説明

ナビゲーション装置、及びナビゲーションプログラム

【課題】車両外部の環境により決定されるパラメータを用いて、検索された対象の表示順位を調節する。
【解決手段】同類の地点情報がキーワードによってグループされている。各グループには、「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」なる3つの項目に関して、パラメータ条件が設定されている。ナビゲーション装置1は、検索結果を所定のアルゴリズムに従って表示順序を設定して一覧表示するが、その際に、時計によって現在時刻と現在の月を取得し、サーバから現在の天気を取得する。そして、ナビゲーション装置1は、これらの値をパラメータとして、当該パラメータが各キーワードのパラメータ条件を満たすか否かを判断する。パラメータ条件を満たさないキーワードがあった場合、ナビゲーション装置1は、当該キーワードに属する地点情報の表示順位が下位となるように調節し、調節後の順位にて検索結果を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、及びナビゲーションプログラムに関し、例えば、検索した対象の表示順位を天気などによって調節するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置によって車両を誘導することが盛んに行われている。
ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路を探索する機能、GPS(Global Positioning System)衛星やジャイロなどのセンサを用いて自車両の位置を検出する機能、及び目的地までの経路と自車両の現在位置を地図上に表示する機能などを備えている。
【0003】
ナビゲーション装置は、車両を案内するためにユーザから目的地の設定を受け付けるが、ナビゲーション装置は、このために、ユーザが入力した検索語などに対応する地点情報を目的地の候補として一覧表示し、その中からユーザに目的地に設定するものを選択してもらう。
ところが、この方法では、目的地の候補が多数にのぼることがあり、所望の候補を探すのが負担となる場合があった。
そこで、次の特許文献1の「ナビゲーション装置」のように、例えば、夏であればスキー場を検索対象から除外するなどして、一覧表示する候補を削減する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平11−337361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、季節はずれなどを理由に検索した対象を候補から除外すると、仮にユーザがその候補を探していた場合、その候補を選択できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、車両外部の環境により決定されるパラメータを用いて、検索された対象の表示順位を調節することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1に記載の発明では、検索語の入力を受け付ける検索語入力受付手段と、前記受け付けた検索語に対応する対象を検索する検索手段と、検索した対象に設定されたパラメータ条件を取得する条件取得手段と、車両外部の環境により決定されるパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記取得したパラメータが前記取得したパラメータ条件を満たすか否かにより、前記検索した対象の表示順位を調節する表示順位調節手段と、前記調節した表示順位に基づいて前記検索した対象を表示する表示手段と、を具備したことを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記取得したパラメータが前記取得したパラメータ条件を満たさない対象をユーザが選択した場合に、当該パラメータが当該パラメータ条件を満たすように当該パラメータ条件を更新する更新手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記更新手段による更新履歴を記憶する更新履歴記憶手段を具備し、前記記憶した更新履歴を用いて、前記パラメータ条件を更新前のものに復元する復元手段を具備したことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記パラメータは、時刻、天気、歴のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のナビゲーション装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、検索語の入力を受け付ける検索語入力受付機能と、前記受け付けた検索語に対応する対象を検索する検索機能と、検索した対象に設定されたパラメータ条件を取得する条件取得機能と、車両外部の環境により決定されるパラメータを取得するパラメータ取得機能と、前記取得したパラメータが前記取得したパラメータ条件を満たすか否かにより、前記検索した対象の表示順位を調節する表示順位調節機能と、前記調節した表示順位に基づいて前記検索した対象を表示する表示機能と、をコンピュータに実現させるナビゲーションプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明では、車両外部の環境により決定されるパラメータが、対象に設定されたパラメータ条件を満たすか否かにより対象の表示順位を調節することにより、ユーザが検索している対象を除外することなく、ユーザが対象を見付けやすくすることができる。
請求項2に記載の発明では、パラメータがパラメータ条件を満たさなくてもユーザが対象を選択した場合に、当該パラメータが当該パラメータ条件を満たすように当該パラメータ条件を更新することにより、ユーザの選択を学習することができる。
請求項3に記載の発明では、パラメータ条件の更新履歴を記憶しておくことにより、パラメータ条件を更新前のものに復元することができ、必要な場合は学習結果をキャンセルすることができる。
請求項4に記載の発明では、パラメータを時刻、天気、歴のうちの少なくとも1つとすることにより、ユーザが目的地選択の際に考慮すると思われる要因をパラメータとすることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1に記載のナビゲーション装置の機能をコンピュータに発揮させるためのコンピュータプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)実施の形態の概要
例えば、「岡崎市民プール」やその他のプールは、キーワード「プール」でグループ化するといったように、同類の地点情報がキーワードによってグループされている。
そして、各グループには、「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」なる3つの項目に関して、パラメータ条件が設定されている。例えば、「プール」に関しては、「対応季節」が「6月〜9月」、「対応天気」が「晴れ・曇り」、「対応時間」が「10:00〜18:00」などとなっている。
【0009】
ナビゲーション装置は、ユーザから検索語を受け付けて地点情報を検索し、検索結果を所定のアルゴリズムに従って表示順序を設定して一覧表示するが、その際に、時計によって現在時刻と現在の月を取得し、サーバから地点における現在の天気を取得する。
そして、ナビゲーション装置は、これらの値をパラメータとして、当該パラメータが各キーワードのパラメータ条件を満たすか否かを判断する。
パラメータ条件を満たさないキーワードがあった場合(例えば、天気のパラメータである「雨」に対してプールの項目「対応天気」に関するパラメータ条件である「晴れ・曇り」など)、ナビゲーション装置は、当該キーワードに属する地点情報の表示順位が下位となるように調節し、調節後の順位にて検索結果を表示する。
【0010】
これによって、雨の日にプールの表示順位を低くしたり、夏にスキー場の表示順位を低くするなどし、ユーザが探していると思われる地点情報を上位に表示して見付けやすくするとともに、これらパラメータ条件に一致しない地点情報を探しているユーザも、下位の表示にて当該地点情報を選択することができる。
【0011】
(2)実施の形態の詳細
図1は本実施形態が適用されるナビゲーション装置1のシステム構成図である。
ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、この図に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50を備えている。
まず、現在位置検出装置10は、以下のような構成を有している。
絶対方位センサ11は、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両が何れの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方向を検出する手段であればよい。
【0012】
相対方位センサ12は、例えば交差点を曲がったか否かを検出するものであり、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリュームあるいは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。また、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを用いてもよい。
つまり、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出することができる手段であればよい。
距離センサ13は、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものでもよい。つまり、車両の移動距離を計測できる手段であればよい。
【0013】
GPS受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
ビーコン受信装置15は、特定の地点に設置された送信装置より発信された信号を受信する装置である。
特に、VICS情報を入手することができ、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等車両の走行に関する情報を入手することができる。
このように、ナビゲーション装置1は、現在位置取得(検出)手段を備えている。
【0014】
データ送受信装置16は、電話回線や電波を利用して車両外部と通信をし、情報の交換を行うための装置である。
例えば、自動車電話、ATIS、VICS、GPS補正、車両間通信など様々な利用方法があり、走行に関する情報を入出力することが可能である。
また、検索結果の表示順位を調節するためのパラメータとして天気が必要とされるが、ナビゲーション装置1は、データ送受信装置16によって外部のサーバと通信し、地点情報が表す地点の現在の天気を取得する。
なお、本実施の形態では、検索された地点情報の地点における現在時刻の天気を取得するが、検索された地点情報の地点における到着予定時刻での予報天気や現在の天気を用いることも可能である。
【0015】
次に、情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報に基づいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43又はスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
【0016】
この情報処理制御装置20は、以下のような構成を有している。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置1全体の総括的な演算及び制御を行う。
第1ROM22は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、目的地までの経路を案内するのに必要な地点情報の検索、及び検索した地点情報を画像表示や音声出力するためにRAM24などに出力したり、地点情報データファイル58などを用いて地点の名称を読みから検索したり、また、検索した地点の表示順位を天気などを用いて調節したりするナビゲーションプログラムを格納している。
センサ入力インターフェイス23は、現在位置検出装置10からの情報を受け取る手段である。
【0017】
RAM24は、目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、又は情報記憶装置50から読み込まれた地図情報(地点情報も含まれる)を格納するための記憶手段である。
通信インターフェイス25は、現在位置検出装置10からの情報、特に外部から得られる情報を入出力するための手段である。
【0018】
第2ROM26は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、音声案内に関するナビゲーションプログラムを格納している。
画像プロセッサ27は、CPU21で処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための処理手段である。
時計28は、時刻を刻む。また、検索結果の表示順位を調節するためのパラメータとして現在時刻と現在の月が必要とされるが、ナビゲーション装置1は、時計28によってこれらのパラメータを取得する。
なお、本実施の形態では、パラメータとして現在時刻を用いるが、地点情報による地点への到着予定時刻を用いることも可能である。
画像メモリ29は、画像プロセッサ27により処理された画像情報を格納する手段である。
音声プロセッサ30は、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理し、スピーカ44に出力する。
【0019】
入出力装置40は、利用者により目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像や検索結果などを表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。
入力装置41は、例えば、タッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
【0020】
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、交差点データファイル52、ノードデータファイル53、道路データファイル54、写真データファイル55、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、地点情報データファイル58、キーワードデータファイル59、その他のデータファイルを格納している。
この情報記憶装置50は、一般的には、書き換え可能な記憶媒体であるハードディスク、フラッシュメモリなどで構成されるが、CD−ROM、DVD−ROMなどのROMと併用してもよい。
【0021】
地図データファイル51には、全国道路地図、任意地域の道路地図又は住宅地図等の地図データが記憶されている。
道路地図は、主要幹線道路、高速道路、細街路(比較的狭い道路)等の各道路と地上目標物(施設等)から構成される。住宅地図は、地上建造物等の外形を表す図形、及び道路名称等が表示される市街図である。
【0022】
交差点データファイル52には、交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関するデータが記憶されている。
ノードデータファイル53には、地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等が記憶される。
道路データファイル54には、道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータが記憶されている。
【0023】
写真データファイル55には、各種施設や観光地、又は主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データやコンピュータグラフィックス画像データなどが記憶されている。
目的地データファイル56には、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地になる可能性の高い場所や施設等の位置と名称等のデータが記憶されている。
案内地点データファイル57には、道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等の案内が必要とされる地点の案内データが記憶されている。
【0024】
地点情報データファイル58は、地点情報を格納したファイルである。地点情報は、POI(Point of Interest)情報とも呼ばれ、例えば、競技場、劇場、レストランやデパートなどの店舗、学校、行政施設、福祉施設、民間会社の本支社や営業所、観光地など、ユーザが経路案内などで興味を持つと考えられる地点の名称を表示するための表示文字列、表示文字列の読み、表示文字列と読みの対応情報、住所、電話番号、その他の事項に関する情報である。地点情報は、検索の対象として機能している。
【0025】
キーワードデータファイル59は、例えば、「プール」、「レストラン」など、地点情報が表す施設などを同類のものでグループ化し(即ち、上位概念で層別化し)、グループごとに、時刻、天気、歴の各項目についてのパラメータ条件を設定したものである。
キーワードデータファイル59は、例えば、雨の日はプールの表示順位を低く調節したり、夏にはスキー場の表示順位を低くしたりなど、検索された地点情報の表示順位を調節するのに用いられる。
【0026】
図2(a)は、地点情報データファイル58に記憶されている地点情報の論理的な構成の一例を示した図である。
地点情報は、「地点ID」、「地点名称」、「座標値」、「キーワード」などの項目から構成されている。
項目「地点ID」は、各地点情報に付与されているID情報であり、ナビゲーション装置1は、地点IDにより地点情報を特定することができる。
項目「地点名称」は、地点に存在する施設の名称や、場所の名称など、地点情報の対象に付与されている名称である。
【0027】
項目「座標値」は、例えば、緯度経度など、地点の所在地を特定する情報である。
項目「キーワード」は、例えば、「プール」、「レストラン」、図示しないが、「海水浴場」、「スキー場」など、時刻、天気、時間といった観点を考慮してユーザが対象を検索する場合に同類のものをグループ化したものである。
図示しないが、地点情報は、項目「読み」を備えており、例えば、「おかざきしみんぷーる」など、地点名称の読みが記憶されている。
読みは、ナビゲーション装置1が50音入力された検索語に対応する地点情報を検索するのに用いられる。
【0028】
図2(b)は、キーワードデータファイル59に記憶されているキーワードデータの論理的な構成の一例を示した図であり、学習前の初期状態を表している。
キーワードデータは、「キーワード」、「ジャンル」、「エリア」、「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」などの項目から構成されている。
項目「キーワード」は、地点情報に記憶されている項目「キーワード」に対応するものであり、「プール」、「海水浴場」など、地点情報のグループが記憶されている。
即ち、項目「キーワード」を介して地点情報とキーワードデータが対応づけられている。
【0029】
項目「ジャンル」は、項目「キーワード」に該当する地点情報のジャンル(種類)であり、項目「エリア」は、項目「キーワード」に該当する地点情報を適用する領域である。
これらは、ジャンルやエリアの入力をユーザから受け付け、検索対象を絞り込むのに用いられる。
【0030】
項目「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」は、何れも検索の対象(即ち地点情報)に設定されたパラメータ条件であり、それぞれ「月」、「天気」、「時間」をパラメータとして当該パラメータ条件が満たされているか否かが判断される。
【0031】
項目「対応季節」は、月単位でパラメータ条件を設定しており、春夏秋冬などの歴を判断するのに用いられる。
ナビゲーション装置1は、検索時の月をパラメータとし、当該月がパラメータ条件として設定された月の範囲にあるか否かを判断する。
そして、ナビゲーション装置1は、当該範囲にある場合は、パラメータ条件を満たし、当該範囲にない場合はパラメータ条件を満たさないと判断する。
【0032】
例えば、キーワード「プール」の「対応季節」は「6月〜9月」であり、検索時の月が6月から9月までの何れかである場合、パラメータ条件を満たし、何れでもない場合はパラメータ条件を満たさないことになる。
このパラメータ条件は、例えば、夏におけるプールや海水浴場、冬におけるスキー場などのように検索頻度が高くなる季節をパラメータ条件に設定すると、季節はずれにこれらの地点情報の表示順位を低くすることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0033】
項目「対応天気」は、晴れ、曇り、雨のうちの1つ、又は組合せによってパラメータ条件が設定されており、ナビゲーション装置1は、検索時の天気をパラメータとし、当該天気がパラメータ条件として設定された天気の何れかに該当するか否かを判断する。
そして、ナビゲーション装置1は、設定された天気の何れかに該当する場合はパラメータ条件を満たし、該当しない場合はパラメータ条件を満たさないと判断する。
【0034】
例えば、キーワード「プール」の「対応天気」は「晴れ・曇り」であり、地点における検索時の天気が晴れか曇りの場合、パラメータ条件を満たし、雨である場合はパラメータ条件を満たさないことになる。
このパラメータ条件は、例えば、晴れ・曇りにおけるプールや海水浴場などのように検索頻度が高くなる天気をパラメータ条件に設定すると、天気が適合しない場合にこれらの地点情報の表示順位を低くすることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0035】
項目「対応時間」は、24時間のうちのある時間帯であり、ナビゲーション装置1は、検索時の時刻をパラメータとし、当該時刻がパラメータ条件として設定された時間帯の範囲にあるか否かを判断する。
そして、ナビゲーション装置1は、当該範囲にある場合は、パラメータ条件を満たし、当該範囲にない場合はパラメータ条件を満たさないと判断する。
【0036】
例えば、キーワード「プール」の「対応時間」は「10:00−18:00」であり、検索時の時刻が10時から18時までの間である場合、パラメータ条件を満たし、何れでもない場合はパラメータ条件を満たさないことになる。
このパラメータ条件は、例えば、平均的な営業時間や利用時間などをパラメータ条件に設定すると、営業時間外・利用時間外では、これらの地点情報の表示順位を低くすることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0037】
以上のように構成された地点情報(図2(a))とキーワードデータ(図2(b))は次のように利用される。
まず、ナビゲーション装置1は、例えば、「おかざき」などと、50音の読みによって検索語の入力を受け付ける。このように、ナビゲーション装置1は、検索語の入力を受け付ける検索語入力受付手段を備えている。
また、ナビゲーション装置1は、この際に、ユーザからジャンルやエリアなどの指定も受け付ける。
【0038】
そして、ナビゲーション装置1は、ジャンルやエリアに該当する地点情報を地点情報データファイル58から抽出し、当該抽出した地点情報において、地点名称の読みに検索語を含む地点情報を検索する。
このように、ナビゲーション装置1は、受け付けた検索語に対応する対象(地点情報)を検索する検索手段を備えている。
更に、ナビゲーション装置1は、通常の方法によって検索した地点情報に表示順序を設定する。
このように、ナビゲーション装置1は、受け付けた検索語に対応する対象(地点情報)を検索する検索手段と、検索した対象の表示順位を設定する表示順位設定手段を備えている。
【0039】
ナビゲーション装置1は、以上のようにして、地点情報の検索、及び表示順位の設定を行うと、次のようにして表示順位の調節を行う。
ナビゲーション装置1は、検索時に、時計28によって、検索時の月と時刻を取得し、データ送受信装置16を用いてサーバから天気を取得する。
そして、これをキーワードデータファイル59の各キーワードのパラメータ条件と対比し、パラメータ条件を満たさないキーワードを特定する。
月、時刻、天気の3つのパラメータが「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」の3つのパラメータ条件の全てを満たしている場合、ナビゲーション装置1は、当該キーワードに対応する地点情報に関しては、表示順位の変更は行わない。
【0040】
一方、3つのパラメータのうちパラメータ条件を満たさないものがある場合、当該キーワードに対応する地点情報の表示順位を、通常の方法にて設定した表示順位よりも低くなるように調節する。
この場合、2つ満たさないものは1つ満たさないものよりも表示順位を低く設定し、3つ満たさないものは2つ満たさないものよりも表示順位を低くするといったように、表示順位を調節することも可能である。
また、天気に関するパラメータ条件の方が季節に関するパラメータ条件よりも表示順位により影響するといったように、パラメータ条件に重みづけを行ってもよい。
【0041】
例えば、図2(a)に示した地点情報の「岡崎市民プール」の場合、キーワードは「プール」となっている。
これに対して、図2(b)に示したキーワードデータでキーワード「プール」のパラメータ条件は、「対応季節」に関しては「6月〜9月」、「対応天気」に対しては「晴れ・曇り」、「対応時間」に関しては「10:00−18:00」となっている。
そのため、検索時の月、天気、時刻がこれらのパラメータ条件を満たす場合、地点情報「岡崎市民プール」は通常の表示順位にて表示され、これらのパラメータのうち、満たさないものがある場合は、表示順位が低く設定される。
【0042】
このようにして、ナビゲーション装置1では、キーワードデータを介して地点情報に対してパラメータ条件が設定されている。このため、ナビゲーション装置1は、検索した対象(地点情報)に設定されたパラメータ条件を(キーワードデータを介して)取得する条件取得手段を備えている。
また、ナビゲーション装置1は、時計28やデータ送受信装置16を用いて、現在の月、地点における現在の天気、現在時刻などの車両外部の環境によるパラメータを取得するため、車両外部の環境により決定されるパラメータを取得するパラメータ取得手段を備えている。
更に、ナビゲーション装置1は、当該取得したパラメータが(地点情報に対して)取得したパラメータ条件を満たすか否かにより、検索した対象(地点情報)の表示順位を調節する表示順位調節手段を備えている。
【0043】
次に、図2(c)を用いてナビゲーション装置1が有する学習機能について説明する。
図2(c)は、学習により更新した後のキーワードデータの論理的な構成の一例を示した図である。
例えば、図2(b)のキーワード「プール」のパラメータ条件のうち、「対応天気」は「晴れ・曇り」となっているが、検索時のパラメータが雨であり、例えば、「岡崎市民プール」の表示順位が低く設定されているにもかかわらず、ユーザがこれを選択した場合、ナビゲーション装置1は、当該パラメータ条件を「全て」(晴れ・曇り・雨を意味する)に更新し、当該パラメータが当該パラメータ条件を満たすように当該パラメータ条件を更新する。
【0044】
このように、パラメータがパラメータ条件を満たさない対象をユーザがあえて選択した場合に、ユーザ特有の要求があると考えられるため、ナビゲーション装置1は、当該パラメータが当該パラメータ条件を満たすように当該パラメータ条件を変更し、これによってキーワードデータを更新する。この変更と更新よりナビゲーション装置1の学習機能が発揮される。
このように、ナビゲーション装置1は、パラメータがパラメータ条件を満たさない対象(地点情報)をユーザが選択した場合に、当該パラメータが当該パラメータ条件を満たすように当該パラメータ条件を更新する更新手段を備えている。
【0045】
なお、パラメータ条件を満たさない地点情報が1回でも選択された場合にキーワードデータを更新するように構成してもよいが、本実施の形態では、パラメータ条件を満たさない地点情報が所定回数(例えば、3回)選択された場合にキーワードデータを更新するというように、選択回数に閾値を設けた。
これは、ユーザがパラメータ条件を満たさない地点情報を繰り返し選ぶということは、たまたまその地点情報を選んだのではなく、ユーザ固有の要求により選んでいる可能性が高くなるためである。
【0046】
このように、パラメータ条件に適合しない選択回数を計測するために、ナビゲーション装置1は、各キーワードの各パラメータ条件ごとに図示しないカウンタを備えている。
例えば、図2(b)のキーワードデータにおいて、キーワード「プール」は、「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」の各パラメータ条件にカウンタを備えており、パラメータ条件ごとに、条件に適合しない場合の選択回数をカウントしている。
このように、ナビゲーション装置1は、パラメータ条件ごとにカウントを行い、何れか1つのパラメータ条件のカウンタが所定回数に達したら、パラメータ条件の変更を行う。
なお、3つのパラメータ条件のカウンタ値の合計が所定回数に達した場合にパラメータ条件の変更を行うように構成することもできる。
【0047】
図3は、天気に関するパラメータが雨であるときに(即ち、天気が雨の日に)、検索語「おかざき」を50音検索した場合の地点名称検索画面60(ディスプレイ42(図1)に表示される)を示した図である。即ち、「対応天気」のパラメータ条件が満たされていない。
なお、検索した月は7月であり、検索時刻は10時とし、「対応季節」と「対応時間」のパラメータ条件は満たされているものとする。
【0048】
ディスプレイ42の表面には、入力装置41(図1)を構成するタッチパネルが形成されており、ユーザがディスプレイ42に表示されたボタンなどをタッチすると、当該ボタンに対応する情報をナビゲーション装置1に入力することができるようになっている。
【0049】
読み入力欄61は、地点名称を検索するための検索語を入力する欄である。読み入力欄61に入力された読みが検索語として使用される。
【0050】
図示しないが、ディスプレイ42は、50音入力するための文字ボタンを表示し、ユーザがこれをタッチすることにより読みを入力できるようになっている。
図の例では、ユーザは「おかざき」と入力し、読み入力欄61には、読み「おかざき」が表示されている。
読み修正ボタン72は、地点名称の読みを入力した後にこれを修正する際にタッチするボタンである。
読み修正ボタン72をタッチすると、読み入力欄61に入力した読みが修正可能となる。
【0051】
エリア入力欄62は、地点名称を検索する検索エリアを設定する欄である。エリアには、例えば、全国を検索エリアとする「全エリア」や、都道府県を検索エリアとする「大阪府」、「愛知県」、「東京都」、・・・などがある。
図示しないが、地点名称検索画面60は、検索エリア設定メニューを備えており、ユーザが所望の検索エリアを選択できるようになっている。
【0052】
ナビゲーション装置1は、エリア入力欄62で設定されたエリアにて地点名称の検索を行う。
エリア修正ボタン73は、エリア入力欄62に設定された検索エリアを修正する際にタッチするボタンである。
エリア修正ボタン73をタッチすると、エリア入力欄62に設定されている検索エリアが修正可能となる。
【0053】
ジャンル入力欄64は、地点名称を検索するジャンルを設定する欄である。ジャンルには、例えば、「レジャー」「レストラン」、「ホテル」、・・・などがある。
図示しないが、地点名称検索画面60は、ジャンル設定メニューを備えており、ユーザが所望のジャンルを選択できるようになっている。
【0054】
ナビゲーション装置1は、ジャンル入力欄64で設定されたジャンルにて地点名称の検索を行う。
ジャンル修正ボタン63は、ジャンル入力欄64に設定されたジャンルを修正する際にタッチするボタンである。
ジャンル修正ボタン63をタッチすると、ジャンル入力欄64に設定されているジャンルが修正可能となる。
以上のように、ナビゲーション装置1は、エリアとジャンルを用いて、検索対象とする地点名称を絞り込んでから検索を行うことにより、検索処理量を低減している。
【0055】
検索結果表示欄66は、検索された地点情報を地点名称のリストとして一覧表示するための欄である。図の例では、一度に5件まで表示することができる。
表示順は、例えば、現在位置から近い順など、通常の方法にて設定されるが、パラメータ条件を満たさない対象がある場合、当該対象の表示順は、パラメータ条件を満たす場合よりも低く調整される。
このように、ナビゲーション装置1は、調節した表示順位に基づいて検索した対象(地点情報)を表示する表示手段を備えている。
【0056】
図3に示した検索が行われた日は雨であるため、「岡崎市民プール」は最下位に表示されている。
雨の日にプールを検索するユーザはほとんどいないと予想されるため、「岡崎市民プール」の表示順位を低く設定することにより、ユーザが所望の地点情報を見付けやすくなる。
また、雨であるにもかかわらず「岡崎市民プール」を探しているユーザも、表示順位は低いものの、「岡崎市民プール」を選択することができる。
【0057】
詳細ボタン67は、地点名称ごとに表示され、ユーザが所望の地点名称の詳細ボタン67をタッチすると、ナビゲーション装置1は、当該地点名称に対応する地点情報を地点情報データファイル58から検索してディスプレイ42に表示する。
前ボタン74、次ボタン77は、それぞれ、検索結果表示欄66の地点名称を1件ずつスクロールダウン、スクロールアップするためのボタンである。
ページボタン75、76は、それぞれ、検索結果表示欄66の地点名称をページ単位でスクロールダウン、スクロールアップするためのボタンである。
【0058】
スクロールバー71は、全検索結果のうち、現在表示している結果の位置を表すと共に、スクロールバー71をタッチしてドラッグすることにより、スクロールアップやスクロールダウンを行うことができる。
件数表示欄65には、検索された地点名称の件数が表示される。この例では、3028件となっている。
【0059】
図4は、雨の日にキーワード「プール」に対応する施設が選択されたため、キーワード「プール」のパラメータ条件「対応天気」が「全て」に更新された場合に、検索語「おかざき」を検索した場合の地点名称検索画面60を示した図である。
キーワードデータファイル59は、図2(c)のように学習によって更新されているため、天気が雨であっても「岡崎市民プール」は、通常の表示順位(この場合は最上位)で表示される。
【0060】
図5は、ナビゲーション装置1が行う検索処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ナビゲーション装置1は、検索語の入力を受け付け、当該検索語に対応する地点情報を検索する。また、時計28から現在の月と時刻を取得し、及びデータ送受信装置16を用いてサーバから天気を取得することにより、これらパラメータを取得する(ステップ5)。
【0061】
次に、ナビゲーション装置1は、検索した地点情報を地点名称検索画面60に表示する表示順位を通常の方法で設定する(ステップ10)。
次に、ナビゲーション装置1は、ステップ5で取得したパラメータがパラメータ条件を満たすか否かを各キーワードごとに確認する。
そして、パラメータ条件を満たさないキーワードがあった場合、当該キーワードに該当する地点情報の表示順位が低くなるように表示順位を調節する(ステップ15)。
【0062】
ナビゲーション装置1は、調節済みの表示順位にて地点情報を表示し、ユーザの選択を受け付ける(ステップ20)。
ユーザが地点情報を選択した場合、ナビゲーション装置1は、当該地点情報を目的地に設定する。
更に、ナビゲーション装置1は、ユーザがパラメータ条件を満たさない地点情報を選択したか否かを確認する(ステップ25)。
【0063】
ユーザがパラメータ条件を満たした地点情報を選択した場合(ステップ25;N)、ナビゲーション装置1は、検索処理を終了する。
一方、ユーザがパラメータ条件を満たさない地点情報を選択した場合(ステップ25;Y)、ナビゲーション装置1は、当該パラメータ条件に設定されているカウンタを1だけインクリメントすることによりカウントする(ステップ30)。
【0064】
次に、ナビゲーション装置1は、カウンタのカウント値が所定値に達したか否かを確認する(ステップ35)。
カウント値が所定値に達した場合(ステップ35;Y)、ナビゲーション装置1は、パラメータがパラメータ条件を満たすように当該パラメータ条件を更新して(ステップ40)処理を終了する。
一方、カウント値が所定値に達していない場合(ステップ35;N)、ナビゲーション装置1は、当該カウンタに関連づけてカウンタ値を記憶する(ステップ45)。
【0065】
以上に説明した本実施の形態では、キーワードデータファイル59のパラメータ条件を直接書き換えてパラメータ条件を更新するため、更新後のキーワードデータファイル59を更新前のキーワードデータファイル59に復元することができない。
ところが、キーワードデータファイル59を更新してユーザに特化してカスタマイズした後、車両を他社に売却して他のユーザがナビゲーション装置1を使用する場合も考えられる。
このため、キーワードデータファイル59を初期状態に復元可能に構成するのが望ましい。
【0066】
このようにキーワードデータファイル59を復元可能に構成するためには、図6(a)に示したような履歴データを用いればよい。
即ち、図2(b)に示したキーワードデータファイル59は変更せずに、履歴データにパラメータ条件の変更内容を記録していくのである。
【0067】
図6(a)に示したように、履歴データは、「学習日」、「キーワード」、「変更内容−対象」、「変更内容−内容」の各項目を備えている。
項目「学習日」は、パラメータ条件を変更した日付である。
項目「キーワード」は、パラメータ条件を変更したキーワードである。
【0068】
項目「変更内容−対象」は、パラメータ条件を変更した項目であり、「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」の何れかである。
項目「変更内容−内容」は、パラメータ条件に追加した条件である。図6(a)の例では、キーワード「プール」のパラメータ条件「対応天気」に「雨」が追加されたことを示している。
このように、履歴データは、更新手段による更新履歴を記憶する更新履歴記憶手段として機能している。
【0069】
以上のように、図2(b)のキーワードデータファイル59に図6(a)の履歴データを合わせたものが、図2(c)のキーワードデータファイル59と同等となり、ナビゲーション装置1は、キーワードのパラメータ条件を判断する場合、図2(b)のパラメータ条件に図6(a)の履歴データを追加したものをパラメータ条件として判断する。
即ち、利用時(検索時)には、初期状態のパラメータ条件と、履歴データによるパラメータ条件の論理和用いることにより、学習後のパラメータ条件によって表示順位を調節することができる。
【0070】
このように、パラメータ条件の変更分は全て履歴データに記憶され、キーワードデータファイル59は変更されないため、履歴データを消去することにより容易に初期状態に復元することができる。
このように、ナビゲーション装置1は、更新履歴を用いてパラメータ条件を更新前のものに復元する復元手段を備えている。
【0071】
なお、復元はログ単位(キーワード単位)で行ってもよいし、全てを一括して行ってもよい。
また、図6(a)の履歴データは、キーワードデータからの変更部分のみ記憶しているが、検索効率を高めるために、初期状態のパラメータ条件も合わせて履歴データに記憶し、検索時には履歴データのパラメータ条件を用いて判定を行うように構成することもできる。
【0072】
図6(b)の例は、履歴データの他の例を説明するための図であり、図6(b)のキーワードデータファイル59に項目「履歴データ」が追加されている。
項目「履歴データ」は、キーワードごとに、「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」の各パラメータ条件の追加エリアが形成されている。
例えば、キーワード「プール」に対しては、「対応天気」のパラメータ条件に「雨」が追加されている。
【0073】
このため、ナビゲーション装置1は、キーワード「プール」の対応天気に対しては、「晴れ・曇り」に「雨」を加えたものをパラメータ条件として判断を行う。
この例も、パラメータ条件の初期値と変更値が分離されて管理されているため、項目「履歴データ」に記憶されているパラメータ条件を消去することにより容易に初期状態を復元することができる。
【0074】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
先に説明した実施の形態では、例えば、「岡崎市民プール」や他のプールがキーワード「プール」によってグループ化されており、何れかのプールに対して学習したパラメータ条件の変更が他のプールにも及ぶが、本変形例では、地点情報ごとにパラメータ条件を管理し、パラメータ条件の変更が当該地点情報にだけ及ぶようにする。
【0075】
図7(a)は、本変形例に係る地点情報の論理的な構成の一例を示した図であり、パラメータ条件変更前の初期状態を示している。
当該地点情報は、図2(a)に示した地点情報の各項目に、図2(b)に示したキーワードデータの各項目を追加したものとなっている。
【0076】
このため、図7(a)に示したように、「岡崎市民プール」と「名古屋市民プール」はキーワード的には同じグループに属するものであるが、個別に項目「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」からなるパラメータ条件が設定されている。
ナビゲーション装置1は、表示順位を調節する際に、パラメータがパラメータ条件を満たしているか否かを図7(a)の地点情報を用いて地点情報ごとに判断する。
【0077】
図7(b)は、図7(a)の地点情報を学習により更新したところの1例を示している。
この例は、ユーザが雨の日に「岡崎市民プール」を選択した場合を示しており、「岡崎市民プール」の項目「対応天気」に雨が追加されて「全て」に更新されている。
一方、「名古屋市民プール」の項目「対応天気」に関しては更新されておらず、このようにパラメータ条件の更新は地点情報ごとに行われる。
【0078】
地点情報を図7(b)のように直接更新してしまうと、初期状態に復元できなくなってしまうため、図7(c)のような履歴データを用いて、パラメータ条件の初期状態と変更分を分離して管理するとパラメータ条件を容易に初期状態に復元できるようになる。
図7(b)に示した履歴データは、図6(a)の履歴データの項目「キーワード」を項目「地点ID」としたものである。
【0079】
地点IDごとに、変更したパラメータ条件と、変更した内容を管理することができる。
図7(c)の例では、地点ID「123456」(即ち、岡崎市民プール)のパラメータ条件「対応天気」に「雨」が追加されたことを示している。
又は、図7(d)のように、地点情報ごとに項目「履歴データ」を追加して、地点情報ごとに「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」のパラメータ条件の更新内容を記憶してもよい。
【0080】
次に、本実施の形態の他の変形例について説明する。
本変形例では、キーワードごとにパラメータ条件を保持する一方、履歴データは地点情報ごとに記憶するものである。
図8(a)に示した図は、本変形例に係るキーワードデータの論理的な構成の一例を示した図であり、図2(b)に示したものと同じである。
図8(b)は、本変形例に係る地点データの論理的な構成の一例を示した図であり、図2(a)の地点情報に項目「履歴データ」を追加したものである。
【0081】
本変形例では、初期状態のパラメータ条件の設定は、キーワードデータによってキーワードごとに行うが、パラメータ条件の更新は、地点情報の項目「履歴データ」により地点情報ごとに行うことができる。
例えば、地点情報の「岡崎市民プール」と「名古屋市民プール」は、共にキーワードがプールであり、キーワードデータのキーワード「プール」に対して設定されているパラメータ条件が適用されるが、「岡崎市民プール」に関しては、地点情報において項目「履歴データ」の「対応天気」に「雨」が追加されているため、晴れ、曇り、雨の何れにおいても通常の表示順位で表示される。
一方、「名古屋市民プール」に関しては、パラメータ条件の更新がなされていないため、雨の日には表示順位が低く設定される。
【0082】
以上に述べた本実施の形態、及び変形例では、次のような効果を得ることができる。
(1)地点情報を検索して一覧表示する際に、季節、天気、時間などの車両外部の環境によって決まるパラメータを用いて表示順位を調節することができる。
(2)地点情報に対してパラメータ条件を適当に設定することにより、ユーザが探している可能性の低い地点情報の表示順位を低く設定することができる。
(3)地点情報の表示順位を低く設定しても、検索結果から除外しないため、当該地点情報を探しているユーザも、当該地点情報を選択することができる。
(4)ユーザがパラメータがパラメータ条件を満たさない地点情報を選択した場合、当該パラメータが当該パラメータ条件を満たすように、当該パラメータ条件を更新することができる。
(5)履歴データを用いてパラメータ条件の初期値からパラメータ条件の更新値を分離して管理することにより、パラメータ条件を容易に初期状態に復元することができる。
(6)設定されている目的に対応天候コード(パラメータ条件)が設定されている場合に当該目的地の天候を取得し、対応天候コード外の場合にはその旨をユーザに報知することができる。
【0083】
なお、本実施の形態では、「対応季節」、「対応天気」、「対応時間」なる3つのパラメータ条件によって歴(カレンダー)、天気、時刻の3つのパラメータの判定を行ったが、何れか1つ、又は、何れか2つをパラメータ条件として採用してもよい。
また、例えば、「対応曜日」なるパラメータ条件で曜日の判定をしたりなど、他のパラメータ条件を設定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】ナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図2】地点情報やキーワードデータを説明するための図である。
【図3】地点名称検索画面の一例を示した図である。
【図4】パラメータ条件が更新された後の地点名称検索画面の一例を示した図である。
【図5】検索処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】履歴データを説明するための図である。
【図7】変形例を説明するための図である。
【図8】他の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0085】
1 ナビゲーション装置
10 現在位置検出装置
20 情報処理制御装置
21 CPU
40 入出力装置
41 入力装置
50 情報記憶装置
58 地点情報データファイル
59 キーワードデータファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索語の入力を受け付ける検索語入力受付手段と、
前記受け付けた検索語に対応する対象を検索する検索手段と、
検索した対象に設定されたパラメータ条件を取得する条件取得手段と、
車両外部の環境により決定されるパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記取得したパラメータが前記取得したパラメータ条件を満たすか否かにより、前記検索した対象の表示順位を調節する表示順位調節手段と、
前記調節した表示順位に基づいて前記検索した対象を表示する表示手段と、
を具備したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記取得したパラメータが前記取得したパラメータ条件を満たさない対象をユーザが選択した場合に、当該パラメータが当該パラメータ条件を満たすように当該パラメータ条件を更新する更新手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記更新手段による更新履歴を記憶する更新履歴記憶手段を具備し、
前記記憶した更新履歴を用いて、前記パラメータ条件を更新前のものに復元する復元手段を具備したことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記パラメータは、時刻、天気、歴のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
検索語の入力を受け付ける検索語入力受付機能と、
前記受け付けた検索語に対応する対象を検索する検索機能と、
検索した対象に設定されたパラメータ条件を取得する条件取得機能と、
車両外部の環境により決定されるパラメータを取得するパラメータ取得機能と、
前記取得したパラメータが前記取得したパラメータ条件を満たすか否かにより、前記検索した対象の表示順位を調節する表示順位調節機能と、
前記調節した表示順位に基づいて前記検索した対象を表示する表示機能と、
をコンピュータに実現させるナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−42019(P2009−42019A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206137(P2007−206137)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】