説明

ナビゲーション装置、位置情報登録方法及びプログラム

【課題】 以前の停車場所をユーザが手動で入力をしなくても済むナビゲーション装置、位置情報登録方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】 停車時間の入力があったときには停車時間の長さに応じて処理内容を変える。すなわち、停車時間が5分未満のときは、停車地点を登録することなく終了する(S103)。停車時間が5分以上15分未満のときには(S104)、停車地点を登録するか否かをユーザに確認する(S106、S107)。登録するとの指示があったときには、地点情報を取得し(S108)、地点情報及びその日時を記憶し(S109)、終了する。登録しないとの指示があったときはそのまま終了する。停車時間が15分以上のときには(S105)、地点情報を取得し(S108)、記憶部12へ地点情報及び日時を記録し(S109)、終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置の位置情報をディスプレイ画面上に表示するナビゲーション装置等に係り、より詳しくは、位置情報を活用するために保存しておくナビゲーション装置、位置情報登録方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
運転中の自動車の走行位置を自己認識する手段としてカーナビゲーション装置が用いられている。カーナビゲーション装置は、例えば道路地図データが記録された媒体であるDVDやハードディスク等を再生し、走行中の道路地図を例えば液晶ディスプレイから成る画面上に表示している。また、カーナビゲーション装置は、衛星電波を用いたGPS(全地球測位システム:Global Positioning System)や、自動車に搭載されているジャイロスコープおよび車速パルスによって逐次測位される車両位置を画面上の道路地図に重ねて表示することができる。さらには、運転者(ユーザ)は地図上に表示された自車の位置を見ることによって、走行位置を容易に認識することが可能である。
【0003】
また、カーナビゲーション装置は、目的地が設定されると、現在位置から目的地までの案内経路を探索し、道路地図を表示した画面上にその案内経路を、通常の道路色とは異なる色で表示する。そして、カーナビゲーション装置は、案内経路に従って自車が進行すべき方向を音声で運転者に指示することによって、目的地への走行案内を行うことも可能である。
このようなカーナビゲーション装置に対して目的地への走行案内を行わせる際には、ユーザは目的地をカーナビゲーション装置に手動で指定する。かかる指定を受けると、カーナビゲーション装置は、目的地までの最短経路を自動的に検索し、画面上に表示する。
【0004】
ここで、例えば、GPS受信機からの自車位置情報と自車の現在状況とにより判断された地図情報データベースに記録の案内マークデータで示される施設等の利用頻度を解析し評価して案内マーク利用頻度評価データを生成する案内マーク利用状況解析手段を備えたカーナビゲーション装置が開示されている(特許文献1参照)。この技術によれば、途中で立ち寄りたい場所の利用頻度が高ければ経路検索の際に考慮される。すなわち、この案内マーク利用状況解析手段で生成された案内マーク利用頻度評価データに従って目的地までの経路を検索することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−330456号公報(第5〜6頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以前たまたま立ち寄った場所(停車場所)にもう一度立ち寄ろうとしたときに、停車場所を手動で入力する必要があり、手間がかかってしまう。また、その停車場所をよく覚えていないときには、記憶をたどって思い出さなくてはならず、煩雑である。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、以前の停車場所をユーザが手動で入力をしなくても済むナビゲーション装置、位置情報登録方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明が適用されるナビゲーション装置は、所定の停車状態の入力があった場合にその停車時間が長いときにはその地点を自動登録するものであり、このようにすることで、ユーザにとって有益な情報のみを自動的に登録するものである。すなわち、位置情報取得手段が停車位置の位置情報を取得し、停車情報取得手段が停車位置における停車時間に関する情報を取得する。そして、記憶手段は、停車情報取得手段により取得された停車時間に関する情報から停車時間が予め定められた時間を超えていると判断される場合に位置情報取得手段により取得された位置情報を記憶する。
検索手段は、記憶手段が記憶した位置情報ごとに、位置情報を記憶した回数を検索する。また、記憶手段は、停車した地点の位置情報とともに停車に係る時間情報を記憶し、検索手段は、その時間情報に基づき位置情報を検索する。
【0009】
他の観点から捉えると、本発明が適用される位置情報登録方法は、位置情報検出ステップで車両の位置情報を検出し、計測ステップで車両が停車した停車時間を計測する。その後に、判断ステップでは、計測ステップにより計測された停車時間の長さに基づいて位置情報検出ステップにより検出された位置情報を登録するか否かを判断する。そして、判断ステップにより登録すると判断した位置情報を登録ステップで登録する。
計測ステップは、車両のアクセサリ電源がOFFからONになるまでの経過時間を停車時間として計測するようにするのが好ましい。また、計測ステップは、車両のサイドブレーキが作動してから解除されるまでの経過時間を停車時間として計測するようにしてもよい。
また、判断ステップは、計測ステップにより計測した停車時間が第1の閾値に達しないときは位置情報を登録しないと判断し、停車時間が第1の閾値よりも大きい第2の閾値に達したときは位置情報を登録すると判断するようにすることもできる。そして、停車時間が第1の閾値に達しかつ第2の閾値に達しないときには、位置情報を登録するか否かを確認ステップでユーザに確認する。
【0010】
更に本発明を別の観点から捉えると、本発明が適用されるプログラムは、車両の位置情報を取得するコンピュータ装置に、車両の停止地点での停車時間に関する情報を取得する停車情報取得機能と、停車情報取得機能により取得された停車時間に関する情報から停車時間が予め定められた時間を超えていると判断される場合に停止地点の位置情報を記憶する記憶機能とを実現させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、停車時間が所定の時間以上の場合にはその停車場所の位置情報が自動的に登録されるので、以前の停車場所をユーザが手動で入力をしなくても済むようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、例えば車に搭載されるコンピュータ装置としてのカーナビゲーション装置10及び停車時間測定装置20を示すブロック図である。
車両に搭載されたカーナビゲーション装置10は、車両からアクセサリ電源Accやパーキング信号Parking等の各種の電源や信号が供給される。また、停車時間測定装置20にも、車両からアクセサリ電源Acc等の電源や信号が供給される。カーナビゲーション装置10と停車時間測定装置20とは互いに信号を送受することができる。
【0013】
カーナビゲーション装置10は、全体の動作を制御する演算部(記憶手段、検索手段)11と、演算部11に対してデータの送受信を行う記憶部(記憶手段)12と、自車位置を検出して演算部11に出力する位置検出部(位置情報取得手段)13とを備えている。演算部11が処理した地図情報等を表示する表示部14と、音声案内を行う音声出力部15と、ユーザが各種機能の指示等を行うための操作部16と、停車時間測定装置20に対する通信を行う通信部(停車情報取得手段)17とを有する。
記憶部12は、地図情報やそれに付随する施設データ等を記憶するものであり、光ディスク装置や磁気ディスク装置などの大容量の記憶装置により構成されている。また、記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等からなる内部記憶装置としてのRAMや演算部11に所定の処理を行わせるためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)等を含む。なお、施設データには、駅等の施設、レジャー施設、宿泊施設及び公共施設等の施設のほか、小売店、デパート、レストラン等の各種の店舗、住居、マンション及び地名などに関する情報を含まれる。この施設データには、各施設の電話番号、住所、緯度及び経度等のデータが含まれる。また、施設データには、施設を示すランドマーク等を、道路情報に表示部に重ね合せて表示するためのデータも含まれる。
位置検出部13は、受信したGPS衛星からの電波に基づいて自車の位置を検出し、それを演算部11に出力するものである。また、位置検出部13は、例えばトンネル内等においてGPS衛星を用いた位置検出ができない場合に、ジャイロスコープからの信号又は車速パルスのうち少なくとも一方を利用した自律測位により自車位置を検出することもできる。
表示部14は、例えば液晶のディスプレイで構成され、位置検出部13で取得された自車位置情報と記憶部12に記憶された地図情報とを重ね合わせて表示し、現在位置を使用者に知らせるものである。
音声出力部15は、ルート案内の実行時に音声案内をするためのものである。
操作部16は、表示部14の近傍に設けられた図示しないメカスイッチや、表示部14の画面上に設けられる図示しないタッチパネルを含んでなり、ユーザは、これらのスイッチ等を用いて、各種機能の実行の指示や、目的地等の指定、表示部に表示される道路地図の縮尺の選択等の各種の入力を行うことができる。この場合、図示しないリモコンも、このスイッチ等と同等の機能を有して構成されている。
【0014】
ここで、カーナビゲーション装置10には、常時電源+B、アクセサリ電源Accおよびパーキング信号Parkingが車両から供給されている。また、カーナビゲーション装置10は、グランドGNDに接続されている。なお、常時電源+Bは、車両のエンジンキーの位置に関係なく、常時12Vが供給されるものであり、アクセサリ電源Accは、エンジンキーが「Acc」以上の位置にあるときだけ電源が供給されるものである。
また、パーキング信号Parkingは、図示しないサイドブレーキが引かれているか否かを検出するためのもので、安全のためにサイドブレーキが引かれた状態でないと操作できない制限機能に対応すべく演算部に供給されるものである。なお、パーキング信号Parkingは、図示しないインパネのパーキングランプを点灯させるためのものである。
【0015】
停車時間測定装置20は、全体の動作を制御する演算部21と、カーナビゲーション装置10へ常時電源+B及びアクセサリ電源Accが供給されているか否かを検出する電圧検出部22と、演算部21からの指示により時間を計測するタイマー部23と、演算部21に対してデータの送受信を行う記憶部24と、カーナビゲーション装置10に対する通信を行う通信部25とを有する。また、停車時間測定装置20は、常時電源+Bが車両に供給され、かつ、グランドGNDに接続されている。また、電圧検出部22は、パーキング信号Parkingも検出する。
【0016】
ここで、図2は、停車時間測定装置20における電圧検出部22が検出する電圧を説明するためのグラフである。図2の(a)は常時電源+B、(b)はアクセサリ電源Acc、(c)はパーキング信号Parkingの電圧を示すグラフであり、縦軸は電圧で横軸は時間である。
停車時間測定装置20における電圧検出部22は、図2に示すように、常時電源+Bについては常に12Vを検出し(同図の(a)参照)、アクセサリ電源Accについては、エンジンキーが「Acc」以上の位置にあるときだけ12Vを検出し、それ以外のときは0Vを検出する(同図の(b)参照)。また、パーキング信号Parkingについては、サイドブレーキが引かれているときには12Vを検出し、サイドブレーキが引かれていないときには0Vを検出する(同図の(c)参照)。
【0017】
このように構成された停車時間測定装置20において、車両より供給されるアクセサリ電源AccがOFFになったことを電圧検出部22が検出すると、その信号が演算部21に送信される。それを受信した演算部21は、タイマー部23に時間の測定開始を指示する。その後に、電圧検出部22がアクセサリ電源AccがONになったことを検出し、その信号を演算部21に送信すると、演算部21は、タイマー部23に時間の測定終了を指示し、測定した時間T1(図2の(b)参照)を記憶部24に保存させる。また、測定した時間T1は停車時間として、通信部25を介してカーナビゲーション装置10の通信部17に送信される。
カーナビゲーション装置10において、通信部17を介して停車時間を受信した演算部11は、後述するように、停車時間の長さに応じてその後の処理内容を変えている。
【0018】
次に、自動地点登録の手順について図3を用いて説明する。
図3は、カーナビゲーション装置10の演算部11が行う処理のフローチャートである。
演算部11は、停車時間測定装置20から停車時間の入力があったら(S101)、その停車時間が5分未満か、5分以上15分未満か又は15分以上かのいずれかに該当するかを判断する(S102)。このように演算部11では、停車時間の長さで自動登録する必要性を判断している。すなわち、停車時間が短ければその停車地点を自動登録しておく必要性が低く、逆に停車時間が長ければ長いほどその停車地点を自動登録しておく必要性が高いという観点で、その後の処理内容を変えている。
【0019】
停車時間が5分未満のときは、停車地点を登録することなく終了する(S103)。また、停車時間が5分以上15分未満のときには(S104)、停車地点を登録するか否かを確認するために表示部14に表示し(S106)、ユーザからの指示を待つ(S107)。操作部16を介してユーザから登録するとの指示があったときには、位置検出部13から地点情報(位置情報)を取得し(S108)、記憶部12に地点情報及びその日時を記憶し(S109)、終了する。S107においてユーザから登録しないとの指示があったときには、そのまま終了する。停車時間が15分以上のときには(S105)、ユーザに停車地点を登録するか否かの確認を行うことなく、地点情報を取得し(S108)、記憶部12へ地点情報及び日時(停車に係る時間情報)を記録し(S109)、終了する。
なお、記憶する地点情報は、経度及び緯度のほか、住所を含ませることができる。もちろん、経度及び緯度のみを記憶しておき、それを表示する際に、経度及び緯度に対応する住所を記憶部12から読み出し、その住所を表示するようにすることも考えられる。
【0020】
このように、停車時間が短ければその停車地点はユーザにとって有益ではなく、自動登録しても無意味である。すなわち、そのような停車地点の情報を自動登録すると、かえってそのデータ量が無駄になってしまうと考えて自動登録の対象から除外するようにしている。
例えば、車をとめてエンジンを切った場所がコンビニエンスストアの敷地内の場合には、単に買い物をするために立ち寄っただけであり、ユーザにとっては自動登録する必要がないものと考えられる。そのような買い物は、通常は5分未満で終わると予想することができ、仮に5分以上かかっても15分未満であれば、自動登録されることはなく、ユーザに地点登録の要否を確認するので、ユーザにとって無意味な地点が自動登録されることを防ぐことができる。
その一方で、車をとめてエンジンを切った場所が、当初は立ち寄る予定がなくたまたまその前を通ったので立ち寄ったにすぎない例えば焼き物(陶器)の店の場合に、ユーザ(運転者)やその同乗者にとって興味にある陶器が多かったり、実際に自分で陶器を作って焼いたりすれば、長い時間立ち寄ることになり、自動登録する価値が高いと考えられる。自動登録してあれば、後日その店にもう一度行こうとしても容易にたどり着くことができる。このように自動登録を行うことにより、ユーザ自身が登録をする手間を省略することができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。一定時間以上滞在した地点は必ず記録が残ることになる。
【0021】
また、地点情報とともに記憶部12に記憶される日時は、停車時間のほかに停車開始時間も含まれる。上記フローチャートに従って記憶部12に記憶された地点情報は、例えば記憶領域を異ならしめることにより、上記フローチャートとは関係なく記憶された他の地点情報とは区別できるようにしておく。
【0022】
次に、自動登録した情報の閲覧について図4〜図6を用いて説明する。
図4〜図6は、カーナビゲーション装置の表示部の表示画面を表したものである。具体的には、図4は自動登録地点検索のメニュー画面M1であり、図5はメニュー画面から日時検索を選択したときの画面M2であり、図6はメニュー画面から頻度検索を選択したときの画面M3である。
カーナビゲーション装置10の操作部16で自動登録地点検索を選択すると、図4に示すメニュー画面M1が表示部14に表示される。メニュー画面M1は、自動登録地点検索という文字M11と、選択項目としての日時検索M12及び頻度検索M13を備えている。
メニュー画面M1において日時検索M12を選択すると、図5に示すように、カレンダー領域M21と検索結果表示領域M22と地図領域M23とを有する画面M2が表示部14に表示される。カレンダー領域M21は、曜日を含む月間カレンダー形式で表示されている。
カレンダー領域M21の月間カレンダーから日にちを選択すると、検索結果表示領域M22にはその日に行った地点が過去の通算回数と共に時刻順に表示される。すなわち、1行の配置順は、左側から順に、日時と地点(住所)と通算回数(頻度)である。通算回数は、その地点に過去何回行ったかを示している。
なお、表示する地点は、住所を表示するほか、その住所に対応する施設名(例えばレストラン名)が予め登録されていた場合にはその施設名を表示することも考えられる。また、表示する通算回数について付言すると、例えば同じレストランでも駐車場所が違えば地点情報としての経度及び緯度は異なるが、その近傍であれば同一の場所と判断し、回数に加算するようにしている。
【0023】
検索結果表示領域M22で表示された地点を選択すると、その地点を含む地図が地図領域M23に表示される。このような地図を地図領域M23に表示するときに、対象となる地点をユーザが視認し易くすることが考えられる。すなわち、対象となる地点が中央になるように表示させたり、その地点を点滅させたり、その地点だけを特別な色彩で表示させたりすることが考えられる。
なお、カレンダー領域M21において、まず年間カレンダー形式で表示し、具体的な月を指定させて月間カレンダー形式で表示した後に、具体的な日にちを指定させるようにしてもよい。
【0024】
また、図4に示すメニュー画面M1において頻度検索M13を選択すると、図6に示すように、検索結果表示領域M31及び地図領域M32を有する画面M3が表示部14に表示される。具体的には、検索結果表示領域M31に頻度順に表示される。表示するアイテムは、図5の場合と同じであるが、表示位置が異なる。すなわち、1行の配置順は、左側から順に、通算回数(頻度)と地点(住所)と日時である。
検索結果表示領域M31で表示された地点を選択すると、その地点を含む地図が地図領域M32に表示される。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態では、2つの閾値を設定することにより、自動登録しない時間領域、自動登録する時間領域、及びその中間の時間領域に分けている。そして、中間の時間領域では、自動登録するか否かについてユーザの決定に委ねるようにしている。停車した地点のすべてを自動登録するとデータ量が多くなり過ぎ、また、ユーザにとっては登録してある地点を見るときには逆に見づらくなる。このため、自動登録しない時間領域とユーザに確認する時間領域を設けることで、余計な地点は残さないようにしている。
また、自動的に地点(場所)を記憶した内容を、ユーザは簡単に検索することができるように構成している。
【0026】
次に、上述した本実施の形態について次のような変形例が考えられる。
例えば、サイドブレーキが引かれてから(作動してから)サイドブレーキが解除されるまでの時間T2(図2の(c)参照)を停車時間とみなして図3のフローチャートに沿って処理することも考えられる。この場合は、アクセサリ電源Accとは関係なくエンジンがかかっていてもサイドブレーキが引かれている状態が長く続けばその地点が自動登録される。例えば、営業車両が顧客先を回るときには、サイドブレーキを引いておくだけで顧客先の地点が自動登録され、使い勝手を向上させることができる。
【0027】
また、当然ながら、アクセサリ電源AccがOFFからONに変わるまでの経過時間とサイドブレーキが引かれてから解除されるまでの経過時間とを組み合わせて自動登録するか否かの判断を行うことも考えられる。
例えば、たまたま土産物の店に立ち寄ったのだけれども、乗員の一部だけが自動車から降りて他の乗員は自動車に残っている場合には、エアコンをかけるためにエンジンを切らずに停車していることも想定される。その一方で、単にサイドブレーキが引かれてから解除されるまでの経過時間のみを停車時間とすると、例えば渋滞中にサイドブレーキを引いて待っているユーザ(ドライバ)からすると、不要な地点情報が自動登録されることになり、使い勝手の低下が懸念される。
このため、両者を組み合わせて自動登録するか否かの判断を行うようにできる。この場合には、サイドブレーキが引かれてから解除するまでの経過時間が一定時間以上の場合には、ユーザに地点登録の要否を確認することが考えられる。
【0028】
その他の変形例として、車速パルスが0になっている時間、ナビゲーション装置が検出する自車位置に変更がない時間を停車時間として自動登録するか否かの判断を行うことが考えられる。または、オートマチック車においてシフトレバーがパーキングの位置になっている時間を停車時間として自動登録するか否かの判断を行うことも考えられる。
【0029】
また、上述した本実施の形態において、自動登録しない時間領域、自動登録する時間領域、及びその中間の時間領域の各閾値をユーザが自由に設定できるように構成することも考えられる。さらには、これら3つの時間領域の任意の2つのみとすることも考えられる。すなわち、中間の時間領域を設けないで、自動登録しない時間領域及び自動登録する時間領域のみを設けたり、自動登録しない時間領域を設けないで、中間の時間領域及び自動登録する時間領域のみを設けたり、自動登録する時間領域を設けないで、自動登録しない時間領域及び中間の時間領域のみを設けたりすることである。
【0030】
また、カーナビゲーション装置10の演算部11に学習機能を持たせ、中間の時間領域についての閾値を自動的に変えることも考えられる。すなわち、ユーザに地点登録の要否を確認して地点登録をした停車時間と地点登録をしなかった停車時間とを記憶しておき、それらの傾向から閾値を自動的に変えるようにするものである。
【0031】
上述した本実施の形態では、カーナビゲーション装置10とは別に停車時間測定装置20を設けているが、停車時間測定装置20をカーナビゲーション装置10に内蔵して構成することも考えられる。
【0032】
また、自動登録した各事項ごとに、ユーザが付加情報を入力できるように構成し、その付加情報を閲覧したり、その付加情報に基づいて検索できたりするようにすることも考えられる。付加情報として、例えば、その地点に対するユーザのコメント(メモ)、その地点の施設に対する評価、その地点の種別(レストラン、友人宅等)、一緒に行った人の名前、人数又は写真等が考えられる。このような付加情報に基づいて検索できるようになれば、検索の利便性を向上させることができる。
また、自動登録した施設を行き先に設定したり、登録されている施設を地図上でマーク表示したり、その施設に近づくとユーザに知らせたりすることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】カーナビゲーション装置及び停車時間測定装置のブロック図である。
【図2】停車時間測定装置の電圧検出部の検出状態を説明するためのグラフであり、縦軸が電圧で横軸が時間である。
【図3】カーナビゲーション装置の演算部が行う処理のフローチャートである。
【図4】カーナビゲーション装置の表示部の表示画面を表した説明図である。
【図5】カーナビゲーション装置の表示部の表示画面を表した説明図である。
【図6】カーナビゲーション装置の表示部の表示画面を表した説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10…カーナビゲーション装置、11,21…演算部、12…記憶部、13…位置検出部、14…表示部、15…音声出力部、16…操作部、17,25…通信部、20…停車時間測定装置、22…電圧検出部、23…タイマー部、24…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
停車位置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記停車位置における停車時間に関する情報を取得する停車情報取得手段と、
前記停車情報取得手段により取得された停車時間に関する情報から停車時間が予め定められた時間を超えていると判断される場合に前記位置情報取得手段により取得された位置情報を記憶する記憶手段と
を含むナビゲーション装置。
【請求項2】
前記記憶手段が記憶した位置情報ごとに、当該位置情報を記憶した回数を検索する検索手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、停車した地点の位置情報とともに当該停車に係る時間情報を記憶し、
前記時間情報に基づき前記位置情報を検索する検索手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
車両の位置情報を検出する位置情報検出ステップと、
前記車両が停車した停車時間を計測する計測ステップと、
前記計測ステップにより計測された前記停車時間の長さに基づいて前記位置情報検出ステップにより検出された位置情報を登録するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより登録すると判断した前記位置情報を登録する登録ステップと
を含む位置情報登録方法。
【請求項5】
前記計測ステップは、前記車両のアクセサリ電源がOFFからONになるまでの経過時間を停車時間として計測することを特徴とする請求項4に記載の位置情報登録方法。
【請求項6】
前記計測ステップは、前記車両のサイドブレーキが作動してから解除されるまでの経過時間を停車時間として計測することを特徴とする請求項4に記載の位置情報登録方法。
【請求項7】
前記判断ステップは、前記計測ステップにより計測した停車時間が第1の閾値に達しないときは位置情報を登録しないと判断し、当該停車時間が当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値に達したときは位置情報を登録すると判断し、
前記停車時間が前記第1の閾値に達しかつ前記第2の閾値に達しないときには、位置情報を登録するか否かをユーザに確認する確認ステップを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の位置情報登録方法。
【請求項8】
車両の位置情報を取得するコンピュータ装置に、
前記車両の停止地点での停車時間に関する情報を取得する停車情報取得機能と、
前記停車情報取得機能により取得された停車時間に関する情報から停車時間が予め定められた時間を超えていると判断される場合に前記停止地点の位置情報を記憶する記憶機能と
を実現させるプログラム。
【請求項9】
前記記憶機能は、前記停車情報取得機能により取得された停車時間に関する情報から停車時間が前記予め定められた時間を超えていないと判断される場合に前記停止地点の位置情報を記憶するか否かをユーザに確認することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−30051(P2006−30051A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211245(P2004−211245)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】