説明

ナビゲーション装置、充電施設登録方法およびプログラム

【課題】 充電器付帯施設に設置された充電器の種別情報を含む施設情報を表示する「ナビゲーション装置、充電施設登録方法およびプログラム」に関する。
【解決手段】 ナビゲーション装置は、バッテリを動力源とする電気自動車に搭載可能であり、自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出し、バッテリへの充電量の変化量に基づいて充電に係る充電器の種類を識別する。この識別情報は、当該充電が行われている地点の位置情報と共に、充電施設の情報として、ナビゲーション装置のデータベースに登録される。登録された充電器の識別情報は、その充電施設がナビゲーション地図への表示対象として呼び出されたときに同時に読み出され、地図上に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を案内する機能を備えたナビゲーション装置に関し、特に、電気自動車のバッテリを充電する設備を備えた施設のナビゲーションへの登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、バッテリで駆動される電動モータを動力源としている。このため、電気自動車は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのような内燃機関の自動車よりも二酸化炭素の排出量が少なく騒音も緩和されることから、環境に配慮した次世代自動車として注目されている。
【0003】
電気自動車は、バッテリに蓄えられた電力を消費しながら走行するため、バッテリ残量が少なくなれば、バッテリへの充電が必要となる。電気自動車の普及が進めば、バッテリを充電する設備を付帯した施設(以下、充電器付帯施設または単に充電施設という)が広範囲かつ多数必要となる。こうした背景から、ナビゲーション装置の基本機能としては、充電器付帯施設の位置情報を登録し、必要に応じて参照できるようにする必要があり、この目的から、充電施設の位置情報をユーザに提供するナビゲーション装置が、例えば特許文献1に提案されている。特許文献1のナビゲーション装置は、電気自動車用のバッテリ充電設備の有無に関する情報を施設データとして記憶し、バッテリ充電施設の位置情報をユーザに提供する。
【0004】
しかしながら、充電器付帯施設が急速に増加してきている現状に対して、情報の更新頻度がそれに追随できておらず、必ずしも最新の情報が得られないという問題がある。これに対し、ユーザ自身が例えばインターネット上のこの種の情報サイトから充電施設の位置情報を取得し、ナビゲーション装置を操作して、その利用する充電施設を1つずつ登録していくという方法もあるが、ユーザに相当の手数を要することとなる。
このような観点から、充電が行われた地点を地図情報に自動登録する技術が開示されている(特許文献2および3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001ー215124号公報
【特許文献2】特許第3847065号公報
【特許文献3】特開2010ー101854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、現時点において、電気自動車への充電を行う充電器には、その価格的な制約などから、性能の異なる複数種類のものが存在している。これには大きく分けて、家庭電源と同じ100Vあるいは200V程度、単相交流の普通充電器といわれるカテゴリのものと、最大出力500V程度、3相交流の急速充電器というカテゴリのものがあり、その充電時間は、前者でおよそ7〜12時間程度、後者で15〜20分程度(80%充電)と大きな開きがある。
【0007】
しかしながら、特許文献2開示の技術においては、その充電施設に設置されている充電器がどのカテゴリに属するものかを判別することはできず、従って、その種類によって充電時間が大幅に異なる現状においては、その利便性は必ずしも高くない。
【0008】
特許文献2開示の技術は、その点を考慮して、利用者の充電実績をデータベースとして蓄積し、その情報に基づいて、ユーザの要望に応じた適切な充電施設を提示できるようにしている。しかしながら、適切な情報をユーザに提示するためには、相応の充電実績が必要となり、かつそれらはそのユーザの利用形態を反映した特有の情報であることから、それを他のユーザのためとして汎用的に用いることは困難である。
【0009】
本発明は、このような課題を解決し、充電器付帯施設の位置情報と共にその充電器の種類を自動的に登録し、これをユーザに提示することができるナビゲーション装置、充電施設登録方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るナビゲーション装置は、バッテリを動力源とする電気自動車に搭載可能なナビゲーション装置であって、自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出する検出手段と、充電に係る充電器の種類を識別する充電器識別手段と、充電時における自車位置を特定する自車位置特定手段と、前記自車位置特定手段により特定された地点を、前記充電器識別手段による充電器の識別情報と共に、充電器付帯施設の位置情報として登録する充電施設登録手段と、を備える。
【0011】
好ましくは前記充電器識別手段は、自車搭載バッテリへの充電量を監視するバッテリ監視手段を備え、該バッテリ監視手段で監視されるバッテリへの単位時間当り充電量に基づいて、その種別を識別するものである。また好ましくは、前記充電施設登録手段は、充電器の識別情報として、所定の基準値に基づく急速充電または普通充電の別を登録するものである。好ましくは、前記検出手段は、車両側の給電口に充電器が接続されることを検出するセンサを備え、該センサからの信号に基づいて、自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出するものである。また好ましくは、ナビゲーション装置は、ナビゲーション地図上に、前記充電施設登録手段により登録された充電施設を表示する表示手段を更に備え、該表示手段は、充電施設の表示と共に、急速充電または普通充電の別を示す表示を行うものである。好ましくは、ナビゲーション装置は、前記充電施設登録手段により登録された充電器付帯施設の位置情報を、ナビゲーションに係る位置情報を集中管理するネットワークサーバ上に送信する情報送信手段を更に備える。
【0012】
本発明に係るナビゲーション装置における充電施設登録方法は、バッテリを動力源とする電気自動車に搭載可能なナビゲーション装置における充電施設登録方法であって、自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出するステップと、充電に係る充電器の種類を識別するステップと、充電時における自車位置を特定するステップと、前記特定された地点を、前記充電器の識別情報と共に、充電器付帯施設の位置情報として登録するステップと、を備える。
【0013】
本発明に係るナビゲーション装置における充電施設登録プログラムは、バッテリを動力源とする電気自動車に搭載可能なナビゲーション装置における充電施設登録プログラムであって、自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出するステップと、充電に係る充電器の種類を識別するステップと、充電時における自車位置を特定するステップと、前記特定された地点を、前記充電器の識別情報と共に、充電器付帯施設の位置情報として登録するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本願発明によれば、ユーザに提示される充電器付帯施設の情報には、その充電器の種別が含まれているので、ユーザは、その所望する充電器を備えた施設を容易に判別できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例に係るナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】施設データのデータ構造の例示である。
【図3】充電情報登録プログラムの機能ブロック図である。
【図4】充電情報登録プログラムの動作を示すフローチャートである。
【図5】充電情報登録プログラムにおける充電器種別判定プログラムの動作を示すフローチャートである。
【図6】ナビゲーション地図上の充電施設の一表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、電気自動車に搭載可能なナビゲーション装置を例示する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例に係るナビゲーション装置の典型的な構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車内バスから車両の状態に関する信号を受信するバスインターフェース(I/F)20、GPS衛星からの信号を受信して自車位置を検出するGPS受信機30、VICSセンタから配信される道路交通情報を受信するVICS受信機40、ユーザからの入力を受け取る入力部50、無線または有線により外部機器とデータ通信をする通信制御部60、大容量ハードディスクなどの記憶媒体を含む記憶部70、スピーカ82から音声を出力させる音声出力部80、ディスプレイ92に道路地図等の画像を表示させる表示制御部90、プログラムを記憶するプログラムメモリ100、データを一時的に記憶するデータメモリ110、プログラムを実行することで各部を制御する制御部120を含んでいる。ナビゲーション装置10はまた、充電器付帯施設の登録機能の一部として、充電プラグ接続センサ130、およびバッテリ監視装置140の各ハードウェア構成を含んでいる。
【0018】
バスインターフェース20は、自立航法センサ(例えば、車速センサや加速度センサ、ジャイロセンサ等)からの検出信号、バッテリの残量に関する信号などを受け取り、これを制御部120へ提供する。VICS受信機40は、光ビーコン、電波ビーコン、FM多重放送などによりVICSセンタ側から配信された道路交通情報や駐車場の空き情報を受信し、これを制御部120へ提供する。入力部50は、ディスプレイ92に接触して入力を可能にする操作パネル52、音声により入力を可能にする音声入力部54、およびリモコン56を含む。
【0019】
記憶部70は、ナビゲーションに必要な道路地図データを格納する。道路地図データには、道路を識別するためのリンクデータ、交差点を識別するためのノードデータ、施設等のPOIを識別する施設データなどが含まれる。リンクデータは、道路種別、道路名称、幅員、規制、開始ノードと終端ノードの座標などを含んでいる。交差点ノードは、リンクノードの開始ノードや終端ノードとの接続関係を示す情報や交差点種別等の情報を含んでいる。
【0020】
施設データには、電気自動車のバッテリへの充電を行うための充電器付帯施設の情報が含まれる。図2に、施設データのデータ構造の例を示す。施設データ200は、施設の名称(例えば、店舗名や支店名)を含む名称データ210、施設が所在する緯度経度や住所を含む位置データ220、施設が属するジャンル(例えば、レストラン、ショッピングセンタ、駐車場、交通機関、宿泊施設、娯楽施設など)を示すジャンルデータ230、施設の形態を表示するときに用いられるポリゴンデータ240、充電施設に関する充電施設データ250等を含んでいる。
【0021】
さらに充電施設データ250は、施設が充電スタンドを備えているか否かを示す充電スタンド情報251、充電スタンドの系列またはチェーン店を識別する識別情報252、充電スタンドの設置台数を示す設置台数情報253、急速充電または普通充電を示す設備情報254、充電スタンドの施設内の設置位置を示す設置位置情報255、設置位置が施設の駐車場内に併設されているかを示す駐車場情報256、充電料金を示す料金情報257、利用することができる時間を示す利用時間情報258、特典や割引に関する特典情報259などを有する。これらの充電施設データは、充電施設を備えた施設の検索時に参照される。これらの充電施設データは、ナビゲーション装置に予め組み込まれたものだけでなく、後述するように利用者が充電施設を利用した際に本システムによって自動取得されるものも含まれている。
【0022】
図1に戻り、プログラムメモリ100は、自立航法センサやGPS受信機30からの検出信号に基づき自車位置を算出する自車位置算出プログラム102、自車位置やその他の開始位置から目的地までの最適な誘導経路を探索しこれを案内する誘導経路案内プログラム104、施設を検索するための施設検索プログラム106、充電器付帯施設の情報を自動登録する充電情報登録プログラム108などを含む。データメモリ110は、例えば、記憶部70から読み出した道路地図データ112、バスI/F20から得たバッテリの残量114、検索された施設データ200などを記憶する。
【0023】
充電プラグ接続センサ130は、自車に備えられたバッテリの給電口である充電プラグに対し、充電器のコネクタが接続されているか否かを検出する。具体的構成としては、充電プラグ周辺に配置した光センサやメカニカルスイッチによって、その接続の有無を検出することができる。充電プラグ接続センサ130で得られた検出信号は、制御部120に送られ、後述するようにこれが充電情報登録プログラム108を起動する契機となる。
【0024】
バッテリ監視装置140は、制御部120からの指令に基づいてバッテリの充電量ないしは充電レベル(state of charg: SOC)を監視する。具体的構成としては、電圧測定、クローンカウント、およびそれらに各種の経験的パラメータを考慮した学習機能を加味したもので実現することができる。充電情報登録プログラム108の実行に伴って、制御部120はバッテリ監視装置140を起動して、バッテリのモニタリングを行わせ、その結果から単位時間当りの充電量の変化を算出し、利用する。
【0025】
図3は、本実施例の充電情報登録プログラム108の機能ブロック図である。充電情報登録プログラム108は、充電開始検出部300、充電器識別部302、自車位置特定部304、充電施設登録部306、および充電施設表示部308を備えている。
【0026】
充電開始検出部300は、充電プラグ接続センサ130からの信号に基づいて、バッテリへの充電が開始されることを検出する。すなわち、ナビゲーション装置の制御部120は、このプログラムに基づいて、常時充電プラグ接続センサ130からの出力を監視していて、センサからの信号が充電器のコネクタが接続されたことを示す状態に変化したときに、充電情報登録プログラム108を起動して、その旨を通知する。なお、自動車の電源がオフの状態にあるときでも、待機電源で本充電開始検出部300に基づく監視を行って、充電器の接続が確認されたときに、充電情報登録プログラム108が起動・実行されるよう構成することができる。
【0027】
充電器識別部302は、バッテリ監視装置140で測定したバッテリの充電量に基づいて、充電に係る充電器の種類を識別する。現行の充電器には、大きく分けて2種類のカテゴリがあり、それぞれ家庭電源と同じ100Vあるいは200V程度、単相交流の普通充電器といわれる小型小電力のものと、最大出力500V程度、3相交流の急速充電器といわれる大型大電力のものである。そして、これらの充電時間は、前者でおよそ7〜12時間程度、後者で15〜20分程度(80%充電)である。一実施例において充電器識別部302は、この2種類の充電器、すなわち普通充電器と急速充電器の別を識別する。具体的には、充電器識別部302は、充電開始検出部300によって充電器が接続されると、時間計測を開始すると共に暫時バッテリの充電量を取得して、そこから単位時間当りの充電量を算出する。そしてその結果を所定の基準値と比較して、充電に係る充電器が普通充電器であるか急速充電器であるかを判別する。前述のようにこれら充電器による充電時間には大きな開きがあるので、この判定は容易にできる。もっとも複数の基準値を設けて、充電器の種類をより細分して判別することもできる。
【0028】
また、充電器識別部302は、充電プラグに接続される充電器のコネクタの形状を判別し、この情報から充電器の種類を識別するよう構成することもできる。さらに、普通充電器と急速充電器に対する別の専用プラグを備えた車両においては、何れのプラグに充電器が接続されたかを判別し、これをもって充電器の種別を判別せしめることが可能である。
【0029】
自車位置特定部304は、充電時における自車位置を特定する。すなわち、自車位置特定部304は、充電開始検出部300により充電の開始が検出されると、図1における自車位置算出プログラム102を起動して、自立航法センサやGPS受信機30からの検出信号に基づき自車位置を算出させる。
【0030】
充電施設登録部306は、取得された充電施設の情報を施設データ200のデータベースへ登録するものである。ここで登録される充電施設の情報には、前記自車位置特定部304で取得した位置情報、充電器識別部302で識別された充電器の種別情報、施設の形態を表示するときに用いられるポリゴンデータが含まれる。データベース内に当該施設情報が既に存在する場合は、これらの情報を対象のレコードに追加登録し、存在しない場合には新規のレコードとして登録する。充電施設登録部306は、狭域無線通信などの他の方法を通して、充電施設に関する他の情報、例えば、施設名称、充電スタンドの設置台数や設置位置、他の付帯設備などの情報を取得し、同時にこれらの情報をデータベースに登録するよう構成することができる。
【0031】
充電施設表示部308は、ディスプレイ92に表示されるナビゲーション地図上に、前記充電施設登録部306により登録された充電施設の情報を表示する。すなわち、充電施設を含むエリアデータが表示対象として選択された場合に、データベースから施設データを取得し、地図上の充電施設の座標位置に、施設の形態を表示するポリゴンデータを配置し、更に、その充電スタンドが普通充電であるか急速充電であるかを示すアイコンを配置する。その具体的態様については、後述する。
【0032】
次に、本実施例に係るナビゲーション装置の充電施設登録プログラムの動作を図4のフローチャートを参照して説明する。先にも説明したように、ナビゲーション装置の制御部120は、充電開始検出部300に基づいて、常時充電プラグ接続センサ130からの出力を監視している。そして、センサからの信号が充電器のコネクタが接続されたことを示す状態に変化したときに、充電情報登録プログラム108を起動して、その旨を通知する(ステップS402)。
【0033】
ステップS402において、充電器が接続されたことが確認されると、プログラム400はその接続された充電器種別の判定処理を開始する(ステップS404)。実施例においてこの判定処理は、接続された充電器が急速充電に係るものか、普通充電に係るものかを判定するが、その処理の詳細については後に図5の参照と共に説明する。ステップS404で充電器の種別が判定されると、プログラムは自車位置算出プログラム102を起動して、この充電が行われている現在地点の位置座標を取得する(ステップS406)。自車および充電施設に、他の情報通信設備が配備されている場合には、この時点でそれらの設備による情報交換を行わしめ、充電施設に関する追加的な情報を取得するよう構成することができる。
【0034】
そして次ぎに、これら取得した充電器の種別情報、現在値情報、およびその他の追加的情報を、施設データ200のデータベースに、その充電施設の情報として登録する(ステップS408)。このときデータベース内に当該施設情報が既に存在する場合は、これらの情報を対象のレコードに追加登録し、存在しない場合には新規のレコードとして登録する。登録された充電施設の情報は、本ナビゲーション装置における地図データの表示の際に、他の施設情報と同様に、ナビゲーション地図上に図および文字として表現されるが、その際、本登録に係る充電施設の場合には、前記充電器の種別情報に基づく充電器の種別表記を同時に表示する。
【0035】
次に、図5に沿って充電器種別の判定処理(ステップS404)の具体的プロセスについて説明する。プログラムが充電器種別の判定処理を呼び出すと、最初にバッテリ監視装置140を起動して、現時点におけるバッテリの充電量を取得し、これを初期充電量として記憶する(ステップS502)。続くステップS504およびS506で、安定的な充電が行われるに必要な所定の時間が経過するまで、所定間隔でバッテリの充電量を取得する処理を繰り返す。所定時間が経過すると、処理はステップS508に移り、ここでバッテリの初期充電量からの充電量の変化量に基づいて、単位時間当りのバッテリ充電量を算出する。そして算出された充電量が、所定の閾値を超えている場合には、この充電に係る充電器を急速充電器と判断し、閾値以下である場合は普通充電器と判断する(ステップS510)。この処理の結果は、それらを識別する識別フラグとして、後の処理において充電施設の情報の1つとしてデータベースに格納される。
【0036】
以上、図4および図5に示した処理をもって、ナビゲーション装置の利用者が充電施設において充電を行った際に、自動的にその充電器の種別を示す情報と共に、充電施設がナビゲーション装置のデータベースに登録されることとなる。
【0037】
図6は、前記処理によってデータベース上に登録された充電施設のナビゲーション地図上における一表示態様を示した図である。自車位置Mの周辺の道路地図600上において充電施設は、そのポリゴンデータで表される施設の外形602と共に、その充電施設が備える充電器の種類が、それを識別するアイコン604の形で表されている。図示する例では、「急」は急速充電器を、「普」は普通充電器を示すが、その表示態様は、これに限らず、例えば、アイコンの色彩、マーク、形状などを異ならせるようにしてもよい。さらに、急速充電器と普通充電器の双方を備える施設である場合には、それが識別できるようなアイコンを表示することが望ましい。この表記によってナビゲーション装置の利用者は、その施設が充電施設であり、かつその備える充電器が急速充電器であることを判断できる。なお、ガソリン給油ステーション603が充電設備を備える場合は、優先的に充電設備に係る情報を表示するよう構成することが好ましい。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0039】
上記実施例では、急速充電器と普通充電器を例示したが、これは一例であって、充電施設に複数種の充電器が設置される場合には、それらの種類が識別できるようなアイコンやテキスト標記(好ましくは、アイコンの吹き出し)をすることが可能である。また、充電施設が、バッテリ自体を交換するようなサービスを行っているのであれば、それを識別できるようなアイコンまたは識別表示をすることができる。バッテリが交換されたか否かは、例えば、バッテリの装着の有無を示すスイッチなどから検出することができる。
【0040】
一つの態様として、ナビゲーション装置は、本装置を介して取得した各種の情報を、ナビゲーションに係る位置情報を集中管理するネットワークサーバ上に送信する情報送信装置を備えることができる。この情報送信装置を利用して、前記充電施設登録プログラム108により登録された充電器付帯施設の情報をネットワークサーバに送信し、これによって本ナビゲーション装置を利用する多数のユーザにおいて、その情報の利用ができるよう構成することもできる。
【符号の説明】
【0041】
10:ナビゲーション装置 20:バスI/F
30:GPS受信機 40:VICS・FM多重レシーバ
50:入力部 60:通信制御部
70:記憶部 80:音声出力部
90:画像表示部 100:プログラムメモリ
110:データメモリ 120:制御部
130:充電プラグ接続センサ 140:バッテリ監視装置
108:充電情報登録プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを動力源とする電気自動車に搭載可能なナビゲーション装置であって、
自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出する検出手段と、
充電に係る充電器の種類を識別する充電器識別手段と、
充電時における自車位置を特定する自車位置特定手段と、
前記自車位置特定手段により特定された地点を、前記充電器識別手段による充電器の識別情報と共に、充電器付帯施設の位置情報として登録する充電施設登録手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記充電器識別手段は、自車搭載バッテリへの充電量を監視するバッテリ監視手段を備え、
該バッテリ監視手段で監視されるバッテリへの単位時間当り充電量に基づいて、その種別を識別するものである、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記充電施設登録手段は、充電器の識別情報として、所定の基準値に基づく急速充電または普通充電の別を登録するものである、
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記検出手段は、車両側の給電口に充電器が接続されることを検出するセンサを備え、
該センサからの信号に基づいて、自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出するものである、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置は、ナビゲーション地図上に、前記充電施設登録手段により登録された充電施設を表示する表示手段を更に備え、
該表示手段は、充電施設の表示と共に、急速充電または普通充電の別を示す表示を行うものである、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置は、前記充電施設登録手段により登録された充電器付帯施設の位置情報を、ナビゲーションに係る位置情報を集中管理するネットワークサーバ上に送信する情報送信手段を更に備える、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
バッテリを動力源とする電気自動車に搭載可能なナビゲーション装置における充電施設登録方法であって、
自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出するステップと、
充電に係る充電器の種類を識別するステップと、
充電時における自車位置を特定するステップと、
前記特定された地点を、前記充電器の識別情報と共に、充電器付帯施設の位置情報として登録するステップと、
を備える充電施設登録方法。
【請求項8】
バッテリを動力源とする電気自動車に搭載可能なナビゲーション装置における充電施設登録プログラムであって、
自車搭載バッテリへの充電が開始されたことを検出するステップと、
充電に係る充電器の種類を識別するステップと、
充電時における自車位置を特定するステップと、
前記特定された地点を、前記充電器の識別情報と共に、充電器付帯施設の位置情報として登録するステップと、
を備える充電施設登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−132817(P2012−132817A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286009(P2010−286009)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】