説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション処理方法、およびナビゲーション処理プログラム

【課題】目的地までの移動の際の紫外線被爆量を考慮した適切な推奨移動経路を導出する。
【解決手段】ナビゲーション装置100が、地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶する地図情報記憶部20aと、リンクと該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線情報記憶部20cとを備え、リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する際に、紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された位置情報に基づいて経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、目的地への経路を探索して誘導案内するナビゲーション装置が各種提供され、一般に利用されている。このナビゲーション装置は、例えばGPS(Global
Positioning System)によって自己の現在位置を導出し、この現在位置情報と道路地図情報とを基に推奨移動経路を導出し、移動経路の自動案内(以下「経路誘導」という。)を行うものである。
【0003】
このようなナビゲーション装置では、推奨移動経路を導出する際に、移動距離や移動時間以外の要素を探索の条件として含むものがある。例えば、特許文献1には、太陽光を考慮して推奨移動経路を導出することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−159800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のナビゲーション装置では、推奨移動経路を導出する処理において、その経路を移動した場合に生じるユーザへの直射日光による影響が考慮されているだけである。一方、紫外線が人体の皮膚などに弊害を及ぼすことは広く知られており、紫外線を極力浴びないで移動したいというニーズがあるものと考えられる。しかしながら、従来のナビゲーション装置では、紫外線による人体への悪影響については考慮されていないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題を解消し、目的地までの移動の際の紫外線被爆量を考慮した適切な推奨移動経路を導出することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導するナビゲーション装置であって、地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶するリンク情報記憶手段と、前記リンクと、該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線関連情報記憶手段と、前記リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路探索手段とを備え、前記推奨移動経路探索手段は、前記紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出することを特徴とする。
【0008】
上記の構成とすることで、目的地までの移動の際の紫外線被爆量を考慮した適切な推奨移動経路を導出することができるようになる。
【0009】
前記推奨移動経路探索手段は、前記紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量が最も少ない推奨移動経路を導出する構成とされていてもよい。
【0010】
前記リンクと、該当リンクの通過必要時間とが対応付けされたリンク通過時間情報を記憶するリンク通過時間情報記憶手段を備え、前記推奨移動経路探索手段は、前記リンク情報を参照して複数の移動経路を探索する経路探索手段と、前記リンク通過時間情報を参照して、前記経路探索手段が探索した複数の移動経路の中から、出発地から目的地までの移動予測時間が最短となる移動経路と、当該最短時間との時間差が所定時間内の移動予測時間となる移動経路とを選択する第1経路選択手段と、前記紫外線関連情報を参照して、前記第1経路選択手段が選択した移動経路の中から、出発地から目的地までの移動の際の紫外線被爆量が最も少ない移動経路を選択する第2経路選択手段と、前記第2経路選択手段が選択した移動経路を推奨移動経路に決定する第1経路決定手段とを有する構成とされていてもよい。
【0011】
前記リンクと、該当リンクの通過必要時間とが対応付けされたリンク通過時間情報を記憶するリンク通過時間情報記憶手段を備え、前記推奨移動経路探索手段は、前記リンク情報を参照して複数の移動経路を探索する経路探索手段と、前記紫外線関連情報を参照して、前記経路探索手段が探索した複数の移動経路の中から、出発地から目的地までの移動の際の紫外線被爆量が最も少ない移動経路と、当該最も少ない紫外線被爆量との差が所定量内の紫外線被爆量となる移動経路とを選択する第3経路選択手段と、前記リンク通過時間情報を参照して、前記第3経路選択手段が選択した移動経路の中から、出発地から目的地までの移動予測時間が最短となる移動経路を選択する第4経路選択手段と、前記第4経路選択手段が選択した移動経路を推奨移動経路に決定する第2経路決定手段とを有する構成とされていてもよい。
【0012】
また、本発明のナビゲーション処理方法は、出発地から目的地までの経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導するナビゲーション処理方法であって、地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶するリンク情報記憶手段に記憶された当該リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路探索処理を含み、前記推奨移動経路探索処理では、前記リンクと該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線関連情報記憶手段に記憶された当該紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明のナビゲーション処理プログラムは、出発地から目的地までの経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導する処理を実行させるナビゲーション処理プログラムであって、コンピュータに、地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶するリンク情報記憶手段に記憶された当該リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路探索処理を実行させ、前記推奨移動経路探索処理では、前記リンクと該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線関連情報記憶手段に記憶された当該紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出する処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、目的地までの移動の際の紫外線被爆量を考慮した適切な推奨移動経路を導出することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すナビゲーション装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、演算処理装置10と、入力装置11、位置情報取得装置12と、情報取得装置13と、表示装置14と、音声出力装置15と記憶装置20とを含む。ナビゲーション装置100は、例えば、携帯電話機、携帯型のパーソナルコンピュータ、専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。
【0016】
演算処理装置10は、例えばCPUによって構成され、記憶装置20に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置100の各構成要素を統制制御し、経路探索や経路誘導を行うための各種制御を実行する機能を有する。
【0017】
入力装置11は、例えばキーボードやボタンなどによって構成され、目的地などを入力するためのユーザの操作に応じて演算処理装置10に対して操作信号を出力する機能を有する。
【0018】
位置情報取得装置12は、例えば、GPS受信機によって構成される。GPS受信機は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいてGPS装置の位置を計測するGPSセンサや、初期位置からの移動量(移動距離)に基づき速度を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【0019】
情報取得装置13は、外部から必要な情報を取得するための装置であり、例えば、無線通信ネットワークを介してデータを送受信する機能を有する通信装置を含む。
【0020】
表示装置14は、例えば液晶表示装置によって構成され、演算処理装置10の制御に従って画像情報を表示する機能を有する。音声出力装置15は、例えばスピーカ装置であり、演算処理装置10の制御に従って、音声を出力する機能を有する。例えば、表示装置14と音声出力装置15によって、目的地までの推奨移動経路をユーザの視覚と聴覚に対して報知する。
【0021】
記憶装置20は、例えばROMやRAMで等で構成され、各種のデータを記憶する記憶媒体である。本例では、記憶装置20には、地図情報記憶部20aと、推奨移動経路情報記憶部20bと、紫外線情報記憶部20cが備えられている。
【0022】
地図情報記憶部20aは、地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、一般に、一定の経度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(以下「メッシュ」という。)に分割して記憶される。また、地図情報には、図2に示すように、交差点や駅などの道路や線路上の特定点(ノード)を示すノード情報(具体的には緯度、経度による座標情報によって表される)の他、ノード間を結ぶ道路や線路(リンク)を示すリンク情報と、各リンクを一意に特定可能なリンクIDと、リンクを移動可能な移動手段(例えば、線路であれば電車、歩道であれば徒歩、車道でれば自動車や自転車、自動車専用道路であれば自動車)を示す移動可能手段情報と、リンクを移動する際に要する時間を特定可能な移動コストとが対応付けされた情報を含む。「移動コスト」は、移動する際に要する時間が長い程、大きな値に設定される。本例では、「移動コスト」は、移動に要する分の値を示すものとする。具体的には、移動コストが「1」であれば、該当リンクを通過するのに1分を要することを意味することとなる。
【0023】
推奨移動経路情報記憶部20bは、演算処理装置10によって求められた1又は2以上の推奨移動経路を示す推奨移動経路情報を記憶する記憶媒体である。推奨移動経路情報は、推奨移動経路を構成する各道路(電車や公園内の緑道等を含む。)を示す各リンクをそれぞれ特定する各リンクIDが移動時の通過順に並べられたリンクID群によって表される。
【0024】
図3は、推奨移動経路情報記憶部20bに記憶されている推奨移動経路情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、推奨移動経路情報は、各推奨移動経路(推奨移動経路A、B,C,・・・)毎に、移動時の通過順に並べられたリンクID(リンクを一意に特定可能なID)と、移動コストと、後述する紫外線コストとが対応付けされた情報である。
【0025】
紫外線情報記憶部20cは、紫外線被爆量に関する紫外線関連情報を記憶する記憶媒体である。図4は、紫外線関連情報記憶部20cに記憶されている紫外線関連情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、紫外線関連情報は、各リンクのリンクIDと、リンク周辺の太陽光遮蔽物(建物など)の有無や種類を示す太陽光遮蔽物情報と、該当リンクの地面の種類に応じた太陽光の反射光の強さを示す反射光強度情報と、該当リンクの紫外線コストとが対等付けされた情報である。「紫外線コスト」は、該当リンクを通過する際にユーザが被爆する紫外線被爆量の多さを示すものであり、該当リンクの距離、太陽光遮蔽物情報、反射光強度情報などに応じてあらかじめ定められるものとする。
【0026】
なお、地図情報及び紫外線関連情報は、記憶装置20内にあらかじめ記憶しておくようにしてもよく、例えばインターネット等の通信ネットワークを介してダウンロードするようにしてもよい。また、地図情報及び紫外線関連情報は、SDメモリカードなどの補助記憶装置などに保存された構成としてもよい。
【0027】
次に、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置100の動作について説明する。
図5は、ナビゲーション装置100が実行する経路探索処理の例を示すフローチャートである。経路探索処理では、演算処理装置10は、ユーザから探索指示があったことに応じて、出発位置(例えば、現在位置)から目的地までの推奨移動経路を導出する処理を行う。
【0028】
経路探索処理において、演算処理装置10は、先ず、ユーザによる目的地情報の設定(指定)を受け付ける(ステップS101)。次いで、演算処理装置10は、受け付けた目的地情報に基づき目的地の位置(緯度、経度)を特定し、位置情報取得装置12にて測位された現在位置から目的地までの経路探索に必要な道路地図情報を特定する(ステップS102)。なお、出発位置が現在位置としない場合には、出発地情報の設定を受け付けるようにすればよい。
【0029】
次に、演算処理装置10は、ユーザの入力装置11の操作による移動方法(移動手段)の設定を受け付ける(ステップS103)。移動方法の種類には、「徒歩」、「自動車」、「自動二輪車」、「電車」などがある。複数種類の移動方法を組み合わせた設定や、移動方法を特定しない旨の設定を受け付け可能な構成としてもよい。
【0030】
移動方法の設定を受け付けると、演算処理装置10は、推奨移動経路の候補を示す推奨移動経路候補を導出(探索)する処理を行う(ステップS104)。ステップS104の処理によって、1又は2以上の推奨移動経路を示す推奨移動経路情報(図3参照)が生成される。本例では、出発地から目的地への経路探索には、公知の技術(例えばダイクストラ法)を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0031】
なお、ここでは、説明の簡単のため、図6に示すような出発地(S)から目的地(G)までの経路探索がなされたものとする。図6に示す例では、出発地(S)から目的地(G)までの経路として、出発地と目的地を除く4個のノードを任意に経由し、L1〜L9の9個のリンクを任意に通過する複数種類の経路が推奨移動経路候補として探索される。
【0032】
推奨移動経路候補を導出すると、演算処理装置10は、導出した推奨移動経路候補の中から、移動コストが最小となる移動コスト最小経路と、移動コスト最小経路の移動コストとの差が所定時間差内(例えば、5分以内、10分以内、30分以内、20%以内など)の移動コストとなる所定時間差内経路とを抽出する(ステップS105)。ここでは、図6に示すL1〜L9には、それぞれ、図7に示すにように、移動コストと紫外線コストが対応付けられているものとする。よって、本例では、移動コストが「8」となる「L1,L3,L5,L8」の経路が移動コスト最小経路となる。また、所定時間差を2分とすると、移動コストが「9」となる「L2,L4,L5,L8」の経路、移動コストが「9」となる「L1,L7」の経路、移動コストが「10」となる「L2,L4,L5,L9」の経路、及び移動コストが「10」となる「L2,L6,L8」の4つの経路が所定時間差内経路となる。
【0033】
次いで、演算処理装置10は、ステップS105で抽出した推奨移動経路候補の中から紫外線コストが最小の紫外線コスト最小経路URsを選択し、推奨移動経路に決定する(ステップS106)。本例では、演算処理装置10は、ステップS105で抽出した4つの経路のうち、紫外線コストが「6」となる「L2,L4,L5,L9」の経路を紫外線コスト最小経路URsと判定し、この紫外線コスト最小経路URsを推奨移動経路に決定する。なお、L9は地下道であり、L8はL9の上に並行して位置する地上の道路であるものとする。
【0034】
そして、演算処理装置10は、決定した推奨移動経路の推奨移動経路情報と地図情報とを用いて、推奨移動経路を表示装置14に表示させ(ステップS107)、ここでの経路探索処理を終了する。
【0035】
次に、ナビゲーション装置100が、経路探索処理により決定した推奨移動経路を移動していくようにユーザを誘導するための経路誘導処理について説明する。図8は、ナビゲーション装置100が実行する経路誘導処理の例を示すフローチャートである。
【0036】
経路誘導処理において、演算処理装置10は、先ず、表示装置14や音声出力装置15を用いて、ユーザに対し、経路誘導を開始する旨を報知して、誘導を開始する(ステップS201)。
【0037】
経路誘導中に、演算処理装置10は、例えば所定の時間間隔で、位置情報取得装置12により現在位置情報を取得し、その情報からユーザの移動速度を算出する(ステップS202)。そして、演算処理装置10は、算出した移動速度から、目的地への到着予想時間が変更されるか否かを判定する(ステップS203)。目的地到着予想時刻が変更される場合は(ステップS203のY)、演算処理装置10は、変更時間が予め設定された閾値T2以上であるか否かを判定する(ステップS204)。目的地到着予想時刻が変更されない場合(ステップS203のN)、又は、変更時間が閾値T2よりも小さい場合は(ステップS204のN)、ステップS208に移行する。
【0038】
変更時間が閾値T2以上の場合は(ステップS204のY)、演算処理装置10は、前述した経路探索処理により推奨移動経路を再度導出し、変更候補経路として決定し、変更候補経路を表示装置14に表示する(ステップS205)。そして、演算処理装置10は、ユーザからの経路変更の選択指示を受け付ける(ステップS206)。ユーザによる経路変更の選択指示を受け付けると(ステップS206のY)、演算処理装置10は、推奨移動経路を変更し、変更後の推奨移動経路についての誘導を開始する(ステップS207)。
【0039】
ユーザによる経路変更を受け付けない場合は(ステップS206のN)、演算処理装置10は、ステップS208に移行し、目的地に到着していなければ(ステップS208のN)、推奨移動経路による経路誘導を継続する。上記のようにして、目的地に到着するまで誘導を行う。
【0040】
上記の例では、ステップS104にて導出した推奨移動経路候補の中から、移動コストが最小となる移動コスト最小経路と、移動コスト最小経路の移動コストとの差が所定時間差内の移動コストとなる所定時間差内経路とを抽出し、抽出した経路の中で紫外線コストが最小となる紫外線コスト最小経路を推奨移動経路に決定する構成としていたが、例えば図9に示すように、演算処理装置10が、ステップS104にて導出した推奨移動経路候補の中から、紫外線コストが最小となる紫外線コスト最小経路と、紫外線コスト最小経路の紫外線コストとの差が所定量差(例えば、1ポイント以内、3ポイント以内、20%以内など)内の紫外線コストとなる所定量差内経路とを抽出し(ステップS105a)、抽出経路の中で移動コストが最小となる移動コスト最小経路を推奨移動経路に決定する(ステップS106a)構成としてもよい。
【0041】
また、上記の例において、ステップS104にて導出した推奨移動経路候補の中から、紫外線コストが最小となる紫外線コスト最小経路を選択し、その紫外線コスト最小経路を推奨移動経路に決定する構成としてもよい。
【0042】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、出発地から目的地までの経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導するナビゲーション装置100が、地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶する地図情報記憶部20aと、リンクと該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線情報記憶部20cとを備え、リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する際に、紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出する構成としているので、目的地までの移動の際の紫外線被爆量を考慮した適切な推奨移動経路を導出することができるようになる。
【0043】
また、上述した実施の形態において、ナビゲーション装置100が、紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量が最も少ない推奨移動経路(紫外線コスト最小経路)を導出する構成とした場合には、紫外線コストが最も小さい経路を推奨移動経路として導出することができ、紫外線被爆量が最小限に抑えられる経路を提示することが可能となる。
【0044】
また、上述した実施の形態において、ナビゲーション装置100が、リンクと該当リンクの通過必要時間(移動コスト)とが対応付けされたリンク通過時間情報を記憶する地図情報記憶部20aを備え、リンク情報を参照して複数の移動経路を探索し、リンク通過時間情報を参照して、探索した複数の移動経路の中から、出発地から目的地までの移動予測時間が最短となる移動経路と、その最短時間との時間差が所定時間内の移動予測時間となる移動経路とを選択し、選択した移動経路の中から、紫外線関連情報を参照して、出発地から目的地までの移動の際の紫外線被爆量(紫外線コスト)が最も少ない移動経路を選択し、選択した移動経路を推奨移動経路に決定する構成(図5参照)とした場合には、移動コストが小さい経路の中で最も紫外線コストが小さい経路を推奨移動経路として導出することができ、移動時間が短い経路の中で紫外線被爆量が最小限に抑えられる経路を提示することが可能となる。
【0045】
また、上述した実施の形態において、ナビゲーション装置100が、リンクと該当リンクの通過必要時間(移動コスト)とが対応付けされたリンク通過時間情報を記憶する地図情報記憶部20aを備え、リンク情報を参照して複数の移動経路を探索し、探索した複数の移動経路の中から、紫外線関連情報を参照して、出発地から目的地までの移動の際の紫外線被爆量(紫外線コスト)が最も少ない移動経路と、その最も少ない紫外線被爆量との差が所定量内の紫外線被爆量となる移動経路とを選択し、選択した移動経路の中から、リンク通過時間情報を参照して、出発地から目的地までの移動予測時間が最短となる移動経路を選択し、選択した移動経路を推奨移動経路に決定する構成(図9参照)とした場合には、紫外線コストが小さい経路の中で最も移動コストが小さい経路を推奨移動経路として導出することができ、紫外線被爆量が少ない経路の中で移動時間が最小限に抑えられる経路を提示することが可能となる。
【0046】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置100をカーナビゲーションとして利用する場合は、車両における紫外線に関わる情報、例えばシート位置別の窓からの紫外線被爆量を算出・表示するようにしてもよい。この場合、例えば記憶装置20に、車両の形状や窓の材質、車両から見た太陽の位置などから、シート別に算出した係数を記憶させ、紫外線関連情報記憶部20cに格納された紫外線ポイントを利用して紫外線被爆量を算出する構成とすればよい。
【0047】
また、上述した実施の形態では、紫外線関連情報をあらかじめ登録しておく構成としていたが、太陽の位置や天気などの状態に応じて、ナビゲーション装置100が、紫外線コストを定期的に更新するようにしてもよい。この場合、太陽の位置や天気などの状態と紫外線コストとが対応付けされたテーブルを用意しておき、ナビゲーション装置100が、通信ネットワークを介して外部サーバから太陽の位置や天気などの状態を取得し、紫外線コストを更新するようにすればよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、記憶装置20に記憶された情報に基づいて経路探索処理を実行していたが、情報取得装置13からインターネット等の通信ネットワークを介して必要な情報を取得するようにしてもよい。また、ナビゲーション装置100がナビゲーションサーバとして機能し、通信ネットワークを介してナビゲーションプログラムをナビゲーション端末に提供するようにしてもよい。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100は、自己が備える記憶装置20に記憶されている制御プログラム(ナビゲーション処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、目的地までの移動の際の紫外線被爆量を考慮した適切な推奨移動経路を導出することができるナビゲーション装置を提供するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】地図情報の例を示す説明図である。
【図3】推奨移動経路情報の例を示す説明図である。
【図4】紫外線関連情報の例を示す説明図である。
【図5】経路探索処理の例を示すフローチャートである。
【図6】ノード及びリンクの配置状態の例を示す説明図である。
【図7】各リンクの移動コスト及び紫外線コストの例を示す説明図である。
【図8】経路誘導処理の例を示すフローチャートである。
【図9】経路探索処理の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
10 演算処理装置
11 入力装置
12 位置情報取得装置
13 情報取得装置
14 表示装置
15 音声出力装置
20 記憶装置
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導するナビゲーション装置であって、
地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶するリンク情報記憶手段と、
前記リンクと、該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線関連情報記憶手段と、
前記リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路探索手段とを備え、
前記推奨移動経路探索手段は、前記紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記推奨移動経路探索手段は、前記紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量が最も少ない推奨移動経路を導出する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記リンクと、該当リンクの通過必要時間とが対応付けされたリンク通過時間情報を記憶するリンク通過時間情報記憶手段を備え、
前記推奨移動経路探索手段は、
前記リンク情報を参照して複数の移動経路を探索する経路探索手段と、
前記リンク通過時間情報を参照して、前記経路探索手段が探索した複数の移動経路の中から、出発地から目的地までの移動予測時間が最短となる移動経路と、当該最短時間との時間差が所定時間内の移動予測時間となる移動経路とを選択する第1経路選択手段と、
前記紫外線関連情報を参照して、前記第1経路選択手段が選択した移動経路の中から、出発地から目的地までの移動の際の紫外線被爆量が最も少ない移動経路を選択する第2経路選択手段と、
前記第2経路選択手段が選択した移動経路を推奨移動経路に決定する第1経路決定手段とを有する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記リンクと、該当リンクの通過必要時間とが対応付けされたリンク通過時間情報を記憶するリンク通過時間情報記憶手段を備え、
前記推奨移動経路探索手段は、
前記リンク情報を参照して複数の移動経路を探索する経路探索手段と、
前記紫外線関連情報を参照して、前記経路探索手段が探索した複数の移動経路の中から、出発地から目的地までの移動の際の紫外線被爆量が最も少ない移動経路と、当該最も少ない紫外線被爆量との差が所定量内の紫外線被爆量となる移動経路とを選択する第3経路選択手段と、
前記リンク通過時間情報を参照して、前記第3経路選択手段が選択した移動経路の中から、出発地から目的地までの移動予測時間が最短となる移動経路を選択する第4経路選択手段と、
前記第4経路選択手段が選択した移動経路を推奨移動経路に決定する第2経路決定手段とを有する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
出発地から目的地までの経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導するナビゲーション処理方法であって、
地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶するリンク情報記憶手段に記憶された当該リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路探索処理を含み、
前記推奨移動経路探索処理では、前記リンクと該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線関連情報記憶手段に記憶された当該紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出する
ことを特徴とするナビゲーション処理方法。
【請求項6】
出発地から目的地までの経路を導出し、導出した経路に沿ってユーザを誘導する処理を実行させるナビゲーション処理プログラムであって、
コンピュータに、
地図上において予め定められた基準点を示すノード間を結ぶリンクを示すリンク情報を記憶するリンク情報記憶手段に記憶された当該リンク情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路探索処理を実行させ、
前記推奨移動経路探索処理では、前記リンクと該当リンクの通過による紫外線被爆量とが対応付けされた紫外線関連情報を記憶する紫外線関連情報記憶手段に記憶された当該紫外線関連情報を参照して、移動の際の紫外線被爆量を加味した推奨移動経路を導出する処理を
実行させるためのナビゲーション処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−151544(P2010−151544A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328463(P2008−328463)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(399044159)
【Fターム(参考)】