ナビゲーション装置、位置決定システム及び方法
ナビゲーション装置(200)は、識別できる基地局(282,286,290)によってサポートされた無線通信ネットワーク(280)を介してデータを通信する無線通信ユニット(228)を備える。装置(200)は、使用中に、作動環境(262)をサポートするように構成された処理リソース(202)をさらに備え、作動環境(262)は、無線通信ユニット(228)によって受信できる、識別できる基地局(282,286,290)のアイデンティティの少なくともいくつかを、現在位置において無線通信ユニット(228)から受信するように構成された位置決定モジュール(268)をサポートする。位置決定モジュール(268)は複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部(214,160)にアクセスすることがでる。データ関連付けエントリの各々は、識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティと、いくつかの記憶されたアイデンティティが受信できる位置に関連付けられた位置識別子とを含む。位置決定モジュール(268)はさらに、複数のデータ関連付けエントリからいくつかの記憶されたアイデンティティに関連する現在位置を決定するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信ネットワークの基地局から通信信号を受信することができる種類のナビゲーション装置に関する。更に本発明は、例えば通信ネットワークの基地局から通信信号を受信することができる種類のナビゲーション装置を備える位置決定システムに関する。また、本発明は、例えば通信ネットワークの基地局から通信信号を受信することができる種類の位置決定方法に更に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばGPS(全地球測位システム)信号の受信及び処理機能性を含むポータブルナビゲーションデバイス(PND)であるポータブル演算デバイスは既知であり、車両搭載型又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的に、現在のPNDは、プロセッサ、メモリ及び前記メモリ内に格納された地図データを含む。プロセッサ及びメモリは、一般にソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供するように協働し、また、PNDの機能性の制御を可能にし且つ種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的なことである。
【0004】
通常、これらのデバイスは、ユーザがデバイスと対話し且つデバイスを制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、ユーザに情報を中継する1つ以上の出力インタフェースとを更に含む。出力インタフェースの例には、表示装置及び可聴出力用スピーカが含まれる。入力インタフェースの例には、オン/オフ動作又はデバイスの他の特徴を制御する1つ以上の物理ボタン(ボタンは必ずしもデバイス自体にある必要はなく、デバイスが車両に内蔵されている場合はステアリングホイール上にあってもよい)及びユーザ音声を検出するマイクが含まれる。特定の1つの構成において、出力インタフェース表示装置は、ユーザが触れることでデバイスを動作させる際に使用する入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(又はタッチセンシティブオーバレイ等を使用して)構成されてもよい。
【0005】
多くの場合、この種のデバイスは、電力及びオプションとしてデータ信号をデバイスに対して送受信する際に使用する1つ以上の物理コネクタインタフェースを含み、オプションとして、セルラ電気通信、並びに例えばBluetooth、Wi−Fi、Wi−Max、GSM及びUMTS等の他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機を含む。
【0006】
この種のPNDは、場所データを含む衛星ブロードキャスト信号を受信し且つその後デバイスの現在地を判定するために処理する際に使用するGPSアンテナを更に含む。
【0007】
PNDは、現在の角度及び直線加速度、また、GPS信号から導出された場所情報に関連して速さ、並びにデバイス及びそれが搭載される車両の相対的な変位を判定するために処理される信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような機能は車両搭載型のナビゲーションシステムに備えるのが最も一般的であるが、PNDに備えることが得策である場合にはPNDに備えてもよい。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、主に、第1の場所(一般に、出発地又は現在地)と第2の場所(一般に、目的地)との間の経路を判定する機能にある。デバイスのユーザは、多種多様な種々の方法、例えば郵便番号、道路名及び番地、以前に格納した「既知」の目的地(有名な場所、公共の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の目標地点等)、並びにお気に入りの目的地又は最近訪れた目的地のいずれかにより、これらの場所を入力できる。
【0009】
一般にPNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を算出することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は、所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度である可能性があり、選択された経路は、既存の予測された動的に且つ/又は無線で受信された交通及び道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路の選択肢を判定する要因に対する運転者自身の好みを考慮してもよい(例えば運転者は、経路が高速道路又は有料道路を含むべきでないことを指定してもよい)。
【0010】
デバイスは、道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの行程に対して経路を変更することを提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅滞を識別し、その情報を通知システムに供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、一般に、車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されてもよいが、車両のラジオの内蔵コンピュータの一部又は実際には車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーションデバイスは、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよい。これらの場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路計算及び計算経路に沿うナビゲーションの双方を実行するためにソフトウェアをデバイスにインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路が計算されると、PNDのユーザはオプションとして提案された経路のリストから所望の計算経路を選択するためにナビゲーションデバイスと対話する。オプションとして、ユーザは、例えば特定の経路、道路、場所又は基準が特定の行程に対して回避されること又は必須であることを指定することにより経路選択処理を仲介又は誘導してもよい。PNDの経路計算の側面は1つの主な機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主な機能である。
【0013】
計算経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDは、経路の終点、すなわち所望の目的地まで選択した経路に沿ってユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供するのが一般的である。また、PNDは、ナビゲーション中に画面上に地図情報を表示するのが一般的である。そのような情報は、表示された地図情報がデバイスの現在地及び従ってデバイスが車両搭載型のナビゲーションに使用されている場合はユーザの現在地又はユーザの車両の現在地を表すように画面上で定期的に更新される。
【0014】
一般に画面上に表示されたアイコンは、デバイスの現在地を示し、デバイスの現在地近傍の現在の道路及び周囲の道路の地図情報の中央に置かれ、他の地図の特徴も表示される。更にナビゲーション情報は、オプションとして表示された地図情報の上側、下側又は片側のステータスバーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例には、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離が含まれ、場合によってはその進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンで表される。更にナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する際に使用される可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを判定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は、かなりの処理及び解析を必要とする。上述したように、デバイスとのユーザ対話は、タッチスクリーンによって行われてもよく、更に又はあるいはステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の適切なあらゆる方法によって行われてもよい。
【0015】
デバイスにより提供された更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れた(偶然又は意図的に)場合、別の経路の方が適切であることをリアルタイム交通状況が指示し且つデバイスがそのような状況を自動的に認識することを適切に可能にされる場合、又はユーザが何らかの理由で能動的にデバイスに経路再計算を実行させる場合の自動経路再計算である。
【0016】
上述したように、ユーザが規定した基準で経路を計算できることも既知である。例えばユーザは、デバイスにより景色のよい経路が計算されることを好んでもよく、あるいは交通渋滞が起こる可能性が高いか、起こることが予想されるか又は現在起こっているあらゆる道路を回避することを要求してもよい。次に、デバイスのソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされた目標地点(POIとして既知である)を経路に沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路上の交通状況を示す格納情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又はそのために起こる遅滞のレベルに関して計算経路を順序付けする。更に他のPOIに基づく経路計算及びナビゲーション基準、並びに交通情報に基づく経路計算及びナビゲーション基準が可能である。
【0017】
経路計算及びナビゲーション機能はPNDの全体的な有用性に対して必須であるが、デバイスを純粋に情報表示に使用できる。すなわち、デバイスの現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路が全く計算されておらず、デバイスが現在ナビゲーションを全く実行していない「フリードライビング」用に使用できる。多くの場合、そのような動作モードは、移動するのに使用するのが望ましい経路をユーザが既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能である。
【0018】
上述のこの種のデバイス、例えばTomTom International B.V.が製造及び供給するGO930Trafficモデルは、ユーザがある位置から別の位置までナビゲートできるようにする信頼できる手段を提供する。そのようなデバイスは、ユーザがナビゲートしている目的地までの経路をよく知らない場合に非常に有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述したように、PNDの現在位置を決定するために、PNDはGPS衛星ブロードキャスト信号を用いる。しかし、衛星ブロードキャスト信号は場合によってその質が悪いため、PNDは現在位置を決定できなくなる。同様に、PNDは衛星ブロードキャスト信号を受信することができない場合があり、又は位置決定に必要な充分な数の衛星から衛星信号を受信できない場合がある。
【0020】
いわゆる「コールド・スタート」の場合(長期の不使用直後にPNDの電源が初めて入れられる場合)、現在位置を決定するためにPNDは少なくとも3つ、好ましくは4つの、地球周回軌道衛星の位置を知る必要がある。これを踏まえると、信号の質は充分であり得るが、PNDは立ち上げの際に4つの衛星の位置を最初に予測しなければならない。高度のアルゴリズムのセットが衛星の位置を計算するために一般的に用いられるが、この計算による時間遅延があり、これによるユーザへの不便を軽減させるために時間遅延は最小限に抑えることが望まれている。
【0021】
1つの知られた解決案としては、最新の衛星軌道データを含むデータファイルをダウンロードすることであるが、このデータにアクセスすることは必ずしもアクセスできるとは言えない。例えば、汎用パケット無線通信サービス(GPRS)又は他のデータサービスが、例えば車の中の移動機能によって使用されるときは、PNDそのサービスを使用できない。したがって、少なくともコールド・スタートの状況において、そして衛星ブロードキャスト信号を受信、そして処理することで位置決定ができないような位置において、現在位置を決定する代替的な手段を考案することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の第1実施形態によると、識別できる基地局によってサポートされた無線通信ネットワークを介してデータを通信する無線通信ユニットと、使用中に、作動環境をサポートするように構成された処理リソースとを備えるナビゲーション装置であって、作動環境は、無線通信ユニットによって受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを、現在位置において無線通信ユニットから受信するように構成された位置決定モジュールをサポートし、位置決定モジュールは複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部にアクセスすることができ、データ関連付けエントリの各々は、識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティと、いくつかの記憶されたアイデンティティが受信できる位置に関連付けられた位置識別子とを含み、位置決定モジュールは、複数のデータ関連付けエントリからいくつかの記憶されたアイデンティティに関連する現在位置を決定するように構成されていることを特徴とする、ナビゲーション装置が提供される。
【0023】
位置決定モジュールは、いくつかの識別できる基地局のアイデンティティと、複数のデータ関連付けエントリの1つのデータ関連付けエントリの識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティとを夫々マッチさせることを試みるように構成されてもよく、マッチが発生した場合に実質的に現在位置を識別する、識別可能な基地局のいくつかの保存されたアイデンティティに位置識別子が関連付けられてもよい。マッチは最善のマッチでもよい。
【0024】
位置決定モジュールは、いくつかの識別できる基地局のアイデンティティと、複数のデータ関連付けエントリの各々の識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティとのマッチに関して夫々の点数を計算することで、複数のデータ関連付けエントリのいくつかの各々に関してマッチの程度を夫々測定するように構成されてもよい。複数のデータ関連付けエントリのいくつかの各々の夫々の点数は、対応するいくつかの保存された識別できる基地局とマッチする受信できるいくつかのアイデンティティの数を示すものであってもよい。
【0025】
位置決定モジュールは、無線通信ユニットから夫々受信できるいくつかのアイデンティティに関連付けられた、現在位置に関するいくつかの信号強度測定値をさらに受信するように構成されてもよい。
【0026】
データ関連付けエントリの各々は、識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティに夫々関連付けられたいくつかの信号強度範囲をさらに含んでもよい。位置決定モジュールは、いくつかの信号強度測定値の夫々の信号強度測定値の境界を付けるいくつかの信号強度範囲をできるだけ多く有するデータ関連付けエントリを複数のデータ関連付けエントリからみつけることで、マッチを見つけることを試みるように構成されてもよい。
【0027】
複数のデータ関連付けエントリの1つ以上は、いくつかの信号強度測定値に関して最善のマッチを構成してもよい。
【0028】
位置決定モジュールは、1つ以上のデータ関連付けエントリの位置識別子から現在位置を計算するように構成されてもよい。位置決定モジュールは、位置識別子に関連する位置から実質的に被検位置を計算するように構成されてもよい。マッチは最善のマッチであってもよい。
【0029】
位置決定モジュールは、いくつかの信号強度測定値の夫々の信号強度測定値の境界をつけるいくつかの信号強度範囲に関して点数を計算することで、データ関連付けエントリに関して夫々のマッチの程度を測定するように構成されてもよく、夫々の点数は複数のデータ関連付けエントリの各々に対して計算されてもよい。
【0030】
最も高い点数が最善のマッチを示してもよい。位置決定モジュールは最も高い点数を見つけるように構成されてもよい。
【0031】
無線通信ネットワークはセルラ通信ネットワークであってもよい。
【0032】
無線通信ネットワークは世界的な通信傍受システム(GSM)であってもよい。代わりに、無線通信ネットワークはユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)であってもよい。
【0033】
少なくともアイデンティティは、識別できる基地局のいくつかに夫々関連する少なくともセルアイデンティティ(ID)であってもよい。
【0034】
本発明の第2の実施形態によると、先行する請求項のいずれか1項に記載のナビゲーション装置と、データ記憶部を含むサーバ装置と、を備える位置決定システムであって、ナビゲーション装置は、複数のデータ関連付けエントリにアクセスするためにサーバ装置に要求を送信するように構成されていることを特徴とする、位置決定システムが提供される。
【0035】
本発明の第3実施形態によると、無線通信を介して受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを現在位置で無線通信から受信する工程と、複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部をアクセスする工程と、複数のデータ関連付けエントリから、いくつかの保存されたアイデンティティに関連する現在位置を決定する工程とを含み、データ関連付けエントリの各々は、識別できる基地局のいくつかの保存されたアイデンティティと、いくつかの保存されたアイデンティティが受信できる位置に関連する位置識別子とを備えることを特徴とする、位置決定方法が提供される。
【0036】
本発明の第4実施形態によると、充分な位置に関連する衛星ブロードキャスト情報がない場合のナビゲーション方法であり、本発明の第3実施形態に関連して既述された方法を含む、ナビゲーション方法が提供される。
【0037】
本発明の第5実施形態によると、本発明の第3及び4実施形態に関連して既述された方法がコンピュータによって実行されるようにするコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0038】
コンピュータプログラムはコンピュータで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
次に、添付の図面を参照して、本発明の少なくとも1つの実施形態を例として説明する。
【図1】ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の例示的な一部分を示す概略図である。
【図2】ナビゲーション装置とサーバ装置との間における通信をサポートするのナビゲーションシステム及び/又はデータ収集システムを示す概略図である。
【図3】図2のナビゲーション装置又は他の適切な何らかのナビゲーション装置の電子構成要素を示す概略図である。
【図4】図2のナビゲーション装置の、世界的な移動通信(Global System for Mobile Communication;GSM)通信システムの概略図である。
【図5】図3のナビゲーション装置により採用されたアーキテクチャスタックの概略表現を示す図である。
【図6】図3のナビゲーション装置が配置されている、通信ネットワークの一部を示す概略図である。
【図7】後に来る使用のための位置関連情報を収集する方法を示すフローチャートである。
【図8】位置関連情報の記録に関して用いられ得るデータ構成の概略図である。
【図9】位置関連情報を後に来る使用のために処理する方法の流れ図である。
【図10】本発明の異なる実施形態の位置決定方法の流れ図である。
【図11】図10の方法において用いられる採点方法の流れ図である。
【図12】本発明の更に異なる実施形態の位置決定方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明において、同一の図中符号は同様の部分を識別するために使用される。
【0041】
次に、本発明の1つ以上の実施形態について、特にPNDを参照して説明する。しかし、本明細書の教示はPNDに限定されず、例えば経路計画及びナビゲーション機能性を提供するためにポータブル装置及び/又は移動装置としてナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されるどんな種類の処理装置にも例外なく適用可能であり、必ずしもこれらの装置である必要はない。従って、本明細書で示す実施形態において、ナビゲーション装置は、PND、自動車等の乗り物、あるいは実際には例えば経路計画及びナビゲーションソフトウェアを実行するポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)であるポータブル計算リソースとして実装されるか否かにかかわらず、どんな種類の経路計画及びナビゲーション装置も含むことを意図する(それに限定されない)。確かに、移動電話、スマートフォン又はそのようなものは、経路計画又はナビゲーションソフトウェアを利用せずに、そのまま用いられる。
【0042】
これを念頭において、図1のグローバル・ポジショニング・システム(GPS)及びそのようなものは、様々な用途に用いられる。一般的に、GPSは衛星−無線に基づくナビゲーションシステムであり、限定されない数のユーザに対して継続的に位置、速度、時間、及び場合によっては方向情報を測定することができる。NAVSTARと知られていたGPSは、制度が高い軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をいかなる数の受信ユニットにも中継できる。
【0043】
GPSシステムは、GPSデータを受信できるように特別に装備された装置がGPS衛星信号を見つけるために無線周波数をスキャンし始めることで実行される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は複数の異なる従来の方法の1つを用いてその衛星の正確な位置を決定する。ほとんどの場合、装置は少なくとも3つの異なる信号を獲得するまで、信号を求めてスキャンし続ける(通常2つの信号では位置の決定は不可能であるが、他の三角測定法を用いると可能になり得る)。幾何学三角測定を実行することで、受信機は3つの既知の位置を用いて衛星の位置に対する自分の2次元位置を決定する。これは周知の方法で行うことができる。追加的に、第4の信号を得ることで、同じ周知の幾何学的計算を用いて3次元位置を計算することも可能である。位置及び速度データはリアルタイムで継続的に、無制限の数のユーザによってアップデートされてもよい。
【0044】
図1に示すように、GPSシステム100は、地球104の周囲の軌道上にある複数の衛星102を含む。GPS受信機106は、多くの複数の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星データ信号108を受信する。スペクトル拡散データ信号108は、各衛星102から継続的に送信され、送信されるスペクトル拡散データ信号108の各々は、データストリームの発信源である特定の衛星102を識別する情報を含むデータストリームを含む。一般にGPS受信機106は、2次元位置を計算できるように少なくとも3つの衛星102からのスペクトル拡散データ信号108を必要とする。第4のスペクトル拡散データ信号を受信することにより、GPS受信機106は既知の技術を使用して3次元位置を計算できる。
【0045】
図2において、位置データ処理及び測定システムは、一実施形態において要望に応じて、多くの種々の構成のいずれかにより実現される通信ネットワークによりサポートされた通信チャネル152を介してサーバ150と通信できるナビゲーション装置200を含む。一般に通信チャネル152は、ナビゲーション装置200及びサーバ150を接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ150及びナビゲーション装置200は、通信チャネル152を介する接続がサーバ150とナビゲーション装置200との間で確立された時に通信できる(尚、そのような接続は、移動デバイスを介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータ(不図示)を介する直接接続等であってもよい)。
【0046】
通信チャネル152は、特定の通信設計に限定されない。更に通信チャネル152は、単一の通信設計に限定されない。すなわち、チャネル152は種々の技術を使用するいくつかの通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル152は、電気通信信号、光通信信号及び/又は電磁通信信号等のためのパスを提供するように構成される。従って、通信チャネル152は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、自由空間等のうち1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に通信チャネル152は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機などの中間デバイスを含むことができる。
【0047】
例示的な一構成において、通信チャネル152は電話及びコンピュータネットワークによりサポートされる。更に通信チャネル152は、例えば赤外線通信、マイクロ波周波数通信等の無線周波数通信である無線通信に対応できてもよい。また、必要に応じて通信チャネル152は衛星通信に対応できる。
【0048】
通信チャネル152を介して送信された通信信号は、所定の通信設計に対して要求又は要望される可能性がある信号を含むが、それに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)等のセルラ通信設計において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方は、通信チャネル152を介して送信される。これらの信号は、通信設計に対して所望されるような変調、暗号化及び/又は圧縮された信号であってもよい。
【0049】
この例において、ナビゲーション装置200は、例えばアンテナを含むか又はオプションとしてナビゲーション装置200の内蔵アンテナを使用する移動電話技術を含むことができる。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード)を含むことができる。従って、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、あらゆる無線通信対応端末と同様の方法で例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ150との間のネットワーク接続を確立できる。移動電話技術に関する更なる詳細は後で説明する。
【0050】
上述したように、例えばインターネットを使用してナビゲーション装置200(サービスプロバイダを介する)とサーバ150等の別のデバイスとの間のネットワーク接続は既知の適切な方法で確立される。この点に関して、例えばTCP/IPレイヤプロトコルであるあらゆる数の適切なデータ通信プロトコルが採用可能である。更に移動デバイスは、CDMA2000、GSM、IEEE802.11a/b/c/g/n等のあらゆる数の通信規格を利用できる。しかし、この例において、ナビゲーション装置200はGSMネットワーク内で動作するように構成されており、GSMネットワークはセルラ通信ネットワークの一例である。
【0051】
サーバ150は、図示されていない可能性のある他の構成要素に加えて、メモリ156に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続158を介して大容量データ記憶装置160に更に動作可能に接続された、処理リソースを構成するプロセッサ154を含む。大容量記憶装置160は、とりわけ、データ関連付け項目を保存する。そのデータの詳細に関しては後で述べる。大容量記憶装置160はサーバ150とは別個のデバイスであってもよく又はサーバ150に組み込まれてもよい。プロセッサ154は、通信チャネル152を介してナビゲーション装置200に対して情報を送受信するために送信機162及び受信機164に更に動作可能に接続される。送出及び受信された信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機162及び受信機164は、ナビゲーションシステムに対する通信設計において使用される通信要件及び通信設計に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機162及び受信機164は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0052】
上述したように、ナビゲーション装置200は、通信チャネル152を介してデータを送受信するために移動電話技術166を使用して通信チャネル152を介してサーバ150と通信するように構成される。尚、これらのデバイスは、例えば他のサーバ(不図示)であるサーバ150以外のデバイスと通信するために更に使用される。また、移動電話技術166は、ナビゲーションシステムに対する通信設計において使用される通信要件及び通信設計に従って選択又は設計される。当然、ナビゲーション装置200は、他のハードウェア及び/又は機能部分を含み、これらの更なる詳細については後述する。
【0053】
サーバのメモリ156に格納されたソフトウェアは、プロセッサ154に命令を提供し、サーバ150がナビゲーション装置200に位置決定サービスを提供すること及び/又は位置データ処理を行うことを可能にする。例えばサーバ装置15は、ナビゲーション装置200からのデータ関連付けエントリのアップデートの要求を処理することと、現在のデータ関連付けエントリを大容量データ記憶装置160からナビゲーション装置200に送信することとを含むサービスを提供することができる。もう1つのサービスとしては、ナビゲーション装置200からの位置決定の要求をサービスすることがある。また、サーバ150は後述のようにデータ関連付けエントリを処理することができる。これらのサービスは1つの同じサーバ装置で提供される必要はない。しかし、説明を簡単にするために、サーバ150はここではこれらの全てのサービスを提供するように説明される。位置決定サービスに関しては、サーバ150は、例えば無線チャンネルを介してナビゲーション装置200がアクセスできる、処理された位置決定データのリモートソースとして用いられてもよい。サーバ150により提供された1つのサービスは、ナビゲーション装置からの要求を処理することを含む。サーバ150は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されたネットワークサーバを含んでもよい。確かに、パーソナルコンピュータ(PC)は、サーバ150とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立するためにナビゲーション装置200とサーバ150との間に接続されてもよい。
【0054】
ナビゲーション装置200には、情報ダウンロードを介してサーバ150からの上記のような種類の情報が提供されてもよく、この情報は自動的に周期的にアップデートされてもよく、又はユーザがナビゲーション装置200をサーバ150に接続させる際にアップデートされてもよく、及び/又はサーバ150とナビゲーション装置200との間において常に又は頻繁に発生する無線接続の際により動的にアップデートされても良い。
【0055】
図3を参照すると、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含んでいるわけではなく、多くの構成要素の例のみを示す。ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。ナビゲーション装置200は、プロセッサ202を含み、プロセッサ202は、入力装置204及び例えば表示画面206である表示装置に結合される。ここで、単一の入力装置204を参照するが、入力装置204はキーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するのに利用される他のあらゆる既知の入力装置を含むあらゆる数の入力装置を表すことが当業者には理解されるべきである。同様に、表示画面206は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等のあらゆる種類の表示画面を含むことができる。
【0056】
一構成において、入力装置204の1つの態様、タッチパネル及び表示画面206は、ユーザが複数の表示選択肢のうちの1つを選択するために、あるいは複数の仮想又は「ソフト」ボタンのうちの1つを活性化するために表示画面206の一部分に触れることのみを必要とするように、タッチパネル画面を介する情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及び情報の表示の双方を可能にするためのタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置を提供するように組み込まれる。この点に関して、プロセッサ202は、タッチスクリーンと共に動作するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をサポートする。
【0057】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ202は、接続210を介して入力装置204に動作可能に接続され且つ入力装置204から入力情報を受信でき、情報を出力するために各出力接続212を介して表示画面206及び出力装置208のうち少なくとも一方に動作可能に接続される。出力装置208は、例えば、可聴出力装置(例えば、スピーカを含む)である。出力装置208がナビゲーション装置200のユーザに対して可聴情報を生成できるため、入力装置204は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができることが同様に理解されるべきである。更にナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置等のあらゆる追加の入力装置204及び/又はあらゆる追加の出力装置を含むことができる。プロセッサ202は、接続216を介してメモリリソース214に動作可能に接続され、接続220を介して入出力(I/O)ポート218に対して情報を送受信するように更に構成される。ここで、I/Oポート218は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置222に接続可能である。例えばメモリリソース214は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置222は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいがそれに限定されない。I/O装置222への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のためにハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等のあらゆる他の外部装置への有線又は無線接続であってもよい。
【0058】
図3は、接続226を介するプロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の動作可能な接続を更に示す。アンテナ/受信機224は、位置決定信号受信機を構成し、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。図中符号224により示されるアンテナ及び受信機は、図示するために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるべきである。
【0059】
上記のGSMネットワークに通信機能を提供するために、ナビゲーション装置200は、処理リソース202と相互作用し、リソース202に接続230によってつながっているGSM通信モジュール228をさらに備える。図4を参照すると、GSM通信モジュール228はもう1つの処理リソース240を備え、この例においてはもう1つの処理リソース240はセルラ通信ターミナルのチップセットである。もう1つの処理リソース240は送信チェーン242及び受信チェーン244とに連結されており、送信及び受信チェーン242,244は二重フィルタ246に連結されている。二重フィルタ246はアンテナ250に連結されている。
【0060】
GSM通信モジュール228は更にオンボードの揮発性メモリ(例えばRAM252)お呼びオンボードの不揮発性メモリ(例えばROM254)を有し、これらは夫々もう1つの処理リソース240に連結されている。上記のGSM通信モジュール228の構造が、例えばSIMモジュールのような他の要素を含むことは当業者であれば理解されるであろうが、そのような要素は説明の簡単に、明瞭にするためにここには述べていない。もう1つの処理リソース240は、この例においてはナビゲーション装置200の処理リソース202のベーストランシーバ(BTS)のアイデンティティ(identity)及び信号強度測定値の通信を許可するように構成されている。
【0061】
当然、図3に示した電子構成要素は、従来の方法で1つ以上の電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者には理解されるように、図3に示した構成要素の種々の構成が考えられる。例えば図3に示した構成要素は、有線及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本明細書で説明するナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200であってもよい。
【0062】
図5を参照すると、メモリリソース214は、アプリケーションソフトウェア264が実行可能な環境を提供する機能性ハードウェア構成要素260により実行するためにメモリリソース214からオペレーティングシステム262をロードするために、プロセッサ202により実行されるブートローダプログラム(不図示)を格納する。オペレーティングシステム262は機能性ハードウェア構成要素260を制御するように働き、アプリケーションソフトウェア264と機能性ハードウェア構成要素260との間に存在する。アプリケーションソフトウェア264は、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及び関連する他の何らかの機能であるナビゲーション装置200の中核機能をサポートするGUIを含む動作環境を提供する。アプリケーションソフトウェア264の一部は、データ自動記録モジュール266とBTSに基づく位置決定モジュール268とを含む。
【0063】
図6を参照すると、GSMネットワーク280の一部は、第1通信セル284をサポートする第1BTS282と、第2通信セル288をサポートする第2BTS286と、第3通信セル292おサポートする第3BTS290とを備える。この例において、及び例示的な時点において、ナビゲーション装置200は第1、第2、第3のBTS282,286,290の間に位置し、それによってナビゲーション装置200は第1、第2、第3の通信セル284,288,292の内に存在する。
【0064】
ネットワーク280が従って作動するGSMシステムは、無線周波数チャンネル毎に8つの全二重信号経路をサポートする時分割多重アクセス(TDMA)方式を用いる。GSMネットワーク280では、1つの一次無線チャンネルが第1、第2、第3のBTS282,296,290の各々に割り当てられる。典型的に、GSMシステムの共通制御チャンネル(Common Control CHannel、CCCH)がページング及び設定制御情報を交換するために用いられる。独特の識別信号、同期化情報及びタイミング情報も、とりわけ、モバイルサブスクライバ(Mobile Subscriber,MS)が第1チャンネルと他のチャンネルとを区別できるように、各BTSによって送信される。ナビゲーション装置200の電源を入れると、GSM通信モジュール228は、近辺の(即ち、受信できる)BTSによって送信されたCCCH識別信号を探って予めプログラムされた周波数帯をスキャンする。CCCH識別信号を検出すると、GSM通信モジュール228はCCCH識別信号の性質要因(例えば、信号強度)を測定する。周波数帯のスキャンを完了すると、MS(この例においてはGSM通信モジュール228)は一般的に、最大の相対的信号性質要因を提供するBSTを、利用するBTSとして選択する。適切な強度の信号を識別、そして固定すると、GSM通信モジュール228は入ってくる通信があるかCCCHを監視する。利用されるBTSを監視する際に、MSは利用されるBTSのCCCHに、隣接する基地の場所周波数リストを受信する。各一次チャンネルに関して、いわゆる受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定することで行われる、第1チャンネルにおける受信できる近辺のBTSの監視は、GSMモジュール228が他の近辺にあるBTSを継続的に把握できるようにする。必要であれば、利用されるBTSによってGSMモジュール228に伝えられる周波数リストは、GSMモジュール228が近辺のBTSを監視することを補助するために用いられる。確かに、特定のBTSによって提供された周波数リストは選択的であり得るため、GSM通信モジュール228は他のBTSを独立的にスキャンするように構成されてもよい。
【0065】
ナビゲーション装置200の作動を、衛星ブロードキャスト信号(例えばGPSに関して受信したもの)から現在位置を計算する機能がない状況でのナビゲーション装置200による次の使用(例えば、処理後)のための位置関連データの収集との関連で説明する。
【0066】
図7において、ナビゲーション装置200はその電源が入っており移動中であると仮定する。一貫性のために、データ自動記録モジュール266は既定の規準を用いる。既定の規準は、既定の時間及び/又はナビゲーション装置200による既定の移動距離(例えば、3メートル毎)であってもよい。既定の規準は、次の測定をいつ行うかを決めるために用いられる。これに関して、データ自動記録モジュール266は、既定のトリガー規準が満たされたかを決定し、トリガー規準が満たされるまで待機する(ステップ400)。
【0067】
ナビゲーション装置200が、3つのBTS282,286,290に対する相対的位置に向かっているという仮定で、トリガー規準が満たされると(例えば、ナビゲーション装置200が如何なる方向に少なくとも3メートルの平行移動をすると)、ナビゲーション装置200は、GSMモジュール228が近辺のBTSのアイデンティティ(ID)を提供できるか(例えば、第1、第2、第3のBTS282,286,290のID)を決定する。ナビゲーション装置200がGPS機能を用いて現在位置を決定できない場合は、ナビゲーション装置200はユーザインタフェースを介して現在位置を確かめるために任意的に尋問する(ステップ404)ことができる。もちろん、そのような尋問は、ユーザへの不便を低減させるために最小限に抑えなければならない。その後、基礎実施形態では、データ自動記録モジュール266は、GSM通信モジュール228の機能を用いて、近辺のBTSのアイデンティティを上記のように決定する(ステップ406)。しかし、より高度の実施形態では、データ自動記録モジュール266は近辺のBTSの各々の信号強度測定値を取得する。その結果として、この例では、データ自動記録モジュール266は、第1、第2、第3のBTS282,286,290に関連する第1、第2、第3信号強度GSM通信モジュール228から得ることができる。
【0068】
すると、ナビゲーション装置200は、GPS機能を用いて、ナビゲーション装置200の現在位置を決定し(ステップ408)、信号強度データ及び位置データの表(図8a)に測定された第1、第2、第3信号強度を記録し(ステップ410)、夫々のBTSと、ナビゲーション装置200のGPS機能を用いて測定された位置とを識別する。したがって、BTSと位置との間で関連が記録される。基礎実施形態では、この関連は単に、現在位置でGTS通信モジュール228によって受信可能なBTSのアイデンティティと、ナビゲーション装置200で測定された現在位置との間である(図8b)。しかし、より高度な実施形態における関連は、GSMモジュール228の識別されたBTS信号強度測定値と、GPS機能を用いてナビゲーション装置200によって測定された現在位置との間の関連である。
【0069】
図8a及びbから分かるように、現在位置と、現在位置においてナビゲーション装置200によって受信できるBTSに関する情報との記録は夫々時間とともに蓄積され得る。各エントリはデータ関連付けエントリを構成する。
【0070】
上記のサーバ装置150の動作は、記憶装置160に記憶されるBTSに基づく生位置データのデータベースを作成及び/又は補足するためにナビゲーション装置のグループ又はコミュニティによって生成され、サーバ装置150又は他のコンピューティングリソースに通信されたデータ関連付けエントリに関連して説明する。この点において、グループの各ナビゲーション装置(例えばナビゲーション装置200)は、ナビゲーション装置200の計画された又は計画されていない移動中に上記のデータ関連付けエントリを生成及び送信する機能を持つように構成されている。データ関連付けエントリは、ナビゲーション装置200のデジタルメモリに記録されるログ(例えばログファイル)に記録される。通信セッションがナビゲーション装置200とサーバ装置150との間で成立されると(例えば、ナビゲーション装置200がパソコン(PC)又は他のコンピューティング装置とドッキングされ、PCが連結されているインターネットを介して通信セッションが成立された、TomTomのホームシステム)、ログはサーバ装置150に通信される。したがって、ナビゲーション装置200とサーバ150との間でデータの転送が行われてもよい。この例では、ログファイルの内容はBTSに基づく位置のデータベースに記憶される。したがって、BTSに基づく生位置データは、とりわけ、BTS識別データと位置データとを含む。この例では、位置データは経度及び緯度の座標として記録される。もちろん、現在の例においてナビゲーション装置200はWANを介して無線通信をサポートするように適切に装備されているため、ナビゲーション装置200はPCにドッキングする必要なくサーバ装置150に定期的なアップデートを送信することができる。
【0071】
ナビゲーション装置から受信した生データの処理に関する第1実施形態では、BTSに基づく生位置データベースに記憶されたデータの有用性を改善させるために、プロセッサ154によってサポートされる位置データ処理モジュール155は、BTSに基づく生位置データのデータ関連付けエントリを次のように分析する。位置データ処理モジュール155は、BTSに基づく生位置データの各データ関連付けエントリをそのまま分析し、ある位置領域(例えば、関連する経度と緯度の座標で識別された3m2)に関して同じBTSを識別するデータ関連付けエントリを識別する。集まったデータは、ナビゲーション装置による後の公開及び使用のためにBTS座標データベースに記憶される。
【0072】
信号強度データがBTSに基づく生位置データに記録された、異なる実施形態では(図9)、位置データ処理モジュール15は複数の関連付けエントリから、第1座標範囲で定義された既定の第1領域(例えば、3m2)の内に存在する座標データを含むデータ関連付けエントリを識別する(ステップ412)。その後、位置データ処理モジュール155は、第1領域に関連して識別された各BTSについてのデータを用いて、各BTSの測定された信号強度で信号強度の範囲を決定する(ステップ414)。例えば、lo1、la1〜lo2、la2の経度、緯度の座標範囲の第1のBTS282の場合は、記憶された信号強度測定値はS1〜S2の範囲に及ぶ。第2のBTS286に関しては、経度、緯度の座標範囲のlo1、la1〜lo2、la2に対して記憶された異なる信号強度測定値はS3〜S4である。第3のBTS290に関しては、経度、緯度の座標範囲のlo1、la1〜lo2、la2に対して記憶された異なる信号強度測定値はS5〜S6である。これらの測定された範囲は、第1経度−緯度座標の範囲の中心に相当する座標と共にBTS−座標データベースに保存される。その後、位置データ処理モジュール155は他の領域範囲に関しても処理が必要であるかを決定し、追加の処理が必要とみなされた場合は、位置データ処理モジュール155は全ての処理されるべき位置領域が処理され、処理を必要とする更なるデータ関連付けエントリがなくなるまで上記の過程を繰り返す(ステップ412〜418)。
【0073】
上記の処理後、BTS−座標データのデータベースは、BTS信号強度測定値の範囲と座標の中心点との関連を含む。
【0074】
上記のデータ処理が完了すると、BTS−座標データベースはナビゲーション装置による使用のため公開されてもよい。この点において、位置決定の要求をサービスするためにサーバ150が用いられるが、GSMネットワーク280のGPRS機能が使えない場合にはBTS−座標データべースが必要となり得るため、BTS−座標データはナビゲーション装置200のメモリリソース214に記録される方がより賢明である。
【0075】
図10を参照すると、長期の不使用直後に初めて電源が入れられる場合(即ち、コールド・スタートの場合)、又は既に電源が入っているがナビゲーション装置200のGPS機能で現在位置の決定ができない場合(例えば、ナビゲーションの補助を提供する際)、現在位置は次のように測定することができる。この点において、BTS−座標データベースの使用に関する第1実施形態では、BTS−座標データベースはGSMネットワーク280におけるBTSのアイデンティティのグループと座標との間の関連だけを含み、BTSのアイデンティティのグループは複数のBTSのアイデンティティを含む。
【0076】
もちろん、最初にはナビゲーション装置200はGPS機能を用いて現在位置が測定可能であるかを確認し(ステップ420)、もし可能であればナビゲーション装置200GPSデータを用いて、例えばナビゲーションに関連して用いるために現在位置を決定する(ステップ422)。この点において、アプリケーションソフトウェア264は、アンテナ/受信機24によって受信された無線位置決定信号に基づいて現在位置を決定できるもう1つの位置決定モジュール(不図示)を備える。
【0077】
しかし、ナビゲーション装置200がGPSデータを用いて現在位置を決定することができない場合は、ナビゲーション装置200のBTSに基づく位置決定モジュール268は、現在位置において受信することができる、GSMネットワーク228内のいくつかのBTSのアイデンティティを決定する(ステップ424)。この情報は、前の実施形態に関連して既に説明されているようにGSM通信モジュール228によって獲得されるため、本実施形態においては追加的な説明は省略される。
【0078】
次に、現在位置において受信できるBTSのアイデンティティと、位置識別子に関連するGSMネットワーク228内のいくつかの記憶されたBTSアイデンティティの1つとをマッチさせるために、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースにアクセスし、ここでいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連するBTSは受信できることが知られている。この点において、位置決定モジュール268は、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSと同じものを含み、したがってそれらを識別する、BTS−座標データベースにおけるデータ関連付けエントリを見つけようとする。例えば、ナビゲーション装置200が図8に示されているように位置し、第1、第2及び第3のBTS282,286,290が現在位置から受信できる場合、BTS−座標データベースはから見つけるべきデータ関連付けエントリは、第1、第2、第3BTS282,286,290を識別する必要がある(即ち、BTSアイデンティティのマッチが必要)。
【0079】
従って、位置決定モジュール268はマッチがあるかを決定する(ステップ428)。完全なマッチが見つかった場合は、位置決定モジュール268は位置識別子を構成する座標データを、マッチしたデータ関連付けエントリから抽出し(ステップ430)、その位置識別子(この例では位置座標)を例えば1つ以上のナビゲーション関連機能に用いられる現在位置として使用する(ステップ432)。
【0080】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連する現在位置を決定することが可能となる。
【0081】
完全なマッチが見つからない場合は、位置決定モジュール268は最も近いマッチを見つけようとする(ステップ434)。この点において、最も近いマッチを見つけるために、マッチの程度を表す点数をBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリに対して計算する。図11を参照すると、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリをスキャンし(ステップ436)、各データ関連付けエントリに対して各BTS入力をスキャンし、識別されたBTSがGSM通信モジュール228によっても識別された場合は、そのデータ関連付けエントリに1点が与えられる。確かに、データ関連付けエントリに関連してリストされ、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSアイデンティティの各々には、1点がデータ関連付けエントリに与えられ、データ関連付けエントリに関する累積点数が保持される。
【0082】
各データ関連付けエントリに対する採点が位置決定モジュール268によって行われた後、位置決定モジュール268は最も高い点数を持つデータ関連付けエントリを識別する(440)。図10に戻り、最高点のデータ関連付けエントリが見つかると、位置決定モジュール268は最高点を持つデータ関連付けエントリから座標データを抽出し(ステップ442)、この例では位置座標である位置識別子を、1つ以上のナビゲーション関連機能のために現在位置として使用する(ステップ432)。
【0083】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティと関連する現在位置を再び測定することが可能となる。
【0084】
図12に移り、もう1つの実施形態では、BTS−座標データベースは複数のデータ関連付けエントリを含み、その各々は上記の信号強度範囲データを含む。
【0085】
前の実施形態のように、ナビゲーション装置200はまず現在位置がGPS機能を用いて測定できるかを決定し(ステップ450)、これが可能であれば、ナビゲーション装置200はGPSデータで、例えばナビゲーションに関して用いられる現在位置を決定する(ステップ452)。
【0086】
しかし、ナビゲーション装置200がGPSデータで現在位置を決定できない場合は、ナビゲーション装置200の位置決定モジュール268は、現在位置において受信できるGSMネットワーク228のいくつかのBTSのアイデンティティと、関連する夫々の測定された信号強度とを決定する(ステップ454)。この情報は前の実施形態に関連して既述したようにGSM通信モジュール228によって取得されるため、説明を明瞭に、そして簡単にするためにこの実施形態に関連しては追加的な説明は省略する。
【0087】
次に、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースにアクセスし、現在位置で受信できるBTSの夫々の信号強度と、位置識別子に関連付けられたGSMネットワーク228のBTSのいくつかの保存された信号強度の範囲の1つとをマッチしようとする。ここでいくつかの保存されたTSのアイデンティティに関連するBTSは受信できることが知られている。この点において、位置決定モジュール268は、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSに関してGSM通信モジュール228によって測定された、夫々の信号強度の境界をつけるBTS信号範囲を有するBTS−座標データベース内のデータ関連付けエントリを見つけようとする。例えば、ナビゲーション装置200が図6に示されているように、ナビゲーション装置200の現在位置が第1、第2、第3BTS282,286,290が受信できる位置である場合、BTS−座標データベース内の見つけるべきデータ関連付けエントリは、第1、第2、第3のBTS282,286,290に対応するように測定する信号強度の境界をつける信号強度の範囲に関連付けられている必用がある(即ち、BTSアイデンティティはマッチし、信号強度は一致しなければならない)。
【0088】
したがって、位置決定モジュール268は、マッチが見つかったかを決定する(ステップ458)。完全なマッチが見つかった場合(即ち、GTS通信モジュール228によって識別できる同じBTSの信号強度の境界をつける信号強度範囲を有するデータ関連付けエントリが見つかった場合)、位置決定モジュール268は、完全にマッチするデータ関連付けエントリから座標データを抽出し(ステップ460)、この例では一座標である位置識別子を、ナビゲーション関連機能に用いられる現在位置として使用する(ステップ462)。
【0089】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連する現在位置を決定することが可能となる。
【0090】
完全なマッチが見つからない場合は、位置決定モジュール268は、最も近いマッチを見つけようとする(ステップ464)。この点において、最も近いマッチを見つけるために、マッチの程度を表す点数をBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリに対して次のように計算する。図11を参照すると、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリをスキャンし(ステップ436)、各データ関連付けエントリに対して各BTS入力をスキャンし、識別されたBTSがGSM通信モジュール228によっても識別された場合は、そのデータ関連付けエントリに1点が与えられる。確かに、データ関連付けエントリに関連してリストされ、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSアイデンティティの各々には、1点がデータ関連付けエントリに与えられ、データ関連付けエントリに関する累積点数が保持される。
【0091】
各データ関連付けエントリに対する採点が位置決定モジュール268によって行われた後、ある実施形態では位置決定モジュール268は最も高い点数を持つデータ関連付けエントリを識別し(ステップ440)、位置決定装置268は最も高い点数を持つデータ関連付けエントリから座標データを抽出し、この例では一座標である位置識別子を、例えば1つ以上のナビゲーションに関連する機能に用いられる現在位置として使用する。
【0092】
異なる実施形態では、位置決定モジュール268は、1つの最高点数を選択する代わりに、いくつかの最高点数のデータ関連付けエントリ(例えば、点数の最も高い3つのデータ関連付けエントリ)を選択する。図12を参照すると、位置決定モジュール268は選択されたデータ関連付けエントリから座標データを抽出し、それから平均位置を計算する(例えば、選択された3つの位置の座標の間で交差する位置)。その後、計算された位置は、例えば1つ以上のナビゲーションに関連する機能に現在位置として使用されてもよい。最高点を有する複数のエントリを選択する方法は、信号強度データが使用されない前の実施形態のデータ関連付けエントリにも用いられてもよい。
【0093】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連する現在位置を決定することが可能となる。
【0094】
本発明の種々の態様及び実施形態について説明したが、本発明の範囲は、本明細書で説明した特定の構成に限定されず、添付の請求の範囲の範囲内の全ての構成、並びにそれらに対する変形例及び変更例を含むことが理解されるだろう。
【0095】
例えば、上記実施形態は第2世代通信ネットワーク(主にGSMネットワーク228)に関して説明されたが、当業者であれば上記の技術はユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)のような第3世代通信ネットワークに関しても用いられることは理解できるであろう。この点において、GSM通信モジュールは、ユーザ装置(User Equipment,UE)として使用できるUMTS通信モジュールによって置き換えられる。GSMネットワーク同様に、UMTS通信ネットワークにおいても所定のノードBに関する信号強度を測定することができ、例えばノードBによって使用される第1共通パイロットチャンネルに関して測定することで、又は米国特許7,324,497に記載されているようにすることで可能である。他の通信システムに対する上記の実施形態の適用性を踏まえて、「基地局(base station)」という用語は限定的に解釈されるべきでなく、例えばノードBを含むものであると理解されるべきである。
【0096】
上記の詳細な説明で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーション装置はGPSの代わりに(又は実際にはGPSに加えて)どんな種類の位置検出技術を利用してもよい。例えばナビゲーション装置は、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを用いることにより有用であってもよい。同様に、ナビゲーション装置は、衛星を用いたものに限定されず、地上ビーコン又はデバイスが地理的な場所を判定することを可能にする他の何らかの種類のシステムを使用して容易に機能できる。
【0097】
本発明の別の実施形態は、コンピュータシステムと共に使用されるコンピュータプログラムとして実現される。例えばコンピュータプログラムは、ディスケット、CD−ROM、ROM又は固定ディスク等の有形のデータ記録媒体に格納されるか、あるいは例えばマイクロ波又は赤外線である無線媒体又は有形の媒体を介して送信されるコンピュータデータ信号で具体化された一連のコンピュータ命令である。一連のコンピュータ命令は、上述の機能性の全て又は一部を構成でき、半導体メモリ素子、磁気メモリ素子、光メモリ素子又は他のメモリ素子等の揮発性又は不揮発性のあらゆるメモリ素子に格納される。
【0098】
好適な実施形態はソフトウェアを使用してある特定の機能性を実現するが、その機能性はハードウェアでのみ(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)を使用することにより)又は実際にはハードウェアとソフトウェアとの組合せにより同様に実現可能であることが当業者にはよく理解されるだろう。従って、本発明の範囲は、ソフトウェアで実現されることにのみ限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0099】
最後に、添付の請求の範囲は本明細書で説明した特徴の特定の組合せを示すが、本発明の範囲は、以下に請求される特定の組合せに限定されず、特定の組合せが今回添付する請求の範囲に特に列挙されているか否かに関係なく、本明細書で開示された特徴又は実施形態のいかなる組合せも含む。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信ネットワークの基地局から通信信号を受信することができる種類のナビゲーション装置に関する。更に本発明は、例えば通信ネットワークの基地局から通信信号を受信することができる種類のナビゲーション装置を備える位置決定システムに関する。また、本発明は、例えば通信ネットワークの基地局から通信信号を受信することができる種類の位置決定方法に更に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばGPS(全地球測位システム)信号の受信及び処理機能性を含むポータブルナビゲーションデバイス(PND)であるポータブル演算デバイスは既知であり、車両搭載型又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的に、現在のPNDは、プロセッサ、メモリ及び前記メモリ内に格納された地図データを含む。プロセッサ及びメモリは、一般にソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供するように協働し、また、PNDの機能性の制御を可能にし且つ種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的なことである。
【0004】
通常、これらのデバイスは、ユーザがデバイスと対話し且つデバイスを制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、ユーザに情報を中継する1つ以上の出力インタフェースとを更に含む。出力インタフェースの例には、表示装置及び可聴出力用スピーカが含まれる。入力インタフェースの例には、オン/オフ動作又はデバイスの他の特徴を制御する1つ以上の物理ボタン(ボタンは必ずしもデバイス自体にある必要はなく、デバイスが車両に内蔵されている場合はステアリングホイール上にあってもよい)及びユーザ音声を検出するマイクが含まれる。特定の1つの構成において、出力インタフェース表示装置は、ユーザが触れることでデバイスを動作させる際に使用する入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(又はタッチセンシティブオーバレイ等を使用して)構成されてもよい。
【0005】
多くの場合、この種のデバイスは、電力及びオプションとしてデータ信号をデバイスに対して送受信する際に使用する1つ以上の物理コネクタインタフェースを含み、オプションとして、セルラ電気通信、並びに例えばBluetooth、Wi−Fi、Wi−Max、GSM及びUMTS等の他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機を含む。
【0006】
この種のPNDは、場所データを含む衛星ブロードキャスト信号を受信し且つその後デバイスの現在地を判定するために処理する際に使用するGPSアンテナを更に含む。
【0007】
PNDは、現在の角度及び直線加速度、また、GPS信号から導出された場所情報に関連して速さ、並びにデバイス及びそれが搭載される車両の相対的な変位を判定するために処理される信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような機能は車両搭載型のナビゲーションシステムに備えるのが最も一般的であるが、PNDに備えることが得策である場合にはPNDに備えてもよい。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、主に、第1の場所(一般に、出発地又は現在地)と第2の場所(一般に、目的地)との間の経路を判定する機能にある。デバイスのユーザは、多種多様な種々の方法、例えば郵便番号、道路名及び番地、以前に格納した「既知」の目的地(有名な場所、公共の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の目標地点等)、並びにお気に入りの目的地又は最近訪れた目的地のいずれかにより、これらの場所を入力できる。
【0009】
一般にPNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を算出することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は、所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度である可能性があり、選択された経路は、既存の予測された動的に且つ/又は無線で受信された交通及び道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路の選択肢を判定する要因に対する運転者自身の好みを考慮してもよい(例えば運転者は、経路が高速道路又は有料道路を含むべきでないことを指定してもよい)。
【0010】
デバイスは、道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの行程に対して経路を変更することを提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅滞を識別し、その情報を通知システムに供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、一般に、車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されてもよいが、車両のラジオの内蔵コンピュータの一部又は実際には車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーションデバイスは、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよい。これらの場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路計算及び計算経路に沿うナビゲーションの双方を実行するためにソフトウェアをデバイスにインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路が計算されると、PNDのユーザはオプションとして提案された経路のリストから所望の計算経路を選択するためにナビゲーションデバイスと対話する。オプションとして、ユーザは、例えば特定の経路、道路、場所又は基準が特定の行程に対して回避されること又は必須であることを指定することにより経路選択処理を仲介又は誘導してもよい。PNDの経路計算の側面は1つの主な機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主な機能である。
【0013】
計算経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDは、経路の終点、すなわち所望の目的地まで選択した経路に沿ってユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供するのが一般的である。また、PNDは、ナビゲーション中に画面上に地図情報を表示するのが一般的である。そのような情報は、表示された地図情報がデバイスの現在地及び従ってデバイスが車両搭載型のナビゲーションに使用されている場合はユーザの現在地又はユーザの車両の現在地を表すように画面上で定期的に更新される。
【0014】
一般に画面上に表示されたアイコンは、デバイスの現在地を示し、デバイスの現在地近傍の現在の道路及び周囲の道路の地図情報の中央に置かれ、他の地図の特徴も表示される。更にナビゲーション情報は、オプションとして表示された地図情報の上側、下側又は片側のステータスバーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例には、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離が含まれ、場合によってはその進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンで表される。更にナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する際に使用される可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを判定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は、かなりの処理及び解析を必要とする。上述したように、デバイスとのユーザ対話は、タッチスクリーンによって行われてもよく、更に又はあるいはステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の適切なあらゆる方法によって行われてもよい。
【0015】
デバイスにより提供された更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れた(偶然又は意図的に)場合、別の経路の方が適切であることをリアルタイム交通状況が指示し且つデバイスがそのような状況を自動的に認識することを適切に可能にされる場合、又はユーザが何らかの理由で能動的にデバイスに経路再計算を実行させる場合の自動経路再計算である。
【0016】
上述したように、ユーザが規定した基準で経路を計算できることも既知である。例えばユーザは、デバイスにより景色のよい経路が計算されることを好んでもよく、あるいは交通渋滞が起こる可能性が高いか、起こることが予想されるか又は現在起こっているあらゆる道路を回避することを要求してもよい。次に、デバイスのソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされた目標地点(POIとして既知である)を経路に沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路上の交通状況を示す格納情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又はそのために起こる遅滞のレベルに関して計算経路を順序付けする。更に他のPOIに基づく経路計算及びナビゲーション基準、並びに交通情報に基づく経路計算及びナビゲーション基準が可能である。
【0017】
経路計算及びナビゲーション機能はPNDの全体的な有用性に対して必須であるが、デバイスを純粋に情報表示に使用できる。すなわち、デバイスの現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路が全く計算されておらず、デバイスが現在ナビゲーションを全く実行していない「フリードライビング」用に使用できる。多くの場合、そのような動作モードは、移動するのに使用するのが望ましい経路をユーザが既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能である。
【0018】
上述のこの種のデバイス、例えばTomTom International B.V.が製造及び供給するGO930Trafficモデルは、ユーザがある位置から別の位置までナビゲートできるようにする信頼できる手段を提供する。そのようなデバイスは、ユーザがナビゲートしている目的地までの経路をよく知らない場合に非常に有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述したように、PNDの現在位置を決定するために、PNDはGPS衛星ブロードキャスト信号を用いる。しかし、衛星ブロードキャスト信号は場合によってその質が悪いため、PNDは現在位置を決定できなくなる。同様に、PNDは衛星ブロードキャスト信号を受信することができない場合があり、又は位置決定に必要な充分な数の衛星から衛星信号を受信できない場合がある。
【0020】
いわゆる「コールド・スタート」の場合(長期の不使用直後にPNDの電源が初めて入れられる場合)、現在位置を決定するためにPNDは少なくとも3つ、好ましくは4つの、地球周回軌道衛星の位置を知る必要がある。これを踏まえると、信号の質は充分であり得るが、PNDは立ち上げの際に4つの衛星の位置を最初に予測しなければならない。高度のアルゴリズムのセットが衛星の位置を計算するために一般的に用いられるが、この計算による時間遅延があり、これによるユーザへの不便を軽減させるために時間遅延は最小限に抑えることが望まれている。
【0021】
1つの知られた解決案としては、最新の衛星軌道データを含むデータファイルをダウンロードすることであるが、このデータにアクセスすることは必ずしもアクセスできるとは言えない。例えば、汎用パケット無線通信サービス(GPRS)又は他のデータサービスが、例えば車の中の移動機能によって使用されるときは、PNDそのサービスを使用できない。したがって、少なくともコールド・スタートの状況において、そして衛星ブロードキャスト信号を受信、そして処理することで位置決定ができないような位置において、現在位置を決定する代替的な手段を考案することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の第1実施形態によると、識別できる基地局によってサポートされた無線通信ネットワークを介してデータを通信する無線通信ユニットと、使用中に、作動環境をサポートするように構成された処理リソースとを備えるナビゲーション装置であって、作動環境は、無線通信ユニットによって受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを、現在位置において無線通信ユニットから受信するように構成された位置決定モジュールをサポートし、位置決定モジュールは複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部にアクセスすることができ、データ関連付けエントリの各々は、識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティと、いくつかの記憶されたアイデンティティが受信できる位置に関連付けられた位置識別子とを含み、位置決定モジュールは、複数のデータ関連付けエントリからいくつかの記憶されたアイデンティティに関連する現在位置を決定するように構成されていることを特徴とする、ナビゲーション装置が提供される。
【0023】
位置決定モジュールは、いくつかの識別できる基地局のアイデンティティと、複数のデータ関連付けエントリの1つのデータ関連付けエントリの識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティとを夫々マッチさせることを試みるように構成されてもよく、マッチが発生した場合に実質的に現在位置を識別する、識別可能な基地局のいくつかの保存されたアイデンティティに位置識別子が関連付けられてもよい。マッチは最善のマッチでもよい。
【0024】
位置決定モジュールは、いくつかの識別できる基地局のアイデンティティと、複数のデータ関連付けエントリの各々の識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティとのマッチに関して夫々の点数を計算することで、複数のデータ関連付けエントリのいくつかの各々に関してマッチの程度を夫々測定するように構成されてもよい。複数のデータ関連付けエントリのいくつかの各々の夫々の点数は、対応するいくつかの保存された識別できる基地局とマッチする受信できるいくつかのアイデンティティの数を示すものであってもよい。
【0025】
位置決定モジュールは、無線通信ユニットから夫々受信できるいくつかのアイデンティティに関連付けられた、現在位置に関するいくつかの信号強度測定値をさらに受信するように構成されてもよい。
【0026】
データ関連付けエントリの各々は、識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティに夫々関連付けられたいくつかの信号強度範囲をさらに含んでもよい。位置決定モジュールは、いくつかの信号強度測定値の夫々の信号強度測定値の境界を付けるいくつかの信号強度範囲をできるだけ多く有するデータ関連付けエントリを複数のデータ関連付けエントリからみつけることで、マッチを見つけることを試みるように構成されてもよい。
【0027】
複数のデータ関連付けエントリの1つ以上は、いくつかの信号強度測定値に関して最善のマッチを構成してもよい。
【0028】
位置決定モジュールは、1つ以上のデータ関連付けエントリの位置識別子から現在位置を計算するように構成されてもよい。位置決定モジュールは、位置識別子に関連する位置から実質的に被検位置を計算するように構成されてもよい。マッチは最善のマッチであってもよい。
【0029】
位置決定モジュールは、いくつかの信号強度測定値の夫々の信号強度測定値の境界をつけるいくつかの信号強度範囲に関して点数を計算することで、データ関連付けエントリに関して夫々のマッチの程度を測定するように構成されてもよく、夫々の点数は複数のデータ関連付けエントリの各々に対して計算されてもよい。
【0030】
最も高い点数が最善のマッチを示してもよい。位置決定モジュールは最も高い点数を見つけるように構成されてもよい。
【0031】
無線通信ネットワークはセルラ通信ネットワークであってもよい。
【0032】
無線通信ネットワークは世界的な通信傍受システム(GSM)であってもよい。代わりに、無線通信ネットワークはユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)であってもよい。
【0033】
少なくともアイデンティティは、識別できる基地局のいくつかに夫々関連する少なくともセルアイデンティティ(ID)であってもよい。
【0034】
本発明の第2の実施形態によると、先行する請求項のいずれか1項に記載のナビゲーション装置と、データ記憶部を含むサーバ装置と、を備える位置決定システムであって、ナビゲーション装置は、複数のデータ関連付けエントリにアクセスするためにサーバ装置に要求を送信するように構成されていることを特徴とする、位置決定システムが提供される。
【0035】
本発明の第3実施形態によると、無線通信を介して受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを現在位置で無線通信から受信する工程と、複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部をアクセスする工程と、複数のデータ関連付けエントリから、いくつかの保存されたアイデンティティに関連する現在位置を決定する工程とを含み、データ関連付けエントリの各々は、識別できる基地局のいくつかの保存されたアイデンティティと、いくつかの保存されたアイデンティティが受信できる位置に関連する位置識別子とを備えることを特徴とする、位置決定方法が提供される。
【0036】
本発明の第4実施形態によると、充分な位置に関連する衛星ブロードキャスト情報がない場合のナビゲーション方法であり、本発明の第3実施形態に関連して既述された方法を含む、ナビゲーション方法が提供される。
【0037】
本発明の第5実施形態によると、本発明の第3及び4実施形態に関連して既述された方法がコンピュータによって実行されるようにするコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0038】
コンピュータプログラムはコンピュータで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
次に、添付の図面を参照して、本発明の少なくとも1つの実施形態を例として説明する。
【図1】ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の例示的な一部分を示す概略図である。
【図2】ナビゲーション装置とサーバ装置との間における通信をサポートするのナビゲーションシステム及び/又はデータ収集システムを示す概略図である。
【図3】図2のナビゲーション装置又は他の適切な何らかのナビゲーション装置の電子構成要素を示す概略図である。
【図4】図2のナビゲーション装置の、世界的な移動通信(Global System for Mobile Communication;GSM)通信システムの概略図である。
【図5】図3のナビゲーション装置により採用されたアーキテクチャスタックの概略表現を示す図である。
【図6】図3のナビゲーション装置が配置されている、通信ネットワークの一部を示す概略図である。
【図7】後に来る使用のための位置関連情報を収集する方法を示すフローチャートである。
【図8】位置関連情報の記録に関して用いられ得るデータ構成の概略図である。
【図9】位置関連情報を後に来る使用のために処理する方法の流れ図である。
【図10】本発明の異なる実施形態の位置決定方法の流れ図である。
【図11】図10の方法において用いられる採点方法の流れ図である。
【図12】本発明の更に異なる実施形態の位置決定方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明において、同一の図中符号は同様の部分を識別するために使用される。
【0041】
次に、本発明の1つ以上の実施形態について、特にPNDを参照して説明する。しかし、本明細書の教示はPNDに限定されず、例えば経路計画及びナビゲーション機能性を提供するためにポータブル装置及び/又は移動装置としてナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されるどんな種類の処理装置にも例外なく適用可能であり、必ずしもこれらの装置である必要はない。従って、本明細書で示す実施形態において、ナビゲーション装置は、PND、自動車等の乗り物、あるいは実際には例えば経路計画及びナビゲーションソフトウェアを実行するポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)であるポータブル計算リソースとして実装されるか否かにかかわらず、どんな種類の経路計画及びナビゲーション装置も含むことを意図する(それに限定されない)。確かに、移動電話、スマートフォン又はそのようなものは、経路計画又はナビゲーションソフトウェアを利用せずに、そのまま用いられる。
【0042】
これを念頭において、図1のグローバル・ポジショニング・システム(GPS)及びそのようなものは、様々な用途に用いられる。一般的に、GPSは衛星−無線に基づくナビゲーションシステムであり、限定されない数のユーザに対して継続的に位置、速度、時間、及び場合によっては方向情報を測定することができる。NAVSTARと知られていたGPSは、制度が高い軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をいかなる数の受信ユニットにも中継できる。
【0043】
GPSシステムは、GPSデータを受信できるように特別に装備された装置がGPS衛星信号を見つけるために無線周波数をスキャンし始めることで実行される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は複数の異なる従来の方法の1つを用いてその衛星の正確な位置を決定する。ほとんどの場合、装置は少なくとも3つの異なる信号を獲得するまで、信号を求めてスキャンし続ける(通常2つの信号では位置の決定は不可能であるが、他の三角測定法を用いると可能になり得る)。幾何学三角測定を実行することで、受信機は3つの既知の位置を用いて衛星の位置に対する自分の2次元位置を決定する。これは周知の方法で行うことができる。追加的に、第4の信号を得ることで、同じ周知の幾何学的計算を用いて3次元位置を計算することも可能である。位置及び速度データはリアルタイムで継続的に、無制限の数のユーザによってアップデートされてもよい。
【0044】
図1に示すように、GPSシステム100は、地球104の周囲の軌道上にある複数の衛星102を含む。GPS受信機106は、多くの複数の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星データ信号108を受信する。スペクトル拡散データ信号108は、各衛星102から継続的に送信され、送信されるスペクトル拡散データ信号108の各々は、データストリームの発信源である特定の衛星102を識別する情報を含むデータストリームを含む。一般にGPS受信機106は、2次元位置を計算できるように少なくとも3つの衛星102からのスペクトル拡散データ信号108を必要とする。第4のスペクトル拡散データ信号を受信することにより、GPS受信機106は既知の技術を使用して3次元位置を計算できる。
【0045】
図2において、位置データ処理及び測定システムは、一実施形態において要望に応じて、多くの種々の構成のいずれかにより実現される通信ネットワークによりサポートされた通信チャネル152を介してサーバ150と通信できるナビゲーション装置200を含む。一般に通信チャネル152は、ナビゲーション装置200及びサーバ150を接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ150及びナビゲーション装置200は、通信チャネル152を介する接続がサーバ150とナビゲーション装置200との間で確立された時に通信できる(尚、そのような接続は、移動デバイスを介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータ(不図示)を介する直接接続等であってもよい)。
【0046】
通信チャネル152は、特定の通信設計に限定されない。更に通信チャネル152は、単一の通信設計に限定されない。すなわち、チャネル152は種々の技術を使用するいくつかの通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル152は、電気通信信号、光通信信号及び/又は電磁通信信号等のためのパスを提供するように構成される。従って、通信チャネル152は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、自由空間等のうち1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に通信チャネル152は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機などの中間デバイスを含むことができる。
【0047】
例示的な一構成において、通信チャネル152は電話及びコンピュータネットワークによりサポートされる。更に通信チャネル152は、例えば赤外線通信、マイクロ波周波数通信等の無線周波数通信である無線通信に対応できてもよい。また、必要に応じて通信チャネル152は衛星通信に対応できる。
【0048】
通信チャネル152を介して送信された通信信号は、所定の通信設計に対して要求又は要望される可能性がある信号を含むが、それに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)等のセルラ通信設計において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方は、通信チャネル152を介して送信される。これらの信号は、通信設計に対して所望されるような変調、暗号化及び/又は圧縮された信号であってもよい。
【0049】
この例において、ナビゲーション装置200は、例えばアンテナを含むか又はオプションとしてナビゲーション装置200の内蔵アンテナを使用する移動電話技術を含むことができる。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード)を含むことができる。従って、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、あらゆる無線通信対応端末と同様の方法で例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ150との間のネットワーク接続を確立できる。移動電話技術に関する更なる詳細は後で説明する。
【0050】
上述したように、例えばインターネットを使用してナビゲーション装置200(サービスプロバイダを介する)とサーバ150等の別のデバイスとの間のネットワーク接続は既知の適切な方法で確立される。この点に関して、例えばTCP/IPレイヤプロトコルであるあらゆる数の適切なデータ通信プロトコルが採用可能である。更に移動デバイスは、CDMA2000、GSM、IEEE802.11a/b/c/g/n等のあらゆる数の通信規格を利用できる。しかし、この例において、ナビゲーション装置200はGSMネットワーク内で動作するように構成されており、GSMネットワークはセルラ通信ネットワークの一例である。
【0051】
サーバ150は、図示されていない可能性のある他の構成要素に加えて、メモリ156に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続158を介して大容量データ記憶装置160に更に動作可能に接続された、処理リソースを構成するプロセッサ154を含む。大容量記憶装置160は、とりわけ、データ関連付け項目を保存する。そのデータの詳細に関しては後で述べる。大容量記憶装置160はサーバ150とは別個のデバイスであってもよく又はサーバ150に組み込まれてもよい。プロセッサ154は、通信チャネル152を介してナビゲーション装置200に対して情報を送受信するために送信機162及び受信機164に更に動作可能に接続される。送出及び受信された信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機162及び受信機164は、ナビゲーションシステムに対する通信設計において使用される通信要件及び通信設計に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機162及び受信機164は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0052】
上述したように、ナビゲーション装置200は、通信チャネル152を介してデータを送受信するために移動電話技術166を使用して通信チャネル152を介してサーバ150と通信するように構成される。尚、これらのデバイスは、例えば他のサーバ(不図示)であるサーバ150以外のデバイスと通信するために更に使用される。また、移動電話技術166は、ナビゲーションシステムに対する通信設計において使用される通信要件及び通信設計に従って選択又は設計される。当然、ナビゲーション装置200は、他のハードウェア及び/又は機能部分を含み、これらの更なる詳細については後述する。
【0053】
サーバのメモリ156に格納されたソフトウェアは、プロセッサ154に命令を提供し、サーバ150がナビゲーション装置200に位置決定サービスを提供すること及び/又は位置データ処理を行うことを可能にする。例えばサーバ装置15は、ナビゲーション装置200からのデータ関連付けエントリのアップデートの要求を処理することと、現在のデータ関連付けエントリを大容量データ記憶装置160からナビゲーション装置200に送信することとを含むサービスを提供することができる。もう1つのサービスとしては、ナビゲーション装置200からの位置決定の要求をサービスすることがある。また、サーバ150は後述のようにデータ関連付けエントリを処理することができる。これらのサービスは1つの同じサーバ装置で提供される必要はない。しかし、説明を簡単にするために、サーバ150はここではこれらの全てのサービスを提供するように説明される。位置決定サービスに関しては、サーバ150は、例えば無線チャンネルを介してナビゲーション装置200がアクセスできる、処理された位置決定データのリモートソースとして用いられてもよい。サーバ150により提供された1つのサービスは、ナビゲーション装置からの要求を処理することを含む。サーバ150は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されたネットワークサーバを含んでもよい。確かに、パーソナルコンピュータ(PC)は、サーバ150とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立するためにナビゲーション装置200とサーバ150との間に接続されてもよい。
【0054】
ナビゲーション装置200には、情報ダウンロードを介してサーバ150からの上記のような種類の情報が提供されてもよく、この情報は自動的に周期的にアップデートされてもよく、又はユーザがナビゲーション装置200をサーバ150に接続させる際にアップデートされてもよく、及び/又はサーバ150とナビゲーション装置200との間において常に又は頻繁に発生する無線接続の際により動的にアップデートされても良い。
【0055】
図3を参照すると、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含んでいるわけではなく、多くの構成要素の例のみを示す。ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。ナビゲーション装置200は、プロセッサ202を含み、プロセッサ202は、入力装置204及び例えば表示画面206である表示装置に結合される。ここで、単一の入力装置204を参照するが、入力装置204はキーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するのに利用される他のあらゆる既知の入力装置を含むあらゆる数の入力装置を表すことが当業者には理解されるべきである。同様に、表示画面206は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等のあらゆる種類の表示画面を含むことができる。
【0056】
一構成において、入力装置204の1つの態様、タッチパネル及び表示画面206は、ユーザが複数の表示選択肢のうちの1つを選択するために、あるいは複数の仮想又は「ソフト」ボタンのうちの1つを活性化するために表示画面206の一部分に触れることのみを必要とするように、タッチパネル画面を介する情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及び情報の表示の双方を可能にするためのタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置を提供するように組み込まれる。この点に関して、プロセッサ202は、タッチスクリーンと共に動作するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をサポートする。
【0057】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ202は、接続210を介して入力装置204に動作可能に接続され且つ入力装置204から入力情報を受信でき、情報を出力するために各出力接続212を介して表示画面206及び出力装置208のうち少なくとも一方に動作可能に接続される。出力装置208は、例えば、可聴出力装置(例えば、スピーカを含む)である。出力装置208がナビゲーション装置200のユーザに対して可聴情報を生成できるため、入力装置204は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができることが同様に理解されるべきである。更にナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置等のあらゆる追加の入力装置204及び/又はあらゆる追加の出力装置を含むことができる。プロセッサ202は、接続216を介してメモリリソース214に動作可能に接続され、接続220を介して入出力(I/O)ポート218に対して情報を送受信するように更に構成される。ここで、I/Oポート218は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置222に接続可能である。例えばメモリリソース214は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置222は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいがそれに限定されない。I/O装置222への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のためにハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等のあらゆる他の外部装置への有線又は無線接続であってもよい。
【0058】
図3は、接続226を介するプロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の動作可能な接続を更に示す。アンテナ/受信機224は、位置決定信号受信機を構成し、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。図中符号224により示されるアンテナ及び受信機は、図示するために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるべきである。
【0059】
上記のGSMネットワークに通信機能を提供するために、ナビゲーション装置200は、処理リソース202と相互作用し、リソース202に接続230によってつながっているGSM通信モジュール228をさらに備える。図4を参照すると、GSM通信モジュール228はもう1つの処理リソース240を備え、この例においてはもう1つの処理リソース240はセルラ通信ターミナルのチップセットである。もう1つの処理リソース240は送信チェーン242及び受信チェーン244とに連結されており、送信及び受信チェーン242,244は二重フィルタ246に連結されている。二重フィルタ246はアンテナ250に連結されている。
【0060】
GSM通信モジュール228は更にオンボードの揮発性メモリ(例えばRAM252)お呼びオンボードの不揮発性メモリ(例えばROM254)を有し、これらは夫々もう1つの処理リソース240に連結されている。上記のGSM通信モジュール228の構造が、例えばSIMモジュールのような他の要素を含むことは当業者であれば理解されるであろうが、そのような要素は説明の簡単に、明瞭にするためにここには述べていない。もう1つの処理リソース240は、この例においてはナビゲーション装置200の処理リソース202のベーストランシーバ(BTS)のアイデンティティ(identity)及び信号強度測定値の通信を許可するように構成されている。
【0061】
当然、図3に示した電子構成要素は、従来の方法で1つ以上の電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者には理解されるように、図3に示した構成要素の種々の構成が考えられる。例えば図3に示した構成要素は、有線及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本明細書で説明するナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200であってもよい。
【0062】
図5を参照すると、メモリリソース214は、アプリケーションソフトウェア264が実行可能な環境を提供する機能性ハードウェア構成要素260により実行するためにメモリリソース214からオペレーティングシステム262をロードするために、プロセッサ202により実行されるブートローダプログラム(不図示)を格納する。オペレーティングシステム262は機能性ハードウェア構成要素260を制御するように働き、アプリケーションソフトウェア264と機能性ハードウェア構成要素260との間に存在する。アプリケーションソフトウェア264は、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及び関連する他の何らかの機能であるナビゲーション装置200の中核機能をサポートするGUIを含む動作環境を提供する。アプリケーションソフトウェア264の一部は、データ自動記録モジュール266とBTSに基づく位置決定モジュール268とを含む。
【0063】
図6を参照すると、GSMネットワーク280の一部は、第1通信セル284をサポートする第1BTS282と、第2通信セル288をサポートする第2BTS286と、第3通信セル292おサポートする第3BTS290とを備える。この例において、及び例示的な時点において、ナビゲーション装置200は第1、第2、第3のBTS282,286,290の間に位置し、それによってナビゲーション装置200は第1、第2、第3の通信セル284,288,292の内に存在する。
【0064】
ネットワーク280が従って作動するGSMシステムは、無線周波数チャンネル毎に8つの全二重信号経路をサポートする時分割多重アクセス(TDMA)方式を用いる。GSMネットワーク280では、1つの一次無線チャンネルが第1、第2、第3のBTS282,296,290の各々に割り当てられる。典型的に、GSMシステムの共通制御チャンネル(Common Control CHannel、CCCH)がページング及び設定制御情報を交換するために用いられる。独特の識別信号、同期化情報及びタイミング情報も、とりわけ、モバイルサブスクライバ(Mobile Subscriber,MS)が第1チャンネルと他のチャンネルとを区別できるように、各BTSによって送信される。ナビゲーション装置200の電源を入れると、GSM通信モジュール228は、近辺の(即ち、受信できる)BTSによって送信されたCCCH識別信号を探って予めプログラムされた周波数帯をスキャンする。CCCH識別信号を検出すると、GSM通信モジュール228はCCCH識別信号の性質要因(例えば、信号強度)を測定する。周波数帯のスキャンを完了すると、MS(この例においてはGSM通信モジュール228)は一般的に、最大の相対的信号性質要因を提供するBSTを、利用するBTSとして選択する。適切な強度の信号を識別、そして固定すると、GSM通信モジュール228は入ってくる通信があるかCCCHを監視する。利用されるBTSを監視する際に、MSは利用されるBTSのCCCHに、隣接する基地の場所周波数リストを受信する。各一次チャンネルに関して、いわゆる受信信号強度インジケータ(RSSI)を測定することで行われる、第1チャンネルにおける受信できる近辺のBTSの監視は、GSMモジュール228が他の近辺にあるBTSを継続的に把握できるようにする。必要であれば、利用されるBTSによってGSMモジュール228に伝えられる周波数リストは、GSMモジュール228が近辺のBTSを監視することを補助するために用いられる。確かに、特定のBTSによって提供された周波数リストは選択的であり得るため、GSM通信モジュール228は他のBTSを独立的にスキャンするように構成されてもよい。
【0065】
ナビゲーション装置200の作動を、衛星ブロードキャスト信号(例えばGPSに関して受信したもの)から現在位置を計算する機能がない状況でのナビゲーション装置200による次の使用(例えば、処理後)のための位置関連データの収集との関連で説明する。
【0066】
図7において、ナビゲーション装置200はその電源が入っており移動中であると仮定する。一貫性のために、データ自動記録モジュール266は既定の規準を用いる。既定の規準は、既定の時間及び/又はナビゲーション装置200による既定の移動距離(例えば、3メートル毎)であってもよい。既定の規準は、次の測定をいつ行うかを決めるために用いられる。これに関して、データ自動記録モジュール266は、既定のトリガー規準が満たされたかを決定し、トリガー規準が満たされるまで待機する(ステップ400)。
【0067】
ナビゲーション装置200が、3つのBTS282,286,290に対する相対的位置に向かっているという仮定で、トリガー規準が満たされると(例えば、ナビゲーション装置200が如何なる方向に少なくとも3メートルの平行移動をすると)、ナビゲーション装置200は、GSMモジュール228が近辺のBTSのアイデンティティ(ID)を提供できるか(例えば、第1、第2、第3のBTS282,286,290のID)を決定する。ナビゲーション装置200がGPS機能を用いて現在位置を決定できない場合は、ナビゲーション装置200はユーザインタフェースを介して現在位置を確かめるために任意的に尋問する(ステップ404)ことができる。もちろん、そのような尋問は、ユーザへの不便を低減させるために最小限に抑えなければならない。その後、基礎実施形態では、データ自動記録モジュール266は、GSM通信モジュール228の機能を用いて、近辺のBTSのアイデンティティを上記のように決定する(ステップ406)。しかし、より高度の実施形態では、データ自動記録モジュール266は近辺のBTSの各々の信号強度測定値を取得する。その結果として、この例では、データ自動記録モジュール266は、第1、第2、第3のBTS282,286,290に関連する第1、第2、第3信号強度GSM通信モジュール228から得ることができる。
【0068】
すると、ナビゲーション装置200は、GPS機能を用いて、ナビゲーション装置200の現在位置を決定し(ステップ408)、信号強度データ及び位置データの表(図8a)に測定された第1、第2、第3信号強度を記録し(ステップ410)、夫々のBTSと、ナビゲーション装置200のGPS機能を用いて測定された位置とを識別する。したがって、BTSと位置との間で関連が記録される。基礎実施形態では、この関連は単に、現在位置でGTS通信モジュール228によって受信可能なBTSのアイデンティティと、ナビゲーション装置200で測定された現在位置との間である(図8b)。しかし、より高度な実施形態における関連は、GSMモジュール228の識別されたBTS信号強度測定値と、GPS機能を用いてナビゲーション装置200によって測定された現在位置との間の関連である。
【0069】
図8a及びbから分かるように、現在位置と、現在位置においてナビゲーション装置200によって受信できるBTSに関する情報との記録は夫々時間とともに蓄積され得る。各エントリはデータ関連付けエントリを構成する。
【0070】
上記のサーバ装置150の動作は、記憶装置160に記憶されるBTSに基づく生位置データのデータベースを作成及び/又は補足するためにナビゲーション装置のグループ又はコミュニティによって生成され、サーバ装置150又は他のコンピューティングリソースに通信されたデータ関連付けエントリに関連して説明する。この点において、グループの各ナビゲーション装置(例えばナビゲーション装置200)は、ナビゲーション装置200の計画された又は計画されていない移動中に上記のデータ関連付けエントリを生成及び送信する機能を持つように構成されている。データ関連付けエントリは、ナビゲーション装置200のデジタルメモリに記録されるログ(例えばログファイル)に記録される。通信セッションがナビゲーション装置200とサーバ装置150との間で成立されると(例えば、ナビゲーション装置200がパソコン(PC)又は他のコンピューティング装置とドッキングされ、PCが連結されているインターネットを介して通信セッションが成立された、TomTomのホームシステム)、ログはサーバ装置150に通信される。したがって、ナビゲーション装置200とサーバ150との間でデータの転送が行われてもよい。この例では、ログファイルの内容はBTSに基づく位置のデータベースに記憶される。したがって、BTSに基づく生位置データは、とりわけ、BTS識別データと位置データとを含む。この例では、位置データは経度及び緯度の座標として記録される。もちろん、現在の例においてナビゲーション装置200はWANを介して無線通信をサポートするように適切に装備されているため、ナビゲーション装置200はPCにドッキングする必要なくサーバ装置150に定期的なアップデートを送信することができる。
【0071】
ナビゲーション装置から受信した生データの処理に関する第1実施形態では、BTSに基づく生位置データベースに記憶されたデータの有用性を改善させるために、プロセッサ154によってサポートされる位置データ処理モジュール155は、BTSに基づく生位置データのデータ関連付けエントリを次のように分析する。位置データ処理モジュール155は、BTSに基づく生位置データの各データ関連付けエントリをそのまま分析し、ある位置領域(例えば、関連する経度と緯度の座標で識別された3m2)に関して同じBTSを識別するデータ関連付けエントリを識別する。集まったデータは、ナビゲーション装置による後の公開及び使用のためにBTS座標データベースに記憶される。
【0072】
信号強度データがBTSに基づく生位置データに記録された、異なる実施形態では(図9)、位置データ処理モジュール15は複数の関連付けエントリから、第1座標範囲で定義された既定の第1領域(例えば、3m2)の内に存在する座標データを含むデータ関連付けエントリを識別する(ステップ412)。その後、位置データ処理モジュール155は、第1領域に関連して識別された各BTSについてのデータを用いて、各BTSの測定された信号強度で信号強度の範囲を決定する(ステップ414)。例えば、lo1、la1〜lo2、la2の経度、緯度の座標範囲の第1のBTS282の場合は、記憶された信号強度測定値はS1〜S2の範囲に及ぶ。第2のBTS286に関しては、経度、緯度の座標範囲のlo1、la1〜lo2、la2に対して記憶された異なる信号強度測定値はS3〜S4である。第3のBTS290に関しては、経度、緯度の座標範囲のlo1、la1〜lo2、la2に対して記憶された異なる信号強度測定値はS5〜S6である。これらの測定された範囲は、第1経度−緯度座標の範囲の中心に相当する座標と共にBTS−座標データベースに保存される。その後、位置データ処理モジュール155は他の領域範囲に関しても処理が必要であるかを決定し、追加の処理が必要とみなされた場合は、位置データ処理モジュール155は全ての処理されるべき位置領域が処理され、処理を必要とする更なるデータ関連付けエントリがなくなるまで上記の過程を繰り返す(ステップ412〜418)。
【0073】
上記の処理後、BTS−座標データのデータベースは、BTS信号強度測定値の範囲と座標の中心点との関連を含む。
【0074】
上記のデータ処理が完了すると、BTS−座標データベースはナビゲーション装置による使用のため公開されてもよい。この点において、位置決定の要求をサービスするためにサーバ150が用いられるが、GSMネットワーク280のGPRS機能が使えない場合にはBTS−座標データべースが必要となり得るため、BTS−座標データはナビゲーション装置200のメモリリソース214に記録される方がより賢明である。
【0075】
図10を参照すると、長期の不使用直後に初めて電源が入れられる場合(即ち、コールド・スタートの場合)、又は既に電源が入っているがナビゲーション装置200のGPS機能で現在位置の決定ができない場合(例えば、ナビゲーションの補助を提供する際)、現在位置は次のように測定することができる。この点において、BTS−座標データベースの使用に関する第1実施形態では、BTS−座標データベースはGSMネットワーク280におけるBTSのアイデンティティのグループと座標との間の関連だけを含み、BTSのアイデンティティのグループは複数のBTSのアイデンティティを含む。
【0076】
もちろん、最初にはナビゲーション装置200はGPS機能を用いて現在位置が測定可能であるかを確認し(ステップ420)、もし可能であればナビゲーション装置200GPSデータを用いて、例えばナビゲーションに関連して用いるために現在位置を決定する(ステップ422)。この点において、アプリケーションソフトウェア264は、アンテナ/受信機24によって受信された無線位置決定信号に基づいて現在位置を決定できるもう1つの位置決定モジュール(不図示)を備える。
【0077】
しかし、ナビゲーション装置200がGPSデータを用いて現在位置を決定することができない場合は、ナビゲーション装置200のBTSに基づく位置決定モジュール268は、現在位置において受信することができる、GSMネットワーク228内のいくつかのBTSのアイデンティティを決定する(ステップ424)。この情報は、前の実施形態に関連して既に説明されているようにGSM通信モジュール228によって獲得されるため、本実施形態においては追加的な説明は省略される。
【0078】
次に、現在位置において受信できるBTSのアイデンティティと、位置識別子に関連するGSMネットワーク228内のいくつかの記憶されたBTSアイデンティティの1つとをマッチさせるために、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースにアクセスし、ここでいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連するBTSは受信できることが知られている。この点において、位置決定モジュール268は、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSと同じものを含み、したがってそれらを識別する、BTS−座標データベースにおけるデータ関連付けエントリを見つけようとする。例えば、ナビゲーション装置200が図8に示されているように位置し、第1、第2及び第3のBTS282,286,290が現在位置から受信できる場合、BTS−座標データベースはから見つけるべきデータ関連付けエントリは、第1、第2、第3BTS282,286,290を識別する必要がある(即ち、BTSアイデンティティのマッチが必要)。
【0079】
従って、位置決定モジュール268はマッチがあるかを決定する(ステップ428)。完全なマッチが見つかった場合は、位置決定モジュール268は位置識別子を構成する座標データを、マッチしたデータ関連付けエントリから抽出し(ステップ430)、その位置識別子(この例では位置座標)を例えば1つ以上のナビゲーション関連機能に用いられる現在位置として使用する(ステップ432)。
【0080】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連する現在位置を決定することが可能となる。
【0081】
完全なマッチが見つからない場合は、位置決定モジュール268は最も近いマッチを見つけようとする(ステップ434)。この点において、最も近いマッチを見つけるために、マッチの程度を表す点数をBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリに対して計算する。図11を参照すると、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリをスキャンし(ステップ436)、各データ関連付けエントリに対して各BTS入力をスキャンし、識別されたBTSがGSM通信モジュール228によっても識別された場合は、そのデータ関連付けエントリに1点が与えられる。確かに、データ関連付けエントリに関連してリストされ、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSアイデンティティの各々には、1点がデータ関連付けエントリに与えられ、データ関連付けエントリに関する累積点数が保持される。
【0082】
各データ関連付けエントリに対する採点が位置決定モジュール268によって行われた後、位置決定モジュール268は最も高い点数を持つデータ関連付けエントリを識別する(440)。図10に戻り、最高点のデータ関連付けエントリが見つかると、位置決定モジュール268は最高点を持つデータ関連付けエントリから座標データを抽出し(ステップ442)、この例では位置座標である位置識別子を、1つ以上のナビゲーション関連機能のために現在位置として使用する(ステップ432)。
【0083】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティと関連する現在位置を再び測定することが可能となる。
【0084】
図12に移り、もう1つの実施形態では、BTS−座標データベースは複数のデータ関連付けエントリを含み、その各々は上記の信号強度範囲データを含む。
【0085】
前の実施形態のように、ナビゲーション装置200はまず現在位置がGPS機能を用いて測定できるかを決定し(ステップ450)、これが可能であれば、ナビゲーション装置200はGPSデータで、例えばナビゲーションに関して用いられる現在位置を決定する(ステップ452)。
【0086】
しかし、ナビゲーション装置200がGPSデータで現在位置を決定できない場合は、ナビゲーション装置200の位置決定モジュール268は、現在位置において受信できるGSMネットワーク228のいくつかのBTSのアイデンティティと、関連する夫々の測定された信号強度とを決定する(ステップ454)。この情報は前の実施形態に関連して既述したようにGSM通信モジュール228によって取得されるため、説明を明瞭に、そして簡単にするためにこの実施形態に関連しては追加的な説明は省略する。
【0087】
次に、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースにアクセスし、現在位置で受信できるBTSの夫々の信号強度と、位置識別子に関連付けられたGSMネットワーク228のBTSのいくつかの保存された信号強度の範囲の1つとをマッチしようとする。ここでいくつかの保存されたTSのアイデンティティに関連するBTSは受信できることが知られている。この点において、位置決定モジュール268は、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSに関してGSM通信モジュール228によって測定された、夫々の信号強度の境界をつけるBTS信号範囲を有するBTS−座標データベース内のデータ関連付けエントリを見つけようとする。例えば、ナビゲーション装置200が図6に示されているように、ナビゲーション装置200の現在位置が第1、第2、第3BTS282,286,290が受信できる位置である場合、BTS−座標データベース内の見つけるべきデータ関連付けエントリは、第1、第2、第3のBTS282,286,290に対応するように測定する信号強度の境界をつける信号強度の範囲に関連付けられている必用がある(即ち、BTSアイデンティティはマッチし、信号強度は一致しなければならない)。
【0088】
したがって、位置決定モジュール268は、マッチが見つかったかを決定する(ステップ458)。完全なマッチが見つかった場合(即ち、GTS通信モジュール228によって識別できる同じBTSの信号強度の境界をつける信号強度範囲を有するデータ関連付けエントリが見つかった場合)、位置決定モジュール268は、完全にマッチするデータ関連付けエントリから座標データを抽出し(ステップ460)、この例では一座標である位置識別子を、ナビゲーション関連機能に用いられる現在位置として使用する(ステップ462)。
【0089】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連する現在位置を決定することが可能となる。
【0090】
完全なマッチが見つからない場合は、位置決定モジュール268は、最も近いマッチを見つけようとする(ステップ464)。この点において、最も近いマッチを見つけるために、マッチの程度を表す点数をBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリに対して次のように計算する。図11を参照すると、位置決定モジュール268はBTS−座標データベースの各データ関連付けエントリをスキャンし(ステップ436)、各データ関連付けエントリに対して各BTS入力をスキャンし、識別されたBTSがGSM通信モジュール228によっても識別された場合は、そのデータ関連付けエントリに1点が与えられる。確かに、データ関連付けエントリに関連してリストされ、GSM通信モジュール228によって識別されたBTSアイデンティティの各々には、1点がデータ関連付けエントリに与えられ、データ関連付けエントリに関する累積点数が保持される。
【0091】
各データ関連付けエントリに対する採点が位置決定モジュール268によって行われた後、ある実施形態では位置決定モジュール268は最も高い点数を持つデータ関連付けエントリを識別し(ステップ440)、位置決定装置268は最も高い点数を持つデータ関連付けエントリから座標データを抽出し、この例では一座標である位置識別子を、例えば1つ以上のナビゲーションに関連する機能に用いられる現在位置として使用する。
【0092】
異なる実施形態では、位置決定モジュール268は、1つの最高点数を選択する代わりに、いくつかの最高点数のデータ関連付けエントリ(例えば、点数の最も高い3つのデータ関連付けエントリ)を選択する。図12を参照すると、位置決定モジュール268は選択されたデータ関連付けエントリから座標データを抽出し、それから平均位置を計算する(例えば、選択された3つの位置の座標の間で交差する位置)。その後、計算された位置は、例えば1つ以上のナビゲーションに関連する機能に現在位置として使用されてもよい。最高点を有する複数のエントリを選択する方法は、信号強度データが使用されない前の実施形態のデータ関連付けエントリにも用いられてもよい。
【0093】
したがって、位置決定モジュール268は、見つかったデータ関連付けエントリのいくつかの記憶されたBTSアイデンティティに関連する現在位置を決定することが可能となる。
【0094】
本発明の種々の態様及び実施形態について説明したが、本発明の範囲は、本明細書で説明した特定の構成に限定されず、添付の請求の範囲の範囲内の全ての構成、並びにそれらに対する変形例及び変更例を含むことが理解されるだろう。
【0095】
例えば、上記実施形態は第2世代通信ネットワーク(主にGSMネットワーク228)に関して説明されたが、当業者であれば上記の技術はユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)のような第3世代通信ネットワークに関しても用いられることは理解できるであろう。この点において、GSM通信モジュールは、ユーザ装置(User Equipment,UE)として使用できるUMTS通信モジュールによって置き換えられる。GSMネットワーク同様に、UMTS通信ネットワークにおいても所定のノードBに関する信号強度を測定することができ、例えばノードBによって使用される第1共通パイロットチャンネルに関して測定することで、又は米国特許7,324,497に記載されているようにすることで可能である。他の通信システムに対する上記の実施形態の適用性を踏まえて、「基地局(base station)」という用語は限定的に解釈されるべきでなく、例えばノードBを含むものであると理解されるべきである。
【0096】
上記の詳細な説明で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーション装置はGPSの代わりに(又は実際にはGPSに加えて)どんな種類の位置検出技術を利用してもよい。例えばナビゲーション装置は、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを用いることにより有用であってもよい。同様に、ナビゲーション装置は、衛星を用いたものに限定されず、地上ビーコン又はデバイスが地理的な場所を判定することを可能にする他の何らかの種類のシステムを使用して容易に機能できる。
【0097】
本発明の別の実施形態は、コンピュータシステムと共に使用されるコンピュータプログラムとして実現される。例えばコンピュータプログラムは、ディスケット、CD−ROM、ROM又は固定ディスク等の有形のデータ記録媒体に格納されるか、あるいは例えばマイクロ波又は赤外線である無線媒体又は有形の媒体を介して送信されるコンピュータデータ信号で具体化された一連のコンピュータ命令である。一連のコンピュータ命令は、上述の機能性の全て又は一部を構成でき、半導体メモリ素子、磁気メモリ素子、光メモリ素子又は他のメモリ素子等の揮発性又は不揮発性のあらゆるメモリ素子に格納される。
【0098】
好適な実施形態はソフトウェアを使用してある特定の機能性を実現するが、その機能性はハードウェアでのみ(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)を使用することにより)又は実際にはハードウェアとソフトウェアとの組合せにより同様に実現可能であることが当業者にはよく理解されるだろう。従って、本発明の範囲は、ソフトウェアで実現されることにのみ限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0099】
最後に、添付の請求の範囲は本明細書で説明した特徴の特定の組合せを示すが、本発明の範囲は、以下に請求される特定の組合せに限定されず、特定の組合せが今回添付する請求の範囲に特に列挙されているか否かに関係なく、本明細書で開示された特徴又は実施形態のいかなる組合せも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別できる基地局によってサポートされた無線通信ネットワークを介してデータを通信する無線通信ユニットと、
使用中に、作動環境をサポートするように構成された処理リソースとを備えるナビゲーション装置であって、
前記作動環境は、前記無線通信ユニットによって受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを、現在位置において前記無線通信ユニットから受信するように構成された位置決定モジュールをサポートし、
前記位置決定モジュールは複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部にアクセスすることができ、
前記データ関連付けエントリの各々は、前記識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティと、いくつかの記憶された前記アイデンティティが受信できる位置に関連付けられた位置識別子とを含み、
前記位置決定モジュールは、前記複数のデータ関連付けエントリから前記いくつかの記憶されたアイデンティティに関連する現在位置を決定するように構成されていることを特徴とする、ナビゲーション装置。
【請求項2】
位置決定信号受信機をさらに含み、
前記作動環境は、無線位置決定信号が前記位置決定信号受信機によって受信されると前記無線位置決定信号に基づいて位置を決定することができる、もう1つの位置決定モジュールをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置決定モジュールは、前記いくつかの識別できる基地局の前記アイデンティティと、複数の前記データ関連付けエントリの1つのデータ関連付けエントリの前記識別できる基地局の前記いくつかの記憶されたアイデンティティとを夫々マッチさせることを試みるように構成され、
前記マッチが発生した場合、前記いくつかの記憶されたアイデンティティに関連する前記位置識別子も実質的に現在位置を識別することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記マッチは最善のマッチであることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記位置決定モジュールは、前記いくつかの識別できる基地局の前記アイデンティティと、前記複数のデータ関連付けエントリの各々の前記識別できる基地局の前記いくつかの記憶されたアイデンティティとのマッチに関して夫々の点数を計算することで、前記複数のデータ関連付けエントリの前記いくつかの各々に関してマッチの程度を夫々測定するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のデータ関連付けエントリの前記いくつかの各々に対して、前記夫々の点数は前記識別できる基地局の対応する前記いくつかの保存されたアイデンティティとマッチする前記受信できるいくつかのアイデンティティの数を示すことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置決定モジュールは、前記無線通信ユニットから夫々前記受信できるいくつかのアイデンティティに関連付けられた、現在位置に関するいくつかの信号強度測定値をさらに受信するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記データ関連付けエントリの各々は、前記識別できる基地局の前記いくつかの記憶されたアイデンティティに夫々関連付けられたいくつかの信号強度範囲をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記位置決定モジュールは、いくつかの前記信号強度測定値の夫々の信号強度測定値の境界を付けるいくつかの前記信号強度範囲をできるだけ多く有するデータ関連付けエントリを前記複数のデータ関連付けエントリからみつけることで、マッチを見つけることを試みるように構成されている、請求項7に依存する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のデータ関連付けエントリの1つ以上が、前記いくつかの信号強度測定値に関して最善のマッチを構成することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記位置決定モジュールは、前記1つ以上のデータ関連付けエントリの前記位置識別子から現在位置を計算するように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記位置決定モジュールは、前記位置識別子に関連する位置から実質的な平均位置を計算するように構成されていることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記マッチは最善のマッチであることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記位置決定モジュールは、前記いくつかの信号強度測定値の夫々の前記信号強度測定値の境界をつける前記いくつかの信号強度範囲に関して点数を計算することで、前記データ関連付けエントリに関して夫々のマッチの程度を測定するように構成されており、夫々の点数は前記複数のデータ関連付けエントリの各々に対して計算されることを特徴とする、請求項10又は13に記載の装置。
【請求項15】
最も高い点数が最善のマッチを示し、前記位置決定モジュールは前記最も高い点数を見つけるように構成されていることを特徴とする、請求項6又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記無線通信ネットワークはセルラ通信ネットワークであることを特徴とする、請求項1乃至15に記載の装置。
【請求項17】
前記アイデンティティの前記少なくともいくつかは、前記識別できる基地局の前記いくつかに夫々関連する少なくともセルアイデンティティ(ID)であることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のナビゲーション装置と、
前記データ記憶部を含むサーバ装置と、を備える位置決定システムであって、
前記ナビゲーション装置は、前記複数のデータ関連付けエントリにアクセスするために前記サーバ装置に要求を送信するように構成されていることを特徴とする、位置決定システム。
【請求項19】
無線通信を介して受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを現在位置で前記無線通信から受信する工程と、
複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部をアクセスする工程と、
前記複数のデータ関連付けエントリから、いくつかの保存されたアイデンティティに関連する現在位置を決定する工程とを含み、
前記データ関連付けエントリの各々は、前記識別できる基地局の前記いくつかの保存されたアイデンティティと、前記いくつかの保存されたアイデンティティが受信できる位置に関連する位置識別子とを備えることを特徴とする、位置決定方法。
【請求項20】
充分な位置に関連する衛星ブロードキャスト情報がない場合のナビゲーション方法であり、請求項19に記載の方法を含む、ナビゲーション方法。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の方法がコンピュータによって実行されるようにするコンピュータプログラム。
【請求項22】
コンピュータで読み取り可能な媒体に記憶された請求項21に記載のコンピュータプログラム。
【請求項1】
識別できる基地局によってサポートされた無線通信ネットワークを介してデータを通信する無線通信ユニットと、
使用中に、作動環境をサポートするように構成された処理リソースとを備えるナビゲーション装置であって、
前記作動環境は、前記無線通信ユニットによって受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを、現在位置において前記無線通信ユニットから受信するように構成された位置決定モジュールをサポートし、
前記位置決定モジュールは複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部にアクセスすることができ、
前記データ関連付けエントリの各々は、前記識別できる基地局のいくつかの記憶されたアイデンティティと、いくつかの記憶された前記アイデンティティが受信できる位置に関連付けられた位置識別子とを含み、
前記位置決定モジュールは、前記複数のデータ関連付けエントリから前記いくつかの記憶されたアイデンティティに関連する現在位置を決定するように構成されていることを特徴とする、ナビゲーション装置。
【請求項2】
位置決定信号受信機をさらに含み、
前記作動環境は、無線位置決定信号が前記位置決定信号受信機によって受信されると前記無線位置決定信号に基づいて位置を決定することができる、もう1つの位置決定モジュールをサポートすることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置決定モジュールは、前記いくつかの識別できる基地局の前記アイデンティティと、複数の前記データ関連付けエントリの1つのデータ関連付けエントリの前記識別できる基地局の前記いくつかの記憶されたアイデンティティとを夫々マッチさせることを試みるように構成され、
前記マッチが発生した場合、前記いくつかの記憶されたアイデンティティに関連する前記位置識別子も実質的に現在位置を識別することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記マッチは最善のマッチであることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記位置決定モジュールは、前記いくつかの識別できる基地局の前記アイデンティティと、前記複数のデータ関連付けエントリの各々の前記識別できる基地局の前記いくつかの記憶されたアイデンティティとのマッチに関して夫々の点数を計算することで、前記複数のデータ関連付けエントリの前記いくつかの各々に関してマッチの程度を夫々測定するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のデータ関連付けエントリの前記いくつかの各々に対して、前記夫々の点数は前記識別できる基地局の対応する前記いくつかの保存されたアイデンティティとマッチする前記受信できるいくつかのアイデンティティの数を示すことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置決定モジュールは、前記無線通信ユニットから夫々前記受信できるいくつかのアイデンティティに関連付けられた、現在位置に関するいくつかの信号強度測定値をさらに受信するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記データ関連付けエントリの各々は、前記識別できる基地局の前記いくつかの記憶されたアイデンティティに夫々関連付けられたいくつかの信号強度範囲をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記位置決定モジュールは、いくつかの前記信号強度測定値の夫々の信号強度測定値の境界を付けるいくつかの前記信号強度範囲をできるだけ多く有するデータ関連付けエントリを前記複数のデータ関連付けエントリからみつけることで、マッチを見つけることを試みるように構成されている、請求項7に依存する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のデータ関連付けエントリの1つ以上が、前記いくつかの信号強度測定値に関して最善のマッチを構成することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記位置決定モジュールは、前記1つ以上のデータ関連付けエントリの前記位置識別子から現在位置を計算するように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記位置決定モジュールは、前記位置識別子に関連する位置から実質的な平均位置を計算するように構成されていることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記マッチは最善のマッチであることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記位置決定モジュールは、前記いくつかの信号強度測定値の夫々の前記信号強度測定値の境界をつける前記いくつかの信号強度範囲に関して点数を計算することで、前記データ関連付けエントリに関して夫々のマッチの程度を測定するように構成されており、夫々の点数は前記複数のデータ関連付けエントリの各々に対して計算されることを特徴とする、請求項10又は13に記載の装置。
【請求項15】
最も高い点数が最善のマッチを示し、前記位置決定モジュールは前記最も高い点数を見つけるように構成されていることを特徴とする、請求項6又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記無線通信ネットワークはセルラ通信ネットワークであることを特徴とする、請求項1乃至15に記載の装置。
【請求項17】
前記アイデンティティの前記少なくともいくつかは、前記識別できる基地局の前記いくつかに夫々関連する少なくともセルアイデンティティ(ID)であることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のナビゲーション装置と、
前記データ記憶部を含むサーバ装置と、を備える位置決定システムであって、
前記ナビゲーション装置は、前記複数のデータ関連付けエントリにアクセスするために前記サーバ装置に要求を送信するように構成されていることを特徴とする、位置決定システム。
【請求項19】
無線通信を介して受信できる、識別できる基地局のアイデンティティの少なくともいくつかを現在位置で前記無線通信から受信する工程と、
複数のデータ関連付けエントリを含むデータ記憶部をアクセスする工程と、
前記複数のデータ関連付けエントリから、いくつかの保存されたアイデンティティに関連する現在位置を決定する工程とを含み、
前記データ関連付けエントリの各々は、前記識別できる基地局の前記いくつかの保存されたアイデンティティと、前記いくつかの保存されたアイデンティティが受信できる位置に関連する位置識別子とを備えることを特徴とする、位置決定方法。
【請求項20】
充分な位置に関連する衛星ブロードキャスト情報がない場合のナビゲーション方法であり、請求項19に記載の方法を含む、ナビゲーション方法。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の方法がコンピュータによって実行されるようにするコンピュータプログラム。
【請求項22】
コンピュータで読み取り可能な媒体に記憶された請求項21に記載のコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−515324(P2012−515324A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544806(P2011−544806)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050356
【国際公開番号】WO2010/081537
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050356
【国際公開番号】WO2010/081537
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
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