説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーションプログラム

【課題】簡易な操作で訪問先を記録し、搭乗者の利便性を高めることを目的とする。
【解決手段】本発明のナビゲーション装置100の代表的な構成は、車両が任意の位置に停車してからの経過時間が所定時間以上であった場合に停車状態であると判断する停車判断部250と、停車判断部が停車状態であると判断した場合、停車した位置の位置情報に基づいて、現在位置から所定範囲内に存在するエリアデータから、搭乗者の1または複数の訪問先候補を導出する訪問先候補導出部252と、搭乗者の入力に応じて、1または複数の訪問先候補から搭乗者が訪問した訪問先を特定する訪問先特定部254と特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部236に記憶させる制御部としての中央制御部208とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され地図を表示可能な、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置は多数のメーカから多数の種類が生産され運転補助装置として広く認識されるようになった。かかるナビゲーション装置は、目的地を設定することにより走行すべき適切な経路をディスプレイに表示し、さらに、GPS機能を用いて、当該ナビゲーション装置を搭載した車両が走行した経路を特定し、その経路をディスプレイに表示することが可能である。
【0003】
また、最近のナビゲーション装置は、飲食店やレクリエーション施設等の施設の位置情報を記録したPOI(Point of Interest)データを保持するものも多く、ユーザは、このPOIデータから所望する施設を検索して遊興等の目的地とすることができる。
同様に、携帯電話においても、自体の現在位置を取得し、周辺の施設の位置情報を検索、取得できる機種が広く普及している。このような携帯電話を利用して、例えば携帯電話に搭載された撮像機能で撮影した写真や、録音した音声等のコンテンツを、位置情報に関連付けて登録しておき、その位置に到着すると自動的に再生する技術が公開されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−338553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ナビゲーション装置を搭載した車両の搭乗者が、ナビゲーション装置のPOIデータから検索して目的地を特定し、その目的である遊興や飲食等を行ったとする。搭乗者が日を改めて再度その目的地に行きたいと考えたとしても、その訪問先の詳細な住所を覚えていないと、前回同様の検索をはじめから実行することとなってしまう。また、訪問先で行った遊興や飲食が期待外れで、同じ施設に訪問することが憚れると感じた場合、その訪問先を覚えていないと、次に同様の検索を行った場合、以前、訪問したことがある施設と気付かずに訪問して、不愉快な気分になってしまう。
【0006】
このような事態を回避すべく、特許文献1に記載の技術を用い、位置情報に関連付けたコンテンツを記憶させておくことで、訪問先の情報を取得することができる。しかし、かかる技術を利用したとしても、コンテンツを登録するためにアプリケーションの起動や手入力といった煩雑な処理を要し、その検索に時間を費やす割に目的とする情報を見逃してしまうこともあった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、簡易な操作で訪問先を記録し、搭乗者の利便性を高めることが可能なナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーションプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置(100)の代表的な構成は、車両に搭載されるナビゲーション装置において、予め地図データを記憶している地図記憶部(232)と、車両の位置情報を取得する位置取得部(202)と、表示部(204)と、地図データに基づいた地図と、取得した位置情報に基づいた車両の位置を表示部に表示させる表示制御部と、車両が任意の位置に停車してからの経過時間が所定時間以上であった場合に停車状態であると判断する停車判断部(250)と、停車判断部が停車状態であると判断した場合、停車した位置の位置情報に基づいて、現在位置から所定範囲内に存在する訪問先候補の情報を示すエリアデータから、搭乗者の1または複数の訪問先候補を導出する訪問先候補導出部(252)と、搭乗者の入力に応じて、1または複数の訪問先候補から搭乗者が訪問した訪問先を特定する訪問先特定部(254)と、訪問先特定部によって特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部(236)に記憶させる記憶制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
かかる構成により、搭乗者は何ら面倒な操作を伴わずに、訪問したことを示す訪問情報を残すことができる。そして、目的を等しくする訪問先を地図データ上で調べる際、訪問情報を参照することで、目的の施設等を迅速に見つけることができ、逆に期待外れであった施設等を避けて訪問先を決定することもできる。さらに、信号待ちや、自動販売機に寄っただけのような、記録に残す必要の無い短い時間の停車を排除することで、より有意な訪問先に絞って記憶させることが可能となる。
【0010】
表示制御部は、1または複数の訪問先候補を表示部に表示させ、表示部に表示されたまたは複数の訪問先候補に対応する位置への接触を検知するタッチパネル(210)をさらに備え、訪問先特定部は、タッチパネルを通じた搭乗者の接触入力によって訪問先を特定してもよい。
【0011】
かかる構成により、搭乗者は表示部に表示された訪問先候補のうち、訪問先の項目に単に触れるだけで、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部に記憶させることができ、容易にかつ短時間で操作を完了し、運転を再開することができる。
【0012】
表示部に表示された文字への接触を検知するタッチパネルをさらに備え、記憶制御部は、さらに、訪問したときの日時情報と、タッチパネルを通じて文字入力された搭乗者のメッセージとを訪問情報として訪問情報記憶部に記憶させ、表示制御部は、搭乗者が選択した地図上に表示されている施設に対応するエリアデータに訪問情報が関連付けられている場合、エリアデータに関連付けられた訪問情報として記憶されている日時情報もしくはメッセージのいずれか一方または両方を表示部に表示させてもよい。
【0013】
本発明では、訪問情報として、訪問したときの日時情報やタッチパネルを通じて文字入力されたメッセージも記録させる。さらに、搭乗者の選択によって、記録した日時情報やメッセージを表示させる。かかる構成により、搭乗者は、訪問した事実のみならず、訪問したときの日時情報や、任意のメッセージを残すことができ、訪問先についてより多くの情報を蓄積することができる。例えば、飲食店であれば味の良否を記録しておき、後日、外食をする際に参照することが可能となる。
【0014】
1または複数の訪問先候補を特定するための質問を音声で出力する音声出力部(206)と、搭乗者の音声を入力する音声入力部(212)と、をさらに備え、訪問先特定部は、質問に対する搭乗者の返答に基づいて訪問先を特定してもよい。
【0015】
訪問先特定部が訪問先を特定できるまで、音声制御部は訪問先についての複数の質問を、繰り返し音声出力部に出力させる。かかる構成により、搭乗者は煩雑な手作業と表示部の視認を行わずに口頭で返答(回答)するだけで訪問先を特定でき、訪問情報を記録させながら発車作業を行うこともできる。従って、より少ない負担で訪問情報を記憶させることができる。
【0016】
訪問先特定部は、訪問先候補が複数存在する場合、現在時刻に基づいて訪問先候補に優先度を設定し、優先度の高い訪問先候補についての質問を優先的に音声出力部に出力させる音声制御部をさらに備えてもよい。
【0017】
例えば、昼食の時間帯は、昼に営業している可能性の高い飲食店を訪問先候補の上位に位置づけ、夕方の時間帯は、スポーツジム等を訪問先候補の上位に位置づけることで、早い段階で可能性の高い訪問先に訪問先候補を絞る。かかる構成により、より少ない質問および返答のやり取りで、訪問先を特定でき、搭乗者は、より少ない負担で訪問情報を記憶させることができる。
【0018】
訪問先特定部は、訪問先候補が複数存在する場合、位置取得部が取得した位置情報に基づいて算出した停車した位置への進入方向、および停車時点の車両の向きに応じて、訪問先候補に優先度を設定し、優先度の高い訪問先候補についての質問を優先的に音声出力部に出力させる音声制御部をさらに備えてもよい。
【0019】
例えば、停車までに通り過ぎてしまった施設は、通り過ぎる前の施設よりも搭乗者の訪問先である可能性は低い。また、進入方向の先の施設は、訪問先である可能性が高くなる。本発明では、進入方向および車両の向きから、訪問先候補に優先度を設定し、優先度が高い、すなわち搭乗者が訪問した可能性が高い施設の訪問先候補から、訪問したかどうかを確認する。かかる構成により、より少ない質問および返答のやり取りで、訪問先を特定でき、搭乗者は、より少ない負担で訪問情報を記憶させることができる。
【0020】
訪問先特定部は、エリアデータに含まれるジャンル情報(240)に対応付けられた複数の質問から訪問先のジャンル情報に応じた質問を選択し、音声制御部は、選択された質問を音声出力部に出力させてもよい。
【0021】
かかる構成により、例えば、訪問先候補に飲食店が挙がっていた場合、音声制御部は音声出力部に、食事の感想等を尋ねる質問を出力させることで、搭乗者が食事の感想を応えると、訪問先が飲食店であったことを特定できる。また、訪問先候補がボーリング場であれば、スコアについての質問を出力させる等、訪問先候補のジャンル情報に応じた質問を行うことで、より確実に訪問先を特定することができる。
【0022】
当該ナビゲーション装置は、搭乗者の音声を入力する音声入力部と、音声を出力する音声出力部と、をさらに備え、記憶制御部は、さらに、訪問したときの日時情報と、音声で入力された搭乗者のメッセージとを訪問情報として訪問情報記憶部に記憶させ、搭乗者が選択した地図上の施設に対応するエリアデータに訪問情報が関連付けられている場合、エリアデータに関連付けられた訪問情報として記憶されている日時情報もしくはメッセージのいずれか一方または両方を音声出力部に出力させる音声制御部をさらに備えてもよい。
【0023】
本発明では、訪問情報として、訪問したときの日時情報や音声で入力されたメッセージも記録する。さらに、搭乗者の選択によって、記録した日時情報やメッセージを表示させることができる。かかる構成により、搭乗者は、訪問した事実のみならず、訪問したときの日時情報や、任意のメッセージを残すことができ、訪問先についてより多くの情報を蓄積させることができる。例えば、宿泊施設であれば、寝具等に関する感想を記憶させておき、後日、宿泊施設を選ぶ際に参照することが可能となる。
【0024】
搭乗者が入力したキーワードを日時情報またはメッセージから検索する訪問先検索部(256)をさらに備え、表示制御部は、キーワードと一致する日時情報またはメッセージに関連付けられた訪問先のエリアデータを表示部に表示させてもよい。
【0025】
かかる構成により、搭乗者は、予め訪問した施設等について印象に残った料理名等をメッセージとして記憶させておき、後日、その位置や施設名等の記憶が曖昧になっても、その料理名等をキーワードとして検索することで、訪問先のエリアデータを抽出して表示させることができる。搭乗者は、そのエリアデータを選択することで、訪問先の位置や施設名等を特定でき、訪問した訪問先をより確実に探し出すことができる。
【0026】
訪問情報記憶部は着脱可能な記憶媒体であってもよい。かかる構成により、搭乗者は、訪問情報を当該ナビゲーション装置から簡易に取り出し、例えばパーソナルコンピュータ等に接続して、インターネット上のブログを更新する際のコンテンツ等に利用することができる。
【0027】
表示制御部は、表示部に表示されている地図上の施設に対応したエリアデータに訪問情報が関連付けられている場合、地図上の施設の色彩、模様または形状を変化させてもよい。かかる構成により、搭乗者は、過去に訪問した訪問先であるかを、地図上で容易に視認することができ、目的とする情報に早期に到達することが可能となる。
【0028】
停車判断部は、経過時間が所定時間以上であっても停車状態と判断しない1または複数の位置情報を示した停車排除リストを用いて停車状態を判断してもよい。
【0029】
かかる構成を採用しなかった場合、自宅の駐車場等に自家用車を止める等、訪問先が記録させる必要がない場合であっても、訪問先特定部が訪問先を特定しようとしてしまうためその情報の削除等、煩わしい作業が生じる。本発明において、搭乗者は、予め、自宅など、訪問先を記録させておく必要がない位置を、停車排除リストに登録させておくことで、訪問先の不要な記録作業の為に、搭乗者が煩わしい思いをする事態を回避することができる。
【0030】
搭乗者が有する携帯端末(292)から携帯端末の位置情報を取得する携帯位置取得部(218)をさらに備え、訪問先特定部は、取得した携帯端末の位置情報に基づいて訪問先を特定してもよい。
【0031】
かかる構成により、搭乗者が降車した後の位置情報を携帯端末から取得し、その軌跡を計算できるため、より正確に訪問先を特定することができる。
【0032】
携帯位置取得部は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、またはWiMaxを通じて携帯端末の位置情報を取得してもよい。既存の無線通信方式を利用することで、より安価にナビゲーション装置を製造することができる。
【0033】
本発明にかかるナビゲーション方法の代表的な構成は、ナビゲーション装置を搭載している車両の位置情報を取得し、ナビゲーション装置が記憶している地図データに基づいて地図を表示し、取得した位置情報に基づいて車両の位置を表示し、車両が任意の位置に停車してからの経過時間が所定時間以上であった場合に停車状態であると判断し、停車状態であると判断した場合、停車した位置の位置情報に基づいて、現在位置から所定範囲内に存在する訪問先候補の情報を示すエリアデータから、搭乗者の1または複数の訪問先候補を導出し、搭乗者の入力に応じて、1または複数の訪問先候補から搭乗者が訪問した訪問先を特定し、特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したことを示す訪問情報を記憶させることを特徴とする。
【0034】
本発明にかかるナビゲーションプログラムの代表的な構成は、車両に搭載されるナビゲーション装置のコンピュータに、ナビゲーション装置を搭載している車両の位置情報を取得するステップと、ナビゲーション装置が予め記憶している地図データに基づく地図と、車両の位置を表示部に表示させるステップと、車両が任意の位置に停車してからの経過時間が所定時間以上であった場合に停車状態であると判断するステップと、停車状態であると判断した場合に、停車した地点の位置情報に基づいて、現在位置から所定範囲内に存在する訪問先候補の情報を示すエリアデータから、搭乗者の1または複数の訪問先候補を導出するステップと、搭乗者の入力に応じて、1または複数の訪問先候補から搭乗者が訪問した訪問先を特定するステップと、特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したことを示す訪問情報を記憶させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0035】
上述したナビゲーション装置における技術的思想に対応する構成要素やその説明は、当該ナビゲーション方法およびナビゲーションプログラムにも適用可能である。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、簡易な操作で訪問先を記録し、搭乗者の利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ナビゲーション装置の一例を示した外観図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】訪問先候補の優先度の設定の例を示した説明図である。
【図4】訪問情報によるエリアデータの表示を変化させる処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】訪問情報が登録された施設等の表示例を示した説明図である。
【図6】エリアデータと訪問情報を説明したテーブルである。
【図7】ナビゲーション装置の全体の処理の流れを説明したフローチャートである。
【図8】図7における訪問先特定ステップの処理の流れを説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0039】
ナビゲーション装置を搭載した車両の搭乗者が、当該カーナビゲーション装置を用いて所望の施設を検索し、特定した施設を訪問した後日、その訪問先に再び行きたいと考えたとしても、詳細な住所を覚えていないと、前回同様の検索をはじめから実行することとなってしまう。また、訪問先で行った遊興や飲食が期待外れで、同じ施設に訪問することが憚れると感じた場合、その訪問先を覚えていないと、次に同様の検索を行った場合、以前、訪問したことがある施設と気付かずに訪問して、不愉快な気分になってしまう。
以下の実施形態では、簡易な操作で、訪問先を記録し、上述した事態を回避しつつ搭乗者の利便性を高めることを目的としている。以下、実施形態のナビゲーション装置の構成とそのナビゲーション装置を用いたナビゲーション方法およびナビゲーションプログラムについて述べる。
【0040】
(ナビゲーション装置100)
図1は、ナビゲーション装置100の一例を示した外観図であり、図2は、ナビゲーション装置100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、記憶部200と、位置取得部202と、表示部204と、音声出力部206と、表示制御部、記憶制御部、および音声制御部として機能する中央制御部208と、タッチパネル210と、音声入力部212と、外部記憶部214と、無線通信部216と、携帯位置取得部218と、操作部220とを含んで構成される。表示制御部、記憶制御部、および音声制御部は、中央制御部208として一体に形成してもよいし、それぞれ別体に形成することもできる。
【0041】
記憶部200は、後述する停車判断部250が停車状態を判断するときに使用する時刻情報、位置情報等を、後述する中央制御部208によって記憶させられる。また、記憶部200は、当該ナビゲーション装置100の処理を登録した実行プログラム記憶部230、地図記憶部232、エリアデータ記憶部234、訪問情報記憶部236、および停車排除リスト記憶部238として機能する。実行プログラム記憶部230、エリアデータ記憶部234、訪問情報記憶部236、および停車排除リスト記憶部238は、記憶部200として一体に形成してもよいし、それぞれ別体に形成してもよい。地図記憶部232は、地図を表示部204上に表示させるための地図データを予め記憶している。また、エリアデータ記憶部234は、地図上の施設、建物、地域等の経度、緯度、施設等のジャンルを示すジャンル情報240を含む例えばPOIデータ等のエリアデータを予め記憶している。エリアデータは後述する訪問先候補導出部252が導出する訪問先候補の情報を示す。
【0042】
さらに中央制御部208は、搭乗者が少なくとも所定のエリアデータの位置に訪問したことを示し、訪問したエリアデータに関連付けられる訪問情報を、訪問情報記憶部236に記憶させる。また、訪問情報は、搭乗者が訪問したときの日時情報や、メッセージも含むことができる。さらに中央制御部208は、停車しても訪問情報を記憶させない位置の、経度や緯度等の位置情報のリストである停車排除リストを、停車排除リスト記憶部238に記憶させる。
【0043】
位置取得部202は、GPS(Global Positioning System)衛星290と無線通信を実行し、当該ナビゲーション装置100を搭載している車両の位置情報を取得して、中央制御部208に伝達する。かかる位置情報に基づいて、中央制御部208は、地図上の車両の位置を表示部204に表示させる。
【0044】
表示部204は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。そして、中央制御部208は、地図データ232に基づいた地図、位置取得部202が取得した位置情報に基づいた車両の地図上の位置、搭乗者が設定した目的地へのルート、表示部204が表示している地図上の道路の渋滞情報、後述する訪問先候補導出部252が導出した1または複数の訪問先候補の他、様々な画像を表示部204に表示させる。また、表示部204は、後述するタッチパネル210をその表面に重畳する。
【0045】
訪問情報記憶部236に訪問情報が記録されている施設が、表示部204に表示される場合、中央制御部208は、訪問時の日時情報と、後述するタッチパネル210を通じて搭乗者が記録したテキストメッセージのリストを作成し表示部204に表示させる。搭乗者は、そのリストから希望するデータを選択することで、記録させた日時情報やメッセージを表示させることができる。
【0046】
かかる構成により、搭乗者は、訪問した事実のみならず、訪問したときの日時情報や、任意のメッセージを残すことができ、訪問先についてより多くの情報を蓄積させることができる。例えば、飲食店であれば味の良否を記録しておき、後日、外食をする際に参照することが可能となる。
【0047】
音声出力部206は、車両の行き先方向を音声で案内すると共に、後述する訪問先特定部254が訪問先候補を特定するための質問を出力する。また、音声出力部206は、後述する音声入力部212から中央制御部208に入力され、中央制御部208によって、後述する訪問情報記憶部236に記憶された搭乗者の音声のメッセージ等を出力する。
【0048】
中央制御部208は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により、実行プログラム記憶部230に記憶された実行プログラムに従って、ナビゲーション装置100全体を制御する。また、中央制御部208は、地図データに基づいた地図と、位置取得部202が取得した位置情報に基づいた車両の位置を表示部204に表示させる。さらに、中央制御部208は、訪問情報記憶部236に訪問情報を、停車排除リスト記憶部238に停車排除リストを記憶させる。また、中央制御部208は訪問済みの施設に対応するエリアデータに、訪問済みであることを示す訪問済みフラグを立たせる。さらに、中央制御部
208は、停車判断部250と、訪問先候補導出部252と、訪問先特定部254と、訪問先検索部256とを含んで構成される。
【0049】
位置取得部202から取得した位置情報から、停車判断部250が、当該ナビゲーション装置100を搭載している車両が所定の速度(約0km/h)となる停車状態であるか否かを判断する。停車判断部250が停車状態であると判断すると中央制御部208は、停車時点の日時と、位置情報取得部202から取得した位置情報を記憶部200に記憶させる。停車判断部250は、車両が再び所定の速度以上になったとき、日時と位置情報を取得し、日時の差分時間が、所定時間以上であり、さらに、位置情報の差分の距離が所定距離以上の場合に停車状態であったと判断する。また、エンジンの停止を検知し、停車状態と判断してもよい。
【0050】
さらに、ナビゲーション装置100に加速度センサや速度センサを備え、停車判断部250は、位置取得部202から位置情報を取得して判断する代わりに、その加速度センサや速度センサからの出力がない(加速度または速度ゼロである)ことをもって、停車状態を判断してもよい。
【0051】
このとき、停車判断部220は、停車排除リスト記憶部238に記憶されている停車排除リストを参照し、停車排除リストに示された1または複数の位置情報が、位置情報取得部202が取得した位置情報と一致していれば、この位置情報が示す位置に停車して経過時間が所定時間以上であっても停車状態と判断しない。または、停車排除リストに示された1または複数の位置を中心とした所定の範囲内に、位置情報取得部202が取得した位置が含まれていれば、所定時間以上停車した場合であっても停車状態と判断しない。上述したように、本実施形態において、停車排除リストは、停車状態と判断させない位置情報のリストである。
【0052】
かかる構成を採用しなかった場合、自宅の駐車場等に自家用車を止める等、訪問先を記憶させる必要がない場合であっても、訪問先特定部254が訪問先を特定しようとしてしまうためその情報の削除等、煩わしい作業が生じる。本実施形態において、搭乗者は、予め、自宅など、訪問先を記録させておく必要がない位置を、停車排除リストに登録させておくことで、訪問先の不要な記録作業の為に、搭乗者が煩わしい思いをする事態を回避することができる。
【0053】
訪問先候補導出部252は、停車判断部250が停車状態であると判断した場合、位置取得部202が取得した、停車した位置の位置情報に基づいて、現在位置から所定範囲内に存在するエリアデータから、搭乗者の1または複数の訪問先候補を導出する。中央制御部208は、その訪問先候補のリストを表示部204に表示させる。例えば、訪問先候補として、「ファミリーレストラン○○○」、「○○○公園」、「○○○ボーリング場」等を導出し、その訪問先候補のリストを表示部204に表示させる。
【0054】
訪問先特定部254は、訪問先候補導出部252が導出した1または複数の訪問先候補から、搭乗者が訪問した訪問先をタッチパネル210や音声入力部212を通じて特定する。
【0055】
タッチパネル210を通じて特定する場合、タッチパネル210を通じた搭乗者の接触入力によって訪問先を特定する。タッチパネル210を用いて訪問先を特定することで、搭乗者は表示部204に表示された訪問先候補のうち、訪問先の項目に単に触れるだけで、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部236に記憶させることができ、容易にかつ短時間で操作を完了し、運転を再開することができる。
【0056】
また、音声出力部206が、訪問先候補を特定する質問を音声で出力し、音声入力部212が、搭乗者の返答の音声を中央制御部208に入力することで、質問に対する搭乗者の返答に基づいて訪問先を特定することもできる。訪問先特定部254が訪問先を特定できるまで、中央制御部208は訪問先についての複数の質問を繰り返し音声出力部206に出力させることで、搭乗者は煩雑な手作業と表示部204の視認を行わずに口頭で回答するだけで訪問先を特定でき、訪問情報を記録させながら発車作業を行うこともできる。従って、より少ない負担で訪問情報を記憶させることができる。
【0057】
さらに、訪問先候補が複数存在する場合、訪問先特定部254は、現在時刻に基づいて訪問先候補に優先度を設定する。中央制御部208は、優先度の高い訪問先候補についての質問を優先的に音声出力部206に出力させる。
【0058】
例えば、昼食の時間帯は、昼に営業している可能性の高い飲食店を訪問先候補の上位に位置づけ、夕方の時間帯は、スポーツジム等を訪問先候補の上位に位置づけることで、早い段階で可能性の高い訪問先に絞る。かかる構成により、より少ない質問および返答のやり取りで、訪問先を特定でき、搭乗者は、より少ない負担で訪問情報を記憶させることができる。
【0059】
同様に、訪問先候補が複数存在する場合、訪問先特定部254は、後述する位置取得部202が取得した位置情報に基づいて算出した停車した位置への進入方向、および停車時点の車両の向きに応じて、訪問先候補に優先度を設定し、中央制御部208は、音声出力部206に、優先度の高い訪問先候補についての質問を優先的に出力させてもよい。
【0060】
例えば、停車までに通り過ぎてしまった施設は、通り過ぎる前の施設よりも搭乗者の訪問先である可能性は低い。また、進入方向の先の施設は、訪問先である可能性が高くなる。本実施形態では、進入方向および車両の向きから、訪問先候補に優先度を設定し、優先度が高い、すなわち搭乗者が訪問した可能性が高い施設の訪問先候補から、訪問したかどうかを確認する。かかる構成により、より少ない質問および返答のやり取りで、訪問先を特定でき、搭乗者は、より少ない負担で訪問情報を記憶させることができる。
【0061】
図3は、訪問先候補の優先度の設定の例を示した説明図である。一点鎖線の矢印で示すように車両が道路を進行して、図の位置Xで停車したとする。施設C、施設F、施設Gは、車両がその前を通り過ぎてしまっているため、優先度が低く設定される。また、施設B、施設Dも、反対車線に位置するため、優先度が低く設定される。つまり、この図においては、施設A、Eは、訪問先候補として優先度が高く設定されることとなる。
【0062】
また、記憶部200は、エリアデータに含まれるジャンル情報240に対応付けて、予め質問を記憶している。訪問先特定部254は、訪問先のジャンル情報240に応じて質問を選択し、中央制御部208は、選択された質問を音声出力部206に出力させてもよい。例えば、訪問先候補に飲食店が挙がっていた場合、音声出力部206は、食事の感想等を尋ねる質問を出力することで、搭乗者が食事の感想を答えると、訪問先が飲食店であったことを特定できる。また、訪問先候補がボーリング場であれば、スコアについての質問を出力させる等、訪問先候補のジャンル情報240に応じた質問を行うことで、より確実に訪問先を特定することができる。
【0063】
さらに、中央制御部208は、後述する訪問先特定部254が特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部236に記憶させる。訪問情報には、訪問したときの日時情報と、タッチパネル210を通じて文字入力された搭乗者のメッセージ等が含まれる。そして、中央制御部208は、地図上に表示されている施設等に対応したエリアデータに、その訪問情報が関連付けられている場合、地図上に表示されているエリアデータが示す施設等の色彩、模様または形状を変化させて、表示部204に表示させる。かかる構成により、搭乗者は、過去に訪問した訪問先であるかを、地図上で容易に視認することができ、目的とする情報に早期に到達することが可能となる。
【0064】
図4は、訪問情報が関連付けられているエリアデータに対応した施設の表示を変化させる処理の流れを示したフローチャートである。中央制御部208は、表示部204に表示させる施設等のエリアデータをエリアデータ記憶部234から取得すると(S300)、訪問情報記憶部236にそのエリアデータに関連付けられた訪問情報が記憶されているかどうかを確認する(S302)。訪問情報がある場合(S302YES)、中央制御部208は、そのエリアデータが示す施設等の色彩を変化させるための処理を行う(S304)。そして、中央制御部208は、そのエリアデータに対応した施設等を他と異なる色彩を用いて示した地図を表示部204に表示させる(S306)。
【0065】
図5は、訪問情報が登録された施設等の表示例を示した説明図である。特に、図5(a)は、訪問情報が関連付けられているエリアデータに対応した施設の表示例を示した説明図であり、図5(b)は、訪問情報記憶部236に記憶されている訪問情報に含まれる、訪問したときの日時情報やメッセージの表示例を示した説明図である。
【0066】
訪問情報記憶部236に訪問情報が記憶されていない施設A、施設Bと、訪問情報記憶部236に訪問情報が記憶されている施設Cが表示部204に表示されている場合、中央制御部208は図5(a)に示すように、施設Cを視認し易い強調色(ハッチングで図示)にして表示部208に表示させる。搭乗者がタッチパネル210の「施設C」が表示されている箇所に触れると、中央処理部208は図5(b)のように、少なくとも訪問したときの日時情報を表示部208に表示させる。その際、施設Cに関する音声メッセージが訪問情報記憶部236に記憶されていれば、中央処理部208は、音声メッセージが記憶されていることを示す文、例えば「音声メッセージ有り」と「再生」という文字を表示部204に表示させる。搭乗者は、「再生」と表示されている箇所に触れることで、音声出力部206を通じて過去に記憶させた音声メッセージを確認することができる。また、施設Cに関するテキストメッセージが訪問情報記憶部236に記憶されていれば、中央処理部208はテキストメッセージが記憶されていることを示す文、例えば「テキストメッセージ有り」と「表示」という文字を表示部204に表示させる。搭乗者は、「表示」と表示されている箇所に触れることで、表示部204を通じて過去に記憶させたテキストメッセージを確認することができる。
【0067】
訪問先検索部256は、搭乗者が入力したキーワードを日時情報またはメッセージから訪問情報記憶部236内を検索し、キーワードと一致する日時情報またはメッセージに関連付けられた訪問先のエリアデータに対応した施設等を検索し、そのリストを作成する。中央制御部208は訪問検索部256が作成したリストを表示部204に表示させる。かかる構成により、搭乗者は、予め訪問した施設等について印象に残った料理名等を、タッチパネル210を通じたテキストや、音声入力部212で入力した音声によるメッセージとして記憶させておき、後日、その位置や施設名等の記憶が曖昧になっても、その料理名等をキーワードとして検索することで、訪問先のエリアデータを抽出して表示させることができる。搭乗者は、そのエリアデータを選択することで、訪問先の位置や施設名等を特定でき、訪問した訪問先をより確実に探し出すことができる。
【0068】
タッチパネル210は、抵抗膜方式(感圧式)、静電容量方式、赤外遮光方式、超音波表面弾性波方式、電磁誘導方式、静電結合方式、音響パルス認識方式、画像認識方式等様々な検出方式を用いて、表示部204表面に対する、その表示に対応したユーザの操作入力を受け付ける。例えば、タッチパネル210は、中央制御部208が表示部204に表示させた1または複数の訪問先候補に対応する位置への接触を検知する。また、搭乗者は、表示部204に表示された文字に触れることで、タッチパネル210を通じて中央制御部208へテキストの入力を行うことができる。
【0069】
音声入力部212は、搭乗者の音声を中央制御部208へ入力する。例えば、音声入力部212は、訪問先特定部254が訪問先を特定するとき、音声出力部206から出力された質問に対して、搭乗者が音声で行った返答や、訪問したときの音声によるメッセージを中央制御部208へ入力する。中央制御部208は、訪問情報記憶部236に、訪問したときの日時情報と、音声入力部212を通じて音声で入力されたメッセージを、訪問情報として記憶させる。その後、地図上で選択された施設に対応するエリアデータに訪問情報が関連付けられている場合、中央制御部208はエリアデータに関連付けられた日時情報を表示部204に表示させる。また、中央制御部208は音声によるメッセージを音声出力部206に出力させてもよい。
【0070】
かかる構成により、搭乗者は、訪問した事実のみならず、訪問したときの日時情報や、任意のメッセージを残すことができ、訪問先についてより多くの情報を蓄積することができる。例えば、宿泊施設であれば、寝具等に関する感想を記憶しておき、後日、宿泊施設を選ぶ際に参照することが可能となる。
【0071】
図6は、エリアデータと訪問情報を説明したテーブルである。特に、図6(a)は、エリアデータの例を示し、図6(b)は、訪問情報の例を示す。エリアデータは、固有のエリアデータID、経度、緯度、ジャンル情報240、住所、名称、および訪問済みフラグ等が含まれる。訪問情報は、固有の訪問ID、訪問したときの日時情報(年月日、時間)、音声入力部212を通して記憶された音声メッセージ、タッチパネル210で入力されたテキストメッセージ、エリアデータID、経度、緯度等が含まれる。また、音声メッセージやテキストメッセージのデータとして保存されるデータ名を、エリアデータID、または経度および緯度を含む名前にしてもよい。かかる構成により、中央制御部208は、エリアデータに関連づいた訪問情報の確認をより迅速に行うことができる。
【0072】
図6(b)に示した訪問情報には、訪問先のエリアデータIDが含まれるため、中央制御部208は、訪問情報に含まれるエリアデータIDと、図6(a)のエリアデータIDとを比較し、一致するもの全てを抽出することで、訪問先の経度、緯度、ジャンル情報240、住所、および名称を呼び出すことができる。
【0073】
また、ナビゲーション装置100は、外部記憶部214を備えることもできる。外部記憶部214は、着脱可能な記憶媒体である、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカード、ポータブルHDD(Hard disk drive)などで構成される。さらに、外部記憶部214は、記憶部200同様、訪問情報記憶部236として機能することができる。かかる外部記憶部214が訪問情報記憶部236として機能することにより、搭乗者は、蓄積した訪問情報を当該ナビゲーション装置100から簡易に取り出し、例えばパーソナルコンピュータ等に接続して、インターネット上のブログを更新する際のコンテンツ等に利用することができる。
【0074】
中央制御部208は訪問情報を外部記憶部214のみに記憶させてもよいし、外部記憶部214と記憶部200の両方に訪問情報を記憶させてもよい。後者の場合、例として、中央処理部208は記憶部200に記憶されている訪問情報のコピーを外部記憶部214に記憶させる。搭乗者は外部記憶部214を取り外した状態でも、当該ナビゲーション装置100を搭載した車両を運転し、訪問情報を蓄積できる。その後、外部記憶部214がナビゲーション装置100に接続されると、中央処理部208は外部記憶部214内の訪問情報を記憶部200の訪問情報によって更新する。
【0075】
また、搭乗者が、所定の時間毎に自体の位置情報を取得し、送信する機能を備えた携帯端末292を所有している場合に、その携帯端末292を保持しつつ訪問先を訪問すると、後述する携帯位置取得部218が携帯端末292の位置情報を取得し、訪問先特定部224は携帯位置取得部218が取得した位置情報に基づいて訪問先を特定する。かかる構成により、搭乗者が降車した後の位置情報を携帯端末292から取得し、その軌跡を計算できるため、より正確に訪問先を特定することができる。
【0076】
このとき、無線通信部216は、基地局294等を通じてインターネットに接続し、訪問情報を、インターネット上のWEBサーバ(図示せず)等にアップロードすることで、ブログサービスのコンテンツを更新する。
【0077】
携帯位置取得部218は、搭乗者が有する携帯端末292から携帯端末292の位置情報を取得し、訪問先特定部254に伝達する。かかる構成により、搭乗者が降車した後の位置情報を携帯端末292から取得し、その軌跡を計算できるため、より正確に訪問先を特定することができる。また、携帯位置取得部218は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、またはWiMaxを通じて携帯端末292の位置情報を取得してもよい。既存の無線通信方式を利用することで、より安価にナビゲーション装置100を製造することができる。
【0078】
操作部220は、搭乗者の操作によって、ナビゲーション装置100の音声出力部206が出力する音声の音量調節や、当該ナビゲーション装置100を搭載している車両の現在位置を表示させる画面切替等の搭乗者の指示を受け付け、その指示内容を中央制御部208に伝達する。前述のタッチパネル210を用いても同様の入力を行うことができるが、操作部220は、画面の表示内容に関らず、常に固定的な操作が可能である。
【0079】
以上説明したように、本実施形態にかかるナビゲーション装置100を用いることで、搭乗者は何ら面倒な操作を伴わずに、訪問したことを示す訪問情報を残すことができる。そして、目的を等しくする訪問先を地図上で調べる際、訪問情報を参照することで、目的の施設等を迅速に見つけることができ、逆に期待外れであった施設等を避けて訪問先を決定することもできる。さらに、信号待ちや、自動販売機に寄っただけのような、記録に残す必要の無い短い時間の停車を排除することで、より有意な訪問先に絞って記憶することが可能となる。
【0080】
また、コンピュータによって、ナビゲーション装置100として機能するプログラムや当該プログラムを記録した記録媒体も提供される。
【0081】
(ナビゲーション方法)
図7は、ナビゲーション装置100の全体の処理の流れを説明したフローチャートである。停車判断部250は、位置取得部202から取得した位置情報から、当該ナビゲーション装置100を搭載している車両が所定の速度(約0km/h)となり停止したか否かを判断する(S400)。停車判断部250が車両は停止したと判断すると(S400YES)、中央制御部208は、そのときの時刻情報と位置情報を記憶部200に記憶させる(S402)。当該ナビゲーション装置100の電源がONの場合(S404YES)、車両が再び動き出すまで、位置取得部202から位置を取得し移動状態を監視しながら待機する(S406YES)。車両が動き出すと(S406NO)、移動時の日時と停車時の日時との差分から差分時間を、移動時の位置と停車時の位置との差分から差分距離をそれぞれ算出し、差分時間が所定時間より大きく、差分距離が所定距離内の場合(S408YES)、訪問先候補を導出する(S414)。差分時間が所定時間内であったり、差分距離が所定距離以上の場合(S408NO)、停止状態の検出処理(S400)からを繰り返す。
【0082】
また、当該ナビゲーション装置100の電源がOFFの場合(S404NO)、電源がONになるまで待機し(S410NO)、電源がONになると(S410YES)、S408と同様、差分時間と差分距離の判定を行う(S412)。差分時間が所定時間内であったり、差分距離が所定距離以上の場合(S408NO)、停止状態の検出処理(S400)から繰り返す。差分時間が所定時間より大きく差分距離が所定距離内の場合(S412YES)、訪問先候補を導出する(S414)。差分時間が所定時間以下の場合(S412NO)、停止状態の検出処理(S400)から繰り返す。
【0083】
携帯位置取得部218が、携帯端末292との無線通信の接続を検知すると(S416YES)、携帯端末292から位置情報を取得する(S418)。続いて、訪問先特定部254が、携帯端末292からの位置情報があればそれを参照しながら、なければ音声による質問に対する搭乗者の回答や、搭乗者のタッチパネル210による選択により、訪問先を特定する(S420)。そして、音声やテキストによるメッセージを訪問情報として記憶し(S422)、停止状態の検出処理(S400)から繰り返す。
【0084】
図8は、図7における訪問先特定ステップ(S420)の処理の流れを説明したフローチャートである。訪問先特定部254は、訪問先候補導出部252が導出した訪問先候補を取得すると(S500)、携帯位置取得部218が携帯位置情報を取得しているか判定する(S502)。携帯位置情報を取得している場合(S502YES)、その携帯位置情報が示す位置を訪問先として特定し(S504)、処理を終了する。また、携帯位置情報を取得していない場合(S502NO)、現在の時刻から訪問先候補に優先順位を付ける(S506)。さらに、当該ナビゲーション装置100を搭載している車両の進入方向や向きから、訪問先候補に優先順位を付ける(S508)。そして、訪問先候補を画面に表示し、同時に音声出力部206からその訪問先候補を特定するための質問を出力する(S510)。
【0085】
搭乗者から音声入力部212またはタッチパネル210を通じてキャンセルの指示があると(S512YES)、処理を終了する。搭乗者からキャンセルの指示が無く(S512NO)、音声入力部212を通じて質問に対する回答があると(S514YES)、音声の質問形式による訪問先の特定を行う(S520)。回答がなく、タッチパネルからの入力があると(S516YES)、その入力によって訪問先を特定する(S518)。タッチパネルによる入力もない場合(S516NO)、キャンセルの指示、質問に対する回答、またはタッチパネルによる入力があるまで待機する。
【0086】
かかるナビゲーション方法においても、簡易な操作で訪問先を記録し、搭乗者の利便性を高めることが可能となる。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0088】
なお、本明細書のナビゲーション方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、車両に搭載され地図を表示可能な、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーションプログラムに利用することができる。
【符号の説明】
【0090】
100 …ナビゲーション装置
200 …記憶部
202 …位置取得部
204 …表示部
206 …音声出力部
208 …中央制御部(制御部)
210 …タッチパネル
212 …音声入力部
214 …外部記憶部
218 …携帯位置取得部
232 …地図記憶部
234 …エリアデータ記憶部
236 …訪問情報記憶部
238 …停車排除リスト記憶部
240 …ジャンル情報
250 …停車判断部
252 …訪問先候補導出部
254 …訪問先特定部
256 …訪問先検索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが訪問した訪問先を特定する訪問先特定部と、
前記訪問先特定部によって特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したときの日時情報を含み、かつ、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部に記憶させる記憶制御部と、
ユーザが入力したキーワードを前記日時情報から検索し、その検索の結果抽出された日時情報に関連付けられた訪問先のエリアデータに基づくリストを作成する訪問先検索部と、
前記リストを表示部に表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記訪問情報記憶部は着脱可能な記憶媒体であることを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記訪問先検索部は、前記キーワードと一致する日時情報を抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記リストは、訪問先のエリアデータに対応する施設のリストであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に表示制御装置。
【請求項5】
搭乗者が有する携帯端末から前記携帯端末の位置情報を取得する携帯位置取得部をさらに備え、
前記訪問先特定部は、前記取得した携帯端末の位置情報に基づいて訪問先を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記携帯位置取得部は、Bluetooth、Zigbee、またはWiMaxを通じて前記携帯端末の位置情報を取得することを特徴とする請求項5記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記訪問先特定部は、ユーザの入力に応じて訪問先を特定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御装置は車両に搭載される表示制御装置であり、
前記表示制御装置の位置情報を取得する位置取得部と、
前記車両が任意の位置に停車してからの経過時間に基づいて、前記車両の停車状態を判断する停車判断部と、
前記停車判断部が停車状態であると判断した場合、停車した位置の位置情報に基づいて、現在位置から所定範囲内に存在する訪問先候補の情報を示すエリアデータから、1または複数の訪問先候補を導出する訪問先候補導出部と
を備え、
前記訪問先特定部は、ユーザの入力に応じて、前記1または複数の訪問先候補の中から前記訪問先を特定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記停車判断部は、停車状態と判断しない1または複数の位置情報を示した停車排除リストに示された位置と、前記任意の位置とが一致せず、かつ、前記経過時間が所定時間以上となった場合に、前記車両が停車状態であると判断することを特徴とする請求項8記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記停車判断部は、停車状態と判断しない1または複数の位置情報を示した停車排除リストに示された位置を中心とした所定の範囲内に前記任意の位置が含まれず、かつ、前記経過時間が所定時間以上となった場合に、前記車両が停車状態であると判断することを特徴とする請求項8記載の表示制御装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示制御装置を備えるナビゲーション装置。
【請求項12】
訪問先特定部が、ユーザが訪問した訪問先を特定する訪問先特定ステップと、
記憶制御部が、前記訪問先特定ステップにおいて特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したときの日時情報を含み、かつ、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部に記憶させる記憶制御ステップと、
訪問先検索部が、ユーザが入力したキーワードを前記日時情報から検索し、その検索の結果抽出された日時情報に関連付けられた訪問先のエリアデータに基づくリストを作成する訪問先検索ステップと、
表示制御部が、前記リストを表示部に表示させる表示制御ステップと
を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザが訪問した訪問先を特定する訪問先特定ステップと、
前記訪問先特定ステップにおいて特定した訪問先のエリアデータに関連付けて、訪問したときの日時情報を含み、かつ、訪問したことを示す訪問情報を訪問情報記憶部に記憶させる記憶制御ステップと、
ユーザが入力したキーワードを前記日時情報から検索し、その検索の結果抽出された日時情報に関連付けられた訪問先のエリアデータに基づくリストを作成する訪問先検索ステップと、
前記リストを表示部に表示させる表示制御ステップと
を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−177703(P2012−177703A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92775(P2012−92775)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2008−248756(P2008−248756)の分割
【原出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】