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−170293号公報
【特許文献2】特開2003−21522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、充電スポットの位置の把握及び充電スポットへの経路誘導は可能であるものの、充電スポットの利用状況を把握する機能がないため、充電スポットに到着した際に既に別のEVが充電している場合があり、このような場合には充電が完了するのを待つか、あるいは他の充電スポットを新たな経由地として検索して移動しなければならないという問題点があった。
【0007】
また、仮に各充電スポットに充電状態を監視する機構を設けたとしても、リアルタイムに充電スポットの占有状況を把握することはできるが、移動を開始した時点(経路探索時点)では到着予定時刻における充電スポットの占有状況は把握することができない。したがって、到着した時に他のEVによって充電スポットが占有されている可能性は従来と同様であり、すぐに充電が開始できないという問題を解決することはできなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、通信機能を利用して各EVの経路及び経由地とする充電スポットを互いに共有することによって充電スポットの時系列的な占有状況を把握し、この占有状況に基づいて各EVが効率的に充電スポットを利用できるように、EVの経路及び充電スポットの利用予定を調整して設定することのできるナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るナビゲーションシステムは、車両に搭載されたクライアント端末とクライアント端末と通信するセンタサーバとを備え、クライアント端末が自車両に関する車両情報をセンタサーバに送信して目的地までの経路検索を要求すると、センタサーバは、自車両の現在地から目的地までの経路を算出して充電が必要な場合には、第1の充電施設を経由地として検索し、自車両が第1の充電施設に到着する到着予定時刻と第1の充電施設における充電予定時間と他車両による第1の充電施設の利用予定とを考慮して、自車両の第1の充電施設における利用予定及び自車両の目的地までの経路を設定することにより、上述した課題を解決する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るナビゲーションシステムによれば、他車両による充電スポットの利用予定を考慮して、自車両による充電スポットの利用予定と目的地までの経路を設定するので、充電スポットを利用するタイミングが重ならないように調整することができ、これによって目的地まで効率的に到達できる経路及び充電スポットを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムの基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムの具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムによる経路算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける経路検索の一例を示す図である。
【図5】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける充電スポットの検索結果の一例を示す図である。
【図6】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける充電スポットの検索結果の一例を示す図である。
【図7】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける経路検索の一例を示す図である。
【図8】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける経路検索の一例を示す図である。
【図9】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける経路検索の一例を示す図である。
【図10】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける経路検索の一例を示す図である。
【図11】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける経路検索の一例を示す図である。
【図12】本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムにおける充電スポットの検索結果の一例を示す図である。
【図13】本発明を適用した第2実施形態に係るナビゲーションシステムの基本構成を示すブロック図である。
【図14】本発明を適用した第2実施形態に係るナビゲーションシステムによる経路算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した第1及び第2実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1実施形態]
[ナビゲーションシステムの構成]
図1は本実施形態に係るナビゲーションシステムの基本構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るナビゲーションシステム1は、クライアント端末10とセンタサーバ20とを備えている。クライアント端末10は、電池残量検出手段11と、位置検出手段12と、目的地設定手段13と、経路誘導手段14と、通信手段15とを備え、センタサーバ20は、経路算出手段21と、充電スポット調整手段22と、充電スポットデータベース23と、通信手段24と、EVデータベース25とを備えている。
【0015】
図2は本実施形態に係るナビゲーションシステムの具体的な構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、本実施形態に係るナビゲーションシステム1は、クライアント端末10とセンタサーバ20とを備え、クライアント端末10は、充電レベルセンサ30と、位置センサ31と、スイッチ32と、タッチパネル33と、マイク34と、演算装置35と、記憶装置36と、ディスプレイ37と、スピーカ38と、通信装置39とを備え、センタサーバ20は、通信装置40と、演算装置41と、記憶装置42とを備えている。
【0017】
以下、図1の基本構成に図2の具体的な構成を対応させて説明する。
【0018】
電池残量検出手段11は、EVに搭載されている電池に残存した電気エネルギー量を検出するものであり、クライアント端末10の充電レベルセンサ30で構成することができる。充電レベルの検出方法としては、バッテリの電圧降下特性を利用して端子電圧の計測結果から残量を予測する方式や、端子に流れる電流値を計測して残量を推定するクーロンカウンタ方式等の一般的な方法を用いればよい。尚、電池は温度による充放電特性や個体毎の性能のばらつき、充放電の繰り返しによる劣化等によって特性が常に変化するので、その変化を学習し、校正する機能を備えたものを用いることが望ましい。
【0019】
位置検出手段12は、車両の現在位置を検出するものであり、クライアント端末10の位置センサ31で構成することができる。この位置センサ31は、一般的なGPS(Global Positioning System)やGalileo等の人工衛星による衛星測位を利用するもの、携帯電話の基地局等から発信される地上の電波を用いるもの、双方を用いた高精度なもの等を用いることができる。また、現行の一般的なナビゲーション装置で行われているように、速度、加速度センサ(ジャイロセンサ)及び地図データベースを併せ持ち、車両の動きを地図上の道路に合致させる手法(マップマッチング)によって位置精度を高める方法を利用することも可能である。
【0020】
目的地設定手段13は、特定の位置を目的地として経路算出手段21に伝達するものであり、スイッチ32、タッチパネル33、マイク34等から構成される入力装置、演算装置35、記憶装置36から構成される。記憶装置36には、施設名称や住所、電話番号といった施設を特定するための情報と緯度経度からなる位置情報とが関連付けられて記憶されており、入力装置を介して運転者は目的地を検索して設定することが可能である。
【0021】
経路誘導手段14は、経路算出手段21において算出された経路に基づいて現在地から目的地までの経路を運転者に提示及び案内するものであり、演算装置35、記憶装置36とともにディスプレイ37、スピーカ38などを備えた出力装置から構成される。経路の案内方法としては、一般的なナビゲーション装置が提供する方法と同様に、右左折を始めとした経路誘導の情報を画面及び音声で提供する方法を用いればよい。尚、本実施形態に係るナビゲーションシステム1においては、経由地として充電スポットを案内する機能を含んでいるので、充電スポットに関する各種情報(満空情報や料金情報)を同時に案内することが望ましい。
【0022】
通信手段15、24は、クライアント端末10とセンタサーバ20との間で情報の送受信を行うものであり、クライアント端末10の通信装置39及びセンタサーバ20の通信装置40から構成される。通信方式としては、携帯電話網、無線LAN、次世代高速無線通信網等の一般的な無線通信網や、専用無線回線等の各種無線通信網を利用することが可能である。また、本実施形態に係るナビゲーションシステム1ではクライアント端末10に通信手段15を内蔵する構成としているが、運転者が所有する携帯電話等の外部のネットワーク機器に接続してセンタサーバ20と通信を行う方式としてもよい。また、本実施形態に係るナビゲーションシステム1では、センタサーバ20に経路算出手段21が配置されているため、経路を検索する際には必ずセンタサーバ20に接続する必要がある。これは、近年普及しつつある通信機能付きのナビゲーション装置でも実際に採用されている方式であり、そのような方式を拡張したものと捉えることができる。こうした通信機能付きのナビゲーション装置はテレマティクス端末と呼ばれ、プローブ情報と呼ばれる車両で取得した各種情報をセンタサーバ20に伝達し、センタサーバ20から各種交通情報やインターネットコンテンツ(ニュースや天気予報等)を取得する機能を備えている。
【0023】
経路算出手段21は、クライアント端末10から取得した現在地、目的地、電池残量等の情報と、充電スポット調整手段22が提示する充電スポットの候補の情報とに基づいて最適な経路を算出するものであり、演算装置41、記憶装置42から構成されている。経路検索の方法としては、ダイクストラ法等の一般的なものを利用することができる。尚、上記の情報に加えてVICS交通情報やプローブ交通情報を加えることによって渋滞に関する情報を加味した経路検索を行うことができる。
【0024】
充電スポット調整手段22は、クライアント端末10から取得した現在地、目的地、電池残量等の情報と、経路算出手段21で算出された経路上に存在する充電スポットに関する情報を検索して経由地とすべき充電スポットを算出するものであり、演算装置41、記憶装置42から構成されている。尚、経路算出手段21において、電池残量が十分にあって経路の途中で充電が必要ないと判断された場合には、充電スポット調整手段22の機能は必須の機能ではないが、運転者の判断によって途中で充電する場合を考慮して経路の途中にある充電スポットに関する情報は運転者に提示することが望ましい。
【0025】
充電スポットデータベース23は、充電スポットの基礎情報と、充電スポット調整手段22で調整された結果、すなわち充電スポット毎の利用予定情報と、リアルタイムな充電スポットの利用情報(満空情報)とを記録するものであり、記憶装置42から構成されている。充電スポットの基礎情報としては、例えば各充電スポットの緯度、経度、充電種別(急速充電あるいは通常充電)、料金などの情報を含んでいる。
【0026】
EVデータベース25は、各EVの基礎情報を記録するものであり、記憶装置42から構成されている。EVの基礎情報としては、例えば各EVの現在地、目的地、電池残量などの情報を含んでいる。
【0027】
尚、経路算出手段21、充電スポット調整手段22、充電スポットデータベース23及びEVデータベース25は、互いに連携して充電スポットを経由地として含む経路を検索するものである。また、上述した本実施形態に係るナビゲーションシステム1の構成では、経路算出手段21、充電スポット調整手段22、充電スポットデータベース23及びEVデータベース25をセンタサーバ20に配置して主な処理をセンタサーバ20で行う構成となっているが、これらの構成をクライアント端末10に配置して主な処理をクライアント端末10で行うようにしてもよい。この場合、EV同士で経路情報を共有して充電スポットを調整できるようにすればよく、同じ方向に向かうクライアント端末同士で同一の充電スポットを同一の時間帯に利用する可能性があるかどうかを確認し、重複する可能性がある場合にはクライアント端末同士で充電スポットの変更や出発時間の変更等の調整を行う仕組みとすればよい。このような構成は、例えばセンタサーバを介さないでピアツーピアのネットワークで実現することができる。
【0028】
[経路算出処理の手順]
次に、本実施形態に係るナビゲーションシステム1による経路算出処理の手順を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
図3に示すように、ステップS101において、EVに搭載されたクライアント端末10の目的地設定手段13から目的地が入力されると、ステップS102では位置検出手段12によって自車両の現在地情報が検出され、電池残量検出手段11では自車両の電池残量が検出されて、これらの情報を車両情報として取得する。そして、ステップS103ではセンタサーバ20に対して、経路途中における充電の有無を含めた経路算出のリクエストが通信手段15を介して送信される。このとき、同時に目的地や車両情報についても送信されるが、車両情報については走行履歴やナビゲーションシステムの操作履歴、ワイパー、ウィンカーの動作状況、アクセル開度、ABS情報等の車両に関するあらゆる情報を送信してセンタサーバ20にアップロードするようにしてもよい。こうした情報はプローブ情報やVRM(Vehicle Relationship Management)と呼ばれ、センタサーバ20で様々に加工、分析することによって交通情報等を生成し、ナビゲーション装置や各種端末に提供して活用することができる。
【0030】
次に、ステップS104において、通信手段24を介してリクエストを取得したセンタサーバ20は、クライアント端末10から取得した車両情報を解析してEVデータベース25に格納する。このEVデータベース25に格納されている基礎情報により、各EVの現在位置や電池残量などの情報を一元管理することができ、利用傾向や電池の劣化等を把握することができる。
【0031】
ステップS105では、クライアント端末10から取得した現在地と目的地とに基づいてセンタサーバ20が経路の演算を行う。このときVICS情報等の交通情報等を考慮してより正確な到着時間を算出することが望ましい。そして、目的地までの経路が算出されると、ステップS106において、センタサーバ20は、算出された経路距離を走行するために必要な消費電力と自車両の電池残量とを比較して目的地まで無充電で走行可能であるか否かを判定する。無充電で走行可能である場合にはステップS112へ移行し、無充電での走行が困難である場合にはステップS107へ移行する。尚、目的地までに充電が必要か否かの判定については、おおよその走行距離で判定することも可能である。したがって、先ず充電の有無を判定するために簡易的な経路算出を行い、その後に充電が必要か否かに応じて再度詳細な経路計算を行うようにした2段階の経路算出方式としてもよい。また、経路距離から単純に消費電力を見積もるだけの方法では誤差が大きい場合には、経路中の渋滞情報を考慮して各地点での速度に基づいて消費電力等を正確に算出して、より正確な判断ができるようにすることも可能である。このように消費電力を正確に予測するためには、EVの走行パターンに応じた電力消費パターンを予め緻密に取得して対応表を作ったり、あるいはモデル式化しておくことが望ましい。ただし、こうした処理を実施するためには高い計算性能を必要とするが、本実施形態ではセンタサーバ20で処理を行う構成としているため、例えばセンタサーバ20を容易に性能向上(スケールアップ、スケールアウト)可能な構成としておくことによって、必要に応じた計算性能を実現することが可能である。
【0032】
次に、ステップS107では、無充電での走行が困難であると判定されたので、センタサーバ20は充電スポットデータベース23に基礎情報として格納されている充電スポットに関する情報を参照して、目的地までの経路周辺に位置する充電スポットを検索する。この検索を実行する際には、充電スポット及び目的地への到着予定時刻、充電スポットにおける充電予定時間、充電スポットにおける予想電池残量、充電スポットにおける充電開始までの待ち時間、充電スポットの検索時刻、目的地までの電力消費量及び充電スポットにおける充電料金のうちの少なくとも1つを考慮して検索する。また、どのような充電スポットを優先的に検索するかについては、経路上からの逸脱が最も少ない、すなわち迂回が極小となる充電スポットを優先して検索する方法が最も一般的であるが、他にも充電スポットにおける充電時間を含めた目的地までの到着予定時刻が最も速くなる充電スポットを優先して検索する方法や、あるいは充電時間が最も短くてすむ充電スポットを優先して検索する方法、充電料金が最も安価な充電スポットを優先して検索する方法などを採用してもよい。また、このような検索方法に優先順位を付けて複数の検索方法を選択できるようにしてもよい。その場合には運転者が自ら検索方法を調整できるようにすることが望ましい。
【0033】
さらに、最初に検索した第1候補の充電スポットが他車両による利用予定があって第2候補の充電スポットを再度検索しなければならない場合には、第1候補の充電スポットにおける到着予定時刻などのデータと第2候補の充電スポットにおけるデータとの差分を算出して、その差分が所定の範囲内になるように検索する。例えば、第1候補の充電スポットへの到着予定時刻と第2候補の充電スポットへの到着予定時刻との差分、第1候補の充電スポットの充電予定時間と第2候補の充電スポットの充電予定時間との差分、第1候補の充電スポットまでの消費電力と第2候補の充電スポットまでの消費電力との差分、第1候補の充電スポットの充電料金と第2候補の充電スポットの充電料金との差分のうちのいずれかが所定の範囲内になるように第2候補の充電スポットを検索する。
【0034】
これにより、第1候補の充電スポットと比較して許容範囲内にある第2候補の充電スポットを検索することができ、運転者の利便性を高めることができる。
【0035】
こうして充電スポットが検索されると、ステップS108において、検索された充電スポットへの到着予定時刻及び予想電池残量を算出し、また予想電池残量と充電スポットの充電種別(急速充電または通常充電)などを考慮して充電スポットにおける充電予定時間を算出する。
【0036】
ここで、到着予定時刻を算出する際には、経路上の渋滞情報や法定速度等を考慮して、より正確な到着予定時刻を算出することが望ましい。また、充電予定時間(充電スポットをEVが占有する時間)はEVが充電する電力量によって変化するが、ここではEVが充電スポットから目的地までに必要とする電力量を必要十分な電力量とし、この電力量と充電スポットの充電速度から充電予定時間を算出するものとする。充電速度とは、所定の電力量を充電するために必要な時間を指すが、一般的なリチウムイオン電池の充電では、電池残量が少ない間の充電は定電流充電、満充電付近では定電圧充電を行う方式となっており、満充電状態に近づくにつれて単位時間当たりの充電量、すなわち充電速度が低下する。したがって、センタサーバ20はこのような充電速度の変化を考慮して充電時間の算出を行うことが望ましい。例えば、EVの電池残量と必要充電量とに対応した充電速度を予めデータベース等に記憶させておくことによって、より正確な充電予定時間を算出することができる。ここで、予め記憶させておく充電速度は、すべての充電スポットで共通の情報にするのではなく、充電スポット毎、あるいは充電スポットの種別毎に情報を用意しておくようにすれば、充電設備の性能や規格の違い(急速充電器と通常充電器等)を考慮して充電予定時間をより正確に算出することが可能になる。
【0037】
次に、ステップS109では、充電スポットデータベース23の利用予定情報を参照し、検索された充電スポットに到着する時刻の前後における他車両の利用予定を参照する。尚、利用予定情報には、充電スポットの利用予定だけではなく、実際に現在利用されている充電スポットの利用状況についても併せて記憶させておく。これにより、特に直近の情報として正確性を高めることができ、充電スポットを選択する際の精度を向上させることが可能になる。
【0038】
こうして充電スポットへの到着予定時刻、充電スポットにおける充電予定時間及び充電スポットにおける他車両の利用予定とを取得すると、センタサーバ20はステップS110において、検索した充電スポットが到着予定時刻に利用可能であるか否かを判定し、利用不可能である場合にはステップS111へ移行し、利用可能である場合にはステップS112へ移行する。
【0039】
ステップS111では、充電スポットにおける充電予定が他車両と重複した場合に、調整が可能であるか否かを判定する。例えば、センタサーバ20は到着予定時刻、充電予定時間、予想電池残量のうちの少なくとも1つを考慮して、自車両の出発時刻または充電スポットへの到着時刻を変更することが可能であるか否かを判定する。そして、調整が可能である場合にはステップS112へ移行し、調整が不可能である場合には別の充電スポットを検索するためにステップS107へ戻る。
【0040】
ここで、上述したステップS107〜S111で行われる充電スポットの検索処理の一例を、図面を参照して説明する。
【0041】
図4は、ある地域におけるEVの走行状況と充電スポットの利用予定とを示した図である。図4に示すように、EV1は現在地から目的地G1への経路50の算出を行っている状況であり、経路50の近辺には充電スポットA、Bの2箇所がある。ここで、図4に示すようにセンタサーバ20が管理する充電スポットAの利用予定データ51には利用予定はなく、同様に充電スポットBの利用予定データ52にも利用予定はない。尚、実際には充電スポットの利用予定データはセンタサーバ20において一元管理されている。
【0042】
このような状況において、EV1に搭載されたクライアント端末10からセンタサーバ20に経路を算出する要求が送信されると、センタサーバ20は目的地G1までの暫定の経路を算出する。その結果、経路の途中で充電が必要であると判断し、充電スポットを検索する。まず経路周辺にある充電スポットを抽出し、それぞれの充電スポットの到着予定時刻と予想電池残量を算出し、その後に充電スポットにおける充電予定時間、すなわち充電スポットの占有時間を算出する。この算出結果の一例を図5に示すと、図5ではEV1が充電スポットAに到着する時刻をTs(A,EV1)で示し、EV1が充電スポットAで充電を行う時間をTi(A,EV1)として示している。同様に充電スポットBについては到着時刻をTs(B,EV1)、充電時間をTi(B,EV1)として算出している。
【0043】
尚、図4には図示していないが、経路周辺に充電スポットC以下が存在する場合には、図5に示すようにそれぞれの充電スポットに対応するEV1の到着時刻Ts(n,EV1)、充電時間Ti(n,EV1)を求める(nは各充電スポット)。図4の場合には充電スポットA,Bのどちらも利用可能であるため、運転者の要求に応じて充電スポットが選択される。ここで、運転者の要求を反映させる方法としては、運転者に直接充電スポットを選択させる方法のほかに、充電スポットを選択する際の優先順位を予め設定しておく方法も考えられる。優先順位を設定する場合には、一般的なナビゲーション装置の経路算出時に設定される条件と同様の条件を用いて優先順位を設定すればよい。例えば、走行距離の短い充電スポットを優先して設定したり、到着時刻の早い充電スポットを優先して設定したり、一般道路を優先して設定するなどである。また、充電に関して新たな条件を設定することも可能である。例えば、充電時間の短い充電スポットを優先して設定したり、充電料金の安い充電スポットを優先して設定したりすることも考えられる。
【0044】
図4に示した例では、到着時刻を優先した場合を考え、迂回せずに経由可能な充電スポットAを充電スポットとして選択している。その結果、図6に示すように充電スポットAに対してEV1の充電予定が記録される。最終的にEV1の経路算出の結果は図7に示すように決定され、現在地から充電スポットAを経由して目的地G1に向かう経路50が設定される。
【0045】
次に、図8は図7の状況から暫く時間の経った状況を示しており、EV2が新たに移動を開始した状況を示している。図8に示すように、EV2は現在地から目的地G2までの経路をセンタサーバ20に対して経路算出要求を行っている。その結果、EV2は充電スポットBを経由する経路60が最も速く、かつ充電スポットBは利用予定が無いため、経由地を充電スポットBと決定して充電スポットデータベース23にEV2の利用予定が記録される。
【0046】
さらに、図9は図8の状況からさらに暫く時間の経った状況を示しており、EV3が新たに移動を開始してセンタサーバ20に経路算出要求を行っている。この場合も図8と同様に最適な経由地が充電スポットBとなる経路70が算出されるが、充電スポットBではEV2の到着予定時刻以降に利用予定が無いため、問題なく充電スポットBを経由地として選択することができ、充電スポットデータベース23にEV3の利用予定が記録される。
【0047】
次に、図10及び図11は図9の状況からさらに暫く時間の経った状況を示しており、EV4が新たに移動を開始してセンタサーバ20に経路算出要求を行っている。ここで、経路算出手段21はEV4の充電スポットA及びBの到着予定時刻及び充電予定時間を算出し、現在の各充電スポットの利用予定と照らし合わせる。図10は充電スポットBについての算出結果であり、図11は充電スポットAについての算出結果を示している。経路としては図10に示す充電スポットBを経由する経路80のほうが早いが、充電スポットBの到着予定時刻には充電スポットBが占有されているので、すぐに利用することはできない。そこで、図11に示す充電スポットAへ迂回する経路90が検索結果として提示されている。
【0048】
このように、経路算出手段21は経路算出要求が行われる毎に充電スポット調整手段22と協調して最適な経由地を算出し、充電スポットデータベース23に利用予定を記録していく。図12は、ある時点における充電スポットデータベース23の利用予定一覧を示している。EV1〜4以降もEVからの経路算出要求に伴って利用予定が追加され、利用予定が次第に埋まっていく。
【0049】
上述したような処理を行うことによって、各EVのクライアント端末10からの経路算出要求に対してセンタサーバ20が充電スポットを調整し、充電スポットを経由地として含む経路をクライアント端末10に提供する。尚、上述した調整方法では、第1候補の充電スポットを利用せず、第2候補の充電スポットへ迂回させる方法であったが、自車両の出発時刻または充電スポットへの到着時刻を前後にずらすことによって第1候補の充電スポットを経由地とするようにしても良く、実際には双方の調整方法を併用して経由地となる充電スポットを提案することが望ましい。
【0050】
こうして目的地までの経路及び経由する充電スポットが算出されると、ステップS112において、センタサーバ20は算出した経路及び経由地となる充電スポットに関する情報をクライアント端末10へ送信する。このとき同時にセンタサーバ20は、充電スポットデータベース23の利用予定情報に最新の利用予定を書き込むことによって利用予定情報をアップデートする。また、アップデートされた利用予定情報及び充電スポットの現在の利用状況を経路及び経由地とともにクライアント端末10へ送信することによって、運転者に対して充電スポットの現在の混雑状況、利用予定状況を伝えることができる。これにより、運転者は、利用予定情報に基づいて経由地を自発的に変更することが可能となる。この場合には、クライアント端末10は変更結果を再度センタサーバ20に送信して利用予定情報をアップデートする。
【0051】
次に、ステップS113では、クライアント端末10がセンタサーバ20から送信されてきた経路及び経由する充電スポットを取得する。経路途中における充電が必要な場合には、充電スポットを経由地として含む経路となり、充電が必要ない場合には経路のみの情報を取得する。取得した経路及び充電スポットに関する情報は表示画面及び音声を通じて運転者に提示され、運転者への経路案内が開始される。尚、こうした情報に併せて、センタサーバ20の充電スポットデータベース23に記録されている周辺の充電スポットの利用予定情報や現在の利用状況、料金情報、経路途中の渋滞情報や規制情報、天気情報や観光情報といった付加的な情報を併せて提示することによって、運転者の利便性をさらに高めることも可能である。
【0052】
以上説明したように、上述した処理を行うことによって、本実施形態に係るナビゲーションシステム1による経路算出処理は終了する。
【0053】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第1実施形態に係るナビゲーションシステムによれば、他車両による充電スポットの利用予定を考慮して、自車両による充電スポットの利用予定と目的地までの経路を設定するので、充電スポットを利用するタイミングが重ならないように調整することができ、これによって目的地まで効率的に到達できる経路及び充電スポットを選択することができる。
【0054】
また、本ナビゲーションシステムによれば、充電スポットを検索する際に、目的地への到着予定時刻、充電スポットにおける充電予定時間、充電スポットにおける充電開始までの待ち時間、目的地までの電力消費量、充電スポットにおける充電料金のうちの少なくとも1つを考慮して検索するので、適切な充電スポットを経由地として選択することができ、これによって効率的に目的地へ到達することができる。
【0055】
さらに、本ナビゲーションシステムによれば、自車両による充電スポットの利用予定と他車両による充電スポットの利用予定とが重複する場合に他の充電スポットを検索するので、充電スポットで他車両の充電を待つことがなくなり、効率的に目的地へ到達することができる。
【0056】
また、本ナビゲーションシステムによれば、自車両による充電スポットの利用予定と他車両による充電スポットの利用予定とが重複する場合に、充電スポットへの到着予定時刻、充電スポットにおける充電予定時間、充電スポットにおける予想電池残量のうちの少なくとも1つを考慮して、自車両の出発時刻または充電スポットへの到着時刻を変更するので、充電スポットでの待ち時間やエネルギーの浪費を極力抑制することができる。
【0057】
さらに、本ナビゲーションシステムによれば、自車両による充電スポットの利用予定と他車両による充電スポットの利用予定とが重複する場合に、充電スポットの検索時刻、充電スポットへの到着予定時刻、充電スポットにおける充電予定時間、充電スポットにおける予想電池残量のうちの少なくとも1つを考慮して第2候補の充電スポットを検索するので、充電スポットで他車両の充電を待つことがなくなり、効率的に目的地へ到達することができる。
【0058】
また、本ナビゲーションシステムによれば、第2候補の充電スポットを検索する場合に、第1候補の充電スポットへの到着予定時刻と第2候補の充電スポットへの到着予定時刻との差分、第1候補の充電スポットの充電予定時間と第2候補の充電スポットの充電予定時間との差分、第1候補の充電スポットまでの消費電力と第2候補の充電スポットまでの消費電力との差分、第1候補の充電スポットの充電料金と第2候補の充電スポットの充電料金との差分のうちのいずれかが所定の範囲内になるように第2候補の充電スポットを検索するので、第1候補の充電スポットと比較して許容範囲内にある第2候補の充電スポットを検索することができ、運転者の利便性を高めることができる。
【0059】
さらに、本ナビゲーションシステムによれば、他車両による充電スポットの現在の利用状況をさらに考慮して充電スポットの利用予定を設定するので、より高精度に充電スポットを選択することができる。
【0060】
また、本ナビゲーションシステムによれば、充電スポットの現在の利用状況及び利用予定をクライアント端末に送信するので、運転者はこれらの情報を利用して適切な充電スポットを選択することができ、電池切れや充電の待ち時間等の不安要素を抑制することができる。
【0061】
[第2の実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について図面を参照して説明する。尚、上述した第1実施形態と同様の部分については同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0062】
[ナビゲーションシステムの構成]
図13は本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。図13に示すように、本実施形態に係るナビゲーションシステム100は、クライアント端末130が経路算出手段131をさらに備えている。
【0063】
経路算出手段131は、図2に示す演算装置35及び記憶装置36から構成され、一般的な経路算出機能を具備して渋滞情報等を考慮した経路の算出を行うものである。さらに、経路算出手段131は、電池残量検出手段11から自車両の電池残量を取得して目的地まで無充電で到達可能であるか否かを判断する機能を備えている。尚、無充電で到達可能であるか否かを判断する方法としては、平均的な走行パターンにおける走行距離と電力消費量との関係をマッピングした対応表を用いて平均的な走行速度における航続可能距離を算出することによって判断する。この航続可能距離の算出に当たっては、渋滞情報等を考慮することによって途中で浪費する電力量等を正確に算出することが望ましい。そして、無充電で目的地への到達が困難と判断された場合に限って、センタサーバ20に充電スポットの調整を含めた経路の算出をリクエストする構成となっている。
【0064】
[経路算出処理の手順]
次に、本実施形態に係るナビゲーションシステム100による経路算出処理の手順を図14のフローチャートを参照して説明する。
【0065】
図14に示すように、ステップS201において、EVに搭載されたクライアント端末130の目的地設定手段13から目的地が入力されると、ステップS202では位置検出手段12によって自車両の現在地情報を検出し、電池残量検出手段11によって自車両の電池残量を検出して、これらの情報を車両情報として取得する。
【0066】
次に、ステップS203において、目的地までの1次経路を算出する演算を行う。1次経路を算出する演算では、無充電で目的地への到達が可能であるか否かの判断に必要となる経路距離の概算を算出する。具体的には、渋滞情報等を考慮せずに単純なダイクストラ法によって経路距離を算出してもよいし、現在地と目的地の直線距離に所定の係数をかけた単純な方法で算出してもよい。そして、1次経路が算出されると、ステップS204において、ステップS203で算出した経路距離と電池残量とから航続可能距離を算出し、この航続可能距離に基づいて無充電で目的地に到達可能であるか否かを判断する。ここで、無充電で目的地への到達が困難であると判断された場合にはステップS205へ移行してセンタサーバ20に対して充電スポットを経由した経路算出のリクエストを送信する。
【0067】
センタサーバ20では、ステップS206〜S213において上述した第1実施形態と同様の処理を行うことによって充電スポットを経由した経路を算出してクライアント端末130に送信する。ただし、センタサーバ20では第1の実施形態では行っていた無充電で目的地に到達可能であるか否かを判定する処理は行わない。
【0068】
こうしてセンタサーバ20から経由する充電スポット及び経路が送信されると、クライアント端末130はステップS214において経路及び経由する充電スポットを取得して運転者に提供する。
【0069】
一方、ステップS204において、無充電で目的地へ到達可能であると判断された場合にはステップS215へ移行して2次経路を算出する演算を行う。2次経路を算出する演算では、渋滞情報等を考慮した一般的な経路検索や、さらに詳しい経路検索を行うことが望ましい。
【0070】
以上説明したように、上述した処理を行うことによって、本実施形態に係るナビゲーションシステム100による経路算出処理は終了する。
【0071】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第2実施形態に係るナビゲーションシステムによれば、無充電で目的地に到達可能な場合にはクライアント端末が目的地までの経路を算出し、充電が必要な場合にはクライアント端末が車両情報をセンタサーバに送信して目的地までの経路検索を要求するので、センタサーバで行っていた経路算出の一部の機能をクライアント端末で処理することができ、これによって充電が必要ない場合の経路をより迅速に求めることが可能となる。
【0072】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
1 ナビゲーションシステム
10 クライアント端末
11 電池残量検出手段
12 位置検出手段
13 目的地設置手段
14 経路誘導手段
15 通信手段
20 センタサーバ
21 経路算出手段
22 充電スポット調整手段
23 充電スポットデータベース
24 通信手段
25 EVデータベース
30 充電レベルセンサ
31 位置センサ
32 スイッチ
33 タッチパネル
34 マイク
35、41 演算装置
36、42 記憶装置
37 ディスプレイ
38 スピーカ
39、40 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車に搭載されたナビゲーション装置であって、
自車両の現在地から目的地までの経路を算出して充電が必要な場合には、第1の充電施設を経由地として検索し、前記自車両が前記第1の充電施設に到着する到着予定時刻と前記第1の充電施設における充電予定時間と他車両による前記第1の充電施設の利用予定とを考慮して、前記自車両の前記第1の充電施設における利用予定及び前記自車両の目的地までの経路を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1の充電施設を検索する際には、前記目的地への到着予定時刻、充電施設における充電予定時間、充電施設における充電開始までの待ち時間、前記目的地までの電力消費量、充電施設における充電料金のうちの少なくとも1つを考慮して検索することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記自車両による前記第1の充電施設の利用予定と前記他車両による前記第1の充電施設の利用予定とが重複する場合には、他の充電施設を検索することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記自車両による前記第1の充電施設の利用予定と前記他車両による前記第1の充電施設の利用予定とが重複する場合には、前記第1の充電施設への到着予定時刻、前記第1の充電施設における充電予定時間、前記第1の充電施設における予想電池残量のうちの少なくとも1つを考慮して、前記自車両の出発時刻または前記第1の充電施設への到着時刻を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記自車両による前記第1の充電施設の利用予定と前記他車両による前記第1の充電施設の利用予定とが重複する場合には、充電施設の検索時刻、充電施設への到着予定時刻、充電施設における充電予定時間、充電施設における予想電池残量のうちの少なくとも1つを考慮して、第2の充電施設を検索することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記第2の充電施設を検索する場合には、前記第1の充電施設への到着予定時刻と前記第2の充電施設への到着予定時刻との差分、前記第1の充電施設の充電予定時間と前記第2の充電施設の充電予定時間との差分、前記第1の充電施設までの消費電力と前記第2の充電施設までの消費電力との差分、前記第1の充電施設の充電料金と前記第2の充電施設の充電料金との差分のうちのいずれかが所定の範囲内になるように前記第2の充電施設を検索することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
電気自動車に搭載されたクライアント端末と前記クライアント端末と通信するサーバとを備えたナビゲーションシステムであって、
前記クライアント端末は自車両に関する車両情報を前記サーバに送信して目的地までの経路検索を要求し、
前記サーバは、前記クライアント端末の要求に応じて前記自車両の現在地から目的地までの経路を算出して充電が必要な場合には、第1の充電施設を経由地として検索し、前記自車両が前記第1の充電施設に到着する到着予定時刻と前記第1の充電施設における充電予定時間と他車両による前記第1の充電施設の利用予定とを考慮して、前記自車両の前記第1の充電施設における利用予定及び前記自車両の目的地までの経路を設定して前記クライアント端末へ送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記第1の充電施設を検索する際に、前記サーバは、前記目的地への到着予定時刻、充電施設における充電予定時間、充電施設における充電開始までの待ち時間、前記目的地までの電力消費量、充電施設における充電料金のうちの少なくとも1つを考慮して検索することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記自車両による前記第1の充電施設の利用予定と前記他車両による前記第1の充電施設の利用予定とが重複する場合に、前記サーバは他の充電施設を検索することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記自車両による前記第1の充電施設の利用予定と前記他車両による前記第1の充電施設の利用予定とが重複する場合に、前記サーバは、充電施設の検索時刻、充電施設への到着予定時刻、充電施設における充電予定時間、充電施設における予想電池残量のうちの少なくとも1つを考慮して、第2の充電施設を検索することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記第2の充電施設を検索する場合に、前記サーバは、前記第1の充電施設への到着予定時刻と前記第2の充電施設への到着予定時刻との差分、前記第1の充電施設の充電予定時間と前記第2の充電施設の充電予定時間との差分、前記第1の充電施設までの消費電力と前記第2の充電施設までの消費電力との差分、前記第1の充電施設の充電料金と前記第2の充電施設の充電料金との差分のいずれかが所定の範囲内になるように前記第2の充電施設を検索することを特徴とする請求項10に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記クライアント端末は、無充電で前記目的地まで到達可能な場合には前記自車両の現在地から目的地までの経路を算出し、充電が必要な場合には前記車両情報を前記サーバに送信して前記目的地までの経路検索を要求することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記サーバは、前記他車両による前記第1の充電施設における現在の利用状況をさらに考慮して、前記自車両の前記第1の充電施設における利用予定を設定することを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記サーバは、充電施設の現在の利用状況及び利用予定を前記クライアント端末に送信することを特徴とする請求項7乃至請求項13のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
電気自動車に搭載されたクライアント端末と前記クライアント端末と通信するサーバとを備えたナビゲーションシステムにおける経路算出方法であって、
前記クライアント端末が自車両に関する車両情報を前記サーバに送信して目的地までの経路検索を要求するステップと、
前記サーバが前記クライアント端末の要求に応じて前記自車両の現在地から目的地までの経路を算出するステップと、
前記自車両の現在地から目的地までの経路において充電が必要な場合には、第1の充電施設を経由地として検索し、前記自車両が前記第1の充電施設に到着する到着予定時刻と前記第1の充電施設における充電予定時間と他車両による前記第1の充電施設の利用予定とを考慮して、前記自車両の前記第1の充電施設における利用予定及び前記自車両の目的地までの経路を設定するステップと、
前記サーバによって設定された前記自車両の前記第1の充電施設における利用予定と前記自車両の目的地までの経路とを前記クライアント端末へ送信するステップと
を含むことを特徴とするナビゲーションシステムにおける経路算出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−2778(P2012−2778A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140477(P2010−140477)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】