ナビゲーション装置、プログラムおよび表示方法
【課題】 本発明の目的は、地図の視認性をなるべく低下させないで、周囲の施設の存在をより容易に把握できるナビゲーション技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手段と、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手段と、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手段で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【解決手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手段と、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手段と、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手段で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、周辺に存在する施設について、当該施設の看板やロゴマーク等のアイコンを地図上に重畳させて表示させる技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−175056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなナビゲーション装置は、表示画面に大量のアイコンを表示させる必要がある地域等においては、アイコンにより自車周辺の地図の視認性が劣る場合がある。例えば、とくに広域表示になるほどアイコンの密集度が高くなり、アイコンに隠されてしまうために自車周辺の地図情報を見づらくなる。
【0005】
本発明の目的は、地図の視認性をなるべく低下させないで、周囲の施設の存在をより容易に把握できるナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手段と、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手段と、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手段で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るナビゲーション装置のプログラムは、前記ナビゲーション装置が制御手段と、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記制御手段に対して、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得ステップと、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出ステップと、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出ステップで抽出した施設のアイコン図形を表示する表示ステップと、を実施させ、前記表示ステップでは、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るナビゲーション装置の表示方法は、前記ナビゲーション装置が、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段を備え、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手順と、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手順と、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手順で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手順と、を実行し、前記表示手順においては、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、地図の視認性をなるべく低下させないで、周囲の施設の存在をより容易に把握できるナビゲーション技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、施設情報テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、演算処理部の機能構成図である。
【図5】図5は、アイコン表示処理のフロー図である。
【図6】図6は、アイコン表示処理の画面表示例である。
【図7】図7は、アイコン指定処理のフロー図である。
【図8】図8は、アイコン指定処理の画面表示例である。
【図9】図9は、アイコンメニュー処理のフロー図である。
【図10】図10は、アイコン表示処理の画面表示の第一の変形例である。
【図11】図11は、アイコン表示処理の画面表示の第二の変形例である。
【図12】図12は、アイコン表示処理の画面表示の第三の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーション装置について、図面を参照して説明する。図1に、ナビゲーション装置100の概要構成図を示す。ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報とを示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。
【0012】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。
【0013】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0014】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ出力する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)と、を結ぶ最適な経路(推奨経路という)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いて使用者を誘導するための誘導情報を生成し、生成した誘導情報をスピーカ42やディスプレイ2に出力する。また、演算処理部1は、後述するように、ディスプレイ2の画面上に周囲の施設を示すアイコンを表示させるための処理を行う。
【0015】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0016】
ディスプレイ2は、文字や画像の表示を行うための画面を備え、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を前記画面上に表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0017】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、施設ごとに施設の詳細な情報や当該施設に対応付けられたアイコン画像情報等が格納される施設情報テーブル300と、が記憶されている。
【0018】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0019】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0020】
図3は、施設情報テーブル300の構成を示す図である。施設情報テーブル300は、施設を特定する情報である施設IDと、施設IDに対応付けられた施設の詳細な情報と、を格納する。具体的には、施設の詳細な情報には、施設名311と、住所312と、電話番号313と、座標位置314と、表示アイコン315と、の情報を含む。
【0021】
施設ID301には、施設を特定する識別子が格納される。例えば、施設ID301には、チェーン展開している店舗等については、当該店舗に店舗単位で対応付けられた識別子が格納される。つまり、同一チェーンの店舗であっても、異なる店舗については異なる施設として識別子が対応付けられて格納される。
【0022】
施設名311には、施設IDに対応付けられた施設の名称が格納される。例えば、店舗の名称や商号等である。また、住所312には、施設の住所が格納される。また、電話番号313には、施設に連絡を行うことのできる電話番号が格納される。例えば、施設の代表番号等である。また、座標位置314には、施設の座標(緯度経度情報)情報が格納される。また、表示アイコン315には、施設のロゴマークや看板等、施設を識別するための標章を示す画像が格納される。なお、表示アイコン315は、施設固有の商号等を含むアイコンであってもよいし、資本関係等のグループを特定するアイコンであってもよい。
【0023】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0024】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2の画面上に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0025】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0026】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0027】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0028】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0029】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、施設抽出部104と、アイコン表示エリア生成部105と、アイコン操作受付部106と、を備える。
【0030】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ7、8、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地および車両の向きを特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、GPS受信装置9で受信したGPS情報に含まれる現在時刻を出力する。また、主制御部101は、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地と、を結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、推奨経路から逸脱しないよう、誘導情報を生成し、出力処理部103へ出力する。また、主制御部101は、実施コマンドに対応する処理を各処理部から受け付けて、対応する処理を行う。また、主制御部101は、各処理部からの要求に応じて、画面上にて表示する施設のアイコンの数を含むアイコンの表示に関する情報を出力する。
【0031】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理が実行されるように、受け付けた要求内容を主制御部101に出力する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、受け付けた推奨経路の探索要求を主制御部101へ出力する。
【0032】
出力処理部103は、例えば表示させるための地図情報を主制御部101等を含む他の処理部から受け取り、ディスプレイ2の画面上に描画するためのグラフィックス情報に変換してディスプレイ2に対して画面上に描画する指示を出力する。また、出力処理部103は、例えば音声情報等を主制御部101等の他の処理部から受け取り、スピーカ42に対して音声出力する指示を行う。
【0033】
施設抽出部104は、ナビゲーション装置100の現在地を基準として、周辺の施設の抽出を行う。具体的には、施設抽出部104は、現在地から所定の距離内(例えば、500m以内)にある施設を、座標位置314を用いて施設情報テーブル300から抽出する。また、抽出した施設について、現在地から近い順にリスト化する。なお、施設抽出部104は、現在地に限らず、使用者から指定された地点を基準として周辺の施設の抽出を行うようにしてもよい。また、施設抽出部104は、現在地から所定の距離以上かつ所定の距離未満の領域に含まれる施設を、施設の座標位置314を用いて抽出するようにしてもよい。なお、施設抽出部104は、現在地から所定の距離内に存在するアイコン表示対象の施設を施設情報テーブル300から抽出すると、現在地からの距離が近い施設から順に並べたリストをRAM22上に生成する。
【0034】
アイコン表示エリア生成部105は、ディスプレイ2の画面上に表示される地図情報に重畳するアイコン情報が所定の条件を満たした場合に、地図上に重畳するアイコンを整理して表示するアイコン表示エリアを構成する情報を生成する。アイコン表示エリアは、後述するように、現在地および進行方向を基準として施設が存在する方向に応じて施設のアイコンを表示するための表示エリアである。なお、アイコン表示エリアを構成する情報を生成する条件は、例えば、ディスプレイ2の画面上に表示する施設のアイコン数が、所定の閾値(例えば30)を越えることとする。また、アイコン表示エリアは、一列にアイコンが並べられた帯状の形状を構成し、現在地周辺の地図情報の表示を阻害しない位置・態様により表示される。上記の処理をより詳細に説明すると、まず、アイコン表示エリア生成部105は、画面上にて表示する施設のアイコンの数を主制御部101から取得する処理を行う。より具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、主制御部101に対して、表示対象の地図上に表示させるアイコンの数を問い合わせて、当該アイコンの数を取得する。また、アイコン表示エリア生成部105は、表示させるアイコンの数が、所定の数を越えているか否かを判定する。なお、所定の数は、例えば予め定められた固定値(例えば「30」)であってもよいし、表示する地図の縮尺に応じて定められた値(例えば、広域表示であるほど小さな値が定められる等。)であってもよい。また、アイコン表示エリア生成部105は、施設抽出部104が作成したリストの順に従って、施設を一つ判定対象として取得する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象施設について座標位置314を取得し、自車の現在の正面方向を基準として当該施設の左右の方向を判定する。施設が右側にある場合、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、右側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する。施設が右側に無い場合、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、左側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する。
【0035】
アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリアに表示された施設のアイコンに対する操作を、入力受付部102が受け付けた情報に従って受け付ける。例えば、入力受付部102がアイコンの選択を受け付けると、受け付けた指示の内容が主制御部101に出力され、主制御部101において指示内容が判定される。指示内容がアイコンの指定であると判定されると、主制御部101は、アイコン操作受付部106に当該指示を出力する。
【0036】
アイコン操作受付部106は、後述するアイコン指定処理においては、入力された指示に従い、指示されたアイコンに該当する施設を、地図上の指示された施設が存在する位置にアイコン表示させる。また、アイコン操作受付部106は、アイコン指定処理においては、指定された施設について、目的地あるいは経由地として指定するよう指示を受け付けると、推奨経路が設定されている場合には経由地として設定し、そうでない場合には目的地として設定する。
【0037】
アイコン操作受付部106は、後述するアイコンメニュー処理においては、選択されたアイコンと同種のアイコンを除くアイコンをアイコン表示エリアに表示させないようにする。より具体的には、まず、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー用アイコン421にてアイコン指定の指示を受け付ける。アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー用アイコン421への入力指示を受け付けると、さらに、いずれかの施設アイコンの指定を受け付ける。次に、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420に表示されているアイコンのうち、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコン以外のアイコン表示を消去するよう、出力処理部103へ指示する。例えば、指定を受け付けた施設アイコンが「商号Aのコンビニエンスストア」であった場合、アイコン操作受付部106は、商号がAであるコンビニエンスストア以外の他の施設のアイコンを、アイコン表示エリア420から消去するよう、出力処理部103へ指示する。そして、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420を再表示するよう、出力処理部103へ指示を出力する。そして、出力処理部103は、当該内容を表示するためのグラフィックス情報を生成してディスプレイ2の画面上に描画を行う。つまり、商号にAを有するコンビニエンスストアは、アイコン表示エリア420に表示されたままとなる。そして、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー処理を終了させる。
【0038】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、施設抽出部104、アイコン表示エリア生成部105、アイコン操作受付部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。また、ROM23、記憶装置3またはROM装置6には、当該プログラムが格納されている。
【0039】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
[動作の説明]
【0040】
次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図5は、ナビゲーション装置100のアイコン表示処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が起動すると、開始される。また、アイコン表示処理の終了後に所定の時間が経過すると、再度開始される。
【0041】
まず、主制御部101は、現在地と、進行方向を特定する(ステップS001)。具体的には、主制御部101は、マップマッチング処理等を行って現在地および車両の向きを特定する。そして、主制御部101は、アイコン表示エリア生成部105と、施設抽出部104と、出力処理部103と、入力受付部102等に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0042】
アイコン表示エリア生成部105は、画面上にて表示する施設のアイコンの数を取得する(ステップS002)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、主制御部101に対して、表示対象の地図上に表示させるアイコンの数を問い合わせて、当該アイコンの数を取得する。主制御部101は、問い合わせに応じて、ディスプレイ2の画面上に表示させる対象となっている施設のアイコンの数を出力する。
【0043】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、表示させるアイコンの数が、所定の数を越えているか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS002にて取得したアイコンの数が、所定の数(所定の閾値)を越えているか否かを判定する。なお、所定の数は、例えば予め定められた固定値(例えば「30」)であってもよいし、表示する地図の縮尺に応じて定められた値(例えば、広域表示であるほど小さな値が定められる等。)であってもよい。
【0044】
アイコンの数が、所定の数を越えていない場合(ステップS003にて「No」)、アイコン表示エリア生成部105は、処理をステップS001に戻す。
【0045】
アイコンの数が、所定の数を越えている場合(ステップS003にて「Yes」)、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン表示エリアの表示用情報をRAM22上に生成する(ステップS004)。
【0046】
次に、施設抽出部104は、所定距離内の施設を抽出して、距離が近い順にリスト化する(ステップS005)。具体的には、施設抽出部104は、現在地から所定の距離内(例えば500m以内)に存在するアイコン表示対象の施設を施設情報テーブル300から抽出し、現在地からの距離が近い施設から順に並べたリストをRAM22上に生成する。
【0047】
そして、アイコン表示エリア生成部105は、リストの順に従って、施設を一つ判定対象として取得する(ステップS006)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS005にて生成したリストの順に従って、施設を一つ選択し、当該施設の情報を施設情報テーブル300から取得する。
【0048】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象施設について自車の現在の正面方向を基準として当該施設の左右の方向を判定する(ステップS007)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS006にて取得した判定対象の施設について、座標位置314を取得し、自車の正面の方向を主制御部101に問い合わせて、当該施設の座標位置が自車の右側にあるのか、左側にあるのか、を判定する。
【0049】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象の施設が自車の右側にあるか否かを判定する(ステップS008)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS007において判定した方向が右側であるか否かを判定する。すなわち、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン図形を現在地からみた方向を判定するといえる。
【0050】
施設が右側にない場合(ステップS008にて「No」)、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、左側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する(ステップS009)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象の施設の表示アイコン315を特定して、ステップS005にてRAM22上に生成した左側のアイコン表示エリアの表示対象として格納する。その際、アイコン表示エリア生成部105は、左側のアイコン表示エリアのうち、右側すなわち中央寄りの位置から順に判定対象の施設のアイコン情報を表示対象として配置する。なお、すでに表示対象とされたアイコン情報がある場合には、その左側に隣接する位置に配置する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS011に処理を進める。
【0051】
施設が右側にある場合(ステップS008にて「Yes」)、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、右側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する(ステップS010)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象の施設の表示アイコン315を特定して、ステップS005にてRAM22上に生成した右側のアイコン表示エリアの表示対象として格納する。その際、アイコン表示エリア生成部105は、右側のアイコン表示エリアのうち、左側すなわち中央寄りの位置から順に判定対象の施設のアイコン情報を表示対象として配置する。なお、すでに表示対象とされたアイコン情報がある場合には、その右側に隣接する位置に配置する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS011に処理を進める。
【0052】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象とした施設は、リスト上最後の施設であるか否かを判定する(ステップS011)。
【0053】
判定対象がリスト上最後の施設でない場合(ステップS011にて「No」)、アイコン表示エリア生成部105は、処理をステップS006に戻して、別の施設について配置位置を特定する。
【0054】
判定対象がリスト上最後の施設である場合(ステップS011にて「Yes」)、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン表示エリアを生成し、ディスプレイ2の画面上に表示させる(ステップS12)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、作成したアイコン表示エリアを出力処理部103に受け渡して、ディスプレイ2の画面上に表示させる。すなわち、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン図形を現在地からみた方向に応じて配置して表示するアイコン表示エリアを生成するといえる。
【0055】
図6は、ステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面400の例を示す図である。画面400は、地図情報表示エリア410と、アイコン表示エリア420と、を備える。地図情報表示領域410には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク411が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。
【0056】
アイコン表示エリア420は、地図情報表示エリア410の下側に設けられて表示される帯状の領域である。例えば、アイコン表示エリア420は、ディスプレイ2の画面表示領域のうち、略四分の一以下の表示面積となるように配置される。アイコン表示エリア420には、横一列に各種の表示アイコンが表示される。表示アイコンには、中央に配置されるアイコンメニュー用アイコン421と、左端および右端に表示されるスクロール用アイコン423Lおよび423Rと、アイコン表示エリア420の左側部分を構成するエリアに配置される複数(例えば、4つ)の施設アイコン422Lと、アイコン表示エリア420の右側部分を構成するエリアに配置される複数(例えば、4つ)の施設アイコン422Rと、が含まれる。なお、左端のスクロール用アイコン423Lまたは右端のスクロール用アイコン423Rへの入力指示がなされると、次の処理がなされる。アイコン表示エリア生成部105は、アイコン表示エリアの左側部分を構成するエリアに配置される施設アイコン422Lをスクロールさせて、未表示の(表示されている施設アイコンよりも更に左側または右側に配置されるべき)施設アイコンを表示させるように出力処理部103に指示を行う。これにより、アイコン表示エリア420がスクロールされる。また、アイコンメニュー用アイコン421への入力指示がなされると、主制御部101は、後述するアイコンメニュー処理を開始させる。また、各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、後述するアイコン指定処理を開始させる。
【0057】
以上が、アイコン表示処理の処理内容である。上記のアイコン表示処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、自車位置の周辺にある施設のアイコンを表示させる事によって地図情報が隠されてしまう程度を軽減することができる。さらに、施設のアイコンが自車の向きの右側と左側とに分かれて表示されるため、立ち寄り易い施設(例えば、日本では進行方向の左側にある施設)を直感的に把握することができる。
【0058】
図7は、アイコン指定処理の処理内容を示すフロー図である。このフローは、アイコン表示処理により表示されたアイコン表示エリアに施設アイコンが既に表示されている状態において、施設アイコンについて入力受付部102が入力指示を受け付け、主制御部101が処理を開始させることにより開始される。
【0059】
まず、アイコン操作受付部106は、指定された施設について、施設アイコンを地図上で存在する位置に表示させる(ステップS101)。具体的には、アイコン操作受付部106は、入力指示を受け付けた施設アイコンを特定し、特定した施設アイコンに該当する施設を施設情報テーブル300から特定する。そして、アイコン操作受付部106は、特定した施設の位置を特定し、表示する地図上の当該施設が存在する位置にアイコンを重畳させて表示させる。さらに、アイコン操作受付部106は、指定された施設の詳細の情報と、施設へ立ち寄るための経路案内を開始するための指示を受け付ける表示を行うよう出力処理部103に指示し、出力処理部103は、ディスプレイ2に当該表示を出力する。そして、主制御部101は、アイコン操作受付部106と、出力処理部103と、入力受付部102等と、に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0060】
図8は、ステップS101の処理の結果、出力処理部103が構成した画面400の変化例を示す図である。図8において表示される画面400は、上記アイコン表示処理にて説明した画面とほぼ同様の構成であるが、一部異なっている。以下、その相違点を中心に説明する。画面400の地図情報表示エリア410には、指定された施設のアイコン412と、当該施設の詳細な情報を表示する詳細情報表示窓413と、が表示されている。施設のアイコン412は、アイコン表示エリア420の左側の表示エリアに配置された施設アイコン422Lのうち、指定入力を受け付けたアイコンに対応する施設のアイコンである。施設のアイコン412は、当該施設の座標位置により特定される地図上の位置に表示される。また、詳細情報表示窓413には、選択された施設の施設名と、施設の住所と、施設の電話番号と、現在地から施設までの距離と、経路案内指示受付ボタン414と、が表示される。詳細情報表示窓413に表示される施設名と、住所と、電話番号とは、アイコン操作受付部106が施設情報テーブル300から取得して表示する。また、現在地から施設までの距離は、アイコン操作受付部106が、主制御部101に依頼して、現在地の座標情報と、当該施設の座標位置314と、に基づいて算出する。また、経路案内指示受付ボタン414には、「ここへ行く」等のキャプションが表示され、アイコン操作受付部106は、入力受付部102が、タッチパネル51から、使用者による経路案内指示受付ボタン414への指示入力を受け付けて、主制御部101へ入力された情報を出力し、主制御部101から当該情報を得ることにより、経路案内指示受付ボタン414への指示入力を受け付けることが可能である。
【0061】
次に、アイコン操作受付部106は、指定された施設について、目的地に設定するか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、アイコン操作受付部106は、入力指示を受け付けた施設アイコンについて、経路案内指示受付ボタン414にて指示入力を受け付けたか否かを判定する。アイコン操作受付部106は、指示入力を受け付けた場合には、目的地に設定するものとし、指示入力を受け付けなかった場合には、目的地に設定しないものとする。
【0062】
目的地に設定しない場合(ステップS102において「No」)、アイコン操作受付部106は、アイコン指定処理を終了させる。例えば、アイコン操作受付部106は、所定の時間(例えば20秒)が経過しても、指示入力を受け付けなかった場合には、施設のアイコン412と、詳細情報表示窓413と、の表示を削除して、アイコン表示処理を終了させる。
【0063】
目的地に設定する場合(ステップS102において「Yes」)、アイコン操作受付部106は、指定された施設を目的地または経由地として設定する(ステップS103)。具体的には、アイコン操作受付部106は、主制御部101に対して、推奨経路が設定されている場合には指定された施設を経由地として設定するように指示し、推奨経路が設定されていない場合には指定された施設を目的地として設定するように指示する。
【0064】
そして、主制御部101は、経路を探索して推奨経路として設定し、経路誘導を行う(ステップS104)。具体的には、主制御部101は、ステップS103にて設定された目的地あるいは経由地を含むように、推奨経路を探索し、探索した結果得られた推奨経路を用いて経路誘導を開始する。そして、アイコン操作受付部106は、施設のアイコン412と、詳細情報表示窓413と、の表示を削除するよう出力処理部103に指示して、アイコン表示処理を終了させる。
【0065】
以上が、アイコン指定処理の処理内容である。上記のアイコン指定処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、既に表示されているアイコンのうち、使用者が指定したアイコンの施設の位置を地図上に表示することができるため、使用者は当該施設へ向うか否かを判断することができる。また、当該施設へ向う場合には、使用者は当該施設へ向う旨のボタン操作を行うだけで、簡易に当該施設までの推奨経路の誘導を受けることができる。
【0066】
図9は、アイコンメニュー処理の処理内容を示すフロー図である。このフローは、アイコン表示処理により表示されたアイコン表示エリア420にアイコンが表示されている状態において、アイコンメニュー用アイコン421について入力受付部102が入力指示を受け付け、主制御部101が処理を開始することにより開始される。
【0067】
まず、入力受付部102が、アイコンメニュー用アイコン421について、タッチパネル51から、使用者によるアイコン指定の指示を受け付けると、主制御部101に当該指示の情報を出力し、主制御部101はアイコン操作受付部106に当該指示の情報を出力する(ステップS201)。そして、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー用アイコン421への入力指示を受け付けると、さらに、いずれかの施設アイコンの指定を受け付ける。そして、主制御部101は、アイコン操作受付部106と、出力処理部103と、入力受付部102等に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0068】
まず、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420に表示されているアイコンのうち、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコン以外のアイコン表示を消去するよう、出力処理部103へ指示する(ステップS202)。例えば、ステップS201にて受け付けた施設アイコンが「商号Aのコンビニエンスストア」であった場合、アイコン操作受付部106は、商号がAであるコンビニエンスストア以外の他の施設のアイコンを、アイコン表示エリア420から消去するよう、出力処理部103へ指示する。そして、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420を再表示するよう、出力処理部103へ指示を出力する。そして、出力処理部103は、当該内容を表示するためのグラフィックス情報を生成してディスプレイ2の画面上に描画を行う。つまり、商号にAを有するコンビニエンスストアは、アイコン表示エリア420に表示されたままとなる。そして、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー処理を終了させる。
【0069】
以上が、アイコンメニュー処理の処理内容である。上記のアイコンメニュー処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、アイコンを表示する対象の施設を、使用者が指定したアイコンの施設と同類の施設に絞ることができる。このため、使用者は、自分が所望する施設を容易に特定することができるようになる。
【0070】
以上、本発明に係る第一の実施形態に基づいて説明した。本発明に係る第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100の使用者は、自車位置の周辺の地図情報の視認を阻害されることなく、周辺の施設の存在を容易に把握することができるようになる。特に、広域表示の際には自車位置の周辺の地図をアイコンに隠されてしまうことなく、地図の把握と周辺施設の把握とを両立させることができる。
【0071】
なお、第一の実施形態においては、アイコン表示処理のステップS012の実施後に、アイコン表示処理のステップS001に処理を戻すようにしてもよい。このようにすることで、車両の現在地の変化に応じてアイコン表示エリアに表示させる施設アイコンを変更することが可能となるため、施設の位置をより把握し易くなる。
【0072】
また、第一の実施形態において、アイコン表示処理のステップS005において所定距離内の施設を距離順にリスト化しているが、これに限られない。例えば、施設アイコンの表示数に応じて、所定距離を変化させるようにしてもよい。すなわち、施設アイコンの表示数が多い場合には、所定距離を短く設定し、表示する対象の施設を搾り込むようにしてもよい。このようにすることで、表示する施設が多すぎて使用者の混乱を招くおそれを回避することができる。
【0073】
また、第一の実施形態において、アイコン表示処理のステップS005において所定距離内の施設を距離順にリスト化しているが、これに限られない。例えば、距離順ではなく、施設名称の昇順(日本であればあいうえお順、英語であればアルファベット順等)にリスト化することとしてもよい。このようにすることで、施設名称が分かっている場合に、当該施設のアイコンをスクロール表示させることが容易になる。
【0074】
次に、第一の実施形態における表示画面の変形例について説明する。図10は、本発明に係る第一の実施形態における画面400の変形例である画面500の一例を示す図である。図10は、アイコン表示処理におけるステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面500の例を示す図である。画面500は、地図情報表示エリア510と、地図情報表示エリア510の左右端に設けられた帯状のアイコン表示エリアを備える。地図情報表示領域510には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク511が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。アイコン表示エリアは、地図情報表示エリア510の左端上方に位置する左上エリア520ULと、地図情報表示エリア510の左端下方に位置する左下エリア520DLと、地図情報表示エリア510の右端上方に位置する右上エリア520URと、地図情報表示エリア510の右端下方に位置する右下エリア520DRと、により構成される。
【0075】
各アイコン表示エリア520UL、520DL、520UR、520DRには、それぞれ、縦一列に各種の表示アイコンが表示される。各アイコン表示エリアの表示アイコンには、上端または下端に表示されるスクロール用アイコン523UL、523DL、523UR、523DR、および各アイコン表示エリアを構成するエリアに配置される複数(例えば、各3つ)の施設アイコン522UL522DL、522UR、522DRと、が含まれる。なお、上端又は下端の各スクロール用アイコン523UL、523DL、523UR、523DRへの入力指示がなされると、アイコン表示エリア生成部105は、各アイコン表示エリアに配置される施設アイコン522UL、522DL、522UR、522DRをスクロールさせて、未表示の施設アイコンを表示させる。各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、受け付けた指示に応じて、上述したアイコンメニュー処理またはアイコン指定処理を開始させる。
【0076】
このような画面500を表示するために、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS007において、施設について自車の左右のみならず前後についても判定する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS008において、施設の前後左右方向を判定し、ステップS009およびステップS010に代えて、判定した方向に応じて各アイコン表示エリアに施設アイコンを配置させる処理を行う。
【0077】
以上が、第一の実施形態における表示画面の変形例の一例である。このように変形することで、施設の前後方向の位置を容易に把握できるため、使用者はさらに容易に目的の施設を発見できるようになる。
【0078】
次に、第一の実施形態における表示画面の第二の変形例について説明する。図11は、本発明に係る第一の実施形態における画面400の第二の変形例である画面600の一例を示す図である。図11は、アイコン表示処理におけるステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面600の例を示す図である。画面600は、地図情報表示エリア610と、地図情報表示エリア610の周囲に帯状に設けられたアイコン表示エリア620を備える。地図情報表示領域610には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク611が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。アイコン表示エリア620は、地図情報表示エリア610の外周を囲うように構成される。
【0079】
アイコン表示エリア620には、自車の方向からみた方向に各種の表示アイコンが表示される。各アイコン表示エリアの表示アイコンには、施設アイコン622が含まれる。各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、受け付けた指示に応じて、上述したアイコンメニュー処理またはアイコン指定処理を開始させる。
【0080】
このような画面600を表示するために、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS007において、施設について自車の左右のみならず、自車の正面を基準とした方向についても判定する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS008において、施設の方向を判定し、ステップS009およびステップS010に代えて、判定した方向に応じてアイコン表示エリア620の所定の位置に施設アイコンを配置させる処理を行う。
【0081】
以上が、第一の実施形態における表示画面の第二の変形例である。このように変形することで、施設の位置をより容易に把握できるため、使用者はさらに容易に目的の施設を発見できるようになる。
【0082】
次に、第一の実施形態における表示画面の第三の変形例について説明する。図12は、本発明に係る第一の実施形態における画面400の第三の変形例である画面700の一例を示す図である。図12は、アイコン表示処理におけるステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面700の例を示す図である。画面700は、地図情報表示エリア710と、地図情報表示エリア710に設けられた透過するよう重畳された帯状のアイコン表示エリア720を備える。アイコン表示エリア720は、帯状の表示領域によって全体として円弧状となるよう構成される。地図情報表示領域710には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク711が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。アイコン表示エリア720は、地図情報表示エリア710に重畳され、地図情報表示エリア710を透過可能な円弧状の帯状の図形によって構成される。なお、アイコン表示エリア720の外側の領域には、所定の位置(例えば、画面上方と、画面左上方と、画面右上方)にスクロールボタン723が構成される。
【0083】
アイコン表示エリア720には、自車の方向基準とする方向に各種の表示アイコンが重畳されて表示される。アイコン表示エリア720の表示アイコンには、施設アイコン722が含まれる。アイコン表示エリア720に表示される表示アイコンは、車両の現在地から所定距離の範囲に含まれる施設のアイコンが、当該施設の方向に応じて配置されたものである。例えば、車両からの距離が50mから200mまでである施設のアイコンが、車両の正面方向を画面上方向とする方向に対応するように配置される。なお、各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、受け付けた指示に応じて、上述したアイコンメニュー処理またはアイコン指定処理を開始させる。また、スクロールボタン723への入力指示がなされると、アイコン表示エリア生成部105は、表示対象となる施設を特定するための車両の現在地からの距離の範囲の変更を受け付ける。例えば、表示対象の施設が、車両からの距離が50mから200mまでである場合に、スクロールボタン723の入力を受け付けると、車両からの距離が200mから500mまでの施設を表示対象の施設とするように設定が変更され、アイコン表示エリア生成部105は施設を再抽出する。
【0084】
このような画面700を表示するために、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS005において、所定距離内の施設ではなく、所定の範囲内の施設を距離順にリスト化する。また、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS007において、施設について自車の左右のみならず、自車の正面を基準とした方向についても判定する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS008において、施設の方向を判定し、ステップS009およびステップS010に代えて、判定した方向に応じてアイコン表示エリア720の所定の位置に施設アイコンを配置させる処理を行う。
【0085】
以上が、第一の実施形態における表示画面の第三の変形例である。このように変形することで、施設の位置と距離感をより容易に把握できるため、使用者はさらに容易に目的の施設を発見できるようになる。
【0086】
さらに、上記の第三の変形例においては、アイコン表示エリア720を所定の方向に分割して、分割した方向に対応するスクロールボタン723を配置することとしてもよい。その際、スクロールボタン723への入力がなされると、アイコン表示エリア生成部105は、対応付けられた方向の施設の抽出する範囲のみを変更するようにしてもよい。このようにすることで、例えば類似の施設を探す際に、アイコン表示エリア生成部105は、方向ごとにスクロールさせることが可能となり、すなわち方向ごとに施設までの距離の遠近を判断することができる(正面方向のコンビニエンスストアAよりも左前方向のコンビニエンスストアAの方が近い範囲にある、等。)。
【0087】
また、上記の第一の変形例、第二の変形例および第三の変形例においては、自車よりも後方向にある施設アイコンを表示しないようにしてもよい。すなわち、アイコン表示エリア生成部105は、自車からみた方向において後方のエリアを除いてアイコン表示エリアを生成するようにしてもよい。例えば、第一の変形例においては、地図情報表示エリア510の左端下方に位置する左下エリア520DLと、地図情報表示エリア510の右端下方に位置する右下エリア520DRと、を表示しないようにしてもよい。また、第二の変形例においては、地図情報表示エリア610の周囲に設けられたアイコン表示エリア620の画面の下半分に属する領域を表示しないようにしてもよい。同様に、第三の変形例においては、地図情報表示エリア710に重畳され、地図情報表示エリア710を透過可能な円弧の帯状の図形であるアイコン表示エリア720のうち、画面の下半分に属する領域を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遠回りとなるために使用者が立ち寄る可能性の低い施設の表示を抑制することができ、使用者はより容易に有益な施設を探索しやすくなる。
【0088】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、第一の実施形態のアイコン表示処理においては、表示するアイコンの数が多くなるとアイコン表示領域を表示させるようにしているが、これに限られず、施設アイコンが重なって表示される場合にアイコン表示領域を表示させるようにしてもよい。このようにすることで、施設アイコン同士の重なり合いによる施設アイコンの視認性の低下を避けることができるようになり、使用者は施設の存在を把握しやすくなる。
【0089】
また、例えば、第一の実施形態のアイコンメニュー処理のステップS202においては、アイコン操作受付部106は、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンのみが、アイコン表示エリア420に表示されるように、出力処理部103へ指示するようにしているが、これに限られない。例えば、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンと、指定を受け付けた施設アイコンに対応付けられない施設のアイコンと、を共に表示させつつ、アイコン操作受付部106は、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンを強調表示させてもよい。具体的には、アイコン操作受付部106は、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンを、目立つように、例えば点滅させたり、ハイライト表示することにより、強調させて表示させるようにしてもよい。つまり、商号にAを有するコンビニエンスストアは、アイコン表示エリア420に表示された他のアイコンよりもより見やすく表示されるようにしてもよい。このようにすることで、使用者は他のアイコンと比較しつつ指定した種類と同一種類のアイコンを把握することが可能となる。
【0090】
また、上記第一の実施形態のアイコン表示処理においては、所定の距離内または所定の距離範囲内に存在する施設を対象としてアイコン表示エリアにアイコンを配置しているが、これに限られない。例えば、推奨経路が設定されている場合には、アイコン表示エリアに配置する施設を当該推奨経路に沿った施設に限定して表示させるようにしてもよい。このようにすることで、推奨経路から大きく外れた施設へ立ち寄ってしまうことを避けることができるようになり、使用者はより効率のよい施設の利用を判断可能となる。なお、もちろん、これらの変形例において示した各技術を種々組み合わせてもよい。
【0091】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、移動体の経路案内を行う装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・施設抽出部、105・・・アイコン表示エリア生成部、106・・・アイコン操作受付部、200・・・リンクテーブル、300・・・施設情報テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、周辺に存在する施設について、当該施設の看板やロゴマーク等のアイコンを地図上に重畳させて表示させる技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−175056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなナビゲーション装置は、表示画面に大量のアイコンを表示させる必要がある地域等においては、アイコンにより自車周辺の地図の視認性が劣る場合がある。例えば、とくに広域表示になるほどアイコンの密集度が高くなり、アイコンに隠されてしまうために自車周辺の地図情報を見づらくなる。
【0005】
本発明の目的は、地図の視認性をなるべく低下させないで、周囲の施設の存在をより容易に把握できるナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手段と、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手段と、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手段で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るナビゲーション装置のプログラムは、前記ナビゲーション装置が制御手段と、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記制御手段に対して、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得ステップと、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出ステップと、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出ステップで抽出した施設のアイコン図形を表示する表示ステップと、を実施させ、前記表示ステップでは、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るナビゲーション装置の表示方法は、前記ナビゲーション装置が、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段を備え、移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手順と、前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手順と、画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手順で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手順と、を実行し、前記表示手順においては、前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、地図の視認性をなるべく低下させないで、周囲の施設の存在をより容易に把握できるナビゲーション技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、施設情報テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、演算処理部の機能構成図である。
【図5】図5は、アイコン表示処理のフロー図である。
【図6】図6は、アイコン表示処理の画面表示例である。
【図7】図7は、アイコン指定処理のフロー図である。
【図8】図8は、アイコン指定処理の画面表示例である。
【図9】図9は、アイコンメニュー処理のフロー図である。
【図10】図10は、アイコン表示処理の画面表示の第一の変形例である。
【図11】図11は、アイコン表示処理の画面表示の第二の変形例である。
【図12】図12は、アイコン表示処理の画面表示の第三の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーション装置について、図面を参照して説明する。図1に、ナビゲーション装置100の概要構成図を示す。ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報とを示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。
【0012】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。
【0013】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0014】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ出力する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)と、を結ぶ最適な経路(推奨経路という)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いて使用者を誘導するための誘導情報を生成し、生成した誘導情報をスピーカ42やディスプレイ2に出力する。また、演算処理部1は、後述するように、ディスプレイ2の画面上に周囲の施設を示すアイコンを表示させるための処理を行う。
【0015】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0016】
ディスプレイ2は、文字や画像の表示を行うための画面を備え、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を前記画面上に表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0017】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、施設ごとに施設の詳細な情報や当該施設に対応付けられたアイコン画像情報等が格納される施設情報テーブル300と、が記憶されている。
【0018】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0019】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0020】
図3は、施設情報テーブル300の構成を示す図である。施設情報テーブル300は、施設を特定する情報である施設IDと、施設IDに対応付けられた施設の詳細な情報と、を格納する。具体的には、施設の詳細な情報には、施設名311と、住所312と、電話番号313と、座標位置314と、表示アイコン315と、の情報を含む。
【0021】
施設ID301には、施設を特定する識別子が格納される。例えば、施設ID301には、チェーン展開している店舗等については、当該店舗に店舗単位で対応付けられた識別子が格納される。つまり、同一チェーンの店舗であっても、異なる店舗については異なる施設として識別子が対応付けられて格納される。
【0022】
施設名311には、施設IDに対応付けられた施設の名称が格納される。例えば、店舗の名称や商号等である。また、住所312には、施設の住所が格納される。また、電話番号313には、施設に連絡を行うことのできる電話番号が格納される。例えば、施設の代表番号等である。また、座標位置314には、施設の座標(緯度経度情報)情報が格納される。また、表示アイコン315には、施設のロゴマークや看板等、施設を識別するための標章を示す画像が格納される。なお、表示アイコン315は、施設固有の商号等を含むアイコンであってもよいし、資本関係等のグループを特定するアイコンであってもよい。
【0023】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0024】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2の画面上に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0025】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0026】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0027】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0028】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0029】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、施設抽出部104と、アイコン表示エリア生成部105と、アイコン操作受付部106と、を備える。
【0030】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ7、8、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地および車両の向きを特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、GPS受信装置9で受信したGPS情報に含まれる現在時刻を出力する。また、主制御部101は、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地と、を結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、推奨経路から逸脱しないよう、誘導情報を生成し、出力処理部103へ出力する。また、主制御部101は、実施コマンドに対応する処理を各処理部から受け付けて、対応する処理を行う。また、主制御部101は、各処理部からの要求に応じて、画面上にて表示する施設のアイコンの数を含むアイコンの表示に関する情報を出力する。
【0031】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理が実行されるように、受け付けた要求内容を主制御部101に出力する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、受け付けた推奨経路の探索要求を主制御部101へ出力する。
【0032】
出力処理部103は、例えば表示させるための地図情報を主制御部101等を含む他の処理部から受け取り、ディスプレイ2の画面上に描画するためのグラフィックス情報に変換してディスプレイ2に対して画面上に描画する指示を出力する。また、出力処理部103は、例えば音声情報等を主制御部101等の他の処理部から受け取り、スピーカ42に対して音声出力する指示を行う。
【0033】
施設抽出部104は、ナビゲーション装置100の現在地を基準として、周辺の施設の抽出を行う。具体的には、施設抽出部104は、現在地から所定の距離内(例えば、500m以内)にある施設を、座標位置314を用いて施設情報テーブル300から抽出する。また、抽出した施設について、現在地から近い順にリスト化する。なお、施設抽出部104は、現在地に限らず、使用者から指定された地点を基準として周辺の施設の抽出を行うようにしてもよい。また、施設抽出部104は、現在地から所定の距離以上かつ所定の距離未満の領域に含まれる施設を、施設の座標位置314を用いて抽出するようにしてもよい。なお、施設抽出部104は、現在地から所定の距離内に存在するアイコン表示対象の施設を施設情報テーブル300から抽出すると、現在地からの距離が近い施設から順に並べたリストをRAM22上に生成する。
【0034】
アイコン表示エリア生成部105は、ディスプレイ2の画面上に表示される地図情報に重畳するアイコン情報が所定の条件を満たした場合に、地図上に重畳するアイコンを整理して表示するアイコン表示エリアを構成する情報を生成する。アイコン表示エリアは、後述するように、現在地および進行方向を基準として施設が存在する方向に応じて施設のアイコンを表示するための表示エリアである。なお、アイコン表示エリアを構成する情報を生成する条件は、例えば、ディスプレイ2の画面上に表示する施設のアイコン数が、所定の閾値(例えば30)を越えることとする。また、アイコン表示エリアは、一列にアイコンが並べられた帯状の形状を構成し、現在地周辺の地図情報の表示を阻害しない位置・態様により表示される。上記の処理をより詳細に説明すると、まず、アイコン表示エリア生成部105は、画面上にて表示する施設のアイコンの数を主制御部101から取得する処理を行う。より具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、主制御部101に対して、表示対象の地図上に表示させるアイコンの数を問い合わせて、当該アイコンの数を取得する。また、アイコン表示エリア生成部105は、表示させるアイコンの数が、所定の数を越えているか否かを判定する。なお、所定の数は、例えば予め定められた固定値(例えば「30」)であってもよいし、表示する地図の縮尺に応じて定められた値(例えば、広域表示であるほど小さな値が定められる等。)であってもよい。また、アイコン表示エリア生成部105は、施設抽出部104が作成したリストの順に従って、施設を一つ判定対象として取得する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象施設について座標位置314を取得し、自車の現在の正面方向を基準として当該施設の左右の方向を判定する。施設が右側にある場合、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、右側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する。施設が右側に無い場合、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、左側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する。
【0035】
アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリアに表示された施設のアイコンに対する操作を、入力受付部102が受け付けた情報に従って受け付ける。例えば、入力受付部102がアイコンの選択を受け付けると、受け付けた指示の内容が主制御部101に出力され、主制御部101において指示内容が判定される。指示内容がアイコンの指定であると判定されると、主制御部101は、アイコン操作受付部106に当該指示を出力する。
【0036】
アイコン操作受付部106は、後述するアイコン指定処理においては、入力された指示に従い、指示されたアイコンに該当する施設を、地図上の指示された施設が存在する位置にアイコン表示させる。また、アイコン操作受付部106は、アイコン指定処理においては、指定された施設について、目的地あるいは経由地として指定するよう指示を受け付けると、推奨経路が設定されている場合には経由地として設定し、そうでない場合には目的地として設定する。
【0037】
アイコン操作受付部106は、後述するアイコンメニュー処理においては、選択されたアイコンと同種のアイコンを除くアイコンをアイコン表示エリアに表示させないようにする。より具体的には、まず、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー用アイコン421にてアイコン指定の指示を受け付ける。アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー用アイコン421への入力指示を受け付けると、さらに、いずれかの施設アイコンの指定を受け付ける。次に、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420に表示されているアイコンのうち、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコン以外のアイコン表示を消去するよう、出力処理部103へ指示する。例えば、指定を受け付けた施設アイコンが「商号Aのコンビニエンスストア」であった場合、アイコン操作受付部106は、商号がAであるコンビニエンスストア以外の他の施設のアイコンを、アイコン表示エリア420から消去するよう、出力処理部103へ指示する。そして、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420を再表示するよう、出力処理部103へ指示を出力する。そして、出力処理部103は、当該内容を表示するためのグラフィックス情報を生成してディスプレイ2の画面上に描画を行う。つまり、商号にAを有するコンビニエンスストアは、アイコン表示エリア420に表示されたままとなる。そして、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー処理を終了させる。
【0038】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、施設抽出部104、アイコン表示エリア生成部105、アイコン操作受付部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。また、ROM23、記憶装置3またはROM装置6には、当該プログラムが格納されている。
【0039】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
[動作の説明]
【0040】
次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図5は、ナビゲーション装置100のアイコン表示処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が起動すると、開始される。また、アイコン表示処理の終了後に所定の時間が経過すると、再度開始される。
【0041】
まず、主制御部101は、現在地と、進行方向を特定する(ステップS001)。具体的には、主制御部101は、マップマッチング処理等を行って現在地および車両の向きを特定する。そして、主制御部101は、アイコン表示エリア生成部105と、施設抽出部104と、出力処理部103と、入力受付部102等に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0042】
アイコン表示エリア生成部105は、画面上にて表示する施設のアイコンの数を取得する(ステップS002)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、主制御部101に対して、表示対象の地図上に表示させるアイコンの数を問い合わせて、当該アイコンの数を取得する。主制御部101は、問い合わせに応じて、ディスプレイ2の画面上に表示させる対象となっている施設のアイコンの数を出力する。
【0043】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、表示させるアイコンの数が、所定の数を越えているか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS002にて取得したアイコンの数が、所定の数(所定の閾値)を越えているか否かを判定する。なお、所定の数は、例えば予め定められた固定値(例えば「30」)であってもよいし、表示する地図の縮尺に応じて定められた値(例えば、広域表示であるほど小さな値が定められる等。)であってもよい。
【0044】
アイコンの数が、所定の数を越えていない場合(ステップS003にて「No」)、アイコン表示エリア生成部105は、処理をステップS001に戻す。
【0045】
アイコンの数が、所定の数を越えている場合(ステップS003にて「Yes」)、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン表示エリアの表示用情報をRAM22上に生成する(ステップS004)。
【0046】
次に、施設抽出部104は、所定距離内の施設を抽出して、距離が近い順にリスト化する(ステップS005)。具体的には、施設抽出部104は、現在地から所定の距離内(例えば500m以内)に存在するアイコン表示対象の施設を施設情報テーブル300から抽出し、現在地からの距離が近い施設から順に並べたリストをRAM22上に生成する。
【0047】
そして、アイコン表示エリア生成部105は、リストの順に従って、施設を一つ判定対象として取得する(ステップS006)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS005にて生成したリストの順に従って、施設を一つ選択し、当該施設の情報を施設情報テーブル300から取得する。
【0048】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象施設について自車の現在の正面方向を基準として当該施設の左右の方向を判定する(ステップS007)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS006にて取得した判定対象の施設について、座標位置314を取得し、自車の正面の方向を主制御部101に問い合わせて、当該施設の座標位置が自車の右側にあるのか、左側にあるのか、を判定する。
【0049】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象の施設が自車の右側にあるか否かを判定する(ステップS008)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS007において判定した方向が右側であるか否かを判定する。すなわち、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン図形を現在地からみた方向を判定するといえる。
【0050】
施設が右側にない場合(ステップS008にて「No」)、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、左側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する(ステップS009)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象の施設の表示アイコン315を特定して、ステップS005にてRAM22上に生成した左側のアイコン表示エリアの表示対象として格納する。その際、アイコン表示エリア生成部105は、左側のアイコン表示エリアのうち、右側すなわち中央寄りの位置から順に判定対象の施設のアイコン情報を表示対象として配置する。なお、すでに表示対象とされたアイコン情報がある場合には、その左側に隣接する位置に配置する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS011に処理を進める。
【0051】
施設が右側にある場合(ステップS008にて「Yes」)、アイコン表示エリア生成部105は、対象の施設の表示アイコンを、右側のアイコン表示エリアの表示対象として配置する(ステップS010)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象の施設の表示アイコン315を特定して、ステップS005にてRAM22上に生成した右側のアイコン表示エリアの表示対象として格納する。その際、アイコン表示エリア生成部105は、右側のアイコン表示エリアのうち、左側すなわち中央寄りの位置から順に判定対象の施設のアイコン情報を表示対象として配置する。なお、すでに表示対象とされたアイコン情報がある場合には、その右側に隣接する位置に配置する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS011に処理を進める。
【0052】
次に、アイコン表示エリア生成部105は、判定対象とした施設は、リスト上最後の施設であるか否かを判定する(ステップS011)。
【0053】
判定対象がリスト上最後の施設でない場合(ステップS011にて「No」)、アイコン表示エリア生成部105は、処理をステップS006に戻して、別の施設について配置位置を特定する。
【0054】
判定対象がリスト上最後の施設である場合(ステップS011にて「Yes」)、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン表示エリアを生成し、ディスプレイ2の画面上に表示させる(ステップS12)。具体的には、アイコン表示エリア生成部105は、作成したアイコン表示エリアを出力処理部103に受け渡して、ディスプレイ2の画面上に表示させる。すなわち、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン図形を現在地からみた方向に応じて配置して表示するアイコン表示エリアを生成するといえる。
【0055】
図6は、ステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面400の例を示す図である。画面400は、地図情報表示エリア410と、アイコン表示エリア420と、を備える。地図情報表示領域410には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク411が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。
【0056】
アイコン表示エリア420は、地図情報表示エリア410の下側に設けられて表示される帯状の領域である。例えば、アイコン表示エリア420は、ディスプレイ2の画面表示領域のうち、略四分の一以下の表示面積となるように配置される。アイコン表示エリア420には、横一列に各種の表示アイコンが表示される。表示アイコンには、中央に配置されるアイコンメニュー用アイコン421と、左端および右端に表示されるスクロール用アイコン423Lおよび423Rと、アイコン表示エリア420の左側部分を構成するエリアに配置される複数(例えば、4つ)の施設アイコン422Lと、アイコン表示エリア420の右側部分を構成するエリアに配置される複数(例えば、4つ)の施設アイコン422Rと、が含まれる。なお、左端のスクロール用アイコン423Lまたは右端のスクロール用アイコン423Rへの入力指示がなされると、次の処理がなされる。アイコン表示エリア生成部105は、アイコン表示エリアの左側部分を構成するエリアに配置される施設アイコン422Lをスクロールさせて、未表示の(表示されている施設アイコンよりも更に左側または右側に配置されるべき)施設アイコンを表示させるように出力処理部103に指示を行う。これにより、アイコン表示エリア420がスクロールされる。また、アイコンメニュー用アイコン421への入力指示がなされると、主制御部101は、後述するアイコンメニュー処理を開始させる。また、各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、後述するアイコン指定処理を開始させる。
【0057】
以上が、アイコン表示処理の処理内容である。上記のアイコン表示処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、自車位置の周辺にある施設のアイコンを表示させる事によって地図情報が隠されてしまう程度を軽減することができる。さらに、施設のアイコンが自車の向きの右側と左側とに分かれて表示されるため、立ち寄り易い施設(例えば、日本では進行方向の左側にある施設)を直感的に把握することができる。
【0058】
図7は、アイコン指定処理の処理内容を示すフロー図である。このフローは、アイコン表示処理により表示されたアイコン表示エリアに施設アイコンが既に表示されている状態において、施設アイコンについて入力受付部102が入力指示を受け付け、主制御部101が処理を開始させることにより開始される。
【0059】
まず、アイコン操作受付部106は、指定された施設について、施設アイコンを地図上で存在する位置に表示させる(ステップS101)。具体的には、アイコン操作受付部106は、入力指示を受け付けた施設アイコンを特定し、特定した施設アイコンに該当する施設を施設情報テーブル300から特定する。そして、アイコン操作受付部106は、特定した施設の位置を特定し、表示する地図上の当該施設が存在する位置にアイコンを重畳させて表示させる。さらに、アイコン操作受付部106は、指定された施設の詳細の情報と、施設へ立ち寄るための経路案内を開始するための指示を受け付ける表示を行うよう出力処理部103に指示し、出力処理部103は、ディスプレイ2に当該表示を出力する。そして、主制御部101は、アイコン操作受付部106と、出力処理部103と、入力受付部102等と、に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0060】
図8は、ステップS101の処理の結果、出力処理部103が構成した画面400の変化例を示す図である。図8において表示される画面400は、上記アイコン表示処理にて説明した画面とほぼ同様の構成であるが、一部異なっている。以下、その相違点を中心に説明する。画面400の地図情報表示エリア410には、指定された施設のアイコン412と、当該施設の詳細な情報を表示する詳細情報表示窓413と、が表示されている。施設のアイコン412は、アイコン表示エリア420の左側の表示エリアに配置された施設アイコン422Lのうち、指定入力を受け付けたアイコンに対応する施設のアイコンである。施設のアイコン412は、当該施設の座標位置により特定される地図上の位置に表示される。また、詳細情報表示窓413には、選択された施設の施設名と、施設の住所と、施設の電話番号と、現在地から施設までの距離と、経路案内指示受付ボタン414と、が表示される。詳細情報表示窓413に表示される施設名と、住所と、電話番号とは、アイコン操作受付部106が施設情報テーブル300から取得して表示する。また、現在地から施設までの距離は、アイコン操作受付部106が、主制御部101に依頼して、現在地の座標情報と、当該施設の座標位置314と、に基づいて算出する。また、経路案内指示受付ボタン414には、「ここへ行く」等のキャプションが表示され、アイコン操作受付部106は、入力受付部102が、タッチパネル51から、使用者による経路案内指示受付ボタン414への指示入力を受け付けて、主制御部101へ入力された情報を出力し、主制御部101から当該情報を得ることにより、経路案内指示受付ボタン414への指示入力を受け付けることが可能である。
【0061】
次に、アイコン操作受付部106は、指定された施設について、目的地に設定するか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、アイコン操作受付部106は、入力指示を受け付けた施設アイコンについて、経路案内指示受付ボタン414にて指示入力を受け付けたか否かを判定する。アイコン操作受付部106は、指示入力を受け付けた場合には、目的地に設定するものとし、指示入力を受け付けなかった場合には、目的地に設定しないものとする。
【0062】
目的地に設定しない場合(ステップS102において「No」)、アイコン操作受付部106は、アイコン指定処理を終了させる。例えば、アイコン操作受付部106は、所定の時間(例えば20秒)が経過しても、指示入力を受け付けなかった場合には、施設のアイコン412と、詳細情報表示窓413と、の表示を削除して、アイコン表示処理を終了させる。
【0063】
目的地に設定する場合(ステップS102において「Yes」)、アイコン操作受付部106は、指定された施設を目的地または経由地として設定する(ステップS103)。具体的には、アイコン操作受付部106は、主制御部101に対して、推奨経路が設定されている場合には指定された施設を経由地として設定するように指示し、推奨経路が設定されていない場合には指定された施設を目的地として設定するように指示する。
【0064】
そして、主制御部101は、経路を探索して推奨経路として設定し、経路誘導を行う(ステップS104)。具体的には、主制御部101は、ステップS103にて設定された目的地あるいは経由地を含むように、推奨経路を探索し、探索した結果得られた推奨経路を用いて経路誘導を開始する。そして、アイコン操作受付部106は、施設のアイコン412と、詳細情報表示窓413と、の表示を削除するよう出力処理部103に指示して、アイコン表示処理を終了させる。
【0065】
以上が、アイコン指定処理の処理内容である。上記のアイコン指定処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、既に表示されているアイコンのうち、使用者が指定したアイコンの施設の位置を地図上に表示することができるため、使用者は当該施設へ向うか否かを判断することができる。また、当該施設へ向う場合には、使用者は当該施設へ向う旨のボタン操作を行うだけで、簡易に当該施設までの推奨経路の誘導を受けることができる。
【0066】
図9は、アイコンメニュー処理の処理内容を示すフロー図である。このフローは、アイコン表示処理により表示されたアイコン表示エリア420にアイコンが表示されている状態において、アイコンメニュー用アイコン421について入力受付部102が入力指示を受け付け、主制御部101が処理を開始することにより開始される。
【0067】
まず、入力受付部102が、アイコンメニュー用アイコン421について、タッチパネル51から、使用者によるアイコン指定の指示を受け付けると、主制御部101に当該指示の情報を出力し、主制御部101はアイコン操作受付部106に当該指示の情報を出力する(ステップS201)。そして、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー用アイコン421への入力指示を受け付けると、さらに、いずれかの施設アイコンの指定を受け付ける。そして、主制御部101は、アイコン操作受付部106と、出力処理部103と、入力受付部102等に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0068】
まず、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420に表示されているアイコンのうち、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコン以外のアイコン表示を消去するよう、出力処理部103へ指示する(ステップS202)。例えば、ステップS201にて受け付けた施設アイコンが「商号Aのコンビニエンスストア」であった場合、アイコン操作受付部106は、商号がAであるコンビニエンスストア以外の他の施設のアイコンを、アイコン表示エリア420から消去するよう、出力処理部103へ指示する。そして、アイコン操作受付部106は、アイコン表示エリア420を再表示するよう、出力処理部103へ指示を出力する。そして、出力処理部103は、当該内容を表示するためのグラフィックス情報を生成してディスプレイ2の画面上に描画を行う。つまり、商号にAを有するコンビニエンスストアは、アイコン表示エリア420に表示されたままとなる。そして、アイコン操作受付部106は、アイコンメニュー処理を終了させる。
【0069】
以上が、アイコンメニュー処理の処理内容である。上記のアイコンメニュー処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、アイコンを表示する対象の施設を、使用者が指定したアイコンの施設と同類の施設に絞ることができる。このため、使用者は、自分が所望する施設を容易に特定することができるようになる。
【0070】
以上、本発明に係る第一の実施形態に基づいて説明した。本発明に係る第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100の使用者は、自車位置の周辺の地図情報の視認を阻害されることなく、周辺の施設の存在を容易に把握することができるようになる。特に、広域表示の際には自車位置の周辺の地図をアイコンに隠されてしまうことなく、地図の把握と周辺施設の把握とを両立させることができる。
【0071】
なお、第一の実施形態においては、アイコン表示処理のステップS012の実施後に、アイコン表示処理のステップS001に処理を戻すようにしてもよい。このようにすることで、車両の現在地の変化に応じてアイコン表示エリアに表示させる施設アイコンを変更することが可能となるため、施設の位置をより把握し易くなる。
【0072】
また、第一の実施形態において、アイコン表示処理のステップS005において所定距離内の施設を距離順にリスト化しているが、これに限られない。例えば、施設アイコンの表示数に応じて、所定距離を変化させるようにしてもよい。すなわち、施設アイコンの表示数が多い場合には、所定距離を短く設定し、表示する対象の施設を搾り込むようにしてもよい。このようにすることで、表示する施設が多すぎて使用者の混乱を招くおそれを回避することができる。
【0073】
また、第一の実施形態において、アイコン表示処理のステップS005において所定距離内の施設を距離順にリスト化しているが、これに限られない。例えば、距離順ではなく、施設名称の昇順(日本であればあいうえお順、英語であればアルファベット順等)にリスト化することとしてもよい。このようにすることで、施設名称が分かっている場合に、当該施設のアイコンをスクロール表示させることが容易になる。
【0074】
次に、第一の実施形態における表示画面の変形例について説明する。図10は、本発明に係る第一の実施形態における画面400の変形例である画面500の一例を示す図である。図10は、アイコン表示処理におけるステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面500の例を示す図である。画面500は、地図情報表示エリア510と、地図情報表示エリア510の左右端に設けられた帯状のアイコン表示エリアを備える。地図情報表示領域510には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク511が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。アイコン表示エリアは、地図情報表示エリア510の左端上方に位置する左上エリア520ULと、地図情報表示エリア510の左端下方に位置する左下エリア520DLと、地図情報表示エリア510の右端上方に位置する右上エリア520URと、地図情報表示エリア510の右端下方に位置する右下エリア520DRと、により構成される。
【0075】
各アイコン表示エリア520UL、520DL、520UR、520DRには、それぞれ、縦一列に各種の表示アイコンが表示される。各アイコン表示エリアの表示アイコンには、上端または下端に表示されるスクロール用アイコン523UL、523DL、523UR、523DR、および各アイコン表示エリアを構成するエリアに配置される複数(例えば、各3つ)の施設アイコン522UL522DL、522UR、522DRと、が含まれる。なお、上端又は下端の各スクロール用アイコン523UL、523DL、523UR、523DRへの入力指示がなされると、アイコン表示エリア生成部105は、各アイコン表示エリアに配置される施設アイコン522UL、522DL、522UR、522DRをスクロールさせて、未表示の施設アイコンを表示させる。各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、受け付けた指示に応じて、上述したアイコンメニュー処理またはアイコン指定処理を開始させる。
【0076】
このような画面500を表示するために、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS007において、施設について自車の左右のみならず前後についても判定する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS008において、施設の前後左右方向を判定し、ステップS009およびステップS010に代えて、判定した方向に応じて各アイコン表示エリアに施設アイコンを配置させる処理を行う。
【0077】
以上が、第一の実施形態における表示画面の変形例の一例である。このように変形することで、施設の前後方向の位置を容易に把握できるため、使用者はさらに容易に目的の施設を発見できるようになる。
【0078】
次に、第一の実施形態における表示画面の第二の変形例について説明する。図11は、本発明に係る第一の実施形態における画面400の第二の変形例である画面600の一例を示す図である。図11は、アイコン表示処理におけるステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面600の例を示す図である。画面600は、地図情報表示エリア610と、地図情報表示エリア610の周囲に帯状に設けられたアイコン表示エリア620を備える。地図情報表示領域610には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク611が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。アイコン表示エリア620は、地図情報表示エリア610の外周を囲うように構成される。
【0079】
アイコン表示エリア620には、自車の方向からみた方向に各種の表示アイコンが表示される。各アイコン表示エリアの表示アイコンには、施設アイコン622が含まれる。各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、受け付けた指示に応じて、上述したアイコンメニュー処理またはアイコン指定処理を開始させる。
【0080】
このような画面600を表示するために、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS007において、施設について自車の左右のみならず、自車の正面を基準とした方向についても判定する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS008において、施設の方向を判定し、ステップS009およびステップS010に代えて、判定した方向に応じてアイコン表示エリア620の所定の位置に施設アイコンを配置させる処理を行う。
【0081】
以上が、第一の実施形態における表示画面の第二の変形例である。このように変形することで、施設の位置をより容易に把握できるため、使用者はさらに容易に目的の施設を発見できるようになる。
【0082】
次に、第一の実施形態における表示画面の第三の変形例について説明する。図12は、本発明に係る第一の実施形態における画面400の第三の変形例である画面700の一例を示す図である。図12は、アイコン表示処理におけるステップS012の処理の結果、出力処理部103が構成した画面700の例を示す図である。画面700は、地図情報表示エリア710と、地図情報表示エリア710に設けられた透過するよう重畳された帯状のアイコン表示エリア720を備える。アイコン表示エリア720は、帯状の表示領域によって全体として円弧状となるよう構成される。地図情報表示領域710には、ほぼ画面の中央の位置に、車両の正面の向きを表すカーマーク711が表示される。また、車両の現在地に対応する位置周辺の地図情報が、所定の縮尺で表示される。アイコン表示エリア720は、地図情報表示エリア710に重畳され、地図情報表示エリア710を透過可能な円弧状の帯状の図形によって構成される。なお、アイコン表示エリア720の外側の領域には、所定の位置(例えば、画面上方と、画面左上方と、画面右上方)にスクロールボタン723が構成される。
【0083】
アイコン表示エリア720には、自車の方向基準とする方向に各種の表示アイコンが重畳されて表示される。アイコン表示エリア720の表示アイコンには、施設アイコン722が含まれる。アイコン表示エリア720に表示される表示アイコンは、車両の現在地から所定距離の範囲に含まれる施設のアイコンが、当該施設の方向に応じて配置されたものである。例えば、車両からの距離が50mから200mまでである施設のアイコンが、車両の正面方向を画面上方向とする方向に対応するように配置される。なお、各施設アイコンへの入力指示がなされると、主制御部101は、受け付けた指示に応じて、上述したアイコンメニュー処理またはアイコン指定処理を開始させる。また、スクロールボタン723への入力指示がなされると、アイコン表示エリア生成部105は、表示対象となる施設を特定するための車両の現在地からの距離の範囲の変更を受け付ける。例えば、表示対象の施設が、車両からの距離が50mから200mまでである場合に、スクロールボタン723の入力を受け付けると、車両からの距離が200mから500mまでの施設を表示対象の施設とするように設定が変更され、アイコン表示エリア生成部105は施設を再抽出する。
【0084】
このような画面700を表示するために、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS005において、所定距離内の施設ではなく、所定の範囲内の施設を距離順にリスト化する。また、アイコン表示エリア生成部105は、アイコン指定処理のステップS007において、施設について自車の左右のみならず、自車の正面を基準とした方向についても判定する。そして、アイコン表示エリア生成部105は、ステップS008において、施設の方向を判定し、ステップS009およびステップS010に代えて、判定した方向に応じてアイコン表示エリア720の所定の位置に施設アイコンを配置させる処理を行う。
【0085】
以上が、第一の実施形態における表示画面の第三の変形例である。このように変形することで、施設の位置と距離感をより容易に把握できるため、使用者はさらに容易に目的の施設を発見できるようになる。
【0086】
さらに、上記の第三の変形例においては、アイコン表示エリア720を所定の方向に分割して、分割した方向に対応するスクロールボタン723を配置することとしてもよい。その際、スクロールボタン723への入力がなされると、アイコン表示エリア生成部105は、対応付けられた方向の施設の抽出する範囲のみを変更するようにしてもよい。このようにすることで、例えば類似の施設を探す際に、アイコン表示エリア生成部105は、方向ごとにスクロールさせることが可能となり、すなわち方向ごとに施設までの距離の遠近を判断することができる(正面方向のコンビニエンスストアAよりも左前方向のコンビニエンスストアAの方が近い範囲にある、等。)。
【0087】
また、上記の第一の変形例、第二の変形例および第三の変形例においては、自車よりも後方向にある施設アイコンを表示しないようにしてもよい。すなわち、アイコン表示エリア生成部105は、自車からみた方向において後方のエリアを除いてアイコン表示エリアを生成するようにしてもよい。例えば、第一の変形例においては、地図情報表示エリア510の左端下方に位置する左下エリア520DLと、地図情報表示エリア510の右端下方に位置する右下エリア520DRと、を表示しないようにしてもよい。また、第二の変形例においては、地図情報表示エリア610の周囲に設けられたアイコン表示エリア620の画面の下半分に属する領域を表示しないようにしてもよい。同様に、第三の変形例においては、地図情報表示エリア710に重畳され、地図情報表示エリア710を透過可能な円弧の帯状の図形であるアイコン表示エリア720のうち、画面の下半分に属する領域を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遠回りとなるために使用者が立ち寄る可能性の低い施設の表示を抑制することができ、使用者はより容易に有益な施設を探索しやすくなる。
【0088】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、第一の実施形態のアイコン表示処理においては、表示するアイコンの数が多くなるとアイコン表示領域を表示させるようにしているが、これに限られず、施設アイコンが重なって表示される場合にアイコン表示領域を表示させるようにしてもよい。このようにすることで、施設アイコン同士の重なり合いによる施設アイコンの視認性の低下を避けることができるようになり、使用者は施設の存在を把握しやすくなる。
【0089】
また、例えば、第一の実施形態のアイコンメニュー処理のステップS202においては、アイコン操作受付部106は、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンのみが、アイコン表示エリア420に表示されるように、出力処理部103へ指示するようにしているが、これに限られない。例えば、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンと、指定を受け付けた施設アイコンに対応付けられない施設のアイコンと、を共に表示させつつ、アイコン操作受付部106は、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンを強調表示させてもよい。具体的には、アイコン操作受付部106は、指定を受け付けた施設アイコンと同一種類のアイコンに対応付けられた施設のアイコンを、目立つように、例えば点滅させたり、ハイライト表示することにより、強調させて表示させるようにしてもよい。つまり、商号にAを有するコンビニエンスストアは、アイコン表示エリア420に表示された他のアイコンよりもより見やすく表示されるようにしてもよい。このようにすることで、使用者は他のアイコンと比較しつつ指定した種類と同一種類のアイコンを把握することが可能となる。
【0090】
また、上記第一の実施形態のアイコン表示処理においては、所定の距離内または所定の距離範囲内に存在する施設を対象としてアイコン表示エリアにアイコンを配置しているが、これに限られない。例えば、推奨経路が設定されている場合には、アイコン表示エリアに配置する施設を当該推奨経路に沿った施設に限定して表示させるようにしてもよい。このようにすることで、推奨経路から大きく外れた施設へ立ち寄ってしまうことを避けることができるようになり、使用者はより効率のよい施設の利用を判断可能となる。なお、もちろん、これらの変形例において示した各技術を種々組み合わせてもよい。
【0091】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、移動体の経路案内を行う装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・施設抽出部、105・・・アイコン表示エリア生成部、106・・・アイコン操作受付部、200・・・リンクテーブル、300・・・施設情報テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、
移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手段と、
前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手段と、
画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手段で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手段と、を備え、
前記表示手段は、
前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、表示する地図の範囲に位置する表示対象の施設の数が所定の閾値を越えるか否かを判定し、
前記表示手段は、前記抽出手段による判定の結果、前記所定の閾値を越えない場合には、前記地図上に前記アイコン図形を重畳させて表示し、前記抽出手段による判定の結果、前記所定の閾値を越える場合には、前記アイコン表示エリアを設けて当該エリア内にアイコン図形を表示する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、前記所定の閾値を前記表示する地図の縮尺に応じた値とする、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の左右の位置関係に基づいて決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、
前記アイコン表示エリアに、現在地から前記各施設までの距離と方向とに応じて前記アイコン図形を配置する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地から前記施設までの距離が近い順に基づいて決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記アイコン表示エリアのうち、前記移動体の現在地及び方向からみた後方のエリアを除いて表示する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
入力指示を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が前記アイコン表示エリアのアイコン図形に対する指示を受け付けると、受け付けたアイコン図形に対応付けられた前記施設へ向かう推奨経路を探索する経路探索手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、前記移動体の現在地を基準として所定の範囲にある施設を前記表示対象となる施設として特定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、前記現在地から第一の所定距離以上離れ、前記第一の所定距離よりも長い第二の所定距離よりも近い範囲の施設を、前記表示対象となる施設として特定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記帯状のアイコン表示エリアとして、円弧状のエリアを生成する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
ナビゲーション装置のプログラムであって、
前記ナビゲーション装置は、
制御手段と、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、を備え、
前記制御手段に対して、
移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得ステップと、
前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出ステップと、
画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出ステップで抽出した施設のアイコン図形を表示する表示ステップと、を実施させ、
前記表示ステップでは、
前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
ナビゲーション装置の表示方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段を備え、
移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手順と、
前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手順と、
画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手順で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手順と、を実行し、
前記表示手順においては、
前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、
ことを特徴とする表示方法。
【請求項1】
地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、
移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手段と、
前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手段と、
画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手段で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手段と、を備え、
前記表示手段は、
前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、表示する地図の範囲に位置する表示対象の施設の数が所定の閾値を越えるか否かを判定し、
前記表示手段は、前記抽出手段による判定の結果、前記所定の閾値を越えない場合には、前記地図上に前記アイコン図形を重畳させて表示し、前記抽出手段による判定の結果、前記所定の閾値を越える場合には、前記アイコン表示エリアを設けて当該エリア内にアイコン図形を表示する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、前記所定の閾値を前記表示する地図の縮尺に応じた値とする、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の左右の位置関係に基づいて決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、
前記アイコン表示エリアに、現在地から前記各施設までの距離と方向とに応じて前記アイコン図形を配置する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地から前記施設までの距離が近い順に基づいて決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記アイコン表示エリアのうち、前記移動体の現在地及び方向からみた後方のエリアを除いて表示する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
入力指示を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が前記アイコン表示エリアのアイコン図形に対する指示を受け付けると、受け付けたアイコン図形に対応付けられた前記施設へ向かう推奨経路を探索する経路探索手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、前記移動体の現在地を基準として所定の範囲にある施設を前記表示対象となる施設として特定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション装置であって、
前記抽出手段は、前記現在地から第一の所定距離以上離れ、前記第一の所定距離よりも長い第二の所定距離よりも近い範囲の施設を、前記表示対象となる施設として特定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記表示手段は、前記帯状のアイコン表示エリアとして、円弧状のエリアを生成する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
ナビゲーション装置のプログラムであって、
前記ナビゲーション装置は、
制御手段と、地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段と、を備え、
前記制御手段に対して、
移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得ステップと、
前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出ステップと、
画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出ステップで抽出した施設のアイコン図形を表示する表示ステップと、を実施させ、
前記表示ステップでは、
前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
ナビゲーション装置の表示方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
地図上の施設の位置を含む施設情報を記憶する記憶手段を備え、
移動体の現在地と当該移動体の方向とを含む移動体情報を取得する移動体情報取得手順と、
前記施設情報から表示対象となる施設を抽出する抽出手順と、
画面上に、現在地周辺の地図を表示するとともに、帯状の施設アイコン表示エリアを設け、当該エリア内に前記抽出手順で抽出した施設のアイコン図形を表示する表示手順と、を実行し、
前記表示手順においては、
前記施設アイコン表示エリア内の各施設のアイコン図形の配置を、前記移動体の現在地及び方向からみた当該施設の位置に基づいて決定する、
ことを特徴とする表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−185667(P2011−185667A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49489(P2010−49489)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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