ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラム
【課題】合流期限までに案内対象者が会うことができ、かつ、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示すること。
【解決手段】本発明のナビゲーション装置は、二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出する基準距離演算部と、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、前記二点間の距離が前記基準距離又は前記限界距離以下になると、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示部と、を備える。
【解決手段】本発明のナビゲーション装置は、二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出する基準距離演算部と、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、前記二点間の距離が前記基準距離又は前記限界距離以下になると、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、地図アプリケーションによる案内サービス機能が多くの携帯電話機に搭載されている。例えば、案内サービス利用者があらかじめ登録した目標地点に、該案内サービス利用者が近づいたら、アラーム機能やメール等で、該案内サービス利用者の携帯電話に通知する。
【0003】
また、特許文献1では、一例として、移動店舗の位置情報、その顧客の位置情報、移動店舗及び顧客の移動方向、移動店舗及び顧客の移動速度などの情報から、最適なルートを案内するナビゲーションシステムを提案している。このナビゲーションシステムは、顧客データベースと連携しながら、移動店舗の端末に重要顧客(リピータ)を優先的に巡回するルートを提示する。そして、このナビゲーションシステムは、移動店舗の動きを解析し、顧客に最短で移動店舗と出会うルートを提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−114566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、携帯電話機などに搭載されている案内サービス機能では、目標地点と案内サービス利用者との距離が一定の範囲内にならない場合、たとえ範囲内までの距離があとわずかであったとしても案内が開始されない。
【0006】
更に、特許文献1に開示されているナビゲーションシステムは、直ちに移動店舗への案内を開始して欲しいという要望がシステム利用者にあれば有用である。しかしながら、例えば、本日中、又は今週中といった合流期限内に、移動店舗に出会えれば良いといった要望がシステム利用者にある場合、システム利用者が、移動店舗への案内を受けたいタイミングを、わざわざ意識して図らなければならない。
【0007】
また、上述した案内サービスとナビゲーションシステムを組み合わせたとしても、合流期限内で、時間経過に従って案内開始条件が変わるわけではない。そのため、システム利用者が、目標地点までの案内を受けるためには、利用者が目標地点までの距離が一定範囲以下になるまで移動する必要がある。また、システム利用者が移動しない場合、システム利用者が案内開始をシステムに対して能動的に指示しなければならない。したがって、システム利用者の指示タイミングが悪いと、システム利用者同士が、目標地点で合流に要する移動量及びそのコストが高くなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、合流期限までに案内対象者が会うことができ、かつ、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出する基準距離演算部と、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定部と、を備える、ナビゲーション装置を提供する。
【0010】
上記ナビゲーション装置では、前記基準距離演算部は、前記合流期限までの残時間が少なくなるにつれて長くなる基準距離を算出する。
【0011】
上記ナビゲーション装置では、前記合流条件提示判定部は、前記二点間の距離が前記基準距離以下の場合又は前記限界距離に達した場合に前記合流条件を提示する。
【0012】
上記ナビゲーション装置は、更に、前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に優先度が高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離演算部に前記基準距離を緩和させる、合流優先度設定部を備える。
【0013】
上記ナビゲーション装置では、更に、前記合流条件提示判定部の判定結果に基づき、前記合流条件を提示する合流条件提示部を備える。
【0014】
本発明は、二点間の距離を算出し、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出し、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に合流できなくなる限界距離を計算し、前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する、ナビゲーション方法を提供する。
【0015】
上記ナビゲーション方法は、前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離を緩和する。
【0016】
本発明は、コンピュータに、二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出する基準距離演算部と、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定部と、を実行させる、プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびそのプログラムによれば、合流期限までに案内対象者が会うことができ、かつ、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ナビゲーション装置100の構成を示すブロック図
【図2】基準距離を説明するための図(1)
【図3】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部109の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部109の一例
【図4】ナビゲーション装置100の動作フロー
【図5】ナビゲーション装置300の構成を示すブロック図
【図6】基準距離を説明するための図(2)
【図7】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部309の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部309の一例
【図8】ナビゲーション装置300の動作フロー
【図9】ナビゲーション装置500の構成を示すブロック図
【図10】合流優先度に基づく基準距離を説明するための図(3)
【図11】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部509の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部509の一例
【図12】ナビゲーション装置500の動作フロー
【図13】ナビゲーション装置700の構成を示すブロック図
【図14】合流優先度に基づく基準距離を説明するための図(4)
【図15】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部709の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部709の一例
【図16】ナビゲーション装置700の動作フロー
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1〜図4を参照して、実施の形態1に係るナビゲーション装置について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置100を保持し、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずに、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0021】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0022】
図1にナビゲーション装置100の構成を示すブロック図を示す。図1に示すナビゲーション装置100は、合流期限設定部101と、基準距離演算部103と、合流条件提示判定部105と、二点間距離取得部107と、合流条件提示部109と、通信手段111と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段113が合流期限設定部101及び合流条件提示部109に接続されている。
【0023】
合流期限設定部101は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段113を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
合流期限設定部101は、合流期限T0を基準距離演算部103に出力する。
【0024】
通信手段111は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置100から、時刻tにおけるナビゲーション装置100の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得し、二点間距離取得部107へ出力する。なお、通信手段111は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部107へ出力しても良い。
【0025】
二点間距離取得部107は、ナビゲーション装置100の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置100の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部107は、通信手段111を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置100から、時刻tにおけるナビゲーション装置100の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部107は、時刻tにおけるナビゲーション装置100の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置100の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。
【0026】
二点間距離取得部107は、二点間距離d(t)を合流条件提示判定部105に出力する。
【0027】
基準距離演算部103は、合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
【0028】
基準距離演算部103は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部105に出力する。
【0029】
合流条件提示判定部105は、基準距離演算部103から出力された基準距離ds(t)と、二点間距離取得部107から出力された二点間距離d(t)との関係から、合流条件を合流条件提示部109で提示するか、否かを判定する。そして、合流条件を合流条件提示部109で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部109へ合流条件を提示するよう指示する。
【0030】
ここで、図2を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)との関係について説明する。図2は、基準距離を説明するための図(1)である。図2の縦軸は距離を示し、図2の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図2に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2が基準距離ds(t)を示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0031】
図2に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれて、基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。図2に示す例では、時刻t1、時刻t2が、ナビゲーション装置100により、合流条件を提示するタイミングと判定されている。
【0032】
図2に示すように、二点間距離d(t)が極めて近くなり、基準距離ds(t)の曲線2と交わる時刻t1で、合流条件提示判定部105は、合流条件を提示するタイミングと判定する。これは、時刻t1では合流期限T0まで十分な時間が残っているので、合流条件を提示する条件が厳しくなっているからである。また、時刻t2では合流期限T0まで残時間が少ないので、合流条件が緩和されている(二点間距離d(t2)の値は、二点間距離d(t1)より大きい)。つまり、二点間距離d(t)が離れる場合であっても、二点間距離d(t)を示す曲線1が基準距離ds(t)を示す曲線2と交わる時刻t2で、ナビゲーション装置100は、合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0033】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻では二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では二点間距離d(t)が大きくても、合流期限T0内に合流できる基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件が提示される。
【0034】
合流条件提示部109は、合流条件提示判定部105のよる判定結果に基づき、合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部109は、ナビゲーション装置100の表示部としての機能を果たす。
【0035】
ここで、図3(a)、図3(b)を参照し、合流条件提示部109の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置100の合流条件提示部109の一例を図3(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置100の合流条件提示部109の一例を図3(b)に示す。
【0036】
図3(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部109では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0037】
同様に、図3(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部109では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h3h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0038】
ユーザ入力受付手段113は、ユーザが合流期限設定部101及び合流条件提示部109の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0039】
次に、図4を参照して、ナビゲーション装置100の動作フローについて説明する。ステップS41で、合流期限設定部101は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS43へ遷移する。
【0040】
ステップS43で、二点間距離取得部107は、現時点での二点間距離d(t)を取得する。次に、ステップS45へ遷移する。
【0041】
ステップS45で、基準距離演算部103は、現時点での基準距離ds(t)を求める。次に、ステップS47へ遷移する。
【0042】
ステップS47で、合流条件提示判定部105は、現時点での基準距離ds(t)と、現時点での二点間距離d(t)とを比較し、(1)現時点での二点間距離d(t)が現時点での基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS49へ遷移し、(2)現時点での二点間距離d(t)が現時点での基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS43へ遷移し、二点間距離d(t)を再取得する。
【0043】
ステップS49で、合流条件提示部109は、合流条件提示判定部105のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部107等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0044】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻では二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では二点間距離d(t)が大きくても、合流期限T0内に合流できる基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件が提示される。
【0045】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置100によれば、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は会うことができる。
【0046】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、二点間距離取得部107を設けているが、これに限らない。例えば、ネットワーク上のサーバが二点間距離取得部107の機能を有し、ネットワーク上のサーバに接続するためのナビゲーション装置100に設けられた通信手段111により、ネットワーク上のサーバから必要な情報を取得しても良い。
【0047】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0048】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0049】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0050】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0051】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0052】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0053】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0054】
(実施の形態2)
図5〜図8を参照して、実施の形態2に係るナビゲーション装置300について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置300を保持し、ナビゲーション装置300が、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずとも、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0055】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0056】
図5にナビゲーション装置300の構成を示すブロック図を示す。図5に示すナビゲーション装置300は、合流期限設定部301と、基準距離演算部303と、合流条件提示判定部305と、二点間距離取得部307と、合流条件提示部309と、通信手段311と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段313が合流期限設定部301及び合流条件提示部309に接続されている。
【0057】
合流期限設定部301は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段313を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
【0058】
合流期限設定部301は、合流期限T0を基準距離演算部303に出力する。
【0059】
通信手段311は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置300から、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。通信手段311は、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を二点間距離取得部307へ出力する。なお、通信手段311は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部307へ出力しても良い。
【0060】
二点間距離取得部307は、ナビゲーション装置300の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置300の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部307は、通信手段311を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置300から、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部307は、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置300の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。また、二点間距離取得部307は、算出した二点間距離d(t)の時間変化に基づき、二点間距離d(t)の単位時間当たりの変化を示す、二点間距離時間変化Δd(t)を算出する。なお、短い時間分解だと誤検出する可能性が比較的高いため、例えば、合流時刻まで十分な時間が残っている時刻では、二点間距離取得部307は長い時間の二点間距離変化を算出しても良い。
【0061】
二点間距離取得部307は、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を合流条件提示判定部305に出力する。
【0062】
基準距離演算部303は、合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
【0063】
基準距離演算部303は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部305に出力する。
【0064】
合流条件提示判定部305は、基準距離演算部303から出力された基準距離ds(t)と、二点間距離取得部307から出力された二点間距離d(t)との関係、並びに、二点間距離取得部307から出力された二点間距離時間変化Δd(t)に基づき、合流条件を合流条件提示部309で提示するか、否かを判定する。
【0065】
合流条件を合流条件提示部309で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部309へ合流条件を提示するよう指示する。
【0066】
ここで、図6を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)の関係、並びに二点間距離時間変化Δd(t)について説明する。図6は、基準距離を説明するための図(2)である。図6の縦軸は距離を示し、図6の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図6に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2が基準距離ds(t)を示す。さらに、二点間距離時間変化Δd(t)は図中、破線で示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0067】
図6に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。図6に示す例では、時刻t3〜時刻t8が合流条件を提示するタイミングと判定されている。合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻は時刻t3〜時刻t7であり、合流期限T0まで残時間が少ない時刻は時刻t8である。
【0068】
(1)図6に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t5において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わる。そのため、ナビゲーション装置300は、時刻t5を合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0069】
(2)図6に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である各時刻t3、t4、t6、t7において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わっていないが、各時刻t3、t4、t6、t7において、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていたものが、二点間距離d(t)が近くなるような方向に移動を開始している。そのため、各時刻t3、t4、t6、t7では、二点間距離時間変化Δd(t3)、Δd(t4)、Δd(t6)、Δd(t7)は、負の値となっている。このように、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、ナビゲーション装置300は、合流条件を提示するタイミングと判定し、合流条件を表示することで2人の案内対象者に対して合流するよう促している。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合に合流条件を提示する説明にしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合に合流条件を提示する、としても良い。
【0070】
(3)図6に示すように、時刻t8は、合流期限T0まで残時間が少ない時刻である。そのため、たとえ、2人の案内対象者が二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていても、二点間距離d(t)を示す曲線1が基準距離ds(t)を示す曲線2と交わる時刻t8で、ナビゲーション装置300は、合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0071】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0072】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0073】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0074】
合流条件提示部309は、合流条件提示判定部305のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部309は、ナビゲーション装置300の表示部としての機能を果たす。
【0075】
ここで、図7(a)、図7(b)を参照し、合流条件提示部309の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置300の合流条件提示部309の一例を図7(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置300の合流条件提示部309の一例を図7(b)に示す。
【0076】
図7(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部309では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0077】
同様に、図7(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部309では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h#h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0078】
なお、合流場所は、両案内対象者が、過去待ち合わせた場所を、ナビゲーション装置300にあらかじめ登録しておき、そのあらかじめ登録された場所が合流可能な場所の近くであればその登録された場所を自動設定できても良い。また、ユーザ入力受付手段313を介して、指定あるいは合流可能な場所の近くに登録された場所が複数存在する場合はそれら複数の候補から合流場所を任意に選択できても良い。
【0079】
ユーザ入力受付手段313は、ユーザが合流期限設定部301及び合流条件提示部309の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0080】
次に、図8を参照して、ナビゲーション装置300の動作フローについて説明する。ステップS81で、合流期限設定部301は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS83へ遷移する。
【0081】
ステップS83で、二点間距離取得部307は、現時点での二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を取得する。次に、ステップS85へ遷移する。
【0082】
ステップS85で、基準距離演算部303は、現時点での基準距離ds(t)を求める。次に、ステップS87へ遷移する。
【0083】
ステップS87で、合流条件提示判定部305は、現時点での基準距離ds(t)と、現時点での二点間距離d(t)とを比較し、(1)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS89へ遷移し、(2)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS88へ遷移する。
【0084】
ステップS88で、合流条件提示判定部305は、二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値であるか、否かを判定する。(1)二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値である場合(Yes)、ステップS89へ遷移し、(2)時刻tにおける二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値でない場合(No)、ステップS83へ遷移し、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を再取得する。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合にステップS89へ遷移し、そうでない場合はステップS83へ遷移するとしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合にステップS89へ遷移し、そうでない場合はステップS83へ遷移する、としても良い。
【0085】
ステップS89で、合流条件提示部309は、合流条件提示判定部305のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部307等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0086】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0087】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0088】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0089】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置300によれば、案内対象者が意識しなくても最適なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は会うことができる。
【0090】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0091】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0092】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0093】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0094】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0095】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0096】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0097】
(実施の形態3)
図9〜図12を参照して、実施の形態3に係るナビゲーション装置500について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置500を保持し、ナビゲーション装置500が、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずとも、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0098】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0099】
図9にナビゲーション装置500の構成を示すブロック図を示す。図9に示すナビゲーション装置500は、合流期限設定部501と、合流優先度設定部502と、基準距離演算部503と、合流条件提示判定部505と、二点間距離取得部507と、合流条件提示部509と、通信手段511と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段513が合流期限設定部501、合流優先度設定部502、及び合流条件提示部509に接続されている。
【0100】
合流期限設定部501は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段513を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
合流期限設定部501は、合流期限T0を基準距離演算部503に出力する。
【0101】
通信手段511は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置500から、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。
【0102】
通信手段511は、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を二点間距離取得部507へ出力する。なお、通信手段511は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部507へ出力しても良い。
【0103】
合流優先度設定部502は、合流優先度P0を設定する。合流優先度とは、基準距離演算部503で設定される基準距離ds(t)のパターンを決める基準である。合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンでは、同じ時刻で比較した場合、合流優先度P0が高いほど、基準距離ds(t)が大きく設定される。
【0104】
合流優先度P0を設定する方法には、あらかじめ入力されている電話帳のグループ分けや、電話やメールの発着信履歴情報等から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段513を介して手動で入力する方法等がある。これにより、合流優先度P0が高く設定された場合、合流条件を提示できる条件が緩和されるため提示しやすくなり、合流優先度P0を上げたいという利用者の意志を反映できる。
【0105】
合流優先度設定部502は、設定された合流優先度を基準距離演算部503に出力する。
【0106】
二点間距離取得部507は、ナビゲーション装置500の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置500の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部507は、通信手段511を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置500から、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部507は、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置500の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。また、二点間距離取得部507は、算出した二点間距離d(t)の時間変化に基づき、二点間距離d(t)の単位時間当たりの変化を示す、二点間距離時間変化Δd(t)を算出する。なお、短い時間分解だと誤検出する可能性が比較的高いため、例えば、合流時刻まで十分な時間が残っている時刻では、二点間距離取得部507は長い時間の二点間距離変化を算出しても良い。
【0107】
二点間距離取得部507は、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を合流条件提示判定部505に出力する。
【0108】
基準距離演算部503は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
【0109】
基準距離演算部503は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部505に出力する。
【0110】
合流条件提示判定部505は、基準距離演算部503から出力された基準距離ds(t)と二点間距離取得部507から出力された二点間距離d(t)との関係、並びに二点間距離取得部507から出力された二点間距離時間変化Δd(t)に基づき、合流条件を合流条件提示部509で提示するか、否かを判定する。
【0111】
合流条件を合流条件提示部509で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部509へ合流条件を提示するよう指示する。
【0112】
ここで、図10を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)の関係、並びに二点間距離時間変化Δd(t)について説明する。図10は、基準距離ds(t)を説明するための図(3)である。図10の縦軸は距離を示し、図10の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図10に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2Hは合流優先度P0が高い場合の基準距離ds(t)、曲線2Lは合流優先度P0が低い場合の基準距離ds(t)を、それぞれを示す。さらに、二点間距離時間変化Δd(t)は図中、破線で示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0113】
ここで、図10に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれ、曲線2H又は曲線2Lで示す基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。
【0114】
さらに、図10に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、
合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンについて、同じ時刻tで比較した場合、合流優先度P0が高い曲線2Hの方が合流優先度P0が低い曲線2Lよりも、基準距離ds(t)が常に大きく設定される。
【0115】
合流優先度P0が高い場合について説明する。図10の曲線2Hで示す基準距離ds(t)では、時刻t9〜時刻t14が合流条件を提示するタイミングと判定されている。合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻は時刻t3〜時刻t13であり、合流期限T0まで残時間が少ない時刻は時刻t14である。
【0116】
(1)図10の曲線2Hで示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t9、時刻t11、時刻t13において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2Hと交わる。そのため、ナビゲーション装置500は、時刻t9、時刻t11、時刻t13を合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0117】
(2)図10の曲線2Hで示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t10、時刻t12において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2Hと交わっていないが、時刻t10、時刻t12において、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていたものが、二点間距離d(t)が近くなるような方向に移動を開始している。そのため、各時刻t10、時刻t12では、二点間距離時間変化Δd(t10)、Δd(t12)は、負の値となっている。このように、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2Hと交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、ナビゲーション装置500は、合流条件を提示するタイミングと判定し、合流条件を表示することで2人の案内対象者に対して合流するよう促している。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合に合流条件を提示する説明にしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合に合流条件を提示する、としても良い。
【0118】
(3)図10の曲線2Hで示すように、時刻t14は、合流期限T0まで残時間が少ない時刻である。そのため、たとえ、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていても、二点間距離d(t)を示す曲線1が基準距離ds(t)を示す曲線2Hと交わる時刻t14で、ナビゲーション装置500は、合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0119】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0120】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0121】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0122】
合流条件提示部509は、合流条件提示判定部505のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部509は、ナビゲーション装置500の表示部としての機能を果たす。
【0123】
ここで、図11(a)、図11(b)を参照し、合流条件提示部509の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置500の合流条件提示部509の一例を図11(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置500の合流条件提示部509の一例を図11(b)に示す。
【0124】
図11(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部509では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0125】
同様に、図11(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部509では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h3h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0126】
なお、合流場所は、両案内対象者が、過去待ち合わせた場所を、ナビゲーション装置500にあらかじめ登録しておき、そのあらかじめ登録された場所が合流可能な場所の近くであればその登録された場所を自動設定できても良い。また、ユーザ入力受付手段513を介して、指定あるいは合流可能な場所の近くに登録された場所が複数存在する場合はそれら複数の候補から合流場所を任意に選択できても良い。
【0127】
ユーザ入力受付手段513は、ユーザが合流期限設定部501、合流優先度設定部502、及び合流条件提示部509の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0128】
次に、図12を参照して、ナビゲーション装置500の動作フローについて説明する。図12は、ナビゲーション装置500の動作フロー図である。ステップS1201で、合流期限設定部501は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS1202へ遷移する。
【0129】
ステップS1202で、合流優先度設定部502は、合流優先度P0を設定する。次に、ステップS1203へ遷移する。
【0130】
ステップS1203で、二点間距離取得部507は、時刻tでの二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を取得する。次に、ステップS1205へ遷移する。
【0131】
ステップS1205で、基準距離演算部503は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を求める。次に、ステップS1207へ遷移する。
【0132】
ステップS1207で、合流条件提示判定部505は、時刻tでの基準距離ds(t)と、時刻tでの二点間距離d(t)とを比較し、(1)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS1209へ遷移し、(2)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS1208へ遷移する。
【0133】
ステップS1208で、合流条件提示判定部505は、二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値であるか、否かを判定する。(1)二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値である場合(Yes)、ステップS1209へ遷移し、(2)時刻tにおける二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値でない場合(No)、ステップS1203へ遷移し、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を再取得する。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合にステップS1209へ遷移し、そうでない場合はステップS1203へ遷移するとしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合にステップS1209へ遷移し、そうでない場合はステップS1203へ遷移する、としても良い。
【0134】
ステップS1209で、合流条件提示部509は、合流条件提示判定部505のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部507等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0135】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0136】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための合流条件を提示する。
【0137】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0138】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置500によれば、案内対象者が意識しなくても最適なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は会うことができる。
【0139】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0140】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0141】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0142】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0143】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0144】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0145】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0146】
(実施の形態4)
図13〜図16を参照して、実施の形態4に係るナビゲーション装置700について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置700を保持し、ナビゲーション装置700が、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずとも、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0147】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0148】
図13にナビゲーション装置700の構成を示すブロック図を示す。図13に示すナビゲーション装置700は、合流期限設定部701と、合流優先度設定部702と、基準距離演算部703と、合流条件提示判定部705と、限界距離演算部706と、二点間距離取得部707と、合流条件提示部709と、通信手段711と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段713が、合流期限設定部701、合流優先度設定部702、及び合流条件提示部709に接続されている。
【0149】
合流期限設定部701は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段713を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
合流期限設定部701は、合流期限T0を基準距離演算部703に出力する。
【0150】
通信手段711は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置700から、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。通信手段711は、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を二点間距離取得部707へ出力する。なお、通信手段711は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部707へ出力しても良い。
【0151】
合流優先度設定部702は、合流優先度P0を設定する。合流優先度とは、基準距離ds(t)のパターンを決める基準である。合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンでは、同じ時刻で比較した場合、合流優先度P0が高いほど、基準距離ds(t)が大きく設定される。
【0152】
合流優先度P0を設定する方法には、あらかじめ入力されている電話帳のグループ分けや、電話やメールの発着信履歴情報等から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段713を介して手動で入力する方法等がある。これにより、合流優先度P0が高く設定された場合、合流条件を提示できる条件が緩和されるため提示しやすくなり、合流優先度P0を上げたいという利用者の意志を反映できる。
【0153】
合流優先度設定部702は、設定された合流優先度を基準距離演算部703に出力する。
【0154】
二点間距離取得部707は、ナビゲーション装置700の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置700の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部707は、通信手段711を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置700から、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部707は、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置700の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。また、二点間距離取得部707は、算出した二点間距離d(t)の時間変化に基づき、二点間距離d(t)の単位時間当たりの変化を示す、二点間距離時間変化Δd(t)を算出する。なお、短い時間分解だと誤検出する可能性が比較的高いため、例えば、合流時刻まで十分な時間が残っている時刻では、二点間距離取得部707は長い時間の二点間距離変化を算出しても良い。二点間距離取得部707は、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を合流条件提示判定部705に出力する。
【0155】
基準距離演算部703は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
基準距離演算部703は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部705に出力する。
【0156】
限界距離演算部706は、時刻tにおいて、直ちに最適な移動手段で移動しないと合流期限T0までに、二人の案内対象者が合流できなくなる距離を示す、限界線L(t)を生成する。つまり、限界距離演算部706は、直ちに最適な移動手段で移動しないと合流期限T0までに、二人の案内対象者が合流できなくなる限界距離を演算する。
そして、限界距離演算部706は、限界線L(t)を合流条件提示判定部705に出力する。
【0157】
合流条件提示判定部705は、基準距離演算部703から出力された基準距離ds(t)と二点間距離取得部707から出力された二点間距離d(t)との関係、二点間距離取得部707から出力された二点間距離時間変化Δd(t)、並びに限界距離演算部706から出力された限界線L(t)に基づき、合流条件を合流条件提示部709で提示するか、否かを判定する。
合流条件を合流条件提示部709で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部709へ合流条件を提示するよう指示する。
【0158】
ここで、図14を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)の関係、二点間距離時間変化Δd(t)、並びに限界線L(t)について説明する。図14は、基準距離ds(t)を説明するための図(4)である。図14の縦軸は距離を示し、図14の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図14に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2は合流優先度P0が高い場合の基準距離ds(t)を、それぞれを示す。さらに、二点間距離時間変化Δd(t)は図中、矢印で示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0159】
ここで、図14に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれ、曲線2で示す基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。
【0160】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンについて、同じ時刻tで比較した場合、合流優先度P0が高い方が合流優先度P0が低い方よりも、基準距離ds(t)が常に大きく設定される。
【0161】
図14に示す例では、時刻t15〜時刻t18が合流条件を提示するタイミングと判定されている。合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻は時刻t15〜時刻t17である。二点間距離d(t)が限界線L(t)と交わる時刻は時刻t18である。すなわち、時刻t18で、直ちに適切な移動手段で移動しないと合流期限T0までに二人の案内対象者が合流できなくなる。
【0162】
(1)図14に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t15、時刻t17において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わる。そのため、ナビゲーション装置700は、時刻t15、時刻t17を合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0163】
(2)図14に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t16において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わっていないが、時刻t16において、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていたものが、二点間距離d(t)が近くなるような方向に移動を開始している。そのため、時刻t16では、二点間距離時間変化Δd(t16)は、負の値となっている。このように、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、ナビゲーション装置700は、合流条件を提示するタイミングと判定し、合流条件を表示することで2人の案内対象者に対して合流するよう促している。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合に合流条件を提示する説明にしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合に合流条件を提示する、としても良い。
【0164】
二点間距離d(t)が限界線L(t)と交わる時刻t18では、直ちに適切な移動手段で移動しないと合流期限T0までに二人の案内対象者が合流できなくなる。そのため、合流条件提示判定部705は、合流条件を提示するタイミングであるとともに、案内対象者に最後の案内であることを提示するよう、合流条件提示部709へ指示する。
【0165】
なお、他方の案内対象者(Bさん)の行動(位置や移動方向やその速度)が想定外であり案内できない場合もある。その場合、合流条件提示判定部705は、案内可能な場所に相手がいない旨を提示するよう、合流条件提示部709へ指示する。
【0166】
なお、本実施の形態において、二点間距離d(t)が限界線L(t)と交わらない時刻だが、合流期限T0まで残時間が少ない時刻の場合、他の実施の形態と同様、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていても、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)と交わる時刻で、合流条件提示判定部705は、合流条件を提示するタイミングと判定しても良い。
【0167】
合流条件提示部709は、合流条件提示判定部705のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部709は、ナビゲーション装置700の表示部としての機能を果たす。
【0168】
ここで、図15(a)、図15(b)を参照し、合流条件提示部709の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置700の合流条件提示部709の一例を図15(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置700の合流条件提示部709の一例を図15(b)に示す。
【0169】
図15(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部709では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0170】
同様に、図15(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部709では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h3h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0171】
なお、合流場所は、両案内対象者が、過去待ち合わせた場所を、ナビゲーション装置700にあらかじめ登録しておき、そのあらかじめ登録された場所が合流可能な場所の近くであればその登録された場所を自動設定できても良い。また、ユーザ入力受付手段713を介して、指定あるいは合流可能な場所の近くに登録された場所が複数存在する場合はそれら複数の候補から合流場所を任意に選択できても良い。
【0172】
ユーザ入力受付手段713は、ユーザが合流期限設定部701、合流優先度設定部702、及び合流条件提示部709の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0173】
次に、図16を参照して、ナビゲーション装置700の動作フローについて説明する。図16は、ナビゲーション装置700の動作フロー図である。ステップS1601で、合流期限設定部701は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS1602へ遷移する。
【0174】
ステップS1602で、合流優先度設定部702は、合流優先度P0を設定する。次に、ステップS1603へ遷移する。
【0175】
ステップS1603で、二点間距離取得部707は、時刻tでの二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を取得する。次に、ステップS1604へ遷移する。
【0176】
ステップS1604で、限界距離演算部706は、時刻tでの限界線L(t)を取得する。次に、ステップS1605へ遷移する。
【0177】
ステップS1605で、合流条件提示判定部705は、二点間距離d(t)が限界線L(t)に到達するか、否かを判定する。二点間距離d(t)が限界線L(t)に到達した場合、ステップS1609へ遷移し、二点間距離d(t)が限界線L(t)に到達していない場合、ステップS1606へ遷移する。
【0178】
ステップS1606で、基準距離演算部703は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。次に、ステップS1607へ遷移する。
【0179】
ステップS1607で、合流条件提示判定部705は、時刻tでの基準距離ds(t)と、時刻tでの二点間距離d(t)とを比較し、(1)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS1609へ遷移し、(2)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS1608へ遷移する。
【0180】
ステップS1608で、合流条件提示判定部705は、二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値であるか、否かを判定する。(1)二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値である場合(Yes)、ステップS1609へ遷移し、(2)時刻tにおける二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値でない場合(No)、ステップS1603へ遷移し、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を再取得する。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合にステップS1609へ遷移し、そうでない場合はステップS1603へ遷移するとしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合にステップS1609へ遷移し、そうでない場合はステップS1603へ遷移する、としても良い。
【0181】
ステップS1609で、合流条件提示部709は、合流条件提示判定部705のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部707等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0182】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置700は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0183】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置700は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0184】
本実施の形態に係るナビゲーション装置700は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、限界線L(t)及び基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0185】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置700によれば、案内対象者が意識しなくて適切なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は必ず会うことができる。
【0186】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、二点間距離取得部707を設けているが、これに限らない。例えば、ネットワーク上のサーバが二点間距離取得部707の機能を有し、ネットワーク上のサーバに接続するためのナビゲーション装置700に設けられた通信手段711により、ネットワーク上のサーバから必要な情報を取得しても良い。
【0187】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0188】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0189】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0190】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0191】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0192】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0193】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0194】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0195】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0196】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明に係るナビゲーション装置は、合流期限までに案内対象者が会うことができ、かつ、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示する、という効果を有し、ナビゲーション装置等として有用である。
【符号の説明】
【0198】
100、300、500、700 ナビゲーション装置
101、301、501、701 合流期限設定部
103、303、503、703 基準距離演算部
105、305、505、705 合流条件提示判定部
107、307、507、707 二点間距離取得部
109、309、509、709 合流条件提示部
111、311、511、711 通信手段
113、313、513、713 ユーザ入力受付手段
502、702 合流優先度設定部
706 限界距離演算部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、地図アプリケーションによる案内サービス機能が多くの携帯電話機に搭載されている。例えば、案内サービス利用者があらかじめ登録した目標地点に、該案内サービス利用者が近づいたら、アラーム機能やメール等で、該案内サービス利用者の携帯電話に通知する。
【0003】
また、特許文献1では、一例として、移動店舗の位置情報、その顧客の位置情報、移動店舗及び顧客の移動方向、移動店舗及び顧客の移動速度などの情報から、最適なルートを案内するナビゲーションシステムを提案している。このナビゲーションシステムは、顧客データベースと連携しながら、移動店舗の端末に重要顧客(リピータ)を優先的に巡回するルートを提示する。そして、このナビゲーションシステムは、移動店舗の動きを解析し、顧客に最短で移動店舗と出会うルートを提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−114566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、携帯電話機などに搭載されている案内サービス機能では、目標地点と案内サービス利用者との距離が一定の範囲内にならない場合、たとえ範囲内までの距離があとわずかであったとしても案内が開始されない。
【0006】
更に、特許文献1に開示されているナビゲーションシステムは、直ちに移動店舗への案内を開始して欲しいという要望がシステム利用者にあれば有用である。しかしながら、例えば、本日中、又は今週中といった合流期限内に、移動店舗に出会えれば良いといった要望がシステム利用者にある場合、システム利用者が、移動店舗への案内を受けたいタイミングを、わざわざ意識して図らなければならない。
【0007】
また、上述した案内サービスとナビゲーションシステムを組み合わせたとしても、合流期限内で、時間経過に従って案内開始条件が変わるわけではない。そのため、システム利用者が、目標地点までの案内を受けるためには、利用者が目標地点までの距離が一定範囲以下になるまで移動する必要がある。また、システム利用者が移動しない場合、システム利用者が案内開始をシステムに対して能動的に指示しなければならない。したがって、システム利用者の指示タイミングが悪いと、システム利用者同士が、目標地点で合流に要する移動量及びそのコストが高くなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、合流期限までに案内対象者が会うことができ、かつ、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出する基準距離演算部と、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定部と、を備える、ナビゲーション装置を提供する。
【0010】
上記ナビゲーション装置では、前記基準距離演算部は、前記合流期限までの残時間が少なくなるにつれて長くなる基準距離を算出する。
【0011】
上記ナビゲーション装置では、前記合流条件提示判定部は、前記二点間の距離が前記基準距離以下の場合又は前記限界距離に達した場合に前記合流条件を提示する。
【0012】
上記ナビゲーション装置は、更に、前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に優先度が高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離演算部に前記基準距離を緩和させる、合流優先度設定部を備える。
【0013】
上記ナビゲーション装置では、更に、前記合流条件提示判定部の判定結果に基づき、前記合流条件を提示する合流条件提示部を備える。
【0014】
本発明は、二点間の距離を算出し、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出し、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に合流できなくなる限界距離を計算し、前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する、ナビゲーション方法を提供する。
【0015】
上記ナビゲーション方法は、前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離を緩和する。
【0016】
本発明は、コンピュータに、二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、合流期限までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離を算出する基準距離演算部と、直ちに適切な移動手段で合流しない場合に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定部と、を実行させる、プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびそのプログラムによれば、合流期限までに案内対象者が会うことができ、かつ、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ナビゲーション装置100の構成を示すブロック図
【図2】基準距離を説明するための図(1)
【図3】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部109の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部109の一例
【図4】ナビゲーション装置100の動作フロー
【図5】ナビゲーション装置300の構成を示すブロック図
【図6】基準距離を説明するための図(2)
【図7】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部309の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部309の一例
【図8】ナビゲーション装置300の動作フロー
【図9】ナビゲーション装置500の構成を示すブロック図
【図10】合流優先度に基づく基準距離を説明するための図(3)
【図11】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部509の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部509の一例
【図12】ナビゲーション装置500の動作フロー
【図13】ナビゲーション装置700の構成を示すブロック図
【図14】合流優先度に基づく基準距離を説明するための図(4)
【図15】(a)一方の案内対象者の合流条件提示部709の一例、(b)他方の案内対象者の合流条件提示部709の一例
【図16】ナビゲーション装置700の動作フロー
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1〜図4を参照して、実施の形態1に係るナビゲーション装置について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置100を保持し、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずに、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0021】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0022】
図1にナビゲーション装置100の構成を示すブロック図を示す。図1に示すナビゲーション装置100は、合流期限設定部101と、基準距離演算部103と、合流条件提示判定部105と、二点間距離取得部107と、合流条件提示部109と、通信手段111と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段113が合流期限設定部101及び合流条件提示部109に接続されている。
【0023】
合流期限設定部101は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段113を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
合流期限設定部101は、合流期限T0を基準距離演算部103に出力する。
【0024】
通信手段111は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置100から、時刻tにおけるナビゲーション装置100の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得し、二点間距離取得部107へ出力する。なお、通信手段111は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部107へ出力しても良い。
【0025】
二点間距離取得部107は、ナビゲーション装置100の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置100の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部107は、通信手段111を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置100から、時刻tにおけるナビゲーション装置100の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部107は、時刻tにおけるナビゲーション装置100の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置100の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。
【0026】
二点間距離取得部107は、二点間距離d(t)を合流条件提示判定部105に出力する。
【0027】
基準距離演算部103は、合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
【0028】
基準距離演算部103は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部105に出力する。
【0029】
合流条件提示判定部105は、基準距離演算部103から出力された基準距離ds(t)と、二点間距離取得部107から出力された二点間距離d(t)との関係から、合流条件を合流条件提示部109で提示するか、否かを判定する。そして、合流条件を合流条件提示部109で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部109へ合流条件を提示するよう指示する。
【0030】
ここで、図2を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)との関係について説明する。図2は、基準距離を説明するための図(1)である。図2の縦軸は距離を示し、図2の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図2に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2が基準距離ds(t)を示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0031】
図2に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれて、基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。図2に示す例では、時刻t1、時刻t2が、ナビゲーション装置100により、合流条件を提示するタイミングと判定されている。
【0032】
図2に示すように、二点間距離d(t)が極めて近くなり、基準距離ds(t)の曲線2と交わる時刻t1で、合流条件提示判定部105は、合流条件を提示するタイミングと判定する。これは、時刻t1では合流期限T0まで十分な時間が残っているので、合流条件を提示する条件が厳しくなっているからである。また、時刻t2では合流期限T0まで残時間が少ないので、合流条件が緩和されている(二点間距離d(t2)の値は、二点間距離d(t1)より大きい)。つまり、二点間距離d(t)が離れる場合であっても、二点間距離d(t)を示す曲線1が基準距離ds(t)を示す曲線2と交わる時刻t2で、ナビゲーション装置100は、合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0033】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻では二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では二点間距離d(t)が大きくても、合流期限T0内に合流できる基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件が提示される。
【0034】
合流条件提示部109は、合流条件提示判定部105のよる判定結果に基づき、合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部109は、ナビゲーション装置100の表示部としての機能を果たす。
【0035】
ここで、図3(a)、図3(b)を参照し、合流条件提示部109の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置100の合流条件提示部109の一例を図3(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置100の合流条件提示部109の一例を図3(b)に示す。
【0036】
図3(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部109では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0037】
同様に、図3(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部109では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h3h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0038】
ユーザ入力受付手段113は、ユーザが合流期限設定部101及び合流条件提示部109の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0039】
次に、図4を参照して、ナビゲーション装置100の動作フローについて説明する。ステップS41で、合流期限設定部101は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS43へ遷移する。
【0040】
ステップS43で、二点間距離取得部107は、現時点での二点間距離d(t)を取得する。次に、ステップS45へ遷移する。
【0041】
ステップS45で、基準距離演算部103は、現時点での基準距離ds(t)を求める。次に、ステップS47へ遷移する。
【0042】
ステップS47で、合流条件提示判定部105は、現時点での基準距離ds(t)と、現時点での二点間距離d(t)とを比較し、(1)現時点での二点間距離d(t)が現時点での基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS49へ遷移し、(2)現時点での二点間距離d(t)が現時点での基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS43へ遷移し、二点間距離d(t)を再取得する。
【0043】
ステップS49で、合流条件提示部109は、合流条件提示判定部105のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部107等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0044】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻では二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置100は、2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では二点間距離d(t)が大きくても、合流期限T0内に合流できる基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件が提示される。
【0045】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置100によれば、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は会うことができる。
【0046】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、二点間距離取得部107を設けているが、これに限らない。例えば、ネットワーク上のサーバが二点間距離取得部107の機能を有し、ネットワーク上のサーバに接続するためのナビゲーション装置100に設けられた通信手段111により、ネットワーク上のサーバから必要な情報を取得しても良い。
【0047】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0048】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0049】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0050】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0051】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0052】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0053】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置100では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0054】
(実施の形態2)
図5〜図8を参照して、実施の形態2に係るナビゲーション装置300について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置300を保持し、ナビゲーション装置300が、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずとも、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0055】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0056】
図5にナビゲーション装置300の構成を示すブロック図を示す。図5に示すナビゲーション装置300は、合流期限設定部301と、基準距離演算部303と、合流条件提示判定部305と、二点間距離取得部307と、合流条件提示部309と、通信手段311と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段313が合流期限設定部301及び合流条件提示部309に接続されている。
【0057】
合流期限設定部301は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段313を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
【0058】
合流期限設定部301は、合流期限T0を基準距離演算部303に出力する。
【0059】
通信手段311は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置300から、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。通信手段311は、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を二点間距離取得部307へ出力する。なお、通信手段311は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部307へ出力しても良い。
【0060】
二点間距離取得部307は、ナビゲーション装置300の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置300の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部307は、通信手段311を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置300から、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部307は、時刻tにおけるナビゲーション装置300の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置300の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。また、二点間距離取得部307は、算出した二点間距離d(t)の時間変化に基づき、二点間距離d(t)の単位時間当たりの変化を示す、二点間距離時間変化Δd(t)を算出する。なお、短い時間分解だと誤検出する可能性が比較的高いため、例えば、合流時刻まで十分な時間が残っている時刻では、二点間距離取得部307は長い時間の二点間距離変化を算出しても良い。
【0061】
二点間距離取得部307は、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を合流条件提示判定部305に出力する。
【0062】
基準距離演算部303は、合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
【0063】
基準距離演算部303は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部305に出力する。
【0064】
合流条件提示判定部305は、基準距離演算部303から出力された基準距離ds(t)と、二点間距離取得部307から出力された二点間距離d(t)との関係、並びに、二点間距離取得部307から出力された二点間距離時間変化Δd(t)に基づき、合流条件を合流条件提示部309で提示するか、否かを判定する。
【0065】
合流条件を合流条件提示部309で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部309へ合流条件を提示するよう指示する。
【0066】
ここで、図6を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)の関係、並びに二点間距離時間変化Δd(t)について説明する。図6は、基準距離を説明するための図(2)である。図6の縦軸は距離を示し、図6の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図6に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2が基準距離ds(t)を示す。さらに、二点間距離時間変化Δd(t)は図中、破線で示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0067】
図6に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれ、基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。図6に示す例では、時刻t3〜時刻t8が合流条件を提示するタイミングと判定されている。合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻は時刻t3〜時刻t7であり、合流期限T0まで残時間が少ない時刻は時刻t8である。
【0068】
(1)図6に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t5において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わる。そのため、ナビゲーション装置300は、時刻t5を合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0069】
(2)図6に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である各時刻t3、t4、t6、t7において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わっていないが、各時刻t3、t4、t6、t7において、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていたものが、二点間距離d(t)が近くなるような方向に移動を開始している。そのため、各時刻t3、t4、t6、t7では、二点間距離時間変化Δd(t3)、Δd(t4)、Δd(t6)、Δd(t7)は、負の値となっている。このように、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、ナビゲーション装置300は、合流条件を提示するタイミングと判定し、合流条件を表示することで2人の案内対象者に対して合流するよう促している。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合に合流条件を提示する説明にしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合に合流条件を提示する、としても良い。
【0070】
(3)図6に示すように、時刻t8は、合流期限T0まで残時間が少ない時刻である。そのため、たとえ、2人の案内対象者が二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていても、二点間距離d(t)を示す曲線1が基準距離ds(t)を示す曲線2と交わる時刻t8で、ナビゲーション装置300は、合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0071】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0072】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0073】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0074】
合流条件提示部309は、合流条件提示判定部305のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部309は、ナビゲーション装置300の表示部としての機能を果たす。
【0075】
ここで、図7(a)、図7(b)を参照し、合流条件提示部309の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置300の合流条件提示部309の一例を図7(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置300の合流条件提示部309の一例を図7(b)に示す。
【0076】
図7(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部309では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0077】
同様に、図7(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部309では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h#h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0078】
なお、合流場所は、両案内対象者が、過去待ち合わせた場所を、ナビゲーション装置300にあらかじめ登録しておき、そのあらかじめ登録された場所が合流可能な場所の近くであればその登録された場所を自動設定できても良い。また、ユーザ入力受付手段313を介して、指定あるいは合流可能な場所の近くに登録された場所が複数存在する場合はそれら複数の候補から合流場所を任意に選択できても良い。
【0079】
ユーザ入力受付手段313は、ユーザが合流期限設定部301及び合流条件提示部309の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0080】
次に、図8を参照して、ナビゲーション装置300の動作フローについて説明する。ステップS81で、合流期限設定部301は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS83へ遷移する。
【0081】
ステップS83で、二点間距離取得部307は、現時点での二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を取得する。次に、ステップS85へ遷移する。
【0082】
ステップS85で、基準距離演算部303は、現時点での基準距離ds(t)を求める。次に、ステップS87へ遷移する。
【0083】
ステップS87で、合流条件提示判定部305は、現時点での基準距離ds(t)と、現時点での二点間距離d(t)とを比較し、(1)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS89へ遷移し、(2)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS88へ遷移する。
【0084】
ステップS88で、合流条件提示判定部305は、二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値であるか、否かを判定する。(1)二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値である場合(Yes)、ステップS89へ遷移し、(2)時刻tにおける二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値でない場合(No)、ステップS83へ遷移し、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を再取得する。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合にステップS89へ遷移し、そうでない場合はステップS83へ遷移するとしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合にステップS89へ遷移し、そうでない場合はステップS83へ遷移する、としても良い。
【0085】
ステップS89で、合流条件提示部309は、合流条件提示判定部305のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部307等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0086】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0087】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0088】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置300は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0089】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置300によれば、案内対象者が意識しなくても最適なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は会うことができる。
【0090】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0091】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0092】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0093】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0094】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0095】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0096】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置300では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0097】
(実施の形態3)
図9〜図12を参照して、実施の形態3に係るナビゲーション装置500について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置500を保持し、ナビゲーション装置500が、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずとも、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0098】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0099】
図9にナビゲーション装置500の構成を示すブロック図を示す。図9に示すナビゲーション装置500は、合流期限設定部501と、合流優先度設定部502と、基準距離演算部503と、合流条件提示判定部505と、二点間距離取得部507と、合流条件提示部509と、通信手段511と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段513が合流期限設定部501、合流優先度設定部502、及び合流条件提示部509に接続されている。
【0100】
合流期限設定部501は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段513を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
合流期限設定部501は、合流期限T0を基準距離演算部503に出力する。
【0101】
通信手段511は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置500から、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。
【0102】
通信手段511は、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を二点間距離取得部507へ出力する。なお、通信手段511は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部507へ出力しても良い。
【0103】
合流優先度設定部502は、合流優先度P0を設定する。合流優先度とは、基準距離演算部503で設定される基準距離ds(t)のパターンを決める基準である。合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンでは、同じ時刻で比較した場合、合流優先度P0が高いほど、基準距離ds(t)が大きく設定される。
【0104】
合流優先度P0を設定する方法には、あらかじめ入力されている電話帳のグループ分けや、電話やメールの発着信履歴情報等から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段513を介して手動で入力する方法等がある。これにより、合流優先度P0が高く設定された場合、合流条件を提示できる条件が緩和されるため提示しやすくなり、合流優先度P0を上げたいという利用者の意志を反映できる。
【0105】
合流優先度設定部502は、設定された合流優先度を基準距離演算部503に出力する。
【0106】
二点間距離取得部507は、ナビゲーション装置500の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置500の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部507は、通信手段511を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置500から、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部507は、時刻tにおけるナビゲーション装置500の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置500の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。また、二点間距離取得部507は、算出した二点間距離d(t)の時間変化に基づき、二点間距離d(t)の単位時間当たりの変化を示す、二点間距離時間変化Δd(t)を算出する。なお、短い時間分解だと誤検出する可能性が比較的高いため、例えば、合流時刻まで十分な時間が残っている時刻では、二点間距離取得部507は長い時間の二点間距離変化を算出しても良い。
【0107】
二点間距離取得部507は、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を合流条件提示判定部505に出力する。
【0108】
基準距離演算部503は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
【0109】
基準距離演算部503は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部505に出力する。
【0110】
合流条件提示判定部505は、基準距離演算部503から出力された基準距離ds(t)と二点間距離取得部507から出力された二点間距離d(t)との関係、並びに二点間距離取得部507から出力された二点間距離時間変化Δd(t)に基づき、合流条件を合流条件提示部509で提示するか、否かを判定する。
【0111】
合流条件を合流条件提示部509で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部509へ合流条件を提示するよう指示する。
【0112】
ここで、図10を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)の関係、並びに二点間距離時間変化Δd(t)について説明する。図10は、基準距離ds(t)を説明するための図(3)である。図10の縦軸は距離を示し、図10の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図10に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2Hは合流優先度P0が高い場合の基準距離ds(t)、曲線2Lは合流優先度P0が低い場合の基準距離ds(t)を、それぞれを示す。さらに、二点間距離時間変化Δd(t)は図中、破線で示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0113】
ここで、図10に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれ、曲線2H又は曲線2Lで示す基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。
【0114】
さらに、図10に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、
合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンについて、同じ時刻tで比較した場合、合流優先度P0が高い曲線2Hの方が合流優先度P0が低い曲線2Lよりも、基準距離ds(t)が常に大きく設定される。
【0115】
合流優先度P0が高い場合について説明する。図10の曲線2Hで示す基準距離ds(t)では、時刻t9〜時刻t14が合流条件を提示するタイミングと判定されている。合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻は時刻t3〜時刻t13であり、合流期限T0まで残時間が少ない時刻は時刻t14である。
【0116】
(1)図10の曲線2Hで示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t9、時刻t11、時刻t13において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2Hと交わる。そのため、ナビゲーション装置500は、時刻t9、時刻t11、時刻t13を合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0117】
(2)図10の曲線2Hで示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t10、時刻t12において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2Hと交わっていないが、時刻t10、時刻t12において、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていたものが、二点間距離d(t)が近くなるような方向に移動を開始している。そのため、各時刻t10、時刻t12では、二点間距離時間変化Δd(t10)、Δd(t12)は、負の値となっている。このように、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2Hと交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、ナビゲーション装置500は、合流条件を提示するタイミングと判定し、合流条件を表示することで2人の案内対象者に対して合流するよう促している。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合に合流条件を提示する説明にしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合に合流条件を提示する、としても良い。
【0118】
(3)図10の曲線2Hで示すように、時刻t14は、合流期限T0まで残時間が少ない時刻である。そのため、たとえ、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていても、二点間距離d(t)を示す曲線1が基準距離ds(t)を示す曲線2Hと交わる時刻t14で、ナビゲーション装置500は、合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0119】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0120】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0121】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0122】
合流条件提示部509は、合流条件提示判定部505のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部509は、ナビゲーション装置500の表示部としての機能を果たす。
【0123】
ここで、図11(a)、図11(b)を参照し、合流条件提示部509の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置500の合流条件提示部509の一例を図11(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置500の合流条件提示部509の一例を図11(b)に示す。
【0124】
図11(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部509では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0125】
同様に、図11(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部509では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h3h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0126】
なお、合流場所は、両案内対象者が、過去待ち合わせた場所を、ナビゲーション装置500にあらかじめ登録しておき、そのあらかじめ登録された場所が合流可能な場所の近くであればその登録された場所を自動設定できても良い。また、ユーザ入力受付手段513を介して、指定あるいは合流可能な場所の近くに登録された場所が複数存在する場合はそれら複数の候補から合流場所を任意に選択できても良い。
【0127】
ユーザ入力受付手段513は、ユーザが合流期限設定部501、合流優先度設定部502、及び合流条件提示部509の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0128】
次に、図12を参照して、ナビゲーション装置500の動作フローについて説明する。図12は、ナビゲーション装置500の動作フロー図である。ステップS1201で、合流期限設定部501は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS1202へ遷移する。
【0129】
ステップS1202で、合流優先度設定部502は、合流優先度P0を設定する。次に、ステップS1203へ遷移する。
【0130】
ステップS1203で、二点間距離取得部507は、時刻tでの二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を取得する。次に、ステップS1205へ遷移する。
【0131】
ステップS1205で、基準距離演算部503は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を求める。次に、ステップS1207へ遷移する。
【0132】
ステップS1207で、合流条件提示判定部505は、時刻tでの基準距離ds(t)と、時刻tでの二点間距離d(t)とを比較し、(1)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS1209へ遷移し、(2)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS1208へ遷移する。
【0133】
ステップS1208で、合流条件提示判定部505は、二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値であるか、否かを判定する。(1)二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値である場合(Yes)、ステップS1209へ遷移し、(2)時刻tにおける二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値でない場合(No)、ステップS1203へ遷移し、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を再取得する。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合にステップS1209へ遷移し、そうでない場合はステップS1203へ遷移するとしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合にステップS1209へ遷移し、そうでない場合はステップS1203へ遷移する、としても良い。
【0134】
ステップS1209で、合流条件提示部509は、合流条件提示判定部505のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部507等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0135】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0136】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための合流条件を提示する。
【0137】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置500は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0138】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置500によれば、案内対象者が意識しなくても最適なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は会うことができる。
【0139】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0140】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0141】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0142】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0143】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0144】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0145】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置500では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0146】
(実施の形態4)
図13〜図16を参照して、実施の形態4に係るナビゲーション装置700について説明する。本実施の形態では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人が、それぞれナビゲーション装置700を保持し、ナビゲーション装置700が、所定の合流期限T0内で、両案内対象者が特に互いの距離を意識せずとも、適切なタイミングで合流条件を提示するものとする。
【0147】
ここで、合流条件とは、「合流期限T0までの所定の時刻で、所定の合流場所で案内対象者同士が合流するための条件」である。
【0148】
図13にナビゲーション装置700の構成を示すブロック図を示す。図13に示すナビゲーション装置700は、合流期限設定部701と、合流優先度設定部702と、基準距離演算部703と、合流条件提示判定部705と、限界距離演算部706と、二点間距離取得部707と、合流条件提示部709と、通信手段711と、を備える。なお、外部装置として、ユーザ入力受付手段713が、合流期限設定部701、合流優先度設定部702、及び合流条件提示部709に接続されている。
【0149】
合流期限設定部701は、2人の案内対象者が合流するための期限である合流期限T0を設定する。合流期限T0を設定する方法には、スケジューラ等のあらかじめ入力されている予定から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段713を介して手動で入力する方法等がある。自動的に設定する方法の例として、一方のスケジュールに週末に都内で買い物、他方のスケジュールに日曜日に都内で食事、とあった場合、合流期限を日曜日中に設定することが想定できる。
合流期限設定部701は、合流期限T0を基準距離演算部703に出力する。
【0150】
通信手段711は、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置700から、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。通信手段711は、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を二点間距離取得部707へ出力する。なお、通信手段711は他方の案内対象者Bの位置情報の時間変化(位置履歴)又は、移動方向、移動速度を取得し、二点間距離取得部707へ出力しても良い。
【0151】
合流優先度設定部702は、合流優先度P0を設定する。合流優先度とは、基準距離ds(t)のパターンを決める基準である。合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンでは、同じ時刻で比較した場合、合流優先度P0が高いほど、基準距離ds(t)が大きく設定される。
【0152】
合流優先度P0を設定する方法には、あらかじめ入力されている電話帳のグループ分けや、電話やメールの発着信履歴情報等から自動的に設定する方法や、案内対象者が、ユーザ入力受付手段713を介して手動で入力する方法等がある。これにより、合流優先度P0が高く設定された場合、合流条件を提示できる条件が緩和されるため提示しやすくなり、合流優先度P0を上げたいという利用者の意志を反映できる。
【0153】
合流優先度設定部702は、設定された合流優先度を基準距離演算部703に出力する。
【0154】
二点間距離取得部707は、ナビゲーション装置700の緯度・経度をGPS等の手段により測位し、時刻tでのナビゲーション装置700の位置情報を取得する。また、二点間距離取得部707は、通信手段711を介して、他方の案内対象者(Bさん)が保持するナビゲーション装置700から、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報(他方の案内対象者Bの位置情報)を取得する。そして、二点間距離取得部707は、時刻tにおけるナビゲーション装置700の位置情報と、時刻tにおける、他方の案内対象者Bが保持するナビゲーション装置700の位置情報とから、時刻tにおける二点間距離d(t)を算出する。なお、二点間距離d(t)を算出する際、2人の案内対象者のそれぞれの位置情報の時間変化(位置履歴)または、移動方向、移動速度から推定しても良い。また、二点間距離取得部707は、算出した二点間距離d(t)の時間変化に基づき、二点間距離d(t)の単位時間当たりの変化を示す、二点間距離時間変化Δd(t)を算出する。なお、短い時間分解だと誤検出する可能性が比較的高いため、例えば、合流時刻まで十分な時間が残っている時刻では、二点間距離取得部707は長い時間の二点間距離変化を算出しても良い。二点間距離取得部707は、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を合流条件提示判定部705に出力する。
【0155】
基準距離演算部703は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。基準距離ds(t)は、合流条件を提示するか否かを判定する基準となる。
基準距離演算部703は、基準距離ds(t)を合流条件提示判定部705に出力する。
【0156】
限界距離演算部706は、時刻tにおいて、直ちに最適な移動手段で移動しないと合流期限T0までに、二人の案内対象者が合流できなくなる距離を示す、限界線L(t)を生成する。つまり、限界距離演算部706は、直ちに最適な移動手段で移動しないと合流期限T0までに、二人の案内対象者が合流できなくなる限界距離を演算する。
そして、限界距離演算部706は、限界線L(t)を合流条件提示判定部705に出力する。
【0157】
合流条件提示判定部705は、基準距離演算部703から出力された基準距離ds(t)と二点間距離取得部707から出力された二点間距離d(t)との関係、二点間距離取得部707から出力された二点間距離時間変化Δd(t)、並びに限界距離演算部706から出力された限界線L(t)に基づき、合流条件を合流条件提示部709で提示するか、否かを判定する。
合流条件を合流条件提示部709で提示する場合、判定結果に基づき、合流条件提示部709へ合流条件を提示するよう指示する。
【0158】
ここで、図14を参照して、二点間距離d(t)及び基準距離ds(t)の関係、二点間距離時間変化Δd(t)、並びに限界線L(t)について説明する。図14は、基準距離ds(t)を説明するための図(4)である。図14の縦軸は距離を示し、図14の横軸は時刻tを示す。合流期限の時刻をT0とする。また、図14に示す曲線1が時刻tでの二点間距離d(t)を示し、曲線2は合流優先度P0が高い場合の基準距離ds(t)を、それぞれを示す。さらに、二点間距離時間変化Δd(t)は図中、矢印で示す。なお、曲線1は合流条件を提示するタイミングにおいて案内対象者がその提示に従わず引き続き自己の都合による行動を継続した場合の二点間距離d(t)を示している。案内対象者が合流条件の提示に従い、合流場所に向かう場合は二点間距離d(t)が急速に減少し、合流時刻の時点でその距離は0になるが、図中では省略している。
【0159】
ここで、図14に示すように、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、合流期限T0までの残時間が少なくなるにつれ、曲線2で示す基準距離ds(t)が大きくなるように設定されている。つまり、時刻tが合流期限T0に迫るにつれて、合流条件を提示する判定基準である基準距離ds(t)の距離が大きくなる。
【0160】
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、合流優先度P0により決まる基準距離ds(t)のパターンについて、同じ時刻tで比較した場合、合流優先度P0が高い方が合流優先度P0が低い方よりも、基準距離ds(t)が常に大きく設定される。
【0161】
図14に示す例では、時刻t15〜時刻t18が合流条件を提示するタイミングと判定されている。合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻は時刻t15〜時刻t17である。二点間距離d(t)が限界線L(t)と交わる時刻は時刻t18である。すなわち、時刻t18で、直ちに適切な移動手段で移動しないと合流期限T0までに二人の案内対象者が合流できなくなる。
【0162】
(1)図14に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t15、時刻t17において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わる。そのため、ナビゲーション装置700は、時刻t15、時刻t17を合流条件を提示するタイミングと判定している。
【0163】
(2)図14に示すように、合流期限T0まで十分な時間が残っている時刻である時刻t16において、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わっていないが、時刻t16において、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていたものが、二点間距離d(t)が近くなるような方向に移動を開始している。そのため、時刻t16では、二点間距離時間変化Δd(t16)は、負の値となっている。このように、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線2と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、ナビゲーション装置700は、合流条件を提示するタイミングと判定し、合流条件を表示することで2人の案内対象者に対して合流するよう促している。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合に合流条件を提示する説明にしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合に合流条件を提示する、としても良い。
【0164】
二点間距離d(t)が限界線L(t)と交わる時刻t18では、直ちに適切な移動手段で移動しないと合流期限T0までに二人の案内対象者が合流できなくなる。そのため、合流条件提示判定部705は、合流条件を提示するタイミングであるとともに、案内対象者に最後の案内であることを提示するよう、合流条件提示部709へ指示する。
【0165】
なお、他方の案内対象者(Bさん)の行動(位置や移動方向やその速度)が想定外であり案内できない場合もある。その場合、合流条件提示判定部705は、案内可能な場所に相手がいない旨を提示するよう、合流条件提示部709へ指示する。
【0166】
なお、本実施の形態において、二点間距離d(t)が限界線L(t)と交わらない時刻だが、合流期限T0まで残時間が少ない時刻の場合、他の実施の形態と同様、2人の案内対象者が、二点間距離d(t)が遠くなる方向に動いていても、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)と交わる時刻で、合流条件提示判定部705は、合流条件を提示するタイミングと判定しても良い。
【0167】
合流条件提示部709は、合流条件提示判定部705のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。合流条件提示部709は、ナビゲーション装置700の表示部としての機能を果たす。
【0168】
ここで、図15(a)、図15(b)を参照し、合流条件提示部709の表示例について説明する。一方の案内対象者(Aさん)のナビゲーション装置700の合流条件提示部709の一例を図15(a)に示し、他方の案内対象者(Bさん)のナビゲーション装置700の合流条件提示部709の一例を図15(b)に示す。
【0169】
図15(a)に示すように、一方の案内対象者(Aさん)の合流条件提示部709では、(1)他方の案内対象者(Bさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h1h1:m1m1→P駅(h2h2:m2m2)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0170】
同様に、図15(b)に示すように、他方の案内対象者(Bさん)の合流条件提示部709では、(1)一方の案内対象者(Aさん)を特定する情報、(2)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時“YYYY/MM/DD h0h0:m0m0”と合流場所“S駅西口”、(3)合流場所に向かうか否かを案内対象者に決定させるための情報“はい、いいえ”、(4)合流期限T0内で設定される合流可能な合流日時と合流場所に向かうための移動手段“現在地(h3h3:m3m3→Q駅(h4h4:m4m4)→S駅西口(h0h0:m0m0))”が表示される。
【0171】
なお、合流場所は、両案内対象者が、過去待ち合わせた場所を、ナビゲーション装置700にあらかじめ登録しておき、そのあらかじめ登録された場所が合流可能な場所の近くであればその登録された場所を自動設定できても良い。また、ユーザ入力受付手段713を介して、指定あるいは合流可能な場所の近くに登録された場所が複数存在する場合はそれら複数の候補から合流場所を任意に選択できても良い。
【0172】
ユーザ入力受付手段713は、ユーザが合流期限設定部701、合流優先度設定部702、及び合流条件提示部709の情報を変更する際に用いる入力手段である。
【0173】
次に、図16を参照して、ナビゲーション装置700の動作フローについて説明する。図16は、ナビゲーション装置700の動作フロー図である。ステップS1601で、合流期限設定部701は、合流期限T0を設定する。次に、ステップS1602へ遷移する。
【0174】
ステップS1602で、合流優先度設定部702は、合流優先度P0を設定する。次に、ステップS1603へ遷移する。
【0175】
ステップS1603で、二点間距離取得部707は、時刻tでの二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を取得する。次に、ステップS1604へ遷移する。
【0176】
ステップS1604で、限界距離演算部706は、時刻tでの限界線L(t)を取得する。次に、ステップS1605へ遷移する。
【0177】
ステップS1605で、合流条件提示判定部705は、二点間距離d(t)が限界線L(t)に到達するか、否かを判定する。二点間距離d(t)が限界線L(t)に到達した場合、ステップS1609へ遷移し、二点間距離d(t)が限界線L(t)に到達していない場合、ステップS1606へ遷移する。
【0178】
ステップS1606で、基準距離演算部703は、合流優先度P0及び合流期限T0に基づき、時刻tでの基準距離ds(t)を算出する。次に、ステップS1607へ遷移する。
【0179】
ステップS1607で、合流条件提示判定部705は、時刻tでの基準距離ds(t)と、時刻tでの二点間距離d(t)とを比較し、(1)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)以下の場合(Yes)、ステップS1609へ遷移し、(2)二点間距離d(t)が基準距離ds(t)より大きい場合(No)、ステップS1608へ遷移する。
【0180】
ステップS1608で、合流条件提示判定部705は、二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値であるか、否かを判定する。(1)二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値である場合(Yes)、ステップS1609へ遷移し、(2)時刻tにおける二点間距離時間変化Δd(t)の値が負の値でない場合(No)、ステップS1603へ遷移し、二点間距離d(t)及び二点間距離時間変化Δd(t)を再取得する。なお、本実施の形態では説明を簡潔にするため、二点間距離時間変化Δd(t)が0未満(負の値)である場合にステップS1609へ遷移し、そうでない場合はステップS1603へ遷移するとしているが、これに限らず、ある負値を下回った場合にステップS1609へ遷移し、そうでない場合はステップS1603へ遷移する、としても良い。
【0181】
ステップS1609で、合流条件提示部709は、合流条件提示判定部705のよる判定結果に基づき合流条件をユーザに提示する。その後、処理を終了するが、実際には合流条件の画面表示を継続する、あるいは通常のナビゲーション装置と同様、ルート案内画面を表示する等の動作が考えられる。なお、合流条件の提示又はルート案内の表示にあたっては、二点間距離取得部707等から案内対象者の位置情報やその時間変化、または移動方向、移動速度を得ても良い。
【0182】
以上、本実施の形態に係るナビゲーション装置700は、(1)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が近くなり、基準距離ds(t)以下になると、適切な合流条件を提示する。
【0183】
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置700は、(2)2人の案内対象者が二点間距離d(t)を意識しなくても、合流期限T0まで十分な時間が残っている間、二点間距離d(t)が基準距離ds(t)の曲線と交わらなくても、二点間距離時間変化Δd(t)が正の値から負の値となる時刻では、2人の案内対象者に対して合流するよう促すための適切な合流条件を提示する。
【0184】
本実施の形態に係るナビゲーション装置700は、(3)2人の案内対象者が互いの距離を意識しなくても、合流期限T0まで残時間が少ない時刻では、二点間距離d(t)が大きくても、限界線L(t)及び基準距離ds(t)に基づき、適切な合流条件を提示する。
【0185】
そのため、本実施の形態に係るナビゲーション装置700によれば、案内対象者が意識しなくて適切なタイミングで合流条件を提示しつつ、合流期限T0までに案内対象者は必ず会うことができる。
【0186】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、二点間距離取得部707を設けているが、これに限らない。例えば、ネットワーク上のサーバが二点間距離取得部707の機能を有し、ネットワーク上のサーバに接続するためのナビゲーション装置700に設けられた通信手段711により、ネットワーク上のサーバから必要な情報を取得しても良い。
【0187】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、基準距離ds(t)又は二点間距離d(t)で表わされる距離は、直線距離に限らず、案内対象者の移動手段が特定出来る場合、その移動手段に適する距離を用いても良い。例えば、電車を移動手段とする場合、電車が走行する線路上を移動したものとして距離を設定しても良い。
【0188】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。3人以上の案内対象者に対しても適用できる。
【0189】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、説明のため、案内対象者をAさん、Bさんの2人とした説明したが、これに限らない。案内対象者は人に限らず、車両等の物体でもあっても良い。
【0190】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、案内対象者が三者以上の場合でもよく、例えば各二点間の距離の和、や、各二点間の距離の2乗の和、や、重要な者間の距離に係数を掛けた上で各距離の和、を上記"二点間距離"と読み替えて適用しても良い。
【0191】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、距離で説明しているが、コスト(運賃等の料金、労力等)を距離に代えた指標としても良い。
【0192】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、あらかじめ合流場所と合流時間を設定しておいた状態において、さらにより良い合流条件を推定出来る場合に、案内しても良い。
【0193】
なお、本実施の形態に係るナビゲーション装置700では、合流場所を提示する際、緯度経度ではなくランドマークや案内対象者が登録しているお店等を合流場所にしても良い。その際、合流時刻を考慮した案内ができても良い。例えば、昼時間帯ならレストランや喫茶店、そうでなければ本屋、ショッピングモール等が考えられる。
【0194】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0195】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0196】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明に係るナビゲーション装置は、合流期限までに案内対象者が会うことができ、かつ、案内対象者が意識しなくても適切なタイミングで合流条件を提示する、という効果を有し、ナビゲーション装置等として有用である。
【符号の説明】
【0198】
100、300、500、700 ナビゲーション装置
101、301、501、701 合流期限設定部
103、303、503、703 基準距離演算部
105、305、505、705 合流条件提示判定部
107、307、507、707 二点間距離取得部
109、309、509、709 合流条件提示部
111、311、511、711 通信手段
113、313、513、713 ユーザ入力受付手段
502、702 合流優先度設定部
706 限界距離演算部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、
合流期限に基づいて、基準距離を算出する基準距離演算部と、
直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、
前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定部と、を備える、
ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記基準距離演算部は、前記合流期限までの残時間が少なくなるにつれて長くなる基準距離を算出する、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記合流条件提示判定部は、前記二点間の距離が前記基準距離以下の場合又は前記限界距離に達した場合に前記合流条件を提示する
請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
更に、前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に優先度が高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離演算部に前記基準距離を緩和させる、合流優先度設定部を備える、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
更に、前記合流条件提示判定部の判定結果に基づき、前記合流条件を提示する合流条件提示部を備える、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
二点間の距離を算出し、
合流期限に基づいて、基準距離を算出し、
直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算し、
前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する、
ナビゲーション方法。
【請求項7】
前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に優先度が高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離を緩和する、
請求項6記載のナビゲーション方法。
【請求項8】
コンピュータに、
二点間の距離を算出する二点間距離取得ステップと、
合流期限に基づいて、基準距離を算出する基準距離演算ステップと、
直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算ステップと、
前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定ステップと、を実行させる、
プログラム。
【請求項1】
二点間の距離を算出する二点間距離取得部と、
合流期限に基づいて、基準距離を算出する基準距離演算部と、
直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算部と、
前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定部と、を備える、
ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記基準距離演算部は、前記合流期限までの残時間が少なくなるにつれて長くなる基準距離を算出する、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記合流条件提示判定部は、前記二点間の距離が前記基準距離以下の場合又は前記限界距離に達した場合に前記合流条件を提示する
請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
更に、前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に優先度が高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離演算部に前記基準距離を緩和させる、合流優先度設定部を備える、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
更に、前記合流条件提示判定部の判定結果に基づき、前記合流条件を提示する合流条件提示部を備える、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
二点間の距離を算出し、
合流期限に基づいて、基準距離を算出し、
直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算し、
前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する、
ナビゲーション方法。
【請求項7】
前記合流期限までに合流する用件が他の用件に対して相対的に優先度が高い用件であれば、前記基準距離を大きく設定し、前記基準距離を緩和する、
請求項6記載のナビゲーション方法。
【請求項8】
コンピュータに、
二点間の距離を算出する二点間距離取得ステップと、
合流期限に基づいて、基準距離を算出する基準距離演算ステップと、
直ちに適切な移動手段で合流しない場合に前記合流期限内に合流できなくなる限界距離を計算する限界距離演算ステップと、
前記二点間の距離と前記基準距離又は前記限界距離とに基づき、合流条件を提示するか否かを判定する合流条件提示判定ステップと、を実行させる、
プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−214981(P2011−214981A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83013(P2010−83013)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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