説明

ナビゲーション装置、及びナビゲーションプログラム

【課題】ユーザの移動と表示地図スケールに合わせて推奨物件をより効果的に案内することができるようにする。
【解決手段】表示画面における地図上にユーザAの現在位置を表示するナビゲーション装置100が、道路地図情報記憶部21と、POI情報記憶部22とを備え、道路地図情報に基づいてユーザAの現在位置を特定し、特定した現在位置を基準としたPOIの検索範囲(例えば、表示されている地図範囲)を特定し、特定した検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索し、検索したPOI情報が所定数以上あると判定したことに応じて、所定数以上のPOI情報の出力内容と、出力順序と、各POI情報が示すPOIの地図上の位置とを示す出力情報を作成し、作成した出力情報に基づいて、出力順序に従って地図上におけるPOIの位置に所定の画像を表示し、ユーザAが所定の条件を満たす位置に移動したことに応じて新たにPOI情報を検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示してユーザを目的地まで誘導するナビゲーション装置、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両や人間などの移動体の目的地への到達を支援するための装置として、ナビゲーション装置が知られている。このナビゲーション装置は、例えば、GPS(Global Positioning System)によって移動体の現在位置を導出し、この移動体の現在位置情報と道路地図情報とを基に経路探索処理によって推奨移動経路を求め、この推奨移動経路に基づいて移動経路の自動案内(以下、「経路誘導」という。)を行う。
【0003】
このようなナビゲーション装置には、ユーザの操作とは独立して、ユーザに対して物件を案内(すなわち、物件に関する情報を提示)する機能を有するものがある。
【0004】
このようなナビゲーション装置には、例えば、現在位置に最も近い施設を通過する毎に、施設に関する情報を更新して、更新した施設に関する情報を表示するものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−357432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、移動に伴って案内対象とする物件(推奨物件。POIの一例。)が次々に変化する機能を備えたナビゲーション装置の種類は少なく、例えば、案内する物件の数の大小に応じて表示画面の視認性が悪化する場合があるなど、ユーザへの情報の提供方法に関して十分な検討がなされていないといった問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決すべく、ユーザの移動と表示地図スケールに合わせて推奨物件をより効果的に案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示するナビゲーション装置であって、道路地図情報を記憶する道路地図情報記憶手段と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段と、前記道路地図情報に基づいて前記ユーザの現在位置を特定する現在位置特定手段と、該現在位置特定手段により特定された現在位置を基準としたPOIの検索範囲を特定する検索範囲特定手段と、該検索範囲特定手段により特定された検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索するPOI情報検索手段と、該POI情報検索手段により検索されたPOI情報が所定数以上あるか判定する情報数判定手段と、該情報数判定手段により前記POI情報が所定数以上あると判定されたことに応じて、該所定数以上のPOI情報の出力内容と、出力順序と、各POI情報が示すPOIの前記地図上の位置とを示す出力情報を所定の作成基準に基づいて作成する出力情報作成手段と、該出力情報作成手段により作成された出力情報に基づいて、前記出力順序に従って前記地図上における前記POIの位置に所定の画像を表示するPOI情報出力手段と、前記ユーザが、前記現在位置特定手段により特定された現在位置に対する所定の条件を満たす位置に移動したか判定する移動判定手段とを含み、前記POI情報検索手段は、前記移動判定手段により前記ユーザが前記所定の条件を満たす位置に移動したと判定されたことに応じて新たにPOI情報を検索することを特徴とする。
【0009】
上記の構成としたことで、ユーザの移動と表示地図スケールに合わせて推奨物件をより効果的に案内することができるようになる。
【0010】
前記ユーザの嗜好を示す嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段を含み、前記出力情報作成手段は、前記嗜好情報に基づいて前記POI情報毎の出力内容または出力順序を決定する構成とされていてもよい。
【0011】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、 表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、道路地図情報を記憶する道路地図情報記憶手段に記憶された道路地図情報に基づいて前記ユーザの現在位置を特定する現在位置特定処理と、該現在位置特定処理にて特定された現在位置を基準としたPOIの検索範囲を特定する検索範囲特定処理と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段に記憶されたPOI情報の中から、前記検索範囲特定処理にて特定された検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索するPOI情報検索処理と、該POI情報検索処理にて検索されたPOI情報が所定数以上あるか判定する情報数判定処理と、該情報数判定処理にて前記POI情報が所定数以上あると判定されたことに応じて、該所定数以上のPOI情報の出力内容と、出力順序と、各POI情報が示すPOIの前記地図上の位置とを示す出力情報を所定の作成基準に基づいて作成する出力情報作成処理と、該出力情報作成処理にて作成された出力情報に基づいて、前記出力順序に従って前記地図上における前記POIの位置に所定の画像を表示し、前記POI情報を出力するPOI情報出力処理と、前記ユーザが、前記現在位置特定処理にて特定された現在位置に対する所定の条件を満たす位置に移動したか判定する移動判定処理とを実行させ、前記POI情報検索処理にて、前記移動判定処理にて前記ユーザが前記所定の条件を満たす位置に移動したと判定されたことに応じて新たにPOI情報を検索する処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの移動に合わせて推奨物件をより効果的に案内することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】制御部と記憶部の構成の例を説明するための説明図である。
【図3】POI情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】出力情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】ナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。
【図6】POI情報出力画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置100の構成の例を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable
Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成されるものである。以下、ナビゲーション装置100が、ユーザにより携帯される場合について説明する。
【0016】
図1に示すように、ナビゲーション装置100は、制御部10と、記憶部20と、メモリ30と、出力部40と、センサ部50と、通信部60と、入力部70とを含む。なお、図示しないが、ナビゲーション装置100は、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)等を有する。
【0017】
制御部10は、例えばCPUにより構成され、記憶部20に記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーション装置100に動作制御させるためのコンピュータプログラムであり、ナビゲーションプログラムを含む。)に従い、ナビゲーション装置100を構成する各要素を統括制御し、経路探索機能、経路誘導機能、サービス情報(ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル・旅館といった店舗情報や、有名な施設情報、行楽地情報といったPOI(Point Of Interest)情報)を検索する情報検索機能を含む各種の処理を実行するための各種の機能を有する。なお、これらの各種機能は、一般のナビゲーション装置が備える公知の技術によって実現される。制御部10の構成については、後で詳しく説明する(図2参照)。なお、「POI」とは、「興味のある地点」という広い概念であるが、本例においては、POI情報が「物件」を示す場合について説明する。
【0018】
記憶部20は、ROMやRAMなどで構成され、ナビゲーション装置100が使用する各種コンピュータプログラムや、地図情報などナビゲーション装置として必要な各種情報を記憶する記憶媒体である。記憶部20の構成については、後で詳しく説明する(図2参照)。
【0019】
メモリ30は、制御部10が処理する各種情報を一時的に保持する記憶媒体であり、RAMなどの半導体記憶装置により構成される。
【0020】
出力部40は、各種情報、特に経路誘導に関する情報をユーザが認識可能な形で出力する機能を備え、例えば画像情報を表示する画像表示装置(ディスプレイ装置、モニタ)と、音声情報を音声出力する音声出力装置(スピーカ装置)とを含む。画像表示装置は、道路地図情報とユーザの現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの推奨移動経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって道順などを報知する。
【0021】
また、音声出力装置は、各種音声情報に基づいて各種音声を出力することで、聴覚によって移動経路の道順(例えば、「100m先を右折」など)や、移動経路に関連する情報(例えば、道路名称や交通規制情報、付近のお奨め施設の紹介など)などを報知する。なお、音声出力装置を含む出力部40は、制御部10からの通知を受けて音声案内などを行う。
【0022】
センサ部50は、ナビゲーション装置100の現在位置(すなわち、ユーザの現在位置)を測位する機能を備えており、例えば、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【0023】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0024】
また、センサ部50は、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコード等の処理を行い、制御部10に通知する機能を有する。
【0025】
通信部60は、インターネットなどの通信ネットワークに無線あるいは有線によって接続し、通信ネットワークに接続された管理サーバなどの外部の装置と情報の送受信を行うための機能を有する。
【0026】
入力部70は、制御部10に対する各種指示をユーザから受け付ける機能を備える。本例では、入力部70は、例えば、画像表示装置の表示画面上に表示される操作ボタンなどによって構成される。
【0027】
図2は、本例における制御部10と記憶部20の構成の例を説明するための説明図である。図2に示すように、制御部10は、センサ情報処理部11と、通信処理部12と、検索部13と、検索範囲特定部14と、判定部15と、出力情報作成部16と、POI情報出力部17と、経路探索部18とを含む。
【0028】
センサ情報処理部11は、センサ部50により位置情報や速度情報などのセンサ情報の取得や記憶などを行うための処理を実行する機能を有する。すなわち、ナビゲーション装置100は、センサ情報処理部11により取得した位置情報を後述する道路地図情報と照合することにより、道路地図情報が示す地図上におけるユーザの現在位置(自車位置)を特定する。
【0029】
通信処理部12は、通信部60により各種情報の送受信を行うための処理を実行する機能を有する。
【0030】
検索部13は、後述するPOI情報記憶部22に記憶されたPOI情報の中から、センサ情報処理部11により特定された現在位置を基準とした所定の範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索する処理を実行する機能を有する。本例においては、検索部13は、所定の範囲として、検索範囲特定部14により特定された検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索する。また、本例においては、検索部13は、後述するPOI情報記憶部22に記憶されたPOI情報の中から、所定範囲内(本例においては、特定した検索範囲内)に位置するPOIを示すPOI情報を検索する。なお、検索部13が、通信ネットワークを介して、外部サーバなどに記憶されたPOI情報の中から、所定範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索する構成としてもよい。
【0031】
検索範囲特定部14は、センサ情報処理部11により特定された現在位置を基準としたPOIの検索範囲を特定する処理を行う機能を有する。本例においては、検索範囲特定部14は、表示画面に表示されている地図(すなわち、自車位置を含む地図)の四隅の地図座標を特定して、特定した4つの地図座標を頂点とする4角形で示される範囲をPOIの検索範囲とする。なお、検索範囲の特定方法はこれに限定されず、例えば、進行方向と現在位置と表示地図スケールを基準とした所定形状の範囲を検索範囲とする構成としてもよい。なお、本例においては、検索範囲特定部14は、表示地図のスケールが所定の規準よりも大きいとき(例えば100mスケール以上)、表示されている地図の四隅を検索範囲としないで、自車位置からの特定距離(例えば500m)の範囲を検索範囲とするものとする。
【0032】
判定部15は、判定対象が所定の判定条件を満たしているか否かを判定する処理を実行するための機能を有する。本例においては、判定部15は、検索部13により検索されたPOI情報が所定数以上あるか否かを判定する。また、判定部15は、ナビゲーション装置100のユーザが、検索範囲特定部14が検索範囲を特定する際の基準とした現在位置から特定距離以上移動したかを判定する処理を実行する機能を有する。なお、この移動判定に関して、判定部15が、ユーザの現在位置が検索範囲特定部14により特定された検索範囲に対する所定の条件を満たす位置(例えば、特定したPOIの検索範囲の外側)に移動したか否かを判定する構成としてもよい。
【0033】
出力情報作成部16は、判定部15により、検索部13により検索されたPOI情報が所定数以上あると判定されたことに応じて、所定数以上のPOI情報の出力内容と出力順序とを示す出力情報を所定の作成基準に基づいて作成する処理を実行する機能を有する。本例においては、1画面で表示するPOI情報の数を2つとして、出力情報作成部16は、検索されたPOI情報が3つ以上ある場合に、各POI情報の出力内容と出力順序、および出力時間とを示す出力情報を作成する。なお、検索されたPOI情報が所定数未満である場合には、制御部10が、所定数未満のPOI情報を1画面上に出力する。この場合、制御部10は、少なくとも出力順序と出力時間とを決定するための処理を行わず、ユーザの移動に応じて新たなPOI情報が検索されたことに応じて所定数未満であったPOI情報の出力を終了させる。
【0034】
また、本例においては、出力情報作成部16は、出力内容として予め決められた項目(例えば、POI名称と緯度・経度)に応じた情報を各POI情報から抽出し、出力内容として決定する。なお、本例においては、出力情報作成部16は、POI情報から抽出した緯度・経度と、自車位置を示す座標と、ユーザの進行方向とに基づいて、自車位置から見たPOIの方向と、自車位置からPOIまでの距離(または、道のり)とを特定する。また、出力情報作成部16は、ユーザの現在位置から各POIまでの距離が短い順(すなわち、現在位置に近いPOI順)に出力されるようにPOI情報の出力順序を決定する。また、出力情報作成部16は、ユーザが、新たにPOI情報を検索する条件としての特定距離(例えば、50m)移動するまでに要する時間を、例えばユーザの移動速度から推定して、推定した時間内に全てのPOI情報が出力されるように各POI情報の出力時間を決定する。そして、決定した内容を示す情報を出力情報として作成し、後述する出力情報管理テーブル23に登録する。
【0035】
なお、出力情報作成部16は、ユーザの移動経路が推定可能な場合(例えば、推奨移動経路の案内時)には、ユーザが各POIに接近する順にPOI情報が出力されるように出力順序と出力時間とを決定する構成としてもよい。また、所定の時間間隔(例えば、5秒間隔)を各POI情報の出力時間として設定する構成としてもよい。
【0036】
また、検索部13により検索されたPOI情報が所定数を超えて特定数以上ある場合に、出力内容を少なくして(例えば、出力する内容をPOI名称のみにして)、1画面で表示するPOI情報の数を増加させる(例えば、3つにする)構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザが検索範囲外に移動するまでに出力するPOI情報を増加させることができる。
【0037】
POI情報出力部17は、出力情報作成部16により作成された出力情報に基づいて、出力部40が備える画像表示装置の表示画面にPOI情報を出力する処理を実行する機能を有する。本例においては、POI情報出力部17は、出力情報が示す出力内容のほか、表示画面に表示された地図上において、出力する順番となっているPOI情報(本例においては、後述する出力情報管理テーブル23において表示フラグに「1」が設定されている出力内容。図4参照。)が示すPOIが位置する場所をユーザに報知する所定の画像(例えば、後述する図6参照)を、地図に重畳して表示する。
【0038】
経路探索部18は、出発位置(例えば、ユーザの現在位置やユーザにより入力された位置)から目的地(例えば、地図上のユーザが選択した位置)までの移動経路を導出する経路探索処理を実行する機能を有する。経路探索処理では、例えば、入力部70を介して出発地(例えば、現在位置)と目的地とを示す情報の入力を受け付けて、受け付けた情報に基づいて、道路情報を参照して出発地から目的地までの移動経路を導出するとともに、導出した移動経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、経路探索処理に必要な情報、例えば現在位置の特定や移動経路周辺地図を生成するためなどに用いられる地図情報は、予め記憶部20に記憶されている構成としてもよいし、通信部60により外部の管理サーバなどから取得する構成としてもよい。
【0039】
また、本例における経路探索部18は、探索済みの推奨移動経路に従ってユーザを誘導しているときに、ユーザの操作に応じて、後述するナビゲーション処理(図5参照)において出力されたPOI情報が示すPOIの位置を経由地とする現在位置から目的地までの推奨移動経路を再探索する処理を実行する機能を有する。
【0040】
記憶部20は、図2に示すように、道路地図情報記憶部21と、POI情報記憶部22と、出力情報管理テーブル23とを含む。
【0041】
道路地図情報記憶部21は、所定のグリッド(本例においては、一定の緯度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、道路地図情報記憶部21に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、道路地図情報記憶部21は、交通規制や道路の構成などを示す道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各ノードとリンクに関して経路構成ノード情報と経路構成リンク情報とを記憶する記憶媒体である。すなわち、経路探索部11は、経路探索処理において必要な情報を道路地図情報記憶部21から取得することとなる。以下、適宜地図情報と道路情報とを対応付けした情報を「道路地図情報」と呼ぶ。
【0042】
なお、道路情報は、時期や車両の進行方向によって異なる内容となる場合がある。ここで、本例における道路情報には、各リンクの長さや通過時間を経路コストとして格納されている。また、道路情報は、複数の階層を持っており、本例においては近傍用(全ての道路を格納)、近距離用(細街路以外の道路を格納)、中距離用(県道以上の道路を格納)、遠距離用(高速道、国道を格納)が設定されている。この場合、例えば道路情報を構成するノードとリンクに階層情報を設定するようにすればよい。これにより、経路探索の条件によって経路探索の対象となる道路情報を使い分けることができる。すなわち、例えば現在位置から目的地までの距離が長距離である場合には、間に存在する道路情報の量が膨大になるため、遠距離用が設定された道路情報を用いて経路探索処理を行うことにより、経路探索部11の処理負荷を軽減させることができる。
【0043】
POI情報記憶部22は、案内対象物を示すPOI情報を記憶する記憶媒体である。
【0044】
図3は、POI情報記憶部22におけるPOI情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例におけるPOI情報は、POIを一意に特定するためのPOI‐IDと、POIの名称と、住所と、方向と、距離と、電話番号と、人気ランキングと、紹介記事と、メニューとを含む。
【0045】
ここで、「方向」は、自車位置から見たPOIの方向を意味する。また、「距離」は、自車位置からPOIまでの距離を意味する。
【0046】
なお、各POI情報は、POI情報としての全ての項目に対応するデータを有している必要はなく、例えば、POI−IDとPOI名称、緯度・経度だけを示すPOI情報が含まれていても良い。
【0047】
出力情報管理テーブル23は、出力情報作成部16が作成した出力情報が設定されるテーブルである。
【0048】
図4は、出力情報管理テーブル23における出力情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、本例における出力情報は、出力順序と、POI−IDと、出力内容と、出力時間と、表示フラグとが対応付けされた情報である。
【0049】
ここで、「出力順序」と「出力内容」と「出力時間」とは、上述した出力情報作成部16により決定されるものである。なお、本例においては、出力内容とするPOI情報の各項目(POIの名称など)には優先度が設定されているものとし、例えば、POI情報における「紹介記事」に対応するデータは「電話番号」に対応するデータに優先して出力内容に設定されるものとする。なお、出力内容には、表示画面に表示する文字数の上限などが設定されていてもよい。
【0050】
また、「表示フラグ」とは、出力順となっているPOI情報(ここでは、POI−IDと出力内容)を示すものであり、出力順となっているPOI情報に「1」が設定されるものとする。なお、本例においては、1画面に2つのPOI情報が表示可能である場合を例に説明するため、表示フラグに「1」が設定されるのは2つのPOI情報となる。すなわち、例えば、図4に示す状態でPOI情報を出力する状態が対応する出力時間だけ継続すると、制御部10が、POI−IDが「0101」と「0102」のPOI情報に応じた表示フラグを「0」に変更し、次に出力する順番となるPOI情報を示すPOI−ID「0103」と「0104」の表示フラグを「1」に変更する。
【0051】
なお、出力情報の構成はこれに限定されず、例えば、POI情報が有する画像など、POI情報の全てまたは一部を含むものであればよい。
【0052】
次に、本例におけるナビゲーション装置100の動作について図を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0053】
図5は、ナビゲーション装置100が実行するナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。ナビゲーション処理では、POI(すなわちPOIに関する情報を示すPOI情報)を連続的に検索し続け、その結果をリアルタイムで表示画面上に配置するための処理が行われる。
【0054】
本例におけるナビゲーション処理は、例えば、制御部10が、ナビゲーション装置100のユーザAの現在位置を示す地図の表示を開始したことに応じて開始される。すなわち、本例においては、ナビゲーション処理の開始条件として、探索済みのルート(例えば、推奨移動経路)の有無を問わない。
【0055】
ナビゲーション処理において、先ず、制御部10は、センサ情報処理部11により、ユーザAの現在位置を特定する(ステップS101)。なお、制御部10が、ユーザAから任意の出発地の入力を受け付ける構成としてもよい。
【0056】
ユーザAの現在位置を特定すると、制御部10は、検索範囲特定部14により、特定した現在位置に基づくPOIの検索範囲を特定する(ステップS102)。
【0057】
POIの検索範囲を特定すると、制御部10は、検索部13により、特定した検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索する(ステップS103)。
【0058】
POI情報を検索すると、制御部10は、判定部15により、検索結果が所定数以上のPOI情報を示しているか否かを判定する(ステップS104)。本例においては、判定部15は、検索結果が3つ以上のPOI情報を示しているか否かを判定する。ここで、検索結果が3つ以上のPOI情報を示していないと判定すると(ステップS104のN)、制御部10は、予め設定された表示設定情報(表示画面のレイアウトなどを示す情報)に基づいて、検索したPOI情報を出力する(ステップS105)。
【0059】
図6は、POI情報を出力した表示画面(POI情報出力画面)の例を示す説明図である。図6に示すように、POI情報出力画面は、地図を表示する地図表示領域110と、POI情報を表示するPOI情報表示領域120とを備える。
【0060】
地図表示領域110には、ユーザAの現在位置を示す現在位置アイコンPが、ユーザの現在位置周辺の地図上に重畳して表示される。また、地図上には、POI情報表示領域120に表示されたPOI情報に対応するPOIの位置を示すPOIアイコンG1,G2が表示される。なお、POIアイコンは、通常地図上に表示される他のアイコン(例えば、ガソリンスタンドのアイコンやホームセンターのアイコンなど)とは異なる形態のアイコンであることが好ましい。
【0061】
POI情報表示領域120には、出力情報管理テーブル23に設定されたPOI情報を表示するPOI情報表示窓121と、POI情報表示窓122に表示するPOI情報の変更要求を受け付けるスライドボタン122a,122bと、推奨移動経路に基づく経路案内を行っている場合に目的地(案内地)までの距離などを表示する案内表示領域123と、POI情報の検索を行う距離間隔(本例においては、50m)を示す距離間隔表示領域124とが表示される。
【0062】
なお、検索結果が示すPOI情報が所定数以下である場合には、制御部10が、ユーザAによるスライドボタン122に対する操作を受け付けない構成としてもよいし、ユーザAの操作に応じて、過去に出力したPOI情報を再度表示する構成としてもよい。
【0063】
その他、POI情報出力画面は、メニュー画面の表示要求を受け付けるメニューボタン111や、表示画面の切替要求を受け付ける画面切替ボタン112などを備えるものとする。なお、図6においては、地図表示領域110がPOI情報表示領域よりも小さくなっているが、POI情報出力画面の構成はこれに限定されず、例えば、地図表示領域110をメイン画面とし、POI情報出力画面をサブ画面とする構成(例えば、メイン画面がサブ画面よりも大きい構成や、メイン画面のサブ画面が重畳して配置される構成など)とされていてもよい。
【0064】
POI情報を出力すると、制御部10は、センサ情報処理部11により、ユーザAの現在位置を特定する(ステップS106)。
【0065】
現在位置を特定すると、制御部10は、判定部15により、ユーザAの現在位置が、検索範囲を特定する際の基準とした(すなわち、ステップS101の処理にて特定した)現在位置から特定距離(例えば50m)以上移動したかを判定する(ステップS107)。ここで、現在位置が特定距離以上移動していないと判定すると(ステップS107のN)、制御部10は、POI情報出力画面の表示を継続する(すなわち、ステップS105の処理に移行する)。
【0066】
一方、ユーザAの現在位置が特定距離以上移動したと判定すると(ステップS107のY)、制御部10は、ステップS101の処理に移行する。
【0067】
また、ナビゲーション処理におけるステップS104の処理にて、検索結果が所定数以上(本例においては、3つ以上)のPOI情報を示していると判定すると(ステップS104のY)、制御部10は、出力情報作成部16により、検索結果が示す複数のPOI情報の出力内容と出力順序とを示す出力情報を作成する(ステップS108)。
【0068】
出力情報を作成すると、制御部10は、作成した出力情報と、この場合の表示設定情報とに基づいて、POI情報を出力する(ステップS109)。本例においては、制御部10は、検索結果が所定数以上のPOI情報を示さない場合と同じ形態でPOI情報出力画面を出力する(図6参照)。
【0069】
なお、本例においては、制御部10は、例えばユーザAがPOI情報出力画面におけるスライドボタン122の表示位置を指で押下したことに応じて、出力するPOI情報の変更要求を受け付けたものと判定して、出力順序に基づいて出力するPOI情報を変更するものとする。具体的には、例えば、図4に示すように、出力順序「1」と「2」に対応するPOI情報の表示フラグが「1」のときに、次のPOI情報を出力する旨を示すPOI情報の変更要求を受け付けると(例えば、スライドボタン122aの表示位置に対する押下を受け付けると)、制御部10は、出力順序「1」に対応する表示フラグを「0」にし、出力順序「3」の表示フラグを「1」にする。また、その直後(すなわち、出力順序「3」の出力時間の経過前)に、一度表示したPOI情報を出力する旨を示すPOI情報の変更要求を受け付けると(例えば、スライドボタン122bの表示位置に対する押下を受け付けると)、制御部10は、出力順序「3」の表示フラグを「0」にし、出力順序「1」の表示フラグを「1」にする。なお、本例においては、制御部10は、スライドボタン122a,122bの押下を受け付けたことに応じて、出力中のPOI情報の出力時間の計時をやり直すものとする。
【0070】
POI情報を出力すると、制御部10は、POI情報を出力してから所定時間(本例においては、出力中のPOI情報に対応する出力時間(図4参照))が経過したか否かを判定する(ステップS110)。ここで、所定時間が経過していないと判定すると(ステップS110のN)、制御部10は、POI情報出力画面の表示を継続する(すなわち、ステップS109の処理に移行する)。
【0071】
一方、所定時間が経過したと判定すると(ステップS110のY)、制御部10は、センサ情報処理部11により、ユーザAの現在位置を特定する(ステップS111)。
【0072】
現在位置を特定すると、制御部10は、判定部15により、ユーザAの現在位置が、検索範囲を特定する際の基準とした(すなわち、ステップS101の処理にて特定した)現在位置から特定距離(例えば50m)以上移動したかを判定する(ステップS112)。ここで、現在位置が特定距離以上移動していないと判定すると(ステップS112のN)、制御部10は、POI情報出力画面の表示を継続する(すなわち、ステップS109の処理に移行する)。
【0073】
一方、ユーザAの現在位置が検索範囲を特定する際の基準とした現在位置から特定距離(例えば50m)以上移動したと判定すると(ステップS112のY)、制御部10は、ステップS101の処理に移行する。なお、新たに現在位置周辺のPOIを示すPOI情報を検索して出力するまでは、それまでのPOI情報の出力を継続する構成としてもよいし、ユーザAが移動したことに応じて、検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報の出力を終了する構成としてもよい。
【0074】
ナビゲーション処理は、例えば、ユーザAの操作に応じて制御部10が地図の表示を終えたことにより終了する。
【0075】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、表示装置(例えば、出力部40が備える画像表示装置)の表示画面における地図上にユーザAの現在位置を表示するナビゲーション装置100が、道路地図情報を記憶する道路地図情報記憶部21と、案内対象物(例えば、物件)を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶部22とを備え、道路地図情報に基づいてユーザAの現在位置を特定し、特定した現在位置を基準としたPOIの検索範囲(例えば、表示画面に表示されている「現在位置を含む地図」の四隅の地図座標を特定して、特定した4つの地図座標を頂点とする4角形で示される範囲)を特定し、特定した検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索し、検索したPOI情報が所定数(例えば、3つ)以上あるか判定し、POI情報が所定数以上あると判定したことに応じて、所定数以上のPOI情報の出力内容と、出力順序と、各POI情報が示すPOIの地図上の位置とを示す出力情報を所定の作成基準に基づいて作成し、作成した出力情報(例えば、出力情報管理テーブル23に設定された情報)に基づいて、出力順序に従って地図上におけるPOIの位置に所定の画像を表示し(例えば、POIアイコンG1,G2を表示し)、ユーザAが、特定した現在位置に対する所定の条件を満たす位置(例えば、検索範囲の基準とした現在位置から特定距離以上離れた位置)に移動したか判定し、ユーザAが所定の条件を満たす位置に移動したと判定したことに応じて新たにPOI情報を検索する構成としているので、ユーザの移動と表示地図スケールに合わせて推奨物件をより効果的に案内することができるようになる。
【0076】
すなわち、ユーザの現在位置に応じて案内すべき物件が、表示画面の視認性やユーザにとって快適に視認できるものと考えられる数よりも多い場合に、検索した情報をそのまま提示するのではなく、出力内容を制限し、順次出力することができるようになるので、ユーザの移動に応じた推奨物件の案内をユーザが認識しやすい態様で行うことができるようになる。
【0077】
また、ナビゲーション装置100が、POI情報として位置情報以外の情報(例えば、紹介記事など)をユーザに提供することにより、ユーザが、今見ている物件の予備情報やキャッチコピー文言等の属性情報を確認できるようになる。すなわち、例えば、ユーザがお店に行ったらそのお店が閉まっていたときに、いつならあいているのかをすぐに確認できるようになる。また、ユーザが、「どこかにコンビニがないか?」とか「食べるところはないか?」などと考えた場合に、周辺施設の再検索を行う必要がない。この場合、ナビゲーション装置100が、出力したPOI情報に対するユーザの選択を受け付けて、選択されたPOI情報の詳細をPOI情報記憶部22から読み出して出力する構成とされていることが好ましい。なお、このようなナビゲーション装置100の使用方法は、特に、ユーザが徒歩で移動する場合に有効である。
【0078】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、道路地図情報に基づいて、所定の縮尺(スケール)で特定した現在位置を含む地図を表示画面(例えば、出力部40が備える画像表示装置の表示画面)に表示し、表示画面に表示された地図の範囲(例えば、表示画面に表示されている地図の四隅の地図座標を特定して、特定した4つの地図座標を頂点とする4角形で示される範囲)をPOIの検索範囲に特定する構成としているので、表示地図スケールに合わせたPOIの検索を実行することができるようになり、より効率的に推奨物件を案内することができるようになる。
【0079】
また、上述した実施の形態では、出力情報(例えば、出力情報管理テーブル23に設定される出力情報)は、各POI情報が示すPOI(例えば、ユーザAの現在位置周辺に位置するPOI)の地図上の位置(例えば、緯度・経度)を含み、ナビゲーション装置100が、出力順序に応じて、地図上におけるPOIの位置に所定の画像を表示する(例えば、POIアイコンG1,G2を表示する)構成としているので、案内対象物件(例えば、POI情報表示領域120に表示したPOI情報が示すPOI)を動的に地図上にプロットすることができるようになる。また、これにより、表示画面に、現在位置に応じた地図の表示変更以外の「動き」を与えることになるので、ユーザの興味を引くことができるようになる。なお、移動時の安全を阻害しないようにするため、ユーザの移動速度が所定速度以上である場合や、交通事故多発地点に接近したときなどには、ナビゲーション装置100が、POI情報の出力を停止する構成としてもよい。また、POI情報を音声出力に切り替える構成としてもよい。
【0080】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、出力情報により出力順であることを示されているPOI情報(例えば、出力情報管理テーブル23において表示フラグに「1」が設定されているPOI情報)のみを出力する(例えば、POIアイコンG1,G2を表示する)構成としているので、情報過多による表示画面の視認性の低下を防止することができるようになる。
【0081】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、ユーザAの現在位置から各POIまでの距離に基づいて出力順序を決定する(例えば、ユーザの現在位置から各POIまでの距離が短い順に出力されるようにPOI情報の出力順序を決定する)構成としているので、ユーザに近い位置にあるPOIを優先して案内することができるようになり、ユーザが案内対象に興味を抱く可能性を高めることができるようになる。
【0082】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置100が、ユーザAの嗜好を示す嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶部を備え、嗜好情報に基づいてPOI情報毎の出力内容または出力順序を決定する構成としてもよい。すなわち、例えば、ユーザの嗜好情報として予めPOIのジャンル(カテゴリ)を登録しておき、登録したジャンルに該当するPOIを示すPOI情報のみを検索する構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザの嗜好に応じたPOI情報を優先して案内することができるようになる。また、駐車場を絞り込みジャンルとして定義した場合、ユーザが目的地とした駐車場がなくても、あわてずに次の物件に移動することができるようになる。また、場合によっては、一本裏路地の駐車場がヒットし、「この辺で止めちゃうか?」といったユーザの行動欲求にも対応できるようになる。このようなナビゲーション装置100の使用方法は、特に、ユーザが車で移動する場合に有効である。
【0083】
また、出力情報の作成基準はこれに限定されず、例えば、ナビゲーション装置100がユーザの行動履歴を蓄積する機能を有している場合には、ユーザの訪問履歴のないPOIを示すPOI情報を優先して出力する構成としてもよいし、逆に、ユーザの訪問履歴のないPOIを示すPOI情報を優先して出力する構成としてもよい。また、出力情報の作成基準がユーザにより設定可能な構成としてもよい。
【0084】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、所定数以上(例えば、3つ以上)のPOI情報それぞれの出力時間を所定の決定規則に従って決定し(例えば、新たにPOI情報を検索する条件としての特定距離(例えば、50m)移動するまでに要する時間を、ユーザの移動速度から推定して、推定した時間内に全てのPOI情報が出力されるように各POI情報の出力時間を決定し)、決定した出力時間を含む出力情報を作成する構成としているので、ユーザによる操作を受け付けることを待たずに、出力するPOI情報を変更することができるようになる。また、移動を問わずに所定の時間間隔で出力するPOI情報を変更する(すなわち、出力情報を更新する)ので、ユーザの移動に応じて出力するPOI情報を変更する場合に比べて、ユーザにとっての情報の見易さを高めることができるようになる。特に、移動に応じて出力情報を更新すると出力時間が短くなってしまうような場合に、出力する情報を見やすくできるようになる。この場合、例えば、ユーザの移動速度に応じてPOIの検索範囲の大きさを変更する構成としてもよい。すなわち、例えば、ユーザの移動速度が速いほどPOIの検索範囲を移動方向に向かって広い範囲に特定する構成としてもよい。
【0085】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、特定した現在位置に対する所定の条件を満たす位置(例えば、検索範囲を特定する際の基準とした現在位置から50m以上離れた位置)に移動したか判定し、ユーザAが特定した現在位置に対する所定の条件を満たす位置に移動したと判定したことに応じて、新たにPOI情報を検索する構成としているので、ユーザの移動に応じてPOIを連続的に検索し続け、その結果をリアルタイムで出力することができるようになる。
【0086】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置100が、表示画面に表示中の地図上(例えば、POI情報出力画面における地図表示領域110に表示中の地図上)に出力順であることを示されているPOI情報(例えば、出力情報管理テーブル23において表示フラグに「1」が設定されているPOI情報)が示すPOIの位置が含まれているか否かを判定し、地図上にPOI情報(例えば、出力情報が含むPOI情報)が示すPOIの位置が含まれていると判定したことに応じてPOI情報を出力し、地図上にPOI情報が示すPOIの位置が含まれていないと判定したことに応じてPOI情報の出力順序を後回しにする(例えば、出力対象を次の候補へスライドする)構成としてもよい。この場合、ナビゲーション装置100が、ユーザAの現在位置の移動に応じて、後回しにしたPOI情報が示すPOI位置が地図上に現れたときに、後回しにしたPOI情報を出力する構成としてもよい。
【0087】
また、ナビゲーション装置100が、表示画面に表示中の地図上にPOI情報が示すPOIの位置が含まれていないと判定したことに応じて、表示する地図のスケールを、ユーザAの現在位置とPOI情報が示すPOIの位置とが含まれるように変更する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、ユーザの進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、特に、推奨物件などを積極的にユーザに案内するナビゲーション装置の利便性を向上させるのに有用である。
【符号の説明】
【0089】
10 制御部
11 センサ情報処理部
12 通信処理部
13 検索部
14 検索範囲特定部
15 判定部
16 出力情報作成部
17 POI情報出力部
18 経路探索部
20 記憶部
21 道路地図情報記憶部
22 POI情報記憶部
23 出力情報管理テーブル
30 メモリ
40 出力部
50 センサ部
60 通信部
70 入力部
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示するナビゲーション装置であって、
道路地図情報を記憶する道路地図情報記憶手段と、
案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段と、
前記道路地図情報に基づいて前記ユーザの現在位置を特定する現在位置特定手段と、
該現在位置特定手段により特定された現在位置を基準としたPOIの検索範囲を特定する検索範囲特定手段と、
該検索範囲特定手段により特定された検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索するPOI情報検索手段と、
該POI情報検索手段により検索されたPOI情報が所定数以上あるか判定する情報数判定手段と、
該情報数判定手段により前記POI情報が所定数以上あると判定されたことに応じて、該所定数以上のPOI情報の出力内容と、出力順序と、各POI情報が示すPOIの前記地図上の位置とを示す出力情報を所定の作成基準に基づいて作成する出力情報作成手段と、
該出力情報作成手段により作成された出力情報に基づいて、前記出力順序に従って前記地図上における前記POIの位置に所定の画像を表示するPOI情報出力手段と、
前記ユーザが、前記現在位置特定手段により特定された現在位置に対する所定の条件を満たす位置に移動したか判定する移動判定手段とを含み、
前記POI情報検索手段は、前記移動判定手段により前記ユーザが前記所定の条件を満たす位置に移動したと判定されたことに応じて新たにPOI情報を検索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記道路地図情報に基づいて、所定の縮尺で前記現在位置特定手段により特定された現在位置を含む地図を前記表示画面に表示する地図表示手段を含み、
前記検索範囲特定手段は、前記表示画面に表示された地図の範囲を前記POIの検索範囲に特定する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ユーザの嗜好を示す嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段を含み、
前記出力情報作成手段は、前記嗜好情報に基づいて前記POI情報毎の出力内容または出力順序を決定する
請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
道路地図情報を記憶する道路地図情報記憶手段に記憶された道路地図情報に基づいて前記ユーザの現在位置を特定する現在位置特定処理と、
該現在位置特定処理にて特定された現在位置を基準としたPOIの検索範囲を特定する検索範囲特定処理と、
案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段に記憶されたPOI情報の中から、前記検索範囲特定処理にて特定された検索範囲内に位置するPOIを示すPOI情報を検索するPOI情報検索処理と、
該POI情報検索処理にて検索されたPOI情報が所定数以上あるか判定する情報数判定処理と、
該情報数判定処理にて前記POI情報が所定数以上あると判定されたことに応じて、該所定数以上のPOI情報の出力内容と、出力順序と、各POI情報が示すPOIの前記地図上の位置とを示す出力情報を所定の作成基準に基づいて作成する出力情報作成処理と、
該出力情報作成処理にて作成された出力情報に基づいて、前記出力順序に従って前記地図上における前記POIの位置に所定の画像を表示するPOI情報出力処理と、
前記ユーザが、前記現在位置特定処理にて特定された現在位置に対する所定の条件を満たす位置に移動したか判定する移動判定処理とを実行させ、
前記POI情報検索処理にて、前記移動判定処理にて前記ユーザが前記所定の条件を満たす位置に移動したと判定されたことに応じて新たにPOI情報を検索する処理を
実行させるためのナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−167970(P2012−167970A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28076(P2011−28076)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】