説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラム

【課題】運転者または駐車場付近の交通状況を考慮して、適切な駐車場へ案内する。
【解決手段】センタ装置3から路側無線装置2を介して駐車場に関する情報を受信する通信部16(受信部)、受信した情報から駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を検出する進入可否情報検出部10A、駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を行う右折/左折優先設定部10B、進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、右折/左折優先設定部10Bの設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、その優先設定されている進入方法によって入場可能な駐車場の入口を探索し、駐車場に入場する際の入口を決定する駐車場入口決定部10Cを有するナビゲーション装置1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場までの経路案内を行う際、駐車場入口が車両の進行方向と反対側にある場合や、駐車場に入るために右折しなければならないが、中央分離帯があって右折できない場合などを考慮して、駐車場入口までの誘導を行うことができるナビゲーション装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される技術では、車載機で、目的地までの経路案内を終了した地点から駐車地点までの走行軌跡を算出して情報センターへ送信し、情報センター側で多くの車載機から収集した目的地に対応する走行軌跡を統計処理することで駐車場情報を生成し、目的地に対応する駐車場情報を車載機へ送信することで駐車場入口まで案内するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−2978号公報(要約、請求項1など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運転者にとって右折での駐車場への入場は避けて、なるべく左折して入場したい場合、たとえば、運転が不得意な人(車の免許を取ったばかりの人など)が右折ではなく左折での入場を希望する場合がある。また、駐車場の入口へ右折して進入する際に対向車線の混雑状況によっては、後続車に迷惑をかけてしまい好ましくないこともあり得る。
【0005】
そこで、本発明は、上述した課題の少なくも一つを解決するためになされたもので、運転者または駐車場付近の交通状況を考慮して、適切な駐車場へ案内することができるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るナビゲーション装置は、駐車場に関する情報を提供するセンタ装置から路側無線装置を介して駐車場に関する情報を受信する受信部と、受信部で受信した駐車場に関する情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された駐車場に関する情報から駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を検出する進入可否情報検出部と、駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を行う右折/左折優先設定部と、進入可否情報検出部により検出された進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、右折/左折優先設定部の設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、その優先設定されている進入方法によって入場可能な駐車場の入口を探索し、駐車場に入場する際の入口を決定する駐車場入口決定部とを有するものである。
【0007】
また、本発明の一側面に係るナビゲーション装置は、上述した構成に加えて、右折/左折優先設定部は、車両を運転する運転者を特定し、その特定した運転者に応じて右折または左折で入場することを優先する設定を自動的に行うことが好ましい。
【0008】
また、本発明の一側面に係るナビゲーション装置は、上述した構成に加えて、記憶部に記憶された駐車場に関する情報には駐車場付近の道路の混雑状況を示す情報が含まれており、駐車場入口決定部は、駐車場付近の道路の混雑状況を示す情報から駐車場の入口へ進入する予定の車線に対抗する車線が混雑していないと判定した場合、その入口を駐車場に入場する際の入口として決定することが好ましい。
【0009】
また、本発明の一側面に係るナビゲーション方法は、駐車場に関する情報を提供するセンタ装置から路側無線装置を介して駐車場に関する情報を受信するステップと、受信するステップで受信した駐車場に関する情報を記憶するステップと、記憶するステップで記憶された駐車場に関する情報から駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を検出するステップと、駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を行うステップと、検出するステップで検出された進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、右折/左折優先設定部の設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、その優先設定されている進入方法によって入場可能な駐車場の入口を探索し、駐車場に入場する際の入口を決定するステップとを有するものである。
【0010】
本発明の一側面に係るプログラムは、駐車場に関する情報を提供するセンタ装置から路側無線装置を介して駐車場に関する情報を受信して記憶可能なコンピュータを、駐車場に関する情報から駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を検出する進入可否情報検出手段と、駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を行う右折/左折優先設定手段と、進入可否情報検出手段により検出された進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、右折/左折優先手段の設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、その優先設定されている進入方法によって入場可能な駐車場の入口を探索し、駐車場に入場する際の入口を決定する駐車場入口決定手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、運転者または駐車場付近の交通状況を考慮して、適切な駐車場へ案内するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置を含むナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示すナビゲーション装置により実行される駐車場設定処理を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS2において表示部に表示される画面例を示す図である。
【図4】図2のS6に示した入口決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図4の処理の変形例を示すフローチャートである。
【図6】図4の処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法およびプログラムについて説明する。なお、ナビゲーション方法およびプログラムは、以下に説明するナビゲーション装置の構成および動作と共に説明するものとする。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置1を含むナビゲーションシステムの構成を示す図である。ナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置1と路側無線装置2と、センタ装置3とから構成される。ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、出発地から目的地への経路案内をする装置である。路側無線装置2は、たとえば、道路脇、パーキングエリア、サービスエリア、道の駅などに設置され、ナビゲーション装置1とインターネットプロトコルまたはDSRC(Dedicated Short-Range Communications)専用のプロトコルにより無線通信を行い、周辺施設情報などをナビゲーション装置1へ送信する装置である。センタ装置3は、路側無線装置2と専用のネットワークを介して接続され、ナビゲーション装置1へ所望の情報の提供を行う装置である。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置1から路側無線装置2を介してセンタ装置3へ情報を送信することを「アップリンク」、センタ装置3から路側無線装置2を介してナビゲーション装置1へ情報を送信することを「ダウンリンク」ということがある。
【0015】
ナビゲーション装置1は、車両が路側無線装置2と通信可能エリアに進入すると、路側無線装置2との間で自動的に通信を確立し、情報取得要求がある場合にはセンタ装置3へその情報要求をアップリンクし、センタ装置3から路側無線装置2を介してその取得要求に対応した情報をダウンリンクする。これにより、ナビゲーション装置1に、車両周辺、または目的地付近の交通状況を示す情報、車両周辺、または目的地付近に存在する駐車場の入口数情報(入口最大数含む)、進入方向規制を示す情報(右折可、右折不可)、および駐車場の満空情報などが提供される。
【0016】
(ナビゲーション装置1の構成について)
ナビゲーション装置1は、制御部10、位置検出部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、操作入力部15および通信部16を有する。なお、制御部10は、請求項の進入可否情報検出部、右折/左折優先設定部、および駐車場入口決定部の一例であり、通信部16は請求項の受信部の一例である。
【0017】
制御部10は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などで構成され、ナビゲーション装置1の各部の制御を行う。制御部10は、後述する記憶部12に記憶された専用、または汎用のプログラムを読み出して実行することにより、ナビゲーション処理全般(経路探索処理、マップマッチング処理など)を行うほか、進入可否情報検出部10A、右折/左折優先設定部10B、および駐車場入口決定部10Cとしても機能する。なお、進入可否情報検出部10Aと、右折/左折優先設定部10B、および駐車場入口決定部10Cの詳細についてはナビゲーション装置1の動作の説明において後述する。
【0018】
位置検出部11は、たとえば、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロセンサにより構成され、それらにより測位計測を行ない、ナビゲーション装置が搭載されている車両の位置を検出する。検出された位置データは、制御部10に出力される。
【0019】
記憶部12は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクなどで構成される。なお、記憶部12には、外部記憶媒体(たとえば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標)など)を読み取ることができる外部記憶装置が含まれていてもよい。また、記憶部12は、制御部10が実行した演算処理データの一時記憶、センタ装置3から受信した情報の記憶をすることもできる。記憶部12には、制御部10がナビゲーション装置1として動作させるためのOS、各種プログラム(不図示)の他、図1に示すように、地図情報12A、駐車場動的情報12B、駐車場静的情報12Cが記憶されている。地図情報12Aには、地図を表示するための画像情報(映像含む)、音声情報、テキスト情報、およびPOI情報(Point Of Interest)などが含まれ、たとえば、道路リンクデータ、ノードデータなどを有する道路レイヤ、地図上のオブジェクトを表示するための背景レイヤ、市町村名など文字を表示するための文字レイヤなどが含まれる。
【0020】
駐車場動的情報12Bには、駐車場の満空情報(駐車場全体の空き台数情報、入口毎の空き台数情報)が含まれる。一方、駐車場静的情報12Cには、駐車場名、駐車場の位置座標(緯度、経度、3次メッシュコードなど)、最大入口数、各入口の位置座標、各入口の右折進入可否フラグ、収容台数、車両制限(車種毎の駐車スペースの有無など)、設備状況(障害者スペースの有無、エレベータ、スロープなどのバリアフリーの有無、女性専用スペースの有無、EV車用専用スペースの有無、トイレの有無、バイクの有無)、営業時間、決済手段(現金、クレジットなど)を示す情報などが含まれる。センタ装置3の記憶部31に記憶されている駐車場動的情報31A、駐車場静的情報31Bが記憶されており、ナビゲーション装置1の駐車場動的情報12Bおよび駐車場静的情報12Cは、センタ装置3に検索要求を行うことで随時取得できるものであり、更新、新規に追加、または削除されるものである。
【0021】
表示部13は、たとえば、タッチパネルが重ねて配設されたディスプレイなどで構成され、制御部10の制御により映像信号を表示する。なお、タッチパネルが重ねて配設されたディスプレイの場合、後述する操作入力部15としても機能する。
【0022】
音声出力部14は、たとえば、アンプ、スピーカなどで構成され、制御部10の制御により音声信号を出力する。
【0023】
操作入力部15は、たとえば、操作ボタンなどの入力インタフェースなどを備え、車両の運転者、搭乗者の操作による各種指示(たとえば、経路案内指示、駐車場探索指示、右折/左折優先設定など)が入力される。なお、操作入力部15がタッチパネルで構成され、ソフトウェアボタンによる指示ができるようにしてもよい。
【0024】
通信部16は、路側無線装置2と無線通信を可能にするものであり、たとえば、DSRC、Bluetooth(登録商標)、WiMAXなどによる無線通信を可能とする通信インタフェースで構成される。なお、ナビゲーション装置1は、通信部16の他に、電波ビーコン、光ビーコンあるいはFM多重放送により送信される交通情報(道路の混雑度を示す渋滞情報、道路の通行止め時間帯などを示す交通規制情報)を受信するVICS受信部(不図示)を有していてもよい。
【0025】
図2は、図1に示すナビゲーション装置1により実行される駐車場設定処理を示すフローチャートである。なお、この図2の処理の前提として、目的地への予定経路が既に検索されており、車両の運転者が操作入力部15を操作して右折/左折優先の設定がなされているものとする。
【0026】
ナビゲーション装置1において駐車場設定処理が開始されると(START)、センタ装置3に記憶されている駐車場動的情報31Aおよび駐車場静的情報31Bが、路側無線装置2を介してナビゲーション装置1の通信部16によって受信され、記憶部12に駐車場動的情報12B、駐車場静的情報12Cとして記憶される(S1)。すなわち、ナビゲーション装置はS1においてセンタ装置3から路側無線装置2を介してナビゲーション装置1へ駐車場情報がダウンリンクされる。なお、駐車場付近の交通情報も併せてダウンリンクされてもよい。
【0027】
なお、S1でいう駐車場設定処理とは、たとえば、ナビゲーション装置1を搭載した車両が路側無線装置2の通信エリア内に進入した際に、車両付近の駐車場を自動的に検索する設定処理、または、ナビゲーション装置1を搭載した車両が路側無線装置2と通信エリア内に進入した際に、DSRC通信を開始して、運転者の指示により駐車場の検索が行われる処理などである。
【0028】
S1でダウンリンクされた駐車場情報は、表示部13に表示される(S2)。図3は、図2のS2において表示部13に表示される画面例を示す図である。図2には、車両周辺に存在する駐車場情報が表示される。図3の画面例では、駐車場名とその駐車場の満空情報が表示されている。
【0029】
ナビゲーション装置1の制御部10は、タイマーをセットする(S3)。このタイマーは、後述するS9において表示部13に出力された駐車場情報のリストを自動的に消去するためのものである。そして、制御部10は、表示部13に表示されている駐車場が選択されたか否かを判定する(S4)。右折/左折優先設定部10Bおよび駐車場入口決定部10Cとしての制御部10は、駐車場が選択された場合には、その運転者により設定された右折/左折優先設定を読み出す(S5)と共に、後述する入口決定処理(S6)を実行して、タイマーをクリアする(S8)。一方、制御部10は、S4において駐車場が選択されないと判定した場合には、S3で設定したタイマーがタイムアウトしていると判定されるまでS4の判定を繰り返し(S7)、タイムアウトと判定された場合にはタイマーをクリアする(S8)。制御部10は、S8でタイマーのカウントをクリアすると、表示部13に出力された駐車場情報のリストを表示部13から消去して(S9)、駐車場設定処理を終了する(END)。
【0030】
なお、図2に示した処理のうち、S3,S7,S8におけるタイマーに関する処理は、ナビゲーション装置1が駐車場情報のリストのみを専用に出力するインタフェースを持つ、もしくは図3に示したような駐車場情報のリスト画面を表示している際に操作入力部15をユーザが操作することによってこれらのリストを消去する指示ができる場合には省略してもよい。
【0031】
図4は、図2のS6に示した入口決定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、この図4に示す処理の前提として、センタ装置3から駐車場静的情報12Cがダウンリンクされて、記憶部12に記憶されているものとする。駐車場入口決定部10Cとしての制御部10は、図2のS4で選択された駐車場の入口情報を記憶部12から参照し、変数Nにその選択された駐車場の入口最大数を設定する(S11)。制御部10は、変数iに初期値として1を設定する(S12)。制御部10は、駐車場の入口を予定経路から近い順にリスト化を行う(S13)。
【0032】
そして、制御部10は、入口リストi番目の入口を入場口として選択して経路案内を行った場合に右折で進入することになるか否かを判定する(S14)。制御部10は、入口リストi番目の入口が右折で進入することにならないと判定された場合(S14でNO)、つまり、その入口リストi番目の入口は左折で進入することを意味するため、その入口を駐車場入場口として設定する(S17)。
【0033】
一方、制御部10は、S14において入口リストi番目の入口が選択された場合に予定経路から右折で進入することになると判定された場合(S14でYES)、さらにこの入口リストi番目の入口が右折で進入できるか否かを判定する(S15)。具体的には、進入可否情報検出部10Aとしての制御部10が記憶部12に記憶されている駐車場静的情報12Cに含まれるi番目の駐車場の入口の右折進入可否フラグを参照して右折進入可否を判定する。これは、たとえば、駐車場入口の前に中央分離帯などが存在し、右折で進入することができない場合などを考慮するためである。
【0034】
そして、制御部10は、右折進入ができると判定された場合(S15でYES)には、さらに図2のS5で読み出した情報から運転者の左折の優先設定をしているか否かを判定する(S16)。制御部10は、S16で左折の優先設定がなされていないと判定した場合(S16でNO)、その入口リストi番目の入口を右折で進入することは問題がないため、その入口を駐車場入場口として設定する(S17)。
【0035】
一方、制御部10は、入口リストi番目の入口が右折で進入することができないと判定した場合(S15でNO)、iがNと等しいか否か、つまり、入口リストすべての入場口を調べたか否かを判定し(S18)、等しくないと判定した場合にはiに1を加算して(S19)、次の入口を調査するために、S14の処理へ戻る。一方、制御部10は、S18においてiがNと等しいと判定した場合には、入口リストのいずれかの駐車場の入口に左折で進入するように予定経路を変更し(S20)、S12の処理へ戻る。
【0036】
(図4の変形例その1)
図5は、図4の処理の変形例を示すフローチャートである。なお、図4の処理とは、S16の処理が異なるため、異なる部分のみを説明し、その他の同一部分についての説明は省略する。この図5に示す処理では、駐車場の入口前にある車道であって、進入方向と逆方向の車線(すなわち、対向する車線)の混雑状況を示す情報を予め取得しておき、取得した情報を考慮して駐車場の入口を決定するようにしている。なお、混雑状況を示す情報は、ナビゲーション装置1の通信部16がVICS受信部(不図示)としても機能する場合には、受信したVICS情報から取得するようにしてもよいし、または、センタ装置3の駐車場動的情報12Bにその駐車場付近の混雑状況を示す情報が含まれている場合には、路側無線装置2を介して受信して取得するようにしてもよい。
【0037】
駐車場入口決定部10Cとしての制御部10は、S15の入口リストi番目の入口が右折で進入できるか否かの判定において右折で進入可能であるとされた場合に、その入口リストi番目の入口付近の対向車線で混雑しているか否かを判定し(S16A)、混雑していないと判定された場合には(S16AでNO)、右折で進入することに問題がないため、その入口リストi番目の入口を駐車場入場口として設定する(S17)。一方、制御部10は、入口リストi番目の入口付近の対向車線で混雑していると判定された場合には(S16AでYES)、右折予定の場所の自己の車線数が1つであるか否かを更に判定する(S16B)。そして、制御部10は、右折予定の場所の自己の車線数が1つではないと判定された場合には(S16BでNO)、進入予定の車線に複数の車線が存在することになるため、右折専用車線および直進車線があると推測し、右折のために後続車に迷惑をかける可能性が低いと判断して、その入口リストi番目の入口を駐車場入場口として設定する(S17)。一方、制御部10は、右折予定の場所の自己の車線数が1つであると判定された場合には(S16BでYES)、後続車に迷惑をかける可能性が高いため、入口リストi番目の入口を駐車場入場口とすることは適切ではないため、S18の処理へ移行する。なお、駐車場に入場するための道路が一方通行であるか否かを判定して、一方通行である場合には、その入口リストi番目の入口を駐車場入場口として設定する(S17)ようにし、一方通行でない場合にS16Aの判定を行うようにしてもよい。これにより、一方通行であると判定された場合には、対向車線が存在しないため、S16Aの混雑状況を把握する必要がない。なお、仮に混雑状況を示す情報が取得できない道路の場合にはS16Aの処理の代わりに一方通行であるか否かのみの判定を行うようにしてもよい。
【0038】
(図4の変形例その2)
図6は、図4の処理の変形例を示すフローチャートである。なお、図6の処理は、図4の処理とS20の処理のみが異なるため、異なる部分のみを説明し、その他の同一部分についての説明は省略する。この図6に示す処理では、S20に相当する処理において、いずれかの入口に左折で入場できるように予定経路を変更させるものではなく、ユーザが選択した駐車場の条件(たとえば、駐車料金が安い駐車場、駐車場利用時間が合致している駐車場、自車の位置から距離が近い駐車場など)にきわめて近い他の駐車場を再度設定するようにしている(S20A)。なお、制御部10は、S20Aの処理後は、図4の処理とは異なり、S12ではなくS11へ移行する。これは、対象となる駐車場が変更になるため、入口最大数Nを再度設定する必要があるためである。これにより、ユーザが選択した駐車場の条件にきわめて近い駐車場であって左折で入場できる駐車場を探索することが可能となる。なお、このS20Aの処理において、可能であれば、左折で入場できるように周辺の道を迂回して誘導するように予定経路を変更するようにしてもよい。
【0039】
以上、このナビゲーション装置1およびナビゲーション装置1が実行するナビゲーション方法によれば、駐車場動的情報31A、駐車場静的情報31Bを提供するセンタ装置3から路側無線装置2を介してこれらの情報を通信部16(受信部)で受信し、受信した情報を駐車場動的情報12B、駐車場静的情報12Cとして記憶部12に記憶し、記憶部12に記憶された情報から駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を進入可否情報検出部10Aで検出し、駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を右折/左折優先設定部10Bにより行い、進入可否情報検出部10Aにより検出された進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、右折/左折優先設定部10Bの設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、駐車場入口決定部10Cがその優先設定されている進入方法によって入場可能な前記駐車場の入口を探索し、前記駐車場に入場する際の入口を決定するため、運転者にとって右折での駐車場への入場は避けたい場合には、右折/左折優先設定部10Bで左折を優先する設定を行うことで、左折で入場できる駐車場を優先的に探索して案内することができる。特に、このナビゲーション装置1では、一つの駐車場が複数の入口を有する場合に、左折で入場できる駐車場の入口を優先的に選択して案内することが可能であり、上記のような考えの運転者にとっては、より好ましいものとなる。
【0040】
また、駐車場動的情報12B、駐車場静的情報12Cに駐車場付近の道路の混雑状況を示す情報または右折進入可否フラグ(道路交通規制を示す情報)が含まれており、駐車場入口決定部10Cは、駐車場付近の道路の混雑状況を示す情報から駐車場の入口へ進入する予定の車線に対向する車線が混雑していないと判定した場合(S16AでNO)、その入口を駐車場に入場する際の入口として決定するようにしている。これにより、駐車場の入口へ進入する予定の車線に対向する車線が混雑していない場合のみ、その駐車場の入口を入場口として決定できるので、駐車場の入口付近の交通状況を考慮して適切な駐車場へ案内することが可能となる。
【0041】
以上の実施の形態は、本発明の実施の形態の一例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。たとえば、右折/左折優先設定部10Bは、操作入力部15を運転者または搭乗者が設定した情報に基づいて判断を行っていたが、その他にも、車両を運転する運転者を特定し、その特定した運転者に応じて右折または左折で入場することを優先する設定を自動的に行うようにしてもよい。たとえば、右折/左折優先設定部10Bは、(1)再生される楽曲と予め個人に関連付けられている楽曲情報から個人を特定する方法、(2)音声識別/眼紋によって個人を特定する方法、(3)車両の運転座席に掛かる荷重(体重)と予め記録されている個人の体重とを比較することにより個人を特定する方法、(4)運転方法のクセにより特定する方法(たとえば、アクセル・ブレーキを踏む際の緩急及びタイミングの違い、MT車でギアチェンジする際のエンジン回転数の違い、ウインカーを出すタイミングの違い、法定速度に対する走行速度の違いなど)など、何らかの方法により個人を特定し、その特定された個人に予め関連付けられている右折/左折の優先設定を読み出すようにしてもよい。これにより、車両の運転者に応じて右折/左折の優先設定がなされ、運転者の技能、特性などを考慮して、適切な駐車場へ案内することが可能となる。
【0042】
また、本実施例では、日本国の交通ルール(左側通行)を前提として右折より左折を優先したい場合を説明したが、日本国とは逆の交通ルールを採用している場合(右側通行)でも同様の効果を得ることができる。すなわち、右側通行の交通ルールを採用している場合には、左折より右折を優先する設定を右折/左折優先設定部10Bにて行えば、本実施例と同様の効果が得られる。
【0043】
また、上述した実施の形態に係るナビゲーション装置1が有する各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。すなわち、上述したナビゲーション装置1として機能させる記憶部12に記憶されているプログラム(不図示)が進入可否情報検出手段、右折/左折優先設定手段、駐車場入口手段として機能することにより同様の効果を奏することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、たとえば、車両を目的地にナビゲーションできる装置、もしくは携帯可能な情報処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1…ナビゲーション装置、2…路側無線装置、3…センタ装置、10…制御部、10A・・・進入可否情報検出部、10B…右折/左折優先設定部、10C…駐車場入口決定部、11…位置検出部、12…記憶部、13…表示部、14…音声出力部、15…操作入力部、16…通信部(受信部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に関する情報を提供するセンタ装置から路側無線装置を介して前記駐車場に関する情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記駐車場に関する情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記駐車場に関する情報から前記駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を検出する進入可否情報検出部と、
前記駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を行う右折/左折優先設定部と、
前記進入可否情報検出部により検出された進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、前記右折/左折優先設定部の設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、その優先設定されている進入方法によって入場可能な前記駐車場の入口を探索し、前記駐車場に入場する際の入口を決定する駐車場入口決定部と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記右折/左折優先設定部は、
車両を運転する運転者を特定し、その特定した運転者に応じて右折または左折で入場することを優先する設定を自動的に行う、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記記憶部に記憶された駐車場に関する情報には前記駐車場付近の道路の混雑状況を示す情報を示す情報が含まれており、
前記駐車場入口決定部は、
前記駐車場付近の道路の混雑状況を示す情報から前記駐車場の入口へ進入する予定の車線に対向する車線が混雑していないと判定した場合に、その入口を前記駐車場に入場する際の入口として決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
駐車場に関する情報を提供するセンタ装置から路側無線装置を介して前記駐車場に関する情報を受信するステップと、
前記受信するステップで受信した前記駐車場に関する情報を記憶するステップと、
前記記憶するステップで記憶された前記駐車場に関する情報から前記駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を検出するステップと、
前記駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を行うステップと、
前記検出するステップで検出された進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、前記右折/左折優先設定部の設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、その優先設定されている進入方法によって入場可能な前記駐車場の入口を探索し、前記駐車場に入場する際の入口を決定するステップと、
を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
駐車場に関する情報を提供するセンタ装置から路側無線装置を介して前記駐車場に関する情報を受信して記憶可能なコンピュータを、
前記駐車場に関する情報から前記駐車場の入口へ右折または左折で進入できるか否かを示す進入可否情報を検出する進入可否情報検出手段と、
前記駐車場の入口へ入場する場合に右折または左折で入場することを優先する設定を行う右折/左折優先設定手段と、
前記進入可否情報検出手段により検出された進入可否情報からその駐車場の入口へ右折または左折で進入が可能とされた場合であっても、前記右折/左折優先手段の設定でその逆の進入方法が優先設定されている場合には、その優先設定されている進入方法によって入場可能な前記駐車場の入口を探索し、前記駐車場に入場する際の入口を決定する駐車場入口決定手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−185086(P2012−185086A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49366(P2011−49366)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】