説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及び情報管理サーバー

【課題】乗員が車内に持ち込んだ情報端末を有効に活用し、車両の運転時に有益な情報を該車両の乗員に提供することができるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及び情報管理サーバーを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置のナビ制御部は、車内の規定位置に携帯電話が設置された場合に、携帯電話の撮像部で車外を撮像可能であるか否かを判定し(ステップS12)、車外が撮像可能である場合(ステップS12:YES)には、携帯電話を交通情報取得モードに設定する(ステップS14)。一方、ナビ制御部は、車外が撮像可能ではない場合(ステップS12:NO)には、携帯電話を補助情報表示モードに設定する(ステップS13)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員が所有する情報端末と通信可能なナビゲーション装置、及び該ナビゲーション装置によるナビゲーション方法に関する。また、本発明は、ナビゲーション装置での処理に必要な情報を管理する情報管理サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地までの経路を運転手に案内するナビゲーション装置として、特許文献1に記載の道路交通情報送受信装置が提案されている。この道路交通情報送受信装置は、デジタルカメラなどの撮像手段によって撮像された画像に関する撮像データを取得した場合に、該撮像データに基づいた道路交通情報を他の車両に送信する。その結果、道路交通情報を受信した他の車両の乗員は、交通渋滞及び交通事故の現場状況などを詳細に知ることができる。
【0003】
ところで、近年では、撮像機能を有する携帯電話などの情報端末が広く普及しており、該情報端末とナビゲーション装置とを連携させて運転手による車両の運転を支援する技術の開発が進められている。例えば、特許文献1に記載の技術で情報端末を用いる場合には、撮像手段として情報端末の撮像機能、即ち撮像用のアプリケーションソフトを利用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−187386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、情報端末には、撮像用のアプリケーションソフト以外にも他の種々のアプリケーションソフトがインストールされている。特許文献1に記載の技術では、情報端末を単に撮像手段として用いるだけであり、情報端末にインストールされた種々のアプリケーションソフトを有効に利用できているとは言い難い。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗員が車内に持ち込んだ情報端末を有効に活用し、車両の運転時に有益な情報を該車両の乗員に提供することができるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及び情報管理サーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、画像を撮像するための撮像手段及び画像を表示するための表示手段を有する情報端末と通信可能であると共に、目的地までの経路を案内するナビゲーション処理を行う車両のナビゲーション装置であって、車内の規定位置に情報端末が設置された場合に、該情報端末の前記撮像手段による車外の撮像が可能であるか否かを判定する撮像判定手段と、前記撮像判定手段によって前記撮像手段で車外を撮像可能であると判定された場合に、前記情報端末を、前記撮像手段に車外を撮像させ、該撮像に基づく画像データを交通情報として取得させるための交通情報取得モードに設定する第1の設定手段と、前記撮像手段で車外を撮像可能ではないと判定された場合に、前記情報端末を、前記ナビゲーション処理を補助するための補助情報に基づいた表示処理を前記表示手段に行わせるための補助情報表示モードに設定する第2の設定手段と、を備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、車内の規定位置に設置された情報端末の撮像手段によって車外を撮像可能であると判定された場合には、該情報端末が交通情報取得モードに設定される。そして、交通情報取得モードに設定された情報端末の撮像手段で車外が撮像されると、該撮像に基づく撮像データが交通情報として取得される。一方、情報端末の撮像手段によって車外を撮像可能ではないと判定された場合には、該情報端末が補助情報表示モードに設定される。そして、補助情報表示モードに設定された情報端末の表示手段では、ナビゲーション装置でのナビゲーション処理を補助するための表示処理が行われる。すなわち、撮像手段によって車内から車外を撮像可能であるか否かによって、該情報端末に実行させる機能を使い分けることができる。したがって、乗員が車内に持ち込んだ情報端末を有効に活用し、車両の運転時に有益な情報を該車両の乗員に提供することができる。
【0009】
本発明のナビゲーション装置において、前記撮像判定手段は、車内において車両のダッシュボードよりも上方に設定された位置に前記情報端末が配置された場合には該情報端末の撮像手段で車外を撮像可能であると判定する。
【0010】
上記構成によれば、車内での情報端末の設置位置によって、撮像手段で車外を撮像が可能であるか否かを容易に判定することができる。
本発明のナビゲーション装置は、前記交通情報取得モードに設定された情報端末で取得された撮像データを含む交通情報を情報管理サーバーに送信させる送信制御手段と、前記送信制御手段による交通情報の送信後に、前記情報管理サーバーから他の車両で取得された交通情報を受信し、該交通情報に基づいた情報報知処理を行う報知制御手段と、を備える。
【0011】
上記構成によれば、交通情報取得モードに設定された情報端末の撮像手段で車外が撮像されると、該撮像に基づく撮像データを含む交通情報が、情報管理サーバーに送信される。すると、ナビゲーション装置及び情報端末の少なくとも一方は、他の車両で取得された交通情報を情報管理サーバーから受信する。そして、受信した交通情報に基づいた情報報知処理が行われる。そのため、他の車両で取得された交通情報に基づいた情報報知処理によって、自車両の乗員に対して有益な情報を報知することができる。
【0012】
本発明のナビゲーション装置は、自車両の位置を特定するための位置情報を取得する位置取得手段と、前記交通情報取得モードに設定された情報端末の前記撮像手段の撮像に要した撮像時間を特定するための撮像時間情報を取得する撮像時間取得手段と、をさらに備え、前記送信制御手段は、前記交通情報取得モードに設定された情報端末で取得された撮像データと、前記各取得手段によって取得された位置情報及び撮像時間情報とを含む交通情報を前記情報管理サーバーに送信させ、前記報知制御手段は、前記送信制御手段によって送信された交通情報に含まれる位置情報が示す位置及び撮像時間情報が示す撮像時間に基づいて前記情報管理サーバーが選択した交通情報が受信された場合に、該交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像を前記情報端末の前記表示手段に表示させる前記情報報知処理を行う。
【0013】
上記構成によれば、交通情報を情報管理サーバーに送信させると、該情報管理サーバーでは、受信した交通情報に含まれる位置情報が示す位置、及び撮像時間情報が示す撮像時間に基づいた交通情報が選択され、該交通情報が自車両側に送信される。すると、交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像が情報端末の表示手段に表示される。そのため、車両の乗員に対して、他の車両で取得された交通情報を適切に取捨選択して、有益な画像を提供することができる。
【0014】
本発明の情報管理サーバーは、車両に搭載されるナビゲーション装置、及び該ナビゲーション装置と通信可能であると共に撮像機能を有する情報端末のうち少なくとも一方と通信する通信手段と、前記通信手段によって受信された交通情報であって、且つ前記車両の車内から車外を前記情報端末で撮像したことにより取得された撮像データ、撮像した位置を特定するための位置情報及び撮像に要した撮像時間を特定するための撮像時間情報を含む交通情報を記憶する交通情報記憶手段と、前記通信手段によって交通情報が受信された場合に、該交通情報に含まれる位置情報が示す位置と、撮像時間情報が示す撮像時間とに基づいて、前記交通情報記憶手段に記憶される複数の交通情報の中から少なくとも1つの交通情報を選択する交通情報選択手段と、前記交通情報選択手段によって選択された交通情報を、前記車両に搭載されるナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と通信可能な情報端末のうち少なくとも一方に前記通信手段から送信させるサーバー制御手段と、を備えることを要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、一の車両からの交通情報を受信すると、該交通情報に含まれる位置情報が示す位置、及び撮像時間情報が示す撮像時間に基づいた交通情報が、交通情報記憶手段に管理される複数の交通情報の中から選択される。そして、選択された交通情報が、前記車両に搭載されるナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と通信可能な情報端末のうち少なくとも一方に送信される。すると、車両側では、受信した交通情報に基づく情報報知処理が行われる。したがって、交通情報を送信してきた車両の乗員に対して、車両の運転時に有益な情報を提供することができる。
【0016】
本発明の情報管理サーバーにおいて、前記交通情報選択手段は、撮像時間が、前記通信手段によって受信された交通情報に含まれる撮像時間情報が示す撮像時間以下となる撮像データを含む交通情報を選択する。
【0017】
上記構成によれば、一の車両側からの交通情報を受信した場合、撮像時間が、一の車両からの交通情報に含まれる撮像時間情報が示す撮像時間以下であることの条件を満たす撮像データを含む交通情報が、選択される。そして、選択された交通情報が一の車両側に送信される。すると、一の車両では、その乗員に対して、交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像が提供される。そのため、撮像時間がより長い撮像データを含む交通情報を受信するためには、車両側では、撮像時間のより長い撮像データを取得する必要がある。したがって、情報管理サーバーでは、撮像時間がより長い撮像データを含む交通情報を取得できるようになる。
【0018】
本発明の情報管理サーバーにおいて、前記交通情報選択手段は、交通渋滞の発生している道路区間での撮像に基づいた撮像データを含む交通情報を選択する。
上記構成によれば、交通情報を送信してきた一の車両側に対して、交通渋滞の発生している道路区間で取得された撮像データを含む交通情報が選択される。そして、こうした交通情報が、一の車両側に送信される。すると、一の車両では、その乗員に対して、交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像が提供される。そのため、一の車両の乗員に対して、交通渋滞の具体的な状況を画像で報知することができる。
【0019】
本発明は、画像を撮像するための撮像手段及び画像を表示するための表示手段を有する情報端末と通信する車載のナビゲーション装置にナビゲーション処理を行わせるためのナビゲーション方法であって、車内の規定位置に情報端末が設置された場合に、該情報端末の前記撮像手段による車外の撮像が可能であるか否かを判定させる撮像判定ステップと、前記撮像判定ステップで、前記撮像手段で車外を撮像可能であると判定した場合に、前記情報端末を、前記撮像手段に車外を撮像させ、該撮像に基づく画像データを交通情報として取得させるための交通情報取得モードに設定させる第1の設定ステップと、前記撮像判定ステップで、前記撮像手段で車外を撮像可能ではないと判定した場合に、前記情報端末を、目的地までの経路を案内するナビゲーション処理を補助するための補助情報に基づいた表示処理を行わせるための補助情報表示モードに設定させる第2の設定ステップと、を有することを要旨とするナビゲーション方法。
【0020】
上記構成によれば、上記ナビゲーション装置と同等の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のナビゲーション装置及び情報管理サーバーの一実施形態を示すブロック図。
【図2】携帯電話の概略構成を説明する平面図。
【図3】ナビゲーション装置の表示装置がダッシュボード内に埋め込まれた様子を模式的に示す平面図。
【図4】携帯電話が車外を撮像可能な位置に設置された様子を模式的に示す平面図。
【図5】携帯電話が車外を撮像不能な位置に設置された様子を模式的に示す平面図。
【図6】情報提供処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図7】交通情報取得処理ルーチンを説明するフローチャート(前半部分)。
【図8】交通情報取得処理ルーチンを説明するフローチャート(後半部分)。
【図9】他の車両で取得された交通情報に関する情報を情報管理サーバーから受信した場合における各ディスプレイでの表示態様を模式的に示す平面図。
【図10】他の車両で取得された交通情報に基づいた情報報知処理が行われた様子を模式的に示す平面図。
【図11】ナビゲーション装置の表示装置がダッシュボード上に設置された場合を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図10に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のナビゲーションシステム11は、車内に持ち込まれた情報端末の一例としての携帯電話20と、車両のナビゲーション装置30と、車外に設置された情報管理サーバー50とを備えている。そして、ナビゲーションシステム11では、携帯電話20、ナビゲーション装置30及び情報管理サーバー50の連携によって、運転手に対して、車両の運転時に有益な情報が提供される。
【0023】
携帯電話20の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
携帯電話20は、他の携帯電話20や固定電話などとの通話機能だけではなく種々の機能(撮像機能、表示機能)を実行可能である。こうした携帯電話20は、図1に示すように、端末制御部21、端末用メモリ22、撮像手段の一例としての撮像部23、表示手段の一例としての端末用ディスプレイ24及び操作部25を備えている。また、携帯電話20には、ナビゲーション装置30と各種情報の送受信を行うための端末接続部26と、情報管理サーバー50と通信を行うための端末用通信部27とが設けられている。
【0024】
端末制御部21は、図示しないCPU、ROM、不揮発性のメモリ及びRAMなどで構成されている。ROM及び不揮発性のメモリには、CPUが実行する各種プログラムが記憶されている。特に、不揮発性のメモリには、撮像部23に画像を撮像させる撮像機能及び端末用ディスプレイ24に画像を表示させる表示機能などの各種機能を実行させるためのアプリケーションソフトが格納されている。また、RAMには、CPUの作業領域などが形成される。そして、端末制御部21は、携帯電話20全体を統括的に制御する。
【0025】
撮像部23は、レンズなどで構成される図示しない光学系と、光学系によって結像される被写体像を撮像する図示しない撮像素子とを備えている。こうした撮像部23による撮像に基づいた撮像データは、端末用メモリ22に記憶される。なお、撮像部23の光学系(図示略)は、図2に示すように、携帯電話20の平面視略矩形状をなす本体ケース200の第1面201側に配置されている。
【0026】
図1及び図2に示すように、端末用ディスプレイ24には、端末制御部21からの指令に基づいた画像が表示される。例えば、端末用ディスプレイ24には、端末制御部21からの指令に基づき、端末用メモリ22に記憶される撮像データが示す画像(「動画」も含む。)が表示される。また、端末用ディスプレイ24には、撮像部23で撮像が行われる場合、該撮像部23で撮像中の画像(所謂スルー画像)が表示される。こうした端末用ディスプレイ24は、携帯電話20の本体ケース200の第2面202側、即ち撮像部23の反対側に配置されている。また、端末用ディスプレイ24の手前には、液晶のタッチパネルで構成される操作部25が配置されている。この操作部25をユーザが操作すると、該操作に基づいた信号が端末制御部21に出力される。そして、端末制御部21は、操作部25から入力された信号に基づいた処理を行う。
【0027】
次に、ナビゲーション装置30の構成について、図1及び図3を参照して説明する。
図1に示すように、ナビゲーション装置30は、表示装置31と、該表示装置31を制御する制御装置41とを備えている。表示装置31には、車両の乗員(ユーザ)に各種情報を視認可能な状態で提供するナビ用ディスプレイ32と、該ナビ用ディスプレイ32の前面に配置される液晶のタッチパネル及びナビ用ディスプレイ32の側方に配置される複数種類の操作ボタンで構成される入力部33が設けられている。こうした表示装置31は、乗員による入力部33の操作を受付けた場合、その操作内容に応じた信号を制御装置41に出力する。そして、表示装置31は、出力した信号の返答として制御装置41から画像データが入力されると、該画像データに基づいた画像をナビ用ディスプレイ32に表示させる。なお、本実施形態において、表示装置31は、図3に示すように、ダッシュボード60に埋め込まれている。
【0028】
図1に示すように、制御装置41は、ナビ制御部42、位置検出部43、ナビ情報記憶装置44、時計45、ナビ接続部46、ナビ用通信部47及びナビ用メモリ48を備えている。ナビ制御部42は、図示しないCPU、ROM、RAM及び画像処理用プロセッサなどで構成されている。ROMには、目的地までのルート(経路)の探索や案内を行う際にCPUが実行するプログラム、携帯電話20と連携した運転支援を行う際にCPUが実行するプログラムなどが記憶されている。RAMには、CPUの作業領域及び探索されたルートなどを記憶する記憶領域が形成される。画像処理プロセッサは、ナビ用ディスプレイ32に表示するための各種の画像データを生成し、該生成した画像データを表示装置31に出力する。
【0029】
位置検出部43には、図示しないGPS受信部、車速センサ及びジャイロセンサが設けられている。こうした位置検出部43は、GPS受信部によって受信されたGPS信号、及び車速センサ及びジャイロセンサからの検出信号をナビ制御部42に出力する。そして、ナビ制御部42は、GPS受信部で受信されたGPS信号に基づき、電波航法によって緯度・経度などの絶対位置を検出する。また、ナビ制御部42は、車速センサ及びジャイロセンサからの検出信号に基づき、自律航法を用いて基準位置からの相対位置を算出する。そして、ナビ制御部42は、検出した絶対位置及び算出した相対位置を組み合わせて自車両の現在地を特定する。したがって、本実施形態では、ナビ制御部42及び位置検出部43により、自車両の位置を特定するための位置情報を取得する位置取得手段が構成される。なお、GPSとは、「Global Positioning System」の略記である。
【0030】
ナビ情報記憶装置44は、ハードディスクや光ディスクなどの外部記憶媒体である。こうしたナビ情報記憶装置44には、図示しない地図データ記憶部、探索データ記憶部及び施設データ記憶部が形成されている。地図データ記憶部は、道路地図、住宅地図及び建物形状地図などの地図データを記憶している。探索データ記憶部は、所定の地点(「ノード」ともいう。)間の道路(「リンク」ともいう。)、その道路の交通規制情報、及びその道路の距離などといった各種道路情報に関するデータを記憶している。施設データ記憶部は、区役所、病院、駅、レストランなどの各種施設及び該各種施設の住所や電話番号などのデータを記憶している。
【0031】
時計45は、ナビ制御部42から時刻情報が要求された場合、要求された時点の時刻を特定するための時刻情報をナビ制御部42に出力する。また、時計45は、ナビ制御部42からの指令によってタイマーとしても機能する。この場合、時計45は、時間の計測が終了すると、計測した時間を特定するための情報をナビ制御部42に出力する。
【0032】
ナビ接続部46は、携帯電話20と各種情報の送受信を行う。また、ナビ用通信部47は、情報管理サーバー50と通信を行う。そして、ナビ用メモリ48には、携帯電話20及び情報管理サーバー50から受信した情報が記憶される。
【0033】
なお、ナビ接続部46には、図3に示すように、携帯電話20が通信可能に接続される複数(本実施形態では3つ)の接続端子46A,46B,46Cが設けられている。各接続端子46A,46B,46Cのうち、第1の接続端子46Aは、ダッシュボード60上に設置されている。この第1の接続端子46Aに接続された携帯電話20は、重力方向において車両のダッシュボード60とルームミラー61との間に位置するようになっている。この場合、携帯電話20の撮像部23は、車両前方を撮像可能である。しかも、第1の接続端子46Aに接続された携帯電話20の撮像部23の光学系(図示略)は、ダッシュボード60よりも上方に位置している。そのため、携帯電話20で撮像された画像には、自車両のボンネットなどが写っていない。仮にボンネットが写ったとしても、該ボンネットは、携帯電話20で撮像された画像に僅かに写るだけである。つまり、第1の接続端子46Aに接続された携帯電話20は、撮像部23の撮像によって、自車両の車外の交通情報(交通渋滞など)を取得することができる。
【0034】
一方、第2及び第3の接続端子46B,46Cは、表示装置31の側方に設置されている。そのため、第2及び第3の接続端子46B,46Cに接続された携帯電話20では、車両の前方を撮像することができない。したがって、第1、第2及び第3の各接続端子46A,46B,46Cに接続される位置が、車内で携帯電話20が設置される規定位置に相当する。そして、これら各接続端子46A,46B,46Cに接続される位置のうち、第1の接続端子46Aに接続される位置は車内から車外(具体的には、車両前方)を撮像可能な撮像可能位置P1であり、第2及び第3の接続端子46B,46Cに接続される位置は車両前方を撮像不能な撮像不能位置P2である。
【0035】
次に、情報管理サーバー50の構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、情報管理サーバー50は、サーバー制御手段の一例としてのサーバー制御部51、通信手段の一例としてのサーバー用通信部52、交通情報記憶手段の一例としての情報記憶部53、地図データベース54、及び交通情報取得部55を備えている。サーバー制御部51は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどで構成されている。ROMには、ナビゲーション装置30又はナビゲーション装置30と連携する携帯電話20に送信する情報を選択する際にCPUが実行するプログラムなどが記憶されている。RAMには、CPUの作業領域が形成される。
【0036】
サーバー用通信部52は、ナビゲーション装置30及びナビゲーション装置30と連携する携帯電話20との間で通信を行う。このサーバー用通信部52で携帯電話20から受信された交通情報は、情報記憶部53に記憶(登録)される。また、サーバー用通信部52は、情報を送信してきた携帯電話20と連携するナビゲーション装置30に対して、サーバー制御部51によって選択された情報を送信する。
【0037】
地図データベース54は、道路地図、住宅地図及び建物形状地図などの地図データを記憶している。こうした地図データは、サーバー制御部51に適宜読み出される。
交通情報取得部55は、サーバー制御部51からの指令に基づき、外部から道路交通情報を取得し、該取得した情報をサーバー制御部51に出力する。交通情報取得部55によって取得される道路交通情報には、道路上での渋滞に関する渋滞情報、事故や工事などに関する交通障害情報、通行止めや速度規制などの走行規制に関する交通規制情報が含まれる。なお、こうした道路交通情報としては、例えば、VICS(登録商標)情報が挙げられる。「VICS(登録商標)」とは、「Vehicle Information and Communication」の略記である。
【0038】
次に、ナビゲーション装置30のナビ制御部42が行うナビゲーション処理について説明する。
ナビゲーション処理は、自車両の現在位置から目的地までのルート(経路)を乗員に案内する処理である。すなわち、ナビ制御部42は、乗員による入力部33の操作を受付けた場合、該操作に基づく条件に合致する地点を目的地候補としてナビ情報記憶装置44の施設データ記憶部(図示略)から読み出してナビ用ディスプレイ32に表示させる。そして、表示させた地点のうち何れか一つが目的地として乗員に選択されると、ナビ制御部42は、ナビ情報記憶装置44の地図データ記憶部(図示略)及び探索データ記憶部(図示略)を用い、自車両の現在位置から目的地までのルートを探索する。続いて、ナビ制御部42は、探索したルートをナビ用ディスプレイ32に案内表示させる。なお、ナビゲーション処理は、目的地の未設定時における自車両の現在位置周辺の地図を表示させる処理も含んでいる。
【0039】
本実施形態のナビゲーション装置30は、該ナビゲーション装置30に接続された携帯電話20及び車外に設置された情報管理サーバー50と連携して、運転手による車両の運転を支援している。具体的には、ナビゲーション装置30は、ナビゲーション装置30に通信可能な状態で接続された携帯電話20で起動させるアプリケーションソフトの種類を、該携帯電話20の設置位置に基づき選択している。
【0040】
例えば、図4に示すように、携帯電話20が第1の接続端子46Aに接続された場合、ナビゲーション装置30は、撮像部23による撮像を含むアプリケーションソフトの起動を許可する。すると、携帯電話20は、交通情報取得モードに設定される。この状態でナビゲーション装置30の入力部33の操作によって録画開始指示が携帯電話20に送信されると、該携帯電話20では、撮像部23による撮像が開始される。すなわち、携帯電話20は、自車両の前方を撮像する。そして、撮像が終了すると、撮像によって取得された撮像データが取得され、該撮像データを含む交通情報が、情報管理サーバー50に送信される。すると、送信した交通情報の見返りとして、他の車両で取得された交通情報が、ナビゲーション装置30及び携帯電話20で受信される。そして、受信した交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像を携帯電話20の端末用ディスプレイ24に表示させる情報報知処理が行われる。
【0041】
一方、図5に示すように、携帯電話20が第2の接続端子46B(又は第3の接続端子46C)に接続された場合、ナビゲーション装置30は、該ナビゲーション装置30でのナビゲーション処理を補助するための補助情報に基づいた表示処理を携帯電話20に行わせるためのアプリケーションソフトの起動を許可する。このアプリケーションソフトが起動すると、携帯電話20は、補助情報表示モードに設定される。すると、ナビゲーション装置30からは、ナビ用ディスプレイ32に表示される地図に連続する地図を端末用ディスプレイ24に表示させるための地図情報が携帯電話20に送信される。その結果、ナビ用ディスプレイ32及び端末用ディスプレイ24により、広範囲の地図が、車両の乗員に提供される。
【0042】
本実施形態では、携帯電話20の設置位置によって、運転支援の態様を異ならせている。そこで次に、本実施形態のナビゲーション装置30が実行する各種処理ルーチンのうち、携帯電話20と連携した運転支援を行う際に実行される情報提供処理ルーチンを図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0043】
さて、情報提供処理ルーチンは、予め設定された所定周期毎(例えば、0.1秒毎)に実行される。そして、情報提供処理ルーチンにおいて、ナビ制御部42は、各接続端子46A〜46Cの何れかに携帯電話20が接続されたか否かを判定する(ステップS10)。携帯電話20が接続されていないと判定した場合(ステップS10:NO)、ナビ制御部42は、携帯電話20と連携する運転支援ができないと判断し、情報提供処理ルーチンを一旦終了する。一方、携帯電話20が接続されたと判定した場合(ステップS10:YES)、ナビ制御部42は、携帯電話20の設置位置を取得する(ステップS11)。すなわち、ナビ制御部42は、各接続端子46A〜46Cのうち何れの接続端子に携帯電話20が接続されたのかを取得する。
【0044】
そして、ナビ制御部42は、接続された携帯電話20で車両前方を撮像可能であるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、ナビ制御部42は、携帯電話20が第1の接続端子46Aに接続されているか否かを判定する。したがって、本実施形態では、ナビ制御部42が、撮像判定手段としても機能する。また、ステップS12が、撮像判定ステップに相当する。そして、携帯電話20が第2の接続端子46B又は第3の接続端子46Cに接続される場合(ステップS12:NO)、ナビ制御部42は、携帯電話20による車外の撮像が不能であると判断し、地図表示処理を行う(ステップS13)。地図表示処理において、ナビ制御部42は、携帯電話20を補助情報表示モードに設定する。
【0045】
補助情報表示モードに設定された携帯電話20の端末制御部21は、端末用ディスプレイ24に地図を表示させるための準備処理を行う。そして、端末制御部21は、準備処理が完了すると、ナビ制御部42に対して地図情報を要求する。この要求を受信したナビ制御部42は、ナビ用ディスプレイ32に表示される地図に連続する地図を端末用ディスプレイ24に表示させるための地図情報を生成し、該地図情報をナビ接続部46から携帯電話20に送信させる。そして、端末制御部21は、端末接続部26を介して受信した地図情報に基づいた地図を端末用ディスプレイ24に表示させる(図5参照)。
【0046】
こうしたナビ制御部42と端末制御部21との連携は、携帯電話20が第2の接続端子46B(又は第3の接続端子46C)に接続されている間、継続される。そして、携帯電話20が第2の接続端子46B(又は第3の接続端子46C)から取り外された場合、ナビ制御部42は、地図表示処理を終了し、その後、情報提供処理ルーチンを一旦終了する。したがって、本実施形態では、ナビ制御部42が、第2の設定手段及び表示制御手段としても機能する。また、ステップS13が、第2の許可ステップに相当する。
【0047】
その一方で、携帯電話20が第1の接続端子46Aに接続される場合(ステップS12:YES)、ナビ制御部42は、図7及び図8で詳述する交通情報取得処理を行う(ステップS14)。この交通情報取得処理において、ナビ制御部42は、携帯電話20を交通情報取得モードに設定する。そして、携帯電話20が第1の接続端子46Aから取り外された場合、ナビ制御部42は、交通情報取得処理を終了し、その後、情報提供処理ルーチンを一旦終了する。したがって、本実施形態では、ナビ制御部42が、第1の設定手段としても機能する。また、ステップS14が、第1の許可ステップに相当する。
【0048】
次に、上記ステップS14の交通情報取得処理(交通情報取得処理ルーチン)について、図7及び図8に示すフローチャートと図9及び図10に示す説明図とを参照して説明する。
【0049】
さて、交通情報取得処理ルーチンでは、ナビゲーション装置30、携帯電話20及び情報管理サーバー50が連携する。ステップS20において、ナビゲーション装置30のナビ制御部42は、携帯電話20に対して、撮像・表示指示をナビ接続部46から送信させる。次のステップS21において、携帯電話20の端末制御部21は、端末接続部26を介してナビゲーション装置30からの撮像・表示指示を受信する。続いて、ステップS22において、端末制御部21は、交通情報取得モードに設定され、撮像部23で撮像した所謂スルー画像を端末用ディスプレイ24に表示させるスルー表示処理を行う。
【0050】
一方、ステップS23において、ナビゲーション装置30のナビ制御部42は、携帯電話20での録画を開始させる旨の指令が入力部33から入力されたか否かを判定する。録画開始の指令が入力されない場合(ステップS23:NO)、ナビ制御部42は、録画開始の指令が入力されるまでステップS23の判定処理を繰り返し実行する。一方、録画開始の指令が入力された場合(ステップS23:YES)、ステップS24において、ナビ制御部42は、携帯電話20に対して、録画開始指示をナビ接続部46から送信させる。
【0051】
次のステップS25において、携帯電話20の端末制御部21は、端末接続部26を介してナビゲーション装置30からの録画開始指示を受信する。続いて、ステップS26において、端末制御部21は、撮像部23で撮像した画像の録画を開始する。すなわち、端末制御部21は、撮像データの取得を開始する。
【0052】
ナビゲーション装置30では、ステップS27において、ナビ制御部42は、位置検出部43からのGPS信号及び検出信号に基づき自車両の現在位置を特定するための位置情報を取得すると共に、携帯電話20による録画の開始を指示した時刻を特定するための時刻情報を時計45から取得する。このとき、ナビ制御部42は、時計45に対して、携帯電話20による撮像時間の計測を指示する。続いて、ステップS28において、ナビ制御部42は、携帯電話20での録画を終了させる旨の指令が入力部33から入力されたか否かを判定する。録画終了の指令が入力されない場合(ステップS28:NO)、ナビ制御部42は、録画終了の指令が入力されるまでステップS28の判定処理を繰り返し実行する。一方、録画終了の指令が入力された場合(ステップS28:YES)、ステップS29において、ナビ制御部42は、携帯電話20に対して、録画終了指示をナビ接続部46から送信させる。
【0053】
次のステップS30において、ナビ制御部42は、携帯電話20による撮像に要した時間である撮像時間Tsを時計45に取得させる。そして、ナビ制御部42には、時計45が取得した撮像時間Tsを特定するための撮像時間情報が入力される。したがって、本実施形態では、ナビ制御部42及び時計45により、撮像時間取得手段が構成される。続いて、ステップS31において、ナビ制御部42は、ステップS27,S30で取得した位置情報、時刻情報及び撮像時間情報を、携帯電話20にナビ接続部46から送信させる。このとき、ナビ制御部42は、自車両が進行する方向を特定するための進行方向情報も携帯電話20側に送信させる。
【0054】
一方、ナビゲーション装置30から録画終了指示が送信されると、ステップS32において、携帯電話20の端末制御部21は、端末接続部26を介してナビゲーション装置30からの録画終了指示を受信する。続いて、ステップS33において、端末制御部21は、撮像部23で撮像された画像の録画を終了する。すなわち、端末制御部21は、撮像データの取得を終了する。
【0055】
次のステップS34において、端末制御部21は、端末接続部26を介してナビゲーション装置30から位置情報、時刻情報、撮像時間情報及び進行方向情報を受信する。続いて、ステップS35において、端末制御部21は、自身で取得した撮像データ、ステップS34で受信した位置情報、時刻情報、撮像時間情報及び進行方向情報を含む交通情報を生成する。そして、ステップS36において、端末制御部21は、生成した交通情報を情報管理サーバー50に端末用通信部27から送信させる。すなわち、本実施形態では、ナビゲーション装置30のナビ制御部42は、位置情報、時刻情報、撮像時間情報及び進行方向情報を携帯電話20に送信することにより、該携帯電話20から交通情報を情報管理サーバー50に送信させている。したがって、本実施形態では、ナビゲーション装置30のナビ制御部42が、交通情報取得モードに設定された携帯電話20で取得された撮像データを含む交通情報を情報管理サーバー50に送信させる送信制御手段としても機能する。また、ナビゲーション装置30で実行されるステップS31が、送信ステップに相当する。
【0056】
次のステップS37において、情報管理サーバー50のサーバー制御部51は、ナビゲーション装置30と連携する携帯電話20から送信された交通情報を、サーバー用通信部52を介して受信する。続いて、ステップS38において、サーバー制御部51は、受信した交通情報に基づき、該交通情報に含まれる撮像データが取得された車両の位置(緯度・経度)と、撮像された時刻と、撮像時間Tsと、車両の進行方向とを取得する。次のステップS39において、サーバー制御部51は、受信した交通情報を情報記憶部53に記憶させる。続いて、ステップS40において、サーバー制御部51は、交通情報取得部55に対して該交通情報取得部55で取得した道路交通情報を要求し、道路交通情報を交通情報取得部55から取得する。例えば、サーバー制御部51は、ステップS38で取得した車両の進行方向に基づき、該車両の今後の進路を予測し、該予測した進路又は該進路に接続する道路での道路交通情報を取得する。そして、サーバー制御部51は、交通情報を送信した車両(第1の車両)の進行方向又は進行予定方向の道路区間で、交通渋滞が発生しているか否かを判定する。
【0057】
次のステップS41において、サーバー制御部51は、ステップS40で交通渋滞が発生していると判定した場合には、情報記憶部53に記憶される各交通情報のうち、以下に示す5つの条件のうち全ての条件に合致する交通情報を選択して読み出す。一方、サーバー制御部51は、ステップS40で交通渋滞が発生していないと判定した場合には、情報記憶部53に記憶される各交通情報のうち、(条件3)を除く他の条件に合致する交通情報を選択して読み出す。したがって、本実施形態では、サーバー制御部51が、受信した交通情報に含まれる位置情報が示す位置、時刻情報が示す時刻及び撮像時間情報が示す撮像時間に基づいて、少なくとも1つの交通情報を選択する交通情報選択手段としても機能する。
(条件1)交通情報を送信した車両とは異なる他の車両から送信された交通情報であること。
(条件2)交通情報を送信した車両の進行方向又は進行予定方向における前方を含む撮像エリア内での撮像に基づいた撮像データを含む交通情報であること。
(条件3)上記撮像エリア内で交通渋滞が発生している道路区間での撮像に基づいた撮像データを含む交通情報であること。
(条件4)現在の時刻(例えば、撮像データの取得が開始された時刻)から予め設定された規定時間(例えば30分)を減算した時刻以降の撮像に基づいた撮像データを含む交通情報であること。
(条件5)撮像時間Tsが、ステップS38で取得した撮像時間Ts以下である撮像データを含む交通情報であること。
【0058】
なお、車両の進行方向又は進行予定方向における前方とは、現在位置から車両が走行する又は走行を予定する道路と、該道路に交差する道路とを含んでいる。
続いて、ステップS42において、サーバー制御部51は、選択した交通情報に関する情報をサーバー用通信部52からナビゲーション装置30に送信させる。ここで送信される情報は、ステップS41で選択した交通情報の数、交通情報の取得位置(即ち、撮像データの取得位置)、撮像データが取得された時刻、撮像データの撮像時間Ts、及び撮像データを取得した際における他の車両の進行方向を含んでいる。
【0059】
ナビゲーション装置30では、ステップS43において、ナビ制御部42は、情報管理サーバー50のサーバー制御部51で選択された交通情報に関する情報を、ナビ用通信部47を介して受信する。次のステップS44において、ナビ制御部42は、ステップS43で受信した情報を車両の乗員に案内する案内処理を行う。具体的には、ナビ制御部42は、図9に示すように、携帯電話20で再生可能な撮像データを、ナビ用ディスプレイ32に表示させる。このとき、ナビ制御部42は、携帯電話20で再生可能な撮像データを取得した位置、撮像データの取得を開始した時刻、撮像時間Ts、撮像データを取得する際に他の車両が走行した方向(例えば、□×通り 東向き)を個別に案内する。
【0060】
図8に戻り、ステップS45において、ナビ制御部42は、携帯電話20に再生させる撮像データが選択されたか否かを判定する。撮像データが未選択である場合(ステップS45:NO)、ナビ制御部42は、撮像データが選択されるまでステップS45の判定処理を繰り返し実行する。一方、撮像データが選択された場合(ステップS45:YES)、ステップS46において、ナビ制御部42は、乗員によって選択された撮像データを含む交通情報を情報管理サーバー50に要求する。
【0061】
要求を受信した情報管理サーバー50では、ステップS47において、サーバー制御部51は、要求された交通情報を、ナビゲーション装置30及び該ナビゲーション装置30と連携する携帯電話20に送信し、その後、処理ルーチンを終了する。
【0062】
ナビゲーション装置30では、ステップS48において、ナビ制御部42は、ナビ用通信部47を介して情報管理サーバー50からの交通情報を受信する。次のステップS49において、ナビ制御部42は、表示開始指示をナビ接続部46から携帯電話20に送信する。続いて、ステップS50において、ナビ制御部42は、後述する携帯電話20での端末側表示処理と連動するナビ側表示処理を行う。そして、ナビ側表示処理が終了すると、ステップS51において、ナビ制御部42は、携帯電話20が第1の接続端子46Aから取り外されたか否かを判定する。携帯電話20が第1の接続端子46Aから取り外されていない場合(ステップS51:NO)、ナビ制御部42は、その処理を前述したステップS20に移行する。すなわち、ナビ制御部42は、携帯電話20の交通情報取得モードを継続させる。一方、携帯電話20が第1の接続端子46Aから取り外された場合(ステップS51:YES)、ナビ制御部42は、交通情報取得処理ルーチンを終了する。この場合、携帯電話20の交通情報取得モードは、自動的に解除される。
【0063】
携帯電話20では、ステップS52において、端末制御部21は、端末用通信部27を介して情報管理サーバー50からの交通情報を受信する。次のステップS53において、端末制御部21は、端末接続部26を介してナビゲーション装置30からの表示開始指示を受信する。続いて、ステップS54において、端末制御部21は、ステップS52で受信した交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像を端末用ディスプレイ24に表示させる端末側表示処理を行う。つまり、ナビゲーション装置30のナビ制御部42からの表示開始指示が携帯電話20で受信されると、他の車両で取得された撮像データに基づいた情報報知処理が行われる。したがって、本実施形態では、携帯電話20に撮像データを再生させるべく表示開始指示を携帯電話20に送信するナビ制御部42が、報知制御手段としても機能する。また、ナビゲーション装置30で実行されるステップS49が、他の車両で取得された撮像データに基づいた画像を携帯電話20の端末用ディスプレイ24に表示させる表示ステップに相当する。そして、端末制御部21は、撮像データに基づいた画像の表示が終了すると、処理ルーチンを終了する。
【0064】
上述したように、ナビゲーション装置30でのナビ側表示処理と携帯電話20での端末側表示処理とが連動することにより、図10に示すように、携帯電話20の端末用ディスプレイ24には、携帯電話20で受信した撮像データに基づいた画像が表示される。この際、ナビゲーション装置30のナビ用ディスプレイ32では、該ナビ用ディスプレイ32に表示される矢印70が、インジケータとして機能する。そのため、車両の乗員は、携帯電話20での撮像データの再生時間が残りどれくらいかを視認することができる。
【0065】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)携帯電話20の撮像部23によって車外を撮像可能であると判定された場合には、携帯電話20が交通情報取得モードに設定される。そして、交通情報取得モードに設定された携帯電話20の撮像部23で車外が撮像されると、該撮像に基づく撮像データを含む交通情報が、情報管理サーバー50に送信される。すると、情報管理サーバー50からは、他の車両で取得された交通情報が送信される。そして、車両側で交通情報を受信すると、該交通情報に基づいた情報報知処理が行われる。一方、携帯電話20の撮像部23によって車外を撮像不能であると判定された場合には、携帯電話20が補助情報表示モードに設定される。すると、補助情報表示モードに設定された携帯電話20では、ナビゲーション装置30でのナビゲーション処理を補助情報に基づいた表示処理が行われる。すなわち、本実施形態では、車内での携帯電話20の設置位置によって、該携帯電話20に実行させる機能が使い分けられる。したがって、乗員が車内に持ち込んだ携帯電話20を有効に活用し、車両の運転時に有益な情報を該車両の乗員に提供することができる。
【0066】
(2)交通情報を情報管理サーバー50に送信させると、上記(条件1)、(条件2)、(条件4)を満たす交通情報が情報管理サーバー50で選択され、該交通情報が車両側で受信される。そして、交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像が携帯電話20の端末用ディスプレイ24に表示される。そのため、車両の乗員に対して、自身が向かう予定の地域の交通情報を視認させることができる。すなわち、他の車両で取得された交通情報が適切に取捨選択され、適切に選択された交通情報に含まれる画像データを乗員に提供することができる。
【0067】
(3)交通情報を情報管理サーバー50に送信させると、上記(条件5)を満たす交通情報が情報管理サーバー50で選択され、該交通情報が車両側で受信される。そして、交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像が携帯電話20の端末用ディスプレイ24に表示される。すなわち、撮像時間Tsがより長い撮像データの提供を受けたい場合には、撮像時間Tsの長い撮像データを取得し、該撮像データを含む交通情報を情報管理サーバー50に送信する必要がある。そのため、自身が撮像に要した撮像時間Tsが長いほど、撮像により長時間を費やした撮像データの提供を受けることができる仕組みとしたことにより、情報管理サーバー50では、撮像時間Tsがより長い撮像データを含む交通情報を取得できるようになる。したがって、交通情報を送信してきた車両の乗員に提供できる交通情報の情報量を多くすることができる。
【0068】
(4)車両(一の車両)の進行方向又は進行予定方向で交通渋滞が発生している場合、交通情報を情報管理サーバー50に送信させると、上記(条件3)を満たす交通情報が情報管理サーバー50で選択され、該交通情報が車両側で受信される。そして、交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像が携帯電話20の端末用ディスプレイ24に表示される。そのため、車両の乗員に対して、進行方向又は進行予定方向で発生している交通渋滞の具体的な状況(例えば、渋滞具合)を画像で視認させることができる。
【0069】
(5)交通情報を情報管理サーバー50に送信すると、該情報管理サーバー50からは、どのような交通情報を提供であるかを特定するための情報がナビゲーション装置30側に送信される。すると、ナビゲーション装置30のナビ用ディスプレイ32には、携帯電話20で再生可能な撮像データが表示される。そして、車両の乗員によって撮像データが選択されると、該撮像データを含む交通情報が情報管理サーバー50から車両側に受信される。その結果、携帯電話20の端末用ディスプレイ24には、車両の乗員によって選択された撮像データに基づいた画像が表示される。すなわち、本実施形態では、情報管理サーバー50から提供可能な撮像データのうち、乗員が所望する撮像データが再生される一方で、乗員が所望しない撮像データの再生が禁止される。したがって、車両の乗員が所望しない撮像データが携帯電話20で不必要に再生されることを抑制できる。
【0070】
(6)携帯電話20の撮像部23によって車外を撮像可能であるか否かの判定方法としては、携帯電話20によって撮像させ、該撮像に基づいた画像を解析することにより、撮像された画像が車外の光景であるか否かを判断する方法が考えられる。この場合、携帯電話20の撮像部23によって車外を撮像可能であるか否かの判定に要する処理が非常に複雑になる。この点、本実施形態では、携帯電話20が接続された接続端子46A〜46C、即ち携帯電話20の設置位置を特定することにより、携帯電話20の撮像部23によって車外を撮像可能であるか否かが判定される。そのため、携帯電話20の撮像部23によって車外を撮像可能であるか否かを容易に判定することができる。
【0071】
(7)携帯電話20を補助情報表示モードに設定すると、ナビ用ディスプレイ32に表示される地図に連続する地図を端末用ディスプレイ24に表示させるための地図情報が、携帯電話20に送信される。その結果、端末用ディスプレイ24には、ナビ用ディスプレイ32に表示される地図に連続する地図が表示される。すなわち、ナビ用ディスプレイ32に表示させる地図の縮尺を変更させなくても、車両の乗員に、より広範囲の地図を提供することができる。
【0072】
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、補助情報表示モードに設定された携帯電話20には、ナビ用ディスプレイ32に表示される地図よりも広範囲の地図を端末用ディスプレイ24に表示させるための地図情報を送信してもよい。
【0073】
・実施形態において、補助情報表示モードに設定された携帯電話20には、ナビゲーション処理を補助するための画像に関する情報であれば、地図情報以外の他の情報を送信してもよい。例えば、自車両の現在位置から目的地までのエネルギの消費量推定値を特定するための補助情報を、ナビゲーション装置30から携帯電話20に送信させてもよい。この場合、携帯電話20の端末用ディスプレイ24には、上記エネルギの消費量推定値が表示される。なお、ここでいうエネルギとは、ガソリンなどの化石燃料を使用して走行する車両の場合には「化石燃料」が相当し、電気自動車の場合には「電力」に相当する。
【0074】
また、例えば、目的地までに有料道路を使用する場合には、有料道路の使用料金を特定するための補助情報を、ナビゲーション装置30から携帯電話20に送信させてもよい。この場合、携帯電話20の端末用ディスプレイ24には、上記有料道路の使用料金が表示される。
【0075】
・実施形態において、ナビゲーション装置30は、図11に示すように、表示装置31がダッシュボード60上に設置される所謂オンボードタイプのナビゲーション装置であってもよい。この場合、撮像可能位置P1は、表示装置31上とされる。また、撮像不能位置P2は、表示装置31の側方とされる。撮像不能位置P2に携帯電話20が設置された場合には、車両の前方を撮像したとしても、携帯電話20で撮像された画像の大部分は、自車両のボンネットとなってしまう。
【0076】
・実施形態において、第1の接続端子46Aを、ルームミラー61の下側に設置してもよい。
・実施形態において、撮像可能位置P1は、車両の前方を撮像可能な位置であれば、表示装置31の上方に限らず、他の任意の位置(例えば、表示装置31よりも助手席に近い位置)であってもよい。ただし、撮像可能位置P1は、該撮像可能位置P1に設置された携帯電話20の端末用ディスプレイ24に表示される画像が車両の乗員に視認できる位置であることが好ましい。
【0077】
・実施形態において、ナビゲーション装置30と携帯電話20との通信は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
・実施形態において、複数の交通情報を提供可能である旨がナビゲーション装置30で受信された場合、各交通情報を受信し、該各交通情報に含まれる各撮像データを携帯電話20で順番に再生させてもよい。
【0078】
・実施形態において、交通情報は、撮像に要した撮像時間Tsを特定するための撮像時間情報を含まないデータ構成であってもよい。この場合、交通情報を情報管理サーバー50に送信した車両では、自身で撮像した撮像データの撮像時間Tsよりも長時間の撮像時間を撮像に要した撮像データを、情報管理サーバー50から受信することができるようになる。また、情報管理サーバー50では、交通情報を送信した車両に送信する交通情報を選択する場合には、上記(条件1)〜(条件5)のうち(条件5)を除いてもよい。
【0079】
・実施形態において、撮像時間情報を、ナビゲーション装置30ではなく、携帯電話20で取得してもよい。この場合、携帯電話20で取得した撮像データを含む交通情報を情報管理サーバー50に送信させる場合、ナビゲーション装置30から携帯電話20に撮像時間情報を送信させなくてもよい。
【0080】
・実施形態において、情報管理サーバー50は、交通情報取得部55を備えない構成であってもよい。この場合、情報管理サーバー50では、交通情報を送信した車両に送信する交通情報を選択する場合には、上記(条件1)(条件2)(条件4)(条件5)を満たす交通情報が選択される。
【0081】
・実施形態において、携帯電話20で現在位置を特定するための位置情報を取得可能である場合、ナビゲーション装置30から携帯電話20に位置情報を送信させなくてもよい。この場合、情報管理サーバー50に送信する交通情報を構成する位置情報は、携帯電話20で取得された情報である。
【0082】
・実施形態において、時刻情報を、ナビゲーション装置30ではなく、携帯電話20で取得してもよい。この場合、携帯電話20で取得した撮像データを含む交通情報を情報管理サーバー50に送信させる場合、ナビゲーション装置30から携帯電話20に時刻情報を送信させなくてもよい。
【0083】
・実施形態において、車両側から情報管理サーバー50に送信される交通情報は、時刻情報を含まない構成であってもよい。この場合、情報管理サーバー50では、交通情報を受信した時刻から規定時間を減算した時刻以降に、他の車両から送信されてきた交通情報が選択され、該交通情報が自車両に送信される。
【0084】
・実施形態において、交通情報取得モードに設定された携帯電話20で撮像データが取得された場合に、ナビゲーション装置30は、携帯電話20に対して撮像データを要求してもよい。そして、ナビゲーション装置30は、携帯電話20から受信した撮像データを含む交通情報を生成し、該交通情報を情報管理サーバー50に送信してもよい。
【0085】
・実施形態において、情報管理サーバー50は、選択した交通情報のうち撮像データを携帯電話20に送信し、撮像データ以外の他の情報(位置情報、時刻情報、撮像時間情報など)をナビゲーション装置30に送信するようにしてもよい。
【0086】
・実施形態において、情報管理サーバー50は、選択した交通情報をナビゲーション装置30に送信する一方で、携帯電話20には送信しなくてもよい。この場合、ナビゲーション装置30は、受信した交通情報に含まれる撮像データを携帯電話20に送信する。そして、携帯電話20では、ナビゲーション装置30から受信した撮像データが再生される。
【0087】
・実施形態において、ナビゲーション装置30では、情報管理サーバー50から受信した交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像をナビ用ディスプレイ32に表示させるようにしてもよい。この場合、情報管理サーバー50は、携帯電話20に交通情報を送信しなくてもよい。
【0088】
・実施形態において、ナビゲーション装置30で目的地までのルートが探索済みである場合、車両側から情報管理サーバー50に送信する交通情報には、上記ルートを特定するためのルート情報を含ませてもよい。この場合、情報管理サーバー50では、交通情報を送信してきた車両の進行方向又は進行予定方向を容易に推測することができる。その結果、車両の運転手に対して、目的地までの運転に有益な情報を提供できる確率が高くなる。
【0089】
・実施形態において、情報管理サーバー50は、選択した交通情報を携帯電話20に送信する一方で、ナビゲーション装置30には送信しなくてもよい。この場合、携帯電話20は、交通情報を受信すると、その旨をナビゲーション装置30に送信する。これにより、ナビゲーション装置30は、交通情報の受信が携帯電話20で完了したことを認識できる。そして、携帯電話20では、交通情報に含まれる撮像データが再生される。なお、携帯電話20での撮像データの再生開始のタイミングを、ナビゲーション装置30で図ってもよい。
【0090】
・実施形態において、交通情報取得モードに設定された携帯電話20での撮像に要する撮像時間Tsは、予め設定された所定時間(例えば、5分)であってもよい。この場合、携帯電話20での撮像が開始されてからの経過時間が所定時間になった時点で、携帯電話20での撮像が自動的に終了される。
【0091】
・実施形態において、交通情報取得モードに設定された携帯電話20では、動画ではなく静止画に基づく撮像データを取得してもよい。
・実施形態において、交通情報取得モードに設定された携帯電話20は、該携帯電話20の操作部25での乗員の操作を契機に、録画開始及び録画終了を行ってもよい。
【0092】
・実施形態において、第1の接続端子46Aに第1の携帯電話が接続されると共に、第2の接続端子46B(又は第3の接続端子46C)に第2の携帯電話が接続されることがある。この場合、第1の携帯電話を交通情報取得モードに設定し、第2の携帯電話を補助情報表示モードに設定してもよい。そして、第1の携帯電話と連携して交通情報を情報管理サーバー50に送信し、他の車両で取得された交通情報を情報管理サーバー50から受信するようにしてもよい。また同時に、第2の携帯電話に地図情報を送信して、該第2の携帯電話の端末用ディスプレイ24に地図を表示させるようにしてもよい。
【0093】
・情報管理サーバー50では、情報記憶部53に記憶される交通情報が車両の乗員に選択された場合、該交通情報が選択された回数を、情報管理サーバー50に送信した車両単位で計数してもよい。そして、回数が基準回数(例えば10回)を超えた車両に対しては、交通情報を送信してきていないタイミングであっても、交通情報を提供可能である旨を送信させてもよい。
【0094】
このように構成すると、他の車両にとって有益となる交通情報を多く提供した車両に対して、より多くの交通情報を提供できるようになる。そのため、有益な交通情報をより多く情報管理サーバー50から提供されたい乗員は、より多くの交通情報を情報管理サーバー50に送信する。その結果、情報管理サーバー50の情報記憶部53には、より多くの交通情報が記憶されるようになる。したがって、車両の乗員に提供できる交通情報の選択肢を増やすことができる。
【0095】
・携帯電話20にインストールされるアプリケーションソフトには、車両前方を撮像した画像に基づき、車両をレーン(車線)の中央で走行させることを補助するためのレーンキープのアプリケーションソフトがある。こうしたアプリケーションソフトがインストールされた携帯電話20では、交通情報取得モードに設定された場合に、レーンキープのアプリケーションソフトを起動させてもよい。この場合、情報管理サーバー50と連携させなくても、車両を運転する運転手に対して、運転時に有益な情報を提供することができる。
【0096】
・実施形態において、携帯型の情報端末は、撮像機能及び表示機能を有すると共にナビゲーション装置30と通信可能な端末であれば、携帯電話以外の他の情報端末(例えば、電子カメラ)であってもよい。
【0097】
・実施形態において、撮像手段は、車両に予め設けられた車載カメラであってもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)目的地までの経路を案内するナビゲーション処理を行う車両のナビゲーション装置であって、
撮像手段によって車外が撮像された場合に、該撮像手段によって撮像された画像に基づく撮像データを含む交通情報を、車外の情報管理サーバーに送信する送信制御手段と、
前記送信制御手段による交通情報の送信後に、前記情報管理サーバーから他の車両で取得された撮像データを含む交通情報を受信し、該交通情報に基づいた情報報知処理を行う報知制御手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【0098】
(ロ)目的地までの経路を案内するナビゲーション処理を車載のナビゲーション装置に行わせるためのナビゲーション方法であって、
撮像手段によって車外が撮像された場合に、該撮像手段によって撮像された画像に基づく撮像データを含む交通情報を、車外の情報管理サーバーに送信させるステップと、
交通情報の送信後に、前記情報管理サーバーから他の車両で取得された撮像データを含む交通情報を受信した場合に、該交通情報に含まれる撮像データを再生させるステップと、を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【0099】
(ハ)目的地までの経路を含んだ地図を表示する表示装置と、
前記補助情報表示モードに設定された情報端末に対して、前記表示装置に表示される地図に連続する地図を前記表示手段に表示させるための地図情報を送信し、該表示手段に地図を表示させる表示制御手段と、をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【0100】
(ニ)前記第1の設定ステップで前記交通情報取得モードに設定した情報端末で取得された撮像データを含む交通情報を情報管理サーバーに送信させる送信ステップと、
前記送信ステップ後に、他の車両で取得された撮像データを含む交通情報を前記情報管理サーバーから受信し、該交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像を、前記ナビゲーション装置の表示装置及び前記情報端末の表示手段の少なくとも一方に表示させる表示ステップと、を有することを特徴とするナビゲーション方法。
【符号の説明】
【0101】
20…情報端末の一例としての携帯電話、23…撮像手段の一例としての撮像部、24…表示手段の一例としての端末用ディスプレイ、30…ナビゲーション装置、31…表示装置、42…位置取得手段、撮像時間取得手段を構成するナビ制御部(撮像判定手段、第1の設定手段、第2の設定手段、送信制御手段、報知制御手段、表示制御手段)、43…位置取得手段を構成する位置検出部、50…情報管理サーバー、51…交通情報選択手段、サーバー制御手段の一例としてのサーバー制御部、52…通信手段の一例としてのサーバー用通信部、53…交通情報記憶手段の一例としての情報記憶部、60…ダッシュボード、Ts…撮像時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像するための撮像手段及び画像を表示するための表示手段を有する情報端末と通信可能であると共に、目的地までの経路を案内するナビゲーション処理を行う車両のナビゲーション装置であって、
車内の規定位置に情報端末が設置された場合に、該情報端末の前記撮像手段による車外の撮像が可能であるか否かを判定する撮像判定手段と、
前記撮像判定手段によって前記撮像手段で車外を撮像可能であると判定された場合に、前記情報端末を、前記撮像手段に車外を撮像させ、該撮像に基づく画像データを交通情報として取得させるための交通情報取得モードに設定する第1の設定手段と、
前記撮像手段で車外を撮像可能ではないと判定された場合に、前記情報端末を、前記ナビゲーション処理を補助するための補助情報に基づいた表示処理を前記表示手段に行わせるための補助情報表示モードに設定する第2の設定手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記撮像判定手段は、車内において車両のダッシュボードよりも上方に設定された位置に前記情報端末が配置された場合には該情報端末の撮像手段で車外を撮像可能であると判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記交通情報取得モードに設定された情報端末で取得された撮像データを含む交通情報を情報管理サーバーに送信させる送信制御手段と、
前記送信制御手段による交通情報の送信後に、前記情報管理サーバーから他の車両で取得された交通情報を受信し、該交通情報に基づいた情報報知処理を行う報知制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
自車両の位置を特定するための位置情報を取得する位置取得手段と、
前記交通情報取得モードに設定された情報端末の前記撮像手段の撮像に要した撮像時間を特定するための撮像時間情報を取得する撮像時間取得手段と、をさらに備え、
前記送信制御手段は、前記交通情報取得モードに設定された情報端末で取得された撮像データと、前記各取得手段によって取得された位置情報及び撮像時間情報とを含む交通情報を前記情報管理サーバーに送信させ、
前記報知制御手段は、前記送信制御手段によって送信された交通情報に含まれる位置情報が示す位置及び撮像時間情報が示す撮像時間に基づいて前記情報管理サーバーが選択した交通情報が受信された場合に、該交通情報に含まれる撮像データに基づいた画像を前記情報端末の前記表示手段に表示させる前記情報報知処理を行うことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
車両に搭載されるナビゲーション装置、及び該ナビゲーション装置と通信可能であると共に撮像機能を有する情報端末のうち少なくとも一方と通信する通信手段と、
前記通信手段によって受信された交通情報であって、且つ前記車両の車内から車外を前記情報端末で撮像したことにより取得された撮像データ、撮像した位置を特定するための位置情報及び撮像に要した撮像時間を特定するための撮像時間情報を含む交通情報を記憶する交通情報記憶手段と、
前記通信手段によって交通情報が受信された場合に、該交通情報に含まれる位置情報が示す位置と、撮像時間情報が示す撮像時間とに基づいて、前記交通情報記憶手段に記憶される複数の交通情報の中から少なくとも1つの交通情報を選択する交通情報選択手段と、
前記交通情報選択手段によって選択された交通情報を、前記車両に搭載されるナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と通信可能な情報端末のうち少なくとも一方に前記通信手段から送信させるサーバー制御手段と、を備えることを特徴とする情報管理サーバー。
【請求項6】
前記交通情報選択手段は、撮像時間が、前記通信手段によって受信された交通情報に含まれる撮像時間情報が示す撮像時間以下となる撮像データを含む交通情報を選択することを特徴とする請求項5に記載の情報管理サーバー。
【請求項7】
前記交通情報選択手段は、交通渋滞の発生している道路区間での撮像に基づいた撮像データを含む交通情報を選択することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の情報管理サーバー。
【請求項8】
画像を撮像するための撮像手段及び画像を表示するための表示手段を有する情報端末と通信する車載のナビゲーション装置にナビゲーション処理を行わせるためのナビゲーション方法であって、
車内の規定位置に情報端末が設置された場合に、該情報端末の前記撮像手段による車外の撮像が可能であるか否かを判定させる撮像判定ステップと、
前記撮像判定ステップで、前記撮像手段で車外を撮像可能であると判定した場合に、前記情報端末を、前記撮像手段に車外を撮像させ、該撮像に基づく画像データを交通情報として取得させるための交通情報取得モードに設定させる第1の設定ステップと、
前記撮像判定ステップで、前記撮像手段で車外を撮像可能ではないと判定した場合に、前記情報端末を、目的地までの経路を案内するナビゲーション処理を補助するための補助情報に基づいた表示処理を行わせるための補助情報表示モードに設定させる第2の設定ステップと、を有することを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−145376(P2012−145376A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2363(P2011−2363)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】